JP2004222658A - 活性酸素除去酵素及びその遺伝子 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性酸素を速やかに除去することが可能な活性酸素除去活性を有する酵素タンパク質及びこれをコードする遺伝子DNA、さらにはこの活性酸素除去酵素を有効成分として含む機能性食品、医薬品及び化粧品等を提供すること。
【解決手段】スーパーオキシドレダクターゼ活性を示すルブレドキシン・オキシドレダクターゼ(Rbo)と相同性を示すN末端の最初の32残基と、NADHペルオキシダーゼ活性を示すルブレリスリン(Rbr)と相同性を示すC末端の残りの183残基から構成されており、Rbo領域にはFeSクラスター鉄結合部位が存在し、Rbr領域には非硫黄でオキソ架橋した二鉄結合部位及びFeSクラスター鉄結合部位が存在することを特徴とする、カンピロバクター・ジェジュニ(C.jejuni)に酸化ストレスを与えた際に著しく減少する27kDaのタンパク質、及び該タンパク質をコードする塩基配列の提供。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性酸素除去活性を有する酵素(活性酸素除去酵素)及びその遺伝子DNA、並びに、活性酸素除去活性を有する酵素の食品、医薬等への利用等に関する。
【0002】
【従来の技術】
カンピロバクター・ジェジュニー(C. jejuni)は、グラム陰性でらせん状の形をした微好気性(microaerophile)細菌であり、呼吸のエネルギー生成過程において酸素を末端電子受容体として必要とするが、大気中の酸素分圧下では増殖しないという性質を有している。C. jejuniは他の好気性細菌や通性嫌気性細菌よりも活性酸素に対して敏感であり、このことが微好気的な環境でのみ活発に増殖する原因となっている。
【0003】
好気的な条件下においては、自己酸化及び光増感反応による酸素の還元、ならびに酸化的な代謝により、活性酸素が発生する。反応性の高い活性酸素は、タンパク質に障害を与え、障害を受けたタンパク質は不活化及び分解される原因となっており、細胞の代謝に多大な影響を及ぼす可能性がある。このことから、微好気性細菌が活性酸素に対して高い感受性を示す一因として、微好気代謝において重要な役割を果たすタンパク質が存在し、これが活性酸素に対して敏感に反応して不活化又は分解するのではないかと考えられている(例えば、非特許文献1参照。)。このことから、C. jejuniにおいても、活性酸素に対して高い感受性を示すタンパク質が存在すると予想されている。
【0004】
また、細菌の酸化ストレス防御タンパク質として、スーパーオキシドレダクターゼ活性を示すルブレドキシン・オキシドレダクターゼ(Rbo;rubredoxin oxidoreductase)や、NADHペルオキシダーゼ活性を示すルブレリスリン(Rbr;rubrerythrin)等が発見されている。具体的には、Desulfovibrio vulgaris(Hildenborough)のRbo(例えば、非特許文献2参照。)、Moorella thermoaceticaのRbo(例えば、非特許文献3参照。)、Clostridium acetobutylicumのRbr(例えば、非特許文献4参照。)、Porphyromonas gingivalisのRbr(例えば、非特許文献5参照。)、M. thermoaceticaのRbr(例えば、非特許文献6参照。)、D. vulgaris(Hildenborough)のRbr(例えば、非特許文献7参照。)、ウェルシュ菌(C. perfringens)のRbr(例えば、非特許文献8参照。)等が報告されている。このように酸化ストレス防御タンパク質であるRboやRbrは多種の細菌から報告されているものの、C. jejuniにおいてはこれまで報告されていなかった。
【0005】
その他、第一セリンプロテアーゼの第一ドメイン・ハーフに相当する第一ドメイン・ハーフと、第二セリンプロテアーゼの第二ドメイン・ハーフに相当する第二ドメイン・ハーフとの、βシート構造の2つのドメイン・ハーフ(ハーフ・サイド)を含むプロテアーゼ・ドメインを有する血液ホメオスタシスに有用なキメラセリンプロテアーゼがこれまでに報告されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−235173号公報
【非特許文献1】
Ann. Rev. Microbiol. 40, 107−30, 1986
【非特許文献2】
J. Bacteriol. 1989, 4996−5004, 1989
【非特許文献3】
J. Bacteriol. 183, 1560−1567, 2001
【非特許文献4】
J. Bacteriol. 183, 4823−4838, 2001
【非特許文献5】
Mol. Microbiol. 44, 479−488, 2002
【非特許文献6】
J. Bacteriol. 183, 1560−1567, 2001
【非特許文献7】
Biochemistry 30, 11118−11123, 1991
【非特許文献8】
J. Bacteriol. 178, 7152−7158, 1996
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、活性酸素を速やかに除去することが可能な活性酸素除去活性を有する酵素タンパク質(活性酸素除去酵素)及びこれをコードする遺伝子DNA、さらにはこの活性酸素除去酵素を有効成分として含む機能性食品、医薬品及び化粧品等を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、C. jejuniに外因性及び内因性酸化ストレスを与えた際に著しく減少する27kDaのタンパク質が存在し、このタンパク質がRboと相同性を示すN末端の最初の32残基と、Rbrと相同性を示すC末端の残りの183残基から構成されており、Rbo領域にはFeSクラスター鉄結合部位のC−X−C−X15−C−Cモチーフが存在し、Rbr領域には非硫黄でオキソ架橋した二鉄結合部位のE−X30−34−E−X−H−X−E−X30−34−E−X−Hモチーフ、及びFeSクラスター鉄結合部位のC−X−C−X12−C−X−Cモチーフを有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、スーパーオキシドレダクターゼ活性及びNADHペルオキシダーゼ活性を有することを特徴とする活性酸素除去酵素(請求項1)や、ルブレドキシン・オキシドレダクターゼのN末端側領域とルブレリスリンの全領域のキメラタンパク質であることを特徴とする請求項1記載の活性酸素除去酵素(請求項2)や、ルブレドキシン・オキシドレダクターゼのN末端側領域が、C−X−C−X15−C−Cモチーフを有することを特徴とする請求項2記載の活性酸素除去酵素(請求項3)や、ルブレリスリンの全領域が、E−X30−34−E−X−H−X−E−X30−34−E−X−Hモチーフ及びC−X−C−X12−C−X−Cモチーフを有することを特徴とする請求項2又は3記載の活性酸素除去酵素(請求項4)や、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなることを特徴とする活性酸素除去酵素(請求項5)や、配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つ活性酸素除去活性を有することを特徴とする活性酸素除去酵素(請求項6)や、異なる酸化還元酵素活性を有するキメラタンパク質からなることを特徴とする活性酸素除去酵素(請求項7)や、カンピロバクター属に属する微生物由来であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の活性酸素除去酵素(請求項8)に関する。
