JP2004228878A - ネットワーク接続装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セキュリティ上問題を解消することができ、長時間にわたりオンラインのアプリケーションを利用する際にも不具合を生じることもないネットワーク接続装置を提供する。
【解決手段】ADSLルータ101は、ADSLモデム201と、ルータ200と、探索器202とを備える。探索部202がLAN側回線上の全ノードに向けてARP要求パケットを送信し、そのパケットに対するARP応答パケットが一つもない場合には起動中のノードが全く存在しないと判断してWAN側回線上のPPPoE接続を切断するとともにADSLモデム201の電源を切断し、他方、ARP応答パケットがある場合には起動中のノードが存在すると判断してWAN側回線上のPPPoE接続を確立するとともにADSLモデム201の電源を投入する。
【選択図】 図2
【解決手段】ADSLルータ101は、ADSLモデム201と、ルータ200と、探索器202とを備える。探索部202がLAN側回線上の全ノードに向けてARP要求パケットを送信し、そのパケットに対するARP応答パケットが一つもない場合には起動中のノードが全く存在しないと判断してWAN側回線上のPPPoE接続を切断するとともにADSLモデム201の電源を切断し、他方、ARP応答パケットがある場合には起動中のノードが存在すると判断してWAN側回線上のPPPoE接続を確立するとともにADSLモデム201の電源を投入する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LAN(Local Area Network)とWAN(Wide Area Network)を接続するネットワーク接続装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
LANは特定のエリア内での通信網であるが、インターネット等のWANは離れた場所にあるLAN同士を接続し、広いエリアでの通信網を構築するものである。離れた場所にあるLAN同士を接続するための通信回線は、通信事業者が所有する例えばISDN(Integrated Services Digital Network)やxDSL(Digital Subscriber Line )などの通信回線が使用される。WANでは、LANの出入口にあたる部分にルータが設置される。ルータは、パケットの通信経路(ルート)を制御するものである。WANでは、それぞれのLANのルータ同士が接続されることになる。
【0003】
さて、一般的には、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line、非対称ディジタル加入者回線)の通信回線は常時接続で使用されているため、ADSLルータは、LAN内の端末装置がWAN側の通信回線を介して通信を行っているか否かにかかわらず、常にWAN側の通信回線と接続した状態を維持することになる。このように、このルータは、LAN内の端末装置がWAN側の通信回線を介して通信を行っていない場合でも、常にWAN側の通信回線に接続したままの状態であるため、WANからの不正アクセスに対して無防備であり、セキュリティ上問題があった。また、ADSLの通信回線の常時接続により、ADSLモデムは、常に電力を消費し続けることにもなる。
【0004】
この問題を解決する第1の方法として、LAN側のEthernet(登録商標)のリンク状態を確認する技術がある。この技術は、LAN側回線のリンク状態(LAN側端末機器から送信されるリンクテストパルス)を調べて、リンクが確立していればLAN側回線上にノードが存在しているものとみなしてWAN側回線の接続を維持し、他方、リンクが確立していなければLAN側回線上にノードが存在しないものとしてWAN側回線の接続を切断するものである。
【0005】
また、この問題を解決する第2の方法として、ルータがLAN側回線とWAN側回線の間を転送するパケット量を観測して、一定時間にわたってパケット転送が行なわれなければ、通信は行なわれていないとしてWAN側回線の接続を切断する技術がある。
【0006】
尚、その他、本発明に関連する従来技術は、例えば、次に示す文献に記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−320415号公報
【特許文献2】
特開2002−217953号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の第1の方法においては、ルータとLAN側接続機器との間にHUB(ハブ。集線装置)が存在する場合には、通信を行なうノードの有無に関わらずリンクパルスを検出してしまうため、ノードが1つも起動していない状態であってもWAN側回線を切断できないという問題があった。
【0009】
また、上述の第2の方法においては、ルータに流れるIPパケットを監視し、IPパケットが一定時間流れなかった場合にはWAN側の通信回線を切断するので、端末装置の利用者の意思とは無関係に通信回線の切断がなされてしまい、このため、長時間にわたりセッションを保つ必要のあるアプリケーションが実行不可能となってしまうという問題があった。また、この方法では、外部から(WAN側から)LAN側に不正なアクセスが継続して行われた場合、IPパケットの流れを監視するだけではWAN側の通信回線が切断されないため、依然として上記したようなセキュリティ上の問題があった。さらに、WAN側に公開したいサーバをLAN側回線上に立てた場合にはクライアントとの通信経路は常に維持しておく必要があるのにも関わらず、サーバは普段は通信を行わないため、ルータによってWAN側回線が切断される可能性が高いという問題もある。
【0010】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、セキュリティ上問題を解消することができ、通信事業者の通信回線を効率的に利用することができ、長時間にわたりオンラインのアプリケーションを利用する際にも不具合を生じることもないルータを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明のネットワーク接続装置は、LAN側機器に向けてARP要求パケット(LAN側回線上のプロトコルがIPv4である場合)またはICMP Neighbor Solicitationパケット(LAN側回線上のプロトコルがIPv6である場合)を送出してその応答を調べることで起動中のLAN側機器を探索し、その結果、起動中の機器が存在しないと判断した場合にはWAN側回線を切断する。
【0012】
