JP2004222939A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体透過性シート、液体不透過性シート、および該液体透過性シートと該液体不透過性シートとの間に配置された吸収体を有する吸収性物品であって、前記液体透過性シートと前記液体不透過性シートとの間に数平均分子量1000〜100000のポリエチレンオキサイド系重合体が保持されていることを特徴とする吸収性物品。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸収性物品に関する。さらに詳しくは、ベビー用おむつ、大人用おむつ等の使い捨ておむつとして好適に使用しうる吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
使い捨ておむつ等の吸収性物品は、身体に接触する側に配された柔軟な液体透過性シートと、身体と接触する側の反対側に配された液体不透過性シートとの間に、親水性繊維と、尿や体液等の液体を吸収し、保持する吸水性樹脂とからなる吸収体が保持された構造を有している。
【0003】
この吸収性物品においては、尿等の液体は、液体透過性シートを素早く通過して吸収体中の親水性繊維に吸収され、次に吸水性樹脂に吸収される。吸水性樹脂は、ある程度圧力がかかっても容易に液体を放出しないため、吸収体に着用者の体重がかかっても、吸収体からの尿の逆戻りを低く抑えることができる。したがって、吸収性物品は、おむつからの排泄物の漏れを防ぐとともに、着用者の肌をドライに保つので、着用者の肌のかぶれを防ぐことができるものである。
【0004】
しかしながら、排泄物が軟便である場合、軟便は、尿と比べて固形分が多く粘度が高いため、液体透過性シートを通過して吸収体に到達しても、親水性繊維による拡散および吸収が悪く、吸水性樹脂が軟便中の水分を十分に吸収することができない。その結果、液体透過性シート上に残る軟便の量が多くなり、軟便がおむつから漏れたり、着用者の肌と便が接触することにより、着用者の肌を刺激し、おむつかぶれ等の皮膚炎を引き起こすことがある。そのため、軟便中の水分を吸収体に吸収し、保持することにより軟便の漏れをなくし、同時に着用者のおむつかぶれを防ぐことができる使い捨ておむつが求められている。
【0005】
このような、軟便のおむつからの漏れや、着用者のおむつかぶれを防ぐ使い捨ておむつとして、おむつの構造を変えることにより軟便を構造的に隔離して保持する使い捨ておむつ(例えば、特許文献1参照)、軟便を多糖類によって増粘して漏れを防止する使い捨ておむつ(例えば、特許文献2参照)、吸収体の後身頃側に綿状パルプを主成分とする層を配置し、軟便を吸収体に吸収させる使い捨ておむつ(例えば、特許文献3参照)等が提案されているが、いずれの使い捨ておむつも軟便の漏れをなくし、同時に着用者のおむつかぶれを防ぐことができるという効果は十分とは言えない。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−243963号公報
【特許文献2】
特開2000―201976号公報
【特許文献3】
特開平9−38137号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、軟便の漏れをなくし、同時に着用者のおむつかぶれを防ぐことができる使い捨ておむつ等として好適に使用しうる吸収性物品を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、液体透過性シート、液体不透過性シート、および該液体透過性シートと該液体不透過性シートとの間に配置された吸収体を有する吸収性物品であって、前記液体透過性シートと前記液体不透過性シートとの間に数平均分子量1000〜100000のポリエチレンオキサイド系重合体が保持されていることを特徴とする吸収性物品に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の吸収性物品は、液体が通過しうる液体透過性シート、液体が通過しない液体不透過性シート、および該液体透過性シートと該液体不透過性シートとの間に配置された吸収体を有し、前記液体透過性シートと前記液体不透過性シートとの間に特定の数平均分子量のポリエチレンオキサイド系重合体が保持されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の吸収性物品においては、軟便がポリエチレンオキサイド系重合体に接触すると、軟便中の水分によりポリエチレンオキサイド系重合体が溶解し、軟便中に分散する。分散したポリエチレンオキサイド系重合体のタンパク質凝集作用により、軟便から水分が分離するものと推測される。そして、分離した水分は、速やかに親水性繊維を介して吸水性樹脂に吸収され、保持されるので、着用者の肌をドライに保つことができる。その結果、着用者のおむつかぶれを防ぐことができる。一方、軟便は、水分が分離されると流動性を失うので、おむつからの軟便の漏れが防止される。