【0010】
また本発明は、請求項1〜8のいずれか記載の活性酸素除去酵素と、マーカータンパク質及び/又はペプチドタグとを結合させたことを特徴とする融合タンパク質(請求項9)や、請求項1〜8のいずれか記載の活性酸素除去酵素をコードすることを特徴とするDNA(請求項10)や、配列番号1に示される塩基配列若しくはその相補的配列又はこれらの配列の一部若しくは全部を含む配列からなり、活性酸素除去活性を有するタンパク質をコードすることを特徴とするDNA(請求項11)や、請求項11記載のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つ活性酸素除去活性を有するタンパク質をコードすることを特徴とするDNA(請求項12)や、カンピロバクター属に属する微生物由来であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか記載のDNA(請求項13)や、請求項10〜13のいずれか記載のDNAを含むことを特徴とする発現ベクター(請求項14)や、請求項14記載の発現ベクターを含むことを特徴とする宿主細胞(請求項15)に関する。
【0011】
さらに本発明は、請求項1〜8のいずれか記載の活性酸素除去酵素を有効成分として含むことを特徴とする機能性食品(請求項16)や、請求項1〜8のいずれか記載の活性酸素除去酵素を有効成分として含むことを特徴とする医薬品(請求項17)や、請求項1〜8のいずれか記載の活性酸素除去酵素を有効成分として含むことを特徴とする化粧品(請求項18)に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の活性酸素除去酵素としては、スーパーオキシドレダクターゼ活性及びNADHペルオキシダーゼ活性を有するタンパク質や、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質や、配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つ活性酸素除去活性を有するタンパク質や、異なる酸化還元酵素活性を有するキメラタンパク質であれば特に制限されるものではなく、ここで活性酸素除去酵素とは、活性酸素除去活性を有するタンパク質を意味し、上記活性酸素除去活性とは、酸素分子が1電子還元されることにより生じるスーパーオキシドアニオンラジカル( )、酸素分子の2個の不対電子が対をなして一方の酸素原子のπ軌道に入り、他方の軌道が空になった一重項酸素()、ヒドロキシラジカル(OH)、過酸化水素(H)等の活性酸素を、除去・消去する活性のことをいう。
【0013】
上記スーパーオキシドレダクターゼ活性及びNADHペルオキシダーゼ活性を有するタンパク質における、スーパーオキシドレダクターゼ活性とは、スーパーオキシドアニオンラジカルを消去する反応[e +2H→H]を触媒する活性をいい、NADHペルオキシダーゼ活性とは、Hを消去する反応[還元型NAD+H+H→NAD+2HO]を触媒する活性をいう。かかるスーパーオキシドレダクターゼ活性及びNADHペルオキシダーゼ活性を有するタンパク質としては、ルブレドキシン・オキシドレダクターゼのN末端側領域とルブレリスリンの全領域のキメラタンパク質、好ましくはC−X−C−X15−C−Cモチーフを有するルブレドキシン・オキシドレダクターゼのN末端側領域と、E−X30−34−E−X−H−X−E−X30−34−E−X−Hモチーフ及びC−X−C−X12−C−X−Cモチーフを有するルブレリスリンの全領域のキメラタンパク質を例示することができる。ここで、CはCysを、EはGluを、HはHisを、Xnは任意のアミノ酸がn個連結していることを表している。上記3種のモチーフを局在的に有するタンパク質は、例えば、BLAST検索プログラム、PAPIAシステムのタンパク質構造検索プログラム等を用いて、検索することができる。
【0014】
上記配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質は、C. jejuni等のカンピロバクター属に属する微生物に由来し、Rrc(rubredoxin oxidoreductase/rubrerythrin−like protein of C.jejuni)と称され、スーパーオキシドレダクターゼ活性を示すRboのN末端と相同性を示すN末端32残基と、NADHペルオキシダーゼ活性を示すRbrと相同性を示すC末端183残基とからなる、27kDaのタンパク質であり、RrcのN末端32残基領域と相同性を示すRboは、スーパーオキシドレダクターゼ活性を示し、反応[還元型ルブレドキシン+スーパーオキシド+2H→ルブレドキシン+H]を触媒し、一方、RrcのC末端183残基領域と相同性を示すRbrは、NADHペルオキシダーゼ活性を示し、反応[還元型NAD+H+H→NAD+2HO]を触媒する。
【0015】
これら触媒活性を合わせもつと、活性酸素であるスーパーオキシドはRboによってHとなり、さらにHはRbrによって最終的にHOまで分解されることがわかる。RboとRbrとのキメラ酵素であるRrcは、Rbo及びRbrの両方の酵素反応を触媒することができるので、スーパーオキシドをH、HOの順に分解し、活性酸素を速やかに除去させることができる。また、このRrcと同様に活性酸素除去活性を有するRrcの欠失、置換等の変異体も本発明の活性酸素除去酵素に含まれる。また、上記異なる酸化還元酵素活性を有するキメラタンパク質としては、酵素分類のEC2群に属するオキシドリダクターゼ、例えば、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、オキシゲナーゼ、ヒドロペルオキシダーゼ等から選ばれる2種以上の酸化還元酵素活性を有するキメラタンパク質を例示することができる。
【0016】
本発明の融合タンパク質としては、上述の本発明の活性酸素除去酵素と、マーカータンパク質及び/又はペプチドタグとを結合したものであれば特に制限されず、マーカータンパク質としては、従来知られているマーカータンパク質であれば特に制限されるものではなく、例えば、アルカリフォスファターゼ、抗体のFc領域、HRP、GFPなどを具体的に挙げることができ、またペプチドタグとしては、HA、FLAG、Myc等のエピトープタグや、GST、マルトース結合タンパク質、ビオチン化ペプチド、オリゴヒスチジン等の親和性タグなどの従来知られているペプチドタグを具体的に例示することができる。かかる融合タンパク質は、常法により作製することができ、Ni−NTAとHisタグの親和性を利用した活性酸素除去酵素の精製や、活性酸素除去酵素の検出や、活性酸素除去酵素に対する抗体の定量や、その他当該分野の研究用試薬としても有用である。
【0017】
また、本発明のDNAとしては、上述の本発明の活性酸素除去酵素をコードする遺伝子DNAや、配列番号1に示される塩基配列若しくはその相補的配列又はこれらの配列の一部若しくは全部を含む配列からなり、活性酸素除去活性を有するタンパク質をコードするDNAや、該DNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つ活性酸素除去活性を有するタンパク質をコードするDNAを挙げることができ、このストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つ活性酸素除去活性を有するタンパク質をコードするDNAは、例えば、C. jejuni等のカンピロバクター属に属する微生物に由来するcDNAライブラリーとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つ活性酸素除去活性を有するものを選択することにより、取得することができる。ストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼーションとしては、例えば、42℃でのハイブリダイゼーション、及び1×SSC、0.1%のSDSを含む緩衝液による42℃での洗浄処理を挙げることができ、65℃でのハイブリダイゼーション、及び0.1×SSC,0.1%のSDSを含む緩衝液による65℃での洗浄処理をより好ましく挙げることができる。