すなわち、本発明のネットワーク接続装置は、広域ネットワークとローカルエリアネットワークとを相互に接続するネットワーク接続装置において、ローカルエリアネットワークを構成する各ノードと定期的に所定のパケット通信を行うことにより各ノードの状態を監視し、起動しているノードが存在しないと判断した場合には、広域ネットワークとのコネクションを終了し、起動しているノードが存在すると判断した場合にはコネクションを確立することを特徴とする。
【0013】
また、本発明のネットワーク接続方法は、広域ネットワークとローカルエリアネットワークとを相互に接続するネットワーク接続方法において、ローカルエリアネットワークを構成する各ノードと定期的に所定のパケット通信を行うことにより各ノードの状態を監視し、起動しているノードが存在しないと判断した場合には、広域ネットワークとのコネクションを終了し、起動しているノードが存在すると判断した場合にはコネクションを確立することを特徴とする。
【0014】
また、本発明のネットワーク接続装置は、有線LAN回線と無線LAN回線とを相互に接続するネットワーク接続装置において、有線LAN回線上の各ノードと所定のパケット通信を行うことにより各ノードの状態を監視し、起動しているノードが存在しない場合には、内蔵する無線通信機の電源を断ち、起動しているノードが存在する場合には当該電源を投入することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のネットワーク接続方法は、有線LAN回線と無線LAN回線とを相互に接続するネットワーク接続方法において、有線LAN回線上の各ノードと所定のパケット通信を行うことにより各ノードの状態を監視し、起動しているノードが存在しない場合には、内蔵する無線通信機の電源を断ち、起動しているノードが存在する場合には当該電源を投入することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明が適用される通信システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示されるように、本通信システムは、LAN100とWAN105とから構成され、LAN100には、LAN側回線とWAN側回線の間でIPパケットのルーティングをするネットワーク接続装置101と、ノードとしての複数のPC、サーバをEthernet(登録商標)でつなぐためのHUB(集線装置)102と、サーバ103と、PC104とが備わっている。
【0018】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態においては、WAN側回線はADSLであるため、以後の説明においては、ネットワーク接続装置をADSLルータと呼ぶ。
【0019】
図2に示されるように、本実施の形態のADSLルータ101は、ADSLモデム201と、ルータ200と、探索器202とを備える。ADSLモデム201は、ADSL回線に接続し、ルータ200と探索器202はLAN側回線に接続する。LAN側回線には、PC、サーバ、HUBなどが接続される(図示せず)。
【0020】
ADSLモデム201は、ルータ200から送信されたPPPoE(Point−to−Point Protocol Over Ethernet(登録商標))パケットをATMセルでカプセル化した後にADSL信号に変換してADSLに送信し、逆に、ADSL信号としてADSLから受信したATMセルからPPPoEパケットを取り出してルータ200に送信する。
【0021】
ここで、PPPoEについて簡単に説明する。PPP(Point to Point Protocol)は、2つのノード間で通信するための物理層/データリンク層プロトコルで、複数の上位プロトコルを同時にサポートできるほか、IPアドレスの自動割り当てやユーザー認証などの機能を持つ。PPPoE(Point−to−Point Protocol Over Ethernet(登録商標))は、こうしたPPPの機能をEthernet(登録商標)上で実現するためのプロトコルであり、 RFC2516 (IETF(The Internet Engineering Task Force)のホームページ http://www.ietf.org/を参照)で規定されている。
【0022】
ルータ200は、ADSLモデム201からPPPoEパケットとして受信したIPパケット、又はLAN側回線からEthernet(登録商標)パケットとして受信したIPパケットを、送信先IPアドレスに従ってIPルーティング制御を行う機能を備える。本実施の形態ではルータ200が扱うIPパケットはIPv4(Internet Protocol version 4、IPバージョン4)であるとする。ルータ200は、LAN側回線にIPパケットを送出する場合にはEthernet(登録商標)パケットとしてカプセル化して送出し、他方、ADSLモデム201にIPパケットを送出する場合にはPPPoEパケットとしてカプセル化して送出する。また、ルータ200は、WAN側回線上のPPPoE接続の確立と切断をするPPPoE接続/切断スイッチ203を備え、それを切り替えることによりPPPoE接続の確立と切断の手順を行なう。PPPoE接続/切断スイッチ203のオンオフは、探索器202から制御できる。さらに、ルータ200は、探索器202からLAN側IPアドレスとサブネットについての問い合わせを受け、探索器202に回答する。
【0023】
探索器202の動作は次の通りである。探索器202は、まず、LAN側IPアドレスとサブネットに関する情報をルータ200に問い合わせる。そして、LAN内において起動しているノードがあるかどうかを所定の間隔で調べ、その結果に従いスイッチを切り替える。LAN内に起動しているノードがあるかどうかの調査は、ARP要求パケットをLAN側回線に送出することにより行う。
【0024】
ここで、ARP要求パケットについて簡単に説明する。ARP(Address Resolution Protocol、アドレス解決プロトコル)とは、TCP/IPにおいて、IPアドレスから物理層のネットワーク・アドレス(MACアドレス)を求めるために利用されるプロトコルである。TCP/IPプロトコルでは、各ノードに対してIPアドレスを付け、これに基づいてノード間でIPパケットの送受信を行っている。しかし実際にIPパケットを送受信するためには、下位のデータリンク層の機能を使ってIPパケットをカプセル化して送受信する必要があるが、そのときに使用される宛先のアドレスは、IPアドレスではなく、データリンク層のアドレスである(これは物理アドレスなどとも呼び、Ethernet(登録商標)ならばMACアドレスのことを指す)。つまりIPパケットを送信するためには、その宛先のデータリンク層のアドレス(MACアドレス)が必要になる。このために利用されるのがARPプロトコルである。IPパケットを送信する前には、まず宛先のMACアドレスを得るために、ARP要求パケットをブロードキャストで送信する。このARP要求パケット中には、IPパケットの送信先となるIPアドレスと、送信元のIPアドレス、MACアドレスの情報が記録されている。ブロードキャストを受信した各ノードでは、自ノードのIPアドレスがこのARPパケット中の宛先IPアドレス・フィールドと一致するかどうかを調べ、一致するならば、自ノードのMACアドレス情報をセットして、ARP応答パケットを送信する。これにより、ARPの要求を送信したノードは、宛先となるMACアドレスを取得することができる。
