JP2004222593A - 反芻獣病原細菌の主要外膜タンパク質をコードする遺伝子 - Google Patents

反芻獣病原細菌の主要外膜タンパク質をコードする遺伝子 Download PDF

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裕一 田川
Kaori Hoshinoo
歌織 星野尾
Shahidul Rohoman Khan Mohammed
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Abstract

【課題】ウシやヒツジなどの反芻動物におけるH.somnus感染症に対する効果的で安全性の高いワクチンとして用いることができるH.somnusの主要外膜タンパク質(MOMP)及び該タンパク質をコードする遺伝子の提供。
【解決手段】特定のアミノ酸配列からなるタンパク質、又は上記アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ反芻獣病原細菌感染に対する防御免疫誘導活性を有するタンパク質、ならびに該タンパク質をコードする遺伝子。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反芻獣病原細菌外膜タンパク質、該タンパク質をコードする遺伝子、及びそれらの使用に関する。より詳細には、本発明は、ヘモフィルス・ソムナス(Haemophilus somnus、以下、somnusともいう)の主要外膜タンパク質、該タンパク質をコードする遺伝子、該遺伝子を含有する組換えベクター、該遺伝子により形質転換された形質転換体、該遺伝子を染色体DNAに導入した細菌、該タンパク質の製造方法、及びsomnus菌感染防御用ワクチンに関する。
【0002】
【従来の技術】
病原細菌ヘモフィルス・ソムナス(Haemophilus somnus)はウシやヒツジの髄膜脳脊髄炎(TEME)、敗血症、肺炎や流産等の生殖器疾患の原因菌であり、日本国内はもとより世界各地で発生が認められている。なお、ヒツジからの分離菌についてHistophilus ovis 又はHaemophilus agniなどの呼称が用いられるが、これらの菌は分類学的に同一の菌群であることから、本明細書ではHaemophilus somnusという名称を用いることとする。
ウシの髄膜脳脊髄炎の予防を目的とした全菌体不活化ワクチンが野外では用いられているが、肺炎を含めて他の病型に対する効果は不明である。この全菌体不活化ワクチンはワクチン接種動物にIgE抗体を惹起させることが知られており、ワクチン接種動物で観察される副反応との関連性が指摘されている。従って、さまざまな病型に効果を発揮し、より安全性の高いワクチンの開発が望まれている。また、防御抗原と呼ばれる感染防御免疫誘導に関係する蛋白成分要素(ユニット)の中で本質的な有効成分のみを含むワクチンであるサブユニットワクチンはより高い防御能を期待できるワクチンとして開発が期待されている。
【0003】
病原細菌の菌体表面構造物は感染宿主と病原細菌の相互作用において重要な役割をもつと考えられている。somnusの菌体表面構造である外膜にはさまざまなタンパク質が分布し、そのなかで最も多量に存在するタンパク質が主要外膜タンパク質(MOMP)である。これまでにsomnusのMOMPは、免疫グロブリン結合能があること、グラム陰性菌のポーリンタンパク質とN−末端アミノ酸配列において相同性があること、菌株間に共通の又は菌株間で反応性の異なる抗原エピトープが存在すること、実験動物に対して免疫原性があること、感染に伴う菌株特異的な抗体応答が存在すること、菌株間で分子量や抗原性が異なることなどの諸性質を有することが明らかにされている(非特許文献1〜5参照)。このような性質はグラム陰性菌のポーリンタンパク質と共通性が認められ、somnusのMOMPはポーリンタンパク質であると考えられる。ポーリンタンパク質は感染や免疫に伴い、殺菌抗体、オプソニン抗体や防御免疫を付与することが知られている。また、ポーリンタンパク質は感染宿主の細胞への付着・侵入、血清抵抗性や細胞死に関与することが報告されている(非特許文献6〜10参照)。このようなことから、ポーリンタンパク質は有用なワクチン抗原の候補として着目されている。
【0004】
【非特許文献1】
Tagawa, Y., H.Ishikawa, and N.Yuasa, 1993, Purification and partial characterization of the major outer membrane protein of Haemophilus somnus, Infect.Immun.61:91−96
【非特許文献2】
Tagawa, Y., M.Haritani, H.Ishikawa, and N.Yuasa, 1993, Antigenic analysis of the major outer membrane protein of Haemophilus somnus with monoclonal antibodies, Infect. Immun. 61:2257−2259
【非特許文献3】
Tagawa, Y., F.Bastida−Corcuera and L.B.Corbeil, 2000, Immunological characterization of the major ourter membrane protein of Haematophilus somnus, Vet.Microbiol., 71:245−254
【非特許文献4】
Yarnall, M., R.P., Gogolewski, and L.B. Corbeil, 1988a, Characterization of two Haemophilus somnus Fc receptors, J.Gen.Microbiol., 134:1993−1999
【非特許文献5】
Yarnall, M., R.P., Widders, and L.B. Corbeil, 1988b, Isolation and characterization of Fc receptors from Haemophilus somnus, Scand.J. Immunol., 28: 129−137
【非特許文献6】
Bauer, F.J., T. Rudel, M., Stein, and T.F.Meyer, 1999, Mutagenesis of the Neisseria gonorrhoeae porin reduces invasion in epithelial cells andenhances phagocyte responsiveness, Mol.Microbiol., 31:903−913
【非特許文献7】
Muller. A., D.Gunther, F.Dux, M.Naumann, T.F.Meyer, and T.Rundel, 1999, Neisserial porin (PorB) causes rapid calcium influx in target cells and induces apoptosis by the activation of cystein proteases, EMBO J., 18:339−352
