JP2004244910A - 接合部を有する構造用断熱パネルおよびその組み合わせからなる建築物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高度な技術と充分な設備を要することなく加工・組立とも容易であり、比較的低コストで、建築解体時に材料の分別の必要が無く廃棄物の処分が容易な構造用断熱パネルを提供する。
【解決手段】本発明においては、断熱性能を有しリサイクル材であり容易に加工しやすいポリスチレンフォームの周囲の接合部分を凹凸状に加工し、表面をポリウレタン樹脂をコーティングすることにより強度を持たせた構造用断熱パネルを提案するとともに、構造用断熱パネルを組み合わせて造る高気密・高断熱の空間を提供する。また建物に強度を持たせるために、パネル内部にスリットを挿入した補強構造用断熱パネル、1階と2階の壁を連続させた構造用断熱連層パネル、上階の荷重を受ける構造用断熱支持材受パネルの提案、そしてこれらのパネルの組み合わせにより、高度な施工技術を必要とせずに低コストで居住性の良い建築物の施工を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明においては、断熱性能を有しリサイクル材であり容易に加工しやすいポリスチレンフォームの周囲の接合部分を凹凸状に加工し、表面をポリウレタン樹脂をコーティングすることにより強度を持たせた構造用断熱パネルを提案するとともに、構造用断熱パネルを組み合わせて造る高気密・高断熱の空間を提供する。また建物に強度を持たせるために、パネル内部にスリットを挿入した補強構造用断熱パネル、1階と2階の壁を連続させた構造用断熱連層パネル、上階の荷重を受ける構造用断熱支持材受パネルの提案、そしてこれらのパネルの組み合わせにより、高度な施工技術を必要とせずに低コストで居住性の良い建築物の施工を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物を構成するための構造用断熱パネル及び、この構造用断熱パネルを組み合わせてなる建築物に関し、より詳しくは、固形の断熱材に樹脂をコーティングすることにより強度を持たせた構造用断熱パネル、およびこの構造用断熱パネルを組み合わせてなる建築物・建造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の多くの建築物は、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造で建築されている。これら従来の建築物は、木・鉄骨・鉄筋コンクリートの駆体により構造的強度を保ち、建築物内部の断熱は、グラスウールや硬質発泡ポリウレタン等の断熱材を外壁・内壁の間などに充填することにより、行われる。従来の断熱材であるグラスウールは、繊維状で圧縮強度はなく、構造材としては利用できなかった。また断熱材として用いられる発泡スチロールは、圧縮強度が約5トン/m2あるが、引張強度・せん断強度は無に等しく、そのため構造材としては利用されなかった。
【0003】
また、従前の木造建築物では、壁の柱と柱の間に断熱材を挿入していたが、柱部分での断熱損失が生じるため、最近では壁の外部に連続して断熱材を張り付ける外断熱工法が増えている。しかしながら隙間なく断熱材を配置することは難しく、手間のかかる作業となる。
【0004】
従来の鉄骨造・鉄筋コンクリート造の建築物は硬質発泡ポリウレタン等の断熱材を構造体に吹付もしくは貼付し、断熱性能を向上させているが隙間なく均一に施工することは容易ではない。
【0005】
従来の建築物を加工・施工とも容易にし且つそのコストを下げる為に、ダンボールを主要材料とし、積層クロス貼りダンボール構造パネルを利用することは、従来提案されている(たとえば、特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−062100号公報
【発明が解決しようとする課題】
積層クロス貼りダンボール構造パネルを建築物に用いた場合、この積層クロス貼り段ボール構造パネルは、断熱性能を有する構造材として機能するが、以下の問題点を有していた。
【0007】
[問題点1]
