JP2004229680A - 流体の吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】少量の流体(典型的には液体)でも正確に吐出することが可能になる吐出装置を提供すること
【解決手段】所定量の流体を吐出するための流体の吐出装置1は、加圧流体Mが収容される圧力室Aと、流体の被吐出領域に連通される外部流路Dと圧力室Aとの間の吐出用開口を開閉する弁機構7と、圧力室A内の加圧流体Mの圧力P1を検出する高圧側圧力検出器24と、外部流路Dの流体の圧力P2を検出する低圧側圧力検出器25と、所定量の液体を圧力室Aから外部流路Dに吐出すべく、高圧側及び低圧側圧力検出器24,25による検出圧力P1,P2の差異に応じて弁機構7による吐出用開口の開閉を制御する弁制御機構8とを有する。典型的には、圧力室Aが加圧室Eを介して貯液タンク6に接続され、加圧室Eと圧力室A及び貯液タンク6の夫々との間に逆止弁42,43が設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】所定量の流体を吐出するための流体の吐出装置1は、加圧流体Mが収容される圧力室Aと、流体の被吐出領域に連通される外部流路Dと圧力室Aとの間の吐出用開口を開閉する弁機構7と、圧力室A内の加圧流体Mの圧力P1を検出する高圧側圧力検出器24と、外部流路Dの流体の圧力P2を検出する低圧側圧力検出器25と、所定量の液体を圧力室Aから外部流路Dに吐出すべく、高圧側及び低圧側圧力検出器24,25による検出圧力P1,P2の差異に応じて弁機構7による吐出用開口の開閉を制御する弁制御機構8とを有する。典型的には、圧力室Aが加圧室Eを介して貯液タンク6に接続され、加圧室Eと圧力室A及び貯液タンク6の夫々との間に逆止弁42,43が設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は流体の吐出装置に係り、より詳しくは、患者が身につけておいて、薬液を少量づつ吐出する小型の液体吐出装置等として用いられるに適した吐出装置に係る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
糖尿病患者が、小型の吐出装置としてのポンプを腹部(体表面)にベルトなどで取付けておいて、該小型ポンプにより薬液を注入し得るようにすることは、例えば、持続皮下インスリン注入療法CSII(Continuous subcutaneous Insulin Infusion)として知られている。このCSII療法で用いられる小型ポンプは、典型的には、シリンジ(注射器)の形態である。
【0003】
この種のCSII療法で用いられる小型ポンプは、典型的には、注射器の形態であり、薬液注入速度が例えば1μリットル/時間と極めて小さくまた注入されるべき薬液の量も微量であるので、注射器型のポンプからの薬液の注入量を正確に制御することが、容易ではない。また、注射器型のポンプで、薬液を体内に注入しようとすると、注射器本体の薬液貯留室すなわち貯液室の全体を直接加圧して薬液を吐出させることになるので、加圧及び吐出のためのエネルギ消費が大きくなったり大きな駆動力を出すべく駆動源が大型化するのを避け難い。更に、患者(人体)側の体液の圧力が患者の姿勢などによって変動する可能性があることから、吐出量を所定に制御することがより難しくなり易い。
【0004】
なお、注入ないし吐出ポンプとしては、例えば、薬液収容室を入口側の逆止圧力弁を介して貯液タンクに接続すると共に、出口側の逆止圧力弁を介して外部流路に接続しておき、該薬液収容室にバネ式ベローズの一端をつないでベローズの伸縮に応じて薬液収容室の全体の体積を可変にし、ベローズの他端に設けた磁性板に間欠的に磁気的な力をかけてベローズのバネ弾性に抗してベローズを間欠的に引伸ばすことにより、薬液を貯液タンクから薬液収容室を介して外部流路に吐出するようにすることも、提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、体内埋込型の薬液注入ポンプにおいて、特許文献1に記載の吐出ポンプを用いることも提案されている(例えば、特許文献2や特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第4373527号明細書(図4及びこれに関する説明部分)
【特許文献2】
特開平8−38594号公報(段落番号0012)
【特許文献3】
特開平8−52222号公報(段落番号0007)
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示の方法では、ベローズの往復動に伴う薬液収容室からの又は該薬液収容室への薬液の吐出量又は吸込量を微量にしてその量を正確に制御することは難しい。
【0007】
本発明は、前記諸点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、少量の流体(典型的には液体)でも正確に吐出することが可能になる吐出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の吐出装置は、前記目的を達成すべく、所定量の流体を吐出するための流体の吐出装置であって、加圧流体が収容される圧力室と、流体の被吐出領域に連通される外部流路と圧力室との間の吐出用開口を開閉する弁機構と、圧力室内の加圧流体の圧力を検出する高圧側圧力検出器と、外部流路の流体の圧力を検出する低圧側圧力検出器と、所定量の液体を圧力室から外部流路に吐出すべく、高圧側及び低圧側圧力検出器による検出圧力の差異に応じて弁機構による吐出用開口の開閉を制御する弁制御機構とを有する。なお、流体は典型的には、液体である。
【0009】
本発明の吐出装置では、「圧力室内の加圧流体の圧力を検出する高圧側圧力検出器と、外部流路の流体の圧力を検出する低圧側圧力検出器と、所定量の流体を圧力室から外部流路に吐出すべく、高圧側及び低圧側圧力検出器による検出圧力の差異に応じて弁機構による吐出用開口の開閉を制御する弁制御機構とを有する」ので、流体の吐出量が小さくてもまた外部の圧力が変動してもその吐出量を正確に制御することが可能になる。
【0010】
所定量の流体(典型的には液体)を圧力室から外部流路に吐出することを目的とした、弁機構による吐出用開口の開閉の弁制御機構による制御は、典型的には、高圧側及び低圧側の圧力検出器による検出圧力の差に応じて、弁機構による吐出用開口の開路時間を調整することにより行われる。但し、所望ならば、吐出用開口の開路時間を調整する代わりに、吐出用開口の開度(開口の回路の大きさ乃至断面積)を調整するようにしてもよい。
【0011】
本発明の吐出装置では、典型的には、例えば、弁機構が、小径の吐出用開口を備えた吐出用開口形成部及び吐出用開口形成部に一端でつながった大径の筒状部を備えた筒状のケースと、該ケースの吐出用開口を開閉する先細錐体状の弁部材と、該弁部材の大径側端部に一端で連結され該一端からケースの大径筒状部を貫通して延在し他端が大径筒状部の他端から突出した弁棒とを有し、弁制御機構が、アクチュエータとしてのモータと、該モータの回転に応じて弁部材の位置を調整すべくモータの出力軸と弁棒の突出端とを連結する動力伝達機構と、モータの回転制御機構とを有し、モータの回転制御機構が、高圧側及び低圧側の圧力検出器による検出圧力の差に応じて、モータの出力軸の回転を制御するように構成される。
【0012】
