【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、隠し文字等機密データが施されている印刷物に関するものであり、特に網点で階調のある多色オフセット印刷物に隠し文字等機密データを施して、その偽造や複製を防止する潜像を有する多色印刷物およびその顕像化方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、印刷物中に隠し文字や絵柄、記号等機密データを施して、その偽造や複製を防止する印刷技術は、株券、商品券等有価証券類に適用されているものが殆どで、その印刷技術の一つとして、例えば万線が略１対１の幅の潜像部と非潜像部とでなり、その万線が潜像部と非潜像部で位相を１／２ピッチずらしてある印刷物に、この万線と同形状の万線パターンを有する万線フィルムを重ね合わせると潜像部のみが像として浮かび上がって見えるようになる「万線モアレ方式」という技術を用いた方法がある。この技術をさらに詳しく説明すると、例えば図８の上面図に示すように、幅とピッチが略１対１の万線パターンがハート型の潜像部（２２）とそれ以外の非潜像部（２４）とを形成し、図８に示すＡ部の部分拡大図として図９に示すように、潜像部（２２）と非潜像部（２４）の万線パターンの万線方向が同方向で、その位相を１／２ピッチずらしてあり、この像を万線モアレ像（３）といい、図１０の上面拡大図に示すように、この万線と略同形状（万線幅（Ｗ）とピッチ（Ｐ））の万線パターンを有する万線フィルム（３４）を重ね合わせると、非潜像部（２４）がこの万線フィルム（３４）の万線パターンで隠され、図１１に示すように、潜像部（２２）のみがハート型の画像として浮かび上がって見えるようになるものである。この万線モアレ像（３）を偽造防止用として使用する場合、図８に示すように、潜像部（２２）の近傍に例えば三角形の可視像（３６）を形成しておき、通常肉眼では三角形の可視像（３６）のみが見えているので、一見してこの可視像（３６）が偽造防止策と思わせるもので、実質の真偽判定は、図１０に示すように、上記万線フィルム（３４）をこの万線モアレ像に重ね合わせることによって、図１１に示すように、可視像（３６）に加えハート型の潜像部（２２）の有無で行うものである。
【０００３】
しかし、上記の「万線モアレ方式」の技術を利用した方法は、パターン自体は比較的単純であるため、その偽造防止等に気付き、それなりの知見と技術のある者であれば容易に作製可能なものであり、偽造防止という点では問題のあるものであった。
【０００４】
そこで上記の「万線モアレ方式」の技術を利用した方法の問題点を解決するものとして、例えばパターンが点、線、点線等を構成要素とする潜像と前記点、線、点線等とは大きさが異なる点、線、点線等を構成要素とする模様とバックグランドとを持つか、あるいはある色相の点、線、点線等を構成要素とする潜像とバックグランドと他の色相の点、線、点線等を構成要素とする模様とを持ち、かつこの潜像の構成要素はバックグランドの構成要素の持たない規則的な配列を持つもので、これに適当な模様の施された可視化補助体を適当な位置、角度で重ねることにより、前記潜像の部分のみモアレを生じて、前記潜像とバックグランドがはっきり対照して現れるようにした暗証印刷物がある（例えば、特許文献１参照。）。
【０００５】
【特許文献１】
特公昭６０−６４５号公報
【０００６】
しかしながら、上記暗証印刷物では、「万線モアレ方式」の技術に比べれば複雑化していて偽造や複製は困難となっているが、色が単色であることに加え、点、線、点線でなるパターンが潜像部で大きさ等が異なっていることなどから、潜像が視認され易いものとなり、かつその顕像化（真偽判定）でモアレのコントラストが小さく、判定しにくいという問題点のあるものであった。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、網点で階調のある隠し文字等潜像を有する多色オフセット印刷物において、この隠し文字等潜像が肉眼では視認されにくく、偽造、複製が困難で、かつその隠し文字等潜像の顕像が見やすく真偽判定のし易い潜像を有する多色印刷物とその顕像化方法を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項１の発明では、多色オフセット印刷のための集版工程で、多色印刷物を構成する多色版のうちの１版に非潜像部とスクリーン線数が同一でスクリーン角度が異なる網点でなる潜像部が施されていることを特徴とする潜像を有する多色印刷物としたものである。
【０００９】
上記請求項１の発明によれば、多色オフセット印刷のための集版工程で、多色印刷物を構成する多色版のうちの１版のみに、バックグランドである非潜像部とスクリーン線数が同じでスクリーン角度が異なる網点でなる潜像部が形成されているので、一見してその隠し文字等となる潜像部が視認しにくく、偽造防止効果のある潜像を有する多色印刷物とすることができる。
【００１０】
また、請求項２の発明では、上記多色印刷物を構成する多色版のうちの１版が黄版であることを特徴とする請求項１記載の潜像を有する多色印刷物としたものである。
【００１１】
上記請求項２の発明によれば、上記多色印刷物を構成する多色版のうちの１版を黄版とすることによって、潜像を有する多色印刷物の黄色部は肉眼ではその調子などが見にくいので、それに施されている潜像部は、バックグランドとなる非潜像部との区別が全くつかず、よってその潜像部はほとんど視認することができない潜像を有する多色印刷物とするもので、その結果潜像の存在に気がつかず、偽造防止効果をより完全にした潜像を有する多色印刷物を提供できる。
【００１２】
また、請求項３の発明では、上記請求項１の潜像を有する多色印刷物を、その網点を強調してスキャナー装置に取り込み、取り込まれた多色印刷物を構成する多色版のうちの１版のみをレタッチソフトにより前記スキャナー装置上に取り出し、潜像部と同一のスクリーン線数とスクリーン角度でなる平網像を重ね合わせてその潜像部にモアレを発生せしめることを特徴とする潜像を有する多色印刷物の顕像化方法としたものである。
【００１３】