【0011】
本発明に用いられるポリエチレンオキサイド系重合体としては、エチレンオキサイドの単独重合体およびエチレンオキサイドと共重合可能なモノマーとの共重合体等が挙げられる。
【0012】
共重合可能なモノマーとしては、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等が挙げられる。
【0013】
ポリエチレンオキサイド系重合体の具体例としては、ポリエチレングリコール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、ポリエチレングリコールモノ4−オクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。これらの中では、安全性や経済的な観点から、ポリエチレングリコールおよびエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体が好ましい。なお、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体中のエチレンオキサイドの含有量は、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体が軟便中の水分によって溶解し、軟便中の固形分と水分とを良好に分離させる観点から、30重量%以上100重量%未満、好ましくは60重量%以上100重量%未満であることが望ましい。
【0014】
ポリエチレンオキサイド系重合体の数平均分子量は、ポリエチレンオキサイド系重合体が液体となって吸収性物品から漏れるのを防ぐ観点から、1000以上、好ましくは2000以上である。また、ポリエチレンオキサイド系重合体の数平均分子量は、ポリエチレンオキサイド系重合体が軟便中の水分によって溶解し、軟便中の固形分と水分とを良好に分離させる観点から、100000以下、好ましくは50000以下、より好ましくは20000以下である。したがって、これらの観点から、ポリエチレンオキサイド系重合体の数平均分子量は、1000〜100000、好ましくは2000〜50000、より好ましくは2000〜20000である。
【0015】
ポリエチレンオキサイド系重合体の吸収性物品における保持量は、軟便中の固形分と水分とを良好に分離させる観点から、該吸収性物品を構成する吸収体の片側表面積当たり好ましくは0.005g/cm2 以上、より好ましくは0.01g/cm2 以上、さらに好ましくは0.02g/cm2 以上である。また、ポリエチレンオキサイド系重合体の吸収性物品における保持量は、その保持量に見合う効果を発現させるとともに経済性を高める観点から、該吸収性物品を構成する吸収体の片側表面積当たり好ましくは0.3g/cm2 以下、より好ましくは0.1g/cm2 以下、さらに好ましくは0.07g/cm2 以下である。したがって、これらの観点から、ポリエチレンオキサイド系重合体の吸収性物品における保持量は、該吸収性物品を構成する吸収体の片側表面積当たり好ましくは0.005〜0.3g/cm2 、より好ましくは0.01〜0.1g/cm2 、さらに好ましくは0.02〜0.07g/cm2 である。
【0016】
本発明において、液体透過性シートと液体不透過性シートとの間にポリエチレンオキサイド系重合体を保持させる位置としては、液体透過性シートと吸収体との間、吸収体内部、吸収体と液体不透過性シートとの間等が挙げられる。これらの中では、軟便とポリエチレンオキサイド系重合体とを接触させ、分離した水分を吸収体に効率よく吸収させる観点から、液体透過性シートと吸収体との間にポリエチレンオキサイド系重合体を保持させることが好ましい。
【0017】
ポリエチレンオキサイド系重合体を液体透過性シートと吸収体との間に保持させる方法としては、少なくとも一方表面にポリエチレンオキサイド系重合体を坦持させたシートを液体透過性シートと吸収体との間に保持させる方法、ポリエチレンオキサイド系重合体を多孔質のシート状に加工したものを液体透過性シートと吸収体との間に保持させる方法、液体透過性シートの吸収体側の表面にポリエチレンオキサイド系重合体を坦持させる方法、吸収体の液体透過性シート側の表面にポリエチレンオキサイド系重合体を坦持させる方法等が挙げられる。
