JP2004219312A - 表面検査装置及び表面検査方法 - Google Patents

表面検査装置及び表面検査方法 Download PDF

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Ryuji Sakida
隆二 崎田
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Abstract

【課題】本発明は被検物の膨らみ、うねり、へこみ等の凹凸を伴う欠陥だけでなく、汚れ、色ムラ等の凹凸差を伴わない欠陥をも検出する表面検査装置及び表面検査方法を提供する。
【解決手段】表面検査装置1は、光電変換素子A、B、Cの検出するモアレ縞強度から円筒状被検物30の表面形状を形状演算部21で算出して、当該算出結果から円筒状被検物30の表面の凹凸欠陥を第1欠陥検出部22で検出し、反射光強度演算部23で、予め用意されている基準のモアレ縞リファレンス強度に基づいて形状演算部21の算出した形状データをモアレ縞リファレンス強度に換算し、換算したモアレ縞リファレンス強度を、光電変換素子Bの検出するモアレ縞強度から減算して反射光強度データを算出し、算出した反射光強度データに基づいて汚れ、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2欠陥検出部24で検出する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面検査装置及び表面検査方法に関し、詳細には、被検物の表面形状、膨らみ、うねり、へこみ等の凹凸を伴う欠陥だけでなく、汚れ、傷、色ムラ等の凹凸差を伴わない欠陥の検出をも行う表面検査装置及び表面検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特許第2887517号公報
【特許文献2】
特開平7−332956号公報
【特許文献3】
特開平10−54711号公報
【特許文献4】
特開2002−267429号公報
感光体ドラム等の円筒状被検物の欠陥を検査する方法としては、従来、モアレ縞を利用したモアレ三次元測定法が用いられている。
【0003】
このモアレ三次元測定法は、図18に示すように、被検物に対して、光源S1と観察点S2が距離dをおいて設定されている場合、光源S1側と観察点S2側にそれぞれ格子G1、G2を配置し、観察点S2に入力されるモアレ縞に基づいて被検物を検査する。
【0004】
この場合、格子G1、G2のピッチをs、光源S1と観察点S2との距離をd、光源S1、観察点S2と格子面との距離をlとし、同一平面内にある格子G1と格子G2は何れもピッチsをもつが、格子G1,G2は、面内で互いにεだけずれている(格子ピッチの位相でいえば、2πε/s)ものとすると、形成されるモアレ縞は、次式で表される。
【0005】
cos(2π/s)[{dh−ε(h+1)}/(h+1)]・・・(1)
ここで形成されるモアレ縞(等高線)は、格子面を基準(0次)として、格子面から離れるに従って、順に1次、2次とカウントされる縞次数を持つ。そこで、縞次数Nのモアレ縞をcos2πNとすると、第N次のモアレ縞の等高線は、基準面から次式で示すhNだけ離れた位置に形成されることになる。
【0006】
hN={(Ns+ε)l}/(d−Ns−ε)・・・(2)
これは、測定面上の位置の座標xを含んでおらず、縞次数Nによって(xに関わり無く)定める固有の値となっている。すなわち、等高線が形成されていることを示している。
【0007】
そこで、図19に示すような構成をとった場合、S1を点光源として、S2の位置に観察点をおき、また、1枚の連続した格子パターンG(従って、ε=0となる)を配したものに相当する(実体格子型という)。
【0008】
いま、ε=0であるので、上記(2)式から、hNは、次式で示される。
【0009】
hN=Nsl/(d−Ns)・・・(3)
この場合、等高線は、その間隔ΔhNが、ΔhN=hN+1−hNとなり、一定ではなく、縞次数Nによって異なってしまう。
【0010】
したがって、モアレ法による3次元形状測定法は対象物を直観的に把握することはできるが、凹凸の判定が難しく、高感度の3次元測定には不向き(現時点ではモアレ縞等高線の間隔は10μm程度が限界とされている)であり、また、モアレ縞のビジビリティーが縞ごとに均一でないためモアレ像を画像処理の対象として扱い難い等の問題が指摘されている。
【0011】
このような問題点に対して、従来、平面状のワークに対して実体格子型の位相シフトモアレ法を応用して、その平面度検査を行う技術が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0012】
これらの従来技術は、実体格子型のモアレ法に位相シフト法を組み合わせて、平面状のワークの平坦度の検査に応用している。
【0013】
例えば、特許文献1記載の従来技術では、格子面の垂直移動と光源または観察点の水平移動を同時に行うことにより、各次数のモアレ縞の位相に大きな変化をきたすことなく、各次数の縞の位相がほぼ揃った状態で測定対象に対する縞位相のシフトを行えるようにしている。
【0014】
そして、この位相シフト法では、位相変調された縞画像は、光の強度Iにより、次式で表される。
【0015】
I=I(θ)=a(x、y)+b(x、y)cos(Φ(x、y)+θ))・・・(4)
なお、aは、オフセットバイアス、bは、振幅、θは、操作可能な位相、Φは、高さhに相当する位相値である(図20参照)。
【0016】
そして、ここで求めたいのは、各点(x、y)における位相Φ(x、y)である。バイアスや振幅は、表面の反射率や汚れなどで変化する未知数成分であるため、位相θを0、π/2、πと変化させた3つの縞強度を以下のように生成する。
【0017】
I1=I(0)=a(x、y)+b(x、y)cos(Φ(x、y)+θ))
I2=I(π/2)=a(x、y)−b(x、y)sin(Φ(x、y)+θ))
I3=I(π)=a(x、y)−b(x、y)cos(Φ(x、y)+θ))
Φ(x、y)=tan−1{(I3−I2)/(I1−I2)+π/4}・・・(5)
この(5)式により位相Φ(x、y)を算出すると、反射率や汚れ成分を除去して、各点(x、y)における位相Φ(x、y)を求めることができる。
【0018】
ところが、実体格子型のモアレ法に対して、特許文献1記載のような位相シフト法を適用する上で、全縞次数をほぼ正確にシフトさせるために格子面の垂直移動と光源または観察点の水平移動との2方向の移動を同時に行っているため、その移動機構等の装置構成が複雑になるだけでなく、対象物を少なくとも3回以上撮像する必要があり、測定に時間がかかる等の問題があるとともに、平面状のワークを対象としており、感光体ドラム等の円筒状被検物の検査には、そのまま適用することができない。
【0019】
そこで、本出願人は、先に、ローラ部品等の円柱状被検物を対象として、実体格子型のモアレ法に位相シフト法を適用し、部品を1回転させるだけで、位相シフトした画像を得ることにより、高速に形状測定を行って、その定量的な形状データから被検物表面の検査を行う表面形状測定方法及び表面形状測定装置を提案している(特許文献4参照)。
【0020】
すなわち、この特許文献4記載の方法は、図21に基づいて説明すると、ラインセンサ等の光電変換素子A、B、Cを備えた撮像カメラ100をΔ1/4ずつの段差のある段付格子パターン101と組み合わせて用い、光源102から出射され円筒状被検物103上に形成される異なる稜線位置に形成されるモアレ縞を、段付格子パターン101及び受光レンズ104を通して撮像カメラ100の各光電変換素子A、B、Cで光電変換する。
【0021】
そして、段付格子パターン101を、図22に示すように、円筒状被検物103上で形成されるモアレ縞の位相がπ/4ずつシフトするように、段差(Δl/4)を調整する。
【0022】
この状態で、円筒状被検物103の回転速度と光電変換素子A、B、Cの走査速度を調整し、時刻t1〜t2の間に、図23に示すような位相シフトデータを得る。例えば、領域3の位相を算出するには、図23にハッチング部分として示すように、t1での光電変換素子AのデータをI2、t2での光電変換素子BのデータをI1、t3での光電変換素子CのデータをI3、として、(5)式を用いることで、求めることができる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような位相シフトモアレ法にあっては、凹凸等の欠陥については、適切に検出することはできるが、(5)式の算出方法のところでも説明したが、汚れや色むら等による表面反射率の違いはキャンセルされてしまい、汚れや色むら等の凹凸差を伴わないが色合いの異なる欠陥については検出することができず、改良の必要があった。
【0024】
そこで、本発明は、位相シフトモアレ法による凹凸欠陥の検出及び高さ測定を行う機能に、外観検査を行う機能を加えて、汚れや色ムラ等の欠陥検出をも同時に行うことのできる表面検査装置及び表面検査方法を提供することを目的としている。
【0025】
具体的には、請求項1記載の発明は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、モアレ縞リファレンス強度演算手段で、予め用意されている基準モアレ縞リファレンス強度に基づいて形状算出手段の算出した形状データをモアレ縞リファレンス強度に換算し、当該換算されたモアレ縞リファレンス強度を、反射光強度演算手段で、光電変換素子の検出する複数のモアレ縞のうち所定のモアレ縞強度から減算して、反射光強度データを算出し、当該算出された反射光強度データに基づいて汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出することにより、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を同時に検出し、検出処理効率を向上させることのできる表面検査装置を提供することを目的としている。
【0026】
請求項2記載の発明は、基準モアレ縞リファレンス強度を、被検物の検査前に、光源から所定の光量の光を出射させた状態で測定して保存し、被検物の検査時に、光源の光量を、当該基準モアレ縞リファレンス強度測定時の光量に光量調整手段で設定することにより、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を同時に検出するとともに、欠陥の検出精度を向上させることのできる表面検査装置を提供することを目的としている。
【0027】
請求項3記載の発明は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を検出し、予め用意されている基準モアレ縞リファレンス強度に基づいて形状算出処理で算出された形状データをモアレ縞リファレンス強度に換算し、当該換算されたモアレ縞リファレンス強度を光電変換素子の検出する複数のモアレ縞のうち所定のモアレ縞強度から減算して、反射光強度データを算出し、当該算出された反射光強度データに基づいて汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出することにより、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を同時に検出し、検出処理効率を向上させることのできる表面検査方法を提供することを目的としている。
【0028】
請求項4記載の発明は、基準モアレ縞リファレンス強度を、被検物の検査前に、光源から所定の光量の光を出射させた状態で測定して保存し、被検物の検査時に、光源の光量を、当該基準モアレ縞リファレンス強度測定時の光量に設定することにより、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を同時に検出するとともに、欠陥の検出精度を向上させることのできる表面検査方法を提供することを目的としている。
