JP2004245714A - ガス計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水素炎イオン化検出法によるものとして、被検ガスが流れる本管に挿入して設置することのできるガス計測装置を提供する。
【解決手段】検出部本体111を防爆体121で包囲させて検出部を構成する。検出部本体111には、防爆体121との間に被検ガスのプール部Sが残される大きさを持たせ、その内部に燃焼室113と、燃焼室113をプール部Sに連通させる拡散律速孔115と、燃焼室113に空気を供給するための助燃ガス導入孔117とを形成する。燃焼室113に面する検出部本体111の内壁上に電極119a,119bを設置し、これらの間を流れるイオン電流に基づいて水素ガスの濃度を検出する。
【選択図】 図1
【解決手段】検出部本体111を防爆体121で包囲させて検出部を構成する。検出部本体111には、防爆体121との間に被検ガスのプール部Sが残される大きさを持たせ、その内部に燃焼室113と、燃焼室113をプール部Sに連通させる拡散律速孔115と、燃焼室113に空気を供給するための助燃ガス導入孔117とを形成する。燃焼室113に面する検出部本体111の内壁上に電極119a,119bを設置し、これらの間を流れるイオン電流に基づいて水素ガスの濃度を検出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス計測装置に関し、詳細には、被検ガスが流れる本管に挿入して設置することのできる、水素炎イオン化検出法によるコンパクトなガス計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素炎イオン化検出法によるガス計測装置として、次のものが一般的に知られている。すなわち、中空の囲壁の内部に、被検ガス及び燃料ガスとしての水素ガスを供給するとともに、助燃ガスとしての酸素ガスを供給し、燃料ガスと助燃ガスとが反応して発生した水素炎により被検ガスの特定成分をイオン化させる。囲壁の内部には、電極を配置しておき、前記特定成分のイオン発生量に応じて流れる電流を検出して、被検ガスの分析を行うものである(下記特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−194356号公報(段落番号0018〜0022)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような水素炎イオン化検出器によれば、高い分析応答性を得ることができる。しかしながら、充分な測定精度を得るためには、被検ガス、燃料ガス及び助燃ガスの各流量を相互に関連を持たせながら正確に制御する必要がある。そのための典型的な方法として、被検ガスの一部を本管からサンプリングして分析を行う方法が採用されている。サンプリングによることとすると、被検ガスをサンプリングするための枝管や各種ポンプ及び流量調節弁を設置する必要がある。従って、これまでの水素炎イオン化検出器は、装置が全体として大掛かりで高価なものとなりがちであった。
【0005】
そこで、本発明は、水素炎イオン化検出法によるガス計測装置として、被検ガスが流れる本管に挿入して設置することのできるコンパクトで低廉なガス計測装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、被検ガスが外内方向に流通する入口としての第1の通路が形成された中空の防爆体の内部に、水素炎の発生領域である燃焼室を有する検出部本体を配置させる。検出部本体には、防爆体との間に前記第1の通路と接続するプール部としての空間が残される大きさを持たせるとともに、燃焼室と、燃焼室をプール部と連通させる所定の孔径の拡散律速孔と、燃焼室に接続する助燃ガス導入孔とを設ける。また、燃焼室に助燃ガス導入孔を介して助燃ガスを供給する助燃ガス供給手段、燃焼室を加熱して水素炎を発生させる加熱手段、発生した水素炎によるイオン発生量を検出するイオン発生量検出手段、及び検出されたイオン発生量に基づいて被検ガスの特定成分の濃度又はその特定成分の流量を算出するガス状態量算出手段を設ける。
【0007】
本発明によれば、防爆体及び検出部本体を含んで構成される検出部を被検ガスが流れる本管に挿入して被検ガスの分析を行うことができる。本発明に係るガス計測装置において、被検ガスは、本管から防爆体の第1の通路を介してプール部に流入し、拡散律速孔により制限された流量で燃焼室に供給される。燃焼室は、加熱手段により加熱されており、水素炎が発生する。拡散律速孔を介して流入した被検ガスの特定成分がこの水素炎によりイオン化され、このときのイオン発生量に基づいて被検ガスの分析が行われる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るガス計測装置101の構成図である。本実施形態に係るガス計測装置101は、自動車の駆動源を構成する燃料電池システムの燃料ガス通路に設置され、被検ガスとしての燃料ガスに含まれる水素ガスの濃度を検出する。
【0009】
ガス計測装置101は、次のように構成され、燃料ガス通路の内部に検出部が挿入された状態で設置される。
