JP2004239346A - Fluid dynamic pressure bearing, motor with the same, and disk drive device with the motor - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静止部材と回転部材との間に介在された潤滑油を介して相対的に回転自在に支持する流体動圧軸受、及びこの流体動圧軸受を備えたモータ、並びにこのモータを備えたディスク駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータなどの電子機器の分野では、小型化、薄型化が要求されており、このような要求を満足するために、それに装備される各種モータ、例えばハードディスク、CD−ROM、DVDなどの記録ディスクを回転駆動するためのスピンドルモータも小型化、薄型化の傾向にある。また、このようなコンピュータの分野では、記録ディスクの記録密度が上昇しており、この高密度化により、スピンドルモータの回転振れ、振動などが問題となっている。
【0003】
このようなことから、近年、ハードディスク用スピンドルモータでは、潤滑油を利用した流体動圧軸受が採用され始めている。この流体動圧軸受は、円筒面状外周面を有する軸体(例えば、回転部材を構成する)と、軸体の円筒面状外周面に外嵌された円筒面状内周面を有するスリーブ体(例えば静止部材を構成する)と、軸体とスリーブ体との間に充填された潤滑油とを備え、軸体とスリーブ体が潤滑油を介して相対的に回転自在に支持される。
【0004】
この流体動圧軸受では、潤滑油が軸体及び/又はスリーブ体の表面を滲むようにつたわって外側に漏出するおそれがあり、それ故に、このような潤滑油の漏れを防止するために、潤滑油が充填された両者の間隙部、即ち流体動圧軸受部の外側部位(軸体及び/又はスリーブ体の部位)に、撥油処理によって撥油剤の膜が設けられている(例えば、特許文献1及び2参照)。この撥油膜は撥油性を有しているので、滲みによるつたわりを阻止し、潤滑油の漏れを防止することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−304263号公報
【特許文献2】
特開2000−266052号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の流体動圧軸受においては、軸体(及び/又はスリーブ体)の表面が凹凸がないようにきれいに加工されており、それ故に、流体動圧軸受を組み立てる際に、或いはこの流体動圧軸受をスピンドルモータに組み付ける際に、この撥油膜が周囲の機器、工具、部品などが撥油膜に接触すると、塗布した撥油膜が剥がれてしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、撥油膜の剥がれを防止することができる流体動圧軸受及びこれを備えたモータ並びにこのモータを備えたディスク駆動装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の流体動圧軸受は、静止部材と、この静止部材に対して相対的に回転自在である回転部材と、前記静止部材と前記回転部材との間隙に形成され、この間隙に介在される潤滑油を保持するとともに前記回転部材を回転自在に支持する流体動圧軸受部と、を備え、
前記静止部材と前記回転部材との互いに対向する面のうち、前記流体動圧軸受部に隣接する部位の少なくとも一方には、潤滑油が介在せず、潤滑油の流出を防止する撥油膜が形成され、
前記撥油膜が形成される部位は、前記流体動圧軸受部を構成する前記静止部材及び前記回転部材の軸受面より表面粗度が粗く形成されていることを特徴とする。
【0009】
この流体動圧軸受においては、潤滑油の滲みによる漏れを防止するために、静止部材と回転部との互いに対向する面のうち、流体動圧軸部に隣接する部位に撥油膜が設けられ、この撥油膜が形成される部位は、流体動圧軸受部を構成する面より粗く形成されているので、この部位の表面と撥油膜との接触面積が大きくなり、これによって、この部位と撥油膜との密着性を高め、撥油膜の剥がれを効果的に防止することができる。また、撥油膜が形成される部位の表面が粗いので、撥油膜の一部が表面に存在する多数の小さな凹部に入り込み、その表面の山部の撥油膜が剥離、摩耗しても、多数の凹部に入り込んだ撥油剤によって撥油効果が保たれ、安定した撥油効果を維持することができる。尚、表面粗度の粗い面は、静止部材及び回転部材の双方又はいずれか一方に設けることができる。
【0010】
また、本発明の請求項2の流体動圧軸受では、前記撥油膜が形成される部位は、凹凸部を形成することによって、その表面が粗くなっていることを特徴とする。
【0011】
この流体動圧軸受においては、撥油膜が形成される部位は凹凸部によってその表面が粗くなっているので、この部位と撥油膜との密着性が高められ、その凹凸部の粗さを調整することによって、両者の密着性をコントロールして撥油膜の剥離を防止することができる。これら凹凸部は細長い溝状、格子状、円形状、楕円状などの適宜の形状に形成することができる。
【0012】
また、本発明の請求項3の流体動圧軸受では、前記凹凸部は、前記撥油膜が形成される部位の表面に電解加工、放電加工又は機械加工を施すことによって形成されることを特徴とする。
【0013】
この流体動圧軸受においては、撥油膜が形成される部位の凹凸部は電解加工、放電加工又は機械加工によって形成されるので、所望形状の凹部を比較的簡単に且つ容易に、しかも精度良く形成することができる。
