JP2004218112A - 冷却装置 - Google Patents

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Yoshinobu Sotoike
芳信 外池
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Abstract

【課題】取り扱い性、運動性能、携帯性を同時に満足し、冷却対象への凍傷を防止することができ同時に冷感が得られること。
【解決手段】装着体13は、揮発性流体の導通路となる導通要素21と、該導通要素21を保持した第1面状部材31と、第2面状部材32とを有し、前記導通要素21は、前記揮発性流体を冷気注入手段51から注入する注入口22と、前記揮発性流体を吐出する吐出口24とを有し、前記冷気注入手段51から前記揮発性流体を前記導通要素21へ注入することによって冷感を冷却対象41に対して得る。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却剤として用いられる揮発性流体を噴射し、冷感を得る冷却装置に属し、特に、携帯性を有する個人用の冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来例1としては、作業服の内側に多数の吸引部を有する伸縮屈曲自在のパイプを排気用ポンプに連結し、小型バッテリー及びセンサーを排気用ポンプに連結した冷却乾燥装置を有する人体被着品がある。この人体被着品は、作業服等の人体被着品を着て汗が出た場合、汗の水分を吸引作用で気化し、その気化熱で体温の冷却乾燥を行い、作業ができるというものである(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、従来例2としては、人体の皮膚に適用して火炎の少ないエアゾール噴霧による冷却組成物として、水素元素と弗素元素のみを含有するフルオロカーボン化合物及び/又は弗素元素のみを含有するパーフルオロアルキル化合物99.5%〜75重量%に沸点0〜180℃の水又は各種有機化合物の0.5〜25重量%の1種又は2種類以上を混合した人体の皮膚に適用される冷却剤組成物が開示されている。(例えば、特許文献2を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−3508号公報(第1頁、図1)
【0005】
【特許文献2】
特開平5−271100号公報(第1頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来例1における人体被着品では、人体表面にパイプを張り巡らし衣服内の空気を吸引することにより人体表面の水分、汗を蒸発させその気化潜熱で冷却する構成であり、形状的には両手両足が自由であるため携行性には問題ないように思えるが、実際には空気を吸引するファン、モーター、電源に用いる電池等部品が多く重量が重くなりその重量のため携行性は優れたものではなく、また吸引能力にもよるが個人の携行できる重量の範囲からは冷却能力の効果が大きくは成しえずむしろ小さい。
【0007】
また、従来例2における冷却剤組成物では、フロン液状物に添加物が含むことが条件になっており液状物の気化潜熱を利用することであれば、むしろフロン液状物100%のほうが好ましい。
【0008】
また、従来例2は、冷却剤組成物を限定したものであり、実際に使用する形態については何等記載がないので携帯性を有したもの、あるいは人間が行動するのに障害にならないものなのかどうかは不明なものである。
【0009】
それゆえに、本発明の課題は、かかる従来技術の背景に鑑み、取り扱い性、運動性能、携帯性を同時に満足し、冷感が得られる冷却装置を提供するものである。
【0010】
また、本発明の他の課題は、冷却能力を下げることなく冷却対象の凍傷を防止することができる冷却装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、装着体と、冷却剤として用いる揮発性流体を前記装着体内へ注入する冷気注入手段とを含む冷却装置において、前記装着体は、第1面状部材と、該第1面状部材に対向している第2面状部材と、前記第1及び第2面状部材間に介在した前記揮発性流体の導通路なる導通要素とを有し、前記第1及び第2面状部材は、通気性及び可撓性を有するものであり、前記第2面状部材の厚み寸法が、前記第1面状部材の厚み寸法よりも大きい寸法であり、該導通要素は、前記揮発性流体を前記冷気注入手段から前記導通要素へ注入する注入口と、前記揮発性流体を第1及び第2面状部材間に吐出する複数の吐出口とを有し、前記冷気注入手段は、前記揮発性流体を収容した容器と、前記注入口に着脱可能に接続する接続部と、前記容器内に封入したガスの圧力によって前記揮発性流体を前記導通要素へ注入する開閉弁を有していることを特徴とする冷却装置が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る冷却装置の一実施の形態例を説明する。図1は、一実施の形態例における冷却装置を人体の上半身に装着した状態を示している。図2は、図1における冷却装置の回路構成を示している。図3は、図2の装着体の一部の断面を示している。
