JP2004229433A - リラクタンスモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】電気的性能としての同期特性を満足し、かつ、危険回転数を稼動回転数より十分高くとることが可能な2極機リラクタンスモータの回転子構造を構築する。
【解決手段】複数のフラックスバリアスリットS1〜S5によって、回転子本体1aにおける磁束の流れやすい方向であるd軸とこれに直交する磁束の流れにくい方向であるq軸とを構成し、d軸とq軸との間に発生するリラクタンストルクを利用して回転する回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータにおいて、回転子本体1aの中心部に一体に結合される第1の回転軸部材4と、第1の回転軸部材4における端部4b,4cの外周部に嵌合によって結合される軸部5a,5bを有する第2の回転軸部材5とを設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】複数のフラックスバリアスリットS1〜S5によって、回転子本体1aにおける磁束の流れやすい方向であるd軸とこれに直交する磁束の流れにくい方向であるq軸とを構成し、d軸とq軸との間に発生するリラクタンストルクを利用して回転する回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータにおいて、回転子本体1aの中心部に一体に結合される第1の回転軸部材4と、第1の回転軸部材4における端部4b,4cの外周部に嵌合によって結合される軸部5a,5bを有する第2の回転軸部材5とを設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、リラクタンスモータ、特に、フラックスバリアスリットにより突極性を付与された回転子を具備し、回転子位置に応じて変化するリラクタンスによってトルクを発生するようにした2極のシンクロナスリラクタンスモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リラクタンスモータは、回転子コア鉄心にリラクタンスが小さく磁束の流れやすい方向であるd軸とリラクタンスが大きく磁束の流れにくい方向であるq軸とを構成し、d軸とq軸との間に発生するリラクタンストルクを利用して回転するモータである。
リラクタンスモータにおけるd軸とq軸とが構成され突極性が付与された回転子は、固定子により生成された回転磁界に同期して、その磁気抵抗すなわちリラクタンスが最小になるように回転するものである。
d軸とq軸を電気的に作り出すためのフラックスバリアスリットは、1極当りに間隔をおいて複数層配置されている(例えば、特許文献1参照)。
弧状に延在するフラックスバリアスリットの端部と平行する方向にd軸が構成され中央部と直交する方向にq軸が構成されるのである。
そして、このように構成された回転子コア鉄心の軸穴に回転子軸を焼嵌めすることによって、回転子が作製される。
【0003】
この従来技術による回転子構造は、4極機に関するものであるが、この発明に係る2極機では特別の問題がある。
2極機リラクタンスモータの場合には、フラックスバリアスリットの配置構成上の理由によって、所要の同期特性を確保するには、積層コア鉄心で構成された回転子本体の軸穴の直径を小さくする必要があり、回転子軸の直径を小さくせざるを得ないのである。
【0004】
通常、このようなモータを稼動させると回転によるアンバランスから軸振動の共振が発生するが、バランス調整と回転子軸の曲げ剛性確保により実際に稼動する回転数より十分高い回転数で回転しなければ軸振動の共振が起らないようにしている。ここで、軸振動の共振が起る回転数を危険回転数と呼ぶ。
【0005】
前述したように、同期特性を満足するためには2極機の回転子軸の直径は4極機の回転子軸の直径に比べて小さくなり、軸の曲げ剛性が低くなるため、2極機リラクタンスモータでは、従来のバランス調整基準より更に厳しい基準でバランス調整をしなければ危険回転数が稼動回転数に対して十分に高くとれないという問題が生じる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−258220号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたもので、電気的性能としての同期特性を満足し、かつ、危険回転数を稼動回転数より十分高くとることが可能な回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータを得ようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るリラクタンスモータでは、磁性体部材で構成される回転子本体と、前記回転子本体の内部に延在して前記回転子本体と一体に形成され、前記回転子本体を構成する磁性体部材よりも比較的磁気抵抗の大きい部材で構成されて、互いに並設される複数の磁束制御部分とを備え、前記複数の磁束制御部分により構成されるd軸とq軸との間に発生するリラクタンストルクを利用して回転する回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータにおいて、前記回転子本体の中心部に一体に結合される第1の回転軸部材と、前記第1の回転軸部材における端部の外周部に嵌合によって結合される第2の回転軸部材とを設けたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明による実施の形態1を図1および図2について説明する。図1は実施の形態1におけるリラクタンスモータ回転子の構成を示す側面図である。図2は実施の形態1における2極機として構成されたリラクタンスモータ回転子の構成を示す横断面図、および、これと比較対照するための4極機として構成されたリラクタンスモータ回転子の構成を示す横断面図である。
【0010】
リラクタンスモータ回転子の構成を示す図1において、回転子1は回転子本体1aおよびエンドリング3ならびに回転軸部材4および回転軸部材5によって構成されている。
回転子本体1aは、円形磁性板を積層したて円柱状の積層コア鉄心により構成され、中心部に軸貫通穴1bが設けられている。
エンドリング3は、円柱状の積層コア鉄心からなる回転子本体1aの両端面に回転子本体1aと一体に設けられている。
【0011】
回転軸部材4は、その本体貫通軸部4bを回転子本体1aの軸貫通穴1bに焼嵌めにより嵌合され、その端部4b,4cを回転子本体1aの端面から突出している。
回転軸部材5は、回転軸部材4における端部4b,4cの直径φdよりも大きな直径φDをそれぞれ持つ軸部5aおよび軸部5bで構成されている。
回転軸部材5の軸部5aは、その図示右端面を回転子本体1aの左端面に接した状態で、回転軸部材4の端部4bに焼嵌めによる嵌合によって結合されている。
また、回転軸部材5の軸部5bは、その図示左端面を回転子本体1aの右端面に接した状態で、回転軸部材4の端部4cに焼嵌めによる嵌合によって結合されている。
回転軸部材4の端部4bに結合された回転軸部材5の軸部5aは反駆動側として構成され、回転軸部材4の端部4cに結合された回転軸部材5の軸部5bは駆動側として構成される。
【0012】
回転子本体1aの横断面構成を示す図2(a)のように、積層コア鉄心からなる磁性体で構成される回転子本体1aには、回転子本体1aの内部に延在して前記回転子本体1aと一体にフラックスバリアスリットS1〜S5が形成され、これらのフラックスバリアスリットS1〜S5には回転子本体1aを構成する磁性体部分よりも比較的リラクタンスが大きく磁気抵抗の大きい銅やアルミなどの部材が充填されている。
フラックスバリアスリットS1〜S5は、紙面と直交する回転子本体1aの中心軸線から図示上方向に延長する径方向軸線R1および回転子本体1aの中心軸線から図示下方向に延長する径方向軸線R2を線対称として、それぞれ対をなして形成され、径方向軸線R1,R2に沿って配設されている。
このようにフラックスバリアスリットS1〜S5が配設されていることにより、磁束が流れやすい方向であるd軸および磁束が流れにくい方向であるq軸が構成され、2極機リラクタンスモータとしての突極性が付与されるものである。
【0013】
ここで、d軸における磁気抵抗すなわちリラクタンスを十分小さくし、q軸における磁気抵抗すなわちリラクタンスを十分大きくして、リラクタンスモータとしての同期特性を確保するためには、フラックスバリアスリットS1〜S5の延在方向をd軸すなわち径方向軸線R1,R2に対して、極力、平行に配置する必要があり、回転子本体1aの中心軸線に設けた軸穴の直径φ2を小さくせざるを得ない結果となる。これによって、回転子本体1aの軸穴に嵌合により結合される回転子軸の直径もまた小さくなるものである。
