JP2004236050A - 負荷分散型中継装置及び負荷分散型中継方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、最適な経路が過負荷状態になっても、中継装置間で閉ループを構成することなく速やかに他の経路が選択でき、しいてはデータの破棄を防止してデータ伝送の信頼性を上げることである。
【解決手段】受信したデータを所定の宛先へ送信するための経路情報を優先順位を決めて記憶する経路記憶手段(3)と、接続されている複数の経路のうちの第1の経路から前記所定の宛先へのデータを受信したとき、前記経路記憶手段に記憶されている経路情報で特定される経路のうち前記第1の経路と異なる経路で、かつ使用量が所定値以下の経路であって、それらの経路の中で一番高い優先順位の第2の経路を前記所定の宛先への出力経路と決定する優先経路決定手段(2,4)とを備えた。
【選択図】 図2
【解決手段】受信したデータを所定の宛先へ送信するための経路情報を優先順位を決めて記憶する経路記憶手段(3)と、接続されている複数の経路のうちの第1の経路から前記所定の宛先へのデータを受信したとき、前記経路記憶手段に記憶されている経路情報で特定される経路のうち前記第1の経路と異なる経路で、かつ使用量が所定値以下の経路であって、それらの経路の中で一番高い優先順位の第2の経路を前記所定の宛先への出力経路と決定する優先経路決定手段(2,4)とを備えた。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信端末と受信端末との間でユニキャストプロトコルによってパケット(データ)の送受を行うために、ユニキャスト伝送ルートを形成するために使用される負荷分散型中継装置及び負荷分散型中継方法に係り、特に、ユニキャスト伝送ルートにおいて、一定のルールに従って形成される1つの最適経路及びそれ以外の優先順位をつけた予備経路を作成しておいて、最適経路が過負荷状態であれば、予備経路を使用して負荷分散を図れるようにした技術に関する。
【0002】
なお、ユニキャストとはIP(Internet Protocol)ネットワーク上で単一の受信者宛にデータを渡す形態の1つである。その他の、いわゆる、ネットワークの全受信者に宛てて1つのパケットだけが送出され、ネットワークの中継ポイントで必要なだけパケットを転送するマルチキャスト、ネットワークの全体にデータを転送するブロードキャストとは区別されている。
【0003】
【従来の技術】
一般に、ルータ等が中継装置(以下、ここでは「ルータ」という。)となって形成される網目状のネットワークは、送信元(送信端末、或いは送信端末が所属するネットワーク)から宛先(受信端末、或いは受信端末が所属するネットワーク)まで、複数の伝送経路が存在する。ルータは、送信元から宛先までの伝送経路に係る最適経路を一定のルールを基に決定し、ルーティングテーブルとして保有している。
【0004】
上記の一定のルールとは、簡単には、次のようなものである。▲1▼ユニキャスト通信においては、隣り合うルータ間で一定時間毎に話し合いで決定され、或いは先に決定された伝送経路が更新される。話し合いは、RIP(RouthingInformation Protocol)といわれるプロトコルの中で、RIP経路情報(パケット)を交わして、伝送経路情報を記載した自己保有のルーティングテーブルを更新(作成)していく。ここで、ルーティングテーブルとは、送信元から宛先までデータを伝送するに必要な、ネットワークのアドレス、それらのネットワークに接続される各ルータのポート(インタフェースでもある)の識別子(情報)、コスト等の情報を有するテーブルである。
【0005】
▲2▼前記話し合いによって決められる内容は次のようなものである。一般には、ネットワーク毎に経由するためのコストが定義されている。各ルータは、ルータ間で交わされる前記RIP経路情報に含まれるネットワーク情報とコスト情報とから、自己がそれらの情報を保有していなければ、新たにルーティングテーブルに入れ、既にルーティングテーブルに在れば、コストを比較して、高いほうのネットワーク情報を破棄し、安いほうのネットワークを選んで更新する。これによって、各ルータは、コストが低くなるようなネットワークを最適な伝送経路として選定している。また、最適な伝送経路として、遅延、負荷又は信頼性等のパラメータを用いて決定してもよい。コストと距離は一般的に比例してくる(以上、非特許文献1を参照)。なお、以下では、最適な伝送経路としては、コストの安い経路を例として説明する。
【0006】
上記のようなルーティング(送信元から宛先までの伝送経路を形成する作業)が行われて形成された伝送経路に、例えば、物理的断線、或いは過負荷が生じて動作不能になった場合は、その障害のネットワークを認識したルータがRIP経路情報を各ルータに投げて、話し合い、各ルータは、その障害ネットワークを避けた伝送経路を形成するように、且つその中でコストの安いネットワークを選定して、新たにルーティングテーブルを更新する。しかし、これらは、各ルータが障害経路を認識し新たな経路選定までには、複数回の話し合いが必要であり、時間を要していた。或いは、その伝送経路の形成を断念し、伝送中のデータを破棄することもあった。
【0007】
このような過負荷によって、データを破棄する事態を避けるための従来技術としては、ルータ自身が有するバッファであって、前記ポートを通してネットワークに接続されるバッファの混み具合を検知して、より空いているバッファ(結局は、ネットワーク)を選定する方法があった(例えば、特許文献1を参照。)。
【0008】
さらには、複数のデータ回線のデータ量の累計を検知して、その累計の小さいほうの回線を選定する方法があった(例えば、特許文献2を参照。)
【0009】
【非特許文献1】
Philip Miller 著、苅田幸雄 監訳「マスタリングTCP/IP 応用編」株式会社オーム社発行、平成10年5月25日、P.172−180
【特許文献1】
特開2002−223202号公報(段落「0006」、「0035」〜「0036」、図7)
【特許文献2】
特開2002−223234号公報(段落「0018」、図3)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにネットワークが、過負荷或いは不通等の障害が発生したときは、データは破棄されていた。また、データの破棄を防止するため、過負荷を防止することも考えられていたが、上記特許文献の従来技術においては、自己の保有のバッファのうち軽負荷のバッファを選んでいるが、他の中継装置との関係が明確ではなく、そのままユニキャストネットワークに利用すると次のような問題があった。
【0011】
例えば、図5においてルータ1及びルータ2がそれぞれの送信元A及び送信元Bから宛先Cまでの最適な経路が、ルータ1にとってはルートa、ルータ2にとっては[ルートc+ルートa]であるが、ここでネットワークE1が高負荷状態になったとき、ルータ1は、送信元Aからのデータを負荷が小さいルートbを通してルータ2へ送信したとすると、ルータ2にとっては、宛先Cへ送るためには、ルートcが最適なため、ルータ1から受けたデータをルータ1へ送信してしまう。このようにして閉ループが構成されことによりデータが宛先へ届かないという、新たな障害がでてしまうという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、最適な経路が過負荷状態になっても、中継装置間で閉ループを構成することなく速やかに他の経路が選択でき、しいてはデータの破棄を防止してデータ伝送の信頼性を上げることのできる負荷分散型中継装置及び負荷分散型中継方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、主として次の動作を行う構成をすることとした。
▲1▼最適経路を最優先で使用する(従来技術)。さらに、▲2▼最適経路が一定の使用量或いは使用率(閾値)を超えているときは、予備経路を使用する(予備経路は優先順位をつけて予め記憶しておく)。▲3▼自己が最適経路と認識している最適経路からデータを受信したときは、予備経路を使用してデータを送信する。
【0014】
上記目的を達成するために、具体的には、各発明において次のような構成とした。
【0015】
