JP2004246460A - コンピュータ・グラフィックス装置及び意匠設計プログラム - Google Patents

コンピュータ・グラフィックス装置及び意匠設計プログラム Download PDF

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Shinya Nakai
進彌 中井
Kiyoshi Nakakura
清 中倉
Hitoshi Tasaka
仁 田坂
Hiromi Tsuda
宏臣 津田
Yoshiyuki Shibata
義行 柴田
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Abstract

【課題】リアルタイムで意匠設計対象の物体の質感や背景の色調補正ができるようにする。
【解決手段】開示されるコンピュータ・グラフィックス装置では、制御部1は、まず、物体の質感と背景とに分けてアイ・レイ・トレーシングにおける輝度計算を行って元画像データを得た後、これらの元画像データをレイヤごとに記憶部4に記憶する。次に、制御部1は、記憶部4に記憶されたレイヤごとの元画像データを読み出して、物体の質感の元画像データと背景の元画像データとについてそれぞれ別々に色調補正を行って新画像データを得る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車等の各種車両、カメラ等の各種精密機器、テレビ受像機等の各種電気製品、あるいは洗剤容器等の各種家庭用品等の様々な工業製品の意匠を設計するためのコンピュータ・グラフィックス装置及び意匠設計プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像編集ソフトウェアには、2次元画像を複数の階層(レイヤ:layer)に分割し、レイヤごとに色調補正して合成することができるものがある。ここで、レイヤは、いわば透明なシートのようなものであり、例えば、主たる人物、従たる人物、室内の背景、調度品等をそれぞれ別個のレイヤに描写し、各レイヤを重ね合わせることにより、いつくかの調度品が置かれた室内に複数の人物が存在している画像を合成することができる。この機能によれば、他のレイヤに影響を与えることなく、各レイヤに個別に修正や変更、あるいは上記色調補正を加えることができるため、画像編集に非常に多彩なテクニックを用いることができる(例えば、非特許文献1参照。)。以下、この技術を第1の従来例と呼ぶ。
【0003】
また、従来のコンピュータ・グラフィックス装置では、デザイナ等が物体の意匠設計をコンピュータ上で対話的に行えるように以下に示す処理を行っている。前提として、このコンピュータ・グラフィックス装置には、光線追跡(レイ・トレーシング:ray tracing)法画像システムが構築されており、その大容量記憶装置には、少なくとも、光源の幾何学的配置及び強度についての情報並びに描写されるべき場面中の物体の幾何学的情報を含む描写されるべき場面の幾何学的特徴を規定するデータが予め記憶されている。また、上記大容量記憶装置には、物体の表面で反射された光線の空間分布を記述するか又は透過された光線の空間分布を記述する双方向散乱分布関数(BSDF)が任意の角度解像度を有する表形式で表された場面情報がデータベースを構成して予め記憶されている。
【0004】
まず、上記場面情報は、図20に示すステップSP1のように、上記データベースから上記コンピュータの小容量記憶装置に読み込まれる。次に、上記場面情報に基づいて、光線追跡法により、意匠設計に含まれる1つ又は複数の物体についてBSDFが与えられている場面が描写され、表示装置に表示されるとともに、上記場面の上記描写の過程において形成される光線履歴の一部を表すデータが上記小容量記憶装置に記憶される(前処理レンダリング(rendering)過程、ステップSP2)。これにより、デザイナ等は、表示装置上に表示された描画像を検討し、必要ならば上記描画像の変更を決定する(ステップSP3)。ここで、レンダリングとは、3次元空間内の環境や、そこに置かれたモデリングされた幾何学的な立体の質感などの輝度計算を行い、画像を生成することをいう。
【0005】
ステップSP3における変更がBSDFの変更である場合には、上記データベースから少なくとも1つのBSDFが選択され、上記選択されたBSDFと上記物体のBSDFとを含む2つ又はそれ以上の異なるBSDFを任意の重み付けにより混合するBSDFモーフィング(morphing)により、質感を含む光学的特徴について上記物体のBSDFが変更される(ステップSP4)。ここで、質感とは、つるつるやザラザラ、あるいは半透明等の材質の違いなどから受ける感じをいう。そして、この変更されたBSDF及びステップSP2において形成された光線履歴の一部を表すデータが使用されて場面が描写され、表示装置に表示される。この場合のレンダリング過程は、ステップSP2において形成された光線履歴の一部を表すデータが使用されているので、前処理レンダリング過程よりも高速化されている(高速化レンダリング過程、ステップSP5)。
【0006】
一方、ステップSP3における変更が物体の位置、方向、形状等の幾何学的情報の変更又は光源についての幾何学的情報の変更である場合には、これらが変更された後(ステップSP6)、この変更を反映するデータに基づいて上記前処理レンダリング過程が繰り返される(ステップSP2へ戻る)。デザイナ等の所望する描画像が表示装置に表示されるまでステップSP4及びSP5の処理が繰り返された後、所望の描画像が表示装置に表示された場合(ステップSP7)、その描画像を描写するのに使用したBSDF又はその描画像の場面を大規模記憶装置に記憶する(ステップSP8)(例えば、特許文献1参照。)。以下、この技術を第2の従来例と呼ぶ。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−247256号公報(第6−7頁、第11−14頁、図1、図9)
【非特許文献1】
アドビシステムズ株式会社(Adobe Systems Incorporated)著、「Adobe Photoshop 5.0 ユーザガイド(Macintosh/Windows(登録商標)版)」、アドビシステムズ株式会社、1998年、p.105〜133,p.259〜288
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した第1の従来例では、質感を変更したい対象だけを自動的に選択することが難しいため、マウス等のポインティングデバイスを用いて手動で質感変更の対象が描写されている範囲を指定してやらなければならない場合が多く、操作性が良くない。また、上記した第1の従来例では、質感を拡散光成分と、正反射光成分と、透過光成分とに分離して色調補正をすることはできない。このため、例えば、図21に示すように、質感変更の対象(物体A)が他の物体(物体B)に映り込んでいた場合、物体Aの質感を変更してもその映り込みまで色調の変更が追従しないため、映り込みが描写されている範囲も手動で選択しなければならないが、映り込みは歪んでいたり、かすかであったりするために、その部分だけが描写されている範囲を選択することは難しい。さらに、上記した第1の従来例では、他の物体(物体A)が映り込んだ側の物体(物体B)の色調を変更すると、「物体Aの映り込み」の色調まで変化してしまう。これに対して、物体Aの色調を変化させても、物体Bに映り込んだ「物体Aの映り込み」の色調は変化しない。この結果、自然な色調補正ができないという欠点があった。
【0009】
