JP2004226117A - Manufacturing method of gas sensor, and gas sensor - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定ガス成分を検出するためのガスセンサ、およびガスセンサの製造方法(センサ製造方法)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、被測定ガス成分を検出するための検出素子と、検出素子を内部に収容可能に形成されるケーシング(ハウジングおよび保護カバー)と、外部からケーシングの内部にリード線を挿通するためのリード線挿通孔を有する弾性シール部材(弾性絶縁部材)と、を備えるガスセンサがある。
【0003】
このようなガスセンサとしては、弾性シール部材をケーシングの筒状開口部に挿入配置した後、筒状開口部を内側方向に加締め変形させることで、弾性シール部材を筒状開口部の内部に加締め固定する構造のものが知られている(特許文献1および特許文献2)。
【0004】
なお、このように弾性シール部材が加締め固定される構成のガスセンサでは、弾性シール部材の外径寸法をケーシングの筒状開口部の内径寸法よりも小さく設定することにより、筒状開口部に対する弾性シール部材の組みつけ作業性の向上を図ることができ、また、部品寸法の誤差などを吸収してガスセンサを製造することができる。
【0005】
また、リード線とリード線挿通孔(弾性シール部材)との間の気密性向上を図るために、リード線挿通孔の内径寸法がリード線の外径寸法よりも小さくなるように弾性シール部材を形成することがある。この場合には、リード線を挿通した後の弾性シール部材の外径寸法が拡大することから、リード線挿通に伴う外径寸法の拡大分のクリアランスを確保するために、弾性シール部材の外径寸法をケーシングの筒状開口部の内径寸法よりも小さく設定することがある。
【0006】
このように弾性シール部材の外径寸法およびケーシングの筒状開口部の内径寸法を設定することで、弾性シール部材をケーシングの筒状開口部に遊嵌状に挿入した上で上記加締め固定を行うことができることから、弾性シール部材の組みつけ作業性を向上させることができる。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−229897号公報(請求項1、図1、段落番号[0018]、[0029])
【特許文献2】
特開平9−54063号公報(請求項1、図1、図4、段落番号[0035])
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、弾性シール部材の外径寸法をケーシングの筒状開口部の内径寸法よりも小さく設定するガスセンサの製造方法においては、加締め変形後の筒状開口部で確実に弾性シール部材を加締め固定するために、筒状開口部の加締め作業における加締め変形率(加締め変形量)を大きくする必要がある。
【0009】
このように、加締め変形率を大きくして加締め部の径寸法をより小さくする場合には、加締め作業において、筒状開口部がいびつに変形する虞や、ケーシングの割れに至る可能性が高くなる等の問題が生じる。
これに対し、弾性シール部材の外面と筒状開口部の内面とのクリアランス寸法(隙間寸法)を小さくすることで、いびつな変形や割れの発生などを防止することが考えられる。しかし、このようにすることで、ケーシングの筒状開口部に対する弾性シール部材の挿入抵抗が大きくなることから、組みつけ作業性が低下することになり、また、部品寸法の誤差を吸収する等の効果を期待することができなくなる。
【0010】
あるいは、加締め変形率を一定値以下に制限して、加締め部の径方向寸法に下限値を設定することで、いびつな変形や割れなどを防止することも考えられる。しかし、このような制限を設けると、筒状開口部による弾性シール部材の加締め固定力が不十分となる場合があり、その場合には、ケーシング(筒状開口部)と弾性シール部材との間の気密性が低下する虞がある。
【0011】
また、固溶化熱処理(焼鈍)を施すことで、ケーシングの剛性を低下させて、加締め作業を実行し易くすることも考えられる。しかし、ケーシングの剛性を積極的に低下させると、外部からの衝撃によりケーシングが容易に変形することになり、実使用環境下で要求される強度、ひいてはガスセンサの信頼性を満足できなくなる虞がある。
【0012】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、弾性シール部材をケーシングの筒状開口部に加締め固定する構造のガスセンサ、およびそのようなガスセンサの製造方法であって、ケーシングに対する弾性シール部材の組みつけ作業性を向上でき、部品寸法の誤差などの影響を抑制できると共に、加締め作業時におけるケーシング(筒状開口部)のいびつな変形や割れなどを抑制でき、さらに、弾性シール部材を確実に加締め固定でき、気密性が良好となるガスセンサの製造方法およびガスセンサを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明方法は、軸線方向に延び、先端側が被測定ガスに向けられる検出素子と、検出素子の径方向周囲を取り囲む筒状をなし、検出素子を保持する素子保持部を有すると共に、外部から自身の内部空間に通じる筒状開口部を後端側に有するケーシングと、検出素子に電気的に接続するリード線を外部からケーシングの内部空間に導入するためのリード線挿通孔を有し、筒状開口部に挿入される弾性シール部材と、筒状開口部での弾性シール部材の軸線方向における位置決めを行うために、ケーシングの内部に配置される弾性シール部材よりも先端側に備えられる位置決め部と、を有するガスセンサの製造方法であって、筒状開口部に弾性シール部材を遊嵌状に挿入し、筒状開口部に挿入された弾性シール部材に対して、後端側から位置決め部に向かう挿入方向に圧力を加えて、弾性シール部材の外径寸法が拡大するように弾性シール部材を圧縮変形させ、筒状開口部のうち、圧縮状態の弾性シール部材の径方向外側に配置される部分を、径方向内側に加締めることで、圧縮維持用加締め部を形成し、圧縮維持用加締め部により弾性シール部材を加締め固定させることを特徴とするガスセンサの製造方法である。
【0014】
本発明のガスセンサの製造方法(センサ製造方法)においては、ケーシングの筒状開口部に遊嵌状に挿入した状態の弾性シール部材を同ケーシングへの挿入方向に圧縮する。このとき、弾性シール部材は、位置決め部の存在によって径方向外側に向かって圧縮変形(膨張)し、圧縮前に比べて、弾性シール部材の径方向寸法が拡大することになる。このように弾性シール部材を径方向に圧縮変形させることにより、弾性シール部材を筒状開口部に遊嵌状に挿入したにも関わらず、筒状開口部の加締め前に、弾性シール部材の外面とケーシング(詳細には、筒状開口部)の内面との隙間を縮小させることができる。
【0015】
そして、弾性シール部材を径方向に膨張させた状態で、筒状開口部のうち弾性シール部材の径方向外側に配置される部分に圧縮維持用加締め部を形成することで、圧縮維持用加締め部と位置決め部との間で弾性シール部材を挟持でき、弾性シール部材の圧縮状態を維持することができる。また、ケーシングの筒状開口部に圧縮維持用加締め部を形成することで、弾性シール部材をケーシングに対して加締め固定することができる。
【0016】
つまり、本発明のセンサ製造方法を用いる場合には、弾性シール部材の圧縮変形により、弾性シール部材の外面とケーシング(詳細には、筒状開口部)の内面との隙間が縮小されることから、圧縮維持用加締め部を形成する際の加締め変形率が小さい場合であっても、圧縮維持用加締め部による弾性シール部材の加締め固定力を大きく確保することができる。
【0017】
そして、このセンサ製造方法により製造されるガスセンサにおいては、圧縮維持用加締め部において、ケーシング(筒状開口部)と弾性シール部材とが隙間無く密着することで、ケーシング(筒状開口部)と弾性シール部材との間の気密性を良好に維持することができる。
【0018】
よって、本発明(請求項1)によれば、弾性シール部材をケーシングの筒状開口部に遊嵌状に挿入させた上で、ケーシング(筒状開口部)の加締め量が少ない場合であっても、筒状開口部により弾性シール部材を強固に加締め固定することができ、ケーシング(筒状開口部)と弾性シール部材との間の気密性を良好に維持することができる。
【0019】
また、本発明によれば、弾性シール部材として、外径寸法が筒状開口部の内径寸法よりも小さい弾性シール部材を使用できるため、弾性シール部材を筒状開口部に挿入する際の挿入作業が容易となり、弾性シール部材の組みつけ作業性を向上できる。さらに、部品寸法の誤差やリード線挿通に伴う弾性シール部材の外径寸法拡大などの影響により、弾性シール部材が筒状開口部に挿入不可能となることを避けることができ、寸法誤差などの影響を抑えてガスセンサを製造することができる。
【0020】
また、加締め部を形成する際の加締め変形率が少なくて済むことから、ケーシングへの加締め部の形成を容易にするために、ケーシングに対して固溶化熱処理などを施す必要がなくなり、加締め作業時におけるケーシング(筒状開口部)のいびつな変形や割れなどの発生を抑制できると共に、実使用環境下で要求されるケーシングの強度を確保することができる。
【0021】
なお、筒状開口部のうち、圧縮状態の弾性シール部材の径方向外側に配置される部分を加締めて形成される加締め部については、弾性シール部材の径方向外側に配置される部分の全体を加締めて形成される加締め部に限定されず、その一部を加締めて形成される加締め部であってもよい。
【0022】
そして、上記のセンサ製造方法において、筒状開口部に挿入された弾性シール部材に対して挿入方向に圧力を加えるに際しては、請求項2に記載のように、弾性シール部材の外面が筒状開口部の内面に当接するまで弾性シール部材を圧縮変形させるとよい。
【0023】
これにより、筒状開口部の内面と弾性シール部材の外面との接触面積が拡大されて、筒状開口部による弾性シール部材の保持力が増大すると共に、気密性の向上を図ることができる。
また、圧縮維持用加締め部を形成する前に、弾性シール部材の外面とケーシングの筒状開口部の内面とが当接するまで当該弾性シール部材を圧縮変形させることで、圧縮維持用加締め部を形成する際の加締め変形率を小さく設定した場合であっても、圧縮維持用加締め部による弾性シール部材の加締め固定力をより大きく確保することができると共に、弾性シール部材と筒状開口部とを密着させることができる。
【0024】
次いで、上述のガスセンサの製造方法においては、請求項3に記載のように、弾性シール部材に対して後端側から位置決め部に向かう挿入方向に圧力を加えて、当該弾性シール部材を圧縮変形させた状態下において、筒状開口部のうち、弾性シール部材における後端部から挿入方向中央部までの領域に対応する部分の少なくとも一部を含むように、圧縮維持用加締め部を形成してもよい。
【0025】
上述したように、ケーシングの筒状開口部に挿入された弾性シール部材に対して挿入方向に圧力を加えた状態で圧縮維持用加締め部を形成した場合、弾性シール部材には、圧縮維持用加締め部と位置決め部との間に挿入方向に対する圧力が及ぶと同時に、挿入方向(軸線方向)に弾性復元力も働くことになる。そのため、筒状開口部のうち、圧縮維持用加締め部の形成位置を先端側に設定すると、圧縮維持状加締め部よりも後端側に位置する弾性シール部材の弾性復元力に引きつられて、弾性シール部材がケーシング(筒状開口部)から抜け出てしまう可能性がある。
【0026】
そこで、本発明(請求項3)では、筒状開口部のうち、圧縮状態の弾性シール部材の後端部から挿入方向中央部までの領域に対応する部分の少なくとも一部を含むように、圧縮維持用加締め部を形成するようにして、圧縮維持用加締め部の形成位置を特定している。
【0027】
