JP2004225053A - 付加硬化型シリコーン組成物 - Google Patents

付加硬化型シリコーン組成物 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 (A)式(1)
1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(R1は一価炭化水素基、R2はアルケニル基、aは1.4〜2.0、bは0.0001〜0.5、a+b=1.9〜2.05)
で示されるオルガノポリシロキサン
(B)式(2)
3 cdSiO(4-c-d)/2 (2)
(R3は一価炭化水素基、cは0.7〜2.0、dは0.005〜1.2、c+d=0.8〜3.0)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(C)白金又は白金化合物
(D)(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサン
を含有してなる付加硬化型シリコーン組成物。
【効果】 本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、硬化安定性、熱安定性に優れ、かつ各種基材、特にポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイト等の難接着性樹脂に対しても優れた接着性を発揮し得る硬化物を与える。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化安定性、耐熱性に優れ、かつ接着性に優れ、樹脂、金属等の種々の基材に対して良好に接着する硬化物を与え、電気電子部品、車載用部品などの接着剤等として好適に使用することができる付加硬化型シリコーン組成物に関する。
種々の基材に対して接着性を有する付加硬化型シリコーン接着剤を得るべく、従来から硬化性シリコーン樹脂に接着付与成分を添加し、接着性を発現させる検討が行われてきた。例えば、アルコキシシリル基を有するオルガノハイドロジェンシロキサンを含有する付加硬化型シリコーンゴム組成物(特公昭53−21026号公報記載)や、エポキシ基を有するオルガノハイドロジェンシロキサンを含有する付加硬化型シリコーンゴム組成物(特公昭53−13508号公報記載)等が提案されている。
しかし、従来の付加硬化型シリコーン接着剤は、一部の基材、特に樹脂に対して自己接着させることが難しく、プライマー成分を使用しないと接着性を発現しない場合がある。難接着性の樹脂としては、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイト等が挙げられるが、近年、このような樹脂に対しても良好に自己接着する付加硬化型シリコーン接着剤の必要性が高まっている。
そこで、難接着性樹脂に自己接着する付加硬化型シリコーン接着剤を得るため、例えば窒素化合物を添加する技術(特公昭52−147963号公報)、接着付与材として添加されるアルコキシシランの加水分解触媒として有機錫化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物を添加する技術が開発され、公知となっている。
しかしながら、これらの技術は、以下のように付加硬化型シリコーン接着剤の硬化性に影響を及ぼすことがあり、いずれの方法も満足できるものではなかった。即ち、付加硬化型シリコーン接着剤に窒素化合物を添加した場合は、付加反応触媒である白金原子の触媒能力が著しく阻害され、硬化性が非常に不安定となる。また、有機錫化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物等を添加した場合は、付加硬化型シリコーン接着剤中のオルガノハイドロジェンシロキサンを失活させ、また、熱時にはシリコーンポリマー中のシロキサン結合を開裂させるため、硬化物の耐熱性を低下させる原因ともなる。
特公昭53−21026号公報 特公昭53−13508号公報 特公昭52−147963号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、硬化安定性、熱安定性に優れ、更に優れた接着性を有し、難接着性樹脂に対しても良好に接着し得る硬化物を与える付加硬化型シリコーン組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記平均組成式(1)で示される1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、下記平均組成式(2)で示される1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、白金又は白金化合物を含有してなる付加硬化型シリコーン組成物に、接着性向上剤として25℃における粘度が5〜10,000センチポイズであり、直鎖状又は環状のオルガノポリシロキサン構造を有する(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサンを配合した場合、この(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサンが組成物中(即ち、オルガノポリシロキサンマトリックス中)に速やかに拡散すると共に、分子中の(メタ)アクリル基が基材に対して高い親和性を示し、組成物の硬化性や熱安定性に悪影響を及ぼすことなく優れた接着性が発揮され、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイト等の難接着性樹脂に対しても良好に接着し得る硬化物を与える付加硬化型シリコーン組成物を得ることができることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、