【0025】
本実施の形態においては、ARP要求パケットの宛先は、LAN側のサブネットに含まれる全てのIPアドレス(ただし、ADSLルータ自体のIPアドレスは除く。)である。探索器202は、送信したARP要求パケットに対するARP応答パケットを1つでも受信できれば、LAN側回線上に起動状態のノードが存在すると判断する。言い換えると、ARP応答パケットを1つも受信できなかった場合には、LAN側回線上に起動状態のノードは存在しないものと判断する。
【0026】
探索器202は、LAN側回線上に起動しているノードが存在しないと判断すると、まず、ルータ200のPPPoE接続/切断スイッチ203を操作して、WAN側回線上のPPPoE接続を切断する。次いで、ADSLモデム電源スイッチ204を操作して、ADSLモデム201の電源を切断する。逆に、探索器202は、LAN側回線上に起動しているノードが存在すると判断すると、まず、ADSLモデム201の電源を投入し、次いで、ルータ200を操作してWAN側PPPoE接続を確立する。
【0027】
以上まとめると、探索部202がLAN側回線上の全ノードに向けてARP要求パケットを送信し、そのパケットに対するARP応答パケットが一つもない場合には起動中のノードが全く存在しないと判断してWAN側回線上のPPPoE接続を切断するとともにADSLモデム201の電源を切断し、他方、ARP応答パケットがある場合には起動中のノードが存在すると判断してWAN側回線上のPPPoE接続を確立するとともにADSLモデム201の電源を投入する。
【0028】
次に、本実施の形態の動作を図を参照して説明する。
【0029】
図3は、本実施の形態の動作を説明するためのシーケンス図である。図において、ADSLルータが起動すると、探索器202は、LAN側回線上におけるIPアドレスとサブネットをルータ200に問い合わせる。それを受けてルータ200は、IPアドレスとサブネットを探索器202に返信する。
【0030】
次に探索器202は、定期的に、先に取得したサブネットに属する全てのIPアドレスに対してARP要求のパケットをブロードキャストで送信する。ここで、ルータ200がLAN側回線上で属するサブネットのマスクが24bitとすると、ルータ200自身のIPアドレスに対してはARP要求を行なわないので、一度に送出されるARP要求パケットは253個になる。ARP要求パケットの送信元アドレスにはルータのLAN側IPアドレスを使用する。
【0031】
探索器202から送出された253個のARP要求パケットは、HUB(図示せず)を経由して、サーバやPC等の各ノードに送信される。探索器202は、LAN側回線のサブネット内に含まれる全てのIPアドレスにARP要求パケットを送信しているので、各ノードが受け取るARP要求パケットの中にはそれぞれ1つずつ自分宛のARP要求パケットが含まれている。
【0032】
起動しているノード1は、受け取った自分宛のARP要求パケットに対して、送信元に設定されているルータを宛先としてARP応答パケットを送信する。一方、起動していないか又は存在しないノード2に向けて送信されたARP要求パケットに対するARP応答パケットが送信されることはない。尚、HUBはLAN側回線上に存在するが、IPアドレスを持たないのでARP要求パケットに対して応答することはない。
【0033】
本例の場合、探索器202は、1つのARP応答パケットを受け取ったことから、LAN側回線上に起動しているノードが1つ存在すると判断する。したがって、探索器202は、PPPoE接続/切断スイッチ203を接続状態とすることによりPPPoE接続を確立し、また、ADSLモデム電源スイッチ204をオンにする。尚、両スイッチを操作する際に、既に、PPPoE接続が確立し、ADSLモデムの電源が投入されている場合には何もしない。
【0034】
こうして、LAN側回線上に起動しているノードが存在していることが探索器202に認識されると、ADSLモデム201の電源は投入されWAN側回線上のPPPoE接続は確立され、LAN側回線上に存在するノードはWAN側回線上に存在するノードと通信が出来るようになる。
【0035】
これに対して、ARP応答パケットを一つも受信しない場合、すなわち、LAN側回線上に起動しているノードが一つもない場合には、探索器202は、PPPoE接続/切断スイッチ203を切断することによりPPPoE接続を切断し、また、ADSLモデム電源スイッチ204をオフにする。尚、両スイッチを操作する際に、既に、PPPoE接続が切断し、ADSLモデム201の電源が切断されている場合には何もしない。
【0036】
こうして、LAN側回線上に起動しているノードが存在しないことが探索器202に認識されると、WAN側回線上のPPPoE接続は切断され、さらに、ADSLモデム201の電源は切断される。これにより、ADSLルータの消費電力が軽減することができる。
【0037】
本実施の形態の説明では、WAN側回線がADSLである例を挙げたが、アナログ電話回線、パケット回線、ISDN回線などの他の回線の場合であっても適用できることは言うまでもない。その場合、ADSLモデムを他の回線用のモデムに置き換えるだけでよい。
【0038】
また、本実施の形態は探索器202がARP要求パケットを送出する例であったが、それ以外に、IPv6(Internet Protocol version 6、IPバージョン6)におけるICMP Neighbor Solicitationパケットなどのプロトコルを適用することができる。ルータ200がIPv6プロトコルを取り扱う場合には、探索器202は、ICMP Neighbor Solicitationパケットを送出し、ICMP Neighbor Advertisementパケットの数を数える。なお、ICMP Neighbor Solicitation、ICMP Neighbor Advertisementの内容については、RFC1256に規定されている。
【0039】
