JP2004241962A - 表示装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】立体的な画像を表示可能な表示装置において、より好ましい立体表示を可能とする。
【解決手段】表示装置(1)は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段(11、12)と、複数の表示手段の夫々が発する光のうち、観察者の観察位置において最大の輝度(C1)を有する光と、観察位置において最小の輝度(C2)を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整手段(141)と、複数の表示手段の夫々が発する光の、観察位置における色度座標上で、任意に選択した複数の表示手段のうち二つの表示手段の夫々の色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、少なくとも一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整手段(142)とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】表示装置(1)は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段(11、12)と、複数の表示手段の夫々が発する光のうち、観察者の観察位置において最大の輝度(C1)を有する光と、観察位置において最小の輝度(C2)を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整手段(141)と、複数の表示手段の夫々が発する光の、観察位置における色度座標上で、任意に選択した複数の表示手段のうち二つの表示手段の夫々の色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、少なくとも一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整手段(142)とを備える。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の表示手段が観察者の視線方向に相前後して配置された表示装置であって、夫々の表示手段に表示する画像を制御して立体視することを可能とする表示装置及び方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、立体的な画像を表示することが可能な装置として種々の形態の表示装置が提案され、或いは実用化がなされている。例えば、電気的に書き換え可能であり、立体的な画像を表示することが可能な表示装置として、液晶シャッタ眼鏡方式等が良く知られている。この液晶シャッタ眼鏡方式はカメラで物体を異なる方向から撮影し、得られた視差情報を含む画像データを合成して1つの画像信号に合成し、表示装置に入力し表示する。観察者は液晶シャッタ眼鏡をかけ、例えば奇数フィールド時に右目用の液晶シャッタを透過状態とし左目用の液晶シャッタを光遮断状態とする。一方、偶フィールド時に左目用の液晶シャッタが透過状態とし右目用の液晶シャッタを光遮断状態とする。このとき、奇数フィールドに右目用の画像を、偶フィールドに左目用の画像を同期して表示することで、観察者は、右目用、左目用の視差を含む画像を夫々の目で見ることにより立体的な画像を視覚するものである。
【0003】
又、観察者の視線上に相前後して複数の表示部を配置し、それらに表示される画像を重ねて見ることによって、奥行き方向には離散的であるが、立体的な画像として視覚される表示装置がある。又、その離散的な状態を改善するために、複数の表示部の夫々に表示される画像の輝度に変化を付けることによって、離散的な位置の中間位置に物体があるかの様に視覚され、より立体的な画像を表示することが可能となるように改良された表示装置がある。例えば、複数のハーフミラーを用いて複数の表示部からの物体像を重ねて表示することで、半透明な物体や後ろの物体が透けて見えるような表示を可能ならしめる、輝度変調型の表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−115812号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの観察者の視線上に相前後して配置された複数の表示部を有する表示装置では、相前後して配置されている表示部の色(即ち、色度)或いは明るさ(即ち、輝度)のばらつきがあると、観察者は該表示部に表示される画像に違和感を持つこととなる。即ち、観察者は、適切に立体的な画像を視覚することが困難或いは不可能であるという技術的な問題点がある。特に、輝度変調型の表示装置においては、相前後して表示される画像が、適切な輝度或いは色度にて表示されていなければ、観察者は立体的な画像を視覚することが困難或いは不可能であるという技術的な問題点を有している。特に、画面全体としては輝度や色度の平均が概ね等しくても、これら輝度や色度の画面内分布が相異なる二つの画面を重ねると、例えば、縁付近に寄るほど又は中央に寄る程に、輝度差や色度差が顕在化してしまう。そして、輝度変調方式の立体表示を行う表示装置にあっては、このような輝度差や色度差の大きさに応じて、意図した立体表示に対して狂いが生じてしまうという問題点もある。
【0006】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みなされたものであり、例えばより好ましい立体表示を可能とならしめる表示装置及び方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の表示装置は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段と、前記複数の表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整手段と、前記複数の表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、任意に選択した前記複数の表示手段のうち二つの表示手段の夫々の前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整手段とを備える。
【0008】
上記課題を解決するために、請求項2に記載の表示装置は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段と、前記複数の表示手段のうち隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第2の所定の範囲内に収まるように、前記隣り合う二つの表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整手段と、前記隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、前記隣り合う二つの表示手段の夫々の前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整手段とを備える。
【0009】
上記課題を解決するために、請求項20に記載の表示方法は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段を備えた表示装置に係る表示方法であって、前記複数の表示手段に前記複数の画像を表示する表示工程と、前記複数の表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整工程と、前記複数の表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、任意に選択した前記複数の表示手段のうち二つの表示手段の夫々の前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整工程とを備える。
【0010】
上記課題を解決するために、請求項21に記載の表示方法は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段を備えた表示装置に係る表示方法であって、前記複数の表示手段に前記複数の画像を表示する表示工程と、前記複数の表示手段のうち隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記隣り合う二つの表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整工程と、前記隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、前記隣り合う二つの表示手段のうちの前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整工程とを備える。
【0011】
本発明の作用及び利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について以下に説明する。
【0013】
本発明の表示装置に係る第1実施形態の態様では、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段と、前記複数の表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整手段と、前記複数の表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、任意に選択した前記複数の表示手段のうち二つの表示手段の夫々の前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整手段とを備える。
【0014】
本発明の表示装置に係る第1実施形態によれば、その動作時には、観察者の視線上に相前後して配置された複数の表示手段によって、観察者の側から見て立体表示用の画像を重ねて表示すれば、立体表示或いは三次元表示を行うことが可能となる。即ち、観察者は立体的な画像を視覚することが可能となる。ここに、本発明に係る「観察者の視線上において重ねて表示」とは、文字通り均一に重なる場合の他、観察者が立体的な画像を視覚しうる程度に表示される重なりの程度で足りる趣旨である。又、本発明に係る「表示対象物に係る複数の画像」とは、同一の表示対象物に係る複数の画像に限らず、例えばカーナビゲーションシステムの表示装置において、重ねて表示される道路画像と、進行方向等を示す矢印の画像のように、異なる表示対象物に係る複数の画像をも含んだ趣旨である。
【0015】
例えば、輝度変調型の立体表示であれば、二つの表示手段で表示される同一画像部分についての輝度の割振によって、二つの表示手段間におけるいずれかの奥行位置に画像が存在するように見える、連続的な立体表示が可能となる。或いは、画像部分が、二つの表示手段のいずれかに表示されている離散的な立体表示が可能となる。更に、三つ以上の表示手段間のいずれかの位置に画像が存在するように見える、連続的又は離散的な立体表示も可能となる。
【0016】
ここで例えば、複数の表示手段の夫々に同一の画像信号を供給し、表示出力した場合、複数の表示手段には同一の画像が表示される。従って、本来観察者は、それらの画像を同一の輝度及び色度を有する画像として視覚するはずである。しかしながら、複数の表示手段間における表示特性のバラツキ、個々の表示手段における表示特性の面内バラツキに起因して複数の表示手段を重ねた場合に増長される表示特性のバラツキ、観察者と複数の表示手段の夫々との距離の相違或いはその間の伝搬経路の相違により、観察者が視覚する同一であるはずの複数の画像には、輝度或いは色度にばらつきの見られる画像が含まれる。係る輝度或いは色度のばらつきは、例えば輝度変調方式のように、複数の画像を適切な輝度の状態で重ねて表示する表示装置において大きな問題となる。
【0017】
本実施形態では、係る輝度或いは色度のばらつきを解消するため、例えばマイコン等を含んでなる輝度調整手段が、夫々の表示手段が発する光の輝度を調整し、例えばマイコン等を含んでなる色度調整手段が夫々の表示手段が発する光の色度を調整する。
【0018】
輝度調整手段は、例えば複数の表示手段の夫々に同一の画像信号を入力した場合に、夫々の表示手段が発する光の、観察者の位置(即ち、観察位置)における輝度が第1の所定の範囲内の輝度となるように、複数の表示手段のうち少なくとも一つの光の輝度を調整可能である。尚、ここに「複数の表示手段が発する光」とは、複数の表示手段に同一の静止画像信号或いは動画画像信号を供給した場合に、夫々の表示手段が発する光であってもよい。供給される画像信号が例えば静止画像信号であれば、複数の表示手段のうち該静止画像信号に基づく同一画像部分又は対応する画素の夫々が発する光を比較して、輝度差或いは色度座標を定めてもよい。或いは、供給される画像信号が動画画像信号であれば、複数の表示手段のうち該動画画像信号に基づく同一時刻における同一画像部分又は対応する画素の夫々が発する光を比較して、輝度差或いは色度座標を定めてもよい。
【0019】
即ち、複数の表示手段のうち、観察者が最も明るいと感じる光(即ち、最大の輝度を有する光)と、観察者が最も暗いと感じる光(即ち、最小の輝度を有する光)との輝度差が、第1の所定の範囲内に収まるように、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する。例えば、手前の画面が後方の画面より暗ければ、前者を明るくするように調整し、逆に、後方の画面が暗ければ、これを明るくするように調整する。他方、手前の画面が後方の画面より明るければ、前者を暗くするように調整し、後方の画面が明るければ、これを暗くするように調整する。このため、個々の表示手段における表示特性のバラツキや、複数の表示手段から観察者までの光の伝搬経路の違い等によって生じうる輝度のばらつきを小さくする或いはなくすことが可能となる。
【0020】
更に、色度調整手段は、例えば複数の表示手段の夫々に同一の画像信号を入力した場合に、夫々の表示手段が発する光の色度を調整可能である。即ち、観察位置において観察者が視覚する色のばらつきが小さくなるように(即ち、任意に選択した二つの表示手段が発する光の夫々の色度座標が第2の所定の範囲内に分布するように)、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の色度を調整可能である。
【0021】
即ち、観察者が、複数の表示手段の夫々が発する光の色が夫々同一或いは同一程度と視覚可能なように、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の色度を調整する。
【0022】
これにより、観察者は、輝度及び色度に係るばらつきのない複数の画像を視線上において重ねて視覚することが可能となる。この表示装置(即ち、輝度調整及び色度調整がなされる表示装置)に、立体表示用の画像を表示することで、観察者は、複数の表示手段の夫々が本来表示すべき、例えば適切な立体表示用の画像を、適切な状態にて(即ち、輝度或いは色度にばらつきが生じることなく)視覚することが可能である。即ち、より適切に立体的な画像を視覚することとなる。
【0023】
係る状況は、例えば輝度変調型の表示装置のように、適切に輝度変調された複数の画像を観察者の視線上において重ねて表示することで立体的な画像を表示可能な表示装置においては大きな利点を有することとなる。即ち、本実施形態に係る表示装置に、適切に輝度変調された複数の画像を表示すれば、観察者は、より適切に立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0024】
以上の結果、本実施形態に係る表示装置によれば、複数の表示手段が発する光の輝度及び色度が適切な範囲に調整され、その結果観察者は適切に立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0025】
尚、上述の如き輝度或いは色度の調整は、表示手段に供給される画像信号に対して行ってもよい。又、入力手段を備えた表示装置であれば、観察者の指示に応じてその都度調整を行ってもよい。
【0026】
更に、上述の輝度或いは色度調整は、複数の表示手段の夫々に調整用の画像(例えば、同一輝度且つ同一色度の画像)等を表示して、それらの画像の夫々から発せられる光の輝度或いは色度を調整する構成であってもよい。これらの調整は、本実施形態に係る表示装置の製造時(或いは、工場出荷時)に行われてもよいし、或いはその後入力手段により観察者が行うものであってもよい。
【0027】
又、輝度或いは色度調整の結果を記録可能な、例えばRAM等の記録手段を更に備えていてもよい。これにより、例えば工場出荷時に、適切に輝度或いは色度調整された表示装置の状態を記録可能となる。
【0028】
更に、本実施形態において、立体表示方式或いは三次元表示方式として、輝度変調方式の他、任意の立体表示方式或いは三次元表示方式を採用しても、上述の如き効果を得ることが可能である。
【0029】