【0018】
本発明の発現ベクターとしては、上記本発明のDNAを含み、上記本発明の活性酸素除去酵素を宿主細胞内で発現させることができる発現系を有するものであればどのようなものでもよく、かかる発現系としては、染色体、エピソーム及びウイルスに由来する発現系、例えば、細菌プラスミド由来、酵母プラスミド由来、SV40のようなパポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、レトロウイルス由来のベクター、バクテリオファージ由来、トランスポゾン由来及びこれらの組合せに由来するベクター、例えば、コスミドやファージミドのようなプラスミドとバクテリオファージの遺伝的要素に由来するものを挙げることができる。これら発現系は、発現を起こさせるだけでなく、発現を調節する制御配列を含んでいてもよい。
【0019】
本発明の宿主細胞としては、上記本発明の発現ベクターを含むものであればどのようなものでもよく、宿主細胞としては、大腸菌、ストレプトミセス、枯草菌、ストレプトコッカス、スタフィロコッカス等の細菌原核細胞や、酵母、アスペルギルス等の真核細胞や、ドロソフィラS2、スポドプテラSf9等の昆虫細胞や、L細胞、CHO細胞、COS細胞、HeLa細胞、C127細胞、BALB/c3T3細胞(ジヒドロ葉酸レダクターゼやチミジンキナーゼなどを欠損した変異株を含む)、BHK21細胞、HEK293細胞、Bowesメラノーマ細胞、卵母細胞等の動植物細胞などを挙げることができる。宿主細胞への発現ベクターの導入は、多くの標準的な実験室マニュアルに記載される方法、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、トランスベクション(transvection)、マイクロインジェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、スクレープローディング(scrape loading)、弾丸導入(ballistic introduction)、感染等により行うことができる。
【0020】
前記本発明の活性酸素除去酵素及び本発明のDNAは、例えば、与えられたアミノ酸配列や塩基配列の配列情報に基づき、化学合成的手法や遺伝子組換え手法により作製することができる。また、カンピロバクター・ジェジュニー(C. jejuni)、カンピロバクター・コリー(C. coli)、カンピロバクター・ヒオインテスティナリア(C.hyointestinalis)、カンピロバクター・フィタス(C. fetus)等のカンピロバクター属に属する微好気性微生物のcDNAライブラリーを検索し、選定されたDNAの配列情報により調製することができる。その他、ルブレドキシン・オキシドレダクターゼのN末端側領域とルブレリスリンの全領域のキメラタンパク質は、プロティンエンジニアリング等により作製することができる。
【0021】
本発明のRrc等の活性酸素除去酵素を食品又は食品素材中に配合することにより、食品又は食品素材自体の酸化を防止することができる上、かかる食品又は食品素材自体を抗酸化活性を有する機能性食品とすることができる。上記食品素材又は食品としては、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、酒類、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶、スポーツ飲料等の各種飲料や、プリン、クッキー、パン、ケーキ、ゼリー、煎餅などの焼き菓子、羊羹などの和菓子、冷菓、チューインガム等のパン・菓子類や、うどん、そば等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、みそ、しょう油、ドレッシング、マヨネーズ、甘味料等の調味類や、チーズ、バター等の乳製品や、豆腐、こんにゃく、その他佃煮、餃子、コロッケ、サラダ等の各種総菜等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
また、本発明のRrc等の活性酸素除去酵素を有効成分として配合することにより医薬品とすることができる。かかる、医薬品は、活性酸素が引き起こす様々な疾病及び症状等に有効であり、具体的には、脳腫瘍、上顎癌、上咽頭癌、肺癌、食道癌、直腸癌、大腸癌、肝臓癌、胃癌、胆嚢癌、膵臓癌、皮膚癌、乳癌、子宮癌、卵巣癌、前立腺癌、腎臓癌、膀胱癌、甲状腺癌、多発性骨髄腫、リンパ腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病等の腫瘍や、HIV感染等のウイルス感染症、リューマチ、線維症等の炎症性疾患や、アトピー性皮膚炎や化学物質過敏症等の炎症や、多量の酸素の存在と関連している中枢神経系、虚血、非血管性胃腸障害、眼性傷害や、動脈硬化、高血圧、老人性痴呆症等を挙げることができる。このような医薬品として用いる場合は、薬学的に許容される通常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤、等張剤などの各種調剤用配合成分を添加することができる。またこれら医薬品は、経口的又は非経口的に投与することができる。すなわち通常用いられる投与形態、例えば粉末、顆粒、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等の剤型で経口的に投与することができ、あるいは、例えば溶液、乳剤、懸濁液等の剤型にしたものを注射の型で非経口投与することができる他、スプレー剤の型で鼻孔内投与することもできる。
【0023】
そしてまた、本発明のRrc等の活性酸素除去酵素を化粧水、パック、美容液、乳液、ファンデーション等に配合することにより、化粧品とすることができる。本発明の化粧品は、Rrc等の活性酸素除去酵素を有効成分として含んでいるので、抗酸化作用を有し、例えばシミ、そばかす、シワ等の老化現象抑制効果や美白効果などを期待することができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
(材料と方法)
[菌種及び増殖の条件]
C. jejuni菌株であるヒト臨床分離株クローン9131は、Dr. A. Kai(東京都立衛生研究所微生物部)から供与された。該菌株を、使用するまで25%のグリセロール・ミュラー・ヒントン(MH)培地(Difco、Becton Dickinson Microbiology Systems社製)の中で−80℃で保存した。C. jejuniを、BBL CampyPak Plusパケット(Becton Dickinson Microbiology Systems社製)を用いて、BBLGasPakジャーの中のMH寒天上に37℃で増殖させ、その後18〜24時間、MH培地で継代培養した。継代培養液のうち0.3mlを、100ml容量の発酵槽(MoBiTec社製)内の30mlの新鮮なMH培地に接種し、5%のO、10%のCO及び85%のNからなる微好気条件下でインキュベーションした。24時間のインキュベーションを行なった後、得られた培養液を、以下の実験のために使用した。また鉄低濃度培地及び鉄高濃度培地は、van Vliet et al.(J. Bacteriol. 180, 5291−5298, 1998)に記載されているように、デフェロキサミン・メシレート(Desferal、Sigma Chemical Co.社製)又は硫酸第二鉄をMH培地に補充して調製し、これら培地でC. jejuniを培養し、24時間後に培地からC. jejuniを収集し、全RNA単離に使用した。
