JP2004225736A - 流体圧機器のシール装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カバー13,14の貫通穴にロッド12が移動自在に挿入されガス室15に加圧されたガスが封入または導入される流体圧機器1についての貫通穴におけるガス室15のガスをシールするためのシール装置2において、貫通穴の内周面133に設けられた環状の油室21と、カバー13,14に設けられカバー13,14の外面と油室21とを連通する油路22と、油室21とガス室15とを連通するように形成された調圧路23と、調圧路23に設けられた圧力伝達装置3と、からなり、圧力伝達装置3は、調圧路23を遮断しかつ遮断された両側の差圧に応じて移動可能なまたは変形可能な伝達部材32を有し、油室21、油路22、調圧路23の油室21に連通する側には油が封入されており、ガス室15のガスの圧力を圧力伝達装置3を経由して油室21の油に伝達するよう構成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスが封入された流体圧機器またはガスを導入して作動させる流体圧機器におけるロッドの摺動部分のシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリンダの内部に加圧されたガスを封入した流体圧機器としてガススプリングが、またシリンダの内部に加圧されたガスを導入し作動させる流体圧機器として空気圧シリンダが、それぞれ広く用いられている。これらの機器は、いずれもシリンダ内部の加圧されたガスの力を、ロッドカバーを貫通して往復動するロッドによって外部の負荷に作用させる。
【0003】
そのうちのガススプリングは、ロッドがシリンダの中に押し込まれる際に、シリンダの内部の封入されたガスが圧縮されて生ずる大きな反発力を利用する。つまり、この反発力をロッドに加わる荷重とバランスさせておくことで、このバランスを崩すためのわずかな力で大きな荷重を支えることができ、また、荷重を移動させることができる。従来より、ガススプリングは自動車の後部荷室の扉部分、OA機器のカバー部分または小型産業機器の蓋の部分等の開閉補助等に広く用いられてきた。近年、ガススプリングは、工作機械であるマシニングセンタの主軸の昇降装置に取り付けて主軸の荷重とバランスさせ、より少ない動力で主軸の昇降を行い同時に主軸の位置精度を高めて加工精度を向上する目的にも利用されている。
【0004】
一方、空気圧シリンダは、例えば、製品の検査ラインにおける不良品の除去、流通過程における物品の選別作業および弁の開閉等の生産工程の自動化等に簡便に利用されるほか、エアプレス機械のように大きな加圧力を必要とする工作機械等にも利用されている。
【0005】
このように、広く利用されているガススプリングおよび空気圧シリンダにおいて、シリンダの内部からシリンダの外部へのガスの漏れ、特に、ロッドカバーの貫通穴の内周面と、この内周面を摺動するロッドの外周面との間(以下「ロッドの摺動する部分」)からのガスの漏れは、シリンダの内部のガスの圧力が高くなるほど生じ易くかつ防止が容易ではない。
【0006】
特に、ガスを封入した状態で使用されるガススプリングでは、シリンダの内部からのガスの漏れがわずかでもあると、長期の使用の間にはガス圧が低下してしまい、必要とされるガススプリングの性能(初期荷重)が得られないこととなる。
【0007】
特に、ガススプリングをマシニングセンタまたはプレス機械のような工作機械に使用した場合のガス漏れは、主軸等の昇降装置に過度な負荷がかかることとなり、工作機械の加工精度を低下させ、加工品の品質低下に結びつく可能性がある。そのため、ロッドが摺動する部分のシール性能を長期間に渡って良好に保ち、シリンダの内部からのガスの漏れを防止することが求められてきた。
【0008】
従来、ロッドが摺動する部分のシール方法として、例えば小型のガススプリングでは、図6に示すUパッキン84を用いた構造が採用されている。また、ロッド82とロッドブッシュまたはロッドカバー83との摺動部分の潤滑を目的として、ロッドブッシュまたはロッドカバー83のロッド82が摺動する内周面にUパッキン84とダストシール86との間に位置する環状の溝を設け、潤滑油を封入する構造も用いられている。
【0009】