【0029】
請求項5記載の発明は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、被検物面上の格子パターンの影の形成されていない部分の反射光強度を反射光強度測定用光電変換素子で測定して、当該反射光強度測定用光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出することにより、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単な構成で同時に検出し、安価に検出処理効率を向上させることのできる表面検査装置を提供することを目的としている。
【0030】
請求項6記載の発明は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を検出し、反射光強度測定用光電変換素子で被検物面上の格子パターンの影の形成されていない部分の反射光強度を測定して、当該反射光強度測定用光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出することにより、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単かつ同時に検出し、安価に検出処理効率を向上させることのできる表面検査方法を提供することを目的としている。
【0031】
請求項7記載の発明は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンを光電変換素子の測定点部分と当該測定点以外の部分とに移動させる移動手段で、格子パターンを測定点部分に位置させた状態で、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、移動手段で格子パターンを測定点以外の部分に移動させた状態で、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出することにより、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単な構成で同時に検出し、安価に検出処理効率を向上させることのできる表面検査装置を提供することを目的としている。
【0032】
請求項8記載の発明は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンを光電変換素子の測定点部分と当該測定点以外の部分とに移動可能とし、当該格子パターンが当該測定点部分に位置する状態で、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を検出し、格子パターンが測定点以外の部分に位置する状態で、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出することにより、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単かつ同時に検出し、安価に検出処理効率を向上させることのできる表面検査方法を提供することを目的としている。
【0033】
請求項9記載の発明は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンが、パターン形成状態と透過状態とに変化する液晶格子パターンであり、当該液晶格子パターンがパターン形成状態のときに、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、液晶格子パターンが透過状態のときに、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出することにより、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥をより一層簡単な構成で同時に検出し、より一層安価に検出処理効率を向上させることのできる表面検査装置を提供することを目的としている。
【0034】
請求項10記載の発明は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンを、光の透過部と非透過部を有し、当該非透過部が所定波長の光のみを吸収する波長選択型格子パターンとして、光源からの光を当該波長選択型格子パターンの当該非透過部で吸収される波長の光として出射した状態のときに、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、光源からの光を波長選択型格子パターンの非透過部を透過する波長の光として出射した状態のときに、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出することにより、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単な構成で同時に検出し、安価に検出処理効率を向上させることのできる表面検査装置を提供することを目的としている。
【0035】
請求項11記載の発明は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンを、光の透過部と非透過部を有し、当該非透過部が所定波長の光のみを吸収する波長選択型格子パターンとして、光源からの光を当該波長選択型格子パターンの当該非透過部で吸収される波長の光として出射した状態のときに、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を検出し、光源からの光を波長選択型格子パターンの非透過部を透過する波長の光として出射した状態のときに、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出することにより、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単な構成で同時に検出し、安価に検出処理効率を向上させることのできる表面検査方法を提供することを目的としている。
【0036】
請求項12記載の発明は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンを、光の透過部と非透過部を有し、当該非透過部が所定波長の光のみを吸収する波長選択型格子パターンとして、光電変換素子に入射される光の波長を格子パターンの非透過部を透過する光の波長と当該非透過部で吸収される光の波長とに切り換える波長切換手段が、光電変換手段に入射される光の波長を格子パターンの非透過部で吸収される光の波長としている状態のときに、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出し、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、波長切換手段が、光電変換手段に入射される光の波長を格子パターンの非透過部を透過する光の波長としている状態のときに、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出することにより、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥をより一層簡単な構成で同時に検出し、より一層安価に検出処理効率を向上させることのできる表面検査装置を提供することを目的としている。
【0037】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の表面検査装置は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査装置において、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出手段と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出手段と、予め用意されている基準モアレ縞リファレンス強度に基づいて前記形状算出手段の算出した形状データをモアレ縞リファレンス強度に換算するモアレ縞リファレンス強度演算手段と、当該換算されたモアレ縞リファレンス強度を前記光電変換素子の検出する複数のモアレ縞のうち所定のモアレ縞強度から減算して、反射光強度データを算出する反射光強度演算手段と、当該算出された反射光強度データに基づいて汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出手段と、を備えることにより、上記目的を達成している。
【0038】
上記構成によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、モアレ縞リファレンス強度演算手段で、予め用意されている基準モアレ縞リファレンス強度に基づいて形状算出手段の算出した形状データをモアレ縞リファレンス強度に換算し、当該換算されたモアレ縞リファレンス強度を、反射光強度演算手段で、光電変換素子の検出する複数のモアレ縞のうち所定のモアレ縞強度から減算して、反射光強度データを算出し、当該算出された反射光強度データに基づいて汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を同時に検出することができ、検出処理効率を向上させることができる。
【0039】
この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記表面検査装置は、前記基準モアレ縞リファレンス強度が、前記被検物の検査前に、前記光源から所定の光量の光を出射させた状態で測定して保存されており、前記被検物の検査時に、前記光源の光量を、当該基準モアレ縞リファレンス強度測定時の光量に設定する光量調整手段を備えているものであってもよい。
【0040】
上記構成によれば、基準モアレ縞リファレンス強度を、被検物の検査前に、光源から所定の光量の光を出射させた状態で測定して保存し、被検物の検査時に、光源の光量を、当該基準モアレ縞リファレンス強度測定時の光量に光量調整手段で設定しているので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を同時に検出することができるとともに、欠陥の検出精度を向上させることができる。
【0041】
請求項3記載の発明の表面検査方法は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査方法において、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出処理と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出処理と、予め用意されている基準モアレ縞リファレンス強度に基づいて前記形状算出処理で算出された形状データをモアレ縞リファレンス強度に換算するモアレ縞リファレンス強度演算処理と、当該換算されたモアレ縞リファレンス強度を前記光電変換素子の検出する複数のモアレ縞のうち所定のモアレ縞強度から減算して、反射光強度データを算出する反射光強度演算処理と、当該算出された反射光強度データに基づいて汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出処理と、を行うことにより、上記目的を達成している。
【0042】
上記構成によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を検出し、予め用意されている基準モアレ縞リファレンス強度に基づいて形状算出処理で算出された形状データをモアレ縞リファレンス強度に換算し、当該換算されたモアレ縞リファレンス強度を光電変換素子の検出する複数のモアレ縞のうち所定のモアレ縞強度から減算して、反射光強度データを算出し、当該算出された反射光強度データに基づいて汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を同時に検出することができ、検出処理効率を向上させることができる。
