JP2004236673A - Sewing machine and needle bar thread guide of the sewing machine - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミシン及びこのミシンの針棒糸案内に関し、特に、針棒糸案内に容易に糸掛け可能で且つ針棒糸案内に掛けられた上糸が抜けにくくなるように構成したものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ミシンの針棒の下端部には、天秤に掛けられた上糸を針棒に沿って縫針の目孔まで案内する為の針棒糸案内が設けられていることが多く、縫製前にこの針棒糸案内に上糸を掛けておくことにより、針棒が縫製中に上下動する際に、上糸が針棒の下端部付近で無用に振れるのを防止することができる。
【0003】
このような針棒糸案内には、種々のものが既に提案されているが、例えば、特許文献1に記載のミシンにおいては、一方向へ開放状に形成された第1の糸掛け部とこの第1の糸掛け部の下側において切れ目の無いリング状に形成された第2の糸掛け部とが針棒の下端部に設けられており、縫針の目孔に上糸を通す前に、第1の糸掛け部に上糸を掛けてから、第2の糸掛け部に上方から上糸を通しておくことで、上糸を縫針の近傍位置に位置規制することができ、縫製中の上糸の振れを防止できる。
【0004】
また、特許文献2に記載のミシンは、針抱きの上方に設けられ一方へ開放したスリットを有する糸案内装置と、この糸案内装置及び針抱きの下側に設けられ一方へ開放状に形成された針棒糸案内とを備えており、これら開放状のスリットと針棒糸案内の両方に容易に上糸を掛けることができるように構成されている。
【0005】
【特許文献1】特公昭58−35720号公報(第2頁、第1−2図)
【特許文献2】特開平11−489号公報(第3−5頁、図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特許文献1に記載のミシンにおいては、第2の糸掛け部が切れ目の無いリング状に形成されているため、第2の糸掛け部への糸掛け作業は上方から糸を通すことにより行わなければならず、糸掛け作業に手間がかかる。
【0007】
また、特許文献2に記載のミシンにおいては、針抱きの上方に設けられた糸案内装置と針棒糸案内の双方が、夫々一方へ開放状に形成されているため、例えばナイロン系のこしの強い糸を使用して縫製を行う場合など、上糸の振れが強い場合に、糸案内装置や針棒糸案内から容易に上糸が抜けてしまう虞がある。
【0008】
本発明の目的は、針棒糸案内に容易に糸掛け可能で且つ針棒糸案内に掛けられた上糸が抜けにくくすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1のミシンは、ミシン頭部に上下動自在に配設された針棒に付設され縫針の目孔へ向かう上糸を案内する針棒糸案内を備えたミシンにおいて、前記針棒糸案内は、前記針棒の下端部に設けられた第1の針棒糸案内と、この第1の針棒糸案内の下側に所定間隔空けて前記針棒の下端部に設けられた第2の針棒糸案内とを備え、前記第1の針棒糸案内は、糸掛けされる上糸の移動方向と交差する方向へ上糸を案内する第1糸案内部と、この第1糸案内部で案内された上糸を導入して糸掛け可能な外部へ開放状の第1糸掛け部とを備え、前記第2の針棒糸案内は、糸掛けされる上糸の移動方向と交差する方向へ上糸を案内する第2糸案内部と、この第2糸案内部で案内された上糸を導入して糸掛け可能な外部へ開放状の第2糸掛け部とを備え、前記第1,第2糸案内部が平面視で互いに交差するように構成されたものである。
【0010】
このミシンによる縫製作業前には、針棒の下端部に設けられた針棒糸案内の第1、第2の針棒糸案内に上糸が掛けられる。即ち、まず、第1の針棒糸案内において、第1糸案内部により上糸の移動方向と交差する方向へ上糸が案内されて、外部へ開放状の第1糸掛け部に上糸が導入されて上糸が第1糸掛け部に掛けられる。一方、第2の針棒糸案内においても、第2糸案内部により上糸の移動方向と交差する方向へ上糸が案内されて、外部へ開放状の第2糸掛け部に上糸が導入されて上糸が第2糸掛け部に掛けられる。ここで、第1,第2糸案内部が平面視で互いに交差するように構成されているため、これら第1,第2糸案内部により、上糸が第1,第2糸掛け部から抜けないように規制される。
【0011】
請求項2のミシンは、請求項1の発明において、前記第1,第2糸掛け部は、互いに反対側に開放状に形成され、前記第1,第2糸掛け部により上糸を縫針の近傍位置に位置規制するように構成したものである。従って、第1、第2糸掛け部の一方に掛けられた上糸部分が、他方の糸掛け部により前記一方の糸掛け部から抜けないように規制されるため、上糸が第1,第2糸掛け部に掛けられた状態が保持されて、上糸が縫針の近傍位置に位置規制される。
【0012】
請求項3のミシンは、請求項1又は2の発明において、前記上糸を所定の移動方向に移動させて前記第1、第2糸掛け部に糸掛けする糸掛け機構を設け、前記第1糸案内部は、曲線状又は直線状に形成されたものである。従って、糸掛け機構により上糸が所定の移動方向に直線的に移動すると、曲線状又は直線状に形成された第1糸案内部により上糸が第1糸掛け部まで案内される。
【0013】
請求項4のミシンは、請求項1〜3の何れかの発明において、前記第2糸案内部は、第1糸案内部よりも水平方向外側へ突出状に形成されたものである。従って、糸掛けされる上糸は、最初に第2糸案内部に接触してから、第2糸案内部により上糸が第1糸案内部にも接触するように案内されて、第1、第2糸案内部の両方により上糸が第1、第2糸掛け部まで案内されることになる。
【0014】
請求項5のミシンは、請求項1〜4の何れかの発明において、前記ミシン頭部は、糸供給源を有する糸カセットを装着する為のカセット装着部を備え、前記第1,第2針棒糸案内は、前記糸カセットと縫針の目孔との間の上糸を案内するように構成されたものである。従って、糸カセットの糸供給源から導出された上糸は、第1,第2針棒糸案内により縫針の目孔へ向かうように案内される。
【0015】
請求項6のミシンは、請求項1〜5の何れかの発明において、前記第1、第2針棒糸案内を金属板で一体形成したものである。従って、このように金属板で一体形成された第1、第2針棒糸案内により上糸が縫針の目孔に向かうように案内される。
【0016】
請求項7のミシンは、請求項1〜6の何れかの発明において、上糸を所定の移動方向に移動させたときに、前記第1、第2糸案内部により上糸が案内されて前記第1,第2糸掛け部に糸掛けされるように構成したものである。従って、所定の移動方向に直線的に上糸を移動させると、第1、第2糸案内部により上糸が第1,第2糸掛け部まで案内されて、第1、第2糸掛け部に糸掛けされる。
【0017】
請求項8のミシンは、請求項1〜7の何れかの発明において、前記第1糸案内部から下方に向かって突出する突出部を有し、その突出部が前記第1の針棒糸案内と前記第2の針棒糸案内との間に亙る上糸に接触可能に配置されているものである。従って、突出部により上糸の水平方向の移動が規制される。
【0018】
請求項9のミシンは、請求項1〜7の何れかの発明において、前記第1の針棒糸案内と前記第2の針棒糸案内との上下方向の間において、水平方向に伸展する水平伸展部を有し、その水平伸展部が前記第1の針棒糸案内と前記第2の針棒糸案内との間に亙る上糸に接触可能に配置されているものである。従って、水平伸展部により上糸の上下方向あるいは前後方向の少なくとも一方の移動が規制される。
【0019】
請求項10のミシンは、前記第1糸案内部から下方に向かって突出する突出部と、前記第1の針棒糸案内と前記第2の針棒糸案内との上下方向の間において、水平方向に伸展する水平伸展部とを有し、その突出部及び水平伸展部が前記第1の針棒糸案内と前記第2の針棒糸案内との間に亙る上糸に接触可能に配置されているものである。従って、突出部及び水平伸展部により、上糸の水平方向の移動及び、上糸の上下方向あるいは前後方向の少なくとも一方の移動が規制される。
【0020】
請求項11のミシンは、請求項1〜10の発明において、前記第1糸掛け部は、縫製時の上糸を案内するガイド穴と、このガイド穴よりも幅が狭くこのガイド穴をその外部と連通させる開放部とを有するものである。従って、糸掛けの際に、上糸が所定の方向に移動すると、ガイド穴の外部から上糸が開放部を通ってガイド穴内に導かれ、ガイド穴により上糸が縫針近傍の所定の位置に案内された状態となる。
【0021】
請求項12のミシンは、請求項1〜11の発明において、前記第1糸掛け部は、縫製時の上糸を案内するガイド穴を有し、このガイド穴が、前記第2糸掛け部に糸掛けされる上糸の移動方向と交差する方向に伸展するように形成されたものである。従って、糸掛けの際に、上糸が所定の方向に移動してガイド穴内に導かれると、上糸は、ガイド穴内で適度な遊びを有する状態で縫針近傍の所定の位置に案内される。
【0022】
請求項13のミシンは、請求項11又は12の発明において、前記第1糸案内部が、前記ガイド穴よりも前記縫針側に位置し、前記ガイド穴は、前記縫針側の端部においてその外部に開放状に形成されているものである。従って、第1の針棒糸案内において、上糸は、第1糸案内部により上糸の移動方向と交差する方向に案内された後に、ガイド穴の縫針側の端部から縫針から離れる方向に移動して、上糸がガイド穴内に導かれる。
【0023】
請求項14のミシンは、請求項11又は12の発明において、前記ガイド穴が、前記第1糸案内部の終端部よりも前記縫針側に位置しているものである。従って、第1の針棒糸案内において、上糸は、第1糸案内部により上糸の移動方向と交差する方向に案内された後に、第1糸案内部の終端部から縫針側に移動して、上糸がガイド穴内に導かれる。
【0024】
請求項15のミシンは、請求項11〜14の発明において、前記第2糸掛け部が、前記ガイド穴よりも前記縫針側に位置しているものである。従って、上糸は、第1糸掛け部のガイド穴で案内されつつ縫針側へ傾いて、上糸が第2糸掛け部にも糸掛けされる。
【0025】
請求項16のミシンの針棒糸案内は、ミシン頭部に上下動自在に配設された針棒を備えたミシンの針棒糸案内において、前記針棒の下端部に上下に離隔して設けられる第1,第2の針棒糸案内であって、金属板で一体形成された第1,第2の針棒糸案内を備え、前記第1の針棒糸案内は、糸掛けされる上糸の移動方向と交差する方向へ上糸を案内する第1糸案内部と、この第1糸案内部で案内された上糸を導入して糸掛け可能な外部へ開放状の第1糸掛け部とを備え、前記第2の針棒糸案内は、糸掛けされる上糸の移動方向と交差する方向へ上糸を案内する第2糸案内部と、この第2糸案内部で案内された上糸を導入して糸掛け可能な外部へ開放状の第2糸掛け部とを備え、前記第1,第2糸案内部が平面視で互いに交差するように構成されたものである。この針棒糸案内は、請求項1のミシンの針棒糸案内と略同様の作用を奏するため、その説明を省略する。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態は、糸カセットの装着動作に連動して針棒に設けられた針棒糸案内に自動的に上糸を掛けるように構成された家庭用ミシンに、本発明を適用した場合の一例である。
【0027】
