JP2004249563A

JP2004249563A - Ornament and method for producing ornament

Info

Publication number: JP2004249563A
Application number: JP2003041788A
Authority: JP
Inventors: Tokiaki Fujimori; 常昭藤森
Original assignee: MARUJOU ALUMITE KK; Master Mind Co Ltd
Current assignee: MARUJOU ALUMITE KK; Master Mind Co Ltd
Priority date: 2003-02-19
Filing date: 2003-02-19
Publication date: 2004-09-09

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To elaborately reproduce a pattern which has the texture of an aluminum material and is free from bleeding and good in fixing properties and to be excellent in lightfastness, weatherability, etc. <P>SOLUTION: An aluminum substrate part 1 is subjected to anodic oxidation to form an alumite layer 2 of 10-25 μm thickness. Ink droplets 3a containing an inorganic pigment etc., are ejected directly onto the alumite layer 2 by using a jet printing device, and a color image 3 to be an ornament part is printed/formed. The aluminum content of the aluminum material is at least 99%, and the thickness of the alumite layer is 15-20 μm. Stepped parts A and B or recesses exist in a part of the ornament part 3. When ink printing is also applied to the stepped parts A and B or the recesses, the fixing properties of the ornament part 3 are improved, so that an ornament becomes excellent in lightfastness, weatherability, appearance, etc., to improve its commercial value. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミ材の表面に印刷が施された装飾品及びその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、印刷技術の高度化等により、忠実かつ精細な図や絵を表面に形成させた商品が数多く見られる。また、日本においては、遊び心をくすぐるいわゆるプリクラ（写真画像をシート上に多数配置した状態で、その場で印刷するもの）なども人気がある。このような観点から、写真画像の上に精細な画像を施した商品を提供できることが、商品の販売戦略に重要な意味を持ってきている。
【０００３】
一方、従来から、木質材やガラス材や金属材などの材料上に画像等を描いた商品は種々知られている。木質材には、象眼や彫金等が施されている。また、ガラス材を利用したものにステンドグラス等が知られている。また、金属材の場合には、シルク印刷等が利用されている。
【０００４】
金属材の一つにアルミ材が存在する。アルミ材の上に模様を形成させるには、従来は、写真法といわれる方法、例えば陽極酸化された基板上に水溶性の感光剤を塗布、感光、現像し、その後、染料あるいは顔料で着色する方法がある。この方法では、複数の図柄の原版を用いてその原版の数に相当する前記工程を繰り返し、図や絵を基材の上に形成させたり、浸透法といわれる方法、例えばスクリーン印刷機を用いて、複数の印刷用スクリーンを取り換えながら、浸透性インクを使用し、印刷、着色して、必要とする図柄を基材上に形成させている。
【０００５】
また、特許文献１（特開平１１−３２６５４８号公報）に吐出装置を用いて純アルミニュウム基板等の金属材上に、図柄を形成をさせる方法の開示がある。また、特許文献２（特開２００１−１１３６２６号公報）には、アルマイト層を形成し、そのアルマイト層の上に熱可塑性樹脂を形成した後、接着剤層を介してインク受容層を形成する発明が開示されている。この発明では、このインク受容層に顔料インクによる着色模様が施される。さらに、特許文献３（特開２００２−１９２６０号公報）には、軟質アルマイトを生成した後に、そのアルマイト上に、染料系のインクを用いて印刷する発明が開示されている。
【０００６】
【特許文献１】特開平１１−３２６５４８号公報（第６頁段落番号００５０，００５１）
【特許文献２】特開２００１−１１３６２６号公報（要約書）
【特許文献３】特開２００２−１９２６０号公報（要約書）
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
従来、上述のような方法が採用されているが、これらの方法では、下記のような問題点が存在している。すなわち、写真法、スクリーン印刷法や特許文献１記載の発明では、対象とする部材が、例えば、部分的にでも曲面、凹凸面、段差面等を有していると、その部分にも所定の模様を付与させることは実質的に不可能となるために、その部分を避けて加工することが必要となる。このため、面白みのある印刷はできず、印刷しようとする商品の展開範囲も限られたものとなる。
【０００８】
写真法やスクリーン印刷の場合、写真製版による原版を必要とし、それらは必要とする色の数、その各色毎に原版を作成する必要がある。また、その色の数が増加するに従い、絵柄の位置合わせのために、精巧な治具が必要とされ、それでもなお、精巧さにおいて満足できる製品は得難い状況である。また、カラー絵柄に用いられる印刷原版としては、金属あるいは繊維を用いたメッシュを使用して複数に色分解された原版（例えばスクリーン印刷板）を使用することとなるので、細密な図柄を再現するには不十分である。
【０００９】
また、特許文献１記載の発明では、アルミニュウム等の金属材の表面にインク受容層を形成し、インクジェット装置で画像を描くことで、確かに、時計用文字盤が簡単に製造することができるというメリットが発生している。しかし、この特許文献１には、アルミニュウム基板にアルマイト処理をして、アルミナ多孔質からなるインク受容層を設けることが記載されているのみであり、現実には、この方法では製品は製造されていない。これは、アルミナ多孔質層だけでは十分な印刷品質が得られないためである。このため、現状では、印刷前にアルマイト表面にアンダーコートを施している。このように、理論上は、アルミナ多孔質層に直接インクジェット印刷を行うことは可能とされているが、現実には、印刷前にアンダーコートを必ず施している。
【００１０】
また、特許文献２では、アルマイト層上に、接着剤としてインク受容層いわゆるアンダーコートが施されている。このように、アルミの表面にアンダーコートが施されると印刷品質はかなり向上するが、アルミ材の質感が損なわれてしまう。仮に、この問題を避けようとして印刷する部分にのみアンダーコートを施すとすると、アンダーコートされた部分と印刷部分との位置合わせが必要になり、製造時間の増大、印刷部分とアンダーコート部分の位置ずれによる品質低下等の問題が発生してくる。
【００１１】
このため、従来では、アンダーコートは、アルミ材の全面に施される。この結果、アルミ材上に印刷が施される場合、アルミの材質感が損なわれている。これを避けるため、アルミ材の場合には、上述した写真法やスクリーン印刷が行われている。この従来方法では、上述したような種々な問題を抱えることとなる。また、最近では、レーザーで模様を描き、その描画部分に黒インクを密着させる方法も開発されているが、カラー化に対応できない問題を有している。
【００１２】
さらに、特許文献３記載の発明は、時計用文字盤への印刷の際に顔料を使用した場合、その粒子が大きいため受容層の孔に十分受容されず定着しがたいという特許文献１記載の発明の問題点を改善するものであり、特許文献３記載の発明は、その改善を確かに行っている。しかし、この発明は、例えばアルマイト層（アルミ酸化膜）を有するアルミニュウムの基板を加熱するとともに、インクとして染料等のものを用いることで、特許文献１記載の発明を改善しているため、加熱装置が必要になるとともに、染料系のインクに限定されてしまう。しかも、基板を加熱するに当たっては、基板を均等に加熱する必要があり、加熱のための最適条件設定に時間がかかってしまうという問題も発生する。
