JP2004236459A - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可動接触子9は固定アーク接触子6から開離すると極間に電圧が印加されるが、それまで畜勢されていたばね部材5は可動接触子9の開離動作に関連して可動導体7を可動接触子9側に移動させ、可動導体7の先端部が固定アーク接触子6の先端部に位置した固定側シールド部材8の先端部開口を埋めるようにして、固定アーク接触子6の先端部の電界集中を緩和して極間の絶縁耐力を向上する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統の変電所、開閉所、配電用変電所、あるいは民需用特高受変電設備等で使用するガス絶縁開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のガス絶縁開閉装置は、絶縁性ガスを封入した接地容器内に、高電圧導体を絶縁支持して遮断器および断路器等を構成している。遮断器としては、接地容器内に封入した絶縁性ガスと同じSF6ガスを用いたガス遮断器や、接地容器内に封入した絶縁性ガスからガス区画して構成した真空遮断器を用いられている(例えば、特許文献1参照)。また断路器は、対向配置した固定接触子から可動接触子を接離することによって回路を開閉するように構成し、接地容器内に封入した絶縁性ガスとしては、絶縁性能の良い圧縮したSF6ガスを使用していたため、開路状態での絶縁耐力を比較的容易に確保することができるが、さらに電圧数百V、電流数千Aのループ電流遮断性能を確保するため、固定アーク接触子の外周部に磁石を配置したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。また、従来のガス絶縁開閉装置は、接地容器内に封入する絶縁性ガスとしてSF6ガスを使用しており、このSF6ガスは、地球温暖化係数が二酸化炭素の24000倍と極めて高く、世界的に規制される方向にある。そのため、ガス絶縁開閉装置での使用量低減を目的として、SF6ガス圧力の低減、代替ガスの適用などが検討されている(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭60−205926号公報
【特許文献2】
特開2002−197949号公報
【特許文献3】
特開2001−251714号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のガス絶縁開閉装置では、SF6ガス圧力の低減、代替ガスの適用などが検討されているが、いずれもSF6ガスより絶縁性能および電流遮断性能が低下し、従来のままの構造では絶縁距離が長くなって機器が大型化してしまう。例えば、断路器の開路状態では、可動接触子が固定アーク接触子から抜け出た後、固定アーク接触子の先端部に電界集中部が形成されることが知られ、絶縁性能の良い圧縮SF6ガスを使用した場合、開路状態での絶縁耐力を確保することは容易であるが、環境への影響が極めて少ない空気、窒素、または炭酸ガスなどを用いた場合、絶縁耐力がSF6ガスの半分以下となるため、圧力が同じなら絶縁距離が2倍以上となってしまい、その分だけコスト高となってしまう。
【0005】
また、これらの環境への影響が極めて少ない絶縁性ガスを用いた場合の電流遮断性能はSF6ガスの場合の30%以下であるため、ループ電流遮断性能を向上させるために特許文献2のように接触子近傍に磁石を配置する場合、アーク周囲の磁界強度を従来よりも大幅に強めなければならないので、その分だけ磁石が大きくなり全体構造も大きくなってしまう。
【0006】
本発明の目的は、SF6などの地球温暖化ガスの使用を抑制した上で、絶縁性能を向上して小型化可能なガス絶縁開閉装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、絶縁性ガスを封入した接地容器内に高電圧導体を絶縁支持して、遮断器と少なくとも一つの断路器を備え、この断路器は、開閉動作可能な可動接触子と、この可動接触子が接離する固定アーク接触子と、上記可動接触子および上記固定アーク接触子をそれぞれ包囲して配置した電界緩和用の可動側シールド部材および固定側シールド部材とを備えて構成したガス絶縁開閉装置において、上記固定側シールド部材のほぼ中心部に上記固定アーク接触子を配置し、上記可動接触子の開路動作に関連して上記固定側シールド部材の先端側開口部を埋めるように移動して上記固定アーク接触子の先端部の電界を緩和する可動導体を設けたことを特徴とする。
