JP2004241410A - 給電装置及び発光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2分割構造の略半円筒形の固定部30a,30bは、開口部31に段部32が形成されている。固定部内に収納される2分割構造の磁性体21は、環状の基体22と板状の接触部23を有する。磁性体にはLED素子が接続されて取り付けられている。配線を挟んで磁性体と固定部を組立てる。磁性体の接触部は固定部の段部に保持されて互いに密着するので磁気抵抗は小さい。また位置が固定され、回転方向を含めたいずれの方向にも磁性体21,21は移動できなくなる。中心の配線に流された交流は磁性体21,21の空洞部分を通過する。磁性体21の巻線24には電磁誘導された双方向電流が流れ、LED素子25が発光する。
【選択図】図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、供給された電力を配電手段により取り出して発光素子等の被給電装置に供給することができる給電装置と、かかる給電装置を発光素子の給電に用いたことを特徴とする発光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は、家庭用電源や電池などの電源から電力の供給を受ける際、その電源等に接続された配線にコネククーやソケット等を設け、配線に直接的な電気的接触を行うことにより電力を取り出していた。例えば、蛍光灯や電球等を利用した照明装置を設置する際には、蛍光灯や電球などは配線上に設けられたコネクターやソケットを介して電力の供給を受ける。また、電飾装置を設ける場合においても電飾は予め配線上に設けられたソケット等を介して電力の供給を受ける。さらに、防犯のためのセンサ等を設ける場合においても、センサ等は予め決められた位置に設けられたコネクタ等を介して電力の供給を受けていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−51707号公報
【0004】
【特許文献2】
特開2002−8407号公報
【0005】
しかしながら、上記照明装置等を設ける場合において、例えば、使用者が蛍光灯や電球等の位置や個数を変更しようとした場合、上記のように電力を取り出す位置や個数は配線に直接的に電気的接触をもつコネクタやソケットの位置や個数によって決まってくるため、大きな設計変更や工事が必要となってしまう。また、上記のように配線と直接的な電気的接触をもつソケットやコネクタを設けた場合、漏電や短絡といった電気的な要因による事故が生じる恐れがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本願出願人は、図12及び図13に示すような発光装置として機能する新規な給電装置を案出した。給電装置100は、配線101の配線方向と同一方向に巻線121a,121bが施された半円筒形の第1磁性体122、第1磁性体122と同様に巻線121c,121dが施された半円筒形の第2磁性体123、巻線121a,121bが配線101に近接するように該第1磁性体122が固定された第1固定部124、および該第1固定部124と接合部125を介して接合され、巻線121c,121dが配線101に近接するように第2磁性体123が固定された第2固定部126から構成されている。
【0007】
図12及び図13に示すように、接合部125を接線として第1固定部124と第2固定部126は開閉自在とされている。第1固定部124と第2固定部126を閉じると八角筒形状(内部が空洞な八角柱の形状)となり、その中央の穴を上記配線101が通過する。第1固定部124および第2固定部126の内部では、第1磁性体122と第2磁性体123が一体化した円筒形の磁石となって保持され、この円筒形の磁石の中央部の空洞を上記配線101が通過する。
【0008】
巻線121a,121b,121c,121dは銅線130a,130bを介して固定部の外に導出され、固定部の外側に設けられた複数の被給電体である発光素子132に接続されている。この発光素子132には、巻線121a,121b,121c,121dに発生する双方向電流に基づいて銅線130aと銅線130bとの間に生じる電圧が印加される。
【0009】
このように、本願出願人が提案した発光素子132を有する本給電装置100は以上のように構成されているので、目的や用途に応じ、配線101に沿って自由に任意の位置に移動することができ、また必要に応じて配線101に新たな給電装置を追加して取り付けることもできる。従って、蛍光灯や電球等の位置や個数を変更する場合にも電気的接触をもつコネクタやソケットを用いないため大きな設計変更や工事が必要なく、またかかる電気的接続手段を介さないため漏電や短絡といった電気的な要因による事故が生じる恐れもないため、前述した従来の問題を解消することができる。
