JP2004240779A - ファイル管理装置およびファイル管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ファイルの消去に際してファイルに優先順位があり、該優先順位に基づいて自動的にファイルを消去することができるファイル管理装置およびファイル管理方法を提供する。
【解決手段】ファイル書込要求に対して、ファイル記憶装置2に十分な空き容量がなかった場合、ファイル削除処理部13は、ファイルランクが所定のランクより低いファイルであり、かつ、使用中でないファイルを自動的に消去することにより、空き容量を確保する。使用中のファイルを特定するための情報である対象ファイルIDは、一時記憶装置3のファイル固定テーブルに記憶される。ファイル固定処理部14がファイル固定テーブルを参照することにより、ファイルが使用中であるか否かの判断が行われる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファイルに関する処理を行うために空き容量を管理するファイル管理装置およびファイル管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータシステムで使用・記憶される情報は、プログラムやユーザが作成したデータなど様々であるが、全てファイルとして記憶される。一般にファイルは磁気ディスク装置などのファイル記憶装置に保存され、これを管理するファイル管理装置が存在する。
【0003】
ところで、ファイル記憶装置の容量には限界がある。従って、新たにファイルを保存する際、空き容量が不足した場合は、既に保存されているファイルから不要なファイルを決めて消去し、空き容量を作って新たなファイルを保存する。このとき、どのファイルを消去するかは通常ユーザが指定する。従って、ユーザの誤操作により、誤ったファイルを消去してしまうことがある。
【0004】
通常、ユーザが作成したファイルは、誤操作によるファイル削除に対して何らかの救済措置が施される。ごみ箱と呼ばれるフォルダーにユーザが削除したファイルを一時的に保管する方法がパーソナルコンピュータでは一般的である。
【0005】
また、パーソナルコンピュータのようなコンピュータシステムでは、オペレーティングシステムやアプリケーションなどのプログラムが、そのプログラムの実行のために作成したファイルやユーザが意図して作成したファイル、更にはプログラム本体までが同じファイル記憶装置に保存されることが多い。
【0006】
以下、ファイル記憶装置上にはファイルが存在するがユーザにとってファイルが存在しない状態にすることを削除、一旦削除したファイルを再現し使用できる状態にすることを復活、ファイル記憶装置上からもファイルが存在しない状態にすることを消去と称する。
【0007】
例えば、削除されたファイルがごみ箱に存在する場合、ファイル管理上ごみ箱ではファイルが消去されておらず、ファイル記憶装置に空き容量が必要となった際にはファイルを消去する手続きが必要となる。
【0008】
一方、一旦削除したファイルをファイル記憶装置の容量限界まで復活する方法については、ファイル管理装置を改良し、ファイルが削除された際、復活に必要な情報を保存しておき、実際にファイル記憶装置から消去されるまでファイルが復活できる方法がある。また、更に進めて、空き領域を形成する必要が生じた場合にのみ、ユーザの指示に従って特定ファイルが回復不可能にされて削除される装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−263343号公報(1996年10月11日公開)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記いずれの方法においても全てのファイルは同じ手続きで扱われる。例えば、ファイルを削除すると復活に必要な情報がファイル記憶装置上の特定のエリアに一旦保存される。また、ファイル記憶装置に空き容量が必要となった際は、この削除状態のファイルを消去する。
【0011】
また、上述したように、パーソナルコンピュータでは1つのファイル記憶装置にオペレーティングシステム、アプリケーション、ユーザファイルなどが混在する。
【0012】
従って、ファイルの消去に際しては削除状態のファイルが消去すべきファイルでない場合や、削除状態を保持する必要のないファイルが存在する場合がある。
【0013】
即ち、ファイルの消去に際して、消去すべきファイルの候補が削除状態のファイルに限定されてしまい、優先的に消去すべきファイルがあっても消去されない。
【0014】
また、復活に必要な情報をファイル管理エリアとは別にファイル記憶装置上に設けるため、削除したファイルを管理するために多くのエリア(容量)を必要とする。削除状態を保持する必要性のないファイルまで保持するためにファイル記憶装置上に余分なエリアが必要であるという課題があった。
【0015】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ファイルの消去に際してファイルに優先順位があり、該優先順位に基づいて自動的にファイルを消去することができるファイル管理装置およびファイル管理方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のファイル管理装置は、上記の課題を解決するために、ファイルを記憶するファイル記憶エリアと上記ファイルを管理するための管理情報を記憶するファイル管理エリアとを有するファイル記憶装置の空き容量を管理するファイル管理装置であって、上記管理情報には、各ファイルにおいて削除または消去を行うか否かを判定する際に用いる情報であるファイルランクが含まれており、上記ファイル記憶装置のファイル記憶エリアにデータを書き込むファイル書込手段と、上記ファイル記憶エリアに記憶されているファイルに現在行われている処理の内容を特定するための情報と、該処理が行われているファイルを特定するための情報とが対応付けられてテーブルとして記憶されているテーブル記憶手段と、上記テーブルに基づいてファイルが使用中であるか否かを判定すると共に、上記テーブルの情報を更新可能なファイル固定手段と、上記ファイル記憶エリアに記憶されているファイルを削除または消去するファイル削除手段とを備え、上記ファイル削除手段は、上記ファイル書込手段が上記データを書き込む際、ファイル記憶装置の空き容量が不足する場合には、上記テーブルに基づいて各ファイルが使用中であるか否かを判定し、上記ファイルランクと、上記ファイルが使用中であるか否かの判定結果とに基づいて、選択したファイルを消去することを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、予め設定されたファイルランクと、ファイルが使用中であるか否かの判定結果とに基づいて消去するファイルを選択することにより、不要な(復活させることがない)ファイルを優先的に消去することができる。例えば、ファイル削除要求があった場合、復活する必要のないファイルは、消去することができる。
【0018】
従って、ファイルの消去に際して優先順位があるため、不要なファイルを優先的に消去することができる。このため、保存すべきファイルに割り当てられる領域を増やすことができる。即ち、ユーザが削除したファイルをより多くファイル記憶装置上に保存することができ、誤って削除した際、復活できる可能性を高めることができる。
【0019】
また、ファイル記憶エリアにデータを書き込む際、書き込むための空き容量が不足した場合、ファイル削除手段によりファイル管理装置が自動的に(ユーザのファイル消去の指示なしで)ファイルを消去することとなり、ファイル消去の際のユーザの負担を軽減することができる。