【0043】
この場合、例えば、請求項4に記載するように、前記表面検査装置は、前記基準モアレ縞リファレンス強度が、前記被検物の検査前に、前記光源から所定の光量の光を出射させた状態で測定して保存されており、前記被検物の検査時に、前記光源の光量を、当該基準モアレ縞リファレンス強度測定時の光量に設定するものであってもよい。
【0044】
上記構成によれば、基準モアレ縞リファレンス強度を、被検物の検査前に、光源から所定の光量の光を出射させた状態で測定して保存し、被検物の検査時に、光源の光量を、当該基準モアレ縞リファレンス強度測定時の光量に設定しているので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を同時に検出することができるとともに、欠陥の検出精度を向上させることができる。
【0045】
請求項5記載の発明の表面検査装置は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査装置において、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出手段と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出手段と、前記被検物面上の格子パターンの影の形成されていない部分の反射光強度を測定する反射光強度測定用光電変換素子と、前記反射光強度測定用光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて前記被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出手段と、を備えていることにより、上記目的を達成している。
【0046】
上記構成によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、被検物面上の格子パターンの影の形成されていない部分の反射光強度を反射光強度測定用光電変換素子で測定して、当該反射光強度測定用光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単な構成で同時に検出することができ、安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0047】
請求項6記載の発明の表面検査方法は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査方法において、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出処理と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出処理と、反射光強度測定用光電変換素子で前記被検物面上の格子パターンの影の形成されていない部分の反射光強度を測定して、当該反射光強度測定用光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて前記被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出処理と、を行うことにより、上記目的を達成している。
【0048】
上記構成によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を検出し、反射光強度測定用光電変換素子で被検物面上の格子パターンの影の形成されていない部分の反射光強度を測定して、当該反射光強度測定用光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単かつ同時に検出することができ、安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0049】
請求項7記載の発明の表面検査装置は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査装置において、前記格子パターンを前記光電変換素子の測定点部分と当該測定点以外の部分とに移動させる移動手段と、当該移動手段で前記格子パターンを前記測定点部分に位置させた状態で、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出手段と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出手段と、前記移動手段で前記格子パターンを前記測定点以外の部分に移動させた状態で、前記光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて前記被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出手段と、を備えていることにより、上記目的を達成している。
【0050】
上記構成によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンを光電変換素子の測定点部分と当該測定点以外の部分とに移動させる移動手段で、格子パターンを測定点部分に位置させた状態で、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、移動手段で格子パターンを測定点以外の部分に移動させた状態で、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単な構成で同時に検出することができ、安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0051】
請求項8記載の発明の表面検査方法は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査方法において、前記格子パターンを前記光電変換素子の測定点部分と当該測定点以外の部分とに移動可能とし、当該格子パターンが当該測定点部分に位置する状態で、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出処理と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出処理と、前記格子パターンが前記測定点以外の部分に位置する状態で、前記光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて前記被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出処理と、を備えることにより、上記目的を達成している。
【0052】
上記構成によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンを光電変換素子の測定点部分と当該測定点以外の部分とに移動可能とし、当該格子パターンが当該測定点部分に位置する状態で、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を検出し、格子パターンが測定点以外の部分に位置する状態で、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単かつ同時に検出することができ、安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0053】
請求項9記載の発明の表面検査装置は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査装置において、前記格子パターンが、パターン形成状態と透過状態とに変化する液晶格子パターンであり、当該液晶格子パターンがパターン形成状態のときに、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出手段と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出手段と、前記液晶格子パターンが透過状態のときに、前記光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて前記被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出手段と、を備えることにより、上記目的を達成している。
【0054】
上記構成によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンが、パターン形成状態と透過状態とに変化する液晶格子パターンであり、当該液晶格子パターンがパターン形成状態のときに、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、液晶格子パターンが透過状態のときに、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥をより一層簡単な構成で同時に検出することができ、より一層安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0055】
請求項10記載の発明の表面検査装置は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査装置において、前記格子パターンが、光の透過部と非透過部を有し、当該非透過部が所定波長の光のみを吸収する波長選択型格子パターンであり、前記光源からの光を当該波長選択型格子パターンの当該非透過部で吸収される波長の光として出射した状態のときに、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出手段と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出手段と、前記光源からの光を前記波長選択型格子パターンの前記非透過部を透過する波長の光として出射した状態のときに、前記光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて前記被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出手段と、を備えることにより、上記目的を達成している。
【0056】
上記構成によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンを、光の透過部と非透過部を有し、当該非透過部が所定波長の光のみを吸収する波長選択型格子パターンとして、光源からの光を当該波長選択型格子パターンの当該非透過部で吸収される波長の光として出射した状態のときに、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、光源からの光を波長選択型格子パターンの非透過部を透過する波長の光として出射した状態のときに、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単な構成で同時に検出することができ、安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0057】