【0014】
また、本発明の請求項4のモータは、ステータが取り付けられたハウジングと、ロータマグネットが装着されたロータと、請求項1〜3のいずれかに記載された流体動圧軸受とを備え、前記静止部材が前記ハウジングに取り付けられ、前記回転部材が前記ロータに取り付けられてることを特徴とする。
【0015】
このモータにおいては、請求項1〜3のいずれかに記載された流体動圧軸受を備えているので、静止部材及び回転部材の少なくとも一方に設けられた撥油膜の剥がれを防止することができ、その結果、流体動圧軸受の潤滑油の滲みによる漏れを防止し、長期にわたって安定してロータを支持することができる。
【0016】
更に、本発明の請求項5のディスク駆動装置は、筐体と、前記筐体に取り付けられた請求項4に記載のモータと、前記モータの前記ロータに取り付けられた情報を記録するための記録ディスクと、前記記録ディスクに情報を書き込み及び/又は読み出すための情報アクセス手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
このディスク駆動装置においては、請求項4に記載のモータを備えているので、潤滑油の滲みによる漏れを防止し、信頼性の高いディスク駆動装置を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う流体動圧軸受及びこれを備えたモータの一実施形態について説明する。図1は、本発明に従う流体動圧軸受を備えたモータの一例を示す断面図であり、図2は、図1の流体動圧軸受を示す断面図であり、図3は、図2の流体動圧軸受を上側から見た平面図である。
【0019】
図1において、図示のスピンドルモータは、外形が円形状のハウジング2と、このハウジング2に対して相対的に回転自在であるロータ4と、ハウジング2とロータ4との間に介在された流体動圧軸受6とを具備し、流体動圧軸受6が、軸体8(この実施形態では回転部材を構成する)、スリーブ体10(この実施形態では静止部材を構成する)及びこれら両者間に充填された潤滑油12を備えている。ハウジング2は略円形状のハウジング本体14を備え、このハウジング本体14の内周部には支持スリーブ壁16が設けられ、この支持スリーブ壁16にステータ18が装着されている。ステータ18は、コアプレートが積層されたステータコア20と、このステータコア20に所要の通りに巻かれた駆動コイル22とを備え、ステータコア20が支持スリーブ壁16の外周面に取り付けられている。
【0020】
ロータ4は、ロータ本体である略円筒状のハブ本体24を備え、ハブ本体24の下端部には半径方向外方に突出する環状ディスク載置部26が設けられ、かかるディスク載置部26にハードディスクの如き記録ディスク(図示せず)が載置される。ディスク載置部26の外周部にはハウジング本体14側(図1において下方)に向けて延びる垂下壁28が設けられ、この垂下壁28の内周面に環状ロータマグネット30が装着されている。このロータマグネット30はステータ18に対向してその半径方向外方に配置され、ステータ18との磁気的相互作用によって所定方向に回転駆動され、これによって、ハブ本体24及びこれに装着された記録ディスクも一体的に回動される。
【0021】
次に、ハウジング2とロータ4との間に介在された流体動圧軸受6について説明すると、図示の流体動圧軸受6のスリーブ体10は円筒スリーブ状であり、その一端部(図1において下端部)がハウジング本体14の支持スリーブ壁16の内周面に取り付けられている。このスリーブ体10の他端部は支持スリーブ壁16から図1において上方に延びている。スリーブ体10の一端部の内径は一端に向けて段階的に拡径され、その一端から他端に向けて大内径部32、中内径部34及び小内径部36が設けられている。このスリーブ体10は、ステンレス鋼、アルミニウム、銅系金属材料などから形成され、快削性が優れ、動圧発生溝を高精度に仕上げることができる例えばDHS(商標名)から形成される。
【0022】
軸体8は、軸部38及びこの軸部38の一端部(図1において下端部)に設けられたスラスト板部40を有し、軸部38の外径がスリーブ体10の小内径部36の内径に対応し、スラスト板部40の外径がスリーブ体10の中内径部38の内径に対応している。スラスト板部40は軸部38と一体的に形成するようにしてもよいが、軸部38と別体に形成し、この軸部38に固定するようにしてもよい。軸体8は、図1から理解されるように、その軸部38側をスリーブ体10の大内径部32側から挿入することによって、スリーブ体10に装着され、かく装着した状態にて、スリーブ体10の大内径部32に閉塞部材42が取り付けられる。この軸体8の他端部はスリーブ体10から外側に突出し、この突出端部にハブ本体24の端壁43が固定される。この軸体8は、ステンレス鋼、アルミニウムなどから形成され、例えばSUS420J2から形成される。
【0023】
このような構成の流体動圧軸受6では、軸体8とスリーブ体10との間の間隙は、軸体8及びスリーブ体10の他端側において外側に解放されるが、その他の部分は密閉されており、潤滑油12はこれら両者の間隙のほぼ全域にわたって充填され、この潤滑油が介在された部分が流体動圧軸受部として機能する。即ち、軸体8を基準にすると、軸体8の軸部38の外周面並びにそのスラスト板部40の内側端面(軸部38が接続された端面)、外周面及び外側端面(閉塞部材42と対向する端面)にわたって実質上連続して充填される。そして、このことに関連して、軸体8の軸部38の他端部に、流出防止用のテーパ部46が設けられている。このテーパ部46は、軸部38の他端に向けて半径方向内方に傾斜する傾斜テーパ面を有し、この傾斜テーパ面における潤滑油12の毛細管作用によって外部への流出を防止する。