請求項1の発明においては、受信したデータを所定の宛先へ送信するための所定数の経路を特定する経路情報を優先順位を決めて記憶する経路記憶手段(3)と、接続されている複数の経路のうちの第1の経路から前記所定の宛先へのデータを受信したとき、前記経路記憶手段に記憶されている経路情報で特定される経路のうち前記第1の経路と異なる経路で、かつ使用量が所定値以下の経路であって、それらの経路の中で一番高い優先順位の第2の経路を前記所定の宛先への出力経路と決定する優先経路決定手段(2、4)とを備えた。
【0016】
請求項2の発明では、前記経路決定手段は、前記経路記憶手段に記憶されている経路情報で特定される経路のうち前記第1の経路と異なる経路を選定する入力経路判定手段(2)と、前記入力経路判定手段が選定した経路のうち優先順位の高い方の経路から、順に使用量が所定値以下であるかどうか判定し、最初に前記所定値以下になった経路を前記出力経路として決定する第2の経路を選定するための経路選定手段(4)とを備えた。
【0017】
請求項3の発明では、受信したデータを所定の宛先へ送信するための所定数の経路の優先順位を決定し、その決定した経路の経路情報を経路記憶手段に優先順位に沿って記憶する準備段階(S0)と、接続されている複数の経路のうちの第1の経路から前記所定の宛先のデータを受信したとき、前記第1の経路が、前記経路記憶手段に記憶されている優先順位一位の経路情報と比較して一致するか否か判定する入力経路判定段階(S3)と、前記判定で一致していれば前記経路記憶手段が記憶している経路情報より優先順位二位の経路を、或いは前記判定段階で不一致であればそのまま優先順位一位の経路を仮出力経路と決定する仮決定段階(S4、S11)と、前記仮出力経路の使用量を調査し、前記調査した使用量が所定量を超えるか超えないかを判定する使用量判断段階(S6)と、前記使用量判断段階で超えると判定された場合は、超えると判定された仮出力経路より下位の優先順位の経路を前記経路記憶手段より選定し、選定した経路を新たな仮出力経路として前記使用量判定段階の判定にかける予備経路選定段階(S10)と、前記使用量判定段階で所定量を超えないと判定された仮出力経路を、データを出力するための出力経路と確定する段階(S13)とを備えた。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明及びその周辺を含む全体構成の例を示す図、図2は本発明の一実施例を示す機能構成を示す図、図3は図2の構成の詳細機能構成を示す図である。図4は本発明の動作フローを示す図であり、図5は本発明に係る中継装置としてのルータが、具体的にネットワークに使用されているときの動作を説明するための図であり、図6は各ルータが記憶している優先経路情報の例を示す図である。
【0019】
(全体構成とそれによるルーティングの説明)
図1の構成は、複数の各ユニット8と、それを統括管理するとともに、隣り合うルータ間で各ユニットのポート1を通してRIP経路情報を交わすことによりルーティングして、確定した経路についてのルーティングテーブルを作成するルーティング手段7からなる。図1では、ユニット8内の構成は主にルーティングのことを説明するために主な構成しか書かれていないが、具体的には図2のように構成され、さらに詳細には図3のように構成される。
【0020】
図1において、各ユニット8は、ネットワークに接続されるポート1を有し、ネットワークの数に応じた数のユニット8が準備される。また各ユニット8間では、内部伝送処理部5によって(図3に示すスイッチ5aを通して)通信され、一体的に動作するようにされている。例えば、あるユニット8のポートでデータを受信したときに一定の処理をされた後、データは各ユニット8へ渡され、次の転送先のネットワークに接続されるポート1を有するユニット8が後の処理をして、受けたデータを転送するようにされている。図1で、ルーティング手段7がルーティングして形成されたルーティング情報は、テーブル状に各ユニット8の経路記憶手段3に記憶される。
【0021】
ルーティング手段7の動作は、従来技術の項においても説明したので、特徴的なところを簡単に説明する。各ルータから定期的に通知されるRIP経路情報には、宛先、ネットワークアドレス、ルータのアドレス、ルータの入出力ポート等の経路の情報とその経路にかかるコストが示されているので、それらをもとに経路を形成していく、その際、既にルーティングテーブルに記憶した特定の宛先の最適経路及びコスト等が記憶されているときに、ある隣のルータからのRIP経路情報の通知にある前記の特定の宛先についての経路が前記最適の経路より低いコストであれば、その新たな通知の経路を最適経路(優先順位一位)として以前の最適経路を優先順位二位として記憶する(従来は、二位以下の経路情報は破棄されていた。)。反対に特定の宛先について既に記憶している最適経路のコストより、新に通知されたルートのコストが高い場合、最適経路はそのままとし通知された方の経路を優先順位二位として記憶する。このようにしてルーティングテーブルは、定期的に更新されている。なお、優先順位は、所定数、例えば4つというように決めておき、それ以上の経路の情報は破棄することが望ましい。
【0022】
このようにルーティング手段7で確定されたルーティングテーブルの情報は、各ユニット8の経路記憶手段3に送られて、やはりテーブル状に記憶される。ある特定の宛先についての優先経路だけ記憶した例を図6に示す。図6は、図5におけるルータ1及び2の宛先Cについて優先順位の高い方から記憶した例である(詳細は後記)。実際は、宛先Cのみならず、他の宛先についての経路、コスト等も記憶される(図6では、省略)。ルーティングテーブルの情報が、各ユニット8の経路記憶手段3に送られた後は、各ユニット8で以下のように処理される。
【0023】
(構成の説明と送信元Aからデータを受けたルータ1の動作説明)
図2において、ポート1は、各ネットワークに接続される端子(或いはインタフェース)であって、各ネットワークを通してパケット(データ、或いはRIP経路情報)が入出力される。経路記憶手段3は、ルーティング手段7によって確定された優先順位の高い方から0、1、2、・・の順に(以下では、1,2、・・の経路、つまり二位以下の経路をまとめていうときは、予備経路ということがある。)経路を記憶する(図6を参照)。ここで、この優先経路のリストアップの中で最上位(或いは一位)の経路がこれまで説明してきた最適経路ということができる。
【0024】
優先経路のリストアップの例としては、図5におけるネットワーク例におけるルータ1の優先経路のリストを図6(a)に、ルータ2の優先経路のリストを図6(b)に示す。具体的に説明すると、ルータ1が、送信元Aから宛先Cへ送るための最適経路は、宛先Cの所属ネットワークに直接接続されているルータ5へ直接に結ばれているネットワークE1(つまりルートa)なので、ネットワークE1が最適経路で優先順位が最上位の「0」に相当するが、経路記憶手段3としては、ネットワークE1の代わりに、ルータ1がネットワークE1に接続されているポート番号3(P3)を記憶する。このネットワークE1の選定にあたっては、ルーティング手段7がルータ2、ルータ5やその他のルータと会話しながら決めているので、その過程で、ルータ1は、自己のポート番号5,ポート番号22,ポート番号15(以下、ポート番号は、ネットワークに接続されるポートの識別番号として用いる。)やその他のポートに接続されているネットワークの情報が決定される。さらに、自己のポート番号5に接続されるネットワークE2の経路(ルートb)が優先順位ニ位の経路として、さらに三位にポート番号2、四位にポート番号15に接続される経路(図5では、三位、四位の経路については、省略している。)をリストアップして図6(a)に示すようなテーブルとして記憶している。
【0025】
同様に、図5におけるルータ2についても送信元Bのデータを宛先Cへ送る経路の優先順位を図6(b)のように、ルータ1、ルータ3及びその他のルータと会話しながら決定し、自己の経路記憶手段3に優先経路として記憶している。この場合は、ネットワークE2(ルートc:ルートbの逆順。)、ネットワークE3(及びネットワークE4,ネットワークE5を含むルートd)のぞれぞれに接続される自己のポート番号11及びポート番号21が最上位「0」及び二位「1」として順に記憶されている。(ここまでが図4のステップS0の動作である)
【0026】