(A)下記平均組成式(1)
1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(但し、式中R1は脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非置換の一価炭化水素基、R2はアルケニル基であり、aは1.4〜2.0、bは0.0001〜0.5、a+b=1.9〜2.05である。)
で示される1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン 100重量部
(B)下記平均組成式(2)
3 cdSiO(4-c-d)/2 (2)
(但し、式中R3は脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、cは0.7〜2.0、dは0.005〜1.2、c+d=0.8〜3.0である。)
で示される1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
組成物中のアルケニル基1個に対してケイ素原子結合水素原子を0.4〜
10個供給し得る量
(C)白金又は白金化合物 触媒量
(D)25℃における粘度が5〜10,000センチポイズであり、環状のオルガノポリシロキサン構造を有するか、又は、分子鎖末端がシラノール基で停止もしくはトリオルガノシロキシ基で封鎖されている直鎖状のオルガノポリシロキサン構造を有する、(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサン 0.0001〜3重量部
を含有してなることを特徴とする付加硬化型シリコーン組成物を提供する。
本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、硬化安定性、熱安定性に優れ、かつ各種基材、特にポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイト等の難接着性樹脂に対しても優れた接着性を発揮し得る硬化物を与えるもので、電気電子部品周辺や車載用部品周辺用途の接着剤等として有用である。
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の付加硬化型シリコーン組成物の(A)成分は、本発明組成物の主剤となる成分であり、下記平均組成式(1)
1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(但し、式中R1は脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非置換の一価炭化水素基、R2はアルケニル基であり、aは1.4〜2.0、bは0.0001〜0.5、a+b=1.9〜2.05であり、好ましくはaは1.9〜2.0、bは0.001〜0.1、a+b=1.95〜2.02である。)で示される1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンである。
上記式(1)のオルガノポリシロキサンは、その分子構造に特に制限はなく、直鎖状、部分的に分岐したあるいは環状のいずれであってもよく、また、単一のシロキサン単位からなる重合体又は二種以上のシロキサン単位からなる共重合体であってもよいが、通常は分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖され、主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる、直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが一般的である。また、分子中のアルケニル基は分子鎖末端のケイ素原子及び分子鎖途中のケイ素原子のいずれに結合したものであっても、またこの両方に結合したものであってもよいが、硬化物の物性等の点から、少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するものであることが好ましい。
ここで、上記式(1)中のR1で表される置換又は非置換の一価炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜12のもの、より好ましくは炭素数1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、あるいはこれらの炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、ニトリル基等で置換された置換炭化水素基、例えばトリフルオロプロピル基、クロロメチル基、シアノエチル基等の置換アルキル基などが例示される。R1は同一でも互に異なっていてもよいが、これらの中ではその化学的安定性や合成の容易さから全てメチル基であることが好ましい。特性上必要な場合は、メチル基の一部がフェニル基又はトリフルオロプロピル基で置換されていてもよい。
一方、R2で示されるアルケニル基としては、炭素数2〜8のもの、特に炭素数2〜4のものが好ましく、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、ペンテニル基等が例示されるが、特にビニル基又はアリル基が好適であり、その合成の容易さや化学的安定性の点からビニル基が最も好ましい。
(A)成分のオルガノポリシロキサンの25℃における粘度は、10センチストークス(cs)以上、通常50〜1,000,000cs、特に100〜500,000csの範囲が好ましい。粘度が10csより低いと、硬化物が脆くなり、また基材の変形に対応できなくなる場合があり、また、1,000,000csを超えると硬化前の組成物の粘度が大きくなり、作業性が低下する場合がある。なお、これらのオルガノポリシロキサンは、粘度が上記範囲にあれば、2個以上を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均組成式(2)