上記請求項３の発明によれば、上記潜像を有する多色印刷物の網点を強調してスキャナー装置に取り込むので、尖鋭度の高い網点の画像が取り込まれ、その取り込まれた多色印刷物を構成する多色版のうちの１版の非潜像部と潜像部のみをレタッチソフトによりスキャナー装置のディスプレイ上に取り出し、それに前記潜像部と同一のスクリーン線数とスクリーン角度でなる平網像を合成することによって、鮮明なモアレが潜像部に発生する潜像を有する多色印刷物の顕像化方法とし、この潜像部の有無で多色印刷物の真偽判定を可能にするものである。
【００１４】
また、請求項４の発明では、上記多色印刷物を構成する多色版のうちの１版が黄版であることを特徴とする請求項３記載の潜像を有する多色印刷物の顕像化方法としたものである。
【００１５】
上記請求項４の発明によれば、上記多色印刷物を構成する多色版のうちの１版を黄版とすることによって、多色印刷物では視認しにくいことに加え、この網点を強調してスキャナー装置に取り込み、取り込まれた多色印刷物を構成する多色版のうちの黄版の非潜像部と潜像部のみをスキャナー装置のディスプレ上に白黒画像として取り込まれ、その潜像部の顕像化がより鮮明なモアレとしてえることができる。
【００１６】
さらにまた、請求項５の発明では、上記平網像の網点面積率は、４０％〜６０％の範囲であることを特徴とする請求項３または４記載の潜像を有する多色印刷物の顕像化方法としたものである。
【００１７】
上記請求項５の発明によれば、平網像の網点面積率を、４０％〜６０％の範囲とすることによって、潜像部に発生するモアレが鮮明なものとなり、真偽判定のし易い潜像を有する多色印刷物の顕像化方法とすることができ、４０％に満たないとモアレが薄過ぎ、逆に６０％を越えると全体が暗くなりモアレ発生の有無が不明となり、真偽判定がしにくくなるので好ましくないものとなる。
【００１８】
上記請求項１でいう集版工程とは、原版作成に必要なカットマスク、文字の合成、写真の合成、平網作業、色分け作業等を行う工程で、近年では、これら作業を集版装置のディスプレイ上で電子的に処理している。
【００１９】
また、上記請求項３、５でいう平網像とは、同じ大きさの網点が並んでできている均一濃度のパターンである。
【００２０】
また上記請求項１、３でいうスクリーン線数とは、網目スクリーンの１インチ（または１ｃｍ）間にある黒線の数で、これによりスクリーンの精粗を表す。例えばカラーの雑誌や商業印刷物では１２０〜２００線／インチの範囲とするのが一般的である。
【００２１】
さらにまた、スクリーン角度とは、網点が並んでいる方向性を表すための、基底線に対する角度をいい、カラー印刷でのスクリーン角度は、例えば図５に示すように、墨版（ＢＬ）を４５°、黄版（Ｙ）を９０°（０°と表現してもよい）として定用し、この黄版（Ｙ）９０°は、直交線は目立ちやすいので、目立たぬ色をもってきたものであり、シアン版（Ｃ）、マゼンタ版（Ｍ）は、７５°（または１５°）、１５°（または７５°）とし、これら版を重ね合わせるとモアレが発生しないようにこのスクリーン角度を調整している。
【００２２】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【００２３】
本発明は、偽造、複製の防止等を目的として、例えば図１の上面図に示すように、紙基材（１０）上にバックグランドである非潜像部（２４）中に隠し文字「ＴＯＰ」が潜像部（２２）として施されている４色印刷（２０）でなる潜像を有する多色印刷物（１）に関するものである。
【００２４】
そこで上記請求項１に係る発明は、図７に示すように、例えばスクリーン線数が１７５線／インチの網点で、そのスクリーン角度が黄版（Ｙ）で９０°、シアン版（Ｃ）で７５°、墨版（ＢＬ）で４５°、マゼンタ版（Ｍ）で１５°の４色印刷物において、図１に示すように、それら４色印刷（２０）を構成する４版のうちの１版に非潜像部（２４）とスクリーン角度が異なる隠し文字「ＴＯＰ」が潜像部（２２）が非潜像部（２４）中に施されている潜像を有する多色印刷物（１）である。
【００２５】
また、上記請求項２に係る発明は、上記４色印刷（２０）を構成する４版のうちの１版を黄版としたもので、例えば図７に示すこの黄版（Ｙ）のスクリーン角度は９０°でなり、その黄版（Ｙ）は、例えば図２に示すように、スクリーン角度９０°のバックグランドである非潜像部（２４）に、スクリーン角度３０°の隠し文字「ＴＯＰ」でなる潜像部（２２）が合成されているものである。
【００２６】
このように、黄版（Ｙ）のスクリーン角度９０°（０°）のバックグランドである非潜像部（２４）に対し、図７に示すようにこれより３０°ずらしたスクリーン角度３０°（Ｙａ）の潜像部（２２）としたものである。
【００２７】
上記スクリーン角度が９０°の非潜像部（２４）とスクリーン角度が３０°の潜像部（２２）で構成されている黄版（Ｙ）の作成は、集版工程でマスキング技術による写真的にも合成することができるが、近年では集版装置のディスプレイ上で電子的に合成され、黄版（Ｙ）のフィルム原版として出力されて得られるものである。
【００２８】
上記隠し文字「ＴＯＰ」の潜像部（２２）を有する版を４色版のうちのいずれでもよいが、このように黄版（Ｙ）としたのは、その網点を含め調子なども目立たず、隠し文字「ＴＯＰ」の潜像部（２２）が視認しにくいからであり、他のシアン版（Ｃ）やマゼンタ版（Ｍ）、墨版（ＢＬ）では、視認される危惧があるので、黄版（Ｙ）とするのが好ましい。
【００２９】
黄版（Ｙ）の潜像部（２２）のスクリーン角度を３０°としたが、原則的には非潜像部（２４）の９０°（０°）と後に述べる真偽判定ができる程度異なっていれば構わないが、多色印刷物からすると、この黄版（Ｙ）と混色となるシアン版（Ｃ）やマゼンタ版（Ｍ）のスクリーン角度と同一あるいは極端に近い角度とすると混色のモアレとなって潜像部（２２）が視認される危惧があるので、できればこの角度を避けた方がよい。なお墨版（ＢＬ）との混色モアレは、殆どあり得ない。従って印刷物での混色モアレの点からは上記の３０°に加え、６０°近傍がより好ましい角度である。
【００３０】
