JP2004222051A - 小型自動モーションコントロール撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】携帯性が良く、かつカメラを取り付けて容易にパノラマ撮影が可能となる小型自動モーションコントロール撮影装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも一方向に回転可能に支持されたテーブル１４と、テーブル１４を回転させるための駆動力を発生するサーボモータ１５ａと、サーボモータ１５ａが発生する駆動力をテーブル１４に伝達する駆動力伝達機構とを備え、テーブル１４に固定したデジタルカメラ３１による撮影を行うために、テーブル１４を一方向に回転させながら所定の回転量ごとに停止させることを特徴とする。
【選択図】 図５
【解決手段】少なくとも一方向に回転可能に支持されたテーブル１４と、テーブル１４を回転させるための駆動力を発生するサーボモータ１５ａと、サーボモータ１５ａが発生する駆動力をテーブル１４に伝達する駆動力伝達機構とを備え、テーブル１４に固定したデジタルカメラ３１による撮影を行うために、テーブル１４を一方向に回転させながら所定の回転量ごとに停止させることを特徴とする。
【選択図】 図５
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パノラマ写真を撮影するためにカメラを支持して回転させる小型自動モーションコントロール撮影装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
広い視野を撮影した写真、いわゆるパノラマ写真を撮影するには、視野が展開する方向にカメラを回転させながら連続的に複数枚の写真を撮り、これらの写真を繋ぎ合わせて作られる。
【０００３】
公知文献には、三脚に回転自在に取り付けられたカメラと、カメラから出力される画像データを処理するコンピュータと、コンピュータにより処理された画像に基づいてパノラマ画像を表示するＣＲＴと、パノラマ画像のハードコピーを出力するプリンタと、コンピュータにより処理されたパノラマ画像の画像データを磁気記録媒体に記録するディスクドライバとを有し、カメラを３６０°自由に回転させて被写体を撮影する小型自動モーションコントロール撮影装置が記載されている。この小型自動モーションコントロール撮影装置は、カメラをコンピュータその他の機器に接続して使用するようになっており、携帯して気軽に撮影を行うという思想に基づいて考案されたものではない（特許文献１参照）。
【０００４】
【特許文献１】
特開平６−１８９１８０号公報（第３−５頁、第１図参照）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
近年、デジタルカメラの普及により、デジタル画像をパソコン上で加工して簡単にパノラマ写真を製作できるようになっている。しかしながら、パノラマ写真のもとになるべき連続した複数枚の写真を簡単、かつ正確に撮影することは非常に難しく、また、その作業を代替する機器も存在しなかった。
【０００６】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、携帯性が良く、かつカメラを取り付けて容易にパノラマ撮影が可能となる小型自動モーションコントロール撮影装置を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
請求項１に係る発明は、少なくとも一方向に回転可能に支持されたカメラ固定手段と、該カメラ固定手段を回転させるための駆動力を発生するサーボモータと、該サーボモータが発生する駆動力を前記カメラ固定手段に伝達する駆動力伝達機構とを備え、前記カメラ固定手段に固定したカメラによる撮影を行うために、前記カメラ固定手段を一方向に回転させながら所定の回転量ごとに停止させることを特徴とする。
【０００８】
請求項２に係る発明は、請求項１記載の小型自動モーションコントロール撮影装置であって、前記駆動力伝達機構にタイミングベルトを組み合わせたことを特徴とする。