本発明の表示装置に係る第2実施形態は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段と、前記複数の表示手段のうち隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記隣り合う二つの表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整手段と、前記隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、前記隣り合う二つの表示手段の夫々の前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整手段とを備える。
【0030】
本発明の表示装置に係る第2実施形態では、その動作時には、第1実施形態に係る表示装置と同様に立体表示が可能である。
【0031】
第2実施形態に係る表示装置では特に、複数の表示手段のうち隣り合う二つの手段において、輝度或いは色度が所定の関係を有していれば、上述の第1実施形態に係る表示装置と同様の効果を得ることが可能である。即ち、複数の表示手段のうち隣り合う二つの表示手段において、夫々の表示手段が発する光の輝度が第1の範囲内にあり、且つ該光の色度が、第2の所定の範囲内にあるように調整すれば、表示装置全体として、輝度或いは色度のばらつきを抑えることが可能となる。
【0032】
従って、第1実施形態に係る表示装置と同様に、観察者は、複数の表示手段の夫々が本来表示すべき、例えば適切な立体表示用の画像を、適切な状態にて(即ち、輝度或いは色度にばらつきが生じることなく)視覚することが可能である。即ち、より適切に立体的な画像を視覚することとなる。
【0033】
以上の結果、第2実施形態に係る表示装置によれば、複数の表示手段が発する光の輝度及び色度が適切な範囲に調整され、その結果観察者は適切に立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0034】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の一の態様では、前記最大の輝度をC1とし、前記最小の輝度をC2とした場合に、前記輝度差は、(C1−C2)/(C1+C2)によって示され、前記第1の所定の範囲は、15パーセントである。
【0035】
この態様によれば、観察者が視覚する光(即ち、画像)の輝度に係るばらつきの幅を限定することで、より適切に立体表示用の画像を表示することが可能となる。
【0036】
この条件を満たす表示装置に、例えば同一輝度且つ同一色の画像に係る画像信号が複数の表示手段の夫々に供給されれば、観察者は、夫々の表示手段に表示される画像の輝度の違い(即ち、ばらつき)を認識する場合がある。しかしながら、係る表示装置に例えば立体表示用の画像を表示すれば、観察者は適切に立体的な画像を視覚することが可能である。
【0037】
即ち、この条件を満たす表示装置であれば、観察者は輝度のばらつきの存在に殆ど又は全く関わらず、適切に立体的な画像を視覚することが可能である。
【0038】
上述の如く、第1の所定の範囲が15パーセントである表示装置の態様は、前記第2の所定の範囲は、7.5パーセントであるように構成してもよい。
【0039】
このように構成すれば、例えば同一輝度且つ同一色の画像に係る画像信号が複数の表示手段の夫々に供給されれば、観察者は、夫々の表示手段に表示される画像の輝度の違いを認識することはない。従って、係る表示装置に立体表示用の画像を表示することで、観察者はより適切に立体感のある画像を視覚することが可能である。
【0040】
従って、例えば輝度変調型の表示装置において、適切に輝度変調された画像を、その変調の状態を保持したまま、観察者に適切に視覚させることが可能であるという大きな利点を有することとなる。
【0041】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記色度座標は、XYZ表色系によって示される色度座標であり、前記第2の所定の範囲は、前記色度座標のうちx座標の差とy座標の差とが夫々0.06以下となる範囲である。
【0042】
この態様によれば、観察者が視覚する光(即ち、画像)の色度に係るばらつきの幅を限定することで、より適切に立体表示用の画像を表示することが可能となる。
【0043】
この条件を満たす表示装置に、例えば同一輝度且つ同一色の画像に係る画像信号が複数の表示手段の夫々に供給されれば、観察者は、夫々の表示手段に表示される画像の色度の違い(即ち、ばらつき)を認識する場合がある。しかしながら、係る表示装置に例えば立体表示用の画像を表示すれば、観察者は適切に立体的な画像を視覚することが可能である。
【0044】
即ち、この条件を満たす表示装置であれば、観察者は色度のばらつきの存在に殆ど又は全く関わらず、適切に立体的な画像を視覚することが可能である。
【0045】
上述の如く、第2の所定の範囲が0.06である表示装置の態様では、前記第2の所定の範囲は、前記色度座標のうちx座標の差とy座標の差とが夫々0.03以下となる範囲であるように構成してもよい。
【0046】
このように構成すれば、例えば同一輝度且つ同一色の画像に係る画像信号が複数の表示手段の夫々に供給されれば、観察者は、夫々の表示手段に表示される画像の色度の違いを認識することはない。従って、係る表示装置に立体表示用の画像を表示することで、観察者はより適切に立体感のある画像を視覚することが可能である。
【0047】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段の夫々はRGBカラー表示可能であり、前記輝度調整手段及び前記色度調整手段のうち少なくとも一方は、RGB毎の光について調整する。
【0048】
この態様によれば、RGB毎の光、即ち、赤色光(R)、青色光(B)及び緑色光(G)の夫々について、上述した輝度或いは色度の範囲にある光により構成される画像を視覚することが可能となる。従って、例えば輝度変調型の表示装置において、カラー表示に係る画像において、より適切に立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0049】
加えて、赤色光(R)、青色光(B)及び緑色光(G)の夫々について、光の強さ(即ち、光量或いは光度)を変化させても、上述した輝度或いは色度の範囲に係る条件を満たしていることが好ましい。
【0050】
尚、RGB各色のうち少なくとも2つを混色した所定の光についても、同様に輝度或いは色度の調整を行ってもよい。
【0051】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記輝度調整手段及び前記色度調整手段のうち少なくとも一方は、前記一つの表示手段の発する白色光について調整する。
【0052】
この態様によれば、白色光についても、上述した輝度或いは色度の範囲に係る条件を満たして調整可能である。
【0053】
加えて、白色光の強さを変化させても、上述した輝度或いは色度の範囲に係る条件を満たしていることが好ましい。
【0054】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記輝度設定手段は、更に前記複数の表示手段のガンマ特性を揃える。
【0055】
この態様によれば、夫々の表示手段が固有に持つガンマ特性を揃えることで、複数の表示手段の夫々に供給される画像信号の輝度レベルに対して、表示出力する画像の輝度レベルの変化量或いは変化の傾向を揃えることが可能となる。尚、本発明に係る「ガンマ特性」とは、表示装置により表示出力される画像の輝度レベルが、本来表示装置に供給される画像信号の輝度レベルに対して非線形或いはリニアでない特性をいう。
【0056】
従って、ガンマ特性を揃えることで、例えば夫々の表示手段に供給する画像信号について、例えば輝度調整手段は、夫々の表示手段のガンマ特性のばらつきを考慮して輝度を調整する必要がなくなる。即ち、輝度の調整に要する処理負荷を低減可能という大きな利点を有することとなる。
【0057】
更に、相前後して配置された複数の表示手段の夫々に、RGB各色を混色して画像を表示した場合に、RGBの混合比の違いによって相前後する表示手段に色の違い(即ち、色のばらつき)が生じるのを抑えることが可能である。特に、中間輝度でRGB各色を混色した場合に、この色のばらつきを抑えることが可能であるという大きな利点を有する。
【0058】
従って、ガンマ特性を揃えることで、複数の表示手段に表示される夫々の画像について、より輝度或いは色度のばらつきのない画像として視覚することが可能となる。
【0059】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記輝度調整手段及び前記色度調整手段のうち少なくとも一方は、前記一つの表示手段をその画面内で分割した単位である画面片単位毎に発する光を調整する。
【0060】
この態様によれば、画面片単位毎に適切に輝度或いは色度を調整しても、本実施形態に係る表示装置と同様の効果を得ることが可能である。即ち、適切に立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0061】
例えば、輝度調整手段或いは色度調整手段は、一つの表示手段に係る一の画面片単位と、該画面片単位に対応する、一つの表示手段の前方或いは後方に配置された他の表示手段に係る一の画面片単位との間において、上述の条件を満たすように、夫々の画面片単位が発する光を調整する。これにより、画面の複数点において上述した輝度或いは色度の条件を満たす表示装置を実現することが可能となる。このため、観察者は、より輝度或いは色度のばらつきのない画像を視覚することで、より適切に立体的な画像を視覚することが可能である。
【0062】
尚、その場合、一つの表示手段に係る一の画面片単位に対応していない、他の表示手段に係る他の画面片単位は、上述の条件を満たしていてもよいし、或いは満たしていなくともよい。いずれにせよ、一の表示手段に係る一の画面片単位と、他の表示手段に係る一の画面片単位とが、上述の条件を満たしていれば、観察者は輝度或いは色度のばらつきのない画像を視覚することが可能となる。
【0063】
上述の如く、画面片単位毎に発する光を調整する表示装置の態様では、前記画面片単位は、前記一つの表示手段における一つの画素若しくは該画素が複数集合してなる画素ブロック又は画素ラインであるように構成してもよい。
【0064】
このように構成すれば、画素単位若しくは画素ブロック又は画素ラインで適切に輝度或いは色度が調整された立体表示用の画像を表示することが可能となる。例えば、全画面をマトリクス状に4分割、6分割、8分割、9分割等した画素ブロックや、全画面を縦又は横にストライプ状に2分割、3分割、4分割、5分割等した画素ラインが考えられる。従って、観察者は、より適切に輝度或いは色度が調整された立体表示用の画像を視覚可能となる。
【0065】
特に、一つの表示手段における表示特性に面内バラツキが存在している場合、画素ブロック毎或いは画素ライン毎に相対的に表示特性の大きく異なる部分同士を重ねたのでは、表示特性の面内バラツキが立体表示に及ぼす悪影響が増長されてしまい、全体として適切な立体表示を行うのが困難になる。或いは、一つの画素若しくは画素ブロック又は画素ラインについては、輝度或いは色度の条件を満たしているにもかかわらず、他の画素若しくは画素ブロック又は画素ラインにおいて、その条件を満たしていない場合、全体として適切な立体表示を行うのが困難になる。
【0066】
これに対して、画素ブロック毎或いは画素ライン毎に表示特性が相対的に小さく異なる部分同士を重ねることによって或いは表示特性のバラツキの傾向を揃えて(即ち、例えばバラツキの傾向を揃えるように輝度或いは色度を調整して)複数の表示手段を配置することで、表示特性の面内バラツキが立体表示に及ぼす悪影響が各画素ブロックや各画素ラインで低減されて、全体としても適切な立体表示を行うのが容易になる。本態様によれば、表示特性の面内バラツキが立体表示に及ぼす悪影響が各画素ブロックや各画素ラインで低減される構成を採ることが可能となる。これにより、表示特性のバラツキについてのマージンが広くなり、表示特性のバラツキについて良品として扱うことが可能な装置割合を増加させることも可能となり、製造歩留まりの向上及び製造コストの削減に繋がる。
【0067】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段の夫々の画面内における輝度変化の勾配及び色度勾配のうち少なくとも一方が相等しい。
【0068】
例えば、複数の表示手段の夫々の輝度勾配或いは色度勾配が等しくなければ、仮に表示手段単体としては概ね適切に輝度調整された複数の画像を表示しても、夫々の表示手段からの発光の際にずれが生じる。例えば、仮に、夫々の表示手段が単体としては許容範囲内の輝度特性や色度特性を有していても、画面の縁付近で、傾向が相互に逆である二つの画面を重ねてしまうと、当該輝度特性や色度特性の傾向の違いが、画面の縁付近で立体表示に及ぼす悪影響が増長されてしまう。
【0069】
しかるに、この態様によれば、予め輝度勾配或いは色度勾配の相等しい表示手段を用いることで、上述のような問題を解消することが可能である。この場合、複数の表示手段の夫々の輝度勾配が相等しくなるように構成することが好ましい。或いは、複数の表示手段の夫々の色度勾配が相等しくなるように構成することが好ましい。或いは、少なくとも隣り合う二つの表示手段において、輝度勾配或いは色度勾配の夫々が相等しくても、同様の効果を得ることは可能である。いずれの場合においても、夫々の表示手段が単体として許容範囲内の輝度特性や色度特性を有し、且つ傾向が相等しい二つの画面を重ねることで、画面全域に渡って、適切な立体表示が可能となる。
【0070】
尚、本発明に係る「相等しい」とは、文字通り同一である場合を含むほか、夫々の表示手段に立体表示用の画像を、観察者の視線上で適切に重ねて表示することで、立体表示を可能とならしめることが可能な表示手段を含む趣旨である。
【0071】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記輝度調整手段は、前記一つの表示手段の輝度ムラと、前記複数の表示手段のうち他の表示手段の輝度ムラとが相互に同一傾向を持つように、前記光の輝度を調整する。
【0072】
この態様によれば、複数の表示手段の夫々が有する、表示手段に固有の輝度ムラによっても影響されずに、輝度調整された適切な光を発することが可能となる。即ち、適切に輝度調整された複数の画像を表示することが可能となる。
【0073】
例えば、複数の表示手段のうち一の表示手段が特有の輝度ムラを有している場合、複数の表示手段のうち他の表示手段の輝度ムラが、一の表示手段の輝度ムラと同一傾向となるように、他の表示手段が発する光の輝度を調整することが好ましい。或いは、一の表示手段の輝度ムラが、他の表示手段の輝度ムラと同一傾向となるように、一の表示手段が発する光の輝度を調整してもよい。或いは、一の表示手段及び他の表示手段の輝度ムラがなくなるように(即ち、均一となるように)、一の表示手段及び他の表示手段の夫々が発する光の輝度を調整してもよい。いずれの場合においても、夫々の表示手段が単体として許容範囲内の輝度ムラを有し、且つ輝度ムラ傾向が相等しい二つの画面を重ねることで、画面全域に亘って、適切な立体表示が可能となる。
【0074】
加えて、上述の如き輝度調整手段による調整によっては、上述した輝度の条件を満たすことが困難或いは不可能な場合もある。係る場合には、輝度ムラの傾向が同一な或いは類似する表示手段を用いることで、上述した輝度の条件を満たすことが可能となる。
【0075】
更に、画面のある一点が発する光では上述した輝度の条件を満たすことが可能であるが、画面片単位毎に発する光を調整する場合には、ある画面片単位において、輝度条件を満たさない場合が考えられる。この場合においても、輝度ムラの傾向を合わせることで、画面片単位毎においても、輝度の条件を満たすような表示装置を比較的容易に実現可能という大きな利点を有する。
【0076】
以上の結果、本態様によれば、輝度ムラのバラツキについてのマージンが広くなり、輝度ムラのバラツキについて良品として扱うことが可能な装置割合を増加させることも可能となり、製造歩留まりの向上及び製造コストの削減に繋がる。
【0077】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記色度調整手段は、前記一つの表示手段の色ムラと、前記複数の表示手段のうち他の表示手段の色ムラとが相互に同一傾向をもつように、前記光の色度を調整する。
【0078】
この態様によれば、複数の表示手段の夫々が有する、表示手段に固有の色度ムラによっても、それらの色度ムラを複数の表示手段においてそろえることが可能となる。即ち、色度ムラに影響されることなく、観察者は適切に色度調整された画像を視覚することが可能となる。
【0079】
例えば、複数の表示手段のうち一の表示手段が特有の色度ムラを有している場合、複数の表示手段のうち他の表示手段の色度ムラが、一の表示手段の色度ムラと同一傾向となるように、他の表示手段が発する光の色度を調整することが好ましい。或いは、一の表示手段の色度ムラが、他の表示手段の色度ムラと同一傾向となるように、一の表示手段が発する光の色度を調整してもよい。或いは、一の表示手段及び他の表示手段の色度ムラがなくなるように(即ち、均一となるように)、一の表示手段及び他の表示手段の夫々が発する光の色度を調整してもよい。いずれの場合においても、夫々の表示手段が単体として許容範囲内の色度ムラを有し、且つ色度ムラ傾向が相等しい二つの画面を重ねることで、画面全域に亘って、適切な立体表示が可能となる。