【0010】
しかしながら、本願出願人の提案になる上記発明についても、さらなる研究の末、さらに改良すべき次のような課題が見出されるに至った。
▲1▼固定部とこれに収納される磁性体を分割筒形とした上記の構成では、組立てに際して、一方の磁性体の両端面と他方の磁性体の両端面を正確に突き当てて一体化することが困難であった。即ち、組み立てた固定部内で一対の磁性体の面位置が出づらく、突合せた面の位置が若干ずれただけでも磁気抵抗が大きくなってパワーのロスが大きくなり、十分な起電力が得られなくなるという問題があった。
【0011】
▲2▼固定部内に単に磁性体を収納して組み立てるだけでは、一体化された複数の磁性体の圧着力を固定部内で維持することが困難であった。磁性体を一体化した状態に保つため、固定部内にばね等の付勢手段を設けたり、固定部を樹脂で成形するに際して板ばね様の付勢手段を固定部の壁部に作りこむことも考えられるが、これでは部品数が増え、又は構造が複雑になってしまう。
【0012】
▲3▼また、発光素子を固定部内に設けて全体の構成をコンパクトにすることを考えると、前記ばね等の部品を固定部内に設けることは発光の視認を妨げることとなり、なるべく避けなければならない。
【0013】
▲4▼また、磁性体の一体化保持のための付勢手段として、固定部に板ばね様の付勢手段を作りこむ等の構造とすると、構造が複雑化するだけでなく、固定部自体に溝や孔を設けざるを得ないこととなり、かかる溝等を介して固定部内の磁性体と巻線に固定部外から接触することが可能となり、ショートその他の破損や危険性が危惧されることとなってしまう。
【0014】
▲5▼さらに、分割構造の磁性体を用いた前記構造では、軽量化のため、また固定部内に発光素子を収納するスペースを確保するため、なるべく磁性体を小さくすることが望まれるが、単に磁性体を小さくしただけでは、分割構造のために接合面の面積まで小さくなり、磁性体相互の接触がうまくとれず、磁気抵抗が大きくなりパワーロスが大きくなってしまうという不都合がある。
【0015】
そこで、本発明は、分割構造の磁性体と固定部を配線に装着して発光素子等に給電するタイプの給電装置において、分割構造の磁性体の結合を確実にするとともに、その接触面積も十分に確保し、磁気抵抗を十分に低くしてパワーロスの可及的減少を図り、構造が簡単で固定部内の密封状態も確保され、発光素子の固定部内への装着にも問題がない給電装置と、かかる給電装置を用いた発光装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された給電装置は、交流電流が流れる配線を挟むように複数に分割された磁性体と、前記磁性体の少なくとも1つに設けられた巻線と、前記磁性体が前記配線を挟む状態に保持する複数に分割された固定部とを有し、前記配線に流れる交流電流により前記巻線に電磁的に誘導された双方向電流を被給電体に配電する給電装置において、前記磁性体が、相対的に小断面積の基部と、前記基部の両端に設けられて隣接する他の前記磁性体と接触する相対的に大断面積の接触部とを有し、前記固定部には、前記磁性体の接触部を保持する保持部が形成されたことを特徴としている。
【0017】
請求項2に記載された給電装置は、請求項1記載の給電装置において、前記被給電体が前記固定部の内部に設けられたことを特徴としている。
【0018】
請求項3に記載された給電装置は、請求項2記載の給電装置において、前記被給電体が発光素子であり、前記固定部が透光性を有している。
【0019】
請求項4に記載された給電装置は、請求項1記載の給電装置において、複数の前記固定部が弾性を有する係合手段で一体化されることを特徴としている。
【0020】
請求項5に記載された発光装置は、交流電流が流れる配線の周囲に配置される相対的に小断面積の略周形状である基部と、該基部の両端に設けられた相対的に大断面積の板状の接触部とを有する複数に分割可能な磁性体と、前記磁性体の少なくとも1つに設けられた巻線と、前記配線の周囲に略周形状に配置された複数の前記磁性体を収納し、前記磁性体の接触部と略同形状で各接触部を収納保持する保持部が形成され、複数に分割可能で少なくとも一部に透光性を有する固定部と、前記固定部の内部に設けられ、前記巻線に電磁的に誘導された双方向電流が配電される発光素子とを有している。
【0021】
ここで、上記「交流電流」とは、例えば、家庭用電源から出力されるものでもよいし、直流電源から出力される直流電流を交流電流に変換したものでもよい。
【0022】
また、上記「配線」とは、上記交流電流を流すために配された、例えば、銅線などを意味する。もしくは、上記銅線などに被覆を施したものとしてもよい。
【0023】
