JP2004238598A - 外頴防滑融雪剤及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】自然界に優しい天然資源を用いて持続力のある融雪剤としたい。また、廃棄物を主材とし、しかも雪道等凍結面の滑り防止効果をも加味させたい
【構成】栽培用イネ科の頴果の外頴を、2分の1〜4分の1程度の大きさに破砕して得た破砕外頴で、破砕時に生ずる鋭い山頂状の割れ口や存在する多数の短い棘を利用して滑り防止を兼ねた外頴防滑融雪剤とした。なお、融雪効率を向上させるため破砕外頴に塩化カルシウムを或る程度混和させてもよい。更に、散布しやすくするためと他との組合せのために破砕外頴を粒状若しくはペレット状としたものとするもよい。なお、外頴として籾殻を採用するが最も好ましい。
【選択図】 なし
【構成】栽培用イネ科の頴果の外頴を、2分の1〜4分の1程度の大きさに破砕して得た破砕外頴で、破砕時に生ずる鋭い山頂状の割れ口や存在する多数の短い棘を利用して滑り防止を兼ねた外頴防滑融雪剤とした。なお、融雪効率を向上させるため破砕外頴に塩化カルシウムを或る程度混和させてもよい。更に、散布しやすくするためと他との組合せのために破砕外頴を粒状若しくはペレット状としたものとするもよい。なお、外頴として籾殻を採用するが最も好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は,現在多量に廃棄又は焼却されている食料用として栽培しているイネ科の頴果である米や麦の「外頴」を材料としたものであり、それを破砕して、凍結又は雪積道路上等に散布して路面上等の防滑と併せて融雪に寄与させようとするものである。特には、効果の大きい米の外頴、すなわち十分に乾燥した「籾殻」を材料とした防滑兼用の融雪剤である。
【0002】
【従来の技術】
従来、凍結道や雪道の防滑策としては、歩行者自身が履物裏に突起を有した滑り止め具等を取り付けたりしていた。
そこで、行政・自治会では、塩化カルシウムなどの融雪剤を、凍結道上等に散布して、氷や雪を消滅させるように努めている。
【0003】
それ故、より早く融雪・解氷する融雪剤の開発が期待されているのである。昔は、太陽熱をいち早く吸収するように、黒色である炭や灰を撒いたりしたものである。これらは、長持ちはするが、道路・人・車などが黒く汚れてしまう。
【0004】
そこで、塩化ナトリウム・塩化マグネシウム等も用いたりするが、現在では、その融雪剤として塩化カルシウムの散布が主体となっている。
これらは、短時間で雪を溶かす能力はあるけれども、多量に使用されると自動車が錆びたり、街路樹に悪影響を与えたり河川を汚染したりして、自然破壊に繋がってしまうので使用を避けるべきだと考える。
ここに、最も一般的な塩化カルシウムを主体として使って、それに付加物を混和したりして塩化カルシウム単体の時よりも優れた融雪効果を狙った先行技術文献情報を示すと次のようなものがある。
【0005】
例えば,融雪効果が大きくて持続性をも兼ね備えたものとして、固体状塩化カルシウムの少なくとも表面に、焼却灰・火山灰の如き無機物や、ポリエチレン・ポリプロピレンのような有機物の、水に対して不溶性の「粉末」を存在させることにより固体状塩化カルシウムと積雪面との接触面積を小さくして持続性を改善させた発明の名称「融雪剤」としたものがある(例えば,特許文献1参照。)。
【0006】
同じく持続性を兼ね備えたものとして、高濃度の塩化カルシウム水溶液を吸液するカルボキシメチルセルロース・寒天・澱粉等の有機系や、珪藻土・ゼオライト・シリカのような無機系の「吸水材」を塩化カルシウムと併用させ、散布後に高濃度の塩化カルシウムを含む融雪水を「吸水材」が保持して持続性を保させた発明の名称「融雪剤」としたものがある(例えば,特許文献2参照。)。
【0007】
上記の特許文献1の「粉末」を存在させたものでは、風で飛ばされて積雪面への定着性が不足であるとして改良したもので、塩化カルシウムより融雪持続時間の長い物質である酢酸カルシウムマグネシウム・酢酸ナトリウム等の有機化合物や塩化ナトリウム等の塩化物塩・各硝酸塩・各硫酸塩・各リン酸塩・各ホウ酸塩を「核」とし、その周囲に塩化カルシウム層を「殻」として形成させた発明の名称「融雪剤」としたものがある(例えば,特許文献3参照。)。
【0008】
次に、この出願の発明に最も近い内容のものを提示する。それは、入手しやすく廃物利用となる籾殻・藁・麦の実の殻・落花生の殻を使用して、これらに吸熱性を高めるため「墨汁」で着色した発明の名称「籾殻、藁、麦の実の殻、落花生の殻を着色した融雪剤」としたものがある(例えば,特許文献4参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開平09−241621号公報(