【0018】
ポリエチレンオキサイド系重合体を吸収体内部に保持させる方法としては、吸収体内部にポリエチレンオキサイド系重合体を単に分散させる方法、吸収体を構成する親水性繊維にポリエチレンオキサイド系重合体を坦持させる方法等が挙げられる。
【0019】
ポリエチレンオキサイド系重合体を吸収体と液体不透過性シートとの間に保持させる方法としては、少なくとも一方表面にポリエチレンオキサイド系重合体を坦持させたシートを吸収体と液体不透過性シートとの間に保持させる方法、ポリエチレンオキサイド系重合体を多孔質のシート状に加工したものを吸収体と液体不透過性シートとの間に保持させる方法、液体不透過性シートの吸収体側の表面にポリエチレンオキサイド系重合体を坦持させる方法、吸収体の液体不透過性シート側の表面にポリエチレンオキサイド系重合体を坦持させる方法等が挙げられる。
【0020】
ポリエチレンオキサイド系重合体をシートに担持させる方法としては、例えば、ポリエチレンオキサイド系重合体を加温して溶融させ、溶融したポリエチレンオキサイド系重合体にシートを浸漬させた後、シートを取り出して冷却する方法等が挙げられる。
【0021】
ポリエチレンオキサイド系重合体を担持させるシートとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等からなる合成繊維;アセテート、トリアセテート、プロミックス等からなる半合成繊維;レーヨン、ポリノジック、キュプラ等からなる再生繊維等の繊維からなる織布、ウェブおよびニット;ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂からなる網目状シート等が挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。これらの中では、ポリエチレンオキサイド系重合体と軟便との接触面積の大きさ、および軟便から分離した水分の吸収体への浸透性の観点から、網目状シートが好ましい。
【0022】
網目状シートを構成している孔の形状および大きさは、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。孔の大きさは、特に限定されないが、通常、0.1〜5mmであることが好ましい。また、網目状シートは、同一種類のものを用いてもよく、2種以上の異なるものを組み合わせて用いてもよい。
【0023】
ポリエチレンオキサイド系重合体を担持させるシートの大きさは、吸収性物品の用途によって異なるので一概に決定することができない。したがって、かかる大きさは、その用途に応じて適宜調整することが好ましい。
【0024】
ポリエチレンオキサイド系重合体を担持させるシートの坪量は、吸収性物品の用途によって異なるので一概に決定することができない。例えば、吸収性物品が使い捨ておむつである場合、かかる坪量は、通常10〜300g/m2 が好ましく、15〜200g/m2 がより好ましい。
【0025】
本発明において、吸収性物品にポリエチレンオキサイド系重合体を保持させる方法としては、網目状シートの少なくとも一方表面にポリエチレンオキサイド系重合体を坦持させ、液体透過性シートと吸収体との間に保持させる方法が好ましい。
【0026】
本発明に用いられる液体透過性シートとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルまたはポリアミドからなる不織布または多孔質の合成樹脂シート等が挙げられる。
【0027】
液体透過性シートの大きさは、吸収性物品の用途によって異なるので一概に決定することができない。したがって、かかる大きさは、その用途に応じて適宜調整することが好ましい。
【0028】
液体透過性シートの坪量は、吸収性物品の用途によって異なるので一概に決定することができない。例えば、吸収性物品が使い捨ておむつである場合、かかる坪量は、通常10〜300g/m2 が好ましく、15〜200g/m2 がより好ましい。
【0029】
本発明に用いられる液体不透過性シートとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等からなる合成樹脂フィルム、合成樹脂フィルムと不織布との複合材料等が挙げられる。
【0030】
液体不透過性シートの大きさは、吸収性物品の用途によって異なるので一概に決定することができない。したがって、かかる大きさは、その用途に応じて適宜調整することが好ましい。
【0031】