図1、図2に示すように、家庭用のミシンMは、水平なベッド面を有するベッド部1と、ベッド部1の右端部分に立設された脚柱部2と、脚柱部2の上部からベッド部1と対向するように左方へ延びるアーム部3と、アーム部3の左端部分に設けられた頭部4とを有する。頭部4には、糸カセット10が着脱自在に装着されるカセット装着部5が設けられ、カセット装着部5に装着された糸カセット10から上糸11が導出される。アーム部3の頭部4には、縫製開始スイッチ、縫製終了スイッチ、等々の操作スイッチ類(図示略)が設けられている。また、アーム部3には、画面を正面に向けた液晶ディスプレイ7が設けられている。
【0028】
図2〜図4に示すように、頭部4には、上下動自在に配設された針棒12、上下揺動自在に配設された天秤13、糸カセット10から導出される上糸11の糸調子を調節する糸調子機構14、糸カセット10をカセット装着部5に装着する際に上糸11を針棒12に支持された縫針15の目孔15aに自動的に糸通しする糸通し機構16、糸通し機構16により糸通しする為に縫針15の目孔15a付近に上糸11を保持する糸保持機構17、頭部4の下端付近に設けられた糸案内18、針棒12に付設され縫針15の目孔15aへ向かう上糸11を案内する針棒糸案内19、糸案内18及び針棒糸案内19に自動的に糸掛けする糸掛け機構20等が設けられている。さらに、図示しないが、針棒12を上下動させる針棒上下動機構、針棒12を揺動させる針棒揺動機構、天秤13を上下に揺動駆動する天秤駆動機構も頭部4に設けられている。
【0029】
図1、図2に示すように、カセット装着部5に装着された糸カセット10から導出される上糸11は、糸調子機構14の1対の糸調子皿の間の糸調子軸(図示略)に上側から掛けられ、その糸調子軸から下流側へ延びる上糸11が天秤13に掛けられる。さらに、図4に示すように、天秤13から下流側へ延びる上糸11は、糸保持機構17により縫針15の目孔15a付近に保持された後、糸通し機構16により目孔15aに通されて、糸掛け機構20により糸案内18と針棒糸案内19に上糸11が掛けられて、上糸11が縫製可能にセットされる。ここで、糸通し機構16、糸保持機構17、糸掛け機構20の夫々の動作は、糸カセット10の装着動作に連動して自動的に行われる。
【0030】
一方、ベッド部1にはボビン装着部(図示略)が設けられ、このボビン装着部に装着されたボビン(図示略)から延びる糸が下糸として使用される。また、ベッド部1には、釜機構(図示略)が設けられている。上糸11と下糸を縫製可能にセットした状態で、ミシンモータ(図示略)が駆動されると、針棒上下動機構により針棒12が上下動され、これに同期して釜機構が駆動されて、その釜機構によりベッド部1の針板1aよりも下側に下降した縫針15付近の上糸11が引っ掛けられ、その上糸11と下糸とが交絡して縫目が形成される。
【0031】
ここで、糸カセット10について説明する。図5〜図7に示すように、糸カセット10は、カセット本体30と、このカセット本体30に枢着された開閉部材31とを有し、これらの内部に糸供給源である糸駒32を収容する糸収容部33が形成されている。
【0032】
カセット装着部5への装着準備が完了した糸カセット10の状態では以下のように上糸11がセットされている。即ち、糸駒32からは上糸11が上側へ延びて糸収容部33外に導出され、そこから、カセット本体30と開閉部材31の左端間の糸経路35を通って、糸カセット10の左下端部の糸掛け部36aに掛けられている。ここから、上糸11は右方へ延びて仕切壁37の下端部の糸掛け部36bと糸カセット10の右下端部の糸掛け部36cに掛けられ、さらに前方へ延びてから糸掛け部36dに掛けられてUターンし、左方へ延びて糸保持部38に保持され、さらに、糸保持部38の左側の刃39で切断され、糸掛け部36eに掛けられている。
【0033】
ところで、この糸カセット10の右側部分には、後方と下方を開口した天秤ガイドスペース40がほぼ上下全長に亙って形成され、糸カセット10の下端部分の中央部分に下方を開口した糸調子スペース41が形成され、これらのスペース40,41が仕切壁37により仕切られている。
【0034】
カセット装着部5に糸カセット10を下降させて挿入していくと、天秤ガイドスペース40に天秤13が下側から入り込み、糸調子スペース41に糸調子機構14が下側から入り込む。糸カセット10をカセット装着部5に少し挿入したところで、先ず、天秤ガイドスペース40に入り込んだ天秤13に、上糸11の糸掛け部36b,36cの間の糸部分11aが引っ掛けられる。
【0035】
この状態からさらに糸カセット10をカセット装着部5に挿入していくと、糸掛け部36a,36bの間の糸部分11bが、糸調子スペース41に入り込んだ糸調子機構14により保持される。一方、糸掛け部36dと糸保持部38との間の糸部分11cは、糸保持機構17により縫針15の目孔15a付近まで引っ張られて保持される(図4参照)。このとき、目孔15aを通過可能な糸通し機構16の糸通しフック42により、糸保持機構17により目孔15a付近に保持された上糸11が目孔15aから引き抜かれ、目孔15aに上糸11が通される。
【0036】
次に、針棒糸案内19について説明する。図2、図3、図8〜図10に示すように、針棒糸案内19は、針棒12の下端部に設けられた第1針棒糸案内50と、この第1針棒糸案内50の下側に所定間隔空けて針棒12の下端部に設けられた第2針棒糸案内51とを備えており、これら第1、第2針棒糸案内50,51は、金属板で一体形成されている。第1、第2針棒糸案内50,51は、鉛直板状の連結部52により一体的に連結され、図10に示すように、針棒糸案内19は、縫針15を保持する針抱き53(図11〜図18参照)を上下から挟むように、正面視で逆コの字状に形成されている。ミシンMの前方から見て、連結部52が針抱き53の左側に位置するように、針棒糸案内19は針棒12の下端部に取り付けられている。そして、後ほど詳述する糸掛け機構20により上糸11を左方へ直線的に移動させるだけで、第1、第2針棒糸案内50,51に上糸11が掛けられるようになっている。
【0037】
図8〜図10に示すように、第1針棒糸案内50は、前方へ上糸11を案内する第1糸案内部54と、この第1糸案内部54で案内された上糸11を導入して糸掛け可能で前方開放状の第1糸掛け部55を備えている。尚、第1糸案内部54は、糸掛けされる上糸11の移動方向(左方)と交差(略直交)する方向(前方)へ上糸11を案内することになる。この第1針棒糸案内50には、針棒糸案内19を針棒12に取り付ける為の鉛直板状の取付部56が一体的に設けられている。さらに、第1針棒糸案内50には、針棒12の下端部に係合可能な係合穴57も設けられている。
【0038】
第1糸案内部54は、水平方向に且つ前方に突出するように形成され、さらに、後述の糸掛け機構20により右方から左方へ移動してきた上糸11を前方へスムーズに案内できるように、第1糸案内部54の右端部は曲線状に形成されている。第1糸掛け部55は、第1糸案内部54の突出部54aの先端から後方へ直角的に切欠いた形状に形成されている。
【0039】
第2針棒糸案内51は、連結部52から右方へ水平に延びるように形成されており、この第2針棒糸案内51は、後方へ上糸11を案内する第2糸案内部58と、この第2糸案内部58で案内された上糸11を導入して糸掛け可能で後方へ開放状の第2糸掛け部59を備えている。尚、第2糸案内部58は、糸掛けされる上糸11の移動方向(左方)と交差する方向で且つ第1糸案内部54が案内する方向と逆方向(後方)へ上糸11を案内することになる。ここで、図8に示すように、第1糸案内部54と第2糸案内部58は、平面視で左右に交差している。また、第1糸掛け部55は前方へ開放状(前方が開け、環のようには閉じておらず、前方向きの端部)に形成されているのに対し、第2糸掛け部59は逆に後方へ開放状(後方が開け、環のようには閉じておらず、後ろ向きの端部)に形成されている。
【0040】
即ち、図9に示すように、第2糸掛け部59は、連結部52の右側においてその連結部52に連続して形成された辺端部59aと、その辺端部59aの右側において辺端部59aに連続して形成された辺端部59bとから構成されている。その辺端部59aは左右方向よりも右前方に向かって伸展し、辺端部59bは左右方向よりも右後方に向かって伸展する。これら辺端部59a,59bは鈍角(角度Pが90度よりも大きく、180度より小さい)を成して連結し、針抱き53のすぐ下方の縫針15よりも前方に位置する。これら辺端部59a,59bの連結部分(滑らかに形成された屈曲部)は、第1糸掛け部55の前後方向に伸展する部分よりも、左方、且つ、後方にあり、且つ針抱き53の前面よりも前方にある。
【0041】
この辺端部59bは、前記第2糸案内部58の左側においてその第2糸案内部58に連続して形成されており、辺端部59bと第2糸案内部58とは鈍角(角度Qが180度よりも大きく、270度よりも小さい)を成して連結する。尚、前記辺端部59a,59b、第2糸案内部58は、第2針棒糸案内51の後端部にあたる。
【0042】
前記第2糸案内部58は縫針15よりも前方に位置し、第2糸案内部58の右端部は、前記第1糸案内部54の右端部よりも右前方に突出する。辺端部59bと第2糸案内部58との連結部分(滑らかに形成された頂点部)は、前記辺端部59a,59bの連結部分よりも後方にあり、且つ、第1糸掛け部55の前後に伸展する部分よりも右方にある。さらに、辺端部59bと第2糸案内部58との連結部分は、前記第1糸案内部54の糸部分11gに当接する領域(案内する端部:図9の2点鎖線で示す3つ並んだ糸部分11gのうち、左から2つ目の真ん中の糸部分11gが示す第1糸案内部54の部分)よりも後側にあり、且つ、針抱き53の前面よりも後方にある。
【0043】
図8、図9に示すように、第2糸案内部58は、第2針棒糸案内51の右半部において、右斜め前方且つ水平方向に突出するように形成され、左方ほど後方へ傾斜するように形成された第2糸案内部58の後端部により、右方から左方へ移動してきた上糸11が後方へ案内される。第2糸掛け部59は、第2針棒糸案内51の左半部の後端部においてやや窪んだ形状に形成され、第2糸案内部58により後方へ案内されてきた上糸11が第2糸掛け部59に掛けられる。
【0044】
ところで、図8、図9に示すように、第2糸案内部58は、第1糸案内部54よりも水平方向で且つ右斜め前方へ突出している。従って、糸掛け機構20により上糸11が右方から左方へ移動すると、まず、上糸11は、右方へ突出した第2糸案内部58の後端部に接触して、上糸11は第2糸案内部58により確実に後方へ案内される。さらに、上糸11が左方へ移動すると、上糸11は曲線状に形成された第1糸案内部54にも接触する。
【0045】
そして、図8に示すように、第1糸案内部54に接触した糸部分11fは、第1糸案内部54により前方へ案内されて、糸部分11fが突出部54aを越えて第1糸掛け部55に上糸11が掛けられる。一方、図9に示すように、第2糸案内部58に接触した糸部分11gは、第2糸案内部58により後方へ案内されて第2糸掛け部59にも上糸11が掛けられる。尚、当然のことであるが、上糸11fが第1糸案内部54の突出部54aを越えて第1糸掛け部55に糸掛けされるためには、突出部54aの左右方向の位置が、上糸11の左方への移動限界位置(上糸11に係合して左方へ移動する後述の糸掛けフック63aの移動限界位置)よりも右側に位置することが必要になる。
【0046】