但し、所望ならば、例えば、弁機構がケースの吐出用開口を開閉する先細錐体状の弁部材と該弁部材の大径側端部に一端で連結され該一端からケースの大径筒状部を貫通して延在し他端が大径筒状部の他端から突出した弁棒とを有し、弁棒をその他端側から一端側に移動させて吐出用開口を閉じるようにする代わりに、弁機構の弁棒が一端側において弁のケースの吐出用開口形成部を貫通して延び該延在端に先太円錐台状の弁部材の小径側端部が連結され、弁棒をその一端側から他端側に移動させて吐出用開口を閉じるようにしてもよい。
【0013】
ここで、モータの回転制御機構は、モータのロータすなわち出力軸の回転速度を制御するようになっていても、ロータの回転回数を制御するようになっていても、ロータの回転速度と回転回数との両方を制御するようになっていてもよい。なお、モータの回転速度を制御する場合、典型的には、ロータの回転回数は所定に保たれ、回転速度が大きくなるほど吐出用開口の開路時間が短くなり吐出量が小さくなり、回転速度が小さくなるほど吐出用開口の開路時間が長くなり吐出量が多くなる。一方、ロータの回転回数を制御する場合、典型的には、ロータの回転回数は所定に保たれ、回転回数が多くなるほど吐出用開口の開路時間が長くなり、吐出量が多くなり、回転回数が少なくなるほど吐出用開口の開路時間が短くなり、吐出量が少なくなる。なお、吐出量の制御に際しては、例えば、温度など他の条件をも考慮するようにしてもよい。
【0014】
モータとしては、回転速度や回転角が確実に制御され得るものであればどのようなものでもよいけれども、小型化や正確な回転制御を図り且つエネルギ消費を最小限に抑えるためには、典型的には、一パルス毎にロータが半回転する時計用のステップモータが用いられる。
【0015】
本発明の吐出装置において、圧力室は、典型的には、加圧室を介して貯液タンクに接続され、加圧室と圧力室及び貯液タンクの夫々との間に逆止弁が設けられる。典型的には、圧力室及び加圧室は貯液タンクと比較してその体積が相当小さく、加圧室内の加圧や圧力室(吐出室)からの加圧液体の吐出に要する駆動力やエネルギ消費は較的小さい。
【0016】
その場合、注射器すなわちシリンジを用いるタイプの液体吐出装置と比較して、エネルギ消費を小さく抑えつつ小型化や薄型化を図ることが可能であるだけでなく、微量の吐出量の制御を正確に行ない易い。
【0017】
所定量の液体を吐出するための本発明の液体吐出装置は、また、加圧液体が収容される圧力室と、液体の被吐出領域に連通される外部流路と圧力室との間の吐出用開口を開閉する弁機構と、圧力室内の加圧液体の圧力を検出する高圧側圧力検出器と、外部流路の液体の圧力を検出する低圧側圧力検出器と、所定量の液体を圧力室から外部流路に吐出すべく、高圧側及び低圧側圧力検出器による検出圧力に応じて弁機構による吐出用開口の開閉を制御する弁制御機構とを有し、圧力室が加圧室を介して貯液室に接続され、加圧室と圧力室及び貯液室の夫々との間に逆止弁が設けられる。
【0018】
本発明の吐出装置は、薬液などを微量づつ正確に吐出・注入したりするためにも用いられ得、また、微量の液体を正確に吐出する吐出用ポンプとしても用いられ得る。本発明の吐出装置は、典型的には、液体の吐出に用いられるけれども、場合によっては、貯液室以外の領域のうちの少なくとも一部で、気相と液相とが共存する流体系や、気体の吐出に用いられてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい一実施の形態を添付図面に示した好ましい一実施例に基づいて説明する。
【0020】
【実施例】
本発明による好ましい一実施例の液体吐出装置1は、図1に示したように、吐出部2と加圧部3と貯液部4とからなる液体吐出装置本体部5を有する。貯液部4は、薬液Mが大気圧下で収容され薬液供給口6aから薬液Mを供給可能な貯液タンク6からなり、タンク6には補給口6bから薬液Mが補給可能である。
【0021】
吐出部2は、筒状のケース10及び吐出弁本体30からなる吐出弁機構7を有し、ケース10は、大径円筒状部11と、該大径円筒状部11の一端12から先細になるように延在して中空円錐台状の形状を有し内表面で吐出用開口Kを規定する吐出用開口形成部13と、該吐出用開口形成部13の先端から連続的に延び内表面で小径の外部流路Dを規定する外部流路形成部14とを有する。ケース10は、更に、大径円筒状部11の他端15において該円筒状部11を閉じる端壁部16と、大径円筒状部11の長手方向の中間部において、ケース10内の圧力室ないし吐出室A内に配置されたガイド部17とを有する。
【0022】
圧力室Aは、例えば、内径が数mm程度で長さがその数倍程度である。なお、この明細書においてここで又はこの後で示す各種の量の大きさなどは単なる一例であって、本発明において意図する動作を可能にする限り、各量はより大きくてもより小さくてもよい。ガイド部17及び端壁部16は、夫々、中央に貫通孔18及び19を備え、ガイド部17は、更に、外周側に周方向に間隔をおいて複数の切欠部21を備える。
【0023】
吐出弁本体30は、弁部材31と、一端部32で弁部材31に固定され中間部33がガイド部17の孔18及びケース10の端壁部16の孔19を軸線Bの延在方向に貫通して他端部34がケース10外に突出した弁棒35とを有する。弁部材31は、円錐台状の中央部分36と、この円錐台状中央部分36の大径側端部から連続的に軸線方向Bに伸びた円柱状部37と、円錐台状中央部分36の小径側端部から突出した先細の小径先端部38とを有する。
【0024】
従って、弁本体30のB2方向変位により、弁部材31が図1の(a)に示した閉位置N1から図1の(b)に示した最大開位置N2に移動すると、弁部材31の外表面39とこれに隣接するケース10の先細中空円錐台状の吐出流路形成部13の内表面20との間に、ほぼ一定の厚さの先細の吐出用開口Kの開口流路が形成される。図1の(b)では誇張して大きく示したけれども、弁本体30のB1,B2方向の可動距離Lは、例えば、0.5mm程度である。但し、この距離ないし長さLがより大きくてもより小さくてもよい。勿論ながら、弁本体30の弁部材31の表面39の形状や吐出流路形成部13の内表面20の形状は、図1の(a)のように、開口Kがなくなるように開口Kを閉じ得、且つ薬液Mの流量を時間で調整可能なように十分に絞り得る限り、図示の例とは異なる所望の形状でよい。
【0025】
また、最小限の量Qminの薬液Mを吐出するために、弁本体30が図1の(b)の最大開位置N2を含む開位置に設定される時間Tは、典型的には、1ms(ミリ秒)程度又はそれ以下である。
【0026】
ケース10には、圧力室A内の薬液Mの圧力P1を検出する圧力検出器24と、外部流路形成部14により形成された外部流路D内の薬液Mの圧力P2を検出する圧力検出器25とが設けられている。人の体内の体液などの圧力は人の姿勢や動作に応じてたとえば100kPa程度〜800kPa程度の範囲で変動するので、外部流路形成部14の圧力P2も典型的には例えば100〜800kPa程度の範囲で変動する。一方、圧力室A内の圧力P1は、後で詳述するように、吐出弁制御機構8によって、下流側の圧力P2よりも、例えば、50kPa程度(0.5気圧程度)高い圧力に保たれ、外部流路Dの圧力変動に応じて、例えば、150〜850kPa程度の圧力に調整される。
【0027】
