JP2004237534A - 木粉固化体製造方法および木粉固化体製造装置 - Google Patents

木粉固化体製造方法および木粉固化体製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂等が溶融される温度まで加熱して混合する工程が必要であったり、非常に乾燥した乾燥木粉を用いると成形された状態のまま固化することができないことがあった。
【解決手段】乾燥木粉(低含水率の木粉)10と、重量を基準とした含水率が乾燥木粉より大きい生木木粉(所定の材質の粉体)20とを混合して、成形された状態で固化可能な含水率の粉体の混合物30に調整し、当該混合物30を成形して固化させることによりペレット(木粉固化体)40を製造する構成にした。低コストで効率よく、木粉を成形して成形された状態のまま安定して固化させてペレット40を製造することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木粉を用いた木粉固化体を製造する木粉固化体製造方法および木粉固化体製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、略粒状の木質系材料に熱可塑性樹脂等を添加し、熱可塑性樹脂等が溶融される温度まで加熱して混合した後、成形して固化させることによりペレット状の木粉固化体を製造している(例えば、特許文献1参照。)。
また、熱可塑性樹脂等を用いずに、木粉に高圧を加えて押し固めて木粉固化体にすることも試みられている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−326852号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術においては、以下のような課題があった。
【0005】
前者の技術では、略粒状の木質系材料を成形された状態で固化させるために、熱可塑性樹脂等が溶融される温度まで加熱して混合する工程が必要であった。例えば、略粒状の木質系材料にポリプロピレンを添加する場合、200℃前後まで加熱して混合する必要がある。このため、加熱工程を不要にさせて木粉固化体の製造コストを低減させたいという希望があった。また、熱可塑性樹脂等を添加する必要もあるので、熱可塑性樹脂等の添加も不要にさせることによっても木粉固化体の製造コストを低減させたいという希望があった。
【0006】
後者の技術では、木粉として含水率が10重量%よりもかなり小さい非常に乾燥した低含水率の乾燥木粉を用いると、成形された状態のまま固化することができない(成形しても崩れてしまう)という問題があった。乾燥木粉の含水率を上げると成形された状態のまま固化されるようになるため、乾燥木粉に少量の水をバインダとして混合することが考えられるが、大量に木粉固化体を製造する場合に少量の水を乾燥木粉に対して均一に混合するのは困難である。また、混合した水から水蒸気が発生し、木粉固化体の成形性が低下するという問題もあった。さらに、成形時や成形後に木粉固化体が水蒸気により膨れ、形状は不安定になり、製品としての価値が低くなってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、低コストで効率よく、木粉を成形して成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することが可能な木粉固化体製造方法および木粉固化体製造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、低含水率の木粉と、重量を基準とした含水率が同低含水率の木粉より大きい所定の材質の粉体とを混合して、成形された状態で固化可能な含水率の粉体の混合物に調整し、当該混合物を成形して固化させることにより木粉固化体を製造する構成としてある。粉体に粉体を混合すると互いに混ざりやすいので、容易に低含水率の木粉と所定の材質の粉体とを均一に混合することができる。そして、両粉体から、成形された状態で固化可能な含水率の粉体の混合物に調整されるので、当該混合物を成形して固化させることにより、成形された状態のまま固化させることができる。その際、加熱工程が不要であるので、低コストで木粉固化体を製造することができるし、水を添加していないので水蒸気の発生による成形性の低下や木粉固化体の膨れは生じず、効率よく木粉固化体を製造することができる。
ここで、木粉は、粒状、繊維状であっても本発明にいう木粉に含まれる。なお、木粉の粒度を調整することによって、木粉固化体の強度を調整することができる。
製造される木粉固化体は、ペレット状、略板状、等、様々な形状が考えられる。
【0009】
上記混合物を、10〜25重量%の含水率に調整する構成としてもよい。すると、より確実に粉体の混合物を成形された状態で固化させることが可能となる。さらに、上記混合物を、15重量%の含水率に調整する構成としてもよい。すると、さらに確実に粉体の混合物を成形された状態で固化させることが可能となる。
【0010】
含水率が15重量%以下の上記低含水率の木粉と、含水率が15重量%以上の上記所定の材質の粉体とを混合して、上記混合物に調整する構成としてもよい。すると、低含水率の木粉が含水率が15重量%以下である場合に、粉体の混合物の含水率を容易に調整することができる。
【0011】
上記所定の材質の粉体は、重量を基準とした含水率が低含水率の木粉より大きい粉体であればよく、様々なものが考えられる。同粉体の好適な一例として、上記所定の材質の粉体は、重量を基準とした含水率が上記低含水率の木粉より大きい高含水率の木粉である構成としてもよい。
【0012】
また、上記低含水率の木粉は乾燥木粉であり、上記高含水率の木粉は生木の木粉である構成としてもよい。すなわち、木粉に木粉が混合されるので、均質に混ざりやすい。
ここで、木材を粉砕して木粉にする工程が設けられていてもよい。すると、粉状体でない木材を使用して木粉固化体を製造することができ、利便性が向上する。
【0013】