ここで、第1、第2糸案内部54,58は平面視で左右に交差しているので、第1、第2糸案内部54,58により、第1、第2糸掛け部55,59に掛けられた上糸11が抜けにくくなっている。さらに、第1、第2糸掛け部54,59は、互いに反対側に開放状に形成されているため、第1糸掛け部55に糸掛けされた糸部分11fは、第1糸掛け部55から抜けないように第2糸掛け部59で位置規制され、逆に、第2糸掛け部59に糸掛けされた糸部分11gは、第2糸掛け部59から抜けないように第1糸掛け部55で位置規制される。従って、上糸11が第1、第2糸掛け部54,59に糸掛けされた状態では、上糸11は、縫針15の近傍位置に位置規制されて縫針15に沿った状態に保持される(図18参照)。つまり、縫製中に針棒12や縫針15が上下動するときに、上糸11が縫針15から離れて無用に振れることがないように規制される。
【0047】
尚、第1、第2針棒糸案内50,51は、糸カセット10と縫針15の目孔15aとの間の上糸11を針棒12の下端部において案内するように構成されている。従って、糸カセット装着型のミシンMにおいては、糸カセット10とカセット装着部5との間に形成される空間等により糸路がやや不安定になる場合も想定されるが、そのような場合においても、糸カセット10から導出された上糸11を第1,第2針棒糸案内50,51により縫針15の目孔15aに向かうように確実に案内できるので、上糸11の振れを極力防止できる。
【0048】
また、図8、図17、図18に示すように、針棒12の前側面における下部には、上下に伸張する溝12aが形成されており、前面において直線状の開口部が形成され、後方に向かって凹みとして形成されている。そして、この針棒12の溝12aは、針棒12の最下端から針棒糸案内19の取付位置よりも上側の部分まで形成されている。尚、この溝12aは針棒12の最下端まで形成されているため、針棒12の最下端にも開口部が形成されていることになる。この溝12aの内面は平面状に形成され、溝12aには縫針15の上端部が挿入される。即ち、この溝12aの左右方向の幅は、縫針15の直径よりも大きい。そして、図17、図18に示すように、この溝12aの所定の位置に、縫針15の上端が当接して縫針15の上限位置(固定位置)を決めるためのストッパー12bが設けられている。
【0049】
また、縫針15の上端部には、縫針15の目孔15aの貫通方向が前後方向になった状態で、縫針15が針棒12の溝12aに取り付けられるようにするための、平坦面が1箇所だけ形成されている。この平坦面が針棒12の溝12aの左右及び後方の3つの内面のうちの前後方向に直交する後方の内面に接するようにして、縫針15が針棒12aの溝に取り付けられる。これらの構成は一般的なものであるので、詳細な説明は省略する。
【0050】
図8に示すように、その針棒12の溝12aには、新規な構成として、針棒12の下端部が通過する係合穴57の前側部分に形成され且つ(針棒糸案内19の針棒12への取付時において)後方に突出する突部50aが挿入され、その突部50aの左右方向の幅は、針棒12の溝12aの左右方向の幅よりもほんの僅かだけ狭くなっており、針棒糸案内19の針棒12への取付時において、突部50aの左右端部は、針棒12の溝12aの左右の内面に夫々接する。その突部50aの前後方向の長さは、針棒12の溝12aの前後の奥行きよりも短く、縫針15の最上部が針棒12の溝12aにおいて、突部50aよりも上方に位置し、突部50aの後方に縫針15の上端部が位置するように、突部50aが形成されている。即ち、突部50aは、針棒12に針棒糸案内19を取り付ける際の回り止めとして機能する。
【0051】
次に、糸掛け機構20について説明する。図3、図11〜図18に示すように、糸掛け機構20は、頭部4の下部に固定された水平板状のベース部材60と、このベース部材60の下側にスライド可能に付設された可動部材61と、この可動部材61の下側に枢着された回動アーム62と、可動部材61の下側に枢着され先端に糸掛けフック63aを有するフック部材63であって、この糸掛けフック63aに糸カセット10から導出された上糸11を掛けない待機位置(図11、図15参照)と糸掛け可能な作用位置(図12、図16参照)とに揺動可能で回動アーム62に連動連結されたフック部材63と、フック部材63を待機位置と作用位置とに亙って切換える為の操作力をフック部材63に付加する為の操作力付加部材64(図15、図16参照)と、操作力付加部材64に作用した操作力を回動アーム62に伝達する操作力伝達機構65(図15、図16参照)とを備えている。
【0052】
この糸掛け機構20は、糸カセット10の装着動作に連動して糸カセット10から操作力付加部材64に作用する操作力により、フック部材63を待機位置から作用位置に切換える第1揺動と、作用位置に切換えたフック部材63と回動アーム62を可動部材61と共にスライド移動させて糸案内18及び針棒糸案内19へ糸を掛けるスライド移動と、糸案内18及び針棒糸案内19への糸掛け後にフック部材63を待機位置へ復帰揺動させる第2揺動とを行うように構成されている。
【0053】
ここで、待機位置には、糸カセット10の装着前の状態において糸案内18及び針棒糸案内19に近い第1の待機位置(図11、図15参照)と、糸カセット10の装着状態において第1の待機位置よりも糸案内18及び針棒糸案内19から離れた第2の待機位置(図14、図18参照)の2つの待機位置が含まれる。
【0054】
ベース部材60は、糸調子機構14の一部を構成するフレーム部材70に、2つの支持部材71,72(図15参照)により下方に吊り下げられた状態で取付けられている。ベース部材60の左右方向途中部には、スライド移動の際に左方へ移動する回動アーム62を受け止めて停止させるストッパ部材73が下方突出状に一体的に形成されている。
【0055】
可動部材61は平面視略矩形状且つ水平板状の部材で構成され、2本のピン部材74,75によりベース部材60に左右方向にスライド可能に取付けられている。可動部材61には、2本のピン部材74,75が係合してベース部材60に対するスライド移動をガイドするガイド溝61aが左右方向に延びるように形成されている。
【0056】
つまり、可動部材61は、左側のピン部材74がガイド溝61aの左端の位置にある状態(図11参照)から、右側のピン部材75がガイド溝61aの右端に到達するまで(図14参照)の所定距離だけスライド移動自在にベース部材60に付設されている。ガイド溝61aの後側にはガイド溝61aと平行なスリット61bが形成され、このスリット61bには、可動部材61を右方(図11の糸掛け開始端位置)へ弾性付勢する可動部材61の復帰用のコイルバネ76が装着されている。
【0057】
回動アーム62の基端部は、可動部材61の右端部の前側部分にピン77(図15参照)を介して枢着され、このピン77には、回動アーム62を図11の反時計回りの方向(フック部材63が待機位置となる方向)へ弾性付勢するねじりバネ78(図15参照)が装着されている。回動アーム62の前後方向中央部の右側部分には、操作力伝達機構65によりフック部材63を切換える為の操作力が入力される操作力入力部62aが形成されている。回動アーム62の先端部の左側部分には、後述するように回動アーム62が可動部材61と一体的に左方へ所定距離スライド移動したときにストッパ部材73に当接する当接部62bが水平突出状に形成されている。
【0058】
フック部材63の基端部は可動部材61にピン79を介して枢着され、回動アーム62の先端部とフック部材63の基端部付近部は、以下に述べる連動機構80により連動連結されている。従って、フック部材63の基端部と回動アーム62の基端部とは共に可動部材61に枢着され、そのフック部材63の基端部と回動アーム62の基端部の位置関係が一定に保たれている。その連動機構80は、回動アーム62の先端部に形成された切欠き部62cと、フック部材63の基端部付近部のピン79よりも後側の部分に下方に突出するように設けられ切欠き部62cに係合するピン81とを備えている。
【0059】
フック部材63が図11、図15に示す第1の待機位置にある状態では、フック部材63の糸掛けフック63aは上糸11から離れているが、この状態から、図12、図16に示すように、ねじりバネ78の付勢力に抗して図12の時計回りの方向に回動アーム62がピン77を中心として所定角度θ1(例えば、θ1≒20°)だけ回動すると、この回動に伴って切欠き部62cも角度θ1だけ回動する。このとき、切欠き部62cによってピン81はピン79を中心に回転する。
【0060】
ここで、回動アーム62の回動中心であるピン77とピン81との距離は、ピン79,81間の距離よりも大きいため、ピン81の回動によりフック部材63が水平な状態で揺動したときに、ピン81の回動が拡大されて糸掛けフック63aはピン79を中心に図12の時計回りの方向に回動アーム62の回動角度よりも大きい所定角度θ2(例えば、θ2≒90°)水平状態で揺動し、フック部材63は図12、図16に示す作用位置に到達して糸掛けフック63aが上糸11に係合する。但し、フック部材63は回動アーム62及び可動部材61の下方にあり、このフック部材63には上方に突出する突出部(図示略)が一体的に形成され、フック部材63の回動によってその突出部も一体的に回動する。そして、この突出部の回動経路上には可動部材61が部分的に張り出しており、フック部材63が所定角度θ2だけ回動すると、フック部材63の突出部と可動部材61の張り出した部分(図示略)とが係合して、フック部材63がそれ以上回動できない。
【0061】
図15〜図18に示すように、操作力付加部材64は、糸調子機構14のフレーム部材70に揺動可能に枢着されている。操作力付加部材64の先端側(右端側)部分には、糸カセット10の下端部が接触するカセット接触部64aが前方に突出するように設けられている。糸カセット10の装着時には、糸カセット10の装着動作に連動して糸カセット10からカセット接触部64aに、フック部材63を待機位置と作用位置とに亙って切換える為の操作力が伝達されて、操作力付加部材64は図15の時計回りの方向に揺動する。
【0062】
操作力伝達機構65は、操作力付加部材64の下端部に左右方向途中部が回動可能に枢着されたリンク部材85と、リンク部材85の先端部(右端部)に下方へ屈曲状に形成された先端アーム部85aと、リンク部材85の基端部(左端部)に設けられた従動ピン86と、この従動ピン86が係合する円弧状のカム溝87aを有するカム板87とを備えている。
【0063】
リンク部材85は左右方向に延び且つ左右方向に移動可能に配設されており、カセット接触部64aに糸カセット10から操作力が作用して、操作力付加部材64が図15の時計回りの方向に揺動すると、その揺動に伴ってリンク部材85は左方へ移動する。ここで、前述のように、可動部材61はコイルバネ76により右方へ付勢され、この可動部材61に回動アーム62が枢着されているため、先端アーム部80aの下端部は回動アーム62の操作力入力部62aに常に当接した状態である。
【0064】
つまり、左右方向に延びるリンク部材85を介して操作力を回動アーム62の操作力入力部62aに伝達するが、リンク部材85の基端部が従動ピン86を介してカム板87のカム溝87aに案内されているため、操作力付加部材64の下端部が円弧状に移動すると、この円弧とほぼ一致したカム溝87aの円弧に沿って従動ピン86が移動し、リンク部材85の全体が左右方向にスムーズに移動することができる。即ち、リンク部材85は、そのリンク部材85の一部に回転中心を有して回転するものではない。従って、先端アーム部85aは回動アーム62の操作力入力部62aをほぼ水平に左方へ押圧することになり、先端アーム部85aと操作力入力部62aとの間で滑り摩擦が生じるのを極力抑えることができる。
【0065】