【0080】
加えて、上述の如き色度調整手段による調整によっては、上述した色度の条件を満たすことが困難或いは不可能な場合もある。係る場合には、色度ムラの傾向が同一な或いは類似する表示手段を用いることで、上述した色度の条件を満たすことが可能となる。
【0081】
更に、画面のある一点が発する光では上述した色度の条件を満たすことが可能であるが、画面片単位毎に発する光を調整する場合には、ある画面片単位において、色度条件を満たさない場合が考えられる。この場合においても、色度ムラの傾向を合わせることで、画面片単位毎においても、色度の条件を満たすような表示装置を比較的容易に実現可能という大きな利点を有する。
【0082】
以上の結果、本態様によれば、色度ムラのバラツキについてのマージンが広くなり、色度ムラのバラツキについて良品として扱うことが可能な装置割合を増加させることも可能となり、製造歩留まりの向上及び製造コストの削減に繋がる。
【0083】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記輝度調整手段及び色度調整手段のうち少なくとも一方は、前記一つの表示手段が有する輝度及び色度のうち少なくとも一方に関する画像情報を書き換えることで調整する。
【0084】
この態様によれば、複数の表示手段に供給される画像信号に対して処理を加えることで、比較的容易に輝度或いは色度を調整することが可能となる。
【0085】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記光の輝度及び色度のうち少なくとも一方を調整するための指示を入力可能な入力手段を更に備え、前記輝度調整手段及び色度調整手段のうち少なくとも一方は、前記指示に基づいて調整する。
【0086】
この態様によれば、輝度調整手段或いは色度調整手段を適宜調整させる指示を入力可能となる。即ち、入力手段により入力される指示に基づき、輝度調整手段は、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整可能である。或いは、入力手段により入力された指示に基づき、色度調整手段は、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の色度を調整可能である。
【0087】
従って、例えば観察者が入力手段により指示を送ることで、観察者の視覚性に応じた輝度或いは色度調整が可能となる。
【0088】
尚、入力手段として、例えば、マウス等のポインティングデバイスやリモコン、コントローラ、十字キー、ボタン、音声入力装置等の各種の入力装置から構成可能である。更に、表示装置の前方に配置されたタッチパネルによって入力されてもよい。或いは、マイコン等により自動的に指示が入力される構成であってもよい。
【0089】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段のうち、少なくとも前記観察者から見て最も後方に配置された表示手段を除く表示手段は、半透明な表示デバイスからなる。
【0090】
この態様によれば、観察者の側から見て前方に配置された表示手段を通して観察者の側から見て後方に配置された表示手段に表示された画像を視覚することが可能となり、観察者の視線上に直接、その表示手段を配置することが可能となる。
【0091】
上述の如く半透明の表示デバイスを含む表示装置の態様では、前記半透明の表示デバイスは、液晶表示デバイス又はエレクトロルミネッセンス表示デバイスであってもよい。
【0092】
このように構成すれば、液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスといった、半透明のパネル状の表示手段を用いて、立体的な画像を表示することが可能となる。
【0093】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段は、ハーフミラーにより合成される表示手段を含む。
【0094】
この態様によれば、表示手段は観察者の視線上に直接配置されることはなく、ハーフミラーを介して画像が合成される。従って表示手段として光透過性を有しないものも用いることが可能となり、例えばブラウン管表示デバイス、プラズマ表示デバイス等を利用することが可能となる。
【0095】
本発明の表示方法に係る第1実施形態の態様は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段を備えた表示装置に係る表示方法であって、前記複数の表示手段に前記複数の画像を表示する表示工程と、前記複数の表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整工程と、前記複数の表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、任意に選択した前記複数の表示手段のうち二つの表示手段の夫々の前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整工程とを備える。
【0096】
本発明の表示方法に係る第1実施形態では、上述した本発明の表示装置に係る第1実施形態と同様に、輝度及び色度に係るばらつきのない複数の画像を、観察者に、その視線上において重ねて視覚せしめることが可能となる。即ち、表示工程にて立体表示用の画像を表示することで、観察者は、複数の表示手段の夫々が本来表示すべき、例えば適切な立体表示用の画像を、適切な状態を保持したまま(即ち、輝度或いは色度にばらつきが生じることなく)視覚することが可能である。即ち、より適切に立体的な画像を視覚することとなる。
【0097】
尚、上述した本発明の表示装置に係る第1実施形態における各種態様に対応して、本発明の表示方法に係る第1実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0098】
本発明の表示方法に係る第2実施形態は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段を備えた表示装置に係る表示方法であって、前記複数の表示手段に前記複数の画像を表示する表示工程と、前記複数の表示手段のうち隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記隣り合う二つの表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整工程と、前記隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、前記隣り合う二つの表示手段のうちの前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整工程とを備える。
【0099】
本発明の表示方法に係る第2実施形態では、上述した本発明の表示装置に係る第2実施形態と同様に、輝度及び色度に係るばらつきのない複数の画像を、観察者に、その視線上において重ねて視覚せしめることが可能となる。即ち、表示工程にて立体表示用の画像を表示することで、観察者は、複数の表示手段の夫々が本来表示すべき、例えば適切な立体表示用の画像を、適切な状態を保持したまま(即ち、輝度或いは色度にばらつきが生じることなく)視覚することが可能である。即ち、より適切に立体的な画像を視覚することとなる。
【0100】
尚、上述した本発明の表示装置に係る第2実施形態における各種態様に対応して、本発明の表示方法に係る第2実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0101】
以上説明したように本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態によれば、複数の表示手段、輝度調整手段及び色度調整手段を備えている。また、本発明の表示方法に係る第1又は第2実施形態によれば、表示工程、輝度調整工程及び色度調整工程を備えている。このため、複数の表示手段が発する光の輝度及び色度が適切な範囲に調整され、その結果観察者は適切に立体的な画像を視覚することが可能となる。又、本発明の実施形態によれば、動画或いは静止画にかかわらず、同様の効果、即ち、観察者は、立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0102】
本発明のこのような作用、及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
【0103】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の表示装置に係る実施例を説明する。
【0104】
(表示装置の基本構成)
先ず、図1及び図2を参照して、本発明の第1実施例に係る表示装置の動作原理及び基本構成について説明する。ここに、図1は、本発明の表示装置に係る実施例の構成を示すブロック図であり、図2は、本実施例に係る画像表示部の他の構成について示した光学系の図式的な断面図である。
【0105】
図1に示すように表示装置1は、前画面11と、前画面11の後方に配置された後画面12と、前画面11及び後画面12に表示する画像を発生する画像発生部14と、画像発生部14からの画像信号を前画面11に表示する第一駆動部15と、画像発生部14からの画像信号を後画面12に表示する第二駆動部16と、表示装置1の全体制御を行う制御部17とを備えて構成されている。
【0106】
前画面11及び前画面12は、表示装置1の画像表示部を形成し、観察者からの視線Lに対して、所定の間隔を有して相前後して配置されている。前画面11は、前方に配置され、後画面12は後方に配置されている。前画面11は、後方にある後画面12の画像を透過して観察者が視覚することが可能となるために、光透過性の表示装置、例えば液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスが用いられる。他方、後方に配置される後画面12は、液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスであっても良く、又、光透過性の必要はないのでブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイスであってもよい。
【0107】
これら前画面11及び後画面12の夫々に画像を表示することで、離散的ではあるが、観察者は立体的な画像を認識することが可能となる。更に、その輝度を増減することで前画面11及び後画面12の間に画像があるかのごとく、立体的な画像を表示することが可能である。即ち、輝度変調方式の立体表示も可能である。
【0108】
尚、前画面11として液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスを用いる他に、光透過性のないブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイスを用いる構成を採ることも可能である。即ち、図2に示すように、前画面11を後画面12に対して視線Lを遮らないように配置し、観察者の視線上にハーフミラー18を設け、このハーフミラー18の角度を前画面11に表示される画像が後画面12に表示される画像に重なるように定めることで、光透過性のない表示装置を画像表示部に導入することが可能となる。
【0109】
再び図1において、画像発生部14は、前画面11及び後画面12に表示される画像を発生し、記憶している。又、外部から入力される画像、例えばパソコン等で作成された画像を所定の記録エリアに記録しておき、必要に応じて読み出すようにしてもよい。単位としての画像は夫々個別に管理されていて、独立して表示のための処理が可能である。前画面11及び後画面12の何れに表示させるかは勿論、例えば表示の位置、大きさ、明るさ(即ち、輝度)、色相(即ち、色度)、表示形態、画像変形等についても個別に制御可能である。又、これらの制御は、制御部17の指示により行ってもよい。
【0110】
本実施例では特に、画像発生部14は、輝度調整部141と、色度調整部142とを備えて構成されている。
【0111】
輝度調整部141は、例えば、前画面11或いは後画面12を表示駆動するための画像信号のうち、特に画像の輝度(即ち、明るさ)に係る信号を書換可能に構成されている。係る信号を書き換えることで前画面11及び後画面12のうち少なくとも一方が発する光の輝度を調整する。輝度の調整は、例えば予め作成されている輝度調整用テーブルに則って行う方法や、所定の関数により、入力された信号レベルから演算によって求める方法等がある。或いは、例えばリモコン等の入力部を備えた表示装置の例であれば、入力部による指示に基づいて調整してもよい。尚、この調整は、制御部17の指示により行ってもよい。
【0112】
色度調整部142は、例えば、前画面11及び後画面12を表示駆動するための画像信号のうち、特に画像の色度(即ち、色相或いは表示色)を書換可能に構成されている。係る信号を書き換えることで前画面11及び後画面12のうち少なくとも一方が発する光の色度を調整する。色度の調整は、例えば予め作成されている色度調整用テーブルに則って行う方法や、所定の関数により、入力された信号レベルから演算によって求める方法等がある。或いは、例えばリモコン等の入力部を備えた表示装置の例であれば、入力部による指示に基づいて調整してもよい。尚、この調整は、制御部17の指示により行ってもよい。
【0113】
尚、輝度調整部141及び色度調整部142の夫々は、前画面11及び後画面12に共通で備えていてもよい。或いは、前画面11及び後画面12の夫々に備えていてもよい。
【0114】
第一駆動部15及び第二駆動部16は、前画面11及び後画面12を夫々表示駆動するためのものであり、画像発生部14で形成された前画面11又は後画面12用の画像信号に基づいて表示駆動する。制御部17の制御に基づいて、表示のタイミングや点滅等の装飾的で効果的な駆動を行う機能を持たせても良い。
【0115】
制御部17は、表示装置1の全体的な制御を行う。立体的な画像の表示に関しては、前画面11及び後画面12の表示形態、例えば輝度や大きさ等を設定し、画像発生部14に対して夫々に表示させる画像信号を発生させる。加えて、輝度調整部141及び色度調整部142の動作を制御する。又、第一駆動部15及び第二駆動部16の動作を制御する。
【0116】
(表示装置の動作原理)
続いて、図3から図8を参照して、表示装置1の動作原理について説明する。ここに、図3は、本発明の表示装置に係る実施例の動作原理を概念的に示す模式図であり、図4は、前画面11が輝度ムラを有している様子を概念的に示す模式図であり、図5は、前画面11が色度ムラを有している様子を概念的に示す模式図であり、図6は、前画面11及び後画面12を複数の画面領域に分割した例を示す模式図であり、図7は、輝度或いは色度調整の具体的な調整例を模式的に示す概念的斜視図であり、図8は、三つの画面を備えた表示装置の具体例を模式的に示す概略的断面図である。
【0117】
図3に示すように、観察者は、前画面11及び後画面12の夫々が発する光を視覚している。前画面11及び後画面12の夫々が発する光は、輝度調整部141及び色度調整部142により、後述の輝度及び色度の条件を満たすように、適切な輝度及び色度にて発せられている。観察者は、前画面11及び後画面12の夫々に、適切に輝度及び色度調整された画像(即ち、輝度及び色度のばらつきのない画像)を夫々表示することで立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0118】
より具体的には、例えば、後画面12が発する光L2は、前画面11を透過して観察者に視覚される。光L2は、前画面11を透過することで、減衰することとなる。即ち、例えばその光L2の輝度が減少し、輝度が減少した後の光L2が観察者に視覚されることとなる。従って、後画面12が本来発する光の輝度にて観察者に視覚せしめるために、例えば後画面12が発する光の輝度を予め高くする。即ち、後画面12へ供給される画像信号に対して、輝度調整部141が該画像信号のうち輝度を示す信号を書き換える。輝度調整部141は、書き換えた入力画像信号によって後画面12を表示駆動させる。これにより、後画面12は、予め輝度の高い光L2を発することで、前画面11を透過することで生じる光L2の減衰の影響を解消することが可能となる。従って、係る光L2により形成される画像を後画面12に表示することで、観察者は、その画像本来の輝度の状態にて係る画像を視覚することが可能となる。
【0119】
従って、前画面11にも、その画像に重ねて表示することで立体的な画像を観察者に視覚せしめる画像を表示することで、観察者は、前画面11及び後画面12の夫々に表示される画像により、立体的な画像を適切に視覚することが可能となる。
【0120】
更に、前画面11及び後画面12の色度についても同様に調整可能である。例えば、同一画像を表示した場合に、後画面12の画像のみ観察者に「赤色」が強調されて視覚される場合(即ち、画像の色度にばらつきが生ずる場合)には、色度調整部142により、例えば後画面12に表示される画像のみ予め赤色の発光を弱めるように調整する。これにより、観察者は、前画面11及び後画面12の夫々に表示される画像を同一の画像として視覚可能となる。即ち、この状態にある前画面11及び後画面12に立体表示用の画像を表示すれば、観察者は立体的な画像として視覚可能である。