このように圧縮維持用加締め部の形成位置を特定することによって、弾性シール部材のうち、圧縮維持用加締め部よりも後端側に位置する部分の割合を少なくすることが出来る。これにより、圧縮維持用加締め部よりも後端側に位置する弾性シール部材による弾性復元力を少なくすることができ、圧縮維持用加締め部の形成後において、弾性シール部材がケーシング(筒状開口部)から抜け出ることを有効に抑制することができる。なお、筒状開口部のうち、圧縮状態の弾性シール部材の後端部から挿入方向中央部までの領域に対応する部分に圧縮維持用加締め部を形成するにあたっては、その領域の一部にそれを形成しても良いし、上記領域全体に形成しても良く、あるいは筒状開口部の全体にわたってそれを形成しても良い。
【0028】
また、上述(請求項3)のガスセンサの製造方法においては、請求項4に記載のように、筒状開口部のうち、圧縮維持用加締め部が形成される位置よりも先端側で、且つ位置決め部の後端部までの領域に対応する部分のうち少なくとも一部を径方向内側に加締めることで、圧縮維持用加締め部よりも外径寸法が大きい固定用加締め部を形成すると良い。
【0029】
このように、ケーシングの筒状開口部の軸線方向に対して、圧縮維持用加締め部及び固定用加締め部といった加締め部を複数設けることで、弾性シール部材のケーシング(筒状開口部)に対する加締め固定力を向上させることができ、ケーシングと弾性シール部材との間における気密性をより一層向上させることができる。さらに、圧縮維持用加締め部を固定用加締め部の外径寸法よりも小さく形成することによって、ケーシング(筒状開口部)からの弾性シール部材の抜け出しをより良好に抑えることができる。
【0030】
なお、固定用加締め部の形成タイミングは、圧縮維持用加締め部の形成タイミングと同時期、あるいは圧縮維持用加締め部の形成タイミングよりも遅い時期に設定することが望ましく、これにより、弾性シール部材の圧縮状態を、確実に維持することが可能となる。
【0031】
次に、上述のセンサ製造方法においては、請求項5に記載のように、ケーシングの筒状開口部に圧縮維持用加締め部を形成する際の筒状開口部の加締め変形率が、20%以下であるとよい。
なお、ここでの加締め変形率とは、加締め作業前の筒状開口部の外径寸法から加締め作業後の外径寸法まで縮径する場合において、加締め作業前の外径寸法に対する縮径差分寸法の割合を指している。例えば、加締め作業前の外径寸法が16.0[mm]で、加締め作業後の外径寸法が14.4[mm]である場合には、縮径差分寸法は、1.6[mm]であり、加締め作業前の外径寸法(16.0[mm])の10%に相当するため、加締め変形率は10%である。
【0032】
そして、筒状開口部の加締め変形率が20%以下であれば、過大な加締め変形率ではないことから、固溶化熱処理などを施さなくとも、筒状開口部がいびつに変形することや割れが発生することなどを防止することができる。
ところで、ガスセンサは、用途や設置環境によっては高温になることがあり、温度上昇に伴い、弾性シール部材が熱膨張してしまい、加締め固定の圧力が増大して、弾性シール部材に亀裂などが生じる場合がある。
【0033】
このような問題に対しては、上述のセンサ製造方法においては、請求項6に記載のように、ケーシングの筒状開口部に圧縮維持用加締め部を形成する際の筒状開口部の加締め変形率を、15%以下にするとよい。
つまり、このように加締め変形率を小さくすることで、弾性シール部材が熱膨張した場合に、弾性シール部材に亀裂などが生じるまでに加締め固定圧力が増大するのを抑制することができる。
【0034】
なお、ケーシングと弾性シール部材との間の気密性を維持するためには、加締め変形率は、10%以上に設定することが望ましい。
また、本発明の目的を達成するためになされた他の解決手段は、請求項7に記載のように、軸線方向に延び、先端側が被測定ガスに向けられる検出素子と、検出素子の径方向周囲を取り囲む筒状をなし、検出素子を保持する素子保持部を有すると共に、外部から自身の内部空間に通じる筒状開口部を後端側に有するケーシングと、検出素子に電気的に接続するリード線を外部からケーシングの内部空間に導入するためのリード線挿通孔を有し、筒状開口部に挿入される弾性シール部材と、筒状開口部での弾性シール部材の軸線方向における位置決めを行うために、ケーシングの内部に配置される弾性シール部材よりも先端側に備えられる位置決め部と、を有するガスセンサであって、弾性シール部材は、筒状開口部のうち弾性シール部材の径方向外側に配置される部分を径方向内側に加締めることで形成される圧縮維持用加締め部により、加締め固定されており、弾性シール部材のうち、位置決め部と圧縮維持用加締め部との間に配置される部分は、筒状開口部への挿入方向に向かって圧力が加えられた状態で加締め固定されていること、を特徴とするガスセンサである。
【0035】
本発明(請求項7)によれば、圧縮維持用加締め部が形成されることにより弾性シール部材がケーシングの筒状開口部に加締め固定される訳だが、弾性シール部材のうち、位置決め部と圧縮維持用加締め部との間に配置される部分が、筒状開口部への挿入方向に向かって圧力が加えられた状態で加締め固定されている点が注目すべき点である。このようにして加締め固定される弾性シール部材は、位置決め部と圧縮維持用加締め部との間に配置される部分が径方向外側に向かって積極的に膨張した状態にあるために、ケーシング(筒状開口部)と弾性シール部材との間が隙間無く密着することになる。したがって、ケーシング(筒状開口部)と弾性シール部材との間の気密性を良好に維持可能なガスセンサとすることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を適用した実施例であるガスセンサを図面と共に説明する。なお、本実施例では、内燃機関の排気管等に装着されて酸素を検出するガスセンサ(換言すれば、酸素センサ)について説明する。図1は、本実施例のガスセンサ1の全体構成を示す断面図である。
【0037】
なお、本実施例においては、ガスセンサ1のうち、図中の下側が上記各請求項に記載された「ガスセンサの先端側」に相当し、同様に、図中の上側が「ガスセンサの後端側」に相当する。
図1に示すように、ガスセンサ1は、軸線方向に延びる板状の検出素子2、検出素子2を収容するケーシング4などから構成されている。
【0038】
検出素子2は、図7に示すように、ジルコニア(ZrO2 )等を主成分とする酸素イオン伝導性固体電解質体からなる酸素濃淡電池素子31と、酸素濃淡電池素子31を所定の活性化温度に加熱するためのヒータ35と、が積層されたものとして構成されており、図1に示すように、主体金具5に保持されている。尚、図7は、検出素子2の構成を表す分解斜視図である。また、図8は、検出素子2のうち軸線方向における後端側部分を表す概略側面図である。
【0039】
酸素濃淡電池素子31の先端側(図7における左側)の両側面(図7における上面および下面)には、酸素濃度を検出する検出部25としての検知電極32、基準電極39(各々プラチナ製)が形成され、ヒータ35との接触面とは反対側の面(図7における上面)には、検知電極32に導通された端子接続用電極33と、基準電極39に導通された端子接続用電極34とが、並べて配置されている。なお、本実施例においては、検知電極32と端子接続用電極33とは一体形成されている。また、基準電極39と端子接続用電極34とは、酸素濃淡電池素子31を貫通するスルーホール(図示せず)を介して導通されている。
【0040】
また、ヒータ35には、セラミック基体中に抵抗発熱体パターン36が埋設されており(具体的には、セラミックシート間に抵抗発熱体パターン36が配置されており)、ヒータ35の後端(図7における右側端部)には、酸素濃淡電池素子31との接触面とは反対側の面(図7における下面)に、ヒータ駆動用の電力を外部から受電するための一対の端子接続用電極37,38が形成されている。この端子接続用電極37,38と抵抗発熱体パターン36の両端とは、一方のセラミックシートを貫通する2つのスルーホール(図示せず)を介して導通されている。尚、具体的には、計4つの端子接続用電極33,34,37,38は、図8に示すように、検出素子2の軸中心に対して対称的に配置されている。また、図7では図示していないが、酸素濃淡電池素子31の検知電極32が形成された面には、検知電極32の耐被毒性を確保するために、多孔質の電極保護層が積層される。
【0041】
図1に戻り、ケーシング4は、検出素子2を保持すると共にその検出部25を排気管等の内部に突出させる主体金具5と、主体金具5の後端側に配置され、主体金具5との間で内部空間58を形成する外筒6とから構成されている。
主体金具5は、軸線方向に貫通して形成された貫通孔9を有し、この貫通孔9によって両端部が開口された中空状に形成され、軸線方向の中央外側には外向きに突出する鍔部47を備えた円筒状に構成されている。
【0042】
主体金具5の貫通孔9における先端側の内周には、内向きに突出した段部54が設けられており、この段部54にリング55を介してセラミック製の支持部材51が係止されている。そして、主体金具5の貫通孔9には、長板状の検出素子2の周囲を取り囲むように、セラミック製の支持部材51と、支持部材51の後端側に充填される滑石粉末からなる充填部材52と、充填部材52を後端側から先端側に向けて押圧するセラミック製のスリーブ53とが、この順に先端側(図中下方)から後端側(図中上方)にかけて積層されている。
【0043】
なお、支持部材51およびスリーブ53は、絶縁性セラミックにより、検出素子2を挿通可能な挿通孔を有した筒状体として構成されている。
スリーブ53の後端部分は、図1に示すように、中央部44が周縁部45に対して段差状に突出した構成である。また、スリーブ53の後端において、上記の周縁部45の後端側表面には環状のシールリング56が載置されており、スリーブ53は、このシールリング56を介して、主体金具5の後端に位置する金具後端部57により先端側に付勢されて固定される。また、この際、中央部44の表面は、金具後端部57よりも後端側後方へ突出される。
【0044】
すなわち、支持部材51の後端側における主体金具5の内周面と検出素子2の外周面との間に充填部材52が配設され、さらにこの充填部材52の後端側に筒状のスリーブ53およびシールリング56が順次同軸状に内挿された状態で主体金具5の後端部(金具後端部57)が内側先端方向に加締められることで、充填部材52が加圧充填され、それにより、検出素子2が主体金具5に対して強固に固定されている。
【0045】
この際、主体金具5は、貫通孔9の先端側から、検出素子2の検出部25を備える先端側を突出させ、貫通孔9の後端側から検出素子2の後端側を突出させる。また、主体金具5の外周には、排気管等の被測定ガスが充満する管の壁面に形成された取付孔(図示せず)に螺合可能な取付ネジ部46が形成されている。この取付ネジ部46を取付孔に螺合してガスセンサ1を管に固定することにより、検出部25が形成された検出素子2の先端側を、管内に充満する被測定ガスに晒す状態で、管内側に配置することができる。
【0046】
第一セラミックセパレータ40は、軸線方向に貫通する内部貫通孔41を有する筒状形状に形成されている。内部貫通孔41は、軸線方向に垂直な面での断面形状が概ねH字状(図示省略)であり、検出素子2および4本の金属端子60を配置可能な大きさに形成されると共に、複数の金属端子60の配置領域をそれぞれ仕切るために内向きに突出するリブ部(図示省略)が備えられている。この第一セラミックセパレータ40は、セラミック粉末を上記形状に成形した状態で焼成されており、組立式ではなく、単一部材で構成されている。
【0047】
金属端子60は、弾性変形可能で高温に繰り返し晒されてもその弾性(バネ弾性)を保持可能な周知のインコネルやステンレス鋼などの金属にて形成されている。また、金属端子60は、検出素子2の後端側側面と第一セラミックセパレータ40(内部貫通孔41)の内面との間に挟持されて弾性変形が可能なように、検出素子2と第一セラミックセパレータ40との間隔方向に高低差を複数有する波形形状にされた弾性部26と、その弾性部26の先端において概ね直角に折曲された係止部27と、を備えている。さらに、金属端子60は、加締め加工により、後端部分がリード線21,22に電気的に接続されている。