【００１３】
本発明は、上述の課題点を解決するために創作されたもので、その目的とするところは、アルミ材の質感を生かすとともに、にじみが無く、定着性も良い図柄を、段部や凹部が存在していても、簡単かつ精巧に、しかも低コストにて、表示できる装飾品およびその製造法を提供することである。
【００１４】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明の装飾品は、アルミニュウム材からなる基材部と、その基材部上に形成された厚さが１０〜２５μｍのアルマイト層と、噴射印刷装置から噴射されるインクによってアルマイト層の表面に直接に印刷された装飾部と、を有するものとしている。
【００１５】
この装飾品は、アルマイト層の厚さを１０〜２５μｍの範囲とすることで、インクに顔料を使用してもにじみがなく、定着性も良い印刷画像（装飾部）を有するものとなる。しかも、アルマイト層の厚さが２５μｍ以下であるため、アルミ材の表面を鏡面加工した際にも、その鏡面の光沢感が落ちることはない。
【００１６】
また、他の発明は、上述の発明に加え、アルマイト層は、鏡面加工された基材部に設けられているとともに、アルマイト層に形成される細孔の径を０．０２〜０．０２５μｍのものを含むものとし、インクを細孔の径と同程度となる粒子径を有する無機顔料からなるカラーインクとしている。
【００１７】
この構成を採用すると、耐光性，耐候性に優れた装飾品とすることができる。しかも、基材部のつや（光沢）を生かした装飾品とすることができる。
【００１８】
さらに、他の発明は、上述の各発明の装飾品に加え、アルマイト層の表面に形成される細孔の壁と底部にインクが付着しているとともに、細孔内には空気が閉じこめられていないようにしている。
【００１９】
この発明の装飾品は、印刷された装飾部の定着性が良いものとなる。このため、封孔処理やトップコートを不要としても、十分な品質を有する製品とすることができる。
【００２０】
また、他の発明は、上述の各発明の装飾品に加え、アルミニュウム材をアルミニュウムの含有量が９９％以上の材料とし、アルマイト層を１５〜２０μｍとし、装飾部の一部に段部または凹部が存在し、その段部または凹部にもインク印刷がなされている。
【００２１】
この発明では、印刷された装飾部の外観が、白紙上にかかれた場合と同様となり、見た目が極めてきれいなものとなる。また、アルマイト層の膜厚が２０μｍ以下とされているので、にじみが一層少なくなるとともに、膜厚が１５μｍ以上とされているので、インクの密着性が一層良くなる。さらに、段部または凹部にも印刷がなされているので、趣味性や趣向性が増すものとなる。
【００２２】
また、本発明の装飾品の製造方法は、アルミニュウム材からなる基材部の表面に１０〜２５μｍの厚さのアルマイト層を形成した後、そのアルマイト層の表面に噴射印刷装置から噴射されるインクによる印刷によって、直接に装飾を施している。
【００２３】
この製造方法を採用すると、インクに顔料を使用しても、にじみが少なく、定着性も良い装飾をアルミ材上に印刷することができる。しかも、アルマイト層の厚さが２５μｍ以下であるため、アルミ材の表面を鏡面加工した際にも、その鏡面の光沢感が落ちることはない。
【００２４】
また、他の発明は、上述の発明の装飾品の製造方法に加え、アルミニュウム材としてアルミニュウムの含有量が９９％以上の材料を使用し、アルマイト層の形成の際に硫酸浴または蓚酸浴を採用している。
【００２５】
この発明によると、印刷された装飾の外観が、白紙上にかかれた場合と同様となり、見た目が極めてきれいなものとなる。しかも、アルマイト層を形成する際に、硫酸浴を採用することで、仕上がりの良い外観や耐摩耗性の優れた装飾品を得ることができる。また、蓚酸浴を採用すると、アルマイト層が形成しやすくなると共に、蓚酸浴を昔から採用している食品業界向けに好ましいものとなる。
【００２６】
さらに、アルマイト層の厚さを１５〜２０μｍとし、アルマイト層に形成される細孔をその径が０．０２〜０．０２５μｍのものを含むものとするのが好ましい。
【００２７】
この方法を採用すると、アルマイト層の膜厚が２０μｍ以下とされているので、にじみが一層少なくなるとともに、膜厚が１５μｍ以上とされているので、インクの密着性が一層良くなる。また、細孔をその径が０．０２〜０．０２５μｍとなるものを含むようにしているので、０．０２５μｍ以下の粒子径または０．０３μｍ程度の粒子径を有する顔料を利用することが可能となり、インクジェットプリンタで採用されている染料や顔料インクが利用可能となる。
【００２８】
また、インクとして、顔料の粒子径が細孔の径と同程度以下のものを含む無機顔料を使用するのが好ましい。
【００２９】
この種のインクを採用すると、インクの定着性が優れたものとなり耐光性、耐候性に優れたものとなる。また、粒子径が小さいものを含むので、噴射装置のノズルの目ずまりが生じにくいものとなり、長期間安定的に印刷が可能となる。
【００３０】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照にしながら詳細に説明する。
【００３１】
図１に、本発明の実施の形態に係る装飾品１０の要部斜視図を示す。図２は、この装飾品１０を図１のＸ−Ｘ線で切断してその断面を観察した状況を示している。
【００３２】
この装飾品１０は、ものさしとして利用されるもでの、製品の基本的な構造を維持する基材部１と、この基材部１上に形成された１５〜２０μｍのアルマイト層２と、このアルマイト層２の表面にインクジェットプリンタによって、装飾部となる印刷されたカラー画像３とを有している。なお、アルマイト層２は、基材部１の表面を酸化させることで形成されるアルミニュウム酸化膜であり、実際には多孔質に形成されている。また、カラー画像３は、多数のインクの粒滴３ａで構成されている。図２では、印刷インク３ａが粒状をしているものとして示すとともに、付着されている状況を模式的に示している。
【００３３】
この装飾品１０では、アルマイト層２の厚さ（皮膜厚さ）が１５〜２０μｍとされ、インクとしては無機顔料が使用される。また、装飾品１０の一部には段部Ａ、Ｂが設けられ、この両段部Ａ、Ｂにもカラー画像３が印刷されている。
【００３４】
次に、装飾品１０を製造するに当たっての条件や製造法について述べる。
【００３５】
装飾部すなわちカラー画像３が施される基材部１は、アルミニュウム材とされている。どのようなアルミニュウム材を採用するかの選択は、薬品や、人体の汗などの化学的な耐食性、機械加工性、例えばプレス加工、切断加工、研磨性などの機械加工特性と、陽極酸化（アルマイト）の特性、さらにアルマイト後の仕上がり外観例えば色調、面粗度などを考慮して決められる。
【００３６】
さらに、基材部１として採用されるアルミニュウム材としては、次のような点に注意して選択される。すなわち、アルミニュウム本体の添加金属あるいは不可避的に含まれる不純物で、特にイオン化したときに有色を呈する金属、例えば銅とか鉄などが多いものは、陽極酸化後の色調が黄味を帯びたり、くすんだりすることがあり、製品の出来映えに少なからず影響するので避けた方がよい。しかし、マグネシュウムは、色調や酸化膜の反射率には影響が少ないことから、外観上の特性として選択するには、それほど気にする必要はない。
【００３７】
本発明の実施の形態では、材料として９９．００％以上のアルミニュウム含有量のもの、例えばＡ−１０５０，Ａ−１０５２を選択している。これらの材料は、陽極酸化によってほぼ白色ないしは無色に近い被膜（アルマイト層２）を形成させることができる。このことから、化学研磨をしなくても、後述する印刷されたカラー画像３の外観が、原画とあまり変わりないものとなる。なお、外観をあまり考慮しなければ、Ａ−１０５０，Ａ−１０５２等の純度の高いアルミニュウムではなく、純度の低いものや白色以外の地色を有するその他のアルミ材料としても良い。このような材料を使用した場合であっても、精密できれいなカラー画像３を、インクジェットプリンタによる印刷によって形成させることは可能である。
【００３８】
アルマイト層２を形成するための陽極酸化にあたっては、電解液としては通常硫酸浴あるいは蓚酸浴が採用される。この実施のの形態では比較的純度の高いアルミニュウムを採用していること、また仕上がりの良い外観を確保したいため、さらには硫酸浴の方が、耐摩耗性の優れたものが得られるとともに、多孔質の性能も良く、酸化膜の被膜厚さも大きくできることから、硫酸浴を使用する。なお、酸化膜がのりやすいことおよび食品業界で昔から採用されていることから、蓚酸浴を採用しても良い。
【００３９】
使用するアルミニュウム材料、すなわち基材部１の表面は、化学的にあるいは機械的に粗化されたものも使用できるが、光の反射を考慮すると鏡面が好ましい。鏡面を得るには、スキンパスや羽布等の機械的な加工による光沢付与、化学研磨、電解研磨等が考えられるが、本発明では鏡面であればそれを得る方法にはこだわらない。また、鏡面にこだわらない場合は、基材部１を鏡面としなくても良い。
【００４０】
表１に、被膜となるアルマイト層２の厚さと耐摩耗性の関係をを示す。なお、ここで、耐摩耗性の回数とは、アルミニュウム素地が露出するまでこすった回数で、指数とは、厚さ１０μｍのものの回数（４７回）を１としたときの、他の膜厚の耐摩耗性を示す数値である。また、比耐摩耗性とは、１μｍ当たりの耐摩耗性（回数／皮膜の厚さ）を示すものである。
【表１】