【0020】
なお、ファイル記憶装置上にはファイルが存在するがユーザにとってファイルが存在しない状態にすることを削除、一旦削除したファイルを再現し使用できる状態にすることを復活、ファイル記憶装置上からもファイルが存在しない状態にすることを消去と称する。
【0021】
上記のファイル管理装置は、ファイル削除手段により一旦削除されたファイルを復活させるファイル復活手段を備え、ファイル復活手段は、ファイルランクを変更することによって、削除状態にあるファイルの復活を実行することが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、ファイルランクを変更することのみによってファイルが復活したことになるため、ファイルを復活させる際に必要な情報をファイル記憶装置上の特定のエリアに別途記憶させる必要がない。
【0023】
従って、保存すべきファイルに割り当てられる領域を増やすことができる。即ち、ユーザが削除したファイルをより多くファイル記憶装置上に保存することができ、誤って削除した際、復活できる可能性を高めることができる。
【0024】
上記のファイル管理装置は、ファイル削除要求に対して、ファイル削除手段が、ファイルランクに基づいて、ファイルを削除するか消去するかを判定することが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、例えば、削除状態とすべきファイルか、すでに削除状態であり消去すべきファイルか、あるいは、削除状態とせず消去すべきファイルか等といった情報(各ファイルにおいて削除または消去を行うか否かを判定するための情報)をファイルランクに含めることにより、ファイルランクを参照するだけでファイルを削除するか消去するかを判定することができる。
【0026】
従って、例えば、ファイル削除要求に対して、復活する必要のないファイルは、消去することができる。この結果、復活する必要のないファイルを削除状態のまま保持することを防止でき、無駄にファイル記憶エリアを使用することを防止できる。
【0027】
上記のファイル管理装置は、ファイルランクと、ファイルが使用中であるか否かの判定結果とに基づいて、ファイル削除手段により消去するファイルを検索した結果、消去可能なファイルがない場合、ユーザに空き容量の作成を指示するための通知手段を備えることが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、例えばファイルの重要度が高く、ファイル管理装置が自動的に消去できないファイルを、ユーザの判断で消去することができる。
【0029】
上記のファイル管理装置は、ファイルランクが、ファイルの種類、および、該ファイルが削除状態にあるか否かに基づいて決定されることが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、ファイルランクがファイルの種類を含むことにより、例えば、削除状態とすべきファイルか、すでに削除状態であり消去すべきファイルか、あるいは、削除状態とせず消去すべきファイルか等といった情報(各ファイルにおいて削除または消去を行うか否かを判定するための情報)をファイルランクに含めることができる。
【0031】
また、ファイルランクが、該ファイルが削除状態にあるか否かの情報を含むことにより、ファイル記憶装置上に別途削除ファイルの復活情報を持たせることなく、ファイルの削除および復活を実現することができる。
【0032】
本発明のファイル管理方法は、上記の課題を解決するために、ファイルを記憶するファイル記憶エリアと、各ファイルにおいて削除または消去を行うか否かを判定するための情報であるファイルランクを含み、上記ファイルを管理するための管理情報を記憶するファイル管理エリアとを有するファイル記憶装置の空き容量を管理するファイル管理方法であって、ファイル記憶装置の空き容量が不足する場合には、上記ファイル記憶エリアに記憶されているファイルに現在行われている処理の内容を特定するための情報と、該処理が行われているファイルを特定するための情報とが対応付けられて記憶されているテーブルに基づいて各ファイルが使用中であるか否かを判定し、上記判定結果と上記ファイルランクとに基づいて選択したファイルを消去することを特徴としている。
【0033】
上記の方法によれば、予め設定されたファイルランクと、ファイルが使用中であるか否かの判定結果とに基づいて消去するファイルを選択することにより、不要な(復活させることがない)ファイルを優先的に消去することができる。例えば、ファイル削除要求があった場合、復活する必要のないファイルを消去することができる。
【0034】
従って、不要なファイルを消去することができるため、ファイル記憶装置において保存すべきファイルに割り当てられる領域を増やすことができる。即ち、ユーザが削除したファイルをより多くファイル記憶装置上に保存することができ、誤って削除した際、復活できる可能性を高めることができる。
【0035】
また、ファイル記憶装置に空き容量が不足した際、ファイル削除手段によりファイル管理装置が自動的に(ユーザのファイル消去の指示なしで)ファイルを消去することとなり、ファイル消去の際のユーザの負担を軽減することができる。
【0036】
上記のファイル管理方法は、ファイルランクを変更することによって、削除状態にあるファイルの復活を実行することが好ましい。
【0037】
上記の方法によれば、ファイルランクを変更することのみによってファイルが復活したことになるため、ファイルを復活させる際に必要な情報をファイル記憶装置上の特定のエリアに別途記憶させる必要がない。
【0038】
従って、ユーザが削除したファイルをより多くファイル記憶装置上に保存することができ、誤って削除した際、復活できる可能性を高めることができる。
【0039】
上記のファイル管理方法は、ファイル削除要求に対して、ファイルランクに基づいて、ファイルを削除するか消去するかを判定することが好ましい。
【0040】
上記の方法によれば、例えば、削除状態とすべきファイルか、すでに削除状態であり消去すべきファイルか、あるいは、削除状態とせず消去すべきファイルか等といった情報(各ファイルにおいて削除または消去を行うか否かを判定するための情報)をファイルランクに含めることにより、ファイルランクを参照するだけでファイルを削除するか消去するかを判定することができる。
【0041】
従って、例えば、ファイル削除要求に対して、復活する必要のないファイルは、自動的に消去することができる。この結果、復活する必要のないファイルを削除状態のまま保持することを防止でき、無駄にファイル記憶エリアを使用することを防止できる。
【0042】
上記のファイル管理方法は、ファイルランクと、ファイルが使用中であるか否かの判定結果とに基づいて、消去するファイルを検索した結果、消去可能なファイルがない場合、ユーザに空き容量の作成を指示することが好ましい。
【0043】
上記の方法によれば、例えばファイルの重要度が高く、上記ファイル管理方法を用いて自動的に消去できないファイルを、ユーザの判断で消去することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0045】
図2は、本実施の形態に係るパーソナルコンピュータ(ファイル管理システム)の要部の構成を示す。同図に示すように、本パーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)は、演算処理装置(ファイル管理装置)1、ファイル記憶装置2、一時記憶装置(ファイル管理装置)3、要求入力装置4、および、表示装置5を備えている。