3 cdSiO(4-c-d)/2 (2)
(但し、式中R3は脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、cは0.7〜2.0、dは0.005〜1.2、c+d=0.8〜3.0であり、好ましくはcは0.9〜2.0、dは0.1〜1.0、c+d=1.0〜2.5を満足する数である。)
で示される1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を少なくとも2個、好ましくは3個以上有するものである。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中のケイ素原子結合水素原子(即ち、SiH基)が後述する(C)成分の白金又は白金化合物の存在下、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と室温又は加熱下に反応して、三次元網目構造を与える架橋剤として作用する。
上記式(2)において、R3の脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非置換の一価炭化水素基としては、炭素数1〜12のもの、特に炭素数1〜8のものが好ましく、上記R1において例示したものと同じものが挙げられ、同一でも互に異なっていてもよいが、合成の容易さや化学的安定性から全てメチル基であることが好ましい。特性上必要な場合は、メチル基の一部がフェニル基又はトリフルオロプロピル基で置換されていてもよい。なお、これらのオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、その分子構造については特に制限はなく、直鎖状、分岐状、環状、三次元網状(レジン状)のいずれであってもよく、また、ケイ素原子結合水素原子(即ち、SiH基)を有するシロキサン単位のみからなる重合体でも、これとトリオルガノシリル単位、ジオルガノシロキサン単位、モノオルガノシロキサン単位及びSiO2単位のうち1種又は2種以上との共重合体であってもよい。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして具体的には、メチルハイドロジェンシロキサン環状重合体、メチルハイドロジェン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH33SiO1/2単位と(CH32HSiO1/2単位とSiO2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体、(CH3)HSiO2/2単位と(CH3)SiO3/2単位及び/又はHSiO3/2単位からなる共重合体などが挙げられる。
また、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、重合度についても特に制限はないが、(A)成分との相溶性や合成の容易さ等の点から1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)が3〜200個、より好ましくは4〜150個のものが好適である。
(B)成分の配合量は、(A)成分中のアルケニル基1個に対して、この(B)成分中のオルガノハイドロジェンポリシロキサンに含有されるケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)の数が0.4〜10個、好ましくは1.2〜5個となるのに十分な量である。0.4個より少ないと硬化が不十分となり、必要な硬化物の強度が得られず、10個より多いと硬化時に発泡したり、物性の経時変化の原因となる。
なお、本発明組成物に、従来公知の接着性付与剤として、分子中に少なくとも1個のSiH基と、少なくとも1個のエポキシ官能性基、エステル官能性基又はアルコキシ官能性基とを有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン等を添加することは任意とされるが、この場合には、(A)成分中のアルケニル基1個に対して、(B)成分及び(B)成分以外のオルガノハイドロジェンポリシロキサン中の全てのSiH基の合計が0.4〜10個、好ましくは1.2〜5個となるようにそれぞれの成分を配合する。
(C)成分の白金又は白金化合物は、上記したアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンの付加硬化反応(ハイドロサイレーション)を促進させるための触媒として使用されるものであり、公知のものを使用できる。具体的には、白金ブラック、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン、アセチレンアルコール類等との錯体などが例示される。
更に本発明では、組成物の用途を考慮した場合には、腐食性成分の混入は望ましくなく、このため上記白金又は白金化合物は、塩素イオンフリーとすることが好ましい。従って、白金又は白金化合物としては、塩素イオンが5ppm以下の0価の白金錯体が好ましく使用され、具体的には、米国特許第3,715,334号、米国特許第3,775,452号、米国特許第3,814,730号等に記載されたビニルシロキサン/白金錯体などが挙げられる。
なお、この白金又は白金化合物の添加量は、触媒量とすることができ、希望する硬化速度に応じて適宜増減すればよいが、通常は組成物全体に対して、特には(A)成分と(B)成分の合計に対して、白金金属量(重量換算)で0.1〜2,000ppm、特に1〜200ppmの範囲が好適である。