圧力検出器24はケース10の大径筒状部11に装着され、圧力検出器25は外部流路形成部14に装着されている。圧力検出器24,25は、たとえば10kPa程度〜1000kPa程度の圧力範囲において圧力を所望の正確さで検出し得る限りどのようなものでもよい。圧力検出器24,25として、例えば、単結晶シリコン基板の薄肉化されたダイアフラム部分に形成された歪みゲージのブリッジ回路などからなる半導体圧力センサを用いる場合、必要に応じて、薬液Mに接触する表面部分に被覆層または被覆板などが形成ないし配置されてもよい。
【0028】
弁棒35の突出端部34は大径の駆動力入力部になっており、該大径端部34とケース10の端壁部16との間には、ベローズ22が設けられている。ベローズ22内の空間は実際上閉じられていてもよいけれども、所望ならば、貯液タンク6内の薬液Mの部分に連通されていてもよい。ケース10の端壁部16の後方がベローズ22によって閉じられているので、圧力室A内の高い圧力P1の作用下で薬液Mが圧力室Aから端壁部16の孔19と弁棒35との摺接領域を介して漏出しても、薬液Mが外部に漏れ出す虞れがない。従って、吐出部2を体内に埋込むことも可能である。但し、その場合、ベローズ22の変形が妨げられないようにベローズ22の外側を更に別の囲繞で囲んでおいてもよい。
【0029】
駆動入力部34には、駆動制御回路50の制御下にある駆動機構60によってB1,B2方向の駆動力が与えられ、圧力室Aと吐出流路Dとが弁機構7によって連通・遮断される。ここで、吐出弁制御機構8は、駆動制御回路50のうち吐出弁本体5の制御にかかわる部分(吐出弁駆動制御回路部)51と駆動機構60とからなる。駆動制御回路50は、マイクロプロセッサの如き演算部52と駆動回路部53とを含み、吐出弁駆動制御回路部51は、差圧演算部54と吐出弁駆動機構60の駆動回路部55とを含む。
【0030】
駆動機構60は、ステータ61及びロータ62を備えたアクチュエータとしてのモータ63と、モータ63のロータ62と一体的な出力軸としてのロータ歯車62aに噛合し偏心ピン64aを備えた減速歯車64と、長孔65a,65bを備え長孔65aで減速歯車64のピン64aに遊嵌され軸65cのまわりでF1,F2方向に回動可能な作動レバーないし駆動力伝達レバー65と、駆動入力端部34から延設され延設端部に伝達レバー65の長孔65bに遊嵌されたピン66aを備えた入力受容部66とを有する。従って、モータ63の回転駆動に応じて、ロータ62及びロータ歯車62a並びに減速歯車64が回転され、該歯車64の偏心ピン64aの回転に応じて駆動力伝達レバー65がF1,F2方向に揺動されて、吐出弁本体30がB1,B2方向に往復変位される。
【0031】
ここで、減速歯車64や偏心ピン64aや伝達レバー65や入力受容部66の構成ないし構造は、所望に応じて、モータ63の回転駆動力を弁本体30の往復変位に変換する任意の他の構成ないし構造で代替され得る。
【0032】
モータ63は、腕時計などで用いられている二極式のステップモータで、ステータ61に駆動信号入力用のコイル61aが巻かれ、静磁的な安定位置(方向)がステータ61の励磁時の磁場方向に対して斜め方向に向くようにロータ62が回転自在にステータ61のほぼ円形の磁極間隙に配置されている。詳細な構成は、腕時計用等のモータとして周知であるので、省略するけれども、このモータ63では、ステータ61のコイル61aに流される励磁電流の向きが変わるごとに、ロータ62が一方の向きに半回転する。
【0033】
ロータ62が半回転毎に伝達歯車64が所定角度だけ回転することが繰り返され、伝達レバー65が軸65cのまわりでF1,F2方向に往復回動され、弁棒30がB1,B2方向に往復変位される。前述のように、開口Kが開かれる場合には、開口Kの開路時間は、典型的には、1ms程度以下であるので、弁本体30も典型的には1ms程度以下の時間で往復動せしめられるから、ロータ62は典型的には、数1000回転/秒の速度で回転される。勿論、吐出弁本体5の動作のさせ方次第では、より長い時間のあいだ開口Kを開くようにしても、より短い時間のあいだ開口Kを開くようにしてもよい。更に、当然ながら、開口Kの開路時間は、開口Kの断面積や開口Kの間隙の厚さ(幅)や設計ないし設定差圧ΔP(=P1−P2)の大きさ等によって変更され得、必要に応じて流されるべき液体の粘性や温度などを考慮するようにしてもよい。
【0034】
なお、室Aを形成するケース10などは典型的にはSUS304の如きステンレス鋼などからなるけれども、所望ならばシリコン系等の樹脂でもよく、室A内の液体Mの圧力によって室Aの体積が多少変動可能なように、少なくとも一部で肉厚などが薄くなっていてもよい。
【0035】
加圧部3は、入口側流路41及び該流路41の逆止弁42を介して貯液部4の貯液タンク6の供給口6aに接続され、出口側流路43及び該流路43の逆止弁44を介して弁ケース10内の圧力室Aに連通される加圧室Eを備えた加圧ケース45を有する。
【0036】
加圧部3の加圧ケース45は、開口端が該ケース45に固定されたベローズ46によって規定された可変体積室Gに開口47を介して連通されている。ベローズ46の他端には加圧駆動部材48がH1,H2方向に移動可能に取付けられている。図示していないけれども、加圧駆動部材48のH1,H2方向の変位を案内する案内部材が、室E内に配置されていても、ベローズ46の外側に配置されていてもよい。
【0037】
加圧部3には、更に、駆動機構60と同様な加圧駆動機構70が設けられている。駆動機構70は、ステータ71及びロータ72を備えたアクチュエータとしてのモータ73と、モータ73のロータ72と一体的なロータ歯車72aに噛合し偏心ピン74aを備えた減速歯車74と、長孔75a,75bを備え長孔75aで減速歯車74のピン74aに遊嵌され軸75cのまわりでJ1,J2方向に回動可能な作動レバーないし駆動力伝達レバー75と、加圧駆動部材48から延設され延設端部に伝達レバー75の長孔75bに遊嵌されたピン76aを備えた入力受容部76とを有する。
【0038】
モータ73も腕時計などで用いられている二極式のステップモータで、ステータ71に駆動信号入力用のコイル71aが巻かれ、ステータ71のコイル71aに流される励磁電流の向きが変わるごとに、ロータ72が一方の向きに半回転する。ロータ72が半回転するごとに、減速歯車74が所定角度だけ回転することが繰返され、伝達レバー75が軸75cのまわりでJ1,J2方向に往復回動される。
【0039】
伝達レバー75がJ2方向に回動される際には室E,Gの圧力P3が下がって逆止弁44が閉じられると共に逆止弁42が開かれて貯液タンク6の薬液Mが流路41を介して加圧室Eに吸込まれる。一方、伝達レバー75がJ1方向に回動される際には室E,Gの圧力P3が上がって逆止弁42が閉じられると共に逆止弁44が開かれて加圧室Eの薬液Mが流路43を介して圧力室Aに送り込まれる。
【0040】
液体吐出装置1は、更に、弁制御回路50を有する。弁制御回路50は、圧力検出器24,25の検出圧力P1,P2の差ΔP=P1−P2及び所定時間T内に注入すべき薬液Mの注入量Qに応じて吐出弁部材30による通路の開路時間tを調整するように吐出駆動部60のモータ63のロータ62の回転回数を制御する吐出制御回路部51に加えて、差圧ΔPが所定の基準差圧ΔPsに一致するように加圧部3の加圧駆動部70の駆動を制御する加圧駆動制御回路部56を有する。加圧駆動制御回路部56も、差圧ΔPと基準差圧ΔPsとの差異δΔPを演算する演算部57と、差異δΔPに応じて加圧駆動部70のモータ73の回転速度を制御する駆動回路部58とを有する。