次に、この糸掛け機構20による糸掛け動作について説明する。糸カセット10の装着前の状態では、図11、図15に示すように、フック部材63は糸掛けフック63aに上糸11を掛けない第1の待機位置にある。この状態から、糸カセット10をカセット装着部5内に押し込んでいくと、糸カセット10のカセット本体30の下端部がカセット接触部64aに当接し、糸カセット10からカセット接触部64aに操作力が作用して、カセット接触部64aが図15の時計回りの方向へ揺動する。
【0066】
このとき、操作力伝達機構65により、操作力付加部材64からリンク部材85の先端アーム部85aを介して回動アーム62の操作力入力部62aに操作力が伝達されると、回動アーム62を所定角度θ1だけ回動させるとともにフック部材63を待機位置から作用位置へ切換える第1揺動が行われる。
【0067】
即ち、先端アーム部85aから操作力入力部62aに入力された操作力により、回動アーム62がピン77を回転中心として図11の時計回りの方向へ所定角度θ1だけ回動駆動され、回動アーム62に連動連結されたフック部材63も、連動機構80により、糸案内18と針棒糸案内19との間で、ピン79を回転中心として図11の時計回りの方向へ揺動されて、図12に示すように、糸掛けフック63aが所定角度θ2だけ回動して作用位置に切換えられ、糸掛けフック63aが上糸11に係合する。ここで、糸掛けフック63aに確実に上糸11が掛かるように、図12に示すフック部材63の作用位置は、図11に示す第1の待機位置よりも右方に位置するように構成されている。尚、この回動アーム62の回動に伴い、回動アーム62の先端部に形成された当接部62bは左方へ突出した状態となる。
【0068】
第1揺動後にさらに回動アーム62に操作力が伝達されると、回動アーム62は可動部材61の張り出した部分とフック部材63の突出部との間の係合により所定角度θ1以上に回動しないように規制されるため、図13、図17に示すように、作用位置に切換えられたフック部材63と回動アーム62とが可動部材61と共にコイルバネ76の付勢力に抗して、当接部62bがストッパ部材73に当接するまで左方へ所定距離スライド移動することになる。このスライド移動の際には、糸掛けフック63aに係合した上糸11がフック部材63と共に左方へ引き寄せられ、糸案内18の糸掛け部18aと、針棒糸案内19の第1、第2糸掛け部55,59に上糸11が掛けられる。
【0069】
図13、図17に示すように、当接部62bがストッパ部材73に当接して、ピン81が左方向に移動不可となった状態(可動部材61に対して回動アーム62の一部が一時的に停止した状態)で、さらに糸カセット10が押し込まれて操作力入力部62aに操作力が入力されると、フック部材63を第2の待機位置へ復帰揺動させる第2揺動が行われる。即ち、右側のピン部材75がガイド溝61aの右端に係合するまで可動部材61はベース部材60に対して左方へ移動することになるので、図14、図18に示すように、回動アーム62がピン81を回転中心として図14の反時計回りの方向に回動し、連動機構80によりフック部材63もピン81を回転中心として図14の反時計回りの方向に揺動されて、フック部材63が第2の待機位置へ切換えられる。
【0070】
その回動アーム62の回転に伴って当接部62bがストッパ部材73に対して摺動する。このときに、糸掛けフック63aに対する上糸11の係合が解除されて上糸11が糸掛けフック63aから外れ、糸案内18及び針棒糸案内19への糸掛け動作が完了する。
【0071】
次に、糸カセット10の装着時におけるミシンMの一連の作用について、糸掛け機構20による針棒糸案内19への糸掛け動作を中心に説明する。糸カセット10をカセット装着部5の上部に上方から挿入して押し込むと、この糸カセット10の装着動作に連動して、天秤13から下流側へ延びる上糸11が、糸保持機構17により縫針15の目孔15a付近に保持された後、糸通し機構16により目孔15aに通される。
【0072】
このように、糸保持機構17により保持された上糸11が糸通し機構16により目孔15aに通された状態で、さらに、糸カセット10がカセット装着部5に押し込まれると、糸掛け機構20により糸案内18及び針棒糸案内19に上糸11が掛けられる。即ち、図11、図15に示すように、フック部材63が糸掛けフック63aに上糸11を掛けない第1の待機位置にある状態から、糸カセット10をカセット装着部5内に押し込んでいくと、カセット本体30の下端部が操作力付加部材64のカセット接触部64aに当接し、糸カセット10からカセット接触部64aに操作力が作用する。
【0073】
この操作力付加部材64に作用した操作力が、操作力伝達機構65により回動アーム62の操作力入力部62aに伝達されると、連動機構80を介して、先ず、図12、図16に示すように、フック部材63を第1の待機位置から作用位置に切換える第1揺動が行われ、上糸11が糸掛けフック63aに係合する。次に、図13、図17に示すように、作用位置に切換えたフック部材63と回動アーム62を可動部材61と共にスライド移動させるスライド移動が行われる。
【0074】
このようにフック部材63が左方へ移動することにより、上糸11が右方から左方へ直線的に移動すると、図8に示すように、まず、上糸11は、右方へ突出した第2糸案内部58の後端部に接触して、上糸11は第2糸案内部58により後方へ案内される。さらに、上糸11が左方へ移動すると、上糸11は曲線状に形成された第1糸案内部54にも接触する。
【0075】
そして、第1糸案内部54に接触する上糸部分11fは、第1糸案内部54により前方へ案内されて上糸11が第1糸掛け部55に糸掛けされる。一方、図9に示すように、第2糸案内部58に接触する上糸部分11gは、第2糸案内部58により後方へ案内されて第2糸掛け部59にも上糸11が糸掛けされる。
【0076】
ここで、図8に示すように、第1糸案内部54と第2糸案内部58が平面視で左右に交差しているため、第1、第2糸案内部54,58により、上糸11が第1、第2糸掛け部55,59から抜けにくくなっている。さらに、第1、第2糸掛け部55,59は、互いに反対側に開放状に形成されているため、第1糸掛け部55に糸掛けされた上糸部分11fは、第1糸掛け部55から抜けないように第2糸掛け部59で規制され、逆に、第2糸掛け部59に糸掛けされた上糸部分11gは、第2糸掛け部59から抜けないように第1糸掛け部55で規制される。従って、上糸11が第1、第2糸掛け部55,59に糸掛けされた状態では、上糸11は、縫針15の近傍位置に位置規制されて縫針15に沿った状態に保持される。
【0077】
この状態から、さらに、図14、図18に示すように、フック部材63を第2の待機位置へ復帰揺動させる第2揺動が行われ、糸掛けフック63aから上糸11が外れて糸掛け動作が完了する。
【0078】
以上説明したミシンMによれば、次のような効果が得られる。
【0079】
1)上糸11を前方及び後方へ夫々案内する第1,第2糸案内部54,58が、平面視で互いに交差しており、さらに、第1、第2糸掛け部55,59が夫々前方及び後方へ開放状に形成されているため、外部へ開放状の第1,第2糸掛け部55,59に掛けられた上糸11が抜けにくい。また、第1,第2糸掛け部55,59により、上糸11が縫針15の近傍位置に位置規制された状態が保持されるので、縫製中に上糸11が針棒12の下端部付近で無用に振れるのを確実に防止することができる。
【0080】
2)第1糸案内部54が曲線状に形成されているため、糸掛け機構20により上糸11を左方に移動させたときに、第1糸案内部54により上糸11を前方にスムーズに案内して、上糸11を第1糸掛け部55に確実に導入することができる。
【0081】
3)第2糸案内部58は、第1糸案内部54よりも水平且つ右斜め前方へ突出状に形成されているので、糸掛け機構20により上糸11が右方から左方へ移動する際に、上糸11が第2糸案内部58の後端部に確実に当接して、上糸11が第2糸案内部58により後方へ案内される。さらに、上糸11が左方へ移動すると、上糸11が曲線状の第1糸案内部54にも当接して、上糸11が第1糸案内部54により前方へ案内される。つまり、第1、第2糸案内部54,58の両方により確実に上糸11を第1、第2糸掛け部55,59まで案内することができる。
【0082】
4)第1、第2針棒糸案内50,51は、糸カセット10と縫針15の目孔15aとの間の上糸11を針棒12の下端部において案内するように構成されているので、糸カセット装着型のミシンMにおいては、糸カセット10とカセット装着部5との間に形成される空間等により糸路がやや不安定になる場合も想定されるが、このような場合でも、糸カセット10から導出された上糸11を、第1,第2針棒糸案内50,51により縫針15の目孔15aに向かうように確実に案内できるので、上糸11の振れを極力防止できる。
【0083】
5)第1、第2針棒糸案内50,51を金属板で一体形成したので、針棒糸案内19を頭部4に容易に取り付けることができるし、取付の際の面倒な調整作業も不要になる。
【0084】
6)糸掛け機構20により上糸11を左方に直線的に移動させるだけで、上糸11が第1,第2糸案内部54,58により第1、第2糸掛け部55,59まで案内されて、第1、第2糸掛け部55,59に上糸11が糸掛けされるので、針棒糸案内19への糸掛け作業が容易になる。
【0085】
次に、前記実施の形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0086】
1]前記実施の形態においては、糸カセット10の装着動作に連動して自動的に針棒糸案内19に上糸11を掛けるように構成したミシンに本発明を適用したが、作業者が手で直接針棒糸案内19に上糸11を掛けるように構成したミシンにも本発明を適用できる。この場合でも、所定の方向へ上糸11を手で直線的に移動させるだけで針棒糸案内19に上糸11を掛けることができるため、糸掛け作業が容易になる。
【0087】
2]前記実施の形態では、糸通し機構16により縫針15の目孔15aに上糸11が通された後に、針棒糸案内19に上糸11が掛けられるように構成してあるが、目孔15aへの糸通し作業の前、あるいは、糸通し作業と同時に、針棒糸案内19に上糸11が掛けられるように構成してもよい。
【0088】
3]第1糸案内部54の右端部の形状は前記実施の形態のような曲線状に限らず、図19に示すように、第1針棒糸案内50Aにおいて、上糸11を左方に直線的に移動させて第1糸掛け部55に上糸11を掛けられる範囲内で、第1糸案内部54Aを直線状に形成してもよい。また、第1糸掛け部55の形状についても、前記実施の形態のような直角的な形状に限るわけではなく、図20に示すように、第1針棒糸案内50Bにおいて、第2糸掛け部59から上糸11が外れない範囲内で、第1糸掛け部55Bを実線や鎖線で示すような曲線的な形状に形成してもよい。
【0089】
4]前記実施の形態では、針棒12にこの針棒12と別部材の金属板で構成した針棒糸案内19を取り付けているが、針棒糸案内を針抱きを介して針棒に取り付けてもよいし、針棒糸案内を針棒又は針抱きに一体的に設けてもよい。また、第1、第2針棒糸案内を合成樹脂等、他の材質の部材で一体形成してもよい。
【0090】