入力経路判定手段2は、後記する経路選定手段4とともに、請求項に記載の優先経路決定手段を構成する。入力経路判定手段2は、ポート1のいずれかのポートから宛先Cへのデータを受けたときにその入力ポート番号を記憶する(図4のステップS1)。図5のルータ1を例にすると、そのデータの入力ポート番号P12を記憶し、一方、経路記憶手段3が予め記憶している宛先Cへの優先順位「0」のポート番号を選定する(図4のステップS2)。この入力ポート番号P12と図6(a)の優先順位「0」のポート番号3と比較する(図4のステップS3)。この場合一致していないので、このままポート番号3を宛先Cへの仮出力経路と決定し(図4のステップS4)、データに優先順位「0」を付す。なお、ここで入力ポート番号と優先順位「0」のポート番号が一致する場合は、データに優先順位ニ位の番号「1」を付す(図4のステップS8)ことによって、優先順位二位の経路を仮出力経路とする。
【0027】
内部伝送処理部5は、詳細は後述するが、仮出力経路の優先順位「0」又は「1」を追加的に付されたデータ(パケット)を、自己のスイッチ5aを通して、自己のユニット8及び他のユニット8へ送る。そのデータに付されている経路選定手段4及び(後記する経路決定手段4による仮出力経路決定後に)出力バッファ6に出力する。データには優先順位の他、出力すべき宛先、ネットワーク、出力ポート番号等の経路情報も含まれているため、それを見て、自己に出力すべきポート番号を有するユニット8が、後の処理を行う。この実施例としては、発明の思想は図2に表れているので、説明の都合上、データの入力ポートも出力ポートも同じ図2のユニット8として説明する。データに優先順位を付す理由は、上記のように、他のユニット8も一緒に受理したほうが後の処理がしやすいためである。
【0028】
出力バッファ6は、データを仮出力経路として指定されたポート番号に対応するバッファに記憶する。
【0029】
経路選定手段4は、出力バッファの内、前記仮出力経路で指定されたポート番号に対応するバッファの使用量(使用率でもよい。)を調べる(図4のステップS5)。そして調べた使用量と予め記憶しておいた所定値(閾値)と比較し(図4のステップS6)、使用量が所定値より低く、回線に余裕があると判断した場合は、そのまま、そのポート番号を最終の出力ポート番号と決定する(図4のステップS13)。経路選定手段4による決定後に、内部伝送処理部5から(後記する図3の一次バッファ5gから)出力バッファ6へデータを移動する。調べた使用量が所定値より高く、回線に余裕がないと判定されたとき(図4のステップS6−NO)は、経路記憶手段3に対してその次の優先順位の経路を指定し(図4のステップS7)、検索し(図4のステップS9)、次の優先順位の経路があれば(図4のステップS10−YES)、その経路を仮出力経路と決定するとともに、内部伝送処理部5を通して各ユニット8に送り、それを受けた各ユニット8の経路選定手段4が、上記の次の優先順位の経路である新たな仮出力経路に対応したポート番号の使用量を調査し、その使用量が所定値以下かどうか判断する。このようにして再び、図4のステップS5から同様のことを実施し、以下、優先順位下位の予備経路がなくなり(図4のステップS10−NO)、データ(パケット)を破棄する(図4のステップS12)か、使用量が所定値以下の経路(図4のステップS6−YES)が決定されるまで、繰り返す。このようにして、使用量が所定値より低い経路であって、より優先順位の高い経路を最終の出力経路と決定する。
【0030】
上記経路選定手段4の動作を、ルータ1の動作に当てはめて説明する。上記のように内部伝送処理部5からは、優先順位「0」が付されたデータが送られてくるので、経路選定手段4は、ポート番号3に相当するバッファの使用量を調べ(図4のステップS5)、その使用量が所定値以下かどうか判定する(図4のステップS6)。ここで、図5のようにポート番号3のバッファは、高負荷状態であるから、所定値以上となるので、経路選定手段4は、優先順位が次の「1」の経路を線路記憶手段3から検索する(図4のステップS7、S9)。図6(a)のポート番号5(図5のルートb)がある(図4のステップS10−YES)ので、これを選択し新たな仮出力経路と決定する(図4のステップS11)。再び、出力バッファ6のポート番号5に相当するバッファの使用量が所定値以下かどうか判定される(図4のステップS6)。この場合は、ポート番号5に相当するバッファの使用量は所定値以下なので、このポート番号5が最終出力経路として決定される(図4のステップS13)。
【0031】
(送信元Aの伝送についてのルータ2の動作フローの説明)
次に、ルータ1の動作については、既に上記したように、送信元Aからのデータをルートbを通してルータ2へ送ったところまで説明したので、これを受けたルータ2の動作フローを、図4、図5及び図6を基に説明する。なお、ルータ2の構成も図3と同じである。
【0032】
ルータ2は、予め、経路記憶手段3に図6(b)の優先経路をリストアップして有している(図4のステップS0)。ルータ2は、ルータ1からのデータをルートbを通して受けたとき、受けたポート番号P11を記憶する(図4のステップS1)。ルータ2の入力経路判定手段2は、経路記憶手段3から優先順位「0」のポート番号11を出力経路として選定する(図4のステップS2)。そして、入力ポート番号P11と優先経路「0」のポート番号11とを比較する(図4のステップS3)。入力経路判定手段3は、その結果、一致するので、次の優先順位二位の「1」の経路を指定する(図4のステップS8)。内部伝送処理手段5は、「1」を付したデータを送り、経路選定手段4はその優先順位「1」の経路である図6(b)におけるポート番号21に相当するバッファの使用量を調べる(図4のステップS5)。さらに、その使用量が所定値以下であるかどうか判断する(図4のステップS6)。この場合は、使用量が所定値以下なので、自己のポ−ト番号21に接続される経路、つまり、図5において、ルータ3、ルータ4およびルータ5を通して宛先Cへ出力する経路(ルートd)を決定する。データはポート番号21経由で転送される。
【0033】
(送信元Bの伝送についてのルータ2及びルータ1の動作フローの説明)
図5及び図4を基に、本発明のルータを用いて図5の送信元Bから宛先Cへデータ伝送について説明する。ここでは、ルータの内部構成の説明は省略し、ルータ間のやりとりを中心に説明する。
【0034】
ルータ2は、送信元Bからデータを受信すると、そのデータを受信した入力ポート番号P7を記憶する。自己の経路記憶手段3に記憶されている図6(b)の優先経路の順位一位「0」(最適経路)のポート番号11を選定し、入力ポート7と最適経路であるポート番号11を読み出し、入力ポート番号P7と比較判定する。比較結果は、一致していないので、最適経路のポート番号11を仮出力経路と決定する。さらに、このポート番号11に相当する自己の出力バッファ6の使用量を調べ、所定値以下かどうか比較判定する。この場合、所定値以下と判定され(回線に余裕ありと判定され)るので、ポート番号11を最終の出力経路と決定して、送信元Bからのデータをポート番号11(P11)に接続されるネットワークE2へ送る(ルートc)。
【0035】
このルータ2からのデータを受けたルータ1は、入力ポート番号P5を記憶し、自己の経路記憶手段3に記憶されている順位一位「0」(最適経路)のポート番号3を選定し、入力ポート番号P5と比較判定する。比較結果は、一致していないので、最適経路のポート番号3を仮出力経路と決定し、このポート番号3に相当する自己の出力バッファ6の使用率を調べ、所定値以下かどうか比較判定する。ここで、出力ポート番号3に接続されるネットワークE1が高負荷状態とすると、使用率は高くなるので、ポート番号3の使用率は所定値以上と判定される。
【0036】
ルータ1は、再び自己の記憶手段3を検索して図6(a)の優先経路二位「1」のポート番号5を選定し、このポート番号5に相当する出力バッファ6の使用量を調べ、その調べた使用量が所定値以下かどうか比較判定する。ここで、ポート番号5の使用量は所定値以下と判定される。従って、ルータ1は、ポート番号5、ネットワークE2(ルートb)を通し、ルータ2から受けたデータをルータ2へ送り返す。
【0037】