【0046】
演算処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)であり、入力されたファイルに関する要求に応じて、ファイルの処理を行う。演算処理装置1の構成やファイルの処理については、後に詳述する。
【0047】
ファイル記憶装置2は、NTFS(New Technology File System)やFAT(File Allocation Table)などの従来のファイル記憶装置であり、例えば、図3に示すように、複数のファイル210を記憶するファイル記憶エリア21と、各ファイル210に対応する管理情報220を記憶するファイル管理エリア22とを有する。
【0048】
管理情報220とは、ファイルヘッダであり、各ファイル210に対応したファイル属性情報221およびファイル記憶場所情報222である。ファイル属性情報221とは、ファイル名やファイルの更新日付、ファイルの作成日付、読み書き属性、セキュリティ情報などのファイルに付属する情報である。また、ファイル属性情報221には後述するファイルランクが予め定義されている。ファイル記憶場所情報222とは、記憶位置(クラスタ情報)やファイルのサイズなど、ファイル記憶エリア21でファイル210を特定するための情報である。
【0049】
一時記憶装置(RAM:Random Access Memory)3は、ファイル固定テーブルを記憶する。ファイル固定テーブルは、図13に示すように、上述したファイル記憶装置2のファイル管理エリア22(図3参照)においてファイルを特定するための情報(例えば、ファイル名や記憶位置(クラスタ情報))などのファイルIDと、そのファイルを使用中のプロセスを特定するためのプロセス番号などのプロセスIDとを、ファイル毎に記憶したものである。プロセスについては後述する。
【0050】
表示装置5は、情報をユーザに示すためのディスプレイである。
【0051】
要求入力装置4は、キーボードやマウスを備える。ユーザは、キーボードやマウスを介して、PCにファイルに関する要求を入力する。また、要求入力装置4にはオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどのプログラムであるプロセスが内蔵されており、ユーザからファイルに関する要求が入力されると、プロセスにより、ファイルに関する要求が生成される。生成された要求は、演算処理装置1に入力される。
【0052】
ファイルに関する要求とは、ファイル書込要求、ファイル使用要求、ファイル開放要求、ファイル削除要求、および、ファイル復活要求である。
【0053】
ファイル書込要求とは、ファイル記憶装置2にファイルを生成し、書込を求める要求である。
【0054】
ファイル使用要求とは、ファイル記憶装置2にあるファイルを、プロセスが参照することを求める要求である。プロセスがファイル参照中には、他のファイル操作をしてはならない。
【0055】
ファイル開放要求とは、ファイル使用要求と対をなす要求であり、プロセスが参照を終了することを通知する要求である。
【0056】
ファイル削除要求とは、ファイル記憶装置2にあるファイルの削除を求める要求である。
【0057】
ファイル復活要求とは、ファイル削除要求でファイルの削除を求めたファイルの復元を求める要求である。
【0058】
ここで、ファイル記憶装置2上にはファイルが存在するがユーザにとってファイルが存在しない状態にすることを削除、一旦削除したファイルを再現(復元)し使用できる状態にすることを復活、ファイル記憶装置2上からもファイルが存在しない状態にすることを消去という。
【0059】
要求入力装置4からファイルに関する要求が生成されると、演算処理装置1はファイル記憶装置2や一時記憶装置3の情報を用いて、ファイル記憶装置2に対する処理(例えば、ファイル書込処理やファイル消去処理)を行い、必要があれば処理結果や処理情報を表示装置5に出力する。
【0060】
以下、演算処理装置1の構成について、図1および図12を用いて説明する。
【0061】
図1に示すように、演算処理装置1は、ファイル書込処理部12、ファイル削除処理部13、ファイル固定処理部14およびファイル復活処理部15を備えている。これら4つの処理部により、上述した5つのファイルに対する要求を実行する。
【0062】
ファイル書込要求に対しては、ファイル書込処理部12において要求を実行する。即ち、ファイル書込処理部12により、ファイル記憶装置2にファイルが生成され、書き込まれる。
【0063】
ファイル削除要求に対しては、ファイル削除処理部13において要求を実行する。即ち、ファイル削除処理部13により、ファイル記憶装置2におけるファイルの消去、またはファイルランクを変更(ファイルを削除)する。
【0064】
ファイル使用要求およびファイル開放要求に対しては、ファイル固定処理部14において要求を実行する。即ち、ファイル固定処理部14により、一時記憶装置3に記憶されているファイル固定テーブルを変更する。
【0065】
ファイル復活要求に対しては、ファイル復活処理部15において要求を実行する。即ち、ファイル復活処理部15により、ファイル記憶装置2に記憶されているファイルランクを変更する。
【0066】
ここで、ファイルランクは、ファイルを削除または消去する際の判定情報として使用される。本実施の形態では、ファイルランクは、図12に示す7つのランクからなるものとする。
【0067】
図12に示すように、ファイルランク1は、コピーを取らない限り一つしかない固有ファイルであり、ユーザがアプリケーションプログラムを使用して作成したファイルである。例えば、マイクロソフト社のエクセル(登録商標)であれば「xls」のブックファイルや、例えばメール環境設定ファイルなどのシステムの設定ファイルがこれに該当する。
【0068】
ファイルランク2は、ユーザが作成したものではないが、コピーを取らない限り一つしかない、プログラムが使用する静的なデータファイルである。例えば文字フォントファイルなどがこれに該当する。
【0069】
ファイルランク3は、プログラムの本体ファイルであり、他からコピー可能なファイルである。例えばマイクロソフト社のウィンドウズ(登録商標)であれば、拡張子が「exe」や「dll」の実行モジュールなどがこれに該当する。
【0070】
ファイルランク4は、削除した状態のファイルランク1のファイルであり、ファイルランク以外の情報はファイルランク1の状態と全く同じである。
【0071】
ファイルランク5は、主にプログラムのスピードアップの為に使用されるファイルである。例えば、ホームページのビューワが参照したホームページのデータファイルなどがこれに該当する。ファイルランク5のファイルは、このファイルが無ければプログラムが自動的に作成し、繰り返し使用するファイルである。
【0072】
ファイルランク6は、削除した状態のファイルランク2のファイルであり、ファイルランク以外の情報はファイルランク2の状態と全く同じである。
【0073】
ファイルランク7は、プログラムが実行の都合上、一時的に作成したファイルであり、そのプロセスでの使用が終了すると、削除すべきファイルである。
【0074】
上述したファイルランクは、ランクの数字が小さい方が重要であり、即ち、ファイルランク1がユーザにとって重要度が最も高く、ファイルランク7が最も低い。ファイル記憶装置2の空き容量が不足して新たなファイルが書き込めない場合、ファイルランク4以上(ファイルランク4〜7)のファイルは、ファイルランクの低いファイルから順に自動的に削除される。
【0075】