【0013】
図1乃至図3を参照して、冷却装置は、装着体13と、冷却剤として用いる揮発性流体を装着体13内に注入する冷気注入手段51とを備えている。
【0014】
装着体13は、図3によって最も良く理解できるように、導通要素としてのチューブ21と、第1面状部材31と、第1面状部材31に対向している第2面状部材32と、第1面状部材31の外側に設けられている第3面状部材33と、第2面状部材32の外側に設けられている第4面状部材34とを有している。
【0015】
さらに、装着体13は、第1面状部材31に保持しているフイルム部材28を有している。チューブ21は、フイルム部材28に接着剤43によって接着されている。第2面状部材32は、第1面状部材31に対向しかつ冷却対象41に対向させるように、チューブ21を含むフィルム部材28上に設けられている。
【0016】
即ち、チューブ21及びフィルム部材28は、第1及び第2面状部材31,33間に介在されている。フィルム部材28は長帯板形状であって、チューブ21及び第2面状部材33間に位置しており、チューブ21の長手方向に沿って第1及び第2面状部材31,32間においてチューブ21と共に配設されている。
【0017】
なお、図2は、図3に示した第2面状部材32及び第4面状部材34を除いた状態を、フイルム部材28側から平面で見た状態を示している。
【0018】
チューブ21は、揮発性流体を冷気注入手段51から注入する注入口22と、注入口22から注入した揮発性流体の流出を阻止するように一端を封止した封口部23と、冷却対象41へ向けて揮発性流体を吐出するように、長手方向の所望個所に形成されている複数の吐出口24とを有している。
【0019】
チューブ21は、冷却対象41の表面に沿うようにフィルム部材28に張り巡らされるものであり、可撓性を有する材質が好ましい。具体的には、チューブ21の材質として塩化ビニールやシリコンゴム等の軟質な材料が好ましい。
【0020】
チューブ21の肉厚寸法については、可撓性を有するものが好ましいことから、薄い肉厚寸法のもの、例えば、肉厚寸法を0.05〜5.0mmとすることが好ましい。なお、チューブ21として塩化ビニールもしくはシリコーンゴムなどのチューブを採用した場合には、肉厚寸法が0.05mm未満になると腰がなくなりチューブとしての形態保持性がなくなり折れ、捻れ、絡み等の現象が出てきて不具合が生ずる様になって好ましくない。逆に肉厚寸法が5.0mmを超えるとチューブは、剛直になり冷却対象41の曲面に馴染むように沿わせるためには不具合が生じるので好ましくない。
【0021】
第1乃至第4面状部材31,32,33,34は、通気性及び可撓性を有するものであって、具体的には、織物、編み物、網状物、及び多孔質に形成したメッシュ生地の内の少なくとも一つを採用しており、第2面状部材32の厚み寸法が、第1面状部材31の厚み寸法よりも大きい寸法となっている。なお、第2及び第4面状部材33,34の厚み寸法は、第1面状部材31の厚み寸法と略同等の厚み寸法としている。
【0022】
また、この実施の形態例における冷却対象41としては、人体の上半身を想定しており、上半身に被着するように第1及び第2面状部材31,32を少なくとも2層に重ね合わせてチョッキ形状に形成したものである。なお、冷却対象41は、人体に限らず、冷却感を必要とする対象物に広く適用できる。
【0023】
冷気注入手段51は、揮発性流体を収容した容器52と、注入口22に着脱可能に接続する接続部53と、容器52内に封入したガスの圧力によって揮発性流体をチューブ21へ間欠的に注入する開閉弁55を有している。
【0024】
なお、開閉弁55は、冷却が必要とする場合に人手の操作によって揮発性流体をチューブ21へ間欠的に操作して注入することができるものである。
【0025】
導通要素としてのチューブ21は、加工の簡便性の観点から採用されているものであり、揮発性流体を噴射させるためにチューブ21の壁面に長手方向で適宜に吐出口24を複数開けることで達成できる。吐出口24は、揮発性流体の噴射を妨げないように、第1面状部材31とフイルム部材28と間に形成されている空間に向けて位置している。また、長手方向に複数形成されている吐出口24と吐出口24との間隔は、等間隔でもよいし、揮発性流体を冷気注入手段51から注入する注入口22から遠くへ行くに従って間隔を狭くして行くことでも良い。