ルータ1から送信元Bのデータを再び受けたルータ2は、上記説明と同様の動作を行う。この場合は、入力ポートが番号P11となり、自己の経路記憶手段3に記憶されている優先順位一位「0」のポート11(図6(b))と一致するので、優先順位ニ位「1」のポート番号21を選定し、そのポート番号21に相当する自己の出力バッファ6の使用量を調査し、その使用量が所定値以下であれば、そのポート番号21を最終出力経路として、ルータ1から受けた送信元Bのデータを出力する。ルータ3、ルータ4及びルータ5も同様の動作を行って、ルートdが形成され、データは宛先cへ送られる。
【0038】
上記の動作から、本発明のルータで構成されたネットワークでは、従来技術のように閉ループを形成することなく、高負荷であっても予備経路を使用してデータを伝送できるのでデータが破棄される確率が少なくなり、データ伝送の信頼性を向上できる。
【0039】
(詳細構成の説明)
図3を用いて、本発明の詳細構成を、ルータ1からルータ2がデータを受信する場合のそのルータ2の動作を例として説明する。
【0040】
ポート1は、パケット(データやRIP経路情報も含む)入出力のためのインタフェースである。ポートで受信したデータは入力バッファ5bに記憶されるとともに、経路検出器2aに送られる。
【0041】
経路検出器2aは、ルータ1からデータを受けてデータに付されているルータ1のアドレス、ソースアドレス(送信元A)等及び受信したポート番号(ルータ2のP11)等のアドレス情報を経路記憶手段3に記憶させる。また経路検出器2aは、経路記憶手段3から優先順位最上位の情報、つまり図6(b)の優先順位一位の経路情報「0」のポート番号11をポート比較器2bへ送るとともに、上記優先順位一位の経路情報「0」のポート番号11及び優先順位二位の経路情報「1」のポート番号21を読み出し、第1内部パケット生成器5cへ送る。
【0042】
ポート比較器2bは、データを受信したポート番号P11と優先順位最上位のポート番号11とを比較する。この場合は、同じ番号11で、一致するので、その結果を、第1内部パケット生成器5cへ送る。
【0043】
第1内部パケット生成器5cは、ポート比較器2bの結果が一致の場合は、経路検出器2aから送られている優先順位二位のポート番号21を選定し、この段階での仮出力経路を決定する(この場合は、データの入力ポート番号と最適経路の出力ポート番号とが一致するので、そのままであると閉鎖経路を構成するので、それを避けるための動作である。)。なお、ポート比較器2aの比較結果が不一致であれば、そのまま優先順位一位の経路、つまり最適経路を仮出力経路と決定する。
【0044】
さらに第1内部パケット生成器5cは、入力バッファ5bのデータに、決定した仮出力経路の情報、例えば、優先順位二位のポート番号21及びを示すカウンタ値「1」とを付加する形式(ポート比較器2bの比較結果が一致している場合は、最適経路ポート番号11とカウンタ値「0」)で、ほぼ同時にスイッチ5aに送る。スイッチ5aは、データに付されているポート番号を有する他のユニット8へデータを送る。
【0045】
データを送られたユニット8の一次バッファ5gが一旦、データを記憶する。
【0046】
以下は、データを送られたユニット8内の動作である(動作内容はどのユニット8でも同じである。)。予備経路検索手段4aは、データに付記されている仮出力経路の情報、つまりカウンタ値「1」を取りだして更に+1した値「2」に相当する優先順位の経路であるポート番号8を経路記憶手段3から読み出して、第2内部パケット生成器5eに送っておく。第2内部パケット生成器5eは、先のスイッチ5aと通して送られてきたデータに付されているカウンタ値「1」のポート番号21を読み出し、使用量判定手段4bに対して、出力バッファ6のポート番号21を指定し、その使用量を調査させる。使用量判定手段4bは、その調査した使用量がそのポート番号のバッファの使用許容量の80%で以下であれば、使用許可の通知を第2内部パケット生成器5eへ通知し、80%を超えるようであれば使用不許可の通知をする。
【0047】
上記は、判断の基準を80%としたが、例えば、これまでルータ1からの送信元Aのデータについてポート番号21の使用を説明してきたが、併せて送信元Bからのデータも送るような事態を考えるなら。余裕をみて50%としてもよい。或いは状況に応じて50%、又は80%の2段切り替えにして、判断してもよい
【0048】
第2内部パケット生成器5eは、▲1▼使用量判定手段4bから許可通知を受けた場合は、一次バッファ5g及び出力バッファ6に対して出力のポート番号21を通して、データを出力させる(したがって、ポート番号21を有するユニット8の出力バッファ6がデータを出力することになる。)。なお、一次バッファ5gから出力バッファ6にデータを出力する際に、データに付加されていた仮出力経路の情報は分離され、破棄される。
【0049】
▲2▼出力について不許可の通知を受けた場合は、一次バッファ5gに対してデータを出力させ、予め予備経路検索手段4aから受けていたカウンタ値「2」及びその値に優先順位の経路であるポート番号8とを経路情報として付して、逆流用バッファ5fに一旦、記憶させる。そして、逆流用バッファ5fからスイッチ5aへデータを送り、スイッチ5aは、その値に該当する優先順位ポートのあるユニット8へ送る。なお、入力制御器5dが、第1内部パケット生成器5c及び第2内部パケット生成器5eから指示されたタイミングで、入力バッファ5bからのデータ或いは逆流バッファ5fからのデータのいずれかを選択してスイッチ5aへ送るが、前者のデータが優先される。
【0050】
上記▲2▼の場合に、再びスイッチ5aを通してデータを受けたユニット8の第2内部パケット生成器5eは、出力バッファ6のポート番号8を指定し、その使用量を調査させる。その使用量の調査結果を受けた使用量判定手段4bは、その使用量がそのポート番号のバッファの使用許容量の80%以下であれば、使用許可の通知を第2内部パケット生成器5eへ通知し、80%を超えるようであれば使用不許可の通知をする。
【0051】
上記のようにして、使用量が所定の基準(閾値)を下回るポート、つまりは次の転送すべきネットワークをサーチするのであるが、経路記憶手段3に記憶されている予備経路が「3」までしかない場合に、最適経路及び予備経路1〜3全てについて使用不許可の通知を受けると、ポートが見つからないので、そのデータは、第2内部パケット生成器5eによって破棄される。しかしながら、本発明では、従来に比べ、予備経路「3」(優先順位四位)までの転送のチャンスが与えられる。
【0052】
本発明における上記構成は、ポート1及びスイッチ5a等を除き、CPU、ROM及びRAMで具現され、上記動作は、予めプログラムされてROMに記憶され、それをCPUで実行することにより、達成されている。本発明は、具現手段にかかわらず、本発明の請求項記載の機能手段の範囲及びその均等の範囲を範囲とする。
【0053】
【発明の効果】
上記のように、本発明のルータは、ネットワークに利用されても、閉ループを構成することなく予備経路を利用できる構成なので、高負荷の経路或いは断線等の障害があっても予備経路を使用してデータの伝送ができるのでデータが破棄される確率が少なくなり、データ伝送の信頼性を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び周辺を含む全体構成の例を示す図
【図2】本発明の一実施例を示す機能構成を示す図
【図3】図2の構成の詳細機能構成を示す図
【図4】本発明の動作フローを示す図
【図5】本発明に係る中継装置のルータ、具体的にネットワークに使用されているときの動作を説明するための図
【図6】各ルータが記憶している優先経路情報の例を示す図
【符号の説明】
1:ポート、2:入力経路判定手段、2a:経路検出器、2b:ポート比較器、3:経路記憶手段、4:経路選定手段、4a:予備経路検索手段、4b:使用量判定手段、5:内部伝送処理部、5a:スイッチ、5b:入力バッファ、5c:第1内部パケット生成器、5d:入力制御器、5e:第2内部パケット生成器、5f:逆流バッファ、5g:一次バッファ、6:出力バッファ、7:ルーティング手段、8:ユニット
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信端末と受信端末との間でユニキャストプロトコルによってパケット(データ)の送受を行うために、ユニキャスト伝送ルートを形成するために使用される負荷分散型中継装置及び負荷分散型中継方法に係り、特に、ユニキャスト伝送ルートにおいて、一定のルールに従って形成される1つの最適経路及びそれ以外の優先順位をつけた予備経路を作成しておいて、最適経路が過負荷状態であれば、予備経路を使用して負荷分散を図れるようにした技術に関する。