また、上記「双方向電流」とは、配線に流れる交流電流によって上記巻線に電磁誘導された電流であり、交流電流に応じた周期で正負方向に切り替わる電流を意味する。さらに、上記双方向電流とは、上記巻線に電磁誘導された電流に所定の電気的な処理を加えたものも含むものとする。
【0024】
また、上記「被給電体」とは、例えば、電球やセンサなどを意味するが、必ずしも上記「配電手段」に直接接続して一体化する必要はなく、例えば、配電手段にソケットやコンセントなどの間接的な接続手段を設け、この接続手段を介して被給電体が双方向電流の供給をうけるようにしてもよい。
【0025】
上記構成によれば、給電装置と発光装置は、配線に対して着脱可能となる。
ここで、上記「配線手段に対して着脱可能」とは、上記配線に磁性体が近接するように給電装置又は発光装置を配線に取り付けることが可能であり、かつ配線から取り外すことも可能であることを意味する。
【0026】
上記構成によれば、複数の磁性体を組み立てた形状が筒状であり、配線の一部が筒状の磁性体の空洞部分を通過する構成とすることができる。従って、配線に対して給電装置や発光装置を自由に移動させることができ、また後から給電装置や発光装置を配線に追加して取り付けることもできる。
ここで、上記「筒状」とは、例えば、完全な円筒形のものでもよいし、円筒形の一部に隙間を設けて上記配線がその隙間を通るようにし、磁性体が配線から取り外せるようにしたものでもよい。また、必ずしも円筒形でなくてもよく、多角形の断面を有する筒状の形状でもよい。
【0027】
上記構成によれば、磁性体の基部は小さいので固定部内には空間的余裕が生じ、発光素子等の被給電体を収納することができる。また、磁性体の接触部は接触面積が大きい板状なので、組み立てた場合に結合された固定部の保持部内に確実に保持され、接続状態が確実かつ安定するので磁気抵抗が小さくなり、双方向電流の電磁的な誘導が効率的になる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6及び図11を参照して本発明の実施の形態の第1の例を説明する。図1は本発明による給電装置を利用した発光装置の外観斜視図であり、図11はその回路構成図である。
【0029】
本給電装置は、図11に示すように、交流電流を出力する電源装置1と、電源装置1から出力された交流電流に基づいて被給電体に配電する給電装置2とを備えている。
【0030】
電源装置1は、直流電流を出力する直流電源3、該直流電源3に接続され所定の周波数の信号を発生して出力する発振回路4、発振回路4から出力された信号を所望の周波数に分周して分周信号を出力する分周器5、および分周器5から出力された分周信号を所定の周期で正負方向に切り替えて双方向電流を出力する駆動回路6を備えている。
【0031】
発振回路4は数十kHzの信号を発生するものであり、分周器5は上記信号を分周して数百Hzから数十kHzの周波数の分周信号を発生して出力するものである。
【0032】
駆動回路6は直流電源3から出力される直流電流により駆動し、上記分周器5から出力された分周信号を所定の周期で正負方向に切り替えて配線10に出力するものである。
【0033】
給電装置は、電源装置1から出力された交流電流を流す配線10と、配線10の近傍に設けられ、配線10に流れる交流電流により電磁的に誘導された双方向電流が磁性体に巻かれた銅線に流れることにより給電を行う給電手段20とを備えている。
【0034】
配線10は、図11に示すように両端が駆動回路6に接続され、螺旋状に纏められたものであり、これにより複数の銅線に流れる交流電流に基づく双方向電流を給電手段20の巻線に流すことができる。
【0035】
給電手段20は、詳細には図1〜図6に示すように、複数分割構造、本例では2分割構造の略半円形の磁性体21を有している。この半円形の磁性体21は、交流電流が流れる配線の周囲に配置される半円周状で断面矩形の基部22と、該基部22の両端にそれぞれ設けられた板状(つば状)の接触部23とを有している。基部22と接触部23を比較すれば、周方向に直行する断面で見て基部22は相対的に小断面積であり、接触部23は相対的に大断面積である。
【0036】
少なくとも一方の磁性体21の基部22には巻線24が巻き付けられている。本例では、両方の基部22に巻線24が設けられている。また、磁性体21の基部22の外側には、被給電体として発光素子であるLED素子25が並列に接続されて複数個配置され、巻線24に接続されて巻線24の始端と終端を導通させ、巻線24に発生する双方向電流が給電されるようになっている。上述したように、本例の磁性体21は巻線24が設けられる基体が相対的に小さくなっているので、LED素子25を配置して後述する固定部30内に収納する余裕がある。
【0037】
