JP2004245800A - アルコール検知機 - Google Patents

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重郎 杉本
Mankichi Tsuboi
万吉 坪井
Fumiya Asano
史也 浅野
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Abstract

【課題】測定者のごまかしを回避することができるようにする。
【解決手段】本発明のアルコール検知機は、吹き込み口から流れてくる呼気中のアルコール濃度を測定するアルコール濃度センサ5を備え、呼気の圧力が所定値以上であることを検知するセンサ手段を呼気が通過する導入路10に備え、該センサ手段により該所定条件を満足していることを検知すると、呼気中のアルコール濃度の測定結果を出力するように構成されている。具体的には、センサ手段は呼気が前記所定条件を満足しているときに開く圧力弁15であり、該圧力弁15が開いたときにアルコール濃度センサ5により呼気中のアルコール濃度を測定し、該測定結果を出力するように構成されている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、呼気に含まれるアルコール濃度を測定するアルコール検知機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のアルコール検知機として、特許文献1に開示されたアルコール濃度測定器を例示する。この測定器は、吹き込み口66より呼気を吹き込むと、呼気は先端有底の導入筒63を通り一端導入筒の先端で折り返し逆流し変流した後に、導入筒63の側筒面の通気逃げ孔64より排出される。この際吹き込まれた呼気のうちの一部がキャップ62側の側筒面の導入孔65よりキャップ62内のアルコール濃度センサ61へ吹き込まれるようになっている。アルコール濃度センサ61へ吹き込まれた呼気は残存呼気排気口68,69を経て外部へ排気される。
【0003】
【特許文献1】
実公平7−33162号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、飲酒による重大事故が多々発生し、交通や医療の分野における従事者に対する勤務中の飲酒・酒気帯び度の管理が問われるようになっている。従事者の酒気帯び度を管理するときは、従事者によるごまかしを回避する必要がある。しかし、従来のアルコール濃度測定器は、吹き込み口66からある程度の強さの呼気が必ず吹き込まれることが想定されているため、例えば、従事者が酒気帯び度をごまかすために、故意に呼気を吹き込まなかったり、極めて弱く吹き込んだりすると、正確に測定できないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、上記課題を解決し、測定者のごまかしを回避することができるアルコール検知機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のアルコール検知機は、吹き込み口から流れてくる呼気中のアルコール濃度を測定するアルコール濃度センサを備え、呼気が所定条件を満足していることを検知するセンサ手段を呼気が通過する呼気通路に備え、該センサ手段により該所定条件を満足していることを検知すると、呼気中のアルコール濃度の測定結果を出力するように構成されている。
【0007】
前記呼気通路とは、特に限定されないが、前記吹き込み口からアルコール濃度センサを経て放出されるまでの呼気の通路をいう。
【0008】
前記測定結果を出力する態様としては、特に限定されないが、アルコール検知機の表示部に表示出力する態様、音声出力部に音声で出力する態様、プリンタに印刷出力する態様、ケーブルや通信回線を介して接続された装置(測定結果を管理する装置等)にデータ出力する態様を例示する。
【0009】
前記アルコール検知機としては、特に限定されないが、次の態様を例示する。
(1)前記所定条件は、呼気の圧力が所定値以上であることであり、呼気が該所定条件を満足しているときに開く前記センサ手段としての圧力弁を備え、該圧力弁が開いたときに前記アルコール濃度センサにより呼気中のアルコール濃度を測定し、該測定結果を出力するように構成された態様。
【0010】
(2)前記所定条件は、呼気の圧力又は流速が所定値以上であることであり、前記呼気通路は、その途中部が前記アルコール濃度センサを経由せずに呼気を外部へ排気する排気路に連通され、呼気の流れを該排気路又は前記アルコール濃度センサへ切り替える切替手段が該途中部に設けられるとともに、該途中部よりも前記吹き込み口側に呼気が前記所定条件を満足していることを検知する前記センサ手段としての呼気センサが設けられ、前記呼気センサが、該所定条件を満足していることを検知していないときは前記切替手段により呼気を前記排気路に流し、該所定条件を満足していることを検知しているときは前記切替手段により呼気を前記アルコール濃度センサに向けて流してアルコール濃度を測定し、該測定結果を出力するように構成された態様。
【0011】
(3)前記所定条件は、呼気の圧力又は流速が所定値以上であることであり、呼気が前記所定条件を満足していることを検知する前記センサ手段としての呼気センサを備え、前記呼気センサが、該所定条件を満足していることを検知しているときは前記アルコール濃度センサによるアルコール濃度の測定結果を出力するように構成された態様。