また、本実施の形態では、起動時に探索器202はルータからLAN側IPアドレスとサブネットを取得し、ルータを除いたそのサブネット内の全てのIPアドレス対してARP要求パケットを送出することによって、ルータが属するサブネット内の全てのノードを探索していたが、ARP要求パケットの宛先としてユーザが特定のアドレスを設定することによって、特定のノードだけを探索する方法も考えられる。例えば、ノードとしてサーバとPCがあり、サーバはWAN側との通信を行なうノードであるが、PCはWAN側との通信を行なわないノードであることが事前に判明していれば、サーバの起動状態を探索するだけでWAN側回線と接続するか否かを決定できる。したがって、この場合は、ARP要求パケットの宛先としてサーバのアドレスだけを探索器202に設定すればよい。これによって、WAN側との通信を行なわないPCが起動していたとしても、サーバが起動していなければWAN側回線の接続を維持する必要が無いと正しく判断して、ADSLルータはWAN側回線との接続を切断できる。
【0040】
本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0041】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るネットワーク接続装置の構成を示すブロック図である。これは、本発明を無線LAN付きルータ適用した例である。
【0042】
図4に示されるように、本実施の形態の無線LAN付きルータは、有線LAN側回線と無線LAN側回線の間でIPパケットのルーティングを行う機器であり、ルータ400と、無線通信機401と、探索器402と、無線通信機電源スイッチ403とから構成される。そして、有線LAN回線側にはPC404が接続され、無線LAN回線側にはアクセスポイント405が設置される。
【0043】
無線通信機401は、ルータ400から送出された無線LAN用のレイヤ2パケット(以下、無線LANパケットという。)を無線LAN回線に送出し、他方、無線LAN回線から受信した無線LANパケットをルータ400に送出する。また、無線通信機401の電源スイッチ403は探索器402から制御できる仕組みとなっている。
ルータ400は、無線通信機401から無線LANパケットとして受信したIPパケットを、または、有線LAN回線からEthernet(登録商標)パケットとして受信したIPパケットを送信先IPアドレスに従ってIPルーティング制御を行う。すなわち、ルータ400からLAN回線にIPパケットを送出する場合にはEthernet(登録商標)パケットとしてカプセル化して送出し、ルータ400から無線通信機401にIPパケットを送出する場合には無線LANパケットとしてカプセル化して送出する。
【0044】
探索部402は、基本的には、第1の実施の形態と同様な動作をする。すなわち、まず、探索部402は、ルータ400からサブネット及びIPアドレスの情報を取得する。次に、探索部402は、有線LAN回線上の全ノードに向けてARP要求パケットを送信し、そのパケットに対するARP応答パケットが一つもない場合には起動中のノードが全く存在しないと判断し無線通信機電源スイッチ403を介して無線通信機401の電源を切断し、他方、ARP応答パケットがある場合には起動中のノードが存在すると判断し無線通信機電源スイッチ403を介して無線通信機401の電源を投入する。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、LAN側回線におけるノードに所定のパケットを送信し、そのパケットに対する応答があるかどうかを確認することにより各ノードの起動状態を探索し、起動しているノードが一つも無い場合には、通信回線を切断するため、WAN側からの不正アクセスを軽減することができると共に、長時間にわたりオンラインのアプリケーションを利用する際にも不具合を生じることもない。さらに、起動しているノードが一つも無い場合には、所定の機器の電源を落とすため、消費電力も軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される通信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 LAN、101 ネットワーク接続装置、102 HUB、103 サーバ、104 PC、105 WAN、200 ルータ、201 ADSLモデム、202 探索器、 203 PPPoE接続/切断スイッチ、204 ADSLモデム電源スイッチ、400 ルータ、401 無線通信機、402 探索器、403 無線通信機電源スイッチ、404 PC、405 アクセスポイント
【発明の属する技術分野】
本発明は、LAN(Local Area Network)とWAN(Wide Area Network)を接続するネットワーク接続装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
LANは特定のエリア内での通信網であるが、インターネット等のWANは離れた場所にあるLAN同士を接続し、広いエリアでの通信網を構築するものである。離れた場所にあるLAN同士を接続するための通信回線は、通信事業者が所有する例えばISDN(Integrated Services Digital Network)やxDSL(Digital Subscriber Line )などの通信回線が使用される。WANでは、LANの出入口にあたる部分にルータが設置される。ルータは、パケットの通信経路(ルート)を制御するものである。WANでは、それぞれのLANのルータ同士が接続されることになる。
【0003】
さて、一般的には、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line、非対称ディジタル加入者回線)の通信回線は常時接続で使用されているため、ADSLルータは、LAN内の端末装置がWAN側の通信回線を介して通信を行っているか否かにかかわらず、常にWAN側の通信回線と接続した状態を維持することになる。このように、このルータは、LAN内の端末装置がWAN側の通信回線を介して通信を行っていない場合でも、常にWAN側の通信回線に接続したままの状態であるため、WANからの不正アクセスに対して無防備であり、セキュリティ上問題があった。また、ADSLの通信回線の常時接続により、ADSLモデムは、常に電力を消費し続けることにもなる。
【0004】
この問題を解決する第1の方法として、LAN側のEthernet(登録商標)のリンク状態を確認する技術がある。この技術は、LAN側回線のリンク状態(LAN側端末機器から送信されるリンクテストパルス)を調べて、リンクが確立していればLAN側回線上にノードが存在しているものとみなしてWAN側回線の接続を維持し、他方、リンクが確立していなければLAN側回線上にノードが存在しないものとしてWAN側回線の接続を切断するものである。
【0005】
