JP2004212922A - 光干渉型カラーディスプレイおよび光干渉型変調器 - Google Patents

Abstract

【課題】複雑な処理ステップを実行する必要性なしにマルチカラーまたはフルカラー効果が作り出される、光干渉型カラーディスプレイを提供すること。
【解決手段】光干渉型カラーディスプレイは、カラー濾過基板、パターン化支持層、複数の第一電極、複数の光学的フィルムおよび複数の第二電極を有する。パターン化支持層と第一電極は、第一電極間にパターン化支持層を備える状態でカラー濾過基板の上に配置される。光学的フィルムは、第一電極上に配置される。第二電極は第一電極の上方に配置され、かつ等しい厚みを持つエアー・ギャップが第二および第一電極の総ての対の間に作られるように、パターン化支持層によって支持される。カラー画像を示すようにカラー濾過基板を使用することにより、第一電極と第二電極間のエアー・ギャップは同一となり、これによって製作プロセスを単純化する。
【選択図】 図２

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、干渉型カラーディスプレイおよび光干渉型変調器に関する。より詳細には、本発明は一つのエアー・ギャップとカラー濾過フィルム設計を備えた干渉型カラーディスプレイおよび光干渉型変調器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
今日、液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）、有機発光デバイス（ＯＬＥＤ）またはプラズマディスプレイパネル（ＰＤＰ）のような軽量かつ薄型の平面パネルディスプレイが、日常生活において広く利用されてきている。特に液晶ディスプレイは、主流ディスプレイの一つになってきている。しかしながら、殆どのＬＣＤは依然として欠点が多く、例えば狭い視角、中間的応答時間、フルカラー化のためのカラーフィルターの必要性、および光源の不十分な光学的利用の原因となる偏光子の必要性、バックライトモジュールによるエネルギーの浪費等が挙げられる。
【０００３】
ＬＣＤの動作効率を改善するために、光干渉型ディスプレイと呼ばれる新型のＬＣＤが開発された。この光干渉型パネルは、光干渉型変調器の配列を有する。
各光干渉型変調器は、透明電極、反射電極およびその反射電極を支持する支持層を有する。支持層の支持によって反射電極と透明電極との間に特定の厚みのエアー・ギャップが形成される。光干渉型変調器の透明電極から入射した光はこのエアー・ギャップを通過し、第二電極に衝突する。第二電極に衝突した光は後方に反射され、透明電極を通して変調器から出射する。異なる厚みのエアー・ギャップを通過する光は光学的干渉程度が異なるので、異なる色が作り出される。例えば赤色光、緑色光および青色光はこの方法で作り出すことができる。更に光干渉型変調器内部の反射電極の設計は、パネル上の点を照明しまたは暗くするために光干渉型変調器が「オン」状態と「オフ」状態間で切り替わることができるように、微小電気機械式システム（ＭＥＭＳ）を組込まなければならない。
【０００４】
光干渉型ディスプレイ内部の光干渉型変調器は、適切なカラー点を作り出すために追加の着色フィルターすなわち偏光子を必要とせず、従って生産コストを幾分節約することができる。更に各光干渉型変調器は極く僅かの電力しか消費せず、電気信号への応答が素早く、その結果双安定状態で動作する。従って光干渉型ディスプレイは携帯電話、携帯情報端末（ＰＤＡ）、電子ブック（ｅ−ｂｏｏｋ）等のような殆どの携帯用デバイスを含む低消費電力製品に適する。
【０００５】
図１は、従来の光干渉型カラーディスプレイ構造の略式断面図である。図１に示されるように、光干渉型カラーディスプレイ１００は主に、透明基板１１０、パターン化支持層１２０、複数の第一電極１３０、複数の光学的フィルム１４０および複数の第二電極１５０を有する。一般に透明基板１１０はガラス基板か、または透明材料から作られる基板である。パターン化支持層１２０は、第二電極１５０の端部を支持するように透明基板１１０上に配置される。第一電極１３０もまた、透明基板１１０上に配置される。第一電極１３０は、インジウム錫酸化物（ＩＴＯ）を含む材料を使用して作られる透明電極である。光学的フィルム１４０は、第一電極１３０上に配置される。典型的に、光学的フィルム１４０は交互に配置された多数の高誘電率フィルムと低誘電率フィルムを持つ複合スタックである。第二電極１５０は、第一電極１３０の上方に配置される。パターン化支持層１２０の支持によって、第二電極１５０は第一電極１３０の上方に配置される。第二電極１５０は、典型的に高反射金属材料を使用して作られる。