【００４１】
図３に、鏡面化された基材部１に形成されるアルマイト層２、すなわち、多孔質に形成されているアルマイト層２である陽極酸化膜を模式的に示す。酸化膜の全体構造に相当する管状組織４の中央に、多孔質を形成する管状の細孔５が形成されている。管状組織４に形成される細孔５は、上層での被膜の横断面が、基材部１の表面に対し垂直で全体が円管状とされ、あたかも肉厚の試験管を互いに密着させて並べたような形状となっている。細孔５の下層は、上層のような単純な形状を呈してはいない。これらについては、電解条件（電解液の種類、電圧、温度など）によって、細孔５の孔径、長さ、表面密度、下層構造など種々異なることが知られている。
【００４２】
カラー画像３を希望する品質に仕上げるためには、陽極酸化処理を注意深く行う必要がある。それは、後述する理由から多孔質被膜すなわち多数の細孔５を有している管状組織４の細孔５の径を、陽極酸化膜である管状組織４を脆弱にすることなく、可能な限り大きくしたいためである。それには表１に示される耐摩耗性や経済性（処理時間、回数）を考慮して、アルマイト層２の厚さを１５〜２０μｍ、細孔５の径を０．００１〜０．０２５μｍの大きさで生成させるのが好ましい。アルマイト層２の厚さを厚くすると、細孔５の径と深さが大きくなり、顔料の粒子が細孔５に２つ以上入り込み、インクが滲むこととなる。一方、アルマイト層２の厚さを薄くすると、細孔５の径と深さが小さくなり、顔料の粒子が細孔５に１つも入らなくなったり、細孔５に引っかからなくなったりして、インクが定着しないこととなる。
【００４３】
アルマイト層２（被膜）の厚さや細孔５の径は、電解条件の一つである温度によって変化することから、１５〜２５℃の温度とし、好ましくは、その変動範囲を±２℃にコントロールするのが良い。さらに、電解液の濃度や成分は、硫酸１５％を基準にして調整する。しかし、実際には陽極酸化において、金属の溶出、水分の蒸発などが起こり、電解液は変化しやすい。このため、定量的な分析管理に加えて、溶出する不純物等の変化を管理するため、常時ボーメ度を管理するのがよい。この管理が崩れると、被膜の外観に少なからず悪影響をもたらす。
【００４４】
このようにして、陽極酸化された基板すなわち、アルマイト層２を表面に有する基材部１を形成する。この後、アルマイト層２付きの基材部１を乾燥した後、噴射印刷装置、例えばインクジェット印刷機により噴射印刷を行う。この場合において、噴射印刷装置を選択するにあたっては、インク吐出量の目安としてその装置のｄｐｉ（ＤｏｔＰｅｒＩｎｃｈ）と、それに使用するインクの顔料の粒子径と、管状組織４の細孔５の径との関係を十分考慮する必要がある。これらの関係が、製品品質いいかえると出来映えに決定的に影響する。
【００４５】
装飾品１０の外観の色彩面を左右する顔料の粒子径については、アルマイト層２，すなわち管状組織４の細孔５の径との関係から、０．０２５μｍ以下が好ましいが、実質的にはその近辺の粒径であれば、実用的には差し支えない。また、細孔５への引っかかりによる定着強度アップを考慮した場合には、細孔５の径の数倍、時には数十倍の粒径を有する顔料としても良い。
【００４６】
実際には、インクに使用する顔料そのものの製造工程から考えると、次の点が考慮されるべきである。すなわち、顔料は、それぞれの顔料に特有な一定の大きさをもつ粒子、すなわち単結晶から多結晶の一次粒子からなるが、その後の顔料製造工程の経過の中で、粒子同士が凝集して二次粒子として形成されたものが、実際に供用されている。ちなみに、顔料の一次粒子の径は、一般には無機顔料については、０．１〜数μｍで、有機顔料については０．０１〜０．１μｍである。そして一次粒子同士が凝集し二次粒子となり、その二次粒子の大きさが色相、着色力、隠蔽力などの顔料特性に影響を及ぼす。
【００４７】
カラーベースの作成工程で、分散処理などを経て得られる実際の顔料粒子は、有機顔料で０．０２〜１μｍ、無機顔料で０．１〜１μｍ、カーボンブラックで０．０３〜０．１μｍと言われている。実際に分散機等で０．０２５μｍ以下にすることは可能であり、本実施の形態では、０．０２５μｍ以下の粒子径のものを利用している。但し、過去に実用に供されているインク用の顔料の粒子は、０．０３μｍ位の直径であり、その種のものを利用しても良い。また、細孔５への引っかかりによる定着を考慮した場合には、０．１〜０．５μｍの粒子径のものが相当程度、たとえば３０〜６０％あれば、インクの定着性が良くなる。
【００４８】
この顔料の粒径を考慮すれば、有機染料系は、粒径が０．００３μｍ以下だとされていることから、印刷インクが細孔５に浸透しやすくなり、基材部１との密着性を維持するには好ましいが、耐候性、耐紫外線性（耐光性）等から顔料系、特に無機顔料系より劣る。有機染料系では、特に黄色系、赤系は褪色し易く、その製品を長期に使用する場合、信頼性に問題が生ずるので、本実施の形態に係るインクとしては、無機顔料を選択した。なお、ユーザーの希望に合致すれば、無機顔料の代わりに有機顔料を採用しても良い。また、必要によっては有機染料を採用しても良い。
【００４９】
本実施の形態において使用可能な無機顔料には、酸化物、水酸化物、硫化物、フェロシアン化物、クロム酸塩，硅酸塩、炭酸塩、リン酸塩、金属粉、炭素などが存在する。種々な無機顔料中の任意な顔料を選択可能である。ちなみに、有機顔料を使用するとしたら、染付レーキ、アゾ（溶性アゾ、不溶性アゾ、縮合アゾ、アゾ錯塩）、フタロシアニン顔料、縮合多環、ニトロ、ニトロソ、昼光蛍光顔料などが使用可能である。
【００５０】
インクに使用する顔料の粒子の形状は、単結晶から多結晶のそれぞれの顔料に特有な大きさと形からなり、また同一の化学組成の顔料であっても、その製造条件によって異なることが知られている。その形には、定形と無定形とがあり、定形には球状、粒状、板状、片状、棒状、針状などがあり、顔料の着色力等から製造条件が設定されている。
【００５１】
管状組織４の細孔５の径の大きさは、電解液の種類に関係し，また細孔５の表面密度は電解液の種類と電圧に関係していることから、適正な条件の組み合わせを適宜選択することが可能である。
【００５２】
アルマイト層２の表面への印刷には、インクジェット機能を持つ株式会社マスターマインド社のＭＭＰシリーズのプリンタ２２（図４参照）を使用した。このプリンタ２２は、各種の材質の曲面、凹凸面、段差面などに適用が可能なものであるが、いずれの場合にも材料表面へのアンダーコートが必要とされる。アルマイト処理を施した場合、アンダーコートが施されると、このアルマイト処理された表面のつやが生きなくなり、商品価値が大きく落ちることとなる。このため、アルマイト処理したものには、このプリンタ２２での印刷は、過去、ほとんどなされていなかった。
【００５３】
このプリンタ２２が、本発明に関わる装飾品１０を製造可能としたが、これは前述した膜厚（１５〜２０μｍ）とすることや、この膜厚に加えて、顔料の粒子径、細孔５の径等を適切に組み合わせることで、アンダーコートが不要で、しかも滲みもなく、定着性の良い印刷が初めて可能となったのである。このため、プリンタの選択に当たっては、膜厚と、ｄｐｉと、管状組織４の細孔５の径との相互対比テストを重要視した。
【００５４】
この相互対比テストや装飾品１０を製造する際の、印刷の様子を模式的に図４に示す。コンピューター２１には、あらかじめカラー画像３の情報がインプットされている。その情報を基に、コンピューター２１からの指示で、例えばインクジェットの方式の噴射印刷装置となるプリンタ２２のノズル２３からインクの粒滴３ａが吐出され、基材部１に形成されているアルマイト層２に付着し、カラー画像３として形成される。
【００５５】
相互対比テストの結果を図５、図６に示す。これらの図からわかるように、プリンタ２２のｄｐｉは６００以上が好ましく、８００以上ならさらに好ましい。なお、このプリンタ２２は、１４４０ｄｐｉが最大であるため、それ以上の実験を行わなかったが、理論的には、粒滴３ａが小さすぎると、細孔５内へ流入するビヒクルが少なくなると共に、顔料粒子の細孔５への引っかかりの確率も低下し、密着性が弱くなる。このことから、１４４０ｄｐｉまたは２８８０ｄｐｉがベストで、８００〜５７６０ｄｐｉが好ましく、時には６００〜７２００ｄｐｉとしても良いと思われる。また、３つの要素の中では、膜厚が最も重要であることが判明した。
【００５６】
これらの結果を理論的に説明する。図７に示されるように、管状組織４の細孔５の径とインクの粒状、いいかえると粒滴３ａの径との関係にも重要なポイントがあることが判明した。すなわち、細孔５の容積とインクジェットの粒滴３の量、いいかえると粒滴３ａの径との間には適正な条件があり、特に、インクのビヒクルを如何に浸透させるかの点と、顔料の粒子を如何に適切に細孔５に引っ掛けさせるかが印刷インクの密着性を左右させる。
【００５７】
ビヒクルの面でいうと、粒滴３ａの量が適正であると、インク中のビヒクルは、図７（Ａ）に示すように、細孔５の内壁に沿って浸透付着すると考えられ、その結果、ビヒクル自体の密着性がたとえ劣っていたとしても、物理的な要素がからみ密着性を向上させることとなる。また、図７（Ｂ）に示すように、粒滴３ａの量が最適であると、印刷インクが細孔５中の気体（空気））を追い出し、進入していくことが可能となるので、同様に密着性の向上につながると考えられる。
【００５８】
逆に、粒滴３ａの径が大きすぎると、細孔５の容積を大きく超えることとなり、その結果、インクは、はみだすこととなって、インクジェットの粒滴３ａが相互に干渉を起こすこととなり、仕上がりの外観は、にじみという現象が現れる。さらに、ｄｐｉ、膜厚、孔径が適切性を欠くと、図８に示すように、粒滴３ａは細孔５の中に浸透せず、この結果、細孔５を単に蓋をするだけとなる。この結果、細孔５に気体（空気）を封じ込めることとなり、密着性をも低下させることとなる。
【００５９】
また、細孔５に顔料の粒子が引っかかる点については、次のとおりとなる。図９は、印刷インク中の顔料の粒子６が管状組織４の細孔５の径よりやや大きかった場合、具体的には細孔５の径の１．１〜１．５倍の場合、細孔５にどのように付着するかを模式的に示したものである。
【００６０】
印刷インクに使用する顔料の粒子６の形状は、前述のように、その種類、製造条件や処理される条件で球状、板状、片状、棒状、針状など一定せず、顔料の粒子６の一部が細孔５の中にはまり込んでいたり、また細孔５に食い込み引っかかったようにして密着する形となったりして、非常に複雑な現象を起こすことが、容易に予想される。この場合、ビヒクルは、顔料の粒子６と細孔５の周りの壁との間の隙間を通って細孔５の奥の方へ浸透する。このことから、予想を超えた密着強度が得られるものと想定される。しかも、顔料の粒子６の一部が細孔５に引っかかることで、顔料自体も、一層強固に密着することとなる。なお、顔料の粒子６の細孔５への引っかかりは、粒子径が細孔５の数倍〜数十倍の場合でも生じる。
【００６１】
このようにして、印刷したのちセッティング（放置）を行い、細孔５に顔料を定着させる。その後、基材部１との親和を強めるための乾燥を行う。
【００６２】
カラー画像３すなわち、粒滴３ａの密着性は、本来、インクのビヒクルの性質と大きな関係を有するが、噴射装置に使用されるインクのビヒクルは、その機能上自ずから制限される。一つの例として、スチレン−アクリル酸高分子に他の親水性化合物を添加したものが提案されている。従って、空気中の湿度の影響が考えられるので、印刷後の乾燥は、早期に実施する必要がある。乾燥には、熱風乾燥機、赤外線乾燥機などいずれも使用可能である。
【００６３】
無機顔料としては、その粒子６の径が細孔５の径よりわずかに小さいものが、インク中に１００％存在しているものが好ましいが、密着強度の面では、わずかに大きい粒子６（細孔５の径の１．１〜１．５倍の粒子６）とわずかに小さい粒子６の合計が、インクの２０〜６０％であれば十分な強度となる。この実施の形態では、粒子６の径を０．０２５μｍ以下としている一方、細孔５の径を０．００１〜０．０２５μｍとしているので非常に好ましい。なお、細孔５の径が０．００１〜０．０２５μｍであるということは、０．０２〜０．０２５μｍの孔径の細孔５が多く含まれていることとなり、密着性（定着性）の面では好ましいものとなる。また、この実施の形態では、全細孔５中、０．０２〜０．０２５μｍの孔径の細孔５が２０〜４０％の範囲となっている。
【００６４】
最後に、公知の方法でアルマイト層２の封孔処理、すなわち、細孔５を塞ぐ処理を行い、完成品となる。
【００６５】
しかしながら、ユーザーによっては、さらに厳しい耐候性、耐食性を要求される場合が起こりうる。このような場合に対応する手段として、封孔処理に変えて、または封孔処理を行った後に、トップコートを行う。この塗装には、溶剤系、非溶剤系のいずれの塗料をも用いることが可能であるが、好ましくは、インクのビヒクルに影響の少ない非溶剤系を用いると良い。
【００６６】
非溶剤系では、当然、熱硬化型が用いられる。この場合、一液型、二液型いずれをも使用可能であり、その選択は自社の保有設備を考慮して選択することが望ましい。また、熱硬化時間は、今まで説明してきたような状況から、作業性の障害にならないかぎり、早期に重合・硬化するものが良い。
【００６７】
トップコートを行うための、他の加工方法として、静電塗装、あるいは電着塗装なども可能ではあるが、作業性や設備の面からスプレータイプを選択することが良い。
【００６８】
上述の実施の形態は、本発明の好適な実施例であるが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変更実施可能である。例えば図１０（Ａ）に示すように、装飾品１０Ａに半円形状の凹部１１が設けられていても、装飾部３を印刷可能となる。さらには、図１０（Ｂ）に示すように、三角状の凹部１２が複数連続して設けられている装飾品１０Ｂにもカラー画像等の装飾部３を印刷することが可能である。
【００６９】
アルマイト層２の厚さとしては、１５〜２０μｍが好ましいが、１０μｍ以上であると、細孔５の径と深さが大きくなり、顔料粒子が確実に細孔５に入り込んだり引っかかったりすることで、原料インクの密着性が高まり好ましい。また、その厚さが２５μｍ以下であると、顔料粒子が２つ以上入り込みにくくなったり引っかかりにくくなり、滲みが生じにくくなる。しかも、膜厚が２５μｍ以下であると、アルミの基材部１を鏡面加工した際に、アルミ材の質感（光沢）がそれほど落ちず好ましい。
【００７０】
装飾品１０としては、ものさしの他に、名刺ケース、たばこケース、スプーンやフォークやカップ等の食器、食品ケース、食品容器、カメラケース、時計のケースや文字盤や針、化粧品ケース、電気部品、各種の部品ケース、写真立て等に採用できる。また、商品の一部にアルミ材を使用していれば、そのアルミ材の部分に本発明を適用することができる。すなわち、アルミニュウム材を使用するすべての製品に本発明を適用することができる。
【００７１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、アルミ材の質感を生かすとともに、にじみが無く、定着性も良い図柄（装飾部）を有する装飾品とすることができる。また、本発明の製造方法によれば、アルミ材の質感を生かすとともに、にじみが無く、定着性も良い図柄を有する装飾品を、段部や凹部が存在していても、簡単かつ精巧に、しかも低コストにて製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態に係わる装飾品の部分斜視図である。
【図２】図１の装飾品をＸ−Ｘ線で切断したときの断面図で、陽極酸化したアルマイト層と装飾部との関係を模式的に示す（インクの粒滴を拡大して示す）図である。
【図３】図２のアルマイト層の細孔の模式図である。
【図４】図１の装飾品を製造する際に、コンピュータを利用して装飾部を形成する状況を説明するための概念図である。
【図５】図１の装飾品の装飾部（顔料インク）の密着性のテスト結果を示す図である。
【図６】図１の装飾品の装飾部（顔料インク）の外観のテスト結果を示す図である。
【図７】図１の装飾品の装飾部を形成する際のインクの塗布状況を説明する図で、（Ａ）は、インクのビヒクルが細孔の内壁に沿って浸透、付着する様子を示す図で、（Ｂ）は、ビヒクルが細孔中の気体を追い出して進入していく様子を示す図である。
【図８】インクの量が多すぎた場合に、インクが蓋状になっている状況を示す概念図である。
【図９】顔料が細孔にひっかかっていたり、はまり込んでいる様子を示す図である。
【図１０】本発明に係る装飾品の基材部の他の形状を示す図である。
【符号の説明】
１基材部
２アルマイト層
３カラー画像（装飾部）
３ａインクの粒滴
４管状組織
５細孔
６顔料の粒子
１０装飾品[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a decorative article having a surface printed on an aluminum material and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, with the advancement of printing technology and the like, many products having faithful and precise figures and pictures formed on the surface have been seen. Also, in Japan, so-called print clubs (printed on the spot with a large number of photographic images arranged on a sheet) and the like, which have a playful taste, are also popular. From such a viewpoint, the ability to provide a product in which a fine image is applied on a photographic image has an important meaning in a product sales strategy.
[0003]
On the other hand, conventionally, various products in which an image or the like is drawn on a material such as a wooden material, a glass material, and a metal material are known. The wood material is inlaid, engraved, and the like. Stained glass and the like using glass materials are also known. In the case of a metal material, silk printing or the like is used.
[0004]