また、上記請求項３、４に係る発明は、図１に示す上記潜像を有する多色印刷物（１）の１色版に形成されている潜像部（２２）を顕像化する方法で、例えばこの潜像を有する多色印刷物（１）の４色印刷（２０）をその網点を強調してスキャナー装置に取り込む。この網点の強調とは、例えば図３（ａ）に示すような直径Ｒの円形網点（４０）の大きさを変えずに（画像全体の調子を変えずに）、図３（ｂ）に示すように、その周辺部の濃度が薄く、中心部が濃くなっているものを、図３（ｃ）に示すように、その周辺部の濃度が濃く、中心部が薄くなるようにするいわゆるシャープネス効果をスキャナー装置の操作で成さしめることである。
【００３１】
続いて網点が強調されて取り込まれた４色印刷（２０）の黄版（Ｙ）のみを、図４に示すように、スキャナー装置のディスプレイ（５０）上に取り出す。取り出された黄版（Ｙ）の網点は、シャープネス効果で尖鋭度が増し、スクリーン角度が９０°の非潜像部（２４）をバックグランドとし、それにスクリーン角度が３０°の潜像部（２２）が隠し文字「ＴＯＰ」として合成されているもので、この段階でも潜像部（２２）の隠し文字「ＴＯＰ」が視認されることもあるが、特に偽造防止という点からは問題はない。
【００３２】
上記で得られた尖鋭度の高いディスプレー上の潜像部（２２）と非潜像部（２４）でなる黄版（Ｙ）画像に、図５に示すように上記潜像部と同一のスクリーン線数１７５線／インチ、スクリーン角度３０°の平網像（３０）を電子的に合成すると、図６の拡大図に示すように、潜像部（２２）にはシャープ性（コントラストのある）モアレ（３２）を発生せしめる潜像を有する多色印刷物の顕像化方法である。
【００３３】
上記のように、潜像部（２２）と非潜像部（２４）とのスクリーン角度の差を３０°としているが、この差が３０°に満たないと、この平網像（３０）による顕像化で、潜像部（２２）とともに非潜像部（２４）にもモアレが発生し、真偽の判定がしにくくなる危惧があるので、少なくとも３０°以上とした方が好ましい。
【００３４】
また、上記請求項５に係る発明は、図５に示す平網像（３０）の網点面積率を、４０％〜６０％の範囲とするもので、この網点面積率が４０％に満たないと図６に示す潜像部（２２）のモアレ（３２）が薄過ぎて、真偽判定がしにくく、逆に６０％を越えると非潜像部（２４）を含め画像全体が暗くなってモアレ（３２）の発生の有無が不明となり、真偽判定がしにくくなるので好ましくない。
【００３５】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記請求項１に係る発明において、多色オフセット印刷のための集版工程で、多色印刷物を構成する多色版のうちの１版のみに非潜像部とスクリーン線数が同一でスクリーン角度が異なる網点でなる潜像部が形成されているので、一見してその隠し文字等となる潜像部が視認しにくく、偽造防止効果のある潜像を有する多色印刷物とすることができる。
【００３６】
また、上記請求項２に係る発明においては、上記多色印刷物を構成する多色版のうちの１版を黄版とすることによって、潜像を有する多色印刷物の黄色部は肉眼ではその調子などが見にくいので、それに施されている潜像部は、バックグランドとなる非潜像部との区別が全くつかず、よってその潜像部はほとんど視認することができない潜像を有する多色印刷物とするもので、その結果潜像の存在に気づかず、偽造防止効果をより完全にした潜像を有する多色印刷物を提供できる。
【００３７】
また、上記請求項３、４に係る発明においては、上記潜像を有する多色印刷物の網点を強調してスキャナー装置に取り込むので、尖鋭度の高い網点の画像が取り込まれ、その取り込まれた多色印刷物を構成する多色版のうちの１版、特に黄版の非潜像部と潜像部みをレタッチソフトによりスキャナー装置のディスプレイ上に取り出し、それに前記潜像部と同一のスクリーン線数とスクリーン角度でなる平網像を合成することによって、より鮮明なモアレが潜像部に発生する潜像を有する多色印刷物の顕像化方法とし、この潜像部の有無で多色印刷物の真偽判定を可能にするものである。
【００３８】
さらにまた、上記請求項５に係る発明においては、平網像の網点面積率を、４０％〜６０％の範囲とすることによって、潜像部に発生するモアレが薄くもなく、かつ全体に暗くもなくより鮮明なコントラストのあるものとなり、真偽判定のし易い潜像を有する多色印刷物の顕像化方法とすることがでる。
【００３９】
従って本発明は、隠し文字等機密データが施されている印刷物、特に網点で階調のある多色オフセット印刷物に隠し文字等機密データを施して、その偽造や複製を防止する多色印刷物およびその真偽の判定方法として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の潜像を有する多色印刷物の一実施の形態を説明するための上面図である。
【図２】本発明の潜像を有する多色印刷物を構成する色版の一事例を説明するための上面図である。
【図３】本発明の潜像を有する多色印刷物を構成する色版の網点を強調する過程を説明するための概略図である。
【図４】本発明の潜像を有する多色印刷物の顕像化方法の一工程を説明するための上面図である。
【図５】本発明の潜像を有する多色印刷物の顕像化方法の他の一工程を説明するための上面図である。
【図６】本発明の潜像を有する多色印刷物の顕像化方法で得られた画像の一事例を示す拡大上面図である。
【図７】本発明の潜像を有する多色印刷物のスクリーン角度の一事例を示す説明図である。
【図８】従来の潜像を有する印刷物を構成する万線モアレ像の一事例を説明するための上面図である。
【図９】図７に示す万線モアレ像の上面図のＡ部の拡大図である。
【図１０】図７に示す万線モアレ像に万線フィルムを重ね合わせた一事例を説明するための拡大図である。
【図１１】図７に示す万線モアレ像に万線フィルムを重ね合わせた際に浮き上がって見える潜像部の上面図である。
【符号の説明】
１‥‥潜像を有する多色印刷物
３‥‥万線モアレ像
１０‥‥紙基材
２０‥‥４色印刷
２２‥‥潜像部
２４‥‥非潜像部
３０‥‥平網像
３２‥‥モアレ
３４‥‥万線フィルム
３６‥‥可視像
４０‥‥円形網点
５０‥‥ディスプレイ
Ｐ‥‥万線ピッチ