【０００９】
請求項３に係る発明は、回転可能に支持されたカメラ固定手段と、該カメラ固定手段を回転させるための駆動力を発生するサーボモータとを備え、前記サーボモータへの電源投入時、該サーボモータの駆動軸に設けた回転量検出手段の検出結果に基づいて前記駆動軸の基準位置からの回転方向および回転量を検出し、検出された回転方向および回転量に基づいて前記駆動軸を基準位置に戻すべく前記駆動軸を回転させる制御部を備えることを特徴とする。
【００１０】
この発明においては、カメラを固定したカメラ固定手段を一方向に回転させながら所定の回転量ごとに停止させ、各停止時にカメラによる撮影を行うことにより、パノラマ写真のもとになるべき連続した複数枚の写真を、人手によらず自動的に撮影できる。この小型自動モーションコントロール撮影装置を三脚等に固定して撮影された写真は、いずれも視野が展開する方向に等間隔に離間した映像となり、しかも上下のぶれがなく、パノラマ写真に加工したときの仕上がりも美しい。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
小型自動モーションコントロール撮影装置１０は、図１に示すように、本体１１が略直方体の形状をなし、その前面及び側面には、着脱が可能なカバー１２が取り付けられている。また、図２に示すように、本体１１の底部、中央部、及び上部には、それぞれ略矩形の形状とされた底部板１１ａ、中央部板１１ｂ、上部板１１ｃが配置されている。また、底部板１１ａと中央部板１１ｂとの間には、その底部板１１ａに立設して中央部板１１ｂを支持する複数の支柱１１ｄが配置され、中央部板１１ｂと上部板１１ｃとの間には、その中央部板１１ｂに立設して上部板１１ｃを支持する複数の支柱１１ｅが配置されている。
【００１２】
図３に示すように、本体１１の背面には、電源として外付けのバッテリ３０、例えばリチウムイオンバッテリが着脱可能となるように構成された壁部１３が形成されている。このバッテリ３０は、壁部１３に対して図４のように装着される。
ここで、バッテリ３０を含まない本体１１の概略外形寸法は、幅７０ｍｍ、高さ５８ｍｍ、長さ５８ｍｍである。
【００１３】
本体１１の上部には、パノラマ撮影を行うためのデジタルカメラ３１を固定するテーブル（カメラ固定手段）１４が設けられている。テーブル１４は、中央部板１１ｂに下端を、上部板１１ｃに中間部をそれぞれ回転自在に支持され、上端を上部板１１ｃから突き出した回転軸１８の上端に固定されている。テーブル１４は上面が平坦な板状で、厚さ方向に貫通孔が形成されており、この貫通孔にボルトを通してデジタルカメラ３１下面の三脚固定用のネジ孔に螺着することによりデジタルカメラ３１を固定できるようになっている。
【００１４】
また、中央部板１１ｂには、回転軸１８をテーブル１４ごと回転させるための駆動力を発生するサーボモータ１５ａを内蔵するサーボモータユニット１５が取り付けられている。サーボモータユニット１５には、図５に示すように、サーボモータ１５ａの他に、サーボモータ１５ａの出力軸１５ｂの回転を減速してトルクを増幅させる歯車機構１５ｃと、歯車機構１５ｃによってトルクを増幅された出力軸１５ｂの回転を取り出す駆動軸１５ｄと、出力軸１５ｂの基準位置からの回転方向および回転量を検出するポテンショメータ（回転量検出手段）１５ｅが設けられている。
【００１５】
サーボモータユニット１５の駆動軸１５ｄには駆動ベルト車１７が取り付けられ、回転軸１８には従動ベルト車１８ａが取り付けられ、駆動ベルト車１７と従動ベルト車１８ａとの間には歯付きのタイミングベルト１９が掛けられている。駆動ベルト車１７と従動ベルト車１８ａとの回転比は１：２に設定されており、駆動軸１５ｄの回転量が倍化されて回転軸１８に伝達されるようになっている（ここでは、歯車機構１５ｃと、駆動軸１５ｄと、駆動ベルト車１７および従動ベルト車１８ａ間に掛けられたタイミングベルト１９とが、サーボモータ１５ａの駆動力をテーブル１４に伝達する駆動力伝達機構を構成している）。
【００１６】