【0025】
[Hストレスアッセイ]
C. jejuni9131培養液に、最終濃度0mM、0.2mM、0.5mM及び1.0mMのH(Wako Pure Chemical Industries社製)をそれぞれ添加した。CFU(colony forming unit)を測定するために、培養液から所定量のC. jejuniを所定の時間間隔で収集し、よく冷えたMH培地で洗浄し、その後、同量の培地に再び懸濁した。次に、細菌懸濁液を10倍に階段希釈したものを調製した後、MH寒天に載せた。次に、粗抽出液を調製するため、C. jejuniを収集してよく冷えたリン酸緩衝食塩水(PBS)で3回洗浄し、その結果として得たペレットを−80℃で保存した。全RNA単離のため、C. jejuniを収集してよく冷えたPBSで洗浄し、その結果として得たペレットを直ちに液体窒素で凍結し、その後、使用するまで−80℃で保存した。
【0026】
[電気泳動分析]
−80℃で保存したC. jejuni9131を解凍し、100mMのNaCl及びプロテアーゼ阻害剤(Complete、Mini、Roche Molecular Biochemicals社製)を含む50mMのTris−HCl緩衝液(pH7.5)で再び懸濁した。ビーズ・ビーター・システム(beads beater system)(FastPrep system;Qiagen及びThermoSavant社製)を用いて細胞を破壊させ、粗抽出液を調製した。タンパク質(20μg)を、ドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS−PAGE)でスラブゲルを用いて分離させ、その後、クーマシーブリリアントブルーで染色した。Gel Documentation System(UVP, Inc.社製)のImageStore 7500 Ver.7.21を用いて、ゲル画像を得た。タンパク質の相対的な定量化のため、NIHイメージ1.62ソフトウェアを使用し、染色したタンパク質の染色強度を、45kDaの主要外膜タンパク質(Major Outer Membrane Protein:MOMP)の染色強度と相対的に定量化した。
【0027】
[27kDaタンパク質の局在性及びN末端アミノ酸配列]
破壊されていない細胞を除去するため、C. jejuni9131の粗製抽出液を、0.45μmの濾過膜(Millex−HV、Millipore Corp.社製)を用いて濾過した。次に、4℃で5分間の遠心分離を15,000×gで行った後、膜タンパク質を含む細胞残渣画分を保存した。得られた上清をさらに60分間、100,000×gで遠心分離し、その上清を細胞質画分として保存し、また、ペレットを粗膜画分として保存した。次に、分画したタンパク質を、SDS−PAGEにより分離した。ポリ二フッ化ビニリデン膜(Bio−Rad社製)に移した27kDaタンパク質のN末端アミノ酸配列を、エドマン分解(TaKaRa Bio Inc.社委託)により決定した。決定したアミノ酸配列を、C. jejuniNCTC11168ゲノム配列BLAST検索プログラム(version 2.0、Sequencing Genomics Projects ofC. jejuni、Sanger Institute 社製[http://www.sanger.ac.uk/Projects/C_jejuni])で検索した。
【0028】
[27kDaタンパク質をコードする遺伝子のDNA配列]
ISOPLANTキット(Nippon Gene社製)を用いて、C. jejuniのゲノムDNAを抽出した。27kDaタンパク質遺伝子を増幅させるため、C. jejuniNCTC11168(Nature 403, 665−668, 2000)のゲノム配列における27kDaタンパク質と同じ遺伝子から、以下のPCRプライマーを設計した。すなわち、同定された遺伝子の翻訳領域(ORF)の最初の19bpにハイブリダイズする、BamHIの切断部位(下線部)を含む5’−GAGGAGGATCCATGAGACAATATGAAACCT−3’(配列番号3)をフォワードプライマーとし、また、ORFの最後の21bpにハイブリダイズする、Kpnlの切断部位(下線部)を含む5’−GAATTGGTACCCTTAACCCAAAAATTCGCGTTT−3’(配列番号4)をリバースプライマーとした。LATaqポリメラーゼ(TaKaRa社製)を用いたPCRの条件としては、95℃で2分間、続いて、95℃で30秒間の変性、50℃で30秒間のアニーリング及び72℃で1分間の伸長を25サイクル行い、最終的に72℃で10分間、伸長を行った。Cj0012c遺伝子から得た期待された大きさのPCR産物(〜650bp)を、pGEM−Tベクター(Promega社製)を用いてクローン化した。27kDaタンパク質遺伝子を含む挿入遺伝子を、T7プロモーター及びSP6プロモータープライマーで再び増幅し、ダイレクト・シークエンシング(Sawady Technology Co.社委託)を行なった。CLUSTAL Xプログラム(Nucleic Acids Res. 25, 4876−4882, 1997)及びGENETYXプログラム(Software Development社製)のそれぞれを用いて、多重アライメント解析及びアミノ酸配列の相同性について分析した。本発明者らは、27kDaタンパク質遺伝子をrrcと命名した。
【0029】
[His−タグ組換えRrcの調製及び分光学的分析]
製造者の指示に従い、QIAexpress System(Qiagen社製)を用いて、6つの連続したヒスチジン(His)残基をタグ標識した組換えRrcを調製した。すなわち、BamHI及びKpnlで消化したPCR産物を、同じ制限酵素で直線化したpQE−30ベクターと結合させた。ベクター挿入構築物であるプラスミドpRrcHで、大腸菌株M15を形質転換した。組換えRrcを発現する大腸菌M15/pRrcHを、100μg/mlのアンピシリン及び25μg/mlのカナマイシンを含むLB(Luria−Bertani)培地に接種し、37℃で一晩インキュベーションした。この培養物のうち20mlを、抗生物質を含む1Lの新鮮なLB培地に接種し、インキュベーションを1時間行ない、その後、1mMのイソプロピル−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド(IPTG)を添加して組換えRrcの発現を誘導した。誘導した培養物をさらに4〜5時間インキュベーションし、氷の上に置いて冷やした後、7,000×gで10分間の遠心分離により細胞を収集した。細胞をよく冷えたPBSで3回洗浄し、得られたペレットを、精製するまで−80℃で保存した。凍結したペレットを氷上で15分間解凍し、その後、His−タグ組換えRrcを、精製過程において尿素又は塩酸グアニジンで変性することのない条件下で精製した。次に、SDS−PAGEにより、組換えRrcの精製を確認した。UV2550分光光度計(Shimadzu社製)を用いて、組換えRrcのUV−可視部吸収スペクトルを記録した。また、亜ジチオン酸ナトリウムを添加し、還元した組換えRrcを調製し、これについてもUV−可視部吸収スペクトルを測定した。
【0030】
[rrcの半定量的RT−PCR]