【0121】
尚、このような輝度及び色度の調整は、以下に示す条件に従い、行われる。
【0122】
(輝度及び色度調整の条件)
前画面11が発する光L1のうち、観察者の位置における輝度をC1、該光L1に対応する後画面12が発する光L2のうち、観察者の位置における輝度をC2とする(尚、この場合、前画面11及び後画面12には、例えば同一輝度且つ同一色の画像が表示されているものとする)。即ち、図3において、観察者の観察位置100における輝度を示す。
【0123】
この場合、|C1−C2|/(C1+C2)が0.15以下であれば、観察者は、立体的な画像を視覚することが可能である。尚、|C1−C2|/(C1+C2)=0.15の条件を満たす表示装置1においては、同一画像を前画面11及び後画面12の夫々に表示すれば、観察者は、夫々の画面に表示される画像の輝度が異なること(即ち、ばらつき)は認識する。しかし係る表示装置1に立体表示用の画像を表示すれば、立体的な画像を視覚可能な状態である。
【0124】
好ましくは、|C1−C2|/(C1+C2)が0.075以下であれば、観察者は、より適切に立体的な画像を視覚することが可能である。尚、|C1−C2|/(C1+C2)=0.075の条件を満たす表示装置1においては、同一画像を前画面11及び後画面12の夫々に表示すれば、観察者は、夫々の画面に表示される画像の輝度の違いすら殆ど又は全く認識することない状態である。即ち、係る状態の表示装置1に立体表示用の画像を表示すれば、より適切に立体的な画像として視覚可能である。
【0125】
又、前画面11が発する光L1のXYZ表色系における色度座標をP1とし、該光L1に対応する後画面12が発する光L2のXYZ表色系における色度座標をP2とする(尚、この場合、前画面11及び後画面12には、例えば同一輝度且つ同一色の同一画像が表示されているものとする)。即ち、図3において、観察者の観察位置100における色度を示す。
【0126】
この場合、P1のx座標とP2のx座標との差が0.06以下であり且つP1のy座標とP2のy座標との差が0.06以下であれば、観察者は立体的な画像を視覚することが可能である。尚、係る表示装置1においては、同一画像を前画面11及び後画面12の夫々に表示すれば、観察者は、夫々の画面に表示される画像の色の違い(即ち、色度のばらつき)は認識する。しかし係る表示装置1に立体表示用の画像を表示すれば、立体的な画像として視覚可能な状態である。
【0127】
好ましくは、P1のx座標とP2のx座標との差が0.03以下であり、且つP1のy座標とP2のy座標との差が0.03以下であれば、観察者は、より適切に立体的な画像を視覚することが可能である。尚、係る表示装置1においては、同一画像を前画面11及び後画面12の夫々に表示すれば、観察者は、夫々の画面に表示される画像の色の違いすら殆ど又は全く認識することのない状態である。即ち、係る状態の表示装置1に立体表示用の画像を表示すれば、より適切に立体的な画像として視覚可能である。
【0128】
尚、上述した条件は、赤色光(R)、青色光(B)、緑色光(G)及び白色光(W)の少なくとも一つで満たしていることが好ましい。又、各色の光について、光の強さ(即ち、光度或いは光量)を適宜変化させても、上述の条件を満たしていることがより好ましい。或いは、RGB各色のうち少なくとも2つを混色した所定の光についても、上述の条件を満たしていることが好ましい。
【0129】
以上の如き条件を満たすように、表示装置1を構成すれば、観察者は、立体的な画像を視覚可能となる。
【0130】
尚、輝度調整部141及び色度調整部142の夫々が、関数或いはテーブルによって輝度或いは色度を調整する場合には、本実施例に係る表示装置の製造時に、例えば前画面11の透過特性や、前画面11及び後画面12の間隔等の諸条件を考慮して、適切な輝度或いはテーブルを作成することが好ましい。尚、例えば図2に示すような、ハーフミラー18を含む表示装置の場合には、ハーフミラー18の透過特性或いはハーフミラー18の反射特性等も考慮することが好ましい。この場合、ハーフミラー18の反射特性は、その反射角によって異なることも考慮することが好ましい。
【0131】
(表示装置の具体的な輝度及び色度調整)
続いて、より具体的な輝度及び色度の調整例について説明する。
【0132】
図4に示すように、例えば前画面11が、表示デバイス固有の矢印で示すような輝度ムラを有している場合も考えられる。即ち、例えば矢印の始点から終点に向かうにつれて輝度が減少していくような輝度ムラを有している場合も考えられる。このような輝度ムラは、例えば前画面11の駆動方法、バックライトの分布、ハーフミラー及びダイクロイックミラーの角度特性等によって発生する。従って、係る輝度ムラを有する前画面11を表示装置1の画像表示部として使用する場合には、輝度調整部141により、後画面12が係る輝度ムラを有するように調整することが好ましい。係る調整は、上述した輝度の条件を満たすように行われる。尚、前画面11及び後画面12は、夫々が単体の表示デバイスとして許容範囲内の輝度ムラを有する。或いは、輝度調整部141により、前画面11及び後画面12の夫々が輝度ムラを有していない状態となるように調整してもよい。
【0133】
尚、輝度調整部141による調整が困難であっても、係る輝度ムラを有する後画面12を使用すれば、上述の条件を満たす表示装置1を実現することが可能である。
【0134】
或いは図5に示すように、例えば前画面11が、表示デバイス固有の色度ムラを有している場合も考えられる。即ち、矢印の始点から終点に向かってより赤みが強調されるような色度ムラを有している場合も考えられる。係る色度ムラを有する前画面11を表示装置1の画像表示部として使用する場合においても、輝度ムラを有する前画面11を使用する場合と同様に、色度調整部142により、後画面12が係る色度ムラを有するように調整することが好ましい。係る色度の調整は、上述した色度の条件を満たすように行われる。尚、前画面11及び後画面12は、夫々が単体の表示デバイスとして許容範囲内の色度ムラを有する。或いは、色度調整部142により、前画面11及び後画面12の夫々が色度ムラを有していない状態となるように調整してもよい。
【0135】
尚、色度調整部142による調整が困難であっても、係る色度ムラを有する後画面12を使用すれば、上述の条件を満たす表示装置1を実現することが可能である。
【0136】
更に、前画面11及び後画面12の夫々の表示デバイスが固有に有する特性であるガンマ特性も夫々揃えておくことが好ましい。即ち、前画面11のガンマカーブと、後画面12のガンマカーブの形状が同一或いは同一程度であることが好ましい。この場合、例えば輝度調整部141にガンマカーブの形状を記録しておくことで、前画面11及び後画面12のガンマカーブの形状(即ち、ガンマ特性)を揃えることが可能となる。
【0137】
又、図6に示すように、前画面11及び後画面12の夫々の画面を9分割して、夫々の対応する領域毎に上述の条件を満たすような構成であってもよい。即ち、前画面11の画面領域A1と、画面領域A1に対応する後画面12の画面領域B1とが、上述の輝度及び色度の条件を満たす構成であってもよい。即ち、観察者が、視線上において重ねて視覚する領域毎に、上述の輝度及び色度の条件を満たす構成であってもよい。この場合、例えば画面領域A1に対応していない、後画面12の他の画面領域B2、B3、・・・、B9は、画面領域A1との間において上述の輝度及び色度の条件を満たしていてもよいし、或いは満たしていなくともよい。いずれにしても、前画面11の画面領域が発する光と、該画面領域に対応する後画面12の画面領域が発する光とが、上述の輝度及び色度の条件を満たすように構成されれば、係る表示装置1によって、観察者は、適切に立体感のある画像を視覚することが可能となる。
【0138】
尚、前画面11及び後画面12を分割する場合、一つの画面領域が発する光では上述の輝度及び色度の条件を満たしているにもかかわらず、他の画面領域が発する光がその条件を満たさない場合が考えられる。この場合においても、図4及び図5において説明したように、同一の或いは傾向が類似する輝度ムラ或いは色度ムラを夫々有するように前画面11及び後画面12を調整することが好ましい。或いは、同一の或いは傾向が類似する輝度ムラ或いは色度ムラを夫々有する前画面11及び後画面12を用いることが好ましい。これにより、画面領域毎においても、輝度或いは色度の条件を満たすような表示装置1を比較的容易に実現可能となる。
【0139】
尚、前画面11及び後画面12の夫々を画面領域に分割する場合には、図6に示したように9分割に限られず、所定数での分割が可能である。又、その画面領域の大きさは、全て同一であってもよいし、少なくとも一つの画面領域が異なった大きさであってもよい。
【0140】
この場合、輝度調整部141及び色度調整部142は、画面領域毎に輝度或いは色度を調整可能に構成されていることが好ましい。例えば、前画面11及び後画面12の夫々に供給される画像信号のうち、輝度或いは色度を示す信号の書換えに加えて、画面中の所定の画面領域を示す信号を読込み或いは制御することで、同様の動作が可能となる。
【0141】
続いて、図7に示すように、上述の輝度或いは色度調整の具体的な調整例について説明する。前画面11には画像110が表示されて降り、後画面12には画像120が表示されている。二つの画像110及び120は、同一輝度且つ同一色度の画像信号により表示されているものとする。この場合、観察者の側から見て、画像110から発せられる光L1と、画像120から発せられる光L2とが上述の条件を満たすように、輝度調整部141或いは色度調整部142が光L1或いはL2を調整することとなる。例えば、観察者の位置に配置された輝度或いは色度測定器により測定される輝度或いは色度が上述の条件を満たすように調整される。
【0142】
又、前画面11及び後画面12の夫々において、対応する画素(或いは、画像領域)毎に調整する場合には、光L1及びL2が重なることとなる。このため、例えば前画面11及び後画面12の夫々に表示される画像を交互に表示させることで、夫々の光を測定し、対応する画素毎に上述の条件を満たすように調整することが可能となる。
【0143】
従って、前画面11及び後画面12の所定の画素(或いは、画像領域)において、適切に輝度或いは色度調整された画像を表示可能な表示装置を実現することが可能となる。
【0144】
尚、本実施例に係る表示装置では、上述の輝度或いは色度調整の結果を保存可能に構成されていてもよい。例えば、画像発生部14の内部にあるRAM等のメモリーに記録するような構成であってもよい。この場合、例えば、本実施例に係る表示装置の製造時に、予め前画面11及び後画面12が上述の輝度或いは色度の条件を満たすように製造され、工場出荷時にプリセット情報としてメモリー内に記録されてもよい。
【0145】
加えて、例えばリモコン、コントローラ或いはタッチパネル等の入力部を備えた表示装置1であれば、例えば観察者の指示を入力可能な構成にしてもよい。この場合、入力部から入力された指示は、例えば制御部17に設けられたデータ受信部や入力インターフェース等で受信され、画像発生部14に出力される。画像発生部14では、制御部17より出力された指示に基づき、輝度調整部141或いは色度調整部142によって、所望の調整を行う。これにより、例えば輝度調整部141或いは色度調整部142により自動的に調整或いは設定された輝度或いは色度を、例えば観察者の指示に更に調整することが可能となる。従って、観察者の所望の輝度或いは色度にて、前画面11及び後画面12の夫々に画像を表示することが可能となる。尚、係る入力部による入力の結果を例えば上述のメモリーに記録する構成を採ってもよい。
【0146】
尚、本実施例では、二つの画面(即ち、前画面11及び後画面12)について説明したが、図8に示すように、三つ以上の画面であっても同様の効果を得ることが可能となる。その場合、上述の輝度に関する条件は、三つ以上の画面が発する光のうち、観察者の位置において、最大の輝度を有する光の輝度をC1とし、最小の輝度を有する光の輝度をC2として、同様の式にて定められる。又、色度に関する条件は、「三つ以上の画面が発する光の夫々の色度座標のうち、観察者の位置において、任意に選択した二つの色度座標のx座標の差のうち最大の差と、y座標の差のうち最大の差が夫々上述の0.06或いは0.03以下である」という条件になる。この条件を満たしていれば、観察者は、輝度或いは色度のばらつきを抑えた画像を視覚することで、適切に立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0147】
或いは、三つ以上の表示手段のうち、夫々の表示手段が隣り合う表示手段との間において、上述してきた条件を満たしていれば、本実施例に係る表示装置1と同等程度の効果を得ることが可能となる。即ち、図8において、画面21と画面22とが上述の条件を満たすように、且つ画面22と画面23とが上述の条件を満たすように、夫々の画面が発する光の輝度或いは色度を調整すれば、観察者は、輝度或いは色度のばらつきを抑えた画像を視覚することが可能である。即ち、観察者は、適切に立体的な画像を視覚することが可能である。
【0148】
本発明は、上述した実施形態或いは実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う表示装置及び方法もまた本発明の技術思想に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置に係る実施例のブロック図である。
【図2】本発明の表示装置に係る実施例の表示部の他の構成について示す光学系の図式的断面図である。
【図3】本発明の表示装置に係る実施例の動作原理を示した概念図である。
【図4】本発明の表示装置に係る実施例の、前画面の輝度ムラを概念的に示す模式図である。
【図5】本発明の表示装置に係る実施例の、前画面の色度ムラを概念的に示す模式図である。
【図6】本発明の表示装置に係る実施例の、前画面及び後画面の夫々を分割した画面領域を概念的に示す模式図である。
【図7】本発明の表示装置に係る実施例の、具体的な輝度或いは色度の調整例を模式的に示す概略的断面図である。
【図8】本発明の表示装置に係る実施例において、3つの画面を有する表示装置を概念的に示す模式図である。
【符号の説明】
1・・・表示装置
11・・・前画面
12・・・後画面
14・・・画像発生部
15・・・第一駆動部
16・・・第二駆動部
17・・・制御部
18・・・ハーフミラー
141・・・輝度調整部
142・・・色度調整部
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の表示手段が観察者の視線方向に相前後して配置された表示装置であって、夫々の表示手段に表示する画像を制御して立体視することを可能とする表示装置及び方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、立体的な画像を表示することが可能な装置として種々の形態の表示装置が提案され、或いは実用化がなされている。例えば、電気的に書き換え可能であり、立体的な画像を表示することが可能な表示装置として、液晶シャッタ眼鏡方式等が良く知られている。この液晶シャッタ眼鏡方式はカメラで物体を異なる方向から撮影し、得られた視差情報を含む画像データを合成して1つの画像信号に合成し、表示装置に入力し表示する。観察者は液晶シャッタ眼鏡をかけ、例えば奇数フィールド時に右目用の液晶シャッタを透過状態とし左目用の液晶シャッタを光遮断状態とする。一方、偶フィールド時に左目用の液晶シャッタが透過状態とし右目用の液晶シャッタを光遮断状態とする。このとき、奇数フィールドに右目用の画像を、偶フィールドに左目用の画像を同期して表示することで、観察者は、右目用、左目用の視差を含む画像を夫々の目で見ることにより立体的な画像を視覚するものである。
【0003】
又、観察者の視線上に相前後して複数の表示部を配置し、それらに表示される画像を重ねて見ることによって、奥行き方向には離散的であるが、立体的な画像として視覚される表示装置がある。又、その離散的な状態を改善するために、複数の表示部の夫々に表示される画像の輝度に変化を付けることによって、離散的な位置の中間位置に物体があるかの様に視覚され、より立体的な画像を表示することが可能となるように改良された表示装置がある。例えば、複数のハーフミラーを用いて複数の表示部からの物体像を重ねて表示することで、半透明な物体や後ろの物体が透けて見えるような表示を可能ならしめる、輝度変調型の表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−115812号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの観察者の視線上に相前後して配置された複数の表示部を有する表示装置では、相前後して配置されている表示部の色(即ち、色度)或いは明るさ(即ち、輝度)のばらつきがあると、観察者は該表示部に表示される画像に違和感を持つこととなる。即ち、観察者は、適切に立体的な画像を視覚することが困難或いは不可能であるという技術的な問題点がある。特に、輝度変調型の表示装置においては、相前後して表示される画像が、適切な輝度或いは色度にて表示されていなければ、観察者は立体的な画像を視覚することが困難或いは不可能であるという技術的な問題点を有している。特に、画面全体としては輝度や色度の平均が概ね等しくても、これら輝度や色度の画面内分布が相異なる二つの画面を重ねると、例えば、縁付近に寄るほど又は中央に寄る程に、輝度差や色度差が顕在化してしまう。そして、輝度変調方式の立体表示を行う表示装置にあっては、このような輝度差や色度差の大きさに応じて、意図した立体表示に対して狂いが生じてしまうという問題点もある。