【0041】
なお、制御回路50は、更に、記憶部59を備え、該記憶部59には、吐出弁機構7のケース10の開口部Kにおいて吐出弁本体30とケース10との間に形成される流路の特性に応じたデータを保持する。例えば、ロータ62の回転速度Urpmと、圧力差ΔPと、吐出弁本体30の一回の往復動の間(開口部Kが閉状態N1から開状態N2に達し更に閉状態N1に戻るまでの間)の流量Qとの関係を、記憶部59にテーブルの形で予め格納しておく。また、記憶部には、インスリンのCSII療法の際の注入(吐出量)パターンないし注入プロファイルQ(t)が入力装置90から指定される。勿論、典型的なパターン乃至プロファイルQ(t)を予め記憶部に格納しておいて、食事その他のイベントに応じて又は体調等に応じて患者が入力装置90によってパターンを選択するようにしておいてもよい。制御回路50では、注入パターン乃至プロファイルQ(t)に従って、各時間帯等において吐出すべき流量Qに応じて、吐出弁本体30の往復動の回数を制御する。制御回路50の演算や管理などの機能は、典型的には、マイクロプロセッサと処理プログラムによって実現される。
【0042】
以上の如く構成された液体吐出装置1において、例えば、所定時間T内に最小単位量Qminの薬液Mを注入する場合、ロータ歯車62と減速歯車64との減速比Rに応じてロータ歯車62をR回またはその整数倍だけ、時間t(<<T)の間に回転させる。この時間tは、典型的には、1ms程度の時間である。但し、より短くてもよい。一方、圧力室A内の圧力変動が無視し得る程度の時間の範囲内であれば、時間tをより長くしてもよい。ここで、tとしては、薬液Mの注入が痛みその他の不快感を患者に与えることのない範囲内の時間が選択される。
【0043】
一方、所定時間T内に最小単位量Qminのk倍の量k・Qminの薬液Mを注入する場合、ロータ歯車62と伝達歯車64との減速比Rに応じてロータ歯車62をR回またはその整数倍だけ、時間t(<<T)の間に回転させることを、k回繰返す。この場合、最小単位量Qminの薬液Mの注入の仕方は一定にしておいて、最小単位の倍数kに応じて、繰返し回数を増やすことになる。但し、k・t≦Tの満たされる範囲に限られる。圧力室A内の圧力P1の変動が無視され難い程度に大きくなる場合には、典型的には、吐出弁機構7の開口Kが実際上閉じた状態にある間に又は該開口Kが閉じた状態で一端弁本体30の動作を停止させておいて、加圧部3から薬液Mを送り込んで圧力室Aの圧力P1を所定以上のレベルに上げる。
【0044】
なお、所定時間T内に最小単位量Qminのk倍の量k・Qminの薬液Mを注入する場合、上述のような定速での注入の代わりに、ロータ歯車62と減速歯車64との減速比Rに応じてロータ歯車62をR回またはその整数倍だけ、時間k・t(≦T)の間に回転させてもよい。すなわち、1/k倍の速度でゆっくり回転させて、開路時間をk倍にしてもよい。
【0045】
薬液Mの注入に伴う圧力室Aの圧力P1の低下が低下すると、差圧ΔPが一定レベルになるように、加圧部3の加圧駆動部70が駆動されて、逆止弁44が開かれ、加圧室Eから圧力室Aに薬液Mが注入され、圧力室P1の圧力が所定の大きさに保たれる。
【0046】
この液体吐出装置1では、圧力室(吐出室)A内の加圧薬液の圧力P1を検出する高圧側圧力検出器24と、外部流路Dの圧力P2を検出する低圧側圧力検出器25と、所定量の薬液Mを圧力室Aから外部流路Dに吐出すべく、高圧側及び低圧側圧力検出器24,25による検出圧力P1,P2の差ΔPに応じて弁機構7の本体30による吐出用開口Kの開閉を制御する弁制御機構8とを有するので、薬液Mの吐出量Qが小さくてもまた外部の圧力P2が変動してもその吐出量Qを正確に制御することが可能になる。また、この液体吐出装置1では、圧力室Aが加圧室Eを介して貯液タンク6に接続され、加圧室Eと圧力室A及び貯液タンク6の夫々との間に逆止弁44及び42が設けられているので、圧力室A及び加圧室Eの体積を貯液タンク6と比較してはるかに小さくし得るから、加圧室E内の加圧や圧力室(吐出室)Aからの加圧液体の吐出に要する駆動力やエネルギ消費が最小限に抑制され得る。
【0047】
以上においては、吐出弁機構30の吐出弁部材31が出口側に向かって先細になった円錐台形状を有し弁部材31がB1方向に変位されることによって吐出弁機構30の開口が閉じられる例について説明したけれども、図1の(c)に部分的に例示したように、弁部材30aが弁ケース10aに対してB2方向に変位されることによって開口が閉じられB1方向に変位されることによって開口が開かれるように、圧力室Aに近い側ほど細くなるような絞り部の下流側に弁部材30aの本体部31aが配置されていてもよい。その場合、例えば、所定量を超える弁部材本体部の下流側への移動を禁止して過度に大量の薬液Mが注入されるのを禁止するようにしておいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による好ましい一実施例の液体吐出装置を示したもので、(a)は装置の全体の模式的な説明図(必要に応じて部分的に断面図で示してある)、(b)は装置が開路状態にある場合の吐出弁の開口部分の断面説明図、(c)は変形例の吐出弁機構7aの一部の断面説明図。
【符号の説明】
1 液体吐出装置
2 吐出部
3 加圧部
4 貯液部
5 液体吐出装置本体部
6 貯液タンク
7 吐出弁機構
8 吐出弁制御機構
10 吐出弁ケース
24,25 圧力検出器
30 吐出弁本体
31 弁部材
35 弁棒
50 駆動制御回路
51 吐出弁駆動制御回路部
54 差圧演算部
60 吐出弁駆動機構
【発明の属する技術分野】
本発明は流体の吐出装置に係り、より詳しくは、患者が身につけておいて、薬液を少量づつ吐出する小型の液体吐出装置等として用いられるに適した吐出装置に係る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
糖尿病患者が、小型の吐出装置としてのポンプを腹部(体表面)にベルトなどで取付けておいて、該小型ポンプにより薬液を注入し得るようにすることは、例えば、持続皮下インスリン注入療法CSII(Continuous subcutaneous Insulin Infusion)として知られている。このCSII療法で用いられる小型ポンプは、典型的には、シリンジ(注射器)の形態である。
【0003】
この種のCSII療法で用いられる小型ポンプは、典型的には、注射器の形態であり、薬液注入速度が例えば1μリットル/時間と極めて小さくまた注入されるべき薬液の量も微量であるので、注射器型のポンプからの薬液の注入量を正確に制御することが、容易ではない。また、注射器型のポンプで、薬液を体内に注入しようとすると、注射器本体の薬液貯留室すなわち貯液室の全体を直接加圧して薬液を吐出させることになるので、加圧及び吐出のためのエネルギ消費が大きくなったり大きな駆動力を出すべく駆動源が大型化するのを避け難い。更に、患者(人体)側の体液の圧力が患者の姿勢などによって変動する可能性があることから、吐出量を所定に制御することがより難しくなり易い。
【0004】