ファイル書込処理部12は、ファイル書込処理を行う。即ち、ファイル書込処理部12は、図1に示すようにファイル書込要求を受けると、ファイル記憶装置2にファイルを書き込むに十分な空きエリアがあるか否かを確認する(ファイル書込判定)。空き容量が不足の場合は、ファイル削除処理部13に空き容量の確保を要求し、空き容量を確保したのちファイルの書込を実行(ファイル書込実行)して、ファイル記憶装置2にファイルを生成して書き込む。
【0076】
ファイル削除処理部13は、ファイル削除処理またはファイル消去処理を行う。即ち、ファイル削除処理部13は、ファイル削除要求または又はファイル書込処理部12からの空きエリア確保の要求を受けて、ファイル固定テーブルとファイル記憶装置2の各ファイルの属性であるファイルランクとを使って、対象とするファイルとそのファイルに対する処理とを決める(ファイル削除判定)。
【0077】
決められた処理がファイル削除処理であれば、ファイルの削除を実行(ファイルの削除を実行)し、ファイル属性情報221を変更するファイル書込をファイル記憶装置2に要求する。一方、決められた処理がファイル消去処理であれば、ファイルの消去を実行(ファイル消去実行)し、ファイル消去をファイル記憶装置2に要求する。
【0078】
ファイル固定処理部14は、ファイル固定処理を行う。即ち、ファイル固定処理部14は、ファイル使用要求またはファイル開放要求を受けて、ファイルの固定情報(使用中であるか否か)を変更できるか否かを確認し(ファイル固定判定)、一時記憶装置3に記憶されているファイル固定テーブルを更新する。なお、ファイル固定テーブルは、システム(PC)起動時にテーブルの初期化が必要であるが、システム(PC)終了後もテーブルを保持する必要はない。
【0079】
ファイル復活処理部15は、ファイル復活処理を行う。即ち、ファイル復活要求を受けて、ファイルの復活が正しく行えるか確認(ファイル復活判定)した後、ファイルの復活を実行し(ファイル復活実行)、ファイル属性情報221を変更するファイル書込をファイル記憶装置2に要求する。
【0080】
以下、演算処理装置1におけるファイルの処理について、図4〜図11を用いて説明する。
【0081】
まず、図4を用いて演算処理装置1全体の処理について説明する。
【0082】
演算処理装置1は、要求入力装置4のプロセスからの要求を受け付ける(ステップ(以下、Sと示す)1)と、その要求がファイル書込要求(書込要求)か否かを判断(S2)する。そして、ファイル書込要求であれば、ファイル書込処理部12においてファイル書込処理を行い(S10)、一方、ファイル書込要求でなければ、さらにファイル削除要求(削除要求)か否かを判断する(S3)。
【0083】
そして、要求がファイル削除要求であれば、ファイル削除処理部13においてファイル削除処理を行い(S13)、一方、ファイル削除要求でなければ、さらにファイル使用要求(使用要求)か否かを判断する(S4)。
【0084】
続いて、要求がファイル使用要求であれば、ファイル固定処理部14においてファイル固定処理を行い(S20)、一方、ファイル使用要求でなければ、さらにファイル開放要求(開放要求)か否かを判断する(S5)。
【0085】
S5で、ファイル開放要求であれば、ファイル固定処理部14においてファイル固定処理を行い(S20)、一方、ファイル開放要求でなければ、さらにファイル復活要求(復活要求)か否かを判断する(S6)。
【0086】
そして、ファイル復活要求であれば、ファイル復活処理部15においてファイル復活処理を行い(S50)、一方、ファイル処理要求でなければ、処理を修了する。
【0087】
次に、ファイル書込処理部12の処理(ファイル書込処理)に関する処理について図5を用いて説明する。
【0088】
ファイル書込処理部12は、ファイル書込要求を受けると(図4のS2参照)、ファイル書込要求されたファイルを書き込むための空き容量がファイル記憶装置2にあるか否かを判断する(S11)。
【0089】
ここで、空き容量の確認は、ファイル記憶装置2のファイル記憶エリア21にファイルを記憶する空きエリア(空き容量)があるか、またファイル管理エリア22に管理情報220(図3参照)を書き込むエリア(空き容量)があるか否かを確認し、いずれかがなければ容量不足と判定する。
【0090】
そして、空き容量があると判断すれば、ファイル記憶装置2にファイルを書き込む(ファイル書込実行、S18)。続いて、要求入力装置4のプロセスにファイル使用要求を発生させる。
【0091】
続いて、ファイル使用要求(S19)を受けたファイル固定処理部14は、ファイル固定処理を行う(S20)。即ち、ファイルが使用中であるように、一時記憶装置3に記憶されているファイル固定テーブルを更新して処理を終了する。このため、ファイル書込み要求を発生したプロセスは、要求成功後、必ずファイル開放要求を要求しなければならないということとなる。
【0092】
S11において、ファイル記憶エリア21の空き容量が無い、または不足する場合は、要求入力装置4のプロセスに空き作成要求を発生させる。演算処理装置1は、空き作成要求を受けると、ファイル削除処理部13でファイル記憶エリア21に空きエリアを作成する(S13)。
【0093】
そして、ファイル削除処理部13が空きエリアの作成に成功すれば(S14)、空きエリアが十分か否かを再度判断する(S11)。一方、ファイル削除処理部13が空きエリアの作成に失敗すれば(S14)、ユーザに空きエリアを作成するよう要求し、ユーザによってファイルが消去され、空きエリアが作成される(S15)。
【0094】
ユーザによるファイルの消去により、空きエリアの作成に成功すれば(S14)、空きエリアが十分か否かを再度判断する(S11)。一方、ユーザによるファイルの消去により、空きエリアの作成に失敗すれば(S14)、ユーザに対してファイルを記憶する空き容量が不足していることを警告する(S17)。この警告により、ファイルランク1、ファイルランク2、ファイルランク3のファイル、即ちファイルの重要度が高くシステムが自動的に消去できないファイルを、ユーザの判断で消去することを求める。
【0095】
次に、ファイル固定処理部14の処理(ファイル固定処理(図4のS20参照))について図6を用いて説明する。
【0096】
ファイル固定処理部14は、対象となるファイルがファイル記憶エリア21に存在するかを判定する(S21)。ファイルが存在しなければ、ユーザに警告を行い(S28)、処理を終了する。
【0097】
次に、対象となるファイルが存在する場合、対象となるファイルが使用中か否かを判定する(S22)。
【0098】
ここで、ファイルが使用中か否かの判定は、一時記憶装置3に記憶されているファイル固定テーブルに、対象となるファイルが登録されているか否かにより判定することができる。
【0099】
そして、ファイルが使用中でなければ、受けた要求がファイル使用要求か否かを判定する(S23)。ファイル使用要求でなければ、警告を行い(S28)処理を終了する。また、ファイル使用要求であれば、ファイル固定テーブルにファイルを登録して(対象ファイルに対応するファイルIDおよびプロセスIDを記憶させ)、ファイルを使用中にして処理を終了する(S24)。
【0100】
一方、ファイルが使用中であれば、受けた要求がファイル開放要求か否かを判定する(S25)。
【0101】
そして、ファイル開放要求でなければ、警告を行い(S28)処理を終了する。また、ファイル開放要求であれば、ファイル固定テーブルに登録されているファイルのプロセスIDと、ファイル開放要求を要求したプロセスのプロセスIDとが一致するか否かを判定する(S26)。
【0102】
続いて、プロセスIDが一致しなければ、警告を行い(S28)処理を終了する。一方、プロセスIDが一致すれば、ファイル固定テーブルから登録を抹消し、処理を終了する(S27)。