【0008】
本発明によるガス絶縁開閉装置は、固定側シールド部材のほぼ中心部に固定アーク接触子を配置し、可動接触子の開路動作に関連して固定アーク接触子の先端外周部側に移動して固定アーク接触子の先端部の電界を緩和する可動導体を設けたため、可動接触子が固定アーク接触子から開離したとき、固定アーク接触子の先端部近傍に可動導体が固定アーク接触子の先端外周部側に移動することになり、固定アーク接触子の先端部は可動導体によって電界が緩和され、絶縁耐力を向上させることができる。従って、接地容器内に封入する絶縁性ガスとして、SF6ガスよりも温暖化係数の低いものや、それらの混合ガスを用いても、断路器およびガス絶縁開閉装置の小型が可能となる。また可動接触子側に移動する可動導体としたため、その対向側先端部は電界に対して望ましい形状と位置を設定することができるようになる。
【0009】
また請求項2に記載の本発明では、請求項1記載のものにおいて、上記可動導体に永久磁石を配置したため、この永久磁石は可動接触子の開路動作に関連して位置が固定された固定アーク接触子に対して望ましい位置関係にすることができるため、ループ電流手段性能を向上させることができる。
【0010】
さらに請求項3に記載の本発明では、請求項1記載のものにおいて、上記可動導体は、上記可動接触子の閉路動作によって付勢されるばね部材によって上記可動接触子の開路動作に関連して移動するようにし、上記可動接触子は、その対向側先端部に閉路状態で上記固定アーク接触子が挿入される開口を有するため、固定アーク接触子はそれ単独では先端部に電界が集中するように小径にしても、可動接触子が固定アーク接触子から離れて極間耐圧が要求される時点では、その対向側先端部が可動導体によって電界的に補正され、固定アーク接触子の先端部の径は、実質的に極間耐圧とは無関係に決定することができることになる。また上述したように可動接触子の開路動作に伴って可動導体をばね部材によって可動接触子側に移動するために、可動接触子の開口の径を小さくして、可動接触子の対向側先端部での電界の乱れの防止することができる。
【0011】
さらに請求項4に記載の本発明では、請求項1記載のものにおいて、上記固定側シールド部材として、その先端に可撓部を有する円筒状接触子とし、上記可動接触子はこの円筒状接触子内に挿入して上記可撓部により通電を行なうようにしたため、円筒状接触子によって主通電と電界緩和を行なうことができ、構成の簡略化を図ることができる。
【0012】
さらに請求項5に記載の本発明では、請求項1記載のものにおいて、上記遮断器として真空遮断を用いたため、SF6ガスを使用したガス遮断器のように温暖化係数の高いガスを使用しなくても十分な遮断性能を得ることができ、ガス絶縁開閉装置を小型にすることができる。
【0013】
さらに請求項6に記載の本発明では、請求項4記載のものにおいて、上記絶縁性ガスとして、乾燥空気、窒素ガス、炭酸ガスの少なくとも一つを含み、さらにフロンガスを20%未満混入した混合ガスとしたため、遮断部での遮断性能を考慮して絶縁性ガスを選定する必要がなくなり、また断路器などのループ電流遮断性能や絶縁耐力から決定した温暖化係数の低い混合ガスを用いることができるようになり、断路器やガス絶縁開閉装置の大型化を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面によって説明する。
図6は、本発明の一実施の形態によるガス絶縁開閉装置を示す断面図である。
接地容器1内には適当な絶縁支持物30によって接地容器1から電気的に絶縁した状態で主回路を形成する高電圧導体が支持されている。この接地容器1は、複数の絶縁スペーサ23によってガス区画され、一つのガス区画内に遮断器25が構成され、他の異なるガス区画内に断路器24等が構成され、主回路導体の一方は母線26に接続され、他方はケーブルヘッド27を介してケーブル28に接続されている。各ガス区画内には絶縁性ガスが封入されており、この絶縁性ガスとしては、SF6ガスでも良いが、温暖化係数を考慮して乾燥空気、窒素ガス、炭酸ガスの少なくとも一つを含み、さらにSF6ガス、C3F8、c−C4F8などのフロンガスを20%未満混入した混合ガスを用いている。
