JP2004214913A - 無線通信システム、無線基地局および無線端末装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】受信性能のさらなる改善を実現可能な無線通信システムを得ること。
【解決手段】本発明の無線通信システムにあっては、無線端末装置が、受信信号に基づいて、無線基地局におけるアンテナ毎のアンテナウェイトの制御に必要となるフィードバック情報を生成し、前記無線基地局が、前記各アンテナウェイトを、前記フィードバック情報を用いて制御する構成とし、たとえば、前記無線端末装置が、前記フィードバック情報として送信するアンテナ間位相差を、自身が保持する過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲で更新する受信FBI訂正部5、を備え、さらに、前記無線基地局が、前記フィードバック情報として受け取ったアンテナ間位相差の誤りを、自身が保持する過去のアンテナ間位相差を基準とした前記所定の位相遷移範囲で訂正する送信FBI補正部16、を備える構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の無線通信システムにあっては、無線端末装置が、受信信号に基づいて、無線基地局におけるアンテナ毎のアンテナウェイトの制御に必要となるフィードバック情報を生成し、前記無線基地局が、前記各アンテナウェイトを、前記フィードバック情報を用いて制御する構成とし、たとえば、前記無線端末装置が、前記フィードバック情報として送信するアンテナ間位相差を、自身が保持する過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲で更新する受信FBI訂正部5、を備え、さらに、前記無線基地局が、前記フィードバック情報として受け取ったアンテナ間位相差の誤りを、自身が保持する過去のアンテナ間位相差を基準とした前記所定の位相遷移範囲で訂正する送信FBI補正部16、を備える構成とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線基地局が複数のアンテナを介して無線端末装置に対して信号を送信し、無線端末装置が受信した信号に基づいて無線基地局の各アンテナから送信される信号の位相を制御する無線通信システムに関するものであり、特に、クローズドループ送信ダイバーシチが適用されたW−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)方式を採用する無線通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の無線通信システムについて説明する。たとえば、移動体通信においては、フェージングによる受信信号の品質劣化が課題となるが、その受信品質の改善手段の1つとして、アンテナダイバーシチ技術が広く知られている。アンテナダイバーシチには、受信機に複数のアンテナを用意する受信ダイバーシチと、送信機に複数のアンテナを用意する送信ダイバーシチがある。携帯電話のような移動体通信システムにおいては、受信品質改善のために携帯端末側に複数のアンテナを設けることは物理的に難しく、無線基地局に複数のアンテナを設ける送信ダイバーシチが有効な手段となる。
【0003】
また、上記送信ダイバーシチには、送信機が送信する信号の位相や振幅を受信機側にてフィードバック情報を用いて制御するクローズドループ送信ダイバーシチと、その制御を必要としないオープンループ送信ダイバーシチがある。以下では、W−CDMA方式に採用されているクローズドループ送信ダイバーシチについて説明する。
【0004】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準化の進められているW−CDMA(またはDS−CDMA)方式においては、モード1とモード2の2種類のクローズドループ送信ダイバーシチが採用されている。両モードに共通な点としては、無線基地局が、2つのアンテナ(アンテナ(1)とアンテナ(2)と称する)から、既知のパターンの制御チャネルおよびユーザデータを含む個別チャネルを送信する点があげられる。制御チャネルには、アンテナ(1)およびアンテナ(2)からそれぞれ直交の関係にあるパターンが送信される。これにより、無線端末装置ではアンテナ毎の信号を受信することができる。また、個別チャネルには、ユーザデータの他に、制御情報として、TFCI(Transport Format Combination Indicator),TPC(Transmit Power Control),パイロットが含まれる。
【0005】
また、上記モード1では、個別チャネルに含まれるパイロット以外、アンテナ(1)およびアンテナ(2)から同一データが送信される。無線端末装置では、個別チャネルのパイロットとして、アンテナ(1)およびアンテナ(2)からそれぞれ直交の関係にあるパターンが送信されるため、アンテナ毎の信号を受信することができる。また、モード1では、個別チャネルの位相に90°単位の位相制御が行われる。この位相制御は、通信中の無線端末装置から送信されるFBI(FeedBack Information)に基づいて行われる。無線端末装置から送信されるFBIは、1スロットに1ビットであり、位相制御は、2ビットを1セットとして行われる。
【0006】
一方、モード2では、個別チャネルに、アンテナ(1)およびアンテナ(2)から同じデータが送信される。そのため、無線端末装置では、アンテナ毎の分離が不可能となる。また、モード2が適用された場合、無線基地局では、2つのアンテナのうちアンテナ(2)から送信される個別チャネルの位相に45°単位の位相制御を行い、送信する。同時に、各アンテナから送信される個別チャネルの電力比を、0.8:0.2または0.2:0.8として送信する。このとき、無線基地局における位相制御および電力制御は、通信中の無線端末装置から送信されるFBIに基づいて行われる。無線端末装置から送信されるFBIは、1スロットに1ビットであり、位相情報は3ビットで1セットとして行われ、電力情報は1ビットで1セットとして行われる。そのため、4スロットで位相情報および電力情報を1セットずつ送信することになる。
【0007】
ここで、従来のクローズドループ送信ダイバーシチが適用された無線通信システムの動作例を簡単に説明する(特許文献1参照)。
【0008】
まず、移動局では、アンテナを介して基地局からの信号を受け取る。このとき、受信信号として、自局宛てに個別に送信される個別信号(音声データをはじめとする伝送データ)と、基地局側の1つのアンテナ(アンテナ(1))から送信される共通パイロット信号と、基地局側の他のアンテナ(アンテナ(2))から送信される共通パイロット信号と、を受信する。そして、双方の共通パイロット信号からそれぞれ振幅と位相を検出する。
【0009】
つぎに、移動局では、個別に検出された振幅と位相をそれぞれ比較し、その比較結果に基づいて、2つのアンテナから送信される個別信号間の正確な位相差と振幅差を求める。そして、移動局では、求めた位相差と振幅差に対応するパターンのFBIデータを生成し、さらに、音声データ等の伝送データと当該FBIデータとを合わせた送信信号を生成し、この送信信号を、アンテナを介して基地局に対して送信する。
【0010】
一方、基地局では、アンテナ(1)および(2)を介して受信した信号を合成し、さらに、合成後の受信信号を復調/復号して、伝送データとFBIデータを再生する。
【0011】
つぎに、基地局では、再生されたFBIデータを解読し、アンテナ(1)を介して送信する個別信号の振幅と位相、およびアンテナ(2)を介して送信する個別信号の振幅と位相、をそれぞれ決定する。そして、移動局に対する所望の伝送データから送信信号を生成し、アンテナ(1)から送信する送信信号を上記で決定した振幅と位相に制御し、同様に、アンテナ(2)から送信する送信信号についても上記で決定した振幅と位相に制御する。
【0012】
つぎに、基地局では、設定された振幅と位相で、アンテナ(1)側とアンテナ(2)側に対応する共通パイロット信号を個別に生成する。そして、アンテナ(1)側から送信する信号として生成された送信信号と共通パイロット信号とを加算し、同様に、アンテナ(2)側から送信する信号として生成された送信信号と共通パイロット信号とを加算し、それらの加算結果をそれぞれに対応するアンテナから送信する。
【0013】
このように、従来の移動通信システムにおいては、移動局が、基地局の2つのアンテナ(1),(2)から送信された共通パイロット信号に基づいて、アンテナ(1),(2)から送信された個別信号の位相と振幅の適正値を求め、その結果をFBIデータとして基地局に対して送信する。そして、基地局では、移動局から通知されるFBIデータに基づいて、アンテナ(1),(2)から送信する個別信号の位相と振幅を制御する。
【0014】
続いて、上記とは異なる従来のクローズドループ送信ダイバーシチが適用された無線通信システムの無線端末装置(通信端末装置に相当)の動作について簡単に説明する(特許文献2参照)。
【0015】
まず、無線端末装置では、アンテナを介して受け取った受信信号に対して所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)を行う。そして、通信チャネル信号については、無線基地局にて拡散変調処理時に使用した拡散コードと同一の拡散コード#0を用いて逆拡散する。その後、逆拡散信号を用いてチャネル推定を行い、このチャネル推定値を後述する位相補正量を用いて補正し、さらに、位相補正後のチャネル推定値にしたがって逆拡散信号に対して同期検波処理を行い、その結果として受信データを得る。
【0016】
一方、共通パイロットチャネル信号については、無線受信処理後に、無線基地局にて拡散変調処理時に使用した拡散コードと同一の拡散コードを用いて逆拡散し、所望の逆拡散信号を得る。具体的には、一方で、拡散コード#1を用いて逆拡散処理を行い、無線基地局のアンテナ(1)から送信された信号を取得し、他方で、拡散コード#2を用いて逆拡散処理を行い、無線基地局のアンテナ(2)から送信された信号を取得する。
【0017】
つぎに、無線端末装置では、無線基地局のアンテナ(1)および(2)から送信された信号のチャネル推定を、それぞれ対応する上記逆拡散信号を用いて行う。そして、求められたそれぞれのチャネル推定値に基づいて、フィードバック情報を算出する。その後、このフィードバック情報に基づいて、クローズドループ型送信ダイバーシチにおいて無線基地局側で付加された位相に対する位相補正量を算出する。この位相補正量は、上記通信チャネル信号から求めたチャネル推定値に乗算される。これにより、クローズドループ型送信ダイバーシチにおいて無線基地局側で付加された位相回転分が除去されたチャネル推定値(上記位相補償後のチャネル推定値)が得られる。