ダンボールはリサイクル可能であるが、積層クロス貼りダンボール構造パネルは多種多様な材料の組み合わせのため、パネルを分解、分別するのに手間がかかる。またダンボール自体のライフサイクルアセスメントに1m3当たり約14m3の水質汚濁と約40百m3の大気汚染と約2099MJのエネルギー消費が試算されている。
【0008】
[問題点2]
ダンボールは1枚1枚は加工が容易で軽量であるが、強度を持たせるために貼り合わせる必要があり、フルート方向をクロスさせて均一に決められた形状に貼合わせるのは難易であり均一な強度の確保が難しく、また厚みを増すごとに結構な重量になる。
【0009】
[問題点3]
ダンボールは湿度に敏感であり、湿気により変形を起こす。積層クロス貼りダンボール構造パネルにおいても湿気により変形を起こし、施工性において重大な問題であり、耐水性を保つために技術を要する。
【0010】
[問題点4]
ダンボールは低熱伝導率の素材であるが、ポリスチレンフォームの熱伝導率は約0.033であり、グラスウールの熱伝導率は約0.036であり、ダンボールの熱伝導率は約0.103であり、建築物としての断熱性を飛躍的に改善するものではない。
【0011】
[問題点5]
積層クロス貼りダンボール構造パネルは、接合部等に木材・金物等の補助材が必要であり、接合部の形状を成型するのに数多くの工程が必要である。
[問題点6]
従来の構造パネルでは、梁、桁、根太等を受けるため、これらを受け支持するためのL字状金具を構造パネルに固定する必要があるため、作業工程数が多く必要であった。
【0012】
本発明の目的は、上記問題点を解決する断熱性の高い構造材を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する手段として、本発明は以下のような構成を有する。
【0014】
本発明の第1の態様は、発泡ポリスチレンからなる断熱パネル基体と、前記断熱パネル基体の表面上を被覆するポリウレタン樹脂被覆層とからなり、少なくとも一の端部には凹形状又は凸形状の接合部が形成されていることを特徴としている。
【0015】
本発明は、発泡ポリスチレンからなる断熱パネル基体が断熱材として機能するため、別途グラスウールや硬質発泡ポリウレタン等の断熱材を用いることなく、建築物の断熱を行う。また、断熱パネル基体をポリウレタン樹脂被覆層でコーティングすることにより、構造材として十分な圧縮強度・引張り強度を有する構造用断熱パネルとなる。また、少なくとも一の端部に接合部を形成しておくことにより、構造用断熱パネル同士を簡単に組み合わせることが可能となり、建築物の建造工程をより容易にしている。
【0016】
本発明は、従来の木・鉄・コンクリート等の構造体に、断熱材を張り合わせたり、吹き付けたり、注入したりして構成されていた箱物(建築物・保温倉庫等)が、事前に加工されたパネルを組み立てることにより構成されることを特徴とする。ポリウレタン樹脂・ポリウレア樹脂は無溶剤型で環境ホルモンの心配もなく、硬化したプラスチックは抜群のじん生、および耐衝撃性、耐摩耗性、耐食性と熱衝撃強度を備えており、厚さを増すごとに強度を増していく。また湿気に対しても安定している。
【0017】
また、ポリスチレンフォームは原料のポリスチレンビーズを蒸気で50倍に膨らませている。ポリスチレンフォームの98%は空気で、材料は2%である。圧縮強度は1平方メートルあたり5トンの重さに耐えられる。このポリスチレンフォームにポリウレタン樹脂等をコーティングすることにより、お互いが一体化し、圧縮強度・引張り強度を有する軽量断熱パネルが構成される。また適度なクッション性があり、飛来物等の衝撃が起こっても崩壊することはない。
【0018】
ポリスチレンフォームの熱伝導率は約0.033であり、内部の独立した気泡が皮膜の役割をして水や湿気を遮断するため、本発明にかかる構造用断熱パネルは、断熱性能が高く、保温性、保冷性に優れた断熱パネルとなる。
また、本発明の断熱パネル基体をなすポリスチレンフォームは、複雑で高精度な加工が可能であり、用途に適した成型が簡単、迅速にできる。またポリウレタン樹脂もコーティングにより硬化時間が非常に短く施工性がよく、製造時間が短縮され、労務コストが低減できる。
【0019】
ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂は無溶剤型で、リサイクルの際、安定品目として扱われ、粉砕してコンクリート等の骨材や、熱源として利用される。またポリスチレンフォームは、マテリアルリサイクル、サーマルリサイクル、ケミカルリサイクル等に用いられる。本発明の構造用断熱パネルでは個々の材料に分別することが容易であり100%のリサイクルが可能である。
【0020】
ポリスチレンフォームはライフサイクルアセスメントにおいて、1m3あたり水質汚濁が約0.6m3、大気汚染が約1.3m3、エネルギー消費が約925MJと試算され、ダンボールに比べて環境への負荷が非常に少ない。
【0021】
本発明の構造用断熱パネルは以上のポリスチレンフォームとポリウレタン樹脂との長所を兼ね備えており、構造体としても成り立ち、また断熱性能を充分に有する構造用断熱パネルである。
【0022】
本発明の別の態様では、構造用断熱パネルの曲げ強度を強化するために、期待する強度を有する厚みおよび枚数の補強板(スリット)をパネル内部に挿入して構成するようにしてもよい。
【0023】
本発明の構造用断熱パネルは端部に凹凸の形状の接合部を有し、熟練の技術者を要しなくても建築物を組み立てることができる。また組み合わせることにより、室内空間は周囲を完全に構造用断熱パネルで覆うことが可能になり、建物の断熱性能をより向上させることが可能である。
【0024】
二層の建築物を建てる場合、1階と2階が完全に接合されていないと、横からの応力(風圧力、地震力等)に対して、層間変位を起こしてしまう。
【0025】
本発明にかかる構造用断熱パネルは、1階2階の壁を連続させた1枚の構造用断熱連層パネルをコーナー部分あるいは平面部分等に配置することにより層間変位を防止することが可能である。
【0026】
一般的な構造用パネルを用いた壁構造の建築物においては、屋根板を支持する梁や床板を支持する根太や桁を受ける壁の接合部には金物等の異種部材が必要であったが、本発明にかかる構造用断熱パネルは一体成型が可能なため、接合部の厚さを増すことにより、直接荷重を下部のパネルに伝達することが可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態にかかる構造用断熱パネルの斜視図である。この構造用断熱パネル100は、パネル間の接合を考慮して端部を凹凸状にし、ポリスチレンを発泡させた断熱パネル基体101に、圧縮応力に耐えられるようポリウレタン樹脂102などをコーティングしポリウレタン樹脂被覆膜を形成してある。
【0029】
図2は、本発明の別の実施の形態にかかる構造用断熱パネルの透過斜視図である。断熱パネル基体101の内部に補強板(スリット)103を挿入したパネルの斜視断面図である。曲げ強度を高めるために、断熱パネル基体101の内部に補強板(スリット)103を挿入し、断熱パネル基体101表面のポリウレタン樹脂被覆膜102等と補強板(スリット)103とが接合される。
【0030】
前記構造用断熱パネル100は加工性が良く、軽量で、断熱性が良く、湿気に強い。また前記パネルの接合には、建築の専門的知識がなくても組み立てられるように、ボルト止めを基本とするが、必要に応じて適宜接着剤を使用しても良い。図3には構造用断熱パネル100間接合部分詳細図を示す。かかるパネル間接合を利用することにより、建築物を容易に組み立て可能である。
次に、前記断熱用構造パネル100を組み合わせてつくる平屋建て建物の実施例を示す。なお、この建築物は平屋建て約1.5坪とする。図4にこの建築物の平面図、図5(A)にX立面図図5(B)にY立面図を示し、図6に同断面図を示し、施工性の良さが本発明の特徴の一つである。
低層の建築物は横からの応力により層間変位を起こさないように、各階を剛接合にする必要がある。本発明の構造用断熱パネルは、軽量であり、木造軸組の筋交入りの耐力壁同等の強度を有し、さらに補強板(スリット)を挿入することにより補強することができるので、二層間に跨る1枚のパネル(構造用断熱連層パネル)を使用することにより、パネル構造における剛接合を可能にする。
【0031】
次に、構造用断熱パネルおよび構造用断熱連層パネルを組み合わせて建築する2階建て建築物の実施例を示す。この例の2階建て建築物は、各階約4坪の建物とする。図7(A)は、構造用断熱連層パネル104及びを用いた建築物の1階平面図であり、図7(B)は、同建築物の2階平面図である。図8は、同建築物のX立面図およびY立面図である。図9は、同建築物の断面図を示す。
