JP2004239297A - Controller for transmission - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、駆動力源の出力側に変速機およびトルク容量制御装置が設けられており、変速機の動力伝達状態を制御する第1の制御弁を有する変速機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ベルト式無段変速機の変速比を油圧により制御する変速制御装置が知られており、その変速制御装置の一例が下記の特許文献1に記載されている。この特許文献1においては、変速制御弁のハウジングに、軸方向に動作可能なスプールが嵌合されている。また、ハウジングには、ライン圧ポートと、入力プーリピストン圧ポートと、ドレーンポートとが設けられている。さらに、スプールを軸方向に押圧するスプリングが設けられている。さらにまた、スプールをスプリングとは逆方向に押圧する変速制御弁用ソレノイドが設けられている。
【0003】
そして、変速制御弁用ソレノイドからスプールに作用する推力を徐々に低下させていくと、入力プーリピストン圧ポートとドレーンポートとの連通面積が増加する。これにより、入力プーリピストン室の作動油が排出されて、入力プーリのシーブ間が拡張されて、入力プーリでのベルト走行径が小さくなる。これにともない、出力シーブではシーブ間が狭まり、ベルト走行径が大きくなり、すなわち、出力プーリでの減速比が増加する。
【0004】
これに対して、変速制御弁用ソレノイドの推力を徐々に増加させていくと、入力プーリピストン圧ポートとライン圧ポートとの連通面積が増加していく。これにより、入力プーリピストン室へ作動油が供給されて入力プーリのシーブ間が狭まり、入力プーリでのベルト走行径が大きくなる。これにともない、出力プーリではシーブ間が拡張され、ベルト走行径が小さくなり、すなわち、減速比が減少する。
【0005】
そして、変速制御弁用ソレノイドが非作動状態または最大動作状態となった場合は、入力プーリピストン圧ポートをライン圧ポートおよびドレーンポートから遮断し、入力プーリピストン室に作動油を閉じこめるようにしている。このように、入力プーリピストン圧がシールから漏れることに応じて、減速比が緩やかに大きくなる方向に変速することにより、急激な変速を防止できるとされている。なお、変速制御用ソレノイドの作動不良時に生じる急激な変速を回避する技術は、特許文献1の他に、下記の特許文献2にも記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−1789049号公報(特許請求の範囲、段落番号0008ないし段落番号0012、図1および図2)
【特許文献2】
特開2001−280455号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の特許文献1においては、変速制御弁用ソレノイドの作動不良時に、入力プーリピストン室に作動油が閉じこめられるため、変速制御性に劣っていた。そこで、変速制御性を向上させるため、変速制御弁用ソレノイドの作動不良時に、別の油圧制御弁の油圧を変速制御用ソレノイドに伝達して、変速制御用ソレノイドを作動させることも考えられる。しかしながら、別の油圧制御弁から変速制御用ソレノイドに至る油路が、他のトルク容量制御装置を制御するトルク容量制御弁に接続されている場合は、別の油圧制御弁の油圧を変速制御用ソレノイドに伝達することにともない、トルク容量制御弁の出力油圧が変化して、トルク容量制御装置のトルク容量が変化するという問題があった。すなわち、別の油圧制御弁を利用する場合に、車両の挙動が急激に変化する可能性があり、改善の余地があった。
【0008】
この発明は、上記の事情を背景にしてなされたものであり、変速機の動力伝達状態を制御する第1の制御弁の機能が低下する場合の対策として、他の制御弁を用いる構成であることに起因して、車両の挙動が急激に変化することを抑制できる変速機の制御装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、駆動力源の出力側に変速機およびトルク容量制御装置が設けられており、前記変速機の動力伝達状態を制御する第1の制御弁を有する変速機の制御装置において、前記トルク容量制御装置のトルク容量を制御する第2の制御弁が設けられており、前記第1の制御弁の機能が低下した場合に、第3の制御弁から出力されるオイルが所定の油路を経由して前記第1の制御弁に供給されて、この第1の制御弁の機能の低下を抑制するように構成されているとともに、前記所定の油路には前記第2の制御弁が接続されており、前記第1の制御弁の機能を判断する機能判断手段と、前記トルク容量制御装置のトルク容量を判断するトルク容量判断手段と、前記第3の制御弁から出力されるオイルを、前記所定の油路を経由させて前記第1の制御弁に供給する時期を、前記トルク容量判断手段の判断結果に基づいて選択する時期選択手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項1の発明によれば、変速機の動力伝達状態が第1の制御弁により制御されるとともに、第1の制御弁の機能が低下して、第3の制御弁から出るオイルを、所定の油路を経由させて第1の制御弁に供給する場合は、第3の制御弁から出るオイル第1の制御弁に供給する時期が、トルク容量制御装置のトルク容量に基づいて判断される。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、前記トルク容量制御装置には、流体伝動装置と並列に配置されたロックアップクラッチが含まれていることを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、第3の制御弁から出るオイルを第1の制御弁に供給する時期が、ロックアップクラッチのトルク容量に基づいて選択される。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2の構成に加えて、前記トルク容量判断手段は、前記ロックアップクラッチのトルク容量の低下が完了したか否かを判断する機能を更に有しており、前記時期判断手段は、前記ロックアップクラッチのトルク容量の低下が完了した後に、前記第3の制御弁から出るオイルを、前記所定の油路を経由させて前記第1の制御弁に供給する機能を、更に備えていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様の作用が生じる他に、ロックアップクラッチのトルク容量の低下が完了した後に、第3の制御弁から出るオイルが第1の制御弁に供給される。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1の構成に加えて、前記トルク容量制御装置には、前記駆動力源を搭載した車両の走行方向を切り換える前後進切換装置が含まれていることを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、第3の制御弁から出るオイルを第1の制御弁に供給する時期が、前後進切換装置のトルク容量に基づいて選択される。
【0017】
請求項5の発明は、請求項4の構成に加えて、前記トルク容量判断手段は、前記前後進切換装置のトルク容量の上昇が完了したか否かを判断する機能を更に有しており、前記時期選択手段は、前記前後進切換装置のトルク容量の上昇が完了した後に、前記第3の制御弁から出力されるオイルを、前記所定の油路を経由させて前記第1の制御弁に供給する機能を、更に備えていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明と同様の作用が生じる他に、前後進切換装置のトルク容量の上昇が完了した後に、第3の制御弁から出るオイルが第1の制御弁に供給される。
【0019】
請求項6の発明は、駆動力源の出力側にトルク容量制御装置を介して変速機が設けられており、前記変速機の動力伝達状態を制御する第1の制御弁と、前記トルク容量制御装置のトルク容量のトルク容量を制御する第2の制御弁とを有する変速機の制御装置において、前記第1の制御弁と第3の制御弁とを接続し、かつ、前記第2の制御弁を経由する油路が設けられており、第4の制御弁から前記第2の制御弁に供給される油圧を、前記駆動力源のトルクに基づいて制御することにより、前記トルク容量制御装置のトルク容量を制御するトルク容量制御手段と、前記第1の制御弁の機能が低下した場合に前記油路を開放し、かつ、前記第3の制御弁から前記油路を経由して前記第1の制御弁に作用する油圧を制御することにより、前記第1の制御弁を経由して前記変速機に供給されるオイル量、および前記変速機から前記第1の制御弁を経由して排出されるオイル量を調整するオイル量調整手段と、前記第3の制御弁の機能を判断する機能判断手段と、この機能判断手段の判断結果に基づいて、前記第4の制御弁から前記第2の制御弁に供給される油圧を、前記油路が前記第2の制御弁で遮断される油圧、または油路が前記第2の制御弁で連通される油圧のいずれにするかを選択する油圧選択手段とを有することを特徴とするものである。
【0020】
請求項6の発明によれば、変速機の動力伝達状態が第1の制御弁により制御され、トルク容量制御装置のトルク容量のトルク容量が第2の制御弁により制御される。また、第3の制御弁と第1の制御弁とを接続する油路が、第2の制御弁で連通されている場合は、第3の制御弁から油路を経由して第1の制御弁に作用する油圧を制御することにより、第1の制御弁を経由して変速機に供給されるオイル量、および変速機から前記第1の制御弁を経由して排出されるオイル量が調整されて、変速機の動力伝達状態が制御される。また、第3の制御弁の機能が判断され、この判断結果に基づいて、油路が遮断または開放される。
【0021】
請求項7の発明は、請求項6の構成に加えて、前記機能判断手段は、前記駆動力源から前記トルク容量制御装置に伝達されるトルクが所定値を越えているか否かを判断する機能を更に有しており、前記油圧選択手段は、前記駆動力源から前記トルク容量制御装置に伝達されるトルク容量が所定値を越えており、かつ、前記第3の制御弁の機能が低下している場合は、前記駆動力源から前記トルク容量制御装置に伝達されるトルク容量を所定値以下に制御する機能と、前記第4の制御弁から前記第2の制御弁に供給される油圧として、前記油路が前記第2の制御弁で遮断される油圧を選択する機能とを、更に有していることを特徴とするものである。
【0022】
請求項7の発明によれば、請求項6の発明と同様の作用が生じる他に、駆動力源の出力トルクが所定値以上であり、かつ、第3の制御弁の機能が低下している場合は、駆動力源の出力トルクが低下され、かつ、第3の制御弁と第1の制御弁とを接続する油路が遮断される。
【0023】
請求項8の発明は、駆動力源の出力側に変速機が連結されており、この変速機の動力伝達状態を制御する第1の制御弁を有する変速機の制御装置において、所定の制御対象に供給されるオイルの状態を制御する第2の制御弁と、この第2の制御弁の動作を制御する第3の制御弁と、第2の制御弁の動作により連通・遮断され、第4の制御弁の出力油圧を前記第1の制御弁に伝達する油路とが設けられているとともに、前記第3の制御弁の機能を判断する機能判断手段と、この機能判断手段の判断結果に基づいて、前記第4の制御弁出力油圧を制御する油圧制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0024】
請求項9の発明は、請求項8の構成に加えて、前記駆動力源の出力側にトルク容量制御装置が設けられており、前記第4の制御弁の出力油圧に応じて動作し、かつ、前記トルク容量制御装置のトルク容量を制御する第5の制御弁が設けられており、前記油圧制御手段は、前記第5の制御弁により前記トルク容量制御装置のトルク容量が増加される制御が実行されることを禁止するように、前記第4の制御弁の出力油圧を制御する機能を、更に備えていることを特徴とするものである。
【0025】
請求項8または9の発明によれば、第3の制御弁の機能に基づいて、第4の制御弁の出力油圧が制御される。このため、第1の制御弁の機能が低下していない場合に、第3の制御弁の機能が低下して第2の制御弁が動作し、第4の制御弁から第1の制御弁に至る油路が連通された場合でも、第4の制御弁の出力油圧が第1の制御弁に伝達されることが抑制される。
【0026】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。図2には、この発明の制御装置の対象となる車両Veのパワートレーンおよび制御系統の一例が、模式的に示されている。ここに示すパワートレーンにおいては、駆動力源1のトルクが、流体伝動装置9および前後進切換装置8を介してベルト式無段変速機4に伝達されるように構成されている。駆動力源1としては、エンジンまたは電動機のうちの少なくとも一方を用いることができる。このエンジンとしては、例えば、内燃機関、具体的には、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどを用いることができる。以下、駆動力源1としてガソリンエンジンを用いる場合について説明し、便宜上、駆動力源1を“エンジン1”と記す。このエンジン1の吸気管(図示せず)には、電子スロットルバルブ(図示せず)が設けられているとともに、エンジン1はクランクシャフト70を有している。
【0027】
このクランクシャフト70に連結される流体伝動装置9として、図2の実施例ではトルクコンバータが用いられている。以下、流体伝動装置9を“トルクコンバータ9”と記す。このトルクコンバータ9は、ポンプインペラ11とタービンランナ12とを有している。フロントカバー10には円筒部71が連続されており、円筒部71であって、フロントカバー10とは反対側の端部に、ポンプインペラ11が形成されている。タービンランナ12は円筒部71の内部に配置されており、ポンプインペラ11とタービンランナ12とが対向して設けられている。タービンランナ12はシャフト50と一体回転するように連結されている。これらのポンプインペラ11とタービンランナ12とには、多数のブレード(図示せず)が設けられており、ポンプインペラ11とタービンランナ12との間で、流体の運動エネルギにより動力伝達がおこなわれる。
【0028】
また、ポンプインペラ11とタービンランナ12との内周側の部分には、タービンランナ12から送り出されたフルードの流動方向を選択的に変化させてポンプインペラ11に流入させるステータ13が配置されている。このステータ13は、一方向クラッチ14を介して、所定の固定部(ケーシング)15に連結されている。
【0029】
このトルクコンバータ9は、ロックアップクラッチ16を備えている。ロックアップクラッチ16は、円筒部71の内部に設けられており、フロントカバー10からシャフト50に至る動力伝達経路に対して並列に配置されたものである。また、円筒部71の内部には第1の油圧室72と第2の油圧室73とが形成されている。ロックアップクラッチ16は、シャフト50と一体回転するように取り付けられているとともに、シャフト50の軸線方向に移動可能に構成されている。そして、第1の油圧室72の油圧と、第2の油圧室73の油圧との対応関係に基づいて、シャフト50の軸線方向におけるロックアップクラッチ16の動作が制御される。さらにまた、第1の油圧室72および第2の油圧室73に供給される作動流体の圧力を制御する油圧制御装置59が設けられている。
【0030】
前後進切換装置8は、エンジン1の回転方向が一方向に限られていることに伴って採用されている機構であって、前後進切換装置8は、シャフト50の回転方向に対するプライマリシャフト51の回転方向を切り換える機能を備えている。図2に示す例では、前後進切換装置8としてダブルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。すなわち、シャフト50と一体回転するサンギヤ17と、サンギヤ17と同心状に配置されたリングギヤ18とが設けられ、これらのサンギヤ17とリングギヤ18との間に、サンギヤ17に噛合したピニオンギヤ19と、ピニオンギヤ19およびリングギヤ18に噛合した他のピニオンギヤ20とが配置され、ピニオンギヤ19,20がキャリヤ21によって、自転かつ公転自在に保持されている。
【0031】
さらに、サンギヤ17およびシャフト50と、キャリヤ21とを一体回転可能に連結する前進用クラッチ22が設けられている。またリングギヤ18を選択的に固定することにより、シャフト50の回転方向に対するプライマリシャフト51の回転方向を反転する後進用ブレーキ23が設けられている。上記前進用クラッチ22および後進用ブレーキ23の係合・解放は、油圧制御装置59により制御される。なお、プライマリシャフト51とキャリヤ21とが一体回転するように連結されている。
【0032】
前記ベルト式無段変速機4は、互いに平行に配置されたプライマリプーリ24とセカンダリプーリ25とを有する。まず、プライマリプーリ24は、プライマリシャフト51と一体回転するように構成されており、プライマリプーリ24は、固定シーブ52と可動シーブ53とを有している。そして、可動シーブ53を、プライマリシャフト51の軸線方向に動作させる油圧式のアクチュエータ26が設けられている。
【0033】
これに対して、セカンダリプーリ25は、セカンダリシャフト55と一体回転するように構成されており、セカンダリプーリ25は、固定シーブ54と可動シーブ56とを有している。さらに、可動シーブ56をセカンダリシャフト55の軸線方向に動作させる油圧式のアクチュエータ27が設けられている。さらに、プライマリプーリ24およびセカンダリプーリ25には環状のベルト28が巻き掛けられている。さらに、上記アクチュエータ26の油圧室(後述)およびアクチュエータ27の油圧室(後述)に作用する油圧は、油圧制御装置59により制御される。なお、セカンダリシャフト55には歯車伝動装置29を経由してデファレンシャル6が連結されており、デファレンシャル6には車輪2が連結されている。
【0034】
つぎに、図2に示された車両Veの制御系統を説明する。まず、電子制御装置(ECU)34が設けられており、この電子制御装置34は、演算処理装置(CPUまたはMPU)と、記憶装置(RAMおよびROM)と、入出力インターフェースとを有するマイクロコンピュータにより構成されている。この電子制御装置34には、エンジン回転速度センサ30の信号、タービンランナ12の回転速度を検出するタービン回転速度センサ31の信号、プライマリシャフト51の回転速度を検出する入力回転速度センサ32の信号、セカンダリシャフト55の回転速度を検出する出力回転速度センサ33の信号、加速要求(アクセル開度)検知センサ57の信号、制動要求検知センサ58の信号、シフトポジションセンサ60の信号、作動流体の温度を検知する温度検知センサ74の信号、油圧制御装置59の機能を検知する信号などが入力される。この電子制御装置34からは、エンジン1を制御する信号、油圧制御装置59を制御する信号、ベルト式無段変速機4を制御する信号、ロックアップクラッチ16を制御する信号、前後進切換装置8を制御する信号などが出力される。ここで、エンジン1を制御する信号には、エンジン1の電子スロットルバルブの開度を制御する信号が含まれる。