【0018】
また、無線端末装置では、送信データに対してディジタル変調処理を施し、変調後の送信データと上記フィードバック情報とを用いてフレーム構成を行う。そして、フレーム構成後の送信データおよびフィードバック情報に対して所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)を施し、アンテナを介して無線基地局に対して送信する。
【0019】
【特許文献1】
特開2002−016532号公報
【特許文献2】
特開2001−168777号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開2002−016532号公報に記載されている従来の無線通信システムにおいては、フィードバック情報による制御が受信信号に反映されるまでに一定の遅延があり、また、その制御周期は固定されていた。すなわち、伝送路の変動速度に関係なく、制御が行われている、という問題があった。
【0021】
また、特開2001−168777号公報に記載されている無線通信システムの無線端末装置においては、送信したフィードバック情報が無線基地局で正しく受信できていることが前提となっており、たとえば、フィードバック情報が無線基地局において誤って受信され、誤ったアンテナウェイトが設定された場合には、無線端末装置で行われるチャネル推定値の補正が正しく行われず、受信性能が劣化する、という問題があった。
【0022】
一方で、無線基地局でアンテナウェイトが誤って設定された場合に、それを端末側で検出する方法の一例(Simplified Beam Former Verification)が文献“3GPP RAN TS25.214 V3.10.0”に記載されている。本方法は、モード1に使用することを想定しており、アンテナ(2)の共通既知チャネルと個別チャネルのパイロットとの位相差を検出し、無線基地局のアンテナ(2)に設定されたアンテナウェイトを推定することが基本となっている。しかしながら、アンテナ(1)とアンテナ(2)から送信される個別チャネルのパイロットが同一のモード2には、これを適用できない、という問題があった。
【0023】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、移動速度に応じて最良の受信性能を実現可能な無線通信システムを得ることを目的とする。
【0024】
また、本発明は、無線基地局において受信したFBIの誤り検出および訂正を可能とし、さらに、個別チャネルのパイロットが同一で、かつ無線端末装置にてアンテナウェイトが推定できない場合であっても、受信性能を改善可能な無線通信システムを得ることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる無線通信システムにあっては、無線端末装置が、受信信号に基づいて、無線基地局におけるアンテナ毎のアンテナウェイトの制御に必要となるフィードバック情報を生成し、前記無線基地局が、前記各アンテナウェイトを、前記フィードバック情報を用いて制御する構成とし、たとえば、前記無線端末装置が、前記フィードバック情報として送信するアンテナ間位相差を、自身が保持する過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲で更新するフィードバック情報更新手段、を備え、前記無線基地局が、前記フィードバック情報として受け取ったアンテナ間位相差の誤りを、自身が保持する過去のアンテナ間位相差を基準とした前記所定の位相遷移範囲で訂正するフィードバック情報訂正手段、を備えることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、無線端末装置を構成するフィードバック情報更新手段が、上記フィードバック情報を、すなわち、無線基地局からの既知信号に基づいて求めたアンテナ間位相差を、過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲で更新し、無線基地局を構成するフィードバック情報訂正手段が、受け取ったフィードバック情報の誤りを、すなわち、アンテナ間位相差の誤りを、過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲で訂正する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる無線通信システム、無線基地局(以降、基地局と呼ぶ)および無線端末装置(以降、端末装置と呼ぶ)の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、一例として、クローズドループ送信ダイバーシチが適用されたW−CDMA方式を採用する無線通信システムについて説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0028】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる無線通信システムに含まれる基地局の構成を示す図である。本実施の形態の基地局は、アンテナ1a,1bと、無線受信部2と、復調部3と、受信FBI訂正部5と、受信FBI記憶部6と、受信FBI解読部7と、フレーム構成部8と、2つのアンテナに個別に対応した無線送信部9a,9bから構成される。
【0029】
アンテナ1a,1bは、基地局から端末装置への信号を送信し、また、端末装置から送信された信号を受信する。無線受信部2では、受信信号の合成,周波数変換,A/D変換等の処理を行い、ディジタルベースバンド信号を出力する。復調部3では、受け取ったディジタルベースバンド信号を逆拡散し、さらに、チャネル推定,同期検波等の処理を行い、その結果として受信データを出力する。
【0030】
また、受信FBI訂正部5では、受信データから受信FBIを生成し、生成した受信FBIと過去の受信FBIとを比較する。そして、誤り検出時は受信FBIを訂正する。受信FBI記憶部6では、受信FBI訂正部5から出力された受信FBIを記憶する。受信FBI解読部7では、受け取った受信FBIから2つのアンテナに個別のウェイトを生成する。フレーム構成部8では、送信データおよびアンテナウェイトからアンテナ毎のデータを生成する。無線送信部9a、9bでは、受け取ったデータに対してD/A変換,周波数変換等の処理を行い、高周波信号を生成する。
【0031】
続いて、上記基地局の動作について説明する。まず、復調部3で生成された受信データは、受信FBI訂正部5に入力され、受信FBI訂正部5では、受信FBI記憶部6に記憶されている過去の受信FBIとここで生成した現在の受信FBIとを比較し、受信FBIの誤りを検出する。そして、その誤りを訂正する。図2は、FBIセットのビット構成例を示す図である。FBIは、1スロットに1ビットの割合で送信され、図2に示すように、4スロット分、すなわち、4ビットで1セットとなり、前半の3ビットが位相情報を表し、後半の1ビットが電力情報を表す。
【0032】
ここで、上記受信FBI訂正部5の動作を、図を用いて詳細に説明する。図3は、受信FBI訂正部5の処理の一例を示すフローチャートである。まず、受信FBI訂正部5では、復調部3から出力される符号付き多値の受信データを硬判定し、2値(0または1)の受信FBIを生成する(ステップS1)。ただし、位相制御周期内に複数のFBIセットが存在する場合は、位相制御周期内において、同一FBIを表す受信データを加算し、受信データ信頼度を上げてから硬判定を行う。そして、生成した受信FBIを用いて、図4に示す受信FBI誤り訂正処理を行う(ステップS2)。
【0033】
図4は、上記受信FBI誤り訂正処理を示すフローチャートである。まず、受信FBI訂正部5では、受信FBI記憶部6に記憶されている過去のFBIセットを読み出す(ステップS11)。そして、受信データに付随するスロット番号と位相制御周期とに基づいて、位相制御タイミングか否かを判定する(ステップS12)。
【0034】
上記処理において、たとえば、位相制御タイミングであった場合(ステップS12,Yes)、受信FBI訂正部5では、過去の受信FBIセットを基準として、所定の位相遷移範囲しきい値(端末装置側で規定した所定の位相遷移範囲しきい値)内に存在するFBIセットを、図5に示すテーブルから取り出す(ステップS13)。図5は、FBIセットとアンテナ間位相差phとの関係を表すテーブルを示す図である。
【0035】
つぎに、受信FBI訂正部5では、新たに生成された受信FBIセットが、位相遷移範囲しきい値内に存在するFBIセットと一致するかどうかを判定する(ステップS14)。なお、受信FBIセットが全て揃っていない場合は、現状のFBIだけで判定する。判定の結果、一致するFBIセットが存在しない場合は(ステップS14,No)、たとえば、位相制御周期が1スロットであれば、受信FBIを反転し(ステップS15)、また、位相制御周期がFBIセット単位であれば、位相遷移範囲しきい値内のFBIセットの両端になるFBIセットと、受信FBIセットと、を1ビットずつ比較し、最初に一致したFBIセットに受信FBIセットを修正する(ステップS15)。
【0036】
そして、ステップS15により受信FBIセットを修正後、または、ステップS14の判定処理により一致するFBIセットが存在する場合(ステップS14,Yes)、受信FBI訂正部5では、そのFBIセットを受信FBI記憶部6に書き込み(ステップS16)、さらに、そのFBIセットを受信FBI解読部7に対して出力する(ステップS17)。なお、ステップS12の判定処理により位相制御タイミングでなかった場合(ステップS12,No)、受信FBI訂正部5では、読み出した過去のFBIセットをそのまま受信FBI解読部7に対して出力する(ステップS18)。
【0037】
上記図4の処理を、具体例を挙げて説明する。ここでは、位相遷移範囲しきい値をπ/4として説明する。たとえば、過去のFBIセットが“101”、すなわち、アンテナ間位相差phがπ/2の場合、受信FBI訂正部5では、つぎのアンテナ間位相差がπ/4,π/2,3π/4のいずれかとなるので(図5参照)、位相遷移範囲しきい値内に存在するFBIセットとして、“111”、“101”、“100”を選択する。そして、ステップS14の判定処理において、受信FBI訂正部5では、上記位相遷移範囲しきい値内に存在するFBIセットの1ビット目(b1)が全て“1”であるため、受信FBIセットの1ビット目に“0”を受信した場合、そのビットを誤りと判定し訂正(反転)する。2ビット目(b2)については、“0”と“1”の両方の可能性があるため、ここでは判定を行わない。3ビット目(b3)については、受信FBIセットの2ビット目に“0”を受信した場合、“0”と“1”の両方の可能性があるため判定を行わず、一方で、受信FBIの2ビット目に“1”を受信した場合は、必ず3ビット目が“1”となるため、受信FBIセットの3ビット目が“0”であればそのビットを誤りと判定し訂正する。