ガス計測装置101の検出部は、円筒状に形成された検出部本体111と、検出部本体111の上面及び側面を覆う、検出部本体111よりも大きな円筒状に形成された防爆体121とで構成され、これら検出部本体111及び防爆体121は、支持体131によりそれぞれの基端側で結合されている。結合された検出部本体111と防爆体121とは、同軸に配置されており、これらの間には、被検ガスのプール部としての空間Sが残されている。ガス計測装置101は、このような結合状態で検出部が燃料ガス通路の内部に挿入され、支持体131に設けられた図示しない螺子部により燃料ガス通路に固定される。なお、本実施形態では、燃料ガス通路が本管に相当する。
【0010】
検出部本体111は、固体電解質成型体であり、内部には、濃度検出時に水素炎を発生させる燃焼室113が形成されている。検出部本体111には、プール部Sから燃焼室113に燃料ガス(特に、そのうちの水素ガス)を流入させるための拡散律速孔115と、燃焼室113に助燃ガスとしての空気を供給するための助燃ガス導入孔117とが形成されている。拡散律速孔115は、濃度検出時における燃焼室113へのガス流入量を考慮して設定された所定の孔径を有し、燃焼室113をプール部Sと連通させている。一方、助燃ガス導入孔117は、一端で燃焼室113に接続するとともに、他端で空気供給管151に接続している。空気供給管151は、一端が大気に開放され、燃焼室113に大気中の空気を送り込むためのポンプ152が介装されている。また、検出部本体111には、燃焼室113を形成する内壁上に一対の白金電極119a,119bが設置されており、これらの電極119a,119bは、水素濃度演算回路171に接続されている。検出部本体111のうち燃焼室113の近傍にヒータ141が埋設されており、濃度検出時には、このヒータ141を作動させて燃焼室113内を水素ガスの燃焼温度以上に加熱する。
【0011】
一方、防爆体121は、燃料電池システムの燃料ガスが流通可能な程度に細かい孔径を持たせて形成された多孔質体で構成されている。防爆体121の孔径は、濃度検出時における燃焼室113からの火炎の伝播を遮断する効果と、燃焼室113における被検ガスの置換を速やかに行わせる効果とが両立する範囲で、50〜500μmの間に設定されている。なお、本実施形態に係る防爆体121は、およそ120μmの孔径を持たせて形成されている。
【0012】
次に、本実施形態に係るガス計測装置101の動作について説明する。
燃料電池システムの燃料ガスは、防爆体121に形成された孔(「第1の通路」に相当する。)を矢印Aのように通過してプール部Sに流入するとともに、拡散律速孔115を通過して燃焼室113に流入する。一方、助燃ガスとしての空気は、ポンプ152により大気中から取り込まれ、空気供給管151及び助燃ガス導入孔117を介して燃焼室113に供給される。燃焼室113は、ヒータ141により水素ガスの燃焼温度以上に加熱されているため、流入した水素ガスと供給された空気とが反応して水素炎が発生し、この水素炎により燃料ガス中の水素がイオン化される。電極119a,119bには、所定の直流電圧(例えば、10〜300v)がかけられており、これらの電極119a,119bの間を水素炎によるイオン発生量に応じた大きさの電流が流れる。水素濃度演算回路171は、このイオン電流を検出し、これに基づいて燃料ガスに含まれる水素ガスの濃度を算出する。ここで、拡散律速孔115により燃焼室113へのガス流入量が制限されるため、ポンプ152により供給される空気の量が拡散律速孔115を介して流入する水素ガスの量に対して充分に多ければ、検出されるイオン電流は、流入した燃料ガスに含まれる水素ガスの濃度に依存することになる。
【0013】
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
第1に、検出部本体111及び防爆体121を含んでガス計測装置101の検出部を構成し、この検出部を本管としての燃料ガス通路の内部に挿入した状態で、ガス計測装置101を燃料ガス通路に設置するようにした。このため、サンプリングのための枝管等を用いることなく、コンパクトな構成で燃料ガスの分析を行うことができる。
【0014】
第2に、検出部本体111と防爆体121との間にプール部Sを設け、そこから拡散律速孔115を介して燃料ガスを燃焼室113に流入させるようにした。このため、特別な流量調節弁を用いることなく、燃焼室113に流入する燃料ガスの量を調節することができるので、ガス計測装置101がコンパクトで、かつ低廉なものとなる。
【0015】
本実施形態に関して、酸素供給管151及びポンプ152が助燃ガス供給手段を、ヒータ141が加熱手段を、電極119a,119b及び濃度演算回路171がイオン発生量検出手段を、水素濃度演算回路171がガス状態量算出手段を、それぞれ構成する。
【0016】
なお、助燃ガス供給手段は、上記の例のようにポンプ152等の機械的手段を用いるものに限らず、助燃ガス導入孔117に燃焼室113と大気とを遮断するように酸素イオン伝導性の固体電解質成型体を配設するとともに、その両側に電極を設置して構成することも可能である。このような助燃ガス供給手段によれば、固体電解質のポンピング作用により助燃ガスとして酸素ガスのみを燃焼室113に供給することができる。固体電解質には、一般的に知られるイットリウム安定化ジルコニア等を採用することができる。
【0017】
以下に、本発明の他の実施形態について説明する。
図2は、第2の実施形態に係るガス計測装置201の構成図である。本実施形態に係るガス計測装置201は、燃料電池システムの燃料ガスに含まれる水素ガスの濃度を検出するものであり、第1の実施形態に係るガス計測装置101が有する上記の機能に加え、次のように燃焼室113内の酸素ガスの量を調節する機能を有する。
【0018】
