JP2004228812A - 周波数分周器 - Google Patents

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JP2004228812A
JP2004228812A JP2003012834A JP2003012834A JP2004228812A JP 2004228812 A JP2004228812 A JP 2004228812A JP 2003012834 A JP2003012834 A JP 2003012834A JP 2003012834 A JP2003012834 A JP 2003012834A JP 2004228812 A JP2004228812 A JP 2004228812A
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Yasuko Yamamoto
泰子 山本
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Abstract

【課題】低消費電力かつ高速動作が可能な周波数分周器を提供する。
【解決手段】2分周器10、30〜50をNMOSソースカップルドロジックからなり、クロック信号が入力されるNMOSトランジスタが接地されたDフリップフロップで構成し、6段目に接続された2分周器60をCMOSロジック回路からなるDフリップフロップで構成する。2分周器10、30〜50は後段にいくにつれてデバイスサイズが小さくなるように設定する。さらに、2/3分周器20をNMOSソースカップルドロジック回路からなる2個のNAND型Dフリップフロップで構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発振器から出力された高周波信号を分周することにより、所望の周波数を得る周波数分周器に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯端末やワイヤレスセンサ等の装置では、PLL(phase locked loop)方式の周波数シンセサイザを内蔵する無線ICがしばしば用いられている。PLL方式の周波数シンセサイザは、位相比較器、VCO、プリスケーラ等によって構成されるが、電力消費量の大部分がプリスケーラ(周波数分周器)によって決定される。したがって、周波数分周器の電力消費量を低くすれば、携帯端末などに用いられる電池の長寿命化を図ることができる。
【0003】
周波数分周器は、例えばDフリップフロップを直列接続して構成され、クロック信号は、各段のDフリップフロップによって周波数が1/2ずつ分周されていき、Dフリップフロップの接続個数により、最終段のDフリップフロップから所望する周波数のクロック信号が得られる。Dフリップフロップとしては、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)デジタルロジック回路やTSPC(true single phase clock)回路等が採用されるのが一般的である。これらの回路は、周波数が増大するにつれて過渡電流が増大する特性を有しているため、低周波で動作させた場合は、消費電流を極めて小さくすることができるが、高周波で動作させた場合、消費電流は著しく大きくなってしまう。
【0004】
また、DフリップフロップをTSPC回路で構成した場合、CMOSデジタルロジック回路よりも、高周波における消費電流を小さくすることができるが、電源電圧が低い場合、CMOSデジタルロジック回路同様、高周波動作ができなくなる。
【0005】
そこで、周波数によらず一定の電流を流すことができるDフリップフロップとしてソースカップルドロジックからなるDフリップフロップを用いた周波数分周器が知られている。
【0006】
図11は、従来のソースカップルドロジックからなるDフリップフロップを用いた2分周器を示している。この2分周器は、2個のラッチ1010、1020を備えたマスタースレイブ方式のDフリップフロップであり、差動クロック信号によって動作する。ラッチ1010は、ソース端子同士が接続された2個のNMOS(N−channel Metal−Oxide Semiconductor)トランジスタからなるソース結合回路1011、1012から主に構成されている。
【0007】