ところで、請求項6にかかる発明のように、木粉と、水に溶解して結着性を示す粉状の水溶性材料とを水の沸点以下の温度で混合して、同木粉に含まれる水を同水溶性材料に浸潤させた混合物に調整し、当該混合物を成形して固化させることにより木粉固化体を製造する構成としてもよい。粉体に粉体を混合すると互いに混ざりやすいので、容易に木粉と粉状の水溶性材料とを均一に混合することができる。木粉と粉状の多糖類とは水の沸点以下で混合されるので、木粉に含まれる水は混合物中に残留し、水溶性材料を浸潤させ、結着性を引き出させる。そして、水を混合することなく、両粉体から、水が浸潤された水溶性材料を結着材料とする混合物に調整されるので、当該混合物を成形して固化させることにより、成形された状態のまま固化させることができる。その際、水の沸点より高い温度まで加熱する工程が不要であるので、低コストで木粉固化体を製造することができるし、水を添加していないので水蒸気の発生による成形性の低下や木粉固化体の膨れは生じず、効率よく木粉固化体を製造することができる。
なお、水の沸点は1気圧で約100℃であるが、さらに高圧となると上昇するので、そのときの沸点以下で両粉体を混合すればよい。
【0014】
上記木粉の具体例として、上記木粉は、乾燥木粉である構成としてもよい。
上記粉状の水溶性材料は、水に溶解して結着性を示す材料であればよく、様々なものが考えられる。ここで、同水溶性材料は、全ての温度帯で水に溶解する材料であってもよいし、温水のみ溶解する材料であってもよいし、冷水のみ溶解する材料であってもよい。
【0015】
好適な一例として、上記水溶性材料には、少なくとも多糖類が含まれる構成としてもよい。
さらに好適な一例として、上記多糖類には、少なくとも澱粉が含まれる構成としてもよい。大量生産可能で安価であり汎用的な澱粉は、冷水にはほとんど溶解しないが、温水には溶解して糊状となり、結着性を示す。なお、澱粉を水に溶解させるには、例えば混合時に発生する熱による温度上昇によって可能であるため、別途加熱工程を設けなくてもよい。従って、水に溶解して糊状となる澱粉は、木粉を結着させる作用を有している。これにより、水を用いることなく、かつ、別途加熱を行わずに木粉の固化を行うことができ、効率よく木粉固化体を製造することができる。
むろん、澱粉以外にも、種々の増粘多糖類等を用いることができる。
【0016】
別の好適な一例として、上記水溶性材料には、少なくとも高分子アルコールが含まれる構成としてもよい。
さらに好適な一例として、上記高分子アルコールには、少なくともポリビニルアルコールが含まれる構成としてもよい。大量生産可能で安価であり汎用的なポリビニルアルコールは、冷水にはほとんど溶解しないが、温水には溶解して結着性を示す。なお、ポリビニルアルコールを水に溶解させるにも、例えば混合時に発生する熱による温度上昇によって可能であるため、別途加熱工程を設けなくてもよい。従って、水に溶解するポリビニルアルコールは、木粉を結着させる作用を有している。これにより、水を用いることなく、かつ、別途加熱を行わずに木粉の固化を行うことができ、効率よく木粉固化体を製造することができる。
【0017】
ところで、請求項9にかかる発明のように、木粉に繊維状物質をバインダとして混合して、成形された状態で固化可能な混合物に調整し、当該混合物を成形して固化させることにより木粉固化体を製造する構成としてもよい。繊維状物質は、木粉に混合されると、木粉と絡み合うことにより木粉同士を結着させる作用を有する。すなわち、水を混合することなく、木粉と繊維状物質とから、繊維状物質をバインダとして成形された状態で固化可能な混合物に調整されるので、当該混合物を成形して固化させることにより、成形された状態のまま固化させることができる。その際、加熱工程が不要であるので、低コストで木粉固化体を製造することができるし、水を添加していないので水蒸気の発生による成形性の低下や木粉固化体の膨れは生じず、効率よく木粉固化体を製造することができる。
【0018】
上記木粉の具体例として、上記木粉は、乾燥木粉である構成としてもよい。
上記繊維状物質には、少なくとも鉱物繊維が含まれる構成としてもよい。鉱物繊維は、高強度であるため、混合されても応力で破壊され難い。従って、より確実に成形された状態のまま固化させることができる。
また、上記繊維状物質には、少なくともパルプ繊維が含まれる構成としてもよい。すると、違和感のない良質の木粉固化体を製造することができる。
【0019】
上記請求項6〜請求項11に記載した構成のいずれについても、上記木粉を、10〜25重量%の含水率に調整する構成としてもよい。すると、製造される木粉固化体をより強固にさせることが可能となる。
【0020】
上記構成のいずれについても、請求項13にかかる発明のように、上記混合物を成形しながら加熱し、同混合物に含まれる水分を減少させて固化させる構成としてもよい。すると、木粉を含む混合物は、成形時に水分が減少する。すなわち、木粉を含む混合物に比較的多くの水が含まれている場合に、成形時に含水率を低下させ、より確実に成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することが可能となる。
【0021】
むろん、木粉を含む混合物を成形しながら加熱し、同混合物に含まれる水分を減少させて固化させることにより木粉固化体を製造する木粉固化体製造装置にも、発明が存在する。本装置により木粉固化体を製造すると、木粉を含む混合物は、成形時に水分が減少する。すなわち、木粉を含む混合物に比較的多くの水が含まれている場合に、成形時に含水率を低下させ、より確実に成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することが可能となる。
【0022】
ここで、上記混合物が押し出されるダイスと、このダイスを加熱するヒータとを備える構成としてもよい。すなわち、ダイスがヒータにより加熱され、木粉を含む混合物はダイスから押し出される際に同ダイスから熱を受け取って温度が上昇する。従って、汎用的で簡易な構成で成形時に含水率を低下させることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、請求項6、請求項9、請求項14にかかる発明によれば、低コストで効率よく、木粉を成形して成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することが可能となる。