ガス計測装置201の検出部本体111は、固体電解質成型体である。検出部本体111には、第1の実施形態に係るガス計測装置101と同様な燃焼室113、拡散律速孔115及び助燃ガス導入孔117に加え、燃焼室113に隣接して、燃焼室113と検出部本体111の一部により隔てられた酸素基準室211が形成されている。検出部本体111には、この酸素基準室211に接続して、一端が大気に開放された大気導入孔213が形成されており、濃度検出時に大気中の空気が導入される。酸素基準室211と燃焼室113とを隔てる壁部には、酸素基準室側と燃焼室側とに電極215a,215bが設置されており、これら一対の電極215a,215bは、酸素濃度演算回路271と接続されている。また、燃焼室113に空気を送り込むためのポンプ152は、吐出し量が可変に構成されており、酸素濃度演算回路271からの酸素濃度検出信号に応じて吐出し量を増減する。
【0019】
次に、本実施形態に係るガス計測装置201の動作について、燃焼室113内の酸素ガスの量を調節する動作を中心に説明する。
燃料電池システムの燃料ガスは、防爆体121の孔及び拡散律速孔115を通過して燃焼室113に流入し、助燃ガス導入孔117を介して供給された空気と反応して燃焼する。このときに発生した水素炎により水素がイオン化され、水素濃度演算回路171は、第1の電極119a,119bの間を流れるイオン電流を検出し、これに基づいて燃料ガスに含まれる水素ガスの濃度を算出する。一方、第2の電極215a,215bの間には、両室における酸素ガスの濃度、すなわち、それぞれの分圧に応じた起電力Eが生じる。この起電力Eは、ネルンストの式として次の(1)式で表すことができる。なお、Rをガス定数、Tをガス温度、Fをファラデー定数とする。
【0020】
E=(R×T/4F)ln(基準酸素分圧/測定酸素分圧) ・・・(1)
電極215a,215bの間に生じる起電力Eは、図3に示すように燃焼室113における空気過剰率λが1となる点を境に急変する特性を持つ。この空気過剰率λは、燃焼室113における空気と可燃成分(ここでは、主に水素ガス)との重量比を空燃比とすれば、理論空燃比(前記可燃成分を完全に燃焼させる場合の空燃比)に対する実際の空燃比の比として表される。起電力Eは、λが1よりも小さく、酸素ガスが不足しているときに第1の値を示し、λが1よりも大きく、酸素ガスが過剰であるときに第1の値よりも小さな第2の値を示す。従って、起電力Eに基づいて燃焼室113内での燃焼状態を判断し、燃焼室113に供給する空気の量を最適に調節することができる。具体的には、ポンプ152の吐出し量を可変に制御し、λが1又はこれよりも僅かに大きな値となるように空気を供給する。
【0021】
本実施形態によれば、吐出し量を可変にポンプ152を構成し、燃焼室113に供給する空気の量を燃焼室113における酸素ガスの濃度に応じて調節することとした。このため、λを1又はこれよりも僅かに大きな値となるように空気を供給し、被検ガスに含まれる可燃成分のすべてを燃焼させることで、第1の電極119a,119bによる水素イオンの検出感度を最大限に高め、供給する空気の量を最小限に抑えることができる。
【0022】
図4は、第3の実施形態に係るガス計測装置301の構成図である。本実施形態に係るガス計測装置301は、本管としての燃料電池システムの燃料ガス通路1に設置され、燃料電池に供給される水素ガスの流量を検出する。
【0023】
ガス計測装置301の検出部本体111は、固体電解質成型体である。検出部本体111には、以上の実施形態に係るものと同様に燃焼室113、拡散律速孔115及び助燃ガス導入孔117が形成されているが、本実施形態では、燃焼室113を、拡散律速孔115を第1の連通孔としてプール部Sと連通させるほか、第2の連通孔(以下「連通孔」という。)311を介してプール部Sと連通させている。ここで、拡散律速孔115と連通孔311とは、同軸上に形成されており、ガス計測装置301の検出部は、燃料ガスの流れに対して拡散律速孔115が上流側に位置するように配設される。また、第1の電極119a,119bは、燃焼室113を形成する検出部本体111の内壁上に設置され、水素流量演算回路371に接続されている。なお、燃焼室113における酸素ガスの濃度を検出するため、燃焼室113に隣接して酸素基準室221が形成されており、燃焼室113と酸素基準室211とを隔てる壁部に電極215a,215bが設置され、これらの電極215a,215bが酸素濃度演算回路271に接続されている。また、吐出し量が可変に構成されたポンプ152が設けられており、ポンプ152は、酸素濃度演算回路271からの酸素濃度検出信号に応じて吐出し量を増減する。
【0024】
次に、本実施形態に係るガス計測装置301の動作について説明する。
燃料電池システムの燃料ガスは、防爆体121の孔及び拡散律速孔115を通過して燃焼室113に流入し、助燃ガス導入孔117を介して供給された空気と反応して燃焼する。このときに発生した水素炎により水素がイオン化され、水素流量演算回路371は、第1の電極119a,119bの間を流れるイオン電流を検出する。ここで、ガス計測装置301は、燃焼室113に流入した燃料ガスが矢印Bで示すようにプール部S及び防爆体121の孔(「第2の通路」に相当する。)を通過して燃料ガス通路1に戻るように構成されている。このため、電極119a,119bの間を流れるイオン電流は、水素ガスの濃度ではなく、燃焼室113を流れる水素ガスの流量、ひいては燃料ガス通路1を流れる水素ガスの流量に依存することになる。水素流量演算回路371は、燃焼室113に流入する燃料ガスの、燃料ガス通路1を流れる燃料ガスに対する分流比に応じた係数を記憶しており、イオン電流に基づいて算出した水素ガスの流量にこの係数を乗算して、燃料ガス通路1における水素ガスの流量を算出する。