【0038】
つぎに、端末装置から送信されるFBIとアンテナウェイトの関係について説明する。受信FBI解読部7では、上記図5に示すテーブルに基づいて、訂正後のFBIセットの位相情報からアンテナ間位相差phを求める。また、図6に示すテーブルに基づいて、訂正後のFBIセットの電力情報からアンテナ間電力比po1,po2を求める。図6は、電力情報とアンテナ間電力比po1,po2との関係を表すテーブルを示す図である。そして、求めたアンテナ間位相差phとアンテナ間電力比po1,po2とから、アンテナ毎のアンテナウェイトw1,w2を生成する。このw1,w2は、それぞれ次式(1)のように表すことができる。
【0039】
【数1】
【0040】
続いて、上記基地局と通信を行う端末装置の構成および動作について説明する。図7は、本発明にかかる無線通信システムに含まれる端末装置の構成を示す図である。本実施の形態の端末装置は、アンテナ11と、無線受信部12と、逆拡散部13と、送信FBI算出部15と、送信FBI補正部16と、送信FBI記憶部17と、復調部18と、フレーム構成部19と、無線送信部20から構成される。
【0041】
アンテナ11は、上記基地局からの信号を受信し、また、上記基地局への信号を送信する。無線受信部12では、基地局からの受信信号に対してダウンコンバート,A/D変換等の処理を行い、ディジタルベースバンド信号を出力する。逆拡散部13では、複数のチャネルが多重化されているディジタルベースバンド信号に対して、各チャネルに乗算されている拡散コード(基地局で用いた拡散コードと同一の拡散コード)をそれぞれ乗算し、各チャネルのデータを生成する。復調部18では、逆拡散部13から出力される各チャネルのデータおよび送信FBIを用いて、チャネル推定,同期検波等の処理を行い、受信データを生成する。
【0042】
また、送信FBI算出部15では、共通既知チャネルの逆拡散結果から基地局の複数のアンテナから送信された信号間の位相差を検出し、その位相差を表す送信FBIセットを生成する。送信FBI補正部16では、新たな送信FBIセットと、送信FBI記憶部17に記憶されている過去の送信FBIセットと、を用いて、新たな送信FBIセットを補正する。送信FBI記憶部17は、送信FBI補正部16が出力する送信FBIを保存する。フレーム構成部19では、送信データと送信FBIを用いてフレームデータの生成,拡散等の処理を行う。無線送信部20では、D/A変換,アップコンバート等の処理を行う。
【0043】
続いて、上記端末装置の動作を説明する。まず、送信FBI算出部15では、逆拡散部13から出力される共通既知チャネルのアンテナ毎の受信データから、アンテナ間の位相差を求める。そして、図8に従って送信FBIを決定する。図8は、アンテナ間位相差phとFBIセットとの関係を表すテーブルを示す図である。
【0044】
つぎに、送信FBI補正部16では、図9に示す送信FBI補正処理を実行する。図9は、送信FBI補正部16における送信FBI補正処理を示すフローチャートである。図9において、まず、送信FBI補正部16では、過去の送信FBIセットを送信FBI記憶部から読み出す(ステップS21)。そして、受信データに付随するスロット番号と位相制御周期に基づいて、位相制御タイミングか否かを判定する(ステップS22)。
【0045】
ステップS22の判定により、たとえば、位相制御タイミングであった場合、送信FBI補正部16では、過去の送信FBIセットを基準として、所定の位相遷移範囲しきい値(端末装置側で規定した所定の位相遷移範囲しきい値)内に存在するFBIセットを、図5に示すテーブルから取り出す(ステップS23)。
【0046】
つぎに、送信FBI補正部16では、上記のように送信FBI算出部15にて決定した送信FBIセットが、位相遷移範囲しきい値内に存在するFBIセットと一致するかどうかを判定する(ステップS24)。判定の結果、一致するFBIセットが存在しない場合は(ステップS24,No)、位相遷移範囲しきい値内のFBIセットの両端になるFBIセットと、送信FBIセットと、を1ビットずつ比較し、最初に一致したFBIセットに送信FBIセットを修正する(ステップS25)。
【0047】
そして、ステップS25により送信FBIセットを修正後、または、ステップS24の判定処理により一致するFBIセットが存在する場合(ステップS24,Yes)、送信FBI補正部16では、そのFBIセットを送信FBI記憶部17に書き込み(ステップS26)、さらに、そのFBIセットをフレーム構成部19に対して出力する(ステップS27)。なお、ステップS22の判定処理により位相制御タイミングでなかった場合(ステップS22,No)、送信FBI補正部16では、読み出した過去のFBIセットをそのままフレーム構成部19に対して出力する(ステップS28)。
【0048】
上記図9の処理を、具体例を挙げて説明する。ここでは、位相遷移範囲しきい値をπ/4として説明する。たとえば、過去の送信FBIセットが“101”、すなわち、アンテナ間位相差phがπ/2の場合、送信FBI補正部16では、つぎのアンテナ間位相差がπ/4,π/2,3π/4のいずれかとなるので(図5参照)、位相遷移範囲しきい値内に存在するFBIセットとして、“111”、“101”、“100”を選択する。そして、送信FBI補正部16では、送信FBI算出部15にて算出された送信FBIセットの表す位相差が、たとえば、π、すなわち、送信FBIセットが“000”であった場合、上記位相遷移範囲しきい値内に存在するFBIセットの1ビット目(b1)に“0”が存在しないため、送信FBIセットの1ビット目を誤りと判定し補正する。このとき、送信FBIセットの2ビット目,3ビット目は“0”,“1”のどちらを選択することも可能であるため、誤りとは判定されず、補正は行われない。最終的に、出力される補正後の送信FBIセットは“100”となる。
【0049】
このように、本実施の形態においては、端末装置が、基地局にてアンテナ毎のアンテナウェイトを求めるためのフィードバック情報の更新を、すなわち、基地局からの既知信号に基づいて求めたアンテナ間位相差の更新を、過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲しきい値内に制限し、基地局が、受け取ったフィードバック情報の誤りを、すなわち、アンテナ間位相差の誤りを、過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲しきい値内で訂正する。これにより、個別チャネルのパイロットが同一で、かつ端末装置にてアンテナ毎のアンテナウェイトが推定できない場合であっても、端末装置における受信性能を改善することができる。
【0050】
実施の形態2.
つぎに、実施の形態2の無線通信システムの処理について説明する。図10は、本発明にかかる無線通信システムに含まれる基地局の構成を示す図であり、図11は、本発明にかかる無線通信システムに含まれる端末装置の構成を示す図である。なお、先に説明した実施の形態1の基地局(図1)および端末装置(図7)と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、先に説明した実施の形態1と異なる処理についてのみ説明する。具体的には、基地局の速度検出部4と受信FBI訂正部5、および端末装置の速度検出部14と送信FBI補正部16、の処理について説明する。
【0051】
ここで、本実施の形態の基地局の動作について説明する。まず、速度検出部4では、受け取ったディジタルベースバンド信号に基づいて端末装置の移動速度を検出する。この速度検出方法としては、たとえば、アンテナ1aで受信した信号の位相に対するアンテナ1bで受信した信号の位相の変化量から求める方法、または、受信信号のフェージングピッチを測定し、その測定結果から求める方法、等がある。なお、本実施の形態では、上記のように、基地局が、通信相手の端末装置からの受信信号から当該端末装置の移動速度を検出しているが、これに限らず、端末装置側で検出した移動速度をレイヤ3メッセージ等で基地局に通知することとしてもよい。
【0052】
そして、受信FBI訂正部5では、受け取った上記端末装置の移動速度に基づいて受信FBIの誤りを訂正する。図12は、受信FBI訂正部5の処理の一例を示すフローチャートである。受信FBI訂正部5では、まず、実施の形態1と同様に、復調部3から出力される符号付き多値の受信データを硬判定し、2値(0または1)の受信FBIを生成する(ステップS1)。そして、速度検出部4にて検出された通信中の端末装置の移動速度と、予め規定された速度基準値と、を比較する(ステップS31)。
【0053】
ステップS31による比較の結果、たとえば、端末装置の移動速度の方が速度基準値よりも小さい場合(ステップS31,Yes)、受信FBI訂正部5では、図4に示す受信FBI誤り訂正処理を行う(ステップS2)。一方、端末端末の移動速度が速度基準値以上の場合(ステップS31,No)、受信FBI訂正部5では、受信FBIセットをそのまま受信FBI解読部7に出力する(ステップS32)。
【0054】
続いて、本実施の形態の端末装置の動作について説明する。まず、速度検出部14では、受け取ったディジタルベースバンド信号に基づいて自装置の移動速度を検出する。なお、本実施の形態の端末装置は、通信相手の基地局から送られてくる信号を用いて自装置の移動速度を検出しているが、これに限らず、たとえば、基地局で検出した移動速度をレイヤ3メッセージ等で端末装置に通知することとしてもよい。
【0055】
そして、送信FBI補正部16では、受け取った自装置の移動速度に基づいて送信FBIを補正する。図13は、送信FBI補正部16の処理の一例を示すフローチャートである。送信FBI補正部16では、まず、速度検出部14にて検出された端末装置の移動速度と、予め規定された速度基準値と、を比較する(ステップS41)。
【0056】
ステップS41による比較の結果、たとえば、端末装置の移動速度の方が速度基準値よりも小さい場合(ステップS41,Yes)、送信FBI補正部16では、図9に示す送信FBI補正処理を行う(ステップS42)。一方、端末装置の移動速度が速度基準値以上の場合(ステップS41,No)、送信FBI補正部16では、送信FBI算出部15にて算出された送信FBIセットを補正せずにそのまま出力する(ステップS43)。
【0057】
このように、本実施の形態においては、フィードバック情報の補正効果が少ない高速移動時についてはFBIの補正を行わず、低速移動時についてのみFBIを補正することとした。これにより、前述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、端末装置の移動速度に合わせた適切な処理を実現できる。
【0058】
実施の形態3.