【0026】
吐出口24の形状としては、特に限定されるものではないが、加工の簡便性を考慮すると丸形状が最適であるが、他の形状として例えば、三角形、四角形等の多角形、その他の変形多角形等の何れであっても良い。また、吐出口24の加工方法については、打ち抜き、焼き針、レーザー等の何れの方法で加工しても構わない。
【0027】
チューブ21は、チョッキ形状に構成された装着体13の中に埋設される形態であり、冷却対象41に下着を着用した状態で装着体13を装着することが好ましい。
【0028】
第1面状部材31,第3面状部材33,第4面状部材34の具体例としては、シングルメッシュ地を採用する。第2面状部材32の具体例としては、ハニカム形状の複数の孔を形成したダブルラッセル生地を採用する。この実施の形態例における第1面状部材31,第3面状部材33,第4面状部材34の厚み寸法は、1mmに設定しており、第2面状部材32の厚み寸法を5mmとして、冷却対象41とチューブ21との間隔を保っている。
【0029】
第1,第3,第4面状部材31,33,34としてのシングルメッシュ生地は、装着体13の形状保持と通気性とを確保することを主の目的しており、形状的には特別の要求があるものでもなく50%以上の気孔率を有しているものであればよく、目付としては100〜300g/m程度のものであれば良い。
【0030】
ここで、単位体積当たりの空間容積:Q1、単位体積中にしめる生地の繊維容積:Q2とすると、気孔率は、(Q1−Q2)/Q1×100となる。
【0031】
なお、気孔率が50%未満のものでは、揮発性流体の冷気の通気性を抑制してしまい、またシングルメッシュ生地の素材そのものが逆に僅かではあるが保温効果を示し好ましくない。なお、目付が100g/m未満であれば装着体13としての形態安定性が不十分となり、300g/mを超えると嵩高性が増すことによる保温性の増加とゴワゴワ感が大きくなり着用感が悪くなるので好ましくない。
【0032】
第1面状部材31であるシングルメッシュ生地は、フィルム部材35の位置を固定する目的を有しており、第1面状部材31であるシングルメッシュ生地にフィルム部材35を縫いつけ、これを第2乃至第4面状部材32,33,34と共にチョッキ形状に縁縫いすることで位置決めするものである。
【0033】
揮発性流体の噴射における冷却対象41が人体である場合には、人体の表面にあまりにも近いところで噴射させると極度の冷却が起こり人体に凍傷が生じる場合がある。よって第2面状部材32は、チューブ21と人体の表面との間に距離を持たせるスペーサーとしての役目を果たし、同時に冷却風を拡散するための役目を果たす。
【0034】
また、気孔率が50%以上のものを用いる理由は、冷却風の拡散を妨げず冷却風は出来るだけ広い範囲に届く様にすることにある。また、第2面状部材32は、冷却対象41が人体である場合には、厚み寸法を3mm以上とすることがが好ましく、3mm未満になると揮発性流体の拡散が十分出来ずに効果的でなく好ましくない。
【0035】
第2面状部材32とチューブ21との間にはフィルム部材28を設けるが、フィルム部材28を用いる意味は、チューブ21の位置決めの他に、実際にはチューブ21から噴射する揮発性流体が人体にかかると極端に冷却されるため、揮発性流体が直接肌に当たることを防止する目的がある。また、フイルム部材28に沿って揮発性流体が吐出口24から噴射するように拡散作用を求めるものであり、凍傷防止用のバリヤーフィルムとして用いられるものである。
【0036】
従って、フィルム部材28の形状は、拡散作用を生じるような形状であれば、図2に示した長手方向に長い寸法の長帯板形状(矩形状)、図4に示した長手方向に長い寸法の波形状、図5に示した長手方向に長い寸法のノコギリ刃状、あるいは図6に示した楕円形状もしくは円形状の何れであってもよいが、加工面、性能面からは図2に示す様に矩形状、図4に示した波形状が好ましい。
【0037】
第1面状部材31とフイルム部材28とは、これらを縫い付けることによって保持されている。なお、図2、図4乃至図6において、縫い付け部分は、縫い糸61を点線によって示した。さらに、第3及び第4面状部材33,34は、これらを合わせて縁縫いすることで位置決めするものである。
【0038】
チューブ21とフィルム部材28とは、前述したように、接着剤43によってチューブ21の長手方向における所望個所でフィルム部材28に固着するものである。適用する接着剤43としては、エポキシ系、ゴム系、ウレタン系、シアノアクリレート系、シリコーン系、塩化ビニール系等の材料が好ましい。
【0039】