【0025】
本実施形態によれば、検出部本体111に第2の連通孔311を形成し、燃焼室113に流入した燃料ガスがこの連通孔311を介して燃焼室113から流出するように構成した。このため、第1の電極119a,119bにより検出されるイオン電流が水素ガスの流量に依存することとなるので、燃料電池に供給される水素ガスの量を検出することができる。
【0026】
以上に述べた第1〜第3のいずれの実施形態においても、防爆体121に燃料ガスに含まれる水素ガス以外の可燃成分(例えば、炭化水素や一酸化炭素)を吸着し、除去するための層を形成することができる。前者の炭化水素吸着層には、ゼオライトを用いることができ、後者の一酸化炭素吸着層には、ZnO又はSnO2を用いることができる。
【0027】
防爆体121にこのような吸着層を形成することで、炭化水素等の水素ガス以外の可燃成分が燃焼室113に進入し、水素イオンを発生させて、電極119a,119bによる水素ガスの濃度等の検出精度が低下することを防止することができる。従って、改質型燃料電池システムにおける水素ガスの濃度等を検出する場合に、改質後の燃料ガスに微量ながら含まれる炭化水素及び一酸化炭素を除去し、水素ガスの濃度を正確に検出することができる。
【0028】
また、防爆体121に吸着されている炭化水素等の処理は、次のように行うことができる。
第3の実施形態に係るガス計測装置301を例に説明する。水素流量演算回路371により算出された水素ガスの流量が0となると、ポンプ152は、燃焼室113に対し、燃焼室113における流れが停滞しているときに燃焼室113内の水素ガスのすべてを燃焼させる量よりも僅かに多い量の空気を送り込む。送り込まれた空気のうち水素ガスとの反応に消費されたもの以外が防爆体121の吸着層に拡散していき、吸着している可燃成分を酸化させる。ポンプ152により送り込む空気の量は、第2の電極215a,215bにより検出される酸素ガスの濃度に基づいて、燃焼室113における空気過剰率λが1よりも僅かに大きな値となるように制御すればよい。なお、水素ガスの流量が0であることは、燃料電池システムの起動スイッチのオフ信号等よりシステム停止を検出することで判断することもできる。
【0029】
以上では、燃料電池システムの燃料ガス通路に設置され、燃料電池に供給される燃料ガスに含まれる水素ガスの濃度等を検出する場合を例に説明した。本発明は、これに限らず、燃料電池システムの漏洩ガス通路に設置され、アノード側の配管から漏れ出した水素ガスの濃度等を検出するガス計測装置に適用することもできる。
【0030】
また、被検ガスに含まれる水素ガスの濃度及び流量を検出するばかりでなく、水素ガスが含まれていないか、あるいは水素ガスの濃度が一定である被検ガスについて、水素ガス以外の可燃成分(例えば、炭化水素)の濃度等を検出するガス計測装置に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るガス計測装置の構成
【図2】本発明の第2の実施形態に係るガス計測装置の構成
【図3】空気過剰率λの特性
【図4】本発明の第3の実施形態に係るガス計測装置の構成
【符号の説明】
101,201,301…ガス計測装置、111…検出部本体、113…燃焼室、115…拡散律速孔、117…助燃ガス導入孔、119a,119b…イオン発生量検出手段としての電極、121…防爆体、131…支持体、141…加熱手段としてのヒータ、151…空気供給管、152…ポンプ、171…ガス状態量算出手段としての水素濃度演算回路、S…プール部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス計測装置に関し、詳細には、被検ガスが流れる本管に挿入して設置することのできる、水素炎イオン化検出法によるコンパクトなガス計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素炎イオン化検出法によるガス計測装置として、次のものが一般的に知られている。すなわち、中空の囲壁の内部に、被検ガス及び燃料ガスとしての水素ガスを供給するとともに、助燃ガスとしての酸素ガスを供給し、燃料ガスと助燃ガスとが反応して発生した水素炎により被検ガスの特定成分をイオン化させる。囲壁の内部には、電極を配置しておき、前記特定成分のイオン発生量に応じて流れる電流を検出して、被検ガスの分析を行うものである(下記特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−194356号公報(段落番号0018〜0022)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような水素炎イオン化検出器によれば、高い分析応答性を得ることができる。しかしながら、充分な測定精度を得るためには、被検ガス、燃料ガス及び助燃ガスの各流量を相互に関連を持たせながら正確に制御する必要がある。そのための典型的な方法として、被検ガスの一部を本管からサンプリングして分析を行う方法が採用されている。サンプリングによることとすると、被検ガスをサンプリングするための枝管や各種ポンプ及び流量調節弁を設置する必要がある。従って、これまでの水素炎イオン化検出器は、装置が全体として大掛かりで高価なものとなりがちであった。