【0032】
図10に、支持材受け止め可能な構造用断熱パネル105の構成例を示す。図10(A)は、支持材受け止め可能な構造用断熱パネル105が根太を受け止めている状態を示す平面図であり、図10(B)はその立面図、図10(C)はその部分断面図である。この構造用断熱支持材受パネル105は、梁、桁、根太等を受けるための厚肉部106を有している。本実施の形態にかかる構造用断熱パネル105は、加工容易な断熱パネル基体を用いるため、断熱パネル基体を一体成形やその一部を切り取り加工などすることにより、簡単に肉厚部106を形成することができる。肉厚部106は断熱パネル基体の一部を利用して形成されるため、根太などからの荷重を確実に受け止めることができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明にかかる構造用断熱パネルおよびその組み合わせによる建築物は以下のような効果を有する。
(1)ポリスチレンフォーム(断熱パネル基体)とポリウレタン樹脂(ポリウレタン樹脂被覆層)を接合することにより、圧縮強度・引っ張り強度・曲げ強度に強い構造用断熱パネルが製造可能となる。
【0034】
(2)この構造用断熱パネルは、軽量で製造・加工が簡単であり、断熱性能・耐水性・耐衝撃性に優れている。
【0035】
(3)この構造用断熱パネルは構成がおおよそ二種類の材料(ポリスチレンフォーム、ポリウレタン樹脂)で製造されるので、解体時に分別がし易く、約100%のリサイクル率が期待できる。
【0036】
(4)この構造用断熱パネルは、充分な強度と断熱性能を有しているので、その組み合わせによる建築物は充分に居住性を満たしてくれる。パネル自体が軽量であり、接合部が単純であり、専門的な技術がなくても施工することができる。
【0037】
(5)複層の建築物、たとえば2階建ての建築物の場合、1階およびを2階を連続した1枚の構造用断熱パネルを配置することにより、地震力や風圧力等の応力に耐して強度を確保できる。他の材料等の補強材を必要とせず、均一の部材による構成が可能であり、組み立て時の施工性・解体時のリサイクル性ともに優れている。
(6) 梁、桁、根太等の支持材を、従来必要であったL字状金具等を用いることなく受ける構造用断熱パネルを提供でき、またL字状金具等を用いる必要がなくなるので作業工程数を省くことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる構造用断熱パネルの斜視図である。
【図2】構造用断熱パネルの内部に補強板(スリット)を挿入したパネルの透過斜視図である。
【図3】構造用断熱パネルと構造用断熱パネルの接合部の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる構造用断熱パネルを用いて構築された、平屋建て建築物の平面図である。
【図5】(A)は、本発明の実施の形態にかかる構造用断熱パネルによる平屋建て建築物のX立面図であり、(B)は、同建築物のY立面図である。
【図6】本発明の実施例である構造用断熱パネルによる平屋建て建築物の断面図である。
【図7】(A)は、本発明の実施例である構造用断熱パネルによる2階建て建築物の一階平面図であり、(B)は同建築物の二階平面図である。
【図8】本発明の実施例である構造用断熱パネルによる2階建て建築物の立面図である。
【図9】本発明の実施例である構造用断熱パネルによる2階建て建築物の断面図である。
【図10】(A)は、厚肉部を有する構造用断熱パネルが根太を受け止めている状態を示す平面図であり、(B)は、その立面図、(C)はその部分断面図である。
【符号の説明】
100 … 構造用断熱パネル
101 … 断熱パネル基体(ポリスチレンフォーム)
102 … ポリウレタン樹脂被覆層(ポリウレタン樹脂)
103 … 補強板(スリット)
104 … 構造用断熱連層パネル
105 … 支持材受け止め可能な構造用断熱パネル