【非特許文献8】
Ram, S., M.C.Cullinance, A.M.Blom, S.Gulati, D.P.McQuillen, B.G.Monks,C.O’Connell, R.Boden, C.Elkins, M.K.Pangburn, B.Dahlback, and P.A.Roce,2001, Binding of C4b−binding protein to porin:a molecular mechanism of serum resistance of Neisseria gonorrhoeae, J.Exp.Med., 193:281−295
【非特許文献9】
Ram, S., D.P.McQuillen, S.Gulati, C.Elkins, M.K.Pangburn, and P.A.Rice, 1998, Binding of complement factor H to loop 5 of porin protein 1A:a molecular mechanism of serum resistance of nonsialylated Neisseria gonorrhoeae, J.Exp.Med., 188:671−680
【非特許文献10】
van Putten, J.P., T.D.Duensing, and J.Carlson, 1998, Gonococcal invasion of epithelial cells droven by P.IA, a bacterial ion channel with GTP binding properties, J.Exp.Med., 188:941−952
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、ウシやヒツジなどの反芻動物におけるsomnus感染症に対する効果的で安全性の高いワクチンとして用いることができるsomnusの主要外膜タンパク質(MOMP)及び該タンパク質をコードする遺伝子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、somnus8025株から40kDaの主要外膜タンパク質を精製し、そのアミノ酸配列を決定した。そして該アミノ酸配列を元にプライマーを設計してPCR法によって主要外膜タンパク質をコードする遺伝子を増幅し、全塩基配列を決定した。本発明者らはまた、somnusのさまざまな菌株からの主要外膜タンパク質遺伝子の塩基配列を決定し、推定アミノ酸配列のマルチプルアライメントにより主要外膜タンパク質の2次構造モデルを作成した。これにより主要外膜タンパク質には16個のβシートと8個のループ構造が存在し、ループ構造はアミノ酸配列の多様性が認められることを明らかにした。さらに、本発明者らは、T7プロモーター下流に主要外膜タンパク質をコードする遺伝子をつなぐことにより大腸菌で安定かつ高度に組換え外膜主要タンパク質を生産させることに成功した。本発明はかかる知見により完成されたものである。
【0007】
すなわち本発明は、以下の発明を包含する。
(1)以下の(a)又は(b)に示すタンパク質。
(a) 配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列からなるタンパク質
(b) 配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ反芻獣病原細菌感染に対する防御免疫誘導活性を有するタンパク質
(2)反芻獣病原細菌がヘモフィルス・ソムナス(Haemophilus somnus)である、上記(1)のタンパク質。
(3)上記(1)又は(2)のタンパク質をコードする遺伝子。
(4)以下の(a)又は(b)に示すDNAからなる遺伝子。
(a) 配列表の配列番号1に示す塩基配列からなるDNA
(b) 配列表の配列番号1に示す塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ反芻獣病原細菌感染に対する防御免疫誘導活性を有するタンパク質をコードするDNA
(5)反芻獣病原細菌がヘモフィルス・ソムナス(Haemophilus somnus)である、上記(4)の遺伝子。
(6)上記(3)から(5)のいずれかの遺伝子を含有する組換えベクター。
(7)上記(3)から(5)のいずれかの遺伝子により形質転換された形質転換体。
(8)上記(3)から(5)のいずれかの遺伝子を染色体DNAに導入した細菌。
(9)上記(1)のタンパク質の製造方法であって、上記(7)の形質転換体又は上記(8)の細菌を培地に培養し、得られる培養物から該タンパク質を採取することを含む方法。
(10)上記(7)の形質転換体又は上記(8)の細菌を培養することによって得られたタンパク質を含む反芻獣病原細菌感染防御用ワクチン。
(11)上記(3)から(5)のいずれかの遺伝子を含む反芻獣病原細菌感染防御用ワクチン。
(12)配列表の配列番号1に示す塩基配列の部分配列又はその相補配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ。
(13)反芻獣病原細菌に感染したか、感染する可能性のあるヒトを除く動物に、上記(10)又は(11)のワクチンを投与することを含む、反芻獣病原細菌感染の予防方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
1.本発明の遺伝子のクローニング
本発明の40 kDaの分子量を有するヘモフィルス・ソムナス(somnus)の主要外膜タンパク質(Major Outer Membrane Protein:MOMP)をコードする遺伝子(以下、MOMP遺伝子という)の供与菌は、somnusに属する微生物であれば如何なるものでもよく、例えばsomnus 8025、D1238、NT2301、2336、540、649、129Pt等が挙げられる。
本発明の遺伝子のクローニングは、例えば以下のようにして行うことができる。
【0009】
(1) somnusゲノムDNAの調製
somnus菌の染色体からゲノムDNAを調製するには常法により行うことができる。具体的には、TEバッファーに浮遊させた菌体を、プロテイナーゼKとSDS処理により溶菌し、CTABで処理した後、フェノール・クロロホルム・イソアミルアルコールで除タンパク後、イソプロパノール沈殿とDNA沈渣のエタノール洗浄を行って精製することによってゲノムDNAを得ることができる。
【0010】
(2) タンパク質の精製及びアミノ酸配列の決定
somnusの主要外膜タンパク質の精製はTagawa et al., 1993, Infection and Immunity, 61, 91−96の記載に従い行うことができる。具体的には、培養菌体を超音波処理により破砕し、遠心分離によって膜画分を回収し、可溶化させた後、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過により高度に精製し、最終的にポリアクリルアミド電気泳動により、単一のタンパク質に精製し、アミノ酸配列を市販の自動アミノ酸配列決定機を用いて決定する。
【0011】
(3) PCRによるDNA部分断片のクローニング