【0014】
図2(b)は、図2(a)に示す実施の形態1における2極機リラクタンスモータ回転子との比較のための、従来の4極機リラクタンスモータ回転子の構成を示す横断面図である。
図2(b)に示す4極機リラクタンスモータ回転子構成では、フラックスバリアスリットSnの配置構成が回転子本体における軸穴の直径φ4を確保するのに都合の良い状況になっている。
この図2(b)において、回転子コア鉄心外直径と軸径の比(軸径/回転子コア鉄心外直径)は4極機で0.34であり、図2(a)に示す実施の形態1における2極機で0.18である。4極機に比べて2極機の軸径は細いことがわかる。
【0015】
この実施の形態1においては、直径φdの回転軸部材4における外周に直径φDの回転軸部材5a,5bが焼嵌めによる嵌合により結合され、回転軸部の剛性を向上して、軸振動による共振が起る危険回転数を稼働回転数よりも十分に高くすることができるものである。
【0016】
この発明は、電気的に必要な性能である同期特性を要求スペック通りに出すために磁束の流れるフラックスバリアスリットを大きくとったことにより回転子コア鉄心に焼嵌めする軸の軸穴を小さくしなければならない2極機のリラクタンスモータに特有な回転子コア鉄心構造について、軸径穴が小さくなったために、焼嵌めされる軸が細くなり、軸の曲げ剛性低下による軸振動が発生する危険回転数が稼動回転数に対して十分に高くとれない回転子構造において、軸振動が発生する危険回転数を稼動回転数に対して十分高くする回転子構造に関するものである。
【0017】
実施の形態1では、1極当りに間隔をおいて複数層配置されて、アルミや銅などの導電材が射込まれているフラックスバリアスリットを有することにより、磁束の流れやすい方向であるd軸と磁束の流れにくい方向であるq軸を形成し、d軸とq軸の間に発生するリラクタンストルクを流用して回転する2極のリラクタンスモータの回転子構造において、回転子コア鉄心に焼嵌めされた軸より更に直径の大きい軸を回転子コア鉄心に焼嵌めされた軸に焼嵌めすることを特徴としたリラクタンスモータを構成したので、軸径の細い軸4を回転子コア鉄心1に焼嵌めし、軸4の両端に軸5を焼嵌めすることにより回転子コア鉄心1に直接焼嵌めされた軸を用いるよりさらに直径の太い軸を形成した回転子構造となり、従来のバランス調整基準で危険回転数を稼動回転数より十分大きくとる効果がある。
【0018】
この発明による実施の形態1によれば、積層コア鉄心からなる磁性体で構成される回転子本体1aと、前記回転子本体1aの内部に延在して前記回転子本体1aと一体に形成され、前記回転子本体1aを構成する磁性体部分よりも比較的リラクタンスが大きく磁気抵抗の大きい銅やアルミなどの部材が充填されたフラックスバリアスリットS1〜S5で構成され、互いに並設される複数の磁束制御部分とを備え、前記フラックスバリアスリットS1〜S5からなる複数の磁束制御部分によって、前記回転子本体1aにおける中心部から外径に向かう第1の径方向軸線R1に沿って流通する磁束および前記第1の径方向軸線R1と反対方向に向かう第2の径方向軸線R2に沿って流通する磁束を比較的流れやすくしてd軸を構成するとともに、前記第1の径方向軸線R1と直角方向に向かう第3の径方向軸線R3に沿って流通する磁束および前記第3の径方向軸線R3と反対方向に向かう第4の径方向軸線R4に沿って流通する磁束を比較的流れにくくしてq軸を構成し、前記フラックスバリアスリットS1〜S5からなる複数の磁束制御部分によって磁束が比較的流れやすくされたd軸を構成する第1および第2の径方向軸線R1,R2における突極性により、前記d軸を構成する第1および第2の径方向軸線R1,R2と前記q軸を構成する第3および第4の径方向軸線R3,R4との間に発生するリラクタンストルクを利用して回転する回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータにおいて、前記回転子本体1aの中心部に焼嵌めによる嵌合によって一体に結合される本体貫通軸部4aを有する第1の回転軸部材4と、前記第1の回転軸部材4における端部4b,4cの外周部に焼嵌めによる嵌合によって結合される前記回転子本体1aにおける本体貫通軸部4aの直径φdよりも大きな直径φDを持つ軸部5a,5bで構成される第2の回転軸部材5とを設けたので、回転子本体1aの中心部に一体に結合される第1の回転軸部材4の外周部に嵌合によって結合される第2の回転軸部材5a,5bを設けることにより、電気的性能である同期特性を満足し、かつ、軸振動による共振が起る危険回転数を稼動回転数より十分高くとることが可能な回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータを得ることができる。
【0019】
実施の形態2.
この発明による実施の形態2を図3について説明する。図3は実施の形態2におけるリラクタンスモータ回転子の構成を示す側面図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0020】
リラクタンスモータ回転子の構成を示す図3において、回転軸部材4は、その本体貫通軸部4aを回転子本体1aの軸貫通穴1bに焼嵌めにより嵌合され、その端部4b,4cを回転子本体1aの端面から突出している。
回転軸部材5は、回転軸部材4における端部4b,4cの直径φdよりも大きな直径φDをそれぞれ持つ軸部5aおよび軸部5bで構成されている。
回転軸部材5の軸部5aは、その図示右端面を回転子本体1aの左端面に接した状態で、回転軸部材4の端部4bに焼嵌めによる嵌合によって結合されている。
また、回転軸部材5の軸部5bは、その図示左端面を回転子本体1aの右端面に接した状態で、回転軸部材4の端部4cに焼嵌めによる嵌合によって結合されている。
回転軸部材4の端部4bに結合された回転軸部材5の軸部5aは反駆動側として構成され、回転軸部材4の端部4cに結合された回転軸部材5の軸部5bは駆動側として構成される。
【0021】
そして、稼動時の駆動トルク作用時に焼嵌め嵌合部が滑らないように駆動側の軸部5bについては焼嵌め範囲Bを十分にとった構造としている。
駆動側の軸部5bにおける焼嵌め範囲Bは、反駆動側の軸部5aにおける焼嵌め範囲Aに比べて十分大きいものである。
【0022】
実施の形態2では、1極当りに間隔をおいて複数層配置されて、アルミや銅などの導電材が射込まれているフラックスバリアスリットを有することにより、磁束の流れやすい方向であるd軸と磁束の流れにくい方向であるq軸を形成し、d軸とq軸の間に発生するリラクタンストルクを流用して回転する2極のリラクタンスモータの回転子構造において、回転子コア鉄心に焼嵌めされた軸より更に直径の大きい軸を回転子コア鉄心に焼嵌めされた軸に焼嵌めすることを特徴としたリラクタンスモータを構成し、かつ、駆動側の軸部5bにおける焼嵌め範囲Bを十分にとるようにしたので、軸径の細い軸4を回転子コア鉄心1に焼嵌めし、軸4の両端に軸5を焼嵌めすることにより回転子コア鉄心1に直接焼嵌めされた軸を用いるよりさらに直径の太い軸を形成した回転子構造となり、従来のバランス調整基準で危険回転数を稼動回転数より十分大きくとる効果があり、駆動トルクにより軸4と軸部5bの焼嵌め嵌合部が滑らない効果がある。
【0023】
この発明による実施の形態2によれば、前述した実施の形態1に示されるフラックスバリアスリットS1〜S5からなる複数の磁束制御部分を含む回転子本体1aを具備した2極のリラクタンスモータにおいて、前記回転子本体1aの中心部に焼嵌めによる嵌合によって一体に結合される本体貫通軸部4aを有する第1の回転軸部材4と、前記第1の回転軸部材4における端部4b,4cの外周部に焼嵌めによる嵌合によって結合される前記回転子本体1aにおける本体貫通軸部4aの直径φdよりも大きな直径φDを持つ軸部5a,5bで構成される第2の回転軸部材5とを設け、かつ、駆動側の軸部5bにおける焼嵌め範囲Bを反駆動側の軸部5aにおける焼嵌め範囲Aよりも大きくしたので、回転子本体1aの中心部に一体に結合される第1の回転軸部材4の外周部に嵌合によって結合される軸部5a,5bで構成される第2の回転軸部材5を設けるとともに、駆動側の軸部5bにおける焼嵌め範囲Bを十分にとることにより、電気的性能である同期特性を満足し、かつ、軸振動による共振が起る危険回転数を稼動回転数より十分高くとることが可能なばかりでなく、駆動トルクによる回転軸部材4の端部4cと回転軸部材5の軸部5bとの焼嵌め嵌合部分の滑りを適切に阻止し確実に結合できる回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータを得ることができる。
【0024】
実施の形態3.