【0015】
図1は、ガス絶縁開閉装置における要部である断路器を示す断面図である。
絶縁性ガスを封入した接地容器1内に、図示しない絶縁支持物により電気的に絶縁された高電圧導体2,3間に回路を開閉可能な断路器が構成されている。この断路器は、高電圧導体2の対向側の中心部にほぼ同軸的に固定した固定アーク接触子6と、この固定アーク接触子6の外周部に配置した固定側シールド部材8と、この固定側シールド部材8内に固定したガイド部材4と、このガイド部材4の内周面に沿って軸方向に移動可能な可動導体7と、この可動導体7に対して固定アーク接触子6の先端側への駆動力を与えるばね部材5とを備えている。
【0016】
図示の状態で可動導体7は、後述する可動接触子9との接触によってばね部材5を圧縮畜勢した状態にあり、可動接触子9の開離に従って畜勢されたばね部材5によって図示の右方に駆動され、ガイド部材4によって最終突出位置が規制される。固定アーク接触子6の先端は、固定側シールド部材8よりも若干突出するような位置にあり、上述した可動導体7は、最終突出位置において固定アーク接触子6とシールド部材8間のガス空間を埋めるように位置すると共に、固定アーク接触子6の先端より若干後退した先端となるように構成されている。従って、詳細を後述するように固定アーク接触子6の先端は、突出方向に移動したガイド部材4と、固定側シールド部材8とのよって電界集中しないように電界緩和が図られる。
【0017】
固定側シールド部材8は、同部側面図である図3に示すように可動接触子9側に可動接触子9の外径よりも若干小さな開口径を有する円筒状導体に、その先端部側から複数の溝8aを切り込んで径方向に可撓性あるいは弾性を付与して構成しており、その先端部は可動接触子9の挿入によって生じた可撓性あるいは弾性力により可動接触子9に適度の接触圧をもって接触して通電を可能にしている。従って、固定側シールド部材8は固定側の接触子としての役割を果たしており、また高電圧が印加されることから接地容器1に対しての電界緩和用シールドの役割を果たしている。また固定側シールド部材8は、その先端部側から複数の溝8aを切り込んで径方向に可撓性あるいは弾性を付与しているため、特別なばね部材を設ける必要がなく、このようなばね部材による電界集中を防止する電界緩和用シールドを設ける必要がないから、構成が簡単になる。
【0018】
高電圧導体2に対して所定距離隔てた高電圧導体3には、ガイド部材11が取り付けられており、このガイド部材11によって可動接触子9が軸方向に移動可能に配置されている。可動接触子9は絶縁物4を介して詳細な図示を省略した操作装置5に連結されており、この操作装置5によってその軸方向に開閉駆動されて固定側シールド部材8および可動導体7などに対して接離する。この可動接触子9の外周部には可動側シールド部材10が配置され、この可動側シールド部材10は高電圧導体3に固定されている。
【0019】
可動側シールド部材10は、同部側面図である図3に示すように固定アーク接触子6側に可動接触子9の外径よりも若干小さな開口径を有する円筒状導体に、その先端部側から複数の溝10aを切り込んで径方向に可撓性あるいは弾性を付与して構成しており、その先端部は可動接触子9の挿入によって生じた可撓性あるいは弾性力により可動接触子9に適度の接触圧をもって接触して通電を可能にしている。従って、この固定側シールド部材8も可動側の接触子としての役割を果たしており、また高電圧が印加されることから接地容器1に対しての電界緩和用シールドの役割を果たしている。また可動側シールド部材10は、その先端部側から複数の溝10aを切り込んで径方向に可撓性あるいは弾性を付与しているため、特別なばね部材を設ける必要がなく、このようなばね部材による電界集中を防止する電界緩和用シールドを設ける必要がないから、構成が簡単になる。
【0020】