また、上記した第2の従来例では、光線追跡計算や直接照度計算を行わない高速化レンダリング過程を行っているので、デザイナ等が物体の意匠設計において質感の変更をコンピュータ上でほぼ対話的に行うことができる。しかし、リアルタイムでの処理まではできないという欠点があった。意匠設計は、たぶんに直感的な要素が強いため、リアルタイム性が強く要求されるので、上記した第2の従来例では、デザイナ等に良好な意匠設計環境を提供しているとは言いがたい。
以上説明した不都合は、背景の変更や背景の色調補正についても同様にあてはまる。
さらに、上記した第1及び第2の従来例には、例えば、自動車のヘッドライトやテールランプなど、部分的に光線を照射する部分光源が存在する場合、その部分光源の点滅が意匠設計にどのような影響を与えるかについては何ら開示も示唆もされていない。
【0010】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、第1の目的は、リアルタイムで意匠設計対象の物体の質感や背景の色調補正をすることができるコンピュータ・グラフィックス装置及び意匠設計プログラムを得るものである。
また、第2の目的は、部分的に光線を照射する部分光源が存在する場合にその部分光源の点滅が意匠設計に与える影響を考慮することができるコンピュータ・グラフィックス装置及び意匠設計プログラムを得るものである。
さらに、第3の目的は、意匠設計対象の物体の質感を拡散光成分と、正反射光成分と、透過光成分とに分離してリアルタイムで簡単かつ自然な色調補正をすることができるコンピュータ・グラフィックス装置及び意匠設計プログラムを得るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明に係るコンピュータ・グラフィックス装置は、質感と背景とに分けてアイ・レイ・トレーシングにおける輝度計算を行って元画像データを得るレンダリング手段と、上記元画像データをレイヤごとに記憶する画像データ記憶手段と、上記レイヤごとに上記元画像データの色調補正を行って新画像データを得る色調補正手段とを備えていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項2記載の発明に係るコンピュータ・グラフィックス装置は、部分的に光線を照射する部分光源の影響を受ける物体について、上記物体表面又は画像が表示されると想定される仮想的なスクリーン上を格子状に分割した場合の各格子における視点方向への輝度分布が記憶される輝度バッファのマッピングを行うマッピング手段と、上記部分光源から出射されたライト・レイが上記輝度バッファに交差した点での上記視点方向から見た輝度計算結果を上記輝度バッファに記憶するライト・レイ・トレーシングを行うライト・レイ・トレーシング手段と、質感と背景と上記輝度バッファとに分けてアイ・レイ・トレーシングにおける輝度計算を行って元画像データを得るレンダリング手段と、上記元画像データをレイヤごとに記憶する画像データ記憶手段と、上記レイヤごとに上記元画像データの色調補正を行って新画像データを得るとともに、上記輝度バッファごとに明度を変更した複数の上記新画像データを得る色調補正手段と、上記輝度バッファごとの複数の新画像データを連続的に表示して上記部分光源の点滅アニメーションを実行する点滅アニメーション実行手段とを備えていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のコンピュータ・グラフィックス装置に係り、上記レンダリング手段は、上記質感について、拡散光成分、正反射光成分、正透過光成分に分離して上記元画像データを得ることを特徴としている。
【0014】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1に記載のコンピュータ・グラフィックス装置に係り、上記元画像データは、1個のピクセルを構成する赤データ、緑データ、青データがそれぞれ所定ビットの絶対値で表現された広範囲輝度画像データであることを特徴としている。
【0015】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1に記載のコンピュータ・グラフィックス装置に係り、上記色調補正手段は、明度補正及び色度補正を行うことを特徴としている。
【0016】
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載のコンピュータ・グラフィックス装置に係り、上記色調補正手段は、線形明度補正又はガンマ明度補正を行うことを特徴としている。
【0017】
また、請求項7記載の発明に係る意匠設計プログラムは、コンピュータに請求項1乃至6のいずれか1に記載の機能を実現させることを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1におけるコンピュータ・グラフィックス装置を示すものである。
この例のコンピュータ・グラフィックス装置は、制御部1と、操作部2と、表示部3と、記憶部4とから構成されている。
制御部1は、CPU(中央処理装置)等からなり、記憶部4を構成するプログラム記憶部4a(図2参照)に記憶された意匠設計プログラム等の各種プログラムを実行することにより、意匠設計処理その他の処理を実行し、装置全体を制御する。すなわち、例えば、意匠設計プログラムが記憶部4を構成するプログラム記憶部4aから読み出されると、制御部1に読み込まれ、制御部1の動作を制御する。制御部1は、意匠設計プログラムが起動されると、意匠設計プログラムの制御により、後述する意匠設計処理を実行するのである。操作部2は、テンキー、エンターキー、あるいはファンクションキー等からなるキーボードや、マウス、タッチパッド、あるいはペンデバイス等のポインティングデバイスなどを有する。表示部3は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、あるいはプラズマディスプレイなどからなる。
【0019】
記憶部4は、ROMやRAM等の半導体メモリ、FD(フロッピー(登録商標)・ディスク)が装着されるFDドライブ、HD(ハード・ディスク)が装着されるHDドライブ、MO(光磁気)ディスクが装着されるMOディスクドライブ、あるいはCD(コンパクト・ディスク)−ROM、CD−R(Recordable)、CD−RW(ReWritable)やDVD−ROM、DVD−R、DVD−RW等が装着されるCD/DVDドライブ等からなる。記憶部4は、図2に示すように、プログラム記憶部4aと、ワーキング記憶部4bと、画像データ記憶部4cとから構成されている。プログラム記憶部4aは、ROMやHDが装着されたHDドライブからなり、上記した制御部1が実行すべき意匠設計プログラムその他の各種プログラムが予め記憶されている。ワーキング記憶部4bは、RAMからなり、制御部1が上記した意匠設計プログラムその他の各種プログラムを実行する際に作業用として用いられる。
【0020】
画像データ記憶部4cは、HDが装着されたHDドライブや、CD−R、CD−RW又はDVD−R、DVD−RW等が装着されたCD/DVDドライブからなり、以下に示す画像データが記憶される。この画像データは、レンダリングされ、各レイヤごとにライブラリ化された元画像データと、表示部3に表示するために正規化された正規化画像データとからなる。元画像データは、光線追跡(レイ・トレーシング)における輝度計算を、意匠の設計対象である物体の質感(拡散光成分、正反射光成分、透過光成分)と、上記物体の背景と、部分光源が存在する場合にはその部分光源とについて、それぞれレイヤに分けて広範囲(HDR:High Dynamic Range)輝度画像データとしたものである。