【0103】
次に、ファイル削除処理部13の処理(ファイル削除処理・ファイル消去処理)について図7を用いて説明する。
【0104】
ファイル削除処理部13は、受けた要求が空き作成要求(図5のS12参照)か否かを判定する(S31)。空き作成要求であれば、空き作成処理を実行する(S33)。
【0105】
一方、空き作成要求でなければ、ファイル削除要求か否かを判定する(S32)。ファイル削除要求でなければ処理を終了する。
【0106】
ファイル削除要求であれば、対象となるファイルがファイル記憶エリア21に存在するか否かを判定する(S34)。ファイルが存在しなければ、警告を行い(S36)処理を終了する。一方、ファイルが存在すれば、対象となるファイルが使用中か否かを判定する(S35)。
【0107】
ここで、ファイルが使用中か否かの判定は、一時記憶装置3に記憶されているファイル固定テーブルに、対象となるファイルが登録されているか否かにより判定することができる。
【0108】
そして、対象となるファイルが使用中であれば、警告を行い(S36)処理を終了する。一方、対象となるファイルが使用中でなければ、対象となるファイルのファイルランクが、ファイルランク1であるか否かを判定する(S37)。
【0109】
次に、対象となるファイルのファイルランクがファイルランク1であれば、ファイルランクをファイルランク4に変更し(ファイルを削除し)(S38)、ファイル記憶エリア21に、ファイルランクを変更するためのファイル書込を要求する。
【0110】
また、S37で対象となるファイルのファイルランクがファイルランク1でなければ、さらに、対象となるファイルのファイルランクがファイルランク2であるか否かを判定する(S39)。
【0111】
そして、ファイルのファイルランクがファイルランク2であれば、ファイルランクをファイルランク6に変更し(ファイルを削除し)(S40)、ファイル記憶エリア21に、ファイルランクを変更するためのファイル書込を要求する。
【0112】
また、S39で対象となるファイルのファイルランクがファイルランク2でなければ、でファイル記憶装置2から対象となるファイルを消去する(ファイル消去実行、S41)。
【0113】
次に、図7のS33で示した空き作成処理について、図8を用いて説明する。
【0114】
空き作成要求を受けると、図14(a)〜(d)に示す4つの消去候補テーブルを作成する(S331)。消去候補テーブルは、ファイル記憶装置2に存在する全てのファイルのうち、ファイルランクがファイルランク4、ファイルランク5、ファイルランク6、ファイルランク7の4つのファイルランクを持つファイルを、各々消去候補テーブルR4(図14(a))、消去候補テーブルR5(図14(b))、消去候補テーブルR6(図14(c))、消去候補テーブルR7(図14(d))に全て登録する。
【0115】
各消去候補テーブルR4〜R7には、ファイル記憶装置2のファイル管理エリア22においてファイルを特定するための情報であるファイル名や記憶位置(クラスタ情報)などのファイルIDと、消去順位を決めるためのソートキー(ここではファイルのアクセス日時)とが登録される。
【0116】
なお、ソートキーは、ファイルランクが同列のファイルを消去するための優先順位を決定するための手段である。
【0117】
従って、ソートキーは、ファイルのアクセス日時に限定される必要はなく、例えば、ファイルの使用頻度や作成日時、ファイルサイズなどがソートキーとして使用可能である。また、ソートキーとして、ファイルの属性を単純に使用するのではなく、ファイル管理エリア22の使用比率とファイル記憶エリア21の使用比率とを比較して、ファイル管理エリア22の方が使用比率が高ければファイルサイズの小さい順にソートし、ファイル記憶エリア21の方が使用比率が高ければファイルサイズの大きい順にソートするというように、状況により使用するソートキーを変更する事も可能である。
【0118】
そして、消去候補テーブルから、ファイル固定テーブルに登録されている使用中のファイルのデータを消去する(S332)。
【0119】
続いて、消去候補テーブルR7にファイルが登録されているか否かを判定する(S333)。消去候補テーブルR7にファイルが登録されていれば、消去候補テーブルR7を、ソートキー(ここではファイルのアクセス日時)でソートし、アクセス日時が最も古いファイルを消去ファイルとして選択し(S335)、ファイル記憶装置2からファイルを消去する(ファイル消去実行、S342)。
【0120】
消去候補テーブルR7にファイルが登録されていない場合、消去候補テーブルR6にファイルが登録されているか否かを判定する(S334)。消去候補テーブルR6にファイルが登録されていれば、消去候補テーブルR6をソートキー(ここではファイルのアクセス日時)でソートし、アクセス日時が最も古いファイルを消去ファイルとして選択し(S337)、ファイル記憶装置2からファイルを消去する(ファイル消去実行、S342)。
【0121】
また、消去候補テーブルR6にファイルが登録されていない場合、消去候補テーブルR5にファイルが登録されているか否かを判定する(S336)。消去候補テーブルR5にファイルが登録されていれば、消去候補テーブルR5をソートキー(ここではファイルのアクセス日時)でソートし、アクセス日時が最も古いファイルを消去ファイルとして選択し(S339)、ファイル記憶装置2からファイルを消去する(ファイル消去実行、S342)。
【0122】
また、消去候補テーブルR5にファイルが登録されていない場合、消去候補テーブルR4にファイルが登録されているか否かを判定する(S338)。消去候補テーブルR4にファイルが登録されていれば、消去候補テーブルR4をソートキー(ここではファイルのアクセス日時)でソートし、アクセス日時が最も古いファイルを消去ファイルとして選択し(S341)、ファイル記憶装置2からファイルを消去する(ファイル消去実行、S342)。
【0123】
そして、消去候補テーブルR4〜R7のすべてにファイルが登録されていなければ、警告を発し処理を終了する(S340)。
【0124】
次に、図8のS331で示した消去候補テーブルの作成処理について、図9を用いて説明する。
【0125】
消去候補テーブルの作成には、まず、既に作成されている消去候補テーブルR4〜R7のすべてを初期化する(S401)。
【0126】
そして、ファイル記憶装置2のファイル管理エリア22から、ファイル属性情報221を1つ取得する(S402)。
【0127】
続いて、ファイル記憶装置2内のファイル属性情報221をすべて取得したか否かを判定する(S403)。全てのファイル属性情報221を取得した場合には、処理は終了する。
【0128】
一方、全てのファイル属性情報221の取得が終了していない、即ち、ファイル属性情報221の取得に成功すると、対象となるファイルのファイルランクがファイルランク7か否かを判定する(S404)。
【0129】
そして、対象となるファイルのファイルランクがファイルランク7であれば、対象となるファイルのファイルIDおよびソートキーを、消去候補テーブルR7に登録し(S405)、S402に戻り、次のファイル属性情報221を取得する。
【0130】
対象となるファイルのファイルランクがファイルランク7ではない場合、対象となるファイルのファイルランクがファイルランク6かを否か判定する(S406)。
【0131】
そして、対象となるファイルのファイルランクがファイルランク6であれば、対象となるファイルのファイルIDおよびソートキーを、消去候補テーブルR6に登録し(S407)、S402に戻り、次のファイル属性情報221を取得する。