【0005】〜
【0007】)
【特許文献2】
特開平10−001662号公報(
【0006】〜
【0010】)
【特許文献3】
特開平11−100570号公報(
【0004】〜
【0013】)
【特許文献4】
特開2002−212546号公報(
【0003】〜
【0006】)
【0010】
上記のものは、特許文献4を除いて、いずれも多量に用いることによってやがて自然破壊に繋がる材料を主体としている。
その点、特許文献4の籾殻、藁、麦の実の殻、落花生の殻は、有機物でありC/N比が低く蛋白質が高いから比較的分解しやすく、やがて堆肥化して行くので自然界に戻って行き好ましい融雪剤であると言える。
【0011】
ここで、一部ではあるが特許文献4にても採用している籾殻や麦の実の殻について考察して見ることにする。
これらは、米や麦が果実でありイネ科では果実を頴果とか穀果と称している。そして、イネ科の花に内頴と外頴とがあるが、雌しべが果実となっても、この内側の内頴と外側では外頴なり護頴が残って果実を包んでいる。
したがって、その籾殻や麦の実の殻とは、その「外頴」に当るものである。
【0012】
同じイネ科でも多湿の日本ではあまり栽培に適さないと言われる小麦は、長さが5〜7mmと米と同じ程度の子実は頴果であるから、米と同様に外頴を有するが、外頴には長い芒を有している。大麦も長い芒を持つ外頴とそれに包まれるように内頴がある。更に種実が熟する途中で粒を包む外頴と内頴が果皮に癒着するものを皮麦、癒着しないで小麦のように粒が取り出せるものを裸麦といい区別している。また、原料麦を搗精して外頴である殻や糠を除いたものを丸麦という。
いずれにしても、小麦も大麦も、米と同様な外頴を有しているのである。
【0013】
ここで、玄米の外頴である「籾殻」について詳しく考察してみる。
玄米の外頴である時の形状は、米の種類により長さが3〜8mm程度、太さは2〜5mm程度の中太・細長の円錐状をしている。
そのもみ米を、脱穀後十分乾燥した後に、籾摺機にて子実である玄米と分離させて得たのが籾殻であり、その際に多くは縦方向二つに割れるのである。このことは、イネ科の外頴全般に言えることである。
【0014】
そうして得た籾殻の表皮側には短いが「多数の棘」が生えていて、ケイ酸が含まれているので割合硬度が高く、気泡を含まずば水に沈むものであり、天然セラミックとも呼ばれる所以である。
用途としては、肥料・保温材・卵や林檎の梱包材・枕の詰め物等に用いられていたが、それは昔のことで現在は処分に困っているのが実状であり、主として焼却処分をされている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
この発明では,自然界に優しい天然資源を用いて融雪剤としたい。しかも、解氷・融雪効果を長期間保持する持続力のあるものとしたい。
それも、廃棄物として処理に困っているような物質を主材としたい。
加えて、雪道等の凍結面を歩く時は、滑って転ぶことがあり危険である。それ故、滑り防止効果をも加味させたものとしたいのである。
【0016】
そこで、発明者は食用として栽培しているイネ科の外頴に着目して、それを融雪剤とすべく採り上げたのである。特に、玄米の外頴である「籾殻」の表皮側には、多数の棘が生えていると前述したが、これは短いが細く鋭いもので、しかもほぼ全面に群生しているから、この棘を利用して滑り止めにならないかと考えたのである。また、麦類の外頴には、短い棘が沢山生えた長い芒がある。
【0017】
前出の特許文献4の籾殻そのものを用いると、折角多数ある棘が有効に起用できないのである。その理由は、籾摺機に掛けた時の籾殻は、主に二つに縦割りして舟形を呈するようになるのであり、散布時に雪面上に落ち行くとき、その舟形故に棘のある方を下にして着地する確率が大きいのである。
この現象は、イネ科の外頴全般に言えることである。
【0018】
しかも、着地した部分が弓なり状部の一部だから、籾殻の相当部分は空中にあり接地していないことになる。よって、太陽熱を籾殻全体が受けたとしても、後述するようにこの発明と比較すると融雪効力はかえって低いのである。
それも、散布した直後から数時間位では、籾殻が氷中に入り込まない内に風や歩行者の足によって上述の空中部分が蹴散らされてしまうのである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の諸欠点を解決し目的を達成するため発明者は次のような手段を考えた。
栽培用イネ科の頴果とは分離させて得た外頴を、2分の1〜4分の1程度の大きさに破砕して得た破砕外頴である外頴防滑融雪剤とした。