【0035】
上記のように構成された車両Veにおいて、エンジン1から出力されたトルクは、トルクコンバータ9、前後進切換装置8、ベルト式無段変速機4を経由して車輪2に伝達される。ここで、ロックアップクラッチ16の制御について説明する。上記のトルク伝達時に、第1の油圧室72の油圧が低圧に制御されて、ロックアップクラッチ16が解放されている場合は、ポンプインペラ11とタービンランナ12との間で、流体の運動エネルギにより動力伝達がおこなわれる。したがって、エンジン1の爆発振動によるトルク変動が、車輪2に伝達されることを抑制できる。また、ポンプインペラ11とタービンランナ12との速度比が所定値である場合は、トルクコンバータ9によるトルクの増幅がおこなわれる。
【0036】
これに対して、第1の油圧室72の油圧が高められた場合について説明する。まず、ロックアップクラッチ16の伝達トルク容量が所定値以下である場合、例えば、ロックアップクラッチ16の伝達トルク容量が、クランクシャフト70からシャフト50に伝達されるトルクよりも低い場合は、ロックアップクラッチ16がスリップ状態となる。すなわち、フロントカバー10とシャフト50とが相対回転する。このとき、クランクシャフト70の動力は、流体の運動エネルギおよびロックアップクラッチ16の摩擦力の両方により、シャフト50に伝達される。
【0037】
さらに、ロックアップクラッチ16の伝達トルク容量が所定値を越えた場合、例えば、ロックアップクラッチ16の伝達トルク容量が、クランクシャフト70からシャフト50に伝達されるトルク以上である場合は、ロックアップクラッチ16が完全係合される。すなわち、フロントカバー10とシャフト50との間で、ロックアップクラッチ16の摩擦力により動力伝達がおこなわれて、フロントカバー10とシャフト50とが一体回転する。したがって、動力の伝達効率が一層向上する。つまり、ロックアップクラッチ16のトルク容量が大きくなると、ロックアップクラッチ16が完全係合され、ロックアップクラッチ16のトルク容量が小さくなると、ロックアップクラッチ16がスリップ状態となり、ロックアップクラッチ16のトルク容量が零になったときに、ロックアップクラッチ16が完全解放される。言い換えれば、ロックアップクラッチ16の係合圧が高まると、ロックアップクラッチ16が完全係合され、ロックアップクラッチ16の係合圧が低くなると、ロックアップクラッチ16がスリップ状態となり、ロックアップクラッチ16の係合圧が、更に低下したときに、ロックアップクラッチ16が完全解放される。
【0038】
このようにロックアップクラッチ16の伝達トルク容量(言い換えれば、係合油圧、係合圧、係合状態)を制御して、ロックアップクラッチ16を解放(具体的には完全解放)またはスリップまたは係合(具体的には完全係合)するため、電子制御装置34にはロックアップクラッチ制御マップが記憶されている。このロックアップクラッチ制御マップは、車速、アクセル開度などに基づいて、ロックアップクラッチ係合領域、ロックアップクラッチスリップ領域、ロックアップクラッチ解放領域を定めている。ロックアップクラッチ16をスリップさせる場合は、実際のスリップ回転速度、具体的には、クランクシャフト70の回転速度と、タービンランナ12の回転速度との差を、目標スリップ回転速度に近づけるように、フィードバック制御が実行される。
【0039】
つぎに、前後進切換装置8の制御について説明する。前記シフトポジションセンサ60により、前進ポジション、例えば、D(ドライブ;走行)ポジションが検知された場合は、前後進切換装置8の前進用クラッチ22が係合され、かつ、後進用ブレーキ23が解放される。すると、シャフト50とキャリヤ21とが一体回転し、シャフト50のトルクがプライマリシャフト51に伝達されるとともに、プライマリシャフト51のトルクが車輪2に伝達されて、車両Veを前進させる向きの駆動力が発生する。このとき、シャフト50およびプライマリシャフト51が同方向に回転する。
【0040】
これに対して、シフトポジションセンサ60により、後進ポジションが検知された場合は、前進用クラッチ22が解放され、かつ、後進用ブレーキ23が係合される。すると、エンジントルクがサンギヤ17に伝達された場合は、リングギヤ18が反力要素となって、サンギヤ17のトルクがキャリヤ21を経由してプライマリシャフト51に伝達される。プライマリシャフト51のトルクが車輪2に伝達されると、車両Veを後進させる向きの駆動力が発生する。この場合、シャフト50とプライマリシャフト51とは逆方向に回転する。
【0041】
つぎに、ベルト式無段変速機4の制御を説明する。前記のように、エンジントルクがプライマリシャフト51に伝達されるとともに、電子制御装置34に入力される各種の信号、および電子制御装置34に予め記憶されているデータに基づいて、ベルト式無段変速機4の変速比およびトルク容量が制御される。すなわち、プライマリシャフト51の軸線方向における可動シーブ53の位置が制御されて、プライマリプーリ24の溝幅が調整される。すると、プライマリプーリ24に対するベルト28の巻掛け半径が連続的に変化し、変速比が無段階に変化する。また、セカンダリシャフト55の軸線方向における可動シーブ56の位置が制御されて、ベルト28に対するセカンダリプーリ25の挟圧力が調整される。このようにして、プライマリプーリ24とセカンダリプーリ25との間で、ベルト28を経由して伝達されるトルクの容量が制御される。
【0042】
つぎに、前記油圧制御装置59の一部を構成する油圧回路を、図3ないし図5に基づいて説明する。図3ないし図5に示す油圧回路において、丸で囲まれた数字が付された油路同士が接続されていることを意味する。まず、オイルパン80のオイルが、ストレーナ81を経由して2つのオイルポンプ82,83の吸込口84,85に吸い込まれるように構成されている。このオイルポンプ82,83は回転装置により駆動される。回転装置として、駆動力源としての機能を有するエンジン1または電動機のうちの少なくとも一方を用いることができる。また、回転装置として、駆動力源としての機能がない電動機を用いることもできる。
【0043】
前記オイルポンプ82の吐出口86には油路87が接続されている。他方のオイルポンプ83の吐出口88には油路89を介して油路87が接続されている。油路89にはチェックバルブ90が設けられており、油路87と油路89との圧力差に基づいて、チェックバルブ90が開閉されて、油路89から油路87に供給されるオイル量が調整される。つまり、オイルポンプ82,83のうち、少なくとも一方のオイルポンプから吐出されたオイルが油路87に供給される。
【0044】
前記油路87はプライマリレギュレータバルブ91に接続されている。このプライマリレギュレータバルブ91は、図3の上下方向に動作可能なスプール92と、スプール92に形成されたランド部93,94,95と、スプール92を図3において下向きに押圧するスプリング96とを有している。また、プライマリレギュレータバルブ91はポート99ないしポート101を有しており、ポート97と油路87とが接続されている。また、スプール92の動作により、ポート97とポート98とを接続する通路の連通面積が調整される構成となっている。なお、油路87はポート100に接続されている。
【0045】
ポート98には油路102が接続されており、油路102は、図4に示すクラッチロックバルブ103に接続されている。このクラッチロックバルブ103は、図4において上下方向に動作可能なスプール104,104Aと、スプール104を図4において上向きに押圧するスプリング105と、スプール104Aを図4において上向きに押圧するスプリング105Aとを有している。なお、スプール104とスプール104Aとは上下方向に相対移動可能である。さらにクラッチロックバルブ103は、ポート106ないしポート113、ポート162を有している。
【0046】
さらにまた、スプール104にはランド部114,115が形成されており、スプール104Aにはランド部116が形成されている。そして、スプール104の動作により、ポート106またはポート107と、ポート108とが選択的に連通・遮断される。また、スプール104Aの動作により、ポート112とポート111またはポート113とが選択的に連通・遮断される。なお、ポート109は前記油路102に接続され、ポート113はオイルパン80に接続されている。
【0047】
また、クラッチロックバルブ103のポート108は油路130に接続され、油路130は、図5に示すマニュアルバルブ117に接続されている。マニュアルバルブ117は、選択されるシフトポジションに基づいて、図5の上下方向に動作するスプール118を有している。この実施例では、P(パーキング)ポジション、R(リバース;後進)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、Dポジション、L(ロー)ポジションに対応してスプール118が動作可能である。
【0048】
さらにマニュアルバルブ117は、ポート119ないしポート124とを有してり、ポート119と油路130とが接続されている。また、ポート121とラインプレッシャモジュレータバルブ131のポート241とが、油路242,243により接続されている。さらにスプール118にはランド部125ないしランド部127が形成されている。そして、ポート120には油路128を介して油圧室C1が接続されている。この油圧室C1は前進用クラッチ22のトルク容量(係合圧)を制御する油圧室である。また、ポート122には油路129を経由して油圧室B1が接続されている。この油圧室B1は後進用ブレーキ23のトルク容量を制御する油圧室である。
【0049】
一方、図3に示すように、前記油路87にはラインプレッシャモジュレータバルブ131が接続されている。このラインプレッシャモジュレータバルブ131は、図3において上下方向に動作可能なスプール132と、スプール132を図3において下向きに押圧するスプリング133とを有している。また、スプール132にはランド部134,135が形成されているとともに、ラインプレッシャモジュレータバルブ131はポート136ないしポート137、ポート139、ポート241を有している。そして、ポート136と油路87とが接続されているとともに、スプール132の動作に応じて、ポート136とポート137とを接続する通路の連通面積が調整される。
【0050】
またポート137には油路138が接続されており、油路138とクラッチロックバルブ103のポート106とが接続されている。さらに油路138にはクラッチコントロールバルブ140が接続されている。クラッチコントロールバルブ140は、図3において上下方向に動作可能なスプール141と、スプール141を図3において下向きに押圧するスプリング142とを有している。スプール141はランド部143ないしランド部145を有している。
【0051】
さらにクラッチコントロールバルブ140は、ポート146ないしポート149を有している。ポート146と油路138とが接続されている。そしてスプール141の動作に応じて、ポート146とポート147とを接続する通路の連通面積が調整される。さらにクラッチコントロールバルブ140のポート147と、クラッチロックバルブ103のポート107とが、油路150により接続されている。また、クラッチコントロールバルブ140のポート148と、図5に示すマニュアルバルブ117のポート123,124とが、油路151により接続されている。
【0052】
一方、前記油路138には、図4に示す油路152が接続されており、この油路152はリニアソレノイドバルブSLSに接続されている。このリニアソレノイドバルブSLSは、電磁コイル153と、図4において上下方向に動作可能なスプール154と、スプール154に形成されたランド部155,156と、ポート157,158,159,160Aと、スプール154を図4において上向きに押圧するスプリング160とを有している。そして、油路152のオイルがポート157に流れ込むように構成されている。
【0053】
このリニアソレノイドバルブSLSにおいては、電磁コイル153への通電により発生する磁気吸引力、およびポート159の油圧に対応する押圧力と、スプリング160の押圧力との対応関係に基づいて、スプール154の動作が制御され、ポート157またはポート160Aと、ポート158とを接続する通路の連通面積を調整できる。具体的には、電磁コイル153への通電電流と、ポート158の出力油圧との関係を比例制御することが可能である。なお、リニアソレノイドバルブSLSは、電磁コイル153への通電がおこなわれていない場合は、スプリング160の押圧力でスプール154が動作して、ポート157とポート158との間の通路が全開となる形式のリニアソレノイドバルブ、いわゆる、ノーマルオープン形式のリニアソレノイドバルブである。
【0054】
さらに、ポート158には油路161が接続されており、油路161はポート159に接続されている。また、油路161にはアキュムレータ162Aが設けられているとともに、油路161は、クラッチロックバルブ103のポート162にも接続されている。さらに、油路161には油路163が接続されており、油路163は、プライマリレギュレータバルブ91のポート101、およびクラッチコントロールバルブ140のポート149に接続されている。
【0055】
さらに油路161には油路164が接続されており、油路164には、図5に示すロックアップリレーバルブ165が接続されている。ロックアップリレーバルブ165は、図5において上下方向に動作可能なスプール166と、スプール66をした向きに押圧するスプリング166Aと、スプール166に形成されたランド部167,168,169と、ポート170ないしポート178とを有している。ポート178と油路164とが接続されている。また、ポート172には油路179が接続され、図4に示すように、油路179と油路102とが接続されている。また油路180と油路102との接続部分には油路180Aが接続されており、油路180Aとポート171とが接続されている。
【0056】
さらに図5に示すように、第1の油圧室72に連通するポート181が形成され、第2の油圧室73に連通するポート182が形成されている。そして、ポート181と、ロックアップリレーバルブ65のポート177とが油路183により接続され、ポート182と、ロックアップリレーバルブ65のポート176とが油路184により接続されている。
【0057】
一方、前記油路87には、図4に示すようにラインプレッシャモジュレータバルブ185が接続されている。ラインプレッシャモジュレータバルブ185は、図4において上下方向に動作可能なスプール186,187を有している。スプール187にはランド部188,189が形成されているとともに、スプール186とスプール187とは、図4において上下方向に相対移動可能である。また、スプール187にはランド部190,191,192が形成されている。
【0058】
さらにラインプレッシャモジュレータバルブ185は、ポート193ないしポート199,198Aを有している。さらにまた、ラインプレッシャモジュレータバルブ185は、スプール186を図4において下向きに押圧するスプリング201を有している。そして、ポート193と油路87とが接続され、ポート198と油路152とが接続され、ポート195と油路163とが接続され、ポート196と油路87とが接続されている。さらにポート194には油路199が接続されており、図5に示すように、油路199と、アクチュエータ27の油圧室200とが接続されている。また、油路199はポート197にも接続されている。前記ポート195,196の油圧に対応する押圧力、およびスプリング201による押圧力と、ポート197,198の油圧に対応する押圧力とがスプール186に逆向きに作用し、逆向きの押圧力同士の対応関係に基づいてスプール186が動作して、ポート193またはポート198Aと、ポート194との連通面積が調整される。
【0059】
また、前記油路87には、図5に示すようにリニアソレノイドバルブSLRが接続されている。リニアソレノイドバルブSLRは、電磁コイル202と、図5において上下方向に動作可能なスプール203と、スプール203に形成されたランド部204,205とを有している。リニアソレノイドバルブSLRは、さらにポート206ないしポート209と、スプール203を図5において下向きに押圧するスプリング210とを有している。そして、ポート206と油路87とが接続され、ポート207には油路211が接続されている。この油路211は、アクチュエータ26の油圧室212に接続されている。さらに、ポート208と、ロックアップリレーバルブ165のポート175とが油路213により接続されている。またポート209と、クラッチロックバルブ103のポート112とが油路214により接続されている。
【0060】
このリニアソレノイドバルブSLRにおいては、電磁コイル202への通電により、スプール203を図5において上向きに動作させるような磁気吸引力が生じる。そして、電磁コイル202への通電により発生する磁気吸引力、およびポート209の油圧に基づく押圧力と、スプリング210の押圧力との対応関係に基づいて、スプール203の動作が制御され、ポート206またはポート208と、ポート207とを選択的に接続・遮断することができる。このため、リニアソレノイドバルブSLRの機能が正常である場合は、電磁コイル202への通電電流と、ポート206から、ポート207を経由して油路211に供給されるオイル量との関係を、比例制御することが可能である。
【0061】
具体的には、このリニアソレノイドバルブSLRは、電磁コイル202に通電されず、かつ、ポート209が低圧である場合は、スプリング210によりスプール203が下向きに押圧されて、ポート206とポート207との間の通路が全開になり、油路211に供給されるオイル量が最大になるとともに、ポート207とポート208との間の通路が遮断される。そして、電磁コイルへ202への通電電流が増加するほど、油路211に供給されるオイル量が減少する。
【0062】
電磁コイル202への通電電流がさらに増加すると、ポート206とポート207との間の通路が遮断されるとともに、ポート207とポート208とが連通されて、油圧室212のオイルが、油路211、およびポート207,208を経由して油路213にドレーンされる。このように、リニアソレノイドバルブSLRは、電磁コイル202への通電がおこなわれていない場合に、ポート206とポート207との間の通路が全開となる形式のリニアソレノイドバルブ、いわゆる、ノーマルオープン形式のリニアソレノイドバルブである。