給電手段20は、詳細には図2〜図6に示すように、複数分割構造、本例では2分割構造の略半円筒形の固定部30を有している。この固定部30(30a,30b)は、前記配線の周囲に円筒形に組み合わされた2個の磁性体21,21とこれら磁性体21,21に取り付けられた複数のLED素子25を収納・保持するための筐体である。この固定部30は少なくとも前記LED素子を視認し得る部分については透光性があり、内部のLED素子25の発光を外から視認することができる。また、固定部30の外周面を多面にカットすることで光の拡散が確認できる。
【0038】
各固定部30の開口部31内には、保持部としての段部32が形成されている。段部32は、前記磁性体21の2つの接触部23がちょうど嵌まり込む内形寸法とされており、その深さは接触部23の厚さよりもやや小さい。従って、LED素子25が取り付けられた磁性体21の基部22を固定部30内に収納して磁性体21の接触部23を段部32に嵌め込むと、磁性体21は段部32内ではほとんどガタが生じず、開口部31からは接触部23が厚さ方向に微小寸法だけ突出した状態となる。このような状態で磁性体21を納めた2つの固定部30a,30bを開口部31で組み合わせると、後述する固定部30の係止部材の作用により、図6に示すように一対の磁性体21の一対の接触部23,23は2つの段部32,32の間に挟持されて確実に接触するとともに、その位置が固定され、回転方向を含めたいずれの方向にも磁性体21,21は移動できなくなる。
【0039】
また、各固定部30a,30bの円筒形の両側端面の中央には、半円筒形の案内部33がそれぞれ突出して設けられており、この給電装置2を配線に設けた場合に配線が挿通する配線支持部を構成している。
【0040】
また、一方の固定部30aの両側端面には、弾性を備えた一対の係止部材34,34がそれぞれ一体に形成されている。この係止部材34はアーム状であり、所定間隔をおいて配置されるとともに、その先端には内方に向けて突出する係止突起35が設けられている。上述したように、一対の固定部30a,30bを組み合わせて円筒形とした場合、一方の固定部30aの2対の前記係止部材34,34,34,34は、他方の固定部30bの2対の前記案内部33,33の外側に係合し、所定の弾性をもって両固定部30a,30bを一体に保持することができる。これによって、固定部30a,30b同士が確実に密着して磁性体21,21同士の密着も確実になる。即ち、密着して円筒形に保持された固定部30a,30b内において磁性体21,21も一体に保持され、磁性体21,21の接触部23,23は互いに確実かつ安定した良好な状態で接触を保つので、円筒形に組み合わされた磁性体21,21の接触部23,23における磁気抵抗は小さくなり、双方向電流の電磁的な誘導が効率的になる。
【0041】
本例の具体的な材質・寸法の一例を示せば、交流が流される配線10はφ3.2mmの被覆導線とすることができる。磁性体21はフェライトで肉厚は1mm、巻線24は0.08mm、内部抵抗0.2Ω/cmで50巻きとすることができる。磁性体21の接触部23を固定部30に納めたとき、接触部23は、その厚さ方向に段部32から0.2mm突出する。配線10には12V、20kHzの交流を流すと、電磁誘導によって前記LED素子25が発光する。
【0042】
次に、本給電装置2の作用について説明する。まず、直流電源3により発振回路4を駆動させ、所定の周波数の信号を発生させる。発振回路4により発生した信号は分周器5に入力され、分周器5は入力された信号を分周して所望の周波数の分周信号とし、駆動回路6に出力する。駆動回路6は入力された分周信号を所定の周期で正負に切り替えて交流電流を出力する。駆動回路6から出力された交流電流は配線10に流される。
【0043】
配線10に流された交流電流は、一対の結合された磁性体21,21によって構成される中央の空洞部分を通過する。そして、この交流電流の通過により磁性体21,21の巻線24には電磁的に誘導された双方向電流が流れる。巻線24に双方向電流が流れることにより巻線24の両端には電圧が発生し、この電圧に基づいてLED素子25に前記双方向電流が流れて発光させることができる。
【0044】
また、本実施形態では、LED素子25を設けた給電手段20を配線10に1つしか設けていないが、これを複数個設けるようにしてもよい。さらに、一度設けた給電手段20を配線10に沿って移動させ、あるいは取り外して、別の位置に自由に設置することができる。
【0045】
また、本実施の形態では、給電手段20により得られた双方向電流をLED素子25の発光に利用したが、これに限らず、電球やセンサなどの他の被給電体を設けるようにしてもよい。また、本実施の形態のように被給電体を直接接続して設けるのではなく、ソケットやコンセントなどの間接的な接続手段を介して被給電体が双方向電流の供給を受けるようにしてもよい。
