JP2004241787A - 変化予測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 実際に起こる問題が確率的である対象の場合において、確率に左右されずに計算時間をほぼ一定にできる変化予測方法を提供する。
【解決手段】 運動する粒子の付着によって成膜あるいは食刻が行われる対象について数値シミュレーションを実行して膜形状を予測する際に、上記粒子が膜部位によって反射される現象を計算上では反射と付着とが同時に起こるものとして取り扱うことを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、実際に起こる問題が確率的である対象のシミュレーション方法に係り、さらにはこの方法を適用した変化予測方法に関する。
周知のように、半導体デバイスの製造工程には、基板上に薄膜を生成する工程が存在する。これらの薄膜生成には、多くの場合、Chemical Vapor Deposition(CVD)法が採用されている。
最近では、技術の進歩と共に基板上の回路パターンを 1μm以下にする必要が生じており、このパターン上に生成される薄膜もこれに応じて微細化する必要がある。このようにデバイスを高密度化すると、特にパターン段差(トレンチ)内への埋め込み特性(ステップカバレッジ)が問題となる。
たとえば、減圧CVD法を用い、原料ガスにシラン(SiH4 )を、キャリアガスにアルゴン(Ar)を用い、ウエハ温度 700℃、圧力 25 Torr、Ar流量 4.5リットル/分、SiH4 流量1.0 リットル/分の条件で、ウエハに形成されたアスペクト比が約10のトレンチの内面に多結晶シリコン膜を形成すると、トレンチ内部では奥まで膜厚がほぼ一定であるが、トレンチ上部ではオーバハングが観察される。このことから、付着確率の小さい成膜種と付着確率の大きい成膜種の存在が示唆される。すなわち、少なくとも2種類の成膜種が成膜に寄与していると考えられる。SiH4 ガスは気相中で(1)式のように反応し、成膜に影響を及ぼすものと考えられる。
Figure 2004241787
(1) 式の反応で生じるシリレン(SiH2)は、反応性が大きく付着確率がほぼ1であると考えられるので、付着確率の大きい成膜種はSiH2 であると仮定できる。ここで、トレンチ近傍における成膜種の付着確率と密度比とは成膜形状を決定づけるパラメータとみなされる。たとえば、SiH2 の付着確率はほぼ1であるため、このように付着確率の大きい分子はトレンチの入口部で膜になってしまい、トレンチの奥まで侵入することはできない。このような反応中間体はほんの僅かに生成しただけでもカバレッジを悪化させる。
ところで、上記のように条件を変えながら実験を行って成膜の厚さや成膜形状を判定する手法では応用性に欠け、要求を満たす最適な条件を見つけ難い。このため、成膜の厚さ及び形状を正確かつ短時間に予測する予測方法の開発が必要である。
この予測方法を開示した文献としては、非特許文献1及び非特許文献2等が知られている。
これらに示されている予測方法では、希薄気体流れ解析とそれに応じた膜成長のシミュレーションとを組み合せて用いている。なお、希薄気体流れ解析には直接シミュレーションモンテカルロ(DSMC)法が、また膜成長のシミュレーションにはストリングモデルあるいはセルモデルなどが用いられることがある。
膜成長を予測する具体的な手順としては、計算領域内での希薄気体流れ解析を行ない、続いて付着した分子の体積に応じて膜を成長させるという一連のシミュレーションが必要数の分子が付着し終わるまで繰り返し行われる。
しかしながら、このような従来のシミュレーション方法では、希薄気体流れ解析の時間積分をとる形となるため、たとえば前述したトレンチ内部への薄膜の埋め込みについて予測する場合、比較的高速な計算機を用いても条件、特に付着確率の小さい成膜種を扱う場合には予測を1回行うために1ケ月から1年以上を必要とする。ベクトル計算や並列処理などを採用することによって、ある程度の時間短縮を実現できるが、付着確率が非常に小さい成膜種を扱う場合には依然として長時間を要することに変わりない。このため、従来の方法では、予測の精度あるいは範囲を著しく犠牲にすることによって予測に必要な時間の短縮化を行わなければならないという問題があった。