ソース結合回路1011及び1012のソース端子側には、ソース結合回路1013が接続されている。ソース結合回路1013は、NMOSトランジスタ1013a、1013bから構成され、NMOSトランジスタ1013aのゲート端子には、差動クロック信号のうちの一方のクロック信号(クロック信号CK+)が入力され、NMOSトランジスタ1013bのゲート端子には、他方のクロック信号(クロック信号CK−)が入力される。なお、ラッチ1020は、ラッチ1010と同一構成を有している。
【0008】
ソース結合回路1013のソース端子側にはNMOSトランジスタ1014aが接続されている。ラッチ1020のソース結合回路1023のソース端子側にはNMOSトランジスタ1014bが接続されている。NMOSトランジスタ1014a及び1014bはゲート同士が接続され、定電流回路を構成しており、それぞれのゲートにバイアス電圧VBが印加されると、所定の定電流をラッチ1010、1020に流す。
【0009】
また、周波数分周器は、いずれかの段に分周比切替え信号に応じて2分周器又は3分周器として機能する分周比切替え機能付きの回路(2/3分周器)が接続される場合もある。図12は、従来の2/3分周器の回路図を示している。2/3分周器は、2個のDフリップフロップ2001、2002、OR回路2003、AND回路2004から構成されている。Dフリップフロップ2001のQ端子には、OR回路2003が接続されている。OR回路2003の出力端子には、AND回路2004が接続されている。AND回路2004の出力端子は、Dフリップフロップ2002のD端子と接続されている。Dフリップフロップ2002のQ−端子は、Dフリップフロップ2001のD端子と接続されている。そして、2/3分周器は、OR回路2003のSEL端子から入力される分周比切替え信号のH又はLのステータスによって、3分周器又は2分周器として機能する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図11に示す従来の回路は、定電流源1014が存在するため、電源電圧VDDからグランド間に3段のNMOSが存在することとなり、省電力化を図るために電源電圧の値を小さくすると、各NMOSのソース−ドレイン間の電圧が十分確保することができず、高速動作ができないという問題がある。
【0011】
また、周波数分周器に図12に示す2/3分周回路を接続した場合、OR回路2003及びAND回路2004による信号の遅延が大きいため、この2/3分周回路を通常の2分周回路と同一の速度で動作させるためには、Dフリップフロップ2001、2002を倍程度の速度で動作させなければならず、その結果、消費電力が増大してしまう。
【0012】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、低電力消費かつ高速動作が可能な周波数分周器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る周波数分周器は、入力信号の周波数を1/N(Nは整数)に分周して出力するN分周器をM(Mは2以上の整数)個直列に接続して構成された周波数分周器であって、1段目からK(K<M:Kは整数)段目までのN分周器を、NMOSソースカップルドロジックによるマスタースレイブ方式のDフリップフロップで構成するとともに、当該Dフリップフロップを構成するNMOSトランジスタのうち、入力信号が入力されるNMOSトランジスタのソース端子を接地したことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、M段に接続されたN分周器のうち、1〜K段目までのN分周器をNMOSソースカップルドロジック(NMOSトランジスタで構成されたソースカップルドロジック)によるマスタースレイブ方式のDフリップフロップで構成するとともに、このDフリップフロップのクロック信号が入力されるNMOSトランジスタのソース端子を、定電流源を構成するNMOSトランジスタを接続することなく接地したため、従来の回路のように電源電圧からグランド間に3段あったNMOSが2段で構成されることとなるため、電源電圧の値を小さくしても各NMOSのソース−ドレイン間に十分な電圧が印加されることとなり、電力消費量の低減を図りつつ、高速動作が可能となる。
【0015】
また、前記1段目からK段目までのN分周器において、各N分周器の消費電流が、入力されるクロック信号の周波数に応じた値となるように、各N分周器を構成するNMOSトランジスタのサイズを設定することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、各段のN分周器に入力されるクロック信号の周波数に応じて、各N分周器を構成するNMOSトランジスタのデバイスサイズを設定するため、2段目以降のフリップフロップがオーバースペックとならず、周波数分周器全体としての消費電流を小さくすることができる。