なお、接着剤43として、より好ましくは加工性の面、耐久性の面を考えてシリコーン系が好ましい。エポキシ系は、接着力は大きいのではあるが2液型になるため作業が繁雑になることと皮膚に付着すると健康面によくないので好ましくない。ゴム系と塩ビ系は1液型ではあるが溶剤を含んでいるのでフィルム部材28を膨潤させる作用があるので好ましくない。
【0040】
シアノアクリレート系は、瞬間接着剤とも呼ばれ一見して作業性に優れているようにも見えるが、瞬間に接着させるためには接着剤を薄く塗る必要がある。つまり、接着面積が小さくなることを意味していて接着部分の耐久性、例えば実際には繰り返し洗濯して使用するためこの対洗濯性能が低下し実用面からは推奨出来ない。逆に厚く塗布した場合は、接着剤43自身が硬化するのに極端に時間がかかる様になるという問題があり、この面からも好ましいものとは言えない。
【0041】
第2面状部材32は、スペーサーとしての役目も果たすものであり、ダブルラッセル生地の以外の生地として、機能さえ保有していれば他の品種でも良い。例えば3次元織物、ネットに凹凸を付与したもの、多孔質のフォーム等を採用する。
【0042】
チューブ21のパターン形態としては、冷却対象41が人体である場合、人体の中心線部分を上下方向に1本設ける方法がある。この方法では、揮発性流体がチューブ21を中心として左右方向に良好に噴出するが、例えば噴射を間欠的に繰り返し行おうとするとチューブ21の内部に存在する揮発性流体が噴射の間欠時そのたびにチューブ21内の下方に溜まり、この部分が常時冷却され、やがては凍傷を引き起こすことにもなるで積極的に好ましいものとは言えない。
【0043】
したがって、チューブ21は、横U字形状に蛇行させるパターンとすることが推奨される。さらに実際的には、図1に示す様に冷却対象41としての人体全体を一様に覆うのではなく、人体の上方部分を冷却する。つまり人体の上方部分に横U字形にチューブ21を配設すれば、冷気は自然と下方へ流れ落ちるのでそれを利用すればよい。
【0044】
また、第2面状部材32としてのダブルラッセル生地も下方まで設置しなくても、上方に存在していれば自然と下方は空隙が開くものであるから、下方には必要もなく不要である。
【0045】
さらに、装着体13は、チョッキ形状に形成する他に、長袖形状であっても一向に差し支えない。また、上半身だけでなく下半身を対象とするズボン形状のものでも対応可能である。
【0046】
揮発性流体としては、ノルマルブタン、イソブタン、プロパン、イソペンタン、ジメチルエーテル、LPG、フロン系液状物として(以下三井・デュポンフロロケミカル(株)の商標で記載)HFC−134a、HFC−152a、HCFC−124等が好ましく用いられる。より好ましくは個人携帯用の面から液体状物のガスが不燃性を示すものとしてフロン系液状物が良い。中でも本発明では、フロン系液体を個人が携行するため軽量な容器52、例えばカセットボンベのような容器に一旦充填してこの形で用いることが実用上好ましい。
【0047】
容器52の重量は、フロン系液体でも品種を選択しないとその液体が持っている蒸気圧に耐えるため安全強度の面からやたら容器52の肉厚が厚くなったりするのでフロン系液体としては、ブロー用途に適用されている例えばHFC−134a、HFC−152a等が好ましい。
【0048】
同様の面からは、HCFC−124も好ましいものに該当するが性質として僅かではあるがオゾン破壊性を残しているのでこの面から積極的には推奨出来ない。なお、揮発性流体は、摂氏20℃以下の沸点を有するものが好ましい。
【0049】
以下、冷却装置の実施例を説明する。冷却剤である揮発性流体を三井・デュポンフロロケミカル(株)のHFC134aを250g充填したヤマト(株)製エアーシャワーAS−250を人体の前面に対向する前身頃用として1本、人体の後面に対向する後見頃用として1本の計2本をセットにして実施した。
【0050】
装着体13は、チョッキ形状であり、外寸としては着丈260mm、肩幅310mm、脇幅310mm、腰幅420mmとした。装着体13は、肩部13aと腰回り13bにおいて脱着が容易にするため、あるいは人体に密着させることが出来る様にするため帯状のベルベットクロステープ71,72を取り付けた。縁縫いは、縁取りテープを当てポリエステル縫糸#50で10針/インチの条件で縫い止めた。第1及び第2面状部材31,33は、クボタレース(株)製No.222を用いた。ダブルラッセル生地は、北陸エステアール(協)31804を用いた。
【0051】
揮発性流体の導通路となるチューブ21は、水作(株)製の軟質塩化ビニル“スリムチューブ”を用い形状としては横U字状で、吐出口24の孔形状は丸形直径1mmφのポンチで上段3孔、下段4孔を80mm間隔にそれぞれ5の吐出口24を開けた。チューブ21の先端はめくら状に閉じて封口部23とした。