【0048】
つまり、この第一セラミックセパレータ40は、内部貫通孔41において検出素子2および4本の金属端子60を保持して、検出素子2の端子接続用電極33,34,37,38と金属端子60(詳細には、弾性部26)とを電気的に接続するために備えられている。なお、第一セラミックセパレータ40は、内部貫通孔41と検出素子2との間で挟持される弾性部26の弾性力(弾性復元力)によって、外筒6の内部に保持される。
【0049】
また、主体金具5の先端側外周には、検出素子2の突出部分を覆うと共に、複数の孔部を有する金属製の二重のプロテクタ81,82が溶接によって取り付けられている。
そして、主体金具5の金具後端部57を覆うように外筒6の先端側の開口端部(先端開口端部59)が主体金具5に外挿された後、この先端開口端部59に外方から溶接が施されることで、外筒6が主体金具5に装着されている。
【0050】
つまり、ケーシング4は、検出部25を被測定ガスに晒しつつ、端子接続用電極33,34,37,38を内部空間58に収容する状態で検出素子2を保持するよう構成されている。なお、段部54が、特許請求の範囲に記載の素子保持部に相当する。
【0051】
外筒6は、後端側(図1における上側)に、外部から外筒6の内部空間58に通じる筒状開口部63を備えており、筒状開口部63は、後述する加締め部(詳細には、圧縮維持用加締め部66、固定用加締め部67)が形成される前においては、弾性材料の1つであるフッ素ゴムからなる略円柱状のシール部材11を、遊嵌状に内挿可能な内径寸法で形成されている。
【0052】
外筒6のうち、筒状開口部63よりも先端側(図1における下側)の部分には、外方から内側に向けての加締め加工により、位置決め用加締め部65が形成されている。本実施例では、位置決め用加締め部65は、筒状開口部63の周方向の複数箇所(例えば、4箇所など)に分散して形成されるが、筒状開口部63の周方向全周に形成しても良い。
【0053】
セパレータ7は、その軸線方向中央付近の外周面に外側に突出したフランジ部71を有しており、後端側から筒状開口部63を通過して外筒6の内部に挿入されると、フランジ部71の先端面が位置決め用加締め部65の内面後端部に係止される態様で、外筒6の内部に保持されている。
【0054】
次に、図2に、シール部材11を外筒6の筒状開口部63に加締め固定する作業の各段階を示すために、ガスセンサ1のうち、筒状開口部63に相当する後端部分の断面を表した説明図を示す。
なお、シール部材11は、図2のうち左から1番目の説明図に示すように、シール先端面18およびシール後端面19を有する略柱状形状に形成されており、シール先端面18からシール後端面19に向かう方向(軸線方向)に垂直な断面での外径寸法が、加締め加工前の筒状開口部63の内径寸法よりも小さい値に設定されている。このため、シール部材11の外面と筒状開口部63の内面との間には隙間が存在することになり、シール部材11は、加締め部(詳細には、後述する圧縮維持用加締め部66、固定用加締め部67)が形成される前の筒状開口部63に対して、容易に挿入可能な形状に構成されている。
【0055】
また、シール部材11には、図1に示すように、検出素子2の端子接続用電極33,34,37,38に電気的に接続するリード線21,22(図面では、他の2本を省略)を、外部からケーシング4の内部空間58に導入するための4つのリード線挿通孔17が、シール部材11の軸線方向に貫通するよう形成されている。
【0056】
次に、ガスセンサ1の製造方法のうち、シール部材11を外筒6の筒状開口部63に挿入して加締め固定する際の作業手順について、図2を用いて説明する。
シール部材11を筒状開口部63にて加締め固定する作業では、まず、第1段階として、図2における左から1番目の説明図に示すように、シール部材11をシール先端面18から筒状開口部63に挿入する。このとき、シール部材11は、シール先端面18がセパレータ7に当接することで、筒状開口部63の内部での位置が定められる。なお、セパレータ7は、前述したように、フランジ部71が位置決め用加締め部65の内面後端部に係止されており、筒状開口部63(換言すれば、外筒6)の内部での自身の位置が決定されることで、筒状開口部63でのシール部材11の位置決めを行う機能を備えている。
【0057】
次に、第2段階としては、図2における左から2番目の説明図に示すように、筒状開口部63に挿入配置されたシール部材11に対して、シール後端面19からセパレータ7に向かう方向に圧縮外力Fを印加して、シール部材11の外径寸法が拡大するようにシール部材11を圧縮変形させる。
【0058】
ここで、図3に、シール部材11について、圧縮外力Fが印加されていない状態(図3の左側)から、圧縮外力Fの印加により圧縮変形した状態(図3の右側)への変化の様子を表す説明図を示す。図3に示すように、外力印加前のシール部材11(図3の左側)の外径寸法(外力印加前外径寸法W1)に対して、軸線方向への圧縮外力Fが印加されたシール部材11(図3の右側)は、径方向に拡大するよう圧縮変形して、外径寸法(外力印加時外径寸法W2)が、外力印加前外径寸法W1よりも大きくなる。
【0059】
また、圧縮外力Fを変化させて、圧縮外力Fに対するシール部材11の外径寸法を測定した測定結果を、図4に示す。なお、シール部材11は、軸線方向の圧縮外力Fが印加されていない場合の外径寸法が14.06[mm]である。
図4に示す測定結果によれば、圧縮外力Fが増加するほどシール部材11の外径寸法が大きくなることから、圧縮外力Fの印加により、シール部材11は、外径寸法が拡大するように圧縮変形することが判る。例えば、圧縮外力Fとして200[N]を印加した場合には、シール部材11は、外径寸法が14.90[mm]まで拡大する。
【0060】
このことから、筒状開口部63に配置されたシール部材11は、図2における左から2番目に示すように、圧縮外力Fが印加されることで、外周側面が筒状開口部63の内面に当接する状態とすることができる。
次に、第3段階では、図2における左から3番目(換言すれば、左から2番目)の説明図に示すように、シール部材11を圧縮変形させた状態下において、筒状開口部63のうち、シール部材11のシール後端面19から挿入方向における中央部(挿入方向中央部20)までの領域Cに対応する部分の一部分を、径方向の外側から内側に向けて周方向にわたり加締めることで、圧縮維持用加締め部66を形成する作業を行う。これにより、セパレータ7の後端面と圧縮維持用加締め部66との間で圧縮状態のシール部材11を軸線方向に挟持できると共に、圧縮維持用加締め部66によりシール部材11をケーシング4に加締め固定することができる。
【0061】
さらに、第4段階では、図2のうち右から1番目の説明図に示すように、筒状開口部63における圧縮維持用加締め部66よりも先端側で、かつセパレータ7の後端面までの領域の一部分を径方向内側に加締めることで、シール部材11を加締め固定する固定用加締め部67を形成する。なお、固定用加締め部67を形成するにあたっては、固定用加締め部67の外径寸法が圧縮維持用加締め部66の外径寸法よりも大きくなるように、筒状開口部63の加締め変形率を調整して形成した。
【0062】
ガスセンサ1の製造方法として、上述した作業手順を実行することで、シール部材11を筒状開口部63にて加締め固定することができ、ガスセンサ1を製造することができる。
なお、本実施例のガスセンサ1においては、主体金具5の段部54が特許請求の範囲に記載の素子保持部に相当し、シール部材11が弾性シール部材に相当し、セパレータ7および位置決め用加締め部65が位置決め部に相当する。
【0063】
以上説明したように、本実施例のガスセンサ1の製造方法においては、ケーシング4(詳細には、外筒6)の筒状開口部63に遊嵌状に挿入した状態のシール部材11をケーシング4への挿入方向に圧縮する。このとき、シール部材11は、セパレータ7および位置決め用加締め部65の存在によって径方向外側に向かって圧縮変形(膨張)し、圧縮前に比べて、シール部材11の径方向寸法が拡大することになる。このようにシール部材11を径方向に圧縮変形させることにより、シール部材11を筒状開口部63に遊嵌状に挿入したにも関わらず、筒状開口部63の加締め前に、シール部材11の外面とケーシング4(詳細には、外筒6の筒状開口部63)の内面との隙間を縮小させることができる。
【0064】
そして、シール部材11を径方向に膨張させた状態で、筒状開口部63のうちシール部材11の径方向外側に配置される部分に圧縮維持用加締め部66を形成することで、圧縮維持用加締め部66とセパレータ7との間でシール部材11を挟持でき、シール部材11の圧縮状態を維持することができる。また、ケーシング4の筒状開口部63に圧縮維持用加締め部66を形成することで、シール部材11をケーシング4に対して加締め固定することができる。
【0065】
つまり、本実施例のセンサ製造方法を用いる場合には、シール部材11の圧縮変形により、シール部材11の外面と外筒6(詳細には、筒状開口部63)の内面との隙間が縮小されることから、圧縮維持用加締め部66を形成する際の加締め変形率が小さい場合であっても、圧縮維持用加締め部66によるシール部材11の加締め固定力を大きく確保することができる。
【0066】
そして、このセンサ製造方法により製造されるガスセンサ1においては、圧縮維持用加締め部66において、ケーシング4(詳細には、外筒6の筒状開口部63)とシール部材11とが隙間無く密着することで、ケーシング4(外筒6の筒状開口部63)とシール部材11との間の気密性を良好に維持することができる。
【0067】
よって、本実施例のセンサ製造方法によれば、シール部材11をケーシング4(外筒6の筒状開口部63)に遊嵌状に挿入させた場合において、ケーシング4(外筒6の筒状開口部63)の加締め量が少ない場合であっても、筒状開口部63によりシール部材11を強固に加締め固定することができ、ケーシング4(外筒6の筒状開口部63)とシール部材11との間の気密性を良好に維持することができる。
【0068】
また、本実施例においては、外径寸法が筒状開口部63の内径寸法よりも小さいシール部材11を使用しており、シール部材11を筒状開口部63に対して容易に挿入できることから、シール部材11の組みつけ作業性を向上させることができる。さらに、部品寸法の誤差やリード線21、22の挿通に伴うシール部材11の外径寸法拡大などの影響により、シール部材11が筒状開口部63に挿入不可能となるのを回避でき、寸法誤差などの影響を抑えてガスセンサ1を製造することができる。
【0069】
また、加締め部を形成する際の加締め変形率が少なくて済むことから、ケーシング4(外筒6の筒状開口部63)への加締め部の形成を容易にするために、ケーシング4に対して固溶化熱処理などを施す必要がなくなり、加締め作業時におけるケーシング4(外筒6の筒状開口部63)のいびつな変形や割れなどの発生を抑制できると共に、実使用環境下で要求されるケーシング4の強度を確保することができる。
【0070】
また、圧縮維持用加締め部66を形成する前に、シール部材11の外面とケーシング4の筒状開口部63の内面とが当接するまでシール部材11を圧縮変形させることで、圧縮維持用加締め部66を形成する際の加締め変形率を小さく設定した場合であっても、圧縮維持用加締め部66によるシール部材11の加締め固定力をより大きく確保することができると共に、シール部材11と筒状開口部63とを密着させることができる。
【0071】
また、本実施例では、筒状開口部63のうち、圧縮状態のシール部材11の後端部(シール後端面19)からシール部材11の挿入方向中央部20までの領域Cに対応する部分の少なくとも一部を含むように、圧縮維持用加締め部66を形成するように、圧縮維持用加締め部66の形成位置を特定している。