【0006】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みなされたものであり、例えばより好ましい立体表示を可能とならしめる表示装置及び方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の表示装置は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段と、前記複数の表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整手段と、前記複数の表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、任意に選択した前記複数の表示手段のうち二つの表示手段の夫々の前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整手段とを備える。
【0008】
上記課題を解決するために、請求項2に記載の表示装置は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段と、前記複数の表示手段のうち隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第2の所定の範囲内に収まるように、前記隣り合う二つの表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整手段と、前記隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、前記隣り合う二つの表示手段の夫々の前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整手段とを備える。
【0009】
上記課題を解決するために、請求項20に記載の表示方法は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段を備えた表示装置に係る表示方法であって、前記複数の表示手段に前記複数の画像を表示する表示工程と、前記複数の表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整工程と、前記複数の表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、任意に選択した前記複数の表示手段のうち二つの表示手段の夫々の前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整工程とを備える。
【0010】
上記課題を解決するために、請求項21に記載の表示方法は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段を備えた表示装置に係る表示方法であって、前記複数の表示手段に前記複数の画像を表示する表示工程と、前記複数の表示手段のうち隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記隣り合う二つの表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整工程と、前記隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、前記隣り合う二つの表示手段のうちの前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整工程とを備える。
【0011】
本発明の作用及び利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について以下に説明する。
【0013】
本発明の表示装置に係る第1実施形態の態様では、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段と、前記複数の表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整手段と、前記複数の表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、任意に選択した前記複数の表示手段のうち二つの表示手段の夫々の前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整手段とを備える。
【0014】
本発明の表示装置に係る第1実施形態によれば、その動作時には、観察者の視線上に相前後して配置された複数の表示手段によって、観察者の側から見て立体表示用の画像を重ねて表示すれば、立体表示或いは三次元表示を行うことが可能となる。即ち、観察者は立体的な画像を視覚することが可能となる。ここに、本発明に係る「観察者の視線上において重ねて表示」とは、文字通り均一に重なる場合の他、観察者が立体的な画像を視覚しうる程度に表示される重なりの程度で足りる趣旨である。又、本発明に係る「表示対象物に係る複数の画像」とは、同一の表示対象物に係る複数の画像に限らず、例えばカーナビゲーションシステムの表示装置において、重ねて表示される道路画像と、進行方向等を示す矢印の画像のように、異なる表示対象物に係る複数の画像をも含んだ趣旨である。
【0015】
例えば、輝度変調型の立体表示であれば、二つの表示手段で表示される同一画像部分についての輝度の割振によって、二つの表示手段間におけるいずれかの奥行位置に画像が存在するように見える、連続的な立体表示が可能となる。或いは、画像部分が、二つの表示手段のいずれかに表示されている離散的な立体表示が可能となる。更に、三つ以上の表示手段間のいずれかの位置に画像が存在するように見える、連続的又は離散的な立体表示も可能となる。
【0016】
ここで例えば、複数の表示手段の夫々に同一の画像信号を供給し、表示出力した場合、複数の表示手段には同一の画像が表示される。従って、本来観察者は、それらの画像を同一の輝度及び色度を有する画像として視覚するはずである。しかしながら、複数の表示手段間における表示特性のバラツキ、個々の表示手段における表示特性の面内バラツキに起因して複数の表示手段を重ねた場合に増長される表示特性のバラツキ、観察者と複数の表示手段の夫々との距離の相違或いはその間の伝搬経路の相違により、観察者が視覚する同一であるはずの複数の画像には、輝度或いは色度にばらつきの見られる画像が含まれる。係る輝度或いは色度のばらつきは、例えば輝度変調方式のように、複数の画像を適切な輝度の状態で重ねて表示する表示装置において大きな問題となる。
【0017】
本実施形態では、係る輝度或いは色度のばらつきを解消するため、例えばマイコン等を含んでなる輝度調整手段が、夫々の表示手段が発する光の輝度を調整し、例えばマイコン等を含んでなる色度調整手段が夫々の表示手段が発する光の色度を調整する。
【0018】
輝度調整手段は、例えば複数の表示手段の夫々に同一の画像信号を入力した場合に、夫々の表示手段が発する光の、観察者の位置(即ち、観察位置)における輝度が第1の所定の範囲内の輝度となるように、複数の表示手段のうち少なくとも一つの光の輝度を調整可能である。尚、ここに「複数の表示手段が発する光」とは、複数の表示手段に同一の静止画像信号或いは動画画像信号を供給した場合に、夫々の表示手段が発する光であってもよい。供給される画像信号が例えば静止画像信号であれば、複数の表示手段のうち該静止画像信号に基づく同一画像部分又は対応する画素の夫々が発する光を比較して、輝度差或いは色度座標を定めてもよい。或いは、供給される画像信号が動画画像信号であれば、複数の表示手段のうち該動画画像信号に基づく同一時刻における同一画像部分又は対応する画素の夫々が発する光を比較して、輝度差或いは色度座標を定めてもよい。
【0019】
即ち、複数の表示手段のうち、観察者が最も明るいと感じる光(即ち、最大の輝度を有する光)と、観察者が最も暗いと感じる光(即ち、最小の輝度を有する光)との輝度差が、第1の所定の範囲内に収まるように、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する。例えば、手前の画面が後方の画面より暗ければ、前者を明るくするように調整し、逆に、後方の画面が暗ければ、これを明るくするように調整する。他方、手前の画面が後方の画面より明るければ、前者を暗くするように調整し、後方の画面が明るければ、これを暗くするように調整する。このため、個々の表示手段における表示特性のバラツキや、複数の表示手段から観察者までの光の伝搬経路の違い等によって生じうる輝度のばらつきを小さくする或いはなくすことが可能となる。
【0020】
更に、色度調整手段は、例えば複数の表示手段の夫々に同一の画像信号を入力した場合に、夫々の表示手段が発する光の色度を調整可能である。即ち、観察位置において観察者が視覚する色のばらつきが小さくなるように(即ち、任意に選択した二つの表示手段が発する光の夫々の色度座標が第2の所定の範囲内に分布するように)、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の色度を調整可能である。
【0021】
即ち、観察者が、複数の表示手段の夫々が発する光の色が夫々同一或いは同一程度と視覚可能なように、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の色度を調整する。
【0022】
これにより、観察者は、輝度及び色度に係るばらつきのない複数の画像を視線上において重ねて視覚することが可能となる。この表示装置(即ち、輝度調整及び色度調整がなされる表示装置)に、立体表示用の画像を表示することで、観察者は、複数の表示手段の夫々が本来表示すべき、例えば適切な立体表示用の画像を、適切な状態にて(即ち、輝度或いは色度にばらつきが生じることなく)視覚することが可能である。即ち、より適切に立体的な画像を視覚することとなる。
【0023】
係る状況は、例えば輝度変調型の表示装置のように、適切に輝度変調された複数の画像を観察者の視線上において重ねて表示することで立体的な画像を表示可能な表示装置においては大きな利点を有することとなる。即ち、本実施形態に係る表示装置に、適切に輝度変調された複数の画像を表示すれば、観察者は、より適切に立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0024】
以上の結果、本実施形態に係る表示装置によれば、複数の表示手段が発する光の輝度及び色度が適切な範囲に調整され、その結果観察者は適切に立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0025】
尚、上述の如き輝度或いは色度の調整は、表示手段に供給される画像信号に対して行ってもよい。又、入力手段を備えた表示装置であれば、観察者の指示に応じてその都度調整を行ってもよい。
【0026】
更に、上述の輝度或いは色度調整は、複数の表示手段の夫々に調整用の画像(例えば、同一輝度且つ同一色度の画像)等を表示して、それらの画像の夫々から発せられる光の輝度或いは色度を調整する構成であってもよい。これらの調整は、本実施形態に係る表示装置の製造時(或いは、工場出荷時)に行われてもよいし、或いはその後入力手段により観察者が行うものであってもよい。
【0027】
又、輝度或いは色度調整の結果を記録可能な、例えばRAM等の記録手段を更に備えていてもよい。これにより、例えば工場出荷時に、適切に輝度或いは色度調整された表示装置の状態を記録可能となる。
【0028】
更に、本実施形態において、立体表示方式或いは三次元表示方式として、輝度変調方式の他、任意の立体表示方式或いは三次元表示方式を採用しても、上述の如き効果を得ることが可能である。
【0029】
本発明の表示装置に係る第2実施形態は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段と、前記複数の表示手段のうち隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記隣り合う二つの表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整手段と、前記隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、前記隣り合う二つの表示手段の夫々の前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整手段とを備える。
【0030】
本発明の表示装置に係る第2実施形態では、その動作時には、第1実施形態に係る表示装置と同様に立体表示が可能である。
【0031】
第2実施形態に係る表示装置では特に、複数の表示手段のうち隣り合う二つの手段において、輝度或いは色度が所定の関係を有していれば、上述の第1実施形態に係る表示装置と同様の効果を得ることが可能である。即ち、複数の表示手段のうち隣り合う二つの表示手段において、夫々の表示手段が発する光の輝度が第1の範囲内にあり、且つ該光の色度が、第2の所定の範囲内にあるように調整すれば、表示装置全体として、輝度或いは色度のばらつきを抑えることが可能となる。
【0032】
従って、第1実施形態に係る表示装置と同様に、観察者は、複数の表示手段の夫々が本来表示すべき、例えば適切な立体表示用の画像を、適切な状態にて(即ち、輝度或いは色度にばらつきが生じることなく)視覚することが可能である。即ち、より適切に立体的な画像を視覚することとなる。
【0033】
以上の結果、第2実施形態に係る表示装置によれば、複数の表示手段が発する光の輝度及び色度が適切な範囲に調整され、その結果観察者は適切に立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0034】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の一の態様では、前記最大の輝度をC1とし、前記最小の輝度をC2とした場合に、前記輝度差は、(C1−C2)/(C1+C2)によって示され、前記第1の所定の範囲は、15パーセントである。
【0035】
この態様によれば、観察者が視覚する光(即ち、画像)の輝度に係るばらつきの幅を限定することで、より適切に立体表示用の画像を表示することが可能となる。
【0036】
この条件を満たす表示装置に、例えば同一輝度且つ同一色の画像に係る画像信号が複数の表示手段の夫々に供給されれば、観察者は、夫々の表示手段に表示される画像の輝度の違い(即ち、ばらつき)を認識する場合がある。しかしながら、係る表示装置に例えば立体表示用の画像を表示すれば、観察者は適切に立体的な画像を視覚することが可能である。
【0037】
即ち、この条件を満たす表示装置であれば、観察者は輝度のばらつきの存在に殆ど又は全く関わらず、適切に立体的な画像を視覚することが可能である。
【0038】
上述の如く、第1の所定の範囲が15パーセントである表示装置の態様は、前記第2の所定の範囲は、7.5パーセントであるように構成してもよい。
【0039】
このように構成すれば、例えば同一輝度且つ同一色の画像に係る画像信号が複数の表示手段の夫々に供給されれば、観察者は、夫々の表示手段に表示される画像の輝度の違いを認識することはない。従って、係る表示装置に立体表示用の画像を表示することで、観察者はより適切に立体感のある画像を視覚することが可能である。
【0040】
従って、例えば輝度変調型の表示装置において、適切に輝度変調された画像を、その変調の状態を保持したまま、観察者に適切に視覚させることが可能であるという大きな利点を有することとなる。
【0041】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記色度座標は、XYZ表色系によって示される色度座標であり、前記第2の所定の範囲は、前記色度座標のうちx座標の差とy座標の差とが夫々0.06以下となる範囲である。
【0042】
この態様によれば、観察者が視覚する光(即ち、画像)の色度に係るばらつきの幅を限定することで、より適切に立体表示用の画像を表示することが可能となる。
【0043】
この条件を満たす表示装置に、例えば同一輝度且つ同一色の画像に係る画像信号が複数の表示手段の夫々に供給されれば、観察者は、夫々の表示手段に表示される画像の色度の違い(即ち、ばらつき)を認識する場合がある。しかしながら、係る表示装置に例えば立体表示用の画像を表示すれば、観察者は適切に立体的な画像を視覚することが可能である。
【0044】
即ち、この条件を満たす表示装置であれば、観察者は色度のばらつきの存在に殆ど又は全く関わらず、適切に立体的な画像を視覚することが可能である。
【0045】
上述の如く、第2の所定の範囲が0.06である表示装置の態様では、前記第2の所定の範囲は、前記色度座標のうちx座標の差とy座標の差とが夫々0.03以下となる範囲であるように構成してもよい。