【0002】
なお、ユニキャストとはIP(Internet Protocol)ネットワーク上で単一の受信者宛にデータを渡す形態の1つである。その他の、いわゆる、ネットワークの全受信者に宛てて1つのパケットだけが送出され、ネットワークの中継ポイントで必要なだけパケットを転送するマルチキャスト、ネットワークの全体にデータを転送するブロードキャストとは区別されている。
【0003】
【従来の技術】
一般に、ルータ等が中継装置(以下、ここでは「ルータ」という。)となって形成される網目状のネットワークは、送信元(送信端末、或いは送信端末が所属するネットワーク)から宛先(受信端末、或いは受信端末が所属するネットワーク)まで、複数の伝送経路が存在する。ルータは、送信元から宛先までの伝送経路に係る最適経路を一定のルールを基に決定し、ルーティングテーブルとして保有している。
【0004】
上記の一定のルールとは、簡単には、次のようなものである。▲1▼ユニキャスト通信においては、隣り合うルータ間で一定時間毎に話し合いで決定され、或いは先に決定された伝送経路が更新される。話し合いは、RIP(RouthingInformation Protocol)といわれるプロトコルの中で、RIP経路情報(パケット)を交わして、伝送経路情報を記載した自己保有のルーティングテーブルを更新(作成)していく。ここで、ルーティングテーブルとは、送信元から宛先までデータを伝送するに必要な、ネットワークのアドレス、それらのネットワークに接続される各ルータのポート(インタフェースでもある)の識別子(情報)、コスト等の情報を有するテーブルである。
【0005】
▲2▼前記話し合いによって決められる内容は次のようなものである。一般には、ネットワーク毎に経由するためのコストが定義されている。各ルータは、ルータ間で交わされる前記RIP経路情報に含まれるネットワーク情報とコスト情報とから、自己がそれらの情報を保有していなければ、新たにルーティングテーブルに入れ、既にルーティングテーブルに在れば、コストを比較して、高いほうのネットワーク情報を破棄し、安いほうのネットワークを選んで更新する。これによって、各ルータは、コストが低くなるようなネットワークを最適な伝送経路として選定している。また、最適な伝送経路として、遅延、負荷又は信頼性等のパラメータを用いて決定してもよい。コストと距離は一般的に比例してくる(以上、非特許文献1を参照)。なお、以下では、最適な伝送経路としては、コストの安い経路を例として説明する。
【0006】
上記のようなルーティング(送信元から宛先までの伝送経路を形成する作業)が行われて形成された伝送経路に、例えば、物理的断線、或いは過負荷が生じて動作不能になった場合は、その障害のネットワークを認識したルータがRIP経路情報を各ルータに投げて、話し合い、各ルータは、その障害ネットワークを避けた伝送経路を形成するように、且つその中でコストの安いネットワークを選定して、新たにルーティングテーブルを更新する。しかし、これらは、各ルータが障害経路を認識し新たな経路選定までには、複数回の話し合いが必要であり、時間を要していた。或いは、その伝送経路の形成を断念し、伝送中のデータを破棄することもあった。
【0007】
このような過負荷によって、データを破棄する事態を避けるための従来技術としては、ルータ自身が有するバッファであって、前記ポートを通してネットワークに接続されるバッファの混み具合を検知して、より空いているバッファ(結局は、ネットワーク)を選定する方法があった(例えば、特許文献1を参照。)。
【0008】
さらには、複数のデータ回線のデータ量の累計を検知して、その累計の小さいほうの回線を選定する方法があった(例えば、特許文献2を参照。)
【0009】
【非特許文献1】
Philip Miller 著、苅田幸雄 監訳「マスタリングTCP/IP 応用編」株式会社オーム社発行、平成10年5月25日、P.172−180
【特許文献1】
特開2002−223202号公報(段落「0006」、「0035」〜「0036」、図7)
【特許文献2】
特開2002−223234号公報(段落「0018」、図3)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにネットワークが、過負荷或いは不通等の障害が発生したときは、データは破棄されていた。また、データの破棄を防止するため、過負荷を防止することも考えられていたが、上記特許文献の従来技術においては、自己の保有のバッファのうち軽負荷のバッファを選んでいるが、他の中継装置との関係が明確ではなく、そのままユニキャストネットワークに利用すると次のような問題があった。
【0011】
例えば、図5においてルータ1及びルータ2がそれぞれの送信元A及び送信元Bから宛先Cまでの最適な経路が、ルータ1にとってはルートa、ルータ2にとっては[ルートc+ルートa]であるが、ここでネットワークE1が高負荷状態になったとき、ルータ1は、送信元Aからのデータを負荷が小さいルートbを通してルータ2へ送信したとすると、ルータ2にとっては、宛先Cへ送るためには、ルートcが最適なため、ルータ1から受けたデータをルータ1へ送信してしまう。このようにして閉ループが構成されことによりデータが宛先へ届かないという、新たな障害がでてしまうという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、最適な経路が過負荷状態になっても、中継装置間で閉ループを構成することなく速やかに他の経路が選択でき、しいてはデータの破棄を防止してデータ伝送の信頼性を上げることのできる負荷分散型中継装置及び負荷分散型中継方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、主として次の動作を行う構成をすることとした。
▲1▼最適経路を最優先で使用する(従来技術)。さらに、▲2▼最適経路が一定の使用量或いは使用率(閾値)を超えているときは、予備経路を使用する(予備経路は優先順位をつけて予め記憶しておく)。▲3▼自己が最適経路と認識している最適経路からデータを受信したときは、予備経路を使用してデータを送信する。
【0014】
上記目的を達成するために、具体的には、各発明において次のような構成とした。
【0015】
請求項1の発明においては、受信したデータを所定の宛先へ送信するための所定数の経路を特定する経路情報を優先順位を決めて記憶する経路記憶手段(3)と、接続されている複数の経路のうちの第1の経路から前記所定の宛先へのデータを受信したとき、前記経路記憶手段に記憶されている経路情報で特定される経路のうち前記第1の経路と異なる経路で、かつ使用量が所定値以下の経路であって、それらの経路の中で一番高い優先順位の第2の経路を前記所定の宛先への出力経路と決定する優先経路決定手段(2、4)とを備えた。
【0016】
請求項2の発明では、前記経路決定手段は、前記経路記憶手段に記憶されている経路情報で特定される経路のうち前記第1の経路と異なる経路を選定する入力経路判定手段(2)と、前記入力経路判定手段が選定した経路のうち優先順位の高い方の経路から、順に使用量が所定値以下であるかどうか判定し、最初に前記所定値以下になった経路を前記出力経路として決定する第2の経路を選定するための経路選定手段(4)とを備えた。
【0017】
請求項3の発明では、受信したデータを所定の宛先へ送信するための所定数の経路の優先順位を決定し、その決定した経路の経路情報を経路記憶手段に優先順位に沿って記憶する準備段階(S0)と、接続されている複数の経路のうちの第1の経路から前記所定の宛先のデータを受信したとき、前記第1の経路が、前記経路記憶手段に記憶されている優先順位一位の経路情報と比較して一致するか否か判定する入力経路判定段階(S3)と、前記判定で一致していれば前記経路記憶手段が記憶している経路情報より優先順位二位の経路を、或いは前記判定段階で不一致であればそのまま優先順位一位の経路を仮出力経路と決定する仮決定段階(S4、S11)と、前記仮出力経路の使用量を調査し、前記調査した使用量が所定量を超えるか超えないかを判定する使用量判断段階(S6)と、前記使用量判断段階で超えると判定された場合は、超えると判定された仮出力経路より下位の優先順位の経路を前記経路記憶手段より選定し、選定した経路を新たな仮出力経路として前記使用量判定段階の判定にかける予備経路選定段階(S10)と、前記使用量判定段階で所定量を超えないと判定された仮出力経路を、データを出力するための出力経路と確定する段階(S13)とを備えた。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明及びその周辺を含む全体構成の例を示す図、図2は本発明の一実施例を示す機能構成を示す図、図3は図2の構成の詳細機能構成を示す図である。図4は本発明の動作フローを示す図であり、図5は本発明に係る中継装置としてのルータが、具体的にネットワークに使用されているときの動作を説明するための図であり、図6は各ルータが記憶している優先経路情報の例を示す図である。