【0072】
このように圧縮維持用加締め部66の形成位置を特定することによって、圧縮維持用加締め部66よりも後端側に位置するシール部材11の弾性復元力を少なくすることができ、圧縮維持用加締め部66の形成後において、シール部材11がケーシング4(筒状開口部63)から抜け出ることを有効に抑制することができる。
【0073】
また、本実施例のガスセンサの製造方法においては、筒状開口部63のうち、圧縮維持用加締め部66が形成される位置よりも先端側で、且つセパレータ7の後端部までの領域に対応する部分のうちの少なくとも一部を径方向内側に加締めることで、圧縮維持用加締め部66よりも外径寸法が大きい固定用加締め部67を形成している。
【0074】
このように、ケーシング4の筒状開口部63の軸線方向に対して、圧縮維持用加締め部66および固定用加締め部67といった加締め部を複数設けることで、シール部材11のケーシング4(筒状開口部63)に対する加締め固定力を向上させることができ、ケーシング4とシール部材11との間における気密性をより一層向上させることができる。さらに、圧縮維持用加締め部66を固定用加締め部67の外径寸法よりも小さく形成することによって、ケーシング4(筒状開口部63)からのシール部材11の抜け出しをより良好に抑えることができる。
【0075】
なお、固定用加締め部67の形成タイミングは、圧縮維持用加締め部66の形成タイミングと同時期であってもよい。固定用加締め部67および圧縮維持用加締め部66を同時期に形成することで、加締め工程を一度に実行することができ、ガスセンサの製造効率を向上させることができる。
【0076】
また、本実施例のガスセンサ1においては、圧縮維持用加締め部66が形成されることにより、シール部材11がケーシング4の筒状開口部63に加締め固定される訳だが、シール部材11のうち、セパレータ7と圧縮維持用加締め部66との間に配置される部分が、筒状開口部63への挿入方向に向かって圧力が加えられた状態で加締め固定されている点が注目すべき点である。このようにして加締め固定されるシール部材11は、セパレータ7と圧縮維持用加締め部66との間に配置される部分が径方向外側に向かって積極的に膨張した状態にあるために、ケーシング4(筒状開口部63)とシール部材11との間が隙間無く密着することになる。したがって、ガスセンサ1は、ケーシング4(筒状開口部63)とシール部材11との間の気密性を良好に維持可能なガスセンサとなる。
【0077】
ここで、シール部材11のうち、セパレータ7と圧縮維持用加締め部66との間に配置される部分が、筒状開口部63への挿入方向に向かって圧力が加えられた状態で加締め固定されていることは、以下のようにして検証することができる。すなわち、筒状開口部63への挿入方向に向かって圧力が加えられた状態で加締め固定されているシール部材11にあっては、加締め固定された状態から解放して筒状開口部63の外へ取り出したときのシール部材11の軸線方向(筒状開口部63への挿入方向)における長さ(図2の最も左側の説明図における解放時寸法H1)が、加締め固定されている状態でのシール部材11の軸線方向(挿入方向)における長さ(図2の最も右側の説明図における加締め時寸法H2)よりも長くなる。
【0078】
なお、従来公知のガスセンサでは、弾性シール部材をケーシングの筒状開口部に遊嵌状に挿入した上で加締め固定しているに過ぎないため、弾性シール部材は加締めによって圧縮変形しているだけで、加締め固定された状態から解放して筒状開口部の外へ取り出したときの弾性シール部材の軸線方向(筒状開口部への挿入方向)における長さが、加締め固定されている状態でのそれよりも短くなる。この差異からも、本実施例のガスセンサにあっては、シール部材11とケーシング4(筒状開口部63)とが、従来に比べて、隙間無く密着していることは明らかである。
【0079】
ここで、シール部材に軸線方向の圧縮外力Fを印加する場合と印加しない場合のそれぞれに関し、筒状開口部の加締め部変形率[%]とシール部材の外径変形率[%]との関係について説明する。
なお、シール部材としては、上記実施例と同様のシール部材(圧縮外力Fが印加されていない場合の外径寸法が14.06[mm]となるシール部材)を用いており、圧縮外力Fとして200[N]を印加した場合について説明する。また、外筒として、加締め加工前における筒状開口部の外径寸法が15.10[mm]で、厚さ寸法が0.50[mm]の外筒を用いた場合について説明する。
【0080】
なお、筒状開口部の加締め部変形率とは、加締め作業前の筒状開口部の外径寸法から加締め作業後の外径寸法まで縮径する場合において、加締め作業前の外径寸法に対する縮径差分寸法の割合を指している。また、シール部材の外径変形率[%]についても同様に、加締め作業前におけるシール部材の外径寸法に対するシール部材の縮径差分寸法の割合を指している。
【0081】
[表1]に、圧縮外力Fを印加しない場合の各数値を記載し、[表2]に、圧縮外力F(=200[N])を印加する場合の各数値を記載する。なお、各表には、3段階(10%,15%,20%)のシール部材の外径変形率[%]に対する各値(シール部材の外径寸法[mm]、筒状開口部の加締め部外径[mm]、筒状開口部の加締め部変形率[%])を記載する。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
なお、一般に、シール部材の外径変形率[%]が大きくなるほど、シール部材の復元弾性力(元の形状に戻ろうとする力)が増加するため、シール部材と筒状開口部との間に生じる圧力(密着力)が大きくなり、シール部材と外筒との気密性が向上する。すなわち、シール部材の外径変形率[%]が10%の場合よりも20%の場合の方が、シール部材と外筒との気密性が優れたものとなる。
【0084】
また、一般に、シール部材の外径変形率[%]を大きくするには、筒状開口部の加締め部変形率を大きくする必要があるが、加締め部変形率が大きくなるほど、加締め部のいびつな変形や割れが生じやすくなる。
そして、[表1]および[表2]によれば、シール部材の外径変形率[%]を15%にするためには、圧縮外力Fを印加しない場合には、筒状開口部の加締め部変形率[%]を14.2%にする必要があるのに対して、圧縮外力Fを印加する場合には、筒状開口部の加締め部変形率[%]は9.5%で済むことが判る。つまり、シール部材に対して圧縮外力Fを印加することにより、同等の気密性(シール部材の外径変形率[%])を確保するのに必要な筒状開口部の加締め部変形率[%]を減少させることができる。
【0085】
また、換言すれば、筒状開口部の加締め部変形率[%]が同等であっても、シール部材に対して圧縮外力Fを印加することにより、シール部材の外径変形率[%]を増大させることができ、気密性を向上させることができる。具体的には、筒状開口部の加締め部変形率[%]が約9.5%であっても、シール部材に対して圧縮外力Fを印加しない場合には、シール部材の外径変形率[%]は約10%であるのに対して、シール部材に対して圧縮外力Fを印加する場合には、シール部材の外径変形率[%]は約15%となり、気密性が向上することになる。
【0086】
したがって、本実施例においては、シール部材と外筒との気密性を低下させることなく、筒状開口部の加締め部変形率を縮小できるため、加締め作業において筒状開口部(加締め部)のいびつな変形や割れが生じるのを防止することができる。また、従来と比べて、筒状開口部の加締め部変形率が同程度であっても、シール部材の外径変形率が大きくなることから、シール部材と筒状開口部との間に生じる圧力(密着力)を増大でき、シール部材と外筒との気密性を向上させることができる。
【0087】
なお、筒状開口部の加締め変形率を20%以下に制限することで、加締め変形率が過大になるのを避けることができ、固溶化熱処理などを施さなくとも、筒状開口部がいびつに変形することや割れの発生などを防止することができる。また、筒状開口部の加締め変形率を15%以下に設定することで、用途や設置環境などの影響によりガスセンサが高温になる場合であっても、シール部材の熱膨張による加締め固定圧力の増大が、シール部材に亀裂などが生じるレベルにまで到達するのを回避できる。他方、ケーシングとシール部材との間の気密性として、必要最低限の気密性を維持するためには、筒状開口部の加締め変形率を、10%以上に設定することが望ましい。
【0088】
ところで、リード線の被覆材料としては、ある程度の耐熱性を有する材料として、PTFE(いわゆるテフロン(登録商標))が使われることが多い。しかし、PTFEは、260℃以上の環境下では、外部から圧力がかかると、圧縮によってシール部材のリード線挿通孔から流れ出てしまう場合がある。このような現象により、被覆が細くなり、リード線の外面とリード線挿通孔の内面との間に隙間が生じると、ガスセンサとして気密性が低下する虞がある。
【0089】
これに対して、本実施例のガスセンサでは、シール部材11に対して軸線方向に圧縮外力を印加していることから、リード線の被覆が細くなる場合であっても、圧縮外力によってシール部材のリード線挿通孔の横方向(径方向)寸法が縮小されることから、ガスセンサとしての気密性を維持することができる。
【0090】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されることはなく、種々の態様をとることができる。
例えば、上記実施例では、ケーシング(詳細には、外筒)の筒状開口部において、2箇所に加締め部(圧縮維持用加締め部66、固定用加締め部67)を備えるガスセンサについて説明したが、圧縮維持用加締め部66のみを備えるように構成しても良い。これにより、センサ製造工程において、固定用加締め部67を形成する作業を省略することができ、センサ製造作業の簡略化を図ることができる。
【0091】
また、圧縮維持用加締め部のみを備えるようにガスセンサを構成する場合であっても、例えば、圧縮維持用加締め部の内面とシール部材の外面との接触面積を大きく確保することで、高い気密性が要求される用途に使用可能なガスセンサを実現することができる。
【0092】
図5に、大型圧縮維持用加締め部70を備える第2ガスセンサ12のうち、筒状開口部63に相当する後端部分の断面図を示す。なお、第2ガスセンサ12は、加締め部以外の構成は、上述したガスセンサ1と同様の構成である。
つまり、シール部材11を加締め固定するにあたり、筒状開口部63のうち、圧縮状態のシール部材11のシール後端面19からシール部材11の挿入方向中央部20までの領域に加えて、その領域の先端側に位置する部分までを含む箇所を、径方向内側に加締めることで、大型圧縮維持用加締め部70を形成するのである。
【0093】
このように、シール部材11の挿入方向にわたり幅広く形成される大型圧縮維持用加締め部70を備えることで、ケーシング4(外筒6の筒状開口部63)とシール部材11との接触面積を拡大できる。
よって、第2ガスセンサ12によれば、ケーシング4(詳細には、外筒6の筒状開口部63)の内面とシール部材11の外面との接触面積を拡大できると共に、密着力を増大できることから、ケーシング4とシール部材11との間の気密性を向上でき、高い気密性が要求される用途に使用可能なガスセンサを実現できる。
【0094】
また、圧縮維持用加締め部および固定用加締め部は、図1に示すように、互いに離れた位置に形成する場合に限られることはなく、互いに隣接する位置に形成しても良い。
図6に、互いに隣接する第2圧縮維持用加締め部73および第2固定用加締め部74を備える第3ガスセンサ13のうち、筒状開口部63に相当する後端部分の断面図を示す。なお、第3ガスセンサ13は、加締め部以外の構成は、上述したガスセンサ1と同様の構成である。
【0095】
この第3ガスセンサ13は、ガスセンサ1と同様に、ケーシング4(外筒6の筒状開口部63)とシール部材11との間の気密性を良好に維持可能なガスセンサとなる。