この発明による実施の形態3を図4および図5について説明する。図4は実施の形態3におけるリラクタンスモータ回転子の構成を示す側面図である。図5は実施の形態3におけるリラクタンスモータ回転子に結合する段付回転軸部材の構成を示す側面図である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0025】
リラクタンスモータ回転子の構成を示す図4において、回転軸部材4は、本体貫通軸部4aと、端部4bと、段付軸部4dとを有するものである。
回転軸部材4は、その本体貫通軸部4aを回転子本体1aの軸貫通穴1bに焼嵌めにより嵌合されて回転子本体1aに結合され、その端部4bを回転子本体1aの端面から突出している。回転軸部材4の段付軸部4dは、その図示左側の段付端面を回転子本体1aの図示右側端面に接合した状態で回転子本体1aに結合されている。
回転軸部材5は、回転軸部材4における本体貫通軸部4aおよび端部4bの直径φdよりも大きな直径φDを持つ軸部5aで構成されている。
回転軸部材5の軸部5aは、その図示右端面を回転子本体1aの左端面に接した状態で、回転軸部材4の端部4bに焼嵌めによる嵌合によって結合されている。
回転軸部材4の端部4bに結合された回転軸部材5の軸部5aは反駆動側として構成され、回転軸部材4の段付軸部4dは駆動側として構成される。
【0026】
段付軸部4dを有する回転軸部材4は、図5に示されている。
段付軸としての回転軸部材4は、回転子本体1aの回転子コア鉄心に焼嵌め可能な細い軸径φdを持つ本体貫通軸部4aおよび4bと太い軸径φDを持つ段付軸部4dを有している。
回転軸部材4の本体貫通軸部4aと段付軸部4dとの境界部分には段付R部が形成される。
【0027】
モータの駆動側から段付軸部4dを有する回転軸部材4の本体貫通軸部4aを挿入し、回転子本体1aの回転子コア鉄心に焼嵌めすることにより駆動側の軸を形成する。
さらに、反駆動側から回転軸部材5の軸部5aを段付軸部4dを有する回転軸部材4の端部4bに焼嵌めすることにより回転子軸を構成する。
【0028】
実施の形態3では、1極当りに間隔をおいて複数層配置されて、アルミや銅などの導電材が射込まれているフラックスバリアスリットを有することにより、磁束の流れやすい方向であるd軸と磁束の流れにくい方向であるq軸を形成し、d軸とq軸の間に発生するリラクタンストルクを流用して回転する2極のリラクタンスモータの回転子構造において、回転子コア鉄心に焼嵌め可能な軸径の細い部分と軸径の太い部分を有する段付軸を駆動側から挿入することにより回転子コア鉄心に焼嵌めし、反駆動側に直径の大きい軸を回転子コア鉄心に焼嵌めされた段付軸に焼嵌めすることを特徴としたリラクタンスモータを構成したので、段付軸4を回転子コア鉄心1に駆動側から焼嵌めし、段付軸4に軸5を焼嵌めすることにより回転子コア鉄心1に直接焼嵌めされた軸を用いるよりさらに直径の太い軸を形成した回転子構造となり、従来のバランス調整基準で危険回転数を稼動回転数より十分大きくとる効果があり、さらに、駆動側の軸に作用する駆動トルクによる焼嵌め部分の滑り問題を解消する効果がある。
【0029】
この発明による実施の形態3によれば、前述した実施の形態1に示されるフラックスバリアスリットS1〜S5からなる複数の磁束制御部分を含む回転子本体1aを具備した2極のリラクタンスモータにおいて、前記回転子本体の中心部を貫通し前記回転子本体の中心部に焼嵌めによる嵌合により一体に結合される本体貫通軸部4aおよび前記本体貫通軸部4aの駆動側に一体に設けられ前記本体貫通軸部4aよりも直径の大きな段付軸部4dで構成される第1の回転軸部材4と、前記回転子本体1aの中心部から突出した前記第1の回転軸部材4の反駆動側端部4bにおける外周部に嵌合によって結合される前記第1の回転軸部材4における本体貫通軸部4aの直径φdよりも直径の大きな直径φDを持つ軸部5aで構成される第2の回転軸部材5とを設けたので、本体貫通軸部4aおよび段付軸部4dで構成される第1の回転軸部材4と第1の回転軸部材4の反駆動側端部4bにおける外周部に嵌合によって結合される軸部5aで構成される第2の回転軸部材5とを設けることにより、電気的性能としての同期特性を満足し、かつ、危険回転数を稼動回転数より十分高くとることが可能なばかりでなく、回転軸部材4の駆動側に作用する駆動トルクを回転軸部材4に一体に構成された段付軸部4dによって滑りを生ずることなく確実に伝達し得る回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータを得ることができる。
【0030】
実施の形態4.