請求項11記載の発明の表面検査方法は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査方法において、前記格子パターンが、光の透過部と非透過部を有し、当該非透過部が所定波長の光のみを吸収する波長選択型格子パターンであり、前記光源からの光を当該波長選択型格子パターンの当該非透過部で吸収される波長の光として出射した状態のときに、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出処理と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出処理と、前記光源からの光を前記波長選択型格子パターンの前記非透過部を透過する波長の光として出射した状態のときに、前記光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて前記被検物の表面の汚れ、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出処理と、を行うことにより、上記目的を達成している。
【0058】
上記構成によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンを、光の透過部と非透過部を有し、当該非透過部が所定波長の光のみを吸収する波長選択型格子パターンとして、光源からの光を当該波長選択型格子パターンの当該非透過部で吸収される波長の光として出射した状態のときに、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を検出し、光源からの光を波長選択型格子パターンの非透過部を透過する波長の光として出射した状態のときに、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単な構成で同時に検出することができ、安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0059】
請求項12記載の発明の表面検査装置は、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査装置において、前記格子パターンが、光の透過部と非透過部を有し、当該非透過部が所定波長の光のみを吸収する波長選択型格子パターンであり、前記光電変換素子に入射される光の波長を前記格子パターンの非透過部を透過する光の波長と当該非透過部で吸収される光の波長とに切り換える波長切換手段と、前記波長切換手段が、前記光電変換手段に入射される光の波長を前記格子パターンの非透過部で吸収される光の波長としている状態のときに、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出手段と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出手段と、前記波長切換手段が、前記光電変換手段に入射される光の波長を前記格子パターンの非透過部を透過する光の波長としている状態のときに、前記光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて前記被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出手段と、を備えることにより、上記目的を達成している。
【0060】
上記構成によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンを、光の透過部と非透過部を有し、当該非透過部が所定波長の光のみを吸収する波長選択型格子パターンとして、光電変換素子に入射される光の波長を格子パターンの非透過部を透過する光の波長と当該非透過部で吸収される光の波長とに切り換える波長切換手段が、光電変換手段に入射される光の波長を格子パターンの非透過部で吸収される光の波長としている状態のときに、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出し、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、波長切換手段が、光電変換手段に入射される光の波長を格子パターンの非透過部を透過する光の波長としている状態のときに、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥をより一層簡単な構成で同時に検出することができ、より一層安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0062】
図1〜図9は、本発明の表面検査装置及び表面検査方法の第1の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、請求項1から請求項4に対応するものである。
【0063】
図1は、本発明の表面検査装置及び表面検査方法の第1の実施の形態を適用した表面検査装置1の概略構成図であり、図1において、表面検査装置1は、検査光学機構部10と検査処理部20を備えている。
【0064】
検査光学機構部10は、検査対象の感光体ドラム等の円筒状被検物30に検査光を照射する光源11、格子パターン12、受光レンズ13、光電変換素子部14、光量測定部15及び光量調整部16等を備えており、検査処理部20は、形状演算部21、第1欠陥検出部22、反射光強度演算部23及び第2欠陥検出部24等を備えている。
【0065】
検査光学機構部10は、検査対象の感光体ドラム等の円筒状被検物30に格子パターンの影を投影させる光源11の出射する光量を光量測定部15で測定し、当該光量測定部15の測定結果に基づいて、光量調整部16が光源11の光量を調整する。これら光量測定部15及び光量調整部16は、全体として、光量調整手段として機能している。
【0066】
検査光学部10は、光源11から出射した検査光で格子パターンの影を検査対象の円筒状被検物30に投影し、円筒状被検物30に投影された格子パターンの影を格子パターン12及び受光レンズ13を通して光電変換素子14に入射する。
【0067】
そして、格子パターン12としては、上記図21及び図22の場合と同様に、段付格子パターンが用いられており、段付格子パターンである格子パターン12は、その段差がΔ1/4となるように調整されている。
【0068】
光電変換素子部14は、ラインセンサ等の3つの光電変換素子A、B、Cを備えており、この光電変換素子A、B、Cで、π/4ずつ位相の異なるモアレ縞強度I1、I2、I3(図3〜図5参照)を検出して、検査処理部20の形状演算部21に出力する。
【0069】
検査処理部20は、図2に示すように機能構成されており、光電変換素子部14の各光電変換素子A、B、Cの検出(測定)したモアレ縞強度I1、I2、I3が形状演算部21に入力される。形状演算部(形状算出手段)21は、各光電変換素子A、B、Cから入力されるモアレ縞強度I1、I2、I3から形状(位相φ)を算出し、算出結果を第1欠陥検出部22及び反射高強度演算部23に出力する。
【0070】
第1欠陥検出部(第1の欠陥検出手段)22は、形状演算部21の算出した形状(位相φ)に基づいてうねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥の検出を行う。
【0071】
反射光強度演算部(モアレ縞リファレンス強度演算手段、反射光強度演算手段)23には、予めモアレ縞リファレンス強度IRが保存されており、反射光強度演算部23は、モアレ縞リファレンス強度IRに基づいて形状演算部21の算出した形状(位相φ)データをモアレ縞リファレンス強度IRWに換算する。反射光強度演算部23は、さらに、このモアレ縞リファレンス強度IRWをモアレ縞強度I1から減算(モアレ縞強度I1−モアレ縞リファレンス強度IRW)して、反射光強度データを算出し、算出した反射光強度データを第2欠陥検出部24に出力する。
【0072】
第2欠陥検出部(第2の欠陥検出手段)24は、反射光強度演算部23から入力される反射光強度データに基づいて汚れ、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する。
【0073】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態の表面検査装置1は、凹凸差を伴う欠陥とともに凹凸差を伴わないが色合いの異なる欠陥を1回の撮像で行う。
【0074】
すなわち、表面検査装置1は、位相シフトモアレ式の検査光学機構部10で検査対象の円筒状被検物30に光源11により格子パターンを投影して、その格子パターンの影をπ/4の段差を有する格子パターン12及び受光レンズ13を通して光電変換素子部14の3つの光電変換素子A、B、Cに入射し、円筒状被検物30のモアレ縞を撮像する。
【0075】
各光電変換素子A、B、Cは、例えば、図3〜図5に示すように、それぞれπ/4ずつ位相の異なるモアレ縞強度I1、I2、I3を検出して、検査処理部20の形状演算部21に出力する。
【0076】
形状演算部21は、上記位相シフト法の演算式(5)を用いて、これらのモアレ縞強度I1、I2、I3から、例えば、図6に示すような形状データ(位相φ)を算出し、算出した形状データ(位相φ)を第1欠陥検出部22及び反射高強度演算部23に出力する。
【0077】
第1欠陥検出部22は、この形状データ(位相φ)に基づいて、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥を検出する。
【0078】
そして、反射高強度演算部23は、予め保存されているモアレ縞リファレンス強度IRに基づいて形状演算部21の算出した形状(位相φ)データをモアレ縞リファレンス強度IRWに換算し、このモアレ縞リファレンス強度IRWをモアレ縞強度I1から減算(モアレ縞強度I1−モアレ縞リファレンス強度IRW)して、反射光強度データを算出する。
【0079】
すなわち、表面検査装置1で円筒状被検物30の検査を行うのに先立って、色ムラや汚れのない正常なワークを用い、ワークの位置を動かす等の動作を行ってモアレ縞の位相φを変化させて、例えば、図7に示すようなモアレ縞の強度を測定し、基準のモアレ縞リファレンス(基準モアレ縞リファレンス)IRとして内部メモリに保存する。
【0080】
すなわち、このモアレ縞リファレンスIRは、上記(1)式に示したように、その形状がCOS カーブになっており、周期は光学的なパラメータから算出することができるが、バイアスと振幅に関しては計算では算出できないため、正常なワークを利用して求めている。
【0081】
したがって、光源11の光量は、モアレ縞リファレンスIRを作成したときと、円筒状被検物30を検査するときで同じにしておく必要がある。
【0082】
そこで、本実施の形態の表面検査装置1は、光量測定15で光源11の光量を測定し、その値に応じて光量調整部16を用いて、検査時の光源11の光量をモアレ縞リファレンスIRの作成時と同じ値に保っている。
【0083】
そして、反射高強度演算部23は、形状演算部21の算出した形状データ(位相φ)(図6参照)を、上記予め保存されているモアレ縞リファレンスIR(図7参照)を用いることにより、その位相に対応したモアレ縞強度に換算し、図8に示すようなモアレ縞リファレンス強度IRWを求める。
【0084】
ところが、形状データ(位相φ)には、上記位相シフト法の演算式(5)の説明で述べたように、汚れや色ムラによる反射光強度の違いが除去されており、その位相に応じた図8のモアレ縞リファレンス強度IRWは、円筒状被検物30の表面形状のみに対応したモアレ縞強度分布を示していることになる。一方、図3のモアレ縞強度I1には、円筒状被検物30の表面形状に対応したモアレ縞強度に汚れや色ムラによる反射光強度変化が含まれている。したがって、図3のモアレ縞強度I1から図7のモアレ縞リファレンス強度IRWを差し引くことにより、ワークの表面の汚れや色ムラによる反射光強度変化のみを抽出することができる。
【0085】
そこで、反射高強度演算部23は、上記求めたモアレ縞リファレンス強度IRWをモアレ縞強度I1から減算(モアレ縞強度I1−モアレ縞リファレンス強度IRW)して、例えば、図9に示すような反射光強度データを算出し、算出した反射光強度データを第2欠陥検出部24に出力する。