請求項2にかかる発明によれば、より確実に粉体の混合物を成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することができ、木粉固化体の製造効率を向上させることができる。
請求項3にかかる発明によれば、低含水率の木粉が含水率が15重量%以下である場合に、粉体の混合物の含水率を容易に調整することができるので、木粉固化体の製造効率を向上させることができる。
請求項4、請求項5にかかる発明によれば、粉体の混合物をより均質にさせることができるので、より良質の木粉固化体を製造することが可能となるとともに、より確実に粉体の混合物を成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することができ、木粉固化体の製造効率を向上させることができる。
【0024】
請求項7、請求項8にかかる発明によれば、高価な材料を用いることなく、入手容易な材料を用いて、低コストで効率よく、木粉を成形して成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することが可能となる。
請求項10にかかる発明によれば、より確実に木粉を成形して成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することが可能となる。
請求項11にかかる発明によれば、違和感のない良質の木粉固化体を製造することが可能となる。
請求項12にかかる発明によれば、より強固な木粉固化体を製造することが可能となる。
請求項13にかかる発明によれば、さらに効率よく、木粉を成形して成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することが可能となる。
請求項15にかかる発明によれば、汎用的で簡易な構成で、効率よく、木粉を成形して成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)第一の実施形態:
(2)第二の実施形態:
(3)第三の実施形態:
(4)第四の実施形態:
【0026】
(1)第一の実施形態:
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる木粉固化体製造方法を工程別に示す概略的な流れ図である。本木粉固化体製造方法に用いられる木粉固化体製造装置は、混合機51と成形機52を備えている。
ペレット(木粉固化体)40を製造する際、まず、乾燥木粉(低含水率の木粉)10と生木木粉(高含水率の所定の材質の粉体)20を混合機51へ投入し、両木粉10,20を粉体のまま混合して、粉体の混合物30に調整する(工程S10)。次に、粉体の混合物30を成形機52へ投入する(工程S11)。さらに、粉体の混合物30を成形して固化させることによりペレット化する(工程S12)。そして、固化された混合物を木粉固化体製造装置外に排出すると(工程S13)、ペレット(木粉固化体)40が製造される。
このようにして、乾燥木粉10と、重量を基準とした含水率が乾燥木粉より大きい生木木粉20とを混合して、成形された状態で固化可能な含水率の粉体の混合物30に調整し、当該混合物30を成形して固化させることによりペレット40を製造する。
【0027】
乾燥木粉10は、重量を基準とした含水率が5〜15重量%程度と、15重量%以下である。乾燥木粉は、乾燥した木材を粉砕した粉状体であり、所定の植物繊維質からなる微粒状を呈する粉体である。乾燥木粉は、粒子同士が互いに結着可能な粒径を有していればよいので、乾燥木材の切り屑を集めたものであってもよいし、家具や建築用材等から生じる廃材を粉砕したものでもよいし、家具や建築用材の廃棄物を粉砕したものでもよい。このような構成にすれば木粉固化体のコストが非常に低くなり、また、ゴミを低減することに大きく寄与することができるし、廃棄物リサイクルを促進することもできる。
乾燥木粉は、低含水率であるので、乾燥していると認識できる感触であり、押し固めても固まらずに互いに結着することのない状態を呈している。
【0028】
生木木粉20は、重量を基準とした含水率が15〜70重量%程度と、15重量%以上であり、含水率が乾燥木粉より大きい粉体である。生木木粉は、生木を粉砕した粉状体であり、乾燥木粉と同様、所定の植物繊維質からなる微粒状を呈する粉体である。
生木木粉は、高含水率であるので、若干湿り気のある感触である。
【0029】
原料の配合割合については、成形された状態で固化可能な含水率となるようにすればよい。乾燥木粉と生木木粉とから構成される粉体の混合物を、10〜25重量%の含水率に調整すると、成形された状態で固化可能となる。含水率が10重量%より小さくなったり、25重量%より大きくなったりすると、成形しても崩れてしまい、成形された状態で固化することが困難となるためである。さらに、混合物を15重量%の含水率に調整すると、さらに確実に粉体の混合物を成形された状態で固化させることが可能となる。
例えば、乾燥木粉の含水率が5重量%であり、生木木粉の含水率が40重量%である場合、乾燥木粉を85.7重量%、生木木粉を14.3重量%配合すると、両木粉の混合物の含水率を10重量%に調整することができる。また、乾燥木粉を42.9重量%、生木木粉を57.1重量%配合すると、両木粉の混合物の含水率を25重量%に調整することができる。この場合、生木木粉の配合割合を14.3〜57.1重量%とすることにより、成形された状態で固化可能な粉体の混合物に調整することができる。
【0030】
所望の含水率の混合物に調整するためには、乾燥木粉と生木木粉の含水率を電気式含水量計や恒温減量法等により測定して所望の含水率となるように両木粉の配合割合を算出して配合すればよい。なお、以下の実施形態中の含水率は、105℃で1時間後の重量変化から測定した含水率をいうものとする。また、乾燥木粉の含水率の変動は小さいため、乾燥木粉の含水率は経験上所定重量%であるとして、生木木粉の含水率のみを測定し、配合割合を決定してもよい。そして、生木木粉の含水率が低い場合には生木木粉の投入量を増やし、生木木粉の含水率が高い場合には生木木粉の投入量を減らすというように調整する。
なお、両木粉の混合物の含水率は、10〜25重量%の範囲内で木粉固化体に要求される性質に応じて適宜好ましい比率を選択可能である。
このように、粉体に粉体を混合すると互いに混ざりやすいので、容易に乾燥木粉と生木木粉とを均一に混合することができる。特に、木粉に木粉が混合されるので、均質に混ざりやすい。