Ｗ‥‥万線幅[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a printed matter to which confidential data such as hidden characters are applied, and in particular, to a confidential data such as multi-color offset printed matter having halftone dots to prevent forgery or duplication of the confidential data such as hidden characters. The present invention relates to a multicolor print having an image and a method for visualizing the image.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, printing technology that applies confidential data such as hidden characters, pictures, and symbols in printed matter to prevent counterfeiting and duplication has been applied to securities such as stock certificates and gift certificates. For example, a line is composed of a latent image portion and a non-latent image portion having a width of approximately one to one, and the lines are shifted in phase by 1/2 pitch between the latent image portion and the non-latent image portion. There is a method using a technology called "line moire method" in which only a latent image portion appears as an image when a line film having a line pattern having the same shape as the line is superimposed on a printed matter. . This technique will be described in further detail. For example, as shown in the top view of FIG. 8, a line pattern having a width and pitch of approximately one to one is composed of a heart-shaped latent image portion (22) and other non-latent image portions ( 24), and as shown in FIG. 9 as a partially enlarged view of a portion A shown in FIG. 8, the line direction of the line pattern of the latent image portion (22) and the non-latent image portion (24) is the same direction. The phase is shifted by ピ ッ チ pitch, and this image is called a line moire image (3). As shown in the enlarged top view of FIG. 10, the line has substantially the same shape (line width (W ) And a line film (34) having a line pattern of a pitch (P)), the non-latent image portion (24) is hidden by the line pattern of the line film (34). As shown, only the latent image portion (22) appears as a heart-shaped image. When this line moiré image (3) is used for forgery prevention, for example, a triangular visible image (36) is formed near the latent image portion (22) as shown in FIG. In FIG. 10, only the visible image (36) of the triangle is visible, so that at first glance this visible image (36) is considered to be a countermeasure to prevent counterfeiting. As shown in FIG. By superimposing the line film (34) on the line moire image, as shown in FIG. 11, the determination is made based on the presence or absence of the heart-shaped latent image portion (22) in addition to the visible image (36). .
[0003]
However, the method using the above-mentioned “man-line moiré method” is relatively simple in the pattern itself, so it is easy to fabricate it if someone with a reasonable knowledge and skill has noticed the prevention of forgery, etc. This is problematic in terms of preventing forgery.