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物を構成するための構造用断熱パネル及び、この構造用断熱パネルを組み合わせてなる建築物に関し、より詳しくは、固形の断熱材に樹脂をコーティングすることにより強度を持たせた構造用断熱パネル、およびこの構造用断熱パネルを組み合わせてなる建築物・建造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の多くの建築物は、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造で建築されている。これら従来の建築物は、木・鉄骨・鉄筋コンクリートの駆体により構造的強度を保ち、建築物内部の断熱は、グラスウールや硬質発泡ポリウレタン等の断熱材を外壁・内壁の間などに充填することにより、行われる。従来の断熱材であるグラスウールは、繊維状で圧縮強度はなく、構造材としては利用できなかった。また断熱材として用いられる発泡スチロールは、圧縮強度が約5トン/m2あるが、引張強度・せん断強度は無に等しく、そのため構造材としては利用されなかった。
【0003】
また、従前の木造建築物では、壁の柱と柱の間に断熱材を挿入していたが、柱部分での断熱損失が生じるため、最近では壁の外部に連続して断熱材を張り付ける外断熱工法が増えている。しかしながら隙間なく断熱材を配置することは難しく、手間のかかる作業となる。
【0004】
従来の鉄骨造・鉄筋コンクリート造の建築物は硬質発泡ポリウレタン等の断熱材を構造体に吹付もしくは貼付し、断熱性能を向上させているが隙間なく均一に施工することは容易ではない。
【0005】
従来の建築物を加工・施工とも容易にし且つそのコストを下げる為に、ダンボールを主要材料とし、積層クロス貼りダンボール構造パネルを利用することは、従来提案されている(たとえば、特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−062100号公報
【発明が解決しようとする課題】
積層クロス貼りダンボール構造パネルを建築物に用いた場合、この積層クロス貼り段ボール構造パネルは、断熱性能を有する構造材として機能するが、以下の問題点を有していた。
【0007】
[問題点1]
ダンボールはリサイクル可能であるが、積層クロス貼りダンボール構造パネルは多種多様な材料の組み合わせのため、パネルを分解、分別するのに手間がかかる。またダンボール自体のライフサイクルアセスメントに1m3当たり約14m3の水質汚濁と約40百m3の大気汚染と約2099MJのエネルギー消費が試算されている。
【0008】
[問題点2]
ダンボールは1枚1枚は加工が容易で軽量であるが、強度を持たせるために貼り合わせる必要があり、フルート方向をクロスさせて均一に決められた形状に貼合わせるのは難易であり均一な強度の確保が難しく、また厚みを増すごとに結構な重量になる。
【0009】
[問題点3]
ダンボールは湿度に敏感であり、湿気により変形を起こす。積層クロス貼りダンボール構造パネルにおいても湿気により変形を起こし、施工性において重大な問題であり、耐水性を保つために技術を要する。
【0010】
[問題点4]
ダンボールは低熱伝導率の素材であるが、ポリスチレンフォームの熱伝導率は約0.033であり、グラスウールの熱伝導率は約0.036であり、ダンボールの熱伝導率は約0.103であり、建築物としての断熱性を飛躍的に改善するものではない。
【0011】
[問題点5]
積層クロス貼りダンボール構造パネルは、接合部等に木材・金物等の補助材が必要であり、接合部の形状を成型するのに数多くの工程が必要である。
[問題点6]
従来の構造パネルでは、梁、桁、根太等を受けるため、これらを受け支持するためのL字状金具を構造パネルに固定する必要があるため、作業工程数が多く必要であった。
【0012】
本発明の目的は、上記問題点を解決する断熱性の高い構造材を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する手段として、本発明は以下のような構成を有する。
【0014】
本発明の第1の態様は、発泡ポリスチレンからなる断熱パネル基体と、前記断熱パネル基体の表面上を被覆するポリウレタン樹脂被覆層とからなり、少なくとも一の端部には凹形状又は凸形状の接合部が形成されていることを特徴としている。
【0015】