しかし、ガススプリングの内部(以下「ガス室」)85のガスの圧力とガススプリングの外部の圧力との差は、数MPaから7MPa以上にもなり、この圧力差による力がUパッキン84に加わることになる。この圧力差による力によって、Uパッキン84の摺動側リップ841がロッド82に強く押しつけられ、摺動抵抗の大きくなった摺動側リップ841は、ロッド82の往復動によって摩耗しやすくなる。摺動側リップ841が摩耗した結果、Uパッキン84のシール性能が低下することが考えられ、ガススプリングの長期間の使用には不安がある。ロッドが摺動する部分の潤滑のためにシリンダの内部に少量の潤滑油を封入することも行われているが、ロッドが摺動する部分を下側にしてガススプリングを設置しなければならないという利用上の制約がある。
【0010】
Uパッキン84とダストシール86との間の環状の溝に潤滑油を封入する構造では、封入された潤滑油がロッド82の外周面に油膜をつくり、油膜の効果によりロッド82の外周面と摺動側リップ841との摩擦力を低減させることが期待できる。しかし、環状の溝に封入された潤滑油の圧力はガス室の圧力に比べて低いために、ガスが環状の溝を経由して外部に漏れ出るおそれがある。さらに、頻繁なロッドの往復動により潤滑油は徐々に減少するので、図6に示すシール構造と同様にシール性能の低下という問題が生ずるおそれもある。
【0011】
そこで、潤滑油を補充することができるシール構造が提案されている(特許文献1参照)。しかし、特許文献1に示されるガススプリングのシール構造では、潤滑油の収納部の圧力はガス室の圧力に比べて低く、ガスが潤滑油の収納部を経由して外部に漏れ出すおそれは解消されない。
【0012】
また、減少した潤滑油を適宜補給するシール構造ではなく、加圧した潤滑油をロッドカバーの内周面の環状の溝に常時供給し続けるシール構造も考えられている(特許文献2参照)。この特許文献2に示される構造では、潤滑油の圧力はシリンダの内部のガス圧より低くなっている。そのため、特許文献1に記載されるシール構造と同様に、ガス室のガスがシール部分を経由して漏れ出すおそれがある。また、このシール構造では、ガススプリングが潤滑油の加圧機構および潤滑油の充填機構と常時つながれており、周辺設備を必要とすることから設備が複雑化するとともにランニングコストが増加する要因を含んでいる。
【0013】
【特許文献1】
特開平7−293622号公報(第3−第4頁、第1図)
【0014】
【特許文献2】
特開2002−96229号公報(第3−第4頁、第2−第5図)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
空気圧シリンダのガス室の圧力は1MPa以下、ガススプリングのガス室の圧力は数MPaから7MPa前後が一般的である。しかし、ガスのシールは圧力が低くても容易ではなく、特にガススプリングのように加圧されたガスが封入される機器では、一旦ガスが外部に漏れれば、その後ガスを補充することは面倒な作業となることが多い。
【0016】
本発明は、流体圧機器においてロッドカバーの貫通穴の内周面とこの内周面を摺動するロッドの外周面との間のシール性能を向上させかつシール部材の耐久性を高めたシール装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるシール装置は、シリンダチューブの一端を塞ぐカバーの貫通穴にロッドが移動自在に挿入され前記シリンダチューブの内側に形成されたガス室に加圧されたガスが封入されまたは加圧されたガスが導入される流体圧機器についての前記貫通穴における前記ガス室のガスをシールするためのシール装置であって、前記貫通穴の内周面に設けられた環状の油室と、前記カバーに設けられ前記カバーの外部と前記油室とを連通する油路と、前記油室と前記ガス室とを連通するように形成された調圧路と、前記調圧路に設けられた圧力伝達装置と、からなり、前記圧力伝達装置は、前記調圧路を遮断しかつ遮断された両側の差圧に応じて移動可能なまたは変形可能な伝達部材を有し、前記油室、前記油路、および前記調圧路の前記油室に連通する側には油が封入されており、前記ガス室のガスの圧力を前記圧力伝達装置を経由して前記油室の油に伝達するよう構成されている。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明にかかる実施形態であるシール装置2が設けられたガススプリング1の正面断面図、図2は図1のシール部分を拡大して示す部分正面断面図、図3は図1におけるA−A断面矢視図、図4はシール装置2を構成する圧力伝達装置3の正面断面図、図5は圧力伝達装置3の他の実施形態の正面断面図を示す。