図1に示した断路器の閉路状態では、操作装置5により可動接触子9は図示の左方に駆動されて、先端部に形成した開口9aから固定アーク接触子6を挿入しながら、先端部を可動導体7に接触させてばね部材5を圧縮すると共に、固定側シールド部材8の対向側先端に形成した開口部に挿入して電気的な接触状態を保持している。
【0021】
この閉路状態から、操作装置5により絶縁ロッド41を介して可動接触子9を図示の右方に駆動すると、可動接触子9はガイド部材11に案内されながら軸方向に移動し、先ず固定側シールド部材8から切り離される。従って、電流は高圧導体2から固定アーク接触子6を介して可動接触子9へと流れることになる。この可動接触子9の開離動作に伴って畜勢されていたばね部材5は可動導体7を右方へ押圧するため、可動導体7が可動接触子9の先端と接触しながら移動する。やがて、図2に示したように可動導体7がガイド部材4によって右方への移動が規制されると停止し、可動導体7の先端部は固定アーク接触子6の先端部に位置した固定側シールド部材8の先端部開口を埋めるようになる。
【0022】
その後、可動接触子9は固定アーク接触子6から開離し、図2の開路状態となる。可動接触子9が固定アーク接触子6から開離すると、極間に電圧が印加されるが、可動導体7の先端部が固定アーク接触子6の先端部に位置した固定側シールド部材8の先端部開口を埋める移動しているため、固定側の対向部は電界的に滑らかな曲面のようになり、固定アーク接触子6の先端部の電界集中を緩和して極間の絶縁耐力を向上する。固定アーク接触子6と固定側シールド部材8だけの対向部だけで固定アーク接触子6の先端部の電界を緩和しようとすると限界があるが、上述したように可動接触子9側に移動する可動導体7を設けることにより、固定側シールド部材8の対向側開口部と固定アーク接触子6の対向側先端に対して、可動導体7を最も望ましい形状と位置を決定することができるようになる。これは、一般的な断路器が固定アーク接触子6の外周部に可動導体7を有していないため、固定側シールド部材8の対向側先端部の開口が電界的に大きな落ち込み部となってしまうのに対して、同開口部での電界の落ち込みを防止して固定アーク接触子6の先端部での電界集中を防止することができる。
【0023】
しかも、開路動作に関連してばね部材5によって可動接触子9側に移動する可動導体7を設けたため、固定アーク接触子6はそれ単独では先端部に電界が集中するように小径にしても、可動接触子9が固定アーク接触子6から離れて極間耐圧が要求される時点では、その対向側先端部が可動導体7によって電界的に補正される。従って、固定アーク接触子6の先端部の径は、実質的に極間耐圧とは無関係に決定することができることになる。また可動導体7によって固定側シールド部材8の先端開口部の電界を緩和するには、可動接触子9の対向側先端部に少なくとも閉路状態で固定アーク接触子6を挿入する開口9aを形成したり、可動接触子9を中空状にしなければならないが、上述したように可動接触子の開路動作に伴って可動導体7をばね部材5によって可動接触子9側に移動するために、可動接触子9の開口9aの径を小さくして、可動接触子9の対向側先端部での電界の乱れを防止することができる。
【0024】
このように固定側シールド部材8の先端部における電界の落ち込みは、上述したように可動導体7によって防止されるので、極間の絶縁耐力は向上し、これにより開路状態での極間長を短くすることができる上、可動接触子9の長さも短くできるので、機器を小型化および低コスト化が図られる。また、このような断路器構成とすることによって、絶縁性に優れたSF6ガスに替えて温暖化係数を考慮して乾燥空気、窒素ガス、炭酸ガスの少なくとも一つを含み、さらにSF6ガス、C3F8、c−C4F8などのフロンガスを20%未満混入した混合ガスを用いることができるようになり、環境に配慮したガス絶縁開閉装置とすることができる。
【0025】
図4は、本発明の他の実施の形態によるガス絶縁開閉装置における要部である断路器の断面図である。