【0086】
第2欠陥検出部24は、この反射光強度データから汚れ、傷、色ムラ等の凹凸差を伴わないが色合いが異なる欠陥を検出する。
【0087】
このように、本実施の形態の表面検査装置1は、光電変換素子A、B、Cの検出するモアレ縞強度I1、I2、I3から円筒状被検物30の表面形状(形状データ)を形状演算部21で算出して、当該算出結果に基づいて円筒状被検物30の表面の凹凸欠陥を第1欠陥検出部22で検出し、反射光強度演算部23で、予め用意されている基準のモアレ縞リファレンス強度IRに基づいて形状演算部21の算出した形状データをモアレ縞リファレンス強度IRWに換算し、当該換算したモアレ縞リファレンス強度IRWを、光電変換素子A、B、Cの検出する複数のモアレ縞のうちモアレ縞強度I1から減算して、反射光強度データを算出し、当該算出された反射光強度データに基づいて汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2欠陥検出部24で検出している。
【0088】
したがって、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、傷、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を同時に検出することができ、検出処理効率を向上させることができる。
【0089】
また、本実施の形態の表面検査装置1は、基準のモアレ縞リファレンス強度IRを、円筒状被検物30の検査前に、光源11から所定の光量の光を出射させた状態で測定して保存し、円筒状被検物30の検査時に、光源11の光量を、光量測定部15の測定結果に基づいて、光量調整部16が、当該基準モアレ縞リファレンス強度IRの測定時の光量に設定している。
【0090】
したがって、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を同時に検出することができるとともに、欠陥の検出精度を向上させることができる。
【0091】
図10は、本発明の表面検査装置及び表面検査方法の第2の実施の形態を適用した表面検査装置40の概略構成図であり、本実施の形態は、請求項5及び請求項6に対応するものである。
【0092】
なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態の表面検査装置1と同様の表面検査装置に適用したものであり、上記第1の実施の形態の表面検査装置1と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0093】
本実施の形態の表面検査装置40は、汚れ、色むら等の凹凸差を伴わない欠陥をモアレ縞の形成されていない部分での反射光強度に基づいて検出する。
【0094】
すなわち、表面検査装置40は、検査光学部41と検査処理部42を備えており、その検査光学部41に、上記第1の実施の形態の検査光学部10と同様の光源11、格子パターン12及び受光レンズ13等を備えているとともに、光電変換素子部43を備えており、その検査処理部42に、上記第1の実施の形態の検査処理部20と同様の形状演算部21と第1欠陥検出部22を備えているとともに、第2欠陥検出部44等を備えている。
【0095】
光電変換素子部43は、上記第1の実施の形態の光電変換素子A、B、Cからなる光電変換素子部14と光電変換素子Dを備えており、光電変換素子A、B、Cは、格子パターン12を通して円筒状被検物30を測定するが、光電変換素子(反射光強度測定用光電変換素子)Dは、格子パターン12を通さずに円筒状被検物30を測定できる位置に配置されている。この格子変換素子部42としては、上記第1の実施の形態の光電変換素子部14としてエリアカメラを用いていると、物理的に光電変換素子を追加することなく、データを読み出す列を1列増やすことで、光電変換素子部14を、光電変換素子Dを備えた光電変換素子部43とすることができる。
【0096】
光電変換素子部43の光電変換素子A、B、Cは、円筒状被検物30が1回転する間に位相の異なるモアレ縞強度I1、I2、I3を測定し、測定したモアレ縞強度I1、I2、I3を形状演算部21に出力する。光電変換素子部43の光電変換素子Dは、円筒状被検物30が1回転する間に光電変換素子A、B、Cがモアレ縞強度I1、I2、I3を測定するのと同時に、円筒状被検物30の反射光強度を測定し、測定した反射光強度を検査処理部42の第2欠陥検出部44に出力する。
【0097】
形状演算部21は、上記第1の実施の形態と同様に、光電変化素子部42の各光電変換素子A、B、Cから入力されるモアレ縞強度I1、I2、I3から形状(位相φ)を算出し、算出結果を検査処理部42の第1欠陥検出部22に出力する。
【0098】
第1欠陥検出部22は、形状演算部21の算出した形状(位相φ)に基づいてうねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥の検出を行う。
【0099】
第2欠陥検出部44は、光電変換素子Dから入力される反射光強度に基づいて汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を検出する。
【0100】
また、キズ、異物等の凹凸差を伴い、かつ、色合いも異なるような欠陥については、第1欠陥検出部22と第2欠陥検出部44の両方で検出する。
【0101】
このように、本実施の形態の表面検査装置40は、光電変換素子A、B、Cの検出するモアレ縞強度I1、I2、I3から円筒状被検物30の表面形状を形状演算部21で算出して、当該算出結果に基づいて円筒状被検物30の表面の凹凸欠陥を第1欠陥検出部22で検出し、円筒状被検物30の面上の格子パターンの影の形成されていない部分の反射光強度を反射光強度測定用光電変換素子である光電変換素子Dで測定して、当該光電変換素子Dの測定する反射光強度に基づいて円筒状被検物30の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2欠陥検出部44で検出している。
【0102】
したがって、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単な構成で同時に検出することができ、安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0103】
なお、本実施の形態の場合、図11に示すような表面検査装置50を用いてもよい。すなわち、表面検査装置50は、検査光学部51と検査処理部52を備えており、検査光学部51は、上記同様の光源11と受光レンズ13を備えているとともに、光電変換素子部53と格子パターン54を備え、検査処理部52は、上記同様の第2欠陥検出部44を備えているとともに、形状演算部55と第1欠陥検出部56を備えている。
【0104】
検査光学部51の光電変換素子部53は、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥の検出用の光電変換素子Aと、汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥の検出用の光電変換素子(反射光強度測定用光電変換素子)Dと、の2つの光電変換素子を備えており、格子パターン53は、段差を有しない格子パターンが用いられている。光電変換素子部53は、円筒状被検物30が1回転する間に、光電変換素子Aが、モアレ縞強度を測定して、測定したモアレ縞強度を形状演算部55に出力すると同時に、光電変換素子Dが、円筒状被検物30の反射光強度を測定して、測定した反射光強度を検査処理部52の第2欠陥検出部44に出力する。
【0105】
第2欠陥検出部44は、上記同様に、光電変換素子Dから入力される反射光強度に基づいて汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を検出する。
【0106】
形状演算部(形状算出手段)55は、1つの光電変換素子Aで測定されたモアレ縞強度から形状(位相φ)を算出し、算出結果を第1欠陥検出部56に出力する。
【0107】
第1欠陥検出部(第1の欠陥犬種手段)56は、形状演算部55の算出した形状(位相φ)に基づいてうねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥の検出を行う。
【0108】
そして、図10の表面検査装置40ではモアレ縞強度を3つの光電変換素子A、B、Cで測定して、位相シフト法を適用することによりサブミクロンレベルの形状測定を行うことができるのに対して、この表面検査装置50では、モアレ縞強度を1つの光電変換素子Aで測定しているため、10ミクロンレベルの形状測定を行うことができる。
【0109】
したがって、欠陥検査で要求される仕様のレベルが10ミクロンレベルで十分な場合は、本実施の形態の表面検査装置50を用いて、モアレ縞強度測定用の1つの光電変換素子Aを備えた光電変換素子部53の光電変換素子Aでモアレ縞強度を測定し、そのデータから第1欠陥検出部56を用いてうねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥を検出する。
【0110】
そして、同時に円筒状被検物30の反射光強度を光電変換素子部53の光電変換素子Dにより測定し、第2の欠陥検出手段を用いて、汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を検出する。
【0111】
また、上記同様に、キズ、異物等の凹凸差を伴い、かつ、色合いも異なるような欠陥については、第1欠陥検出部5と第2欠陥検出部44の両方で検出する。このようにすると、表面検査装置50を簡単な構成で安価なものとすることができる。
【0112】
図12は、本実施の形態の表面検査装置及び表面検査方法の第3の実施の形態を適用した表面検査装置60の概略構成図であり、本実施の形態は、請求項7から請求項9に対応するものである。
【0113】
なお、本実施の形態は、上記第2の実施の形態の表面検査装置40と同様の表面検査装置に適用したものであり、上記第2の実施の形態の表面検査装置40と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0114】
本実施の形態の表面検査装置60は、汚れ、色むら等の凹凸差を伴わない欠陥をモアレ縞の形成されていない部分での反射光強度に基づいて検出する。
【0115】
すなわち、表面検査装置60は、検査光学部61と検査処理部62を備えており、その検査光学部61に、上記第2の実施の形態の検査光学部40と同様の光源11、格子パターン12及び受光レンズ13等を備えているとともに、光電変換素子部63及び格子パターン移動部64を備えており、その検査処理部62に、上記第2の実施の形態の検査処理部42と同様の形状演算部21、第1欠陥検出部22及び第2欠陥検出部44等を備えている。
【0116】
検査光学部61の光電変換素子部63は、上記第2の実施の形態の光電変換素子部43の光電変換素子部14と同様の光電変換素子A、B、Cを備えており、各光電変換素子A、B、Cは、検査処理部62の形状演算部21に接続されているとともに、その光電変換素子Bが、検査処理部62の第2欠陥検出部44に接続されている。
【0117】
検査光学部61の格子パターン12は、図示しない保持機構により図12に両矢印で示す円筒状被検物30の軸方向と直交する方向に移動可能に保持されており、格子パターン12には、格子パターン移動部64が連結されている。これら保持機構と格子パターンに胴部64は、全体として、移動手段として機能している。
【0118】