【0063】
前記油路152には、図4に示すようにデューティソレノイドバルブDSLが接続されている。このデューティソレノイドバルブDSLは、電磁コイル215と、ポート216,217とを有している。このポート216と油路152とが接続されている。また、ポート217と、クラッチロックバルブ103のポート110,111とが、油路218により接続されている。ポート110,111は、油路218に対して相互に並列に接続されている。なお、油路218は、図5に示すように、ロックアップリレーバルブ165のポート170に接続されている。
【0064】
このデューティソレノイドバルブDSLは、電磁コイル215への通電(オン)と非通電(オフ)とを交互に繰り返すとともに、オン時間の割合とオフ時間の割合とを、零%ないし100%の範囲で任意に制御可能である。このデューティソレノイドバルブDSLは、電磁コイル215への通電がオフされている場合に、ポート216とポート217とが連通し、電磁コイル215への通電がオンされている場合に、ポート216とポート217とが遮断される、いわゆるノーマルクローズ形式のソレノイドバルブである。
【0065】
さらに油路152には、図4に示すようにリニアソレノイドバルブSLUが接続されている。このリニアソレノイドバルブSLUは、電磁コイル219と、図4において上下方向に動作可能なスプール220と、スプール220に形成されたランド部221,222,223と、ポート224,225,226,227とを有している。また、スプール220を図4において上向きに押圧するスプリング228とを有している。そして、油路152とポート225とが接続されている。
【0066】
このリニアソレノイドバルブSLUにおいては、電磁コイル219への通電により発生する磁気吸引力と、スプリング228の押圧力との対応関係に基づいて、スプール220の動作が制御され、ポート224とポート225またはポート227との接続・遮断が選択的に切り換えられるとともに、ポート224とポート225またはポート227とを接続する通路の連通面積を調整できる。具体的には、電磁コイル219への通電電流と、ポート224の出力油圧との関係を比例制御することが可能である。
【0067】
このリニアソレノイドバルブSLUは、電磁コイル219への通電がおこなわれていない場合(オフ)は、スプリング228によりスプール220が図4において上向きに押圧されて、ポート225とポート224との間の通路が全開となる形式のリニアソレノイドバルブ、いわゆる、ノーマルオープン形式のリニアソレノイドバルブである。すなわち、電磁コイル219への通電がオフされている場合は、ポート224の出力油圧が最大となり、電流値が増加するほど、スプール220が図4において下向きに動作して、ポート224の出力油圧が低下する特性となる。
【0068】
上記ポート224には油路229を介してロックアップコントロールバルブ230が接続されている。ロックアップコントロールバルブ230は、図4において上下方向に動作可能なスプール231を有している。このスプール231にはランド部232,233,234が形成されている。さらに、スプール231を図4において下向きに押圧するスプリング235が設けられている。さらにまた、ロックアップコントロールバルブ230は、ポート236,237,238,239を有している。そして、ポート236,238と、図5に示すロックアップリレーバルブ165のポート173とが、油路240により接続されている。またポート237と油路152とが接続されている。
【0069】
さらに、図3に示す油路89に接続されているセカンダリレギュレータバルブ244について説明する。セカンダリレギュレータバルブ244は、図3において上下方向に動作するスプール245を有し、スプール245にはランド部246ないしランド部251が形成されている。また、スプール245を図3において下向きに押圧するスプリング252が設けられている。さらに、セカンダリレギュレータバルブ244は、ポート253ないしポート259を有している。そして、ポート255と油路89とが接続され、ポート254と油路243とが接続されている。また、ポート257,259と油路180とが接続され、ポート256は、油路260を経由してオイルポンプ82の吸込口84およびオイルポンプ83の吸込口85に接続されている。さらにポート253は油路138に接続されている。
【0070】
つぎに、油圧制御装置59の機能を説明する。まず、油圧制御装置59が正常であれば、オイルパン80のオイルがオイルポンプ82により汲み上げられるとともに、オイルポンプ82の吐出口86から吐出されるオイルが油路87に供給される。また、オイルポンプ83が駆動された場合は、オイルポンプ83の吐出口から吐出されたオイルが油路89に供給される。ここで、油路89の油圧が油路87の油圧以下である場合は、チェックバルブ90が閉じられる。したがって、油路89のオイルは油路87には供給されない。これ対して、油路87の油圧よりも油路89の油圧の方が高い場合は、チェックバルブ90が開放される。したがって、油路89のオイルは油路87に供給される。
【0071】
油路87のオイルはプライマリレギュレータバルブ91のポート97,100に供給される。プライマリレギュレータバルブ91においては、スプリング96の弾性力により、スプール92が図3において下向きに押圧されており、油路97の油圧が所定値以下である場合は、ポート97とポート98とがランド部93により遮断される。したがって、油路87のオイルは油路102には排出されず、油路87の油圧が上昇する。
【0072】
油路87の油圧の上昇により、ポート100の油圧が高まると、スプール92がスプリング96の押圧力に抗して図4で上向きに動作し、ポート97とポート98とが連通する。その結果、油路87のオイルが、ポート97,98を経由して油路102に排出されて、油路87の油圧が低下する。油路87の油圧が低下すると、ポート100の油圧が低下して、スプール92が、再び図3において下向きに動作する。このようにして、油路87の油圧が所定圧に調圧される。
【0073】
前記油路87のオイルは、ラインプレッシャモジュレータバルブ131のポート136にも供給されている。ラインプレッシャモジュレータバルブ131においては、スプリング133の弾性力により、スプール132が図3において下向きに押圧されている。このため、ポート136とポート137とが連通し、油路87のオイルが、ポート136,137を経由して油路138に供給される。油路138の油圧はポート139に作用しており、油路138の油圧が低い場合は、ポート136とポート137とが連通している。
【0074】
ポート139の油圧が上昇すると、スプリング133の押圧力に抗してスプール132が図3において上向きに動作し、ポート136とポート137との連通面積が狭められて、油路138の油圧の上昇が抑制される。油路138の油圧が低下すると、スプリング133の弾性力により、スプール132が再び図3において下向きに動作し、ポート136とポート137との連通面積が拡大される。
【0075】
このようにして、油路138の油圧は油路87の油圧以下に調圧(減圧)される。この油路138の油圧は、クラッチロックバルブ103のポート106と、クラッチコントロールバルブ140のポート146と、リニアソレノイドバルブSLSのポート157と、デューティソレノイドバルブDSLのポート216と、ラインプレッシャモジュレータバルブ185のポート198に作用する。
【0076】
また、リニアソレノイドバルブSLSへの通電電流が増加されて、スプール154がスプリングの弾性力に抗して下向きに動作し、ポート157とポート158との連通面積が狭められる。このようにして、ポート157からポート158を経由して油路161,163に供給されるオイルの油圧が最大圧未満に制御される。
【0077】
油路163の油圧が上昇すると、クラッチコントロールバルブ140のポート149の油圧が上昇して、スプール141が図3において上向きに動作し、ポート146とポート147との連通面積が拡大する。すると、油路150から、クラッチロックバルブ103のポート107に作用する油圧が上昇する。このクラッチロックバルブ103のポート109には、プライマリレギュレータバルブ91のポート98に接続された油路102の油圧が作用している。ここで、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧が、低圧または高圧に制御される場合を説明する。
【0078】
例えば、クラッチモードが選択された場合に、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧が低圧に制御される。このクラッチモードは、車速およびアクセル開度が、ロックアップクラッチ解放領域にある場合に選択されるモードである。なお、このクラッチモードが選択された場合は、デューティソレノイドバルブDSLの出力油圧は低圧に制御される。具体的には、デューティソレノイドバルブDSLの通電割合が零パーセントに制御される。
【0079】
このように、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧が低圧に制御された場合は、ポート162の油圧が低下するため、ポート109の油圧により、スプール104が図4において下向きに動作し、スプール104が、図4において右半分に示す位置(オフ位置)となる。
【0080】
すると、ポート107とポート108とが連通され、ポート106とポート108とが、ランド部114により遮断される。したがって、油路150のオイルが、ポート107,108および油路130を経由して、マニュアルバルブ117のポート119に供給される。ここで、シフトポジションとしてNポジションまたはPポジションが選択されている場合は、ポート119とポート120との間の通路が遮断され、かつ、ポート119とポート122との間の通路も遮断される。このため、油圧室C1のオイルは、油路128およびポート120,124を経由して油路151にドレーンされて、前進用クラッチ22が解放される。また、油圧室B1のオイルは、油路129からドレーンされて、後進用ブレーキ23が解放される。
【0081】
これに対して、DポジションまたはLポジションが選択された場合は、ポート119とポート120とが連通し、油路130のオイルが油路128を経由して油圧室C1に供給されて、油圧室C1の油圧が上昇する。その結果、前進用クラッチ22の係合圧が高められる。また、Rポジションが選択された場合は、ポート119とポート122とが連通されて、油路130のオイルが油路129を経由して油圧室B1に供給される。その結果、後進用ブレーキ23の係合圧が高められる。
【0082】
つぎに、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧が高圧に制御される場合を説明する。例えば、ベルトモードが選択された場合に、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧が高圧に制御される。このベルトモードは、車速およびアクセル開度が、ロックアップクラッチ係合領域またはロックアップクラッチスリップ領域にある場合に選択されるモードである。なお、このベルトモードが選択された場合は、デューティソレノイドバルブDSLの出力油圧は高圧、具体的には、デューティソレノイドバルブDSLの通電割合が100%に制御される。
【0083】
前記のように、クラッチモードからベルトモードに切り替えられると、クラッチロックバルブ103のスプール104が、図4において上向きに動作し、スプール104が、図4において左半分に示す位置(オン位置)へ移動する。スプール104がオン位置に移動すると、ポート106とポート108とが連通する一方、ポート107とポート108とが遮断される。このため、油路138のオイルが油路130を経由してマニュアルバルブ117に供給される。ここで、油路138の油圧は、油路150の油圧よりも高いため、ベルトモードが選択され、かつ、前進用クラッチ22または後進用ブレーキ23が係合される場合のトルク容量は、クラッッチモードが選択され、かつ、前進用クラッチ22または後進用ブレーキ23が係合される場合のトルク容量よりも高くなる。
【0084】
つぎに、ロックアップクラッチ16の制御について説明する。前記油路102のオイルは油路179を経由してロックアップリレーバルブ165のポート172に供給されている。一方、油路152のオイルはリニアソレノイドバルブSLUのポート225に供給されている。リニアソレノイドバルブSLUのポート225とポート224とが連通していると、油路152のオイルが油路229を経由してロックアップコントロールバルブ230のポート239に供給される。ポート239に作用する油圧が所定圧以上に高まると、スプリング235の弾性力に抗してスプール231が図4において上向きに動作する。すると、ポート237とポート238との連通面積が拡大し、油路152および油路240を経由してロックアップリレーバルブ165のポート173に供給されるオイルの油圧が高められる。
【0085】
ところで、油路152のオイルは、デューティソレノイドバルブDSLのポート216に供給されているとともに、ロックアップクラッチ制御マップに基づいて、デューティソレノイドバルブDSLのポート217の出力油圧が制御される。具体的には、車速およびアクセル開度が、ロックアップクラッチの解放領域にある場合は、デューティソレノイドバルブDSLの出力油圧が低圧に制御される。これに対して、車速およびアクセル開度が、ロックアップクラッチの係合領域またはスリップ領域にある場合は、デューティソレノイドバルブDSLの出力油圧が高圧に制御される。
【0086】
前述のように各種のソレノイドバルブの機能が正常である場合、またはエンジントルクが所定値以下である場合などにおいては、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧が低く制御され、クラッチロックバルブ103のポート162の油圧は低い。したがって、クラッチロックバルブ103のスプール104が図4において右半分に示す位置(オフ位置)にあり、ポート111とポート112とがランド部116により遮断されている。このため、油路218の油圧は高くなり、ロックアップリレーバルブ165のポート170の油圧が高くなる。
【0087】
このため、ロックアップリレーバルブ165のスプール166が、図5において上向きに動作し、スプール166が図5において左半分に示す位置(オン位置)に移動する。すると、ロックアップリレーバルブ165のポート172とポート177とが連通し、かつ、ポート173とポート176とが連通する。そして、油路179のオイルが油路183を経由して第1の油圧室72に供給される。また、油路240のオイルが油路184を経由して第2の油圧室73に供給される。ここで、油路240の油圧よりも、油路179の油圧の方が高いため、ロックアップクラッチ16が完全係合される。なお、リニアソレノイドバルブSLUへの通電電流値を制御することにより、リニアソレノイドバルブSLUから、ロックアップコントロールバルブ230のポート239に伝達される油圧を制御することにより、第1の油圧室72と第2の油圧室73との圧力差を調整すれば、ロックアップクラッチ16をスリップさせることができる。
【0088】
これに対して、デューティソレノイドバルブDSLから、ロックアップリレーバルブ165のポート170に伝達される油圧を低下させると、ロックアップリレーバルブ165のスプール166が図5において下向きに動作し、スプール166が図5で右半分に示す位置(オフ位置)に移動する。すると、油路179と油路184とが連通し、油路180Aと油路183とが連通される。その結果、第2の油圧室73の油圧が上昇し、かつ、第1の油圧室72のオイルが、油路183を経由して油路180Aにドレーンされて、第1の油圧室72の油圧が低下する。したがって、ロックアップクラッチ16が解放される。
【0089】
つぎに、ベルト式無段変速機4の制御について説明する。まず、ベルト式無段変速機4の変速比の制御について説明する。プライマリレギュレータバルブ前記油路87のオイルはリニアソレノイドバルブSLRのポート206に供給されており、リニアソレノイドバルブSLRへの通電電流を制御することにより、油路87から油路211を経由して、プライマリプーリ24の油圧室212に供給されるオイル量が調整される。ここで、油圧室212の油圧が高められた場合は、プライマリプーリ24の溝幅が狭められて、変速比が小さくなる方向に変速(アップシフト)される。これに対して、油圧室212の油圧が低下された場合は、プライマリプーリ24の溝幅が広げられて、変速比が大きくなる方向に変速(ダウンシフト)される。
【0090】
つぎに、ベルト式無段変速機4のトルク容量の制御を説明する。前記油路87のオイルはラインプレッシャモジュレータバルブ185のポート193に供給されており、ポート195,196の油圧に対応する下向きの押圧力、およびスプリング201の下向きの押圧力と、ポート197,198の油圧に対応する上向きの押圧力との対応関係に応じてスプール187が動作し、ポート193とポート194との連通面積が調整されて、油路87から油路199に供給されるオイルの油圧が高められる一方、ポート194とポート198Aとの連通面積が調整されて、油路199から油路198Aにドレーンされるオイル量が調整される。このようにして、セカンダリプーリ25の油圧室200における油圧が調整され、油圧室200の油圧に応じてセカンダリプーリ25の溝幅が変化する。なお、ベルト28に加えられる挟圧力は、主としてリニアソレノイドバルブSLSからポート195に伝達される油圧により制御される。
【0091】
具体的には、ベルト式無段変速機4に入力されるトルク容量が増加する場合、または、ベルト式無段変速機4でダウンシフトを実行する場合は、セカンダリプーリ25の溝幅が狭められて、ベルト28に加えられる挟圧力が増加される。これに対して、ベルト式無段変速機4に入力されるトルク容量が低下する場合、または、ベルト式無段変速機4でアップシフトを実行する場合は、セカンダリプーリ25の溝幅が広げられて、ベルト28に加えられる挟圧力が低下する。
【0092】
なお、図3に示すセカンダリレギュレータバルブ244においては、ポート253,254,259の油圧、およびスプリング253の押圧力に応じてスプール254が動作することにより、ポート255とポート256との連通面積と、ポート257とポート256,258との連通面積とが調整されて、油路89,180,102の油圧が制御される。なお、油路180から油路260に排出されたオイルは、吸込口84,85に戻される。
【0093】