5]前述の実施の形態では、第1針棒糸案内50及び第2針棒糸案内51が何れも単なる水平且つ平坦な板の端部によって、第1針棒糸案内50や第2針棒糸案内51から上糸11が外れるのを防止しているが、糸掛けに支障がない限り、必要に応じて、さらに、糸外れ防止の為の部分を追加してもよい。具体的には、図21〜図24に示すように、第1糸案内部54の左端部においてそこから下方に向かって突出する突出部100と、第1針棒糸案内50Cと第2の針棒糸案内51との上下方向の間において、連結部25Cの前端部から水平方向(右方)に伸展する水平伸展部200とを有し、その突出部100及び水平伸展部200が第1針棒糸案内50Cの第1糸掛け部55と第2針棒糸案内51の第2糸掛け部59との間に亙る糸部分11hに接触可能に配置されている。尚、図24に示すように、第1針棒糸案内50Cの第1糸掛け部55に掛けられた糸部分11fは、第2針棒糸案内51の第2糸掛け部59に掛けられた糸部分11gよりも前方にあり、糸部分11fと糸部分11gとの間に亙る糸部分11hは斜めに亙っている。その斜めに亙った糸部分11hの右方に突出部100が位置し、その斜めに亙った糸部分11hの下方且つ前方に水平伸展部200が位置する。
【0091】
従って、例えば、縫製中の天秤13の上下揺動により糸部分11hにたるみが生じたとしても、突出部100及び水平伸展部200により糸部分11hの右方向(第1糸掛け部55又は第2糸掛け部59が開放する方向)、上下方向、並びに、前後方向の移動が規制されるので、第1糸掛け部55と第2糸掛け部59から上糸11が抜けにくくなる。
【0092】
この突出部100と水平伸展部200とは、何れか一方だけを設けるようにしてもよい。また、突出部100や水平伸展部200に対して糸部分11hが常時接触するように構成してもよいし、糸部分11hが所定の方向に大きく移動したときにだけ、糸部分11hが突出部100や水平伸展部200に一時的に接触するようにしてもよい。さらには、前述の水平伸展部200は、第1針棒糸案内50Cの第1糸掛け部55と第2針棒糸案内51の第2糸掛け部59との間に亙る糸部分11hの上下方向、及び前後方向の移動を規制するが、水平伸展部200が、糸部分11hの上下方向あるいは前後方向の何れか一方のみの移動を規制するように構成してもよい。尚、以上説明した変更形態(図21〜図24)は、請求項8〜11の発明を適用した一例である。
【0093】
6]図25〜図28に示すように、第1針棒糸案内50Dの第1糸掛け部55Dが、縫製時の上糸11を案内するガイド穴110と、このガイド穴110よりも左右方向の幅が狭くこのガイド穴110をその外部と連通させる開放部111とを有し、第1糸案内部54Dが前記ガイド穴110よりも縫針15側に位置するように構成してもよい。即ち、第1針棒糸案内50Dは、取付板部56と一体的に連結され後方に位置する水平板部112と、この水平板部112からさらに水平前方へ突出し前方に位置する突出板部113とを有する。水平板部112の右側部分には、右方から左方へ移動する上糸11を前方へ案内する第1糸案内部54Dが曲線状に形成されている。
【0094】
一方、突出板部113の左右方向略中央部にはガイド穴110が形成されており、このガイド穴110は、第2針棒糸案内51の第2糸掛け部59よりも前方(縫針15と反対側)に位置している。そして、このガイド穴110は、第2糸掛け部59に糸掛けされる上糸11の移動方向(左右方向)と交差する前後方向に長く伸展する長穴状に形成されている。さらに、このガイド穴110よりも、第1糸案内部54Dが縫針15側(後方)に位置しており、ガイド穴110の後端部(縫針15側の端部)には左方へ水平に突出する突起部114が形成されている。そして、この突起部114により、ガイド穴110の後端部において、ガイド穴110よりも左右方向の幅が狭くガイド穴110をその外部と連通させる開放部111が形成されている。さらに、開放部111は前後方向に伸展しており、ガイド穴110の後端部において突起部114に左方から対向する部分が第1糸案内部54Dの終端部(左端部)と滑らかに接続されている。
【0095】
突出板部113の右側部分には、右方から後方へ湾曲するガイド部115が形成され、第1糸案内部54Dとガイド部115の間には、左方ほど前後方向の幅が狭くなる隙間116が形成されている。そして、開放部111を介してこの隙間116とガイド穴110とが連通しており、ガイド穴110がその後端部において後方へ開放されている。
【0096】
この第1針棒糸案内50Dを備えた針棒糸案内19Dに対して、上糸11が右方から移動してくると、まず、上糸11が、第2針棒糸案内51の第2糸案内部58に当接して、その当接した糸部分11gが第2糸案内部58により後方へ案内される。そして、糸部分11gよりも上側の糸部分11fが、第1糸案内部54Dにより前方へ案内される。このとき、糸部分11fは、第1糸案内部54Dとガイド部115との間の隙間116に導かれ、糸部分11fが第1糸案内部54Dの終端部に到達すると、開放部111により糸部分11fは上糸11の移動方向と交差する前方へ案内されて、ガイド穴110内に導かれる。同時に、前記実施の形態と同様に糸部分11gが第2糸掛け部59に糸掛けされる。
【0097】
ここで、第2糸掛け部59がガイド穴110よりも縫針15側に位置しているので、ガイド穴110内に導かれた糸部分11fは後方へ引きつけられ、突起部114の前側部分に係合し、図28に示すように、糸部分11fと糸部分11gとの間の糸部分11hが後方へ傾いた状態で糸掛けされて、針棒糸案内19Dへの糸掛けが完了する。ここで、ガイド穴110は前後方向に伸展するように形成されているので、縫製中には、ガイド穴110において糸部分11fに適度な遊びが得られる。尚、以上説明した変更形態(図25〜図28)は、請求項11〜13及び請求項15の発明を適用した一例である。
【0098】
7]図29〜図32に示すように、第1針棒糸案内50Eの第1糸掛け部55Eが、縫製時の上糸11を案内するガイド穴120と、このガイド穴120よりも前後方向の幅が狭くこのガイド穴120をその外部と連通させる開放部121とを有し、前記ガイド穴120が第1糸案内部54Eの終端部よりも縫針15側に位置するように構成してもよい。即ち、第1針棒糸案内50Eにおいて、第1糸案内部54Eの前端部の後側にガイド穴120が形成され、このガイド穴120は、第2針棒糸案内51の第2糸掛け部59よりも前方(縫針15と反対側)に位置している。そして、このガイド穴120は、第2糸掛け部59に糸掛けされる上糸11の移動方向と交差する前後方向に長く伸展する長穴状に形成されている。
【0099】
ガイド穴120の左端部には、前方及び後方に夫々突出する前後1対の突起部122,123が形成され、ガイド穴120の後側部分の左端部は、後側の突起部123よりもさらに左方へ入り込むように形成されている。そして、前後1対の突起部122,123の間には、ガイド穴120よりも前後方向の幅が狭くガイド穴120をその外部と連通させる開放部121が形成されている。この開放部121は左右方向に伸展しており、開放部121によりガイド穴120は左方へ開放されている。また、第1糸案内部54Eの左端部の後側部分には、左方から後方へ傾斜して前側の突起部122に連なり上糸11をガイド穴120まで案内する案内部124が形成されている。
【0100】
この第1針棒糸案内50Eを備えた針棒糸案内19Eに対して、上糸11が右方から移動してくると、まず、上糸11が、第2針棒糸案内51の第2糸案内部58に当接して、その当接した糸部分11gが第2糸案内部58により後方へ案内される。次に、糸部分11gよりも上側の糸部分11fが、第1糸案内部54Eにより前方へ案内される。そして、糸部分11fが第1糸案内部54Eの左端部に到達すると、糸部分11fはこの第1糸案内部54Eの左端部から案内部124で案内されながら右後方へ移動して、糸部分11fが開放部121を通って左方からガイド穴120へ導かれる。同時に、前記実施の形態と同様に糸部分11gが第2糸掛け部59に糸掛けされる。
【0101】
ここで、第2糸掛け部59がガイド穴120よりも縫針15側に位置しているので、ガイド穴120内に導かれた糸部分11fは後方へ引きつけられて、ガイド穴120の後端部に糸部分11fが係合し、図32に示すように、糸部分11fと糸部分11gとの間の糸部分11hが後方へ傾いた状態で糸掛けされて、針棒糸案内19Eへの糸掛けが完了する。ここで、ガイド穴120は前後方向に伸展するように形成されているので、縫製中に、ガイド穴120において糸部分11fに適度な遊びが得られる。尚、以上説明した変更形態(図29〜図32)は、請求項11、12、14、15の発明を適用した一例である。
【0102】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、上糸を上糸の移動方向と交差する方向へ夫々案内する第1,第2糸案内部が、平面視で互いに交差するように構成されているため、これら第1,第2糸案内部により、外部へ開放状に形成された第1,第2糸掛け部から上糸が抜けにくくなる。
【0103】
請求項2の発明によれば、第1、第2糸掛け部の一方において、他方の糸掛け部により一方の糸掛け部から上糸が抜けないように規制されて、第1,第2糸掛け部により上糸が縫針の近傍位置に位置規制された状態が保持されるため、縫製中に針棒の下端部付近で上糸が無用に振れるのを防止することができる。
【0104】
請求項3の発明によれば、第1糸案内部が曲線状又は直線状に形成されているため、糸掛け機構により上糸を所定の移動方向に移動させたときに、第1糸案内部により上糸を前記所定の移動方向と交差する方向に確実に案内して、第1糸掛け部に上糸を導入することができる。
【0105】
請求項4の発明によれば、第2糸案内部は、第1糸案内部よりも水平方向外側へ突出状に形成されているので、糸掛けされる上糸が最初に第2糸案内部に接触して、第2糸案内部により上糸が第1糸案内部にも接触するように案内されるため、第1、第2糸案内部の両方により確実に上糸を第1、第2糸掛け部まで案内することができる。
【0106】
請求項5の発明によれば、糸カセット装着型のミシンにおいて、糸カセットとカセット装着部との間に形成される空間等により糸路がやや不安定になる虞がある場合でも、糸カセットの糸供給源から導出された上糸を第1,第2針棒糸案内により縫針の目孔に向かうように確実に案内できるため、針棒の下端部付近で上糸が無用に振れるのを防止できる。
【0107】
請求項6の発明によれば、第1、第2針棒糸案内を金属板で一体形成したので、針棒糸案内を針棒の下端部に容易に取り付けることができる。
【0108】
請求項7の発明によれば、上糸を所定の移動方向に直線的に移動させるだけで、上糸が第1,第2糸案内部により第1、第2糸掛け部まで案内されて、第1、第2糸掛け部に上糸が糸掛けされるので、針棒糸案内への糸掛け作業が容易になる。
【0109】
請求項8の発明によれば、突出部により上糸の水平方向の移動が規制されるので、第1の針棒糸案内や第2の針棒糸案内から上糸が外れにくくなっている。
【0110】
請求項9の発明によれば、水平伸展部により上糸の上下方向あるいは前後方向の少なくとも一方の移動が規制されるので、第1の針棒糸案内や第2の針棒糸案内から上糸が外れにくくなっている。
【0111】
請求項10の発明によれば、突出部及び水平伸展部により、上糸の水平方向の移動及び、上糸の上下方向あるいは前後方向の少なくとも一方の移動が規制されるので、第1の針棒糸案内や第2の針棒糸案内から上糸が外れにくくなっている。
【0112】
請求項11の発明によれば、糸掛けの際に、上糸が所定の方向に移動すると、上糸はガイド穴よりも幅の狭い開放部を通ってガイド穴内に導入されるため、上糸がガイド穴から抜けにくくなり、第1の針棒糸案内や第2の針棒糸案内から上糸が外れにくくなる。
【0113】
請求項12の発明によれば、ガイド穴が、第2糸掛け部に糸掛けされる上糸の移動方向と交差する方向に伸展するように形成されているので、上糸が所定の方向に移動してガイド穴内に導かれると、ガイド穴内で上糸に適度な遊びが得られる。