すなわち、1回破砕しただけの破砕外頴そのものであり、後述する防滑機能をも有するので、敢えて「外頴防滑融雪剤」と称することにしたのである。
【0020】
決して粉砕ではない。粉末にしてはならないのである。少しは粉状となろうが出来るだけ上記の大きさの集合体である破砕外頴とするのがよい。
なお、融雪効率を向上させるため破砕外頴に、塩化カルシウムを或る程度混和させたものとするもよい。更に、散布しやすくするため破砕外頴を、澱粉系の練剤を用いて粒状若しくはペレット状とした外頴防滑融雪剤とするもよい。
【0021】
製造方法としては、乾燥した栽培用イネ科の外頴を、適当な摺り合せ機構間に通過させて破砕外頴を得た外頴防滑融雪剤の製造方法となる。
勿論、破砕外頴を澱粉系の練剤を用いて粒状若しくはペレット状化したものとした外頴防滑融雪剤の製造方法とするもよい。
イネ科を栽培用と限定したのは、栽培されるものこそ子実の成長と共に外頴も確りしたものとなり、また、多量に生産され入手が容易となるからである。
【0022】
【発明の実施の形態】
この発明の外頴防滑融雪剤は、外頴の2分の1〜4分の1に破砕されたことにより、表面積をそれだけ増加させ、雪道等に散布すると前述した如く舟形ではなくなるから広く雪面に接して融雪効果もそれに比例して増えることになる。
すなわち、外頴であった時よりも遥かに多くの太陽熱の吸収による温度上昇にての融雪や、溶けた水との混合による氷点の低下となって表われるのである。
【0023】
外頴の形状、特に籾殻は、前出のように大体縦に二つ割りとなっていて、言わば舟のような形なので風を受けやすいが、破砕外頴は舟形ではなくなるので、思いの外、風の影響を受け難くなるのである。
このことは、外頴の時のものと同量で比較しても融雪地への密着度合が高い故か、融雪効果は同等以上の成果を示したのである。
【0024】
当然、細かい棘は氷雪面に食込み飛散防止に一役買っていると思われる。加えて、籾殻を摺り合せ機構間に通過させて破砕させた後は、その破砕形状が丁度生卵を割ったときの殻の割れ口のように、鋭い山頂が並んだ状態になるから、その山頂状の割れ口も雪面に突き刺さる効果を発揮しているのである。
【0025】
なお、代表的な外頴である籾殻を取り上げて、それを破砕した籾殻とで比較調査をしてみた。すなわち、籾殻自身と破砕した籾殻とを、並べた氷盆上の一方に籾殻を、他方に破砕した籾殻を夫々薄目に散布した後、破砕した籾殻の方が氷中に入り込んだ頃を見計らって、両者の表面上をそっと掌で撫でるように触手したところ、破砕した籾殻の方は、ザラザラ感を感ずると共に一部分が氷から離散したのみだったが、この段階での籾殻の方は、殆どの籾殻が掌と共に氷から離散してしまったのである。
すなわち、破砕した籾殻は、籾殻より遥かに早く氷中に入り込むことを意味しているし、風等による飛散の影響も少ないと言えるのである。
【0026】
それでも、塩化カルシウムよりも融雪能力は小さく遅いから、融雪を急ぐ場合はその現場に応じて或る程度塩化カルシウムを混合して撒けばよい。
破砕した籾殻の山頂状の割れ口や、一面にある短い多数の棘は、氷雪面へ散布した時にはランダムに落下着地するから、当然、割れ口や棘の向く方向もあちこちに向いて、やがて氷雪面に定着することになる。このことは、氷雪面上の摩擦力を高める効果となって表われるのであり、歩行者の転倒防止、車のスリップ防止の効果として表われる。
【0027】
また、澱粉系の練剤を用いて例えば太さを7mm程度、長さを8〜15mm程度とする粒状なりペレット状にすれば、散布の容易化と風の飛散防止にもなる。
澱粉系の練剤を用いる理由は、自然環境に配慮のためである。
こうゆう形状にすれば、かまど。ストーブ・ボイラー等への燃料として使用しやすくなるし、肥料用として使用することも容易になろう。
【0028】
なお、この発明の外頴について、籾殻を中心に説明したのは外頴として棘が多いからであり、大麦や小麦の外頴には長い芒はあっても細かい棘は少ない。
それでも、当然、破砕された外頴には山頂状の割れ口は生ずるし、芒自身には細かい棘を多数有しているから破砕された芒は氷面上によく付着するのである。
ただし、あまりに細かくなってしまうし、破砕された外頴自身には棘が少ないから、総合的な効果は籾殻よりも劣るようだ。
【0029】
【実施例】
発明者は、摩擦力を比較するために下記のような調査を実施した。
先ず、測定用氷面は、水盆を凍らせて平滑な氷面とした上に、この発明の籾殻を用いた外頴防滑融雪剤を均等薄目に散布してから2日後のものと、散布しなかったもの2日後のものとを並べて用意した。