また、本体１１の内部には、サーボモータ１５ａを制御するとともにデジタルカメラ３１のシャッタ機構３１ａを作動させる制御部２０が設けられており、カバー１２の前面には、サーボモータ１５ａおよび制御部２０への電源投入、ならびに撮影動作のパターンを選択するための入力部１６が設けられている。入力部１６は、３個のボタン１２ａ、１２ｂ、１２ｃからなり、各ボタン１２ａ、１２ｂ、１２ｃの上部には、電源投入時に点灯するランプ１２ｄが配置されている。
【００１７】
制御部２０は、入力部１６の各ボタン１２ａ、１２ｂ、１２ｃ、サーボモータ１５ａ、ポテンショメータ１５ｅのそれぞれに接続されている。また、制御部２０は、デジタルカメラ３１のシャッタ機構３１ａに接続されており、シャッタ機構３１ａに対して電気信号を送出することでシャッタ機構３１ａを作動させるようになっている。
【００１８】
次に、上記のように構成された小型自動モーションコントロール撮影装置１０による撮影の仕方について説明する。
まず、図３に示すように、本体１１にバッテリ３０を矢印の方向に装着し、小型自動モーションコントロール撮影装置１０の電源を確保する。なお、本実施の形態においてはバッテリ３０によって電源を確保しているが、バッテリ３０に限らず、例えば、屋内に小型自動モーションコントロール撮影装置１０を固定する場合には、ＡＣアダプタを接続することによって電源を確保してもよい。
【００１９】
電源を確保した後、ボタン１２ａを押して電源を投入する。電源を投入すると、ランプ１２ｄが点灯するとともに、ポテンショメータ１５ｅが出力軸１５ｂの基準位置からの回転方向および回転量を検出し、出力軸１５ｂの基準位置からのズレに相当する検出結果を制御部２０に送出する。制御部２０は、ポテンショメータ１５ｅの検出結果に基づき、出力軸１５ｂを基準位置に戻すべくサーボモータ１５ａを駆動する。サーボモータ１５ａが駆動されると、デジタルカメラ３１を載せたテーブル１４が回転し、デジタルカメラ３１の前面を小型自動モーションコントロール撮影装置１０の本体１１前面に一致させる（この位置をデジタルカメラ３１の初期位置とする）。
【００２０】
次に、デジタルカメラ３１の各撮影ショット間の回転量を設定する。本実施の形態においては、各撮影ショット間の回転量が３０°に初期設定されているので、その回転量を２０°に変更する場合は、ボタン１２ａ、１２ｃを同時に押下する。また、フラッシュ撮影を行う際には、ボタン１２ａ、１２ｂを同時に押下する。
続いて、パノラマ写真の展開角度を設定する。本実施の形態においては、ボタン１２ａを押下すると展開角度が６０°に、ボタン１２ｂを押下すると１８０°に、ボタン１２ｃを押下すると３６０°に設定される。
【００２１】
上記のように３つのボタン１２ａ、１２ｂ、１２ｃを操作すると、制御部２０に所望の撮影動作のパターンが入力される。さらに、パノラマ写真の展開角度を設定するために３つのボタン１２ａ、１２ｂ、１２ｃのいずれかを押下することを契機としてパノラマ撮影が開始される。以下では、各撮影ショット間の回転量を３０°、展開角度を３６０°に設定した場合について説明する。
【００２２】
パノラマ撮影の開始が指示されると、制御部２０は、サーボモータ１５ａを駆動してデジタルカメラ３１を初期位置から左方向に９０°回転させて停止させ、デジタルカメラ３１のシャッタ機構３１ａを作動させて１枚目の写真を撮影する。サーボモータ１５ａが駆動されると、出力軸１５ｂの回転が歯車機構１５ｃを介して駆動軸１５ｄに伝達され、駆動軸１５ｄの回転が駆動ベルト車１７、タイミングベルト１９、従動ベルト車１８ａを介して回転軸１８に伝達され、デジタルカメラ３１を載せたテーブル１４が回転する。サーボモータユニット１５の内部では、ポテンショメータ１５ｅによって出力軸１５ｂの回転量が常時検出されており、出力軸１５ｂがテーブル１４を９０°回転させるのに見合う回転量だけ回転したら、その位置で出力軸１５ｂを停止させる。
【００２３】