つぎに、実施の形態3の無線通信システムの処理について説明する。なお、本実施の形態の無線通信システムを構成する基地局および端末装置の構成については、先に説明した実施の形態2の図10および図11と同様である。ここでは、先に説明した実施の形態1または2と異なる処理についてのみ説明する。具体的には、基地局の受信FBI訂正部5と端末装置の送信FBI補正部16の処理について説明する。
【0059】
図14は、受信FBI訂正部5の処理の一例を示すフローチャートである。受信FBI訂正部5では、まず、実施の形態1および2と同様に、復調部3から出力される符号付き多値の受信データを硬判定し、2値(0または1)の受信FBIを生成する(ステップS1)。そして、速度検出部4にて検出された通信中の端末装置の移動速度から、位相制御周期を求める(ステップS51)。図15は、移動速度と位相制御周期の関係の一例を示す図である。たとえば、端末装置の移動速度が20km/h未満の場合は、位相制御周期を8スロットとし、20km/h以上40km/h未満の場合は4スロットとし、40km/h以上の場合は1スロットとする。
【0060】
ステップS51により位相制御周期を求めた後、受信FBI訂正部5では、図4に示す受信FBI誤り訂正処理を行う(ステップS2)。
【0061】
図16は、送信FBI補正部16の処理の一例を示すフローチャートである。送信FBI補正部16では、まず、速度検出部14にて検出された端末装置の移動速度に基づいて、上記ステップS51と同様の処理(図15参照)で位相制御周期を求める(ステップS61)。そして、ステップS61により位相制御周期を求めた後、送信FBI補正部16では、図9に示す送信FBI補正処理を行う(ステップS42)。
【0062】
このように、本実施の形態においては、端末装置の低速移動時については高速移動時よりもFBIによる位相制御周期を長めに設定することとした。これにより、前述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、基地局におけるFBIの誤り訂正能力を向上させることができる。
【0063】
実施の形態4.
つぎに、実施の形態4の無線通信システムの処理について説明する。なお、本実施の形態の無線通信システムを構成する基地局および端末装置の構成については、先に説明した実施の形態2の図10および図11と同様である。ここでは、先に説明した実施の形態1または2と異なる処理についてのみ説明する。具体的には、基地局の受信FBI訂正部5と端末装置の送信FBI補正部16の処理について説明する。
【0064】
図17は、受信FBI訂正部5の処理の一例を示すフローチャートである。受信FBI訂正部5では、まず、実施の形態1、2および3と同様に、復調部3から出力される符号付き多値の受信データを硬判定し、2値(0または1)の受信FBIを生成する(ステップS1)。そして、速度検出部4にて検出された通信中の端末装置の移動速度から、位相遷移範囲しきい値を求める(ステップS71)。図18は、移動速度と位相遷移範囲しきい値(rad)の関係の一例を示す図である。たとえば、端末装置の移動速度が20km/h未満の場合は、位相遷移範囲しきい値をπ/4(rad)とし、20km/h以上40km/h未満の場合はπ/2(rad)とし、40km/h以上の場合はπ(rad)とする。
【0065】
ステップS71により位相遷移範囲しきい値を求めた後、受信FBI訂正部5では、図4に示す受信FBI誤り訂正処理を行う(ステップS2)。
【0066】
図19は、送信FBI補正部16の処理の一例を示すフローチャートである。送信FBI補正部16では、まず、速度検出部14にて検出された端末装置の移動速度に基づいて、上記ステップS71と同様の処理(図18参照)で位相遷移範囲しきい値を求める(ステップS81)。そして、ステップS81により位相遷移範囲しきい値を求めた後、送信FBI補正部16では、図9に示す送信FBI補正処理を行う(ステップS42)。
【0067】
このように、本実施の形態においては、端末装置の低速移動時については高速移動時よりもFBIの位相遷移範囲しきい値を制限(位相遷移範囲を狭くする)することとした。これにより、前述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、端末装置の移動速度に合わせた適切な処理を実現できる。
【0068】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、本発明によれば、無線端末装置を構成するフィードバック情報更新手段が、無線基地局にてアンテナ毎のアンテナウェイトを求めるためのフィードバック情報を、すなわち、無線基地局からの既知信号に基づいて求めたアンテナ間位相差を、過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲で更新し、一方、無線基地局を構成するフィードバック情報訂正手段が、受け取ったフィードバック情報の誤りを、すなわち、アンテナ間位相差の誤りを、過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲で訂正することとした。これにより、個別チャネルのパイロットが同一で、かつ端末装置にてアンテナ毎のアンテナウェイトが推定できない場合であっても、無線端末装置における受信性能を改善することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる無線通信システムに含まれる基地局の構成を示す図である。
【図2】FBIセットのビット構成例を示す図である。
【図3】受信FBI訂正部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】受信FBI誤り訂正処理を示すフローチャートである。
【図5】FBIセットとアンテナ間位相差との関係を表すテーブルを示す図である。
【図6】電力情報とアンテナ間電力比との関係を表すテーブルを示す図である。
【図7】本発明にかかる無線通信システムに含まれる端末装置の構成を示す図である。
【図8】アンテナ間位相差とFBIセットとの関係を表すテーブルを示す図である。
【図9】送信FBI補正部における送信FBI補正処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明にかかる無線通信システムに含まれる基地局の構成を示す図である。
【図11】本発明にかかる無線通信システムに含まれる端末装置の構成を示す図である。
【図12】受信FBI訂正部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】送信FBI補正部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】受信FBI訂正部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】移動速度と位相制御周期の関係の一例を示す図である。
【図16】送信FBI補正部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】受信FBI訂正部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】移動速度と位相遷移範囲しきい値の関係の一例を示す図である。
【図19】送信FBI補正部の処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1a,1b アンテナ、2 無線受信部、3 復調部、4 速度検出部、5 受信FBI訂正部、6 受信FBI記憶部、7 受信FBI解読部、8 フレーム構成部、9a,9b 無線送信部、11 アンテナ、12 無線受信部、13逆拡散部、14 速度検出部、15 送信FBI算出部、16 送信FBI補正部、17 送信FBI記憶部、18 復調部、19 フレーム構成部、20 無線送信部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線基地局が複数のアンテナを介して無線端末装置に対して信号を送信し、無線端末装置が受信した信号に基づいて無線基地局の各アンテナから送信される信号の位相を制御する無線通信システムに関するものであり、特に、クローズドループ送信ダイバーシチが適用されたW−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)方式を採用する無線通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の無線通信システムについて説明する。たとえば、移動体通信においては、フェージングによる受信信号の品質劣化が課題となるが、その受信品質の改善手段の1つとして、アンテナダイバーシチ技術が広く知られている。アンテナダイバーシチには、受信機に複数のアンテナを用意する受信ダイバーシチと、送信機に複数のアンテナを用意する送信ダイバーシチがある。携帯電話のような移動体通信システムにおいては、受信品質改善のために携帯端末側に複数のアンテナを設けることは物理的に難しく、無線基地局に複数のアンテナを設ける送信ダイバーシチが有効な手段となる。
【0003】
また、上記送信ダイバーシチには、送信機が送信する信号の位相や振幅を受信機側にてフィードバック情報を用いて制御するクローズドループ送信ダイバーシチと、その制御を必要としないオープンループ送信ダイバーシチがある。以下では、W−CDMA方式に採用されているクローズドループ送信ダイバーシチについて説明する。
【0004】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準化の進められているW−CDMA(またはDS−CDMA)方式においては、モード1とモード2の2種類のクローズドループ送信ダイバーシチが採用されている。両モードに共通な点としては、無線基地局が、2つのアンテナ(アンテナ(1)とアンテナ(2)と称する)から、既知のパターンの制御チャネルおよびユーザデータを含む個別チャネルを送信する点があげられる。制御チャネルには、アンテナ(1)およびアンテナ(2)からそれぞれ直交の関係にあるパターンが送信される。これにより、無線端末装置ではアンテナ毎の信号を受信することができる。また、個別チャネルには、ユーザデータの他に、制御情報として、TFCI(Transport Format Combination Indicator),TPC(Transmit Power Control),パイロットが含まれる。
【0005】
また、上記モード1では、個別チャネルに含まれるパイロット以外、アンテナ(1)およびアンテナ(2)から同一データが送信される。無線端末装置では、個別チャネルのパイロットとして、アンテナ(1)およびアンテナ(2)からそれぞれ直交の関係にあるパターンが送信されるため、アンテナ毎の信号を受信することができる。また、モード1では、個別チャネルの位相に90°単位の位相制御が行われる。この位相制御は、通信中の無線端末装置から送信されるFBI(FeedBack Information)に基づいて行われる。無線端末装置から送信されるFBIは、1スロットに1ビットであり、位相制御は、2ビットを1セットとして行われる。
【0006】