(D)成分の(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサンは、本発明の根幹となる化合物であり、化合物中の(メタ)アクリル基の基材に対する高い親和性によって優れた接着性を発現するものである。
ここで、(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサン(即ち、アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサン及び/又はメタアクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサン、以下同様)としては、分子中のシロキサン(≡Si−O−Si≡)連鎖の構造が、直鎖状又は環状構造を有するものを用いる。この(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサンは、加熱硬化時に組成物中を拡散しながら基材界面に移動するため、シロキサンが直鎖状又は環状構造のものは組成物中で拡散し易く、効果を十分に発揮できるが、シロキサンが分岐状構造を有する場合には分子の拡散を妨げてしまい、本発明の効果を得ることができない。なお、直鎖状のオルガノポリシロキサンの場合、その分子鎖末端はシラノール基(ケイ素原子結合水酸基)で停止しているかあるいはトリメチルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基で封鎖されているものである。
更に、(D)成分の(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサンは、オルガノポリシロキサン分子中にケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を有しないものであることが望ましく、SiH基を有するものを使用すると(D)成分同士による付加反応が進行して、(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサンが(A)成分、(B)成分のオルガノポリシロキサンと分離してしまい、接着性付与効果が不安定であったり、接着性に劣ったものとなったりする場合がある。
このような(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサンとしては、下記一般組成式(3)で示されるものが好適である。
Figure 2004225053
4のアルキル基、アリール基としては前記R1における例示と同様のものが挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等が好ましく、特にメチル基が好ましい。
上記(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサンは、親和性をより大きくすることで接着性が発現しやすくなるため、このオルガノポリシロキサン中に含有される(メタ)アクリル基の濃度が高いことが好ましく、(メタ)アクリル当量が140〜500、特に170〜340であることが好ましい。(メタ)アクリル当量が500より大きいと接着性に劣る場合があり、140より小さいと化合物が不安定であったり、合成が困難であったりする場合がある。
更に、上記(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が5〜10,000センチポイズ(cp)、好ましくは5〜5,000cp、より好ましくは10〜1,000cpの範囲である必要がある。粘度が5cp未満では、(A)成分、(B)成分のオルガノシロキサンへの溶解度が大きくなり、(D)成分の(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサンが被着体との界面に存在することができず接着性に劣ったものとなり、10,000cpを超えると分子量が大きすぎて組成物中の拡散速度が落ちてしまう。
また、この直鎖状又は環状のオルガノポリシロキサンは組成物中での拡散性基材との親和性、分子の安定性等の点から、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)が、2〜40個、特に3〜30個、とりわけ4〜20個程度であることが望ましく、また分子中に(メタ)アクリロキシアルキル基を少なくとも2個、特に3〜20個、更には4〜10個有するものであることが、同様の理由により好ましい。
(D)成分の(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対して0.0001〜3重量部、好ましくは0.0005〜1重量部、更に好ましくは0.001〜0.8重量部である。配合量が0.0001重量部未満では、満足な接着性向上効果が得られず、3重量部を超えると(A)成分と(B)成分との付加反応により三次元架橋反応のバランスをくずし、十分なゴム硬度が得られなくなる。
更に、本発明では、これらの材料を実用に供するため、硬化時間の調整を行う必要がある場合には、付加硬化型の制御剤として従来公知のものが使用できる。制御剤としては、例えばビニルシクロテトラシロキサン等のビニル基含有オルガノポリシロキサン、トリアリルイソシアヌレート、アルキルマレエート、アセチレンアルコール類やそのシラン、シロキサン変性物、ハイドロパーオキサイド、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールやそれらの混合物などが挙げられ、これらから選ばれる化合物の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、これら制御剤の添加量は、目的とする硬化性、保存性に悪影響を及ぼさない範囲で使用することができる。