【0021】
ここで、輝度は、光源や物体等の輝いている程度を表しており、光源面(観察面)からある方向への光度[cd](カンデラ)を、観察方向への光源面の見かけ上の面積(立体角)で除算した値であり、単位は[cd/mm](カンデラ毎平方ミリメートル)である。この輝度は、物体を観察する方向に依存する、つまり、どの程度の光が視点に入射しているかを示している。また、部分光源とは、例えば、自動車のヘッドライトやテールランプなど、部分的に光線を照射する光源をいう。さらに、HDR輝度画像データとは、1個のピクセルを構成する赤(R)データ、緑(G)データ、青(B)データが、例えば、それぞれ32ビットの単精度浮動小数点型(FLOAT型)の絶対値[cd/mm]で表現された合計96ビットの画像データをいう。このHDR輝度画像データを用いることにより、従来より広範囲の輝度を有する画像を取り扱うことができ、強い光の飽和などを表現することができる。また、「正規化」とは以下に示すことを意味する。すなわち、通常、輝度の値[cd/mm]は、0〜∞[cd/mm]の値を持つが、画像をディスプレイに表示するためには、画像データの輝度の値[cd/mm]を、ディスプレイの表示可能範囲の輝度に強制的に、例えば、0〜255[無次元(dimensionless)]又は0.0〜1.0[無次元(dimensionless)]に変換しなければならない。このように画像データの輝度の値を変換することを正規化という。この例においては、後述するように、「0〜255[無次元(dimensionless)]」の値への変換を行う。
【0022】
元画像データは、以下に示すようにレイヤ分けされる。
(1) 質感画像レイヤ
意匠設計の対象である物体の質感ごとに1〜n(nは自然数)枚のHDR輝度画像データからなるレイヤである。HDR輝度画像データを構成する各ピクセルの赤(R)、緑(G)、青(B)の輝度は、例えば、0.0〜3.402823466e38[cd/mm]の値をとる。3.402823466e38[cd/mm]は、FLOAT型で表現することができる最大値である。以下、上記範囲内の値をとる輝度をRGB輝度と呼ぶことにする。
【0023】
(2) 背景画像レイヤ
背景ごとに1枚のHDR輝度画像データからなるレイヤである。背景に関する画像データの場合、例えば、風景をデジタルカメラ等により撮影して得た画像データ(以下、背景実画像データという)と、天空光のようにシミュレーション結果からなる画像データ(以下、背景計算画像データ)とからなる。背景実画像データを構成する各ピクセルのRGBの輝度は、正規化されており、その値の範囲は、例えば、0〜255[無次元(dimensionless)](正規化輝度)である。一方、背景計算画像データを構成する各ピクセルのRGBの輝度は、上記したRGB輝度である。
【0024】
(3) 輝度バッファ画像レイヤ
ライト・レイ・トレーシングによる1〜p枚(pは自然数であって、部分光源の数である。)のHDR輝度画像データからなるレイヤである。部分光源ごとにHDR輝度画像データからなるレイヤを設けることによって、部分光源ごとの色調補正が可能となる。ここで、ライト・レイ・トレーシングとは、部分光源からレイ(ライト・レイ)を出射して光線追跡して輝度計算する方法をいう。各HDR輝度画像データレイヤは、部分光源ごとに別々に設けても良いが、部分光源ごとに別々に色調補正する必要がない場合には、いくつかの部分光源をまとめて一つのHDR輝度画像データレイヤとしても良い。例えば、意匠設計対象の物体が自動車の場合、部分光源としてはヘッドライト、フォグランプ、テールランプ、ストップランプ、ウインカ等がある。また、輝度バッファとは、観察者の視点から観察対象である物体の表面又はスクリーン上を観察したとき、当該観察対象を格子状に分割した場合の各格子における視線(アイ・レイ)方向への輝度[cd/mm2]の分布が記憶されるバッファをいう。なお、物体の表面だけでなく、スクリーン上にも輝度バッファを設けるのは以下に示す理由による。すなわち、各物体表面に輝度バッファを設ける場合、輝度バッファは、部分光源の数に物体の数を乗算して得られた数だけ必要となるが、スクリーン上に輝度バッファを設けた場合には、最大で部分光源の数だけ輝度バッファを設ければ良いからである。これは、物体表面に輝度バッファを設けても、その輝度バッファに記憶されるのは、結局、視線方向への輝度分布であるため、物体表面でなく、視点の前に置かれたスクリーン上に輝度バッファを設けても同じ効果が得られるためである。また、明度を変更したHDR輝度画像データを複数枚設けた場合、後述する部分光源の点滅アニメーション画像を高速に生成することが可能となる。ここで、スクリーンとは、例えば、表示部3の具体的な表示画面を意味するのではなく、画像が表示されると想定される仮想的なスクリーンを意味する。
【0025】
次に、上記構成のコンピュータ・グラフィックス装置における意匠設計処理の概略について説明する。まず、意匠設計プログラムがプログラム記憶部4aから読み出され、制御部1に読み込まれることにより意匠設計プログラムが起動されると、制御部1は、所定の初期化処理を行った後、図3に示すステップSA1の処理へ進む。ステップSA1では、制御部1は、意匠設計対象である物体の形状データの作成及び修正を行うモデリング処理を実行した後、ステップSA2へ進む。今の場合、意匠設計対象の物体は、自動車の車体であるとする。なお、モデリング処理については、この発明と直接関係しないので、その詳細な説明は省略する。ステップSA2では、制御部1は、意匠設計対象の物体への輝度バッファのマッピングを行った後、ステップSA3へ進む。輝度バッファは、部分光源を点滅させるアニメーションを実行した場合に意匠設計対象の物体においてその影響を受ける部分にマッピングする。図4は、意匠設計対象の物体が自動車の車体であり、この自動車が有する部分光源の1つとしてヘッドライトを例としている。ヘッドライトは、ランプと、リフレクタと、レンズとから概略構成されている。そして、部分光源であるランプの点滅により影響を受けるのは、リフレクタ、レンズ及びヘッドライトの照射範囲内に存在する車体の一部等である。そこで、リフレクタ、レンズ及びヘッドライトの照射範囲内に存在する車体の一部等について、輝度バッファBB〜BB等をマッピングする。
【0026】
ステップSA3では、制御部1は、すべての部分光源についてライト・レイ・トレーシングを行った後、ステップSA4へ進む。図4を例にとると、部分光源であるランプから出射されたレイ(ライト・レイ)が輝度バッファBBに交差した場合、その点での視点方向から見た輝度計算結果を輝度バッファBBに記憶する。ステップSA4では、制御部1は、意匠設計の対象である物体を含めた画像全体のレンダリング処理を実行した後、ステップSA5へ進む。このレンダリング処理の詳細については、後述する。ステップSA5では、制御部1は、デザイナ等が操作部2を操作することにより色調補正を指示したか否かを判断する。この判断結果が「YES」の場合には、制御部1は、ステップSA6へ進む。ステップSA6では、制御部1は、意匠設計の対象である物体を含めた画像全体を構成する各レイヤごとに色調補正処理を実行した後、ステップSA7へ進む。この色調補正処理の詳細については後述する。なお、色調補正後の各レイヤごとの画像データを総称するときは新画像データと呼ぶことにする。
【0027】