製造者の指示に従ってDNase処理を行い、SV Total RNA Isolation System(Promega社製)を使用して、全RNAをC. jejuni9131から単離した。全RNAの濃度及びクリュードクオリティー(crude quality)について、Agilent2100 Bioanalyzer(Agilent Technologies社製)を用いてRNA6000アッセイで測定した。製造者の指示に従い、RETROscript Kit(Ambion, Inc.社製)を用いて、全RNAのうちの40ngに対し、10塩基からなるランダムな配列のプライマーで逆転写(RT)反応を行なった。以下のプライマーを使用してcDNA産物を増幅した。すなわち、rrc(ヌクレオチド位置[np]156から523)に対しては、5’−TACGATTTATTTGCTGATGT−3’(配列番号5)及び5’−CATAATTCTTCTACTTCACT−3’(配列番号6)、また、DNAジャイレースAサブユニット(gyrA)をコードする遺伝子(GenBank no. L04566、np377から852)(Antimicrob. AgentsChemother. 37, 457−463, 1993)に対しては、5’−GTTATTATAGGTCGTGCTTT−3’(配列番号7)及び5’−CTATGAGGTGGGATGTTTGT−3’(配列番号8)を使用した。cDNAに対するgyrA遺伝子の増幅を、内部コントロールとして使用した。rrcの場合には20サイクルであることを除いては、上述のPCR条件下で、rrc及びgyrA遺伝子をそれぞれ増幅するために、cDNAの0.5μl及び0.25μlの一定量を使用した。rrc及びgyrAの368bp及び476bpのPCR産物を、それぞれアガロースゲルで電気泳動し、臭化エチジウムで染色した。
【0031】
[好気ストレスアッセイ]
発酵槽中のC. jejuni9131の24時間培養液を、500ml容量のフラスコに移し、大気中の条件下で、150rpmで振盪してインキュベーションした。これらの培養物からC. jejuni9131を収集し、上記の通り、CFU測定、粗製抽出物の調製及び全RNA単離を行なった。
【0032】
[rrcのアクセッション・ナンバー]
rrc遺伝子のヌクレオチド配列データは、DDBJデータベースに提出されており、アクセッション・ナンバーAB090310にて、DDBJ、EMBL及びGenBankのヌクレオチド配列データベースで見ることができる。
【0033】
[Rrcのスーパーオキシドジズムターゼ活性の測定]
組換えRrcタンパク質のスーパーオキシドジズムターゼ活性は、キサンチン−キサンチン オキシダーゼ(xanthine−xanthine oxidase)によって生成されるスーパーオキシドアニオンラジカル( )が、Rrcの添加により減少することで評価した。溶液中のスーパーオキシドアニオンラジカルはニトロブルーテトラゾリウム(nitroblue tetrazolium;NBT)によって検出し、30〜90秒間のスーパーオキシドアニオンラジカルの発生率(ΔA)を算出し、タンパク質非添加群のΔAを100%としたとき、これに対するタンパク質添加群のΔAの割合(% inhibition)で示した。
【0034】
(結果)
[HストレスがC. jejuni9131の生存性及び全タンパク質に及ぼす影響]
C. jejuni9131の生存性は、Hストレスに対して高感受性を示した(図1)。1.0又は0.5mMのHで15分間インキュベーションすると、C. jejuniのコロニー形成能は急激に低下した。その後、1.0mMのHで処理したC. jejuniのコロニー形成能は、4時間で検出レベル以下に低下したが、0.5mMのHで処理したC. jejuniのコロニー形成能は、2〜4時間後に初期レベルまで回復した。様々な濃度で15分間、Hで処理した後に、C. jejuniから全細菌タンパク質を抽出し、これらをSDS−PAGEゲルで分離し、その後、クーマシーブリリアントブルーで染色した。この結果、約27kDaの分子量を持つタンパク質が、Hの濃度に応じて減少した(図2)。すなわち、27kDaタンパク質の消失は、Hで処理した後のコロニー形成能の低下を伴なった(図1)。本発明者らの実験条件下では、分子量45kDaのMOMPの細胞レベルは安定しており、Hの存在又は非存在による影響を受けなかった。そこで、本発明者らは、このタンパク質を内部標準として使用した。H添加後に8時間インキュベーションした際の27kDaタンパク質の量の変化を、MOMPの量に対する相対量で表した(図3)。0.5mMのH処理においては、コロニー形成能が回復したが(図1)、一度消失した27kDaタンパク質は、8時間の間には回復しなかった。
【0035】
[27kDaタンパク質の同定]
C. jejuni9131の細胞成分を遠心分離して分画した。27kDaタンパク質は、100,000×gで60分間の分画において主として見い出され、このタンパク質が細胞質タンパク質であることが示唆された(図4)。また、N末端アミノ酸の最初の12残基の配列を決定し(MRQYETYKCQKC)、C. jejuniゲノム配列BLAST検索プログラムで検索にかけた。配列は、C. jejuniNCTC11168のゲノム配列(Nature 403, 665−668, 2000)におけるCj0012cのN末端と一致した。
【0036】
27kDaタンパク質をコードする遺伝子のクローニング及び配列決定を行なうため、Cj0012cをコードするORFに基づき、PCRプライマーを設計した。配列分析を行なった結果、27kDaタンパク質をコードするORFの648ヌクレオチド配列が、Cj0012cのそれと100%一致すること(計算した分子量、24,526Da)が明らかとなった。C. jejuniにおいて、Cj0012cは遺伝子配列としてはデータベースに登録されてはいるものの、機能及び性状に関する報告はなく、27kDaタンパク質の機能は分からなかった。他の細菌種における類似したタンパク質を調査するために、27kDaタンパク質をコードするORFの215のアミノ酸配列を、DDBJデータベースのFASTA検索プログラムにかけた。FASTA検索プログラムにより、酸化ストレス防御タンパク質として考えられている2つの非ヘム鉄タンパク質との高い相同性が示された。アミノ酸215残基の27kDaタンパク質は、Rbo(rubredoxin oxidoreductase)(別名desulfoferrodoxin)と相同性を示すN末端の最初の32残基と、Rbr(rubrerythrin)と相同性を示すC末端の残りの183残基から構成されている(図5)。最初の32残基は、RboのN末端と相同性を示した。すなわち、Desulfovibrio vulgaris(Hildenborough)Rboに対しては69%の同一性(J. Bacteriol. 1989, 4996−5004, 1989)、また、Moorella thermoaceticaRboに対しては53.9%の同一性(J. Bacteriol. 183, 1560−1567, 2001)を示した。残りの183残基は、Rbrの全領域と相同性を示した(図5)。すなわち、Clostridium acetobutylicumRbrに対しては45.7%の同一性(J. Bacteriol. 183, 4823−4838, 2001)、Porphyromonas gingivalisRbrに対しては45.4%の同一性(Mol. Microbiol. 44, 479−488, 2002)、M. thermoaceticaRbrに対しては42.9%の同一性(J. Bacteriol. 183,1560−1567, 2001)、D. vulgaris(Hildenborough)Rbrに対しては39.5%の同一性(Biochemistry 30, 11118−11123, 1991)、ウェルシュ菌(C. perfringens)Rbrに対しては38.3%の同一性(J. Bacteriol. 178, 7152−7158, 1996)を示した。
【0037】