【0114】
請求項13の発明によれば、上糸が、第1糸案内部により上糸の移動方向と交差する方向に案内された後に、ガイド穴の縫針側の端部から縫針から離れる方向に移動して、上糸がガイド穴内に導かれるので、ガイド穴から上糸が抜けにくくなる。
【0115】
請求項14の発明によれば、上糸が、第1糸案内部により上糸の移動方向と交差する方向に案内された後に、第1糸案内部の終端部から縫針側へ移動して、上糸がガイド穴内に導かれるため、ガイド穴から上糸が抜けにくくなる。
【0116】
請求項15の発明によれば、上糸が第1糸掛け部のガイド穴に案内されている状態で、上糸はガイド穴よりも縫針側に位置する第2糸掛け部にも掛けられるので、第1、第2針棒糸案内から上糸が外れにくくなる。
【0117】
請求項16の発明によれば、請求項1の発明と略同様の効果が得られるので、その説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るミシンの正面図である。
【図2】ミシンの一部切欠正面図である。
【図3】図1の要部拡大図である。
【図4】糸通し動作直後の頭部の要部側面図である。
【図5】糸カセットの正面図である。
【図6】糸カセットの左側面図である。
【図7】糸カセットの底面図である。
【図8】針棒糸案内の平面図である。
【図9】図8の底面図である。
【図10】図8の正面図である。
【図11】糸掛け機構の底面図(糸掛け動作直前)である。
【図12】糸掛け機構の底面図(第1揺動後)である。
【図13】糸掛け機構の底面図(スライド移動後)である。
【図14】糸掛け機構の底面図(第2揺動後)である。
【図15】図11の正面図である。
【図16】図12の正面図である。
【図17】図13の正面図である。
【図18】図14の正面図である。
【図19】変更形態の針棒糸案内の平面図である。
【図20】変更形態の針棒糸案内の底面図である。
【図21】変更形態の針棒糸案内の平面図である。
【図22】変更形態の針棒糸案内の底面図である。
【図23】変更形態の針棒糸案内の正面図である。
【図24】変更形態の針棒糸案内の右側面図である。
【図25】変更形態の針棒糸案内の平面図である。
【図26】変更形態の針棒糸案内の底面図である。
【図27】変更形態の針棒糸案内の正面図である。
【図28】変更形態の針棒糸案内の右側面図である。
【図29】変更形態の針棒糸案内の平面図である。
【図30】変更形態の針棒糸案内の底面図である。
【図31】変更形態の針棒糸案内の正面図である。
【図32】変更形態の針棒糸案内の右側面図である。
【符号の説明】
M ミシン
4 頭部
5 カセット装着部
10 糸カセット
11 上糸
12 針棒
15 縫針
15a 目孔
19,19D,19E 針棒糸案内
20 糸掛け機構
50,50A,50B,50C,50D,50E 第1針棒糸案内
51 第2針棒糸案内
54,54A,54D,54E 第1糸案内部
55,55B,55D,55E 第1糸掛け部
58 第2糸案内部
59 第2糸掛け部
100 突出部
200 水平伸展部
110,120 ガイド穴
111,121 開放部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a sewing machine and a needle bar thread guide of the sewing machine. More particularly, the present invention relates to a needle bar thread guide which can be easily threaded and an upper thread hung on the needle bar thread guide does not easily come off. It is related to what was comprised as follows.
[0002]
2. Description of the Related Art Conventionally, at the lower end of a needle bar of a sewing machine, there is provided a needle bar thread guide for guiding an upper thread hung on a balance along the needle bar to an eye of a sewing needle. The needle thread is threaded on the needle bar thread guide before sewing to prevent the needle thread from unnecessarily swinging near the lower end of the needle bar when the needle bar moves up and down during sewing. be able to.
[0003]
Various needle bar thread guides have already been proposed. For example, in a sewing machine described in Patent Literature 1, a first thread hook portion formed in an open shape in one direction and a first thread hook portion are provided. A second thread hook formed in an unbroken ring shape below the first thread hook is provided at the lower end of the needle bar, and before the upper thread is passed through the eye of the sewing needle, By placing the upper thread on the first thread catcher and then passing the upper thread through the second thread catcher from above, the position of the upper thread can be restricted to a position near the sewing needle, and the upper thread during sewing Can be prevented.
[0004]
Further, the sewing machine described in
[0005]
[Patent Document 1] Japanese Patent Publication No. 58-35720 (
[Patent Document 2] JP-A-11-489 (page 3-5, FIG. 4)
[0006]
However, in the sewing machine described in Patent Document 1, since the second thread hooking portion is formed in a ring shape without a break, the thread hooking to the second thread hooking portion is performed. The work must be performed by passing the thread from above, and the thread hooking operation is time-consuming.
[0007]
Further, in the sewing machine described in
[0008]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to make it possible to easily thread a needle bar thread guide and to make it difficult for an upper thread hooked on the needle bar thread guide to come off.
[0009]
According to a first aspect of the present invention, there is provided a sewing machine provided with a needle bar thread guide attached to a needle bar disposed on the sewing machine head so as to be vertically movable and guiding an upper thread toward an eye hole of a sewing needle. In the sewing machine, the needle bar thread guide is provided with a first needle bar thread guide provided at a lower end portion of the needle bar and a predetermined interval below the first needle bar thread guide. A second needle bar thread guide provided at a lower end portion, wherein the first needle bar thread guide guides the upper thread in a direction intersecting the moving direction of the upper thread to be threaded. And a first yarn hooking portion which is openable to the outside where the upper yarn guided by the first yarn guiding portion can be introduced and can be hooked, and the second needle bar thread guide is threaded. A second thread guide for guiding the upper thread in a direction intersecting with the direction of movement of the upper thread, and an outer thread for introducing the upper thread guided by the second thread guide to allow threading. And a discharge-shaped second thread guard, the first, in which the second thread guide portion is configured to intersect each other in plan view.