一方、ステップSA5の判断結果が「NO」の場合、すなわち、デザイナ等が操作部2を用いて色調補正を指示しなかった場合には、制御部1は、ステップSA7へ進む。ステップSA5の判断結果が「NO」となる場合としては、デザイナ等がレンダリング処理により作成され表示部3に表示された画像で満足した場合がある。ステップSA7では、制御部1は、デザイナ等が操作部2を操作することにより部分光源の点滅アニメーションを指示したか否かを判断する。この判断結果が「YES」の場合には、制御部1は、ステップSA8へ進む。ステップSA8では、制御部1は、当該部分光源の点滅アニメーション処理を所定時間(例えば、10秒間)実行した後、一連の処理を終了する。この点滅アニメーション処理は、後述する色調補正処理において上記所定時間に表示するのに必要な枚数のフレームについて色調補正を変化させて得られた画像を連続して表示部3に表示して行う。例えば、アニメーション処理を行うのに1秒間に30枚のフレームが必要だとすると、上記所定時間が10秒間である場合、上記フレームの必要枚数は、300枚である。一方、ステップSA7の判断結果が「NO」の場合、すなわち、デザイナ等が操作部2を用いて部分光源の点滅アニメーションを指示しなかった場合には、制御部1は、何もせず、一連の処理を終了する。
【0028】
次に、レンダリング処理の詳細について、図5及び図6に示すフローチャートと、図7及び図8に示す概念図を参照して説明する。
制御部1は、まず、図5に示すステップSB1へ進み、図7に示す視点PVからスクリーン上のあるピクセル(例えば、質感画像レイヤFMRのピクセルP参照)を通過するレイ(アイ・レイ)を出射した後、ステップSB2へ進む。ステップSB2では、制御部1は、ステップSB1の処理で出射したレイと交差する物体が存在するか否かを調べ、存在する場合には上記レイと当該物体との交点と視点PVとの距離を計算した後、ステップSB3へ進む。ステップSB3では、制御部1は、ステップSB2の処理で検出した交点に存在する物体(交差物)の種類が個別質感、他質感、輝度バッファ、背景のいずれであるかを判定する。ここで、個別質感とは個別に質感を変更すべき交差物の質感をいい、他質感とは個別質感では指定されない他の交差物の質感をいう。今の場合、個別質感として、自動車の車体の質感と、自動車が載置されている屋外近傍に建っているビルの窓ガラス(半透明体)の質感とを考え、他質感として、上記自動車の窓ガラスやタイヤ等の質感を考える。なお、半透明体も個別質感としているのは、アイ・レイの追跡において、反射光と透過光とについても扱えるということを示すためである。したがって、半透明体を考慮する必要がないシーンの場合には、半透明体を個別質感としなくて良い。また、レイは、各個別質感ごとのRGB輝度R[1〜n]、他質感ごとのRGB輝度R[1〜n]、上記したライト・レイ・トレーシングで作成した輝度バッファのRGB輝度R[1〜n]、背景のRGB輝度Rというメンバを有している。
【0029】
そして、ステップSB3の処理で判定した交差物が個別質感である場合には、制御部1は、ステップSB4へ進む。今の場合、個別質感は、自動車の車体の質感(これを個別質感FMとする。)と、自動車が載置されている屋外近傍に建っているビルの窓ガラスの質感(これを個別質感FMとする。)とである。ステップSB4では、制御部1は、式(1)及び(2)に示す各個別質感における拡散光成分、すなわち、主光源Sの各個別質感における反射光成分のRGB輝度LpjFMk(j,kは自然数、1≦k≦n)をレイの各個別質感のRGB輝度R[k]に加算し、その加算結果を対応する質感画像レイヤFMRの当該ピクセルの記憶領域に記憶した後、ステップSB8へ進む。jはアイ・レイ・トレーシングの全過程に付与された通し番号、kは各個別質感に付与された番号である。
p1FM1(λ)=βr1(θiS1,θoS1,λ)・L(λ)・cosθiS1・dω[cd/mm] ・・・(1)
p2FM2(λ)=βr2(θiS2,θoS2,λ)・L(λ)・cosθiS2・dω[cd/mm] ・・・(2)
【0030】
式(1)において、Lp1FM1(λ)は、アイ・レイ・トレーシングの過程p1(図7参照)で計算された主光源Sの個別質感FMにおける反射光成分の輝度であり、主光源Sから照射される光束の波長λの関数である。また、βr1(θiS1,θoS1,λ)は、個別質感FMにおける反射の輝度率[1/sr(ステラジアン)]、すなわち、入射した光束[lm](ルーメン)が各反射方向に反射した光度(単位立体角あたりの光束)[cd]の比であり、主光源Sの個別質感FMへの入射角θiS1[rad]と、主光源Sの個別質感FMからの出射角(反射角)θoS1[rad]と、上記した波長λの関数である。L(λ)は主光源Sの輝度、dωはレイの微小立体角[sr]である。同様に、式(2)において、Lp2FM2(λ)は、アイ・レイ・トレーシングの過程p2(図7参照)で計算された主光源Sの個別質感FMにおける反射光成分の輝度であり、波長λの関数である。また、βr2(θiS2,θoS2,λ)は、個別質感FMにおける反射の輝度率[1/sr]であり、主光源Sの個別質感FMへの入射角θiS2[rad]と、主光源Sの個別質感FMからの出射角(反射角)θoS2[rad]と、波長λの関数である。
【0031】
一方、ステップSB3の処理で判定した交差物が他質感である場合には、制御部1は、ステップSB5へ進む。今の場合、他質感OFMは、図7に示すように、自動車の窓ガラスやタイヤ等の質感である。ステップSB5では、制御部1は、他質感における拡散光成分、すなわち、主光源Sの他質感における反射光成分のRGB輝度LpjOFM(jは自然数)をレイの他質感のRGB輝度Rに加算し、その加算結果を他質感画像レイヤOFMRの当該ピクセルの記憶領域に記憶した後、ステップSB8へ進む。jはアイ・レイ・トレーシングの全過程に付与された通し番号である。
【0032】
また、ステップSB3の処理で判定した交差物が輝度バッファである場合には、制御部1は、ステップSB6へ進む。今の場合、輝度バッファは、図7に示す部分光源としてのヘッドライトLS、フォグランプ(図示略)、テールランプLS、ストップランプ(図示略)、ウインカ(図示略)ごとに設けられている。ステップSB6では、制御部1は、すべての部分光源についてアイ・レイ・トレーシングを行った後、ステップSB8へ進む。例えば、図4を例にとると、視点から出射されたレイ(アイ・レイ)が輝度バッファBBに交差した場合、輝度バッファBBに記憶されている輝度計算結果LLS3をレイの輝度バッファのRGB輝度Rに加算し、その加算結果を対応する輝度バッファ画像レイヤLSRの当該ピクセルの記憶領域に記憶した後、ステップSB8へ進む。xは輝度バッファに付与された番号である。図7では、ヘッドライトLSの輝度バッファ画像レイヤLSRと、テールランプLSの輝度バッファ画像レイヤLSRとを示している。
【0033】
また、ステップSB3の処理で判定した交差物が背景である場合には、制御部1は、ステップSB7へ進む。ステップSB7では、制御部1は、図7に示す背景BのRGB輝度Lpjb(jは自然数)をレイのRGB輝度Rに加算し、その加算結果を背景画像レイヤBR(図7参照)の当該ピクセルの記憶領域に記憶した後、ステップSB8へ進む。jはアイ・レイ・トレーシングの全過程に付与された通し番号である。ステップSB8では、制御部1は、レイのすべての画像レイヤにおいて、正反射方向のRGB輝度LRR及び正透過方向のRGB輝度LRTをレイのRGB輝度Lに加算した後、ステップSB9へ進む。
【0034】