【0005】
そこで、本発明は、水素炎イオン化検出法によるガス計測装置として、被検ガスが流れる本管に挿入して設置することのできるコンパクトで低廉なガス計測装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、被検ガスが外内方向に流通する入口としての第1の通路が形成された中空の防爆体の内部に、水素炎の発生領域である燃焼室を有する検出部本体を配置させる。検出部本体には、防爆体との間に前記第1の通路と接続するプール部としての空間が残される大きさを持たせるとともに、燃焼室と、燃焼室をプール部と連通させる所定の孔径の拡散律速孔と、燃焼室に接続する助燃ガス導入孔とを設ける。また、燃焼室に助燃ガス導入孔を介して助燃ガスを供給する助燃ガス供給手段、燃焼室を加熱して水素炎を発生させる加熱手段、発生した水素炎によるイオン発生量を検出するイオン発生量検出手段、及び検出されたイオン発生量に基づいて被検ガスの特定成分の濃度又はその特定成分の流量を算出するガス状態量算出手段を設ける。
【0007】
本発明によれば、防爆体及び検出部本体を含んで構成される検出部を被検ガスが流れる本管に挿入して被検ガスの分析を行うことができる。本発明に係るガス計測装置において、被検ガスは、本管から防爆体の第1の通路を介してプール部に流入し、拡散律速孔により制限された流量で燃焼室に供給される。燃焼室は、加熱手段により加熱されており、水素炎が発生する。拡散律速孔を介して流入した被検ガスの特定成分がこの水素炎によりイオン化され、このときのイオン発生量に基づいて被検ガスの分析が行われる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るガス計測装置101の構成図である。本実施形態に係るガス計測装置101は、自動車の駆動源を構成する燃料電池システムの燃料ガス通路に設置され、被検ガスとしての燃料ガスに含まれる水素ガスの濃度を検出する。
【0009】
ガス計測装置101は、次のように構成され、燃料ガス通路の内部に検出部が挿入された状態で設置される。
ガス計測装置101の検出部は、円筒状に形成された検出部本体111と、検出部本体111の上面及び側面を覆う、検出部本体111よりも大きな円筒状に形成された防爆体121とで構成され、これら検出部本体111及び防爆体121は、支持体131によりそれぞれの基端側で結合されている。結合された検出部本体111と防爆体121とは、同軸に配置されており、これらの間には、被検ガスのプール部としての空間Sが残されている。ガス計測装置101は、このような結合状態で検出部が燃料ガス通路の内部に挿入され、支持体131に設けられた図示しない螺子部により燃料ガス通路に固定される。なお、本実施形態では、燃料ガス通路が本管に相当する。
【0010】
検出部本体111は、固体電解質成型体であり、内部には、濃度検出時に水素炎を発生させる燃焼室113が形成されている。検出部本体111には、プール部Sから燃焼室113に燃料ガス(特に、そのうちの水素ガス)を流入させるための拡散律速孔115と、燃焼室113に助燃ガスとしての空気を供給するための助燃ガス導入孔117とが形成されている。拡散律速孔115は、濃度検出時における燃焼室113へのガス流入量を考慮して設定された所定の孔径を有し、燃焼室113をプール部Sと連通させている。一方、助燃ガス導入孔117は、一端で燃焼室113に接続するとともに、他端で空気供給管151に接続している。空気供給管151は、一端が大気に開放され、燃焼室113に大気中の空気を送り込むためのポンプ152が介装されている。また、検出部本体111には、燃焼室113を形成する内壁上に一対の白金電極119a,119bが設置されており、これらの電極119a,119bは、水素濃度演算回路171に接続されている。検出部本体111のうち燃焼室113の近傍にヒータ141が埋設されており、濃度検出時には、このヒータ141を作動させて燃焼室113内を水素ガスの燃焼温度以上に加熱する。
【0011】
一方、防爆体121は、燃料電池システムの燃料ガスが流通可能な程度に細かい孔径を持たせて形成された多孔質体で構成されている。防爆体121の孔径は、濃度検出時における燃焼室113からの火炎の伝播を遮断する効果と、燃焼室113における被検ガスの置換を速やかに行わせる効果とが両立する範囲で、50〜500μmの間に設定されている。なお、本実施形態に係る防爆体121は、およそ120μmの孔径を持たせて形成されている。
【0012】
次に、本実施形態に係るガス計測装置101の動作について説明する。
燃料電池システムの燃料ガスは、防爆体121に形成された孔(「第1の通路」に相当する。)を矢印Aのように通過してプール部Sに流入するとともに、拡散律速孔115を通過して燃焼室113に流入する。一方、助燃ガスとしての空気は、ポンプ152により大気中から取り込まれ、空気供給管151及び助燃ガス導入孔117を介して燃焼室113に供給される。燃焼室113は、ヒータ141により水素ガスの燃焼温度以上に加熱されているため、流入した水素ガスと供給された空気とが反応して水素炎が発生し、この水素炎により燃料ガス中の水素がイオン化される。電極119a,119bには、所定の直流電圧(例えば、10〜300v)がかけられており、これらの電極119a,119bの間を水素炎によるイオン発生量に応じた大きさの電流が流れる。水素濃度演算回路171は、このイオン電流を検出し、これに基づいて燃料ガスに含まれる水素ガスの濃度を算出する。ここで、拡散律速孔115により燃焼室113へのガス流入量が制限されるため、ポンプ152により供給される空気の量が拡散律速孔115を介して流入する水素ガスの量に対して充分に多ければ、検出されるイオン電流は、流入した燃料ガスに含まれる水素ガスの濃度に依存することになる。