【0017】
また、M段目又は(K+1)〜M段目のN分周器をCMOSロジック回路からなるマスタースレイブ方式のDフリップフロップで構成することが好ましい。この構成によれば、最終段側のN分周器を、低周波信号に対しては極めて消費電流が小さなCMOSロジック回路からなるDフリップフロップで構成したため、周波数分周器全体としての消費電流をさらに小さくすることができるとともに、0〜電源電圧間をフルに使った振幅を有する出力信号を得ることができる。
【0018】
また、分周比切替え信号に応じてN分周器又はN+1分周器として機能する少なくとも1個の分周比切替え機能付き分周器を更に含み、前記分周比切替え機能付き分周器は、2個のNAND型Dフリップフロップから構成され、前記NAND型Dフリップフロップは、NMOSソースカップルドロジックからなるマスタースレイブ方式のDフリップフロップのマスター側のラッチに、NAND回路が付加されたものであり、前記NAND回路は、ソース端子同士が結合された2個のNMOSトランジスタから構成され、前記2個のNMOSトランジスタのそれぞれのゲートに前記切換え信号が入力されることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、分周比切替え機能付き分周器を、ソースカップルドロジックからなるDフリップフロップのマスター側のラッチに、ソース端子同士が結合された2個のNMOSトランジスタからなるNAND回路を付加して構成したため、図12に示す従来の回路のように、OR回路、AND回路が不要となり、これらの回路による遅延が生じず、その結果、フリップフロップの動作速度をOR回路及びAND回路による遅延を加味して、高速に設定する必要がなくなり消費電流を小さくすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る周波数分周器の一の実施形態を示したブロック図である。本周波数分周器は、直列接続された6段の分周器から構成され、1、3、4、5、6段目には2分周器10、30、40、50、60が接続され、2段目には2/3分周器20が接続されている。なお、図1では、各分周器は1本の線で接続されているが、各分周器は、差動クロック信号によって動作されるものであるため、実際には各分周器は、差動クロックの一方のクロック信号と他方のクロック信号とをそれぞれ伝送する2本の線で接続されている。
【0021】
図2は、2分周器10の回路図を示している。2分周器10、30〜50は、それぞれ同一構成であるため、2分周器10についてのみ説明し、他の2分周器30〜50は説明を省く。図2に示すように、2分周器10は、マスター側のラッチ110とスレイブ側のラッチ120とから構成されるマスタースレイブ方式のDフリップフロップである。ラッチ110、120は、それぞれクロック信号CK+とクロック信号CK−が入力される2個のクロック入力端子を備え、クロック信号CK+とクロック信号CK−との差分である差動クロック信号によって動作される。
【0022】
ラッチ120のQ+端子はラッチ110のD−端子に接続されるとともに、2/3分周器20を構成する2個のNAND型Dフリップフロップ210、220(図略)のそれぞれのクロック入力端子に接続されている。また、ラッチ120のQ−端子はラッチ110のD+端子に接続されるとともに2/3分周器20を構成するNAND型Dフリップフロップ210、220(図略)のそれぞれのクロック入力端子に接続されている。
【0023】
図3は、2分周器10のさらに詳細な回路図を示している。ラッチ110はソース端子同士が接続された2個のNMOSトランジスタからなるソース結合回路111、112を含んでいる。ソース結合回路111は、NMOSトランジスタ111a、111bから構成されている。NMOSトランジスタ111aのドレインは、負荷抵抗RLを介して電源VDDに接続されるとともに、ラッチ120のNMOSトランジスタ121bのゲートに接続されている。また、NMOSトランジスタ111bのドレインは、負荷抵抗RLを介して電源VDDに接続されるとともに、ラッチ120のNMOSトランジスタ121aのゲートに接続されている。なお、負荷抵抗RLの値によって、ラッチ120の出力信号の電圧レベルが決定される。また、負荷抵抗RLとしては、ゲートをバイアスしたPMOSで構成してもよい。
【0024】