【0132】
対象となるファイルのファイルランクがファイルランク6ではない場合、対象となるファイルのファイルランクがファイルランク5かを否か判定する(S408)。
【0133】
そして、対象となるファイルのファイルランクがファイルランク5であれば、対象となるファイルのファイルIDおよびソートキーを、消去候補テーブルR5に登録し(S409)、S402に戻り、次のファイル属性情報221を取得する。
【0134】
対象となるファイルのファイルランクがファイルランク5ではない場合、対象となるファイルのファイルランクがファイルランク4かを否か判定する(S410)。
【0135】
そして、対象となるファイルのファイルランクがファイルランク4であれば、対象となるファイルのファイルIDおよびソートキーを、消去候補テーブルR4に登録し(S411)、S402に戻り、次のファイル属性情報221を取得する。
【0136】
また、対象となるファイルのファイルランクがファイルランク4ではない場合、S402に戻り、次のファイル属性情報221を取得する。
【0137】
次に、ファイル復活処理部15の処理(ファイル復活処理(図4のS50参照))について、図10を用いて説明する。
【0138】
ファイル復活処理部15は、プロセスによりファイル復活要求のあった対象となるファイルが、ファイル記憶装置2に存在するか否かを判定する(S51)。ファイル記憶装置2にファイルが存在しなければ、警告をして処理を終了する(S54)。
【0139】
続いて、ファイル復活要求のあった対象ファイルが、削除状態か否かを判定する(S52)。ここで、削除状態の判定は、図12に示すファイルランクで判定が可能である。即ち、ファイルランクがファイルランク4またはファイルランク6であれば、ファイルは削除状態である。
【0140】
そして、ファイル復活要求のあった対象ファイルが削除状態でなければ、警告をして処理を終了する(S54)。一方、ファイル復活要求のあった対象ファイルが削除状態であれば、ファイル管理エリア22に記憶されているファイル属性情報221のファイルランクのみを変更する(ファイル復活実行、S53)。
【0141】
次に、ファイル復活実行(図10のS53参照)の処理について、図11を用いて説明する。
【0142】
ファイル復活要求のあった対象ファイルのファイルランクが、ファイルランク4であるか否かを判定する(S531)。対象となるファイルのファイルランクがファイルランク4であれば、ファイルランクをファイルランク1に変更し(S532)、ファイル記憶装置2にファイルランクを変更するためのファイル書込を要求する。
【0143】
対象となるファイルのファイルランクがファイルランク4でない場合、さらに、対象となるファイルのファイルランクがファイルランク6であるか否かを判定する(S533)。対象となるファイルのファイルランクがファイルランク6であれば、ファイルランクをファイルランク2に変更し(S544)、ファイル記憶装置2にファイルランクを変更するためのファイル書込を要求する。
【0144】
また、対象となるファイルのファイルランクがファイルランク4でもファイルランク6でもない場合、処理を終了する。
【0145】
以上のように、ファイル210を記憶するファイル記憶エリア21とファイル210を管理するための管理情報220を記憶するファイル管理エリア22とを有するファイル記憶装置2の空き容量を管理する本発明のファイル管理装置は、演算処理装置1とファイル記憶装置2とからなる。ここで、管理情報220には、各ファイル210において削除または消去を行うか否かを判定する際に用いる情報であるファイルランクが含まれている。
【0146】
ファイル管理装置は、ファイル記憶装置2のファイル記憶エリア21にデータを書き込む(ファイルを作成・更新する)ファイル書込処理部12と、ファイル記憶エリア21に記憶されているファイル210に現在行われている処理の内容(ファイル書込処理、ファイル削除処理、ファイル固定処理、ファイル復活処理等)を特定するための情報(プロセスID)と、該処理が行われているファイル210を特定するための情報(対象ファイルID)とが対応付けられてファイル固定テーブルとして記憶されている一時記憶装置3と、ファイル固定テーブルに基づいてファイル210が使用中であるか否かを判定すると共に、ファイル固定テーブルの情報を更新可能なファイル固定処理部14、ファイル記憶エリア21に記憶されているファイル210を削除または消去するファイル削除処理部13とを備えている。
【0147】
また、ファイル削除処理部13は、ファイル記憶装置2の空き容量が不足する場合には、ファイル固定テーブルに基づいて、各ファイル210が使用中であるか否かを判定し、ファイルランクと、ファイル210が使用中であるか否かの判定結果とに基づいて、選択したファイルを消去する。
【0148】
上記の構成によれば、予め設定されたファイルランクと、ファイルが使用中であるか否かの判定結果とに基づいて消去するファイル210を選択することにより、不要な(復活させることがない)ファイルを優先的に消去することができる。例えば、ファイル削除要求があった場合、復活する必要のないファイルは、消去することができる。
【0149】
このように、ファイルの消去に際して優先順位があるため、不要なファイルを優先的に消去することができる。このため、保存すべきファイルに割り当てられる領域を増やすことができる。即ち、ユーザが削除したファイルをより多くファイル記憶装置2上に保存することができ、誤って削除した際、復活できる可能性を高めることができる。
【0150】
また、ファイル記憶装置2に空き容量が不足した際、ファイル削除処理部13によりファイル管理装置が自動的に(ユーザのファイル消去の指示なしで)ファイルを消去することとなり、ファイル消去の際のユーザの負担を軽減することができる。
【0151】
上記のファイル管理装置は、ファイル削除処理部13により一旦削除されたファイルを復活させるファイル復活処理部15を備え、ファイル復活処理部15は、ファイルランクを変更することによって、削除状態にあるファイルの復活を実行する。
【0152】
上記の構成によれば、ファイルランクを変更することのみによってファイルが復活したことになるため、ファイルを復活させる際に必要な情報をファイル記憶装置2上の特定のエリアに別途記憶させる必要がない。
【0153】
従って、保存すべきファイルに割り当てられる領域を増やすことができる。即ち、ユーザが削除したファイルをより多くファイル記憶装置2上に保存することができ、誤って削除した際、復活できる可能性を高めることができる。
【0154】
上記のファイル管理装置は、ファイル削除要求に対して、ファイル削除処理部13が、ファイルランクに基づいて、ファイルを削除するか消去するかを判定する。
【0155】
上記の構成によれば、例えば、削除状態とすべきファイルか、すでに削除状態であり消去すべきファイルか、あるいは、削除状態とせず消去すべきファイルか等といった情報(各ファイル210において削除または消去を行うか否かを判定するための情報)をファイルランクに含めることにより、ファイルランクを参照するだけでファイルを削除するか消去するかを判定することができる。
【0156】
従って、例えば、ファイル削除要求に対して、復活する必要のないファイルは、消去することができる。この結果、復活する必要のないファイルを削除状態のまま保持することを防止でき、無駄にファイル記憶エリア21を使用することを防止できる。
【0157】