つぎに、油圧制御装置59の機能が低下した場合の制御を説明する。ここでは、リニアソレノイドバルブSLRの機能が低下した場合、より具体的には、リニアソレノイドバルブSLRに電力を供給するケーブルが断線した場合を説明する。なお、電磁コイル202自体が断線した場合でも同様である。前述のように、リニアソレノイドバルブSLRはノーマルクローズ形式のリニアソレノイドバルブであるため、リニアソレノイドバルブSLRに電力が供給されなくなるフェール、すなわち断線フェールが発生すると、スプール203の動作を制御することができなくなり、ベルト式無段変速機4の変速比を制御することが不可能となる。
【0094】
そこで、リニアソレノイドバルブSLRに電力を供給できなくなった場合は、リニアソレノイドバルブSLSに供給される電流値を最大に制御し、ポート158から油路161に供給されるオイルの油圧を最大圧とする。油路161の油圧が上昇すると、クラッチロックバルブ103ポート162の油圧が上昇し、スプール104が図4において上向きに動作する。その結果、スプール104が図4において左半分に示す位置で停止して、ポート111とポート112との連通面積が拡大する。
【0095】
ポート111とポート112との連通面積が拡大すると、油路218から油路214に供給されるオイル量が増加して、油路214の油圧が高まる。油路218から油路214に供給されるオイルの油圧は、デューティソレノイドバルブDSLのデューティ比に対応した油圧に制御される。このようにして、油路214からリニアソレノイドバルブSLRのポート209に作用する油圧を制御することにより、電磁コイル202への通電により生じる磁気吸引力の代わりに、スプール203を図5において上向きに押圧する力を生じるポート209の油圧を制御する。このように、リニアソレノイドバルブSLRに電力を供給できない場合でも、ベルト式無段変速機4の変速比を制御することができる。
【0096】
(第1の制御例)
前述のように、クラッチロックバルブ103から出力される油圧により前進用クラッチ22および後進用ブレーキ23のトルク容量が制御される。このため、リニアソレノイドバルブSLRがフェールして、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧を最大にするとともに、クラッチロックバルブ103のスプール104の動作が切り換わる時点で、前進用クラッチ22または後進用ブレーキ23のトルク容量が急激に変化して、駆動力の変化によるショックが発生する可能性がある。
【0097】
具体的に説明すると、リニアソレノイドバルブSLRに電力を供給できる場合は、油路150のオイルが、油路130を経由して油圧室C1または油圧室B1に供給される。これに対して、リニアソレノイドバルブSLRに電力を供給できなくなった場合は、油路138のオイルが、油路130を経由して油圧室C1または油圧室B1に供給される。ここで、油路138の油圧を減圧して、油路150の油圧が設定されているため、油路138の油圧よりも油路150の油圧の方が低い。そして、クラッチロックバルブ103のスプール104の動作にともない、油圧室C1または油圧室B1に供給されるオイルの油圧が急激に高まり、前進用クラッチ22または後進用ブレーキ23が急激に係合される可能性がある。
【0098】
一方、前述のように、デューティソレノイドバルブDSLの出力油圧は、ロックアップリレーバルブ165のポート170にも作用している。このため、リニアソレノイドバルブSLRがフェールして、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧を最大にするとともに、クラッチロックバルブ103のスプール103の動作が切り換わり、油路218から油路214に供給されるオイル量が増加すると、ポート170の油圧が急激に低下する。また、油路163に接続されている油路164の油圧も上昇し、ロックアップリレーバルブ165のポート178の油圧が上昇する。このような作用により、ロックアップリレーバルブ165のスプール166の動作が切り換わり、ロックアップクラッチ16のトルク容量が急激に変化して、駆動力の変化にともなうショックが発生する可能性がある。
【0099】
具体的には、ロックアップリレーバルブ165のスプール166が、図5において左半分に示す位置から右半分に示す位置に切り換わり、ポート177とポート171とが連通されて、油路183のオイルが油路180Aに排出される。このようにして、第1の油圧室72の油圧が低下し、ロックアップクラッチ16が急激に解放され、駆動力の変化にともなうショックを招く可能性がある。
【0100】
この第1の制御例は、リニアソレノイドバルブSLRのフェール時に実行される制御例であり、上記のような不都合に対処する制御例である。この第1の制御例を、図1のフローチャートに基づいて説明する。なお、この第1の制御例は、請求項1ないし請求項5の発明に対応する制御例である。
【0101】
まず、リニアソレノイドバルブSLRに電力を供給するケーブルが断線したか否かが判断される(ステップS1)。ステップS1で否定的に判断された場合は、この制御ルーチンを終了する。これに対して、ステップS1で肯定的に判断された場合は、デューティソレノイドバルブDSLのポート217から出力する油圧の必要値が算出される(ステップS2)。
【0102】
このステップS2では、つぎのような処理がおこなわれる。まず、リニアソレノイドバルブSLRが正常である時点で、リニアソレノイドバルブSLRに供給される電流の指示値に基づいて、その指示値に対応する電磁コイル202の磁気吸引力fslrを算出する。この磁気吸引力fslrは、電流指示値と磁気吸引力との関係を定めたマップfslr mapから求める。ついで、ポート209の油圧により、磁気吸引力fslrに対応する押圧力が得られるように、デューティソレノイドバルブDSLの必要油圧pdslslr を算出する。例えば、
pdslslr =fslr/ASLR
として算出する。ここで、ASLRとは、リニアソレノイドバルブSLRの有効断面積を意味する。リニアソレノイドバルブSLRの有効断面積とは、ポート209の油圧に対応するランド部205の受圧面積である。
【0103】
さらに、算出された必要油圧pdslslr に基づいて、デューティソレノイドバルブDSLのデューティ比の制御値を算出する。このデューティソレノイドバルブDSLのデューティ比の制御値は、デューティソレノイドバルブDSLのデューティ比と、デューティソレノイドバルブDSLの出力油圧との関係を定めたマップdslpdsl map から算出する。
【0104】
上記のステップS2についで、前回、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧を最大にする指示を実行してから、所定時間が経過しているか否かが判断される(ステップS3)。このステップS3で否定的に判断された場合は、例えば、ガレージシフトの実行中に、前進用クラッチまたは後進クラッチ23の係合が完了したか否かが判断される(ステップS4)。ガレージシフトとは、Nポジションから、前進ポジションまたは後進ポジションへ切り換える操作である。
【0105】
このステップS4で否定的に判断された場合は、リニアソレノイドバルブSLUの出力油圧を最低値、例えば、零メガパスカルに設定(固定)し(ステップS5)、この制御ルーチンを終了する。これに対して、ステップS4で肯定的に判断された場合は、
▲1▼ロックアップクラッチ16の係合が完了していること、
▲2▼ロックアップクラッチ16の係合圧を上昇または低下させる制御の途中であること、
▲3▼減速モードが選択されていること、
のうちの少なくとも1つの事項が発生しているか否かが判断される(ステップS5)。減速モードとは、ロックアップクラッチ16が係合され、かつ、加速要求が所定値以下であることを意味する。
【0106】
このステップS6で肯定的に判断された場合は、ロックアップクラッチ16のトルク容量を徐々に低下させる制御(スムースオフ制御)を実行し(ステップS7)、この制御ルーチンを終了する。これに対して、ステップS6で否定的に判断された場合は、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧を最大値とする(ステップS8)。このステップS8についで、リニアソレノイドバルブSLUの出力油圧を最低値、例えば、零メガパスカルに設定(固定)し、かつ、デューティソレノイドバルブDSLから前記必要油圧を出力させる制御を実行し(ステップS9)、この制御ルーチンを終了する。なお、ステップS3で肯定的に判断された場合も、ステップS9に進む。
【0107】
このように、図1の制御例では、ステップS4で否定的に判断された場合、またはステップS6で肯定的に判断された場合は、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧を最大圧とし、かつ、デューティソレノイドバルブDSLの油圧を油圧室212に供給する制御は実行されない。そして、前進用クラッチ22または後進用ブレーキ23の係合が完了し、かつ、ロックアップクラッチ16の解放が完了してから、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧を最大値とし、かつ、デューティソレノイドバルブDSLの出力油圧により、ベルト式無段変速機4の変速比が制御される。したがって、前進用クラッチまたは後進クラッチ23が急激に係合されること、またはロックアップクラッチ16が急激に解放されることにともなうショックを回避でき、車両Veの挙動が急激に変化することを回避できる。
【0108】
ここで、図1に示す機能的手段と請求項1ないし請求項5の発明の構成との対応関係を説明すれば、ステップS1がこの発明の機能判断手段に相当し、ステップS4,S6がこの発明のトルク容量判断手段に相当し、ステップS5,S7,S8,S9がこの発明の時期選択手段に相当する。図2ないし図5に示された構成と、請求項1ないし請求項6の発明の構成との対応関係を説明すれば、エンジン1が、この発明の駆動力源に相当し、ベルト式無段変速機4が、この発明の変速機に相当し、前後進切換装置8およびロックアップクラッチ16が、この発明のおよびトルク容量制御装置に相当する。
【0109】
また、リニアソレノイドバルブSLRが、この発明の第1の制御弁に相当し、ロックアップリレーバルブ165およびクラッチロックバルブ103が、この発明の第2の制御弁に相当し、デューティソレノイドバルブDSLが、この発明の第3の制御弁に相当し、油路214,218が、この発明の所定の油路に相当し、トルクコンバータ9が、この発明の流体伝動装置に相当する。
【0110】
さらに、ベルト式無段変速機4の変速比が、この発明の変速機の動力伝達状態に相当し、リニアソレノイドバルブSLRに電力を供給できなくなること、具体的には、リニアソレノイドバルブSLRに電力を供給するケーブルが断線していること、または電磁コイル202自体が断線していることが、この発明の第1の制御弁の機能の低下に相当し、車両Veの前進・後進が、この発明の車両の走行方向に相当し、ロックアップクラッチ16に作用する油圧、前進用クラッチ22に作用する油圧、後進用ブレーキ23に作用する油圧が、この発明のトルク容量に相当する。
【0111】
(第2の制御例)
前記図3ないし図5に示す油圧回路においては、エンジン1からインプットシャフト50に伝達されるトルクが、所定値を越えている場合は、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧を高めて、クラッチロックバルブ103のポート162に作用する油圧を上昇させて、クラッチロックバルブ103のスプール104,104Aを図4において上向きに動作させた位置(オン位置)に制御する。すると、ポート106とポート108とが連通され、ポート107とポート108とが遮断される。ここで、油路138の油圧の方が油路150の油圧よりも高いため、前進用クラッチまたは後進用ブレーキ23のトルク容量が増加し、前進用クラッチまたは後進用ブレーキ23のスリップが抑制される。
【0112】
ところで、デューティソレノイドバルブDSLの出力油圧を、リニアソレノイドバルブSLRに伝達する油路218,214は、クラッチロックバルブ103により接続されている。また、プライマリプーリ24の油圧室212のオイルをドレーンする油路213には、ロックアップリレーバルブ165を介して油路240が接続されている。さらに、リニアソレノイドバルブSLSのポート158から出力される油圧は、ロックアップリレーバルブ165のポート178にも作用するように構成されている。
【0113】
このため、前記のようにリニアソレノイドバルブSLSの出力油圧を高めると、ロックアップリレーバルブ165のスプール166が図5において下向きに動作し、スプール166が図5の右側半分に示す位置(オフ位置)で停止する。すると、油路213と油路240とが、クラッチロックバルブ103により連通される。また、前記のようにリニアソレノイドバルブSLSの出力油圧を高めた場合は、クラッチロックバルブ103のスプール104Aがオン位置にあり、油路218と油路214とが連通される。
【0114】
ここで、リニアソレノイドバルブSLRが断線フェールしていないにも拘わらず、デューティソレノイドバルブDSLに常時電力が供給されるショートフェールが発生した場合は、リニアソレノイドバルブSLRのポート209の油圧が急激に高まる。すると、リニアソレノイドバルブSLRを制御する信号とは関係なく、スプール203が図5において上向きに動作し、油路211と油路213とが連通される。その結果、プライマリプーリ24の第1の油圧室212のオイルが、油路211,213およびロックアップリレーバルブ165を経由して油路240へドレーンされてしまい、ベルト式無段変速機4で急減速が発生する可能性がある。
【0115】
この第2の制御例は、このような不都合に対処する制御例であり、この第2の制御例を、図6のフローチャートに基づいて説明する。なお、この第2の制御例は、請求項5および請求項6の発明に対応する制御例である。まず、デューティソレノイドバルブDSLがショートフェールしているか否かが判断される(ステップS11)。このステップS11で肯定的に判断された場合は、エンジン1からインプットシャフト50に入力されるトルクが、所定トルクを越えているか否かが判断される(ステップS12)。ここで、所定トルクとは、クラッチロックバルブ103のスプール104Aをオン位置に切り替えるように、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧を制御する必要があるトルクである。
【0116】
このステップS12で肯定的に判断された場合は、エンジン1の電子スロットルバルブの開度を減少して、エンジントルクを低下させる制御を実行するとともに、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧を下げる制御を実行し(ステップS13)、この制御ルーチンを終了する。このように、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧を下げた場合は、クラッチロックバルブ103のポート162の油圧が低下して、スプール104Aが図4において下向きに動作して、スプール104Aが図4の右半分に示す位置(オフ位置)に切り替わる。
【0117】
このようにして、油路218と油路214とがランド部116により遮断されると、デューティソレノイドバルブDSLがショートフェールした場合でも、リニアソレノイドバルブSLRのポート209に作用する油圧が高まることを防止できる。したがって、プライマリプーリ24の第1の油圧室212のオイルがドレーンされることを防止でき、急減速によるショックおよび車輪2のスリップを回避できる。
【0118】
また、ステップS13でリニアソレノイドバルブSLSの出力油圧が低下された場合は、ロックアップリレーバルブ165のポート178の油圧が低下して、スプール166が図5において上向きに動作し、図5の左半分に示す位置(オン位置)に切り替わる。すると、油路184が油路240に連通されて、第2の油圧室73のオイルが油路184を経由して油路3240にドレーンされ、ロックアップリレーバルブ16の係合圧が急激に高まり、ショックが発生する可能性がある。
【0119】
そこで、前記ステップS13において、リニアソレノイドバルブSLUを非通電状態として、リニアソレノイドバルブSLUの出力油圧を最大値にする制御を実行する。すると、ロックアップコントロールバルブ230のポート239に作用する油圧が高まり、スプール231が図4において上方に動作して、ポート237とポート238との連通面積が拡大する。その結果、油路138の油圧が油路240,184を経由して第2の油圧室73に作用するため、ロックアップクラッチ16の急係合を抑制できる。したがって、ショックの発生を防止できる。
【0120】
また、前記ステップS12で否定的に判断された場合は、実際のアクセル開度が、所定アクセル開度以下であるか否かが判断される(ステップS14)。ここで、所定アクセル開度とは、クラッチロックバルブ103のスプール104Aを、オン位置に切り替えるような油圧を、リニアソレノイドバルブSLSから出力する必要があるアクセル開度である。このステップS14で肯定的に判断された場合は、“電子スロットルバルブの開度を減少させて、エンジントルクを低下させる制御”を解除し、かつ、“リニアソレノイドバルブSLUの出力油圧を最大圧とする制御”を解除し(ステップS15)、この制御ルーチンを終了する。
【0121】
なお、ステップS14で否定的に判断された場合は、そのまま制御ルーチンを終了する。さらに、ステップS11で否定的に判断された場合も、制御ルーチンを終了する。このステップS11で否定的に判断された場合は、例えば、リニアソレノイドバルブSLSからクラッチロックバルブ103のポート162に伝達する油圧を高めて、油路218と油路214とを連通させる制御が許可される。
【0122】
ここで、第2の制御例で述べた機能的手段と、請求項6および請求項7の発明の構成との対応関係を説明すれば、リニアソレノイドバルブSLSから、クラッチロックバルブ103のポート162に伝達される油圧を、エンジン1からインプットシャフト50に伝達されるトルクに基づいて制御することにより、油路130を経由して前進用クラッチまたは後進用ブレーキ23に供給される油圧を制御して、前進用クラッチまたは後進用ブレーキ23のトルク容量を制御する機能が、この発明のトルク容量制御手段相当する。このトルク容量制御手段は、図6には示されていない。
【0123】
また、リニアソレノイドバルブSLRが断線フェールした場合に、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧を高めてクラッチロックバルブ103のスプール104Aをオン位置に切り替えることにより、油路218と油路214とを連通させて、デューティソレノイドバルブDSLからリニアソレノイドバルブSLRのポート209に伝達される油圧を高めることにより、リニアソレノイドバルブSLRを経由してプライマリプーリ24の第1の油圧室212に供給されるオイル量、および第1の油圧室212からリニアソレノイドバルブSLRを経由してドレーンされるオイル量を調整する機能が、この発明のオイル量調整手段に相当する。このオイル量調整手段は、図6には示されていない。