【0031】
混合機51は、下方に向かって径が徐々に狭まる略筒形状にされており、底部に開閉可能な開閉扉51aを備えるとともに、内部空間に図示しない撹拌機等を備えた公知の装置である。本混合機51は、加熱機を備えておらず、加熱を行わずに粉体を混合する。なお、撹拌機を駆動することによる粉体原料の混合によって熱が生じることはあるが、水の沸点(1気圧で約100℃)を超える程ではない。
開閉扉51aを閉じた状態で上部開口から両木粉10,20を投入し、内部空間に収容することが可能である。投入された木粉10,20を撹拌機によりかき混ぜながら混合し、所定時間経過後に撹拌を停止して開閉扉51aを開けると、両木粉10,20から構成される均質な粉体の混合物30が下方へ排出される。
なお、撹拌機の能力は、混合される木粉の性質に応じて決定すればよい。
【0032】
成形機52は、混合機51の下方に設置されている。
図2は、成形機52の垂直断面図である。成形機52は、開閉扉51aの下側において開口を上側に向けて粉体の混合物30の導入部52dが形成された成形機用容器52a、同容器52a内に設けられた二つの押し込みローラ52e,52e、同容器52aの下側にて回転可能に取り付けられた金属製ダイフェースカッター部52f、同ダイフェースカッター部52fを回転駆動する電動モータ52g、等を備えている。そして、第四の実施形態で使用するヒータ52hを除くと、公知の装置の構成とされている。
【0033】
成形機用容器52aは、略上下方向を中心軸とする筒形状の容器用外筒部52bと、同容器用外筒部52bの下側開口を塞ぐように取り付けられた底部円板であるダイス52cとから構成されている。成形機用容器52aの底部となるダイス52cには、多数の貫通穴52c1が略上下方向に向けて形成されている。容器用外筒部52bの上側の開口は開閉扉51aから離されて同開閉扉51aの下側に位置しているので、粉体の混合物30を確実に落下させて導入部52dから成形機用容器52a内に収容することができる。むろん、導入部52dは、混合機51から離されておらず一部が混合機51と繋がっているような構造とすることも可能である。
【0034】
図3は、ダイス52cを上面から見て示した上面図である。なお、ダイフェースカッター部52fの取付位置を点線により示している。ダイス52cは、略円形の貫通穴52c1が多数(図では、同心円状に16個×2列)形成されている。そして、各貫通穴52c1から押し出される粉体の混合物は略棒状とされる。
なお、貫通穴52c1の大きさは、製造するペレットの用途に応じて様々な大きさ、径にすることができる。
【0035】
押し込みローラ52e,52eは、成形機用容器52a内に設けられており、自ら回転しながらダイス52c上を周回するようになっている。両ローラ52e,52eは、略水平に設置された略円柱状の棒状部材52e1の両端にて回転可能に取り付けられている。同棒状部材52e1は、両端からの中間部にて略上下方向に設けられた回転軸材52e2に固定され、同回転軸材52e2を中心軸として回転動可能に設けられている。また、回転軸材52e2は、ローラ駆動用電動モータ52e3に取り付けられている。従って、同モータ52e3に対して通電を行って動作させ、回転軸材52e2を回転させると、棒状部材52e1の両端にあるローラ52e,52eがダイス52c上を周回する(図1では左回り)。このとき、同ダイス52cの上面とローラ52e,52eとの間の摩擦力により、ローラ52e,52eは自ら回転しながら(図2に示されたローラ52eでは左回り)成形機用容器52a内の粉体の混合物を多数の貫通穴52c1の一方の開口(上側開口)から押し込むことが可能である。
【0036】
貫通穴52c1の上側開口から押し込まれた粉体の混合物は、ローラ52e,52eにより加圧され、同貫通穴52c1の他方の開口(下側開口)から略棒状に押し出される。このようにして、乾燥木粉と生木木粉とから構成される粉体の混合物30がダイス52cから押し出される。
本実施形態では押し込みローラを二つ設けているが、同押し込みローラは一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。
【0037】
ダイフェースカッター部52fは、成形機用容器52aの下側に設けられており、カッター駆動用電動モータ52gにより回転動作するようになっている。図1、図2に示すように、ダイフェースカッター部52fは、モータ52gへの取付部となるカッターテーブル52f1と、同カッターテーブル52f1に取り付けられて固定される複数(本実施形態では2枚)のカッター52f2とから構成されている。
ここで、各カッター52f2は、ダイス52cの下面を摺動するようになっており、回転動作することによって貫通穴52c1の下側開口から下方へ押し出される略棒状の混合物を切断する。
【0038】
カッター52f2におけるテーブル52f1への取付部にはボルト穴が形成されており、図示しないボルトによりカッター52f2をテーブル52f1にネジ固定可能である。カッター52f2は鋭利な刃先を有しており、同刃先を略棒状に押し出される粉体の混合物の断面方向に向けて移動させることにより同混合物を切断してペレット形状に形成する。むろん、カッター52f2の刃先は丸みを帯びた形状や鈍角の形状に形成されていてもよく、これらの場合には刃先を粉体の混合物に押し当てることにより断面方向に押し潰しながら切断することが可能である。
【0039】
以上説明したように、含水率が10重量%よりもかなり小さい非常に乾燥した乾燥木粉だけでは成形された状態で固化できなくても、上述した配合割合で高含水率の生木木粉を乾燥木粉に混合することにより、成形された状態で固化可能な含水率の粉体の混合物に調整される。そこで、両木粉の混合物を成形して固化させることにより、成形された状態(崩れていない状態)のまま固化させることができる。成形した木粉の混合物に対する、塊状態の木粉固化体(粉状態でない木粉固化体)の重量比を固化率(単位:重量%)と呼ぶことにすると、含水率を10〜25重量%とするように生木木粉を混合することにより、木粉固化体として十分な固化率以上にすることが可能となる。木粉固化体を製造する際、従来のような熱可塑性樹脂等が溶融される温度まで加熱する工程が不要であるので、低コストで木粉固化体を製造することができる。また、水を添加していないので、水蒸気の発生による成形性の低下や木粉固化体の膨れは生じない。すなわち、最適な成形性を保持するとともに効率的かつ低コストで木粉の固化を行うことが可能となる。従って、本木粉固化体製造方法によると、低コストで効率よく、木粉を成形して確実に成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することが可能となる。