本発明は、発泡ポリスチレンからなる断熱パネル基体が断熱材として機能するため、別途グラスウールや硬質発泡ポリウレタン等の断熱材を用いることなく、建築物の断熱を行う。また、断熱パネル基体をポリウレタン樹脂被覆層でコーティングすることにより、構造材として十分な圧縮強度・引張り強度を有する構造用断熱パネルとなる。また、少なくとも一の端部に接合部を形成しておくことにより、構造用断熱パネル同士を簡単に組み合わせることが可能となり、建築物の建造工程をより容易にしている。
【0016】
本発明は、従来の木・鉄・コンクリート等の構造体に、断熱材を張り合わせたり、吹き付けたり、注入したりして構成されていた箱物(建築物・保温倉庫等)が、事前に加工されたパネルを組み立てることにより構成されることを特徴とする。ポリウレタン樹脂・ポリウレア樹脂は無溶剤型で環境ホルモンの心配もなく、硬化したプラスチックは抜群のじん生、および耐衝撃性、耐摩耗性、耐食性と熱衝撃強度を備えており、厚さを増すごとに強度を増していく。また湿気に対しても安定している。
【0017】
また、ポリスチレンフォームは原料のポリスチレンビーズを蒸気で50倍に膨らませている。ポリスチレンフォームの98%は空気で、材料は2%である。圧縮強度は1平方メートルあたり5トンの重さに耐えられる。このポリスチレンフォームにポリウレタン樹脂等をコーティングすることにより、お互いが一体化し、圧縮強度・引張り強度を有する軽量断熱パネルが構成される。また適度なクッション性があり、飛来物等の衝撃が起こっても崩壊することはない。
【0018】
ポリスチレンフォームの熱伝導率は約0.033であり、内部の独立した気泡が皮膜の役割をして水や湿気を遮断するため、本発明にかかる構造用断熱パネルは、断熱性能が高く、保温性、保冷性に優れた断熱パネルとなる。
また、本発明の断熱パネル基体をなすポリスチレンフォームは、複雑で高精度な加工が可能であり、用途に適した成型が簡単、迅速にできる。またポリウレタン樹脂もコーティングにより硬化時間が非常に短く施工性がよく、製造時間が短縮され、労務コストが低減できる。
【0019】
ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂は無溶剤型で、リサイクルの際、安定品目として扱われ、粉砕してコンクリート等の骨材や、熱源として利用される。またポリスチレンフォームは、マテリアルリサイクル、サーマルリサイクル、ケミカルリサイクル等に用いられる。本発明の構造用断熱パネルでは個々の材料に分別することが容易であり100%のリサイクルが可能である。
【0020】
ポリスチレンフォームはライフサイクルアセスメントにおいて、1m3あたり水質汚濁が約0.6m3、大気汚染が約1.3m3、エネルギー消費が約925MJと試算され、ダンボールに比べて環境への負荷が非常に少ない。
【0021】
本発明の構造用断熱パネルは以上のポリスチレンフォームとポリウレタン樹脂との長所を兼ね備えており、構造体としても成り立ち、また断熱性能を充分に有する構造用断熱パネルである。
【0022】
本発明の別の態様では、構造用断熱パネルの曲げ強度を強化するために、期待する強度を有する厚みおよび枚数の補強板(スリット)をパネル内部に挿入して構成するようにしてもよい。
【0023】
本発明の構造用断熱パネルは端部に凹凸の形状の接合部を有し、熟練の技術者を要しなくても建築物を組み立てることができる。また組み合わせることにより、室内空間は周囲を完全に構造用断熱パネルで覆うことが可能になり、建物の断熱性能をより向上させることが可能である。
【0024】
二層の建築物を建てる場合、1階と2階が完全に接合されていないと、横からの応力(風圧力、地震力等)に対して、層間変位を起こしてしまう。
【0025】
本発明にかかる構造用断熱パネルは、1階2階の壁を連続させた1枚の構造用断熱連層パネルをコーナー部分あるいは平面部分等に配置することにより層間変位を防止することが可能である。
【0026】
一般的な構造用パネルを用いた壁構造の建築物においては、屋根板を支持する梁や床板を支持する根太や桁を受ける壁の接合部には金物等の異種部材が必要であったが、本発明にかかる構造用断熱パネルは一体成型が可能なため、接合部の厚さを増すことにより、直接荷重を下部のパネルに伝達することが可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態にかかる構造用断熱パネルの斜視図である。この構造用断熱パネル100は、パネル間の接合を考慮して端部を凹凸状にし、ポリスチレンを発泡させた断熱パネル基体101に、圧縮応力に耐えられるようポリウレタン樹脂102などをコーティングしポリウレタン樹脂被覆膜を形成してある。