D. vulgarisRboのFeSクラスター鉄結合部位のC−X−C−X15−C−Cモチーフ(J. Bacteriol. 1989, 4996−5004, 1989)は、27kDaタンパク質のRbo領域に保存されていた(Cys−X−Cys12−X15−Cys28−Cys29、図5)。D. vulgarisRbrの、非硫黄でオキソ架橋した二鉄結合部位のE−X30−34−E−X−H−X−E−X30−34−E−X−Hモチーフ、及びFeSクラスター鉄結合部位のC−X−C−X12−C−X−Cモチーフ(Nat. Struct. Biol. 6, 539−546, 1996、Biochem. Biophys. Res. Commun. 181, 337−341, 1991、Biochemistry 30, 11118−11123, 1991)は、タンパク質のRbr領域に保存されていた(それぞれ、Glu52−X32−Glu85−X−His88−X30−Glu119−X33−Glu153−X−His156及びCys183−X−Cys186−X12−Cys199−X−Cys202、図5)。従って、本発明者らは、ここで27kDaタンパク質をRrc(C. jejuniのrubredoxin oxidoreductase/rubrerythrin様タンパク質(rubredoxin oxidoreductase/rubrerythrin−like protein of C. jejuni))と名付けた。
【0038】
なお、図5中、DvRboは、Desulfovibrio vulgarisのRbo配列(アクセッション・ナンバーM28848)であり、MtRboは、Moorella thermoaceticaのRbo配列(AF202316)である。また、CaRbrは、Clostridium acetobutylicum(アクセッション・ナンバーAE007755)のRbr配列であり、CpRbrは、C. perfringensのRbr配列(X92844)であり、DvRbrは、D. vulgarisのRbr配列(U82323)であり、MtRbrは、M. thermoaceticaのRbr配列(アクセッション・ナンバーAF202316)であり、PgRbrはPorphyromonas gingivalisのRbr配列(AF333323)である。また、アスタリスクは、アミノ酸残基の一致した箇所を示す。また、ボックスはD. vulgarisの鉄リガンドを示す。矢印は、RrcのORFにおけるプライマーのアニーリング部位及びプライマーの方向を示す。
【0039】
[His−タグ組換えRrcの分光学的特質]
Rrcの酸化還元活性について調べるため、本発明者らは、大腸菌で組換えタンパク質を作製した。His−タグ組換えRrcを、IPTG誘導で大腸菌において過剰発現させ、そのタンパク質を変性させることなく精製した(図6)。組換えD. vulgarisRbrは、大腸菌においては封入体を形成すると報告されているが(Biochemistry 34, 3310−3318, 1995)、本発明者らが作製した組換えRrcは、可溶性タンパク質として見い出された。組換えRrcのUV−可視部吸収スペクトルは、740、488、370及び279nmでピークを示し、570及び350nmでショルダー(shoulder)を示した。一方、亜ジチオン酸塩還元型の組換えRrcは、可視領域においてほとんど吸収が見られなかった(図7)。精製したRrc及びその還元型における吸収スペクトルは、Rbo(J. Biol.Chem. 265, 21596−21602, 1990)及びRbr(Biochem. Biophys. Res. Commun. 255, 317−323, 1999、Biochemistry. 34, 3310−3318, 1995、Biochemistry. 27, 1636−1642, 1988)の吸収スペクトルと類似していた。
【0040】
[Rrcの発現における鉄の濃度の影響]
カタラーゼ(KatA)及びアルキルヒドロペルオキシド還元酵素(AhpC)をコードする、C. jejuni過酸化物ストレス防御遺伝子は、鉄に反応してPerR(過酸化物応答レギュレーター)により抑制された(J. Bacteriol. 181, 4798−4804, 1999、J. Bacteriol. 181, 6371−6376, 1999)。C. jejuniにおけるCj0012c遺伝子の上流の配列を分析した結果、この領域においてPer box(PerR結合配列)相同配列が見い出された。そこで、半定量的RT−PCR分析により、転写レベルにおけるrrc発現に対する鉄の影響について調べた。Staphylococcus aureusにおいては、ハウスキーピング遺伝子gyrを、定量的RT−PCR分析の内部コントロールとして使用することに成功した(Infect. Immun. 68, 1304−1311, 2000)。従って、本発明者らは、この遺伝子をC.jejuniのコントロールとして使用し、半定量的RT−PCRによってrrc及びgyrA転写物の内部領域、368及び476bpのそれぞれを増幅した。Rrcの発現は、転写レベルで鉄の濃度に依存して誘導された(図8)。
【0041】
[Hのストレス下にあるrrcの転写分析]
転写レベルにおけるrrc発現に対するHの影響を、半定量的RT−PCR分析により調べた。rrc転写物は、0.5mMのHで処理したC. jejuniの場合でも発現していた(図9)。一方、コロニー形成能の回復にもかかわらず、Rrcタンパク質はH添加8時間後までは回復しなかった(図3)。これらの結果は、HストレスによるRrcの減少が、転写レベルで制御されているのではないことを示唆する。それに対して、1.0mMのHで処理したC. jejuniのrrc転写物もgyrA転写物も、4時間では検出されなかった。1.0mMのHで処理したC. jejuniの全RNA質の変質が見られ、コロニー形成能は検出限界以下であった。これらの結果から、1.0mMのHの処理によるrrc転写物の著しい減少は、菌細胞死によることが示唆される。
【0042】
[Rrcの発現に対する好気ストレスの影響]
C. jejuni9131の増殖及びRrcタンパク質発現に対する好気ストレスの影響について調べた。大気中の酸素分圧下でフラスコ振盪をしてインキュベーションすることにより好気ストレスを与えた結果、C. jejuniは6時間後までは好気条件下でも生存したが、好気ストレスはその後、細胞のコロニー形成能に影響を及ぼした(図10)。タンパク質プロフィールにより、Rrcタンパク質が、初期の3時間では著しい変化を見せなかったが、その後、コロニー形成能の低下と同時にその発現は減少したことが明らかとなった。同時に、細胞の全RNAの量が減少し、細胞が激しく破損したことを示唆した。本発明者らの分析によれば、rrcの転写レベルは、全RNA質(quality)が低下した後まで著しく変化しなかった。
【0043】
[Rrcのスーパーオキシドジズムターゼ活性]
組換えRrcタンパク質のスーパーオキシドジズムターゼ活性の結果を図11に示す。その結果、組換えRrcタンパク質の添加(○)によって溶液中のスーパーオキシドアニオンラジカル( )の減少が認められた。これに対して、65℃で30分間の熱処理により失活させた組換えRrcタンパク質の添加(●)によるスーパーオキシドアニオンラジカルの減少は認められなかった。この結果から、Rrcのスーパーオキシドジズムターゼ活性が確認され、算出した活性の値は10.97U/mgであった。この活性の値はホモロジーを示したタンパク質と同程度であった。一方、ポジティブコントロールとして用いたウシ赤血球由来のSODを添加(△)した場合、スーパーオキシドジズムターゼ活性は8633.42U/mgであった。これらの結果は、Rrcがウシ赤血球由来のSODと比べ約1/800と弱いが、ホモロジーを示したタンパク質と同程度のスーパーオキシドジズムターゼ活性を持つことを示している。
【0044】
(まとめ)