Aluminum is one of the metal materials. In order to form a pattern on an aluminum material, conventionally, a method called a photographic method, for example, applying a water-soluble photosensitive agent on an anodized substrate, exposing, developing, and then coloring with a dye or pigment There is a way. In this method, the steps corresponding to the number of originals are repeated using originals of a plurality of designs, and a figure or a picture is formed on a substrate, or a method called a penetration method, for example, using a screen printing machine. In addition, while changing a plurality of printing screens, using a permeable ink, printing and coloring are performed to form a required pattern on a base material.
[0005]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-326548 discloses a method of forming a pattern on a metal material such as a pure aluminum substrate using a discharge device. Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-113626 discloses an invention in which an alumite layer is formed, a thermoplastic resin is formed on the alumite layer, and an ink receiving layer is formed via an adhesive layer. Is disclosed. In the present invention, the ink receiving layer is colored with a pigment ink. Further, Patent Document 3 (Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-19260) discloses an invention in which soft alumite is generated and then printed on the alumite using a dye-based ink.
[0006]
[Patent Document 1] Japanese Patent Application Laid-Open No. H11-326548 (Paragraph No. 0050, 0051 on page 6)
[Patent Document 2] Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-113626 (abstract)
[Patent Document 3] JP-A-2002-19260 (abstract)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Conventionally, the above-mentioned methods have been adopted, but these methods have the following problems. That is, in the photographic method, the screen printing method, and the invention described in Patent Document 1, if the target member has, for example, even a partially curved surface, an uneven surface, a step surface, etc. Since it is practically impossible to give a pattern, it is necessary to work away from that part. For this reason, interesting printing cannot be performed, and the development range of the product to be printed is limited.
[0008]
In the case of the photographic method or screen printing, original plates by photoengraving are required, and these require the number of required colors and an original plate for each color. In addition, as the number of colors increases, sophisticated jigs are required for pattern alignment, and it is still difficult to obtain products that are satisfactory in precision. In addition, as a printing original used for a color pattern, an original (for example, a screen printing plate) that is separated into a plurality of colors using a mesh using metal or fiber is used, so that a fine pattern is reproduced. Is not enough.
[0009]
Further, according to the invention described in Patent Document 1, by forming an ink receiving layer on the surface of a metal material such as aluminum and drawing an image with an inkjet device, it is possible to easily manufacture a timepiece dial. There are benefits. However, Patent Document 1 only discloses that an aluminum substrate is subjected to alumite treatment to provide an ink receiving layer made of porous alumina, and in reality, a product is manufactured by this method. Absent. This is because sufficient printing quality cannot be obtained only with the alumina porous layer. For this reason, at present, an undercoat is applied to the alumite surface before printing. As described above, it is theoretically possible to perform inkjet printing directly on the alumina porous layer, but in reality, an undercoat is always applied before printing.
[0010]
In Patent Literature 2, an ink receiving layer, so-called undercoat, is provided as an adhesive on the alumite layer. As described above, when the undercoat is applied to the aluminum surface, the print quality is considerably improved, but the texture of the aluminum material is impaired. If the undercoat is applied only to the part to be printed in order to avoid this problem, it is necessary to align the undercoated part with the printed part, which increases the manufacturing time, increases the position of the printed part and the position of the undercoated part. Problems such as quality deterioration due to the displacement occur.
[0011]
Therefore, conventionally, the undercoat is applied to the entire surface of the aluminum material. As a result, when printing is performed on the aluminum material, the material feeling of the aluminum is impaired. In order to avoid this, in the case of aluminum material, the above-described photographic method and screen printing are performed. This conventional method has various problems as described above. Recently, a method of drawing a pattern with a laser and bringing black ink into close contact with the drawn portion has also been developed, but has a problem that it cannot cope with colorization.
[0012]
Further, the invention described in Patent Document 3 discloses that when a pigment is used in printing on a timepiece dial, the particles are too large to be sufficiently received in the holes of the receiving layer due to the large size of the particles, making it difficult to fix. The present invention improves the problems of the invention, and the invention described in Patent Document 3 certainly improves the problem. However, this invention improves the invention described in Patent Document 1 by heating, for example, an aluminum substrate having an alumite layer (aluminum oxide film) and using a dye or the like as an ink. Is required, and the ink is limited to dye-based ink. In addition, when heating the substrate, it is necessary to uniformly heat the substrate, which causes a problem that it takes time to set the optimal conditions for heating.
[0013]
The present invention has been created in order to solve the above-mentioned problems, and aims to make use of the texture of the aluminum material, and has a pattern with no bleeding and good fixability, and a step portion or a concave portion. An object of the present invention is to provide a decorative article which can be displayed simply, elaborately and at a low cost, even if it exists, and a method of manufacturing the same.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the decorative article of the present invention has a base portion made of an aluminum material, an alumite layer having a thickness of 10 to 25 μm formed on the base portion, and jetted from a jet printing apparatus. And a decorative portion directly printed on the surface of the alumite layer with an ink.
[0015]
By setting the thickness of the alumite layer in the range of 10 to 25 μm, this decorative article has a printed image (decorative portion) which does not bleed even when a pigment is used in the ink and has good fixability. Moreover, since the thickness of the alumite layer is 25 μm or less, even when the surface of the aluminum material is mirror-finished, the glossiness of the mirror surface does not decrease.
[0016]
Further, in another invention, in addition to the above-described invention, the alumite layer is provided on the mirror-finished base member, and the diameter of pores formed in the alumite layer is 0.02 to 0.025 μm. And a color ink comprising an inorganic pigment having a particle diameter substantially equal to the diameter of the pores.
[0017]
By employing this configuration, it is possible to obtain a decorative article having excellent light resistance and weather resistance. In addition, it is possible to obtain a decorative product utilizing the luster (gloss) of the base portion.
[0018]
Furthermore, in another invention, in addition to the decorative articles of the above-described inventions, ink adheres to the walls and bottoms of pores formed on the surface of the alumite layer, and air is trapped in the pores. I try not to.
[0019]
ADVANTAGE OF THE INVENTION The decorative article of this invention becomes what the fixing property of the printed decorative part is good. Therefore, a product having sufficient quality can be obtained even if the sealing treatment and the top coat are not required.
[0020]