【0019】
図1に示すように、ガススプリング1は、シリンダチューブ11の一端にロッドカバー14を有し、他の一端にヘッドカバー16を有する。ロッドブッシュ13は、ロッド12を挿入した状態でロッドカバー14に取り付けられている。
【0020】
シリンダチューブ11は、ロッドカバー14およびヘッドカバー16により両端が塞がれ、塞がれたシリンダチューブ11の内部にガス室15が形成される。ヘッドカバー16には、窒素ガスをガス室15に注入するためのガス注入ポート17が設けられる。
【0021】
ロッド12が挿入されるロッドブッシュ13の貫通穴の内周面133には、軸方向のほぼ中央に、軸方向の長さがロッドブッシュ13の長さの半分ほどであって半径方向に浅い円環状の溝が設けられている。この円環状の溝とロッド12の外周面121とに囲まれて油室21が形成される。図1に示す環状の溝の深さは約2mmであるが、これはガススプリング1の大きさ等を考慮し任意に設定することができる。
【0022】
図2および図3を参照して、ロッドブッシュ13には、油室21とロッドブッシュ13の外周面とを貫通する2つの孔131,131が、軸方向に互いに離れた位置にかつ円周方向に180度の間隔で設けられる。孔131は2つでなく1つでもよいが、油室21に油を封入する際の空気抜きを円滑に行うためには、油室21の軸方向の両端にそれぞれ1つ以上設けるのが好ましい。
【0023】
図2によく示すように、ロッドブッシュ13の貫通穴の内周面133には、油室21を挟んだ軸方向の両側に第1シール部材41および第2シール部材42が設けられる。
【0024】
第1シール部材41はガス室15と油室21との間を、第2シール部材42は油室21と外部との間を、それぞれロッド12の外周面121とロッドブッシュ13の内周面133との摺動部分においてシールするためのものである。本実施形態では、第1シール部材41および第2シール部材42として、ともにOリングと樹脂シールとを組み合わせた組合せシールを使用している。
【0025】
図1および図2に示すように、ロッドブッシュ13の外周面とロッドカバー14の内周面との間には円環状の間隙132が形成されている。
すなわち、ロッドブッシュ13には、最大径の第1外周面135、中間径の第2外周面136、および最小径の第3外周面137が設けられる。ロッドカバー14には、第1外周面135とほぼ同じ内径の第1内周面145、第2外周面136とほぼ同じ内径の第2内周面146、および、第3外周面137とほぼ同じ内径の第3内周面147が設けられる。第3外周面137は第3内周面147より軸方向に長く、第2外周面136は第2内周面146より軸方向に短く形成されている。ロッドブッシュ13をロッドカバー14に取り付けたとき、第3外周面137と第2内周面146とによって円環状の間隙132が形成される。間隙132は、第2外周面136と第3外周面137との外径の差の2分の1に当たる半径方向の幅、および第3外周面137と第3内周面147(または第2内周面146と第2外周面136)との軸方向長さの差に相当する長さを有する。
【0026】
間隙132の軸方向位置および長さは、孔131が間隙132に開口するように決定される。図1に示す間隙132の幅は約3mmおよび軸方向の長さはおおよそロッドカバー14の軸方向の厚みの半分である。また、間隙132は、後に説明するロッドカバー14に設けられた給油路141と連通するように形成されている。
【0027】
ただし、間隙132の半径方向の幅および軸方向長さは、ガススプリング1の大きさ、用途等により異なり、上に述べた寸法に限るものではない。また、間隙132は、給油路141と孔131とを連通させ油室21に油を供給するように設けられていれば、図3に示すような円環状の断面を有する形状に限られない。例えば、第3外周面137および第3内周面147を設けずに、孔131と給油路141とを連通するように第2外周面136に設けた1つの溝であってもよい。
【0028】