この実施の形態で固定アーク接触子6の外周部に配置した固定側シールド部材8は、先の実施の形態における二つの役割つまり電界緩和用と通電用を分割し、その対向側先端部を電界緩和用とし、また固定側シールド部材8内に閉路状態で可動接触子9と接触する接触子12を配置して、この接触子12と高圧導体2間に位置する固定側シールド部材8を通電部としている。接触子12を取り付けた部分には可動導体7の軸方向移動を案内するガイド部材4が形成され、このガイド部材4の内側にはガイド部材4と摺動関係を有する可動導体7がばね部材5によって可動接触子9側に付勢されて配置され、この可動導体7には可動導体7の可動接触子9側への移動限界を定めるストッパー13が形成されている。従って、ストッパー13がガイド部材4に接触して位置規制されたとき、可動導体7は固定側シールド部材8の対向側開口部を埋めるように位置して固定アーク接触子6の先端部の電界を緩和する。
【0026】
また、可動接触子9の外周部に配置した可動側シールド部材10は、先の実施の形態における二つの役割つまり電界緩和用と通電用を分割し、その対向側先端部を電界緩和用とし、また可動側シールド部材10内に常時可動接触子9と接触する接触子14を配置して、この接触子14と高圧導体3間に位置する可動側シールド部材10を通電部としている。可動接触子9は図示しない操作装置に絶縁物4を介して連結されており、その軸方向に開閉駆動される。接触子14を取り付けたガイド部材11は、主通電部を兼用しており、このガイド部材11は図示を省略した高電圧導体3に接続されている。
【0027】
このような断路器においても、先の実施の形態と同様の効果を得ることができる。つまり、操作装置5により絶縁ロッド41を介して可動接触子9を図示の右方へ駆動すると、可動接触子9はガイド部材11に案内されながら軸方向に移動し、先ず接触子12から切り離される。従って、電流は高圧導体2から可動導体7および固定アーク接触子6を介して可動接触子9へと流れることになる。このとき、可動接触子9の開離動作に伴って畜勢されていたばね部材5は可動導体7を右方へ押圧するため、可動導体7が可動接触子9の先端と接触しながら移動する。やがて、可動導体7がストッパー13によって右方への移動が規制されると停止し、可動導体7の先端部は固定アーク接触子6の先端外周部に位置した固定側シールド部材8の先端部開口を埋めるようになる。
【0028】
その後、可動接触子9は固定アーク接触子6から開離し開路状態となる。可動接触子9が固定アーク接触子6から開離すると、極間に電圧が印加されるが、可動導体7の先端部が固定アーク接触子6の先端部に位置した固定側シールド部材8の先端部開口を埋める移動しているため、固定側の対向部は電界的に滑らかな曲面のようになり、固定アーク接触子6の先端部の電界集中を緩和して極間の絶縁耐力を向上する。これは、一般的な断路器が固定アーク接触子6の外周部に可動導体7を有していないため、固定側シールド部材8の対向側先端部の開口が電界的に大きくなっており、同開口部での電界の落ち込みが生じて固定アーク接触子6の先端部での電界集中が生じてしまう。
【0029】
この電界の落ち込みは、上述したように可動導体7によってが防止されるので、極間の絶縁耐力は向上し、これにより開路状態での極間長を短くすることができる上、可動接触子9の長さも短くできるので、機器を小型化および低コスト化が図られる。また、このような断路器構成とすることによって、絶縁性に優れたSF6ガスに替えて温暖化係数を考慮して乾燥空気、窒素ガス、炭酸ガスの少なくとも一つを含み、さらにSF6ガス、C3F8、c−C4F8などのフロンガスを20%未満混入した混合ガスを用いることができるようになり、環境に配慮したガス絶縁開閉装置とすることができる。
【0030】
図5は、本発明のさらに異なる実施の形態によるガス絶縁開閉装置の要部である断路器の断面図であり、図4に示した実施の形態における同等物には同一符号をつけて詳細な説明を省略する。
可動導体7内には、固定アーク接触子6の外周部に位置するように永久磁石15を配置し、また可動接触子9の先端部には永久磁石16を配置することにより、アーク周囲の磁界強度を強めている。
【0031】
開路動作時に、固定アーク接触子6と可動接触子9の対向部間に開離に伴ってアークが形成されるが、固定アーク接触子6の先端部における固定側シールド部材8の先端開口部による電界の落ち込みを防止するために設けた可動導体7に永久磁石15を取り付けたため、この永久磁石15は可動接触子9の開離動作に関連して可動接触子9の開離方向に移動する。このため、特に永久磁石15はアークに近接した位置となり、アークに作用する磁界強度を望ましい位置で作用させることができ、先の実施の形態の場合と同様の効果を得ると共に、アーク部の磁界が大幅に強まり断路器におけるループ電流開閉性能を向上することができる。