格子パターン移動部64は、格子パターン12が光電変換素子部63の全ての光電変換素子A、B、Cに対してそのモアレ縞の観察位置となるモアレ縞測定位置と、格子パターン12光電変換素子部63の光電変換素子Bに対してそのモアレ縞測定位置から待避して反射光強度の観察位置となる反射光強度測定位置と、に格子パターン12を移動させる。
【0119】
したがって、本実施の形態の表面検査装置60は、まず、格子パターン移動部64により格子パターン12をモアレ縞測定位置に位置させた状態で、円筒状被検物30を1回転させ、円筒状被検物30が1回転する間に、光電変換素子部14の光電変換素子A、B、Cで位相の異なるモアレ縞強度I1、I2、I3を測定して、検査処理部62の形状演算部21に出力する。形状演算部21は、各光電変換素子A、B、Cの測定した位相の異なるモアレ縞強度I1、I2、I3から形状(位相φ)を算出し、算出結果を検査処理部62の第1欠陥検出部22に出力する。第1欠陥検出部22は、形状演算部21の算出した形状(位相φ)に基づいてうねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥の検出を行う。
【0120】
次に、格子パターン移動部64により格子パターン12を反射光強度測定位置に移動させ、この状態で、円筒状被検物30を1回転させて、円筒状被検物30が1回転する間に、光電変換素子部14の光電変換素子Bで反射光強度を測定して、検査処理部62の第2欠陥部44に出力する。第2欠陥検出部44は、光電変換素子Bから入力される反射光強度に基づいて汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を検出する。
【0121】
また、キズ、異物等の凹凸差を伴い、かつ、色合いも異なるような欠陥については、第1欠陥検出部22と第2欠陥検出部44の両方で検出する。
【0122】
このように、本実施の形態の表面検査装置60は、格子パターン12を光電変換素子A、B、Cの測定点部分であるモアレ縞測定位置と当該モアレ縞測定位置以外の部分である反射光強度測定位置とに移動させる格子パターン移動部64で、格子パターン12をモアレ縞測定位置に位置させた状態で、光電変換素子A、B、Cの検出するモアレ縞強度から円筒状被検物30の表面形状を形状演算部21で算出して、当該算出結果に基づいて円筒状被検物30の表面の凹凸欠陥を第1欠陥検出部22で検出し、格子パターン移動部64で格子パターン12を反射光強度測定位置に移動させた状態で、光電変換素子Bの測定する反射光強度に基づいて円筒状被検物30の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2欠陥検出部44で検出している。
【0123】
したがって、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単な構成で同時に検出することができ、安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0124】
なお、本実施の形態の場合、格子パターン12を格子パターン移動部64で移動させているが、格子パターン12をパターン形成状態と透過状態とに変化する格子パターン、例えば、液晶格子パターンを用いてもよい。この場合、液晶格子パターンがパターン形成状態のときに、光電変換素子A、B、Cの検出するモアレ縞強度I1、I2、I3から円筒状被検物30の表面形状を形状演算部21で算出して、当該算出結果に基づいて円筒状被検物30の表面の凹凸欠陥を第1欠陥検出部22で検出し、液晶格子パターンが透過状態のときに、光電変換素子Bの測定する反射光強度に基づいて円筒状被検物30の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2欠陥検出部44で検出する。
【0125】
このようにすると、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥をより一層簡単な構成で同時に検出することができ、より一層安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0126】
図13〜図17は、本発明の表面検査装置及び表面検査方法の第4の実施の形態を示す図である。
【0127】
なお、本実施の形態は、上記第3の実施の形態の表面検査装置60と同様の表面検査装置に適用したものであり、上記第3の実施の形態の表面検査装置60と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0128】
図13は、本発明の表面検査装置及び表面検査方法の第4の実施の形態を適用した表面検査装置70の概略構成図であり、本実施の形態は、請求項10から請求項12に対応するものである。
【0129】
本実施の形態の表面検査装置70は、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色むら等の凹凸差を伴わない欠陥を、波長選択性を有する格子パターンとフィルタの組み合わせを利用して検出する。
【0130】
すなわち、表面検査装置70は、検査光学部71と検査処理部72を備えており、その検査光学部71に、上記第3の実施の形態の検査光学部61と同様の光源11、受光レンズ13及び光電変換素子部63等を備えているとともに、格子パターン73と切換可能なフィルタ74a、74bを備えており、その検査処理部72に、上記第3の実施の形態の検査処理部62と同様の形状演算部21、第1欠陥検出部22及び第2欠陥検出部44等を備えている。
【0131】
検査光学部71の光電変換素子部63は、上記第3の実施の形態の場合と同様に、光電変換素子A、B、Cを備えており、各光電変換素子A、B、Cは、検査処理部72の形状演算部21に接続されているとともに、その光電変換素子Bが、検査処理部72の第2欠陥検出部44に接続されている。
【0132】
検査光学部71の格子パターン73は、図14に示すように、透過部73aと非透過部73bを有しており、非透過部73bに、例えば、誘電体多層膜コーディング等により波長選択性を有するもの(波長選択型格子パターン)が用いられている。そして、この非透過部73bは、その波長特性として、例えば、図7に示したモアレ縞リファレンス強度IRの波長特性を有するものを用いる。
【0133】
検査光学部71のフィルタ74a、74bは、光源11から出射される白色光と円筒状被検物30との間に配置され、図13に両矢印で示すように、フィルタ74aとフィルタ74bを切り換えることができる。
【0134】
フィルタ74aとしては、例えば、図15に示すように、波長λが400nm〜450nmで大きな光透過率を示し、その後、急激に光透過率が低下するフィルタ、すなわち、格子パターン73の非透過部73bで吸収される波長の光を透過して、モアレ縞測定用として利用するものを用い、フィルタ74bとしては、例えば、図16に示すように、550nm程度から急激に光透過率が上昇して、その後大きな光透過率を示すフィルタ、すなわち、格子パターン73の非透過部73bを透過する波長の光を透過して反射光強度測定用として利用するものを用いる。
【0135】
そして、本実施の形態の表面検査装置70は、まず、フィルタ74aを光源11と円筒状被検物30との間に位置させて、白色の光源11からの光をフィルター74aを通して格子パターン73に照射すると、フィルタ74aを透過した光は、格子パターン73の非透過部73bを透過する波長の光は含まれていないため、格子パターン73は、通常の格子パターンとして機能する。この状態で円筒状被検物30を1回転させ、光電変換素子部63の全ての光電変換素子A、B、Cにより位相の異なるモアレ縞強度I1、I2、I3を測定して、測定結果のモアレ縞強度I1、I2、I3を検査処理部72の形状演算部21に出力する。形状演算部21は、各光電変換素子A、B、Cの測定した位相の異なるモアレ縞強度I1、I2、I3から形状(位相φ)を算出し、算出結果を第1欠陥検出部22に出力する。第1欠陥検出部22は、形状演算部21の算出した形状(位相φ)に基づいてうねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥の検出を行う。 次に、フィルター74bを、フィルター74aから切り換えて、光源11と円筒状被検物30との間に配置させる。このフィルター74bを通して照射された光源11からの光は、格子パターン73の非透過部73bも透過し、格子パターン73が存在しない状態と同じになる。
【0136】
この状態で、円筒状被検物30を1回転させ、光電変換素子部63の光電変換素子Bにより円筒状被検物30の反射光強度を測定して、検査処理部72の第2欠陥部44に出力する。第2欠陥検出部44は、光電変換素子Bから入力される反射光強度に基づいて汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を検出する。
【0137】
また、キズ、異物等の凹凸差を伴い、かつ、色合いも異なるような欠陥については、第1欠陥検出部22と第2欠陥検出部44の両方で検出する。
【0138】
このように、本実施の形態の表面検査装置70は、格子パターン73を、光の透過部73aと非透過部73bを有し、非透過部73bが所定波長の光のみを吸収する波長選択型格子パターンとして、光源11からの光を波長選択型格子パターンである格子パターン73の非透過部73bで吸収される波長の光として出射した状態のときに、光電変換素子A、B、Cの検出するモアレ縞強度から円筒状被検物30の表面形状を形状演算部21で算出して、当該算出結果に基づいて円筒状被検物30の表面の凹凸欠陥を第1欠陥検出部22で検出し、光源11からの光を波長選択型格子パターン73の非透過部73bを透過する波長の光として出射した状態のときに、光電変換素子Bの測定する反射光強度に基づいて円筒状被検物30の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2欠陥検出部44で検出している。
【0139】
したがって、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単な構成で同時に検出することができ、安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0140】
なお、本実施の形態の場合、フィルタ74a、74bは、光源11側に配置しているが、図17に示すように、格子パターン73と受光レンズ13との間に配置してもよい。
【0141】
すなわち、光電変換素子A、B、Cに入射される光の波長を格子パターン73の非透過部73bを透過する光の波長と非透過部73bで吸収される光の波長とに切り換えるフィルタ74aとフィルタ74bが、光電変換素子A、B、Cに入射される光の波長を格子パターン73の非透過部73bで吸収される光の波長としている状態、すなわち、フィルタ74aが位置している状態のときに、光電変換素子A、B、Cの検出するモアレ縞強度I1、I2、I3から円筒状被検物30の表面形状を形状演算部21で算出し、当該算出結果に基づいて円筒状被検物30の表面の凹凸欠陥を第1欠陥検出部22で検出し、フィルタ74aとフィルタ74bが、光電変換素子A、B、Cに入射される光の波長を格子パターン73の非透過部73bを透過する光の波長としている状態、すなわち、フィルタ74bが位置している状態のときに、光電変換素子Bの測定する反射光強度に基づいて円筒状被検物30の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2欠陥検出部44で検出している。
【0142】