[0010]
Before the sewing operation by the sewing machine, the upper thread is hung on the first and second needle bar thread guides of the needle bar thread guide provided at the lower end of the needle bar. That is, first, in the first needle bar thread guide, the upper thread is guided by the first thread guide section in a direction intersecting the moving direction of the upper thread, and the upper thread is guided to the first thread hooking section which is open to the outside. After being introduced, the upper thread is hooked on the first thread hooking section. On the other hand, also in the second needle bar thread guide, the upper thread is guided by the second thread guide section in a direction intersecting with the moving direction of the upper thread, and the upper thread is introduced to the second thread hooking section which is open to the outside. Then, the upper thread is hooked on the second thread hooking section. Here, since the first and second yarn guides are configured to intersect each other in a plan view, the upper and lower yarns are pulled out of the first and second yarn hooks by the first and second yarn guides. Not regulated.
[0011]
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect of the invention, the first and second thread hooks are formed in an open shape on opposite sides to each other, and the first and second thread hooks attach upper needles to sewing needles. The position is restricted to a nearby position. Therefore, the upper thread portion hooked on one of the first and second thread hooking portions is regulated by the other thread hooking portion so as not to come off from the one thread hooking portion. The state of being hooked on the two-thread hooking portion is maintained, and the position of the upper thread is restricted to a position near the sewing needle.
[0012]
The sewing machine according to a third aspect of the present invention is the sewing machine according to the first or second aspect, further comprising a thread hooking mechanism configured to move the upper thread in a predetermined moving direction to thread the first and second thread hooking sections. The yarn guide is formed in a curved shape or a straight shape. Therefore, when the upper thread is linearly moved in the predetermined moving direction by the thread hooking mechanism, the upper thread is guided to the first thread hooking section by the curved or linear first thread guide section.
[0013]
A sewing machine according to a fourth aspect of the present invention is the sewing machine according to any one of the first to third aspects, wherein the second thread guide is formed so as to protrude horizontally outward from the first thread guide. Therefore, the upper thread to be threaded first contacts the second thread guide, and then is guided by the second thread guide so that the upper thread also contacts the first thread guide. The upper thread is guided by both of the second thread guides to the first and second thread hooks.
[0014]
According to a fifth aspect of the present invention, in the invention according to any one of the first to fourth aspects, the sewing machine head includes a cassette mounting portion for mounting a thread cassette having a thread supply source, and the first and second needles. The bar thread guide is configured to guide the upper thread between the thread cassette and the eye of the sewing needle. Accordingly, the upper thread derived from the thread supply source of the thread cassette is guided toward the eye hole of the sewing needle by the first and second needle bar thread guides.
[0015]
A sewing machine according to a sixth aspect is the sewing machine according to any one of the first to fifth aspects, wherein the first and second needle bar thread guides are formed integrally with a metal plate. Accordingly, the first and second needle bar thread guides integrally formed of the metal plate guide the upper thread toward the eye of the sewing needle.
[0016]
In the sewing machine according to
[0017]
The sewing machine according to an eighth aspect of the present invention is the sewing machine according to any one of the first to seventh aspects, further comprising a protruding portion that protrudes downward from the first thread guide, and the protruding portion is the first needle bar thread guide. And the second needle bar thread guide so as to be able to contact the upper thread. Therefore, the horizontal movement of the upper thread is regulated by the protruding portion.
[0018]
According to a ninth aspect of the present invention, there is provided the sewing machine according to any one of the first to seventh aspects, wherein the horizontal needle extends in the horizontal direction between the first needle bar thread guide and the second needle bar thread guide. It has an extension part, and the horizontal extension part is arranged so as to be able to contact the upper thread extending between the first needle bar thread guide and the second needle bar thread guide. Therefore, at least one of the movement of the upper thread in the up-down direction or the front-rear direction is restricted by the horizontal extension portion.
[0019]
The sewing machine according to
[0020]
In the sewing machine according to the eleventh aspect, in the invention according to the first to tenth aspects, the first thread hooking portion has a guide hole for guiding an upper thread at the time of sewing, and the guide hole having a width smaller than that of the guide hole. And an open part communicating with the opening. Therefore, when the upper thread moves in a predetermined direction during thread hooking, the upper thread is guided from the outside of the guide hole into the guide hole through the opening, and the upper hole is moved to a predetermined position near the sewing needle by the guide hole. You will be in a guided state.
[0021]
In a sewing machine according to a twelfth aspect, in the invention according to the first to eleventh aspects, the first thread hooking portion has a guide hole for guiding an upper thread at the time of sewing, and the guide hole is formed in the second thread hooking portion. It is formed so as to extend in a direction intersecting the moving direction of the upper thread to be threaded. Therefore, when the upper thread moves in a predetermined direction and is guided into the guide hole at the time of thread hooking, the upper thread is guided to a predetermined position near the sewing needle with an appropriate play in the guide hole.
[0022]
In a sewing machine according to a thirteenth aspect, in the invention according to the eleventh or twelfth aspect, the first thread guide portion is located closer to the sewing needle than the guide hole, and the guide hole is provided at an end of the sewing needle side. It is formed in an open shape. Accordingly, in the first needle bar thread guide, the upper thread is guided by the first thread guide in a direction intersecting the moving direction of the upper thread, and then moves in a direction away from the sewing needle from the sewing needle side end of the guide hole. Then, the upper thread is guided into the guide hole.
[0023]
A sewing machine according to a fourteenth aspect is the sewing machine according to the eleventh or twelfth aspect, wherein the guide hole is located closer to the sewing needle than a terminal end of the first thread guide. Therefore, in the first needle bar thread guide, the upper thread is guided by the first thread guide in the direction intersecting the moving direction of the upper thread, and then moves from the terminal end of the first thread guide to the sewing needle. Thus, the upper thread is guided into the guide hole.
[0024]
In a sewing machine according to a fifteenth aspect, in the invention according to the eleventh to fourteenth aspects, the second thread hooking part is located closer to the sewing needle than the guide hole. Accordingly, the upper thread is inclined toward the sewing needle while being guided by the guide hole of the first thread hooking section, and the upper thread is also hooked on the second thread hooking section.
[0025]
17. The needle bar thread guide of a sewing machine according to
[0026]
Embodiments of the present invention will be described. In the present embodiment, a case where the present invention is applied to a household sewing machine configured to automatically hang an upper thread on a needle bar thread guide provided on a needle bar in conjunction with a mounting operation of a thread cassette. This is an example.
[0027]
As shown in FIGS. 1 and 2, the household sewing machine M includes a bed 1 having a horizontal bed surface, a
[0028]
As shown in FIGS. 2 to 4, the head 4 has a
[0029]
As shown in FIGS. 1 and 2, the
[0030]
On the other hand, the bed 1 is provided with a bobbin mounting section (not shown), and a thread extending from the bobbin (not shown) mounted on the bobbin mounting section is used as a lower thread. Further, the bed unit 1 is provided with a shuttle mechanism (not shown). When the sewing machine motor (not shown) is driven in a state where the
[0031]
Here, the
[0032]
The
[0033]
On the right side of the
[0034]
When the
[0035]
When the
[0036]
Next, the needle
[0037]
As shown in FIGS. 8 to 10, the first needle
[0038]
The first
[0039]
The second needle
[0040]
That is, as shown in FIG. 9, the second
[0041]
The
[0042]
The second
[0043]
As shown in FIGS. 8 and 9, the second
[0044]
Meanwhile, as shown in FIGS. 8 and 9, the second
[0045]
Then, as shown in FIG. 8, the
[0046]
Here, since the first and second thread guides 54 and 58 cross left and right in plan view, the first and second thread guides 54 and 58 cause the first and second thread hooks 55 and 59 to intersect. The
[0047]
The first and second needle bar thread guides 50 and 51 are configured to guide the
[0048]
As shown in FIGS. 8, 17, and 18, a
[0049]
In addition, a flat surface is formed on the upper end of the
[0050]
As shown in FIG. 8, the
[0051]
Next, the
[0052]
The
[0053]
Here, the standby position includes a first standby position (see FIGS. 11 and 15) close to the
[0054]
The
[0055]
The
[0056]
That is, the
[0057]
The base end of the
[0058]
The proximal end of the
[0059]
In the state where the
[0060]
Here, since the distance between the
[0061]
As shown in FIGS. 15 to 18, the operating
[0062]
The operation
[0063]
The
[0064]
That is, the operating force is transmitted to the operating
[0065]
Next, the thread hooking operation by the
[0066]
At this time, when the operating force is transmitted from the operating
[0067]
In other words, the operating force input from the
[0068]
When the operating force is further transmitted to the
[0069]
As shown in FIGS. 13 and 17, a state in which the
[0070]
With the rotation of the
[0071]
Next, a series of operations of the sewing machine M when the
[0072]
As described above, when the
[0073]
When the operating force applied to the operating
[0074]
When the
[0075]
Then, the
[0076]
Here, as shown in FIG. 8, since the first
[0077]
From this state, as shown in FIGS. 14 and 18, a second swing is performed to swing the
[0078]
According to the sewing machine M described above, the following effects can be obtained.
[0079]
1) First and second thread guides 54 and 58 for guiding the
[0080]
2) Since the
[0081]
3) Since the second
[0082]
4) The first and second needle bar thread guides 50 and 51 are configured to guide the
[0083]
5) Since the first and second needle bar thread guides 50 and 51 are integrally formed of a metal plate, the needle
[0084]
6) Only by moving the
[0085]
Next, modified embodiments in which various modifications are made to the above-described embodiment will be described. However, the same components as those of the above-described embodiment are denoted by the same reference numerals, and description thereof will be omitted.
[0086]
1] In the above-described embodiment, the present invention is applied to the sewing machine configured to automatically thread the
[0087]
2] In the above embodiment, the
[0088]
3] The shape of the right end of the first
[0089]
4] In the above embodiment, the
[0090]
5] In the above-described embodiment, both the first needle
[0091]
Therefore, for example, even if the
[0092]
Only one of the protruding
[0093]
6] As shown in FIGS. 25 to 28, the first
[0094]
On the other hand, a
[0095]
A
[0096]
When the
[0097]
Here, since the second
[0098]
7] As shown in FIGS. 29 to 32, the first
[0099]
A pair of front and
[0100]
When the
[0101]
Here, since the second
[0102]
According to the first aspect of the present invention, the first and second yarn guiding portions for guiding the upper yarn in the direction intersecting with the moving direction of the upper yarn are configured to cross each other in plan view. Therefore, the first and second thread guides make it difficult for the upper thread to come off from the first and second thread hooks formed to be open to the outside.