ステップSB9では、制御部1は、当該交差物が正反射又は正透過がある物体の場合には、正反射方向又は正透過方向を求めてこれらの方向を視線とみなし、当該交点から正反射方向又は正透過方向にレイを出射した後、図6に示すステップSB10へ進む。ステップSB10では、制御部1は、レイの追跡深さRTが所定回数C以下であるか否かを判断する。ここで、所定回数Cは、レンダリングの対象物の種類によって異なり、例えば、対象物が自動車の車体の場合は1〜5回程度、対象物が自動車のヘッドライトを構成するレンズやリフレクタ等の光を多重反射するものである場合は5〜8回程度とする。この判断結果が「YES」の場合には、制御部1は、図5に示すステップSB2へ戻り、上記したステップSB2〜SB9の処理を繰り返す。
【0035】
この2回目のループのステップSB4では、各個別質感における正反射光成分及び正透過光成分のRGB輝度LpjFMk(λ)が求められるので、以下式(3)〜式(6)で表す。
p3FM2(λ)=βr1(θir1,θor1,λ)・Lp2FM2(λ)・cosθir1・dω [cd/mm] ・・・(3)
p3B(λ)=βr1(θir1,θor1,λ)・(Lp4B(λ)+Lp5B(λ))・cosθir1・dω [cd/mm] ・・・(4)
p4B(λ)=βr2(θir2,θor2,λ)・LB1(λ)・cosθir2・dω [cd/mm] ・・・(5)
p5B(λ)=βt2(θit2,θot2,λ)・LB2(λ)・cosθit2・dω [cd/mm] ・・・(6)
【0036】
式(3)において、Lp2FM2(λ)は、アイ・レイ・トレーシングの過程p3(図7参照)で計算された個別質感FMからのレイの個別質感FMにおける正反射光成分の輝度であり、波長λの関数である。また、βr1(θir1,θor1,λ)は、個別質感FMにおける反射の輝度率[1/sr]であり、個別質感FMにおける正反射光の入射角θir1[rad]と、個別質感FMからの正反射光の出射角(反射角)θor1[rad]と、波長λの関数である。Lp2FM2(λ)は上記した式(2)で表される過程p2(図7参照)で計算された主光源Sの個別質感FMにおける反射光成分のRGB輝度である。同様に、式(4)において、Lp3B(λ)は、アイ・レイ・トレーシングの過程p3(図7参照)で計算された背景Bからのレイの個別質感FMにおける正反射光成分の輝度であり、波長λの関数である。また、Lp4B(λ)は式(5)で表される過程p4(図7参照)で計算された背景からのレイの個別質感FMにおける正反射光成分の輝度、Lp5B(λ)は式(6)で表される過程p5(図7参照)で計算された背景からのレイの個別質感FMにおける正反射光成分の輝度である。
【0037】
また、式(5)において、βr2(θir2,θor2,λ)は、個別質感FMにおける反射の輝度率[1/sr]であり、個別質感FMにおける正反射光の入射角θir2[rad]と、個別質感FMからの正反射光の出射角(反射角)θor2[rad]と、波長λの関数である。LB1(λ)は背景(環境マップ)の位置ps(図7参照)における輝度であり、添え字の「1」は背景の各位置psに付与された番号である。式(6)において、βt2(θit2,θot2,λ)は、個別質感FMにおける透過の輝度率[1/sr]、すなわち、入射した光束[lm]が各透過方向に透過した光度[cd]の比であり、個別質感FMにおける正透過光の入射角θit2[rad]と、個別質感FMからの正透過光の出射角(透過角)θot2[rad]と、波長λの関数である。LB2(λ)は背景(環境マップ)の位置ps(図7参照)における輝度である。
【0038】
一方、ステップSB10の判断結果が「NO」の場合、すなわち、レイの追跡深さRTが所定回数Cより大きい場合には、制御部1は、ステップSB11へ進む。ステップSB11では、制御部1は、上記したスクリーンを構成するすべてのピクセルについてアイ・レイ・トレーシングを終了したか否かを判断する。この判断結果が「NO」の場合には、制御部1は、図5に示すステップSB1へ戻り、上記したステップSB1〜SB10の処理を繰り返す。一方、ステップSB11の判断結果が「YES」の場合、すなわち、上記したスクリーンを構成するすべてのピクセルについてアイ・レイ・トレーシングを終了した場合には、制御部1は、ステップSB12へ進む。ステップSB12では、制御部1は、すべてのレイのすべての画像レイヤから1枚の合成画像(図8に示す合成画像AR参照)を合成した後、ステップSB13へ進む。ステップSB13では、制御部1は、図8に示すように、合成画像ARを正規化して正規化画像ANRを作成した後、ステップSB14へ進む。ステップSB14では、制御部1は、記憶部4を構成する画像データ記憶部4cの所定の記憶領域に正規化画像ANRを記憶した後、図3に示すフローチャートに戻り、ステップSA5へ進む。
【0039】
次に、色調補正処理の詳細について説明する。ここで、色調補正とは、明度補正(明るさ補正)と色度補正(色補正)との両方を含んで色調(色合)を補正することをいう。明度補正とは、色をYxy表色系で表現した場合、色度(色味)を変化させることなく、上記値Y、すなわち、明度(明るさ)のみを補正することをいう。今、Yxy表色系と、後述するXYZ表色系、Lab表色系及びマンセル表色系とについてまとめて説明する。色は元来、主観的なものであるが、色の観察条件を特定化することにより、色を客観化し、色を定量的(心理物理量)に表現することができる。任意に与えられた色に等しく見える色をつくること、又は、二つの色が同じ色に見えることを等色という。ヤング−ヘルムホルツの三原色説によれば、任意の色は三原色を用いて必ず等色とすることができる。そこで、加法混色に用いる三原色の各単位量の物理的特性と、色を観察する条件とを標準化して定めておけば、与えられた色を等色するのに必要な三原色の量で、その色が定義できる。この場合の等色に必要な三原色の量を、その色の刺激値という。三刺激値は心理物理量であるから、これらによって表現される色を心理物理的な色という。心理物理的な色は、一般に、CIE(Commission Internationale de l’Eclairage(国際照明委員会))表色系に基づく三刺激値X、Y、Zの値で表現されるので、CIE表色系をXYZ表色系とも呼ぶ。なお、R、G、BからXYZ表色系への変換は、式(7)で表される。
【0040】
【数1】
Figure 2004246460
【0041】
XYZ表色系により表示された色の相互関係を表現するために色度座標x、y、z、を式(8)〜式(11)より求め、Yxyで表わされた表色系をYxy表色系という。Yは明度、あるいは輝度率を表わし、xyは色度を表わす。
x=X/(X+Y+Z) ・・・(8)
y=Y/(X+Y+Z) ・・・(9)
z=Z/(X+Y+Z) ・・・(10)
x+y+z=1 ・・・(11)
【0042】
ところで、物体の色がどんな色であるか正確に定めるために色の座標を絶対値的に扱うことも重要であるが、標準色に対して試料色がどういう位置関係にあるか、あるいは標準色と試料色との間に差がないのか、もしあるならばどの位の差なのか等、相対的な関係を把握することが重要である場合がある。このような二色間の差(色差)の量を表すのに作成された色を表現するための座標系を均等色空間(UCS:Uniform Color Space)という。均等色空間とは、人に知覚される色差ができるだけ均等になるように定めた色空間をいう。Lab表色系は、そのような均等色空間の一つである。Lab表色系は、式(12)〜式(14)で表される。
【0043】
【数2】
Figure 2004246460
【0044】
【数3】
Figure 2004246460
【0045】
【数4】
Figure 2004246460
【0046】
式(12)〜式(14)において、X、Y、Zは対象とする物体の色の三刺激値、X、Y、Zは照明に用いた光源の標準光の三刺激値であり、Y=100と規格化される。Lは明度を表わし、a、bは色座標を表わす。