ソース結合回路112は、NMOSトランジスタ112a、112bから構成されている。NMOSトランジスタ112aのドレインは、NMOSトランジスタ111aのドレインに接続されるとともに、NMOSトランジスタ112bのゲートに接続されている。NMOSトランジスタ112bのドレインは、NMOSトランジスタ111bのドレインに接続されるとともに、NMOSトランジスタ121aのゲートに接続されている。NMOSトランジスタ112bのゲートはNMOSトランジスタ112aのドレインに接続されている。
【0025】
ソース結合回路111のソースは、NMOSトランジスタ113aのドレインに接続されている。ソース結合回路112のソースは、NMOSトランジスタ113bのドレインに接続されている。NMOSトランジスタ113aのゲートには、クロック信号CK+が入力され、NMOSトランジスタ113bのゲートには、クロック信号CK−が入力される。NMOSトランジスタ113a及び113bは、ソース端子同士が接続されており、ソース結合回路113を形成している。また、NMOSトランジスタ113a及び113bのソースは接地されている。したがって、図11に示す従来の回路とは異なり、電源VDD及びグランド間は2段のNMOSから構成されることとなる。その結果、電源電圧の値を小さくしても各NMOSのソース−ドレイン間の電圧を十分に確保することができ、電力消費量の低減を図りつつ、高速動作が可能となる。
【0026】
ラッチ120は、ラッチ110と同一構成であり、NMOSトランジスタ121a、122aのドレインはQ+端子に接続され、NMOSトランジスタ121b、122bのドレインはQ−端子に接続されている。ここで、ソース結合回路をNMOSトランジスタで構成しているため、ソース結合回路をPMOSで構成した場合に比べ、高速動作が可能となる。
【0027】
2分周器60は、CMOSロジック回路からなるDフリップフロップで構成されている。図4は、2分周器60の回路図を示しており、(a)は2分周器60の全体回路図を示し、(b)は2分周器60のラッチを構成するAND及びOR回路部分の詳細な回路図を示している。(a)に示すように2分周器60は、ラッチ610、620から構成されている。ラッチ610、620は同一構成であるため、ラッチ610のみ説明する。ラッチ610は2個のAND回路611、612及び2個のNOR回路613、614から構成されている。
【0028】
AND回路611は入力端からクロック信号CK+が入力され、出力端がNOR回路613の入力端に接続されている。AND回路612は入力端からクロック信号CK−が入力され、出力端がNOR回路614の入力端に接続されている。
【0029】
NOR回路613の出力端は、ラッチ620のAND回路621の入力端に接続されるとともに、NOR回路614の入力端に接続されている。NOR回路614の出力端はNOR回路613の入力端に接続されるとともに、ラッチ620のAND回路622に接続されている。
【0030】
ラッチ620のNOR回路623の出力端は、AND回路612の入力端に接続されている。NOR回路623の出力端が2分周器60のQ+端子である。ラッチ620のNOR回路624の出力端はAND回路611の入力端に接続されている。NOR回路623の出力端が2分周器60のQ−端子である。
【0031】
図4(b)に示すように、AND回路611及びNOR回路613は、6個のMOSトランジスタC1〜C6から構成されている。
【0032】
CMOSロジック回路は、動作時以外の消費電流はほぼ0であるため、他のロジックにより構成される回路に比べて消費電流は著しく小さくなるが、高速動作させるには一定の限界があり、電源電圧小さくするという条件のもとで、本周波数分周器が取り扱うような、数百MHz以上のクロック信号に追従動作することは困難である。
【0033】
そこで、本周波数分周器では、1〜5段目までの分周器は、NMOSソースカップルドロジック回路で構成し、分周されて十分低い周波数となったクロック信号が入力される6段目の2分周器60は、CMOSロジック回路で構成した。これにより、周波数分周器全体の消費電流を、さらに小さくすることができる。
【0034】