【0040】
表1は、含水率5重量%の乾燥木粉と、含水率40重量%の生木木粉を用いてペレット(木粉固化体)を製造し、評価した実施例1を示している。
【表1】
Figure 2004237534
すなわち、両木粉の混合物の含水率が5,10,15,20,25,35重量%となるよう、乾燥木粉を100,85.7,71.4,57.1,42.9,14.3重量%と段階的に減らすとともに生木木粉を0,14.3,28.6,42.9,57.1,85.7重量%と段階的に増やした6試験区で、製造されたペレットの固化率(重量%)を比較している。
【0041】
両木粉の混合物の含水率が0,35重量%であると成形された状態が維持されていない一方、試験区2,3,4,5のように、両木粉の混合物の含水率が10重量%以上であり、かつ、25重量%以下であると、製造されたペレットの固化率は80重量%以上となり、ペレットとして十分な固化率となった。さらに、試験区3,4のように両木粉の混合物の含水率を15〜20重量%とすると、ペレットの固化率はほぼ100重量%となり、ほとんど崩れの見られない、非常に良質のペレットが得られた。
【0042】
上述した実施形態では、低含水率の木粉として乾燥木粉を用いたが、低含水率の木粉として生木木粉を乾燥させたものを用いてもよい。また、低含水率の木粉に混合する高含水率の所定の材質の粉体として、生木木粉以外にも、吸湿性のある種々の材質の粉体等を用いてもよい。
【0043】
(2)第二の実施形態:
ところで、第一の実施形態で使用した生木木粉20の代わりに、粉状の水溶性材料を用いてもよい。以下、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態にかかる木粉固化体製造方法も図1と同様であるため、図示を省略する。
粉状の水溶性材料は、水に溶解して結着性を示す材料であればよい。例えば、澱粉や増粘多糖類等の多糖類、ポリビニルアルコール等の高分子アルコールを用いることができる。
【0044】
澱粉は、冷水にはほとんど溶解しないが、温水には溶解して糊状となり、結着性を示す。大量生産可能で安価であり、入手容易な汎用品であるため、乾燥木粉に混合するのに好適である。
原料の配合割合については、両者の混合物を成形された状態で固化可能とする割合にすればよい。乾燥木粉を99〜85重量%、澱粉を1〜15重量%とすると、両者の混合物を成形することができ、かつ、両者の混合物を成形された状態のまま固化させることができる。澱粉を1重量%以上とするのは両者の混合物が十分に成形された状態のまま固化されるようにするためであり、澱粉を15重量%以下とするのは15重量%より多くなると両者の混合物が流れやすくなって十分に成形することができなくなるためである。
なお、乾燥木粉と澱粉の配合割合は、澱粉が1〜15重量%の範囲内で木粉固化体に要求される性質に応じて適宜好ましい比率を選択可能である。
本実施形態でも、粉体に粉体を混合すると互いに混ざりやすいので、容易に乾燥木粉と澱粉とを均一に混合することができる。
【0045】
混合機51は、加熱機を備えていないが、撹拌機を駆動することによる粉体原料の混合によって水の沸点を超えない程度の温度にさせる熱が生じる。ここで、混合機51の撹拌機を、澱粉を糊化させる程度の熱を生じさせる回転速度に設定すればよい。乾燥木粉と澱粉とを混合機51に投入して撹拌すると、乾燥木粉と粉状の澱粉とは水の沸点以下で混合されるので、乾燥木粉に含まれる水は混合物中に残留し、澱粉を浸潤させる。そして、混合により発生する熱により温度を上昇させて澱粉を糊化させ、澱粉から結着性を引き出させる。このように、水を混合することなく、乾燥木粉と澱粉から、水が浸潤された澱粉を結着材料とする均質な混合物に調整される。
【0046】
調整した混合物を成形機52に投入して成形し、固化させると、糊化した澱粉の存在により、乾燥木粉と澱粉の混合物は成形された状態のまま固化する。このように、含水率が10重量%よりもかなり小さい非常に乾燥した乾燥木粉だけでは成形された状態で固化できなくても、上述した配合割合で澱粉を乾燥木粉に混合することにより、木粉固化体として十分な固化率以上にすることが可能となる。木粉固化体を製造する際、従来のような熱可塑性樹脂等が溶融される水の沸点より高い温度まで加熱する工程が不要であるので、低コストで木粉固化体を製造することができる。また、水を添加していないので、水蒸気の発生による成形性の低下や木粉固化体の膨れは生じない。従って、低コストで効率よく、木粉を成形して確実に成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することが可能となる。
なお、木粉固化体の原料として、乾燥木粉10の代わりに10〜25重量%の含水率に調整した木粉を用いてもよい。ここで、様々な手法により、木粉を10〜25重量%の含水率に調整することが可能である。例えば、第一の実施形態で説明したように、含水率を測定しながら所望の含水率の粉体混合物となるように乾燥木粉等の低含水率の木粉と高含水率の木粉とを混合して調整してもよい。また、含水率を測定しながら所望の含水率となるように、乾燥木粉等の低含水率の木粉に水を添加して調整してもよい。すると、調整した混合物はさらに成形された状態のまま安定して固化しやすくなり、さらに強固な木粉固化体を製造することが可能となる。
【0047】
表2は、含水率10重量%の乾燥木粉と、粉状の澱粉を用いてペレット(木粉固化体)を製造し、評価した実施例2を示している。なお、乾燥木粉の含水率が10%あるため、澱粉を添加しないブランク試験区1でも、固化率が80重量%となっている。
【表2】
Figure 2004237534