【0013】
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
第1に、検出部本体111及び防爆体121を含んでガス計測装置101の検出部を構成し、この検出部を本管としての燃料ガス通路の内部に挿入した状態で、ガス計測装置101を燃料ガス通路に設置するようにした。このため、サンプリングのための枝管等を用いることなく、コンパクトな構成で燃料ガスの分析を行うことができる。
【0014】
第2に、検出部本体111と防爆体121との間にプール部Sを設け、そこから拡散律速孔115を介して燃料ガスを燃焼室113に流入させるようにした。このため、特別な流量調節弁を用いることなく、燃焼室113に流入する燃料ガスの量を調節することができるので、ガス計測装置101がコンパクトで、かつ低廉なものとなる。
【0015】
本実施形態に関して、酸素供給管151及びポンプ152が助燃ガス供給手段を、ヒータ141が加熱手段を、電極119a,119b及び濃度演算回路171がイオン発生量検出手段を、水素濃度演算回路171がガス状態量算出手段を、それぞれ構成する。
【0016】
なお、助燃ガス供給手段は、上記の例のようにポンプ152等の機械的手段を用いるものに限らず、助燃ガス導入孔117に燃焼室113と大気とを遮断するように酸素イオン伝導性の固体電解質成型体を配設するとともに、その両側に電極を設置して構成することも可能である。このような助燃ガス供給手段によれば、固体電解質のポンピング作用により助燃ガスとして酸素ガスのみを燃焼室113に供給することができる。固体電解質には、一般的に知られるイットリウム安定化ジルコニア等を採用することができる。
【0017】
以下に、本発明の他の実施形態について説明する。
図2は、第2の実施形態に係るガス計測装置201の構成図である。本実施形態に係るガス計測装置201は、燃料電池システムの燃料ガスに含まれる水素ガスの濃度を検出するものであり、第1の実施形態に係るガス計測装置101が有する上記の機能に加え、次のように燃焼室113内の酸素ガスの量を調節する機能を有する。
【0018】
ガス計測装置201の検出部本体111は、固体電解質成型体である。検出部本体111には、第1の実施形態に係るガス計測装置101と同様な燃焼室113、拡散律速孔115及び助燃ガス導入孔117に加え、燃焼室113に隣接して、燃焼室113と検出部本体111の一部により隔てられた酸素基準室211が形成されている。検出部本体111には、この酸素基準室211に接続して、一端が大気に開放された大気導入孔213が形成されており、濃度検出時に大気中の空気が導入される。酸素基準室211と燃焼室113とを隔てる壁部には、酸素基準室側と燃焼室側とに電極215a,215bが設置されており、これら一対の電極215a,215bは、酸素濃度演算回路271と接続されている。また、燃焼室113に空気を送り込むためのポンプ152は、吐出し量が可変に構成されており、酸素濃度演算回路271からの酸素濃度検出信号に応じて吐出し量を増減する。
【0019】
次に、本実施形態に係るガス計測装置201の動作について、燃焼室113内の酸素ガスの量を調節する動作を中心に説明する。
燃料電池システムの燃料ガスは、防爆体121の孔及び拡散律速孔115を通過して燃焼室113に流入し、助燃ガス導入孔117を介して供給された空気と反応して燃焼する。このときに発生した水素炎により水素がイオン化され、水素濃度演算回路171は、第1の電極119a,119bの間を流れるイオン電流を検出し、これに基づいて燃料ガスに含まれる水素ガスの濃度を算出する。一方、第2の電極215a,215bの間には、両室における酸素ガスの濃度、すなわち、それぞれの分圧に応じた起電力Eが生じる。この起電力Eは、ネルンストの式として次の(1)式で表すことができる。なお、Rをガス定数、Tをガス温度、Fをファラデー定数とする。
【0020】
E=(R×T/4F)ln(基準酸素分圧/測定酸素分圧) ・・・(1)
電極215a,215bの間に生じる起電力Eは、図3に示すように燃焼室113における空気過剰率λが1となる点を境に急変する特性を持つ。この空気過剰率λは、燃焼室113における空気と可燃成分(ここでは、主に水素ガス)との重量比を空燃比とすれば、理論空燃比(前記可燃成分を完全に燃焼させる場合の空燃比)に対する実際の空燃比の比として表される。起電力Eは、λが1よりも小さく、酸素ガスが不足しているときに第1の値を示し、λが1よりも大きく、酸素ガスが過剰であるときに第1の値よりも小さな第2の値を示す。従って、起電力Eに基づいて燃焼室113内での燃焼状態を判断し、燃焼室113に供給する空気の量を最適に調節することができる。具体的には、ポンプ152の吐出し量を可変に制御し、λが1又はこれよりも僅かに大きな値となるように空気を供給する。
【0021】
本実施形態によれば、吐出し量を可変にポンプ152を構成し、燃焼室113に供給する空気の量を燃焼室113における酸素ガスの濃度に応じて調節することとした。このため、λを1又はこれよりも僅かに大きな値となるように空気を供給し、被検ガスに含まれる可燃成分のすべてを燃焼させることで、第1の電極119a,119bによる水素イオンの検出感度を最大限に高め、供給する空気の量を最小限に抑えることができる。