【0012】
これらの構成によれば、測定者が吹き込み口から所定条件を満足する呼気を吹き込まないとアルコール濃度の測定結果が出力されないので、測定者が酒気帯び度をごまかす行為(呼気を吹き込まなかったり、極めて弱く吹き込んだりする等)を回避することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明を具体化した第一実施形態のアルコール検知機1を示している。このアルコール検知機1は、図1の外観図に示すように、電源スイッチ2と、各種の操作ボタン3と、測定者が呼気を吹き込むための吹き込み口4aを有する筒状の吹き込み部4と、呼気中のアルコール濃度を測定するアルコール濃度センサ5による測定結果等を報知する報知手段としての表示部6と、測定結果が許容範囲内にない場合に警告する警報手段としてのブザー7とを備えている。本例のアルコール検知機1は、さらに、測定を開始するための測定スタートスイッチ8や、複数人による使用を目的とした測定者識別手段及び測定者ごとの測定結果記録手段や、入出力端子9を介して外部機器との間で入出力又は通信する手段(各手段の図示は省略)等を備えているが、これらは備えていなくてもよく、以下では説明を省略する。
【0014】
吹き込み部4は、衛生面を考えて着脱可能にしておくとよい。さらに、複数人で使用するときは、各測定者用に複数の吹き込み部4を収納する収納部(図示略)を設けておくとよい。
【0015】
報知手段としての表示部6は、液晶モニターや測定結果の数値に対応した個数のランプ等による報知とすることを例示する。また、報知手段として、表示部6に代えて、又はこれとともに音声による報知としてもよい。これらの報知手段を適宜組み合わせてもよい。
【0016】
警報手段としては、ブザー7に代えて、又はこれとともに、表示部6に警告表示をするようにしたり、振動発生手段(図示略)によりケースが振動するようにしたり、音声により警告したりしてもよく、これらを適宜組み合わることができる。
【0017】
アルコール検知機1の構造は、図2に示すように、吹き込み口4aから吹き込まれた呼気を導く導入路10と、該導入路10により導かれた呼気のアルコール濃度を測定するアルコール濃度センサ5と、該アルコール濃度センサ5を経由した呼気を放出口11aから外部へ放出する放出路11と、電源スイッチ2や操作ボタン3等の入力を制御する入力回路12と、表示部6やブザー7等の出力を制御する出力回路を含む制御回路13とを備えている。この導入路10及び放出路11が、呼気通過用の呼気通路である。
【0018】
導入路10は、その途中部に、所定条件としての「呼気の圧力が所定値以上であるという条件」を満足していないときは閉じ(実線側)、満足しているときは開く(二点鎖線側)ように構成された圧力弁15を備えている。
【0019】
制御回路13は、圧力弁15が開いたときにアルコール濃度センサ5により呼気中のアルコール濃度を測定し、該測定結果を表示部6やブザー7に出力するように構成されている。
【0020】
以上のように構成された本発明のアルコール検知機1によれば、呼気が所定条件を満足していることを検知するセンサ手段としての圧力弁15を呼気が通過する導入路10に備え、該圧力弁15により該所定条件を満足していることを検知すると、該呼気中のアルコール濃度の測定結果を出力するように構成されているので、測定者が吹き込み口から所定条件を満足する呼気を吹き込まないとアルコール濃度の測定結果が出力されない。このため、従来とは異なり、測定者が酒気帯び度をごまかす行為(呼気を吹き込まなかったり、極めて弱く吹き込んだりする等)を回避することができる。
【0021】
次に、図3は、本発明を具体化した第二実施形態のアルコール検知機30を示している。本実施形態のアルコール検知機30は、以下の点において、第一実施形態のものと主に相違している。従って、第一実施形態と共通する部分については、同実施形態と同一符号を付することにより重複説明を省く(以下、他の実施形態も同様)。
【0022】
呼気通路における導入路10は、その途中部がアルコール濃度センサ5を経由せずに呼気を外部へ排気する排気路31に連通され、呼気の流れを該排気路31又はアルコール濃度センサ5へ切り替える切替手段としてのシャッター32が該途中部に設けられるとともに、該途中部よりも吹き込み口側に呼気が所定条件を満足していることを検知するセンサ手段としての呼気センサ33が設けられている。
【0023】
図3(a)は所定条件を呼気の流速が所定値以上であることとした態様であり、呼気センサとして、プロペラを利用して流速を検知する流速センサ33aを備えている。
【0024】
また、図3(b)は所定条件を呼気の圧力又は流速が所定値以上であることとした態様であり、呼気センサとして、流速又は圧力を検知する電子センサ33bを備えている。
【0025】
制御回路35は、呼気センサ33が前記所定条件を満足していることを検知していないときはシャッター32を実線側に移動させてアルコール濃度センサ5へ向かう通路を閉じることにより呼気を排気路31に流す。また、制御回路35は、呼気センサ33が所定条件を満足していることを検知しているときはシャッター32を二点鎖線側に移動させて排気路31を閉じることにより呼気をアルコール濃度センサ5に向けて流してアルコール濃度を測定し、該測定結果を出力するように構成されている。
【0026】