【0046】
このように構成すれば、例えば同一輝度且つ同一色の画像に係る画像信号が複数の表示手段の夫々に供給されれば、観察者は、夫々の表示手段に表示される画像の色度の違いを認識することはない。従って、係る表示装置に立体表示用の画像を表示することで、観察者はより適切に立体感のある画像を視覚することが可能である。
【0047】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段の夫々はRGBカラー表示可能であり、前記輝度調整手段及び前記色度調整手段のうち少なくとも一方は、RGB毎の光について調整する。
【0048】
この態様によれば、RGB毎の光、即ち、赤色光(R)、青色光(B)及び緑色光(G)の夫々について、上述した輝度或いは色度の範囲にある光により構成される画像を視覚することが可能となる。従って、例えば輝度変調型の表示装置において、カラー表示に係る画像において、より適切に立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0049】
加えて、赤色光(R)、青色光(B)及び緑色光(G)の夫々について、光の強さ(即ち、光量或いは光度)を変化させても、上述した輝度或いは色度の範囲に係る条件を満たしていることが好ましい。
【0050】
尚、RGB各色のうち少なくとも2つを混色した所定の光についても、同様に輝度或いは色度の調整を行ってもよい。
【0051】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記輝度調整手段及び前記色度調整手段のうち少なくとも一方は、前記一つの表示手段の発する白色光について調整する。
【0052】
この態様によれば、白色光についても、上述した輝度或いは色度の範囲に係る条件を満たして調整可能である。
【0053】
加えて、白色光の強さを変化させても、上述した輝度或いは色度の範囲に係る条件を満たしていることが好ましい。
【0054】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記輝度設定手段は、更に前記複数の表示手段のガンマ特性を揃える。
【0055】
この態様によれば、夫々の表示手段が固有に持つガンマ特性を揃えることで、複数の表示手段の夫々に供給される画像信号の輝度レベルに対して、表示出力する画像の輝度レベルの変化量或いは変化の傾向を揃えることが可能となる。尚、本発明に係る「ガンマ特性」とは、表示装置により表示出力される画像の輝度レベルが、本来表示装置に供給される画像信号の輝度レベルに対して非線形或いはリニアでない特性をいう。
【0056】
従って、ガンマ特性を揃えることで、例えば夫々の表示手段に供給する画像信号について、例えば輝度調整手段は、夫々の表示手段のガンマ特性のばらつきを考慮して輝度を調整する必要がなくなる。即ち、輝度の調整に要する処理負荷を低減可能という大きな利点を有することとなる。
【0057】
更に、相前後して配置された複数の表示手段の夫々に、RGB各色を混色して画像を表示した場合に、RGBの混合比の違いによって相前後する表示手段に色の違い(即ち、色のばらつき)が生じるのを抑えることが可能である。特に、中間輝度でRGB各色を混色した場合に、この色のばらつきを抑えることが可能であるという大きな利点を有する。
【0058】
従って、ガンマ特性を揃えることで、複数の表示手段に表示される夫々の画像について、より輝度或いは色度のばらつきのない画像として視覚することが可能となる。
【0059】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記輝度調整手段及び前記色度調整手段のうち少なくとも一方は、前記一つの表示手段をその画面内で分割した単位である画面片単位毎に発する光を調整する。
【0060】
この態様によれば、画面片単位毎に適切に輝度或いは色度を調整しても、本実施形態に係る表示装置と同様の効果を得ることが可能である。即ち、適切に立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0061】
例えば、輝度調整手段或いは色度調整手段は、一つの表示手段に係る一の画面片単位と、該画面片単位に対応する、一つの表示手段の前方或いは後方に配置された他の表示手段に係る一の画面片単位との間において、上述の条件を満たすように、夫々の画面片単位が発する光を調整する。これにより、画面の複数点において上述した輝度或いは色度の条件を満たす表示装置を実現することが可能となる。このため、観察者は、より輝度或いは色度のばらつきのない画像を視覚することで、より適切に立体的な画像を視覚することが可能である。
【0062】
尚、その場合、一つの表示手段に係る一の画面片単位に対応していない、他の表示手段に係る他の画面片単位は、上述の条件を満たしていてもよいし、或いは満たしていなくともよい。いずれにせよ、一の表示手段に係る一の画面片単位と、他の表示手段に係る一の画面片単位とが、上述の条件を満たしていれば、観察者は輝度或いは色度のばらつきのない画像を視覚することが可能となる。
【0063】
上述の如く、画面片単位毎に発する光を調整する表示装置の態様では、前記画面片単位は、前記一つの表示手段における一つの画素若しくは該画素が複数集合してなる画素ブロック又は画素ラインであるように構成してもよい。
【0064】
このように構成すれば、画素単位若しくは画素ブロック又は画素ラインで適切に輝度或いは色度が調整された立体表示用の画像を表示することが可能となる。例えば、全画面をマトリクス状に4分割、6分割、8分割、9分割等した画素ブロックや、全画面を縦又は横にストライプ状に2分割、3分割、4分割、5分割等した画素ラインが考えられる。従って、観察者は、より適切に輝度或いは色度が調整された立体表示用の画像を視覚可能となる。
【0065】
特に、一つの表示手段における表示特性に面内バラツキが存在している場合、画素ブロック毎或いは画素ライン毎に相対的に表示特性の大きく異なる部分同士を重ねたのでは、表示特性の面内バラツキが立体表示に及ぼす悪影響が増長されてしまい、全体として適切な立体表示を行うのが困難になる。或いは、一つの画素若しくは画素ブロック又は画素ラインについては、輝度或いは色度の条件を満たしているにもかかわらず、他の画素若しくは画素ブロック又は画素ラインにおいて、その条件を満たしていない場合、全体として適切な立体表示を行うのが困難になる。
【0066】
これに対して、画素ブロック毎或いは画素ライン毎に表示特性が相対的に小さく異なる部分同士を重ねることによって或いは表示特性のバラツキの傾向を揃えて(即ち、例えばバラツキの傾向を揃えるように輝度或いは色度を調整して)複数の表示手段を配置することで、表示特性の面内バラツキが立体表示に及ぼす悪影響が各画素ブロックや各画素ラインで低減されて、全体としても適切な立体表示を行うのが容易になる。本態様によれば、表示特性の面内バラツキが立体表示に及ぼす悪影響が各画素ブロックや各画素ラインで低減される構成を採ることが可能となる。これにより、表示特性のバラツキについてのマージンが広くなり、表示特性のバラツキについて良品として扱うことが可能な装置割合を増加させることも可能となり、製造歩留まりの向上及び製造コストの削減に繋がる。
【0067】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段の夫々の画面内における輝度変化の勾配及び色度勾配のうち少なくとも一方が相等しい。
【0068】
例えば、複数の表示手段の夫々の輝度勾配或いは色度勾配が等しくなければ、仮に表示手段単体としては概ね適切に輝度調整された複数の画像を表示しても、夫々の表示手段からの発光の際にずれが生じる。例えば、仮に、夫々の表示手段が単体としては許容範囲内の輝度特性や色度特性を有していても、画面の縁付近で、傾向が相互に逆である二つの画面を重ねてしまうと、当該輝度特性や色度特性の傾向の違いが、画面の縁付近で立体表示に及ぼす悪影響が増長されてしまう。
【0069】
しかるに、この態様によれば、予め輝度勾配或いは色度勾配の相等しい表示手段を用いることで、上述のような問題を解消することが可能である。この場合、複数の表示手段の夫々の輝度勾配が相等しくなるように構成することが好ましい。或いは、複数の表示手段の夫々の色度勾配が相等しくなるように構成することが好ましい。或いは、少なくとも隣り合う二つの表示手段において、輝度勾配或いは色度勾配の夫々が相等しくても、同様の効果を得ることは可能である。いずれの場合においても、夫々の表示手段が単体として許容範囲内の輝度特性や色度特性を有し、且つ傾向が相等しい二つの画面を重ねることで、画面全域に渡って、適切な立体表示が可能となる。
【0070】
尚、本発明に係る「相等しい」とは、文字通り同一である場合を含むほか、夫々の表示手段に立体表示用の画像を、観察者の視線上で適切に重ねて表示することで、立体表示を可能とならしめることが可能な表示手段を含む趣旨である。
【0071】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記輝度調整手段は、前記一つの表示手段の輝度ムラと、前記複数の表示手段のうち他の表示手段の輝度ムラとが相互に同一傾向を持つように、前記光の輝度を調整する。
【0072】
この態様によれば、複数の表示手段の夫々が有する、表示手段に固有の輝度ムラによっても影響されずに、輝度調整された適切な光を発することが可能となる。即ち、適切に輝度調整された複数の画像を表示することが可能となる。
【0073】
例えば、複数の表示手段のうち一の表示手段が特有の輝度ムラを有している場合、複数の表示手段のうち他の表示手段の輝度ムラが、一の表示手段の輝度ムラと同一傾向となるように、他の表示手段が発する光の輝度を調整することが好ましい。或いは、一の表示手段の輝度ムラが、他の表示手段の輝度ムラと同一傾向となるように、一の表示手段が発する光の輝度を調整してもよい。或いは、一の表示手段及び他の表示手段の輝度ムラがなくなるように(即ち、均一となるように)、一の表示手段及び他の表示手段の夫々が発する光の輝度を調整してもよい。いずれの場合においても、夫々の表示手段が単体として許容範囲内の輝度ムラを有し、且つ輝度ムラ傾向が相等しい二つの画面を重ねることで、画面全域に亘って、適切な立体表示が可能となる。
【0074】
加えて、上述の如き輝度調整手段による調整によっては、上述した輝度の条件を満たすことが困難或いは不可能な場合もある。係る場合には、輝度ムラの傾向が同一な或いは類似する表示手段を用いることで、上述した輝度の条件を満たすことが可能となる。
【0075】
更に、画面のある一点が発する光では上述した輝度の条件を満たすことが可能であるが、画面片単位毎に発する光を調整する場合には、ある画面片単位において、輝度条件を満たさない場合が考えられる。この場合においても、輝度ムラの傾向を合わせることで、画面片単位毎においても、輝度の条件を満たすような表示装置を比較的容易に実現可能という大きな利点を有する。
【0076】
以上の結果、本態様によれば、輝度ムラのバラツキについてのマージンが広くなり、輝度ムラのバラツキについて良品として扱うことが可能な装置割合を増加させることも可能となり、製造歩留まりの向上及び製造コストの削減に繋がる。
【0077】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記色度調整手段は、前記一つの表示手段の色ムラと、前記複数の表示手段のうち他の表示手段の色ムラとが相互に同一傾向をもつように、前記光の色度を調整する。
【0078】
この態様によれば、複数の表示手段の夫々が有する、表示手段に固有の色度ムラによっても、それらの色度ムラを複数の表示手段においてそろえることが可能となる。即ち、色度ムラに影響されることなく、観察者は適切に色度調整された画像を視覚することが可能となる。
【0079】
例えば、複数の表示手段のうち一の表示手段が特有の色度ムラを有している場合、複数の表示手段のうち他の表示手段の色度ムラが、一の表示手段の色度ムラと同一傾向となるように、他の表示手段が発する光の色度を調整することが好ましい。或いは、一の表示手段の色度ムラが、他の表示手段の色度ムラと同一傾向となるように、一の表示手段が発する光の色度を調整してもよい。或いは、一の表示手段及び他の表示手段の色度ムラがなくなるように(即ち、均一となるように)、一の表示手段及び他の表示手段の夫々が発する光の色度を調整してもよい。いずれの場合においても、夫々の表示手段が単体として許容範囲内の色度ムラを有し、且つ色度ムラ傾向が相等しい二つの画面を重ねることで、画面全域に亘って、適切な立体表示が可能となる。
【0080】
加えて、上述の如き色度調整手段による調整によっては、上述した色度の条件を満たすことが困難或いは不可能な場合もある。係る場合には、色度ムラの傾向が同一な或いは類似する表示手段を用いることで、上述した色度の条件を満たすことが可能となる。
【0081】
更に、画面のある一点が発する光では上述した色度の条件を満たすことが可能であるが、画面片単位毎に発する光を調整する場合には、ある画面片単位において、色度条件を満たさない場合が考えられる。この場合においても、色度ムラの傾向を合わせることで、画面片単位毎においても、色度の条件を満たすような表示装置を比較的容易に実現可能という大きな利点を有する。
【0082】
以上の結果、本態様によれば、色度ムラのバラツキについてのマージンが広くなり、色度ムラのバラツキについて良品として扱うことが可能な装置割合を増加させることも可能となり、製造歩留まりの向上及び製造コストの削減に繋がる。
【0083】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記輝度調整手段及び色度調整手段のうち少なくとも一方は、前記一つの表示手段が有する輝度及び色度のうち少なくとも一方に関する画像情報を書き換えることで調整する。
【0084】
この態様によれば、複数の表示手段に供給される画像信号に対して処理を加えることで、比較的容易に輝度或いは色度を調整することが可能となる。
【0085】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記光の輝度及び色度のうち少なくとも一方を調整するための指示を入力可能な入力手段を更に備え、前記輝度調整手段及び色度調整手段のうち少なくとも一方は、前記指示に基づいて調整する。
【0086】
この態様によれば、輝度調整手段或いは色度調整手段を適宜調整させる指示を入力可能となる。即ち、入力手段により入力される指示に基づき、輝度調整手段は、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整可能である。或いは、入力手段により入力された指示に基づき、色度調整手段は、複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の色度を調整可能である。
【0087】
従って、例えば観察者が入力手段により指示を送ることで、観察者の視覚性に応じた輝度或いは色度調整が可能となる。
【0088】
尚、入力手段として、例えば、マウス等のポインティングデバイスやリモコン、コントローラ、十字キー、ボタン、音声入力装置等の各種の入力装置から構成可能である。更に、表示装置の前方に配置されたタッチパネルによって入力されてもよい。或いは、マイコン等により自動的に指示が入力される構成であってもよい。
【0089】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段のうち、少なくとも前記観察者から見て最も後方に配置された表示手段を除く表示手段は、半透明な表示デバイスからなる。
【0090】
この態様によれば、観察者の側から見て前方に配置された表示手段を通して観察者の側から見て後方に配置された表示手段に表示された画像を視覚することが可能となり、観察者の視線上に直接、その表示手段を配置することが可能となる。
【0091】
上述の如く半透明の表示デバイスを含む表示装置の態様では、前記半透明の表示デバイスは、液晶表示デバイス又はエレクトロルミネッセンス表示デバイスであってもよい。
【0092】
このように構成すれば、液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスといった、半透明のパネル状の表示手段を用いて、立体的な画像を表示することが可能となる。
【0093】
本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態の他の態様では、前記複数の表示手段は、ハーフミラーにより合成される表示手段を含む。
【0094】
この態様によれば、表示手段は観察者の視線上に直接配置されることはなく、ハーフミラーを介して画像が合成される。従って表示手段として光透過性を有しないものも用いることが可能となり、例えばブラウン管表示デバイス、プラズマ表示デバイス等を利用することが可能となる。
【0095】
本発明の表示方法に係る第1実施形態の態様は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段を備えた表示装置に係る表示方法であって、前記複数の表示手段に前記複数の画像を表示する表示工程と、前記複数の表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整工程と、前記複数の表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、任意に選択した前記複数の表示手段のうち二つの表示手段の夫々の前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整工程とを備える。