なお、注入ないし吐出ポンプとしては、例えば、薬液収容室を入口側の逆止圧力弁を介して貯液タンクに接続すると共に、出口側の逆止圧力弁を介して外部流路に接続しておき、該薬液収容室にバネ式ベローズの一端をつないでベローズの伸縮に応じて薬液収容室の全体の体積を可変にし、ベローズの他端に設けた磁性板に間欠的に磁気的な力をかけてベローズのバネ弾性に抗してベローズを間欠的に引伸ばすことにより、薬液を貯液タンクから薬液収容室を介して外部流路に吐出するようにすることも、提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、体内埋込型の薬液注入ポンプにおいて、特許文献1に記載の吐出ポンプを用いることも提案されている(例えば、特許文献2や特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第4373527号明細書(図4及びこれに関する説明部分)
【特許文献2】
特開平8−38594号公報(段落番号0012)
【特許文献3】
特開平8−52222号公報(段落番号0007)
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示の方法では、ベローズの往復動に伴う薬液収容室からの又は該薬液収容室への薬液の吐出量又は吸込量を微量にしてその量を正確に制御することは難しい。
【0007】
本発明は、前記諸点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、少量の流体(典型的には液体)でも正確に吐出することが可能になる吐出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の吐出装置は、前記目的を達成すべく、所定量の流体を吐出するための流体の吐出装置であって、加圧流体が収容される圧力室と、流体の被吐出領域に連通される外部流路と圧力室との間の吐出用開口を開閉する弁機構と、圧力室内の加圧流体の圧力を検出する高圧側圧力検出器と、外部流路の流体の圧力を検出する低圧側圧力検出器と、所定量の液体を圧力室から外部流路に吐出すべく、高圧側及び低圧側圧力検出器による検出圧力の差異に応じて弁機構による吐出用開口の開閉を制御する弁制御機構とを有する。なお、流体は典型的には、液体である。
【0009】
本発明の吐出装置では、「圧力室内の加圧流体の圧力を検出する高圧側圧力検出器と、外部流路の流体の圧力を検出する低圧側圧力検出器と、所定量の流体を圧力室から外部流路に吐出すべく、高圧側及び低圧側圧力検出器による検出圧力の差異に応じて弁機構による吐出用開口の開閉を制御する弁制御機構とを有する」ので、流体の吐出量が小さくてもまた外部の圧力が変動してもその吐出量を正確に制御することが可能になる。
【0010】
所定量の流体(典型的には液体)を圧力室から外部流路に吐出することを目的とした、弁機構による吐出用開口の開閉の弁制御機構による制御は、典型的には、高圧側及び低圧側の圧力検出器による検出圧力の差に応じて、弁機構による吐出用開口の開路時間を調整することにより行われる。但し、所望ならば、吐出用開口の開路時間を調整する代わりに、吐出用開口の開度(開口の回路の大きさ乃至断面積)を調整するようにしてもよい。
【0011】
本発明の吐出装置では、典型的には、例えば、弁機構が、小径の吐出用開口を備えた吐出用開口形成部及び吐出用開口形成部に一端でつながった大径の筒状部を備えた筒状のケースと、該ケースの吐出用開口を開閉する先細錐体状の弁部材と、該弁部材の大径側端部に一端で連結され該一端からケースの大径筒状部を貫通して延在し他端が大径筒状部の他端から突出した弁棒とを有し、弁制御機構が、アクチュエータとしてのモータと、該モータの回転に応じて弁部材の位置を調整すべくモータの出力軸と弁棒の突出端とを連結する動力伝達機構と、モータの回転制御機構とを有し、モータの回転制御機構が、高圧側及び低圧側の圧力検出器による検出圧力の差に応じて、モータの出力軸の回転を制御するように構成される。
【0012】
但し、所望ならば、例えば、弁機構がケースの吐出用開口を開閉する先細錐体状の弁部材と該弁部材の大径側端部に一端で連結され該一端からケースの大径筒状部を貫通して延在し他端が大径筒状部の他端から突出した弁棒とを有し、弁棒をその他端側から一端側に移動させて吐出用開口を閉じるようにする代わりに、弁機構の弁棒が一端側において弁のケースの吐出用開口形成部を貫通して延び該延在端に先太円錐台状の弁部材の小径側端部が連結され、弁棒をその一端側から他端側に移動させて吐出用開口を閉じるようにしてもよい。
【0013】
ここで、モータの回転制御機構は、モータのロータすなわち出力軸の回転速度を制御するようになっていても、ロータの回転回数を制御するようになっていても、ロータの回転速度と回転回数との両方を制御するようになっていてもよい。なお、モータの回転速度を制御する場合、典型的には、ロータの回転回数は所定に保たれ、回転速度が大きくなるほど吐出用開口の開路時間が短くなり吐出量が小さくなり、回転速度が小さくなるほど吐出用開口の開路時間が長くなり吐出量が多くなる。一方、ロータの回転回数を制御する場合、典型的には、ロータの回転回数は所定に保たれ、回転回数が多くなるほど吐出用開口の開路時間が長くなり、吐出量が多くなり、回転回数が少なくなるほど吐出用開口の開路時間が短くなり、吐出量が少なくなる。なお、吐出量の制御に際しては、例えば、温度など他の条件をも考慮するようにしてもよい。
【0014】
モータとしては、回転速度や回転角が確実に制御され得るものであればどのようなものでもよいけれども、小型化や正確な回転制御を図り且つエネルギ消費を最小限に抑えるためには、典型的には、一パルス毎にロータが半回転する時計用のステップモータが用いられる。
【0015】
本発明の吐出装置において、圧力室は、典型的には、加圧室を介して貯液タンクに接続され、加圧室と圧力室及び貯液タンクの夫々との間に逆止弁が設けられる。典型的には、圧力室及び加圧室は貯液タンクと比較してその体積が相当小さく、加圧室内の加圧や圧力室(吐出室)からの加圧液体の吐出に要する駆動力やエネルギ消費は較的小さい。
【0016】
その場合、注射器すなわちシリンジを用いるタイプの液体吐出装置と比較して、エネルギ消費を小さく抑えつつ小型化や薄型化を図ることが可能であるだけでなく、微量の吐出量の制御を正確に行ない易い。
【0017】
所定量の液体を吐出するための本発明の液体吐出装置は、また、加圧液体が収容される圧力室と、液体の被吐出領域に連通される外部流路と圧力室との間の吐出用開口を開閉する弁機構と、圧力室内の加圧液体の圧力を検出する高圧側圧力検出器と、外部流路の液体の圧力を検出する低圧側圧力検出器と、所定量の液体を圧力室から外部流路に吐出すべく、高圧側及び低圧側圧力検出器による検出圧力に応じて弁機構による吐出用開口の開閉を制御する弁制御機構とを有し、圧力室が加圧室を介して貯液室に接続され、加圧室と圧力室及び貯液室の夫々との間に逆止弁が設けられる。
【0018】
本発明の吐出装置は、薬液などを微量づつ正確に吐出・注入したりするためにも用いられ得、また、微量の液体を正確に吐出する吐出用ポンプとしても用いられ得る。本発明の吐出装置は、典型的には、液体の吐出に用いられるけれども、場合によっては、貯液室以外の領域のうちの少なくとも一部で、気相と液相とが共存する流体系や、気体の吐出に用いられてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい一実施の形態を添付図面に示した好ましい一実施例に基づいて説明する。
【0020】
【実施例】
本発明による好ましい一実施例の液体吐出装置1は、図1に示したように、吐出部2と加圧部3と貯液部4とからなる液体吐出装置本体部5を有する。貯液部4は、薬液Mが大気圧下で収容され薬液供給口6aから薬液Mを供給可能な貯液タンク6からなり、タンク6には補給口6bから薬液Mが補給可能である。