【0046】
本実施形態の給電装置2によれば、配線10に流れる交流電流により給電手段20の磁性体21の巻線24に電磁的に誘導された双方向電流を流し、配線10と直接的な電気的接触をもつことなくLED素子25に給電するようにしたので、給電手段20が配線10に固定されることなく、その位置や個数を容易に変更することができる。
【0047】
また、上記のように配線10と給電手段20とは直接的な電気的接触がないので、配線10を絶縁体で被覆すれば漏電や短絡といった電気的な要因による事故を回避することができ、安全性を向上することができる。
【0048】
また、発振回路4により所定の周波数の信号を発し、この発振回路4から発せられた信号を分周器5により分周し、所望の周波数の分周信号を出力するようにしたので、家庭用電源等から出力された交流電流よりも高い周波数の交流電流を配線に流すことができ、このことにより電磁的な誘導を効率よく行うことができ、より大きな双方向電流を得ることができる。また、より簡易な回路構成により上記のように高い周波数の信号を得ることができる。′
【0049】
また、二分割構造の固定部30a,30bにより二分割構造の磁性体21,21が配線10を挟むようにしたので、給電手段20を配線10に容易に取り付けることができ、またその数や位置の変更に対しても容易に対応することができる。
【0050】
また、当接する2つの磁性体21,21の各接触部23を平坦なつば状として接触面積を大きくし、組み立てた固定部30a,30bの段部32内に確実に保持できるようにしたので、巻線24の分割形の磁心としての接続状態が確実かつ安定するので磁気抵抗が小さくなり、双方向電流の電磁的な誘導が効率的になる。
【0051】
次に、図7〜図10を参照して本発明の実施の形態の第2の例を説明する。第1の例と実質的に同一の形状又は機能を有する部分は説明を省略する。
【0052】
第1の例では一対の磁性体21は、配線10の方向について互いに前後を逆にして結合することが可能な対称な形状であった。本例では、図9及び図10に示すように、磁性体41の接触部43には中心点について回転対称となるような位置にそれぞれ突起44が設けられており、一対の磁性体41,41は互いに反対の配置で連結されるようになっている。従って、磁性体41が嵌め込まれる段部45も、一対の固定部40a,40bの各々に対して対応する磁性体41の各突起44の位置に形成されている。よって、一対の固定部40a,40bを所定の向きで組み立てる場合と、これと逆の向きで組み立てる場合とでは、内部の一対の磁性体41の組み合わせ方が異なることとなる。
【0053】
そこで、本例では、各固定部40a,40bの一方の側面には、固定部40a,40b間で対応する面であることを示すマーク50(図7及び図8では丸)が付されている。このマーク50が同じ側に来るように一対の固定部40a,40bを結合させた場合と、このマーク50が異なる側に来るように一対の固定部40a,40bを結合させた場合とでは、内部の磁性体41,41の組み合わせ方が異なることが外部から視認できる。
【0054】
そして、本例では、磁性体41の基部42には、青と緑のLED素子25を各々2個ずつ極性を反対にして取り付ける。
【0055】
前記LED素子25を取り付けた2つの磁性体41を2つの固定部40a,40bに納める。この際、磁性体41の接触部43(つば部)の非対称形状の効果により固定部40のマーク50と各LED素子25の極性が規制されることとなる。
【0056】
ここで、12V、20kHzのパルス型直流電流を配線に流す。
固定部40a,40bを組み立てて配線10を挟持する際、固定部40の向きによるマーク50の一致不一致及び電流の流れる方向の選択によって、LED素子25の発光は次のようなバリエーションを示す。
【0057】
(1) マーク50が合致する向きで一対の固定部40a,40bを勘合し、マーク50を電流の流れる下流側とすると、一方のホルダで青のLED素子25が発光し、他方のホルダで緑のLED素子25が発光する。
(2) マーク50が合致する向きで一対の固定部40a,40bを勘合し、マーク50を電流の流れる上流側とすると、一方のホルダで緑のLED素子25が発光し、他方のホルダで青のLED素子25が発光する。
(3) マーク50が合致しない向きで一対の固定部40a,40bを勘合し、一方の固定部30のマーク50を電流の流れる下流側とすると、一方及び他方のホルダで青のLED素子25が発光する。
(4) マーク50が合致しない向きで一対の固定部40a,40bを勘合し、一方の固定部30のマーク50を電流の流れる上流側とすると、一方及び他方のホルダで緑のLED素子25が発光する。
【0058】