図5は2/3分周器20の回路図を示している。2/3分周器20は2個のNAND型Dフリップフロップ210、220から構成されている。NAND型Dフリップフロップ210、220は、6個の入力端子(D1+端子、D1−端子、D2+端子、D2−端子、CK+端子、CK−端子)と、2個の出力端子(Q+端子、Q−端子)を備えている。NAND型Dフリップフロップ210のQ+端子はNAND型Dフリップフロップ220のD2+端子に接続され、Q−端子はNAND型Dフリップフロップ220のD2+端子に接続されている。NAND型Dフリップフロップ220のQ+端子は、次段に接続された2分周器30のラッチ310、320のクロック入力端子に接続されるとともに、NAND型Dフリップフロップ210のD−端子とNAND型Dフリップフロップ220のD+端子とに接続されている。NAND型Dフリップフロップ220のQ−端子は次段に接続された2分周器30のラッチ310、320のクロック入力端子に接続されるとともに、NAND型Dフリップフロップ210のD1+端子とNAND型Dフリップフロップ220のD1−端子とに接続されている。NAND型Dフリップフロップ210のCK+及びCK−端子はそれぞれNAND型Dフリップフロップ220のCK+端子及びCK−端子に接続されている。
【0035】
NAND型Dフリップフロップ210のD2+、D2−端子には、分周比切替え信号が入力される。2/3分周器20は、H又はLの分周比切替え信号によって、2分周器または3分周器として機能する。
【0036】
図6は、NAND型Dフリップフロップ210の回路図を示している。なお、NAND型Dフリップフロップ220は、NAND型Dフリップフロップ210と同一構成であるため説明を省略する。NAND型Dフリップフロップ210は、図3に示すソースカップルドロジックからなるD−フリップフロップにNAND回路214を付加することで構成される。NAND回路214は、NMOSトランジスタ214a、214bからなるソース結合回路である。NMOSトランジスタ214aのドレインはソース結合回路211のソース側に接続されている。NMOSトランジスタ214bのドレインはNMOSトランジスタ211bのドレインに接続されている。NAND回路214のソース側には、NMOSトランジスタ213aのドレインが接続されている。NMOSトランジスタ211a及び211bのゲートには、分周比切替え信号が入力される。
【0037】
ソースカップルドロジックによるDフリップフロップは、回路を構成するMOSトランジスタのサイズによって、消費電流が決定され、消費電流が大きいほど高速動作が可能となる。また、消費電流は、ゲートソース間に印加される電圧と、ソースドレイン方向に垂直な方向であるMOSトランジスタの幅方向(W)及びソースドレイン方向のMOSトランジスタ長さ(L)の比(W/L)とによって決定される。したがって、低い電源電圧でDフリップフロップの高速化を図るためには、回路を構成するMOSトランジスタのサイズ(デバイスサイズ)を大きくすればよい。
【0038】
しかしながら、周波数分周器を構成する2分周器は、後段の2分周器ほど入力されるクロック信号の周波数は低くなるため、全ての2分周器を同じデバイスサイズの2分周器で構成すると、後段の2分周器は、オーバースペックとなる。そして、ソースカップルドロジックからなるDフリップフロップは、動作速度とは関係なくデバイスサイズによって消費電流が決定されることから、後段の2分周器には、必要以上に大きな消費電流が流れることとなる。
【0039】
そこで、本周波数分周器は、2分周器10、30〜50及び2/3分周器20のデバイスサイズを各分周器の動作速度に合わせて設定する。すなわち、後段にいくにつれて2分周器のデバイスサイズを小さく設定し、2/3分周器20及び2分周器30〜60に必要以上の消費電流が流れないように各分周器を最適化することで、周波数分周器全体での消費電流を小さくしている。
【0040】
2分周器10、30〜50のバイアス電流は、入力されるクロック信号のDCレベルと負荷抵抗RL及びNMOSトランジスタのサイズとによって決定される。そのため、分周器に入力されるクロック信号と分周器から出力されるクロック信号との中心電圧(コモンモード電圧)と振幅とが同じ値となるように、かつ、分周器のゲインが1以上となるようにNMOSトランジスタ及び負荷抵抗のサイズ(デバイスサイズ)を設定し、動作周波数に応じた消費電流が流れるように各分周器を最適化する。
【0041】
図7は、図1に示す周波数分周器に所定周波数、例えば650MHzのクロック信号が入力されたときのタイミングチャートを示しており、(a)は2/3分周器20に入力される分周比切替え信号SELを、(b)は2分周器10に入力されるクロック信号S0を示し、(c)は2分周器10から出力されるクロック信号S1を示し、(d)は2/3分周器20から出力されるクロック信号S2を示し、(e)は2分周器30から出力されるクロック信号S3を示し、(f)は2分周器40から出力されるクロック信号S4を示し、(g)は2分周器50から出力されるクロック信号S5を示し、(h)は2分周器60から出力されるクロック信号S6を示している。なお、(a)〜(d)のタイミングチャートは波形を見やすくするために、横軸のスケールを、(e)〜(h)の横軸のスケールよりも小さく設定している。また、電源VDDは、1Vの電圧を供給する。