【0024】
図示の流体動圧軸受6においては、スリーブ体10の小内径部36の内周面に軸線方向(図1において上下方向)に間隔をおいて、一対のラジアル動圧発生手段48,50が設けられている。ラジアル動圧発生手段48,50は、例えばへリングボーン形状の動圧発生溝から構成され、潤滑油12の圧力を高めてロータ4に作用するラジアル荷重を支持する。ラジアル動圧発生手段48,50は、軸体8の軸部38の外周面に設けるようにしてもよく、或いはこの軸部38の外周面及びスリーブ体8の小内径部36の内周面の双方に設けるようにしてもよい。
【0025】
また、スリーブ体10の支持端面52(スラスト板部40の内側端面と対向する面)及び閉塞部材42の内面(スラスト板部40の外側端面と対向する面)に、一対のスラスト動圧発生手段54,56が設けられている。スラスト動圧発生手段54,56は、例えばへリングボーン形状の動圧発生溝から構成され、潤滑油12の圧力を高めてロータ4に作用するスラスト荷重を支持する。スラスト動圧発生手段54,56は、軸体8のスラスト板部40の内側端面及び外側端面に設けるようにしてもよく、或いはこの軸部38のスラスト板部40の内側端面及び外側端面並びにスリーブ体10の支持端面52及び閉塞部材42の内面の双方に設けるようにしてもよい。
【0026】
この実施形態では、更に、潤滑油12の滲みによる漏れを防止するために、軸体8及びスリーブ体10の他端部に、具体的には流体動圧軸受部に隣接してその外側に撥油処理が施されている。即ち、図1に示すように、スリーブ体10側にあっては、小内径部36の他端部内周面(軸体8のテーパ部46の開口部に対向する内周面)からスリーブ体10の他端面にわたって撥油膜58が設けられている。また、軸体8側にあっては、軸部38のテーパ部46の開口部外周面からハブ本体24の端壁43の内面(スリーブ体10の他端面に対向する内面)にわたって撥油膜60が設けられ、このように撥油膜58,60が設けられる部位には潤滑油は介在されない。このような撥油膜58,60は、撥油剤を塗布することによって形成される。撥油剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)などの一般的なフッ素樹脂を用いることができ、特に、パーフオロ樹脂系のものは、表面エネルギーが低く、撥油性能が高くて望ましい。このように撥油膜58,60を設けることによって、潤滑油12がスリーブ体10の他端部内周面及び他端面をつたわって、また軸体10のテーパ部46のテーパ面及びハブ本体24の端壁43内面をつたわって外側に滲み出ることを防止することができる。
【0027】
更に、このように撥油膜58,60を設けることに関連して、この実施形態では、スリーブ本体10の他端面に小さい環状溝62が設けられ、かかる環状溝62が剥がれ防止用凹凸部として作用する。図2及び図3をも参照して、環状溝62はスリーブ本体10の他端面に同心状に複数個設けられており、このように環状溝62を形成することによって、撥油膜58が形成される部位の下地表面である他端面の表面粗度が粗くなっている。このように表面粗度の粗い表面(他端面)に撥油剤を塗布すると、その一部が環状溝62内に入り込むようになる。従って、下地表面と撥油剤の接触面積が大きくなり、これによって、スリーブ本体10と塗布された撥油膜58との密着性がより一層高められ、かくして、撥油膜58の剥がれを防止することができる。また、このように環状溝62に撥油剤が入り込むことによって、撥油膜58が摩耗して層厚が薄くなっても、環状溝62内に存在する撥油剤によって撥油効果が保たれ、長期にわたって撥油効果を維持することができる。
【0028】
環状溝62の深さは10〜40μm程度に形成され、このような深さに形成することによって、塗布した撥油剤が環状溝62内に充分入り込み、所望の撥油効果を得ることができる。このような環状溝62は、電解液を利用して加工する電解加工、放電極を利用して加工する放電加工により、比較的簡単に且つ精度良く形成することができる。
【0029】
この実施形態では、撥油膜58が形成される部位の表面、即ちスリーブ体10の他端面に環状溝62を設けているが、その小内径部36の他端部内周面にも環状溝を設けるようにしてもよい。また、これに加えて、他方の撥油膜60が形成される部位である軸部38のテーパ部46の開口部外周面及び/又はハブ本体24の端壁43内面に環状溝を設けるようにしてもよい。
【0030】
図4は、流体動圧軸受の他の実施形態を示す平面図である。尚、図1〜図3に示す実施形態と実質上同一の部材には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0031】