【0124】
さらに、ステップS11およびステップS12が、この発明の機能判断手段に相当し、ステップS11で肯定的に判断されて、ステップS12からステップS13に進む処理と、ステップS11で否定的に判断されて制御ルーチンを終了する場合に許可される処理とが、この発明の油圧選択手段に相当する。
【0125】
さらにまた、エンジン1が、請求項6および請求項7の発明の駆動力源に相当し、前進用クラッチおよび後進用ブレーキ23が、請求項6および請求項7の発明のトルク容量制御装置に相当し、ベルト式無段変速機4が、請求項6および請求項7の発明の変速機に相当し、ベルト式無段変速機4の変速比が、請求項6および請求項7の発明の変速機の動力伝達状態に相当し、リニアソレノイドバルブSLRが、請求項6および請求項7の発明の第1の制御弁に相当する。
【0126】
また、油圧室B1および油圧室C1の油圧と、前進用クラッチの係合圧および後進用ブレーキ23の係合圧とが、請求項6および請求項7の発明のトルク容量制御装置のトルク容量に相当し、クラッチロックバルブ103が、請求項6および請求項7の発明の第2の制御弁に相当し、デューティソレノイドバルブDSLが、請求項6および請求項7の発明の第3の制御弁に相当し、油路218,214が、請求項6および請求項7の発明の油路に相当し、リニアソレノイドバルブSLSが、請求項6および請求項7の発明の第4の制御弁に相当し、リニアソレノイドバルブSLRの断線フェールが、請求項6および請求項7の発明の“第1の制御弁の機能が低下した場合”に相当する。
【0127】
さらに、デューティソレノイドバルブDSLがショートフェールしているか否かに基づいて、請求項6および請求項7の発明の第3の制御弁の機能が判断され、リニアソレノイドバルブSLSから出力される低油圧が、請求項6および請求項7の発明の“油路が遮断される油圧”に相当し、リニアソレノイドバルブSLSから出力される高油圧が、請求項6および請求項7の発明の“油路が連通される油圧”に相当する。また、デューティソレノイドバルブDSLがショートフェールしている場合が、請求項6および請求項7の発明の第3の制御弁の機能が低下している場合に相当する。
【0128】
(第3の制御例)
前記図3ないし図5に示す油圧回路においては、リニアソレノイドバルブSLSから、クラッチロックバルブ103のポート162に伝達される油圧を制御して、スプール104Aの動作を制御することにより、油路214と油路218とを連通または遮断する構成となっている。また、リニアソレノイドバルブSLSは、ノーマルオープン形式のリニアソレノイドバルブである。このため、リニアソレノイドバルブSLSに電力を供給できなくなるフェール、すなわち断線フェールが発生すると、リニアソレノイドバルブSLSの出力油圧が最大となり、リニアソレノイドバルブSLSからクラッチロックバルブ103のポート162に伝達される油圧が高まり、スプール104がオン位置に停止する。その結果、油路218と油路214とが連通される。
【0129】
このように、油路218と油路214とが連通した時点で、デューティソレノイドバルブDSLの出力油圧が高まっていると、デューティソレノイドバルブDSLの出力油圧が、油路218,214を経由してリニアソレノイドバルブSLRのポート209に伝達されて、スプール203を図5において上向きに動作させる押圧力が高まる。すると、リニアソレノイドバルブSLRへの通電制御に関わりなく、プライマリプーリ24の油圧室212のオイルが、油路211,213を経由してドレーンされて、ベルト式無段変速機4の変速比が急激に大きくなり、ショックを招く可能性があった。
【0130】
ところで、リニアソレノイドバルブSLRの断線フェール時には、前述と同様にして、クラッチロックバルブ103をオン位置とし、ロックアップリレーバルブ165をオフ位置とするとともに、リニアソレノイドバルブSLUの出力油圧を制御して、クラッチコントロールバルブ230の出力油圧を制御することにより、油路213からポート208に伝達される油圧を調整し、リニアソレノイドバルブSLRのスプール203を、図5において上向きに押圧する力を生じさせて、ベルト式無段変速機4の変速制御をおこなうこともできる。
【0131】
しかしながら、リニアソレノイドバルブSLSが断線フェールして、ベルト式無段変速機4に伝達されるトルクが高くなると、プライマリプーリ24の溝幅を調整するために必要な油圧が、リニアソレノイドバルブSLUの制御により達成可能な油圧の範囲を越える。その結果、ベルト式無段変速機4の変速制御が不適当となる可能性があった。
【0132】
この第3の制御例は、リニアソレノイドバルブSLSが断線フェールした場合の不具合を回避する制御例であり、この第3の制御例を、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、第3の制御例は、請求項8および請求項9の発明に対応する。
【0133】
まず、リニアソレノイドバルブSLSが断線フェールしているか否かが判断される(ステップS21)。このステップS21で肯定的に判断された場合は、デューティソレノイドバルブDSLがオン(通電割合が100%)となっているか否かが判断される(ステップS22)。このステップS22で肯定的に判断されるということは、デューティソレノイドバルブDSLの出力油圧が高く、その出力油圧がロックアップリレーバルブ165のポート170に伝達されて、スプール166がオン位置で停止していることを意味する。すなわち、油路240の油圧が、油路184を経由して第2の油圧室173に伝達され、油路179の油圧が、油路183を経由して第1の油圧室172に伝達されている。ここで、油路179の油圧の方が油路240の油圧よりも高いため、ロックアップクラッチ16は係合されている。
【0134】
そこで、ステップS22で肯定的に判断された場合は、デューティソレノイドバルブDSLをオフして、デューティソレノイドバルブDSLの出力油圧を低下させる(ステップS23)。すると、ロックアップリレーバルブ165のポート170の油圧が低下して、スプール166が図5において下向きに動作し、スプール166はオフ位置で停止する。すると、油路179と油路184とが連通して、油路179の油圧が第2の油圧室73に伝達されるとともに、油路180Aと油路183とが連通して、油路180A油圧が第1の油圧室72に伝達される。ここで、油路180Aにはオリフィス(図示せず)が設けられており、油路102の油圧よりも、油路102から油路180Aに流れ込む油圧の方が低くく、油路102から油路179に伝達される油圧の方が、油路180Aの油圧よりも高いため、ロックアップクラッチ16が解放される。
【0135】
上記ステップS23についで、ロックアップクラッチ16のトルク容量を高める制御を禁止し、かつ、デューティソレノイドバルブDSLの出力油圧を高める制御を禁止し(ステップS24)、この制御ルーチンを終了する。これに対して、ステップS22で否定的に判断された場合、つまり、ロックアップクラッチ16が解放されている場合はステップS24に進む。一方、デューティソレノイドバルブDSLではなく、リニアソレノイドバルブSLUによりベルト式無段変速機4の変速を制御している場合は、ステップS24において、リニアソレノイドバルブSLUの出力油圧を零メガパスカルに固定する。なお、ステップS21で否定的に判断された場合は、この制御ルーチンを終了する。
【0136】
以上のように、図7の制御例によれば、リニアソレノイドバルブSLSが断線フェールし、油路218と油路214とが連通している場合は、デューティソレノイドバルブDSLの出力油圧が低い状態に制御される。このため、リニアソレノイドバルブSLRへの通電制御とは無関係にスプール203が動作することを防止できる。したがって、“第1の油圧室212のオイルがドレーンされて、ベルト式無段変速機4の変速比が急に大きくなり、ショックが発生すること”を回避できる。また、リニアソレノイドバルブSLUの出力油圧を零メガパスカルに固定すれば、油路152のオイルが、油路240および油路213を経由して、リニアソレノイドバルブSLRのポート208に流れ込むことを防止できる。したがって、ベルト式無段変速機4の変速制御が不適当となることを抑制できる。
【0137】
ここで、図7に示す機能的手段と、請求項8および9の発明との対応関係を説明すれば、ステップS21が、請求項8および9の発明の機能判断手段に相当し、ステップS22,S23,S24が、請求項8および9の発明の油圧制御手段に相当する。また、エンジン1が、請求項8および9の発明の駆動力源に相当し、ベルト式無段変速機4が、請求項8および9の発明の変速機に相当し、ベルト式無段変速機4の変速比が、請求項8および9の発明の変速機の動力伝達状態に相当し、リニアソレノイドバルブSLRが、請求項8および9の発明の第1の制御弁に相当し、マニュアルバルブ117および油圧室B1,C1および前後進切換装置8が、請求項8および9の発明の所定の制御対象に相当する。
【0138】
また、マニュアルバルブ117、および前後進切換装置8の油圧室B1,C1に伝達される油圧、マニュアルバルブ117および前後進切換装置8に対するオイルの供給経路の切り替え状態が、請求項8および9の発明のオイルの状態に相当し、リニアソレノイドバルブSLSが断線フェールしているか否かが、請求項8および9の発明の第3の制御弁の機能に相当し、クラッチロックバルブ103が、請求項8および9の発明の第2の制御弁に相当し、リニアソレノイドバルブSLSが、請求項8および9の発明の第3の制御弁に相当し、デューティソレノイドバルブDSLが、請求項8および9の発明の第4の制御弁に相当し、油路214,218が、請求項8および9の発明の油路に相当し、ロックアップクラッチ16が、請求項8および9の発明のトルク容量制御装置に相当し、ロックアップリレーバルブ165が、請求項8および9の発明の第5の制御弁に相当する。
【0139】
(第4の制御例)
ところで、図2に示すパワートレーンにおいて、エンジントルクを車輪2に伝達する場合には、ベルト式無段変速機4でベルト28の滑り量が所定量以下となるように、前進用クラッチ22または後進用ブレーキ23のトルク容量と、ベルト式無段変速機4のトルク容量との関係を制御することが可能である。このような制御をおこなう場合に、図3ないし図5の油圧回路で実行可能な制御例を、図8のフローチャートにより説明する。
【0140】
まず、前述したクラッチモードが選択されているか否かが判断される(ステップS31)。このステップS31で肯定的に判断された場合は、前進ポジションまたは後進ポジションが選択されているか否かが判断される(ステップS32)。このステップS32で肯定的に判断された場合は、前進用クラッチ22または後進用ブレーキ23の係合が完了したか否かが判断される(ステップS33)。
【0141】
このステップS33で否定的に判断された場合は、ガレージシフト用の油圧制御を実施し(ステップS34)、この制御ルーチンを終了する。このステップS34の実施される処理は、次式で表される。
Pd=F(Pclt)
Pclt=Pcltndr
ここで、Pdは、セカンダリプーリ27の油圧室200における油圧であり、Pcltは、前進用クラッチ22の油圧室C1における油圧、または後進用クラッチ23の油圧室B1における油圧である。また、Fはベルト28の滑りを抑制するための関数であり、Pcltndr は、エンジン1から前後進切換装置8に伝達されるトルクに対応する油圧よりも低い油圧である。
【0142】
これに対して、ステップS33で肯定的に判断された場合は、入力トルクに応じたクラッチ圧指示を実施し(ステップS35)、この制御ルーチンを終了する。ここで、入力トルクとは、エンジン1から前後進切換装置8に伝達されるトルクであり、クラッチ圧とは、前進用クラッチ22の油圧室C1における油圧、または後進用クラッチ23の油圧室B1における油圧である。ステップS35でおこなわれる処理は、次式で表される。
Pd=F(Pclt)
Pclt=K*Tt
ここで、Kは定数であり、Ttはタービントルク、具体的には、エンジン1からシャフト50に伝達されるトルクである。つまり、ステップS35で算出されるPcltは、エンジン1からシャフト50にトルクが伝達された場合に、前進用クラッチ22または後進用ブレーキ23で滑りが生じることを抑制できる油圧であり、ステップS35で算出されるPcltよりも、ステップS34で算出されるPcltの方が低い。
【0143】
一方、前記ステップS32で否定的に判断された場合は、クラッチ指示圧を零メガパスカルに設定し(ステップS36)、この制御ルーチンを終了する。また、ステップS31で否定的に判断されるということは、クラッチモードからベルトモードに切り替えられたことを意味する。そこで、ステップS31で否定的に判断された場合は、ステップS37で
Pd=ベルト挟圧力指示
という処理をおこない、この制御ルーチンを終了する。すなわち、ベルトモードが選択された場合は、前後進切換装置8のトルク容量が高められる。そこで、ステップS37では、前後進切換装置8のトルク容量の増加に対応させてPdを制御する。ここで、ステップS35で算出されるPdの方が、ステップS37で算出されるPdのよりも高い。
【0144】
以上のように、図8の制御例によれば、クラッチモードが選択され、かつ、前進用クラッチ22または後進用ブレーキの係合が完了した時点から、ベルトモードが選択され、かつ、ロックアップクラッチ16の係合が開始されるまでの間は、ベルト式無段変速機4のベルト28に加える挟圧力を最大に制御せずに済む。このため、オイルポンプ82,83のうちの少なくとも一方をエンジン1で駆動するように構成している場合には、燃費の低下を抑制できる。
【0145】
さらに、請求項1ないし9の発明は、変速機のトルク容量を第1の制御弁により制御する構成の油圧制御装置(図示せず)にも適用可能である。この場合、変速機のトルク容量が、変速機の動力伝達状態に相当する。また、請求項1ないし9の発明を、ベルト式無段変速機以外の無段変速機、例えば、トロイダル式無段変速機を有する車両の制御に用いることも可能である。さらにまた、請求項1ないし3の発明、または請求項8および9の発明を、トルクコンバータ以外の流体伝動装置、例えばトルク増幅機能を備えていない流体伝動装置を有する車両の制御に用いることも可能である。
【0146】
なお、特許請求の範囲に記載されている機能判断手段を、機能判断器または機能判断用コントローラと読み替え、トルク容量判断手段を、トルク容量判断器またはトルク容量判断用コントローラと読み替え、時期選択手段を、時期判断器または時期判断用コントローラと読み替え、トルク容量制御手段を、トルク容量制御器またはトルク容量制御用コントローラと読み替え、オイル量調整手段を、オイル量調整器またはオイル量調整用コントローラと読み替え、油圧選択手段を、油圧選択器または油圧選択用コントローラと読み替え、変速機の制御装置を、変速機の油圧制御装置またはドライブトレーンの制御装置と読み替えることも可能である。このような読替をおこなった場合、図2に示す電子制御装置34が、各器または各コントローラに相当する。
【0147】
また、特許請求の範囲に記載されている機能判断手段を、機能判断ステップと読み替え、トルク容量判断手段を、トルク容量判断ステップと読み替え、時期選択手段を、時期判断ステップと読み替え、トルク容量制御手段を、トルク容量制御ステップと読み替え、オイル量調整手段を、オイル量調整ステップと読み替え、油圧選択手段を、油圧選択ステップと読み替え、変速機の制御装置を、変速機の制御方法、または変速機の油圧制御方法、またはドライブトレーンの制御方法と読み替えることも可能である。さらに、特許請求の範囲に記載されているトルク容量には、係合圧、係合油圧、係合状態が含まれる。この係合状態には、係合(完全係合)、スリップ、解放(完全解放)が含まれる。また、この発明のトルク容量制御装置には、摩擦式クラッチ、電磁式クラッチ、流体式クラッチなどが含まれる。したがって、トルク容量制御装置のトルク容量を制御するアクチュエータは、油圧制御装置以外のものを用いることも可能である。
【0148】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、第1の制御弁の機能が低下して、第3の制御弁から出るオイル第1の制御弁に供給する場合において、“トルク容量制御装置のトルク容量が変化して、車両の挙動が不用意に変化すること”を抑制できる。
【0149】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果が生じる他に、第3の制御弁から出るオイルを第1の制御弁に供給する時期を、ロックアップクラッチのトルク容量に基づいて選択できる。したがって、ロックアップクラッチのトルク容量が急激に変化することにともなうショックを回避できる。
【0150】
請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得られる他に、ロックアップクラッチのトルク容量の低下が完了した後に、第3の制御弁から出るオイルを第1の制御弁に供給できる。したがって、ロックアップクラッチが急激に解放されるショックを回避できる。
【0151】
請求項4の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、第3の制御弁から出るオイルを第1の制御弁に供給する時期を、前後進切換装置のトルク容量に基づいて選択できる。したがって、前後進切換装置のトルク容量が急激に変化することにともなうショックを回避できる。
【0152】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明と同様の効果を得られる他に、前後進切換装置のトルク容量の上昇が完了した後に、第3の制御弁から出るオイルが第1の制御弁に供給する。したがって、前後進切換装置の係合にともなうショックを抑制できる。
【0153】
請求項6の発明によれば、第3の制御弁と第1の制御弁とを接続する油路が連通されていれば、第3の制御弁から油路を経由して第1の制御弁に作用する油圧を制御することにより、第1の制御弁を経由して変速機に供給されるオイル量、および変速機から前記第1の制御弁を経由して排出されるオイル量を調整して、変速機の動力伝達状態を制御できる。また、第3の制御弁の機能を判断し、その判断結果に基づいて、油路を遮断または開放する。したがって、第3の制御弁の機能が低下している場合に、“第3の制御弁から第1の制御弁に伝達される油圧が高められて、変速機の動力伝達状態が急激に変化し、車両の挙動が不用意に変化すること”を抑制できる。