In another invention, in addition to the decorative article of each of the above-mentioned inventions, the aluminum material is a material having an aluminum content of 99% or more, the alumite layer is 15 to 20 μm, and a step portion or a concave portion is provided in a part of the decorative portion. Exists, and ink printing is also performed on the step portion or the concave portion.
[0021]
According to the present invention, the appearance of the printed decorative portion is the same as when it is placed on a blank sheet of paper, and the appearance is extremely beautiful. Further, since the film thickness of the alumite layer is 20 μm or less, bleeding is further reduced, and the ink adhesion is further improved because the film thickness is 15 μm or more. Further, since the printing is also performed on the step portion or the concave portion, the taste and the taste are increased.
[0022]
Further, the method for producing a decorative article according to the present invention is a method for forming a decorative article, comprising: forming an alumite layer having a thickness of 10 to 25 μm on a surface of a base material made of an aluminum material; The decoration is given directly by printing by.
[0023]
By adopting this manufacturing method, even if a pigment is used for the ink, it is possible to print a decoration with little bleeding and good fixability on an aluminum material. Moreover, since the thickness of the alumite layer is 25 μm or less, even when the surface of the aluminum material is mirror-finished, the glossiness of the mirror surface does not decrease.
[0024]
Further, another invention uses a material having an aluminum content of 99% or more as an aluminum material and employs a sulfuric acid bath or an oxalic acid bath when forming the alumite layer, in addition to the above-described method for manufacturing a decorative article of the invention. are doing.
[0025]
According to the present invention, the appearance of the printed decoration is the same as that on a blank sheet of paper, and the appearance is extremely beautiful. Moreover, by employing a sulfuric acid bath when forming the alumite layer, it is possible to obtain a decorative article having a good finish and excellent wear resistance. In addition, when an oxalic acid bath is employed, an alumite layer is easily formed, and the oxalic acid bath is preferable for the food industry in which the oxalic acid bath has been employed for a long time.
[0026]
Further, it is preferable that the thickness of the alumite layer is 15 to 20 μm, and the pores formed in the alumite layer include those having a diameter of 0.02 to 0.025 μm.
[0027]
By adopting this method, the thickness of the alumite layer is set to 20 μm or less, so that the bleeding is further reduced and the thickness of the alumite layer is set to 15 μm or more, so that the ink adhesion is further improved. In addition, since the pores include those having a diameter of 0.02 to 0.025 μm, it is possible to use a pigment having a particle diameter of 0.025 μm or less or a particle diameter of about 0.03 μm, Dye and pigment inks used in inkjet printers can be used.
[0028]
Further, it is preferable to use, as the ink, an inorganic pigment containing one in which the particle diameter of the pigment is equal to or smaller than the diameter of the pore.
[0029]
When this type of ink is used, the fixing property of the ink is excellent, and the light resistance and the weather resistance are excellent. In addition, since the particles having a small particle diameter are included, clogging of the nozzles of the ejecting device hardly occurs, and printing can be stably performed for a long period of time.
[0030]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0031]
FIG. 1 shows a perspective view of a main part of a decorative article 10 according to an embodiment of the present invention. FIG. 2 shows a state in which the decorative article 10 is cut along the line XX in FIG. 1 and its cross section is observed.
[0032]
The decorative article 10 is used as a ruler, and has a base 1 that maintains the basic structure of the product, a 15 to 20 μm alumite layer 2 formed on the base 1, The surface of the alumite layer 2 has a printed color image 3 serving as a decorative portion by an inkjet printer. The alumite layer 2 is an aluminum oxide film formed by oxidizing the surface of the base member 1 and is actually formed porous. The color image 3 is composed of a large number of ink droplets 3a. In FIG. 2, the printing ink 3a is shown as having a granular shape, and schematically shows the state of being attached.
[0033]
In the decorative article 10, the thickness (film thickness) of the alumite layer 2 is 15 to 20 μm, and an inorganic pigment is used as the ink. Steps A and B are provided on a part of the decorative article 10, and the color image 3 is printed on both the steps A and B.
[0034]
Next, conditions and a manufacturing method for manufacturing the decorative article 10 will be described.
[0035]
The decorative part, that is, the base part 1 on which the color image 3 is applied is made of an aluminum material. The choice of which aluminum material to use depends on the chemical properties of chemicals, chemical corrosion resistance such as human perspiration, and machinability, such as press working, cutting, polishing, etc., and anodizing (alumite). ), And the finished appearance after alumite such as color tone and surface roughness.
[0036]
Further, the aluminum material used as the base member 1 is selected by paying attention to the following points. In other words, the metal added to the aluminum body or an unavoidable impurity, especially a metal that exhibits a color when ionized, such as copper or iron, has a yellowish or dull color tone after anodization. Should be avoided because it may affect the workmanship of the product. However, since magnesium has little effect on the color tone and the reflectance of the oxide film, it is not necessary to pay much attention to select it as an appearance characteristic.
[0037]
In the embodiment of the present invention, materials having an aluminum content of 99.00% or more, for example, A-1050 and A-1052 are selected. These materials can form a substantially white or almost colorless film (alumite layer 2) by anodic oxidation. For this reason, the appearance of the printed color image 3 described later is not much different from the original image without chemical polishing. If the appearance is not taken into consideration, aluminum materials having low purity or other aluminum materials having a ground color other than white may be used instead of aluminum having high purity such as A-1050 and A-1052. Even when such a material is used, it is possible to form a precise and beautiful color image 3 by printing with an inkjet printer.
[0038]
In the anodic oxidation for forming the alumite layer 2, a sulfuric acid bath or an oxalic acid bath is usually employed as an electrolytic solution. In this embodiment, since relatively high-purity aluminum is adopted, and it is desired to ensure a good appearance, a sulfuric acid bath is more excellent in abrasion resistance, and a porous bath is obtained. A sulfuric acid bath is used because the quality is good and the thickness of the oxide film can be increased. Note that an oxalic acid bath may be used because the oxide film is easily applied and has been used for a long time in the food industry.
[0039]
The aluminum material to be used, that is, the surface of the base 1 may be chemically or mechanically roughened, but a mirror surface is preferable in consideration of light reflection. In order to obtain a mirror surface, gloss imparting by mechanical processing such as skin pass or feather cloth, chemical polishing, electrolytic polishing, or the like can be considered. However, in the present invention, a method of obtaining a mirror surface is not limited. If the mirror surface is not particular, the base portion 1 need not be a mirror surface.
[0040]
Table 1 shows the relationship between the thickness of the alumite layer 2 as a coating and the wear resistance. Here, the number of times of abrasion resistance is the number of times of rubbing until the aluminum base is exposed, and the index is the number of times of a thickness of 10 μm (47 times) assuming that the value of 1 is 1 when the number of times is 1 It is a numerical value indicating abrasion resistance. The specific abrasion resistance indicates abrasion resistance per 1 μm (number of times / thickness of the film).
[Table 1]