そして、その上を滑らす接触面積が5×10cmのプラスチック板と、同大のゴム板とを用意し、更に、その上に載せる錘として400gと900gを用意して静摩擦力を測定することにした。
【0030】
【表1】
【0031】
上表からも分かるように、氷面に散布した後の摩擦効果は大きく、散布しない時の2〜3倍程度にも達するから、自動車も停車しやすくなり、歩行者の転倒も減少するものと確信することができる。
【0032】
また、発明者は、実施例として、15cm積もった雪道上に、破砕した籾殻の外頴防滑融雪剤を散布した所、塩化カルシウムを散布した所、何も散布しない所との3区間を設け、3日後に目視にて比較したところ次のような結果を得た。
1.何も散布しない所:雪面は凍結した状態の侭で地面の表出はない。
2.塩化カルシウムを散布した所:既に地肌の露出した場所も散見されるが、塩化カルシウムが残存している個所は、その塩化カルシウムを中心にして窪みが生じていて、この凹部が多数散在している。また、凹部がない所は滑りやすい。なお、散布後30〜60分位で凹部ができて歩き難い。
【0033】
3.破砕した籾殻である外頴防滑融雪剤を散布した所:既に地肌の露出した場所も一部散見されるが、塩化カルシウムを散布した所ほどには広くない。外頴防滑融雪剤の撒かれた場所によって濃淡があるが外頴防滑融雪剤群のある所は、その群部である面部が全体に凹んだ状態になっている。しかも、全体として滑らずに歩けて安心感がある。なお、散布後30〜60分位では沈下しない。
【0034】
さて、製造法であるが、理想とする目標は、外頴の長さ方向を3分割したいのである。長さ方向に縦割りでなく、理想を言うなら巾方向に切断して3分の1位の大きさにしたいのである。しかしながら、小さく軽い外頴をそのように均等に分割することは無理であるから、例えば上下にあるヤスリ目が中心から放射状に配された農家にある石臼のようなものを用いても破砕は可能である。
【0035】
発明者は、籾摺機の摺り合わせ板の間隔を調整できるように改良して、この発明で言う摺り合せ機構とした。
その機構の一つを実施例として説明する。すなわち、高さ1mm以下の細かいヤスリ目を多数有した直径50mm程の回転するヤスリ板が、その回転軸を水平として垂直に配設されていて、その回転するヤスリ板面に対向して、隙間を3〜5mmとした固定鉄板を配して成る摺り合せ機構とした。外頴は上方からその隙間に1回落下させるのである。
因みに、この隙間は、籾摺機のそれの3分の1程である。
【0036】
なお、塩化カルシウム等の混合は、適当な比率で、また、適当な大きさの粒子のものを破砕外頴と共に混合攪拌機に投入すれば、破砕外頴にコーティングされるから、従来のように散布車が利用できるようになる。
このように、速効性の必要な高速道路には塩化カルシウムを、農道や町村などの歩道にはこの発明の外頴防滑融雪剤を、中間的な場所には外頴防滑融雪剤と塩化カルシウム等の混合ものをと使い分ければよい。
【0037】
なお、破砕外頴を着色させて熱吸収をより向上させたいなら、通常行われる炭焼き時の半焼きのように、外頴を半焼きして茶褐色にするもよいだろう。
路面以外の使用先として、駐車場もあるが、田畑の雪上に散布しておけば、冬の間の短い内に雪が溶けて、しかも、外頴防滑融雪剤が肥料化する。
【0038】
なお、外頴防滑融雪剤を粒状なりペレット状にする方法は、一般に行われる慣用手段でよく、例えば破砕外頴を澱粉系のもので練状にして細長くしたものを乾燥後に適当長に切断するなり、丸めて粒状にすればよいのである。
更に、小さく外頴防滑融雪剤をチップ化すれば、タイヤ・ゴム長靴の底等の製造時に表出部の主材に混在させることが容易となるから、滑り止めの効果を有したものができるようにもなろう。
【0039】
【発明の効果】
この発明は、外頴という天然資源を用いたから、飛び散っても街路樹等他へ障害を及ぼすことなく、やがては土に還って行くし、川に落ちれば魚などの餌にさえなるという自然界に優しい融雪剤となった。
また、塩化カルシウムより解氷・融雪能力が多少落ちるとしても、分解が遅いから効果を長期間保持する持続力があるし、外頴を破砕したときに生ずる鋭い山頂状の割れ口や、その表皮側にある短い多数の棘が滑りの防止役を果すから、雪道等の凍結面を歩くときでも滑って転倒することがなくなり安心である。
特に、外頴として籾殻を採用すればその効果は大きく表われる。
【0040】
これらは外頴を破砕外頴としたことによって得られた効果であって、同量の外頴自体ではこのような効果を得ることができないのである。
更に、粒状若しくはペレット状化したものは、散布しやすくなると共に様々なものと組合せて用いることができるようになる。