C. jejuniは、酸化ストレスに対して高い感受性を示し(Can. J. Microbiol. 25, 1−7, 1979、Can. J. Microbiol. 25, 8−16, 1979、J. Appl. Bacteriol. 59, 413−419, 1985)、その増殖及び生存のために微好気的な条件が必要であることが示唆されている。好気的な環境において、活性酸素は、代謝経路を通って細胞内で生成されると考えられているため、これら内因性の酸化ストレスは、C. jejuniにおけるいくつかのタンパク質を損傷するかも知れない。本発明者らは、内因性及び外因性の起源の両方から、C. jejuniの酸化ストレスに対する反応について調べた。また、この細菌がこれらの条件下でどのように増殖及び/又は生存するかについても調べた。まず、様々な濃度の外因性Hストレスは、急激で強い毒性の結果を示し(図1)、酸化的な代謝経路を通して細胞内で発生した内因性Hストレスは、より緩やかな誘導ではあったが細菌に対して著しい毒性を示した(図10)。また、電気泳動分析により、Hストレスにより、27kDaの分子量を持つタンパク質は、生存性の低下と同時かつ急激に消失したことが明らかとなった(図2)。このタンパク質の減少について、好気的な条件下で培養した際に類似性が見い出された。すなわち、好気ストレスによりC. jejuniのコロニー形成能が低下した際に、27kDaタンパク質はより緩やかではあるが減少した(図10)。これらの結果は、C. jejuniが内因性及び外因性の起源の両方による酸化ストレスに反応し、コロニー形成能及び27kDaタンパク質の量の低下を招くことを示唆している。
【0045】
C. jejuniは、有毒な活性酸素種を除去するため、スーパーオキシド・ジスムターゼ、カタラーゼ及びアルキル・ヒドロペルオキシド還元酵素を有しており(Microbiology. 141, 1369−1376, 1995、Infect. Immun. 62, 2687−2694, 1994、Microbiology 140, 1203−1208, 1994)、これらの酵素は、好気的な環境における生存のために重要な役割を果たすと考えられている(Infect. Immun. 68, 6337−6345, 2000、J. Bacteriol. 65, 2540−2546, 1999)。実際に、本発明者らによる好気ストレスアッセイにおいては、2、3のタンパク質が生存している間(6時間まで)に発現が誘導され、そのうちのいくつかがこれら除去酵素に類似した分子量を持っていた。しかしこれらについてはまだ同定されていない。(以下青は削除)また、C. jejuniの呼吸活性はかなり高いため(Can. J. Microbiol. 25, 1−7, 1979)、細菌が好気的な自然環境中において生存する場合、好気代謝において過剰に生成される活性酸素の連続的な酸化ストレスを受ける可能性がある。従って、好気ストレスによるコロニー形成能の低下ばかりでなく、27kDaタンパク質の減少も、これら分解酵素活性の能力を超えるであろう、過剰な内因性活性酸素の連続的な酸素ストレスが原因のようである。従って、外因性のHストレスの曝露により、好気的な環境における活性酸素の内因的な生産から始まる、その活性酸素に対する不定期の反応ではなく共通の反応から、27kDaタンパク質における敏感な変化をもたらした。
【0046】
本発明者らによる外因性Hストレスアッセイにおいて、コロニー形成能の著しい回復が観察された(図1)。この現象は、細菌が数時間以内に10倍という急速な分裂をすることができないことから、(以下青は削除)コロニー形成能の回復が、増殖適格細胞に対する15分間のストレスを与えた後のコロニー形成能を失った細胞が急激にコロニー形成能を回復することに起因している可能性を示している。しかしながら、新たなタンパク質の同時発現を含め、回復の原因となるかも知れないタンパク質においては著しい変化が見られず、現在のところはSDS−PAGE分析によって検出されていない。
【0047】
本発明者らは、C. jejuniに対する活性酸素の有害な影響は微好気的な代謝において重要な役割を果たす特定のタンパク質が活性酸素に対して敏感に反応するためであると考え、ここで同定した27kDaタンパク質がその特定のタンパク質であると仮定した。すなわち、本発明者らは、27kDaタンパク質を同定し、それがC. jejuniゲノム配列(Nature 403, 665−668, 2000)に見られるCj0012cと同一であることを見い出した。しかしながら、上記データベースにはCj0012cの機能についての情報が不足しているため、本発明者らは、27kDaタンパク質の機能について知ることができなかった。しかしながら、ゲノム分析を行なった結果、27kDaタンパク質は、他の細菌が有する2つの既知の非ヘム鉄硫黄タンパク質、すなわちRbo及びRbrと相同性を示す配列を持つことがわかった(図5)。アミノ酸215残基の27kDaタンパク質であるRrcは、2つの領域から構成されている。すなわち、Rboと相同性を示すN末端32残基、及びRbrと相同性を示すC末端183残基である。従って、Rrcは、Rbo及びRbrの両タンパク質のキメラ構造を有する。Rbo及びRbrの役割は、好気的な微生物における酸化ストレス反応に関して主として研究されてきた。Desulfoarculus baarsiiから得たRboは、インビトロでスーパーオキシド還元酵素活性を示し(J. Biol. Chem. 275, 115−121, 2000)、D. vulgarisRbo又はD. baarsiiRboの過剰発現は、スーパーオキシド・ジスムターゼ欠損大腸菌の ストレス感受性を補完した(J. Bacteriol. 183, 101−108, 2001、J. Bacteriol. 178, 6736−6742, 1996)。それに対し、D. vulgarisRbrは、インビトロでHから水への還元を触媒する、NADHペルオキシダーゼを示し(Biochem. Biophys. Res. Commun. 255, 317−323, 1999)、その過剰発現によってカタラーゼ欠損大腸菌のHストレス敏感性を補完した(J. Bacteriol. 183, 101−108, 2001)。近年、P. gingivalisRbrの遺伝子ノックアウト株の作製により、Hストレスに対するRbrの防御的役割が確認された(Mol. Microbiol. 44, 479−488, 2002)。微好気性細菌において、Spirillum volutansのH耐性変異体が、Rbrと相同性を示すタンパク質を発現した(J. Appl. Microbiol. 85, 875−882, 1998)。Rrcのアミノ酸配列には、D. vulgarisのRbo及びRbrの鉄結合モチーフが保存されており、従って、これらの領域に鉄が組み込まれている可能性がある。N末端32残基にも鉄結合モチーフが存在するため、Rrcは、Rbr及びRboよりもモチーフを1つ多く含み、その結果、3つの推定上の鉄結合部位を持つ。分光学的分析を行なった結果、精製したRrc及びその還元型のUV−可視部吸収スペクトルは、D. vulgarisRbo及びRbrそれぞれのスペクトルと同様の変化を示すことが明らかとなった(Biochem. Biophys. Res. Commun. 255, 317−323, 1999、Biochemistry. 34, 3310−3318, 1995、Biochemistry. 27, 1636−1642, 1988、J. Biol. Chem. 265, 21596−21602, 1990)(図7)。この結果は、Rrcが鉄を含み、酸化還元反応の機能に関連することを示唆している。Rbo及びRbrのアミノ酸配列及び分光学的特質の類似性に基づき、Rrcは、これら2つの相同タンパク質が持つ2つの機能を実行する可能性が大きい。
【0048】