[0041]
FIG. 3 schematically shows an anodic oxide film that is an alumite layer 2 formed on a mirror-finished substrate portion 1, that is, a porous alumite layer 2. At the center of the tubular tissue 4 corresponding to the entire structure of the oxide film, a tubular pore 5 forming a porous material is formed. The pores 5 formed in the tubular tissue 4 are such that the cross section of the coating on the upper layer is perpendicular to the surface of the base member 1 and the whole is a tubular shape. It has a shape like that. The lower layer of the pores 5 does not have a simple shape like the upper layer. It is known that these vary in various ways such as the pore diameter, length, surface density, and lower layer structure of the pores 5 depending on the electrolysis conditions (type of electrolyte, voltage, temperature, etc.).
[0042]
In order to finish the color image 3 to a desired quality, it is necessary to carefully perform anodizing treatment. That is, the diameter of the pores 5 of the porous tissue, that is, the tubular tissue 4 having a large number of pores 5, is made as large as possible without weakening the tubular tissue 4 that is the anodic oxide film for the reason described later. Because I want to. In consideration thereof, the thickness of the alumite layer 2 is 15 to 20 μm and the diameter of the pores 5 is 0.001 to 0.025 μm in consideration of wear resistance and economy (treatment time, number of times) shown in Table 1. It is preferable to generate it at this point. When the thickness of the alumite layer 2 is increased, the diameter and the depth of the pores 5 increase, and two or more pigment particles enter the pores 5 and the ink bleeds. On the other hand, when the thickness of the alumite layer 2 is reduced, the diameter and the depth of the pores 5 are reduced, and no pigment particles enter the pores 5 or are caught by the pores 5, and the ink becomes insoluble. It will not be fixed.
[0043]
Since the thickness of the alumite layer 2 (coating) and the diameter of the pores 5 vary depending on the temperature, which is one of the electrolysis conditions, the temperature is preferably set to 15 to 25 ° C., preferably, the fluctuation range is controlled to ± 2 ° C. Good to do. Further, the concentration and components of the electrolytic solution are adjusted based on 15% of sulfuric acid. However, in practice, in anodization, elution of metal, evaporation of water, and the like occur, and the electrolyte is easily changed. For this reason, in addition to quantitative analysis management, it is preferable to always control the Baume degree in order to manage changes in eluted impurities and the like. If this control is broken, the appearance of the coating will be affected to a considerable extent.
[0044]
In this manner, the anodized substrate, that is, the base 1 having the alumite layer 2 on the surface is formed. Then, after drying the base part 1 with the alumite layer 2, jet printing is performed by a jet printing apparatus, for example, an ink jet printer. In this case, when selecting an ejection printing apparatus, the dpi (Dot Per Inch) of the apparatus, the particle diameter of the pigment of the ink used for the apparatus, and the diameter of the pores 5 of the tubular tissue 4 are used as a guide of the ink ejection amount. It is necessary to fully consider the relationship with These relationships have a decisive effect on the quality of the product when the product quality is changed.
[0045]
The particle diameter of the pigment which affects the color surface of the decorative article 10 is preferably 0.025 μm or less in view of the relationship with the diameter of the pores 5 of the alumite layer 2, that is, the tubular structure 4. As long as the particle size is in the vicinity, there is no problem in practical use. Further, in consideration of an increase in fixing strength due to catching on the pores 5, a pigment having a particle diameter several times, sometimes tens of times the diameter of the pores 5 may be used.
[0046]
Actually, the following points should be considered from the viewpoint of the manufacturing process of the pigment itself used for the ink. In other words, the pigment is composed of particles having a certain size peculiar to each pigment, that is, primary particles from single crystal to polycrystal. What was formed as a secondary particle is actually in use. Incidentally, the primary particles of the pigment generally have a diameter of 0.1 to several μm for inorganic pigments and 0.01 to 0.1 μm for organic pigments. The primary particles agglomerate into secondary particles, and the size of the secondary particles affects pigment characteristics such as hue, coloring power, and hiding power.
[0047]
The actual pigment particles obtained through a dispersion treatment or the like in the process of forming a color base are said to be 0.02 to 1 μm for an organic pigment, 0.1 to 1 μm for an inorganic pigment, and 0.03 to 0.1 μm for carbon black. ing. Actually, the particle size can be reduced to 0.025 μm or less by a disperser or the like. In the present embodiment, a particle having a particle size of 0.025 μm or less is used. However, the pigment particles for ink that have been practically used in the past have a diameter of about 0.03 μm, and that kind may be used. When fixing by catching on the pores 5 is considered, if the particle size is 0.1 to 0.5 μm, for example, 30 to 60%, the fixing property of the ink is improved.
[0048]
Considering the particle size of this pigment, the organic dye system has a particle size of 0.003 μm or less, so that the printing ink easily penetrates into the pores 5 and adheres to the base 1. Is preferable to maintain the above, but it is inferior to pigments, especially inorganic pigments, in terms of weather resistance, ultraviolet light resistance (light resistance) and the like. In the case of organic dyes, yellow and red dyes are particularly prone to fading, and if the product is used for a long period of time, there is a problem in reliability. Therefore, an inorganic pigment was selected as the ink according to the present embodiment. In addition, if it meets a user's request, you may employ | adopt an organic pigment instead of an inorganic pigment. Moreover, you may employ | adopt an organic dye as needed.
[0049]
Inorganic pigments that can be used in the present embodiment include oxides, hydroxides, sulfides, ferrocyanides, chromates, silicates, carbonates, phosphates, metal powders, carbon, and the like. . Any of the various inorganic pigments can be selected. Incidentally, if an organic pigment is used, dyeing lakes, azo (soluble azo, insoluble azo, condensed azo, azo complex salts), phthalocyanine pigments, condensed polycycles, nitro, nitroso, daylight fluorescent pigments and the like can be used.
[0050]
It is known that the shape of the pigment particles used in the ink has a size and shape specific to each of the single-crystal to polycrystalline pigments, and that even pigments having the same chemical composition vary depending on the manufacturing conditions. ing. The shape includes a fixed shape and an amorphous shape. The fixed shape includes a spherical shape, a granular shape, a plate shape, a flake shape, a rod shape, a needle shape, and the like, and the manufacturing conditions are set based on the coloring power of the pigment and the like.
[0051]
Since the size of the diameter of the pores 5 of the tubular tissue 4 is related to the type of the electrolytic solution, and the surface density of the pores 5 is related to the type of the electrolytic solution and the voltage, appropriate combinations of conditions are used. It can be appropriately selected.
[0052]
For printing on the surface of the alumite layer 2, an MMP series printer 22 (see FIG. 4) having an inkjet function and manufactured by Master Mind Inc. was used. The printer 22 can be applied to curved surfaces, irregular surfaces, step surfaces, and the like of various materials. In any case, an undercoat is required on the material surface. In the case where an alumite treatment is applied, if an undercoat is applied, the gloss of the surface subjected to the alumite treatment will not survive, and the commercial value will be greatly reduced. For this reason, printing on the anodized aluminum sheet by the printer 22 has hardly been performed in the past.
[0053]
The printer 22 can manufacture the decorative article 10 according to the present invention. The decorative article 10 has the above-mentioned film thickness (15 to 20 μm). By appropriately combining the diameters and the like, printing with good fixability without the need for an undercoat and without bleeding was possible for the first time. For this reason, in selecting a printer, emphasis was placed on a mutual comparison test between the film thickness, dpi, and the diameter of the pores 5 of the tubular tissue 4.
[0054]
FIG. 4 schematically shows a state of printing when the mutual comparison test and the decorative article 10 are manufactured. The information of the color image 3 is input to the computer 21 in advance. Based on the information, the droplets 3a of the ink are ejected from nozzles 23 of a printer 22 which is an inkjet printing apparatus, for example, according to an instruction from a computer 21, and the alumite layer 2 formed on the base 1 is formed. To form a color image 3.
[0055]
The results of the mutual comparison test are shown in FIGS. As can be seen from these figures, the dpi of the printer 22 is preferably 600 or more, and more preferably 800 or more. In addition, the printer 22 did not perform any further experiments because 1440 dpi is the maximum, but theoretically, if the droplets 3a are too small, the vehicle flowing into the pores 5 decreases, and The probability of the pigment particles getting caught in the pores 5 is also reduced, and the adhesion is weakened. From this, it is considered that 1440 dpi or 2880 dpi is the best, 800 to 5760 dpi is preferable, and sometimes 600 to 7200 dpi may be used. It was also found that the film thickness was the most important of the three factors.