【0019】
(全体構成とそれによるルーティングの説明)
図1の構成は、複数の各ユニット8と、それを統括管理するとともに、隣り合うルータ間で各ユニットのポート1を通してRIP経路情報を交わすことによりルーティングして、確定した経路についてのルーティングテーブルを作成するルーティング手段7からなる。図1では、ユニット8内の構成は主にルーティングのことを説明するために主な構成しか書かれていないが、具体的には図2のように構成され、さらに詳細には図3のように構成される。
【0020】
図1において、各ユニット8は、ネットワークに接続されるポート1を有し、ネットワークの数に応じた数のユニット8が準備される。また各ユニット8間では、内部伝送処理部5によって(図3に示すスイッチ5aを通して)通信され、一体的に動作するようにされている。例えば、あるユニット8のポートでデータを受信したときに一定の処理をされた後、データは各ユニット8へ渡され、次の転送先のネットワークに接続されるポート1を有するユニット8が後の処理をして、受けたデータを転送するようにされている。図1で、ルーティング手段7がルーティングして形成されたルーティング情報は、テーブル状に各ユニット8の経路記憶手段3に記憶される。
【0021】
ルーティング手段7の動作は、従来技術の項においても説明したので、特徴的なところを簡単に説明する。各ルータから定期的に通知されるRIP経路情報には、宛先、ネットワークアドレス、ルータのアドレス、ルータの入出力ポート等の経路の情報とその経路にかかるコストが示されているので、それらをもとに経路を形成していく、その際、既にルーティングテーブルに記憶した特定の宛先の最適経路及びコスト等が記憶されているときに、ある隣のルータからのRIP経路情報の通知にある前記の特定の宛先についての経路が前記最適の経路より低いコストであれば、その新たな通知の経路を最適経路(優先順位一位)として以前の最適経路を優先順位二位として記憶する(従来は、二位以下の経路情報は破棄されていた。)。反対に特定の宛先について既に記憶している最適経路のコストより、新に通知されたルートのコストが高い場合、最適経路はそのままとし通知された方の経路を優先順位二位として記憶する。このようにしてルーティングテーブルは、定期的に更新されている。なお、優先順位は、所定数、例えば4つというように決めておき、それ以上の経路の情報は破棄することが望ましい。
【0022】
このようにルーティング手段7で確定されたルーティングテーブルの情報は、各ユニット8の経路記憶手段3に送られて、やはりテーブル状に記憶される。ある特定の宛先についての優先経路だけ記憶した例を図6に示す。図6は、図5におけるルータ1及び2の宛先Cについて優先順位の高い方から記憶した例である(詳細は後記)。実際は、宛先Cのみならず、他の宛先についての経路、コスト等も記憶される(図6では、省略)。ルーティングテーブルの情報が、各ユニット8の経路記憶手段3に送られた後は、各ユニット8で以下のように処理される。
【0023】
(構成の説明と送信元Aからデータを受けたルータ1の動作説明)
図2において、ポート1は、各ネットワークに接続される端子(或いはインタフェース)であって、各ネットワークを通してパケット(データ、或いはRIP経路情報)が入出力される。経路記憶手段3は、ルーティング手段7によって確定された優先順位の高い方から0、1、2、・・の順に(以下では、1,2、・・の経路、つまり二位以下の経路をまとめていうときは、予備経路ということがある。)経路を記憶する(図6を参照)。ここで、この優先経路のリストアップの中で最上位(或いは一位)の経路がこれまで説明してきた最適経路ということができる。
【0024】
優先経路のリストアップの例としては、図5におけるネットワーク例におけるルータ1の優先経路のリストを図6(a)に、ルータ2の優先経路のリストを図6(b)に示す。具体的に説明すると、ルータ1が、送信元Aから宛先Cへ送るための最適経路は、宛先Cの所属ネットワークに直接接続されているルータ5へ直接に結ばれているネットワークE1(つまりルートa)なので、ネットワークE1が最適経路で優先順位が最上位の「0」に相当するが、経路記憶手段3としては、ネットワークE1の代わりに、ルータ1がネットワークE1に接続されているポート番号3(P3)を記憶する。このネットワークE1の選定にあたっては、ルーティング手段7がルータ2、ルータ5やその他のルータと会話しながら決めているので、その過程で、ルータ1は、自己のポート番号5,ポート番号22,ポート番号15(以下、ポート番号は、ネットワークに接続されるポートの識別番号として用いる。)やその他のポートに接続されているネットワークの情報が決定される。さらに、自己のポート番号5に接続されるネットワークE2の経路(ルートb)が優先順位ニ位の経路として、さらに三位にポート番号2、四位にポート番号15に接続される経路(図5では、三位、四位の経路については、省略している。)をリストアップして図6(a)に示すようなテーブルとして記憶している。
【0025】
同様に、図5におけるルータ2についても送信元Bのデータを宛先Cへ送る経路の優先順位を図6(b)のように、ルータ1、ルータ3及びその他のルータと会話しながら決定し、自己の経路記憶手段3に優先経路として記憶している。この場合は、ネットワークE2(ルートc:ルートbの逆順。)、ネットワークE3(及びネットワークE4,ネットワークE5を含むルートd)のぞれぞれに接続される自己のポート番号11及びポート番号21が最上位「0」及び二位「1」として順に記憶されている。(ここまでが図4のステップS0の動作である)
【0026】
入力経路判定手段2は、後記する経路選定手段4とともに、請求項に記載の優先経路決定手段を構成する。入力経路判定手段2は、ポート1のいずれかのポートから宛先Cへのデータを受けたときにその入力ポート番号を記憶する(図4のステップS1)。図5のルータ1を例にすると、そのデータの入力ポート番号P12を記憶し、一方、経路記憶手段3が予め記憶している宛先Cへの優先順位「0」のポート番号を選定する(図4のステップS2)。この入力ポート番号P12と図6(a)の優先順位「0」のポート番号3と比較する(図4のステップS3)。この場合一致していないので、このままポート番号3を宛先Cへの仮出力経路と決定し(図4のステップS4)、データに優先順位「0」を付す。なお、ここで入力ポート番号と優先順位「0」のポート番号が一致する場合は、データに優先順位ニ位の番号「1」を付す(図4のステップS8)ことによって、優先順位二位の経路を仮出力経路とする。
【0027】
内部伝送処理部5は、詳細は後述するが、仮出力経路の優先順位「0」又は「1」を追加的に付されたデータ(パケット)を、自己のスイッチ5aを通して、自己のユニット8及び他のユニット8へ送る。そのデータに付されている経路選定手段4及び(後記する経路決定手段4による仮出力経路決定後に)出力バッファ6に出力する。データには優先順位の他、出力すべき宛先、ネットワーク、出力ポート番号等の経路情報も含まれているため、それを見て、自己に出力すべきポート番号を有するユニット8が、後の処理を行う。この実施例としては、発明の思想は図2に表れているので、説明の都合上、データの入力ポートも出力ポートも同じ図2のユニット8として説明する。データに優先順位を付す理由は、上記のように、他のユニット8も一緒に受理したほうが後の処理がしやすいためである。
【0028】
出力バッファ6は、データを仮出力経路として指定されたポート番号に対応するバッファに記憶する。
【0029】