その上、従来廃棄物として処理に困っていた外頴が、ただ単に破砕外頴とするだけで融雪剤に変化し、その融雪費用を塩化カルシウムの場合と比較すると、概算だが5分の1以下になるという大変経済的にも有効な優れた発明である。
【発明の属する技術分野】
この発明は,現在多量に廃棄又は焼却されている食料用として栽培しているイネ科の頴果である米や麦の「外頴」を材料としたものであり、それを破砕して、凍結又は雪積道路上等に散布して路面上等の防滑と併せて融雪に寄与させようとするものである。特には、効果の大きい米の外頴、すなわち十分に乾燥した「籾殻」を材料とした防滑兼用の融雪剤である。
【0002】
【従来の技術】
従来、凍結道や雪道の防滑策としては、歩行者自身が履物裏に突起を有した滑り止め具等を取り付けたりしていた。
そこで、行政・自治会では、塩化カルシウムなどの融雪剤を、凍結道上等に散布して、氷や雪を消滅させるように努めている。
【0003】
それ故、より早く融雪・解氷する融雪剤の開発が期待されているのである。昔は、太陽熱をいち早く吸収するように、黒色である炭や灰を撒いたりしたものである。これらは、長持ちはするが、道路・人・車などが黒く汚れてしまう。
【0004】
そこで、塩化ナトリウム・塩化マグネシウム等も用いたりするが、現在では、その融雪剤として塩化カルシウムの散布が主体となっている。
これらは、短時間で雪を溶かす能力はあるけれども、多量に使用されると自動車が錆びたり、街路樹に悪影響を与えたり河川を汚染したりして、自然破壊に繋がってしまうので使用を避けるべきだと考える。
ここに、最も一般的な塩化カルシウムを主体として使って、それに付加物を混和したりして塩化カルシウム単体の時よりも優れた融雪効果を狙った先行技術文献情報を示すと次のようなものがある。
【0005】
例えば,融雪効果が大きくて持続性をも兼ね備えたものとして、固体状塩化カルシウムの少なくとも表面に、焼却灰・火山灰の如き無機物や、ポリエチレン・ポリプロピレンのような有機物の、水に対して不溶性の「粉末」を存在させることにより固体状塩化カルシウムと積雪面との接触面積を小さくして持続性を改善させた発明の名称「融雪剤」としたものがある(例えば,特許文献1参照。)。
【0006】
同じく持続性を兼ね備えたものとして、高濃度の塩化カルシウム水溶液を吸液するカルボキシメチルセルロース・寒天・澱粉等の有機系や、珪藻土・ゼオライト・シリカのような無機系の「吸水材」を塩化カルシウムと併用させ、散布後に高濃度の塩化カルシウムを含む融雪水を「吸水材」が保持して持続性を保させた発明の名称「融雪剤」としたものがある(例えば,特許文献2参照。)。
【0007】
上記の特許文献1の「粉末」を存在させたものでは、風で飛ばされて積雪面への定着性が不足であるとして改良したもので、塩化カルシウムより融雪持続時間の長い物質である酢酸カルシウムマグネシウム・酢酸ナトリウム等の有機化合物や塩化ナトリウム等の塩化物塩・各硝酸塩・各硫酸塩・各リン酸塩・各ホウ酸塩を「核」とし、その周囲に塩化カルシウム層を「殻」として形成させた発明の名称「融雪剤」としたものがある(例えば,特許文献3参照。)。
【0008】
次に、この出願の発明に最も近い内容のものを提示する。それは、入手しやすく廃物利用となる籾殻・藁・麦の実の殻・落花生の殻を使用して、これらに吸熱性を高めるため「墨汁」で着色した発明の名称「籾殻、藁、麦の実の殻、落花生の殻を着色した融雪剤」としたものがある(例えば,特許文献4参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開平09−241621号公報(
【0005】〜
【0007】)
【特許文献2】
特開平10−001662号公報(
【0006】〜
【0010】)
【特許文献3】
特開平11−100570号公報(
【0004】〜
【0013】)
【特許文献4】
特開2002−212546号公報(
【0003】〜
【0006】)
【0010】
上記のものは、特許文献4を除いて、いずれも多量に用いることによってやがて自然破壊に繋がる材料を主体としている。
その点、特許文献4の籾殻、藁、麦の実の殻、落花生の殻は、有機物でありC/N比が低く蛋白質が高いから比較的分解しやすく、やがて堆肥化して行くので自然界に戻って行き好ましい融雪剤であると言える。
【0011】
ここで、一部ではあるが特許文献4にても採用している籾殻や麦の実の殻について考察して見ることにする。
これらは、米や麦が果実でありイネ科では果実を頴果とか穀果と称している。そして、イネ科の花に内頴と外頴とがあるが、雌しべが果実となっても、この内側の内頴と外側では外頴なり護頴が残って果実を包んでいる。
したがって、その籾殻や麦の実の殻とは、その「外頴」に当るものである。
【0012】