【0042】
(b)に示す周波数650MHzのクロック信号S0は、2分周器10によって2分周され、周波数325MHzのクロック信号S1として2/3分周器20に出力される。クロック信号S1は2/3分周器20によって3分周されてクロック信号S2として2分周器30に出力される。以後、クロック信号は、2分周器40〜60によって2分周されていき、周波数分周器からは、650×(1/2)×(1/3)=6.8MHzのクロック信号が出力される。
【0043】
また、期間T2においては、分周比切替え信号SELがLであるため、2/3分周器20は2分周器として機能し、(c)に示すように2分周器10から出力されたクロック信号S1は、2/3分周器20によって2分周されてクロック信号S2として出力される。したがって、周波数分周器からは、650×(1/2)=10.1MHzのクロック信号が出力される。なお、本周波数分周器がPLL回路のプリスケーラとして用いられる場合は、周波数分周器から出力されたクロック信号は、位相比較器に入力される。
【0044】
表1は、本周波数分周器に650MHzのクロック信号が入力されたときの、初段の2分周器10の消費電流を1としたときの各分周器の消費電流の比率を示している。
【0045】
【表1】
Figure 2004228812
【0046】
表1から分かるように、各分周器の消費電流は後段に行くにつれて小さくなっていることが分かる。また、2/3分周器20は、NAND型Dフリップフロップを2段接続されて構成されているため、消費電流の比率は、1/2×1.3×2となっている。そして、3段目以降の2分周器30〜60は後段にいくにつれて、消費電流が(1/2)l−1(lはその分周器が接続されている段数)ずつ小さくなっていくことが分かる。さらに、6段目の2分周器60はCMOSロジック回路から構成されているため、他の2分周器10、30〜50に比べて消費電流が著しく小さく(1/100)なっていることが分かる。ここで、全ての2分周器のデバイスサイズを1段目の2分周器10と同じデバイスサイズで構成すると、NMOSソースカップルドロジックからなるDフリップフロップの消費電流は、動作速度によらずデバイスサイズによって決定されることから、周波数分周器全体での消費電流は表1の結果に比べてかなり大きなものとなる。
【0047】
なお、本発明は以下の態様をとることができる。
【0048】
(1)上記実施形態では、分周器を全て直接接続したが、途中の分周器からの信号を取り出す必要がある場合には、取り出したい信号を出力する分周器の出力側にバッファを接続すればよい。図8に示す例では、2分周器10からの信号を取り出したいため、2分周器10と2/3分周器20との間にバッファ70を接続している。また、2/3分周器20を2段目に接続したが、これに限定されず、図9に示すように1段目に接続してもよい。また、複数の2/3分周器20を接続してもよい。さらに、図10に示すように2/3分周器を用いることなく、2分周器のみで周波数分周器を構成してもよい。
【0049】
(2)上記実施形態では、周波数分周器を6段の分周器で構成したが、これに限定されず、7段以上あるいは5段以下の分周器で構成してもよい。
【0050】
(3)上記実施形態では、6段目に接続された2分周器60のみをCMOSロジック回路で構成したが、これに限定されず、これ以外の箇所に接続された2分周器をCMOSロジック回路で構成してもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、1段目からK段目までのN分周器をNMOSソースカップルドロジックによるマスタースレイブDフリップフロップで構成するとともに、当該Dフリップフロップを構成するNMOSトランジスタのうち、クロック信号が入力されるNMOSトランジスタのソース端子を接地したため、電源からグランドまでの間が2段のNMOSで構成されることとなり、電力消費量の低減を図るために、電源電圧の値を小さくしても各NMOSのソース−ドレイン間に十分な電圧を印加されることとなり、消費電力の低減を図りつつ、高速動作が可能となる。
【0052】
また、NMOSソースカップルドロジックからなるDフリップフロップからなるN分周器について、消費電流が入力されるクロック信号の周波数に応じた値となるように、デバイスサイズを設定したため、2段目以降のフリップフロップがオーバースペックとならず、回路全体としての消費電流を低減させることができる。