Tatsuta et al: Simulation of CVD Step Coverage for SiH4 using Parallel Processing of DSMC Method,Computational Mechanics ’95(Proceedings of International Conferenceon Computational Engineering Science ) Vol.1, pp.592-597, Springer-Verlag (1995) 飯野利喜:半導体成膜形状のシミュレーション,日本機械学会第68期通常総会講演会資料集,Vol.D,1994, pp. 447-449
上述の如く、実際に起こる問題が確率的である対象に対する従来のシミュレーション方法では、条件によっては予測を1回行うために膨大な時間を必要とし、また時間を短縮しようとすると予測精度が悪化したり、解析範囲が限られたりする問題があった。
そこで本発明は、実際に起こる問題が確率的である対象の場合において、確率に左右されずに計算時間をほぼ一定にできる変化予測方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、この発明の変化予測方法では、確率に依存する因子の作用を受けて状態または性状が変化する対象について数値シミュレーションを実行して上記変化を予測する際に、前記確率に依存する因子の作用回数あるいは前記対象の変化量を計算上で取り扱うに当たり、計算上で取り扱う作用回数あるいは変化量を実際の作用回数あるいは変化量よりも多くして扱うことを特徴としている。
また、上記目的を達成するために、この発明の変化予測方法において、運動する物体が他の物体に衝突することによりその作用を受けて確率に依存して変化する対象または現象について数値シミュレーションを実行して上記変化を予測する際に、前記確率に依存する因子の作用回数あるいは前記対象または現象の変化量を計算上で取り扱うに当たり、計算上で取り扱う因子の作用回数あるいは対象または現象の変化量を、実際の因子の作用回数あるいは実際の対象あるいは現象の変化量よりも多くして扱うことを特徴としている。
また、上記目的を達成するために、この発明の変化予測方法では、運動する物体が他の物体に衝突することによりその作用を受けて確率に依存して変化する対象または現象について数値シミュレーションを実行して上記変化を予測する際に、前記確率に依存する因子の作用回数あるいは前記対象または現象の変化量を計算上で取り扱うに当たり、実際には因子が作用しない場合、あるいは実際には対象または現象が変化しない場合の少なくとも一部を、計算上では作用するあるいは変化するとして取り扱うことを特徴としている。
以上説明したように、この発明の変化予測方法によれば、最終的に生成される、たとえば薄膜の厚さ及び形状を短時間で予測することができる。このため、たとえば半導体製造装置における膜成長のシミュレーションを効率よく行うことができ、製造方法及び装置の最適化設定に寄与できる。
この発明に内在している基本思想は、実際に起こる問題が確率的である各種の対象に対する数値シミュレーションに適用できる。たとえば、適用可能な応用分野としては、薄膜の埋め込み、薄膜生成、エッチング、リソグラフィー、鏡面加工、プラズマ利用系、金属非金属の蒸発、液体の凝固、化学物質の合成・分離、輻射利用系、画像処理、デバイスシミュレーション、河川工学、宇宙工学、視聴率調査、経路探索、洗浄、オペレーションズリサーチ、核融合解析、イオン注入等を挙げることができる。また、適用可能な流れ解析分野としては、稀薄流れ、連続流れ、分子軌道法、分子動力学、量子力学、粉流体解析、輻射解析、レイトレーシング、中間流、ネットワークフロー、グラフ理論、クラスタ解析、安定性解析、プラズマ解析、多変数制御等を挙げることができる。また、適用可能な形状変化モデルとしては、ストリングモデル、セルモデル、ネットワークモデル等を挙げることができる。また、適用可能な粒子としては、電子、原子、分子、クラスタ、微粒子、光子、原子核、陽子、イオン、素粒子、ダスト、粉体、固体等を挙げることができる。また、適用可能な現象としては、付着、衝突、化学反応、エネルギ変換、生成、食刻等を挙げることができる。このときの生成物としては、アモルファス、結晶、薄膜、多結晶、固体等を挙げることができる。また、このとき使用可能なキャリアガスとしては、アルゴン原子、水素ガス分子、酸素分子等を挙げることができる。さらに、このとき使用可能な反応性ガスとしては、シラン、シリレン、ジシラン等を挙げることができる。