上記のファイル管理装置は、ファイルランクと、ファイルが使用中であるか否かの判定結果とに基づいて、ファイル削除処理部13により消去するファイルを検索した結果、消去可能なファイルがない場合、ユーザに空き容量の作成を指示(警告)するための通知手段を備える。
【0158】
通知手段としては、例えば、表示装置を用いてディスプレイに指示(警告)を表示してもかまわないし、音を鳴らすことによって指示(警告)してもかまわない。
【0159】
上記の構成によれば、例えばファイルの重要度が高く、ファイル管理装置が自動的に消去できないファイルを、ユーザの判断で消去することができる。
【0160】
上記のファイル管理装置は、ファイルランクが、ファイルの種類、および、該ファイルが削除状態にあるか否かに基づいて決定される。
【0161】
上記の構成によれば、ファイルランクがファイルの種類を含むことにより、例えば、削除状態とすべきファイルか、すでに削除状態であり消去すべきファイルか、あるいは、削除状態とせず消去すべきファイルか等といった情報(各ファイルにおいて削除または消去を行うか否かを判定するための情報)をファイルランクに含めることができる。
【0162】
また、ファイルランクが該ファイルが削除状態にあるか否かの情報を含むことにより、ファイル記憶装置2上に別途削除ファイルの復活情報を持たせることなく、ファイルの削除および復活を実現することができる。
【0163】
【発明の効果】
本発明のファイル管理装置は、以上のように、ファイルを記憶するファイル記憶エリアと上記ファイルを管理するための管理情報を記憶するファイル管理エリアとを有するファイル記憶装置の空き容量を管理するファイル管理装置であって、上記管理情報には、各ファイルにおいて削除または消去を行うか否かを判定する際に用いる情報であるファイルランクが含まれており、上記ファイル記憶装置のファイル記憶エリアにデータを書き込むファイル書込手段と、上記ファイル記憶エリアに記憶されているファイルに現在行われている処理の内容を特定するための情報と、該処理が行われているファイルを特定するための情報とが対応付けられてテーブルとして記憶されているテーブル記憶手段と、上記テーブルに基づいてファイルが使用中であるか否かを判定すると共に、上記テーブルの情報を更新可能なファイル固定手段と、上記ファイル記憶エリアに記憶されているファイルを削除または消去するファイル削除手段とを備え、上記ファイル削除手段は、ファイル記憶装置の空き容量が不足する場合には、上記テーブルに基づいて各ファイルが使用中であるか否かを判定し、上記ファイルランクと、上記ファイルが使用中であるか否かの判定結果とに基づいて、選択したファイルを消去する構成である。
【0164】
これにより、予め設定されたファイルランクと、ファイルが使用中であるか否かの判定結果とに基づいて消去するファイルを選択することにより、不要な(復活させることがない)ファイルを優先的に消去することができる。例えば、ファイル削除要求があった場合、復活する必要のないファイルは、消去することができる。
【0165】
従って、不要なファイルを消去することができるため、保存すべきファイルに割り当てられる領域を増やすことができ、誤って削除した際、復活できる可能性を高めることができる。
【0166】
また、ファイル記憶装置に空き容量が不足した際、ファイル削除手段によりファイル管理装置が自動的に(ユーザのファイル消去の指示なしで)ファイルを消去することとなり、ファイル消去の際のユーザの負担を軽減することができるといった効果を奏する。
【0167】
上記のファイル管理装置は、ファイル削除手段により一旦削除されたファイルを復活させるファイル復活手段を備え、ファイル復活手段は、ファイルランクを変更することによって、削除状態にあるファイルの復活を実行する構成である。
【0168】
これにより、ファイルランクを変更することのみによってファイルが復活したことになるため、ファイルを復活させる際に必要な情報をファイル記憶装置上の特定のエリアに別途記憶させる必要がない。
【0169】
従って、ユーザが削除したファイルをより多くファイル記憶装置上に保存することができ、誤って削除した際、復活できる可能性を高めることができるといった効果を奏する。
【0170】
本発明のファイル管理装置は、ファイル削除要求に対して、ファイル削除手段が、ファイルランクに基づいて、ファイルを削除するか消去するかを判定する構成である。
【0171】
これにより、例えば、ファイル削除要求に対して、復活する必要のないファイルは、消去することができる。従って、復活する必要のないファイルを削除状態のまま保持することを防止でき、無駄にファイル記憶エリアを使用することを防止できるといった効果を奏する。
【0172】
本発明のファイル管理装置は、ファイルランクと、ファイルが使用中であるか否かの判定結果とに基づいて、ファイル削除手段により消去するファイルを検索した結果、消去可能なファイルがない場合、ユーザに空き容量の作成を指示するための通知手段を備える構成である。
【0173】
これにより、例えばファイルの重要度が高く、ファイル管理装置が自動的に消去できないファイルを、ユーザの判断で消去することができるといった効果を奏する。
【0174】
本発明のファイル管理装置は、ファイルランクが、ファイルの種類、および、該ファイルが削除状態にあるか否かに基づいて決定される構成である。
【0175】
これにより、ファイルランクがファイルの種類を含むことにより、例えば、削除状態とすべきファイルか、すでに削除状態であり消去すべきファイルか、あるいは、削除状態とせず消去すべきファイルか等といった情報をファイルランクに含めることができる。
【0176】
また、ファイルランクが該ファイルが削除状態にあるか否かの情報を含むことにより、ファイル記憶装置上に別途削除ファイルの復活情報を持たせることなく、ファイルの削除および復活を実現することができるといった効果を奏する。
【0177】
本発明のファイル管理方法は、以上のように、ファイルを記憶するファイル記憶エリアと、各ファイルにおいて削除または消去を行うか否かを判定するための情報であるファイルランクを含み、上記ファイルを管理するための管理情報を記憶するファイル管理エリアとを有するファイル記憶装置の空き容量を管理するファイル管理方法であって、ファイル記憶装置の空き容量が不足する場合には、上記ファイル記憶エリアに記憶されているファイルに現在行われている処理の内容を特定するための情報と、該処理が行われているファイルを特定するための情報とが対応付けられて記憶されているテーブルに基づいて各ファイルが使用中であるか否かを判定し、上記判定結果と上記ファイルランクとに基づいて選択したファイルを消去する構成である。
【0178】
これにより、不要な(復活させることがない)ファイルを優先的に消去することができる。例えば、ファイル削除要求があった場合、復活する必要のないファイルは、消去することができる。
【0179】
従って、不要なファイルを消去することができるため、ファイル記憶装置において保存すべきファイルに割り当てられる領域を増やすことができる。即ち、ユーザが削除したファイルをより多くファイル記憶装置上に保存することができ、誤って削除した際、復活できる可能性を高めることができる。
【0180】
また、ファイル記憶装置に空き容量が不足した際、ファイル削除手段によりファイル管理装置が自動的に(ユーザのファイル消去の指示なしで)ファイルを消去することとなり、ファイル消去の際のユーザの負担を軽減することができるといった効果を奏する。
【0181】
本発明のファイル管理方法は、ファイルランクを変更することによって、削除状態にあるファイルの復活を実行する構成である。
【0182】
これにより、ファイルランクを変更することのみによってファイルが復活したことになるため、ファイルを復活させる際に必要な情報をファイル記憶装置上の特定のエリアに別途記憶させる必要がない。
