JP2004219859A - ヘッドアップディスプレイ方式 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表示する画像の実像を生成する手段1と、該実像を、ドライバ視点に効率良く、光線を収束する機能を有する積層表示部3と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用ヘッドアップディスプレイ方式、特に昼間での使用に耐える、フルカラー高輝度ヘッドアップディスプレイ装置の方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高輝度のヘッドアップディスプレイ表示を得るために、例えば車両用ヘッドアップディスプレイが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平05−131866号公報(第2頁、図1)
【0004】
上記文献は液晶ディスプレイの前面側に、該ディスプレイからの入射光の角度をブルースタ角で反射するようにコンバイナガラスを対設したものであるが、高輝度のヘッドアップディスプレイ表示を得るためにはコンバイナガラスに偏光板機能を持たせるか、コンバイナガラスの反射率を上げる必要があった。
【0005】
しかし、上記構成の装置では、コンバイナガラスの透過率を高く保ったまま、偏光機能を実現する材料は、コストが高くなり現実的でない。一方、偏光機能を用いずに、コンバイナガラスの反射率を上げると、透過率が減少し運転席から前景が見え難くなる。また、道路交通法法規で決められているフロントガラスの透過率70%以上の条件を満足出来なくなるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、昼間でも視認可能な高輝度のヘッドアップディスプレイ表示を得ることができ、低コストでフルカラー表示を実現できるヘッドアップディスプレイ方式を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車両用ヘッドアップディスプレイ方式であって、表示する画像の実像を生成する手段と、該実像を、ドライバ視点に効率良く、光線を収束する機能を有する積層表示部と、を有することを特徴とする。請求項2に記載の発明は、請求項1において、積層表示部は、光軸の角度を屈折率や入射角度に合せた構造とした改良型の平面プリズムを有することを特徴とする。請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、光線遮蔽の含有物を規則的に包含するコンバイナを有することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施の形態を示す断面図であって、ダッシュボード8の内部に、画像発生部1、反射板2を内蔵し、ダッシュボード8の上部に開口部を設け、そこに積層表示部3をはめ込む構造とする。画像発生部1から照射された光が反射板2で上方に反射され実像を結ぶ位置に、積層表示部3を設置する。実像を結んだ光が更に、積層表示部3を透過し、フロントガラス6に密着させた半透明なコンバイナ5で反射し、視点7に到達するように、コンバイナ5の位置とサイズは決定される。ここで、視点7は、運転席に平均的体型のドライバが着座した時の目の位置とする。
【0009】
画像発生部1は、内部に水銀灯などの高輝度な光源11、フルカラー表示が可能な画像表示素子12、レンズ13を持ち、レンズ13は、積層表示部3に実像を結ぶように調節される。画像表示素子12には、画像情報生成部91が接続される。また、ダッシュボード8の上部には遮蔽部9を設ける。電源部92は、電源制御部93を経由して画像情報生成部91、画像発生部1に接続される。
【0010】
図2は、積層表示部3の説明図である。積層表示部3は、複数の積層機能から構成される。各層は、それぞれこの発明を実現するために必要とされる機能を分担し、透明あるいは半透明の処理されたガラス或いはプラスチック製構造物である。
【0011】
図3は、コンバイナ5の構造例であり、透明なコンバイナ基板51に図に示すように光線を遮断する厚さの薄い内包物52を水平、かつ平行に包含させ、金属蒸着膜53を内側表面に持つ。
【0012】
図1において、まず、水銀灯などの高輝度な光源11から照射された光線が、フルカラー表示可能な画像表示素子12、レンズ13、及び反射板2を介して上方に反射され、積層表示部3にフルカラーの実像画像を結像する。画像情報生成部91からの画像情報により画像表示素子12が動作し、光源11から照射された光線を制御しフルカラー画像を発生する。積層表示部3は、半透明であり、ダッシュボード8の上部の開口部に設けてあり、ここで実像を結んだ光は、更に、積層表示部3を透過し、フロントガラス6に密着させたコンバイナ5で反射し視点7に到達する。これにより、視点7に相当する場所を占めるドライバは、フロントガラス6の外にフルカラーの虚像4を見る。コンバイナ5は、半透明であり、従ってドライバは、フロントガラス6越しに前景と虚像4を重ねて見ることができる。また、ダッシュボード8の上部の遮蔽部9は、積層表示部3に結像した実像画像の散乱光がコンバイナ5を経由せず直接視点7に達するのを防止する。図中、2点鎖線で示すように防止される。電源部92からの電源は、電源制御部93を経由して、画像情報生成部91、画像発生部1に供給される。
【0013】
図2において、反射板2を経由して反射された光線は、まず、積層機能31に到達する。積層機能31は、例えば平面プリズムであり、反射板2からの全光軸の角度を変化させ、画像発生部1、反射板2、積層表示部3、コンバイナ5の設置位置の制約で、中心光軸が視点7の方向に向かわない場合、光軸を視点7に向かわせる。図中、鎖線が修正前の光軸を示し、実線の修正1が修正後の光軸を示す。積層機能1は、図4に示すように片面が垂直な(θ1)平面プリズムでも良いが、表示面積の効率化、つまり非表示部の面積減少を図るため、改良型の平面プリズムが好ましい。図中、θ1は90度であるが、θ3のように屈折率や入射角度θ2に合せた構造とすることが良い。プリズム構造が微細で非表示部が狭い場合には、人の目には非表示部の存在はほとんど気にならない。