決定したアミノ酸配列によりコードされうる塩基配列を割り出し、20塩基程度の長さの数種のDNAプライマーを合成する。DNAプライマーの合成は、市販の自動DNA合成機を用いて行うことができる。(1)で作成したゲノムDNAを鋳型とし、上記合成DNAプライマーを用いて常法によりPCRを行い、目的とする遺伝子の部分断片を増幅し、プラスミドベクターにクローニング後、ジデオキシ法 (Sanger. F, 1981, Science, 214, 1205−1210)等の常法によってその塩基配列を決定する。
【0012】
(4) インバースPCR法による隣接領域のクローニング
上記で塩基配列を決定された領域の隣接領域のクローニングは、例えばインバースPCR法により行う。インバースPCRは、DNAのコア領域の両端に隣接する未知の塩基配列をPCR法を用いて幾何級数的に増幅する方法である。具体的にはコア領域を含むDNAを適当な制限酵素で切断し、PCR増幅に適した大きさの断片としてこの両端をセルフライゲーションして環状とする。その後二つのプライマーをそれぞれ環状分子内のコア領域の両端部分には相補的な配列を持ち、3’末端が未知の隣接領域側に向いているプライマーを用いて未知の隣接領域をPCR法により増幅する。
【0013】
以上のようにして取得される本発明のsomnus由来の外膜主要タンパク質をコードする遺伝子の塩基配列は配列表の配列番号1に示す通りである。配列番号1の塩基配列において、オープンリーディングフレーム(ORF)は、塩基番号254−256の開始コドンATGを有する254番目のヌクレオチドから始まり、塩基番号1393−1395の停止コドンTAAを有する1395番目のヌクレオチドで終了する。
【0014】
本発明のタンパク質は、(a) 配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列からなるタンパク質、又は(b) 配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ反芻獣病原細菌感染に対する防御免疫誘導活性を有するタンパク質である。
本発明のタンパク質のシグナル配列は配列番号2に示すアミノ酸配列の1番目から19番目までの19個のペプチドである。
【0015】
上記の「配列番号2に記載のアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から20個、好ましくは1から10個、より好ましくは1から7個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
【0016】
上記アミノ酸の欠失、置換若しくは付加は、上記タンパク質をコードする遺伝子を、当該技術分野で公知の手法によって改変することによって行うことができる。遺伝子に変異を導入するには、Kunkel法又は Gapped duplex法等の公知手法又はこれに準ずる方法により行うことができ、例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(例えばMutant−K(TAKARA社製)やMutant−G(TAKARA社製))、あるいは、TAKARA社のLA PCR in vitro Mutagenesis シリーズキット等を利用して行うことができる。
【0017】
上記の「反芻獣病原細菌感染に対する防御免疫誘導活性を有する」とは、反芻獣病原細菌による感染から動物を免疫学的に防御するための抗体を生体内で誘導する活性を有することをいい、当該活性が配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質が有する活性と実質的に同等であることをいう。より詳細には、当該活性が同等(例えば、約0.01〜100倍、好ましくは約0.5〜20倍、より好ましくは約0.5〜2倍)である限り、分子量等の量的要素は元のタンパク質と異なっていてもよい。
ここで、反芻獣病原細菌としては、具体的には、反芻動物(ウシ、ヒツジなど)に対して髄膜脳脊髄炎、敗血症、肺炎や生殖器疾患を発症しうるヘモフィルス・ソムナス(Haemophilus somnus)をいう。
【0018】
上記いずれかのタンパク質中の部分アミノ酸配列を含むペプチド(部分ペプチドともいう)も本発明の範囲に含まれる。本発明の部分ペプチドとしては、上記防御免疫誘導活性を発揮すれば如何なるものでもよく、該部分ペプチドを構成するアミノ酸数は、少なくとも10個以上、好ましくは30個以上、より好ましくは80個以上である
【0019】
本発明のタンパク質は、後述のように該タンパク質をコードするDNAを含む形質転換体を培養することによっても製造することができる。
また、前記部分ペプチドは、公知のペプチド合成法又は前記タンパク質を適当なペプチダーゼ(例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ)で切断することによって製造することができる。ペプチド合成法としては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによってもよい。
【0020】
本発明のタンパク質をコードする遺伝子は、上記の本発明のタンパク質をコードする遺伝子であればいかなるものでもよく、具体的には、(a) 配列表の配列番号1に示す塩基配列からなるDNA、(b) 配列表の配列番号1に示す塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ反芻獣病原細菌感染に対する防御免疫誘導活性を有するタンパク質をコードするDNAからなる遺伝子が挙げられる。
【0021】
上記の「配列番号1に示す塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNA」としては、配列番号1で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列からなるDNA等が挙げられる。ここで、ストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が600〜900mMであり、温度が60〜68℃、好ましくは65℃での条件をいう。
【0022】
一旦本発明の遺伝子の塩基配列が確定されると、その後は化学合成によって、又は本発明の遺伝子のcDNAを鋳型としたPCRによって、あるいは該塩基配列の一部を有するDNA断片をプローブとしてハイブリダイズさせることにより、本発明の遺伝子を得ることができる。
【0023】
2.組換えベクター及び形質転換体の作製
(1) 組換えベクターの作製
本発明の組換えベクターは、適当なベクターに本発明の遺伝子を挿入することにより得ることができる。本発明の遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主中で複製可能なものであれば特に限定されず、例えば、プラスミドDNA、ファージDNA等を用いることができる。プラスミド DNAとしては、大腸菌由来のプラスミド(例えばpRSET、pBR322, pBR325, pUC118, pUC119, pUC18, pUC19等)、枯草菌由来のプラスミド(例えばpUB110, pTP5等)、酵母由来のプラスミド(例えばYEp13, YEp24, YCp50等)等が挙げられ、ファージDNAとしてはλファージ(Charon4A、Charon21A、EMBL3、EMBL4、λgt10、λgt11、λZAP等)等が挙げられる。さらに、レトロウイルス又はワクシニアウイルス等の動物ウイルス、バキュロウイルス等の昆虫ウイルスベクターを用いることもできる。