また、この問題を解決する第2の方法として、ルータがLAN側回線とWAN側回線の間を転送するパケット量を観測して、一定時間にわたってパケット転送が行なわれなければ、通信は行なわれていないとしてWAN側回線の接続を切断する技術がある。
【0006】
尚、その他、本発明に関連する従来技術は、例えば、次に示す文献に記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−320415号公報
【特許文献2】
特開2002−217953号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の第1の方法においては、ルータとLAN側接続機器との間にHUB(ハブ。集線装置)が存在する場合には、通信を行なうノードの有無に関わらずリンクパルスを検出してしまうため、ノードが1つも起動していない状態であってもWAN側回線を切断できないという問題があった。
【0009】
また、上述の第2の方法においては、ルータに流れるIPパケットを監視し、IPパケットが一定時間流れなかった場合にはWAN側の通信回線を切断するので、端末装置の利用者の意思とは無関係に通信回線の切断がなされてしまい、このため、長時間にわたりセッションを保つ必要のあるアプリケーションが実行不可能となってしまうという問題があった。また、この方法では、外部から(WAN側から)LAN側に不正なアクセスが継続して行われた場合、IPパケットの流れを監視するだけではWAN側の通信回線が切断されないため、依然として上記したようなセキュリティ上の問題があった。さらに、WAN側に公開したいサーバをLAN側回線上に立てた場合にはクライアントとの通信経路は常に維持しておく必要があるのにも関わらず、サーバは普段は通信を行わないため、ルータによってWAN側回線が切断される可能性が高いという問題もある。
【0010】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、セキュリティ上問題を解消することができ、通信事業者の通信回線を効率的に利用することができ、長時間にわたりオンラインのアプリケーションを利用する際にも不具合を生じることもないルータを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明のネットワーク接続装置は、LAN側機器に向けてARP要求パケット(LAN側回線上のプロトコルがIPv4である場合)またはICMP Neighbor Solicitationパケット(LAN側回線上のプロトコルがIPv6である場合)を送出してその応答を調べることで起動中のLAN側機器を探索し、その結果、起動中の機器が存在しないと判断した場合にはWAN側回線を切断する。
【0012】
すなわち、本発明のネットワーク接続装置は、広域ネットワークとローカルエリアネットワークとを相互に接続するネットワーク接続装置において、ローカルエリアネットワークを構成する各ノードと定期的に所定のパケット通信を行うことにより各ノードの状態を監視し、起動しているノードが存在しないと判断した場合には、広域ネットワークとのコネクションを終了し、起動しているノードが存在すると判断した場合にはコネクションを確立することを特徴とする。
【0013】
また、本発明のネットワーク接続方法は、広域ネットワークとローカルエリアネットワークとを相互に接続するネットワーク接続方法において、ローカルエリアネットワークを構成する各ノードと定期的に所定のパケット通信を行うことにより各ノードの状態を監視し、起動しているノードが存在しないと判断した場合には、広域ネットワークとのコネクションを終了し、起動しているノードが存在すると判断した場合にはコネクションを確立することを特徴とする。
【0014】
また、本発明のネットワーク接続装置は、有線LAN回線と無線LAN回線とを相互に接続するネットワーク接続装置において、有線LAN回線上の各ノードと所定のパケット通信を行うことにより各ノードの状態を監視し、起動しているノードが存在しない場合には、内蔵する無線通信機の電源を断ち、起動しているノードが存在する場合には当該電源を投入することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のネットワーク接続方法は、有線LAN回線と無線LAN回線とを相互に接続するネットワーク接続方法において、有線LAN回線上の各ノードと所定のパケット通信を行うことにより各ノードの状態を監視し、起動しているノードが存在しない場合には、内蔵する無線通信機の電源を断ち、起動しているノードが存在する場合には当該電源を投入することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明が適用される通信システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示されるように、本通信システムは、LAN100とWAN105とから構成され、LAN100には、LAN側回線とWAN側回線の間でIPパケットのルーティングをするネットワーク接続装置101と、ノードとしての複数のPC、サーバをEthernet(登録商標)でつなぐためのHUB(集線装置)102と、サーバ103と、PC104とが備わっている。
【0018】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワーク接続装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態においては、WAN側回線はADSLであるため、以後の説明においては、ネットワーク接続装置をADSLルータと呼ぶ。
【0019】
図2に示されるように、本実施の形態のADSLルータ101は、ADSLモデム201と、ルータ200と、探索器202とを備える。ADSLモデム201は、ADSL回線に接続し、ルータ200と探索器202はLAN側回線に接続する。LAN側回線には、PC、サーバ、HUBなどが接続される(図示せず)。
【0020】
ADSLモデム201は、ルータ200から送信されたPPPoE(Point−to−Point Protocol Over Ethernet(登録商標))パケットをATMセルでカプセル化した後にADSL信号に変換してADSLに送信し、逆に、ADSL信号としてADSLから受信したATMセルからPPPoEパケットを取り出してルータ200に送信する。
【0021】
ここで、PPPoEについて簡単に説明する。PPP(Point to Point Protocol)は、2つのノード間で通信するための物理層/データリンク層プロトコルで、複数の上位プロトコルを同時にサポートできるほか、IPアドレスの自動割り当てやユーザー認証などの機能を持つ。PPPoE(Point−to−Point Protocol Over Ethernet(登録商標))は、こうしたPPPの機能をEthernet(登録商標)上で実現するためのプロトコルであり、 RFC2516 (IETF(The Internet Engineering Task Force)のホームページ http://www.ietf.org/を参照)で規定されている。