【0021】
吐出部2は、筒状のケース10及び吐出弁本体30からなる吐出弁機構7を有し、ケース10は、大径円筒状部11と、該大径円筒状部11の一端12から先細になるように延在して中空円錐台状の形状を有し内表面で吐出用開口Kを規定する吐出用開口形成部13と、該吐出用開口形成部13の先端から連続的に延び内表面で小径の外部流路Dを規定する外部流路形成部14とを有する。ケース10は、更に、大径円筒状部11の他端15において該円筒状部11を閉じる端壁部16と、大径円筒状部11の長手方向の中間部において、ケース10内の圧力室ないし吐出室A内に配置されたガイド部17とを有する。
【0022】
圧力室Aは、例えば、内径が数mm程度で長さがその数倍程度である。なお、この明細書においてここで又はこの後で示す各種の量の大きさなどは単なる一例であって、本発明において意図する動作を可能にする限り、各量はより大きくてもより小さくてもよい。ガイド部17及び端壁部16は、夫々、中央に貫通孔18及び19を備え、ガイド部17は、更に、外周側に周方向に間隔をおいて複数の切欠部21を備える。
【0023】
吐出弁本体30は、弁部材31と、一端部32で弁部材31に固定され中間部33がガイド部17の孔18及びケース10の端壁部16の孔19を軸線Bの延在方向に貫通して他端部34がケース10外に突出した弁棒35とを有する。弁部材31は、円錐台状の中央部分36と、この円錐台状中央部分36の大径側端部から連続的に軸線方向Bに伸びた円柱状部37と、円錐台状中央部分36の小径側端部から突出した先細の小径先端部38とを有する。
【0024】
従って、弁本体30のB2方向変位により、弁部材31が図1の(a)に示した閉位置N1から図1の(b)に示した最大開位置N2に移動すると、弁部材31の外表面39とこれに隣接するケース10の先細中空円錐台状の吐出流路形成部13の内表面20との間に、ほぼ一定の厚さの先細の吐出用開口Kの開口流路が形成される。図1の(b)では誇張して大きく示したけれども、弁本体30のB1,B2方向の可動距離Lは、例えば、0.5mm程度である。但し、この距離ないし長さLがより大きくてもより小さくてもよい。勿論ながら、弁本体30の弁部材31の表面39の形状や吐出流路形成部13の内表面20の形状は、図1の(a)のように、開口Kがなくなるように開口Kを閉じ得、且つ薬液Mの流量を時間で調整可能なように十分に絞り得る限り、図示の例とは異なる所望の形状でよい。
【0025】
また、最小限の量Qminの薬液Mを吐出するために、弁本体30が図1の(b)の最大開位置N2を含む開位置に設定される時間Tは、典型的には、1ms(ミリ秒)程度又はそれ以下である。
【0026】
ケース10には、圧力室A内の薬液Mの圧力P1を検出する圧力検出器24と、外部流路形成部14により形成された外部流路D内の薬液Mの圧力P2を検出する圧力検出器25とが設けられている。人の体内の体液などの圧力は人の姿勢や動作に応じてたとえば100kPa程度〜800kPa程度の範囲で変動するので、外部流路形成部14の圧力P2も典型的には例えば100〜800kPa程度の範囲で変動する。一方、圧力室A内の圧力P1は、後で詳述するように、吐出弁制御機構8によって、下流側の圧力P2よりも、例えば、50kPa程度(0.5気圧程度)高い圧力に保たれ、外部流路Dの圧力変動に応じて、例えば、150〜850kPa程度の圧力に調整される。
【0027】
圧力検出器24はケース10の大径筒状部11に装着され、圧力検出器25は外部流路形成部14に装着されている。圧力検出器24,25は、たとえば10kPa程度〜1000kPa程度の圧力範囲において圧力を所望の正確さで検出し得る限りどのようなものでもよい。圧力検出器24,25として、例えば、単結晶シリコン基板の薄肉化されたダイアフラム部分に形成された歪みゲージのブリッジ回路などからなる半導体圧力センサを用いる場合、必要に応じて、薬液Mに接触する表面部分に被覆層または被覆板などが形成ないし配置されてもよい。
【0028】
弁棒35の突出端部34は大径の駆動力入力部になっており、該大径端部34とケース10の端壁部16との間には、ベローズ22が設けられている。ベローズ22内の空間は実際上閉じられていてもよいけれども、所望ならば、貯液タンク6内の薬液Mの部分に連通されていてもよい。ケース10の端壁部16の後方がベローズ22によって閉じられているので、圧力室A内の高い圧力P1の作用下で薬液Mが圧力室Aから端壁部16の孔19と弁棒35との摺接領域を介して漏出しても、薬液Mが外部に漏れ出す虞れがない。従って、吐出部2を体内に埋込むことも可能である。但し、その場合、ベローズ22の変形が妨げられないようにベローズ22の外側を更に別の囲繞で囲んでおいてもよい。
【0029】
駆動入力部34には、駆動制御回路50の制御下にある駆動機構60によってB1,B2方向の駆動力が与えられ、圧力室Aと吐出流路Dとが弁機構7によって連通・遮断される。ここで、吐出弁制御機構8は、駆動制御回路50のうち吐出弁本体5の制御にかかわる部分(吐出弁駆動制御回路部)51と駆動機構60とからなる。駆動制御回路50は、マイクロプロセッサの如き演算部52と駆動回路部53とを含み、吐出弁駆動制御回路部51は、差圧演算部54と吐出弁駆動機構60の駆動回路部55とを含む。
【0030】
駆動機構60は、ステータ61及びロータ62を備えたアクチュエータとしてのモータ63と、モータ63のロータ62と一体的な出力軸としてのロータ歯車62aに噛合し偏心ピン64aを備えた減速歯車64と、長孔65a,65bを備え長孔65aで減速歯車64のピン64aに遊嵌され軸65cのまわりでF1,F2方向に回動可能な作動レバーないし駆動力伝達レバー65と、駆動入力端部34から延設され延設端部に伝達レバー65の長孔65bに遊嵌されたピン66aを備えた入力受容部66とを有する。従って、モータ63の回転駆動に応じて、ロータ62及びロータ歯車62a並びに減速歯車64が回転され、該歯車64の偏心ピン64aの回転に応じて駆動力伝達レバー65がF1,F2方向に揺動されて、吐出弁本体30がB1,B2方向に往復変位される。
【0031】
ここで、減速歯車64や偏心ピン64aや伝達レバー65や入力受容部66の構成ないし構造は、所望に応じて、モータ63の回転駆動力を弁本体30の往復変位に変換する任意の他の構成ないし構造で代替され得る。
【0032】
モータ63は、腕時計などで用いられている二極式のステップモータで、ステータ61に駆動信号入力用のコイル61aが巻かれ、静磁的な安定位置(方向)がステータ61の励磁時の磁場方向に対して斜め方向に向くようにロータ62が回転自在にステータ61のほぼ円形の磁極間隙に配置されている。詳細な構成は、腕時計用等のモータとして周知であるので、省略するけれども、このモータ63では、ステータ61のコイル61aに流される励磁電流の向きが変わるごとに、ロータ62が一方の向きに半回転する。
【0033】