この発明による実施の形態4を図6および図7について説明する。図6は実施の形態4におけるリラクタンスモータ回転子の構成を示す側面図である。図7は実施の形態4におけるリラクタンスモータ回転子に結合するフランジを有する段付軸の構成を示す側面図である。図8は実施の形態4におけるリラクタンスモータ回転子に結合するフランジを有する軸の構成を示す側面図である。
この実施の形態4において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0031】
リラクタンスモータ回転子の構成を示す図6において、回転軸部材4は、本体貫通軸部4aと、端部4bと、フランジ4fを有する軸部4eとで構成されるものである。
回転軸部材4は、その本体貫通軸部4aを回転子本体1aの軸貫通穴1bに焼嵌めにより嵌合されて回転子本体1aに結合され、その端部4bを回転子本体1aの端面から突出している。回転軸部材4のフランジ4fを有する軸部4eは、フランジ4fの図示左側の端面を回転子本体1aの図示右側端面に設けられたエンドリング3の右側端面に当接しエンドリング3を介して回転子本体1aに一体に結合された状態で、回転子本体1aに結合されている。
回転軸部材6は、フランジ6fを有し回転軸部材4における本体貫通軸部4aおよび端部4bの直径φdよりも大きな直径φDを持つ軸部6dで構成されている。
回転軸部材6は、フランジ6fの図示右側端面を回転子本体1aの左側端面に設けられたエンドリング3の左側端面に当接しエンドリング3を介して回転子本体1aに一体に結合された状態で、その軸部6dを回転軸部材4の端部4bに焼嵌めによる嵌合によって結合されている。
回転軸部材4の端部4bに結合された回転軸部材6は反駆動側として構成され、回転軸部材4の軸部4eは駆動側として構成される。
【0032】
図7にフランジ4fを有する軸部4eを備えた回転軸部材4を示し、図8に段付軸部4dを有する回転軸部材4に焼嵌め可能な軸部6dで構成されたフランジ6fを有する回転軸部材6を示している。
段付軸としての回転軸部材4は、回転子本体1aの回転子コア鉄心に焼嵌め可能な細い軸径φdを持つ本体貫通軸部4aと太い軸径φDを持つ軸部4eで構成されフランジ4fを有している。
回転軸部材4の本体貫通軸部4aとフランジ4fとの境界部分には段付R部が形成されている。
【0033】
モータの駆動側から段付軸部4dで構成されたフランジ4fを有する回転軸部材4の本体貫通軸部4aを挿入し、回転子本体1aの回転子コア鉄心に焼嵌めすることにより駆動側の軸を形成する。
さらに、反駆動側から回転軸部材6を回転軸部材4の端部4bに焼嵌めすることにより回転子軸を構成する。
【0034】
フランジ4fを有する回転軸部材4およびフランジ6fを有する回転軸部材6は、それぞれフランジを有することにより、フランジを介して曲げモーメントを回転子本体1aにおける回転子コア全体に分担させて軸に曲げモーメントが全て作用しないようにした。
さらに、図5に示す実施の形態3における段付軸4と異なり、エンドリング3の存在から生じた空間によりフランジ4fとの間において段付R部に十分な大きさの半径のR加工が可能となり、応力集中による軸強度の低下を抑制した構造となっている。
【0035】
実施の形態4では、1極当りに間隔をおいて複数層配置されて、アルミや銅などの導電材が射込まれているフラックスバリアスリットを有することにより、磁束の流れやすい方向であるd軸と磁束の流れにくい方向であるq軸を形成し、d軸とq軸の間に発生するリラクタンストルクを流用して回転する2極のリラクタンスモータの回転子構造において、回転子コア鉄心に焼嵌め可能な軸径の細い部分と軸径の太い部分との間にフランジを有する段付軸を駆動側から挿入することにより回転子コア鉄心に焼嵌めし、反駆動側に直径の大きいフランジを有する軸を回転子コア鉄心に焼嵌めされたフランジを有する段付軸に焼嵌めすることを特徴としたリラクタンスモータを構成したので、フランジ4fを有する段付軸4を回転子コア鉄心1に焼嵌めし、段付軸4の反駆動側にフランジ6fを有する軸6を焼嵌めすることにより回転子コア鉄心1に直接焼嵌めされた軸を用いるよりさらに直径の太い軸を形成した回転子構造となり、従来のバランス調整基準で危険回転数を稼動回転数より十分大きくとる効果があり、さらに軸に作用する曲げモーメントをフランジを介して回転子に分担させることにより軸に曲げモーメントが全て作用しないようにして、さらに段付R部に十分なR加工を施すことにより、応力集中による軸強度の低下を抑制し、軸強度を向上させる効果がある。
【0036】
この発明による実施の形態4によれば、前述した実施の形態1に示されるフラックスバリアスリットS1〜S5からなる複数の磁束制御部分を含む回転子本体1aを具備した2極のリラクタンスモータにおいて、前記回転子本体1aの中心部を貫通し前記回転子本体1aの中心部に焼嵌めによる嵌合により一体に結合される本体貫通軸部4aおよび前記本体貫通軸部4aの駆動側に一体に設けられ前記本体貫通軸部4aよりも大きな直径を持つ軸部4eで構成され前記回転子本体1aの端面に設けられたエンドリング3の端面に当接してエンドリング3を介して前記回転子本体1aに一体に結合されるフランジ4fを有する第1の回転軸部材4と、前記回転子本体1aの中心部から突出した前記第1の回転軸部材4の反駆動側端部4bにおける外周部に嵌合によって結合される前記第1の回転軸部材4における本体貫通軸部4aの直径φdよりも直径の大きな直径φDを持つ軸部5dで構成され前記回転子本体1aの端面に設けられたエンドリング3の端面に当接してエンドリング3を介して前記回転子本体1aに一体に結合されるフランジ5fを有する第2の回転軸部材5aとを設けたので、本体貫通軸部4aおよびフランジ4fを有する軸部4eで構成される第1の回転軸部材4と第1の回転軸部材4の反駆動側端部4bにおける外周部に嵌合によって結合される軸部5dで構成されるフランジ5fを有する第2の回転軸部材5aとを設けることにより、電気的性能としての同期特性を満足し、かつ、軸振動による共振が起る危険回転数を稼動回転数より十分高くとることが可能なばかりでなく、軸に作用する曲げモーメントをフランジを介して回転子に分担させることにより回転軸部材への曲げモーメントによる荷重を軽減し、かつ、段付R部に十分な大きさの半径によるR加工を施すことによって、応力集中による軸強度の低下を抑制して、軸強度を向上できる回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータを得ることができる。
【0037】
【発明の効果】
この発明によれば、電気的性能としての同期特性を満足し、かつ、危険回転数を稼動回転数より十分高くとることが可能な回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による実施の形態1におけるリラクタンスモータ回転子の構成を示す側面図である。
【図2】この発明による実施の形態1における2極機リラクタンスモータと4極機リラクタンスモータとの比較を示す横断面図である。
【図3】この発明による実施の形態2におけるリラクタンスモータ回転子の構成を示す側面図である。
【図4】この発明による実施の形態3におけるリラクタンスモータ回転子の構成を示す側面図である。
【図5】この発明による実施の形態3における回転軸部材の構成を示す側面図である。
【図6】この発明による実施の形態4におけるリラクタンスモータ回転子の構成を示す側面図である。
【図7】この発明による実施の形態4における第1の回転軸部材の構成を示す側面図である。
【図8】この発明による実施の形態4における第2の回転軸部材の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 回転子本体、S1〜S5 フラックスバリアスリット、3 エンドリング、4 回転軸部材、4a 本体貫通軸部、4b,4c 端部、4d 段付軸部、5 回転軸部材、5a,5d 軸部、5f フランジ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、リラクタンスモータ、特に、フラックスバリアスリットにより突極性を付与された回転子を具備し、回転子位置に応じて変化するリラクタンスによってトルクを発生するようにした2極のシンクロナスリラクタンスモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リラクタンスモータは、回転子コア鉄心にリラクタンスが小さく磁束の流れやすい方向であるd軸とリラクタンスが大きく磁束の流れにくい方向であるq軸とを構成し、d軸とq軸との間に発生するリラクタンストルクを利用して回転するモータである。
リラクタンスモータにおけるd軸とq軸とが構成され突極性が付与された回転子は、固定子により生成された回転磁界に同期して、その磁気抵抗すなわちリラクタンスが最小になるように回転するものである。
d軸とq軸を電気的に作り出すためのフラックスバリアスリットは、1極当りに間隔をおいて複数層配置されている(例えば、特許文献1参照)。
弧状に延在するフラックスバリアスリットの端部と平行する方向にd軸が構成され中央部と直交する方向にq軸が構成されるのである。
そして、このように構成された回転子コア鉄心の軸穴に回転子軸を焼嵌めすることによって、回転子が作製される。
【0003】
この従来技術による回転子構造は、4極機に関するものであるが、この発明に係る2極機では特別の問題がある。
2極機リラクタンスモータの場合には、フラックスバリアスリットの配置構成上の理由によって、所要の同期特性を確保するには、積層コア鉄心で構成された回転子本体の軸穴の直径を小さくする必要があり、回転子軸の直径を小さくせざるを得ないのである。
【0004】
通常、このようなモータを稼動させると回転によるアンバランスから軸振動の共振が発生するが、バランス調整と回転子軸の曲げ剛性確保により実際に稼動する回転数より十分高い回転数で回転しなければ軸振動の共振が起らないようにしている。ここで、軸振動の共振が起る回転数を危険回転数と呼ぶ。