このようにすると、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥をより一層簡単な構成で同時に検出することができ、より一層安価に検出処理効率を向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0143】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の表面検査装置によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、モアレ縞リファレンス強度演算手段で、予め用意されている基準モアレ縞リファレンス強度に基づいて形状算出手段の算出した形状データをモアレ縞リファレンス強度に換算し、当該換算されたモアレ縞リファレンス強度を、反射光強度演算手段で、光電変換素子の検出する複数のモアレ縞のうち所定のモアレ縞強度から減算して、反射光強度データを算出し、当該算出された反射光強度データに基づいて汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を同時に検出することができ、検出処理効率を向上させることができる。
【0144】
請求項2記載の発明の表面検査装置によれば、基準モアレ縞リファレンス強度を、被検物の検査前に、光源から所定の光量の光を出射させた状態で測定して保存し、被検物の検査時に、光源の光量を、当該基準モアレ縞リファレンス強度測定時の光量に光量調整手段で設定しているので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を同時に検出することができるとともに、欠陥の検出精度を向上させることができる。
【0145】
請求項3記載の発明の表面検査方法によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を検出し、予め用意されている基準モアレ縞リファレンス強度に基づいて形状算出処理で算出された形状データをモアレ縞リファレンス強度に換算し、当該換算されたモアレ縞リファレンス強度を光電変換素子の検出する複数のモアレ縞のうち所定のモアレ縞強度から減算して、反射光強度データを算出し、当該算出された反射光強度データに基づいて汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を同時に検出することができ、検出処理効率を向上させることができる。
【0146】
請求項4記載の発明の表面検査方法によれば、基準モアレ縞リファレンス強度を、被検物の検査前に、光源から所定の光量の光を出射させた状態で測定して保存し、被検物の検査時に、光源の光量を、当該基準モアレ縞リファレンス強度測定時の光量に設定しているので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を同時に検出することができるとともに、欠陥の検出精度を向上させることができる。
【0147】
請求項5記載の発明の表面検査装置によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、被検物面上の格子パターンの影の形成されていない部分の反射光強度を反射光強度測定用光電変換素子で測定して、当該反射光強度測定用光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単な構成で同時に検出することができ、安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0148】
請求項6記載の発明の表面検査方法によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を検出し、反射光強度測定用光電変換素子で被検物面上の格子パターンの影の形成されていない部分の反射光強度を測定して、当該反射光強度測定用光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単かつ同時に検出することができ、安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0149】
請求項7記載の発明の表面検査装置によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンを光電変換素子の測定点部分と当該測定点以外の部分とに移動させる移動手段で、格子パターンを測定点部分に位置させた状態で、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、移動手段で格子パターンを測定点以外の部分に移動させた状態で、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単な構成で同時に検出することができ、安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0150】
請求項8記載の発明の表面検査方法によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンを光電変換素子の測定点部分と当該測定点以外の部分とに移動可能とし、当該格子パターンが当該測定点部分に位置する状態で、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を検出し、格子パターンが測定点以外の部分に位置する状態で、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単かつ同時に検出することができ、安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0151】
請求項9記載の発明の表面検査装置によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンが、パターン形成状態と透過状態とに変化する液晶格子パターンであり、当該液晶格子パターンがパターン形成状態のときに、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、液晶格子パターンが透過状態のときに、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥をより一層簡単な構成で同時に検出することができ、より一層安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0152】
請求項10記載の発明の表面検査装置によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンを、光の透過部と非透過部を有し、当該非透過部が所定波長の光のみを吸収する波長選択型格子パターンとして、光源からの光を当該波長選択型格子パターンの当該非透過部で吸収される波長の光として出射した状態のときに、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、光源からの光を波長選択型格子パターンの非透過部を透過する波長の光として出射した状態のときに、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単な構成で同時に検出することができ、安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0153】
請求項11記載の発明の表面検査方法によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンを、光の透過部と非透過部を有し、当該非透過部が所定波長の光のみを吸収する波長選択型格子パターンとして、光源からの光を当該波長選択型格子パターンの当該非透過部で吸収される波長の光として出射した状態のときに、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を算出して、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を検出し、光源からの光を波長選択型格子パターンの非透過部を透過する波長の光として出射した状態のときに、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥を簡単な構成で同時に検出することができ、安価に検出処理効率を向上させることができる。
【0154】
請求項12記載の発明の表面検査装置によれば、格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して被検物の表面形状を測定するに際して、格子パターンを、光の透過部と非透過部を有し、当該非透過部が所定波長の光のみを吸収する波長選択型格子パターンとして、光電変換素子に入射される光の波長を格子パターンの非透過部を透過する光の波長と当該非透過部で吸収される光の波長とに切り換える波長切換手段が、光電変換手段に入射される光の波長を格子パターンの非透過部で吸収される光の波長としている状態のときに、光電変換素子の検出するモアレ縞強度から被検物の表面形状を形状算出手段で算出し、当該算出結果に基づいて被検物の表面の凹凸欠陥を第1の欠陥検出手段で検出し、波長切換手段が、光電変換手段に入射される光の波長を格子パターンの非透過部を透過する光の波長としている状態のときに、光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を第2の欠陥検出手段で検出するので、うねり欠陥やへこみ欠陥等の凹凸差を伴う欠陥と汚れ、色ムラ等の凹凸差は伴わないが色合いが異なる欠陥をより一層簡単な構成で同時に検出することができ、より一層安価に検出処理効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面検査装置及び表面検査方法の第1の実施の形態を適用した表面検査装置の概略構成図。
【図2】図1の検査処理部の機能構成図。
【図3】図1の光電変換素子Aで検出するモアレ縞強度I1の一例を示す図。
【図4】図1の光電変換素子Bで検出するモアレ縞強度I2の一例を示す図。
【図5】図1の光電変換素子Cで検出するモアレ縞強度I3の一例を示す図。
【図6】図1の形状演算部が図3〜図5のモアレ縞強度I1、I2、I3から演算する形状データの一例を示す図。
【図7】色ムラや汚れのない正常なワークを測定した際のモアレ縞リファレンスIRの一例を示す図。
【図8】図1の反射高強度演算部が形状演算部の算出した形状データを、図6のモアレ縞リファレンスIRを用いて換算したモアレ縞リファレンス強度IRWの一例を示す図。
【図9】図1の反射高強度演算部が図8のモアレ縞リファレンス強度IRWを図3のモアレ縞強度I1から減算して求めた反射光強度データの一例を示す図。
【図10】本発明の表面検査装置及び表面検査方法の第2の実施の形態を適用した表面検査装置の概略構成図。
【図11】本発明の表面検査装置及び表面検査方法の第2の実施の形態を適用した表面検査装置の他の例の概略構成図。
【図12】本発明の表面検査装置及び表面検査方法の第3の実施の形態を適用した表面検査装置の概略構成図。
【図13】本発明の表面検査装置及び表面検査方法の第4の実施の形態を適用した表面検査装置の概略構成図。
【図14】図13の格子パターンの拡大平面図。
【図15】図13のフィルタ74aの波長透過率特性を示す図。
【図16】図13のフィルタ74bの波長透過率特性を示す図。
【図17】本発明の表面検査装置及び表面検査方法の第4の実施の形態を適用した表面検査装置の他の例の概略構成図。
【図18】モアレ法による3次元計測法の原理を説明する模式図。
【図19】実体格子型のモアレ法を説明する模式図。
【図20】位相シフト法の説明図。
【図21】従来の表面形状測定装置の概略構成図。
【図22】図21の表面形状測定装置の測定原理の説明図。
【図23】図22の各光電変換素子と読取タイミングの関係を示す図。
【符号の説明】
1 表面検査装置
10 検査光学機構部
11 光源
12 格子パターン
13 受光レンズ