図4において、この形態の流体動圧軸受6Aでは、撥油膜58が形成される部位としてのスリーブ本体10Aの他端面にローレット加工が施され、ローレット加工により小さな凹凸部72が多数形成されて表面粗度が粗くなっている。このようにローレット加工を施した表面(他端面)に撥油剤を塗布すると、その一部が多数の凹凸部72内に入り込むようになり、従って、環状溝62を形成した場合と同様に、下地部位表面と撥油剤の接触面積が大きくなり、スリーブ本体10Aと撥油膜58との密着性をより一層高めることができる。この場合にも、多数の凹凸部72の深さは10〜40μm程度に形成される。このようなローレット加工は機械加工、例えば塑性加工により形成することができる。尚、ローレット加工と略同様のローレット状の小さな凹凸部を形成する場合には、電解加工、放電加工により形成することができる。このような小さな凹凸部72は、環状溝62に代えて設けることができ、スリーブ体10Aの小内径部36の他端部内周面、軸部38のテーパ部46の開口部外周面、ハブ本体24の端壁43内面に設けるようにしてもよい。
【0032】
例えば、上述した実施形態では、流体動圧軸受6のスリーブ体10がハウジング2に取り付けられ、その軸体8がロータ4に取り付けられた軸回転型のスピンドルモータに適用して説明したが、スリーブ体10が軸体8に対して回転する軸固定型のスピンドルモータにも同様に適用することができる。この場合、流体動圧軸受6の軸体8がハウジング2に取り付けられ、そのスリーブ体10がロータ4に取り付けられる。
【0033】
尚、撥油膜58,60を形成する部位は、本実施形態のような部位に限定されず、撥油処理を必要とする部位であればどこでもよく、例えばスリーブ体10の外周面やハブ本体24の内周面等に施すようにしてもよい。
【0034】
また、上述した実施形態では、ハードディスクを回転駆動するハードディスク用スピンドルモータに適用して説明したが、このようなスピンドルモータに限定されず、CD−ROM、DVD、DVD−R、DVD−RAMなどを回転駆動するスピンドルモータにも同様に適用することができ、更にはDCメインモータなどの一般的モータにも広く適用することができる。
【0035】
上述したモータは、図5に示すようにディスク駆動装置に適用される。図5は、ディスク駆動装置の一実施形態を簡略して示す断面図である。
図5において、図示のディスク駆動装置100は矩形状の筐体102を備え、この筐体102は、塵、埃等が極度に少ないクリーンなディスク室を規定し、このディスク室に記録ディスク106が収容される。この形態では、スピンドルモータ104のハウジング116は、筐体102の底壁120に取り付けられ、かく取り付けられたモータ104のロータ118に複数枚の記録ディスク106が装着され、ロータ118が回転駆動されると記録ディスク106は所定方向に回動される。
【0036】
ディスク室内の一端部(図5において左端部)には、記録ディスク106に情報を書き込む及び/又は読み出すための情報アクセス手段114が設けられている。情報アクセス手段114は記録ディスク106に情報を書き込み、書き込んだ情報を読み出すためのヘッド112と、このヘッド112を支持するための支持アーム110と、支持アーム110を所要の通り移動させるためのアクチュエータ部108とを備えている。
【0037】
このようなディスク駆動装置100においては、上述した構成のスピンドルモータ104を備えているので、流体動圧軸受からの潤滑油の漏れがなく、ディスク室を長期に渡ってクリーンに保つことができるとともに、記録ディスク106を長期に渡って安定して回転駆動することができる。
【0038】
実施例及び比較例
撥油剤の剥れに関する効果を確認するために、次の実験を行った。実施例1として、直径14mmのステンレス製円板の表面に、電解加工によって3本の溝を同心状に形成した。これらの溝の直径は6、8、10mmであり、それらの幅は約500μm、それらの深さは約15μmであった。その後、撥油剤としてパーフルオロエーテルの高分子化合物を用い、この撥油剤を、溝を形成した円板表面に塗布し、120℃の環境で1時間熱処理を行って撥油膜を形成した。
【0039】
実施例2として、実施例1と同様のステンレス製円板を用い、その表面全域に浅く電解加工を施した。電解加工後の表面の粗さは約6〜25μmであった。その後、実施例1と同様にして、電解加工を施した円板表面に撥油剤を塗布し、同様の熱処理を施して撥油膜を形成した。
【0040】
また、比較例として、実施例1と同様のステンレス製円板を用い、その表面全域にバフ研磨加工を施して鏡面仕上げし、その後実施例1と同様にして、鏡面仕上げした円板表面に撥油剤を塗布し、同様の熱処理を施して撥油膜を形成した。
【0041】
[こすり試験]
実施例1及び2並びに比較例について、次の通りこすり試験を行って撥油剤の塗布面の撥油性及びその密着性の変化について調べた。この試験においては、テーブルの表面に、毛羽の発生が極めて少なく電子部品の表面の付着物をふき取るのに用いられるダスパー(商標名)を置き、撥油膜面をダスパーに接触するように載置して、ステンレス製円板に200gの重りを載せて加重を加え、加重を加えた状態で30cmの距離をゆっくりと手動で摺動させた。
【0042】
試験は、セバシン酸ニエチルヘキシルを主成分とするオイルをステンレス製円板の表面に10μl滴下し、滴下したオイルのはじき具合を接触角にて判断して目視にて確認した。目視の評価基準は、滴下されたオイルの形状がほぼ半球状であれば、撥油剤の塗布面に撥油性が有ると判断し、半球状でなく、いびつな形状であれば撥油性なしと判断した。また、蛍光X線分析装置を用いて、撥油剤の主成分であるフッ素の保持量を計測した。
【0043】
表1は上述したこすり試験の結果を示す。尚、表示は試験前/試験後の結果を示し、目視確認における「○」は撥油性が有ると判断された場合であり、「×」は撥油性なしと判断された場合である。
【0044】
【表1】