【0096】
本発明の表示方法に係る第1実施形態では、上述した本発明の表示装置に係る第1実施形態と同様に、輝度及び色度に係るばらつきのない複数の画像を、観察者に、その視線上において重ねて視覚せしめることが可能となる。即ち、表示工程にて立体表示用の画像を表示することで、観察者は、複数の表示手段の夫々が本来表示すべき、例えば適切な立体表示用の画像を、適切な状態を保持したまま(即ち、輝度或いは色度にばらつきが生じることなく)視覚することが可能である。即ち、より適切に立体的な画像を視覚することとなる。
【0097】
尚、上述した本発明の表示装置に係る第1実施形態における各種態様に対応して、本発明の表示方法に係る第1実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0098】
本発明の表示方法に係る第2実施形態は、観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段を備えた表示装置に係る表示方法であって、前記複数の表示手段に前記複数の画像を表示する表示工程と、前記複数の表示手段のうち隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記隣り合う二つの表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整工程と、前記隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、前記隣り合う二つの表示手段のうちの前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整工程とを備える。
【0099】
本発明の表示方法に係る第2実施形態では、上述した本発明の表示装置に係る第2実施形態と同様に、輝度及び色度に係るばらつきのない複数の画像を、観察者に、その視線上において重ねて視覚せしめることが可能となる。即ち、表示工程にて立体表示用の画像を表示することで、観察者は、複数の表示手段の夫々が本来表示すべき、例えば適切な立体表示用の画像を、適切な状態を保持したまま(即ち、輝度或いは色度にばらつきが生じることなく)視覚することが可能である。即ち、より適切に立体的な画像を視覚することとなる。
【0100】
尚、上述した本発明の表示装置に係る第2実施形態における各種態様に対応して、本発明の表示方法に係る第2実施形態も各種態様を採ることが可能である。
【0101】
以上説明したように本発明の表示装置に係る第1又は第2実施形態によれば、複数の表示手段、輝度調整手段及び色度調整手段を備えている。また、本発明の表示方法に係る第1又は第2実施形態によれば、表示工程、輝度調整工程及び色度調整工程を備えている。このため、複数の表示手段が発する光の輝度及び色度が適切な範囲に調整され、その結果観察者は適切に立体的な画像を視覚することが可能となる。又、本発明の実施形態によれば、動画或いは静止画にかかわらず、同様の効果、即ち、観察者は、立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0102】
本発明のこのような作用、及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
【0103】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の表示装置に係る実施例を説明する。
【0104】
(表示装置の基本構成)
先ず、図1及び図2を参照して、本発明の第1実施例に係る表示装置の動作原理及び基本構成について説明する。ここに、図1は、本発明の表示装置に係る実施例の構成を示すブロック図であり、図2は、本実施例に係る画像表示部の他の構成について示した光学系の図式的な断面図である。
【0105】
図1に示すように表示装置1は、前画面11と、前画面11の後方に配置された後画面12と、前画面11及び後画面12に表示する画像を発生する画像発生部14と、画像発生部14からの画像信号を前画面11に表示する第一駆動部15と、画像発生部14からの画像信号を後画面12に表示する第二駆動部16と、表示装置1の全体制御を行う制御部17とを備えて構成されている。
【0106】
前画面11及び前画面12は、表示装置1の画像表示部を形成し、観察者からの視線Lに対して、所定の間隔を有して相前後して配置されている。前画面11は、前方に配置され、後画面12は後方に配置されている。前画面11は、後方にある後画面12の画像を透過して観察者が視覚することが可能となるために、光透過性の表示装置、例えば液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスが用いられる。他方、後方に配置される後画面12は、液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスであっても良く、又、光透過性の必要はないのでブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイスであってもよい。
【0107】
これら前画面11及び後画面12の夫々に画像を表示することで、離散的ではあるが、観察者は立体的な画像を認識することが可能となる。更に、その輝度を増減することで前画面11及び後画面12の間に画像があるかのごとく、立体的な画像を表示することが可能である。即ち、輝度変調方式の立体表示も可能である。
【0108】
尚、前画面11として液晶表示デバイスやエレクトロルミネッセンス表示デバイスを用いる他に、光透過性のないブラウン管表示デバイスやプラズマ表示デバイスを用いる構成を採ることも可能である。即ち、図2に示すように、前画面11を後画面12に対して視線Lを遮らないように配置し、観察者の視線上にハーフミラー18を設け、このハーフミラー18の角度を前画面11に表示される画像が後画面12に表示される画像に重なるように定めることで、光透過性のない表示装置を画像表示部に導入することが可能となる。
【0109】
再び図1において、画像発生部14は、前画面11及び後画面12に表示される画像を発生し、記憶している。又、外部から入力される画像、例えばパソコン等で作成された画像を所定の記録エリアに記録しておき、必要に応じて読み出すようにしてもよい。単位としての画像は夫々個別に管理されていて、独立して表示のための処理が可能である。前画面11及び後画面12の何れに表示させるかは勿論、例えば表示の位置、大きさ、明るさ(即ち、輝度)、色相(即ち、色度)、表示形態、画像変形等についても個別に制御可能である。又、これらの制御は、制御部17の指示により行ってもよい。
【0110】
本実施例では特に、画像発生部14は、輝度調整部141と、色度調整部142とを備えて構成されている。
【0111】
輝度調整部141は、例えば、前画面11或いは後画面12を表示駆動するための画像信号のうち、特に画像の輝度(即ち、明るさ)に係る信号を書換可能に構成されている。係る信号を書き換えることで前画面11及び後画面12のうち少なくとも一方が発する光の輝度を調整する。輝度の調整は、例えば予め作成されている輝度調整用テーブルに則って行う方法や、所定の関数により、入力された信号レベルから演算によって求める方法等がある。或いは、例えばリモコン等の入力部を備えた表示装置の例であれば、入力部による指示に基づいて調整してもよい。尚、この調整は、制御部17の指示により行ってもよい。
【0112】
色度調整部142は、例えば、前画面11及び後画面12を表示駆動するための画像信号のうち、特に画像の色度(即ち、色相或いは表示色)を書換可能に構成されている。係る信号を書き換えることで前画面11及び後画面12のうち少なくとも一方が発する光の色度を調整する。色度の調整は、例えば予め作成されている色度調整用テーブルに則って行う方法や、所定の関数により、入力された信号レベルから演算によって求める方法等がある。或いは、例えばリモコン等の入力部を備えた表示装置の例であれば、入力部による指示に基づいて調整してもよい。尚、この調整は、制御部17の指示により行ってもよい。
【0113】
尚、輝度調整部141及び色度調整部142の夫々は、前画面11及び後画面12に共通で備えていてもよい。或いは、前画面11及び後画面12の夫々に備えていてもよい。
【0114】
第一駆動部15及び第二駆動部16は、前画面11及び後画面12を夫々表示駆動するためのものであり、画像発生部14で形成された前画面11又は後画面12用の画像信号に基づいて表示駆動する。制御部17の制御に基づいて、表示のタイミングや点滅等の装飾的で効果的な駆動を行う機能を持たせても良い。
【0115】
制御部17は、表示装置1の全体的な制御を行う。立体的な画像の表示に関しては、前画面11及び後画面12の表示形態、例えば輝度や大きさ等を設定し、画像発生部14に対して夫々に表示させる画像信号を発生させる。加えて、輝度調整部141及び色度調整部142の動作を制御する。又、第一駆動部15及び第二駆動部16の動作を制御する。
【0116】
(表示装置の動作原理)
続いて、図3から図8を参照して、表示装置1の動作原理について説明する。ここに、図3は、本発明の表示装置に係る実施例の動作原理を概念的に示す模式図であり、図4は、前画面11が輝度ムラを有している様子を概念的に示す模式図であり、図5は、前画面11が色度ムラを有している様子を概念的に示す模式図であり、図6は、前画面11及び後画面12を複数の画面領域に分割した例を示す模式図であり、図7は、輝度或いは色度調整の具体的な調整例を模式的に示す概念的斜視図であり、図8は、三つの画面を備えた表示装置の具体例を模式的に示す概略的断面図である。
【0117】
図3に示すように、観察者は、前画面11及び後画面12の夫々が発する光を視覚している。前画面11及び後画面12の夫々が発する光は、輝度調整部141及び色度調整部142により、後述の輝度及び色度の条件を満たすように、適切な輝度及び色度にて発せられている。観察者は、前画面11及び後画面12の夫々に、適切に輝度及び色度調整された画像(即ち、輝度及び色度のばらつきのない画像)を夫々表示することで立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0118】
より具体的には、例えば、後画面12が発する光L2は、前画面11を透過して観察者に視覚される。光L2は、前画面11を透過することで、減衰することとなる。即ち、例えばその光L2の輝度が減少し、輝度が減少した後の光L2が観察者に視覚されることとなる。従って、後画面12が本来発する光の輝度にて観察者に視覚せしめるために、例えば後画面12が発する光の輝度を予め高くする。即ち、後画面12へ供給される画像信号に対して、輝度調整部141が該画像信号のうち輝度を示す信号を書き換える。輝度調整部141は、書き換えた入力画像信号によって後画面12を表示駆動させる。これにより、後画面12は、予め輝度の高い光L2を発することで、前画面11を透過することで生じる光L2の減衰の影響を解消することが可能となる。従って、係る光L2により形成される画像を後画面12に表示することで、観察者は、その画像本来の輝度の状態にて係る画像を視覚することが可能となる。
【0119】
従って、前画面11にも、その画像に重ねて表示することで立体的な画像を観察者に視覚せしめる画像を表示することで、観察者は、前画面11及び後画面12の夫々に表示される画像により、立体的な画像を適切に視覚することが可能となる。
【0120】
更に、前画面11及び後画面12の色度についても同様に調整可能である。例えば、同一画像を表示した場合に、後画面12の画像のみ観察者に「赤色」が強調されて視覚される場合(即ち、画像の色度にばらつきが生ずる場合)には、色度調整部142により、例えば後画面12に表示される画像のみ予め赤色の発光を弱めるように調整する。これにより、観察者は、前画面11及び後画面12の夫々に表示される画像を同一の画像として視覚可能となる。即ち、この状態にある前画面11及び後画面12に立体表示用の画像を表示すれば、観察者は立体的な画像として視覚可能である。
【0121】
尚、このような輝度及び色度の調整は、以下に示す条件に従い、行われる。
【0122】
(輝度及び色度調整の条件)
前画面11が発する光L1のうち、観察者の位置における輝度をC1、該光L1に対応する後画面12が発する光L2のうち、観察者の位置における輝度をC2とする(尚、この場合、前画面11及び後画面12には、例えば同一輝度且つ同一色の画像が表示されているものとする)。即ち、図3において、観察者の観察位置100における輝度を示す。
【0123】
この場合、|C1−C2|/(C1+C2)が0.15以下であれば、観察者は、立体的な画像を視覚することが可能である。尚、|C1−C2|/(C1+C2)=0.15の条件を満たす表示装置1においては、同一画像を前画面11及び後画面12の夫々に表示すれば、観察者は、夫々の画面に表示される画像の輝度が異なること(即ち、ばらつき)は認識する。しかし係る表示装置1に立体表示用の画像を表示すれば、立体的な画像を視覚可能な状態である。
【0124】
好ましくは、|C1−C2|/(C1+C2)が0.075以下であれば、観察者は、より適切に立体的な画像を視覚することが可能である。尚、|C1−C2|/(C1+C2)=0.075の条件を満たす表示装置1においては、同一画像を前画面11及び後画面12の夫々に表示すれば、観察者は、夫々の画面に表示される画像の輝度の違いすら殆ど又は全く認識することない状態である。即ち、係る状態の表示装置1に立体表示用の画像を表示すれば、より適切に立体的な画像として視覚可能である。
【0125】
又、前画面11が発する光L1のXYZ表色系における色度座標をP1とし、該光L1に対応する後画面12が発する光L2のXYZ表色系における色度座標をP2とする(尚、この場合、前画面11及び後画面12には、例えば同一輝度且つ同一色の同一画像が表示されているものとする)。即ち、図3において、観察者の観察位置100における色度を示す。
【0126】
この場合、P1のx座標とP2のx座標との差が0.06以下であり且つP1のy座標とP2のy座標との差が0.06以下であれば、観察者は立体的な画像を視覚することが可能である。尚、係る表示装置1においては、同一画像を前画面11及び後画面12の夫々に表示すれば、観察者は、夫々の画面に表示される画像の色の違い(即ち、色度のばらつき)は認識する。しかし係る表示装置1に立体表示用の画像を表示すれば、立体的な画像として視覚可能な状態である。
【0127】
好ましくは、P1のx座標とP2のx座標との差が0.03以下であり、且つP1のy座標とP2のy座標との差が0.03以下であれば、観察者は、より適切に立体的な画像を視覚することが可能である。尚、係る表示装置1においては、同一画像を前画面11及び後画面12の夫々に表示すれば、観察者は、夫々の画面に表示される画像の色の違いすら殆ど又は全く認識することのない状態である。即ち、係る状態の表示装置1に立体表示用の画像を表示すれば、より適切に立体的な画像として視覚可能である。
【0128】
尚、上述した条件は、赤色光(R)、青色光(B)、緑色光(G)及び白色光(W)の少なくとも一つで満たしていることが好ましい。又、各色の光について、光の強さ(即ち、光度或いは光量)を適宜変化させても、上述の条件を満たしていることがより好ましい。或いは、RGB各色のうち少なくとも2つを混色した所定の光についても、上述の条件を満たしていることが好ましい。
【0129】
以上の如き条件を満たすように、表示装置1を構成すれば、観察者は、立体的な画像を視覚可能となる。
【0130】
尚、輝度調整部141及び色度調整部142の夫々が、関数或いはテーブルによって輝度或いは色度を調整する場合には、本実施例に係る表示装置の製造時に、例えば前画面11の透過特性や、前画面11及び後画面12の間隔等の諸条件を考慮して、適切な輝度或いはテーブルを作成することが好ましい。尚、例えば図2に示すような、ハーフミラー18を含む表示装置の場合には、ハーフミラー18の透過特性或いはハーフミラー18の反射特性等も考慮することが好ましい。この場合、ハーフミラー18の反射特性は、その反射角によって異なることも考慮することが好ましい。
【0131】
(表示装置の具体的な輝度及び色度調整)
続いて、より具体的な輝度及び色度の調整例について説明する。
【0132】
図4に示すように、例えば前画面11が、表示デバイス固有の矢印で示すような輝度ムラを有している場合も考えられる。即ち、例えば矢印の始点から終点に向かうにつれて輝度が減少していくような輝度ムラを有している場合も考えられる。このような輝度ムラは、例えば前画面11の駆動方法、バックライトの分布、ハーフミラー及びダイクロイックミラーの角度特性等によって発生する。従って、係る輝度ムラを有する前画面11を表示装置1の画像表示部として使用する場合には、輝度調整部141により、後画面12が係る輝度ムラを有するように調整することが好ましい。係る調整は、上述した輝度の条件を満たすように行われる。尚、前画面11及び後画面12は、夫々が単体の表示デバイスとして許容範囲内の輝度ムラを有する。或いは、輝度調整部141により、前画面11及び後画面12の夫々が輝度ムラを有していない状態となるように調整してもよい。