さらに、筒状開口部に形成する加締め部は、2箇所以下に限られることはなく、3箇所以上の加締め部(例えば、圧縮維持用加締め部を1箇所、固定用加締め部を2箇所)を備えるようにガスセンサを構成しても良く、これにより、さらに高い気密性が要求される用途に使用可能なガスセンサを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のガスセンサの全体構成を示す断面図である。
【図2】シール部材を外筒の筒状開口部に加締め固定する作業の各段階を示す説明図である。
【図3】シール部材について、圧縮外力Fが印加されていない状態(左側)から、圧縮外力Fの印加により圧縮変形した状態(右側)への変化の様子を表す説明図である。
【図4】圧縮圧力を変化させて、圧縮外力に対するシール部材の外径寸法を測定した測定結果である。
【図5】大型圧縮維持用加締め部を備える第2ガスセンサのうち後端部分の断面図である。
【図6】互いに隣接する第2圧縮維持用加締め部および第2固定用加締め部を備える第3ガスセンサのうち後端部分の断面図である。
【図7】検出素子2の構成を表す分解斜視図である。
【図8】検出素子のうち軸線方向における後端側部分を表す概略側面図である。
【符号の説明】
1…ガスセンサ、2…検出素子、4…ケーシング、5…主体金具、6…外筒、7…セパレータ、11…シール部材、12…第2ガスセンサ、13…第3ガスセンサ、17…リード線挿通孔、18…シール先端面、19…シール後端面、20…挿入方向中央部、21…リード線、25…検出部、51…支持部材、52…充填部材、53…スリーブ、54…段部、58…内部空間、59…先端開口端部、63…筒状開口部、65…位置決め用加締め部、66…圧縮維持用加締め部、67…固定用加締め部、70…大型圧縮維持用加締め部、73…第2圧縮維持用加締め部、74…第2固定用加締め部。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a gas sensor for detecting a gas component to be measured, and a gas sensor manufacturing method (sensor manufacturing method).
[0002]
[Prior art]
BACKGROUND ART Conventionally, a detection element for detecting a gas component to be measured, a casing (housing and protective cover) formed so as to be able to house the detection element therein, and a lead for inserting a lead wire from the outside to the inside of the casing. There is a gas sensor including an elastic seal member (elastic insulating member) having a line insertion hole.
[0003]
In such a gas sensor, an elastic seal member is inserted into a cylindrical opening of a casing, and then the cylindrical opening is crimped inward to deform the elastic seal member into the cylindrical opening. There are known ones having a structure for fastening and fixing (
[0004]
In the gas sensor having the configuration in which the elastic seal member is crimped and fixed as described above, the outer diameter of the elastic seal member is set to be smaller than the inner diameter of the cylindrical opening of the casing, so that the elasticity with respect to the cylindrical opening is reduced. It is possible to improve the workability of assembling the seal member, and it is possible to manufacture a gas sensor by absorbing errors in component dimensions and the like.
[0005]
Also, in order to improve the airtightness between the lead wire and the lead wire insertion hole (elastic seal member), the elastic seal member is so arranged that the inner diameter of the lead wire insertion hole is smaller than the outer diameter of the lead wire. May form. In this case, since the outer diameter of the elastic seal member after the lead wire is inserted is increased, the outer diameter of the elastic seal member is secured in order to secure a clearance corresponding to the expansion of the outer diameter with the insertion of the lead wire. The dimension may be set smaller than the inner diameter of the cylindrical opening of the casing.
[0006]
By setting the outer diameter of the elastic seal member and the inner diameter of the cylindrical opening of the casing in this way, the elastic seal member is loosely inserted into the cylindrical opening of the casing, and then the above-mentioned crimping fixation is performed. Since it can be performed, the workability of assembling the elastic seal member can be improved.
[0007]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-229897 (
[Patent Document 2]
JP-A-9-54063 (
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the method of manufacturing a gas sensor in which the outer diameter of the elastic seal member is set smaller than the inner diameter of the cylindrical opening of the casing, the elastic seal member is securely swaged and fixed at the cylindrical opening after swaging. Therefore, it is necessary to increase the crimping deformation rate (crimping deformation amount) in the crimping operation of the cylindrical opening.
[0009]
As described above, when the caulking deformation rate is increased to reduce the diameter of the caulked portion, there is a possibility that the cylindrical opening may be deformed into an irregular shape or a casing may be cracked in the caulking operation. And other problems arise.
On the other hand, by reducing the clearance dimension (gap dimension) between the outer surface of the elastic seal member and the inner surface of the cylindrical opening, it is conceivable to prevent irregular deformation and cracks from occurring. However, by doing so, the insertion resistance of the elastic seal member into the cylindrical opening of the casing is increased, so that the assembling workability is reduced, and errors in component dimensions are absorbed. The effect cannot be expected.
[0010]
Alternatively, it is conceivable to limit the caulking deformation rate to a certain value or less and set a lower limit value for the radial dimension of the caulked portion to prevent irregular deformation or cracking. However, when such a restriction is provided, the crimping fixing force of the elastic seal member by the cylindrical opening may be insufficient. In such a case, the connection between the casing (cylindrical opening) and the elastic seal member may be insufficient. The airtightness between them may be reduced.