以上説明した各例では、固定部30,40と磁性体21,41の分割数をそれぞれ2としたが、3以上でもよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明の給電装置とこれを用いた発光装置によれば、分割構造の固定部を、定部に一体に設けた係止部材で弾性をもって勘合して固定する構造としたので、磁性体の結合のための他の部品(ばね材等)を固定部内に設ける必要がない。このため、固定部内に発光素子を収納してもその発光の視認が邪魔されることがない。
【0060】
また、磁性体の接触部を巻線が設けられる基部に対して相対的に大面積の板状とし、固定部にはこれを位置決めするための保持部を設けたので、固定部に対する磁性体の位置ずれは加工精度のみとなり、組立て中及び組立て後のずれが無くなる。また、分割構造の磁性体の分割面における接触面積の増加と安定化が図れ、接触部のずれによる接触不良に起因してパワーロスが発生するのが回避できる。
【0061】
また、磁性体は基体が相対的に小断面積で、接触部が相対的に大断面積なので、これを収納する固定部自体を小型化することができ、又は固定部内の空間に発光素子をより多く取り付けるだけの余裕が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例である発光装置(給電装置2)が配線に移動自在に設けられた状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す発光装置の斜視図である。
【図3】図1に示す発光装置の分解斜視図である。
【図4】図1に示す発光装置の平面図である。
【図5】図4のA−A切断線における断面図である。
【図6】図4のB−B切断線における断面図である。
【図7】本発明の実施の形態の第2例である発光装置(給電装置2)において、分解した固定部30の一方を正面側と背面側からそれぞれ示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態の第2例である発光装置(給電装置2)において、分解した固定部30の他方を正面側と背面側からそれぞれ示す斜視図である。
【図9】第2例の発光装置の上斜め側から見た分解斜視図である。
【図10】第2例の発光装置を図9とは反対の側から見た分解斜視図である。
【図11】本発明による給電装置2の回路構成図である。
【図12】本願出願人が提案した給電装置2において固定部30を開放した状態を示す斜視図である。
【図13】本願出願人が提案した給電装置2において固定部30を閉止した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…電源装置、2…給電手段、3…直流電源、4…発振回路、
5…分周器、6…駆動回路、10…配線、20…給電手段、
21,41…磁性体、22,42…磁性体の基部、
23,43…磁性体の接触部、24…巻線、
25…発光素子としてのLED素子、30,40…固定部、
30a,30b,40a,40b…固定部の一部、
32,42…保持部としての段部、33…案内部、34…係止部材、
50…マーク。
Claims (5)
- 交流電流が流れる配線を挟むように複数に分割された磁性体と、前記磁性体の少なくとも1つに設けられた巻線と、前記磁性体が前記配線を挟む状態に保持する複数に分割された固定部とを有し、前記配線に流れる交流電流により前記巻線に電磁的に誘導された双方向電流を被給電体に配電する給電装置において、
前記磁性体が、相対的に小断面積の基部と、前記基部の両端に設けられて隣接する他の前記磁性体と接触する相対的に大断面積の接触部とを有し、
前記固定部には、前記磁性体の接触部を保持する保持部が形成されたことを特徴とする給電装置。 - 前記被給電体が前記固定部の内部に設けられたことを特徴とする請求項1記載の給電装置。
- 前記被給電体が発光素子であり、前記固定部が透光性を有する請求項2記載の給電装置。
- 複数の前記固定部が弾性を有する係合手段で一体化されることを特徴とする請求項1記載の給電装置。
- 交流電流が流れる配線の周囲に配置される相対的に小断面積の略周形状である基部と、該基部の両端に設けられた相対的に大断面積の板状の接触部とを有する複数に分割可能な磁性体と、
前記磁性体の少なくとも1つに設けられた巻線と、
前記配線の周囲に略周形状に配置された複数の前記磁性体を収納し、前記磁性体の接触部と略同形状で各接触部を収納保持する保持部が形成され、複数に分割可能で少なくとも一部に透光性を有する固定部と、
前記固定部の内部に設けられ、前記巻線に電磁的に誘導された双方向電流が配電される発光素子と、
を有する発光装置。
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