SOD及びカタラーゼなど、既知の活性酸素除去酵素の発現は、酸化ストレスに反応して誘導されることが知られている(Biochem. Pharmacol. 59, 1−6, 2000)。Rrcが、これらのような活性酸素の除去酵素であるならば、それは酸化ストレスに誘導されるか、又は少なくとも酸化ストレス下で安定することが期待されている。しかしながら、Rrcタンパク質は、Hの曝露下においてその発現は減少した。これらの結果は、Rrcの性状が、上記の一般的な活性酸素除去酵素の性状とは異なることを示唆している。またRrcの発現は培地中の鉄によって誘導され、この発現システムはkatA及びahpCなどの過酸化物ストレスに対する防御遺伝子のそれとは異なっていた(図8)。katA及びahpCなどの過酸化物ストレスに対する防御遺伝子は、鉄の濃度の増加によって発現を抑圧されるとされている(J. Bacteriol. 181, 4798−4804, 1999、J. Bacteriol. 180, 5291−5298, 1998、J. Bacteriol. 181, 6371−6376, 1999)。
【0049】
半定量的RT−PCRを行なった結果、27kDaタンパク質のHストレスに対する敏感な反応が、転写後に調整されることが分かった(図9)。活性酸素は、ポリペプチド鎖の開裂などのタンパク質の修飾や、ヒスチジン、システイン又はチロシンなどのアミノ酸残基の酸化を誘導し、また、そのようなタンパク質の修飾がタンパク質の酵素活性の減少又は分解の原因となることが知られている(Methods Ezymol. 258, 379−393, 1995)。鉄硫黄タンパク質のいくつかは、 に感受性を示すと報告されているが(Chem. Rev. 96, 2315−2334, 1996、J. Exp. Biol. 201, 1203−1209, 1998)、Rrcに鉄硫黄クラスターのモチーフが発見された。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、有害な活性酸素を速やかに除去することができる、酸化還元酵素活性を有するタンパク質である活性酸素除去酵素及びこれをコードする遺伝子を提供することができる。また、本発明の活性酸素除去酵素を用いた機能性食品を摂取することにより、生体に有害な活性酸素を非常に簡単に除去することができる。また、本発明の活性酸素除去酵素を用いた医薬品は、生体内から有害な活性酸素を除去するので、癌等の腫瘍、炎症等の疾病の予防・治療効果が期待できる。また、本発明の活性酸素除去酵素を用いた化粧品は、活性酸素に起因する肌の老化現象を予防しうる。
【0051】
【配列表】
Figure 2004222658
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【図面の簡単な説明】
【図1】MH培地におけるC. jejuni9131の増殖(37)に対する、過酸化水素(H)添加の影響を示す図である。図中、(○)は0mM、(●)は0.2mM、(▲)は0.5mM、(■)は1.0mMのHをそれぞれ培地に添加した場合を示す。
【図2】MH培地におけるC. jejuni9131のタンパク質プロフィールに対する、過酸化水素(H)の影響を示す図である。図中、矢印は、Hに敏感な27kDaのタンパク質を示し、矢頭は、対照としての45kDaの主要外膜タンパク質(MOMP)を示す。
【図3】C. jejuni9131の27kDaタンパク質の発現量に対する、過酸化水素(H)の影響を示す図である。図中、(○)は0mM、(●)は0.2mM、(▲)は0.5mM、(■)は1.0mMのHをそれぞれ培地に添加した場合を示す。
【図4】分画遠心法により分画した、C. jejuni9131の27kDaタンパク質のSDS−PAGEの結果を示す図である。
【図5】Aは、本発明のRrcと、Rbo及びRbrとの相同性領域の組成を示す模式図であり、Bは、本発明ののRrc及び他の細菌種のRbo及びRbrのアミノ酸配列のアラインメントを示す図である。
【図6】大腸菌M15/pRrcHにおける組換えRrcの発現及び精製の結果を示す図である。
【図7】精製した組換えRrcタンパク質(実線)及び還元型(点線)のUV可視性吸収スペクトルを示す図である。
【図8】MH培地における、C. jejuni9131のrrc転写物(RT−PCR)の発現に及ぼす鉄の影響を示す図である。
【図9】Hで処理したC. jejuni9131におけるrrc発現の半量的RT−PCRの結果を示す図である。
【図10】MH培地における、C. jejuni9131の増殖及びRrcタンパク質発現に対する好気ストレスの及ぼす影響を示す図である。
【図11】本発明のRrcのスーパーオキシドジズムターゼ活性の測定結果を示す図である。図中、(○)は組換えRrcタンパク質、(●)は熱失活組換えRrcタンパク質、(△)はウシ赤血球由来のSODをそれぞれ添加した場合を示す。

Claims (18)

  1. スーパーオキシドレダクターゼ活性及びNADHペルオキシダーゼ活性を有することを特徴とする活性酸素除去酵素。
  2. ルブレドキシン・オキシドレダクターゼのN末端側領域とルブレリスリンの全領域のキメラタンパク質であることを特徴とする請求項1記載の活性酸素除去酵素。
  3. ルブレドキシン・オキシドレダクターゼのN末端側領域が、C−X−C−X15−C−Cモチーフを有することを特徴とする請求項2記載の活性酸素除去酵素。
  4. ルブレリスリンの全領域が、E−X30−34−E−X−H−X−E−X30−34−E−X−Hモチーフ及びC−X−C−X12−C−X−Cモチーフを有することを特徴とする請求項2又は3記載の活性酸素除去酵素。
  5. 配列番号2に示されるアミノ酸配列からなることを特徴とする活性酸素除去酵素。
  6. 配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つ活性酸素除去活性を有することを特徴とする活性酸素除去酵素。
  7. 異なる酸化還元酵素活性を有するキメラタンパク質からなることを特徴とする活性酸素除去酵素。
  8. カンピロバクター属に属する微生物由来であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の活性酸素除去酵素。
  9. 請求項1〜8のいずれか記載の活性酸素除去酵素と、マーカータンパク質及び/又はペプチドタグとを結合させたことを特徴とする融合タンパク質。
  10. 請求項1〜8のいずれか記載の活性酸素除去酵素をコードすることを特徴とするDNA。
  11. 配列番号1に示される塩基配列若しくはその相補的配列又はこれらの配列の一部若しくは全部を含む配列からなり、活性酸素除去活性を有するタンパク質をコードすることを特徴とするDNA。
  12. 請求項11記載のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つ活性酸素除去活性を有するタンパク質をコードすることを特徴とするDNA。
  13. カンピロバクター属に属する微生物由来であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか記載のDNA。
  14. 請求項10〜13のいずれか記載のDNAを含むことを特徴とする発現ベクター。
  15. 請求項14記載の発現ベクターを含むことを特徴とする宿主細胞。
  16. 請求項1〜8のいずれか記載の活性酸素除去酵素を有効成分として含むことを特徴とする機能性食品。
  17. 請求項1〜8のいずれか記載の活性酸素除去酵素を有効成分として含むことを特徴とする医薬品。
  18. 請求項1〜8のいずれか記載の活性酸素除去酵素を有効成分として含むことを特徴とする化粧品。
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