【0024】
ベクターに本発明の遺伝子を挿入するには、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、得られたDNA断片を適当なベクター DNAの制限酵素部位又はマルチクローニングサイトに挿入することにより行う。
本発明の遺伝子は、その遺伝子の機能が発揮されるようにベクターに組み込まれることが必要である。そこで、本発明のベクターには、プロモーター、本発明の遺伝子のほか、所望によりエンハンサーなどのシスエレメント、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、リボソーム結合配列(SD配列)等を組み込むことができる。なお、選択マーカーとしては、例えばジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子等が挙げられる。
【0025】
かかるベクターとしては、宿主細胞が大腸菌である場合は、例えばpETベクター(Novagen社製) 、pTrxFUSベクター(Invitrogen社製) 、pCYBベクター(NEW ENGLAMD Bio Labs社製)等が、宿主細胞が酵母である場合は、例えばpESP−1発現ベクター(STRATAGENE社製) 、pAUR123ベクター(宝酒造社製)、pPICベクター(Invitrogen社製)等が、また宿主細胞が動物細胞である場合は、例えばpMAM−neo発現ベクター (CLONTECH社製) 、pCDNA3.1ベクター(Invitrogen社製) 、pBK−CMVベクター (STRATAGENE社製) 等が、宿主細胞が昆虫細胞である場合は、例えばpBacPAKベクター (CLONTECH社製) 、pAcUW31ベクター(CLONTECH社製) 、pAcP(+)IE1ベクター(Novagen社製) 等がそれぞれ挙げられる。
【0026】
(2) 形質転換体の作製
本発明の形質転換体は、本発明の組換えベクターを、目的遺伝子が発現し得るように宿主中に導入することにより得ることができる。ここで、宿主としては、本発明のDNAを発現できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、大腸菌(Escherichia coli)等のエシェリヒア属、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)等のバチルス属、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)等のシュードモナス属、リゾビウム・メリロティ(Rhizobium meliloti)等のリゾビウム属に属する細菌;サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)等の酵母;サル細胞COS−7、Vero、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)、マウスL細胞、ヒトGH3、ヒトFL細胞等の動物細胞;あるいはSf9、Sf21等の昆虫細胞が挙げられる。
【0027】
大腸菌等の細菌を宿主とする場合は、本発明の組換えベクターが該細菌中で自律複製可能であると同時に、プロモーター、リボゾーム結合配列、本発明の遺伝子、転写終結配列により構成されていることが好ましい。また、プロモーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。
【0028】
大腸菌としては、例えばエッシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12、DH1等が用いられ、枯草菌としては、例えばバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)等が用いられる。プロモーターとしては、大腸菌等の宿主中で発現できるものであればいずれを用いてもよい。例えばtrpプロモーター、lacプロモーター、PLプロモーター、PRプロモーターなどの、大腸菌やファージに由来するプロモーターが挙げられる。細菌への組換えベクターの導入方法としては、細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されず、例えばカルシウムイオンを用いる方法(Cohen, S.N. et al. (1972) Proc. Natl. Acad. Sci., USA 69, 2110−2114)、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
【0029】
酵母を宿主とする場合は、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomycescerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ピヒア・パストリス(Pichia pastoris)等が用いられる。この場合、プロモーターとしては酵母中で発現できるものであれば特に限定されず、例えばgal1プロモーター、gal10プロモーター、ヒートショックタンパク質プロモーター、MFα1プロモーター、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、AOX1プロモーター等が挙げられる。酵母への組換えベクターの導入方法としては、酵母にDNAを導入する方法であれば特に限定されず、例えばエレクトロポレーション法(Becker, D.M. et al. (1990) Methods. Enzymol., 194,182−187)、スフェロプラスト法(Hinnen, A. et al. (1978) Proc. Natl. Acad. Sci.,USA 75, 1929−1933)、酢酸リチウム法(Itoh, H. (1983) J. Bacteriol. 153, 163−168)等が挙げられる。
【0030】
動物細胞を宿主とする場合は、サル細胞COS−7、Vero、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)、マウスL細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞等が用いられる。プロモーターとしてはSRαプロモーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、CMVプロモーター等が用いられ、また、ヒトサイトメガロウイルスの初期遺伝子プロモーター等を用いてもよい。動物細胞への組換えベクターの導入方法としては特に限定されず、例えばエレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等が挙げられる。
【0031】