[0004]
Therefore, as a solution to the problem of the method using the above-mentioned "line moire method", for example, a latent image having a pattern composed of points, lines, dotted lines, and the like, and the points, lines, dotted lines, etc. It has a pattern and a background having different sizes of points, lines, dotted lines, etc. and a background, or a latent image having a certain hue, a line, a dotted line, etc. as a component, and a background and another hue. , Lines, dotted lines, etc. as components, and the components of this latent image have a regular arrangement without the components of the background. There is a personal identification printed matter in which the auxiliary body is overlapped at an appropriate position and at an appropriate angle to generate moire only at the latent image portion so that the latent image and the background appear clearly in contrast (for example, see Patent Document 1). .).
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No. 60-645
However, in the above-mentioned password printed matter, forgery or duplication is difficult as compared with the technology of the "line moire method", but in addition to being a single color, a pattern consisting of dots, lines, and dotted lines is used. Has a problem that the latent image is easy to be visually recognized due to the difference in size and the like in the latent image portion, and the visualization (authentication determination) has a small moire contrast and is difficult to determine. Was something.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made to solve the problems of the related art, and an object of the present invention is to provide a multi-color offset printed material having a latent image such as a hidden character having a halftone dot gradation. To provide a multi-color printed matter having a latent image which is difficult to be visually recognized by the naked eye, difficult to forge and duplicate, and in which the latent image such as a hidden character is easy to see and the authenticity can be easily determined, and a method for visualizing the same. is there.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object in the present invention, according to the first aspect of the present invention, in a plate collection step for multicolor offset printing, non-latent printing is performed on one of the multicolor plates constituting a multicolor print. A multi-color printed matter having a latent image is provided, in which a latent image portion having a halftone dot having the same screen ruling and a different screen angle is provided.