【0005】
前述したように、同期特性を満足するためには2極機の回転子軸の直径は4極機の回転子軸の直径に比べて小さくなり、軸の曲げ剛性が低くなるため、2極機リラクタンスモータでは、従来のバランス調整基準より更に厳しい基準でバランス調整をしなければ危険回転数が稼動回転数に対して十分に高くとれないという問題が生じる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−258220号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたもので、電気的性能としての同期特性を満足し、かつ、危険回転数を稼動回転数より十分高くとることが可能な回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータを得ようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るリラクタンスモータでは、磁性体部材で構成される回転子本体と、前記回転子本体の内部に延在して前記回転子本体と一体に形成され、前記回転子本体を構成する磁性体部材よりも比較的磁気抵抗の大きい部材で構成されて、互いに並設される複数の磁束制御部分とを備え、前記複数の磁束制御部分により構成されるd軸とq軸との間に発生するリラクタンストルクを利用して回転する回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータにおいて、前記回転子本体の中心部に一体に結合される第1の回転軸部材と、前記第1の回転軸部材における端部の外周部に嵌合によって結合される第2の回転軸部材とを設けたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明による実施の形態1を図1および図2について説明する。図1は実施の形態1におけるリラクタンスモータ回転子の構成を示す側面図である。図2は実施の形態1における2極機として構成されたリラクタンスモータ回転子の構成を示す横断面図、および、これと比較対照するための4極機として構成されたリラクタンスモータ回転子の構成を示す横断面図である。
【0010】
リラクタンスモータ回転子の構成を示す図1において、回転子1は回転子本体1aおよびエンドリング3ならびに回転軸部材4および回転軸部材5によって構成されている。
回転子本体1aは、円形磁性板を積層したて円柱状の積層コア鉄心により構成され、中心部に軸貫通穴1bが設けられている。
エンドリング3は、円柱状の積層コア鉄心からなる回転子本体1aの両端面に回転子本体1aと一体に設けられている。
【0011】
回転軸部材4は、その本体貫通軸部4bを回転子本体1aの軸貫通穴1bに焼嵌めにより嵌合され、その端部4b,4cを回転子本体1aの端面から突出している。
回転軸部材5は、回転軸部材4における端部4b,4cの直径φdよりも大きな直径φDをそれぞれ持つ軸部5aおよび軸部5bで構成されている。
回転軸部材5の軸部5aは、その図示右端面を回転子本体1aの左端面に接した状態で、回転軸部材4の端部4bに焼嵌めによる嵌合によって結合されている。
また、回転軸部材5の軸部5bは、その図示左端面を回転子本体1aの右端面に接した状態で、回転軸部材4の端部4cに焼嵌めによる嵌合によって結合されている。
回転軸部材4の端部4bに結合された回転軸部材5の軸部5aは反駆動側として構成され、回転軸部材4の端部4cに結合された回転軸部材5の軸部5bは駆動側として構成される。
【0012】
回転子本体1aの横断面構成を示す図2(a)のように、積層コア鉄心からなる磁性体で構成される回転子本体1aには、回転子本体1aの内部に延在して前記回転子本体1aと一体にフラックスバリアスリットS1〜S5が形成され、これらのフラックスバリアスリットS1〜S5には回転子本体1aを構成する磁性体部分よりも比較的リラクタンスが大きく磁気抵抗の大きい銅やアルミなどの部材が充填されている。
フラックスバリアスリットS1〜S5は、紙面と直交する回転子本体1aの中心軸線から図示上方向に延長する径方向軸線R1および回転子本体1aの中心軸線から図示下方向に延長する径方向軸線R2を線対称として、それぞれ対をなして形成され、径方向軸線R1,R2に沿って配設されている。
このようにフラックスバリアスリットS1〜S5が配設されていることにより、磁束が流れやすい方向であるd軸および磁束が流れにくい方向であるq軸が構成され、2極機リラクタンスモータとしての突極性が付与されるものである。
【0013】
ここで、d軸における磁気抵抗すなわちリラクタンスを十分小さくし、q軸における磁気抵抗すなわちリラクタンスを十分大きくして、リラクタンスモータとしての同期特性を確保するためには、フラックスバリアスリットS1〜S5の延在方向をd軸すなわち径方向軸線R1,R2に対して、極力、平行に配置する必要があり、回転子本体1aの中心軸線に設けた軸穴の直径φ2を小さくせざるを得ない結果となる。これによって、回転子本体1aの軸穴に嵌合により結合される回転子軸の直径もまた小さくなるものである。
【0014】
図2(b)は、図2(a)に示す実施の形態1における2極機リラクタンスモータ回転子との比較のための、従来の4極機リラクタンスモータ回転子の構成を示す横断面図である。
図2(b)に示す4極機リラクタンスモータ回転子構成では、フラックスバリアスリットSnの配置構成が回転子本体における軸穴の直径φ4を確保するのに都合の良い状況になっている。
この図2(b)において、回転子コア鉄心外直径と軸径の比(軸径/回転子コア鉄心外直径)は4極機で0.34であり、図2(a)に示す実施の形態1における2極機で0.18である。4極機に比べて2極機の軸径は細いことがわかる。
【0015】
この実施の形態1においては、直径φdの回転軸部材4における外周に直径φDの回転軸部材5a,5bが焼嵌めによる嵌合により結合され、回転軸部の剛性を向上して、軸振動による共振が起る危険回転数を稼働回転数よりも十分に高くすることができるものである。
【0016】
この発明は、電気的に必要な性能である同期特性を要求スペック通りに出すために磁束の流れるフラックスバリアスリットを大きくとったことにより回転子コア鉄心に焼嵌めする軸の軸穴を小さくしなければならない2極機のリラクタンスモータに特有な回転子コア鉄心構造について、軸径穴が小さくなったために、焼嵌めされる軸が細くなり、軸の曲げ剛性低下による軸振動が発生する危険回転数が稼動回転数に対して十分に高くとれない回転子構造において、軸振動が発生する危険回転数を稼動回転数に対して十分高くする回転子構造に関するものである。
【0017】
実施の形態1では、1極当りに間隔をおいて複数層配置されて、アルミや銅などの導電材が射込まれているフラックスバリアスリットを有することにより、磁束の流れやすい方向であるd軸と磁束の流れにくい方向であるq軸を形成し、d軸とq軸の間に発生するリラクタンストルクを流用して回転する2極のリラクタンスモータの回転子構造において、回転子コア鉄心に焼嵌めされた軸より更に直径の大きい軸を回転子コア鉄心に焼嵌めされた軸に焼嵌めすることを特徴としたリラクタンスモータを構成したので、軸径の細い軸4を回転子コア鉄心1に焼嵌めし、軸4の両端に軸5を焼嵌めすることにより回転子コア鉄心1に直接焼嵌めされた軸を用いるよりさらに直径の太い軸を形成した回転子構造となり、従来のバランス調整基準で危険回転数を稼動回転数より十分大きくとる効果がある。
【0018】
この発明による実施の形態1によれば、積層コア鉄心からなる磁性体で構成される回転子本体1aと、前記回転子本体1aの内部に延在して前記回転子本体1aと一体に形成され、前記回転子本体1aを構成する磁性体部分よりも比較的リラクタンスが大きく磁気抵抗の大きい銅やアルミなどの部材が充填されたフラックスバリアスリットS1〜S5で構成され、互いに並設される複数の磁束制御部分とを備え、前記フラックスバリアスリットS1〜S5からなる複数の磁束制御部分によって、前記回転子本体1aにおける中心部から外径に向かう第1の径方向軸線R1に沿って流通する磁束および前記第1の径方向軸線R1と反対方向に向かう第2の径方向軸線R2に沿って流通する磁束を比較的流れやすくしてd軸を構成するとともに、前記第1の径方向軸線R1と直角方向に向かう第3の径方向軸線R3に沿って流通する磁束および前記第3の径方向軸線R3と反対方向に向かう第4の径方向軸線R4に沿って流通する磁束を比較的流れにくくしてq軸を構成し、前記フラックスバリアスリットS1〜S5からなる複数の磁束制御部分によって磁束が比較的流れやすくされたd軸を構成する第1および第2の径方向軸線R1,R2における突極性により、前記d軸を構成する第1および第2の径方向軸線R1,R2と前記q軸を構成する第3および第4の径方向軸線R3,R4との間に発生するリラクタンストルクを利用して回転する回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータにおいて、前記回転子本体1aの中心部に焼嵌めによる嵌合によって一体に結合される本体貫通軸部4aを有する第1の回転軸部材4と、前記第1の回転軸部材4における端部4b,4cの外周部に焼嵌めによる嵌合によって結合される前記回転子本体1aにおける本体貫通軸部4aの直径φdよりも大きな直径φDを持つ軸部5a,5bで構成される第2の回転軸部材5とを設けたので、回転子本体1aの中心部に一体に結合される第1の回転軸部材4の外周部に嵌合によって結合される第2の回転軸部材5a,5bを設けることにより、電気的性能である同期特性を満足し、かつ、軸振動による共振が起る危険回転数を稼動回転数より十分高くとることが可能な回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータを得ることができる。
【0019】
実施の形態2.