次に、制御部２０は、サーボモータ１５ａを駆動してデジタルカメラ３１を右方向に３０°回転させて停止させ、デジタルカメラ３１のシャッタ３１ａを作動させて２枚目の写真を撮影する。以降はこの動作を繰り返して３枚目、４枚目、・・・と写真を撮影する。デジタルカメラ３１が初期位置から右方向に２４０°回転させて１２枚目の写真を撮影したら、制御部２０は、サーボモータ１５ａを駆動してデジタルカメラ３１を左方向に２４０°回転させ、初期位置に戻して停止させる。
撮影を終えたら、デジタルカメラ３１に内蔵されたメモリから画像データをパソコンに移植し、専用のソフトウェアを使ってパノラマ写真に加工する。
【００２４】
上記のように構成された小型自動モーションコントロール撮影装置１０においては、体積が小さく重量が軽いうえ、低消費電力で大きなトルクを発生させる小型のサーボモータ１５ａを内蔵したサーボモータユニット１５を使用することにより、装置自体が小型で軽量に仕上げられている。
【００２５】
また、写真撮影の過程でテーブル１４を一方向に回転させることにより、サーボモータユニット１５の歯車機構１５ｃが内包する問題、すなわちバックラッシに起因する回転量のブレを回避することができ、これによって撮影された写真はいずれも視野が展開する方向に等間隔に離間した映像となる。さらに、駆動力伝達機構に歯付きのタイミングベルト１９を有するベルト伝達機構を組み合わせたことにより、駆動力がロスなく伝達されるので、これによっても回転量のブレを回避することができる。
【００２６】
また、電源断時に例えば外力が作用することによってテーブル１４が回転し、デジタルカメラ３１が初期位置になくても、電源投入時にサーボモータが駆動してデジタルカメラ３１を初期位置に復帰させるので、写真撮影のアングルを決定し易くなる。
【００２７】
上記のように構成された小型自動モーションコントロール撮影装置１０によれば、パノラマ写真のもとになるべき連続した複数枚の写真を、人手によらず自動的に撮影できる。この小型自動モーションコントロール撮影装置を三脚等に固定して撮影された写真は、いずれも視野が展開する方向に等間隔に離間した映像となり、しかも上下のぶれがなく、パノラマ写真に加工したときの仕上がりも美しい。
【００２８】
なお、本実施の形態においては、カバー１２に配置されたボタン１２ａ、１２ｂ、１２ｃおよびランプ１２ｄが本体１１の正面に配置され、壁部１３およびその壁部１３に取り付けられたバッテリ３０が本体１１の背面に配置されているが、それぞれが反対の位置となる構成、すなわち、カバー１２に配置されたボタン１２ａ、１２ｂ、１２ｃおよびランプ１２ｄが本体１１の背面に配置され、壁部１３およびその壁部１３に取り付けられたバッテリ３０が本体１１の正面に配置されてもよい。
この場合、デジタルカメラ３１の背面から撮影者がパノラマ撮影を行おうとする被写体を直接視認しながら回転量および回転角度の設定が可能であるという利点がある。
【００２９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、携帯性が良く、かつカメラを取り付けて容易にパノラマ撮影が可能となる小型自動モーションコントロール撮影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明における実施の形態に係る小型自動モーションコントロール撮影装置の正面から見た斜視図である。
【図２】この発明における実施の形態に係る小型自動モーションコントロール撮影装置の一部の内部構造の斜視図である。
【図３】この発明における実施の形態に係る小型自動モーションコントロール撮影装置の背面から見た斜視図である。
【図４】この発明における実施の形態に係る小型自動モーションコントロール撮影装置の背面から見た斜視図である。
【図５】この発明における実施の形態に係る小型自動モーションコントロール撮影装置の制御あるいは駆動を示すブロック図である。
【符号の説明】
１０ 小型自動モーションコントロール撮影装置
１４ テーブル（カメラ固定手段）
１５ サーボモータユニット
１５ａ サーボモータ
１５ｄ 駆動軸
１５ｅ ポテンショメータ（回転量検出手段）
１７ 駆動ベルト車
１８ 回転軸
１８ａ 従動ベルト車
１９ タイミングベルト