以下、具体的な実施の形態を説明する前にまず本発明の特徴点を説明する。今、物体面、たとえば半導体基板や、ガラスや、気体または液体の粒子などに粒子、たとえば原子、分子などを衝突あるいは付着させることにより、物体面にアモルファス、結晶、多結晶、薄膜などの生成あるいは食刻などを行うプロセスに対し、数値シミュレーションを行って最終的に生成あるいは食刻される薄膜などの、たとえば厚さ、形状、化学的性質、物理的性質、その他の物性値などを予測する場合を例にとる。
これらの予測には、通常、連続流体流れあるいは希薄気体流れ解析などの数値解析手法とそれに応じた膜成長などの形状変化のシミュレーションが合せてまたは個別に用いられる。
形状変化のシミュレーションでは、形状のモデル化を、表面を線分の連続として扱うストリングモデル、形状を多角形また多面体またはそれらにより構成されるものとして扱うセルモデルまたは多数の点を結ぶことで扱うネットワークモデルなどにより表現し、付着などの際の体積または面積に応じて形状を変化させることで行う。
このシミュレーションは、いわば流れ解析のさらに時間積分をとるのに等しいため、通常は計算に非常に多くの時間を必要とする。たとえば、半導体デバイスの製造工程におけるトレンチ内部への薄膜の埋め込み予測を例にとると、先に説明したように計算時間として1ケ月から1年以上を必要とする場合がある。
そこで、ここでは半導体デバイスの製造工程におけるトレンチ内部への薄膜の埋め込み予測を例にとり、本発明の解析方法を説明する。従来の解析方法との違いを明確にするために、本発明の解析方法をStick-at-All-the-Reflection-Poits 法、略してSARP法と呼称することにする。SARP法は並列計算機等で並列処理する場合にも有効で、各粒子あるいは計算領域毎に並列に解析を進めることができる。
SARP法では、たとえば計算上のモデル化として以下のような取り扱いを行う。すなわち、CVD法による薄膜埋め込みを例にとると、流れ解析にはDSMC法を利用した希薄気体解析の手法を用い、分子間衝突には修正Nanbu法を用いる。そして、図1に示すように、トレンチの左半分を計算領域とし、その左右境界を鏡面反射として扱う。分子、たとえばアルゴンガス原子、水素ガス分子、酸素分子などのキャリアガスおよびシラン、シリレン、ジシランなどの反応性ガスは上部境界からのみ流入し、計算領域内での分子間衝突による成膜種の反応は皆無とする。
トレンチに衝突した分子は、その付着確率(η)等の反応確率に応じて付着(確率η)または反射(確率1−η)し、付着した場合には形状変化のシミュレーションによりトレンチ表面の形状を変化させる。このような対象は、換言すると、事象が確率に依存して起こるもの、あるいは確率に依存する因子の作用を受けて状態または性状が変化するものといえる。
ここで、SARP法は次のような新しい考え方に基づいている。すなわち、今まで行われているシミュレーションにおいて、CVD法による成膜面への分子の付着を扱う場合には、付着確率η及び乱数により、乱数がηより小さい場合には付着、大きい場合には反射とするのが一般的である。この様子を図2に示す。確率論的にいえば分子が付着するのはη回の反射の後であり、たとえばηが10-5であるとすると、105 回反射した後にようやく1回付着することになる。
これに対してSARP法では、付着面での分子の反射をすべて付着としても取り扱う。つまり、図3に示すように、分子の移動などについては従来と全く同じ手法のシミュレーションを行い、分子の付着の仕方のみを変更する。すなわち、計算上においては、従来の方法に比べて分子が多く付着したものとして取り扱う。この方法を用いると、付着分子数の期待値は従来のη倍になり、計算時間は単純にはこれに比例して飛躍的に短くなる。以下に、従来の方法とSARP法とがトレンチ上での付着分子数分布に同じ計算結果をもたらすことを説明する。例として、表1に示す問題を考える。
Figure 2004241787
[1] 付着数についてまず、分子の付着数の違いについて考えてみる。図2及び図3のように分子がトレンチ内に入射することを考え、さらに分子の計算領域外への流出がないとし、ある成膜種について、
付着確率:η
入射分子数:N
付着面でのi番目の反射にあたって、
付着する分子数:ni
付着する確率:pi
とすると、従来の方法では、
Figure 2004241787
と、おくことができる。つまり、i番目の反射で付着する確率は(3) 式で表され、分子の軌道が同じとして(3) 式がSARP法でも同じならば結果的に同じ成膜形状を実現できるはずである。以下、SARP法では*を添付する。従来の方法では、(i+1)番目以降の反射でようやく付着する分子も、SARP法では付着として扱うので、
