JP2004213915A - 高演色水槽用メタルハライドランプ - Google Patents

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Kazutoshi Kurosawa
和俊 黒沢
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Abstract

【課題】魚の美しい色彩や、好日性サンゴ、海草などの色彩をきれいに再現する、演色性の良い、高演色水槽用メタルハライドランプを提供することを課題とする。
【解決手段】両端部に電極を備えた発光管内に、始動用希ガスと、水銀と、3種類のハロゲン化物を封入する。その3種類のハロゲン化物は、ヨウ化ディスプロシウム、ヨウ化セシウム、及びヨウ化インジウムであり、それらの添加量は重量比で、DyI3−CsI:InI=A:(A/3〜A/6)の範囲で封入されていることを特徴とする。また、外球内には窒素ガスが封入されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水槽照明用光源として使用される高演色メタルハライドランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水槽用照明は蛍光灯で行っていたが、蛍光灯は小型メタルハライドランプに比べて光束が低いため(例えば、特許文献1参照)水面を照らしても、その光は水槽上部のところで乱反射してしまい、水槽中部から下部へは到達出来なかった。
近年熱帯魚等の水槽用照明として、小型メタルハライドランプの中で、コンパクトで高演色(平均演色評価数(Ra)が90以上)、高効率の小型メタルハライドランプ(相関色温度6500K)が使用されてきた。又、水槽の中においても自然の海を再現できる、ブル−ランプの小型メタルハライドランプも使用されてきた。
小型メタルハライドランプの場合では、たとえ水深1mの水槽であってもその光は充分に水槽下部まで行き届き、水面のゆらぎが水槽下部で見えるため、水槽内が大陽光に照らされた様に再現できる。
小型メタルハライドランプの中で、コンパクトで高演色である相関色温度6500Kは、平均演色評価数(Ra)が96と良い事から水槽用の照明として使用され始めたが(例えば、特許文献2参照)、水槽の中においても自然の深海を再現できる、ブル−ランプも注目されてきた。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−213953号公報(第4頁の表3)
【特許文献2】
特開平10−302723号公報(第2頁の請求項1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現在市場で販売されているブル−ランプの小型メタルハライドランプは色度座標上Bの範囲 (図5参照) x=0.18〜 0.22 y=0.11〜 0.15であり、450nm付近のブル−の波長が強く出力されているため演色性が悪い。また、ブル−ランプは深海魚には適したランプであるが、水深2m〜10mの水面に近い場所にいる、魚の美しい色彩や、好日性サンゴ、海草などの色彩をきれいに再現する事が出来なかった。
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、魚の美しい色彩や、好日性サンゴ、海草などの色彩をきれいに再現する、演色性の良い、高演色水槽用メタルハライドランプを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1は、両端部に電極を備えた発光管内に、始動用希ガスと、水銀と、3種類のハロゲン化物を封入し、色度座標上の範囲がx=0.23〜 0.27 y=0.17〜 0.22である色特性を持ち、平均演色評価数(Ra)が85以上としたことを特徴とする高演色水槽用メタルハライドランプとした。
【0006】
請求項2は、前記発光管内の3種類のハロゲン化物が、ヨウ化ディスプロシウム(化学式:DyI3)、ヨウ化セシウム(化学式:CsI)及びヨウ化インジウム(化学式:InI)であり、それらの添加量は重量比で、DyI3−CsI:InI=A:(A/3〜A/6)の範囲で封入されていることを特徴とする請求項1記載の高演色水槽用メタルハライドランプとした。
【0007】
請求項3は、外球内に窒素(化学式:N2)ガスが封入されている請求項1または請求項2記載の高演色水槽用メタルハライドランプとした。
【0008】
請求項1、および請求項2記載の発明によれば、水槽の中において、魚の美しい色彩や、好日性サンゴ、海草などの色彩をきれいに再現する、演色性の良い高演色水槽用メタルハライドランプが得られる。また、請求項3記載の発明によれば、外球内に窒素ガスを封入する事により、外球内に対流が発生し発光管カップ部の動作温度が上昇する。その事によってピンチシール部に添加物が浸入しづらくなり、ランプの長寿命化が図られることを特徴とする請求項1または請求項2記載の高演色水槽用メタルハライドランプが得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例を示すランプ電力が150Wの高演色水槽用メタルハライドランプの構成図である。内容積2cm3の石英製発光管1の両端には一対の電極2が封止されている。同発光管には、DyI3が0.0013mol、CsIが0.0018mol、InIが0.0012mol、水銀が4.8mgおよびアルゴンガスが6650Pa封入されている。
【0010】
発光管1は、金属製のスリーブ補助材4によって保持された石英製スリーブ3の中に保持され、両端にある一対の電極2は、それぞれの電気導入線により、ステムのそれぞれの電気導入線と結ばれており、窒素ガスが封入された外球5によって放電灯の形を成している。
【0011】
図2は、150Wの高演色水槽用メタルハライドランプにおいて発光管へのヨウ化インジウムの封入量に対する色温度および平均演色評価数(Ra)との関係を示したグラフである。ヨウ化インジウムを0.1mgより0.5mgへと増やしていった場合相関色温度は、10000Kから100000Kと高くなるが、平均演色評価数(Ra)は、93から70と悪くなる。実際に水槽の上部で、ランプを点灯し評価を行った結果、相関色温度20000K〜50000Kで、平均演色評価数(Ra)85以上、平均光束6000lmという特性が、水槽の中においても、海水魚の美しい色彩や、好日性サンゴ、海草などの色彩をきれいに見せる事が出来た。まさしく、自然の海の水面に近い部分を再現できるような高演色水槽用メタルハライドランプが提供出来た。
【0012】
本発明による150Wの高演色水槽用メタルハライドランプにおける分光分布特性、色度座標上の範囲をそれぞれ、図3、図5に示す。図3において、本発明に係る高演色水槽用メタルハライドランプの分光分布が、ブルーランプの同図4に比べて演色性が良くなっていることを示す。また、図5において、図中のA領域を示す本発明に係る高演色水槽用メタルハライドランプが、同図中のB領域に示されたブルーランプより白色に近い青色のランプ光色を示す。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1乃至請求項3に記載の本発明によれば、水槽の中においても自然の海の水面に近い部分を再現できるようになる。又、魚の美しい色彩や、好日性サンゴ、海草などの色彩もきれいに再現する事が可能となる高演色水槽用メタルハライドランプが得られる。
【0014】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高演色水槽用メタルハライドランプの側面図である。
【図2】図1に示す高演色水槽用メタルハライドランプのヨウ化インジウムの添加量に対する色温度及び平均演色評価数(Ra)についての実験結果図である。
【図3】今回発明の相関色温度20000K〜50000K、Ra85以上の高演色水槽用メタルハライドランプの分光分布図である。
【図4】ブル−ランプの分光分布図である。
【図5】色度座標上の本発明によるランプの特性範囲をAに、従来のブル−ランプの特性範囲をBにそれぞれ示してある。
【符号の説明】
1 発光管
2 電極
3 石英製スリーブ
4 スリーブ補助材
5 外球
6 保温膜
7 ゲッター
8 ガラススリーブ
9 絶縁体
10 セラミック板
11 口金