２０ 制御部
３１ デジタルカメラ
３１ａ シャッタ機構
【発明の属する技術分野】
この発明は、パノラマ写真を撮影するためにカメラを支持して回転させる小型自動モーションコントロール撮影装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
広い視野を撮影した写真、いわゆるパノラマ写真を撮影するには、視野が展開する方向にカメラを回転させながら連続的に複数枚の写真を撮り、これらの写真を繋ぎ合わせて作られる。
【０００３】
公知文献には、三脚に回転自在に取り付けられたカメラと、カメラから出力される画像データを処理するコンピュータと、コンピュータにより処理された画像に基づいてパノラマ画像を表示するＣＲＴと、パノラマ画像のハードコピーを出力するプリンタと、コンピュータにより処理されたパノラマ画像の画像データを磁気記録媒体に記録するディスクドライバとを有し、カメラを３６０°自由に回転させて被写体を撮影する小型自動モーションコントロール撮影装置が記載されている。この小型自動モーションコントロール撮影装置は、カメラをコンピュータその他の機器に接続して使用するようになっており、携帯して気軽に撮影を行うという思想に基づいて考案されたものではない（特許文献１参照）。
【０００４】
【特許文献１】
特開平６−１８９１８０号公報（第３−５頁、第１図参照）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
近年、デジタルカメラの普及により、デジタル画像をパソコン上で加工して簡単にパノラマ写真を製作できるようになっている。しかしながら、パノラマ写真のもとになるべき連続した複数枚の写真を簡単、かつ正確に撮影することは非常に難しく、また、その作業を代替する機器も存在しなかった。
【０００６】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、携帯性が良く、かつカメラを取り付けて容易にパノラマ撮影が可能となる小型自動モーションコントロール撮影装置を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
請求項１に係る発明は、少なくとも一方向に回転可能に支持されたカメラ固定手段と、該カメラ固定手段を回転させるための駆動力を発生するサーボモータと、該サーボモータが発生する駆動力を前記カメラ固定手段に伝達する駆動力伝達機構とを備え、前記カメラ固定手段に固定したカメラによる撮影を行うために、前記カメラ固定手段を一方向に回転させながら所定の回転量ごとに停止させることを特徴とする。
【０００８】
請求項２に係る発明は、請求項１記載の小型自動モーションコントロール撮影装置であって、前記駆動力伝達機構にタイミングベルトを組み合わせたことを特徴とする。
【０００９】
請求項３に係る発明は、回転可能に支持されたカメラ固定手段と、該カメラ固定手段を回転させるための駆動力を発生するサーボモータとを備え、前記サーボモータへの電源投入時、該サーボモータの駆動軸に設けた回転量検出手段の検出結果に基づいて前記駆動軸の基準位置からの回転方向および回転量を検出し、検出された回転方向および回転量に基づいて前記駆動軸を基準位置に戻すべく前記駆動軸を回転させる制御部を備えることを特徴とする。
【００１０】
この発明においては、カメラを固定したカメラ固定手段を一方向に回転させながら所定の回転量ごとに停止させ、各停止時にカメラによる撮影を行うことにより、パノラマ写真のもとになるべき連続した複数枚の写真を、人手によらず自動的に撮影できる。この小型自動モーションコントロール撮影装置を三脚等に固定して撮影された写真は、いずれも視野が展開する方向に等間隔に離間した映像となり、しかも上下のぶれがなく、パノラマ写真に加工したときの仕上がりも美しい。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