表1より、蛍光X線分析により、試験前の実施例1及び2のフッ素の保持量が比較例の保持量に比べ多い。そのことから、実施例1及び2の撥油膜の膜厚が比較例に比べ厚いことが推定される。
【0045】
そして、試験後においては、蛍光X線分析では、比較例ではフッ素が試験前の30.5%(小数点以下第1位は四捨五入)まで著しく減少し、撥油膜が剥がれてしまっている。そのため、目視確認では滴下したオイルがいびつな形状となってしまい、円板の塗布面による撥油性が著しく損なわれていることがわかる。これに対し、実施例1及び2では、それぞれ試験後においてもフッ素が試験前に比べ60.0%、93.6%残留しており、そのために目視確認では滴下したオイルが半球状に保たれ、撥油性が保持されており、このようなことから、撥油膜の剥がれ落ちが少なく撥油剤の密着性に優れていることが確認できた。
【0046】
以上の通り、この試験結果から明らかなように、撥油膜を設ける下地表面を本発明のように粗くすることによって、撥油膜の膜厚を厚くすることができ、また撥油膜の表面が擦れても撥油膜の撥油性は失われにくいという著名な効果が得られる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の流体動圧軸受によれば、撥油膜が形成される部位は、流体動圧軸受部を構成する面より粗く形成されているので、この部位の表面と撥油膜との接触面積が大きくなり、これによって、この部位と撥油膜との密着性をより一層高め、撥油膜の剥がれを効果的に防止することができる。
【0048】
また、本発明の請求項2に記載の流体動圧軸受によれば、凹凸部を形成することによって表面が粗くなっているので、この凹凸部によって撥油膜との密着性をより一層高めることができ、また凹凸部の粗さを調整することによって、その密着性をコントロールすることができる。
【0049】
また、本発明の請求項3に記載の流体動圧軸受によれば、凹凸部が電解加工、放電加工又は機械加工によって形成されるので、所望形状の凹部を比較的簡単に且つ容易に、しかも精度良く形成することができる。
【0050】
また、本発明の請求項4に記載のモータによれば、静止部材及び回転部材の少なくとも一方に設けられた撥油膜の剥がれを防止し、潤滑油の滲みによる漏れを防止して、ロータを長期にわたって安定して保持することができる。
【0051】
更に、本発明の請求項5に記載のディスク駆動装置によれば、上述したモータを備えているので、潤滑剤の滲みによる漏れを防止し、信頼性の高いディスク駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う流体動圧軸受を備えたモータの一例を示す断面図である。
【図2】図1のモータの流体動圧軸受を示す断面図である。
【図3】図2の流体動圧軸受を上側から見た平面図である。
【図4】他の実施形態の流体動圧軸受を示す平面図である。
【図5】本発明に従うモータを備えたディスク駆動装置の一例を簡略的に示す断面図である。
【符号の説明】
2 ハウジング
4,118 ロータ
6,6A 流体動圧軸受
8 軸体
10,10A スリーブ体
12 潤滑油
18 ステータ
30 ロータマグネット
38 軸部
40 スラスト板部
46 テーパ部
48,50 ラジアル動圧発生手段
54,56 スラスト動圧発生手段
58,60 撥油膜
62 環状溝
72 凹部
100 ディスク駆動装置
102 筐体
104 スピンドルモータ
106 記録ディスク
114 情報アクセス手段[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention includes a fluid dynamic pressure bearing that rotatably supports via a lubricating oil interposed between a stationary member and a rotating member, a motor including the fluid dynamic pressure bearing, and the motor. To a disk drive.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, in the field of electronic devices such as personal computers, miniaturization and thinning have been demanded, and in order to satisfy such demands, various motors mounted thereon, for example, hard disks, CD-ROMs, DVDs, etc. Spindle motors for rotationally driving recording disks are also becoming smaller and thinner. Further, in the field of such computers, the recording density of recording disks has been increasing, and due to the increase in recording density, there has been a problem such as rotational vibration and vibration of a spindle motor.