[0011]
It is also conceivable that the solution heat treatment (annealing) reduces the rigidity of the casing and facilitates the caulking operation. However, when the rigidity of the casing is actively reduced, the casing is easily deformed by an external impact, and there is a possibility that the strength required in an actual use environment and, consequently, the reliability of the gas sensor may not be satisfied. .
[0012]
The present invention has been made in view of such a problem, and a gas sensor having a structure in which an elastic seal member is crimped and fixed to a cylindrical opening of a casing, and a method for manufacturing such a gas sensor, comprising: In addition to improving the workability of assembling, it is possible to suppress the effects of errors in parts dimensions and the like, and to suppress irregular deformation and cracking of the casing (cylindrical opening) at the time of caulking work. An object of the present invention is to provide a gas sensor manufacturing method and a gas sensor that can be securely caulked and fixed and have good airtightness.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a method according to the first aspect of the present invention is directed to a method for detecting an object, comprising: a detection element extending in an axial direction and having a tip end directed to a gas to be measured; and a cylindrical shape surrounding a radial periphery of the detection element. A casing having an element holding portion for holding the element, and having a cylindrical opening at the rear end side that communicates from the outside to the internal space of the casing, and a lead wire electrically connected to the detection element from the outside to the internal space of the casing. It has a lead wire insertion hole for introduction, and is disposed inside the casing in order to position the elastic seal member inserted in the cylindrical opening and the elastic seal member in the cylindrical opening in the axial direction. A positioning portion provided on the distal end side with respect to the elastic seal member, wherein the elastic seal member is loosely inserted into the cylindrical opening and inserted into the cylindrical opening. Pressure is applied to the elastic seal member in the insertion direction from the rear end side toward the positioning portion, and the elastic seal member is compressed and deformed so that the outer diameter of the elastic seal member is enlarged, and the cylindrical opening is formed. By caulking the portion of the compressed elastic seal member disposed radially outward to the radially inner side, a compression maintaining caulking portion is formed, and the elastic sealing member is caulked by the compression maintaining caulking portion. A method for manufacturing a gas sensor, characterized by fixing.
[0014]
In the method for manufacturing a gas sensor (sensor manufacturing method) of the present invention, the elastic seal member in a state of being loosely inserted into the cylindrical opening of the casing is compressed in the direction of insertion into the casing. At this time, the elastic seal member is compressed and deformed (expanded) radially outward due to the presence of the positioning portion, so that the radial size of the elastic seal member is larger than before compression. By compressing and deforming the elastic seal member in the radial direction in this manner, even though the elastic seal member is loosely inserted into the cylindrical opening, the elastic seal member can be compressed before caulking the cylindrical opening. The gap between the outer surface and the inner surface of the casing (specifically, the cylindrical opening) can be reduced.
[0015]
Then, in a state where the elastic seal member is radially expanded, a compression maintaining caulking portion is formed in a portion of the cylindrical opening which is arranged radially outward of the elastic seal member, so that the compression maintaining caulking portion is formed. The elastic seal member can be sandwiched between the fastening portion and the positioning portion, and the compressed state of the elastic seal member can be maintained. Also, by forming the compression maintaining caulking portion at the cylindrical opening of the casing, the elastic seal member can be caulked and fixed to the casing.
[0016]
That is, when the sensor manufacturing method of the present invention is used, the gap between the outer surface of the elastic seal member and the inner surface of the casing (specifically, the cylindrical opening) is reduced by the compressive deformation of the elastic seal member. Even when the crimping deformation rate at the time of forming the compression maintaining caulking portion is small, a large caulking fixing force of the elastic seal member by the compression maintaining caulking portion can be secured.
[0017]
In the gas sensor manufactured by this sensor manufacturing method, the casing (cylindrical opening) and the elastic seal member are closely attached to each other at the compression maintaining caulking portion without any gap, so that the gas sensor and the casing (cylindrical opening) are in close contact. The airtightness with the elastic seal member can be maintained satisfactorily.
[0018]
Therefore, according to the present invention (claim 1), after the elastic sealing member is loosely inserted into the cylindrical opening of the casing, the amount of caulking of the casing (cylindrical opening) is small. Even so, the elastic seal member can be firmly fixed by caulking by the cylindrical opening, and the airtightness between the casing (cylindrical opening) and the elastic seal member can be well maintained.
[0019]
Further, according to the present invention, since an elastic seal member having an outer diameter smaller than the inner diameter of the cylindrical opening can be used as the elastic seal member, an insertion operation when inserting the elastic seal member into the cylindrical opening is performed. And the workability of assembling the elastic seal member can be improved. Further, it is possible to prevent the elastic seal member from being unable to be inserted into the cylindrical opening due to an error in component dimensions or an increase in the outer diameter dimension of the elastic seal member due to lead wire insertion. A gas sensor can be manufactured with less influence.
[0020]
Further, since the crimping deformation rate at the time of forming the crimped portion is small, it is not necessary to perform a solution heat treatment or the like on the casing to facilitate formation of the crimped portion on the casing, It is possible to suppress the occurrence of irregular deformation or cracking of the casing (cylindrical opening) at the time of the caulking operation, and it is possible to secure the strength of the casing required in an actual use environment.
[0021]
In the cylindrical opening, a crimped portion formed by caulking a portion disposed radially outside the elastic seal member in a compressed state is a portion of the portion arranged radially outside the elastic seal member. It is not limited to a caulked portion formed by caulking the whole, and may be a caulked portion formed by caulking a part thereof.
[0022]
In the above sensor manufacturing method, when applying pressure in the insertion direction to the elastic seal member inserted into the cylindrical opening, the outer surface of the elastic seal member may have a cylindrical opening. The elastic sealing member may be compressed and deformed until it comes into contact with the inner surface of the portion.
[0023]
Thereby, the contact area between the inner surface of the cylindrical opening and the outer surface of the elastic sealing member is enlarged, the holding force of the elastic sealing member by the cylindrical opening is increased, and the airtightness can be improved.
Further, before forming the compression maintaining caulking portion, the elastic sealing member is compressed and deformed until the outer surface of the elastic seal member abuts against the inner surface of the cylindrical opening of the casing. Even when the crimping deformation rate at the time of forming is set to be small, it is possible to secure a larger caulking fixing force of the elastic seal member by the compression maintaining caulking portion, and to form the elastic seal member and the cylindrical member. The opening can be brought into close contact with the opening.
[0024]
Then, in the method for manufacturing a gas sensor described above, pressure is applied to the elastic seal member in the insertion direction from the rear end side toward the positioning portion to compress and deform the elastic seal member. Under the state, the compression maintaining caulking portion is formed so as to include at least a part of a portion corresponding to a region from the rear end portion to the center portion in the insertion direction of the elastic sealing member in the cylindrical opening portion. Is also good.
[0025]
As described above, when the compression maintaining caulking portion is formed in a state where pressure is applied in the insertion direction to the elastic sealing member inserted into the cylindrical opening of the casing, the elastic sealing member includes the compression maintaining crimp. At the same time that the pressure in the insertion direction is applied between the caulking portion and the positioning portion, an elastic restoring force also acts in the insertion direction (axial direction). Therefore, when the formation position of the compression maintaining caulking portion of the cylindrical opening is set to the distal end side, the elastic restoring force of the elastic seal member located at the rear end side of the compression maintaining caulking portion is attracted. In addition, there is a possibility that the elastic seal member may fall out of the casing (the cylindrical opening).
[0026]
Therefore, in the present invention (claim 3), the compression is performed so as to include at least a part of the cylindrical opening corresponding to a region from the rear end of the compressed elastic seal member to the center in the insertion direction. By forming the crimping part for maintenance, the formation position of the crimping part for compression maintenance is specified.
[0027]
By specifying the formation position of the compression maintaining caulking portion in this manner, it is possible to reduce the proportion of the portion of the elastic seal member located on the rear end side with respect to the compression maintaining caulking portion. Thereby, the elastic restoring force of the elastic seal member located on the rear end side of the compression maintaining caulking portion can be reduced, and after the compression maintaining caulking portion is formed, the elastic seal member is in the casing (cylindrical shape). (Opening) can be effectively suppressed. In forming the compression maintaining caulking portion in a portion of the cylindrical opening corresponding to a region from the rear end of the compressed elastic seal member to the center in the insertion direction, a part of the region is formed. It may be formed, may be formed over the entire area, or may be formed over the entire cylindrical opening.
[0028]
In the method for manufacturing a gas sensor according to the third aspect of the present invention, as described in the fourth aspect, of the cylindrical opening, the distal end side of the position where the crimping portion for maintaining compression is formed, and By caulking at least a part of the portion corresponding to the region up to the rear end of the positioning portion radially inward, it is preferable to form a fixing caulking portion having an outer diameter larger than the compression maintaining caulking portion. .
[0029]
In this way, by providing a plurality of caulking portions such as a caulking portion for maintaining compression and a caulking portion for fixing in the axial direction of the cylindrical opening of the casing, the casing (cylindrical opening) of the elastic seal member is provided. Can be improved, and the airtightness between the casing and the elastic seal member can be further improved. Further, by forming the compression maintaining caulking portion smaller than the outer diameter of the fixing caulking portion, it is possible to more favorably prevent the elastic seal member from coming out of the casing (cylindrical opening).
[0030]
It is desirable that the timing of forming the fixing caulking portion is set at the same time as the timing of forming the compression maintaining caulking portion, or at a time later than the timing of forming the compression maintaining caulking portion. The compressed state of the seal member can be reliably maintained.
[0031]
Next, in the above sensor manufacturing method, the crimping deformation rate of the cylindrical opening when forming the compression maintaining crimping portion in the cylindrical opening of the casing is 20. % Or less.
Note that the crimping deformation rate here refers to the outer diameter before crimping when the diameter is reduced from the outer diameter of the cylindrical opening before the crimping to the outer diameter after crimping. It refers to the ratio of the diameter difference dimension. For example, when the outer diameter before the crimping operation is 16.0 [mm] and the outer diameter after the crimping operation is 14.4 [mm], the reduced diameter difference size is 1.6 [mm]. mm], which is equivalent to 10% of the outer diameter (16.0 [mm]) before the crimping operation, and thus the crimping deformation rate is 10%.