【0133】
尚、輝度調整部141による調整が困難であっても、係る輝度ムラを有する後画面12を使用すれば、上述の条件を満たす表示装置1を実現することが可能である。
【0134】
或いは図5に示すように、例えば前画面11が、表示デバイス固有の色度ムラを有している場合も考えられる。即ち、矢印の始点から終点に向かってより赤みが強調されるような色度ムラを有している場合も考えられる。係る色度ムラを有する前画面11を表示装置1の画像表示部として使用する場合においても、輝度ムラを有する前画面11を使用する場合と同様に、色度調整部142により、後画面12が係る色度ムラを有するように調整することが好ましい。係る色度の調整は、上述した色度の条件を満たすように行われる。尚、前画面11及び後画面12は、夫々が単体の表示デバイスとして許容範囲内の色度ムラを有する。或いは、色度調整部142により、前画面11及び後画面12の夫々が色度ムラを有していない状態となるように調整してもよい。
【0135】
尚、色度調整部142による調整が困難であっても、係る色度ムラを有する後画面12を使用すれば、上述の条件を満たす表示装置1を実現することが可能である。
【0136】
更に、前画面11及び後画面12の夫々の表示デバイスが固有に有する特性であるガンマ特性も夫々揃えておくことが好ましい。即ち、前画面11のガンマカーブと、後画面12のガンマカーブの形状が同一或いは同一程度であることが好ましい。この場合、例えば輝度調整部141にガンマカーブの形状を記録しておくことで、前画面11及び後画面12のガンマカーブの形状(即ち、ガンマ特性)を揃えることが可能となる。
【0137】
又、図6に示すように、前画面11及び後画面12の夫々の画面を9分割して、夫々の対応する領域毎に上述の条件を満たすような構成であってもよい。即ち、前画面11の画面領域A1と、画面領域A1に対応する後画面12の画面領域B1とが、上述の輝度及び色度の条件を満たす構成であってもよい。即ち、観察者が、視線上において重ねて視覚する領域毎に、上述の輝度及び色度の条件を満たす構成であってもよい。この場合、例えば画面領域A1に対応していない、後画面12の他の画面領域B2、B3、・・・、B9は、画面領域A1との間において上述の輝度及び色度の条件を満たしていてもよいし、或いは満たしていなくともよい。いずれにしても、前画面11の画面領域が発する光と、該画面領域に対応する後画面12の画面領域が発する光とが、上述の輝度及び色度の条件を満たすように構成されれば、係る表示装置1によって、観察者は、適切に立体感のある画像を視覚することが可能となる。
【0138】
尚、前画面11及び後画面12を分割する場合、一つの画面領域が発する光では上述の輝度及び色度の条件を満たしているにもかかわらず、他の画面領域が発する光がその条件を満たさない場合が考えられる。この場合においても、図4及び図5において説明したように、同一の或いは傾向が類似する輝度ムラ或いは色度ムラを夫々有するように前画面11及び後画面12を調整することが好ましい。或いは、同一の或いは傾向が類似する輝度ムラ或いは色度ムラを夫々有する前画面11及び後画面12を用いることが好ましい。これにより、画面領域毎においても、輝度或いは色度の条件を満たすような表示装置1を比較的容易に実現可能となる。
【0139】
尚、前画面11及び後画面12の夫々を画面領域に分割する場合には、図6に示したように9分割に限られず、所定数での分割が可能である。又、その画面領域の大きさは、全て同一であってもよいし、少なくとも一つの画面領域が異なった大きさであってもよい。
【0140】
この場合、輝度調整部141及び色度調整部142は、画面領域毎に輝度或いは色度を調整可能に構成されていることが好ましい。例えば、前画面11及び後画面12の夫々に供給される画像信号のうち、輝度或いは色度を示す信号の書換えに加えて、画面中の所定の画面領域を示す信号を読込み或いは制御することで、同様の動作が可能となる。
【0141】
続いて、図7に示すように、上述の輝度或いは色度調整の具体的な調整例について説明する。前画面11には画像110が表示されて降り、後画面12には画像120が表示されている。二つの画像110及び120は、同一輝度且つ同一色度の画像信号により表示されているものとする。この場合、観察者の側から見て、画像110から発せられる光L1と、画像120から発せられる光L2とが上述の条件を満たすように、輝度調整部141或いは色度調整部142が光L1或いはL2を調整することとなる。例えば、観察者の位置に配置された輝度或いは色度測定器により測定される輝度或いは色度が上述の条件を満たすように調整される。
【0142】
又、前画面11及び後画面12の夫々において、対応する画素(或いは、画像領域)毎に調整する場合には、光L1及びL2が重なることとなる。このため、例えば前画面11及び後画面12の夫々に表示される画像を交互に表示させることで、夫々の光を測定し、対応する画素毎に上述の条件を満たすように調整することが可能となる。
【0143】
従って、前画面11及び後画面12の所定の画素(或いは、画像領域)において、適切に輝度或いは色度調整された画像を表示可能な表示装置を実現することが可能となる。
【0144】
尚、本実施例に係る表示装置では、上述の輝度或いは色度調整の結果を保存可能に構成されていてもよい。例えば、画像発生部14の内部にあるRAM等のメモリーに記録するような構成であってもよい。この場合、例えば、本実施例に係る表示装置の製造時に、予め前画面11及び後画面12が上述の輝度或いは色度の条件を満たすように製造され、工場出荷時にプリセット情報としてメモリー内に記録されてもよい。
【0145】
加えて、例えばリモコン、コントローラ或いはタッチパネル等の入力部を備えた表示装置1であれば、例えば観察者の指示を入力可能な構成にしてもよい。この場合、入力部から入力された指示は、例えば制御部17に設けられたデータ受信部や入力インターフェース等で受信され、画像発生部14に出力される。画像発生部14では、制御部17より出力された指示に基づき、輝度調整部141或いは色度調整部142によって、所望の調整を行う。これにより、例えば輝度調整部141或いは色度調整部142により自動的に調整或いは設定された輝度或いは色度を、例えば観察者の指示に更に調整することが可能となる。従って、観察者の所望の輝度或いは色度にて、前画面11及び後画面12の夫々に画像を表示することが可能となる。尚、係る入力部による入力の結果を例えば上述のメモリーに記録する構成を採ってもよい。
【0146】
尚、本実施例では、二つの画面(即ち、前画面11及び後画面12)について説明したが、図8に示すように、三つ以上の画面であっても同様の効果を得ることが可能となる。その場合、上述の輝度に関する条件は、三つ以上の画面が発する光のうち、観察者の位置において、最大の輝度を有する光の輝度をC1とし、最小の輝度を有する光の輝度をC2として、同様の式にて定められる。又、色度に関する条件は、「三つ以上の画面が発する光の夫々の色度座標のうち、観察者の位置において、任意に選択した二つの色度座標のx座標の差のうち最大の差と、y座標の差のうち最大の差が夫々上述の0.06或いは0.03以下である」という条件になる。この条件を満たしていれば、観察者は、輝度或いは色度のばらつきを抑えた画像を視覚することで、適切に立体的な画像を視覚することが可能となる。
【0147】
或いは、三つ以上の表示手段のうち、夫々の表示手段が隣り合う表示手段との間において、上述してきた条件を満たしていれば、本実施例に係る表示装置1と同等程度の効果を得ることが可能となる。即ち、図8において、画面21と画面22とが上述の条件を満たすように、且つ画面22と画面23とが上述の条件を満たすように、夫々の画面が発する光の輝度或いは色度を調整すれば、観察者は、輝度或いは色度のばらつきを抑えた画像を視覚することが可能である。即ち、観察者は、適切に立体的な画像を視覚することが可能である。
【0148】
本発明は、上述した実施形態或いは実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う表示装置及び方法もまた本発明の技術思想に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置に係る実施例のブロック図である。
【図2】本発明の表示装置に係る実施例の表示部の他の構成について示す光学系の図式的断面図である。
【図3】本発明の表示装置に係る実施例の動作原理を示した概念図である。
【図4】本発明の表示装置に係る実施例の、前画面の輝度ムラを概念的に示す模式図である。
【図5】本発明の表示装置に係る実施例の、前画面の色度ムラを概念的に示す模式図である。
【図6】本発明の表示装置に係る実施例の、前画面及び後画面の夫々を分割した画面領域を概念的に示す模式図である。
【図7】本発明の表示装置に係る実施例の、具体的な輝度或いは色度の調整例を模式的に示す概略的断面図である。
【図8】本発明の表示装置に係る実施例において、3つの画面を有する表示装置を概念的に示す模式図である。
【符号の説明】
1・・・表示装置
11・・・前画面
12・・・後画面
14・・・画像発生部
15・・・第一駆動部
16・・・第二駆動部
17・・・制御部
18・・・ハーフミラー
141・・・輝度調整部
142・・・色度調整部
Claims (21)
- 観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段と、
前記複数の表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整手段と、
前記複数の表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、任意に選択した前記複数の表示手段のうち二つの表示手段の夫々の前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整手段と
を備えたことを特徴とする表示装置。 - 観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段と、
前記複数の表示手段のうち隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記隣り合う二つの表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整手段と、
前記隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、前記隣り合う二つの表示手段の夫々の前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整手段と
を備えたことを特徴とする表示装置。 - 前記最大の輝度をC1とし、前記最小の輝度をC2とした場合に、前記輝度差は、(C1−C2)/(C1+C2)によって示され、
前記第1の所定の範囲は、15パーセントであることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。 - 前記第1の所定の範囲は、7.5パーセントであることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
- 前記色度座標は、XYZ表色系によって示される色度座標であり、
前記第2の所定の範囲は、前記色度座標のうちx座標の差とy座標の差とが夫々0.06以下となる範囲であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。 - 前記第2の所定の範囲は、前記色度座標のうちx座標の差とy座標の差とが夫々0.03以下となる範囲であることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
- 前記複数の表示手段の夫々はRGBカラー表示可能であり、
前記輝度調整手段及び前記色度調整手段のうち少なくとも一方は、RGB毎の光について調整することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の表示装置。 - 前記輝度調整手段及び前記色度調整手段のうち少なくとも一方は、前記一つの表示手段の発する白色光について調整することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載野表示装置。
- 前記輝度設定手段は、更に前記複数の表示手段のガンマ特性を揃えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記輝度調整手段及び前記色度調整手段のうち少なくとも一方は、前記一つの表示手段をその画面内で分割した単位である画面片単位毎に発する光を調整することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記画面片単位は、前記一つの表示手段における一つの画素若しくは該画素が複数集合してなる画素ブロック又は画素ラインであることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
- 前記複数の表示手段の夫々の画面内における輝度変化の勾配及び色度勾配のうち少なくとも一方が相等しいことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記輝度調整手段は、前記一つの表示手段の輝度ムラと、前記複数の表示手段のうち他の表示手段の輝度ムラとが相互に同一傾向を持つように、前記光の輝度を調整することを特徴とする請求項1から12に記載の表示装置。
- 前記色度調整手段は、前記一つの表示手段の色ムラと、前記複数の表示手段のうち他の表示手段の色ムラとが相互に同一傾向をもつように、前記光の色度を調整することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記輝度調整手段及び色度調整手段のうち少なくとも一方は、前記一つの表示手段が有する輝度及び色度のうち少なくとも一方に関する画像情報を書き換えることで調整することを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記光の輝度及び色度のうち少なくとも一方を調整するための指示を入力可能な入力手段を更に備え、
前記輝度調整手段及び色度調整手段のうち少なくとも一方は、前記指示に基づいて調整することを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の表示装置。 - 前記複数の表示手段のうち、少なくとも前記観察者から見て最も後方に配置された表示手段を除く表示手段は、半透明な表示デバイスからなることを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記半透明の表示デバイスは、液晶表示デバイス又はエレクトロルミネッセンス表示デバイスであることを特徴とする請求項17に記載の表示装置。
- 前記複数の表示手段は、ハーフミラーにより合成される表示手段を含むことを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の表示装置。
- 観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段を備えた表示装置に係る表示方法であって、
前記複数の表示手段に前記複数の画像を表示する表示工程と、
前記複数の表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記複数の表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整工程と、
前記複数の表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、任意に選択した前記複数の表示手段のうち二つの表示手段の夫々の前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整工程と
を備えたことを特徴とする表示方法。 - 観察者の視線上に相前後して配置されており且つ表示対象物に係る複数の画像を前記視線上において重ねて表示する複数の表示手段を備えた表示装置に係る表示方法であって、
前記複数の表示手段に前記複数の画像を表示する表示工程と、
前記複数の表示手段のうち隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光のうち、前記観察者の観察位置において最大の輝度を有する光と、前記観察位置において最小の輝度を有する光との輝度差が第1の所定の範囲内に収まるように、前記隣り合う二つの表示手段のうち少なくとも一つの表示手段が発する光の輝度を調整する輝度調整工程と、
前記隣り合う二つの表示手段の夫々が発する光の、前記観察位置における色度座標上で、前記隣り合う二つの表示手段のうちの前記色度座標が、第2の所定の範囲内に分布するように、前記一つの表示手段が発する光の色度を調整する色度調整工程と
を備えたことを特徴とする表示方法。
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