液体不透過性シートの坪量は、吸収性物品の用途によって異なるので一概に決定することができない。例えば、吸収性物品が使い捨ておむつである場合、かかる坪量は、通常10〜300g/m2 が好ましく、15〜200g/m2 がより好ましい。
【0032】
本発明に用いられる吸収体としては、吸水性樹脂と親水性繊維とから構成されているものが挙げられる。吸収体中における吸水性樹脂の割合は、通常、吸収体の全体重量の10〜70重量%であり、本発明においては、吸収性物品の効果がより発揮される観点から、吸水性樹脂の割合がより高い30〜70重量%が好ましい。
【0033】
吸水性樹脂としては、アクリル酸塩部分中和物重合体の架橋物、ビニルアルコール/アクリル酸塩共重合体、でんぷん/アクリル酸塩グラフト共重合体の架橋物、架橋イソブチレン/無水マレイン酸共重合体、カルボキシメチルセルロースのアルカリ塩架橋物、ポリアクリル酸部分架橋体等が挙げられる。これらの中では、アクリル酸塩部分中和物重合体の架橋物が好ましい。
【0034】
生理食塩水に対する吸水性樹脂の飽和吸水量は、吸収体の吸収量を十分に高める観点から、25g/g以上、好ましくは30〜100g/g、さらに好ましくは40〜80g/gであることが望ましい。
【0035】
吸水性樹脂の製造法としては、特に限定されるものではなく、逆相懸濁重合法や水溶液重合法などの一般的に知られた種々の重合法を採用することができる。
【0036】
吸水性樹脂の形態は、特に限定されるものではなく、粉砕状、球状、顆粒状、不定形状などの一般的に存在する種々の形態を採用することができる。
【0037】
親水性繊維としては、例えば、木材から得られる綿状パルプ、メカニカルパルプ、ケミカルパルプ、セミケミカルパルプ等のセルロース繊維、レーヨン、アセテート等の人造セルロース繊維等が挙げられる。また、親水性繊維には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等の合成繊維が本発明の目的を阻害しない範囲内で含有されてもよい。
【0038】
吸収体の構造としては、例えば、吸水性樹脂と親水性繊維を均一にブレンドしたミキシング構造、層状の親水性繊維の間に吸水性樹脂を保持したサンドイッチ構造等が挙げられる。吸収体の構造は、これらに限定されないが、吸水性樹脂と親水性繊維とがより均一に混合された吸収体が得られる観点から、ミキシング構造が好ましい。
【0039】
本発明の吸収性物品の代表例としては、液体不透過性シート、吸収体、ポリエチレンオキサイド系重合体が担持された網目状シート、および液体透過性シートを順次積層し、ホットメルト接着剤により全体もしくは部分的に接着することにより一体化されたもの等が挙げられる。
【0040】
なお、本発明の吸収性物品においては、液体透過性シートは身体と接触する側に配され、液体不透過性シートは身体と接触することのない側に配されるのが好ましい。
【0041】
前記吸収性物品を用いた場合、液体透過性シートを通過した軟便は、網目状シートに坦持されたポリエチレンオキサイド系重合体と接触し、軟便中の水分によってポリエチレンオキサイド系重合体が溶解する。これにより、軟便中の固形分と水分とが分離し、分離した水分は、網目状シートを通過し、吸収体に浸透する。浸透した水分は、速やかに吸収体に吸収される。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0043】
実施例1
解砕された木材パルプ2.5gと吸水性樹脂〔住友精化(株)製、商品名:アクアキープSA60S、生理食塩水に対する飽和吸水能60g/g〕2.5gとをミキサーを用いて乾式混合したものを、10cm×10cmのティッシュの間に保持した後、シート面全体に200kPaの荷重を加えて30秒間荷重することにより、吸水性樹脂濃度が50重量%の吸収体を作製した。
【0044】
一方、ガラスシャーレにポリエチレングリコール〔数平均分子量1000、和光純薬工業(株)製、商品名:ポリエチレングリコール1000、以下同じ〕20gを入れ、90〜100℃の湯浴に浸けてポリエチレングリコールを溶解した。その後、網目状シート〔(株)ワイズ製、商品名:食器洗浄用ネットスポンジ、10cm×10cm、1g〕を、前記ポリエチレングリコール溶液に浸した。網目状シートを取り出して冷却することにより、ポリエチレングリコールで覆われた網目状シート5gを得た。得られた網目状シートには、4gのポリエチレングリコールが坦持されており、ポリエチレングリコールの保持量は、吸収体の片側表面積当たり0.04g/cm2 であった。
【0045】