小型自動モーションコントロール撮影装置１０は、図１に示すように、本体１１が略直方体の形状をなし、その前面及び側面には、着脱が可能なカバー１２が取り付けられている。また、図２に示すように、本体１１の底部、中央部、及び上部には、それぞれ略矩形の形状とされた底部板１１ａ、中央部板１１ｂ、上部板１１ｃが配置されている。また、底部板１１ａと中央部板１１ｂとの間には、その底部板１１ａに立設して中央部板１１ｂを支持する複数の支柱１１ｄが配置され、中央部板１１ｂと上部板１１ｃとの間には、その中央部板１１ｂに立設して上部板１１ｃを支持する複数の支柱１１ｅが配置されている。
【００１２】
図３に示すように、本体１１の背面には、電源として外付けのバッテリ３０、例えばリチウムイオンバッテリが着脱可能となるように構成された壁部１３が形成されている。このバッテリ３０は、壁部１３に対して図４のように装着される。
ここで、バッテリ３０を含まない本体１１の概略外形寸法は、幅７０ｍｍ、高さ５８ｍｍ、長さ５８ｍｍである。
【００１３】
本体１１の上部には、パノラマ撮影を行うためのデジタルカメラ３１を固定するテーブル（カメラ固定手段）１４が設けられている。テーブル１４は、中央部板１１ｂに下端を、上部板１１ｃに中間部をそれぞれ回転自在に支持され、上端を上部板１１ｃから突き出した回転軸１８の上端に固定されている。テーブル１４は上面が平坦な板状で、厚さ方向に貫通孔が形成されており、この貫通孔にボルトを通してデジタルカメラ３１下面の三脚固定用のネジ孔に螺着することによりデジタルカメラ３１を固定できるようになっている。
【００１４】
また、中央部板１１ｂには、回転軸１８をテーブル１４ごと回転させるための駆動力を発生するサーボモータ１５ａを内蔵するサーボモータユニット１５が取り付けられている。サーボモータユニット１５には、図５に示すように、サーボモータ１５ａの他に、サーボモータ１５ａの出力軸１５ｂの回転を減速してトルクを増幅させる歯車機構１５ｃと、歯車機構１５ｃによってトルクを増幅された出力軸１５ｂの回転を取り出す駆動軸１５ｄと、出力軸１５ｂの基準位置からの回転方向および回転量を検出するポテンショメータ（回転量検出手段）１５ｅが設けられている。
【００１５】
サーボモータユニット１５の駆動軸１５ｄには駆動ベルト車１７が取り付けられ、回転軸１８には従動ベルト車１８ａが取り付けられ、駆動ベルト車１７と従動ベルト車１８ａとの間には歯付きのタイミングベルト１９が掛けられている。駆動ベルト車１７と従動ベルト車１８ａとの回転比は１：２に設定されており、駆動軸１５ｄの回転量が倍化されて回転軸１８に伝達されるようになっている（ここでは、歯車機構１５ｃと、駆動軸１５ｄと、駆動ベルト車１７および従動ベルト車１８ａ間に掛けられたタイミングベルト１９とが、サーボモータ１５ａの駆動力をテーブル１４に伝達する駆動力伝達機構を構成している）。
【００１６】
また、本体１１の内部には、サーボモータ１５ａを制御するとともにデジタルカメラ３１のシャッタ機構３１ａを作動させる制御部２０が設けられており、カバー１２の前面には、サーボモータ１５ａおよび制御部２０への電源投入、ならびに撮影動作のパターンを選択するための入力部１６が設けられている。入力部１６は、３個のボタン１２ａ、１２ｂ、１２ｃからなり、各ボタン１２ａ、１２ｂ、１２ｃの上部には、電源投入時に点灯するランプ１２ｄが配置されている。
【００１７】
制御部２０は、入力部１６の各ボタン１２ａ、１２ｂ、１２ｃ、サーボモータ１５ａ、ポテンショメータ１５ｅのそれぞれに接続されている。また、制御部２０は、デジタルカメラ３１のシャッタ機構３１ａに接続されており、シャッタ機構３１ａに対して電気信号を送出することでシャッタ機構３１ａを作動させるようになっている。
【００１８】
次に、上記のように構成された小型自動モーションコントロール撮影装置１０による撮影の仕方について説明する。
まず、図３に示すように、本体１１にバッテリ３０を矢印の方向に装着し、小型自動モーションコントロール撮影装置１０の電源を確保する。なお、本実施の形態においてはバッテリ３０によって電源を確保しているが、バッテリ３０に限らず、例えば、屋内に小型自動モーションコントロール撮影装置１０を固定する場合には、ＡＣアダプタを接続することによって電源を確保してもよい。