昆虫細胞を宿主とする場合は、Sf9細胞、Sf21細胞等が用いられる。昆虫細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばリン酸カルシウム法、リポフェクション法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
また、上記の各宿主細胞への遺伝子導入は、組換えベクターによらない方法、例えばパーティクルガン法なども用いることができる。
【0032】
3.遺伝子導入細菌
本発明の遺伝子は、直接又は組換えベクターを介して細菌の染色体DNAに導入し、該染色体DNA内に本発明の遺伝子によって遺伝子置換を起こさせた細菌を作成することができる、ここで、遺伝子を導入する細菌としては、 somnus菌が用いられるが、肺炎菌などであってもよい。複数のMOMP遺伝子の導入によって単一の株から抗原性の違う複数のMOMPを含むワクチン用抗原を調製することも可能である。
【0033】
4.本発明のタンパク質の製造
本発明のタンパク質は、前記形質転換体又は遺伝子導入細菌を培養し、その培養物から採取することにより得ることができる。「培養物」とは、培養上清のほか、培養細胞若しくは培養菌体又は細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。
【0034】
本発明の形質転換体を培地に培養する方法は、その宿主細胞の培養に用いられる通常の方法に従って行うことができる。
大腸菌や酵母菌等の微生物を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源としては、該生物が資化し得るものであればよく、グルコース、フラクトース、スクロース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類が用いられる。窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸若しくは有機酸のアンモニウム塩又はその他の含窒素化合物のほか、ペプトン、肉エキス、コーンスチープリカー等が用いられる。無機塩類としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等が用いられる。
【0035】
培養は、通常、振盪培養又は通気攪拌培養などの好気的条件下、37℃で6〜24時間行う。培養期間中、pHは7.0〜7.5に保持する。pHの調整は、無機又は有機酸、アルカリ溶液等を用いて行う。培養中は必要に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
【0036】
プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養する場合は、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)等を、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはインドール酢酸(IAA)等を培地に添加してもよい。
【0037】
動物細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI1640培地、DMEM培地又はこれらの培地にウシ胎児血清等を添加した培地等が用いられる。培養は、通常、5%CO存在下、37℃で1〜30日行う。培養中は必要に応じてカナマイシン、ペニシリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
【0038】
また、本発明の遺伝子を染色体DNAに導入することによって得られた遺伝子導入細菌の培養に用いられる培地としては、当該菌の培養を効率的に行うことのできる培地であればいずれの培地を用いてもよい。例えば、somnusの場合には当該菌の培養に適したブレインハートインヒュージョンブロス培地やコロンビアブロス培地を基礎培地とし、当該菌の発育を増強することが知られているチアミン誘導体や血清・血液成分等を添加したものを用いることができる。
【0039】
培養後、本発明のタンパク質が菌体内又は細胞内に生産される場合には、菌体又は細胞を破砕することにより該タンパク質を抽出する。また、本発明のタンパク質が菌体外又は細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により菌体又は細胞を除去する。その後、タンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、前記培養物中から本発明のタンパク質を単離精製することができる。
【0040】
5.本発明のタンパク質及び遺伝子の使用
(1)ワクチンの調製
本発明の組換えタンパク質又はその部分ペプチドは、somnus菌感染防御用ワクチンとして用いることができる。
また、本発明の遺伝子又はその断片を適当なプラスミドDNAに組み込んだ組換えDNAもまた、somnus菌感染防御用ワクチン(DNAワクチン)として用いることができる。DNAワクチンとして用いる組換えDNAは、本発明の遺伝子又はその断片に、その転写を可能とする制御領域、例えば動物細胞内での遺伝子発現のための各種プロモーター及びエンハンサーを連結することによって構築される。DNAワクチンは、抗原タンパク質そのものを免疫原とする場合に比較すると、数回の接種で免疫応答が持続すること、プラスミドDNAの精製が簡便で安定あるという点で有利である。
【0041】
本明細書において、「ワクチン」という用語は免疫応答を生じ得る物質を意味し、somnus菌感染予防ワクチン、somnus菌感染による髄膜脳脊髄炎発症の予防ワクチン、並びに髄膜脳脊髄炎の治療ワクチンを含む広い意味で用いられる。
【0042】
ワクチンとして用いられるタンパクは、上述のようにして製造される組換えタンパク質であるが、化学合成したものでもよい。ワクチンとして用いる部分ペプチドは、配列番号2に示すアミノ酸配列を有するタンパク質を適当なタンパク質分解酵素で分解した断片でもよいし、配列番号1に示す塩基配列の一部を発現ベクターに組み込んで発現させた産物でもよい。部分ペプチドの場合、病原菌の感染を防御する抗体(殺菌抗体、オプソニン抗体、定着阻止抗体)が認識するエピトープを含んでいることが必要である。
【0043】
本発明のワクチンは、免疫反応を増強するためのアジュバントや薬学的に許容可能な担体(トランスフェクション試薬など)と一緒に配合して医薬組成物の形態で提供することができる。
アジュバンドとしては、例えばフロイントの完全若しくは不完全アジュバント、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウムなどのアルミニウム化合物、ムラミルペプチド、カリウムミョウバン、サポニン若しくはその誘導体、鉱物油又は植物油等を用いることができる。
薬学的に許容可能な担体とは、生体の細胞中にDNAワクチンをトランスフェクションするのに適したものであり、例えば、リポソーム、金粒子、カチオン性ポリマーなどの公知のトランスフェクション試薬が挙げられる。
【0044】