Figure 2004241787
となる。
従来の方法とSARP法を比べると、(2) 式と(4) 式から判るように、SARP法が1/η倍大きいだけで、その他は従来の方法と全く同じ結果を示し、SARP法が従来の方法と同様の分子の付着を導くことが判る。つまり、成膜種が1種類の場合には付着数の分布に関しては同じ結果が得られることになる。
[2] 生成数について先に説明したように、SARP法では従来の方法に比べて付着数が1/ηだけ多くなる。このことは、成膜種が2種類以上ある場合に問題となる。
表1の例では、分子Bについては106 倍多く付着し、分子Cについては変わらないため、付着数に補正を加えない場合には誤った結果を生じる。解決方法として、それぞれの成膜種について付着数をη倍することが考えられるが、SARP法による高速化のメリットがなくなるので採用できない。そこで、SARP法では分子の生成数に補正を加える。
従来、分子の生成については扱う気体の濃度比(分圧比)に比例して行っている。たとえば、分子C1個の生成に対して分子A、Bはそれぞれ106 個ずつ生成され、振り分けは乱数の発生により行っている。
しかし、SARP法の場合には、同じ手法を採用すると不都合になるため、単なる濃度比ではなく、Pk ×ηkの比で生成させる。ただし、Pk は成膜種k の濃度比、ηk は成膜種k の付着確率である。したがって、成膜種の生成数比は次式のようになる。
Figure 2004241787
ただし、キャリアガス(不活性ガス)が存在する場合は、キャリアガスの付着確率が0であるから決定できない。これには任意の値をとることが可能だが、計算精度の点から他のガス分子の生成数とあまりかけ離れていないことが望ましく、便宜的に全生成数の1/2 とする。したがって、(6) 式は次式のようになる。
Figure 2004241787
たとえば、表1の例では、A:B:Cは 1/2: 1/4: 1/4である。これにより(4) 式におけるnj はnj *ηk となるので、付着分子数が従来の方法に比べて1/η倍になる事態はキャンセルされ、付着する数((4) 式)・確率((5) 式)共に従来の方法と同じ結果を得ることができる。
[3] 分子間衝突について次に、分子の運動について考える。分子運動の中で、分子間衝突を除いた分子の軌道そのものは従来の方法でもSARP法でも全く同じである。このことはSARP法が分子運動には直接関係ない方法であることから容易に想像できる。ところが、分子の生成は(7) 式により行われるため、計算上の分子数の比は実際の分子数の比と異なっている。このため分子間衝突については操作を加えて修正しなければならない。衝突分子の一方をi、他方をj、単位時間当たりのi対jの衝突確率をGijとすると、i分子が単位時間当たりにいずれかの分子と衝突する確率は、
Figure 2004241787
とおける。ところが、衝突相手の分子jは(7) 式により実際とは異なる方法で生成されたものであり、分子jの数は真の数とは異なるため、計算上*を付して、
Figure 2004241787
としなければならない。ここで、分子jの属する成膜種をk(j) として、Rk(j)は真の濃度比、rk(j)は(6) 式,(7) 式に基づく計算上の濃度比(発生数比)である。ただし、
Figure 2004241787
である。したがって、(8) 式および(9) 式より、SARP法における分子間衝突の確率を、
Figure 2004241787
として求めることができる。なお、(12)式にしたがって衝突した場合の衝突後の分子速度は従来通りに取り扱う。
[4] 加速率について最後に、SARP法によって達成される加速率を考慮する。これには従来の方法による時間当たりの付着数とSARP法による付着数との比(つまり付着数が何倍されるか)を用いる。逆に言えば、加速率は、一定数付着するまでの繰り返し計算のSTEP数(あるいは計算上の進行時間の比)に直接比例するため、同一step数での成膜形状を計算条件を変えて比較する場合や成膜の進行時間を問題にする場合には注意が必要である。また、計算STEP数と計算時間とがほぼ比例関係にあるので、ここでの加速率は事実上計算に必要な時間の従来の方法に対する加速率ともいえる。分子の計算領域外への流出がないと仮定し、キャリアガスが存在する場合、従来の方法では先に説明したように、分子の生成数は、
Figure 2004241787
に比例し、付着はこれと等倍の比率、
Figure 2004241787