[0003]
For these reasons, in recent years, fluid dynamic pressure bearings utilizing lubricating oil have begun to be used in spindle motors for hard disks. This fluid dynamic pressure bearing includes a shaft body (for example, constituting a rotating member) having a cylindrical outer peripheral surface, and a sleeve body having a cylindrical inner peripheral surface fitted to the cylindrical outer peripheral surface of the shaft body. (For example, constituting a stationary member), and lubricating oil filled between the shaft body and the sleeve body, and the shaft body and the sleeve body are relatively rotatably supported via the lubricating oil.
[0004]
In this fluid dynamic pressure bearing, there is a possibility that the lubricating oil leaks out along the surface of the shaft body and / or the sleeve body so as to leak out. An oil-repellent film is provided by an oil-repellent treatment in a gap between the two oil-filled portions, that is, a portion outside the fluid dynamic pressure bearing portion (a portion of the shaft body and / or the sleeve body) (for example, Patent Documents) 1 and 2). Since this oil-repellent film has oil-repellent properties, it is possible to prevent connection due to bleeding and prevent leakage of lubricating oil.
[0005]
[Patent Document 1]
JP 2001-304263 A [Patent Document 2]
JP 2000-266052 A
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional fluid dynamic bearing, the surface of the shaft body (and / or the sleeve body) is finely processed so as not to have irregularities, and therefore, when assembling the fluid dynamic bearing, or when the fluid dynamic bearing is assembled. When the oil-repellent film comes into contact with peripheral devices, tools, parts, and the like when assembling the pressure bearing to the spindle motor, the applied oil-repellent film may be peeled off.
[0007]
An object of the present invention is to provide a fluid dynamic pressure bearing capable of preventing peeling of an oil-repellent film, a motor including the same, and a disk drive including the motor.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The fluid dynamic pressure bearing according to claim 1 of the present invention is formed in a stationary member, a rotating member rotatable relative to the stationary member, and a gap between the stationary member and the rotating member. A fluid dynamic pressure bearing portion that holds the lubricating oil interposed therebetween and rotatably supports the rotating member,
An oil-repellent film is formed on at least one of the opposing surfaces of the stationary member and the rotating member adjacent to the fluid dynamic bearing portion without lubricating oil interposed therebetween and preventing the outflow of lubricating oil. And
The portion where the oil-repellent film is formed is characterized in that the surface roughness is formed to be greater than the bearing surfaces of the stationary member and the rotating member that constitute the fluid dynamic pressure bearing portion.
[0009]
In this fluid dynamic pressure bearing, in order to prevent leakage due to bleeding of the lubricating oil, an oil-repellent film is provided on a portion adjacent to the fluid dynamic pressure shaft portion of the mutually facing surfaces of the stationary member and the rotating portion, Since the portion where this oil-repellent film is formed is formed rougher than the surface constituting the fluid dynamic pressure bearing portion, the contact area between the surface of this portion and the oil-repellent film becomes large, and thereby, this portion and the oil-repellent film And the oil-repellent film can be effectively prevented from peeling off. In addition, since the surface of the portion where the oil-repellent film is formed is rough, a part of the oil-repellent film enters into many small concave portions present on the surface, and even if the oil-repellent film on the surface of the surface peels and wears, a large number of The oil repellent effect is maintained by the oil repellent that has entered the concave portion, and a stable oil repellent effect can be maintained. The rough surface may be provided on both or one of the stationary member and the rotating member.
[0010]
The fluid dynamic pressure bearing according to
[0011]
In this fluid dynamic pressure bearing, since the surface where the oil-repellent film is formed is roughened by the uneven portion, the adhesion between the portion and the oil-repellent film is enhanced, and the roughness of the uneven portion is adjusted. This makes it possible to control the adhesion between the two and prevent the oil-repellent film from peeling off. These concavo-convex portions can be formed in an appropriate shape such as an elongated groove shape, a lattice shape, a circular shape, and an elliptical shape.
[0012]
Further, in the fluid dynamic bearing according to claim 3 of the present invention, the uneven portion is formed by subjecting a surface of a portion where the oil-repellent film is formed to electrolytic machining, electric discharge machining or machining. I do.
[0013]
In this fluid dynamic pressure bearing, since the uneven portion of the portion where the oil-repellent film is formed is formed by electrolytic machining, electric discharge machining or machining, a concave portion having a desired shape can be formed relatively easily, easily and accurately. can do.