【0022】
ルータ200は、ADSLモデム201からPPPoEパケットとして受信したIPパケット、又はLAN側回線からEthernet(登録商標)パケットとして受信したIPパケットを、送信先IPアドレスに従ってIPルーティング制御を行う機能を備える。本実施の形態ではルータ200が扱うIPパケットはIPv4(Internet Protocol version 4、IPバージョン4)であるとする。ルータ200は、LAN側回線にIPパケットを送出する場合にはEthernet(登録商標)パケットとしてカプセル化して送出し、他方、ADSLモデム201にIPパケットを送出する場合にはPPPoEパケットとしてカプセル化して送出する。また、ルータ200は、WAN側回線上のPPPoE接続の確立と切断をするPPPoE接続/切断スイッチ203を備え、それを切り替えることによりPPPoE接続の確立と切断の手順を行なう。PPPoE接続/切断スイッチ203のオンオフは、探索器202から制御できる。さらに、ルータ200は、探索器202からLAN側IPアドレスとサブネットについての問い合わせを受け、探索器202に回答する。
【0023】
探索器202の動作は次の通りである。探索器202は、まず、LAN側IPアドレスとサブネットに関する情報をルータ200に問い合わせる。そして、LAN内において起動しているノードがあるかどうかを所定の間隔で調べ、その結果に従いスイッチを切り替える。LAN内に起動しているノードがあるかどうかの調査は、ARP要求パケットをLAN側回線に送出することにより行う。
【0024】
ここで、ARP要求パケットについて簡単に説明する。ARP(Address Resolution Protocol、アドレス解決プロトコル)とは、TCP/IPにおいて、IPアドレスから物理層のネットワーク・アドレス(MACアドレス)を求めるために利用されるプロトコルである。TCP/IPプロトコルでは、各ノードに対してIPアドレスを付け、これに基づいてノード間でIPパケットの送受信を行っている。しかし実際にIPパケットを送受信するためには、下位のデータリンク層の機能を使ってIPパケットをカプセル化して送受信する必要があるが、そのときに使用される宛先のアドレスは、IPアドレスではなく、データリンク層のアドレスである(これは物理アドレスなどとも呼び、Ethernet(登録商標)ならばMACアドレスのことを指す)。つまりIPパケットを送信するためには、その宛先のデータリンク層のアドレス(MACアドレス)が必要になる。このために利用されるのがARPプロトコルである。IPパケットを送信する前には、まず宛先のMACアドレスを得るために、ARP要求パケットをブロードキャストで送信する。このARP要求パケット中には、IPパケットの送信先となるIPアドレスと、送信元のIPアドレス、MACアドレスの情報が記録されている。ブロードキャストを受信した各ノードでは、自ノードのIPアドレスがこのARPパケット中の宛先IPアドレス・フィールドと一致するかどうかを調べ、一致するならば、自ノードのMACアドレス情報をセットして、ARP応答パケットを送信する。これにより、ARPの要求を送信したノードは、宛先となるMACアドレスを取得することができる。
【0025】
本実施の形態においては、ARP要求パケットの宛先は、LAN側のサブネットに含まれる全てのIPアドレス(ただし、ADSLルータ自体のIPアドレスは除く。)である。探索器202は、送信したARP要求パケットに対するARP応答パケットを1つでも受信できれば、LAN側回線上に起動状態のノードが存在すると判断する。言い換えると、ARP応答パケットを1つも受信できなかった場合には、LAN側回線上に起動状態のノードは存在しないものと判断する。
【0026】
探索器202は、LAN側回線上に起動しているノードが存在しないと判断すると、まず、ルータ200のPPPoE接続/切断スイッチ203を操作して、WAN側回線上のPPPoE接続を切断する。次いで、ADSLモデム電源スイッチ204を操作して、ADSLモデム201の電源を切断する。逆に、探索器202は、LAN側回線上に起動しているノードが存在すると判断すると、まず、ADSLモデム201の電源を投入し、次いで、ルータ200を操作してWAN側PPPoE接続を確立する。
【0027】
以上まとめると、探索部202がLAN側回線上の全ノードに向けてARP要求パケットを送信し、そのパケットに対するARP応答パケットが一つもない場合には起動中のノードが全く存在しないと判断してWAN側回線上のPPPoE接続を切断するとともにADSLモデム201の電源を切断し、他方、ARP応答パケットがある場合には起動中のノードが存在すると判断してWAN側回線上のPPPoE接続を確立するとともにADSLモデム201の電源を投入する。
【0028】
次に、本実施の形態の動作を図を参照して説明する。
【0029】
図3は、本実施の形態の動作を説明するためのシーケンス図である。図において、ADSLルータが起動すると、探索器202は、LAN側回線上におけるIPアドレスとサブネットをルータ200に問い合わせる。それを受けてルータ200は、IPアドレスとサブネットを探索器202に返信する。
【0030】
次に探索器202は、定期的に、先に取得したサブネットに属する全てのIPアドレスに対してARP要求のパケットをブロードキャストで送信する。ここで、ルータ200がLAN側回線上で属するサブネットのマスクが24bitとすると、ルータ200自身のIPアドレスに対してはARP要求を行なわないので、一度に送出されるARP要求パケットは253個になる。ARP要求パケットの送信元アドレスにはルータのLAN側IPアドレスを使用する。
【0031】
探索器202から送出された253個のARP要求パケットは、HUB(図示せず)を経由して、サーバやPC等の各ノードに送信される。探索器202は、LAN側回線のサブネット内に含まれる全てのIPアドレスにARP要求パケットを送信しているので、各ノードが受け取るARP要求パケットの中にはそれぞれ1つずつ自分宛のARP要求パケットが含まれている。
【0032】
起動しているノード1は、受け取った自分宛のARP要求パケットに対して、送信元に設定されているルータを宛先としてARP応答パケットを送信する。一方、起動していないか又は存在しないノード2に向けて送信されたARP要求パケットに対するARP応答パケットが送信されることはない。尚、HUBはLAN側回線上に存在するが、IPアドレスを持たないのでARP要求パケットに対して応答することはない。