この発明による実施の形態2を図3について説明する。図3は実施の形態2におけるリラクタンスモータ回転子の構成を示す側面図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0020】
リラクタンスモータ回転子の構成を示す図3において、回転軸部材4は、その本体貫通軸部4aを回転子本体1aの軸貫通穴1bに焼嵌めにより嵌合され、その端部4b,4cを回転子本体1aの端面から突出している。
回転軸部材5は、回転軸部材4における端部4b,4cの直径φdよりも大きな直径φDをそれぞれ持つ軸部5aおよび軸部5bで構成されている。
回転軸部材5の軸部5aは、その図示右端面を回転子本体1aの左端面に接した状態で、回転軸部材4の端部4bに焼嵌めによる嵌合によって結合されている。
また、回転軸部材5の軸部5bは、その図示左端面を回転子本体1aの右端面に接した状態で、回転軸部材4の端部4cに焼嵌めによる嵌合によって結合されている。
回転軸部材4の端部4bに結合された回転軸部材5の軸部5aは反駆動側として構成され、回転軸部材4の端部4cに結合された回転軸部材5の軸部5bは駆動側として構成される。
【0021】
そして、稼動時の駆動トルク作用時に焼嵌め嵌合部が滑らないように駆動側の軸部5bについては焼嵌め範囲Bを十分にとった構造としている。
駆動側の軸部5bにおける焼嵌め範囲Bは、反駆動側の軸部5aにおける焼嵌め範囲Aに比べて十分大きいものである。
【0022】
実施の形態2では、1極当りに間隔をおいて複数層配置されて、アルミや銅などの導電材が射込まれているフラックスバリアスリットを有することにより、磁束の流れやすい方向であるd軸と磁束の流れにくい方向であるq軸を形成し、d軸とq軸の間に発生するリラクタンストルクを流用して回転する2極のリラクタンスモータの回転子構造において、回転子コア鉄心に焼嵌めされた軸より更に直径の大きい軸を回転子コア鉄心に焼嵌めされた軸に焼嵌めすることを特徴としたリラクタンスモータを構成し、かつ、駆動側の軸部5bにおける焼嵌め範囲Bを十分にとるようにしたので、軸径の細い軸4を回転子コア鉄心1に焼嵌めし、軸4の両端に軸5を焼嵌めすることにより回転子コア鉄心1に直接焼嵌めされた軸を用いるよりさらに直径の太い軸を形成した回転子構造となり、従来のバランス調整基準で危険回転数を稼動回転数より十分大きくとる効果があり、駆動トルクにより軸4と軸部5bの焼嵌め嵌合部が滑らない効果がある。
【0023】
この発明による実施の形態2によれば、前述した実施の形態1に示されるフラックスバリアスリットS1〜S5からなる複数の磁束制御部分を含む回転子本体1aを具備した2極のリラクタンスモータにおいて、前記回転子本体1aの中心部に焼嵌めによる嵌合によって一体に結合される本体貫通軸部4aを有する第1の回転軸部材4と、前記第1の回転軸部材4における端部4b,4cの外周部に焼嵌めによる嵌合によって結合される前記回転子本体1aにおける本体貫通軸部4aの直径φdよりも大きな直径φDを持つ軸部5a,5bで構成される第2の回転軸部材5とを設け、かつ、駆動側の軸部5bにおける焼嵌め範囲Bを反駆動側の軸部5aにおける焼嵌め範囲Aよりも大きくしたので、回転子本体1aの中心部に一体に結合される第1の回転軸部材4の外周部に嵌合によって結合される軸部5a,5bで構成される第2の回転軸部材5を設けるとともに、駆動側の軸部5bにおける焼嵌め範囲Bを十分にとることにより、電気的性能である同期特性を満足し、かつ、軸振動による共振が起る危険回転数を稼動回転数より十分高くとることが可能なばかりでなく、駆動トルクによる回転軸部材4の端部4cと回転軸部材5の軸部5bとの焼嵌め嵌合部分の滑りを適切に阻止し確実に結合できる回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータを得ることができる。
【0024】
実施の形態3.