【0032】
本発明のさらに異なる実施の形態によるガス絶縁開閉装置の断路器として、接地容器1内に封入した絶縁性ガスを断路器の開離動作に関連して圧縮し、この圧縮した絶縁性ガスを固定アーク接触子6もしくは可動接触子9の対向側先端に吹き付けるようにガス圧縮装置を付加してもよい。このガス圧縮装置は、可動接触子9側にその開路動作によって絶縁性ガスを圧縮するように構成しても良いし、固定アーク接触子6側に可動導体7のばね部材5による動作を利用して絶縁性ガスを圧縮するように構成しても良い。
【0033】
いずれの場合においても、可動接触子9の開路動作に関連して可動接触子9側に移動する可動導体7によって固定側シールド部材8の先端開口部が埋められることになり、固定アーク接触子6の先端部の電界集中を緩和して極間の絶縁耐力を向上することができる。これと同時に、圧縮した絶縁性ガスが固定アーク接触子6の先端部に吹き付けられるので、断路器でのループ電流遮断性能も大幅に向上する。
【0034】
上述したように、これまでのガス絶縁開閉装置においては、接地容器1内に絶縁性および消弧性に優れたSF6ガスなどの絶縁性ガスを使用している。しかし、上述したように断路器の絶縁耐力を向上させることができたので、SF6ガスに替えて温暖化係数を考慮して乾燥空気、窒素ガス、炭酸ガスの少なくとも一つを含み、さらにSF6ガス、C3F8、c−C4F8、CF3SF5、CF3OSF3などのフロンガスを20%未満混入した混合ガスを用いることができるようになり、環境に配慮したガス絶縁開閉装置とすることができる。このような混合ガスは、地球温暖化係数がSF6ガスより低くなるが炭酸ガスよりは高い。特に、c−C4F8、CF3SF5、C3F8、CF3OSF3などのフロンガスは化学的に安定な物質であるため、混合比が20%以上になると、据付点検作業時のガス放出や、長期間運転時の漏れが大気中に累積し、将来的に地球環境上問題となる。
【0035】
また、内部点検などのために接地容器1内のガスを回収する場合、接地容器1内のガス圧を高くして回収タンク内へ回収しようとすると、c−C4F8、CF3SF5、C3F8、CF3OSF3などのフロンガスの飽和蒸気圧が低いため、接地容器1内で一部が液化してしまう。このため混合比を管理するために分離回収が必要となり、回収装置が大掛かりになってしまう。しかし、上述したようにフロンガスの混合比を20%以下にすると、これらの問題を解消することができる。
【0036】
一方、乾燥空気、窒素、炭酸ガスに上述したフロンガスを混合しないで適用すると、絶縁耐力はSF6ガスの半分以下となるため、圧力が同じなら機器のサイズは、絶縁距離で2倍以上、体積にして約8倍以上となるため、非常にコスト高となってしまいう。しかし、上述したフロンガスの少なくとも一つに乾燥空気、窒素、炭酸ガスの少なくとも一つを混合することによって、この問題を解消することができる。
【0037】
また、これらの絶縁性ガスの電流遮断性能はSF6ガスの30%以下であるため、断路器での絶縁性能を向上させてもガス絶縁開閉装置としての電流遮断性能は低下する。そこで、図6に示したように、接地容器1内を絶縁スペーサー23によって複数のガス区画に区分し、断路器24と遮断器25をそれぞれ異なるガス区画内に構成するようにしている。しかも、遮断器25としては、SF6ガスを消弧媒体としたガス遮断器ではなく真空を利用した真空遮断器29を使用している。
【0038】