同じイネ科でも多湿の日本ではあまり栽培に適さないと言われる小麦は、長さが5〜7mmと米と同じ程度の子実は頴果であるから、米と同様に外頴を有するが、外頴には長い芒を有している。大麦も長い芒を持つ外頴とそれに包まれるように内頴がある。更に種実が熟する途中で粒を包む外頴と内頴が果皮に癒着するものを皮麦、癒着しないで小麦のように粒が取り出せるものを裸麦といい区別している。また、原料麦を搗精して外頴である殻や糠を除いたものを丸麦という。
いずれにしても、小麦も大麦も、米と同様な外頴を有しているのである。
【0013】
ここで、玄米の外頴である「籾殻」について詳しく考察してみる。
玄米の外頴である時の形状は、米の種類により長さが3〜8mm程度、太さは2〜5mm程度の中太・細長の円錐状をしている。
そのもみ米を、脱穀後十分乾燥した後に、籾摺機にて子実である玄米と分離させて得たのが籾殻であり、その際に多くは縦方向二つに割れるのである。このことは、イネ科の外頴全般に言えることである。
【0014】
そうして得た籾殻の表皮側には短いが「多数の棘」が生えていて、ケイ酸が含まれているので割合硬度が高く、気泡を含まずば水に沈むものであり、天然セラミックとも呼ばれる所以である。
用途としては、肥料・保温材・卵や林檎の梱包材・枕の詰め物等に用いられていたが、それは昔のことで現在は処分に困っているのが実状であり、主として焼却処分をされている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
この発明では,自然界に優しい天然資源を用いて融雪剤としたい。しかも、解氷・融雪効果を長期間保持する持続力のあるものとしたい。
それも、廃棄物として処理に困っているような物質を主材としたい。
加えて、雪道等の凍結面を歩く時は、滑って転ぶことがあり危険である。それ故、滑り防止効果をも加味させたものとしたいのである。
【0016】
そこで、発明者は食用として栽培しているイネ科の外頴に着目して、それを融雪剤とすべく採り上げたのである。特に、玄米の外頴である「籾殻」の表皮側には、多数の棘が生えていると前述したが、これは短いが細く鋭いもので、しかもほぼ全面に群生しているから、この棘を利用して滑り止めにならないかと考えたのである。また、麦類の外頴には、短い棘が沢山生えた長い芒がある。
【0017】
前出の特許文献4の籾殻そのものを用いると、折角多数ある棘が有効に起用できないのである。その理由は、籾摺機に掛けた時の籾殻は、主に二つに縦割りして舟形を呈するようになるのであり、散布時に雪面上に落ち行くとき、その舟形故に棘のある方を下にして着地する確率が大きいのである。
この現象は、イネ科の外頴全般に言えることである。
【0018】
しかも、着地した部分が弓なり状部の一部だから、籾殻の相当部分は空中にあり接地していないことになる。よって、太陽熱を籾殻全体が受けたとしても、後述するようにこの発明と比較すると融雪効力はかえって低いのである。
それも、散布した直後から数時間位では、籾殻が氷中に入り込まない内に風や歩行者の足によって上述の空中部分が蹴散らされてしまうのである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の諸欠点を解決し目的を達成するため発明者は次のような手段を考えた。
栽培用イネ科の頴果とは分離させて得た外頴を、2分の1〜4分の1程度の大きさに破砕して得た破砕外頴である外頴防滑融雪剤とした。
すなわち、1回破砕しただけの破砕外頴そのものであり、後述する防滑機能をも有するので、敢えて「外頴防滑融雪剤」と称することにしたのである。
【0020】
決して粉砕ではない。粉末にしてはならないのである。少しは粉状となろうが出来るだけ上記の大きさの集合体である破砕外頴とするのがよい。
なお、融雪効率を向上させるため破砕外頴に、塩化カルシウムを或る程度混和させたものとするもよい。更に、散布しやすくするため破砕外頴を、澱粉系の練剤を用いて粒状若しくはペレット状とした外頴防滑融雪剤とするもよい。
【0021】
製造方法としては、乾燥した栽培用イネ科の外頴を、適当な摺り合せ機構間に通過させて破砕外頴を得た外頴防滑融雪剤の製造方法となる。
勿論、破砕外頴を澱粉系の練剤を用いて粒状若しくはペレット状化したものとした外頴防滑融雪剤の製造方法とするもよい。
イネ科を栽培用と限定したのは、栽培されるものこそ子実の成長と共に外頴も確りしたものとなり、また、多量に生産され入手が容易となるからである。
【0022】
【発明の実施の形態】
この発明の外頴防滑融雪剤は、外頴の2分の1〜4分の1に破砕されたことにより、表面積をそれだけ増加させ、雪道等に散布すると前述した如く舟形ではなくなるから広く雪面に接して融雪効果もそれに比例して増えることになる。