【0052】
フィルム部材28は、長瀬プラスチックス販売(株)製軟質塩化ビニルアルトロン透明0.2mm厚みのものを用い、サイズとしては上段側を240mm×80mm、下段側が300mm×80mmとした。
【0053】
チューブ21とフィルム部材28との接着は、セメダイン(株)変性シリコーン系スーパーXをそれぞれのチューブ21の吐出口24間に塗布し一昼夜放置し接着した。
【0054】
このフィルム部材28は、図7に示すように一旦、第1面状部材31としてのシングルメッシュ生地と、縫い糸61を点線によって示したポリエステル縫糸#50で5針/インチの条件で縫製し一体化しておいた。
【0055】
チョッキ形状における装着体13の積層構成は、冷却対象41としての人体の表面側から第4面状部材34としてのシングルメッシュ生地、第2面状32としてのダブルラッセル生地、フィルム部材28、第1面状部材31としてのシングルメッシュ生地、及び第3面状部材33としてのシングルメッシュ生地とした。
【0056】
装着体13の下側、即ち、人体に直接着用する着衣は、下着としてポリエステル繊維のニット(目付260g/m)シャツを着用し、下着の上に装着体13を着用した。さらに上着として装着体13上に市販のテトロン/コットン混長袖作業服を着用した。さらに上着として市販のダウンジャケットを着用した。ズボンは市販の綿製のみを着用した。この様に着衣を装着した上で運動負荷をかけた。気温32℃、湿度40%RHの環境下で公道を早足で20分歩いた。
【0057】
冷却作業は、運動負荷をかけた後、直ちに実施し前身頃側、後ろ身頃側に各1本備えた冷気注入手段51を操作することによって同時に2秒噴射、1秒停止を10回繰り返した。
【0058】
チューブ21の吐出口24から噴射された揮発性流体は、フイルム部材28に沿って流れ、主に第1及び第2面状部材31,32を通過し、第2面状部材32と上着との間に流れ込む。このとき、一部の揮発性流体がフイルム部材28間の第3面状部材33から第1面状部材31へと流れ込み、さらに、第2面状部材32から第4面状部材34へと流れ、冷却対象41である人体を冷却する。
【0059】
このように、揮発性流体が第3面状部材32へ流れ込んだ後、第2面状部材32へ迂回するように構成されているので、人体に対して極端な冷気による凍傷を防ぐことができたことから、火照った人体には快い冷却感を感じるものであった。
【0060】
なお、実施の形態例においては、第3及び第4面状部材33,34を設けた構成としたが、第3及び第4面状部材33,34を除いた構成として、第1及び第3面状部材31,32を縁縫いして形成して装着体13とした場合にも、人体に対して極端な冷気による凍傷を防ぐことができ、この結果として火照った人体には快い冷却感を感じるものであった。
【0061】
また、実施の形態例においては、導通要素としてチューブ21を採用して説明したが、図1乃至図3に示したチューブ21及びフィルム部材28の代わりとして、図8に示すように、装着体13を構成してもよい。
【0062】
導通要素は、ポリエチレンフィルム等の合成樹脂製からなる長帯板形状の二枚のフィルム部材91,92を互いに重ね合わせ縫製することで揮発性流体の導通路を構成し、縫い糸61の隙間を吐出口24とし、吐出口24から揮発性流体が漏れ出るようにしてもよい。
【0063】
なお、図8に示した装着着体においては、図1乃至図3に示したチューブ21と同様に、二枚のフィルム部材91,92によって形成された導通路に揮発性流体を冷気注入手段51から注入する注入口と、揮発性流体の流出を阻止する封口部を備える。
【0064】
図8において示した冷却装置による冷却作業では、図1乃至図3に示した冷却装置と同様に、冷気注入手段51を操作することによって同時に2秒噴射、1秒停止を10回繰り返した。
【0065】
チューブ21の吐出口24から噴射された揮発性流体は、二枚のフイルム部材91,92によって構成されている導通路に沿って流れ、縫い糸61の隙間から主に第1及び第2面状部材31,32を通過し、第2面状部材32と上着との間に流れ込む。このとき、一部の揮発性流体が第3面状部材33から第1面状部材31へと流れ込み、さらに、第2面状部材32から第4面状部材34へと流れ、冷却対象41である人体を冷却する。
【0066】
このように、揮発性流体が第3面状部材32へ流れ込んだ後、第2面状部材32へ迂回するように構成されているので、人体に対して極端な冷気による凍傷を防ぐことができたことから、火照った人体には快い冷却感を感じるものであった。
【0067】
【発明の効果】