液体不透過性シートとしてのポリエチレンフィルム、上記で得られた吸収体、上記で得られた網目状シートおよび液体透過性シートとしてのポリエチレン不織布を順次積層し、吸収性物品を作製した。
【0046】
実施例2
実施例1において、ポリエチレングリコール(数平均分子量1000)に代えて、ポリエチレングリコール〔数平均分子量2000、和光純薬工業(株)製、商品名:ポリエチレングリコール2000〕を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を得た。
【0047】
実施例3
実施例2において、網目状シートをポリエチレングリコールに浸した後取り出し、空気を吹き付けて余剰のポリエチレングリコールを除きながら冷却してポリエチレングリコールで覆われた網目状シート3.5gを得た。得られた網目状シートには、2.5gのポリエチレングリコールが坦持されており、ポリエチレングリコールの保持量は、吸収体の片側表面積当たり0.025g/cm2 であった。
【0048】
液体不透過性シートとしてのポリエチレンフィルム、上記で得られた吸収体、上記で得られた網目状シートおよび液体透過性シートとしてのポリエチレン不織布を順次積層し、吸収性物品を作製した。
【0049】
実施例4
実施例2において、ポリエチレングリコールで覆われた網目状シートを得た後、再度ポリエチレングリコールに浸して、より多くのポリエチレングリコールで覆われた網目状シート7.5gを得た。得られた網目状シートには、6.5gのポリエチレングリコールが坦持されており、ポリエチレングリコールの保持量は、吸収体の片側表面積当たり0.065g/cm2 であった。
【0050】
液体不透過性シートとしてのポリエチレンフィルム、上記で得られた吸収体、上記で得られた網目状シートおよび液体透過性シートとしてのポリエチレン不織布を順次積層し、吸収性物品を作製した。
【0051】
実施例5
実施例1において、ポリエチレングリコール(数平均分子量1000)に代えて、ポリエチレングリコール〔数平均分子量6000、和光純薬工業(株)製、商品名:ポリエチレングリコール6000〕を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を得た。
【0052】
実施例6
実施例1において、ポリエチレングリコール(数平均分子量1000)に代えて、ポリエチレングリコール〔数平均分子量20000、和光純薬工業(株)製、商品名:ポリエチレングリコール20000〕を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を得た。
【0053】
実施例7
実施例1において、ポリエチレングリコール(数平均分子量1000)に代えて、ポリエチレングリコール〔数平均分子量50000、和光純薬工業(株)製、商品名:ポリエチレングリコール50000〕を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を得た。
【0054】
実施例8
実施例1において、ポリエチレングリコール(数平均分子量1000)に代えて、ポリエチレングリコール〔数平均分子量100000、和光純薬工業(株)製、商品名:ポリエチレングリコール100000〕を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を得た。
【0055】
実施例9
実施例1において、ポリエチレングリコール(数平均分子量1000)に代えて、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体〔数平均分子量3333、エチレンオキサイド含有量40重量%、第一工業製薬(株)製、商品名:エパン740〕を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を得た。
【0056】
実施例10
実施例1において、ポリエチレングリコール(数平均分子量1000)に代えて、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体〔数平均分子量4000、エチレンオキサイド含有量50重量%、第一工業製薬(株)製、商品名:エパン750〕を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を得た。
【0057】
実施例11
実施例1において、ポリエチレングリコール(数平均分子量1000)に代えて、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体〔数平均分子量13333、エチレンオキサイド含有量85重量%、第一工業製薬(株)製、商品名:エパン785〕を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を得た。