【００１９】
電源を確保した後、ボタン１２ａを押して電源を投入する。電源を投入すると、ランプ１２ｄが点灯するとともに、ポテンショメータ１５ｅが出力軸１５ｂの基準位置からの回転方向および回転量を検出し、出力軸１５ｂの基準位置からのズレに相当する検出結果を制御部２０に送出する。制御部２０は、ポテンショメータ１５ｅの検出結果に基づき、出力軸１５ｂを基準位置に戻すべくサーボモータ１５ａを駆動する。サーボモータ１５ａが駆動されると、デジタルカメラ３１を載せたテーブル１４が回転し、デジタルカメラ３１の前面を小型自動モーションコントロール撮影装置１０の本体１１前面に一致させる（この位置をデジタルカメラ３１の初期位置とする）。
【００２０】
次に、デジタルカメラ３１の各撮影ショット間の回転量を設定する。本実施の形態においては、各撮影ショット間の回転量が３０°に初期設定されているので、その回転量を２０°に変更する場合は、ボタン１２ａ、１２ｃを同時に押下する。また、フラッシュ撮影を行う際には、ボタン１２ａ、１２ｂを同時に押下する。
続いて、パノラマ写真の展開角度を設定する。本実施の形態においては、ボタン１２ａを押下すると展開角度が６０°に、ボタン１２ｂを押下すると１８０°に、ボタン１２ｃを押下すると３６０°に設定される。
【００２１】
上記のように３つのボタン１２ａ、１２ｂ、１２ｃを操作すると、制御部２０に所望の撮影動作のパターンが入力される。さらに、パノラマ写真の展開角度を設定するために３つのボタン１２ａ、１２ｂ、１２ｃのいずれかを押下することを契機としてパノラマ撮影が開始される。以下では、各撮影ショット間の回転量を３０°、展開角度を３６０°に設定した場合について説明する。
【００２２】
パノラマ撮影の開始が指示されると、制御部２０は、サーボモータ１５ａを駆動してデジタルカメラ３１を初期位置から左方向に９０°回転させて停止させ、デジタルカメラ３１のシャッタ機構３１ａを作動させて１枚目の写真を撮影する。サーボモータ１５ａが駆動されると、出力軸１５ｂの回転が歯車機構１５ｃを介して駆動軸１５ｄに伝達され、駆動軸１５ｄの回転が駆動ベルト車１７、タイミングベルト１９、従動ベルト車１８ａを介して回転軸１８に伝達され、デジタルカメラ３１を載せたテーブル１４が回転する。サーボモータユニット１５の内部では、ポテンショメータ１５ｅによって出力軸１５ｂの回転量が常時検出されており、出力軸１５ｂがテーブル１４を９０°回転させるのに見合う回転量だけ回転したら、その位置で出力軸１５ｂを停止させる。
【００２３】
次に、制御部２０は、サーボモータ１５ａを駆動してデジタルカメラ３１を右方向に３０°回転させて停止させ、デジタルカメラ３１のシャッタ３１ａを作動させて２枚目の写真を撮影する。以降はこの動作を繰り返して３枚目、４枚目、・・・と写真を撮影する。デジタルカメラ３１が初期位置から右方向に２４０°回転させて１２枚目の写真を撮影したら、制御部２０は、サーボモータ１５ａを駆動してデジタルカメラ３１を左方向に２４０°回転させ、初期位置に戻して停止させる。
撮影を終えたら、デジタルカメラ３１に内蔵されたメモリから画像データをパソコンに移植し、専用のソフトウェアを使ってパノラマ写真に加工する。
【００２４】
上記のように構成された小型自動モーションコントロール撮影装置１０においては、体積が小さく重量が軽いうえ、低消費電力で大きなトルクを発生させる小型のサーボモータ１５ａを内蔵したサーボモータユニット１５を使用することにより、装置自体が小型で軽量に仕上げられている。
【００２５】
また、写真撮影の過程でテーブル１４を一方向に回転させることにより、サーボモータユニット１５の歯車機構１５ｃが内包する問題、すなわちバックラッシに起因する回転量のブレを回避することができ、これによって撮影された写真はいずれも視野が展開する方向に等間隔に離間した映像となる。さらに、駆動力伝達機構に歯付きのタイミングベルト１９を有するベルト伝達機構を組み合わせたことにより、駆動力がロスなく伝達されるので、これによっても回転量のブレを回避することができる。