[0009]
According to the first aspect of the present invention, in the plate collection process for multicolor offset printing, only one of the multicolor plates constituting the multicolor printed matter is provided with the background non-latent image portion and the screen line. Since a latent image portion consisting of halftone dots having the same number and different screen angles is formed, the latent image portion serving as a hidden character or the like is difficult to visually recognize at a glance, and a multicolor having a latent image having a forgery prevention effect is provided. It can be a printed matter.
[0010]
In the invention of claim 2, one of the multicolor plates constituting the multicolor print is a yellow plate, and the multicolor print having a latent image according to claim 1 is provided. is there.
[0011]
According to the second aspect of the present invention, by setting one of the multicolor plates constituting the multicolor print to a yellow plate, the yellow portion of the multicolor print having a latent image has the same condition as the naked eye. Since it is difficult to see, the latent image portion applied to it is indistinguishable from the non-latent image portion serving as the background, so that the latent image portion is a multicolor printed matter having a latent image which is hardly visible. As a result, it is possible to provide a multicolor printed matter having a latent image with a more complete anti-counterfeit effect without noticing the existence of the latent image.
[0012]
According to a third aspect of the present invention, the multicolor printed matter having the latent image of the first aspect is taken into a scanner device by emphasizing the halftone dots thereof, and the multicolor printed matter constituting the taken multicolor printed matter is taken out. A latent image is obtained by taking out only one plate onto the scanner device by retouching software and superimposing a flat screen image having the same screen ruling and screen angle as the latent image portion to generate moire in the latent image portion. This is a method for visualizing a multicolor print having an image.
[0013]
According to the third aspect of the present invention, since the dots of the multicolor print having the latent image are emphasized and taken into the scanner device, the image of the dots having high sharpness is taken and the taken multicolor print is taken. Only the non-latent image portion and the latent image portion of one of the multicolor plates constituting the multi-color plate are taken out on the display of the scanner device by the retouching software, and the flat screen having the same screen ruling and screen angle as the latent image portion is taken out. By combining the halftone images, a clear moiré is a method for visualizing a multicolor print having a latent image in which a latent image is generated in a latent image portion, and it is possible to determine whether the multicolor print is true or false based on the presence or absence of the latent image portion. Things.
[0014]
In the invention of claim 4, one of the multicolor plates constituting the multicolor print is a yellow plate, and the multicolor print having a latent image is visualized. Method.
[0015]
According to the fourth aspect of the present invention, by setting one of the multicolor plates constituting the multicolor print to a yellow plate, the halftone dots are emphasized in addition to being difficult to visually recognize in the multicolor print. The non-latent image portion and the latent image portion of the yellow plate among the multicolor plates constituting the multicolor printed matter taken in by the scanner device are taken in as a monochrome image on the display of the scanner device, and the latent image portion is read. Can be obtained as clearer moire.
[0016]
According to a fifth aspect of the present invention, the halftone dot area ratio of the flat halftone image is in a range of 40% to 60%. This is a visualization method.
[0017]
According to the fifth aspect of the present invention, by setting the halftone dot area ratio of the flat halftone image in the range of 40% to 60%, moire generated in the latent image portion becomes clear, and the true / false judgment is made. A method for visualizing a multicolor printed matter having an easily latent image can be obtained. If less than 40%, the moiré is too thin. This is not preferable because false determination is difficult.
[0018]
The plate collecting step referred to in claim 1 is a step of performing a cut mask, a composition of characters, a composition of a photograph, a flat screen operation, a color classification operation, and the like necessary for preparing an original plate. Processing electronically on the display.
[0019]
Further, the flat halftone image referred to in the third and fifth aspects is a pattern of uniform density in which halftone dots of the same size are arranged.
[0020]
The screen ruling referred to in claims 1 and 3 is the number of black lines between 1 inch (or 1 cm) of the mesh screen, and indicates the fineness of the screen. For example, in the case of color magazines and commercial prints, the range is generally 120 to 200 lines / inch.
[0021]
Furthermore, the screen angle refers to an angle with respect to a base line to represent the direction in which the halftone dots are arranged. The screen angle in color printing is, for example, as shown in FIG. 45 °, yellow plate (Y) is used as 90 ° (may be expressed as 0 °), and this yellow plate (Y) 90 ° has an inconspicuous color because the orthogonal lines are easy to stand out. Yes, the cyan plate (C) and the magenta plate (M) have 75 ° (or 15 °) and 15 ° (or 75 °). The screen angle is adjusted so that moire does not occur when these plates are superimposed. ing.
[0022]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0023]
For the purpose of preventing forgery and duplication, for example, as shown in the top view of FIG. 1, the present invention employs a hidden character "TOP" in a non-latent image portion (24) as a background on a paper base (10). "Regarding a multicolor printed matter (1) having a latent image of four-color printing (20) applied as a latent image portion (22).