【0029】
図2は、本発明の別の実施の形態にかかる構造用断熱パネルの透過斜視図である。断熱パネル基体101の内部に補強板(スリット)103を挿入したパネルの斜視断面図である。曲げ強度を高めるために、断熱パネル基体101の内部に補強板(スリット)103を挿入し、断熱パネル基体101表面のポリウレタン樹脂被覆膜102等と補強板(スリット)103とが接合される。
【0030】
前記構造用断熱パネル100は加工性が良く、軽量で、断熱性が良く、湿気に強い。また前記パネルの接合には、建築の専門的知識がなくても組み立てられるように、ボルト止めを基本とするが、必要に応じて適宜接着剤を使用しても良い。図3には構造用断熱パネル100間接合部分詳細図を示す。かかるパネル間接合を利用することにより、建築物を容易に組み立て可能である。
次に、前記断熱用構造パネル100を組み合わせてつくる平屋建て建物の実施例を示す。なお、この建築物は平屋建て約1.5坪とする。図4にこの建築物の平面図、図5(A)にX立面図図5(B)にY立面図を示し、図6に同断面図を示し、施工性の良さが本発明の特徴の一つである。
低層の建築物は横からの応力により層間変位を起こさないように、各階を剛接合にする必要がある。本発明の構造用断熱パネルは、軽量であり、木造軸組の筋交入りの耐力壁同等の強度を有し、さらに補強板(スリット)を挿入することにより補強することができるので、二層間に跨る1枚のパネル(構造用断熱連層パネル)を使用することにより、パネル構造における剛接合を可能にする。
【0031】
次に、構造用断熱パネルおよび構造用断熱連層パネルを組み合わせて建築する2階建て建築物の実施例を示す。この例の2階建て建築物は、各階約4坪の建物とする。図7(A)は、構造用断熱連層パネル104及びを用いた建築物の1階平面図であり、図7(B)は、同建築物の2階平面図である。図8は、同建築物のX立面図およびY立面図である。図9は、同建築物の断面図を示す。
【0032】
図10に、支持材受け止め可能な構造用断熱パネル105の構成例を示す。図10(A)は、支持材受け止め可能な構造用断熱パネル105が根太を受け止めている状態を示す平面図であり、図10(B)はその立面図、図10(C)はその部分断面図である。この構造用断熱支持材受パネル105は、梁、桁、根太等を受けるための厚肉部106を有している。本実施の形態にかかる構造用断熱パネル105は、加工容易な断熱パネル基体を用いるため、断熱パネル基体を一体成形やその一部を切り取り加工などすることにより、簡単に肉厚部106を形成することができる。肉厚部106は断熱パネル基体の一部を利用して形成されるため、根太などからの荷重を確実に受け止めることができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明にかかる構造用断熱パネルおよびその組み合わせによる建築物は以下のような効果を有する。
(1)ポリスチレンフォーム(断熱パネル基体)とポリウレタン樹脂(ポリウレタン樹脂被覆層)を接合することにより、圧縮強度・引っ張り強度・曲げ強度に強い構造用断熱パネルが製造可能となる。
【0034】
(2)この構造用断熱パネルは、軽量で製造・加工が簡単であり、断熱性能・耐水性・耐衝撃性に優れている。
【0035】
(3)この構造用断熱パネルは構成がおおよそ二種類の材料(ポリスチレンフォーム、ポリウレタン樹脂)で製造されるので、解体時に分別がし易く、約100%のリサイクル率が期待できる。
【0036】
(4)この構造用断熱パネルは、充分な強度と断熱性能を有しているので、その組み合わせによる建築物は充分に居住性を満たしてくれる。パネル自体が軽量であり、接合部が単純であり、専門的な技術がなくても施工することができる。
【0037】
(5)複層の建築物、たとえば2階建ての建築物の場合、1階およびを2階を連続した1枚の構造用断熱パネルを配置することにより、地震力や風圧力等の応力に耐して強度を確保できる。他の材料等の補強材を必要とせず、均一の部材による構成が可能であり、組み立て時の施工性・解体時のリサイクル性ともに優れている。