【0154】
請求項7の発明によれば、請求項6の発明と同様の効果を得られる他に、駆動力源の出力トルクが所定値以上であり、かつ、第3の制御弁の機能が低下している場合は、駆動力源の出力トルクを低下し、かつ、第3の制御弁と第1の制御弁とを接続する油路を遮断する。したがって、第2の制御弁を経由してトルク容量制御装置に供給される油圧が、駆動力源の出力トルクに適合し易くなる。
【0155】
請求項8または9の発明によれば、第3の制御弁の機能に基づいて、第4の制御弁の出力油圧を制御できる。このため、第3の制御弁の機能が低下して第2の制御弁が動作し、第4の制御弁から第1の制御弁に至る油路が連通された場合でも、“第4の制御弁の出力油圧が第1の制御弁に伝達されて、第1の制御弁の機能に関わりなく、変速機の動力伝達状態が急激に変化して、ショックが発生すること”を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示すフローチャートである。
【図2】この発明の対象となる車両のパワートレーンおよび制御系統を示す概念図である。
【図3】図2に示された油圧制御装置の具体例を示す図である。
【図4】図2に示された油圧制御装置の具体例を示す図である。
【図5】図2に示された油圧制御装置の具体例を示す図である。
【図6】この発明の第2の制御例を示すフローチャートである。
【図7】この発明の第3の制御例を示すフローチャートである。
【図8】図2ないし図5のシステムで実行可能な制御例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、 4…ベルト式無段変速機、 8…前後進切換装置、 9…トルクコンバータ、 16…ロックアップクラッチ、 22…前進クラッチ、 23…後進ブレーキ、 24…プライマリプーリ、 25…セカンダリプーリ、 51…プライマリシャフト、 55…セカンダリシャフト、 103…クラッチロックバルブ、 117…マニュアルバルブ、 165…ロックアップリレーバルブ、 214,218…油路、 B1,C1…油圧室、 DSL…デューティソレノイドバルブ、 SLS…リニアソレノイドバルブ、 SLR…リニアソレノイドバルブ、 Ve…車両。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a transmission control device provided with a transmission and a torque capacity control device on an output side of a driving force source and having a first control valve for controlling a power transmission state of the transmission.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a shift control device that controls a gear ratio of a belt-type continuously variable transmission by hydraulic pressure is known, and an example of the shift control device is described in
[0003]
As the thrust acting on the spool from the shift control valve solenoid is gradually reduced, the area of communication between the input pulley piston pressure port and the drain port increases. As a result, the hydraulic oil in the input pulley piston chamber is discharged, the space between the sheaves of the input pulley is expanded, and the belt traveling diameter at the input pulley decreases. Along with this, in the output sheave, the space between the sheaves becomes narrow, and the belt traveling diameter increases, that is, the reduction ratio of the output pulley increases.
[0004]
On the other hand, when the thrust of the shift control valve solenoid is gradually increased, the communication area between the input pulley piston pressure port and the line pressure port increases. As a result, the operating oil is supplied to the input pulley piston chamber, the space between the sheaves of the input pulley is reduced, and the running diameter of the belt at the input pulley is increased. Along with this, in the output pulley, the space between the sheaves is expanded, and the belt traveling diameter decreases, that is, the reduction ratio decreases.
[0005]
When the solenoid for the shift control valve is in a non-operating state or a maximum operating state, the input pulley piston pressure port is shut off from the line pressure port and the drain port so that hydraulic oil is confined in the input pulley piston chamber. . As described above, according to the input pulley piston pressure leaking from the seal, the speed is changed in a direction in which the reduction ratio gradually increases, thereby preventing a sudden change in speed. In addition, a technique for avoiding a sudden shift that occurs at the time of malfunction of the shift control solenoid is described in
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-8-1789049 (Claims, paragraphs 0008 to 0012, FIGS. 1 and 2)
[Patent Document 2]
JP 2001-280455 A
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in
[0008]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and has a configuration in which another control valve is used as a countermeasure when the function of the first control valve that controls the power transmission state of the transmission is reduced. It is an object of the present invention to provide a transmission control device that can suppress a sudden change in the behavior of a vehicle due to the above.
[0009]
Means for Solving the Problems and Their Functions
In order to achieve the above object, a first aspect of the present invention provides a first control in which a transmission and a torque capacity control device are provided on an output side of a driving force source, and a power transmission state of the transmission is controlled. In a control device for a transmission having a valve, a second control valve for controlling the torque capacity of the torque capacity control device is provided, and the third control is performed when the function of the first control valve is reduced. Oil output from the valve is supplied to the first control valve via a predetermined oil passage, and is configured to suppress a decrease in the function of the first control valve. The oil passage is connected to the second control valve, and a function determining means for determining a function of the first control valve; a torque capacity determining means for determining a torque capacity of the torque capacity control device; The oil output from the third control valve is When to supply a predetermined oil passage by way of the by the first control valve, and is characterized in that it comprises a timing selecting means for selecting on the basis of the determination result of the torque capacity determination means.
[0010]
According to the invention of
[0011]
According to a second aspect of the present invention, in addition to the same effect as the first aspect of the invention, the torque capacity control device includes a lock-up clutch arranged in parallel with the fluid transmission. I do.
[0012]
According to the second aspect of the invention, in addition to the same effect as the first aspect of the invention, the timing at which the oil coming out of the third control valve is supplied to the first control valve depends on the torque capacity of the lock-up clutch. Is selected based on
[0013]
According to a third aspect of the present invention, in addition to the configuration of the second aspect, the torque capacity determining means further has a function of determining whether the reduction of the torque capacity of the lock-up clutch is completed. The timing judging means has a function of supplying the oil coming out of the third control valve to the first control valve via the predetermined oil passage after the reduction of the torque capacity of the lock-up clutch is completed. , Are further provided.
[0014]
According to the third aspect of the present invention, in addition to the same effect as the second aspect of the present invention, after the reduction of the torque capacity of the lock-up clutch is completed, the oil discharged from the third control valve is supplied to the first control valve. Supplied to
[0015]
According to a fourth aspect of the present invention, in addition to the configuration of the first aspect, the torque capacity control device includes a forward / reverse switching device that switches a traveling direction of a vehicle equipped with the driving force source. I do.
[0016]
According to the fourth aspect of the present invention, in addition to the same operation as the first aspect of the invention, the timing at which the oil flowing from the third control valve is supplied to the first control valve is determined by the torque capacity of the forward / reverse switching device. Is selected based on
[0017]
According to a fifth aspect of the present invention, in addition to the configuration of the fourth aspect, the torque capacity determining means further has a function of determining whether or not the increase of the torque capacity of the forward / reverse switching device is completed. The timing selecting means, after the increase in the torque capacity of the forward / reverse switching device is completed, sends the oil output from the third control valve to the first control valve via the predetermined oil passage. It is characterized by further having a supply function.
[0018]
According to the fifth aspect of the invention, in addition to the same effect as that of the fourth aspect of the present invention, the oil discharged from the third control valve after the increase of the torque capacity of the forward / reverse switching device is completed is subjected to the first control. Supplied to the valve.