[0014]
A motor according to a fourth aspect of the present invention includes a housing to which a stator is attached, a rotor to which a rotor magnet is attached, and a fluid dynamic bearing according to any one of claims 1 to 3, A stationary member is attached to the housing, and the rotating member is attached to the rotor.
[0015]
In this motor, since the fluid dynamic pressure bearing according to any one of claims 1 to 3 is provided, it is possible to prevent the oil-repellent film provided on at least one of the stationary member and the rotating member from peeling off, As a result, leakage of the fluid dynamic pressure bearing due to bleeding of the lubricating oil can be prevented, and the rotor can be stably supported for a long period of time.
[0016]
Further, according to a fifth aspect of the present invention, there is provided a disk drive device comprising: a housing; the motor according to claim 4 attached to the housing; and a recording device for recording information attached to the rotor of the motor. A disc, and information access means for writing and / or reading information to and from the recording disc.
[0017]
In this disk drive, since the motor according to claim 4 is provided, it is possible to prevent leakage due to bleeding of lubricating oil, and to provide a highly reliable disk drive.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of a fluid dynamic bearing according to the present invention and a motor including the same will be described with reference to the accompanying drawings. FIG. 1 is a sectional view showing an example of a motor provided with a fluid dynamic pressure bearing according to the present invention, FIG. 2 is a sectional view showing the fluid dynamic pressure bearing of FIG. 1, and FIG. It is the top view which looked at the dynamic pressure bearing from the upper side.
[0019]
1, a spindle motor shown in FIG. 1 includes a
[0020]
The rotor 4 includes a substantially
[0021]
Next, the fluid
[0022]
The
[0023]
In the fluid
[0024]
In the illustrated fluid
[0025]
Further, a pair of thrust dynamic pressure generating means is provided on the
[0026]
In this embodiment, in order to prevent leakage of the lubricating
[0027]
Further, in connection with providing the oil-
[0028]
The
[0029]
In this embodiment, the
[0030]
FIG. 4 is a plan view showing another embodiment of the fluid dynamic pressure bearing. The same members as those in the embodiment shown in FIGS. 1 to 3 are denoted by the same reference numerals, and description thereof will be omitted.
[0031]
In FIG. 4, in the fluid dynamic pressure bearing 6A of this embodiment, the other end surface of the sleeve main body 10A as a portion where the oil-
[0032]
For example, in the above-described embodiment, the
[0033]
The portions on which the oil-
[0034]
Further, in the above-described embodiment, the description has been given by applying the present invention to a spindle motor for a hard disk that rotationally drives a hard disk. However, the present invention is not limited to such a spindle motor, and a CD-ROM, a DVD, a DVD-R, a DVD-RAM, etc. The present invention can be similarly applied to a spindle motor that is driven to rotate, and can be widely applied to general motors such as a DC main motor.
[0035]
The motor described above is applied to a disk drive as shown in FIG. FIG. 5 is a sectional view schematically showing an embodiment of the disk drive device.
In FIG. 5, the illustrated
[0036]
At one end (the left end in FIG. 5) in the disk chamber, an
[0037]
In such a
[0038]
Examples and Comparative Examples In order to confirm the effect on peeling of the oil repellent, the following experiment was performed. In Example 1, three grooves were formed concentrically by electrolytic processing on the surface of a stainless steel disk having a diameter of 14 mm. The diameter of these grooves was 6, 8, 10 mm, their width was about 500 μm, and their depth was about 15 μm. Thereafter, a perfluoroether polymer compound was used as an oil repellent, and the oil repellent was applied to the surface of the disk having the grooves formed thereon, and heat-treated at 120 ° C. for 1 hour to form an oil repellent film.
[0039]
In Example 2, the same stainless steel disk as in Example 1 was used, and the entire surface thereof was subjected to shallow electrolytic processing. The surface roughness after the electrolytic processing was about 6 to 25 μm. Thereafter, in the same manner as in Example 1, an oil repellent was applied to the surface of the disc subjected to electrolytic processing, and the same heat treatment was performed to form an oil repellent film.
[0040]
As a comparative example, a stainless steel disk similar to that of Example 1 was used, and the entire surface thereof was buffed and mirror-finished. Then, as in Example 1, the mirror-finished disk surface was repelled. An oil agent was applied and subjected to the same heat treatment to form an oil-repellent film.
[0041]
[Rubbing test]
A rubbing test was performed on Examples 1 and 2 and Comparative Example as follows to examine changes in oil repellency and adhesion of the surface to which the oil repellent was applied. In this test, a Dasper (trade name) used for wiping off deposits on the surface of the electronic component with very little fluff is placed on the surface of the table, and the oil-repellent film surface is placed in contact with the Dasper. Then, a 200-g weight was placed on a stainless steel disc to apply a load, and the load was slid manually slowly over a distance of 30 cm with the load applied.