14 光電変換素子部
15 光量測定部
16 光量調整部
20 検査処理部
21 形状演算部
22 第1欠陥検出部
23 反射光強度演算部
24 第2欠陥検出部
30 円筒状被検物
40 表面検査装置
41 検査光学部
42 検査処理部
43 光電変換素子部
44 第2欠陥検出部
50 表面検査装置
51 検査光学部
52 検査処理部
53 光電変換素子部
54 格子パターン
55 形状演算部
56 第1欠陥検出部
60 表面検査装置
61 検査光学部
62 検査処理部
63 光電変換素子部
64 格子パターン移動部
70 表面検査装置
71 検査光学部
72 検査処理部
73 格子パターン
74a、74b フィルタ

Claims (12)

  1. 格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査装置において、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出手段と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出手段と、予め用意されている基準モアレ縞リファレンス強度に基づいて前記形状算出手段の算出した形状データをモアレ縞リファレンス強度に換算するモアレ縞リファレンス強度演算手段と、当該換算されたモアレ縞リファレンス強度を前記光電変換素子の検出する複数のモアレ縞のうち所定のモアレ縞強度から減算して、反射光強度データを算出する反射光強度演算手段と、当該算出された反射光強度データに基づいて汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出手段と、を備えていることを特徴とする表面検査装置。
  2. 前記表面検査装置は、前記基準モアレ縞リファレンス強度が、前記被検物の検査前に、前記光源から所定の光量の光を出射させた状態で測定して保存されており、前記被検物の検査時に、前記光源の光量を、当該基準モアレ縞リファレンス強度測定時の光量に設定する光量調整手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の表面検査装置。
  3. 格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査方法において、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出処理と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出処理と、予め用意されている基準モアレ縞リファレンス強度に基づいて前記形状算出処理で算出された形状データをモアレ縞リファレンス強度に換算するモアレ縞リファレンス強度演算処理と、当該換算されたモアレ縞リファレンス強度を前記光電変換素子の検出する複数のモアレ縞のうち所定のモアレ縞強度から減算して、反射光強度データを算出する反射光強度演算処理と、当該算出された反射光強度データに基づいて汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出処理と、を行うことを特徴とする表面検査方法。
  4. 前記表面検査装置は、前記基準モアレ縞リファレンス強度が、前記被検物の検査前に、前記光源から所定の光量の光を出射させた状態で測定して保存されており、前記被検物の検査時に、前記光源の光量を、当該基準モアレ縞リファレンス強度測定時の光量に設定することを特徴とする請求項3記載の表面検査方法。
  5. 格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査装置において、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出手段と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出手段と、前記被検物面上の格子パターンの影の形成されていない部分の反射光強度を測定する反射光強度測定用光電変換素子と、前記反射光強度測定用光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて前記被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出手段と、を備えていることを特徴とする表面検査装置。
  6. 格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査方法において、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出処理と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出処理と、反射光強度測定用光電変換素子で前記被検物面上の格子パターンの影の形成されていない部分の反射光強度を測定して、当該反射光強度測定用光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて前記被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出処理と、を行うことを特徴とする表面検査方法。
  7. 格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査装置において、前記格子パターンを前記光電変換素子の測定点部分と当該測定点以外の部分とに移動させる移動手段と、当該移動手段で前記格子パターンを前記測定点部分に位置させた状態で、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出手段と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出手段と、前記移動手段で前記格子パターンを前記測定点以外の部分に移動させた状態で、前記光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて前記被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出手段と、を備えていることを特徴とする表面検査装置。
  8. 格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査方法において、前記格子パターンを前記光電変換素子の測定点部分と当該測定点以外の部分とに移動可能とし、当該格子パターンが当該測定点部分に位置する状態で、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出処理と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出処理と、前記格子パターンが前記測定点以外の部分に位置する状態で、前記光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて前記被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出処理と、を備えていることを特徴とする表面検査方法。
  9. 格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査装置において、前記格子パターンが、パターン形成状態と透過状態とに変化する液晶格子パターンであり、当該液晶格子パターンがパターン形成状態のときに、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出手段と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出手段と、前記液晶格子パターンが透過状態のときに、前記光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて前記被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出手段と、を備えていることを特徴とする表面検査装置。
  10. 格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査装置において、前記格子パターンが、光の透過部と非透過部を有し、当該非透過部が所定波長の光のみを吸収する波長選択型格子パターンであり、前記光源からの光を当該波長選択型格子パターンの当該非透過部で吸収される波長の光として出射した状態のときに、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出手段と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出手段と、前記光源からの光を前記波長選択型格子パターンの前記非透過部を透過する波長の光として出射した状態のときに、前記光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて前記被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出手段と、を備えていることを特徴とする表面検査装置。
  11. 格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査方法において、前記格子パターンが、光の透過部と非透過部を有し、当該非透過部が所定波長の光のみを吸収する波長選択型格子パターンであり、前記光源からの光を当該波長選択型格子パターンの当該非透過部で吸収される波長の光として出射した状態のときに、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出処理と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出処理と、前記光源からの光を前記波長選択型格子パターンの前記非透過部を透過する波長の光として出射した状態のときに、前記光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて前記被検物の表面の汚れ、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出処理と、を行うことを特徴とする表面検査方法。
  12. 格子パターンの影を光源から出射された光で被検物面上に投影して、当該被検物面上の影を元の格子パターンまたは他の格子パターンを通して光電変換素子で受光し、当該格子パターンの影により発生する位相の異なる複数のモアレ縞を利用して前記被検物の表面形状を測定する表面検査装置において、前記格子パターンが、光の透過部と非透過部を有し、当該非透過部が所定波長の光のみを吸収する波長選択型格子パターンであり、前記光電変換素子に入射される光の波長を前記格子パターンの非透過部を透過する光の波長と当該非透過部で吸収される光の波長とに切り換える波長切換手段と、前記波長切換手段が、前記光電変換手段に入射される光の波長を前記格子パターンの非透過部で吸収される光の波長としている状態のときに、前記光電変換素子の検出するモアレ縞強度から前記被検物の表面形状を算出する形状算出手段と、当該算出結果に基づいて前記被検物の表面の凹凸欠陥を検出する第1の欠陥検出手段と、前記波長切換手段が、前記光電変換手段に入射される光の波長を前記格子パターンの非透過部を透過する光の波長としている状態のときに、前記光電変換素子の測定する反射光強度に基づいて前記被検物の表面の汚れ、傷、色むら等の凹凸差は伴わないが色合いの異なる欠陥を検出する第2の欠陥検出手段と、を備えていることを特徴とする表面検査装置。
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