[0019]
According to a sixth aspect of the present invention, a transmission is provided on the output side of a driving force source via a torque capacity control device, wherein a first control valve for controlling a power transmission state of the transmission is provided; A transmission control device having a second control valve for controlling a torque capacity of a device, wherein the first control valve and the third control valve are connected, and the second control valve is connected to the second control valve. Is provided, and the hydraulic pressure supplied from the fourth control valve to the second control valve is controlled based on the torque of the driving force source, thereby controlling the torque capacity control device. A torque capacity control means for controlling a torque capacity; and opening the oil passage when the function of the first control valve is reduced, and connecting the first control valve via the oil passage from the third control valve to the first oil passage. By controlling the hydraulic pressure acting on the control valve of Oil amount adjusting means for adjusting the amount of oil supplied to the transmission via the control valve and the amount of oil discharged from the transmission via the first control valve; and the third control A function judging means for judging a function of the valve, and a hydraulic pressure supplied from the fourth control valve to the second control valve based on the judgment result of the function judging means, And a hydraulic pressure selecting means for selecting which of a hydraulic pressure to be shut off by the control valve and a hydraulic pressure to be connected to the oil passage by the second control valve.
[0020]
According to the invention of
[0021]
According to a seventh aspect of the present invention, in addition to the configuration of the sixth aspect, the function determining means determines whether or not the torque transmitted from the driving force source to the torque capacity control device exceeds a predetermined value. Wherein the hydraulic pressure selecting means has a torque capacity transmitted from the driving force source to the torque capacity control device exceeding a predetermined value, and the function of the third control valve is reduced. And a function of controlling the torque capacity transmitted from the driving force source to the torque capacity control device to a predetermined value or less, and a hydraulic pressure supplied from the fourth control valve to the second control valve. And a function of selecting a hydraulic pressure at which the oil passage is shut off by the second control valve.
[0022]
According to the seventh aspect of the invention, in addition to the same effect as the sixth aspect of the invention, the output torque of the driving force source is equal to or more than the predetermined value, and the function of the third control valve is reduced. In this case, the output torque of the driving force source is reduced, and the oil passage connecting the third control valve and the first control valve is shut off.
[0023]
According to an eighth aspect of the present invention, in the control device for a transmission, wherein the transmission is connected to the output side of the driving force source and the first control valve controls the power transmission state of the transmission, A second control valve for controlling the state of oil supplied to the second control valve; a third control valve for controlling the operation of the second control valve; An oil passage for transmitting the output oil pressure of the control valve to the first control valve, a function judging means for judging the function of the third control valve, and a judgment result of the function judging means. And a hydraulic control means for controlling the fourth control valve output hydraulic pressure based on the control signal.
[0024]
According to a ninth aspect of the present invention, in addition to the configuration of the eighth aspect, a torque capacity control device is provided on an output side of the driving force source, and operates according to an output hydraulic pressure of the fourth control valve. A fifth control valve for controlling the torque capacity of the torque capacity control device is provided, and the hydraulic control means controls the torque capacity of the torque capacity control device to be increased by the fifth control valve. The apparatus further comprises a function of controlling the output oil pressure of the fourth control valve so as to prohibit the execution.
[0025]
According to the eighth or ninth aspect of the invention, the output hydraulic pressure of the fourth control valve is controlled based on the function of the third control valve. Therefore, when the function of the first control valve is not reduced, the function of the third control valve is reduced and the second control valve is operated, and the fourth control valve is switched from the first control valve to the first control valve. Even when the oil path leading to the oil passage is connected, transmission of the output oil pressure of the fourth control valve to the first control valve is suppressed.
[0026]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Next, the present invention will be described based on specific examples. FIG. 2 schematically shows an example of a power train and a control system of a vehicle Ve to which the control device of the present invention is applied. In the power train shown here, the torque of the driving
[0027]
As the
[0028]
A
[0029]
This
[0030]
The forward /
[0031]
Further, a
[0032]
The belt-type continuously
[0033]
On the other hand, the
[0034]
Next, a control system of the vehicle Ve shown in FIG. 2 will be described. First, an electronic control unit (ECU) 34 is provided. The
[0035]
In the vehicle Ve configured as described above, the torque output from the
[0036]
On the other hand, a case where the hydraulic pressure of the first
[0037]
Further, when the transmission torque capacity of the lock-up clutch 16 exceeds a predetermined value, for example, when the transmission torque capacity of the lock-up clutch 16 is equal to or more than the torque transmitted from the
[0038]
By controlling the transmission torque capacity (in other words, the engagement hydraulic pressure, the engagement pressure, the engagement state) of the lock-up clutch 16 in this manner, the lock-up clutch 16 is released (specifically, completely released) or slipped or engaged. For engagement (specifically, complete engagement), the
[0039]
Next, control of the forward /
[0040]
On the other hand, when the reverse position is detected by the
[0041]
Next, control of the belt-type continuously
[0042]
Next, a hydraulic circuit constituting a part of the
[0043]
An
[0044]
The
[0045]
The
[0046]
Further,
[0047]
The port 108 of the
[0048]
Further, the manual valve 117 has
[0049]
On the other hand, as shown in FIG. 3, a line
[0050]
An
[0051]
Further, the
[0052]
On the other hand, an
[0053]
In the linear solenoid valve SLS, the operation of the
[0054]
Further, an
[0055]
Further, an
[0056]
Further, as shown in FIG. 5, a
[0057]
On the other hand, a line
[0058]
Further, the line
[0059]
Further, a linear solenoid valve SLR is connected to the
[0060]
In the linear solenoid valve SLR, the energization of the
[0061]
Specifically, when the
[0062]
When the current flowing through the
[0063]
A duty solenoid valve DSL is connected to the
[0064]
The duty solenoid valve DSL alternately energizes (turns on) and de-energizes (turns off) the
[0065]
Further, a linear solenoid valve SLU is connected to the
[0066]
In the linear solenoid valve SLU, the operation of the
[0067]
When power is not supplied to the electromagnetic coil 219 (OFF), the linear solenoid valve SLU presses the
[0068]
The lock-up
[0069]
Further, the
[0070]
Next, the function of the
[0071]
The oil in the
[0072]
When the oil pressure in the port 100 increases due to the increase in the oil pressure in the
[0073]
The oil in the
[0074]
When the oil pressure at the
[0075]
In this way, the oil pressure of the
[0076]
Also, the current supplied to the linear solenoid valve SLS is increased, the
[0077]
When the oil pressure in the
[0078]
For example, when the clutch mode is selected, the output oil pressure of the linear solenoid valve SLS is controlled to a low pressure. This clutch mode is a mode selected when the vehicle speed and the accelerator opening are in the lock-up clutch release region. When this clutch mode is selected, the output hydraulic pressure of the duty solenoid valve DSL is controlled to a low pressure. Specifically, the energization ratio of the duty solenoid valve DSL is controlled to zero percent.
[0079]
As described above, when the output oil pressure of the linear solenoid valve SLS is controlled to a low pressure, the oil pressure of the
[0080]
Then, the
[0081]
On the other hand, when the D position or the L position is selected, the
[0082]
Next, a case where the output oil pressure of the linear solenoid valve SLS is controlled to a high pressure will be described. For example, when the belt mode is selected, the output oil pressure of the linear solenoid valve SLS is controlled to a high pressure. This belt mode is a mode selected when the vehicle speed and the accelerator opening are in the lock-up clutch engagement region or the lock-up clutch slip region. When this belt mode is selected, the output oil pressure of the duty solenoid valve DSL is controlled to a high pressure, specifically, the energization ratio of the duty solenoid valve DSL is controlled to 100%.
[0083]
As described above, when the mode is switched from the clutch mode to the belt mode, the
[0084]
Next, control of the lock-up clutch 16 will be described. The oil in the
[0085]
Meanwhile, the oil in the
[0086]
As described above, when the functions of various solenoid valves are normal, or when the engine torque is equal to or less than a predetermined value, the output oil pressure of the linear solenoid valve SLS is controlled to be low, and the
[0087]
Therefore, the
[0088]
On the other hand, when the hydraulic pressure transmitted from the duty solenoid valve DSL to the
[0089]
Next, control of the belt-type continuously
[0090]
Next, control of the torque capacity of the belt-type continuously
[0091]
Specifically, when the torque capacity input to the belt-type continuously
[0092]
In the
[0093]
Next, control when the function of the
[0094]
Therefore, when the power cannot be supplied to the linear solenoid valve SLR, the current value supplied to the linear solenoid valve SLS is controlled to the maximum, and the oil pressure of the oil supplied from the port 158 to the
[0095]
When the communication area between the port 111 and the
[0096]
(First control example)
As described above, the torque capacity of the
[0097]
More specifically, when power can be supplied to the linear solenoid valve SLR, the oil in the
[0098]
On the other hand, as described above, the output hydraulic pressure of the duty solenoid valve DSL also acts on the
[0099]
Specifically, the
[0100]
This first control example is a control example executed when the linear solenoid valve SLR fails, and is a control example that addresses the above-described inconvenience. This first control example will be described based on the flowchart of FIG. The first control example is a control example corresponding to the first to fifth aspects of the present invention.
[0101]
First, it is determined whether or not a cable for supplying power to the linear solenoid valve SLR has been disconnected (step S1). If a negative determination is made in step S1, the control routine ends. On the other hand, if a positive determination is made in step S1, the required value of the hydraulic pressure output from the
[0102]
In this step S2, the following processing is performed. First, when the linear solenoid valve SLR is normal, a magnetic attraction force fslr of the
pdslslr = fslr / ASLR
Is calculated as Here, ASLR means an effective sectional area of the linear solenoid valve SLR. The effective sectional area of the linear solenoid valve SLR is a pressure receiving area of the
[0103]
Further, the control value of the duty ratio of the duty solenoid valve DSL is calculated based on the calculated required oil pressure pdslslr. The control value of the duty ratio of the duty solenoid valve DSL is a map dslpdsl that defines the relationship between the duty ratio of the duty solenoid valve DSL and the output oil pressure of the duty solenoid valve DSL. It is calculated from map.
[0104]
Subsequent to step S2, it is determined whether a predetermined time has elapsed since the previous instruction to maximize the output hydraulic pressure of the linear solenoid valve SLS has been executed (step S3). If a negative determination is made in step S3, for example, it is determined whether the engagement of the forward clutch or the reverse clutch 23 has been completed during the execution of the garage shift (step S4). The garage shift is an operation for switching from the N position to the forward position or the reverse position.
[0105]
If a negative determination is made in step S4, the output oil pressure of the linear solenoid valve SLU is set (fixed) to a minimum value, for example, zero megapascal (step S5), and this control routine ends. On the other hand, if a positive determination is made in step S4,
(1) that the lock-up clutch 16 has been engaged,
(2) The control for increasing or decreasing the engagement pressure of the lock-up clutch 16 is being performed;
(3) that the deceleration mode is selected;
It is determined whether at least one of the items has occurred (step S5). The deceleration mode means that the lock-up clutch 16 is engaged and the acceleration request is equal to or less than a predetermined value.
[0106]
If an affirmative determination is made in step S6, control (smooth off control) for gradually reducing the torque capacity of the lock-up clutch 16 is executed (step S7), and this control routine ends. On the other hand, when a negative determination is made in step S6, the output hydraulic pressure of the linear solenoid valve SLS is set to the maximum value (step S8). Following step S8, control is performed to set (fix) the output oil pressure of the linear solenoid valve SLU to a minimum value, for example, zero megapascal, and to output the required oil pressure from the duty solenoid valve DSL (step S9). This control routine is terminated. It should be noted that also when the determination is affirmative in step S3, the process proceeds to step S9.
[0107]
As described above, in the control example of FIG. 1, when a negative determination is made in step S4 or when a positive determination is made in step S6, the output hydraulic pressure of the linear solenoid valve SLS is set to the maximum pressure, and the duty Control for supplying the hydraulic pressure of the solenoid valve DSL to the
[0108]
Here, the correspondence between the functional means shown in FIG. 1 and the configuration of the first to fifth aspects of the present invention will be described. Step S1 corresponds to the function determining means of the present invention, and steps S4 and S6 correspond to the function determining means. Steps S5, S7, S8, and S9 correspond to the timing selecting means of the present invention. Explaining the correspondence between the configuration shown in FIGS. 2 to 5 and the configuration of the first to sixth aspects of the present invention, the
[0109]
Further, the linear solenoid valve SLR corresponds to the first control valve of the present invention, the lock-up
[0110]
Further, the speed ratio of the belt-type continuously
[0111]
(Second control example)
In the hydraulic circuits shown in FIGS. 3 to 5, when the torque transmitted from the
[0112]
By the way, the
[0113]
Therefore, when the output hydraulic pressure of the linear solenoid valve SLS is increased as described above, the
[0114]
Here, if a short failure in which power is constantly supplied to the duty solenoid valve DSL occurs even though the linear solenoid valve SLR has not failed, the hydraulic pressure at the
[0115]
The second control example is a control example for dealing with such inconvenience, and the second control example will be described based on the flowchart of FIG. Note that the second control example is a control example corresponding to the fifth and sixth aspects of the present invention. First, it is determined whether or not the duty solenoid valve DSL is short-failing (step S11). If a positive determination is made in step S11, it is determined whether the torque input from the
[0116]
If the determination in step S12 is affirmative, control to decrease the opening of the electronic throttle valve of the
[0117]
In this manner, when the
[0118]
If the output oil pressure of the linear solenoid valve SLS is decreased in step S13, the oil pressure of the
[0119]
Therefore, in step S13, the control is performed so that the linear solenoid valve SLU is de-energized and the output oil pressure of the linear solenoid valve SLU is set to the maximum value. Then, the hydraulic pressure acting on the
[0120]
If a negative determination is made in step S12, it is determined whether the actual accelerator opening is equal to or less than a predetermined accelerator opening (step S14). Here, the predetermined accelerator opening is an accelerator opening at which it is necessary to output a hydraulic pressure from the linear solenoid valve SLS to switch the spool 104A of the
[0121]
If a negative determination is made in step S14, the control routine ends. Further, if a negative determination is made in step S11, the control routine is terminated. If a negative determination is made in step S11, for example, control to increase the hydraulic pressure transmitted from the linear solenoid valve SLS to the
[0122]
Here, the correspondence between the functional means described in the second control example and the configuration of the invention according to
[0123]
Further, when the linear solenoid valve SLR has a disconnection failure, the output oil pressure of the linear solenoid valve SLS is increased to switch the spool 104A of the
[0124]
Further, steps S11 and S12 correspond to the function determining means of the present invention, and a control routine is performed in which a positive determination is made in step S11 and the process proceeds from step S12 to step S13, and a negative determination is made in step S11. The processing permitted when ending is equivalent to the hydraulic pressure selection means of the present invention.