ロッドカバー14には、前述したように一方が間隙132に開口し、他の一方がロッドカバー14の側面において外部に開口する給油路141が設けられる。給油路141が開口するロッドカバー14の側面には、給油ポート144が設けられる。なお、給油ポート144には図示しない閉止弁が取り付けられる。ロッドカバー14には、油室21に給油する際にエア抜きを行うためのエア抜き路142が設けられている。エア抜き路142が開口するロッドカバー14の側面には栓143が取り付けられている。孔131、間隙132、および給油路141によって油路22が形成される。
【0029】
また、ロッドカバー14には、給油路141から分岐しガス室15に連通する調圧路23が設けられる。つまり、調圧路23は、給油路141を通じてガス室15と油室21とを連通させている。
【0030】
調圧路23のガス室15に開口する部分には、圧力伝達装置3が取り付けられる。圧力伝達装置3は、ガス室15の圧力を油室21に伝達し、第1シール部材41を挟んだガス室15のガスの圧力と油室21の油の圧力との差を適当な大きさに保つ役割をする。
【0031】
図4において、圧力伝達装置3は、小シリンダチューブ31と小シリンダチューブ31の内周面を摺動し油とガスを遮断する小ピストン32とを有している。小ピストン32は、ガス室15のガスの圧力を油室21の油に伝達する働きをする。小ピストン32の両側の受圧面積は等しいので、ガス室15の圧力が油室21にそのまま伝達される。
【0032】
小シリンダチューブ31は、一方の開口部34の外周に雄ネジが設けられており、調圧路23の開口部に設けられた雌ネジに螺合してロッドカバー14に取り付けられる。小シリンダチューブ31の他の開口部35には開口栓37が設けられる。開口栓37は、中央部分に貫通穴36が設けられており、ガスが圧力低下することなく流通可能である。
【0033】
小ピストン32は、ガス室15のガスの圧力と油室21の油の圧力との差圧により、容易に小シリンダチューブ31の内周面を摺動するように形成される。小ピストン32と開口栓37との間にはスプリング33が装着される。したがって、小ピストン32は、スプリング33により付勢され、その自由状態において図4の左端に移動する。
【0034】
なお、本実施形態におけるスプリング33は、バネ定数および付勢力が小さいものであり、小ピストン32の動きをスムーズにするために設けられる。小ピストン32とスプリング33とは固着されていてもされていなくてもよい。油室21の油の圧力をガス室15のガスの圧力より高く保ちたい場合には、バネ定数および付勢力が大きなスプリング33を用いればよい。
【0035】
シール装置2には潤滑性を有する油を封入する。シール装置2への油の封入は次のようにして行う。
給油ポート144には、上に述べたように閉止弁が取り付けられるが、閉止弁のポートに給油ホースなどを接続する。その際に油圧計を接続しておく。エア抜き路142の栓143をゆるめ、閉止弁を開いて給油を開始し、油路22、油室21、および圧力伝達装置3に油を充填する。栓143から油が漏れ出したら一旦給油を停止し、栓143を閉じる。その後、給油を再開し、油圧計の圧力が上昇したときに給油を停止する。栓143を閉じた後の給油は、圧力伝達装置3の小ピストン32をガス室15の側に移動させるためのものである。給油を停止した後、給油ポート144に取り付けた閉止弁を閉じ、給油ホースを取り外す。給油は、できる限り油室21等に空気が残留しないように留意して行う。給油の途中で、油室21等に残留する空気をエア抜き路142に導くように、ガススプリング1の全体を上下左右にゆっくりと動かすのが効果的である。
【0036】
ガススプリング1におけるガス室15への加圧ガスの充填は、ガス注入ポート17にガス供給用の配管を接続して行う。ガスとして例えば窒素ガスを使用する。窒素ガスは、例えば窒素ボンベから減圧弁を経由して所定の圧力に減圧して注入する。
【0037】
油室21の油の圧力は、ガス室15に窒素ガスを充填する前には大気圧ないし0.1MPa程度である。ガス室15への加圧ガスの注入によってガス室15の圧力が上昇するに伴い、その圧力が小ピストン32によって油に伝達され、油室21の油の圧力が上昇する。結果として、油室21はガス室15とほぼ同じ圧力となる。
【0038】
このように、圧力伝達装置3は、ガススプリング1の動作時におけるガス室15のガスの圧力を、油室21の油に伝達する働きをする。この働きにより、油室21の油とガス室15のガスとは圧力差がほとんどない状態になり、ガス室15のガスが、第1シール部材41のシール部分から油室21に漏れにくくなる。また、油室21の油とガス室15のガスとの圧力差がほとんどないことから、ロッド12の外周面と摺動する第1シール部材41の摩耗が軽減される。