一方、モード2では、個別チャネルに、アンテナ(1)およびアンテナ(2)から同じデータが送信される。そのため、無線端末装置では、アンテナ毎の分離が不可能となる。また、モード2が適用された場合、無線基地局では、2つのアンテナのうちアンテナ(2)から送信される個別チャネルの位相に45°単位の位相制御を行い、送信する。同時に、各アンテナから送信される個別チャネルの電力比を、0.8:0.2または0.2:0.8として送信する。このとき、無線基地局における位相制御および電力制御は、通信中の無線端末装置から送信されるFBIに基づいて行われる。無線端末装置から送信されるFBIは、1スロットに1ビットであり、位相情報は3ビットで1セットとして行われ、電力情報は1ビットで1セットとして行われる。そのため、4スロットで位相情報および電力情報を1セットずつ送信することになる。
【0007】
ここで、従来のクローズドループ送信ダイバーシチが適用された無線通信システムの動作例を簡単に説明する(特許文献1参照)。
【0008】
まず、移動局では、アンテナを介して基地局からの信号を受け取る。このとき、受信信号として、自局宛てに個別に送信される個別信号(音声データをはじめとする伝送データ)と、基地局側の1つのアンテナ(アンテナ(1))から送信される共通パイロット信号と、基地局側の他のアンテナ(アンテナ(2))から送信される共通パイロット信号と、を受信する。そして、双方の共通パイロット信号からそれぞれ振幅と位相を検出する。
【0009】
つぎに、移動局では、個別に検出された振幅と位相をそれぞれ比較し、その比較結果に基づいて、2つのアンテナから送信される個別信号間の正確な位相差と振幅差を求める。そして、移動局では、求めた位相差と振幅差に対応するパターンのFBIデータを生成し、さらに、音声データ等の伝送データと当該FBIデータとを合わせた送信信号を生成し、この送信信号を、アンテナを介して基地局に対して送信する。
【0010】
一方、基地局では、アンテナ(1)および(2)を介して受信した信号を合成し、さらに、合成後の受信信号を復調/復号して、伝送データとFBIデータを再生する。
【0011】
つぎに、基地局では、再生されたFBIデータを解読し、アンテナ(1)を介して送信する個別信号の振幅と位相、およびアンテナ(2)を介して送信する個別信号の振幅と位相、をそれぞれ決定する。そして、移動局に対する所望の伝送データから送信信号を生成し、アンテナ(1)から送信する送信信号を上記で決定した振幅と位相に制御し、同様に、アンテナ(2)から送信する送信信号についても上記で決定した振幅と位相に制御する。
【0012】
つぎに、基地局では、設定された振幅と位相で、アンテナ(1)側とアンテナ(2)側に対応する共通パイロット信号を個別に生成する。そして、アンテナ(1)側から送信する信号として生成された送信信号と共通パイロット信号とを加算し、同様に、アンテナ(2)側から送信する信号として生成された送信信号と共通パイロット信号とを加算し、それらの加算結果をそれぞれに対応するアンテナから送信する。
【0013】
このように、従来の移動通信システムにおいては、移動局が、基地局の2つのアンテナ(1),(2)から送信された共通パイロット信号に基づいて、アンテナ(1),(2)から送信された個別信号の位相と振幅の適正値を求め、その結果をFBIデータとして基地局に対して送信する。そして、基地局では、移動局から通知されるFBIデータに基づいて、アンテナ(1),(2)から送信する個別信号の位相と振幅を制御する。
【0014】
続いて、上記とは異なる従来のクローズドループ送信ダイバーシチが適用された無線通信システムの無線端末装置(通信端末装置に相当)の動作について簡単に説明する(特許文献2参照)。
【0015】
まず、無線端末装置では、アンテナを介して受け取った受信信号に対して所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)を行う。そして、通信チャネル信号については、無線基地局にて拡散変調処理時に使用した拡散コードと同一の拡散コード#0を用いて逆拡散する。その後、逆拡散信号を用いてチャネル推定を行い、このチャネル推定値を後述する位相補正量を用いて補正し、さらに、位相補正後のチャネル推定値にしたがって逆拡散信号に対して同期検波処理を行い、その結果として受信データを得る。
【0016】
一方、共通パイロットチャネル信号については、無線受信処理後に、無線基地局にて拡散変調処理時に使用した拡散コードと同一の拡散コードを用いて逆拡散し、所望の逆拡散信号を得る。具体的には、一方で、拡散コード#1を用いて逆拡散処理を行い、無線基地局のアンテナ(1)から送信された信号を取得し、他方で、拡散コード#2を用いて逆拡散処理を行い、無線基地局のアンテナ(2)から送信された信号を取得する。
【0017】
つぎに、無線端末装置では、無線基地局のアンテナ(1)および(2)から送信された信号のチャネル推定を、それぞれ対応する上記逆拡散信号を用いて行う。そして、求められたそれぞれのチャネル推定値に基づいて、フィードバック情報を算出する。その後、このフィードバック情報に基づいて、クローズドループ型送信ダイバーシチにおいて無線基地局側で付加された位相に対する位相補正量を算出する。この位相補正量は、上記通信チャネル信号から求めたチャネル推定値に乗算される。これにより、クローズドループ型送信ダイバーシチにおいて無線基地局側で付加された位相回転分が除去されたチャネル推定値(上記位相補償後のチャネル推定値)が得られる。
【0018】
また、無線端末装置では、送信データに対してディジタル変調処理を施し、変調後の送信データと上記フィードバック情報とを用いてフレーム構成を行う。そして、フレーム構成後の送信データおよびフィードバック情報に対して所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)を施し、アンテナを介して無線基地局に対して送信する。
【0019】
【特許文献1】
特開2002−016532号公報
【特許文献2】
特開2001−168777号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開2002−016532号公報に記載されている従来の無線通信システムにおいては、フィードバック情報による制御が受信信号に反映されるまでに一定の遅延があり、また、その制御周期は固定されていた。すなわち、伝送路の変動速度に関係なく、制御が行われている、という問題があった。
【0021】
また、特開2001−168777号公報に記載されている無線通信システムの無線端末装置においては、送信したフィードバック情報が無線基地局で正しく受信できていることが前提となっており、たとえば、フィードバック情報が無線基地局において誤って受信され、誤ったアンテナウェイトが設定された場合には、無線端末装置で行われるチャネル推定値の補正が正しく行われず、受信性能が劣化する、という問題があった。
【0022】
一方で、無線基地局でアンテナウェイトが誤って設定された場合に、それを端末側で検出する方法の一例(Simplified Beam Former Verification)が文献“3GPP RAN TS25.214 V3.10.0”に記載されている。本方法は、モード1に使用することを想定しており、アンテナ(2)の共通既知チャネルと個別チャネルのパイロットとの位相差を検出し、無線基地局のアンテナ(2)に設定されたアンテナウェイトを推定することが基本となっている。しかしながら、アンテナ(1)とアンテナ(2)から送信される個別チャネルのパイロットが同一のモード2には、これを適用できない、という問題があった。
【0023】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、移動速度に応じて最良の受信性能を実現可能な無線通信システムを得ることを目的とする。
【0024】
また、本発明は、無線基地局において受信したFBIの誤り検出および訂正を可能とし、さらに、個別チャネルのパイロットが同一で、かつ無線端末装置にてアンテナウェイトが推定できない場合であっても、受信性能を改善可能な無線通信システムを得ることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる無線通信システムにあっては、無線端末装置が、受信信号に基づいて、無線基地局におけるアンテナ毎のアンテナウェイトの制御に必要となるフィードバック情報を生成し、前記無線基地局が、前記各アンテナウェイトを、前記フィードバック情報を用いて制御する構成とし、たとえば、前記無線端末装置が、前記フィードバック情報として送信するアンテナ間位相差を、自身が保持する過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲で更新するフィードバック情報更新手段、を備え、前記無線基地局が、前記フィードバック情報として受け取ったアンテナ間位相差の誤りを、自身が保持する過去のアンテナ間位相差を基準とした前記所定の位相遷移範囲で訂正するフィードバック情報訂正手段、を備えることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、無線端末装置を構成するフィードバック情報更新手段が、上記フィードバック情報を、すなわち、無線基地局からの既知信号に基づいて求めたアンテナ間位相差を、過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲で更新し、無線基地局を構成するフィードバック情報訂正手段が、受け取ったフィードバック情報の誤りを、すなわち、アンテナ間位相差の誤りを、過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲で訂正する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる無線通信システム、無線基地局(以降、基地局と呼ぶ)および無線端末装置(以降、端末装置と呼ぶ)の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、一例として、クローズドループ送信ダイバーシチが適用されたW−CDMA方式を採用する無線通信システムについて説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0028】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる無線通信システムに含まれる基地局の構成を示す図である。本実施の形態の基地局は、アンテナ1a,1bと、無線受信部2と、復調部3と、受信FBI訂正部5と、受信FBI記憶部6と、受信FBI解読部7と、フレーム構成部8と、2つのアンテナに個別に対応した無線送信部9a,9bから構成される。
【0029】
アンテナ1a,1bは、基地局から端末装置への信号を送信し、また、端末装置から送信された信号を受信する。無線受信部2では、受信信号の合成,周波数変換,A/D変換等の処理を行い、ディジタルベースバンド信号を出力する。復調部3では、受け取ったディジタルベースバンド信号を逆拡散し、さらに、チャネル推定,同期検波等の処理を行い、その結果として受信データを出力する。
【0030】
また、受信FBI訂正部5では、受信データから受信FBIを生成し、生成した受信FBIと過去の受信FBIとを比較する。そして、誤り検出時は受信FBIを訂正する。受信FBI記憶部6では、受信FBI訂正部5から出力された受信FBIを記憶する。受信FBI解読部7では、受け取った受信FBIから2つのアンテナに個別のウェイトを生成する。フレーム構成部8では、送信データおよびアンテナウェイトからアンテナ毎のデータを生成する。無線送信部9a、9bでは、受け取ったデータに対してD/A変換,周波数変換等の処理を行い、高周波信号を生成する。