ワクチン製剤には、更に、リン酸ナトリウム塩、リン酸カリウム塩、水酸化ナトリウム、塩酸等のpH調節剤、硫酸カナマイシン、エリスロマイシン等の抗生物質、乳糖、グルタミン酸カリウム、D−ソルビトール、アミノ酢酸等の安定剤、塩化ナトリウム等の等張化剤などを加えることも可能である。
【0045】
本発明のワクチンは、somuns感染の防御に有効な量、すなわち、該感染に対して動物において免疫を誘導する量を、単回又は反復投与により投与することができる。ワクチンの投与経路としては、皮内、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、経口的又は鼻腔内のいずれであってもよい。また、本発明のワクチンは、他の抗原成分と混合して用いてもよい。
【0046】
ワクチンの投与量、投与回数は対象動物の種類、症状等より異なるが、例えば本発明のタンパク質を体重あたり1μg〜100mg程度を、1週間から数週間に一度の頻度で、数回投与することにより動物に防御免疫を誘導することができる。
【0047】
(2)オリゴヌクレオチドプローブ
上記で決定された配列番号1に示すsomnusのMOMPの塩基配列において、somnus菌株間で高度に保存される領域の部分配列又はその相補配列からなるオリゴヌクレオチドは、somnusのハイブリダイゼーションによる直接検出のためプローブとして用いることができる。上記で決定された配列番号1に示すsomnusのMOMPの塩基配列において、菌株間で異なる領域の部分配列又はその相補配列からなるオリゴヌクレオチドは、somnusの型を判別(タイピング)するためのプローブとして用いることができる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0049】
(実施例1) 主要外膜タンパク質(MOMP)遺伝子のクローニング及び配列決定(1)細菌株及び培養
somnus 8025、 D1238、 NT2301、 2336、540 、649及び 129Ptの7株を用いた。これらの菌株を血液寒天培地又はチアミン及びトリス添加ブレインハートインフュージョンブロス(BHITTブロス)を用いて7%CO存在下で培養した。分子生物学的実験では市販の大腸菌株をルリア−バータニ(LB)培地で培養した。
【0050】
(2)MOMPの内部アミノ酸配列の決定
somnus 8025株の主要外膜タンパク質(MOMP)を、Tagawa et al., Infection and Immunity, 1993, 61,91−96の記載と同様にして得た。簡単に述べると、BHITTブロスで12時間培養した菌体を超音波処理により破砕し、遠心分離して遠心上清を採取した。得られた遠心上清をさらに超遠心分離して沈さを膜画分として回収した。得られた膜画分を2%サルコシル(N−ラウロイルサルコシン・ナトリウム)で可溶化し、超遠心分離により外膜富裕画分を得、これをMOMPの精製出発材料とした。1%ツウィタージェント3−14でMOMPを可溶化したのち、イオン交換クロマトグラフィーとゲル濾過法により精製MOMPを得た。精製MOMPをドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)にかけ、エレクトロトランスファーによりポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜に転写した。
クーマシーブルーで染色し、40 kDaのバンドを切り出し、プロテインシーケンサー ABI Procise 494HTにてアミノ酸配列を決定した。
【0051】
(3)MOMP遺伝子のクローニング
▲1▼ プライマーの設計
プライマーは既に決定されていたN末端アミノ酸配列及び新規に決定した2カ所の内部アミノ酸配列に基づいて設計した。各プライマーの構造及び位置を下記表1に示す。
【0052】
【表1】
Figure 2004222593
【0053】
下線を引いた6塩基はPCR産物のクローニングのための塩基配列を改変。
図3に示したMOMP配列中の塩基配列番号の位置を示す。
図3に示したMOMP配列のさらに5’もしくは3’側の配列内に位置することを示す。
【0054】
▲2▼ コア領域のPCR法による増幅
MOMPの遺伝子領域は3個のDNA断片としてPCR法により増幅し、各々のDNA断片の塩基配列を決定した。これらの配列を解析した結果、MOMP遺伝子をコードするORFを同定した。さらに塩基配列の確認のため、ORFとその上・下流の周辺領域を含むDNA断片を増幅し、塩基配列を決定した。図1に各PCR増幅断片、及びベクターへのクローニングにより得られたクローンを示した。8025株のゲノムDNAをテンプレートとし、プライマーBとE又はプライマーBとG、rTaqポリメラーゼ(TOYOBO)を用いてPCR反応を行い、0.95 kb及び 0.3 kbのPCR産物を得た。これらのPCR産物をpCR2.1−TOPOベクター(Invitrogen)にクローニングし、得られたクローンをそれぞれpSRK4−5及びpSRK7−8とした。
【0055】
▲3▼ 下流域と上流域のPCR法による増幅
次に、pSRK4−5インサートDNAの下流域のPCRによる増幅のため、somnus 8025株のSau3AI完全切断染色体DNAプラスミドライブラリーをテンプレートとして、プライマーCとK、次いでプライマーCとLを用いたネステッドPCRにより0.9 kbのPCR産物を得た。このPCR反応にはKOD−Plus−ポリメラーゼ(TOYOBO)を用いた。この産物を上記と同様にPCRクローニングベクターにクローニングし、得られたクローンをpSRK8−1とした。
さらにpSRK4−5インサートDNAの上流域のPCRによる増幅のためインバースPCRを実施した。まず、インバースPCRに用いる環状化DNAテンプレートの調製に適した制限酵素を決定するため、サザンハイブリダイゼーションによる解析を行った。
pSRK4−5インサートDNA内に1カ所切断部位をもつ制限酵素EcoRI HindIII Sau3AI及びHinfIで8025株のゲノムDNAを切断したのち、アガロースゲル電気泳動もかけ、ナイロンメンブレンにブロッティングした後、ジゴキシゲニン標識DNAプローブにより検出を行った。結果を図2に示した(レーン1: EcoRI切断ゲノムDNA、レーン2: HindIII切断ゲノムDNA、レーン3: Sau3AI切断ゲノムDNA、レーン4:HinfI切断ゲノムDNA)。2 kbのEcoRI切断断片がpSRK4−5インサートDNAの上流域に位置することが確認された。そこで、この2 kbのEcoRI切断断片をインバースPCRのターゲットとして選んだ。8025株のゲノムDNAをEcoRIで完全切断した後、フェノール・クロロホルムによる抽出とエタノール沈殿により精製し、これをDNAライゲーションキットver.1(TaKaRa Biomedicals)を用いて再環状化させた。フェノール・クロロホルムによる抽出とエタノール沈殿により精製したものをテンプレートとして使用した。PCR反応にはKOD−Plus−ポリメラーゼを用いて、プライマーinvAとinvE、次いでプライマーinvBとinvFの組み合わせによるネステッドPCRを実施し、1.6 kbのPCR産物を得た。PCRクローニングベクターへのクローニングを試みたが、安定してプラスミドを維持するクローンを得ることが困難であり、塩基配列決定はPCR産物のダイレクトシーケンシングにより、自動DNAシーケンサー(ジェネティックアナライザー ABI PRISM 3100)を用いて行った。