[0032]
If the crimping deformation rate of the cylindrical opening is not more than 20%, the crimping deformation is not excessive, so that the cylindrical opening can be deformed into an irregular shape without performing a solution heat treatment or the like. Cracking can be prevented.
By the way, the gas sensor may be heated to a high temperature depending on the application or installation environment, and as the temperature rises, the elastic seal member expands thermally, the pressure for caulking and fixing increases, and cracks and the like occur in the elastic seal member. May occur.
[0033]
In order to solve such a problem, in the above-described sensor manufacturing method, as described in
That is, by reducing the crimping deformation rate in this way, it is possible to suppress an increase in the crimping fixing pressure before the elastic seal member is cracked when the elastic seal member thermally expands.
[0034]
In order to maintain the airtightness between the casing and the elastic seal member, it is desirable that the crimping deformation rate is set to 10% or more.
According to another aspect of the present invention, there is provided a detecting element extending in an axial direction and having a tip end directed to a gas to be measured, and a radial direction of the detecting element. A casing having a cylindrical shape surrounding the periphery, having an element holding portion for holding the detection element, and having a cylindrical opening on the rear end side that communicates with the internal space from the outside, and a lead that is electrically connected to the detection element. It has a lead wire insertion hole for introducing a wire from the outside into the internal space of the casing, and performs positioning in the axial direction of the elastic seal member inserted into the cylindrical opening and the elastic seal member in the cylindrical opening. A positioning portion provided on the distal end side with respect to the elastic seal member disposed inside the casing, wherein the elastic seal member has a diameter of the elastic seal member of the cylindrical opening. It is caulked and fixed by a compression maintaining caulking portion formed by caulking a portion arranged on the outer side radially inward, and a positioning portion and a compression maintaining caulking portion of the elastic seal member. The gas sensor is characterized in that the portion disposed between the two is fixed by caulking in a state where pressure is applied in the direction of insertion into the cylindrical opening.
[0035]
According to the present invention (claim 7), the elastic seal member is crimped and fixed to the cylindrical opening of the casing by forming the compression maintaining crimping portion. It should be noted that a portion disposed between the compression-holding portion and the compression-maintaining crimping portion is crimped and fixed in a state where pressure is applied in a direction of insertion into the cylindrical opening. The elastic seal member crimped and fixed in this way has a casing disposed between the positioning portion and the compression maintaining crimping portion in a state in which the portion is positively expanded radially outward. The gap between the (cylindrical opening) and the elastic seal member is closely contacted without any gap. Therefore, it is possible to provide a gas sensor that can maintain good airtightness between the casing (cylindrical opening) and the elastic seal member.
[0036]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a gas sensor according to an embodiment to which the present invention is applied will be described with reference to the drawings. In this embodiment, a gas sensor (in other words, an oxygen sensor) mounted on an exhaust pipe or the like of an internal combustion engine and detecting oxygen will be described. FIG. 1 is a cross-sectional view illustrating the entire configuration of the
[0037]
In the present embodiment, the lower side of the
As shown in FIG. 1, the
[0038]
As shown in FIG. 7, the
[0039]
On both side surfaces (upper and lower surfaces in FIG. 7) on the tip side (left side in FIG. 7) of the oxygen
[0040]
In the
[0041]
Returning to FIG. 1, the
The
[0042]
An inwardly protruding
[0043]
Note that the support member 51 and the
As shown in FIG. 1, the rear end portion of the
[0044]
That is, the filling
[0045]
At this time, the
[0046]
The first
[0047]
The
[0048]
That is, the first
[0049]
In addition, a metal
Then, after the opening end (tip opening end 59) of the
[0050]
That is, the
[0051]
The
[0052]
A portion of the
[0053]
The
[0054]
Next, FIG. 2 shows a rear end portion of the
The
[0055]
As shown in FIG. 1, lead
[0056]
Next, in the manufacturing method of the
In the operation of caulking and fixing the
[0057]
Next, as a second stage, as shown in the second explanatory diagram from the left in FIG. 2, the sealing
[0058]
Here, in FIG. 3, the state of the
[0059]
FIG. 4 shows a measurement result obtained by measuring the outer diameter of the
According to the measurement results shown in FIG. 4, since the outer diameter of the
[0060]
For this reason, as shown in the second from the left in FIG. 2, the outer peripheral side surface of the
Next, in the third stage, as shown in the third explanatory drawing from the left in FIG. 2 (in other words, the second from the left), the
[0061]
Further, in the fourth stage, as shown in the first explanatory diagram from the right in FIG. 2, the distal end of the
[0062]
As a method for manufacturing the
In the
[0063]
As described above, in the manufacturing method of the
[0064]
Then, in a state where the
[0065]
That is, when the sensor manufacturing method of the present embodiment is used, the gap between the outer surface of the
[0066]
In the
[0067]
Therefore, according to the sensor manufacturing method of this embodiment, when the sealing
[0068]
Further, in this embodiment, the
[0069]
Further, since the crimping deformation rate when forming the caulked portion is small, the
[0070]
In addition, before forming the compression maintaining
[0071]
In the present embodiment, the portion of the
[0072]
By specifying the formation position of the compression maintaining
[0073]
Further, in the gas sensor manufacturing method according to the present embodiment, in the
[0074]
In this way, by providing a plurality of caulking portions such as the
[0075]
The timing of forming the fixing
[0076]
Further, in the
[0077]
Here, the portion of the
[0078]
In the gas sensor known in the related art, the elastic seal member is merely inserted into the cylindrical opening of the casing in a loose fit state and then fixed by caulking. Therefore, the elastic seal member is compressed and deformed by caulking. The length of the elastic seal member in the axial direction (in the direction of insertion into the cylindrical opening) when released from the crimped and fixed state and taken out of the cylindrical opening is crimped and fixed. It is shorter than that in the state where it is. From this difference, it is clear that in the gas sensor of the present embodiment, the
[0079]
Here, for each of the case where the external compressive force F in the axial direction is applied to the seal member and the case where the external force is not applied, the deformation ratio [%] of the crimped portion of the cylindrical opening and the outer diameter deformation ratio [%] of the seal member are determined. The relationship will be described.
As the seal member, the same seal member as in the above embodiment (a seal member having an outer diameter of 14.06 [mm] when no external compression force F is applied) is used. A case where 200 [N] is applied will be described. Further, a case will be described in which an outer cylinder having an outer diameter of 15.10 [mm] and a thickness of 0.50 [mm] is used as the outer cylinder before crimping.
[0080]
The deformation rate of the crimped portion of the cylindrical opening is defined as the outer diameter before the crimping operation when the diameter is reduced from the outer diameter of the cylindrical opening before the crimping operation to the outer diameter after the crimping operation. It indicates the ratio of the reduced diameter difference size to the diameter size. Similarly, the outer diameter deformation rate [%] of the seal member also indicates the ratio of the diameter difference of the seal member to the outer diameter of the seal member before the crimping operation.
[0081]
[Table 1] lists each numerical value when no external compression force F is applied, and [Table 2] lists each numerical value when a external compression force F (= 200 [N]) is applied. In each table, each value (outer diameter dimension [mm] of the seal member) and the addition of the cylindrical opening to the outer diameter deformation rate [%] of the seal member in three stages (10%, 15%, 20%) are shown. The outer diameter [mm] of the tightening portion and the deformation ratio [%] of the crimping portion of the cylindrical opening are described.
[0082]
[Table 1]
[0083]
[Table 2]
Generally, as the outer diameter deformation rate [%] of the seal member increases, the restoring elastic force (force of returning to the original shape) of the seal member increases. The generated pressure (adhesion force) increases, and the airtightness between the seal member and the outer cylinder improves. That is, when the outer diameter deformation rate [%] of the seal member is 20%, the airtightness between the seal member and the outer cylinder is better than when it is 10%.
[0084]
Generally, in order to increase the outer diameter deformation rate [%] of the seal member, it is necessary to increase the deformation rate of the crimped portion of the cylindrical opening. Irregular deformation and cracking are likely to occur.
According to [Table 1] and [Table 2], in order to set the outer diameter deformation rate [%] of the seal member to 15%, when the external compressive force F is not applied, the cylindrical opening is added. When the external compression force F is applied, the crimped portion deformation rate [%] of the cylindrical opening is 9.5%, while the crimped portion deformation rate [%] needs to be 14.2%. It turns out that it is enough. That is, by applying a compressive external force F to the seal member, the crimping portion deformation rate of the cylindrical opening required to secure the same airtightness (outer diameter deformation rate [%] of the seal member) [ %] Can be reduced.
[0085]
In other words, even if the crimping portion deformation rate [%] of the cylindrical opening is the same, the outer diameter deformation rate [%] of the sealing member is obtained by applying a compressive external force F to the sealing member. Can be increased, and the airtightness can be improved. Specifically, even when the crimping portion deformation rate [%] of the cylindrical opening is about 9.5%, when the external compression force F is not applied to the sealing member, the outer diameter of the sealing member is deformed. The rate [%] is about 10%, but when a compressive external force F is applied to the seal member, the outer diameter deformation rate [%] of the seal member is about 15%, and the airtightness is improved. Will do.
[0086]
Therefore, in the present embodiment, the crimping portion deformation rate of the cylindrical opening can be reduced without lowering the airtightness between the sealing member and the outer cylinder. ) Can be prevented from being deformed or cracked. In addition, even if the deformation rate of the crimped portion of the cylindrical opening is substantially the same as that of the related art, the outer diameter deformation rate of the seal member increases, so that the deformation occurs between the seal member and the cylindrical opening. The pressure (adhesion) can be increased, and the airtightness between the seal member and the outer cylinder can be improved.
[0087]
By limiting the crimping deformation rate of the cylindrical opening to 20% or less, it is possible to prevent the crimping deformation rate from becoming excessively large, and the cylindrical opening can be formed without performing solution heat treatment or the like. It is possible to prevent deformation into a warp or generation of a crack. Further, by setting the crimping deformation rate of the cylindrical opening to 15% or less, even when the gas sensor becomes high temperature due to the use or installation environment, the crimping fixed pressure due to the thermal expansion of the seal member. Can be prevented from reaching the level at which cracks or the like occur in the seal member. On the other hand, in order to maintain the necessary minimum airtightness between the casing and the seal member, it is desirable to set the crimping deformation rate of the cylindrical opening to 10% or more.