[0056]
These results are explained theoretically. As shown in FIG. 7, it was found that there is also an important point in the relationship between the diameter of the pores 5 of the tubular tissue 4 and the granularity of the ink, in other words, the diameter of the droplet 3a. That is, there is an appropriate condition between the volume of the pores 5 and the amount of the droplets 3 of the ink jet, in other words, the diameter of the droplets 3a. How the particles are appropriately hooked on the pores 5 affects the adhesion of the printing ink.
[0057]
In terms of the vehicle, if the amount of the droplets 3a is appropriate, the vehicle in the ink is considered to penetrate and adhere along the inner wall of the pore 5 as shown in FIG. However, even if the adhesion of the vehicle itself is inferior, physical elements will improve the adhesion. Further, as shown in FIG. 7B, when the amount of the droplets 3a is optimal, the printing ink can expel the gas (air) in the pores 5 and enter. Similarly, it is considered that this leads to improvement in adhesion.
[0058]
Conversely, if the diameter of the droplets 3a is too large, the volume of the pores 5 will be greatly exceeded. As a result, the ink will protrude, causing the inkjet droplets 3a to interfere with each other. The appearance of the finish shows a phenomenon called bleeding. Further, if the dpi, the film thickness, and the pore size are not appropriate, the droplets 3a do not penetrate into the pores 5 as shown in FIG. 8, and as a result, the pores 5 are simply covered. . As a result, gas (air) is confined in the pores 5, and the adhesion is also reduced.
[0059]
The point at which the pigment particles are caught in the pores 5 is as follows. FIG. 9 shows the case where the pigment particles 6 in the printing ink were slightly larger than the diameter of the pores 5 of the tubular tissue 4, specifically, 1.1 to 1.5 times the diameter of the pores 5. FIG. 4 schematically shows how the particles adhere to the holes 5.
[0060]
As described above, the shape of the pigment particles 6 used in the printing ink is not fixed, such as spherical, plate-like, flake-like, rod-like, or needle-like, depending on the type, manufacturing conditions, and processing conditions. It is easily expected that a part of the material is stuck in the pore 5 or is in a state of sticking as if biting into the pore 5 to cause a very complicated phenomenon. . In this case, the vehicle penetrates deeper into the pores 5 through the gap between the pigment particles 6 and the wall around the pores 5. From this, it is assumed that an unexpectedly high adhesion strength is obtained. In addition, since a part of the pigment particles 6 is caught in the pores 5, the pigment itself is further firmly adhered. Incidentally, the particles 6 of the pigment are caught in the pores 5 even when the particle diameter is several times to several tens times the pores 5.
[0061]
In this way, after printing, setting (leaving) is performed, and the pigment is fixed in the pores 5. After that, drying is performed to increase the affinity with the base member 1.
[0062]
Although the adhesion of the color image 3, that is, the droplets 3a, has a great relationship with the nature of the vehicle of the ink, the vehicle of the ink used in the ejection device is naturally limited in its function. As one example, a material in which another hydrophilic compound is added to a styrene-acrylic acid polymer has been proposed. Therefore, it is necessary to perform drying after printing at an early stage because the influence of humidity in the air can be considered. For drying, any of a hot air dryer, an infrared dryer and the like can be used.
[0063]
As the inorganic pigment, it is preferable that the diameter of the particles 6 is slightly smaller than the diameter of the pores 5 and that the pigment be present at 100% in the ink, but from the viewpoint of adhesion strength, the particles 6 (fine) are slightly larger. If the total of the particles 6), which are 1.1 to 1.5 times the diameter of the holes 5 and the slightly smaller particles 6, is 20 to 60% of the ink, sufficient strength is obtained. In this embodiment, while the diameter of the particles 6 is set to 0.025 μm or less, the diameter of the pores 5 is set to 0.001 to 0.025 μm, which is very preferable. In addition, the fact that the diameter of the pores 5 is 0.001 to 0.025 μm means that many pores 5 having a pore diameter of 0.02 to 0.025 μm are contained, and the adhesion (fixing property) is low. This is preferable in terms of surface. In this embodiment, the pores 5 having a pore diameter of 0.02 to 0.025 μm are in the range of 20 to 40% in all the pores 5.
[0064]
Finally, a sealing treatment of the alumite layer 2, that is, a treatment for closing the pores 5 is performed by a known method, and a finished product is obtained.
[0065]
However, depending on the user, more severe weather resistance and corrosion resistance may be required. As a means to cope with such a case, a top coat is performed instead of the sealing treatment or after performing the sealing treatment. For this coating, any of a solvent-based paint and a non-solvent-based paint can be used, but it is preferable to use a non-solvent-based paint that has little effect on the vehicle of the ink.
[0066]
In a non-solvent system, a thermosetting type is naturally used. In this case, either a one-pack type or a two-pack type can be used, and the selection is desirably made in consideration of the equipment owned by the company. Further, as for the heat curing time, it is preferable to polymerize and cure at an early stage as long as the workability is not obstructed from the situation described above.
[0067]
As another processing method for performing the top coat, electrostatic coating or electrodeposition coating is also possible, but it is preferable to select a spray type from the viewpoint of workability and equipment.
[0068]
The above embodiment is a preferred embodiment of the present invention, but various modifications can be made without departing from the spirit of the present invention. For example, as shown in FIG. 10A, even if the decorative article 10A is provided with the semicircular concave portion 11, the decorative portion 3 can be printed. Further, as shown in FIG. 10 (B), it is possible to print the decorative portion 3 such as a color image on the decorative article 10B in which a plurality of triangular concave portions 12 are continuously provided.
[0069]
The thickness of the alumite layer 2 is preferably from 15 to 20 μm, but if it is 10 μm or more, the diameter and depth of the pores 5 become large, so that the pigment particles enter or catch the pores 5 without fail. This is preferable because the adhesion of the raw material ink is enhanced. Further, when the thickness is 25 μm or less, it becomes difficult for two or more pigment particles to enter or catch, and bleeding hardly occurs. Moreover, when the film thickness is 25 μm or less, the texture (gloss) of the aluminum material is not so much reduced when the aluminum base portion 1 is mirror-finished, which is preferable.
[0070]
Examples of the decorative article 10 include a business card case, a cigarette case, a tableware such as a spoon, a fork, and a cup, a food case, a food container, a camera case, a clock case, a dial, a needle, a cosmetic case, an electric component, in addition to a ruler. It can be used for various parts cases, photo frames, etc. If an aluminum material is used for a part of a product, the present invention can be applied to the aluminum material. That is, the present invention can be applied to all products using an aluminum material.
[0071]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide a decorative article having a design (decorative portion) that makes use of the texture of an aluminum material, has no bleeding, and has good fixability. In addition, according to the manufacturing method of the present invention, while utilizing the texture of the aluminum material, there is no bleeding, a decorative article having a pattern with good fixability, even if there are steps or recesses, easily and precisely, Moreover, it can be manufactured at low cost.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial perspective view of a decorative article according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view of the decorative article of FIG. 1 taken along a line XX, schematically showing a relationship between an anodized alumite layer and a decorative section (enlarged ink droplets are shown); FIG.
FIG. 3 is a schematic view of pores of the alumite layer of FIG.
FIG. 4 is a conceptual diagram for explaining a situation where a decorative part is formed using a computer when the decorative article of FIG. 1 is manufactured.
FIG. 5 is a view showing a test result of adhesion of a decorative portion (pigment ink) of the decorative article of FIG. 1;
FIG. 6 is a diagram showing a test result of the appearance of a decorative portion (pigment ink) of the decorative article of FIG. 1;
7A and 7B are views for explaining the application state of ink when forming the decorative portion of the decorative article of FIG. 1, and FIG. 7A shows a state in which the vehicle of the ink permeates and adheres along the inner wall of the pore. In the figure, (B) is a diagram showing how the vehicle expels gas in the pores and enters.
FIG. 8 is a conceptual diagram illustrating a situation where the ink has a lid shape when the amount of ink is too large.
FIG. 9 is a view showing a state in which a pigment is stuck or stuck in a pore.
FIG. 10 is a view showing another shape of the base portion of the decorative article according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Base material
2 Anodized layer
3 color image (decoration part)
3a Droplets of ink
4 tubular tissue
5 pores
6 Pigment particles
10 Ornaments