[0103]
According to the second aspect of the invention, in one of the first and second thread hooks, the other thread hook is regulated so that the upper thread does not come off from the one thread hook, and the first and second thread hooks are restricted. Since the state where the position of the upper thread is regulated at the position near the sewing needle by the hook portion is maintained, it is possible to prevent the upper thread from unnecessarily swinging near the lower end of the needle bar during sewing.
[0104]
According to the third aspect of the present invention, since the first yarn guide is formed in a curved shape or a straight shape, when the upper thread is moved in a predetermined moving direction by the yarn hooking mechanism, the first yarn guide is formed. Thereby, the upper thread can be reliably guided in the direction intersecting the predetermined moving direction, and the upper thread can be introduced into the first thread hooking section.
[0105]
According to the fourth aspect of the present invention, the second yarn guide is formed so as to protrude outward in the horizontal direction from the first yarn guide, so that the upper thread to be hooked first becomes the second yarn guide. And the upper thread is guided by the second thread guide so as to also contact the first thread guide, so that both the first and second thread guides reliably assure the upper thread. It can guide up to two thread hooks.
[0106]
According to the fifth aspect of the present invention, in the thread cassette-attached sewing machine, even when the thread path may become slightly unstable due to a space formed between the thread cassette and the cassette attaching portion, the thread cassette can be used. Since the upper thread derived from the thread supply source can be reliably guided toward the eye of the sewing needle by the first and second needle bar thread guides, the upper thread is prevented from unnecessarily swinging near the lower end of the needle bar. it can.
[0107]
According to the sixth aspect of the present invention, since the first and second needle bar thread guides are formed integrally with the metal plate, the needle bar thread guide can be easily attached to the lower end of the needle bar.
[0108]
According to the seventh aspect of the present invention, the upper thread is guided by the first and second thread guides to the first and second thread hooks simply by moving the upper thread linearly in the predetermined movement direction. Since the upper thread is threaded on the first and second threading portions, the threading operation on the needle bar thread guide is facilitated.
[0109]
According to the eighth aspect of the present invention, since the horizontal movement of the upper thread is regulated by the projecting portion, the upper thread is less likely to come off from the first needle bar thread guide and the second needle bar thread guide.
[0110]
According to the ninth aspect of the invention, at least one of the movement of the upper thread in the up-down direction or the front-rear direction is regulated by the horizontal extending portion, so that the upper thread can be moved from the first needle bar thread guide or the second needle bar thread guide. Is hard to come off.
[0111]
According to the tenth aspect, the horizontal movement of the upper thread and the movement of the upper thread in at least one of the up-down direction and the front-rear direction are regulated by the protruding portion and the horizontal extending portion. The upper thread does not easily come off from the thread guide or the second needle bar thread guide.
[0112]
According to the eleventh aspect of the present invention, when the upper thread moves in a predetermined direction during the threading, the upper thread is introduced into the guide hole through the opening that is narrower than the guide hole. Is difficult to come off from the guide hole, and the upper thread is less likely to come off from the first needle bar thread guide and the second needle bar thread guide.
[0113]
According to the twelfth aspect of the invention, since the guide hole is formed so as to extend in a direction intersecting with the moving direction of the upper thread hooked on the second thread hooking portion, the upper thread is moved in a predetermined direction. When the needle thread is moved and guided into the guide hole, an appropriate play is obtained for the upper thread in the guide hole.
[0114]
According to the thirteenth aspect, after the upper thread is guided by the first thread guide in the direction intersecting the moving direction of the upper thread, the upper thread moves in a direction away from the sewing needle from the sewing needle side end of the guide hole. Since the upper thread is guided into the guide hole, the upper thread hardly comes off from the guide hole.
[0115]
According to the invention of
[0116]
According to the invention of
[0117]
According to the sixteenth aspect, substantially the same effects as those of the first aspect can be obtained, and the description thereof is omitted.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view of a sewing machine according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a partially cutaway front view of the sewing machine.
FIG. 3 is an enlarged view of a main part of FIG. 1;
FIG. 4 is a side view of a main part of the head immediately after the threading operation.
FIG. 5 is a front view of the thread cassette.
FIG. 6 is a left side view of the yarn cassette.
FIG. 7 is a bottom view of the thread cassette.
FIG. 8 is a plan view of a needle bar thread guide.
FIG. 9 is a bottom view of FIG.
FIG. 10 is a front view of FIG. 8;
FIG. 11 is a bottom view of the thread hooking mechanism (immediately before the thread hooking operation).
FIG. 12 is a bottom view of the thread hooking mechanism (after the first swing).
FIG. 13 is a bottom view of the thread hooking mechanism (after sliding movement).
FIG. 14 is a bottom view of the thread hooking mechanism (after the second swing).
FIG. 15 is a front view of FIG. 11;
FIG. 16 is a front view of FIG.
FIG. 17 is a front view of FIG.
FIG. 18 is a front view of FIG.
FIG. 19 is a plan view of a modified needle bar thread guide.
FIG. 20 is a bottom view of a modified needle bar thread guide.
FIG. 21 is a plan view of a modified needle bar thread guide.
FIG. 22 is a bottom view of a modified needle bar thread guide.
FIG. 23 is a front view of a modified needle bar thread guide.
FIG. 24 is a right side view of a modified needle bar thread guide.
FIG. 25 is a plan view of a modified needle bar thread guide.
FIG. 26 is a bottom view of a needle bar thread guide according to a modified embodiment.
FIG. 27 is a front view of a needle bar thread guide of a modified embodiment.
FIG. 28 is a right side view of a needle bar thread guide according to a modified embodiment.
FIG. 29 is a plan view of a modified needle bar thread guide.
FIG. 30 is a bottom view of a needle bar thread guide according to a modified embodiment.
FIG. 31 is a front view of a needle bar thread guide of a modified embodiment.
FIG. 32 is a right side view of a needle bar thread guide according to a modified embodiment.
[Explanation of symbols]
M sewing machine
4 head
5 Cassette mounting section
10 yarn cassette
11 Upper thread
12 Needle bar
15 sewing needle
15a Eye hole
19, 19D, 19E Needle bar thread guide
20 Threading mechanism
50, 50A, 50B, 50C, 50D, 50E First needle bar thread guide
51 2nd needle bar thread guide
54, 54A, 54D, 54E First thread guide
55, 55B, 55D, 55E First threading section
58 Second yarn guide
59 2nd thread hook
100 protrusion
200 Horizontal Extension
110, 120 Guide hole
111, 121 Open part
Claims (16)
前記針棒糸案内は、前記針棒の下端部に設けられた第1の針棒糸案内と、この第1の針棒糸案内の下側に所定間隔空けて前記針棒の下端部に設けられた第2の針棒糸案内とを備え、
前記第1の針棒糸案内は、糸掛けされる上糸の移動方向と交差する方向へ上糸を案内する第1糸案内部と、この第1糸案内部で案内された上糸を導入して糸掛け可能な外部へ開放状の第1糸掛け部とを備え、
前記第2の針棒糸案内は、糸掛けされる上糸の移動方向と交差する方向へ上糸を案内する第2糸案内部と、この第2糸案内部で案内された上糸を導入して糸掛け可能な外部へ開放状の第2糸掛け部とを備え、
前記第1,第2糸案内部が平面視で互いに交差するように構成されたことを特徴とするミシン。In a sewing machine provided with a needle bar thread guide attached to a needle bar movably arranged on the sewing machine head and guiding an upper thread toward an eye hole of a sewing needle,
The needle bar thread guide is provided at a lower end of the needle bar at a predetermined interval below a first needle bar thread guide provided at a lower end portion of the needle bar. Provided with a second needle bar thread guide,
The first needle bar thread guide introduces a first thread guide that guides the upper thread in a direction intersecting with the moving direction of the upper thread to be threaded, and an upper thread guided by the first thread guide. And a first threading portion which is open to the outside and can be threaded,
The second needle bar thread guide introduces a second thread guide section for guiding the upper thread in a direction intersecting with the moving direction of the upper thread to be threaded, and the upper thread guided by the second thread guide section. And a second threading portion that is open to the outside and can be threaded.
A sewing machine, wherein the first and second thread guides are configured to intersect each other in a plan view.
前記第1,第2針棒糸案内は、前記糸カセットと縫針の目孔との間の上糸を案内するように構成されたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のミシン。The sewing machine head includes a cassette mounting unit for mounting a yarn cassette having a yarn supply source,
The said 1st, 2nd needle bar thread guide was comprised so that the upper thread between the said thread cassette and the eye of the sewing needle may be guide | guided, The Claim 1 characterized by the above-mentioned. sewing machine.
前記針棒の下端部に上下に離隔して設けられる第1,第2の針棒糸案内であって、金属板で一体形成された第1,第2の針棒糸案内を備え、
前記第1の針棒糸案内は、糸掛けされる上糸の移動方向と交差する方向へ上糸を案内する第1糸案内部と、この第1糸案内部で案内された上糸を導入して糸掛け可能な外部へ開放状の第1糸掛け部とを備え、
前記第2の針棒糸案内は、糸掛けされる上糸の移動方向と交差する方向へ上糸を案内する第2糸案内部と、この第2糸案内部で案内された上糸を導入して糸掛け可能な外部へ開放状の第2糸掛け部とを備え、
前記第1,第2糸案内部が平面視で互いに交差するように構成されたことを特徴とするミシンの針棒糸案内。In a needle bar thread guide of a sewing machine having a needle bar which is disposed on the sewing machine head so as to be vertically movable,
First and second needle bar thread guides provided at the lower end of the needle bar vertically apart from each other, and provided with first and second needle bar thread guides integrally formed of a metal plate;
The first needle bar thread guide introduces a first thread guide that guides the upper thread in a direction intersecting with the moving direction of the upper thread to be threaded, and an upper thread guided by the first thread guide. And a first threading portion which is open to the outside and can be threaded,
The second needle bar thread guide introduces a second thread guide section for guiding the upper thread in a direction intersecting with the moving direction of the upper thread to be threaded, and the upper thread guided by the second thread guide section. And a second threading portion that is open to the outside and can be threaded.
A needle bar thread guide for a sewing machine, wherein the first and second thread guides are configured to cross each other in a plan view.
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