[0024]
Therefore, as shown in FIG. 7, the invention according to claim 1 has a screen ruling of, for example, 175 lines / inch, a screen angle of 90 ° for the yellow plate (Y), and a screen angle of 90 ° for the cyan plate (C). As shown in FIG. 1, in a four-color print of 75 °, 45 ° for the black plate (BL), and 15 ° for the magenta plate (M), one of the four plates constituting the four-color print (20) as shown in FIG. A hidden character "TOP" having a screen angle different from that of the non-latent image portion (24) is a multicolor printed matter (1) having a latent image in which the latent image portion (22) is provided in the non-latent image portion (24). is there.
[0025]
In the invention according to claim 2, one of the four plates constituting the four-color printing (20) is a yellow plate. For example, the screen angle of the yellow plate (Y) shown in FIG. The yellow plate (Y) has a hidden character “TOP” having a screen angle of 30 ° on a non-latent image portion (24) which is a background having a screen angle of 90 °, as shown in FIG. 2, for example. Are synthesized.
[0026]
In this way, as shown in FIG. 7, the screen angle 30 ° (30 °) shifted from the non-latent image portion (24) which is the background of the yellow plate (Y) at the screen angle of 90 ° (0 °). The latent image part (22) of Ya).
[0027]
The yellow plate (Y) composed of the non-latent image portion (24) having a screen angle of 90 ° and the latent image portion (22) having a screen angle of 30 ° is formed by a photographic process using a masking technique in the plate collection process. However, in recent years, it is electronically synthesized on a display of a plate collecting device, and is obtained by being output as a yellow plate (Y) film original plate.
[0028]
The plate having the latent image portion (22) of the hidden character "TOP" may be any of the four-color plates. However, the yellow plate (Y) is used to make the tone including the halftone dots stand out. This is because the latent image portion (22) of the hidden character "TOP" is difficult to see, and there is a risk of being seen in other cyan (C), magenta (M), and black (BL) versions. , Yellow plate (Y).
[0029]
Although the screen angle of the latent image portion (22) of the yellow plate (Y) was set to 30 °, it was in principle different from the non-latent image portion (24) of 90 ° (0 °) to the extent that the authenticity determination described later can be performed. If the angle is the same as or extremely close to the screen angle of the cyan plate (C) or the magenta plate (M), which is mixed with the yellow plate (Y), the moire of the mixed color There is a risk that the latent image portion (22) may be visually recognized, so it is better to avoid this angle if possible. It should be noted that color mixture moire with the black plate (BL) is almost impossible. Therefore, from the viewpoint of color mixture moire in printed matter, in addition to the above-mentioned 30 °, the vicinity of 60 ° is a more preferable angle.
[0030]
The invention according to claims 3 and 4 is a method for visualizing a latent image portion (22) formed on a one-color plate of the multicolor printed matter (1) having the latent image shown in FIG. For example, a four-color print (20) of a multicolor print (1) having this latent image is taken into a scanner device with its halftone dots highlighted. The emphasis of the halftone dots refers to, for example, changing the size of a circular halftone dot (40) having a diameter R as shown in FIG. 3A (without changing the tone of the entire image), and FIG. As shown in FIG. 3C, the density of the periphery is low and the density of the center is high, and the density of the circumference is high and the density of the center is low as shown in FIG. This is to achieve the sharpness effect by operating the scanner device.
[0031]
Subsequently, only the yellow plate (Y) of the four-color printing (20) taken in with the halftone dots highlighted is taken out on the display (50) of the scanner device as shown in FIG. The halftone dots of the yellow plate (Y) taken out have sharpness increased by the sharpness effect, and the non-latent image portion (24) having a screen angle of 90 ° as a background, and the latent image portion (30) having a screen angle of 30 °. 22) is synthesized as a hidden character "TOP". At this stage, the hidden character "TOP" of the latent image portion (22) may be visually recognized, but there is no problem particularly in terms of forgery prevention. .
[0032]
As shown in FIG. 5, the yellow screen (Y) image composed of the latent image portion (22) and the non-latent image portion (24) on the display with high sharpness obtained above has the same screen as the latent image portion. When a flat screen image (30) having 175 lines / inch and a screen angle of 30 ° is electronically synthesized, the latent image portion (22) has sharpness (contrast) as shown in the enlarged view of FIG. This is a method for visualizing a multicolor print having a latent image that causes moiré (32).
[0033]
As described above, the difference between the screen angles of the latent image portion (22) and the non-latent image portion (24) is set to 30 °, but if the difference is less than 30 °, the screen image (30) is used. Since there is a possibility that moire is generated in the non-latent image portion (24) together with the latent image portion (22) during visualization and it is difficult to determine the authenticity, it is preferable to set the angle to at least 30 ° or more.