すなわち、外頴であった時よりも遥かに多くの太陽熱の吸収による温度上昇にての融雪や、溶けた水との混合による氷点の低下となって表われるのである。
【0023】
外頴の形状、特に籾殻は、前出のように大体縦に二つ割りとなっていて、言わば舟のような形なので風を受けやすいが、破砕外頴は舟形ではなくなるので、思いの外、風の影響を受け難くなるのである。
このことは、外頴の時のものと同量で比較しても融雪地への密着度合が高い故か、融雪効果は同等以上の成果を示したのである。
【0024】
当然、細かい棘は氷雪面に食込み飛散防止に一役買っていると思われる。加えて、籾殻を摺り合せ機構間に通過させて破砕させた後は、その破砕形状が丁度生卵を割ったときの殻の割れ口のように、鋭い山頂が並んだ状態になるから、その山頂状の割れ口も雪面に突き刺さる効果を発揮しているのである。
【0025】
なお、代表的な外頴である籾殻を取り上げて、それを破砕した籾殻とで比較調査をしてみた。すなわち、籾殻自身と破砕した籾殻とを、並べた氷盆上の一方に籾殻を、他方に破砕した籾殻を夫々薄目に散布した後、破砕した籾殻の方が氷中に入り込んだ頃を見計らって、両者の表面上をそっと掌で撫でるように触手したところ、破砕した籾殻の方は、ザラザラ感を感ずると共に一部分が氷から離散したのみだったが、この段階での籾殻の方は、殆どの籾殻が掌と共に氷から離散してしまったのである。
すなわち、破砕した籾殻は、籾殻より遥かに早く氷中に入り込むことを意味しているし、風等による飛散の影響も少ないと言えるのである。
【0026】
それでも、塩化カルシウムよりも融雪能力は小さく遅いから、融雪を急ぐ場合はその現場に応じて或る程度塩化カルシウムを混合して撒けばよい。
破砕した籾殻の山頂状の割れ口や、一面にある短い多数の棘は、氷雪面へ散布した時にはランダムに落下着地するから、当然、割れ口や棘の向く方向もあちこちに向いて、やがて氷雪面に定着することになる。このことは、氷雪面上の摩擦力を高める効果となって表われるのであり、歩行者の転倒防止、車のスリップ防止の効果として表われる。
【0027】
また、澱粉系の練剤を用いて例えば太さを7mm程度、長さを8〜15mm程度とする粒状なりペレット状にすれば、散布の容易化と風の飛散防止にもなる。
澱粉系の練剤を用いる理由は、自然環境に配慮のためである。
こうゆう形状にすれば、かまど。ストーブ・ボイラー等への燃料として使用しやすくなるし、肥料用として使用することも容易になろう。
【0028】
なお、この発明の外頴について、籾殻を中心に説明したのは外頴として棘が多いからであり、大麦や小麦の外頴には長い芒はあっても細かい棘は少ない。
それでも、当然、破砕された外頴には山頂状の割れ口は生ずるし、芒自身には細かい棘を多数有しているから破砕された芒は氷面上によく付着するのである。
ただし、あまりに細かくなってしまうし、破砕された外頴自身には棘が少ないから、総合的な効果は籾殻よりも劣るようだ。
【0029】
【実施例】
発明者は、摩擦力を比較するために下記のような調査を実施した。
先ず、測定用氷面は、水盆を凍らせて平滑な氷面とした上に、この発明の籾殻を用いた外頴防滑融雪剤を均等薄目に散布してから2日後のものと、散布しなかったもの2日後のものとを並べて用意した。
そして、その上を滑らす接触面積が5×10cmのプラスチック板と、同大のゴム板とを用意し、更に、その上に載せる錘として400gと900gを用意して静摩擦力を測定することにした。
【0030】
【表1】
【0031】
上表からも分かるように、氷面に散布した後の摩擦効果は大きく、散布しない時の2〜3倍程度にも達するから、自動車も停車しやすくなり、歩行者の転倒も減少するものと確信することができる。
【0032】
また、発明者は、実施例として、15cm積もった雪道上に、破砕した籾殻の外頴防滑融雪剤を散布した所、塩化カルシウムを散布した所、何も散布しない所との3区間を設け、3日後に目視にて比較したところ次のような結果を得た。
1.何も散布しない所:雪面は凍結した状態の侭で地面の表出はない。
2.塩化カルシウムを散布した所:既に地肌の露出した場所も散見されるが、塩化カルシウムが残存している個所は、その塩化カルシウムを中心にして窪みが生じていて、この凹部が多数散在している。また、凹部がない所は滑りやすい。なお、散布後30〜60分位で凹部ができて歩き難い。
【0033】
3.破砕した籾殻である外頴防滑融雪剤を散布した所:既に地肌の露出した場所も一部散見されるが、塩化カルシウムを散布した所ほどには広くない。外頴防滑融雪剤の撒かれた場所によって濃淡があるが外頴防滑融雪剤群のある所は、その群部である面部が全体に凹んだ状態になっている。しかも、全体として滑らずに歩けて安心感がある。なお、散布後30〜60分位では沈下しない。