以上、実施の形態例によって説明したように、本発明に係る冷却装置によれば、導通要素を装着体内に配設し、冷気注入手段によって揮発性流体を注入して導通要素の吐出口から揮発性流体を噴射することによって、揮発性流体の気化潜熱により冷却対象を冷却するので、揮発性流体が少量であっても蒸発潜熱が大きいので、揮発性流体を噴射するだけで大きな熱量を奪うことができ、その結果、冷却対象に対して冷感を得ることができる。
【0068】
したがって、本発明に係る冷却装置は、携帯性をもって手軽に取り扱うことができ、取り扱い性、運動性能を同時に満足することができる。
【0069】
また、本発明の冷却装置は、揮発性流体を噴射することにより携行性、運動性、作業性を損なうことなく冷感が得られ、特に、夏場の酷暑状態の時に簡便で、衣服形状になっているので手軽に着用出来、運動性、作業性を損なわない携帯性に優れた個人用の冷却装置を提供することことができる。
【0070】
さらに、冷却対象である人体へ揮発性流体を直接に接触させると凍傷になるので、吐出口と冷却対象との間に第2面状部材を設けることにより、冷却能力を下げることなく凍傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷却装置の一実施の形態例を示す正面図である。
【図2】図1に示した冷却装置の回路構成を平面から見た状態を示す構成図である。
【図3】図1に示した冷却装置の装着体の一部をIII−III線によって断面して示した断面図である。
【図4】図2に示した装着体の導通要素とフイルム部材との構成における他の具体例を示した平面図である。
【図5】図2に示した装着体の導通要素とフイルム部材との構成における他の具体例を示した平面図である。
【図6】図2に示した装着体の導通要素とフイルム部材との構成における他の具体例を示した平面図である。
【図7】図1に示した冷却装置の装着体の製作を説明するための平面図である。
【図8】図3に示した導通要素の他の例を示した断面図である。
【符号の説明】
21 チューブ(導通要素)
13 装着体
51 冷気注入手段
22 注入口
23 封口部
24 吐出口
28,91,92 フィルム部材(導通要素)
31 第1面状部材
32 第2面状部材
33 第3面状部材
34 第4面状部材
43 接着剤
41 冷却対象(人体)
52 容器
53 接続部
55 開閉弁

Claims (5)

  1. 装着体と、冷却剤として用いる揮発性流体を前記装着体内へ注入する冷気注入手段とを含む冷却装置において、
    前記装着体は、第1面状部材と、該第1面状部材に対向している第2面状部材と、前記第1及び第2面状部材間に介在した前記揮発性流体の導通路なる導通要素とを有し、
    前記第1及び第2面状部材は、通気性及び可撓性を有するものであり、
    前記第2面状部材の厚み寸法が、前記第1面状部材の厚み寸法よりも大きい寸法であり、
    該導通要素は、前記揮発性流体を前記冷気注入手段から前記導通要素へ注入する注入口と、前記揮発性流体を第1及び第2面状部材間に吐出する複数の吐出口とを有し、
    前記冷気注入手段は、前記揮発性流体を収容した容器と、前記注入口に着脱可能に接続する接続部と、前記容器内に封入したガスの圧力によって前記揮発性流体を前記導通要素へ注入する開閉弁を有していることを特徴とする冷却装置。
  2. 前記導通要素は、前記注入口と、前記吐出口とを有するチューブであり、前記装着体は、該チューブ及び前記第2面状部材間に位置して前記チューブの長手方向に沿って前記チューブを保持しかつ前記第1面状部材に保持したフイルム部材を有していることを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
  3. 前記導通要素は、前記第1及び前記第2面状部材間に介在した二枚のフィルム部材を有し、前記フイルム部材の二枚をチューブ形状に縫い合わせることにより前記導通路が形成されており、前記二枚をチューブ形状に縫い合わせた縫い糸間の隙間を前記吐出口としたことを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
  4. 前記装着体は、前記第1面状部材の外側に設けた第3面状部材と、前記第2面状部材の外側に設けた第4面状部材とを有し、前記第3及び第4面状部材が通気性及び可撓性を有するものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の冷却装置。
  5. 前記第1乃至第4面状部材は、織物、編み物、網状物、及び多孔質に形成したメッシュ生地の内の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の冷却装置。
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