すなわち、乾燥木粉を100,99,95,90,85,80重量%と段階的に減らすとともに澱粉を0,1,5,10,15,20重量%と段階的に増やした6試験区で、製造されたペレットの固化率(重量%)と、ペレットを成形する際のペレットの成形性(成形できるか否か)を比較している。成形性の欄に記した一重丸○は成形性が良好であったことを意味し、三角△は成形性が不十分であったことを意味している。なお、成形性は、成形時の形状を維持しているペレットの重量比などで評価することができる。
【0048】
試験区2,3,4,5のように、澱粉の配合割合を1〜15重量%とすると、製造されたペレットの固化率はブランク試験区1の80重量%より大きい85重量%以上となり、ペレットとしてより十分な固化率となるとともに、ペレットの成形性も良好であった。さらに、試験区3,4のように澱粉の配合割合を5〜15重量%とすると、製造されたペレットの固化率はほぼ100重量%となり、ほとんど崩れの見られない、非常に良質のペレットが得られた。
【0049】
また、澱粉の代わりにポリビニルアルコールを用いてもよい。ポリビニルアルコールは、冷水にはほとんど溶解しないが、温水(約75℃以上)には溶解して、結着性を示す。大量生産可能で安価であり、入手容易な汎用品であるため、乾燥木粉に混合するのに好適である。
原料の配合割合については、両者の混合物を成形された状態で固化可能とする割合にすればよい。乾燥木粉を99〜85重量%、ポリビニルアルコールを1〜15重量%とすると、両者の混合物を成形することができ、かつ、両者の混合物を成形された状態のまま固化させることができる。ポリビニルアルコールを1重量%以上とするのは両者の混合物が十分に成形された状態のまま固化されるようにするためであり、ポリビニルアルコールを15重量%以下とするのは15重量%より多くなると両者の混合物が流れやすくなって十分に成形することができなくなるためである。
なお、乾燥木粉とポリビニルアルコールの配合割合は、ポリビニルアルコールが1〜15重量%の範囲内で木粉固化体に要求される性質に応じて適宜好ましい比率を選択可能である。
【0050】
混合機51の撹拌機は、ポリビニルアルコールを水に溶解させる程度の熱を生じさせる回転速度に設定すればよい。乾燥木粉とポリビニルアルコールとを混合機51に投入して撹拌すると、乾燥木粉と粉状のポリビニルアルコールとは水の沸点以下で混合されるので、乾燥木粉に含まれる水は混合物中に残留し、ポリビニルアルコールを浸潤させる。そして、混合により発生する熱により温度を上昇させてポリビニルアルコールを溶解させ、ポリビニルアルコールから結着性を引き出させる。このように、水を混合することなく、乾燥木粉とポリビニルアルコールから、水が浸潤されたポリビニルアルコールを結着材料とする混合物に調整される。
【0051】
調整した混合物を成形機52に投入して成形し、固化させると、水に浸潤した糊化した粉の存在によりポリビニルアルコール、乾燥木粉とポリビニルアルコールの混合物は成形された状態のまま固化する。このように、含水率が10重量%よりもかなり小さい非常に乾燥した乾燥木粉だけでは成形された状態で固化できなくても、上述した配合割合でポリビニルアルコールを乾燥木粉に混合することにより、木粉固化体として十分な固化率以上にすることが可能となる。木粉固化体を製造する際、水の沸点より高い温度まで加熱する工程が不要であるので、低コストで木粉固化体を製造することができる。また、水を添加していないので、水蒸気の発生による成形性の低下や木粉固化体の膨れは生じない。すなわち、最適な成形性を保持するとともに効率的かつ低コストで木粉の固化を行うことが可能となる。従って、本木粉固化体製造方法によると、低コストで効率よく、木粉を成形して確実に成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することが可能となる。
木粉固化体の原料としてポリビニルアルコールを用いる場合も、乾燥木粉10の代わりに10〜25重量%の含水率に調整した木粉を用いてもよい。すると、調整した混合物はさらに成形された状態のまま安定して固化しやすくなり、さらに強固な木粉固化体を製造することが可能となる。
なお、実施例を示していないが、試験結果は澱粉を用いた実施例2と同様であった。
むろん、粉状の水溶性材料に少なくとも多糖類が含まれていれば同様の効果が得られ、粉状の水溶性材料に少なくとも高分子アルコールが含まれていれば同様の効果が得られる。また、粉状の水溶性材料を多糖類と高分子アルコールの組み合わせで構成しても、同様の効果が得られる。
【0052】
(3)第三の実施形態:
図4は、本発明の第三の実施形態にかかる木粉固化体製造方法を工程別に示す概略的な流れ図である。なお、第一の実施形態と構成が同じものについては、同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態では、第一の実施形態で使用した生木木粉20の代わりに、繊維状物質22を使用している。
繊維状物質22には、様々な材料を用いることができる。例えば、ワラストナイト、セピオライト、マグネシュウムウイスカ、アスベスト、等の鉱物繊維、紙廃材等をほぐしたパルプ繊維、脱脂綿を用いることができる。
【0053】
鉱物繊維は、高強度であるため、混合されても応力で破壊され難い。従って、乾燥木粉10に鉱物繊維をバインダとして混合して、成形された状態で固化可能な混合物32に調整し、当該混合物32を成形して固化させることにより、確実に成形された状態のまま安定して固化させてペレット(木粉固化体)42を製造することができる。
原料の配合割合については、両者の混合物を成形された状態で固化可能とする割合にすればよい。乾燥木粉を95〜80重量%、鉱物繊維を5〜20重量%とすると、両者の混合物を成形された状態のまま固化させることができ、かつ、製造された木粉固化体に十分な木質感を得ることができる。鉱物繊維を5重量%以上とするのは両者の混合物が十分に成形された状態のまま固化されるようにするためであり、鉱物繊維を20重量%以下とするのは十分な木質感のある木粉固化体を得るためである。
なお、乾燥木粉と鉱物繊維の配合割合は、鉱物繊維が5〜20重量%の範囲内で木粉固化体に要求される性質に応じて適宜好ましい比率を選択可能である。
【0054】