【0047】
最後に、マンセル表色系は、アメリカの画家であり、色彩の教育者であったA.H.Munsell氏が創案した表色系であり、色を3属性、色相(HUE)、明度(VALUE)、彩度(CHROMA)でとらえ、それぞれに数字を配したスケールに配列し、記号化したものである。このマンセル表色系では、1つの円(色相環)の円周上に円を5等分するように、R(赤)、Y(黄色)、G(緑)、B(青)、P(紫)の5つの色を配列し、これを基本色相とし、さらにそれらの間を分割して100色相としている。色相は、有彩色で色を他の色と区別するよりどころとなる色の属性であり、赤み、黄み、青みなどをいう。明度は、各色相の明るさを示す属性であり、黒(0)から白(10)までの明るさを11段階に分割して表現する。彩度は、色の鮮やかさの程度を示す属性であり、各色相、明度ごとに無彩色(灰色)からもっとも鮮やかな色までを等間隔で区切り数字で表現する。
【0048】
また、色度補正とは、色をYxy表色系で表現した場合、明度(明るさ)を変化させることなく、上記色度x及び上記色度y、すなわち、色度(色味)のみを補正することをいう。
上記したように、各画像レイヤには、RGB輝度[cd/mm]が記憶されているが、このRGB輝度を表示部3に表示するためには、例えば、0から255までの無次元(dimensionless)の値を有するRGB正規化輝度に明度補正する必要がある。また、RGB正規化輝度とは、無次元の正規化輝度にRGBの色情報を付加したものであり、R、G、Bそれぞれ、例えば、整数(8ビット)で表現される。明度補正の方法には、一般に、線形明度補正、非線形明度補正(ガンマ(γ)補正、対数関数補正、指数関数補正、ヒストグラム補正等)による方法があるが、この例では調整が容易であり表示される画像も比較的自然である線形明度補正とガンマ補正とを採用する。
【0049】
以下、線形明度補正及びガンマ補正について説明する。
(1)線形明度補正
線形明度補正の場合、RGB輝度[cd/mm]からRGB正規化輝度[無次元(dimensionless)]への変換は、図9に示すように、式(15)を用いて行う。
=(Imax−Imin)・(L−Lmin)/(Lmax−Lmin)+Imin ・・・(15)
式(15)において、Lは変換後のRGB正規化輝度[無次元(dimensionless)]、ImaxはHDR輝度画像データ中の全ピクセルにおける最大値[無次元(dimensionless)]、IminはHDR輝度画像データ中の全ピクセルにおける最小値[無次元(dimensionless)]、Lは変換前のRGB輝度[cd/mm]、Lmaxは利用する輝度範囲の最大値、Lminは利用する輝度範囲の最小値である。なお、図9において、L’は式(16)で表される。
L’=(L−Lmin)/(Lmax−Lmin) ・・・(16)
【0050】
輝度Lを刺激値Y[無次元(dimensionless)]として計算すると、式(17)〜式(19)に示すように、変換前のRGB輝度R、G、BはYxy表色系で表される。
(R,G,B)→(Y,x,y) ・・・(17)
=(Imax−Imin)・(L−Lmin)/(Lmax−Lmin)+Imin ・・・(18)
(Y,x,y)→(R,G,B) ・・・(19)
また、輝度LをR、G、Bの各輝度の総和(R+G+B)又は最大値MAX(R,G,B)として計算すると、式(20)が求められる。
(R,G,B)={(Imax−Imin)・(L−Lmin)/(Lmax−Lmin)+Imin}・(R,G,B)/L ・・・(20)
式(19)及び式(20)においてR、G、Bはそれぞれ変換後のRGB正規化輝度、式(19)においてYは変換後の刺激値[無次元(dimensionless)]である。そして、図9に示すように、Imax、Imin、Lmax、Lminを変更することにより明度を調整する。
【0051】
(2)ガンマ補正
ガンマ補正には、式(21)を用いる。
(R,G,B)=(L/LMAX1.0/ γ・(R,G,B) ・・・(21)
式(21)において、(R,G,B)はガンマ補正後のRGB正規化輝度、Lは補正前のRGB輝度[cd/mm]、LMAXは輝度画像中の最大輝度[cd/mm]、γはデザイナ等が指定するガンマ補正値である。γが1.0より大きい場合には図10に基づいてガンマ補正し、γが1.0より小さい場合には図11に基づいてガンマ補正する。
【0052】
次に、色度補正について説明する。
HDR輝度画像データは、RGB輝度で画像データ記憶部4cに記憶されているため、一度XYZ表色系に変換した後、XYZ表色系から以下に示す各表色系に変換することにより色度を補正することができる。
(A)XYZ表色系からYxy表色系への変換
Y値(明度)の値をそのままで、xy値(色度)を全ピクセルに対して変化させることにより色度を変更することができる。色度を変更した後、Yxy表色系から一旦XYZ表色系に変換した後、RGB輝度に変換する。
(B)XYZ表色系からLab表色系への変換
値(明度)の値をそのままで、a値(色座標)を変更する。色度を変更した後、Yxy表色系から一旦XYZ表色系に変換した後、RGB輝度に変換する。
(C)XYZ表色系からマンセル表色系への変換
マンセル表色系で明度の値はそのままで、彩度、色相のみを変化させる。色度を変更した後、マンセル表色系から一旦XYZ表色系に変換した後、RGB輝度に変換する。
【0053】
次に、この例のコンピュータ・グラフィックス装置における色調補正処理について、図12に示すフローチャートと、図13に示す概念図とを参照して説明する。
制御部1は、まず、図12に示すステップSC1へ進み、デザイナ等が操作部2を操作することにより指定した色調補正をする対象が個別質感、他質感、輝度バッファ、背景のいずれであるかを判定する。そして、ステップSC1の処理で判定した補正対象が個別質感である場合には、制御部1は、ステップSC2へ進む。今の場合、個別質感は、個別質感FMと個別質感FMとである。ステップSC2では、制御部1は、質感画像レイヤに記憶されている各個別質感ごとのHDR輝度画像データについて、デザイナ等が操作部2を操作することにより指示した色調補正、すなわち、上記した明度補正及び上記した色度補正を行い、その結果を画像データ記憶部4cの所定の記憶領域に記憶した後、ステップSC6へ進む。図13には、個別質感FMの質感画像レイヤFMRのみを示している。
【0054】
一方、ステップSC1の処理で判定した補正対象が他質感である場合には、制御部1は、ステップSC3へ進む。今の場合、他質感OFMは、図7に示すように、自動車の窓ガラスやタイヤ等の質感である。ステップSC3では、制御部1は、質感画像レイヤに記憶されている他質感のHDR輝度画像データについて、デザイナ等が操作部2を操作することにより指示した色調補正、すなわち、上記した明度補正及び上記した色度補正を行い、その結果を画像データ記憶部4cの所定の記憶領域に記憶した後、ステップSC6へ進む。図13には、他質感OFMの質感画像レイヤOFMRを示している。
【0055】