【0033】
本例の場合、探索器202は、1つのARP応答パケットを受け取ったことから、LAN側回線上に起動しているノードが1つ存在すると判断する。したがって、探索器202は、PPPoE接続/切断スイッチ203を接続状態とすることによりPPPoE接続を確立し、また、ADSLモデム電源スイッチ204をオンにする。尚、両スイッチを操作する際に、既に、PPPoE接続が確立し、ADSLモデムの電源が投入されている場合には何もしない。
【0034】
こうして、LAN側回線上に起動しているノードが存在していることが探索器202に認識されると、ADSLモデム201の電源は投入されWAN側回線上のPPPoE接続は確立され、LAN側回線上に存在するノードはWAN側回線上に存在するノードと通信が出来るようになる。
【0035】
これに対して、ARP応答パケットを一つも受信しない場合、すなわち、LAN側回線上に起動しているノードが一つもない場合には、探索器202は、PPPoE接続/切断スイッチ203を切断することによりPPPoE接続を切断し、また、ADSLモデム電源スイッチ204をオフにする。尚、両スイッチを操作する際に、既に、PPPoE接続が切断し、ADSLモデム201の電源が切断されている場合には何もしない。
【0036】
こうして、LAN側回線上に起動しているノードが存在しないことが探索器202に認識されると、WAN側回線上のPPPoE接続は切断され、さらに、ADSLモデム201の電源は切断される。これにより、ADSLルータの消費電力が軽減することができる。
【0037】
本実施の形態の説明では、WAN側回線がADSLである例を挙げたが、アナログ電話回線、パケット回線、ISDN回線などの他の回線の場合であっても適用できることは言うまでもない。その場合、ADSLモデムを他の回線用のモデムに置き換えるだけでよい。
【0038】
また、本実施の形態は探索器202がARP要求パケットを送出する例であったが、それ以外に、IPv6(Internet Protocol version 6、IPバージョン6)におけるICMP Neighbor Solicitationパケットなどのプロトコルを適用することができる。ルータ200がIPv6プロトコルを取り扱う場合には、探索器202は、ICMP Neighbor Solicitationパケットを送出し、ICMP Neighbor Advertisementパケットの数を数える。なお、ICMP Neighbor Solicitation、ICMP Neighbor Advertisementの内容については、RFC1256に規定されている。
【0039】
また、本実施の形態では、起動時に探索器202はルータからLAN側IPアドレスとサブネットを取得し、ルータを除いたそのサブネット内の全てのIPアドレス対してARP要求パケットを送出することによって、ルータが属するサブネット内の全てのノードを探索していたが、ARP要求パケットの宛先としてユーザが特定のアドレスを設定することによって、特定のノードだけを探索する方法も考えられる。例えば、ノードとしてサーバとPCがあり、サーバはWAN側との通信を行なうノードであるが、PCはWAN側との通信を行なわないノードであることが事前に判明していれば、サーバの起動状態を探索するだけでWAN側回線と接続するか否かを決定できる。したがって、この場合は、ARP要求パケットの宛先としてサーバのアドレスだけを探索器202に設定すればよい。これによって、WAN側との通信を行なわないPCが起動していたとしても、サーバが起動していなければWAN側回線の接続を維持する必要が無いと正しく判断して、ADSLルータはWAN側回線との接続を切断できる。
【0040】
本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0041】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るネットワーク接続装置の構成を示すブロック図である。これは、本発明を無線LAN付きルータ適用した例である。
【0042】
図4に示されるように、本実施の形態の無線LAN付きルータは、有線LAN側回線と無線LAN側回線の間でIPパケットのルーティングを行う機器であり、ルータ400と、無線通信機401と、探索器402と、無線通信機電源スイッチ403とから構成される。そして、有線LAN回線側にはPC404が接続され、無線LAN回線側にはアクセスポイント405が設置される。
【0043】
無線通信機401は、ルータ400から送出された無線LAN用のレイヤ2パケット(以下、無線LANパケットという。)を無線LAN回線に送出し、他方、無線LAN回線から受信した無線LANパケットをルータ400に送出する。また、無線通信機401の電源スイッチ403は探索器402から制御できる仕組みとなっている。
ルータ400は、無線通信機401から無線LANパケットとして受信したIPパケットを、または、有線LAN回線からEthernet(登録商標)パケットとして受信したIPパケットを送信先IPアドレスに従ってIPルーティング制御を行う。すなわち、ルータ400からLAN回線にIPパケットを送出する場合にはEthernet(登録商標)パケットとしてカプセル化して送出し、ルータ400から無線通信機401にIPパケットを送出する場合には無線LANパケットとしてカプセル化して送出する。
【0044】
探索部402は、基本的には、第1の実施の形態と同様な動作をする。すなわち、まず、探索部402は、ルータ400からサブネット及びIPアドレスの情報を取得する。次に、探索部402は、有線LAN回線上の全ノードに向けてARP要求パケットを送信し、そのパケットに対するARP応答パケットが一つもない場合には起動中のノードが全く存在しないと判断し無線通信機電源スイッチ403を介して無線通信機401の電源を切断し、他方、ARP応答パケットがある場合には起動中のノードが存在すると判断し無線通信機電源スイッチ403を介して無線通信機401の電源を投入する。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、LAN側回線におけるノードに所定のパケットを送信し、そのパケットに対する応答があるかどうかを確認することにより各ノードの起動状態を探索し、起動しているノードが一つも無い場合には、通信回線を切断するため、WAN側からの不正アクセスを軽減することができると共に、長時間にわたりオンラインのアプリケーションを利用する際にも不具合を生じることもない。さらに、起動しているノードが一つも無い場合には、所定の機器の電源を落とすため、消費電力も軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される通信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 LAN、101 ネットワーク接続装置、102 HUB、103 サーバ、104 PC、105 WAN、200 ルータ、201 ADSLモデム、202 探索器、 203 PPPoE接続/切断スイッチ、204 ADSLモデム電源スイッチ、400 ルータ、401 無線通信機、402 探索器、403 無線通信機電源スイッチ、404 PC、405 アクセスポイント