乾燥木粉10と鉱物繊維とを混合機51に投入して撹拌すると、鉱物繊維が乾燥木粉10と絡み合うことにより乾燥木粉10同士を結着させ、均質な混合物32になる。このように、水を混合することなく、乾燥木粉10と鉱物繊維とから、鉱物繊維をバインダとして成形された状態で固化可能な混合物32に調整することができる。従って、混合物32を成形して固化させることにより、成形された状態のまま固化させることができる。
【0055】
調整した混合物32を成形機52に投入して成形し、固化させると、鉱物繊維の存在により、乾燥木粉10と鉱物繊維の混合物32は成形された状態のまま固化する。このように、含水率が10重量%よりもかなり小さい非常に乾燥した乾燥木粉だけでは成形された状態で固化できなくても、上述した配合割合で鉱物繊維を乾燥木粉に混合することにより、木粉固化体として十分な固化率以上にすることが可能となる。木粉固化体を製造する際、加熱工程が不要であるので、低コストで木粉固化体を製造することができる。また、水を添加していないので、水蒸気の発生による成形性の低下や木粉固化体の膨れは生じない。すなわち、最適な成形性を保持するとともに効率的かつ低コストで木粉の固化を行うことが可能となる。従って、本木粉固化体製造方法によると、低コストで効率よく、木粉を成形して確実に成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することが可能となる。また、鉱物繊維は混合されても応力で破壊され難いため、この点で確実に木粉を成形して成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することが可能となる。
なお、木粉固化体の原料として、乾燥木粉10の代わりに10〜25重量%の含水率に調整した木粉を用いてもよい。第二の実施形態と同様、乾燥木粉等の低含水率の木粉と高含水率の木粉とを混合して10〜25重量%の含水率に調整してもよいし、乾燥木粉等の低含水率の木粉に水を添加して10〜25重量%の含水率に調整してもよく、様々な手法により木粉の含水率を調整することが可能である。すると、調整した混合物はさらに成形された状態のまま安定して固化しやすくなり、さらに強固な木粉固化体を製造することが可能となる。
【0056】
表3は、含水率5重量%の乾燥木粉と、ワラストナイトを用いてペレット(木粉固化体)を製造し、評価した実施例3を示している。
【表3】
Figure 2004237534
すなわち、乾燥木粉を100,95,90,80,75重量%と段階的に減らすとともにワラストナイトを0,5,10,20,25重量%と段階的に増やした5試験区で、製造されたペレットの固化率(重量%)と、製造されたペレットの木質感を相対的に比較している。木質感の欄に記した二重丸◎は木質感が非常に良好であったことを意味し、一重丸○は二重丸◎程ではないが木質感が良好であったことを意味し、三角△は木質感が不十分であったことを意味している。
【0057】
試験区2,3,4のように、ワラストナイトの配合割合を5〜20重量%とすると、製造されたペレットの固化率は40重量%以上となり、ペレットとして十分な固化率となるとともに、ペレットの木質感も良好であった。
なお、含水率5重量%の乾燥木粉の代わりに含水率10重量%に調整した木粉を用いると、ブランク試験区1でも固化率が80重量%となり、ワラストナイトの配合割合を5〜20重量%としたときにさらに強固な木粉固化体が得られた。
【0058】
また、鉱物繊維の代わりに、紙廃材等をほぐしたパルプ繊維を用いてもよい。パルプ繊維は、鉱物繊維ほどの強度はないものの、混合されても応力で破壊され難い。従って、同様の作用により、乾燥木粉10にパルプ繊維をバインダとして混合して、成形された状態で固化可能な混合物32に調整し、当該混合物32を成形して固化させることにより、確実に成形された状態のまま安定して固化させてペレット42を製造することができる。パルプ繊維は、木材に近い性質を有する材質であるので、木質感を良好にさせ、違和感のない良質の木粉固化体を製造することができる。
原料の配合割合については、両者の混合物を成形された状態で固化可能とする割合にすればよい。乾燥木粉を95〜50重量%、パルプ繊維を5〜50重量%とすると、両者の混合物を成形された状態のまま固化させることができ、かつ、製造された木粉固化体に十分な木質感を得ることができる。パルプ繊維を5重量%以上とするのは両者の混合物が十分に成形された状態のまま固化されるようにするためであり、鉱物繊維を50重量%以下とするのは十分な木質感のある木粉固化体を得るためである。
なお、乾燥木粉とパルプ繊維の配合割合は、パルプ繊維が5〜50重量%の範囲内で木粉固化体に要求される性質に応じて適宜好ましい比率を選択可能である。
木粉固化体の原料としてパルプ繊維を用いる場合も、乾燥木粉10の代わりに10〜25重量%の含水率に調整した木粉を用いてもよい。すると、調整した混合物はさらに成形された状態のまま安定して固化しやすくなり、さらに強固な木粉固化体を製造することが可能となる。
【0059】
表4は、含水率5重量%の乾燥木粉と、紙廃材をほぐしたパルプ繊維を用いてペレット(木粉固化体)を製造し、評価した実施例4を示している。
【表4】
Figure 2004237534
すなわち、乾燥木粉を100,95,90,80,70,60,50,40重量%と段階的に減らすとともにパルプ繊維を0,5,10,20,30,40,50,60重量%と段階的に増やした8試験区で、製造されたペレットの固化率(重量%)と、製造されたペレットの木質感を相対的に比較している。
試験区2,3,4,5,6,7のように、パルプ繊維の配合割合を5〜50重量%とすると、製造されたペレットの固化率は40重量%以上となり、ペレットとして十分な固化率となるとともに、ペレットの木質感も良好であった。
なお、含水率5重量%の乾燥木粉の代わりに含水率10重量%に調整した木粉を用いると、ブランク試験区1でも固化率が80重量%となり、パルプ繊維の配合割合を5〜50重量%としたときにさらに強固な木粉固化体が得られた。
【0060】
むろん、繊維状物質に少なくとも鉱物繊維が含まれていれば同様の効果が得られ、繊維状物質に少なくともパルプ繊維が含まれていれば同様の効果が得られる。また、繊維状物質を鉱物繊維とパルプ繊維の組み合わせで構成しても、同様の効果が得られる。