この発明による実施の形態3を図4および図5について説明する。図4は実施の形態3におけるリラクタンスモータ回転子の構成を示す側面図である。図5は実施の形態3におけるリラクタンスモータ回転子に結合する段付回転軸部材の構成を示す側面図である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0025】
リラクタンスモータ回転子の構成を示す図4において、回転軸部材4は、本体貫通軸部4aと、端部4bと、段付軸部4dとを有するものである。
回転軸部材4は、その本体貫通軸部4aを回転子本体1aの軸貫通穴1bに焼嵌めにより嵌合されて回転子本体1aに結合され、その端部4bを回転子本体1aの端面から突出している。回転軸部材4の段付軸部4dは、その図示左側の段付端面を回転子本体1aの図示右側端面に接合した状態で回転子本体1aに結合されている。
回転軸部材5は、回転軸部材4における本体貫通軸部4aおよび端部4bの直径φdよりも大きな直径φDを持つ軸部5aで構成されている。
回転軸部材5の軸部5aは、その図示右端面を回転子本体1aの左端面に接した状態で、回転軸部材4の端部4bに焼嵌めによる嵌合によって結合されている。
回転軸部材4の端部4bに結合された回転軸部材5の軸部5aは反駆動側として構成され、回転軸部材4の段付軸部4dは駆動側として構成される。
【0026】
段付軸部4dを有する回転軸部材4は、図5に示されている。
段付軸としての回転軸部材4は、回転子本体1aの回転子コア鉄心に焼嵌め可能な細い軸径φdを持つ本体貫通軸部4aおよび4bと太い軸径φDを持つ段付軸部4dを有している。
回転軸部材4の本体貫通軸部4aと段付軸部4dとの境界部分には段付R部が形成される。
【0027】
モータの駆動側から段付軸部4dを有する回転軸部材4の本体貫通軸部4aを挿入し、回転子本体1aの回転子コア鉄心に焼嵌めすることにより駆動側の軸を形成する。
さらに、反駆動側から回転軸部材5の軸部5aを段付軸部4dを有する回転軸部材4の端部4bに焼嵌めすることにより回転子軸を構成する。
【0028】
実施の形態3では、1極当りに間隔をおいて複数層配置されて、アルミや銅などの導電材が射込まれているフラックスバリアスリットを有することにより、磁束の流れやすい方向であるd軸と磁束の流れにくい方向であるq軸を形成し、d軸とq軸の間に発生するリラクタンストルクを流用して回転する2極のリラクタンスモータの回転子構造において、回転子コア鉄心に焼嵌め可能な軸径の細い部分と軸径の太い部分を有する段付軸を駆動側から挿入することにより回転子コア鉄心に焼嵌めし、反駆動側に直径の大きい軸を回転子コア鉄心に焼嵌めされた段付軸に焼嵌めすることを特徴としたリラクタンスモータを構成したので、段付軸4を回転子コア鉄心1に駆動側から焼嵌めし、段付軸4に軸5を焼嵌めすることにより回転子コア鉄心1に直接焼嵌めされた軸を用いるよりさらに直径の太い軸を形成した回転子構造となり、従来のバランス調整基準で危険回転数を稼動回転数より十分大きくとる効果があり、さらに、駆動側の軸に作用する駆動トルクによる焼嵌め部分の滑り問題を解消する効果がある。
【0029】
この発明による実施の形態3によれば、前述した実施の形態1に示されるフラックスバリアスリットS1〜S5からなる複数の磁束制御部分を含む回転子本体1aを具備した2極のリラクタンスモータにおいて、前記回転子本体の中心部を貫通し前記回転子本体の中心部に焼嵌めによる嵌合により一体に結合される本体貫通軸部4aおよび前記本体貫通軸部4aの駆動側に一体に設けられ前記本体貫通軸部4aよりも直径の大きな段付軸部4dで構成される第1の回転軸部材4と、前記回転子本体1aの中心部から突出した前記第1の回転軸部材4の反駆動側端部4bにおける外周部に嵌合によって結合される前記第1の回転軸部材4における本体貫通軸部4aの直径φdよりも直径の大きな直径φDを持つ軸部5aで構成される第2の回転軸部材5とを設けたので、本体貫通軸部4aおよび段付軸部4dで構成される第1の回転軸部材4と第1の回転軸部材4の反駆動側端部4bにおける外周部に嵌合によって結合される軸部5aで構成される第2の回転軸部材5とを設けることにより、電気的性能としての同期特性を満足し、かつ、危険回転数を稼動回転数より十分高くとることが可能なばかりでなく、回転軸部材4の駆動側に作用する駆動トルクを回転軸部材4に一体に構成された段付軸部4dによって滑りを生ずることなく確実に伝達し得る回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータを得ることができる。
【0030】
実施の形態4.
この発明による実施の形態4を図6および図7について説明する。図6は実施の形態4におけるリラクタンスモータ回転子の構成を示す側面図である。図7は実施の形態4におけるリラクタンスモータ回転子に結合するフランジを有する段付軸の構成を示す側面図である。図8は実施の形態4におけるリラクタンスモータ回転子に結合するフランジを有する軸の構成を示す側面図である。
この実施の形態4において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0031】
リラクタンスモータ回転子の構成を示す図6において、回転軸部材4は、本体貫通軸部4aと、端部4bと、フランジ4fを有する軸部4eとで構成されるものである。
回転軸部材4は、その本体貫通軸部4aを回転子本体1aの軸貫通穴1bに焼嵌めにより嵌合されて回転子本体1aに結合され、その端部4bを回転子本体1aの端面から突出している。回転軸部材4のフランジ4fを有する軸部4eは、フランジ4fの図示左側の端面を回転子本体1aの図示右側端面に設けられたエンドリング3の右側端面に当接しエンドリング3を介して回転子本体1aに一体に結合された状態で、回転子本体1aに結合されている。
回転軸部材6は、フランジ6fを有し回転軸部材4における本体貫通軸部4aおよび端部4bの直径φdよりも大きな直径φDを持つ軸部6dで構成されている。
回転軸部材6は、フランジ6fの図示右側端面を回転子本体1aの左側端面に設けられたエンドリング3の左側端面に当接しエンドリング3を介して回転子本体1aに一体に結合された状態で、その軸部6dを回転軸部材4の端部4bに焼嵌めによる嵌合によって結合されている。
回転軸部材4の端部4bに結合された回転軸部材6は反駆動側として構成され、回転軸部材4の軸部4eは駆動側として構成される。
【0032】
図7にフランジ4fを有する軸部4eを備えた回転軸部材4を示し、図8に段付軸部4dを有する回転軸部材4に焼嵌め可能な軸部6dで構成されたフランジ6fを有する回転軸部材6を示している。
段付軸としての回転軸部材4は、回転子本体1aの回転子コア鉄心に焼嵌め可能な細い軸径φdを持つ本体貫通軸部4aと太い軸径φDを持つ軸部4eで構成されフランジ4fを有している。
回転軸部材4の本体貫通軸部4aとフランジ4fとの境界部分には段付R部が形成されている。
【0033】
モータの駆動側から段付軸部4dで構成されたフランジ4fを有する回転軸部材4の本体貫通軸部4aを挿入し、回転子本体1aの回転子コア鉄心に焼嵌めすることにより駆動側の軸を形成する。
さらに、反駆動側から回転軸部材6を回転軸部材4の端部4bに焼嵌めすることにより回転子軸を構成する。
【0034】
フランジ4fを有する回転軸部材4およびフランジ6fを有する回転軸部材6は、それぞれフランジを有することにより、フランジを介して曲げモーメントを回転子本体1aにおける回転子コア全体に分担させて軸に曲げモーメントが全て作用しないようにした。
さらに、図5に示す実施の形態3における段付軸4と異なり、エンドリング3の存在から生じた空間によりフランジ4fとの間において段付R部に十分な大きさの半径のR加工が可能となり、応力集中による軸強度の低下を抑制した構造となっている。
【0035】
実施の形態4では、1極当りに間隔をおいて複数層配置されて、アルミや銅などの導電材が射込まれているフラックスバリアスリットを有することにより、磁束の流れやすい方向であるd軸と磁束の流れにくい方向であるq軸を形成し、d軸とq軸の間に発生するリラクタンストルクを流用して回転する2極のリラクタンスモータの回転子構造において、回転子コア鉄心に焼嵌め可能な軸径の細い部分と軸径の太い部分との間にフランジを有する段付軸を駆動側から挿入することにより回転子コア鉄心に焼嵌めし、反駆動側に直径の大きいフランジを有する軸を回転子コア鉄心に焼嵌めされたフランジを有する段付軸に焼嵌めすることを特徴としたリラクタンスモータを構成したので、フランジ4fを有する段付軸4を回転子コア鉄心1に焼嵌めし、段付軸4の反駆動側にフランジ6fを有する軸6を焼嵌めすることにより回転子コア鉄心1に直接焼嵌めされた軸を用いるよりさらに直径の太い軸を形成した回転子構造となり、従来のバランス調整基準で危険回転数を稼動回転数より十分大きくとる効果があり、さらに軸に作用する曲げモーメントをフランジを介して回転子に分担させることにより軸に曲げモーメントが全て作用しないようにして、さらに段付R部に十分なR加工を施すことにより、応力集中による軸強度の低下を抑制し、軸強度を向上させる効果がある。
【0036】