【0034】
さて、製造法であるが、理想とする目標は、外頴の長さ方向を3分割したいのである。長さ方向に縦割りでなく、理想を言うなら巾方向に切断して3分の1位の大きさにしたいのである。しかしながら、小さく軽い外頴をそのように均等に分割することは無理であるから、例えば上下にあるヤスリ目が中心から放射状に配された農家にある石臼のようなものを用いても破砕は可能である。
【0035】
発明者は、籾摺機の摺り合わせ板の間隔を調整できるように改良して、この発明で言う摺り合せ機構とした。
その機構の一つを実施例として説明する。すなわち、高さ1mm以下の細かいヤスリ目を多数有した直径50mm程の回転するヤスリ板が、その回転軸を水平として垂直に配設されていて、その回転するヤスリ板面に対向して、隙間を3〜5mmとした固定鉄板を配して成る摺り合せ機構とした。外頴は上方からその隙間に1回落下させるのである。
因みに、この隙間は、籾摺機のそれの3分の1程である。
【0036】
なお、塩化カルシウム等の混合は、適当な比率で、また、適当な大きさの粒子のものを破砕外頴と共に混合攪拌機に投入すれば、破砕外頴にコーティングされるから、従来のように散布車が利用できるようになる。
このように、速効性の必要な高速道路には塩化カルシウムを、農道や町村などの歩道にはこの発明の外頴防滑融雪剤を、中間的な場所には外頴防滑融雪剤と塩化カルシウム等の混合ものをと使い分ければよい。
【0037】
なお、破砕外頴を着色させて熱吸収をより向上させたいなら、通常行われる炭焼き時の半焼きのように、外頴を半焼きして茶褐色にするもよいだろう。
路面以外の使用先として、駐車場もあるが、田畑の雪上に散布しておけば、冬の間の短い内に雪が溶けて、しかも、外頴防滑融雪剤が肥料化する。
【0038】
なお、外頴防滑融雪剤を粒状なりペレット状にする方法は、一般に行われる慣用手段でよく、例えば破砕外頴を澱粉系のもので練状にして細長くしたものを乾燥後に適当長に切断するなり、丸めて粒状にすればよいのである。
更に、小さく外頴防滑融雪剤をチップ化すれば、タイヤ・ゴム長靴の底等の製造時に表出部の主材に混在させることが容易となるから、滑り止めの効果を有したものができるようにもなろう。
【0039】
【発明の効果】
この発明は、外頴という天然資源を用いたから、飛び散っても街路樹等他へ障害を及ぼすことなく、やがては土に還って行くし、川に落ちれば魚などの餌にさえなるという自然界に優しい融雪剤となった。
また、塩化カルシウムより解氷・融雪能力が多少落ちるとしても、分解が遅いから効果を長期間保持する持続力があるし、外頴を破砕したときに生ずる鋭い山頂状の割れ口や、その表皮側にある短い多数の棘が滑りの防止役を果すから、雪道等の凍結面を歩くときでも滑って転倒することがなくなり安心である。
特に、外頴として籾殻を採用すればその効果は大きく表われる。
【0040】
これらは外頴を破砕外頴としたことによって得られた効果であって、同量の外頴自体ではこのような効果を得ることができないのである。
更に、粒状若しくはペレット状化したものは、散布しやすくなると共に様々なものと組合せて用いることができるようになる。
その上、従来廃棄物として処理に困っていた外頴が、ただ単に破砕外頴とするだけで融雪剤に変化し、その融雪費用を塩化カルシウムの場合と比較すると、概算だが5分の1以下になるという大変経済的にも有効な優れた発明である。
Claims (8)
- 栽培用イネ科の頴果の外頴を、破砕して2分の1〜4分の1程度の大きさにした破砕外頴である外頴防滑融雪剤。
- 破砕外頴に、塩化カルシウムを混和した請求項1記載の外頴防滑融雪剤。
- 破砕外頴を、粒状若しくはペレット状とした請求項1又は請求項2記載の外頴防滑融雪剤。
- 破砕外頴が、籾殻を破砕したものである請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の外頴防滑融雪剤。
- 栽培用イネ科の頴果の乾燥した外頴を、摺り合せ機構に通過させて破砕し、2分の1〜4分の1程度の大きさにして破砕外頴を得る外頴防滑融雪剤の製造方法。
- 破砕外頴を、澱粉系の練剤にて粒状若しくはペレット状化した請求項5記載の外頴の防滑融雪剤の製造方法。
- イネ科の頴果の乾燥した外頴が、籾殻である請求項5記載の外頴防滑融雪剤の製造方法。
- 破砕外頴が、籾殻を破砕したものである請求項6記載の外頴防滑融雪剤の製造方法。
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