【0031】
続いて、上記基地局の動作について説明する。まず、復調部3で生成された受信データは、受信FBI訂正部5に入力され、受信FBI訂正部5では、受信FBI記憶部6に記憶されている過去の受信FBIとここで生成した現在の受信FBIとを比較し、受信FBIの誤りを検出する。そして、その誤りを訂正する。図2は、FBIセットのビット構成例を示す図である。FBIは、1スロットに1ビットの割合で送信され、図2に示すように、4スロット分、すなわち、4ビットで1セットとなり、前半の3ビットが位相情報を表し、後半の1ビットが電力情報を表す。
【0032】
ここで、上記受信FBI訂正部5の動作を、図を用いて詳細に説明する。図3は、受信FBI訂正部5の処理の一例を示すフローチャートである。まず、受信FBI訂正部5では、復調部3から出力される符号付き多値の受信データを硬判定し、2値(0または1)の受信FBIを生成する(ステップS1)。ただし、位相制御周期内に複数のFBIセットが存在する場合は、位相制御周期内において、同一FBIを表す受信データを加算し、受信データ信頼度を上げてから硬判定を行う。そして、生成した受信FBIを用いて、図4に示す受信FBI誤り訂正処理を行う(ステップS2)。
【0033】
図4は、上記受信FBI誤り訂正処理を示すフローチャートである。まず、受信FBI訂正部5では、受信FBI記憶部6に記憶されている過去のFBIセットを読み出す(ステップS11)。そして、受信データに付随するスロット番号と位相制御周期とに基づいて、位相制御タイミングか否かを判定する(ステップS12)。
【0034】
上記処理において、たとえば、位相制御タイミングであった場合(ステップS12,Yes)、受信FBI訂正部5では、過去の受信FBIセットを基準として、所定の位相遷移範囲しきい値(端末装置側で規定した所定の位相遷移範囲しきい値)内に存在するFBIセットを、図5に示すテーブルから取り出す(ステップS13)。図5は、FBIセットとアンテナ間位相差phとの関係を表すテーブルを示す図である。
【0035】
つぎに、受信FBI訂正部5では、新たに生成された受信FBIセットが、位相遷移範囲しきい値内に存在するFBIセットと一致するかどうかを判定する(ステップS14)。なお、受信FBIセットが全て揃っていない場合は、現状のFBIだけで判定する。判定の結果、一致するFBIセットが存在しない場合は(ステップS14,No)、たとえば、位相制御周期が1スロットであれば、受信FBIを反転し(ステップS15)、また、位相制御周期がFBIセット単位であれば、位相遷移範囲しきい値内のFBIセットの両端になるFBIセットと、受信FBIセットと、を1ビットずつ比較し、最初に一致したFBIセットに受信FBIセットを修正する(ステップS15)。
【0036】
そして、ステップS15により受信FBIセットを修正後、または、ステップS14の判定処理により一致するFBIセットが存在する場合(ステップS14,Yes)、受信FBI訂正部5では、そのFBIセットを受信FBI記憶部6に書き込み(ステップS16)、さらに、そのFBIセットを受信FBI解読部7に対して出力する(ステップS17)。なお、ステップS12の判定処理により位相制御タイミングでなかった場合(ステップS12,No)、受信FBI訂正部5では、読み出した過去のFBIセットをそのまま受信FBI解読部7に対して出力する(ステップS18)。
【0037】
上記図4の処理を、具体例を挙げて説明する。ここでは、位相遷移範囲しきい値をπ/4として説明する。たとえば、過去のFBIセットが“101”、すなわち、アンテナ間位相差phがπ/2の場合、受信FBI訂正部5では、つぎのアンテナ間位相差がπ/4,π/2,3π/4のいずれかとなるので(図5参照)、位相遷移範囲しきい値内に存在するFBIセットとして、“111”、“101”、“100”を選択する。そして、ステップS14の判定処理において、受信FBI訂正部5では、上記位相遷移範囲しきい値内に存在するFBIセットの1ビット目(b1)が全て“1”であるため、受信FBIセットの1ビット目に“0”を受信した場合、そのビットを誤りと判定し訂正(反転)する。2ビット目(b2)については、“0”と“1”の両方の可能性があるため、ここでは判定を行わない。3ビット目(b3)については、受信FBIセットの2ビット目に“0”を受信した場合、“0”と“1”の両方の可能性があるため判定を行わず、一方で、受信FBIの2ビット目に“1”を受信した場合は、必ず3ビット目が“1”となるため、受信FBIセットの3ビット目が“0”であればそのビットを誤りと判定し訂正する。
【0038】
つぎに、端末装置から送信されるFBIとアンテナウェイトの関係について説明する。受信FBI解読部7では、上記図5に示すテーブルに基づいて、訂正後のFBIセットの位相情報からアンテナ間位相差phを求める。また、図6に示すテーブルに基づいて、訂正後のFBIセットの電力情報からアンテナ間電力比po1,po2を求める。図6は、電力情報とアンテナ間電力比po1,po2との関係を表すテーブルを示す図である。そして、求めたアンテナ間位相差phとアンテナ間電力比po1,po2とから、アンテナ毎のアンテナウェイトw1,w2を生成する。このw1,w2は、それぞれ次式(1)のように表すことができる。
【0039】
【数1】
【0040】
続いて、上記基地局と通信を行う端末装置の構成および動作について説明する。図7は、本発明にかかる無線通信システムに含まれる端末装置の構成を示す図である。本実施の形態の端末装置は、アンテナ11と、無線受信部12と、逆拡散部13と、送信FBI算出部15と、送信FBI補正部16と、送信FBI記憶部17と、復調部18と、フレーム構成部19と、無線送信部20から構成される。
【0041】
アンテナ11は、上記基地局からの信号を受信し、また、上記基地局への信号を送信する。無線受信部12では、基地局からの受信信号に対してダウンコンバート,A/D変換等の処理を行い、ディジタルベースバンド信号を出力する。逆拡散部13では、複数のチャネルが多重化されているディジタルベースバンド信号に対して、各チャネルに乗算されている拡散コード(基地局で用いた拡散コードと同一の拡散コード)をそれぞれ乗算し、各チャネルのデータを生成する。復調部18では、逆拡散部13から出力される各チャネルのデータおよび送信FBIを用いて、チャネル推定,同期検波等の処理を行い、受信データを生成する。
【0042】
また、送信FBI算出部15では、共通既知チャネルの逆拡散結果から基地局の複数のアンテナから送信された信号間の位相差を検出し、その位相差を表す送信FBIセットを生成する。送信FBI補正部16では、新たな送信FBIセットと、送信FBI記憶部17に記憶されている過去の送信FBIセットと、を用いて、新たな送信FBIセットを補正する。送信FBI記憶部17は、送信FBI補正部16が出力する送信FBIを保存する。フレーム構成部19では、送信データと送信FBIを用いてフレームデータの生成,拡散等の処理を行う。無線送信部20では、D/A変換,アップコンバート等の処理を行う。
【0043】
続いて、上記端末装置の動作を説明する。まず、送信FBI算出部15では、逆拡散部13から出力される共通既知チャネルのアンテナ毎の受信データから、アンテナ間の位相差を求める。そして、図8に従って送信FBIを決定する。図8は、アンテナ間位相差phとFBIセットとの関係を表すテーブルを示す図である。
【0044】
つぎに、送信FBI補正部16では、図9に示す送信FBI補正処理を実行する。図9は、送信FBI補正部16における送信FBI補正処理を示すフローチャートである。図9において、まず、送信FBI補正部16では、過去の送信FBIセットを送信FBI記憶部から読み出す(ステップS21)。そして、受信データに付随するスロット番号と位相制御周期に基づいて、位相制御タイミングか否かを判定する(ステップS22)。
【0045】
ステップS22の判定により、たとえば、位相制御タイミングであった場合、送信FBI補正部16では、過去の送信FBIセットを基準として、所定の位相遷移範囲しきい値(端末装置側で規定した所定の位相遷移範囲しきい値)内に存在するFBIセットを、図5に示すテーブルから取り出す(ステップS23)。
【0046】
つぎに、送信FBI補正部16では、上記のように送信FBI算出部15にて決定した送信FBIセットが、位相遷移範囲しきい値内に存在するFBIセットと一致するかどうかを判定する(ステップS24)。判定の結果、一致するFBIセットが存在しない場合は(ステップS24,No)、位相遷移範囲しきい値内のFBIセットの両端になるFBIセットと、送信FBIセットと、を1ビットずつ比較し、最初に一致したFBIセットに送信FBIセットを修正する(ステップS25)。
【0047】
そして、ステップS25により送信FBIセットを修正後、または、ステップS24の判定処理により一致するFBIセットが存在する場合(ステップS24,Yes)、送信FBI補正部16では、そのFBIセットを送信FBI記憶部17に書き込み(ステップS26)、さらに、そのFBIセットをフレーム構成部19に対して出力する(ステップS27)。なお、ステップS22の判定処理により位相制御タイミングでなかった場合(ステップS22,No)、送信FBI補正部16では、読み出した過去のFBIセットをそのままフレーム構成部19に対して出力する(ステップS28)。
【0048】
上記図9の処理を、具体例を挙げて説明する。ここでは、位相遷移範囲しきい値をπ/4として説明する。たとえば、過去の送信FBIセットが“101”、すなわち、アンテナ間位相差phがπ/2の場合、送信FBI補正部16では、つぎのアンテナ間位相差がπ/4,π/2,3π/4のいずれかとなるので(図5参照)、位相遷移範囲しきい値内に存在するFBIセットとして、“111”、“101”、“100”を選択する。そして、送信FBI補正部16では、送信FBI算出部15にて算出された送信FBIセットの表す位相差が、たとえば、π、すなわち、送信FBIセットが“000”であった場合、上記位相遷移範囲しきい値内に存在するFBIセットの1ビット目(b1)に“0”が存在しないため、送信FBIセットの1ビット目を誤りと判定し補正する。このとき、送信FBIセットの2ビット目,3ビット目は“0”,“1”のどちらを選択することも可能であるため、誤りとは判定されず、補正は行われない。最終的に、出力される補正後の送信FBIセットは“100”となる。
【0049】
このように、本実施の形態においては、端末装置が、基地局にてアンテナ毎のアンテナウェイトを求めるためのフィードバック情報の更新を、すなわち、基地局からの既知信号に基づいて求めたアンテナ間位相差の更新を、過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲しきい値内に制限し、基地局が、受け取ったフィードバック情報の誤りを、すなわち、アンテナ間位相差の誤りを、過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲しきい値内で訂正する。これにより、個別チャネルのパイロットが同一で、かつ端末装置にてアンテナ毎のアンテナウェイトが推定できない場合であっても、端末装置における受信性能を改善することができる。
【0050】
実施の形態2.