【０００６】
一般に従来の光干渉型カラーパネルは、それぞれ異なるエアー・ギャップ厚を持つ複数の光干渉型変調器を有する。図１に示されるように、第二電極１５０と第一電極１３０間のエアー・ギャップは、異なる光干渉型変調器について相違する。カラー光を作るために、光干渉型変調器は三つの異なるエアー・ギャップ間隔ｄ１、ｄ２およびｄ３を持つように設計される。ｄ１のエアー・ギャップ間隔を備える光干渉型変調器は赤色光を射出し、ｄ２のエアー・ギャップ間隔を備える光干渉型変調器は青色光を射出し、およびｄ３のエアー・ギャップ間隔を備える光干渉型変調器は緑色光を射出する。換言すれば、外部から来る光が透明基板１１０、第一電極１３０および光学的フィルム１４０を透過する時、光はそれぞれの第二電極１５０に到達する前に異なるエアー・ギャップ厚ｄ１、ｄ２、ｄ３を通過する必要がある。その後光は第二電極１５０によって後方へ反射された後、透明基板１１０から出射する。異なるエアー・ギャップ厚における干渉度合いの相違により赤色光、緑色光および青色光が作り出される。
【０００７】
従来の光干渉型変調器においては、第二電極１５０は良好な機械的特性を備える反射材を使用して製造されなければならない。第二電極１５０および第一電極１３０がバイアス電圧に接続される時、第二電極１５０は静電引力により第一電極１３０に向かって移動する。第二電極１５０のいかなる移動もエアー・ギャップｄ１、ｄ２およびｄ３の僅かな変動に結びつくことになる。エアー・ギャップ厚ｄ１、ｄ２およびｄ３の僅かな変化によって、ディスプレイ内部の色々な光干渉型変調器（ピクセル）を「オン」または「オフ」状態に切換えることができる。
【０００８】
従って従来の光干渉型カラーディスプレイは、赤、緑および青色光を発生するために、それぞれ異なるエアー・ギャップ厚を持つ三つの異なるタイプの光干渉型変調器を利用している。しかしながら、このタイプのカラーディスプレイは次の欠点を持つ。すなわち、
１．異なるエアー・ギャップ厚を持つ光干渉型変調器は個別に製造されなければならず、従って生産プロセスは複雑化しかつ生産コストを増加する。
２．異なるエアー・ギャップ厚の光干渉型変調器は個別に製造されるので、生産時間が増加し、生産量の低下に結びつく。
３．個別の処理はまた生産誤差を持つ可能性を増加し、従って生産高を低下させる。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の一つの目的は、複雑な処理ステップを実行する必要性なしにマルチカラーまたはフルカラー効果が作り出されるように、それぞれ固有のエアー・ギャップとカラー濾過フィルムを持つ光干渉型カラーディスプレイおよび光干渉型変調器を提供することである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
これらおよび他の利点を達成するため、および本発明の目的に従って、ここに具体化されかつ概括的に説明されるように、本発明は光干渉型カラーディスプレイを提供する。その光干渉型カラーディスプレイは、カラー濾過基板、パターン化支持層、複数の第一電極、複数の光学的フィルムおよび複数の第二電極を有する。パターン化支持層および第一電極は、第一電極間にパターン化支持層を備える状態でカラー濾過基板の上に配置される。第二電極は第一電極の上方に配置され、かつパターン化支持層によって支持される。従って等しい厚みを持つエアー・ギャップが、第二および第一電極の総ての対の間に作られる。
【００１１】
本発明はまた、一つの光干渉型変調器を提供する。光干渉型変調器は、基板、カラー濾過フィルム、パターン化支持層、第一電極、光学的フィルムおよび第二電極を有する。カラー濾過フィルムは、基板上に配置される。第一電極およびパターン化支持層は、第一電極が占める領域の外側にパターン化支持層を位置させる状態でカラー濾過フィルム上に配置される。光学的フィルムは、第一電極の上方に配置される。第二電極は第一電極の上方に配置され、パターン化支持層によって支持される。エアー・ギャップは、第二電極と第一電極との間に形成される。
【００１２】
本発明の実施例によれば、カラー濾過基板は更に、基板、ブラックマトリックスおよび複数のカラー濾過フィルムを有する。ブラックマトリックスは複数のグリッド点を有し、基板の上方に配置される。カラー濾過フィルムは、ブラックマトリックスの色々なグリッド点の内側で基板上に配置される。
【００１３】