で生じる。ただし、k は成膜種。
これに対してSARP法では(6) 式および(7) 式で示したように、濃度比と付着確率の積(rk )で生成する。付着はrk ・ηk をさらに1/ηk 倍した割合で生じるので、キャリアガスを1/2 とした(7) 式を用いると、付着の生じる比率は、
Figure 2004241787
となる。つまり、結論としては、(14)式と(16)式との比が加速率を示ことになり、
Figure 2004241787
を得る。たとえば、表1の条件では、約 33 万になる。
特徴的なのは、これが混合ガス中のどの成膜種でも同じ値を持つということで、どんな組成の混合ガスであっても、成膜種によって加速率が変化してしまう、つまりSARP法を用いることで誤った結果を導くようなことはない。
以上が本発明の基本思想であるSARP法の考え方である。まとめると、分子の取り扱いに関して、(1) 成膜面での付着、(2) 生成数、(3) 分子間衝突の3点において従来の方法とは異なっている。
次に、本発明方法の実施の形態、ここでは半導体デバイスの製造工程におけるトレンチ内部へのCVDによる薄膜の埋め込み予測を例にとり本発明の解析方法を図4を参照しながら説明する。
まず、図1に示すようなモデルを想定し、流れ場(計算領域)を複数のセルに分割する(ステップS1)。次に、分子を生成し、これを各セルに配置する(ステップS2)。次に、DSMC法を使って分子をΔt時間動かしたときの(7) 式にしたがった分子の流入を含む分子の流れ解析(ステップS3)および(12)式にしたがって分子間衝突(修正Nanbu 法)の計算(ステップS4)を行う。そして、(4) 式に示されるようなトレンチへの分子の付着に応じた膜成長のシミュレーションを動作させて膜を成長させる(ステップS5)。この膜が所望レベルに成長するまでステップS3からステップS5を繰り返す。そして、所望レベルに成長した時点で計算を終了する。
なお、上記計算に際して並列計算機で並列計算を効率よく行うためには、プロセッサ間の通信量を少なくし、しかも各プロセッサの計算負荷を負荷に応じて動的に平均化(動的負荷分散)する必要があるが、分子毎に並列化を行い分子情報を各プロセッサにばらばらに割り振ってしまうと、同一セル内分子の情報が幾つ化のプロセッサに分割されてしまうため、衝突ペア抽出の際に繁雑なプロセッサ間通信により情報の交換をしなければならなくなる。
そこで計算領域をプロセッサ数に分割し、分割した各領域を各プロセッサに1対1に割り当てる方法(領域分割法)が一般に用いられるが、ここで述べている対象のように、壁面が移動し、解析領域が計算の進行と共に変化する場合には、動的負荷分散の方法が複雑になりやすい。したがって、このような対象の場合には、解析領域の複雑な変化に対応できるセル分割法の採用が好ましい。
セル分割法は、分子間衝突の計算が各セルで独立して行われることを利用するもので、領域全体をセル毎に分割し、次々と各プロセッサに割り当てることにより並列化を行う。データやりとりは、1台の親プロセッサとその他の子プロセッサとの間のみで行い、データの管理は親プロセッサが、計算は子プロセッサが行う方法をとる。各子プロセッサでは全て同じプログラムが走り、受信・計算・送信を単純に繰り返す。親プロセッサは計算を実行していない、あるいは計算の終了した子プロセッサに対して先頭セルから順に1セルずつデータを与え、計算結果の返送を受け取ることを繰り返す。全セルの計算結果を受け取った段階で1ステップの終了となり、再び先頭セルからの同じ作業に戻る。子プロセッサの負荷はオペレータが意識することなく自動的に平均化されるため、いかなるプロセッサ台数や解析領域であっても全く関係なく同じように並列化が行われ、プログラミングする場合でも実行する場合でも容易である。また、分子の移動数に異方性がある場合や各プロセッサに性能のばらつきがある場合にも問題が生じない。また、子プロセッサにおいては1度に1セル分の計算しか行わないように設定すると、記憶容量を1セル分に抑えることができ、領域分割法に比べて大規模な計算に対応できる。次に、SARP法を用いて実際に行った薄膜埋め込み予測結果を説明する。まず、シミュレーションに用いたCVDの条件を表2に示す。
Figure 2004241787
表1の条件とは異なる条件としたのは、従来の方法では計算時間が膨大なためにシミュレーションが事実上不可能であり、表2の条件では付着確率が大きいため、従来の方法でもシミユレーションが可能で、SARP法と比較できることによる。成膜寄与率はSiH4 、SiH2 共に同じになるように設定してある。なお、成膜寄与率は、それぞれの成膜種に対して、 Sk =ηk ・Pk …(17)により定義する。