【0053】
さらに、分周比切替え機能付きの周波数分周器をNMOSソースカップルドロジックからなるNAND型Dフリップフロップで構成したため、従来の分周比切替え機能付きの周波数分周器のようにOR回路及びAND回路が不要となり、その結果、回路の高速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る周波数分周器の一の実施形態を示したブロック図である。
【図2】ソースカップルドロジックからなるマスタースレイブ方式のDフリップフロップで構成された2分周器の回路図である。
【図3】図2に示す2分周器のさらに詳細な回路図である。
【図4】CMOSロジック回路からなる2分周器の回路図を示しており、(a)は2分周器全体の回路図を示し、(b)は2分周器のラッチを構成するAND及びOR回路部分の詳細な回路図を示している。
【図5】2/3分周器の回路図である。
【図6】NAND型Dフリップフロップの回路図である。
【図7】図1に示す周波数分周器に所定周波数のクロック信号が入力されたときのタイミングチャートを示しており、(a)は2/3分周器20に入力される分周比切替え信号SELを、(b)は2分周器10に入力されるクロック信号S0を示し、(c)は2分周器10から出力されるクロック信号S1を示し、(d)は2/3分周器20から出力されるクロック信号S2を示し、(e)は2分周器30から出力されるクロック信号S3を示し、(f)は2分周器40から出力されるクロック信号S4を示し、(g)は2分周器50から出力されるクロック信号S5を示し、(h)は2分周器60から出力されるクロック信号S6を示している。
【図8】本発明に係る周波数分周器の変形例を示した図である。
【図9】本発明に係る周波数分周器の変形例を示した図である。
【図10】本発明に係る周波数分周器の変形例を示した図である。
【図11】従来のソースカップルドロジックからなるDフリップフロップを用いた2分周器を示した図である。
【図12】従来の2/3分周器の回路図である。
【符号の説明】
10 30 40 50 60 2分周器
20 2/3分周器
70 バッファ
110 310 410 510 610 ラッチ
120 320 420 520 620 ラッチ
111 112 113 211 ソース結合回路
210 220 NAND型Dフリップフロップ
214 NAND回路
611 612 621 622 AND回路
613 614 623 624 OR回路
RL 負荷抵抗

Claims (4)

  1. 入力信号の周波数を1/N(Nは整数)に分周して出力するN分周器をM(Mは2以上の整数)個直列に接続して構成された周波数分周器であって、
    1段目からK(K<M:Kは整数)段目までのN分周器を、NMOSソースカップルドロジックによるマスタースレイブ方式のDフリップフロップで構成するとともに、当該Dフリップフロップを構成するNMOSトランジスタのうち、入力信号が入力されるNMOSトランジスタのソース端子を接地したことを特徴とする周波数分周器。
  2. 前記1段目からK段目までのN分周器において、各N分周器の消費電流が、入力される信号の周波数に応じた値となるように、各N分周器を構成するデバイスのサイズを設定することを特徴とする請求項1記載の周波数分周器。
  3. M段目又は(K+1)〜M段目のN分周器をCMOSロジック回路からなるマスタースレイブ方式のDフリップフロップで構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の周波数分周器。
  4. 分周比切替え信号に応じてN分周器又はN+1分周器として機能する少なくとも1個の分周比切替え機能付き分周器を更に含み、
    前記分周比切替え機能付き分周器は、2個のNAND型Dフリップフロップから構成され、
    前記NAND型Dフリップフロップは、NMOSソースカップルドロジックからなるマスタースレイブ方式のDフリップフロップのマスター側のラッチに、NAND回路が付加されたものであり、
    前記NAND回路は、ソース端子同士が結合された2個のNMOSトランジスタから構成され、前記2個のNMOSトランジスタのそれぞれのゲートに前記切換え信号が入力されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の周波数分周器。
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