【0056】
(4)MOMP遺伝子の配列解析
塩基配列の決定の結果を図3に示す。MOMP遺伝子をコードする配列は全長1440bpであり、380個のアミノ酸をコードしていた(配列番号1)。8025株から分離精製されたMOMPのN末端アミノ酸はMOMP遺伝子によりコードされるアミノ酸配列の20番目アミノ酸に相当していること、最初の19残基のアミノ酸配列はシグナルペプチドの特徴をもつことから、成熟タンパク質は361個のアミノ酸からなり、推定質量は39913 Daであることがわかった。
【0057】
(5)somnusの他の菌株のMOMP遺伝子の配列解析
プライマーFW1とRV1、ただし129Pt株にはプライマーExpFW3とExpRV4を用いてMOMP遺伝子をPCR反応により増幅し、塩基配列を決定した。各株の塩基配列及び推定アミノ酸配列の特徴を下記表2に示す。
【0058】
【表2】
Figure 2004222593
【0059】
上記の表中、129Ptの決定塩基数はMOMP遺伝子の内部に相当する897塩基であるが、よく保存された5’及び3’の28塩基及び23塩基を8025株の塩基配列から加えて948塩基として計算を行った。
【0060】
(6)二次構造モデルの作成
各株のMOMPの推定アミノ酸配列について多重配列解析と二次構造解析を実施することにより、βストランド及びループ構造に関するMOMPの二次構造モデルを作成した。結果を図4に示す。図4中、配列中のバーはアライメントにより生じたギャップを示し、空欄は8025株の配列と同じであることを示す。MOMPのβストランド領域(β1からβ16)及びループ構造領域(L1からL8)を配列の上部に示した。各配列の左の記号はsomnusの菌株名又は二次構造が既に報告されているポーリンタンパク質の名称を示す。MOMPは16個のβストランドとこれらを結ぶそれぞれ8個の長いループ構造と短いターン構造で構成されていた。配列上の特徴としてβストランドは菌株間でよく保存されているが、ループ構造は菌株間で配列の著しい違いが認められた。MOMPの抗原性と質量の違いによる型別において8025株と同じMOMPタイプ1に属するD1238株及びNT2301株ではそれぞれループL4で1カ所、L7で1カ所のアミノ酸配列の違いが認められ、同じくタイプ1の2336株ではループL7で6カ所、ループL8で1カ所のアミノ酸配列の違いが認められた。一方、MOMPタイプ3aの129Pt株、MOMPタイプ3cの540株と649株ではMOMP遺伝子の後ろ半分で大きく違いが認められ、特にループ構造内にアミノ酸の置換、欠失、挿入が認められた。このように菌体の表面に露出し、感染宿主で惹起される抗体との反応に関与するMOMP分子のループ構造、特にL4からL8においてアミノ酸配列に違いが生じていることはMOMPを利用するワクチンを設計する上で、重要な知見である。
【0061】
(実施例2)大腸菌でのMOMP遺伝子の発現
(1)発現ベクターへのMOMP遺伝子のクローニング
MOMP遺伝子の大腸菌での発現を試みる場合、注意しなければならないのは発現制御の確かなプロモーターの利用と高度に発現した産物の大腸菌外膜への輸送による毒性発現の制御である。この問題点を解決するためにT7プロモーターをもつ発現ベクターと成熟MOMPに相当するコード領域を利用した。また、全長MOMPの発現の可能性についても検討した。すなわち、8025株のゲノムDNAをテンプレートとし、成熟MOMPの発現用にはプライマーExpFW5とExpRV3、全長MOMP発現用にはプライマーExpFW3とExpRV3をプライマーとして用い、KOD−Plus−ポリメラーゼを用いてPCR反応を行い、それぞれ1.2kbのPCR産物を得た。このPCR産物をNdeI及びXhoIで消化後、DNAフラグメントの精製を行い、pET24(a)+ベクター(Novagen)のNdeI及びXhoIサイトへ結合し、得られた組換えベクターにてE. coli DH5αを形質転換し、目的遺伝子の挿入の確認されたクローンpSRK−18、及びpSRK−12を得た。T7プロモーター及びターミネータープライマーとMOMP遺伝子内部配列に基づくプライマーを用いて塩基配列の決定を行い、このクローンが正しい配列をもつことを確認した。
【0062】
(2)組み換えタンパク質の発現
組み換えMOMPの発現にはcoli BL21 (DE) pLysS Gold (Stratagene) を用いた。発現実験に用いた培地にはカナマイシン(50μg/ml) クロラムフェニコール(34μg/ml)を添加した。pSRK−18プラスミドDNA及びpSRK−12プラスミドDNAをこの宿主大腸菌株にそれぞれ形質転換し、得られた形質転換体のシングルコロニーを10 mlのLBブロスに接種し、培養液のA600が0.4−0.6になるまで、37℃で250rpm振とうしながら培養した。発現誘導にはIPTGを最終濃度1 mMになるように培養液に加え、同じ培養条件でさらに1.5時間、3時間、オーバーナイト培養し、各時間の培養菌を遠心分離によりペレットとして回収し、−20℃で保存した。組み換えMOMPの発現はSDS−PAGEとウェスタンブロットにより解析した。すなわち、組み換えMOMPを含む菌体ペレットをSDSサンプルバッファーに浮遊後、100℃にて5分間煮沸し、遠心分離後の上清をSDS−PAGEに供した。タンパク染色による確認のためにはクーマシーブルーでゲルを染色し、ウェスタンブロットにはゲルを転写バッファー(25 mM トリス192 mMグリシン 20%メタノール 0.02% SDS)中で15分間平衡化したのち、電気ブロッティング装置(ミニトランスブロット;Bio−Rad Laboratories)を用いて100V3時間転写を行った。転写膜をブロックエース(大日本製薬)でブロッキングしたのち、トリス緩衝食塩水(TBS)で1回洗浄し、ウサギ抗精製MOMP免疫血清(1000倍希釈)又は抗MOMPマウスモノクローナル抗体(クローン59−8−2;10000倍希釈)と室温で2時間反応させた。洗浄バッファー(0.05%Tween20添加TBS)で3回膜を洗浄した後、1000倍希釈したHRP標識ヤギ抗ウサギIgG抗体(Cappel)又は同抗マウスIgG+IgM抗体(Jackson Immunoresearch Laboratories)と室温で1時間反応させた。洗浄バッファーで3回、TBSで1回洗浄後、HRP発色用試薬(Bio−Rad Laboratories)を用いてブロット膜を発色させ、蒸留水による洗浄で発色反応を停止させた。図5にSDS−PAGEとウェスタンブロットの結果を示す(レーン1:somnus 8025株、レーン2:pSRK12形質転換BL21(DE3)pLysS(IPTG誘導前)、レーン3:pSRK12形質転換BL21(DE3)pLysS(IPTG誘導3時間後)、レーン4:pSRK18形質転換BL21(DE3)pLysS(IPTG誘導前)、レーン5:pSRK18形質転換BL21(DE3)pLysS(IPTG誘導3時間後)、レーン6:pET24a(+)形質転換BL21(DE3)pLysS(IPTG誘導前)、レーン7:pET24a (+) 形質転換BL21(DE3)pLysS(IPTG誘導3時間後))。図5中、パネルAは10%分離ゲルによるSDS−PAGEのクーマシーブルー染色の結果を示す。パネルBはAと同様のゲルをウェスタンブロットし、ウサギ抗精製MOMP免疫血清と反応させた結果を示し、パネルCは抗MOMPマウスモノクローナル抗体(クローン59−8−2)と反応させた結果を示す。