[0088]
By the way, PTFE (so-called Teflon (registered trademark)) is often used as a material having a certain degree of heat resistance as a material for covering the lead wire. However, in an environment of 260 ° C. or higher, PTFE may flow out of the lead wire insertion hole of the seal member due to compression when pressure is applied from the outside. Due to such a phenomenon, the coating becomes thinner, and if a gap is formed between the outer surface of the lead wire and the inner surface of the lead wire insertion hole, the airtightness of the gas sensor may be reduced.
[0089]
On the other hand, in the gas sensor according to the present embodiment, since the external compressive force is applied to the
[0090]
Although the embodiments of the present invention have been described above, the present invention is not limited to the above-described embodiments, and can take various aspects.
For example, in the above-described embodiment, a gas sensor including two caulking portions (a
[0091]
Further, even in the case where the gas sensor is configured to include only the compression maintaining caulking portion, for example, by securing a large contact area between the inner surface of the compression maintaining caulking portion and the outer surface of the seal member, it is high. A gas sensor that can be used for applications requiring airtightness can be realized.
[0092]
FIG. 5 is a cross-sectional view of a rear end portion corresponding to the
In other words, in caulking and fixing the
[0093]
Thus, by providing the large compression maintaining
Therefore, according to the
[0094]
Further, as shown in FIG. 1, the compression maintaining caulking portion and the fixing caulking portion are not limited to being formed at positions apart from each other, and may be formed at positions adjacent to each other.
FIG. 6 shows a cross-sectional view of a rear end portion corresponding to the
[0095]
The
Furthermore, the number of caulking portions formed in the cylindrical opening is not limited to two or less, and three or more caulking portions (for example, one caulking portion for maintaining compression, and (Two places), the gas sensor may be configured to provide a gas sensor that can be used for applications requiring even higher airtightness.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view illustrating an overall configuration of a gas sensor according to an embodiment.
FIG. 2 is an explanatory view showing each step of an operation of caulking and fixing a seal member to a cylindrical opening of an outer cylinder.
FIG. 3 is an explanatory diagram showing a state of a seal member changing from a state where no external compression force F is applied (left side) to a state where the seal member is compressed and deformed by application of external compression force F (right side).
FIG. 4 is a measurement result obtained by measuring the outer diameter of a seal member with respect to an external compression force while changing the compression pressure.
FIG. 5 is a cross-sectional view of a rear end portion of a second gas sensor including a large-sized compression-maintaining caulking portion.
FIG. 6 is a cross-sectional view of a rear end portion of a third gas sensor including a second compression maintaining caulking portion and a second fixing caulking portion adjacent to each other.
FIG. 7 is an exploded perspective view illustrating a configuration of a
FIG. 8 is a schematic side view illustrating a rear end side portion in the axial direction of the detection element.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (7)
前記検出素子の径方向周囲を取り囲む筒状をなし、前記検出素子を保持する素子保持部を有すると共に、外部から自身の内部空間に通じる筒状開口部を後端側に有するケーシングと、
前記検出素子に電気的に接続するリード線を外部から前記ケーシングの前記内部空間に導入するためのリード線挿通孔を有し、前記筒状開口部に挿入される弾性シール部材と、
前記筒状開口部での前記弾性シール部材の前記軸線方向における位置決めを行うために、前記ケーシングの内部に配置される前記弾性シール部材よりも先端側に備えられる位置決め部と、
を有するガスセンサの製造方法であって、
前記筒状開口部に前記弾性シール部材を遊嵌状に挿入し、前記筒状開口部に挿入された前記弾性シール部材に対して、後端側から前記位置決め部に向かう挿入方向に圧力を加えて、前記弾性シール部材の外径寸法が拡大するように前記弾性シール部材を圧縮変形させ、
前記筒状開口部のうち、圧縮状態の前記弾性シール部材の径方向外側に配置される部分を、径方向内側に加締めることで、圧縮維持用加締め部を形成し、
前記圧縮維持用加締め部により前記弾性シール部材を加締め固定させること、
を特徴とするガスセンサの製造方法。A detection element extending in the axial direction and having a tip side directed to the gas to be measured;
A casing having a cylindrical shape surrounding the radial periphery of the detection element, having an element holding portion for holding the detection element, and having a cylindrical opening on the rear end side communicating with the internal space from the outside,
An elastic seal member having a lead wire insertion hole for introducing a lead wire electrically connected to the detection element from the outside to the internal space of the casing, and being inserted into the cylindrical opening,
In order to perform positioning in the axial direction of the elastic seal member at the cylindrical opening, a positioning portion provided at a more distal end side than the elastic seal member disposed inside the casing,
A method for manufacturing a gas sensor having
The elastic sealing member is loosely inserted into the cylindrical opening, and pressure is applied to the elastic sealing member inserted into the cylindrical opening in an insertion direction from the rear end side toward the positioning portion. Compressing and deforming the elastic seal member so that the outer diameter of the elastic seal member is increased,
Of the cylindrical opening, a portion arranged radially outside of the elastic seal member in a compressed state is swaged radially inward to form a compression maintaining swaging portion,
By caulking and fixing the elastic seal member by the compression maintaining caulking portion,
A method for manufacturing a gas sensor, comprising:
前記筒状開口部に挿入された前記弾性シール部材に対して挿入方向に圧力を加えるにあたり、前記弾性シール部材の外面が前記筒状開口部の内面に当接するまで前記弾性シール部材を圧縮変形させること、
を特徴とするガスセンサの製造方法。It is a manufacturing method of the gas sensor according to claim 1,
In applying pressure in the insertion direction to the elastic seal member inserted into the cylindrical opening, the elastic seal member is compressed and deformed until the outer surface of the elastic seal member contacts the inner surface of the cylindrical opening. thing,
A method for manufacturing a gas sensor, comprising:
前記弾性シール部材に対して後端側から前記位置決め部に向かう挿入方向に圧力を加えて、当該弾性シール部材を圧縮変形させた状態下において、前記筒状開口部のうち、前記弾性シール部材における後端部から挿入方向中央部までの領域に対応する部分の少なくとも一部を含むように、前記圧縮維持用加締め部を形成すること、
を特徴とするガスセンサの製造方法。It is a manufacturing method of the gas sensor of Claim 1 or Claim 2, Comprising:
A pressure is applied to the elastic seal member in the insertion direction from the rear end side toward the positioning portion, and in a state where the elastic seal member is compressed and deformed, of the cylindrical opening, Forming the compression maintaining caulking portion so as to include at least a part of a portion corresponding to a region from a rear end portion to a center portion in the insertion direction,
A method for manufacturing a gas sensor, comprising:
前記筒状開口部のうち、前記圧縮維持用加締め部が形成される位置よりも先端側で、かつ前記位置決め部の後端部までの領域に対応する部分のうち少なくとも一部を径方向内側に加締めることで、前記圧縮維持用加締め部よりも外径寸法が大きい固定用加締め部を形成すること、
を特徴とするガスセンサの製造方法。It is a manufacturing method of the gas sensor of Claim 3, Comprising:
In the cylindrical opening, at least a part of a portion corresponding to a region up to the rear end of the positioning portion on the distal end side from the position where the compression maintaining caulking portion is formed is radially inward. By crimping, forming a fixing crimping portion having a larger outer diameter than the compression maintaining crimping portion,
A method for manufacturing a gas sensor, comprising:
前記圧縮維持用加締め部を形成する際の前記筒状開口部の加締め変形率が20%以下であること、
を特徴とするガスセンサの製造方法。It is a manufacturing method of the gas sensor in any one of Claims 1-4, Comprising:
A crimping deformation rate of the cylindrical opening when forming the compression maintaining crimping portion is 20% or less;
A method for manufacturing a gas sensor, comprising:
前記圧縮維持用加締め部を形成する際の前記筒状開口部の加締め変形率が15%以下であること、
を特徴とするガスセンサの製造方法。It is a manufacturing method of the gas sensor in any one of Claims 1-4, Comprising:
A crimping deformation rate of the cylindrical opening when forming the compression maintaining crimping portion is 15% or less;
A method for manufacturing a gas sensor, comprising:
前記検出素子の径方向周囲を取り囲む筒状をなし、前記検出素子を保持する素子保持部を有すると共に、外部から自身の内部空間に通じる筒状開口部を後端側に有するケーシングと、
前記検出素子に電気的に接続するリード線を外部から前記ケーシングの前記内部空間に導入するためのリード線挿通孔を有し、前記筒状開口部に挿入される弾性シール部材と、
前記筒状開口部での前記弾性シール部材の前記軸線方向における位置決めを行うために、前記ケーシングの内部に配置される前記弾性シール部材よりも先端側に備えられる位置決め部と、
を有するガスセンサであって、
前記弾性シール部材は、前記筒状開口部のうち前記弾性シール部材の径方向外側に配置される部分を径方向内側に加締めることで形成される圧縮維持用加締め部により、加締め固定されており、
前記弾性シール部材のうち、前記位置決め部と前記圧縮維持用加締め部との間に配置される部分は、前記筒状開口部への挿入方向に向かって圧力が加えられた状態で加締め固定されていること、
を特徴とするガスセンサ。A detection element extending in the axial direction and having a tip side directed to the gas to be measured;
A casing having a cylindrical shape surrounding the radial periphery of the detection element, having an element holding portion for holding the detection element, and having a cylindrical opening on the rear end side communicating with the internal space from the outside,
An elastic seal member having a lead wire insertion hole for introducing a lead wire electrically connected to the detection element from the outside to the internal space of the casing, and being inserted into the cylindrical opening,
In order to perform positioning in the axial direction of the elastic seal member at the cylindrical opening, a positioning portion provided at a more distal end side than the elastic seal member disposed inside the casing,
A gas sensor having
The elastic seal member is caulked and fixed by a compression maintaining caulking portion formed by caulking a portion of the cylindrical opening disposed radially outward of the elastic seal member radially inward. And
A portion of the elastic seal member, which is disposed between the positioning portion and the compression maintaining caulking portion, is caulked and fixed in a state where pressure is applied in a direction of insertion into the cylindrical opening. is being done,
A gas sensor characterized by the above-mentioned.
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