なお、上述の各実施形態において説明した生木木粉、粉状の水溶性材料、繊維状物質は、それぞれが複数組み合わせて構成されていてもよい。こうすることにより、それぞれの材料の有する利点を生かした木粉固化体を製造することが可能となる。
【0061】
(4)第四の実施形態:
ところで、木粉を含む混合物に比較的多くの水が含まれている場合、混合物を成形しながら加熱し、混合物に含まれる水分を減少させて固化させてもよい。以下、第四の実施形態について説明する。第四の実施形態にかかる木粉固化体製造方法は図1と同様である。
本実施形態では、図2に示すように、成形機52に設けられたヒータ52hを用いて、ダイス52cを加熱する。
【0062】
ヒータ52hは、ダイス52cに接する位置に取り付けられている。図2の例では、ダイス52cの下側周縁部に接して設けられていることが示されている。従って、ヒータ52hに通電すると、ヒータ52hから熱が発生し、ダイス52cを加熱する。
すると、木粉を含む混合物は、成形時に水分が減少する。すなわち、木粉を含む混合物に比較的多くの水が含まれている場合に、成形時に含水率を低下させることができる。従って、さらに効率よく、木粉を成形して成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することが可能となる。
【0063】
表5は、含水率5重量%の乾燥木粉42.9重量%と、含水率40重量%の生木木粉57.1重量%とを混合して含水率を25重量%に調整した木粉を用いて、ダイスの温度を加熱せず(20℃)、80℃、100℃と段階的に増やした3試験区でペレット(木粉固化体)を製造し、製造されたペレットの含水率(重量%)と固化率(重量%)を比較した実施例5を示している。
【表5】
Figure 2004237534
ブランク試験区1のようにダイスを加熱しない場合にはペレットの含水率が25重量%であるので固化率は80重量%にとどまっている一方、試験区2,3のように加熱した場合には、加熱温度80℃であるときにペレットの含水率が20重量%に下がって固化率はほぼ100重量%となり、加熱温度100℃であるときにペレットの含水率がさらに15重量%に下がって固化率はほぼ100重量%となり、ほとんど崩れの見られない、非常に良質のペレットが得られた。
【0064】
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、低コストで効率よく、木粉を成形して成形された状態のまま安定して固化させて木粉固化体を製造することが可能な木粉固化体製造方法および木粉固化体製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる木粉固化体の製造工程を示す概略的な流れ図である。
【図2】成形機の垂直断面図である。
【図3】ダイスを上面から見て示す上面図である。
【図4】本発明の第三の実施形態にかかる木粉固化体の製造工程を示す概略的な流れ図である。
【符号の説明】
10…乾燥木粉(低含水率の木粉)
20…生木木粉(所定の材質の粉体)
22…繊維状物質
30,32…粉体の混合物
40,42…ペレット(木粉固化体)
51…混合機
52…成形機
52c…ダイス
52h…ヒータ

Claims (15)

  1. 低含水率の木粉と、重量を基準とした含水率が同低含水率の木粉より大きい所定の材質の粉体とを混合して、成形された状態で固化可能な含水率の粉体の混合物に調整し、当該混合物を成形して固化させることにより木粉固化体を製造することを特徴とする木粉固化体製造方法。
  2. 上記混合物を、10〜25重量%の含水率に調整することを特徴とする請求項1に記載の木粉固化体製造方法。
  3. 含水率が15重量%以下の上記低含水率の木粉と、含水率が15重量%以上の上記所定の材質の粉体とを混合して、上記混合物に調整することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の木粉固化体製造方法。
  4. 上記所定の材質の粉体は、重量を基準とした含水率が上記低含水率の木粉より大きい高含水率の木粉であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の木粉固化体製造方法。
  5. 上記低含水率の木粉は乾燥木粉であり、上記高含水率の木粉は生木の木粉であることを特徴とする請求項4に記載の木粉固化体製造方法。
  6. 木粉と、水に溶解して結着性を示す粉状の水溶性材料とを水の沸点以下の温度で混合して、同木粉に含まれる水を同水溶性材料に浸潤させた混合物に調整し、当該混合物を成形して固化させることにより木粉固化体を製造することを特徴とする木粉固化体製造方法。
  7. 上記水溶性材料には、少なくとも澱粉が含まれることを特徴とする請求項6に記載の木粉固化体製造方法。
  8. 上記水溶性材料には、少なくともポリビニルアルコールが含まれることを特徴とする請求項6または請求項7のいずれかに記載の木粉固化体製造方法。
  9. 木粉に繊維状物質をバインダとして混合して、成形された状態で固化可能な混合物に調整し、当該混合物を成形して固化させることにより木粉固化体を製造することを特徴とする木粉固化体製造方法。
  10. 上記繊維状物質には、少なくとも鉱物繊維が含まれることを特徴とする請求項9に記載の木粉固化体製造方法。
  11. 上記繊維状物質には、少なくともパルプ繊維が含まれることを特徴とする請求項9または請求項10のいずれかに記載の木粉固化体製造方法。
  12. 上記木粉を、10〜25重量%の含水率に調整することを特徴とする請求項6〜請求項11のいずれかに記載の木粉固化体製造方法。
  13. 上記混合物を成形しながら加熱し、同混合物に含まれる水分を減少させて固化させることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載の木粉固化体製造方法。
  14. 木粉を含む混合物を成形しながら加熱し、同混合物に含まれる水分を減少させて固化させることにより木粉固化体を製造することを特徴とする木粉固化体製造装置。
  15. 上記混合物が押し出されるダイスと、このダイスを加熱するヒータとを備えることを特徴とする請求項14に記載の木粉固化体製造装置。
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