経路選定手段4は、出力バッファの内、前記仮出力経路で指定されたポート番号に対応するバッファの使用量(使用率でもよい。)を調べる(図4のステップS5)。そして調べた使用量と予め記憶しておいた所定値(閾値)と比較し(図4のステップS6)、使用量が所定値より低く、回線に余裕があると判断した場合は、そのまま、そのポート番号を最終の出力ポート番号と決定する(図4のステップS13)。経路選定手段4による決定後に、内部伝送処理部5から(後記する図3の一次バッファ5gから)出力バッファ6へデータを移動する。調べた使用量が所定値より高く、回線に余裕がないと判定されたとき(図4のステップS6−NO)は、経路記憶手段3に対してその次の優先順位の経路を指定し(図4のステップS7)、検索し(図4のステップS9)、次の優先順位の経路があれば(図4のステップS10−YES)、その経路を仮出力経路と決定するとともに、内部伝送処理部5を通して各ユニット8に送り、それを受けた各ユニット8の経路選定手段4が、上記の次の優先順位の経路である新たな仮出力経路に対応したポート番号の使用量を調査し、その使用量が所定値以下かどうか判断する。このようにして再び、図4のステップS5から同様のことを実施し、以下、優先順位下位の予備経路がなくなり(図4のステップS10−NO)、データ(パケット)を破棄する(図4のステップS12)か、使用量が所定値以下の経路(図4のステップS6−YES)が決定されるまで、繰り返す。このようにして、使用量が所定値より低い経路であって、より優先順位の高い経路を最終の出力経路と決定する。
【0030】
上記経路選定手段4の動作を、ルータ1の動作に当てはめて説明する。上記のように内部伝送処理部5からは、優先順位「0」が付されたデータが送られてくるので、経路選定手段4は、ポート番号3に相当するバッファの使用量を調べ(図4のステップS5)、その使用量が所定値以下かどうか判定する(図4のステップS6)。ここで、図5のようにポート番号3のバッファは、高負荷状態であるから、所定値以上となるので、経路選定手段4は、優先順位が次の「1」の経路を線路記憶手段3から検索する(図4のステップS7、S9)。図6(a)のポート番号5(図5のルートb)がある(図4のステップS10−YES)ので、これを選択し新たな仮出力経路と決定する(図4のステップS11)。再び、出力バッファ6のポート番号5に相当するバッファの使用量が所定値以下かどうか判定される(図4のステップS6)。この場合は、ポート番号5に相当するバッファの使用量は所定値以下なので、このポート番号5が最終出力経路として決定される(図4のステップS13)。
【0031】
(送信元Aの伝送についてのルータ2の動作フローの説明)
次に、ルータ1の動作については、既に上記したように、送信元Aからのデータをルートbを通してルータ2へ送ったところまで説明したので、これを受けたルータ2の動作フローを、図4、図5及び図6を基に説明する。なお、ルータ2の構成も図3と同じである。
【0032】
ルータ2は、予め、経路記憶手段3に図6(b)の優先経路をリストアップして有している(図4のステップS0)。ルータ2は、ルータ1からのデータをルートbを通して受けたとき、受けたポート番号P11を記憶する(図4のステップS1)。ルータ2の入力経路判定手段2は、経路記憶手段3から優先順位「0」のポート番号11を出力経路として選定する(図4のステップS2)。そして、入力ポート番号P11と優先経路「0」のポート番号11とを比較する(図4のステップS3)。入力経路判定手段3は、その結果、一致するので、次の優先順位二位の「1」の経路を指定する(図4のステップS8)。内部伝送処理手段5は、「1」を付したデータを送り、経路選定手段4はその優先順位「1」の経路である図6(b)におけるポート番号21に相当するバッファの使用量を調べる(図4のステップS5)。さらに、その使用量が所定値以下であるかどうか判断する(図4のステップS6)。この場合は、使用量が所定値以下なので、自己のポ−ト番号21に接続される経路、つまり、図5において、ルータ3、ルータ4およびルータ5を通して宛先Cへ出力する経路(ルートd)を決定する。データはポート番号21経由で転送される。
【0033】
(送信元Bの伝送についてのルータ2及びルータ1の動作フローの説明)
図5及び図4を基に、本発明のルータを用いて図5の送信元Bから宛先Cへデータ伝送について説明する。ここでは、ルータの内部構成の説明は省略し、ルータ間のやりとりを中心に説明する。
【0034】
ルータ2は、送信元Bからデータを受信すると、そのデータを受信した入力ポート番号P7を記憶する。自己の経路記憶手段3に記憶されている図6(b)の優先経路の順位一位「0」(最適経路)のポート番号11を選定し、入力ポート7と最適経路であるポート番号11を読み出し、入力ポート番号P7と比較判定する。比較結果は、一致していないので、最適経路のポート番号11を仮出力経路と決定する。さらに、このポート番号11に相当する自己の出力バッファ6の使用量を調べ、所定値以下かどうか比較判定する。この場合、所定値以下と判定され(回線に余裕ありと判定され)るので、ポート番号11を最終の出力経路と決定して、送信元Bからのデータをポート番号11(P11)に接続されるネットワークE2へ送る(ルートc)。
【0035】
このルータ2からのデータを受けたルータ1は、入力ポート番号P5を記憶し、自己の経路記憶手段3に記憶されている順位一位「0」(最適経路)のポート番号3を選定し、入力ポート番号P5と比較判定する。比較結果は、一致していないので、最適経路のポート番号3を仮出力経路と決定し、このポート番号3に相当する自己の出力バッファ6の使用率を調べ、所定値以下かどうか比較判定する。ここで、出力ポート番号3に接続されるネットワークE1が高負荷状態とすると、使用率は高くなるので、ポート番号3の使用率は所定値以上と判定される。
【0036】
ルータ1は、再び自己の記憶手段3を検索して図6(a)の優先経路二位「1」のポート番号5を選定し、このポート番号5に相当する出力バッファ6の使用量を調べ、その調べた使用量が所定値以下かどうか比較判定する。ここで、ポート番号5の使用量は所定値以下と判定される。従って、ルータ1は、ポート番号5、ネットワークE2(ルートb)を通し、ルータ2から受けたデータをルータ2へ送り返す。
【0037】
ルータ1から送信元Bのデータを再び受けたルータ2は、上記説明と同様の動作を行う。この場合は、入力ポートが番号P11となり、自己の経路記憶手段3に記憶されている優先順位一位「0」のポート11(図6(b))と一致するので、優先順位ニ位「1」のポート番号21を選定し、そのポート番号21に相当する自己の出力バッファ6の使用量を調査し、その使用量が所定値以下であれば、そのポート番号21を最終出力経路として、ルータ1から受けた送信元Bのデータを出力する。ルータ3、ルータ4及びルータ5も同様の動作を行って、ルートdが形成され、データは宛先cへ送られる。
【0038】
上記の動作から、本発明のルータで構成されたネットワークでは、従来技術のように閉ループを形成することなく、高負荷であっても予備経路を使用してデータを伝送できるのでデータが破棄される確率が少なくなり、データ伝送の信頼性を向上できる。
【0039】
(詳細構成の説明)
図3を用いて、本発明の詳細構成を、ルータ1からルータ2がデータを受信する場合のそのルータ2の動作を例として説明する。
【0040】
ポート1は、パケット(データやRIP経路情報も含む)入出力のためのインタフェースである。ポートで受信したデータは入力バッファ5bに記憶されるとともに、経路検出器2aに送られる。
【0041】
経路検出器2aは、ルータ1からデータを受けてデータに付されているルータ1のアドレス、ソースアドレス(送信元A)等及び受信したポート番号(ルータ2のP11)等のアドレス情報を経路記憶手段3に記憶させる。また経路検出器2aは、経路記憶手段3から優先順位最上位の情報、つまり図6(b)の優先順位一位の経路情報「0」のポート番号11をポート比較器2bへ送るとともに、上記優先順位一位の経路情報「0」のポート番号11及び優先順位二位の経路情報「1」のポート番号21を読み出し、第1内部パケット生成器5cへ送る。
【0042】
ポート比較器2bは、データを受信したポート番号P11と優先順位最上位のポート番号11とを比較する。この場合は、同じ番号11で、一致するので、その結果を、第1内部パケット生成器5cへ送る。
【0043】