Claims (3)

  1. 両端部に電極を備えた発光管内に、始動用希ガスと、水銀と、3種類のハロゲン化物を封入し、色度座標上の範囲が x=0.23〜 0.27y=0.17〜 0.22である色特性を持ち、平均演色評価数(Ra)が85以上としたことを特徴とする高演色水槽用メタルハライドランプ。
  2. 前記発光管内の3種類のハロゲン化物は、ヨウ化ディスプロシウム(化学式:DyI3)、ヨウ化セシウム(化学式:CsI)及びヨウ化インジウム(化学式:InI)であり、それらの添加量は重量比で、DyI3−CsI:InI=A:(A/3〜A/6)の範囲で封入されていることを特徴とする請求項1記載の高演色水槽用メタルハライドランプ。
  3. 外球内に窒素(化学式:N2)ガスが封入されている請求項1または請求項2記載の高演色水槽用メタルハライドランプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1811541A2 (en) * 2006-01-19 2007-07-25 Ushiodenki Kabushiki Kaisha Discharge lamp with a mercury - indium iodide fill

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1811541A2 (en) * 2006-01-19 2007-07-25 Ushiodenki Kabushiki Kaisha Discharge lamp with a mercury - indium iodide fill
EP1811541A3 (en) * 2006-01-19 2011-03-30 Ushiodenki Kabushiki Kaisha Discharge lamp with a mercury - indium iodide fill

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