【0058】
比較例1
実施例1において、ポリエチレングリコール(数平均分子量1000)に代えて、ポリエチレングリコール〔数平均分子量600、和光純薬工業(株)製、商品名:ポリエチレングリコール600〕を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を得た。なお、ポリエチレングリコール600は室温で液体であり、網目状シートにポリエチレングリコールを担持させることが困難であるため、4gのポリエチレングリコールを含浸させた吸収体を使用して吸収性物品を作製した。
【0059】
比較例2
実施例1において、ポリエチレングリコール(数平均分子量1000)に代えて、ポリエチレングリコール〔数平均分子量200000、和光純薬工業(株)製、商品名:ポリエチレングリコール200000〕を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を得た。
【0060】
実施例1〜11および比較例1〜2において得られた吸収性物品を以下の試験方法により評価した。
【0061】
〔試験方法〕
(1)人工便の作製
500mLビーカーに胃製ムチン〔和光純薬工業(株)製、試薬一級〕50gを入れ、そこに水300gを少量ずつ添加して、均一になるまで攪拌し、人工便を調製した。得られた人工便中の水分含有率は、85.7重量%であった。
【0062】
(2)人工便の水分分離状態の評価
吸収性物品の中心付近に人工便6gを注入し、その上から2kgのおもり(10cm×10cm)を載せて10分間荷重した。次いで、おもりを取り除き、吸収体上に残った人工便の状態を下記の評価基準により目視で評価した。
【0063】
〔評価基準〕
◎:軟便が、通常の便の状態になっている。
○:軟便の一部はそのままの状態で残っているが、大部分が通常の便の状態になっている。
△:軟便の大部分はそのままの状態で残っていて、一部が通常の便の状態になっている。
×:軟便が、そのままの状態で残っている。
なお、通常、◎〜○であれば軟便から水分が分離していると判断される。
【0064】
(3)人工便中の水分含有率の測定
目視試験後、おもりの底面に付着している人工便を採取し、電子式水分計〔(株)島津製作所製〕を用いて、人工便中の水分含有率を測定した。
【0065】
上記試験後の人工便の水分分離状態および人工便中の水分含有率(重量%)を表1に示す。
【0066】
なお、表1のポリエチレンオキサイド系重合体の種類において、PEGは、ポリエチレングリコールを表わす。また、EO/POは、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体を表し、( )内は、エチレンオキサイドの含有量(重量%)を表す。
【0067】
【表1】
【0068】
表1に示された結果から、実施例1〜11で得られた吸収性物品は、特定の数平均分子量のポリエチレンオキサイド系重合体が保持されているため、試験後の人工便中の水分含有率(重量%)が低く、軟便から水分を分離して、軟便中の水分を選択的に吸収体に吸収させることができることがわかる。
【0069】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品は、軟便の流動性を下げ、おむつからの軟便の漏れを防ぐことができるという効果を奏する。また、着用者の肌をドライに保ち、着用者のおむつかぶれを抑えることができるという効果を奏する。
Claims (4)
- 液体透過性シート、液体不透過性シート、および該液体透過性シートと該液体不透過性シートとの間に配置された吸収体を有する吸収性物品であって、前記液体透過性シートと前記液体不透過性シートとの間に数平均分子量1000〜100000のポリエチレンオキサイド系重合体が保持されていることを特徴とする吸収性物品。
- ポリエチレンオキサイド系重合体が、液体透過性シートと吸収体との間に保持されている請求項1記載の吸収性物品。
- ポリエチレンオキサイド系重合体が、網目状シートに坦持されている請求項2記載の吸収性物品。
- ポリエチレンオキサイド系重合体が、ポリエチレングリコールまたはエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体である請求項1〜3いずれか記載の吸収性物品。
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