[0125]
Furthermore, the
[0126]
Further, the hydraulic pressure in the hydraulic chamber B1 and the hydraulic pressure in the hydraulic chamber C1, the engagement pressure of the forward clutch and the engagement pressure of the
[0127]
Furthermore, the function of the third control valve according to the sixth and seventh aspects of the present invention is determined based on whether the duty solenoid valve DSL is short-failed, and the low hydraulic pressure output from the linear solenoid valve SLS is determined. The high oil pressure output from the linear solenoid valve SLS corresponds to the "oil pressure at which the oil passage is shut off" of the inventions of the sixth and seventh inventions. It corresponds to "communicated hydraulic pressure". Further, the case where the duty solenoid valve DSL is short-failed corresponds to the case where the function of the third control valve according to the sixth and seventh aspects of the invention is reduced.
[0128]
(Third control example)
In the hydraulic circuits shown in FIGS. 3 to 5 described above, by controlling the hydraulic pressure transmitted from the linear solenoid valve SLS to the
[0129]
As described above, when the output hydraulic pressure of the duty solenoid valve DSL is increased at the time when the
[0130]
By the way, at the time of the disconnection failure of the linear solenoid valve SLR, the
[0131]
However, when the linear solenoid valve SLS breaks and the torque transmitted to the belt-type continuously
[0132]
The third control example is a control example for avoiding a problem when the linear solenoid valve SLS has a disconnection failure, and the third control example will be described based on a flowchart shown in FIG. Note that the third control example corresponds to
[0133]
First, it is determined whether or not the linear solenoid valve SLS has failed (step S21). If the determination in step S21 is affirmative, it is determined whether or not the duty solenoid valve DSL is on (the energization ratio is 100%) (step S22). That the determination in step S22 is affirmative means that the output hydraulic pressure of the duty solenoid valve DSL is high, the output hydraulic pressure is transmitted to the
[0134]
Therefore, if the determination is affirmative in step S22, the duty solenoid valve DSL is turned off, and the output oil pressure of the duty solenoid valve DSL is reduced (step S23). Then, the hydraulic pressure of the
[0135]
Following step S23, control to increase the torque capacity of the lock-up clutch 16 is prohibited, and control to increase the output oil pressure of the duty solenoid valve DSL is prohibited (step S24), and this control routine is ended. On the other hand, if a negative determination is made in step S22, that is, if the lock-up clutch 16 is released, the process proceeds to step S24. On the other hand, when the shift of the belt-type continuously
[0136]
As described above, according to the control example of FIG. 7, when the linear solenoid valve SLS is disconnected and the
[0137]
Here, the correspondence between the functional means shown in FIG. 7 and the inventions of
[0138]
The switching states of the hydraulic pressure transmitted to the manual valve 117 and the hydraulic chambers B1 and C1 of the forward /
[0139]
(Fourth control example)
In the case of transmitting the engine torque to the
[0140]
First, it is determined whether or not the above-described clutch mode has been selected (step S31). If a positive determination is made in step S31, it is determined whether a forward position or a reverse position is selected (step S32). If a positive determination is made in step S32, it is determined whether the engagement of the forward clutch 22 or the
[0141]
If a negative determination is made in step S33, garage shift hydraulic control is performed (step S34), and this control routine ends. The processing performed in step S34 is represented by the following equation.
Pd = F (Pclt)
Pclt = Pcltndr
Here, Pd is the hydraulic pressure in the
[0142]
On the other hand, if a positive determination is made in step S33, a clutch pressure instruction according to the input torque is performed (step S35), and this control routine ends. Here, the input torque is the torque transmitted from the
Pd = F (Pclt)
Pclt = K * Tt
Here, K is a constant, and Tt is a turbine torque, specifically, a torque transmitted from the
[0143]
On the other hand, if a negative determination is made in step S32, the clutch instruction pressure is set to zero megapascal (step S36), and this control routine ends. A negative determination in step S31 means that the mode has been switched from the clutch mode to the belt mode. Therefore, if a negative determination is made in step S31, then in step S37
Pd = belt clamping pressure instruction
Is performed, and the control routine ends. That is, when the belt mode is selected, the torque capacity of the forward /
[0144]
As described above, according to the control example of FIG. 8, the belt mode is selected and the lock-up clutch is selected when the clutch mode is selected and the engagement of the forward clutch 22 or the reverse brake is completed. Until the engagement of the clutch 16 starts, the clamping force applied to the
[0145]
Further, the inventions of
[0146]
In addition, the function determining means described in the claims is replaced with a function determining device or a function determining controller, the torque capacity determining means is replaced with a torque capacity determining device or a torque capacity determining controller, and the timing selecting means is replaced. , Read as a timing determiner or a controller for timing determination, read the torque capacity control means as a torque capacity controller or a controller for torque capacity control, read the oil amount adjustment means as an oil amount adjuster or an oil amount adjustment controller, The hydraulic pressure selection means may be read as a hydraulic pressure selector or a hydraulic pressure selection controller, and the transmission control device may be read as a transmission hydraulic pressure control device or a drive train control device. When such replacement is performed, the
[0147]
Further, the function determining means described in the claims is replaced with a function determining step, the torque capacity determining means is replaced with a torque capacity determining step, the timing selecting means is replaced with a timing determining step, and the torque capacity controlling means is replaced. Is read as the torque capacity control step, the oil amount adjusting means is read as the oil amount adjusting step, the oil pressure selecting means is read as the oil pressure selecting step, and the transmission control device is the transmission control method or the transmission It can also be read as a hydraulic control method or a drive train control method. Further, the torque capacity described in the claims includes an engagement pressure, an engagement hydraulic pressure, and an engagement state. The engaged state includes engagement (complete engagement), slip, and release (complete release). Further, the torque capacity control device of the present invention includes a friction clutch, an electromagnetic clutch, a fluid clutch, and the like. Therefore, an actuator other than the hydraulic control device can be used as the actuator for controlling the torque capacity of the torque capacity control device.
[0148]
【The invention's effect】
As described above, according to the first aspect of the present invention, in the case where the function of the first control valve is reduced and the oil coming from the third control valve is supplied to the first control valve, the "torque capacity control It is possible to suppress "inadvertent change in the behavior of the vehicle due to a change in the torque capacity of the device.
[0149]
According to the second aspect of the invention, in addition to the same effect as that of the first aspect of the invention, the timing at which the oil from the third control valve is supplied to the first control valve is set to the torque capacity of the lock-up clutch. You can choose based on: Therefore, it is possible to avoid a shock caused by a sudden change in the torque capacity of the lock-up clutch.
[0150]
According to the third aspect of the present invention, in addition to obtaining the same effect as the second aspect of the present invention, after the reduction of the torque capacity of the lock-up clutch is completed, the oil discharged from the third control valve is controlled by the first control. Can supply to valve. Therefore, it is possible to avoid a shock in which the lock-up clutch is suddenly released.
[0151]
According to the fourth aspect of the invention, in addition to obtaining the same effect as the first aspect of the invention, the timing of supplying the oil from the third control valve to the first control valve is determined by the torque of the forward / reverse switching device. You can select based on capacity. Therefore, it is possible to avoid a shock caused by a sudden change in the torque capacity of the forward / reverse switching device.
[0152]
According to the fifth aspect of the present invention, in addition to obtaining the same effects as the fourth aspect of the present invention, after the increase in the torque capacity of the forward / reverse switching device is completed, the oil discharged from the third control valve is discharged to the first control valve. Supply to control valve. Therefore, the shock accompanying the engagement of the forward / reverse switching device can be suppressed.
[0153]
According to the invention of
[0154]
According to the invention of
[0155]
According to the invention of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flowchart showing a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a conceptual diagram showing a power train and a control system of a vehicle to which the present invention is applied.
FIG. 3 is a diagram showing a specific example of the hydraulic control device shown in FIG. 2;
FIG. 4 is a diagram showing a specific example of the hydraulic control device shown in FIG. 2;
FIG. 5 is a diagram illustrating a specific example of the hydraulic control device illustrated in FIG. 2;
FIG. 6 is a flowchart illustrating a second control example of the present invention.
FIG. 7 is a flowchart illustrating a third control example of the present invention.
FIG. 8 is a flowchart showing an example of control that can be executed by the systems of FIGS. 2 to 5;
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (9)
前記トルク容量制御装置のトルク容量を制御する第2の制御弁が設けられており、前記第1の制御弁の機能が低下した場合に、第3の制御弁から出力されるオイルが所定の油路を経由して前記第1の制御弁に供給されて、この第1の制御弁の機能の低下を抑制するように構成されているとともに、前記所定の油路には前記第2の制御弁が接続されており、
前記第1の制御弁の機能を判断する機能判断手段と、
前記トルク容量制御装置のトルク容量を判断するトルク容量判断手段と、
前記第3の制御弁から出力されるオイルを、前記所定の油路を経由させて前記第1の制御弁に供給する時期を、前記トルク容量判断手段の判断結果に基づいて選択する時期選択手段と
を備えていることを特徴とする変速機の制御装置。A transmission and a torque capacity control device are provided on the output side of the driving force source, and the transmission control device includes a first control valve for controlling a power transmission state of the transmission;
A second control valve for controlling the torque capacity of the torque capacity control device is provided, and when the function of the first control valve is reduced, the oil output from the third control valve is a predetermined oil. The first control valve is supplied to the first control valve via a passage so as to suppress a decrease in the function of the first control valve, and the second control valve is provided in the predetermined oil passage. Are connected,
Function determining means for determining the function of the first control valve;
Torque capacity determining means for determining the torque capacity of the torque capacity control device;
Time selecting means for selecting a time at which oil output from the third control valve is supplied to the first control valve via the predetermined oil passage based on a result of the determination by the torque capacity determining means; A control device for a transmission, comprising:
前記時期判断手段は、前記ロックアップクラッチのトルク容量の低下が完了した後に、前記第3の制御弁から出るオイルを、前記所定の油路を経由させて前記第1の制御弁に供給する機能を、更に備えていることを特徴とする請求項2に記載の変速機の制御装置。The torque capacity determining means further has a function of determining whether the reduction of the torque capacity of the lock-up clutch has been completed,
The timing determining means supplies the oil coming out of the third control valve to the first control valve via the predetermined oil passage after the reduction of the torque capacity of the lock-up clutch is completed. The transmission control device according to claim 2, further comprising:
前記第1の制御弁と第3の制御弁とを接続し、かつ、前記第2の制御弁を経由する油路が設けられており、
第4の制御弁から前記第2の制御弁に供給される油圧を、前記駆動力源のトルクに基づいて制御することにより、前記トルク容量制御装置のトルク容量を制御するトルク容量制御手段と、
前記第1の制御弁の機能が低下した場合に前記油路を開放し、かつ、前記第3の制御弁から前記油路を経由して前記第1の制御弁に作用する油圧を制御することにより、前記第1の制御弁を経由して前記変速機に供給されるオイル量、および前記変速機から前記第1の制御弁を経由して排出されるオイル量を調整するオイル量調整手段と、
前記第3の制御弁の機能を判断する機能判断手段と、
この機能判断手段の判断結果に基づいて、前記第4の制御弁から前記第2の制御弁に供給される油圧を、前記油路が前記第2の制御弁で遮断される油圧、または油路が前記第2の制御弁で連通される油圧のいずれにするかを選択する油圧選択手段と
を有することを特徴とする変速機の制御装置。A transmission is provided on the output side of the driving force source via a torque capacity control device, a first control valve for controlling a power transmission state of the transmission, and a torque capacity of the torque capacity of the torque capacity control device. And a second control valve for controlling the control of the transmission,
An oil passage connecting the first control valve and the third control valve, and passing through the second control valve;
A torque capacity control unit that controls a torque capacity of the torque capacity control device by controlling a hydraulic pressure supplied from a fourth control valve to the second control valve based on a torque of the driving force source;
Opening the oil passage when the function of the first control valve is reduced, and controlling the hydraulic pressure acting on the first control valve from the third control valve via the oil passage. Oil amount adjusting means for adjusting the amount of oil supplied to the transmission via the first control valve and the amount of oil discharged from the transmission via the first control valve. ,
Function determining means for determining the function of the third control valve;
The hydraulic pressure supplied from the fourth control valve to the second control valve is reduced based on the result of the determination by the function determining means. And a hydraulic pressure selecting means for selecting any one of hydraulic pressures communicated by the second control valve.
前記油圧選択手段は、前記駆動力源から前記トルク容量制御装置に伝達されるトルク容量が所定値を越えており、かつ、前記第3の制御弁の機能が低下している場合は、前記駆動力源から前記トルク容量制御装置に伝達されるトルク容量を所定値以下に制御する機能と、前記第4の制御弁から前記第2の制御弁に供給される油圧として、前記油路が前記第2の制御弁で遮断される油圧を選択する機能とを、更に有していることを特徴とする請求項6に記載の変速機の制御装置。The function determining means further has a function of determining whether the torque transmitted from the driving force source to the torque capacity control device exceeds a predetermined value,
The hydraulic pressure selecting unit is configured to control the drive when the torque capacity transmitted from the driving force source to the torque capacity control device exceeds a predetermined value and the function of the third control valve is reduced. A function of controlling the torque capacity transmitted from the power source to the torque capacity control device to be equal to or less than a predetermined value, and the oil path as the hydraulic pressure supplied from the fourth control valve to the second control valve, The transmission control device according to claim 6, further comprising a function of selecting a hydraulic pressure to be shut off by the second control valve.
所定の制御対象に供給されるオイルの状態を制御する第2の制御弁と、この第2の制御弁の動作を制御する第3の制御弁と、第2の制御弁の動作により連通・遮断され、第4の制御弁の出力油圧を前記第1の制御弁に伝達する油路とが設けられているとともに、
前記第3の制御弁の機能を判断する機能判断手段と、
この機能判断手段の判断結果に基づいて、前記第4の制御弁出力油圧を制御する油圧制御手段と
を備えていることを特徴とする変速機の制御装置。A transmission is connected to the output side of the driving force source, and the transmission includes a first control valve for controlling a power transmission state of the transmission.
A second control valve for controlling a state of oil supplied to a predetermined control target, a third control valve for controlling the operation of the second control valve, and a communication / shutoff by the operation of the second control valve And an oil passage for transmitting the output oil pressure of the fourth control valve to the first control valve is provided,
Function determining means for determining the function of the third control valve;
A control device for a transmission, comprising: hydraulic control means for controlling the fourth control valve output hydraulic pressure based on the result of the determination by the function determining means.
前記油圧制御手段は、前記第5の制御弁により前記トルク容量制御装置のトルク容量が増加される制御が実行されることを禁止するように、前記第4の制御弁の出力油圧を制御する機能を、更に備えていることを特徴とする請求項8に記載の変速機の制御装置。A fifth capacity control device is provided on the output side of the driving force source, and operates according to the output oil pressure of the fourth control valve, and controls the torque capacity of the torque capacity control device. A valve is provided,
A function of controlling the output oil pressure of the fourth control valve so as to prohibit the control of increasing the torque capacity of the torque capacity control device from being performed by the fifth control valve. The control device for a transmission according to claim 8, further comprising:
Priority Applications (1)
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2003
- 2003-02-03 JP JP2003026524A patent/JP2004239297A/en active Pending
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