[0034]
In the invention according to claim 5, the halftone dot area ratio of the flat halftone image (30) shown in FIG. 5 is set in a range of 40% to 60%, and this halftone dot area ratio is less than 40%. Otherwise, the moire (32) of the latent image portion (22) shown in FIG. 6 is too thin to make it difficult to determine the authenticity. Conversely, if it exceeds 60%, the entire image including the non-latent image portion (24) becomes dark. It is not preferable because the presence or absence of the moiré (32) becomes unknown, making it difficult to determine the authenticity.
[0035]
【The invention's effect】
The present invention having the above configuration has the following effects.
That is, in the invention according to claim 1, in the plate collection step for multicolor offset printing, only one of the multicolor plates constituting the multicolor print has the same non-latent image portion and the same screen ruling. Since a latent image portion composed of halftone dots having different screen angles is formed, a latent image portion serving as a hidden character or the like is difficult to visually recognize at a glance, and a multicolor printed matter having a latent image having an anti-counterfeit effect is provided. Can be.
[0036]
In the invention according to the second aspect, one of the multicolor plates constituting the multicolor print is a yellow plate, so that the yellow portion of the multicolor print having a latent image is in tone to the naked eye. Is difficult to see, so that the latent image portion applied to it is indistinguishable from the non-latent image portion serving as the background, so that the latent image portion is a multicolor printed matter having a latent image that is hardly visible. As a result, it is possible to provide a multicolor printed matter having a latent image with a more complete anti-counterfeit effect without noticing the presence of the latent image.
[0037]
According to the third and fourth aspects of the present invention, since the dots of the multicolor print having the latent image are emphasized and captured by the scanner device, an image of the dots having high sharpness is captured and captured. The non-latent image portion and the latent image portion of the multi-color plate constituting the multi-color printed matter, especially the yellow plate, are taken out on a display of a scanner device by retouching software, and the same screen as the latent image portion is taken out. By synthesizing a flat screen image consisting of the number of lines and the screen angle, a clearer moiré becomes a method of visualizing a multicolor printed matter having a latent image in which a latent image occurs in the latent image portion. This makes it possible to determine the authenticity of the printed matter.
[0038]
Furthermore, in the invention according to claim 5, the halftone dot area ratio of the flat halftone image is in the range of 40% to 60%, so that moire generated in the latent image portion is not thin and the whole It is possible to realize a method for visualizing a multicolor printed matter having a latent image which is not dark but has a clear contrast and is easy to determine the authenticity.
[0039]
Accordingly, the present invention provides a multi-color printed matter to which confidential data such as hidden characters are applied, particularly a confidential data such as a multi-color offset printed matter with halftone dots to prevent the forgery or duplication of the confidential data such as hidden characters. An excellent practical effect is exhibited as a method of determining the authenticity.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a top view for explaining an embodiment of a multicolor print having a latent image according to the present invention.
FIG. 2 is a top view for explaining an example of a color plate constituting a multicolor print having a latent image according to the present invention.
FIG. 3 is a schematic diagram for explaining a process of enhancing halftone dots of a color plate constituting a multicolor print having a latent image according to the present invention.
FIG. 4 is a top view for explaining one step of a method for visualizing a multicolor print having a latent image according to the present invention.
FIG. 5 is a top view for explaining another step of the method for visualizing a multicolor print having a latent image according to the present invention.
FIG. 6 is an enlarged top view showing an example of an image obtained by the method for visualizing a multicolor print having a latent image according to the present invention.
FIG. 7 is an explanatory diagram showing an example of a screen angle of a multicolor print having a latent image according to the present invention.
FIG. 8 is a top view for explaining an example of a line moire image forming a conventional printed matter having a latent image.
9 is an enlarged view of a portion A in the top view of the line moire image shown in FIG. 7;
FIG. 10 is an enlarged view for explaining an example in which a line film is superimposed on the line moire image shown in FIG. 7;
FIG. 11 is a top view of a latent image portion that appears to be raised when a line film is superimposed on the line moire image shown in FIG. 7;
[Explanation of symbols]
1 Multicolor printed matter having a latent image 3 Line moire image 10 Paper base 20 Four-color printing 22 Latent image portion 24 Non-latent image portion 30 Flat screen image 32 ‥ Moiré 34 ‥‥ Line film 36 ‥‥ Visible image 40 ‥‥ Round dot 50 ‥‥ Display P ‥‥ Line pitch W ‥‥ Line width