本発明の実施例によれば、カラー濾過フィルムは例えば赤色濾過フィルム、緑色濾過フィルムおよび青色濾過フィルムを有する。基板は、例えばガラスまたはポリマー合成樹脂を含む材料を使用して製造される透明基板である。第一電極は、例えばインジウム錫酸化物を含む材料を使用して製造される透明電極である。
第二電極は、例えばモリブデン、モリブデン合金、クロミウム、アルミニウム、アルミニウム合金を含む材料を使用して製造される金属電極である。光学的フィルムは、例えば交互に積み重ねられた複数の高誘電率フィルムと低誘電率フィルムを有する。
【００１４】
光干渉型カラーディスプレイおよび光干渉型変調器は、ディスプレイパネルがマルチカラーまたはフルカラー効果を作り出すことができるように、単一のエアー・ギャップおよびカラー濾過フィルム構造を使用して製造される。その上、均等なエアー・ギャップの設計は、生産を単純化する。
【００１５】
上記の一般的説明と下記の詳細な説明は共に例示的であり、特許請求される本発明の更なる説明を与えるように意図されている、ということが理解されるべきである。
【発明の実施の形態】
添付図面は本発明の更なる理解を与えるために含まれ、かつ本明細書の一部に組込まれ、その一部を構成する。図面は本発明の実施例を図示し、かつ説明と共に本発明の原理を解説するために役立つものである。
【００１６】
ここで本発明の現在の好適実施例について詳細に言及し、その例が添付図面に図示される。可能なところでは同一または類似部分を指すために、図面および説明に同一番号が使用される。
【００１７】
図２は、本発明の一つの好適実施例による光干渉型カラーディスプレイの略式断面図である。図２に示されるように、光干渉型カラーディスプレイ２００は主に、カラー濾過基板２１０、パターン化支持層２２０、複数の第一電極２３０、複数の光学的フィルム２４０および複数の第二電極２５０を有する。
【００１８】
カラー濾過基板２１０は、基板２１２、ブラックマトリックス２１４および複数のカラー濾過フィルム２１６を含む。基板は、例えばガラス、ポリマー合成樹脂または他の透明材料を含む材料を使用して製造される透明基板である。複数のグリッド点を持つブラックマトリックス２１４が、基板２１２の上方に配置される。カラー濾過フィルム２１６は、ブラックマトリックス２１４の色々なグリッド点の内側で基板２１２上に配置される。カラー濾過フィルム２１６は更に、例えば複数の赤色濾過フィルム２１６ａ、複数の緑色濾過フィルム２１６ｂおよび複数の青色濾過フィルム２１６ｃを有する。赤色濾過フィルム２１６ａ、緑色濾過フィルム２１６ｂおよび青色濾過フィルム２１６ｃは、例えばマルコフ型、三角型、直線型または４ピクセル型を含むブラックマトリックス２１４のグリッド点の内側で、あらゆる方法で配列できる。
【００１９】
パターン化支持層２２０は、カラー濾過基板２１０上でブラックマトリックス２１４の上に配置される。パターン化支持層２２０は、図２に示されるように第二電極２５０の端部を支持する。パターン化支持層２２０は、例えば樹脂または他の化学的および物理的に安定な材料から作られる複数の円筒状支持物でも良い。
【００２０】
第一電極２３０は、カラー濾過基板２１０上に配置される。第一電極２３０は、例えばインジウム錫酸化物または他の導電性透明材料を含む材料を使用して製造される透明電極である。
【００２１】
光学的フィルム２４０は、第一電極２３０上に配置される。典型的には、各光学的フィルム２４０は交互に積み重ねられた少なくとも一つの第一誘電体フィルム２４０ａと一つの第二誘電体フィルム２４０ｂとを含む。第一誘電体フィルム２４０ａは、第二誘電体フィルム２４０ｂとは異なる誘電率を持つ。
【００２２】
第二電極はそれぞれの第一電極２３０の上方に配置され、第一電極２３０と第二電極２５０の各々の対の間にエアー・ギャップが存在するように、パターン化支持層２２０によって支持される。この実施例において、第二電極２５０は例えばモリブデン、モリブデン合金、クロミウム、アルミニウムまたはアルミニウム合金のような材料を使用して製造された反射性金属電極である。
【００２３】
この実施例において、カラーディスプレイ効果はカラー濾過基板２１０によって達成される。従って、色々な光干渉型変調器Ａ内部の第二電極２５０と第一電極２３０との間のエアー・ギャップ厚ｄ４は、同一である。従って、赤色濾過フィルム２１６ａとそれに重なる光干渉型変調器Ａは、赤色光を作り出すことができる。同様に緑色濾過フィルム２１６ｂとそれに重なる光干渉型変調器Ａとの組合せは緑色光を作り出し、および青色濾過フィルム２１６ｃとそれに重なる光干渉型変調器Ａとの組合せは青色光を作り出す。換言すれば、外部光源からの光は第二電極２５０に到達するために、カラー濾過基板２１０上のカラー濾過フィルム２１６、第一電極２３０、光学的フィルム２４０および均一のエアー・ギャップ（厚さｄ４）を透過することになる。その後、光が第二電極２５０によってカラー濾過基板２１０から外側へ反射されるので、高飽和度レベル（カラー純度）にある赤、緑および青色光が射出される。