以上のように構成された本実施形態のアルコール検知機30によっても、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0027】
次に、図4は、本発明を具体化した第三実施形態のアルコール検知機40を示している。本実施形態のアルコール検知機40は、以下の点において、第一実施形態のものと主に相違している。
【0028】
本例における所定条件は、呼気の圧力又は流速が所定値以上であることであり、呼気センサ41としては、流速又は圧力を検知する電子センサを採用している。そして、呼気センサ41が、前記所定条件を満足していることを検知しているときは、制御回路42によりアルコール濃度センサ5によるアルコール濃度の測定結果を出力するように構成されている。
【0029】
図4(a)は、呼気センサ41を制御回路42に接続し、制御回路42が呼気センサ41により所定条件の満足を検知した場合のみ測定結果を出力するように具体化した態様を示している。ここで、アルコール濃度センサ5については、所定条件の満足が検知された場合に作動させるようにしてもよいが、所定条件を満足するか否かに関わらず作動させるようにしてもよい。
【0030】
また、図4(b)は、呼気センサ41をアルコール濃度センサ5に接続し、呼気センサ41により所定条件の満足を検知した場合のみアルコール濃度センサ5が測定動作を行うように具体化した態様を示している。そして、アルコール濃度センサ5が測定動作を行うと、その測定結果を制御回路42により出力するように構成されている。
【0031】
以上のように構成された本実施形態のアルコール検知機40によっても、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0032】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)所定条件(上限圧力又は上限速度)を越える呼気が吹き込まれたときに呼気の一部を排気したり、呼気の流れを制限又は禁止したり、アルコール濃度の測定結果を出力しなかったりするように構成すること。
(2)第一実施形態又は第三実施形態において、呼気が所定条件を満足していることを検知するセンサ手段を呼気の放出路11に設けるようにすること。
【0033】
【発明の効果】
本発明に係るアルコール検知機によれば、測定者のごまかしを回避することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第一実施形態に係るアルコール検知機の外観を示す斜視図である。
【図2】同アルコール検知機の構造を示す断面図である。
【図3】本発明を具体化した第二実施形態に係るアルコール検知機の構造を示す断面図であり、(a)及び(b)の2態様を示す図である。
【図4】本発明を具体化した第三実施形態に係るアルコール検知機の構造を示す断面図であり、(a)及び(b)の2態様を示す図である。
【図5】従来のアルコール濃度測定器を示す断面図である。
【符号の説明】
1 アルコール検知機
4 吹き込み部
4a 吹き込み口
5 アルコール濃度センサ
6 表示部
7 ブザー
10 導入路
11 放出路
13 制御回路
15 圧力弁
30 アルコール検知機
31 排気路
32 シャッター
33 呼気センサ
33b 電子センサ
33a 流速センサ
35 制御回路
40 アルコール検知機
41 呼気センサ
42 制御回路

Claims (4)

  1. 吹き込み口から流れてくる呼気中のアルコール濃度を測定するアルコール濃度センサを備え、
    呼気が所定条件を満足していることを検知するセンサ手段を呼気が通過する呼気通路に備え、該センサ手段により該所定条件を満足していることを検知すると、呼気中のアルコール濃度の測定結果を出力するように構成されたアルコール検知機。
  2. 前記所定条件は、呼気の圧力が所定値以上であることであり、
    呼気が該所定条件を満足しているときに開く前記センサ手段としての圧力弁を備え、
    該圧力弁が開いたときに前記アルコール濃度センサにより呼気中のアルコール濃度を測定し、該測定結果を出力するように構成された請求項1記載のアルコール検知機。
  3. 前記所定条件は、呼気の圧力又は流速が所定値以上であることであり、
    前記呼気通路は、その途中部が前記アルコール濃度センサを経由せずに呼気を外部へ排気する排気路に連通され、呼気の流れを該排気路又は前記アルコール濃度センサへ切り替える切替手段が該途中部に設けられるとともに、該途中部よりも前記吹き込み口側に呼気が前記所定条件を満足していることを検知する前記センサ手段としての呼気センサが設けられ、
    前記呼気センサが、該所定条件を満足していることを検知していないときは前記切替手段により呼気を前記排気路に流し、該所定条件を満足していることを検知しているときは前記切替手段により呼気を前記アルコール濃度センサに向けて流してアルコール濃度を測定し、該測定結果を出力するように構成された請求項1記載のアルコール検知機。
  4. 前記所定条件は、呼気の圧力又は流速が所定値以上であることであり、
    呼気が前記所定条件を満足していることを検知する前記センサ手段としての呼気センサを備え、
    前記呼気センサが、該所定条件を満足していることを検知しているときは前記アルコール濃度センサによるアルコール濃度の測定結果を出力するように構成された請求項1記載のアルコール検知機。
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