この発明による実施の形態4によれば、前述した実施の形態1に示されるフラックスバリアスリットS1〜S5からなる複数の磁束制御部分を含む回転子本体1aを具備した2極のリラクタンスモータにおいて、前記回転子本体1aの中心部を貫通し前記回転子本体1aの中心部に焼嵌めによる嵌合により一体に結合される本体貫通軸部4aおよび前記本体貫通軸部4aの駆動側に一体に設けられ前記本体貫通軸部4aよりも大きな直径を持つ軸部4eで構成され前記回転子本体1aの端面に設けられたエンドリング3の端面に当接してエンドリング3を介して前記回転子本体1aに一体に結合されるフランジ4fを有する第1の回転軸部材4と、前記回転子本体1aの中心部から突出した前記第1の回転軸部材4の反駆動側端部4bにおける外周部に嵌合によって結合される前記第1の回転軸部材4における本体貫通軸部4aの直径φdよりも直径の大きな直径φDを持つ軸部5dで構成され前記回転子本体1aの端面に設けられたエンドリング3の端面に当接してエンドリング3を介して前記回転子本体1aに一体に結合されるフランジ5fを有する第2の回転軸部材5aとを設けたので、本体貫通軸部4aおよびフランジ4fを有する軸部4eで構成される第1の回転軸部材4と第1の回転軸部材4の反駆動側端部4bにおける外周部に嵌合によって結合される軸部5dで構成されるフランジ5fを有する第2の回転軸部材5aとを設けることにより、電気的性能としての同期特性を満足し、かつ、軸振動による共振が起る危険回転数を稼動回転数より十分高くとることが可能なばかりでなく、軸に作用する曲げモーメントをフランジを介して回転子に分担させることにより回転軸部材への曲げモーメントによる荷重を軽減し、かつ、段付R部に十分な大きさの半径によるR加工を施すことによって、応力集中による軸強度の低下を抑制して、軸強度を向上できる回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータを得ることができる。
【0037】
【発明の効果】
この発明によれば、電気的性能としての同期特性を満足し、かつ、危険回転数を稼動回転数より十分高くとることが可能な回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による実施の形態1におけるリラクタンスモータ回転子の構成を示す側面図である。
【図2】この発明による実施の形態1における2極機リラクタンスモータと4極機リラクタンスモータとの比較を示す横断面図である。
【図3】この発明による実施の形態2におけるリラクタンスモータ回転子の構成を示す側面図である。
【図4】この発明による実施の形態3におけるリラクタンスモータ回転子の構成を示す側面図である。
【図5】この発明による実施の形態3における回転軸部材の構成を示す側面図である。
【図6】この発明による実施の形態4におけるリラクタンスモータ回転子の構成を示す側面図である。
【図7】この発明による実施の形態4における第1の回転軸部材の構成を示す側面図である。
【図8】この発明による実施の形態4における第2の回転軸部材の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 回転子本体、S1〜S5 フラックスバリアスリット、3 エンドリング、4 回転軸部材、4a 本体貫通軸部、4b,4c 端部、4d 段付軸部、5 回転軸部材、5a,5d 軸部、5f フランジ。
Claims (4)
- 磁性体部材で構成される回転子本体と、前記回転子本体の内部に延在して前記回転子本体と一体に形成され、前記回転子本体を構成する磁性体部材よりも比較的磁気抵抗の大きい部材で構成されて、互いに並設される複数の磁束制御部分とを備え、前記複数の磁束制御部分によって、前記回転子本体における磁束の流れやすい方向であるd軸と磁束の流れにくい方向であるq軸とを互いに直角方向に構成し、前記d軸とq軸との間に発生するリラクタンストルクを利用して回転する回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータにおいて、前記回転子本体の中心部に一体に結合される第1の回転軸部材と、前記第1の回転軸部材における端部の外周部に嵌合によって結合される第2の回転軸部材とを設けたことを特徴とするリラクタンスモータ。
- 磁性体部材で構成される回転子本体と、前記回転子本体の内部に延在して前記回転子本体と一体に形成され、前記回転子本体を構成する磁性体部材よりも比較的磁気抵抗の大きい部材で構成されて、互いに並設される複数の磁束制御部分とを備え、前記複数の磁束制御部分によって、前記回転子本体における磁束の流れやすい方向であるd軸と磁束の流れにくい方向であるq軸とを互いに直角方向に構成し、前記d軸とq軸との間に発生するリラクタンストルクを利用して回転する回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータにおいて、前記回転子本体の中心部を貫通し前記回転子本体の中心部に嵌合により一体に結合される第1の回転軸部材と、前記回転子本体の中心部から突出した前記第1の回転軸部材の両端における外周部に嵌合によって結合される第1の回転軸部材よりも直径の大きな軸部で構成される第2の回転軸部材とを設けたことを特徴とするリラクタンスモータ。
- 磁性体部材で構成される回転子本体と、前記回転子本体の内部に延在して前記回転子本体と一体に形成され、前記回転子本体を構成する磁性体部材よりも比較的磁気抵抗の大きい部材で構成されて、互いに並設される複数の磁束制御部分とを備え、前記複数の磁束制御部分によって、前記回転子本体における磁束の流れやすい方向であるd軸と磁束の流れにくい方向であるq軸とを互いに直角方向に構成し、前記d軸とq軸との間に発生するリラクタンストルクを利用して回転する回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータにおいて、前記回転子本体の中心部を貫通し前記回転子本体の中心部に嵌合により一体に結合される本体貫通軸部および前記本体貫通軸部の駆動側に一体に設けられ前記本体貫通軸部よりも直径の大きな段付軸部で構成される第1の回転軸部材と、前記回転子本体の中心部から突出した前記第1の回転軸部材の反駆動側端部における外周部に嵌合によって結合される前記第1の回転軸部材における本体貫通軸部よりも直径の大きな軸部で構成される第2の回転軸部材とを設けたことを特徴とするリラクタンスモータ。
- 磁性体部材で構成される回転子本体と、前記回転子本体の内部に延在して前記回転子本体と一体に形成され、前記回転子本体を構成する磁性体部材よりも比較的磁気抵抗の大きい部材で構成されて、互いに並設される複数の磁束制御部分とを備え、前記複数の磁束制御部分によって、前記回転子本体における磁束の流れやすい方向であるd軸と磁束の流れにくい方向であるq軸とを互いに直角方向に構成し、前記d軸とq軸との間に発生するリラクタンストルクを利用して回転する回転子構造を構成する2極のリラクタンスモータにおいて、前記回転子本体の中心部を貫通し前記回転子本体の中心部に嵌合により一体に結合される本体貫通軸部および前記本体貫通軸部の駆動側に一体に設けられ前記本体貫通軸部よりも大きな直径を持つ軸部で構成され回転子本体の端面に結合されるフランジを有する第1の回転軸部材と、前記回転子本体の中心部から突出した前記第1の回転軸部材の反駆動側端部における外周部に嵌合によって結合される前記第1の回転軸部材における本体貫通軸部よりも大きな直径を持つ軸部で構成され回転子本体の端面に結合されるフランジを有する第2の回転軸部材とを設けたことを特徴とするリラクタンスモータ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003015455A JP2004229433A (ja) | 2003-01-24 | 2003-01-24 | リラクタンスモータ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003015455A JP2004229433A (ja) | 2003-01-24 | 2003-01-24 | リラクタンスモータ |
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JP2004229433A true JP2004229433A (ja) | 2004-08-12 |
Family
ID=32903202
Family Applications (1)
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JP2003015455A Pending JP2004229433A (ja) | 2003-01-24 | 2003-01-24 | リラクタンスモータ |
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JP (1) | JP2004229433A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106961178A (zh) * | 2016-01-08 | 2017-07-18 | 台湾电产科技股份有限公司 | 适用于同步马达的配重结构 |
CN106961196A (zh) * | 2016-01-08 | 2017-07-18 | 台湾电产科技股份有限公司 | 同步马达的转子的结构 |
CN112467909A (zh) * | 2020-11-30 | 2021-03-09 | 珠海格力电器股份有限公司 | 电机转子、永磁电机和电动汽车 |
-
2003
- 2003-01-24 JP JP2003015455A patent/JP2004229433A/ja active Pending
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