Claims

A base portion made of an aluminum material, an alumite layer having a thickness of 10 to 25 μm formed on the base portion, and a decoration directly printed on the surface of the alumite layer by ink jetted from a jet printing device. And a decorative part.

The alumite layer is provided on the mirror-finished base member, and includes pores formed in the alumite layer having a diameter of 0.02 to 0.025 μm. 2. The decorative article according to claim 1, wherein the color ink is made of an inorganic pigment having a particle diameter substantially equal to the diameter of the holes.

The decoration according to claim 1 or 2, wherein the ink adheres to walls and bottoms of pores formed on the surface of the alumite layer, and air is not trapped in the pores. Goods.

The aluminum material is a material having an aluminum content of 99% or more, the alumite layer is 15 to 20 μm, and a step or a recess exists in a part of the decorative portion, and ink printing is also performed on the step or the recess. The decorative article according to claim 1, 2 or 3, wherein the decorative article is made.

After forming an alumite layer having a thickness of 10 to 25 μm on the surface of the base material portion made of an aluminum material, the decoration was made directly by printing with ink ejected from an ejection printing apparatus on the surface of the alumite layer. A method for manufacturing a featured decorative item.

6. The method according to claim 5, wherein a material having an aluminum content of 99% or more is used as the aluminum material, and a sulfuric acid bath or an oxalic acid bath is used in forming the alumite layer.

The thickness of the alumite layer is set to 15 to 20 m, and pores formed in the alumite layer include those having a diameter of 0.02 to 0.025 m. Method of manufacturing decorative items.

The method for producing a decorative article according to claim 7, wherein an inorganic pigment including a pigment having a particle diameter of about the same as or smaller than the pore diameter is used as the ink.