(6) 梁、桁、根太等の支持材を、従来必要であったL字状金具等を用いることなく受ける構造用断熱パネルを提供でき、またL字状金具等を用いる必要がなくなるので作業工程数を省くことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる構造用断熱パネルの斜視図である。
【図2】構造用断熱パネルの内部に補強板(スリット)を挿入したパネルの透過斜視図である。
【図3】構造用断熱パネルと構造用断熱パネルの接合部の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる構造用断熱パネルを用いて構築された、平屋建て建築物の平面図である。
【図5】(A)は、本発明の実施の形態にかかる構造用断熱パネルによる平屋建て建築物のX立面図であり、(B)は、同建築物のY立面図である。
【図6】本発明の実施例である構造用断熱パネルによる平屋建て建築物の断面図である。
【図7】(A)は、本発明の実施例である構造用断熱パネルによる2階建て建築物の一階平面図であり、(B)は同建築物の二階平面図である。
【図8】本発明の実施例である構造用断熱パネルによる2階建て建築物の立面図である。
【図9】本発明の実施例である構造用断熱パネルによる2階建て建築物の断面図である。
【図10】(A)は、厚肉部を有する構造用断熱パネルが根太を受け止めている状態を示す平面図であり、(B)は、その立面図、(C)はその部分断面図である。
【符号の説明】
100 … 構造用断熱パネル
101 … 断熱パネル基体(ポリスチレンフォーム)
102 … ポリウレタン樹脂被覆層(ポリウレタン樹脂)
103 … 補強板(スリット)
104 … 構造用断熱連層パネル
105 … 支持材受け止め可能な構造用断熱パネル
Claims (5)
- 発泡ポリスチレンからなる断熱パネル基体と、
前記断熱パネル基体の表面を被覆するポリウレタン樹脂被覆層と
を有し、少なくとも一の端部には凹形状又は凸形状の接合部が形成されていることを特徴とする、構造用断熱パネル。 - 請求項1に記載の構造用断熱パネルにおいて、この構造用断熱パネルは、断熱パネル基体内に挿入された補強板をさらに有していることを特徴とする、構造用断熱パネル。
- 請求項1又は2に記載の構造用断熱パネルを複数接合させてなる建築物。
- 複数の階層を有する建築物であって、互いに隣接する階層の壁部は、一枚の請求項1又は2に記載した構造用断熱パネルで形成される、ことを特徴とする建築物。
- 支持材を受けるための厚肉部を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の構造用断熱パネル。
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---|---|---|---|
JP2003035435A JP2004244910A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 接合部を有する構造用断熱パネルおよびその組み合わせからなる建築物 |
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ID=33020860
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
JP2012255272A (ja) * | 2011-06-08 | 2012-12-27 | Japan Tsusho:Kk | 発泡体パネル |
CN102989739A (zh) * | 2012-10-23 | 2013-03-27 | 无锡市喷特环保工程有限公司 | 利用垃圾生产建筑用保温板的生产方法 |
CN105986636A (zh) * | 2015-02-02 | 2016-10-05 | 任丘市永基建筑安装工程有限公司 | 装配式住宅冷桥处理技术 |
-
2003
- 2003-02-13 JP JP2003035435A patent/JP2004244910A/ja active Pending
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