ロータ62が半回転毎に伝達歯車64が所定角度だけ回転することが繰り返され、伝達レバー65が軸65cのまわりでF1,F2方向に往復回動され、弁棒30がB1,B2方向に往復変位される。前述のように、開口Kが開かれる場合には、開口Kの開路時間は、典型的には、1ms程度以下であるので、弁本体30も典型的には1ms程度以下の時間で往復動せしめられるから、ロータ62は典型的には、数1000回転/秒の速度で回転される。勿論、吐出弁本体5の動作のさせ方次第では、より長い時間のあいだ開口Kを開くようにしても、より短い時間のあいだ開口Kを開くようにしてもよい。更に、当然ながら、開口Kの開路時間は、開口Kの断面積や開口Kの間隙の厚さ(幅)や設計ないし設定差圧ΔP(=P1−P2)の大きさ等によって変更され得、必要に応じて流されるべき液体の粘性や温度などを考慮するようにしてもよい。
【0034】
なお、室Aを形成するケース10などは典型的にはSUS304の如きステンレス鋼などからなるけれども、所望ならばシリコン系等の樹脂でもよく、室A内の液体Mの圧力によって室Aの体積が多少変動可能なように、少なくとも一部で肉厚などが薄くなっていてもよい。
【0035】
加圧部3は、入口側流路41及び該流路41の逆止弁42を介して貯液部4の貯液タンク6の供給口6aに接続され、出口側流路43及び該流路43の逆止弁44を介して弁ケース10内の圧力室Aに連通される加圧室Eを備えた加圧ケース45を有する。
【0036】
加圧部3の加圧ケース45は、開口端が該ケース45に固定されたベローズ46によって規定された可変体積室Gに開口47を介して連通されている。ベローズ46の他端には加圧駆動部材48がH1,H2方向に移動可能に取付けられている。図示していないけれども、加圧駆動部材48のH1,H2方向の変位を案内する案内部材が、室E内に配置されていても、ベローズ46の外側に配置されていてもよい。
【0037】
加圧部3には、更に、駆動機構60と同様な加圧駆動機構70が設けられている。駆動機構70は、ステータ71及びロータ72を備えたアクチュエータとしてのモータ73と、モータ73のロータ72と一体的なロータ歯車72aに噛合し偏心ピン74aを備えた減速歯車74と、長孔75a,75bを備え長孔75aで減速歯車74のピン74aに遊嵌され軸75cのまわりでJ1,J2方向に回動可能な作動レバーないし駆動力伝達レバー75と、加圧駆動部材48から延設され延設端部に伝達レバー75の長孔75bに遊嵌されたピン76aを備えた入力受容部76とを有する。
【0038】
モータ73も腕時計などで用いられている二極式のステップモータで、ステータ71に駆動信号入力用のコイル71aが巻かれ、ステータ71のコイル71aに流される励磁電流の向きが変わるごとに、ロータ72が一方の向きに半回転する。ロータ72が半回転するごとに、減速歯車74が所定角度だけ回転することが繰返され、伝達レバー75が軸75cのまわりでJ1,J2方向に往復回動される。
【0039】
伝達レバー75がJ2方向に回動される際には室E,Gの圧力P3が下がって逆止弁44が閉じられると共に逆止弁42が開かれて貯液タンク6の薬液Mが流路41を介して加圧室Eに吸込まれる。一方、伝達レバー75がJ1方向に回動される際には室E,Gの圧力P3が上がって逆止弁42が閉じられると共に逆止弁44が開かれて加圧室Eの薬液Mが流路43を介して圧力室Aに送り込まれる。
【0040】
液体吐出装置1は、更に、弁制御回路50を有する。弁制御回路50は、圧力検出器24,25の検出圧力P1,P2の差ΔP=P1−P2及び所定時間T内に注入すべき薬液Mの注入量Qに応じて吐出弁部材30による通路の開路時間tを調整するように吐出駆動部60のモータ63のロータ62の回転回数を制御する吐出制御回路部51に加えて、差圧ΔPが所定の基準差圧ΔPsに一致するように加圧部3の加圧駆動部70の駆動を制御する加圧駆動制御回路部56を有する。加圧駆動制御回路部56も、差圧ΔPと基準差圧ΔPsとの差異δΔPを演算する演算部57と、差異δΔPに応じて加圧駆動部70のモータ73の回転速度を制御する駆動回路部58とを有する。
【0041】
なお、制御回路50は、更に、記憶部59を備え、該記憶部59には、吐出弁機構7のケース10の開口部Kにおいて吐出弁本体30とケース10との間に形成される流路の特性に応じたデータを保持する。例えば、ロータ62の回転速度Urpmと、圧力差ΔPと、吐出弁本体30の一回の往復動の間(開口部Kが閉状態N1から開状態N2に達し更に閉状態N1に戻るまでの間)の流量Qとの関係を、記憶部59にテーブルの形で予め格納しておく。また、記憶部には、インスリンのCSII療法の際の注入(吐出量)パターンないし注入プロファイルQ(t)が入力装置90から指定される。勿論、典型的なパターン乃至プロファイルQ(t)を予め記憶部に格納しておいて、食事その他のイベントに応じて又は体調等に応じて患者が入力装置90によってパターンを選択するようにしておいてもよい。制御回路50では、注入パターン乃至プロファイルQ(t)に従って、各時間帯等において吐出すべき流量Qに応じて、吐出弁本体30の往復動の回数を制御する。制御回路50の演算や管理などの機能は、典型的には、マイクロプロセッサと処理プログラムによって実現される。
【0042】
以上の如く構成された液体吐出装置1において、例えば、所定時間T内に最小単位量Qminの薬液Mを注入する場合、ロータ歯車62と減速歯車64との減速比Rに応じてロータ歯車62をR回またはその整数倍だけ、時間t(<<T)の間に回転させる。この時間tは、典型的には、1ms程度の時間である。但し、より短くてもよい。一方、圧力室A内の圧力変動が無視し得る程度の時間の範囲内であれば、時間tをより長くしてもよい。ここで、tとしては、薬液Mの注入が痛みその他の不快感を患者に与えることのない範囲内の時間が選択される。
【0043】
一方、所定時間T内に最小単位量Qminのk倍の量k・Qminの薬液Mを注入する場合、ロータ歯車62と伝達歯車64との減速比Rに応じてロータ歯車62をR回またはその整数倍だけ、時間t(<<T)の間に回転させることを、k回繰返す。この場合、最小単位量Qminの薬液Mの注入の仕方は一定にしておいて、最小単位の倍数kに応じて、繰返し回数を増やすことになる。但し、k・t≦Tの満たされる範囲に限られる。圧力室A内の圧力P1の変動が無視され難い程度に大きくなる場合には、典型的には、吐出弁機構7の開口Kが実際上閉じた状態にある間に又は該開口Kが閉じた状態で一端弁本体30の動作を停止させておいて、加圧部3から薬液Mを送り込んで圧力室Aの圧力P1を所定以上のレベルに上げる。
【0044】
なお、所定時間T内に最小単位量Qminのk倍の量k・Qminの薬液Mを注入する場合、上述のような定速での注入の代わりに、ロータ歯車62と減速歯車64との減速比Rに応じてロータ歯車62をR回またはその整数倍だけ、時間k・t(≦T)の間に回転させてもよい。すなわち、1/k倍の速度でゆっくり回転させて、開路時間をk倍にしてもよい。
【0045】
薬液Mの注入に伴う圧力室Aの圧力P1の低下が低下すると、差圧ΔPが一定レベルになるように、加圧部3の加圧駆動部70が駆動されて、逆止弁44が開かれ、加圧室Eから圧力室Aに薬液Mが注入され、圧力室P1の圧力が所定の大きさに保たれる。
【0046】
この液体吐出装置1では、圧力室(吐出室)A内の加圧薬液の圧力P1を検出する高圧側圧力検出器24と、外部流路Dの圧力P2を検出する低圧側圧力検出器25と、所定量の薬液Mを圧力室Aから外部流路Dに吐出すべく、高圧側及び低圧側圧力検出器24,25による検出圧力P1,P2の差ΔPに応じて弁機構7の本体30による吐出用開口Kの開閉を制御する弁制御機構8とを有するので、薬液Mの吐出量Qが小さくてもまた外部の圧力P2が変動してもその吐出量Qを正確に制御することが可能になる。また、この液体吐出装置1では、圧力室Aが加圧室Eを介して貯液タンク6に接続され、加圧室Eと圧力室A及び貯液タンク6の夫々との間に逆止弁44及び42が設けられているので、圧力室A及び加圧室Eの体積を貯液タンク6と比較してはるかに小さくし得るから、加圧室E内の加圧や圧力室(吐出室)Aからの加圧液体の吐出に要する駆動力やエネルギ消費が最小限に抑制され得る。