[0042]
In the test, 10 μl of oil mainly composed of diethylhexyl sebacate was dropped on the surface of a stainless steel disk, and the repellency of the dropped oil was judged by a contact angle and visually confirmed. The visual evaluation criteria are as follows: if the shape of the dropped oil is almost hemispherical, it is determined that the surface to which the oil repellent is applied has oil repellency.If the shape is not hemispherical and irregular, it is determined that there is no oil repellency. did. Further, the amount of retained fluorine, which is the main component of the oil repellent, was measured using a fluorescent X-ray analyzer.
[0043]
Table 1 shows the results of the rubbing test described above. In addition, the display shows the results before and after the test. In the visual confirmation, “○” indicates the case where it was judged to have oil repellency, and “×” indicates the case where it was judged that there was no oil repellency.
[0044]
[Table 1]
As shown in Table 1, the amount of fluorine retained in Examples 1 and 2 before the test was larger than the amount retained in the comparative example by X-ray fluorescence analysis. From this, it is estimated that the oil-repellent films of Examples 1 and 2 are thicker than the comparative example.
[0045]
Then, after the test, in the fluorescent X-ray analysis, in the comparative example, the fluorine was remarkably reduced to 30.5% (rounded to one decimal place) before the test, and the oil-repellent film was peeled off. Therefore, it can be seen from the visual inspection that the dropped oil has a distorted shape, and the oil repellency of the coated surface of the disc is significantly impaired. On the other hand, in Examples 1 and 2, 60.0% and 93.6% of fluorine remained after the test as compared with before the test, respectively. Therefore, the oil dropped was kept in a hemispherical shape by visual confirmation. The oil repellency was maintained, and it was confirmed from the above that the oil repellent film was less likely to peel off and was excellent in the adhesion of the oil repellent.
[0046]
As described above, as is clear from the test results, the surface of the oil-repellent film can be thickened by roughening the surface of the base on which the oil-repellent film is provided as in the present invention, and the surface of the oil-repellent film is rubbed. A remarkable effect that the oil repellency of the oil repellent film is hard to be lost is obtained.
[0047]
【The invention's effect】
According to the fluid dynamic pressure bearing according to the first aspect of the present invention, the portion on which the oil repellent film is formed is formed to be rougher than the surface constituting the fluid dynamic pressure bearing portion. Thus, the contact area between the oil repellent film and the oil repellent film can be further increased, and peeling of the oil repellent film can be effectively prevented.
[0048]
Further, according to the fluid dynamic pressure bearing according to the second aspect of the present invention, since the surface is roughened by forming the uneven portion, the adhesion to the oil-repellent film can be further enhanced by the uneven portion. The adhesion can be controlled by adjusting the roughness of the uneven portion.
[0049]
According to the fluid dynamic pressure bearing according to the third aspect of the present invention, since the uneven portion is formed by electrolytic machining, electric discharge machining or machining, a concave portion having a desired shape can be formed relatively easily and easily. It can be formed with high accuracy.
[0050]
According to the motor described in claim 4 of the present invention, it is possible to prevent the oil-repellent film provided on at least one of the stationary member and the rotating member from peeling off, prevent leakage due to bleeding of lubricating oil, and maintain the rotor for a long time. Can be held stably over
[0051]
Further, according to the disk drive device of the fifth aspect of the present invention, since the above-described motor is provided, leakage due to bleeding of the lubricant can be prevented, and a highly reliable disk drive device can be provided. .
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view showing an example of a motor provided with a fluid dynamic bearing according to the present invention.
FIG. 2 is a sectional view showing a fluid dynamic pressure bearing of the motor of FIG. 1;
FIG. 3 is a plan view of the fluid dynamic pressure bearing of FIG. 2 as viewed from above.
FIG. 4 is a plan view showing a fluid dynamic bearing of another embodiment.
FIG. 5 is a sectional view schematically showing an example of a disk drive device provided with a motor according to the present invention.
[Explanation of symbols]
2
Claims (5)
前記静止部材と前記回転部材との互いに対向する面のうち、前記流体動圧軸受部に隣接する部位の少なくとも一方には、潤滑油が介在せず、潤滑油の流出を防止する撥油膜が形成され、
前記撥油膜が形成される部位は、前記流体動圧軸受部を構成する前記静止部材及び前記回転部材の軸受面より表面粗度が粗く形成されていることを特徴とする流体動圧軸受。A stationary member, a rotating member relatively rotatable with respect to the stationary member, and a rotating member formed in a gap between the stationary member and the rotating member, for holding lubricating oil interposed in the gap and for rotating the rotating member. A fluid dynamic pressure bearing portion rotatably supporting the
An oil-repellent film is formed on at least one of the opposing surfaces of the stationary member and the rotating member adjacent to the fluid dynamic bearing portion without lubricating oil interposed therebetween and preventing the outflow of lubricating oil. And
A fluid dynamic pressure bearing, wherein a portion where the oil-repellent film is formed is formed to have a surface roughness greater than that of a bearing surface of the stationary member and the rotating member constituting the fluid dynamic bearing portion.
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-
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