第1内部パケット生成器5cは、ポート比較器2bの結果が一致の場合は、経路検出器2aから送られている優先順位二位のポート番号21を選定し、この段階での仮出力経路を決定する(この場合は、データの入力ポート番号と最適経路の出力ポート番号とが一致するので、そのままであると閉鎖経路を構成するので、それを避けるための動作である。)。なお、ポート比較器2aの比較結果が不一致であれば、そのまま優先順位一位の経路、つまり最適経路を仮出力経路と決定する。
【0044】
さらに第1内部パケット生成器5cは、入力バッファ5bのデータに、決定した仮出力経路の情報、例えば、優先順位二位のポート番号21及びを示すカウンタ値「1」とを付加する形式(ポート比較器2bの比較結果が一致している場合は、最適経路ポート番号11とカウンタ値「0」)で、ほぼ同時にスイッチ5aに送る。スイッチ5aは、データに付されているポート番号を有する他のユニット8へデータを送る。
【0045】
データを送られたユニット8の一次バッファ5gが一旦、データを記憶する。
【0046】
以下は、データを送られたユニット8内の動作である(動作内容はどのユニット8でも同じである。)。予備経路検索手段4aは、データに付記されている仮出力経路の情報、つまりカウンタ値「1」を取りだして更に+1した値「2」に相当する優先順位の経路であるポート番号8を経路記憶手段3から読み出して、第2内部パケット生成器5eに送っておく。第2内部パケット生成器5eは、先のスイッチ5aと通して送られてきたデータに付されているカウンタ値「1」のポート番号21を読み出し、使用量判定手段4bに対して、出力バッファ6のポート番号21を指定し、その使用量を調査させる。使用量判定手段4bは、その調査した使用量がそのポート番号のバッファの使用許容量の80%で以下であれば、使用許可の通知を第2内部パケット生成器5eへ通知し、80%を超えるようであれば使用不許可の通知をする。
【0047】
上記は、判断の基準を80%としたが、例えば、これまでルータ1からの送信元Aのデータについてポート番号21の使用を説明してきたが、併せて送信元Bからのデータも送るような事態を考えるなら。余裕をみて50%としてもよい。或いは状況に応じて50%、又は80%の2段切り替えにして、判断してもよい
【0048】
第2内部パケット生成器5eは、▲1▼使用量判定手段4bから許可通知を受けた場合は、一次バッファ5g及び出力バッファ6に対して出力のポート番号21を通して、データを出力させる(したがって、ポート番号21を有するユニット8の出力バッファ6がデータを出力することになる。)。なお、一次バッファ5gから出力バッファ6にデータを出力する際に、データに付加されていた仮出力経路の情報は分離され、破棄される。
【0049】
▲2▼出力について不許可の通知を受けた場合は、一次バッファ5gに対してデータを出力させ、予め予備経路検索手段4aから受けていたカウンタ値「2」及びその値に優先順位の経路であるポート番号8とを経路情報として付して、逆流用バッファ5fに一旦、記憶させる。そして、逆流用バッファ5fからスイッチ5aへデータを送り、スイッチ5aは、その値に該当する優先順位ポートのあるユニット8へ送る。なお、入力制御器5dが、第1内部パケット生成器5c及び第2内部パケット生成器5eから指示されたタイミングで、入力バッファ5bからのデータ或いは逆流バッファ5fからのデータのいずれかを選択してスイッチ5aへ送るが、前者のデータが優先される。
【0050】
上記▲2▼の場合に、再びスイッチ5aを通してデータを受けたユニット8の第2内部パケット生成器5eは、出力バッファ6のポート番号8を指定し、その使用量を調査させる。その使用量の調査結果を受けた使用量判定手段4bは、その使用量がそのポート番号のバッファの使用許容量の80%以下であれば、使用許可の通知を第2内部パケット生成器5eへ通知し、80%を超えるようであれば使用不許可の通知をする。
【0051】
上記のようにして、使用量が所定の基準(閾値)を下回るポート、つまりは次の転送すべきネットワークをサーチするのであるが、経路記憶手段3に記憶されている予備経路が「3」までしかない場合に、最適経路及び予備経路1〜3全てについて使用不許可の通知を受けると、ポートが見つからないので、そのデータは、第2内部パケット生成器5eによって破棄される。しかしながら、本発明では、従来に比べ、予備経路「3」(優先順位四位)までの転送のチャンスが与えられる。
【0052】
本発明における上記構成は、ポート1及びスイッチ5a等を除き、CPU、ROM及びRAMで具現され、上記動作は、予めプログラムされてROMに記憶され、それをCPUで実行することにより、達成されている。本発明は、具現手段にかかわらず、本発明の請求項記載の機能手段の範囲及びその均等の範囲を範囲とする。
【0053】
【発明の効果】
上記のように、本発明のルータは、ネットワークに利用されても、閉ループを構成することなく予備経路を利用できる構成なので、高負荷の経路或いは断線等の障害があっても予備経路を使用してデータの伝送ができるのでデータが破棄される確率が少なくなり、データ伝送の信頼性を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明及び周辺を含む全体構成の例を示す図
【図2】本発明の一実施例を示す機能構成を示す図
【図3】図2の構成の詳細機能構成を示す図
【図4】本発明の動作フローを示す図
【図5】本発明に係る中継装置のルータ、具体的にネットワークに使用されているときの動作を説明するための図
【図6】各ルータが記憶している優先経路情報の例を示す図
【符号の説明】
1:ポート、2:入力経路判定手段、2a:経路検出器、2b:ポート比較器、3:経路記憶手段、4:経路選定手段、4a:予備経路検索手段、4b:使用量判定手段、5:内部伝送処理部、5a:スイッチ、5b:入力バッファ、5c:第1内部パケット生成器、5d:入力制御器、5e:第2内部パケット生成器、5f:逆流バッファ、5g:一次バッファ、6:出力バッファ、7:ルーティング手段、8:ユニット
Claims (3)
- 受信したデータを所定の宛先へ送信するための所定数の経路を特定する経路情報を優先順位を決めて記憶する経路記憶手段(3)と、接続されている複数の経路のうちの第1の経路から前記所定の宛先へのデータを受信したとき、前記経路記憶手段に記憶されている経路情報で特定される経路のうち前記第1の経路と異なる経路で、かつ使用量が所定値以下の経路であって、それらの経路の中で一番高い優先順位の第2の経路を前記所定の宛先への出力経路と決定する優先経路決定手段(2、4)とを備えた負荷分散型中継装置。
- 前記優先経路決定手段は、前記経路記憶手段に記憶されている経路情報で特定される経路のうち前記第1の経路と異なる経路を選定する入力経路判定手段(2)と、前記入力経路判定手段が選定した経路のうち優先順位の高い方の経路から、順に使用量が所定値以下であるかどうか判定し、最初に前記所定値以下になった経路を前記出力経路として決定する第2の経路を選定するための経路選定手段(4)とを備えた請求項1記載の負荷分散型中継装置。
- 受信したデータを所定の宛先へ送信するための所定数の経路の優先順位を決定し、その決定した経路の経路情報を経路記憶手段に優先順位に沿って記憶する準備段階(S0)と、
接続されている複数の経路のうちの第1の経路から前記所定の宛先のデータを受信したとき、前記第1の経路が、前記経路記憶手段に記憶されている優先順位一位の経路情報と比較して一致するか否か判定する入力経路判定段階(S3)と、
前記判定で一致していれば前記経路記憶手段が記憶している経路情報より優先順位二位の経路を、或いは前記判定段階で不一致であればそのまま優先順位一位の経路を仮出力経路と決定する仮決定段階(S4、S11)と、
前記仮出力経路の使用量を調査し、前記調査した使用量が所定量を超えるか超えないかを判定する使用量判断段階(S6)と、
前記使用量判断段階で超えると判定された場合は、超えると判定された仮出力経路より下位の優先順位の経路を前記経路記憶手段より選定し、選定した経路を新たな仮出力経路として前記使用量判定段階の判定にかける予備経路選定段階(S10)と、
前記使用量判定段階で所定量を超えないと判定された仮出力経路を、データを出力するための出力経路と確定する段階(S13)と
を備えた負荷分散型中継方法。
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