【００２６】
また、電源断時に例えば外力が作用することによってテーブル１４が回転し、デジタルカメラ３１が初期位置になくても、電源投入時にサーボモータが駆動してデジタルカメラ３１を初期位置に復帰させるので、写真撮影のアングルを決定し易くなる。
【００２７】
上記のように構成された小型自動モーションコントロール撮影装置１０によれば、パノラマ写真のもとになるべき連続した複数枚の写真を、人手によらず自動的に撮影できる。この小型自動モーションコントロール撮影装置を三脚等に固定して撮影された写真は、いずれも視野が展開する方向に等間隔に離間した映像となり、しかも上下のぶれがなく、パノラマ写真に加工したときの仕上がりも美しい。
【００２８】
なお、本実施の形態においては、カバー１２に配置されたボタン１２ａ、１２ｂ、１２ｃおよびランプ１２ｄが本体１１の正面に配置され、壁部１３およびその壁部１３に取り付けられたバッテリ３０が本体１１の背面に配置されているが、それぞれが反対の位置となる構成、すなわち、カバー１２に配置されたボタン１２ａ、１２ｂ、１２ｃおよびランプ１２ｄが本体１１の背面に配置され、壁部１３およびその壁部１３に取り付けられたバッテリ３０が本体１１の正面に配置されてもよい。
この場合、デジタルカメラ３１の背面から撮影者がパノラマ撮影を行おうとする被写体を直接視認しながら回転量および回転角度の設定が可能であるという利点がある。
【００２９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、携帯性が良く、かつカメラを取り付けて容易にパノラマ撮影が可能となる小型自動モーションコントロール撮影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明における実施の形態に係る小型自動モーションコントロール撮影装置の正面から見た斜視図である。
【図２】この発明における実施の形態に係る小型自動モーションコントロール撮影装置の一部の内部構造の斜視図である。
【図３】この発明における実施の形態に係る小型自動モーションコントロール撮影装置の背面から見た斜視図である。
【図４】この発明における実施の形態に係る小型自動モーションコントロール撮影装置の背面から見た斜視図である。
【図５】この発明における実施の形態に係る小型自動モーションコントロール撮影装置の制御あるいは駆動を示すブロック図である。
【符号の説明】
１０ 小型自動モーションコントロール撮影装置
１４ テーブル（カメラ固定手段）
１５ サーボモータユニット
１５ａ サーボモータ
１５ｄ 駆動軸
１５ｅ ポテンショメータ（回転量検出手段）
１７ 駆動ベルト車
１８ 回転軸
１８ａ 従動ベルト車
１９ タイミングベルト
２０ 制御部
３１ デジタルカメラ
３１ａ シャッタ機構
Claims (3)
- 少なくとも一方向に回転可能に支持されたカメラ固定手段と、該カメラ固定手段を回転させるための駆動力を発生するサーボモータと、該サーボモータが発生する駆動力を前記カメラ固定手段に伝達する駆動力伝達機構とを備え、
前記カメラ固定手段に固定したカメラによる撮影を行うために、前記カメラ固定手段を一方向に回転させながら所定の回転量ごとに停止させることを特徴とする小型自動モーションコントロール撮影装置。 - 前記駆動力伝達機構にタイミングベルトを組み合わせたことを特徴とする請求項１記載の小型自動モーションコントロール撮影装置。
- 回転可能に支持されたカメラ固定手段と、該カメラ固定手段を回転させるための駆動力を発生するサーボモータとを備え、
前記サーボモータへの電源投入時、該サーボモータの駆動軸に設けた回転量検出手段の検出結果に基づいて前記駆動軸の基準位置からの回転方向および回転量を検出し、検出された回転方向および回転量に基づいて前記駆動軸を基準位置に戻すべく前記駆動軸を回転させる制御部を備えることを特徴とする小型自動モーションコントロール撮影装置。
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