【0014】
光線は、次に、積層機能32に到達する。積層機能32は、積層機能31を通過した光線の中心から外れた外周の光線を中心の光線とほぼ平行になるよう変更する。例えばフレネルレンズで実現する。レンズ13を通過した光線は、中心から拡散する方向に向かうため、これを中心に向けることで、視点7から見たとき画面の周辺が中心部に比較し暗くなることを防止する。図中、1点鎖線が修正前の光経路を示し、実線の修正2が修正後の光経路を示す。ただし、視点7に光軸の中心を完全に合せると光源11が直接見える場合があり、ドライバに煩わしさを与えるため、中心光軸からわずかにずらす。画面中心部の暗さを補正する手段としては、次に述べる積層機能33の乱反射率を上げる方法もあるが、それでは全体に高輝度が得られなくなる不具合が生じる。
【0015】
光線は、積層機能32を通過し、次に、積層機能33に到達する。積層機能33は、上面が乱反射する例えばスリガラス状になっており、レンズ13の焦点距離がこの乱反射面に合うようにレンズ13、反射板2、積層表示部3の位置関係が決定される。積層機能33のスリガラス状表面は、光線をある程度乱反射し、実像を生成するが、スリガラス部分の透過率は高くし、乱反射による視点7への光量の減少を避けるようにする。
【0016】
積層機能33を通過した光線は、次に、積層機能34に達する。外界からの光がフロントガラス6を通過し、積層機能33のスリガラス状表面に照射し、乱反射して、その一部の光線が、コンバイナ5で反射し、視点7に到達するのを減少させるため、積層機能34は、透明だが黒い色素を含む材質とする。これは、黒色フィルムを添付し実現することでも良い。
【0017】
また、図3において、透明なコンバイナ基板51に厚みを持たせ、内包物52を含ませた本図に示す構造とすることで、上方からの外来光がフロントガラス6、コンバイナ5を通過するとき、上方からの光線のみを遮断し、視点7(ドライバ)からの前方視野には影響しないようにすることで、積層機能33のスリガラス状表面に照射し、乱反射して、その一部の光線が、コンバイナ5で反射し、視点7に到達するのを、更に防止することが可能となる。また、視点7から見た場合のコンバイナ5の透過率を低下させずに済む。
【0018】
以上のように、前記実施の形態によれば、積層表示部3を設けたことで、光線が効率良く視点7に集中するため、昼間でも視認可能な高輝度のヘッドアップディスプレイを実現できるという効果が得られる。また、積層表示部3は、その表面に実像を生成する表示方式を採用しており、ホログラフィック表示に比べ、フルカラー表示が低コストで実現可能である。さらに、高輝度のヘッドアップディスプレイが得られることは、昼間の用途にも用いることができ、大画面表示も可能となり、ヘッドアップディスプレイの用途が格段に広がる効果がある。例えば、従来は、車速を7セグメント3桁で単色表示したり、ナビゲーションに用いる矢印表示を単色表示するなど簡単な情報を狭い範囲で表示する用途に、あるいは、広い画面であっても、赤外線画像を夜間使用の用途で単色で表示したり、限定的な使い道となっていた。
【0019】
この実施の形態では、積層表示部3に、平面プリズム、フレネルレンズ、スリガラス状の表面、黒色の色素を含むガラスなどを用いるとしているが、他の同様の機能を有する材質でも適用可能である。また、各積層機能31〜34は、密着して実装しているが、間隔を空けて実装しても良い。また、この実施の形態では、反射板2を用いているが、画像情報生成部91の生成画像を倒立させて生成し、反射板2を省略し、直接、画像発生部1から積層表示部3に光線を照射しても良い。本方式では、表示画像は、文字、図形、フルドット画像、静止画、動画の区別なく適用できる。また、積層機能31の光軸を変更する機能は、積層機能32の機能と合せて実施する方法でもよい。また、コンバイナ5を使用せず、通常のフロントガラスに金属膜を蒸着させたコンバイナの方式と組み合せてもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、昼間でも視認可能な高輝度のヘッドアップディスプレイ表示を得ることができ、低コストでフルカラー表示を実現できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】同上の積層表示部の拡大斜視図である。
【図3】同上のコンバイナの構造を示す図面である。
【図4】同上の積層表示部の積層機能31の構造を示す図面で、(A)は改良前、(B)は改良後を表わす。
【符号の説明】
1 画像発生部 2 反射板
3 積層表示部 4 虚像
5 コンバイナ 6 フロントガラス
7 視点 8 ダッシュボード
9 遮蔽部 11 光源
12 画像表示素子 13 レンズ
31,32,33,34 積層機能
51 コンバイナ基板 52 内包物
53 金属蒸着膜 91 画像情報生成部
92 電源部 93 電源制御部
Claims (3)
- 車両用ヘッドアップディスプレイ方式であって、表示する画像の実像を生成する手段と、該実像を、ドライバ視点に効率良く、光線を収束する機能を有する積層表示部と、を有することを特徴とするヘッドアップディスプレイ方式。
- 積層表示部は、光軸の角度を屈折率や入射角度に合せた構造とした改良型の平面プリズムを有する請求項1記載のヘッドアップディスプレイ方式。
- 光線遮蔽の含有物を規則的に包含するコンバイナを有する請求項1又は2記載のヘッドアップディスプレイ方式。
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