クーマシーブルー染色ゲルでIPTGによる発現誘導後、40 kDaのバンドが検出された。このバンドはウェスタンブロットにおいてもMOMPに対する特異性をもつ2種類の抗体のいずれとも明瞭な反応を示した。なお、図には示していないが、IPTGによる発現誘導後のオーバーナイトカルチャーにおいても組み換えMOMPが認められ、生菌数の顕著な低下も認められなかったため、pSRK−18及びpSK−12は安定した発現系であることが示された。
【0063】
また、pSRK−12及びpSRK−18から発現させた40kDaのタンパク質についてSDS−PAGEとPVDF膜へのエレクトロトランスファーを行ったのち、40kDaのバンドを切り出し、N末端のアミノ酸配列解析を行ったところ、pSRK−12からの発現タンパク質の配列はTTVYNQNGTKであり、全長MOMPのN末端アミノ酸配列ではなく、成熟MOMPのN末端アミノ酸配列に相当する配列であった。一方、pSRK−18からの発現タンパク質の配列は2種類の配列を含んであり、ひとつはMMKRNILAVIで、大腸菌のOmpF全長タンパク質のN末端アミノ酸と一致し、もうひとつはTTVYNQNGTKで成熟MOMPのN末端アミノ酸配列と一致した。pSRK−18からの発現タンパク質についてSDS−PAGEへのアプライ量を減らして解析したところ、40kDaの位置に極めて近接して2本のバンドが観察されたため、解析用に切り出した40kDaのバンドにはMOMPとともに大腸菌のOmpFが含まれていたと考えられる。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、somnusの主要外膜タンパク質(MOMP)及び該タンパク質をコードする遺伝子が提供される。本発明のMOMP及びそれをコードする遺伝子は、MOMPに対する抗体の調製、ウシやヒツジ等の反芻動物におけるsomnus感染症に対する効果的で安全性の高いワクチンの調製、somnusのハイブリダイゼーションによる直接検出のための、あるいはsomnusの型を判別(タイピング)するためのプローブの調製などに利用できる。MOMP遺伝子は菌株間又はタイプ間で配列の違いが認められるため、複数の抗原性の異なるMOMPを免疫学的予防に使用する必要が生じるが、本発明において複数の株から単離同定された配列の異なるMOMP遺伝子からそれぞれ組み換えMOMPが提供できる。またsomnusへの複数のMOMP遺伝子の導入により単一の株から抗原性の違う複数のMOMPを含むワクチン用抗原を調製することも可能となる。
【0065】
【配列表】
Figure 2004222593
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【図面の簡単な説明】
【図1】図1は8025株のMOMP遺伝子の同定・単離及び発現のために行ったPCRの産物とその産物のプラスミドベクターへのクローニングにより得た組み換えDNAの模式図である。PCRに用いたプライマーを矢印で示した。
【図2】図2はpSRK4−5インサートDNAのジゴキシゲニン標識プローブを用いた8025株のゲノムサザンハイブリダイゼーションの結果である。図の左にDNA サイズマーカーの位置を、図の右に2 kbのDNAフラグメントの位置を示す。
【図3】図3は8025株のMOMP遺伝子とその周辺領域の塩基配列及びコードされるアミノ酸配列である。プロモーター配列(−35及び10)、リボソーム結合サイト(RBS)、開始コドン(start codon)、停止コドン(stop codon)、ターミネーター 配列(inverse repeat)を上線で示した。シグナルペプチド配列(signal peptide)を下線で示した。
【図4】図4はMOMPアミノ酸配列の多重配列解析とMOMPの二次構造予測モデルである。
【図5】図5は大腸菌でのMOMP発現プラスミドpSRK18によるMOMP発現実験の結果である。図の左に質量マーカーの位置を、図の右に40 kDaのMOMPの位置を示す。

Claims (13)

  1. 以下の(a)又は(b)に示すタンパク質。
    (a) 配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列からなるタンパク質
    (b) 配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ反芻獣病原細菌感染に対する防御免疫誘導活性を有するタンパク質
  2. 反芻獣病原細菌がヘモフィルス・ソムナス(Haemophilus somnus)である、請求項1に記載のタンパク質。
  3. 請求項1又は2に記載のタンパク質をコードする遺伝子。
  4. 以下の(a)又は(b)に示すDNAからなる遺伝子。
    (a) 配列表の配列番号1に示す塩基配列からなるDNA
    (b) 配列表の配列番号1に示す塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ反芻獣病原細菌感染に対する防御免疫誘導活性を有するタンパク質をコードするDNA
  5. 反芻獣病原細菌がヘモフィルス・ソムナス(Haemophilus somnus)である、請求項4に記載の遺伝子。
  6. 請求項3から5のいずれかに記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
  7. 請求項3から5のいずれかに記載の遺伝子により形質転換された形質転換体。
  8. 請求項3から5のいずれかに記載の遺伝子を染色体DNAに導入した細菌。
  9. 請求項1に記載のタンパク質の製造方法であって、請求項7に記載の形質転換体又は請求項8に記載の細菌を培地に培養し、得られる培養物から該タンパク質を採取することを含む方法。
  10. 請求項7に記載の形質転換体又は請求項8に記載の細菌を培養することによって得られたタンパク質を含む反芻獣病原細菌感染防御用ワクチン。
  11. 請求項3から5のいずれかに記載の遺伝子を含む反芻獣病原細菌感染防御用ワクチン。
  12. 配列表の配列番号1に示す塩基配列の部分配列又はその相補配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ。
  13. 反芻獣病原細菌に感染したか、感染する可能性のあるヒトを除く動物に、請求項10又は11に記載のワクチンを投与することを含む、反芻獣病原細菌感染の予防方法。
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JP2015519305A (ja) * 2012-04-05 2015-07-09 ベーリンガー インゲルハイム フェトメディカ インコーポレイテッド ヒストフィルス・ソムニの外膜タンパク質とその方法

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