つぎに、実施の形態2の無線通信システムの処理について説明する。図10は、本発明にかかる無線通信システムに含まれる基地局の構成を示す図であり、図11は、本発明にかかる無線通信システムに含まれる端末装置の構成を示す図である。なお、先に説明した実施の形態1の基地局(図1)および端末装置(図7)と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。ここでは、先に説明した実施の形態1と異なる処理についてのみ説明する。具体的には、基地局の速度検出部4と受信FBI訂正部5、および端末装置の速度検出部14と送信FBI補正部16、の処理について説明する。
【0051】
ここで、本実施の形態の基地局の動作について説明する。まず、速度検出部4では、受け取ったディジタルベースバンド信号に基づいて端末装置の移動速度を検出する。この速度検出方法としては、たとえば、アンテナ1aで受信した信号の位相に対するアンテナ1bで受信した信号の位相の変化量から求める方法、または、受信信号のフェージングピッチを測定し、その測定結果から求める方法、等がある。なお、本実施の形態では、上記のように、基地局が、通信相手の端末装置からの受信信号から当該端末装置の移動速度を検出しているが、これに限らず、端末装置側で検出した移動速度をレイヤ3メッセージ等で基地局に通知することとしてもよい。
【0052】
そして、受信FBI訂正部5では、受け取った上記端末装置の移動速度に基づいて受信FBIの誤りを訂正する。図12は、受信FBI訂正部5の処理の一例を示すフローチャートである。受信FBI訂正部5では、まず、実施の形態1と同様に、復調部3から出力される符号付き多値の受信データを硬判定し、2値(0または1)の受信FBIを生成する(ステップS1)。そして、速度検出部4にて検出された通信中の端末装置の移動速度と、予め規定された速度基準値と、を比較する(ステップS31)。
【0053】
ステップS31による比較の結果、たとえば、端末装置の移動速度の方が速度基準値よりも小さい場合(ステップS31,Yes)、受信FBI訂正部5では、図4に示す受信FBI誤り訂正処理を行う(ステップS2)。一方、端末端末の移動速度が速度基準値以上の場合(ステップS31,No)、受信FBI訂正部5では、受信FBIセットをそのまま受信FBI解読部7に出力する(ステップS32)。
【0054】
続いて、本実施の形態の端末装置の動作について説明する。まず、速度検出部14では、受け取ったディジタルベースバンド信号に基づいて自装置の移動速度を検出する。なお、本実施の形態の端末装置は、通信相手の基地局から送られてくる信号を用いて自装置の移動速度を検出しているが、これに限らず、たとえば、基地局で検出した移動速度をレイヤ3メッセージ等で端末装置に通知することとしてもよい。
【0055】
そして、送信FBI補正部16では、受け取った自装置の移動速度に基づいて送信FBIを補正する。図13は、送信FBI補正部16の処理の一例を示すフローチャートである。送信FBI補正部16では、まず、速度検出部14にて検出された端末装置の移動速度と、予め規定された速度基準値と、を比較する(ステップS41)。
【0056】
ステップS41による比較の結果、たとえば、端末装置の移動速度の方が速度基準値よりも小さい場合(ステップS41,Yes)、送信FBI補正部16では、図9に示す送信FBI補正処理を行う(ステップS42)。一方、端末装置の移動速度が速度基準値以上の場合(ステップS41,No)、送信FBI補正部16では、送信FBI算出部15にて算出された送信FBIセットを補正せずにそのまま出力する(ステップS43)。
【0057】
このように、本実施の形態においては、フィードバック情報の補正効果が少ない高速移動時についてはFBIの補正を行わず、低速移動時についてのみFBIを補正することとした。これにより、前述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、端末装置の移動速度に合わせた適切な処理を実現できる。
【0058】
実施の形態3.
つぎに、実施の形態3の無線通信システムの処理について説明する。なお、本実施の形態の無線通信システムを構成する基地局および端末装置の構成については、先に説明した実施の形態2の図10および図11と同様である。ここでは、先に説明した実施の形態1または2と異なる処理についてのみ説明する。具体的には、基地局の受信FBI訂正部5と端末装置の送信FBI補正部16の処理について説明する。
【0059】
図14は、受信FBI訂正部5の処理の一例を示すフローチャートである。受信FBI訂正部5では、まず、実施の形態1および2と同様に、復調部3から出力される符号付き多値の受信データを硬判定し、2値(0または1)の受信FBIを生成する(ステップS1)。そして、速度検出部4にて検出された通信中の端末装置の移動速度から、位相制御周期を求める(ステップS51)。図15は、移動速度と位相制御周期の関係の一例を示す図である。たとえば、端末装置の移動速度が20km/h未満の場合は、位相制御周期を8スロットとし、20km/h以上40km/h未満の場合は4スロットとし、40km/h以上の場合は1スロットとする。
【0060】
ステップS51により位相制御周期を求めた後、受信FBI訂正部5では、図4に示す受信FBI誤り訂正処理を行う(ステップS2)。
【0061】
図16は、送信FBI補正部16の処理の一例を示すフローチャートである。送信FBI補正部16では、まず、速度検出部14にて検出された端末装置の移動速度に基づいて、上記ステップS51と同様の処理(図15参照)で位相制御周期を求める(ステップS61)。そして、ステップS61により位相制御周期を求めた後、送信FBI補正部16では、図9に示す送信FBI補正処理を行う(ステップS42)。
【0062】
このように、本実施の形態においては、端末装置の低速移動時については高速移動時よりもFBIによる位相制御周期を長めに設定することとした。これにより、前述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、基地局におけるFBIの誤り訂正能力を向上させることができる。
【0063】
実施の形態4.