【0022】
図4は、第3の実施形態に係るガス計測装置301の構成図である。本実施形態に係るガス計測装置301は、本管としての燃料電池システムの燃料ガス通路1に設置され、燃料電池に供給される水素ガスの流量を検出する。
【0023】
ガス計測装置301の検出部本体111は、固体電解質成型体である。検出部本体111には、以上の実施形態に係るものと同様に燃焼室113、拡散律速孔115及び助燃ガス導入孔117が形成されているが、本実施形態では、燃焼室113を、拡散律速孔115を第1の連通孔としてプール部Sと連通させるほか、第2の連通孔(以下「連通孔」という。)311を介してプール部Sと連通させている。ここで、拡散律速孔115と連通孔311とは、同軸上に形成されており、ガス計測装置301の検出部は、燃料ガスの流れに対して拡散律速孔115が上流側に位置するように配設される。また、第1の電極119a,119bは、燃焼室113を形成する検出部本体111の内壁上に設置され、水素流量演算回路371に接続されている。なお、燃焼室113における酸素ガスの濃度を検出するため、燃焼室113に隣接して酸素基準室221が形成されており、燃焼室113と酸素基準室211とを隔てる壁部に電極215a,215bが設置され、これらの電極215a,215bが酸素濃度演算回路271に接続されている。また、吐出し量が可変に構成されたポンプ152が設けられており、ポンプ152は、酸素濃度演算回路271からの酸素濃度検出信号に応じて吐出し量を増減する。
【0024】
次に、本実施形態に係るガス計測装置301の動作について説明する。
燃料電池システムの燃料ガスは、防爆体121の孔及び拡散律速孔115を通過して燃焼室113に流入し、助燃ガス導入孔117を介して供給された空気と反応して燃焼する。このときに発生した水素炎により水素がイオン化され、水素流量演算回路371は、第1の電極119a,119bの間を流れるイオン電流を検出する。ここで、ガス計測装置301は、燃焼室113に流入した燃料ガスが矢印Bで示すようにプール部S及び防爆体121の孔(「第2の通路」に相当する。)を通過して燃料ガス通路1に戻るように構成されている。このため、電極119a,119bの間を流れるイオン電流は、水素ガスの濃度ではなく、燃焼室113を流れる水素ガスの流量、ひいては燃料ガス通路1を流れる水素ガスの流量に依存することになる。水素流量演算回路371は、燃焼室113に流入する燃料ガスの、燃料ガス通路1を流れる燃料ガスに対する分流比に応じた係数を記憶しており、イオン電流に基づいて算出した水素ガスの流量にこの係数を乗算して、燃料ガス通路1における水素ガスの流量を算出する。
【0025】
本実施形態によれば、検出部本体111に第2の連通孔311を形成し、燃焼室113に流入した燃料ガスがこの連通孔311を介して燃焼室113から流出するように構成した。このため、第1の電極119a,119bにより検出されるイオン電流が水素ガスの流量に依存することとなるので、燃料電池に供給される水素ガスの量を検出することができる。
【0026】
以上に述べた第1〜第3のいずれの実施形態においても、防爆体121に燃料ガスに含まれる水素ガス以外の可燃成分(例えば、炭化水素や一酸化炭素)を吸着し、除去するための層を形成することができる。前者の炭化水素吸着層には、ゼオライトを用いることができ、後者の一酸化炭素吸着層には、ZnO又はSnO2を用いることができる。
【0027】
防爆体121にこのような吸着層を形成することで、炭化水素等の水素ガス以外の可燃成分が燃焼室113に進入し、水素イオンを発生させて、電極119a,119bによる水素ガスの濃度等の検出精度が低下することを防止することができる。従って、改質型燃料電池システムにおける水素ガスの濃度等を検出する場合に、改質後の燃料ガスに微量ながら含まれる炭化水素及び一酸化炭素を除去し、水素ガスの濃度を正確に検出することができる。
【0028】
また、防爆体121に吸着されている炭化水素等の処理は、次のように行うことができる。
第3の実施形態に係るガス計測装置301を例に説明する。水素流量演算回路371により算出された水素ガスの流量が0となると、ポンプ152は、燃焼室113に対し、燃焼室113における流れが停滞しているときに燃焼室113内の水素ガスのすべてを燃焼させる量よりも僅かに多い量の空気を送り込む。送り込まれた空気のうち水素ガスとの反応に消費されたもの以外が防爆体121の吸着層に拡散していき、吸着している可燃成分を酸化させる。ポンプ152により送り込む空気の量は、第2の電極215a,215bにより検出される酸素ガスの濃度に基づいて、燃焼室113における空気過剰率λが1よりも僅かに大きな値となるように制御すればよい。なお、水素ガスの流量が0であることは、燃料電池システムの起動スイッチのオフ信号等よりシステム停止を検出することで判断することもできる。
【0029】
以上では、燃料電池システムの燃料ガス通路に設置され、燃料電池に供給される燃料ガスに含まれる水素ガスの濃度等を検出する場合を例に説明した。本発明は、これに限らず、燃料電池システムの漏洩ガス通路に設置され、アノード側の配管から漏れ出した水素ガスの濃度等を検出するガス計測装置に適用することもできる。
【0030】
また、被検ガスに含まれる水素ガスの濃度及び流量を検出するばかりでなく、水素ガスが含まれていないか、あるいは水素ガスの濃度が一定である被検ガスについて、水素ガス以外の可燃成分(例えば、炭化水素)の濃度等を検出するガス計測装置に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るガス計測装置の構成