この成膜寄与率は、成膜種の成膜への寄与を示す指標であり、それぞれの成膜種について成膜に寄与する程度を相対的に比較することができる。図5(a)には表2の条件に基づいて従来の方法で解析した結果(成膜形状)が示されており、図5(b)には表2の条件に基づいてSARP法で解析した結果(成膜形状)が示されている。両図から判るように、従来の方法とSARP法とではほぼ同じ結果を示しており、SARP法によっても結果に変化のないことが解る。なお、本条件での加速率は(16)式より約78である。
また、トレンチに合計1000個の代表分子が付着するまでを実際に測定して得た計算時間の比較が表3に、繰り返し計算回数の比較が表4にそれぞれ示されている。
Figure 2004241787
なお、この場合には問題を単純化するため、表2中のArとSiH4 についてのみ扱い、SiH4 の付着確率を変数としている。表の中で、(従来法の計算時間/SARP法の加速率)は、従来の方法による計算時間あるいは回数を(16)式で示されるSARP法による加速率で除して求めた結果で、従来の方法をもとに理想的に加速された場合を予測したものである。SARP法と(従来法の計算時間/SARP法の加速率)とはほぼ一致しており、前述の理論、特に(17)式の正当性が実証されている。なお、従来法が1/ηに比例しないのは、付着確率に関係のない一定時間の計算が存在するため(SARP法が(従来法の計算時間/SARP法の加速率)より若干上回るのもそのため)と、付着確率の大きい場合には小さい場合よりも系内の分子数が少ない(付着により消滅する数が多い)ためと思われ、また付着確率1の場合に従来法とSARP法が一致しないのは、SARP法では分子の生成が濃度比と付着確率との積により行われている(つまり、SARP法の方が付着分子の生成比率が高い)ことが原因であると思われる。図7には現実に近いシミュレーション結果が示されている。
Figure 2004241787
これは表5のCVD条件にSARP法を適用したもので、加速率は(16)式より781250であり、従来の方法では1年から10年以上が必要と予測される条件である。全体としてほぼ正確なシミュレーションが行われていることが判る。
以上は、本発明をCVDによる薄膜生成予測に適用した例であるが、各分野毎に適確な補正を行うことによって、本発明を前述した各種分野に適用することができる。
本発明の予測方法で用いるモデルの一例を説明するための図 従来の予測方法で用いている基本的な考え方を説明するための図 本発明の予測方法で用いている基本的な考え方を説明するための図 本発明の予測方法による処理手順を示すフローチャート (a) は従来の方法で解析した結果(成膜形状)を示す図、(b) は本発明に係る方法で解析した結果(成膜形状)を示す図 本発明に係る方法で解析した結果(成膜形状)を示す図

Claims (3)

  1. 確率に依存する因子の作用を受けて状態または性状が変化する対象について数値シミュレーションを実行して上記変化を予測する際に、前記確率に依存する因子の作用回数あるいは前記対象の変化量を計算上で取り扱うに当たり、計算上で取り扱う作用回数あるいは変化量を実際の作用回数あるいは変化量よりも多くして扱うことを特徴とする変化予測方法。
  2. 運動する物体が他の物体に衝突することによりその作用を受けて確率に依存して変化する対象または現象について数値シミュレーションを実行して上記変化を予測する際に、前記確率に依存する因子の作用回数あるいは前記対象または現象の変化量を計算上で取り扱うに当たり、計算上で取り扱う因子の作用回数あるいは対象または現象の変化量を、実際の因子の作用回数あるいは実際の対象あるいは現象の変化量よりも多くして扱うことを特徴とする変化予測方法。
  3. 運動する物体が他の物体に衝突することによりその作用を受けて確率に依存して変化する対象または現象について数値シミュレーションを実行して上記変化を予測する際に、前記確率に依存する因子の作用回数あるいは前記対象または現象の変化量を計算上で取り扱うに当たり、実際には因子が作用しない場合、あるいは実際には対象または現象が変化しない場合の少なくとも一部を、計算上では作用するあるいは変化するとして取り扱うことを特徴とする変化予測方法。
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