更に、本発明の効果を妨げない量の補強性シリカ充填材(例えば、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、破砕シリカなど)、石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム等の非補強性の充填材、コバルトブルー等の無機顔料、有機染料などの着色剤、酸化セリウム、炭酸亜鉛、炭酸マンガン、ベンガラ、酸化チタン、カーボンブラック等の耐熱性、難燃性向上剤等の添加も可能である。更に、導電安定性を向上させる目的でこれらの組成物に粉状、ウイスカー状、ストラクチャーの発達したカーボンブラック、グラファイト等を添加することも任意である。なお、これら任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、上記成分を通常の方法で撹拌混合することにより得ることができ、その硬化条件は40〜300℃で0.1〜10時間とすることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、粘度は25℃での値を意味し、下記例でMeはメチル基、Viはビニル基を示す。
〔実施例、比較例〕
表1,2に示す組成の付加硬化型シリコーン組成物を調製し、下記方法で硬さ、剪断接着力を測定した。結果を表1,2に併記する。但し、表中の各成分の配合量はいずれも重量部である。
硬さ:
混合初期の値として120℃で60分の硬化条件で硬化させた直後の値、耐熱後の値として上記硬化物を200℃で500時間加熱後の値、保存後の値として未硬化の上記組成物を40℃で72時間保存後に120℃で60分の硬化条件で硬化させた時の値をそれぞれJIS K 6301に準拠してA型硬度計にて測定した。
剪断接着力:
基材として板状(幅25mm)のガラス板、ポリカーボネート板を使用し、2枚の基材同士をシリコーンゴム硬化物で接着し(接着面:長さ10mm×幅25mm×ゴム厚み2mm)、2枚の基材をそれぞれ反対方向(ゴム厚みに対して垂直方向)に引張り速度50mm/分の速度で引張った際の、基材とシリコーンゴム硬化物の接着界面が剥離するまでの応力をオートグラフで測定し、単位面積当たりの応力として剪断接着力を算出した。
Figure 2004225053
Figure 2004225053
Figure 2004225053
Figure 2004225053
Figure 2004225053
Figure 2004225053
Figure 2004225053

Claims (6)

  1. (A)下記平均組成式(1)
    1 a2 bSiO(4-a-b)/2 (1)
    (但し、式中R1は脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非置換の一価炭化水素基、R2はアルケニル基であり、aは1.4〜2.0、bは0.0001〜0.5、a+b=1.9〜2.05である。)
    で示される1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン 100重量部
    (B)下記平均組成式(2)
    3 cdSiO(4-c-d)/2 (2)
    (但し、式中R3は脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、cは0.7〜2.0、dは0.005〜1.2、c+d=0.8〜3.0である。)
    で示される1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    組成物中のアルケニル基1個に対してケイ素原子結合水素原子を0.4〜
    10個供給し得る量
    (C)白金又は白金化合物 触媒量
    (D)25℃における粘度が5〜10,000センチポイズであり、環状のオルガノポリシロキサン構造を有するか、又は、分子鎖末端がシラノール基で停止もしくはトリオルガノシロキシ基で封鎖されている直鎖状のオルガノポリシロキサン構造を有する、(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサン 0.0001〜3重量部
    を含有してなることを特徴とする付加硬化型シリコーン組成物。
  2. 上記(D)成分におけるトリオルガノシロキシ基がトリメチルシロキシ基である請求項1記載の付加硬化型シリコーン組成物。
  3. (D)成分の(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサンが、下記一般組成式(3)で示されるものである請求項1又は2記載の付加硬化型シリコーン組成物。
    Figure 2004225053
  4. (D)成分の(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサンのアクリル当量が140〜500である請求項1、2又は3記載の付加硬化型シリコーン組成物。
  5. (D)成分の(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサンが、ケイ素原子に直接結合した水素原子を有しないものである請求項1〜4のいずれか1項記載の付加硬化型シリコーン組成物。
  6. (D)成分の(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサンが、下記式で示されるオルガノポリシロキサンから選ばれるものである請求項1記載の付加硬化型シリコーン組成物。
    Figure 2004225053
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