従って、この真空遮断器29の使用により、接地容器1内に封入する絶縁性ガスには従来のような電流遮断性能を求められなくなり、しかも絶縁性ガス中で電流遮断時のアークが発生しないため、環境面や絶縁性を考慮して望ましいものを決定することができる。一方、断路器24を含むガス区画内では、ループ電流などの小電流開閉性能が求められるので電流遮断性能を考慮して絶縁性ガスを決定したり、またガス圧を高めて使用するのがよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるガス絶縁開閉装置は、可動接触子が固定アーク接触子から開離したとき、可動導体が固定側シールド部材および固定アーク接触子の先端部近傍に移動して、固定アーク接触子の先端部の電界を緩和することができ、絶縁耐力を向上させることができる。従って、接地容器内に封入する絶縁性ガスとして、SF6ガスよりも温暖化係数の低いものや、それらの混合ガスを用いても、断路器およびガス絶縁開閉装置の小型が可能となるので、温暖化係数の高いガスの使用を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるガス絶縁開閉装置の要部である断路器を示す断面図である。
【図2】図1に示した断路器の開路状態を示す断面図である。
【図3】図2に示した断路器の側面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態によるガス絶縁開閉装置における要部である断路器を示す断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態によるガス絶縁開閉装置における要部である断路器を示す断面図である。
【図6】本発明によるガス絶縁開閉装置の全体を示す断面図である。
【符号の説明】
1 接地容器
2,3 高電圧導体
4 ガイド部材
5 ばね部材
6 固定アーク接触子
7 可動導体
8 固定側シールド部材
9 可動接触子
10 可動側シールド部材
15,16 永久磁石
Claims (6)
- 絶縁性ガスを封入した接地容器内に高電圧導体を絶縁支持して、遮断器と少なくとも一つの断路器を備え、この断路器は、開閉動作可能な可動接触子と、この可動接触子が接離する固定アーク接触子と、上記可動接触子および上記固定アーク接触子をそれぞれ包囲して配置した電界緩和用の可動側シールド部材および固定側シールド部材とを備えて構成したガス絶縁開閉装置において、上記固定側シールド部材のほぼ中心部に上記固定アーク接触子を配置し、上記可動接触子の開路動作に関連して上記固定側シールド部材の先端側開口部を埋めるように移動して上記固定アーク接触子の先端部の電界を緩和する可動導体を設けたことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
- 請求項1記載のものにおいて、上記可動導体に永久磁石を配置したことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
- 請求項1記載のものにおいて、上記可動導体は、上記可動接触子の閉路動作によって付勢されるばね部材によって上記可動接触子の開路動作に関連して移動するようにし、上記可動接触子は、その対向側先端部に閉路状態で上記固定アーク接触子が挿入される開口を有することを特徴とするガス絶縁開閉装置。
- 請求項1記載のものにおいて、上記固定側シールド部材は、その先端に可撓部を有する円筒状接触子とし、上記可動接触子はこの円筒状接触子内に挿入して上記可撓部により通電を行なうことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
- 請求項1記載のものにおいて、上記遮断器は真空遮断であることを特徴とするガス絶縁開閉装置。
- 請求項4記載のものにおいて、上記絶縁性ガスは、乾燥空気、窒素ガス、炭酸ガスの少なくとも一つを含み、さらにフロンガスを20%未満混入した混合ガスとしたことを特徴とするガス絶縁開閉装置。
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JP2003023529A JP2004236459A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | ガス絶縁開閉装置 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2003
- 2003-01-31 JP JP2003023529A patent/JP2004236459A/ja active Pending
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