Claims (22)
- 広域ネットワークとローカルエリアネットワークとを相互に接続するネットワーク接続装置において、
ローカルエリアネットワークを構成する各ノードと定期的に所定のパケット通信を行うことにより各ノードの状態を監視し、起動しているノードが存在しないと判断した場合には、広域ネットワークとのコネクションを終了し、起動しているノードが存在すると判断した場合にはコネクションを確立することを特徴とするネットワーク接続装置。 - 広域ネットワークとローカルエリアネットワークとを相互に接続するネットワーク接続装置において、
ローカルエリアネットワークを構成する各ノードと定期的に所定のパケット通信を行うことにより各ノードの状態を監視し、起動しているノードが存在しないと判断した場合には、内蔵するモデムの電源を断ち、起動しているノードが存在すると判断した場合には当該電源を投入することを特徴とするネットワーク接続装置。 - 前記所定のパケット通信は、ユーザが予め指定したノードとだけ行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワーク接続装置。
- 前記所定のパケット通信は、各ノードへのARP要求パケットの送信と、当該ARP要求パケットに対応したARP応答パケットの受信とであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載のネットワーク接続装置。
- 前記ARP応答パケットを受信しない場合には、起動しているノードが存在しないと判断することを特徴とする請求項4記載のネットワーク接続装置。
- 前記所定のパケット通信は、各ノードへのICMP Neighbor Solicitationパケットの送信と、当該ICMP Neighbor Solicitationパケットに対応したICMP Neighbor Advertisementパケットの受信とであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載のネットワーク接続装置。
- 前記ICMP Neighbor Advertisementを受信しない場合には、起動しているノードが存在しないと判断することを特徴とする請求項6記載のネットワーク接続装置。
- 有線LAN回線と無線LAN回線とを相互に接続するネットワーク接続装置において、
有線LAN回線上の各ノードと所定のパケット通信を行うことにより各ノードの状態を監視し、起動しているノードが存在しない場合には、内蔵する無線通信機の電源を断ち、起動しているノードが存在する場合には当該電源を投入することを特徴とするネットワーク接続装置。 - 前記所定のパケット通信は、ユーザが予め指定したノードとだけ行うことを特徴とする請求項8に記載のネットワーク接続装置。
- 前記所定のパケット通信は、各ノードへのARP要求パケットの送信と、当該ARP要求パケットに対応したARP応答パケットの受信とであることを特徴とする請求項8又は9に記載のネットワーク接続装置。
- 前記ARP応答パケットを受信しない場合には、起動しているノードが存在しないと判断することを特徴とする請求項10記載のネットワーク接続装置。
- 広域ネットワークとローカルエリアネットワークとを相互に接続するネットワーク接続方法において、
ローカルエリアネットワークを構成する各ノードと定期的に所定のパケット通信を行うことにより各ノードの状態を監視し、起動しているノードが存在しないと判断した場合には、広域ネットワークとのコネクションを終了し、起動しているノードが存在すると判断した場合にはコネクションを確立することを特徴とするネットワーク接続方法。 - 広域ネットワークとローカルエリアネットワークとを相互に接続するネットワーク接続方法において、
ローカルエリアネットワークを構成する各ノードと定期的に所定のパケット通信を行うことにより各ノードの状態を監視し、起動しているノードが存在しないと判断した場合には、内蔵するモデムの電源を断ち、起動しているノードが存在すると判断した場合には当該電源を投入することを特徴とするネットワーク接続方法。 - 前記所定のパケット通信は、ユーザが予め指定したノードとだけ行うことを特徴とする請求項12又は13に記載のネットワーク接続方法。
- 前記所定のパケット通信は、各ノードへのARP要求パケットの送信と、当該ARP要求パケットに対応したARP応答パケットの受信とであることを特徴とする請求項12から14のいずれか1に記載のネットワーク接続方法。
- 前記ARP応答パケットを受信しない場合には、起動しているノードが存在しないと判断することを特徴とする請求項15記載のネットワーク接続方法。
- 前記所定のパケット通信は、各ノードへのICMP Neighbor Solicitationパケットの送信と、当該ICMP Neighbor Solicitationパケットに対応したICMP Neighbor Advertisementパケットの受信とであることを特徴とする請求項12から14のいずれか1に記載のネットワーク接続方法。
- 前記ICMP Neighbor Advertisementを受信しない場合には、起動しているノードが存在しないと判断することを特徴とする請求項17記載のネットワーク接続方法。
- 有線LAN回線と無線LAN回線とを相互に接続するネットワーク接続方法において、
有線LAN回線上の各ノードと所定のパケット通信を行うことにより各ノードの状態を監視し、起動しているノードが存在しない場合には、内蔵する無線通信機の電源を断ち、起動しているノードが存在する場合には当該電源を投入することを特徴とするネットワーク接続方法。 - 前記所定のパケット通信は、ユーザが予め指定したノードとだけ行うことを特徴とする請求項19に記載のネットワーク接続方法。
- 前記所定のパケット通信は、各ノードへのARP要求パケットの送信と、当該ARP要求パケットに対応したARP応答パケットの受信とであることを特徴とする請求項19又は20に記載のネットワーク接続方法。
- 前記ARP応答パケットを受信しない場合には、起動しているノードが存在しないと判断することを特徴とする請求項21記載のネットワーク接続方法。
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