【図2】本発明の第2の実施形態に係るガス計測装置の構成
【図3】空気過剰率λの特性
【図4】本発明の第3の実施形態に係るガス計測装置の構成
【符号の説明】
101,201,301…ガス計測装置、111…検出部本体、113…燃焼室、115…拡散律速孔、117…助燃ガス導入孔、119a,119b…イオン発生量検出手段としての電極、121…防爆体、131…支持体、141…加熱手段としてのヒータ、151…空気供給管、152…ポンプ、171…ガス状態量算出手段としての水素濃度演算回路、S…プール部。
Claims (14)
- 被検ガスが外内方向に流通する入口としての第1の通路が形成された中空の防爆体と、
防爆体の内部に配置され、かつ防爆体との間に前記第1の通路と接続するプール部としての空間が残される大きさの検出部本体であって、水素炎を発生させる空間として内部に形成された燃焼室と、燃焼室をプール部と連通させる所定の孔径の拡散律速孔と、燃焼室に接続する助燃ガス導入孔と、を有する検出部本体と、
前記燃焼室に助燃ガス導入孔を介して助燃ガスを供給する助燃ガス供給手段と、
前記燃焼室を加熱して水素炎を発生させる加熱手段と、
発生した水素炎によるイオン発生量を検出するイオン発生量検出手段と、
検出されたイオン発生量に基づいて被検ガスの特定成分の濃度又はその特定成分の流量を算出するガス状態量算出手段と、を含んで構成されるガス計測装置。 - 防爆体は、前記第1の通路以外に、被検ガスが内外方向に流通する出口としての第2の通路を有し、
検出部本体は、拡散律速孔に対応して、前記燃焼室を前記第2の通路と連通させる孔を有する請求項1に記載のガス計測装置。 - 前記燃焼室に供給される助燃ガスの量を調節する手段を更に含んで構成される請求項1又は2に記載のガス計測装置。
- 前記燃焼室における助燃ガスの濃度を検出する手段を更に含んで構成される請求項1〜3のいずれかに記載のガス計測装置。
- 防爆体は、被検ガスが流通可能な大きさの前記被検ガスの通路としての孔を有する多孔質体で構成される請求項1〜4のいずれかに記載のガス計測装置。
- 防爆体は、炭化水素又は一酸化炭素の吸着層を備える請求項5に記載のガス計測装置。
- 被検ガスの前記第1の通路を介する流れが停止していることを検出する手段を更に含んで構成され、
助燃ガス供給手段は、被検ガスの流れが停止していることが検出されたときに、前記燃焼室に所定の量の助燃ガスを供給する請求項6に記載のガス計測装置。 - 検出部本体は、固体電解質で構成され、
イオン発生量検出手段は、前記燃焼室を形成する検出部本体の内壁上に設置された一対の電極と、これらの電極に接続され、イオン発生量を電流として検出する手段と、を含んで構成される請求項1〜7のいずれかに記載のガス計測装置。 - 加熱手段は、検出部本体に埋設されたヒータである請求項1〜8のいずれかに記載のガス計測装置。
- 検出部本体及び防爆体を検出部として一体に結合するとともに、この検出部を被検ガスが流れる本管に挿入して、ガス計測装置を本管に固定するための手段を更に含んで構成される請求項1〜9のいずれかに記載のガス計測装置。
- 被検ガスが水素ガスである請求項1〜10のいずれかに記載のガス計測装置。
- 燃料電池システムの燃料ガス通路に設置された請求項11に記載のガス計測装置。
- 燃料電池システムの漏洩ガス通路に設置された請求項11に記載のガス計測装置。
- 水素炎を発生させる燃焼室を有する検出部本体が、検出部本体との間にプール部としての空間が残される大きさの防爆体で包囲されて構成され、
被検ガスを、防爆体の第1の通路を介してプール部に流入させるとともに、検出部本体の拡散律速孔を介して前記燃焼室に流入させ、
助燃ガスを、拡散律速孔とは別に検出部本体に形成された助燃ガス導入孔を介して前記燃焼室に供給し、
被検ガスと助燃ガスとを反応させて水素炎を発生させて、被検ガスに含まれる水素をイオン化し、
このときのイオン発生量を検出して被検ガスの分析を行うガス計測装置。
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JP2003036458A JP2004245714A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | ガス計測装置 |
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JP2003036458A Pending JP2004245714A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | ガス計測装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103257356A (zh) * | 2013-05-20 | 2013-08-21 | 中国工程物理研究院核物理与化学研究所 | 密封容器内氚浓度测量装置及其测量方法 |
CN110376247A (zh) * | 2019-08-14 | 2019-10-25 | 中国科学技术大学 | 一种锂离子电池燃烧实验台 |
-
2003
- 2003-02-14 JP JP2003036458A patent/JP2004245714A/ja active Pending
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