【0039】
つまり、本実施形態におけるシール装置2は、ロッド12が摺動する部分の高いシール性を維持しつつ、シール部分の耐久性を高めることができる。
上に述べたガススプリング1では、シール状態を維持するために第1シール部材41に求められる要件が、ガス室15のガスの圧力の大きさから予想されるものに比べて大幅に緩和されたものとなる。したがって、第1シール部材41には様々な種類のシールを使用することができ、例えばOリングを単独で使用することができる。
【0040】
ガス室15のガスまたは油室21の油のいずれか一方の圧力を他方より高く設定した場合には、第1シール部材41に、Uパッキン、VパッキンまたはLパッキン等のリップパッキンを使用するのが好ましい。このとき、パッキンのリップは、ガス室15と油室21のうち圧力の高い側に向くように設ける。
【0041】
第2シール部材42は、ロッド12の外周面121とロッドブッシュ13の内周面133との摺動部分において、ガススプリング1の外部と油室21とをシールするためのものである。したがって、第2シール部材42は圧力差の大きな摺動する部分に使用しても十分なシール性能を発揮する型のパッキンが用いられる。例えば、油圧機器の往復動軸のシールに適するUパッキン、VパッキンおよびLパッキン等のリップパッキンを使用するのが好ましい。パッキンのリップは、油室21の側に向くように配置する。
【0042】
図5は、他の実施形態における圧力伝達装置3Bを示す図である。
圧力伝達装置3Bは、容器31Bおよび容器31Bの内部にベローズ32Bを有する。容器31Bは2つの開口部34B,35Bを有し、容器31Bの内部で2つの開口部34B,35Bの間がベローズ32Bにより完全に遮断されている。圧力伝達装置3Bは、一方の開口部34Bが油室21に連通するように、他方の開口部35Bがガス室15に連通するように、調圧路23に接続される。ガス室15のガスの圧力の変化により容器31Bの内部でベローズ32Bは伸縮し、ベローズ32Bの内側の油にガス室15の圧力を伝える。ベローズ32Bの内側の油の圧力は、調圧路23を通じて油室21に伝達される。開口部34Bをガス室15に連通するように、開口部35Bを油室21に連通するように、調圧路23に接続してもよい。
【0043】
圧力伝達装置は、上に述べた実施形態の他に、圧力伝達装置3Bにおいてベローズ32Bに代えてメタルダイアフラムを設けたものとすることもできる。また、圧力伝達装置3に代えて、調圧路23のガス室15への開口部をベローズ、メタルダイアフラムまたは非金属弾性体膜等の弾性を有する伝達部材で塞ぐ簡便な構造としてもよい。ただし、伝達部材にメタルダイアフラムを用いる場合は、ベローズ32Bを用いる場合に比べ変形の許容度が小さいことから、シール性能を維持するために油室21の油の量を維持するよう管理を行うのが好ましい。
【0044】
ガススプリングなどの流体圧機器の内部に伝達装置を設けるスペースがない場合には、圧力伝達装置3Bを流体圧機器の外部に設けることができる。例えば、ガス室から連通しシリンダチューブの外周に開口するポートを設け、このポートと給油ポートとを連通する調圧路を流体圧機器の外部に設け、調圧路の途中に圧力伝達装置3Bを取り付ければよい。
【0045】
シリンダチューブ11、ロッド12、ロッドブッシュ13、ロッドカバー14、ヘッドカバー16および圧力伝達装置3は、いずれも機械構造用炭素鋼材により製作される。圧力伝達装置3Bの容器31Bも機械構造用炭素鋼材により製作される。ベローズ32Bはステンレス製のものを使用する。
【0046】
上述の実施形態において、間隙132の形成方法として上に述べた方法以外の方法を用いることができる。ロッドブッシュ13とロッドカバー14とを一体に形成しロッドカバーとしてもよく、間隙132を設けることなく油室21と給油ポート144とを直接に連通する油路22を設けることもできる。
【0047】
油室の位置、大きさ、形状等は、上述の実施形態に示すものに限られない。第1シール部材および第2シール部材の数はそれぞれ1つに限るものではなく、流体圧機器の規模、用途、動作条件等に応じて複数設けることができる。また、第1シール部材および第2シール部材の他に、例えばダストシール等をロッドブッシュの内周面に設けることができる。
【0048】