つぎに、実施の形態4の無線通信システムの処理について説明する。なお、本実施の形態の無線通信システムを構成する基地局および端末装置の構成については、先に説明した実施の形態2の図10および図11と同様である。ここでは、先に説明した実施の形態1または2と異なる処理についてのみ説明する。具体的には、基地局の受信FBI訂正部5と端末装置の送信FBI補正部16の処理について説明する。
【0064】
図17は、受信FBI訂正部5の処理の一例を示すフローチャートである。受信FBI訂正部5では、まず、実施の形態1、2および3と同様に、復調部3から出力される符号付き多値の受信データを硬判定し、2値(0または1)の受信FBIを生成する(ステップS1)。そして、速度検出部4にて検出された通信中の端末装置の移動速度から、位相遷移範囲しきい値を求める(ステップS71)。図18は、移動速度と位相遷移範囲しきい値(rad)の関係の一例を示す図である。たとえば、端末装置の移動速度が20km/h未満の場合は、位相遷移範囲しきい値をπ/4(rad)とし、20km/h以上40km/h未満の場合はπ/2(rad)とし、40km/h以上の場合はπ(rad)とする。
【0065】
ステップS71により位相遷移範囲しきい値を求めた後、受信FBI訂正部5では、図4に示す受信FBI誤り訂正処理を行う(ステップS2)。
【0066】
図19は、送信FBI補正部16の処理の一例を示すフローチャートである。送信FBI補正部16では、まず、速度検出部14にて検出された端末装置の移動速度に基づいて、上記ステップS71と同様の処理(図18参照)で位相遷移範囲しきい値を求める(ステップS81)。そして、ステップS81により位相遷移範囲しきい値を求めた後、送信FBI補正部16では、図9に示す送信FBI補正処理を行う(ステップS42)。
【0067】
このように、本実施の形態においては、端末装置の低速移動時については高速移動時よりもFBIの位相遷移範囲しきい値を制限(位相遷移範囲を狭くする)することとした。これにより、前述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、端末装置の移動速度に合わせた適切な処理を実現できる。
【0068】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、本発明によれば、無線端末装置を構成するフィードバック情報更新手段が、無線基地局にてアンテナ毎のアンテナウェイトを求めるためのフィードバック情報を、すなわち、無線基地局からの既知信号に基づいて求めたアンテナ間位相差を、過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲で更新し、一方、無線基地局を構成するフィードバック情報訂正手段が、受け取ったフィードバック情報の誤りを、すなわち、アンテナ間位相差の誤りを、過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲で訂正することとした。これにより、個別チャネルのパイロットが同一で、かつ端末装置にてアンテナ毎のアンテナウェイトが推定できない場合であっても、無線端末装置における受信性能を改善することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる無線通信システムに含まれる基地局の構成を示す図である。
【図2】FBIセットのビット構成例を示す図である。
【図3】受信FBI訂正部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】受信FBI誤り訂正処理を示すフローチャートである。
【図5】FBIセットとアンテナ間位相差との関係を表すテーブルを示す図である。
【図6】電力情報とアンテナ間電力比との関係を表すテーブルを示す図である。
【図7】本発明にかかる無線通信システムに含まれる端末装置の構成を示す図である。
【図8】アンテナ間位相差とFBIセットとの関係を表すテーブルを示す図である。
【図9】送信FBI補正部における送信FBI補正処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明にかかる無線通信システムに含まれる基地局の構成を示す図である。
【図11】本発明にかかる無線通信システムに含まれる端末装置の構成を示す図である。
【図12】受信FBI訂正部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】送信FBI補正部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】受信FBI訂正部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】移動速度と位相制御周期の関係の一例を示す図である。
【図16】送信FBI補正部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】受信FBI訂正部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】移動速度と位相遷移範囲しきい値の関係の一例を示す図である。
【図19】送信FBI補正部の処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1a,1b アンテナ、2 無線受信部、3 復調部、4 速度検出部、5 受信FBI訂正部、6 受信FBI記憶部、7 受信FBI解読部、8 フレーム構成部、9a,9b 無線送信部、11 アンテナ、12 無線受信部、13逆拡散部、14 速度検出部、15 送信FBI算出部、16 送信FBI補正部、17 送信FBI記憶部、18 復調部、19 フレーム構成部、20 無線送信部。
Claims (18)
- 無線端末装置が、受信信号に基づいて、無線基地局におけるアンテナ毎のアンテナウェイトの制御に必要となるフィードバック情報を生成し、前記無線基地局が、前記各アンテナウェイトを、前記フィードバック情報を用いて制御する無線通信システムにおいて、
前記無線端末装置が、
前記フィードバック情報として送信するアンテナ間位相差を、自身が保持する過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲で更新するフィードバック情報更新手段、
を備え、
前記無線基地局が、
前記フィードバック情報として受け取ったアンテナ間位相差の誤りを、自身が保持する過去のアンテナ間位相差を基準とした前記所定の位相遷移範囲で訂正するフィードバック情報訂正手段、
を備えることを特徴とする無線通信システム。 - 前記フィードバック情報更新手段は、自装置の移動速度が予め規定しておいた所定の速度基準値よりも遅い場合に、前記フィードバック情報の更新処理を行い、
前記フィードバック情報訂正手段は、通信相手である無線端末装置の移動速度が前記所定の速度基準値よりも遅い場合に、前記誤り訂正処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記フィードバック情報更新手段は、自装置の移動速度に応じて位相制御周期を変更し、変更後の位相制御周期で前記フィードバック情報の更新処理を行い、
前記フィードバック情報訂正手段は、通信相手である無線端末装置の移動速度に応じて位相制御周期を変更し、変更後の位相制御周期で前記誤り訂正処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記フィードバック情報更新手段は、自装置の移動速度に応じて前記位相遷移範囲を変更し、変更後の位相遷移範囲で前記フィードバック情報の更新処理を行い、
前記フィードバック情報訂正手段は、通信相手である無線端末装置の移動速度に応じて前記位相遷移範囲を変更し、変更後の位相遷移範囲で前記誤り訂正処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - アンテナ毎のアンテナウェイトを、通信相手の無線端末装置から送られてくるフィードバック情報を用いて制御する無線基地局において、
前記フィードバック情報として受け取ったアンテナ間位相差の誤りを、自身が保持する過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲で訂正するフィードバック情報訂正手段、
を備えることを特徴とする無線基地局。 - さらに、受信信号から通信相手となる前記無線端末装置の移動速度を検出する移動速度検出手段、
を備え、
前記フィードバック情報訂正手段は、検出された移動速度が前記所定の速度基準値よりも遅い場合に、前記誤り訂正処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の無線基地局。 - 通信相手の無線端末装置が検出した当該無線端末装置の移動速度を受信し、
前記フィードバック情報訂正手段は、受信した移動速度が前記所定の速度基準値よりも遅い場合に、前記誤り訂正処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の無線基地局。 - さらに、受信信号から通信相手となる前記無線端末装置の移動速度を検出する移動速度検出手段、
を備え、
前記フィードバック情報訂正手段は、検出された移動速度に応じて位相制御周期を変更し、変更後の位相制御周期で前記誤り訂正処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の無線基地局。 - 通信相手の無線端末装置が検出した当該無線端末装置の移動速度を受信し、
前記フィードバック情報訂正手段は、受信した移動速度に応じて位相制御周期を変更し、変更後の位相制御周期で前記誤り訂正処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の無線基地局。 - さらに、受信信号から通信相手となる前記無線端末装置の移動速度を検出する移動速度検出手段、
を備え、
前記フィードバック情報訂正手段は、検出された移動速度に応じて前記位相遷移範囲を変更し、変更後の位相遷移範囲で前記誤り訂正処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の無線基地局。 - 通信相手の無線端末装置が検出した当該無線端末装置の移動速度を受信し、
前記フィードバック情報訂正手段は、受信した移動速度に応じて前記位相遷移範囲を変更し、変更後の位相遷移範囲で前記誤り訂正処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の無線基地局。 - 受信信号に基づいて、無線基地局におけるアンテナ毎のアンテナウェイトの制御に必要となるフィードバック情報を生成する無線端末装置において、
前記フィードバック情報として送信するアンテナ間位相差を、自身が保持する過去のアンテナ間位相差を基準とした所定の位相遷移範囲で更新するフィードバック情報更新手段、
を備えることを特徴とする無線端末装置。 - さらに、受信信号から自装置の移動速度を検出する移動速度検出手段、
を備え、
前記フィードバック情報更新手段は、検出された移動速度が予め規定しておいた所定の速度基準値よりも遅い場合に、前記フィードバック情報の更新処理を行うことを特徴とする請求項12に記載の無線端末装置。 - 通信相手の無線基地局が検出した自無線端末装置の移動速度を受信し、
前記フィードバック情報更新手段は、受信した移動速度が予め規定しておいた所定の速度基準値よりも遅い場合に、前記フィードバック情報の更新処理を行うことを特徴とする請求項12に記載の無線端末装置。 - さらに、受信信号から自装置の移動速度を検出する移動速度検出手段、
を備え、
前記フィードバック情報更新手段は、検出された移動速度に応じて位相制御周期を変更し、変更後の位相制御周期で前記フィードバック情報の更新処理を行うことを特徴とする請求項12に記載の無線端末装置。 - 通信相手の無線基地局が検出した自無線端末装置の移動速度を受信し、
前記フィードバック情報更新手段は、受信した移動速度に応じて位相制御周期を変更し、変更後の位相制御周期で前記フィードバック情報の更新処理を行うことを特徴とする請求項12に記載の無線端末装置。 - さらに、受信信号から自装置の移動速度を検出する移動速度検出手段、
を備え、
前記フィードバック情報更新手段は、検出された移動速度に応じて前記位相遷移範囲を変更し、変更後の位相遷移範囲で前記フィードバック情報の更新処理を行うことを特徴とする請求項12に記載の無線端末装置。 - 通信相手の無線基地局が検出した自無線端末装置の移動速度を受信し、
前記フィードバック情報更新手段は、受信した移動速度に応じて前記位相遷移範囲を変更し、変更後の位相遷移範囲で前記フィードバック情報の更新処理を行うことを特徴とする請求項12に記載の無線端末装置。
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