また、ステップSC1の処理で判定した補正対象が輝度バッファである場合には、制御部1は、ステップSC4へ進む。今の場合、輝度バッファは、図7に示す部分光源としてのヘッドライトLS、フォグランプ(図示略)、テールランプLS、ストップランプ(図示略)、ウインカ(図示略)ごとに設けられている。ステップSC4では、制御部1は、輝度バッファ画像レイヤに記憶されている各部分光源ごとのHDR輝度画像データについて、デザイナ等が操作部2を操作することにより指示した色調補正、すなわち、上記した明度補正及び上記した色度補正を行い、その結果を画像データ記憶部4cの所定の記憶領域に記憶した後、ステップSC6へ進む。図13には、部分光源LSの輝度バッファ画像レイヤLSR及び部分光源LSの輝度バッファ画像レイヤLSRのみを示している。この場合、上記したステップSA8の処理(図3参照)において部分光源の点滅アニメーション処理を行う場合に備えて、必要枚数(例えば、300枚)のフレームごとに明度を変化させたHDR輝度画像データを作成する。
【0056】
また、ステップSC1の処理で判定した補正対象が背景である場合には、制御部1は、ステップSC5へ進む。ステップSC5では、制御部1は、背景画像レイヤに記憶されている背景ごとのHDR輝度画像データについて、デザイナ等が操作部2を操作することにより指示した色調補正、すなわち、上記した明度補正及び上記した色度補正を行い、その結果を画像データ記憶部4cの所定の記憶領域に記憶した後、ステップSC6へ進む。図13には、山とホテルからなる背景Bと、この背景Bが自動車の車体に映り込んだ背景映り込みBREとからなる背景画像レイヤBRを示している。
【0057】
ステップSC6では、制御部1は、すべてのレイのすべての画像レイヤから1枚の画像(図13に示す合成画像AR参照)を合成した後、ステップSC7へ進む。ステップSC7では、制御部1は、図13に示すように、合成画像ARを正規化して正規化画像ANRを作成し、表示部3に表示した後、ステップSC8へ進む。ステップSC8では、制御部1は、デザイナ等が操作部2を操作することにより再度の色調補正を指示したか否かを判断する。この判断結果が「YES」の場合、すなわち、デザイナ等が表示部3に表示された色調補正後の画像に満足せず、操作部2を操作して再度の色調補正を指示した場合には、制御部1は、ステップSC1へ戻り、上記したステップSC1〜SC7の処理を繰り返す。一方、ステップSC8の判断結果が「NO」の場合、すなわち、デザイナ等が表示部3に表示された色調補正後の画像に満足したために操作部2を操作して再度の色調補正を指示しなかった場合には、制御部1は、ステップSC9へ進む。ステップSC9では、制御部1は、画像データ記憶部4cの所定の記憶領域に正規化画像ANRを記憶した後、図3に示すフローチャートに戻り、ステップSA7へ進む。
【0058】
このように、この例の構成によれば、アイ・レイ・トレーシングにおける輝度計算を、質感(拡散光成分、正反射光成分、正透過光成分)と、背景と、ライト・レイ・トレーシングによる輝度バッファとに画像レイヤに分けて行い、画像レイヤごとにHDR輝度画像データとして画像データ記憶部4cに記憶している。また、各画像レイヤに対して個別に色調補正を行って各画像レイヤごとにライブラリ化している。このため、この例の構成によれば、質感変更、背景変更の高速化、単位系の異なる輝度([cd/mm]又は[無次元(dimensionless)(例えば、0〜255)])の可視化、光の飽和を表現することができる。上記した第2の従来例では、物体の質感を変更する際には、図20に示すステップSP5のように質感の光散乱特性を変更して再度レンダリング処理を行う必要があるが、この例の構成によれば、質感の色調変更は2次元の画像処理として行っているため、質感の光散乱特性を変更するためのアイ・レイ・トレーシングを行うことなく質感の色調を変更することができる。また、アイ・レイ・トレーシングを行うことなく、背景の変更をすることができる。
【0059】
ここで、図14〜図17に上記構成のコンピュータ・グラフィックス装置を用いて意匠設計した自動車の画像の一例を示すとともに、図18及び図19に第2の従来例によるコンピュータ・グラフィックス装置を用いて意匠設計した自動車の画像の一例を示す。図14は上記構成の装置を用いてモデリング処理及びレンダリング処理(図3に示すSA1及びSA4参照)を行って作成した元の画像(車体色:赤)をモノクロスキャナで読みとった画像(モノクロ画像)、図15は図14に示す元の画像(車体色:赤)の車体色を緑色に色調変更して得られた画像のモノクロ画像である。また、図16は図14に示す元の画像(車体色:赤)の車体色を青色に色調変更して得られた画像のモノクロ画像、図17は図14に示す元の画像(車体色:赤)の車体色を黒色に色調変更して得られた画像のモノクロ画像である。一方、図18は第2の従来例による装置を用いて作成された黄金色の車体色の画像のモノクロ画像、図19は図18に示す画像の車体色を紫色に色調変更して得られたモノクロ画像である。
【0060】
図14〜図19はいずれもモノクロ画像であるため、精密な判断は難しいが、明らかな相異はないと思われる。第2の従来例においては、上記したように、高速化されてはいても光線履歴を利用した複雑な計算を用いているために、図18の画像から図19の画像をリアルタイムでは得られない。これに対し、この例の装置によれば、質感の光散乱特性を変更せず、2次元の画像処理により、質感の明度(明るさ)及び色度のみを変更しているので、図14に示す画像から図15〜図17に示す画像(縦:640ピクセル、横:480ピクセル)をリアルタイムで得ることができる。したがって、この例のコンピュータ・グラフィックス装置は、第2の従来例と比較して、色調変更の点で遜色なく、リアルタイム性の点で優位にあるといえる。すなわち、この例のコンピュータ・グラフィックス装置は、デザイナ等に良好な意匠設計環境を提供することができる。
【0061】
また、この例の構成によれば、部分光源の輝度バッファごとに明度を変更したHDR輝度画像データを所定時間表示するのに必要な枚数のフレーム分用意しているので、部分光源について一旦ライト・レイ・トレーシング及びアイ・レイ・トレーシングを行えば、再度それらを行うことなく、輝度バッファのHDR輝度画像データの色調補正を行うだけで部分光源の点滅アニメーション処理を非常に高速に作成することができる。これにより、デザイナ等は、部分光源が存在する場合にその光源の点滅が意匠設計に与える影響を考慮することができる。
また、この例の構成によれば、背景ごとに1枚のHDR輝度画像データからなる背景画像レイヤに予め記憶しているので、あるシーンにおいて、シーン中の視点や光源状態が変化しない場合には、背景のみを様々に変化させることができる。この場合、物体への映り込みも背景の変化に応じて変化させることができる。
【0062】
また、この例の構成によれば、アイ・レイ・トレーシングにより論理的に質感別にレイヤ分けされているため、上記した第1の従来例のようにマウス等のポインティングデバイスを用いて手動で質感変更の対象が描写されている範囲を指定する必要はなく、質感を変更したい対象だけを容易に選択することができ、操作性が良い。また、この例の構成によれば、質感を拡散光成分と、正反射光成分と、透過光成分とに分離して色調補正をすることができるため、例えば、図21に示すように、質感変更の対象(物体A)が他の物体(物体B)に映り込んでいた場合、たとえその映り込みが歪んでいたり、かすかであっても、映り込んだ先の物体まで同時に色調補正することができる。さらに、この例の構成によれば、例えば、意匠設計の対象である自動車の車体の下地部分の色調のみを変化させることができるため、車体に映り込んだ背景はそのままであり、このため、自然な色調補正をすることができる。
【0063】
以上、この実施の形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、上述の実施の形態1においては、この発明を専用のコンピュータ・グラフィックス装置に適用する例を示したが、これに限定されない。例えば、この発明は、汎用のパーソナル・コンピュータにも適用することが可能であり、その場合には、上記意匠設計プログラムはアプリケーション・プログラムの1つとして記憶媒体にインストールされる。