【0183】
従って、ユーザが削除したファイルをより多くファイル記憶装置上に保存することができ、誤って削除した際、復活できる可能性を高めることができるといった効果を奏する。
【0184】
本発明のファイル管理方法は、ファイル削除要求に対して、ファイルランクに基づいて、ファイルを削除するか消去するかを判定する構成である。
【0185】
これにより、例えば、削除状態とすべきファイルか、すでに削除状態であり消去すべきファイルか、あるいは、削除状態とせず消去すべきファイルか等といった情報(各ファイルにおいて削除または消去を行うか否かを判定するための情報)をファイルランクに含めることにより、ファイルランクを参照するだけでファイルを削除するか消去するかを判定することができる。
【0186】
従って、例えば、ファイル削除要求に対して、復活する必要のないファイルは、自動的に消去することができる。この結果、復活する必要のないファイルを削除状態のまま保持することを防止でき、無駄にファイル記憶エリアを使用することを防止できるといった効果を奏する。
【0187】
本発明のファイル管理方法は、ファイルランクと、ファイルが使用中であるか否かの判定結果とに基づいて、消去するファイルを検索した結果、消去可能なファイルがない場合、ユーザに空き容量の作成を指示する構成である。
【0188】
これにより、例えばファイルの重要度が高く、ファイル管理装置が自動的に消去できないファイルを、ユーザの判断で消去することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る演算処理装置および一時記憶装置を備えたパーソナルコンピュータの要部の構成を示す図である。
【図2】上記パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】ファイル記憶装置の構成を示す図である。
【図4】演算処理装置全体の処理の概略を示すフローチャートである。
【図5】ファイル書込処理部のファイル書込処理に関する処理について示すフローチャートである。
【図6】ファイル固定処理部のファイル固定処理について示すフローチャートである。
【図7】ファイル削除処理部のファイル削除処理・ファイル消去処理について示すフローチャートである。
【図8】空き作成処理について示すフローチャートである。
【図9】消去候補テーブルの作成処理について示すフローチャートである。
【図10】ファイル復活処理部のファイル復活処理について示すフローチャートである。
【図11】ファイル復活実行の処理について示すフローチャートである。
【図12】ファイルランクの一例を示す図である。
【図13】ファイル固定テーブルの構成を示す図である。
【図14】消去候補テーブルを示す図であり、(a)はファイルランク4に対応するファイルの場合、(b)はファイルランク5に対応するファイルの場合、(c)はファイルランク6に対応するファイルの場合、(d)はファイルランク4に対応するファイルの場合の消去候補テーブルである。
【符号の説明】
1 演算処理装置(ファイル管理装置)
2 ファイル記憶装置
3 一時記憶装置(ファイル管理装置、テーブル記憶手段)
4 要求入力装置
5 表示装置
12 ファイル書込処理部(ファイル書込手段)
13 ファイル削除処理部(ファイル削除手段)
14 ファイル固定処理部(ファイル固定手段)
15 ファイル復活処理部(ファイル復活手段)
21 ファイル記憶エリア
22 ファイル管理エリア
210 ファイル
220 管理情報
221 ファイル属性情報
222 ファイル記憶場所情報

Claims (9)

  1. ファイルを記憶するファイル記憶エリアと上記ファイルを管理するための管理情報を記憶するファイル管理エリアとを有するファイル記憶装置の空き容量を管理するファイル管理装置であって、
    上記管理情報には、各ファイルにおいて削除または消去を行うか否かを判定する際に用いる情報であるファイルランクが含まれており、
    上記ファイル記憶装置のファイル記憶エリアにデータを書き込むファイル書込手段と、
    上記ファイル記憶エリアに記憶されているファイルに現在行われている処理の内容を特定するための情報と、該処理が行われているファイルを特定するための情報とが対応付けられてテーブルとして記憶されているテーブル記憶手段と、
    上記テーブルに基づいてファイルが使用中であるか否かを判定すると共に、上記テーブルの情報を更新可能なファイル固定手段と、
    上記ファイル記憶エリアに記憶されているファイルを削除または消去するファイル削除手段とを備え、
    上記ファイル削除手段は、上記ファイル書込手段が上記データを書き込む際、ファイル記憶装置の空き容量が不足する場合には、上記テーブルに基づいて各ファイルが使用中であるか否かを判定し、上記ファイルランクと上記ファイルが使用中であるか否かの判定結果とに基づいて選択したファイルを消去することを特徴とするファイル管理装置。
  2. 上記ファイル削除手段により一旦削除されたファイルを復活させるファイル復活手段を備え、
    上記ファイル復活手段は、上記ファイルランクを変更することによって、削除状態にあるファイルの復活を実行することを特徴とする請求項1に記載のファイル管理装置。
  3. 上記ファイル削除手段は、ファイル削除要求に対して、上記ファイルランクに基づいてファイルを削除するか消去するかを判定することを特徴とする請求項1に記載のファイル管理装置。
  4. 上記ファイルランクと、ファイルが使用中であるか否かの判定結果とに基づいて消去するファイルを検索した結果、消去可能なファイルがない場合、ユーザに空き容量の作成を指示するための通知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のファイル管理装置。
  5. 上記ファイルランクは、ファイルの種類、および、該ファイルが削除状態にあるか否かに基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載のファイル管理装置。
  6. ファイルを記憶するファイル記憶エリアと、各ファイルにおいて削除または消去を行うか否かを判定する際に用いる情報であるファイルランクを含み、上記ファイルを管理するための管理情報を記憶するファイル管理エリアとを有するファイル記憶装置の空き容量を管理するファイル管理方法であって、
    ファイル記憶装置の空き容量が不足する場合には、上記ファイル記憶エリアに記憶されているファイルに現在行われている処理の内容を特定するための情報と、該処理が行われているファイルを特定するための情報とが対応付けられて記憶されているテーブルに基づいて、各ファイルが使用中であるか否かを判定し、
    上記判定結果と上記ファイルランクとに基づいて選択したファイルを消去することを特徴とするファイル管理方法。
  7. 上記ファイルランクを変更することによって、削除状態にあるファイルの復活を実行することを特徴とする請求項6に記載のファイル管理方法。
  8. ファイル削除要求に対して、上記ファイルランクに基づいてファイルを削除するか消去するかを判定することを特徴とする請求項6に記載のファイル管理方法。
  9. 上記ファイルランクとファイルが使用中であるか否かの判定結果とに基づいて消去するファイルを検索した結果、消去可能なファイルがない場合、ユーザに空き容量の作成を指示することを特徴とする請求項6に記載のファイル管理方法。
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