【0047】
以上においては、吐出弁機構30の吐出弁部材31が出口側に向かって先細になった円錐台形状を有し弁部材31がB1方向に変位されることによって吐出弁機構30の開口が閉じられる例について説明したけれども、図1の(c)に部分的に例示したように、弁部材30aが弁ケース10aに対してB2方向に変位されることによって開口が閉じられB1方向に変位されることによって開口が開かれるように、圧力室Aに近い側ほど細くなるような絞り部の下流側に弁部材30aの本体部31aが配置されていてもよい。その場合、例えば、所定量を超える弁部材本体部の下流側への移動を禁止して過度に大量の薬液Mが注入されるのを禁止するようにしておいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による好ましい一実施例の液体吐出装置を示したもので、(a)は装置の全体の模式的な説明図(必要に応じて部分的に断面図で示してある)、(b)は装置が開路状態にある場合の吐出弁の開口部分の断面説明図、(c)は変形例の吐出弁機構7aの一部の断面説明図。
【符号の説明】
1 液体吐出装置
2 吐出部
3 加圧部
4 貯液部
5 液体吐出装置本体部
6 貯液タンク
7 吐出弁機構
8 吐出弁制御機構
10 吐出弁ケース
24,25 圧力検出器
30 吐出弁本体
31 弁部材
35 弁棒
50 駆動制御回路
51 吐出弁駆動制御回路部
54 差圧演算部
60 吐出弁駆動機構
Claims (9)
- 所定量の流体を吐出するための流体の吐出装置であって、
加圧流体が収容される圧力室と、
流体の被吐出領域に連通される外部流路と圧力室との間の吐出用開口を開閉する弁機構と、
圧力室内の加圧流体の圧力を検出する高圧側圧力検出器と、
外部流路の流体の圧力を検出する低圧側圧力検出器と、
所定量の流体を圧力室から外部流路に吐出すべく、高圧側及び低圧側圧力検出器による検出圧力の差異に応じて弁機構による吐出用開口の開閉を制御する弁制御機構と
を有してなる流体の吐出装置。 - 流体が液体である請求項1に記載の吐出装置。
- 弁制御機構が、高圧側及び低圧側の圧力検出器による検出圧力の差に応じて、弁機構による吐出用開口の開路時間を調整するように構成されている請求項2に記載の吐出装置。
- 弁機構が、小径の吐出用開口を備えた吐出用開口形成部及び吐出用開口形成部に一端でつながった大径の筒状部を備えた筒状のケースと、該ケースの吐出用開口を開閉する先細錐体状の弁部材と、該弁部材の大径側端部に一端で連結され該一端からケースの大径筒状部を貫通して延在し他端が大径筒状部の他端から突出した弁棒とを有し、
弁制御機構が、モータと、該モータの回転に応じて弁部材の位置を調整すべくモータの出力軸と弁棒の突出端とを連結する動力伝達機構と、モータの回転制御機構とを有し、
モータの回転制御機構が、高圧側及び低圧側の圧力検出器による検出圧力の差に応じて、モータの出力軸の回転を制御するように構成されている請求項2又は3に記載の吐出装置。 - モータの回転制御機構が、モータのロータの回転速度及び回転回数のうちの少なくとも一方を制御するように構成されている請求項4に記載の吐出装置。
- モータは、一つの駆動パルスを受ける毎にロータが半回転する時計用のステップモータである請求項4又は5に記載の吐出装置。
- ケースの端壁部の後方が弁棒の大径端部とベローズとによって密閉されていることを特徴とする請求項4から6までのいずれかひとつの項に記載の吐出装置。
- 圧力室が加圧室を介して貯液タンクに接続され、加圧室と圧力室及び貯液タンクの夫々との間に逆止弁が設けられている請求項2から7までのいずれか一つの項に記載の吐出装置。
- 所定量の液体を吐出するための液体の吐出装置であって、
加圧液体が収容される圧力室と、
液体の被吐出領域に連通される外部流路と圧力室との間の吐出用開口を開閉する弁機構と、
圧力室内の加圧液体の圧力を検出する高圧側圧力検出器と、
外部流路の液体の圧力を検出する低圧側圧力検出器と、
所定量の液体を圧力室から外部流路に吐出すべく、高圧側及び低圧側圧力検出器による検出圧力に応じて弁機構による吐出用開口の開閉を制御する弁制御機構とを有し、
圧力室が加圧室を介して貯液室に接続され、加圧室と圧力室及び貯液室の夫々との間に逆止弁が設けられている液体吐出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003018210A JP2004229680A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | 流体の吐出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003018210A JP2004229680A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | 流体の吐出装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004229680A true JP2004229680A (ja) | 2004-08-19 |
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ID=32948401
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003018210A Pending JP2004229680A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | 流体の吐出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004229680A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007289806A (ja) * | 2006-04-21 | 2007-11-08 | Nippon Steel Chem Co Ltd | 液状物吐出装置 |
JP2010071283A (ja) * | 2008-09-19 | 2010-04-02 | Ing Erich Pfeiffer Gmbh & Co Kg | 吐出装置 |
KR101292718B1 (ko) * | 2011-03-04 | 2013-08-01 | 주식회사 바이오넷 | 주사액 토출기 테스트용 지그 |
US11504471B2 (en) | 2018-04-12 | 2022-11-22 | Diatech Diabetes, Inc. | Systems and methods for detecting disruptions in fluid delivery devices |
-
2003
- 2003-01-28 JP JP2003018210A patent/JP2004229680A/ja active Pending
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