【００２４】
光干渉型変調器Ａ内部の第二電極２５０は反射性材料を使用して作られ、良好な機械的特性を持つので、バイアス電圧が第二電極２５０と第一電極２３０間に印加される時、第二電極２５０は第一電極２３０に向かって移動する。このような移動は、光干渉型変調器Ａ内部のエアー・ギャップ厚を変化させる。換言すれば、エアー・ギャップ厚ｄ４の変動により、ディスプレイ内部の色々な光干渉型変調器（ピクセル）の「オン」／「オフ」状態が設定できる。
【００２５】
【発明の効果】
要約して、本発明は少なくとも次の利点を有する。すなわち、
１．光干渉型カラーディスプレイ内部の総ての光干渉型変調器は同じエアー・ギャップ厚を持つので、光干渉型変調器は同時に製造することができる。従っていくつかの処理ステップが省略され、生産コストが低下される。
２．光干渉型カラーディスプレイ内部の各光干渉型変調器は同じエアー・ギャップ厚を持つので、繰り返しステップが回避できる。換言すれば、生産量が改善される。
３．より単純な製造方法により、全体的な光干渉型カラーディスプレイの生産高が増加される。
４．技術的に発達したカラー濾過フィルムが使用されるので、非常に高純度のカラーを光干渉型ディスプレイによって作り出すことができる。
【００２６】
当該技術に習熟した人々にとって、本発明の範囲と意図から逸脱することなしに色々な修正や変更が本発明の構造に為され得る、ということは明白であろう。
前記事項を考慮して、この発明の修正や変更が前述の特許請求の範囲とその等価性の範囲に入るならば、本発明はこの発明の修正や変更をもカバーする、ということが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来の光干渉型カラーディスプレイの略式断面図である。
【図２】本発明の一つの好適実施例による光干渉型カラーディスプレイの略式断面図である。
【符号の説明】
１００ 光干渉型カラーディスプレイ
１１０ 透明基板
１２０ パターン化支持層
１３０ 第一電極
１４０ 光学的フィルム
１５０ 第二電極
２００ 光干渉型カラーディスプレイ
２１０ カラー濾過基板
２１２ 基板
２１４ ブラックマトリックス
２１６ カラー濾過フィルム
２１６ｂ 緑色濾過フィルム
２１６ａ 赤色濾過フィルム
２１６ｃ 青色濾過フィルム
２２０ パターン化支持層
２３０ 第一電極
２４０ 光学的フィルム
２４０ａ 第一誘電体フィルム
２４０ｂ 第二誘電体フィルム
２５０ 第二電極

Claims (4)

1. カラー濾過基板、
   前記カラー濾過基板上のパターン化支持層、
   前記カラー濾過基板上の複数の第一電極、
   それぞれの第一電極上の複数の光学的フィルム、およびそれぞれの第一電極の上方の複数の第二電極を有し、
   ここで、前記第二電極は前記パターン化支持層によって支持され、かつ第二電極および第一電極の各対は同じ厚みを持つエアー・ギャップを形成することを特徴とする光干渉型カラーディスプレイ。
2. カラー濾過基板は更に、
   基板、複数のグリッド点を持つブラックマトリックス、および複数のカラー濾過フィルムを有し、ここで、前記ブラックマトリックスは前記基板上に配置され、かつ前記カラー濾過フィルムは前記グリッド点の内側で前記基板上に配置されることを特徴とする請求項１に記載の光干渉型カラーディスプレイ。
3. 各光学的フィルムは更に、
   少なくとも一つの第一誘電体フィルム、および少なくとも一つの第二誘電体フィルムを有し、
   ここで、前記第二誘電体フィルムと前記第一誘電体フィルムは交互に積み重ねられ、かつ前記第二誘電体フィルムは前記第一誘電体フィルムと異なる誘電率を持つことを特徴とする請求項１に記載の光干渉型カラーディスプレイ。
4. 基板、
   前記基板上のカラー濾過フィルム、
   前記カラー濾過フィルム上のパターン化支持層、
   前記カラー濾過フィルム上の第一電極、
   前記第一電極上の光学的フィルム、および前記第一電極の上方に前記パターン化支持層によって支持される第二電極を有し、
   ここで、前記第二電極と前記第一電極はエアー・ギャップによって互いに分離されていることを特徴とする光干渉型カラーディスプレイ。

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