圧力伝達装置3において、スプリング33に代えて他の弾性体を使用することもできる。また、小シリンダチューブ31の内周面を小ピストン31が良好に摺動するよう加工できる場合には、スプリング33を設けないものとすることもできる。
【0049】
圧力伝達装置の形状、構造等は、図4および図5に示すものに限られず、伝達部材で遮断される一方の側のガスの圧力を他方の側の油に伝達するように形成されていればよい。伝達装置の材質についても機械構造用炭素鋼材に限られず、他の材料を使用することができる。
【0050】
上述の実施形態において、各部分の形状、構造、および材質等は、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。本発明は、シリンダの内部に加圧されたガスを有し、シリンダの内外を往復動するロッド状の力伝達機構を有する種々の機器に適用することが可能である。
【0051】
【発明の効果】
本発明によると、流体圧機器においてロッドカバーの貫通穴の内周面とこの内周面を摺動するロッドの外周面との間のシール性能を向上させかつシール部材の耐久性を高めたシール装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施形態であるシール装置が設けられたガススプリングの正面断面図である。
【図2】図1のシール部分を拡大して示す部分正面断面図である。
【図3】図1におけるA−A断面矢視図である。
【図4】図1のシール装置を構成する圧力伝達装置の正面断面図である。
【図5】圧力伝達装置の他の実施形態の正面断面図である。
【図6】従来のシール装置が設けられたガススプリングの部分正面断面図である。
【符号の説明】
1 ガススプリング(流体圧機器)
2 シール装置
3,3B 圧力伝達装置
11 シリンダチューブ
12 ロッド
13 カバー(ロッドブッシュ)
14 カバー(ロッドカバー)
15 ガス室
21 油室
22 油路
23 調圧路
32 小ピストン(伝達部材)
32B ベローズ(伝達部材)
133 貫通穴の内周面
Claims (4)
- シリンダチューブの一端を塞ぐカバーの貫通穴にロッドが移動自在に挿入され前記シリンダチューブの内側に形成されたガス室に加圧されたガスが封入されまたは加圧されたガスが導入される流体圧機器についての前記貫通穴における前記ガス室のガスをシールするためのシール装置であって、
前記貫通穴の内周面に設けられた環状の油室と、前記カバーに設けられ前記カバーの外部と前記油室とを連通する油路と、前記油室と前記ガス室とを連通するように形成された調圧路と、前記調圧路に設けられた圧力伝達装置と、からなり、
前記圧力伝達装置は、前記調圧路を遮断しかつ遮断された両側の差圧に応じて移動可能なまたは変形可能な伝達部材を有し、
前記油室、前記油路、および前記調圧路の前記油室に連通する側には油が封入されており、
前記ガス室のガスの圧力を前記圧力伝達装置を経由して前記油室の油に伝達するよう構成されている、
ことを特徴とする流体圧機器のシール装置。 - 前記伝達部材は、
筒状の内周面を摺動するピストンである、
請求項1に記載の流体圧機器のシール装置。 - 前記伝達部材は、
ダイヤフラムまたはベローズである、
請求項1に記載の流体圧機器のシール装置。 - 請求項1ないし請求項3に記載のシール装置が設けられた流体圧機器。
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JP2008101758A (ja) * | 2006-10-20 | 2008-05-01 | Hitachi Ltd | オイルダンパー |
CN112623202A (zh) * | 2020-12-11 | 2021-04-09 | 哈尔滨飞机工业集团有限责任公司 | 一种起落架缓冲支柱润滑支撑和密封防尘装置 |
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- 2003-01-20 JP JP2003011227A patent/JP4148785B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2008101758A (ja) * | 2006-10-20 | 2008-05-01 | Hitachi Ltd | オイルダンパー |
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