【0064】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、質感と背景とに分けてアイ・レイ・トレーシングにおける輝度計算を行って元画像データを得るレンダリング手段と、元画像データをレイヤごとに記憶する画像データ記憶手段と、レイヤごとに元画像データの色調補正を行って新画像データを得る色調補正手段とを備えているので、リアルタイムで意匠設計対象の物体の質感や背景の色調補正をすることができる。
また、請求項2記載の発明は、部分的に光線を照射する部分光源の影響を受ける物体について、前記物体表面又は画像が表示されると想定される仮想的なスクリーン上を格子状に分割した場合の各格子における視点方向への輝度分布が記憶される輝度バッファのマッピングを行うマッピング手段と、部分光源から出射されたライト・レイが輝度バッファに交差した点での視点方向から見た輝度計算結果を輝度バッファに記憶するライト・レイ・トレーシングを行うライト・レイ・トレーシング手段と、質感と背景と輝度バッファとに分けてアイ・レイ・トレーシングにおける輝度計算を行って元画像データを得るレンダリング手段と、元画像データをレイヤごとに記憶する画像データ記憶手段と、レイヤごとに元画像データの色調補正を行って新画像データを得るとともに、輝度バッファごとに明度を変更した複数の新画像データを得る色調補正手段と、輝度バッファごとの複数の新画像データを連続的に表示して部分光源の点滅アニメーションを実行する点滅アニメーション実行手段とを備えている。したがって、デザイナ等は、部分光源が存在する場合にその光源の点滅が意匠設計に与える影響を考慮することができる。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のコンピュータ・グラフィックス装置に係り、レンダリング手段は、質感について、拡散光成分、正反射光成分、正透過光成分に分離して元画像データを得ている。したがって、意匠設計対象の物体の質感を拡散光成分と、正反射光成分と、透過光成分とに分離してリアルタイムで簡単かつ自然な色調補正をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示すコンピュータ・グラフィックス装置のブロック図である。
【図2】同装置を構成する記憶部4の構成の一例を示す概念図である。
【図3】同装置における意匠設計処理の概略を説明するためのフローチャートである。
【図4】部分光源のライト・レイ・トレーシング及びアイ・レイ・トレーシングを説明するための概念図である。
【図5】同装置のレンダリング処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】同装置のレンダリング処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】同装置のレンダリング処理を説明するための概念図である。
【図8】同装置のレンダリング処理を説明するための概念図である。
【図9】線形明度補正の原理を説明するための概念図である。
【図10】ガンマ補正の原理を説明するための概念図である。
【図11】ガンマ補正の原理を説明するための概念図である。
【図12】同装置の色調補正処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】同装置の色調補正処理を説明するための概念図である。
【図14】同装置を用いて意匠設計した自動車の画像の一例を示す図である。
【図15】同装置を用いて意匠設計した自動車の画像の一例を示す図である。
【図16】同装置を用いて意匠設計した自動車の画像の一例を示す図である。
【図17】同装置を用いて意匠設計した自動車の画像の一例を示す図である。
【図18】第2の従来例によるコンピュータ・グラフィックス装置を用いて意匠設計した自動車の画像の一例を示す図である。
【図19】第2の従来例によるコンピュータ・グラフィックス装置を用いて意匠設計した自動車の画像の一例を示す図である。
【図20】第2の従来例によるコンピュータ・グラフィックス装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図21】第1の従来例の欠点を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1 制御部(レンダリング手段、色調補正手段、マッピング手段、ライト・レイ・トレーシング手段、点滅アニメーション実行手段)、2 操作部、3 表示部、4 記憶部、4a プログラム記憶部、4b ワーキング記憶部、4c 画像データ記憶部(画像データ記憶手段)。

Claims (7)

  1. 質感と背景とに分けてアイ・レイ・トレーシングにおける輝度計算を行って元画像データを得るレンダリング手段と、
    前記元画像データをレイヤごとに記憶する画像データ記憶手段と、
    前記レイヤごとに前記元画像データの色調補正を行って新画像データを得る色調補正手段と
    を備えていることを特徴とするコンピュータ・グラフィックス装置。
  2. 部分的に光線を照射する部分光源の影響を受ける物体について、前記物体表面又は画像が表示されると想定される仮想的なスクリーン上を格子状に分割した場合の各格子における視点方向への輝度分布が記憶される輝度バッファのマッピングを行うマッピング手段と、
    前記部分光源から出射されたライト・レイが前記輝度バッファに交差した点での前記視点方向から見た輝度計算結果を前記輝度バッファに記憶するライト・レイ・トレーシングを行うライト・レイ・トレーシング手段と、
    質感と背景と前記輝度バッファとに分けてアイ・レイ・トレーシングにおける輝度計算を行って元画像データを得るレンダリング手段と、
    前記元画像データをレイヤごとに記憶する画像データ記憶手段と、
    前記レイヤごとに前記元画像データの色調補正を行って新画像データを得るとともに、前記輝度バッファごとに明度を変更した複数の前記新画像データを得る色調補正手段と、
    前記輝度バッファごとの複数の新画像データを連続的に表示して前記部分光源の点滅アニメーションを実行する点滅アニメーション実行手段と
    を備えていることを特徴とするコンピュータ・グラフィックス装置。
  3. 前記レンダリング手段は、前記質感について、拡散光成分、正反射光成分、正透過光成分に分離して前記元画像データを得ることを特徴とする請求項1又は2記載のコンピュータ・グラフィックス装置。
  4. 前記元画像データは、1個のピクセルを構成する赤データ、緑データ、青データがそれぞれ所定ビットの絶対値で表現された広範囲輝度画像データであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載のコンピュータ・グラフィックス装置。
  5. 前記色調補正手段は、明度補正及び色度補正を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載のコンピュータ・グラフィックス装置。
  6. 前記色調補正手段は、線形明度補正又はガンマ明度補正を行うことを特徴とする請求項5記載のコンピュータ・グラフィックス装置。
  7. コンピュータに請求項1乃至6のいずれか1に記載の機能を実現させるための意匠設計プログラム。
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