JP2004212186A - 目標運動推定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】目標が発するレーダ波から目標の運動を推定するには、レーダ装置の実効放射電力を知っている必要があった。しかし、実効放射電力は容易に変更でき、また姿勢の変化により変るため、運動推定結果を得ることは困難であった。
【解決手段】予め、目標が発射するレーダ波の諸元(実効放射電力を除く)と目標の巡航速度とを目標諸元記憶装置99に記憶しておく。受信したレーダ波の見かけのスキャン周期をスキャン周期検出器2により検出し、記憶していたスキャン周期と比較して、相対移動方向および相対方位変化量を算出する。また、パルス間隔検出器13が検出した見かけのパルス間隔を記憶していたそれと比較して接近/離隔判定および針路を算出する。これらの算出結果と、記憶している目標の巡航速度と、目標までの距離の4情報を三角関数を用いた関係式を解くことにより目標の運動を推定する。
【選択図】 図1
【解決手段】予め、目標が発射するレーダ波の諸元(実効放射電力を除く)と目標の巡航速度とを目標諸元記憶装置99に記憶しておく。受信したレーダ波の見かけのスキャン周期をスキャン周期検出器2により検出し、記憶していたスキャン周期と比較して、相対移動方向および相対方位変化量を算出する。また、パルス間隔検出器13が検出した見かけのパルス間隔を記憶していたそれと比較して接近/離隔判定および針路を算出する。これらの算出結果と、記憶している目標の巡航速度と、目標までの距離の4情報を三角関数を用いた関係式を解くことにより目標の運動を推定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、目標の発するレーダ波の諸元を分析して、目標の運動に関する諸データを推定する目標運動推定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーダ装置により目標物体(以下目標と言う)の運動を観測するには、周知の通り、任意の方向に回転させた鋭い指向性を有するアンテナから電波を発射し、目標に反射して帰ってきた電波を受信して、アンテナの指向方向から方位を、発射後受信するまでの時間から距離を算出することを繰り返すことにより、まず、目標の位置を求め、この位置の時間的変化から目標の速度や進路の観測を行っていた。
【0003】
しかし、この方法では、こちらから電波を発射しなければならず、このことにより、自己の存在を相手方に探知されるため、必ずしも好都合とは言えない場合がある。そこで、目標が発射している電波を利用して目標の運動を推定するものが考案されている。この場合、例えば受信に指向性アンテナを用いれば、目標の方位は電波の到来方向から容易に判定できるので、後はその距離を判定する工夫だけすればよい。
例えば、あらかじめ対称とする艦船や航空機の種類により、発射するレーダ波の実効放射電力(送信電力Ptと使用しているアンテナの利得Gtとの積)が把握できている場合には、下記(1)式の受信電力Prで受信できることが知られている。
即ち、受信電力Prは受信機によって検出される受信電力。受信アンテナ利得Grは受信システムの固有値、λは受信機によって検出された周波数で光速C(固定値)を除した値として得られる目標が発するレーダ波の波長で、いずれも測定によりもしくは設計値として入手できるものである。そしてレーダ波送信電力Ptと送信アンテナ利得Gtの積である実効放射電力を与えることにより、自機と目標の距離Rが求まる。
Pr=Pt・Gt・Gr・λ2/(4πR)2 (1)
そして、PtとGtはあらかじめ入手して、記憶しているデータである。
このようにして得た距離Rと、目標からの電波の到来方向とから、目標の現在位置を算出、推定することが出来る。
【0004】
しかし、目標のもつレーダ装置の実効放射電力データの入手は難しく、また、たとえ入手しても、送信側での電力の変更が容易である上、送信アンテナ利得Gtは全方位に対して一定であることはまれであり、目標が針路を変えることにより見かけ上、受信側から見た送信アンテナ利得が変化する場合があるので、信頼できる運動推定結果を得るのは困難であった。このような目標が持つレーダ装置の諸元(ライブラリ)を利用するものは特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−118897号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の目標運動推定装置は以上のように構成されているので、目標の運動の推定には目標のもつレーダ波の実効放射電力を知る必要があるが、実効放射電力はデータの入手が難しく、また、入手できても、変更されたり、目標の姿勢によって変化するなどの変動要素があり、実用するのは困難であるという課題があった。
【0007】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、目標の有するレーダ装置の実効放射電力が不明であっても、目標の運動を推定することができる目標運動推定装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の目標運動推定装置は、目標に搭載されているレーダ装置の諸元の内、少なくともスキャン周期とスキャン方向とを記憶する目標諸元記憶装置、
目標の前記レーダ装置から発射されたレーダ波を受信して、前記レーダ波の見かけのスキャン周期を検出するスキャン周期検出器、
前記見かけのスキャン周期と前記記憶しているスキャン周期とにもとづいて前記目標の見かけの移動方向が前記記憶しているスキャン方向と同方向か逆方向かを判定する相対移動方向判定手段、
前記見かけのスキャン周期と前記記憶しているスキャン周期との差にもとづいて前記目標の見かけの方向の変化量を相対方位変化量として算出する相対方位変化量算出手段を備えたものである。
【0009】
又、前記目標諸元記憶装置は前記レーダ波のパルス間隔と目標の巡航速度をも記憶するものであり、
前記レーダ波の見かけのパルス間隔を検出するパルス間隔検出器、
前記レーダ波の到来方向から目標の方位を検知する方位検出器、
前記方位と、前記見かけパルス間隔と、前記記憶したパルス間隔と、前記巡航速度と、前記相対方位変化量にもとづいて前記目標の針路を算出する針路算出器を備えたものである。
【0010】
又、前記相対移動方向と、前記相対方位変化量と、前記目標の針路と、前記巡航速度に基づいて、前記目標までの距離を算出する距離算出器を備えたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明で言う目標運動の推定とは、目標とする移動体の位置、即ち自位置から見た目標の方位と距離(仰角と高度を含む)、及び目標の移動している針路と移動速度(上昇下降角度と速度を含む)の少なくとも一部を求めることを言い、その場での回転はここで言う運動には含まない。特定の目標の運動を推定しようとするとき、すくなくとも目標の存在は認識できているのだから、一般には、これら方位、距離、針路、速度の内、何かは判明していることが多い。本発明の目標運動推定装置は目標が発するレーダ波の解析に加えて、前記既知の項目を利用することにより他の不明の項目を明らかにするものである。
以下の説明では、理解を助けるため2次元(即ち水平面内)に限定した説明を行う。しかし、本発明は2次元面内の運動に限定するものではなく、3次元的運動に展開することも容易に可能である。
【0012】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1の目標運動推定装置の構成を図1に示す。本実施形態の目標運動推定装置は、目標の運動諸元の内、まず目標の見かけの運動方向(相対移動方向と言う)と、その見かけの移動角速度(相対方位変化量という)とを推定できるものである。
受信機1は運動を推定する対象としての目標(以下目標という)が発するレーダ波をアンテナ100で受信し、レーダ波の受信時刻をスキャン周期検出器2に入力する。スキャン周期検出器2は入力されたレーダ波の受信時刻の間隔から見かけのスキャン周期SP0を検出し、相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5に入力する。見かけのスキャン周期は目標の移動に伴うドップラー効果により静止状態のスキャン周期とは変化している。ここで本装置のアンテナ100は無指向性アンテナであっても良い。
目標諸元記憶装置99には目標に搭載されているレーダ装置の諸元の内、あらかじめ得ることのできた情報と、目標の運動に関してあらかじめ得られた情報とが記憶されている。即ち、図1の場合には目標諸元記憶装置99内のスキャン周期・スキャン方向記憶装置4には予め目標が備えているレーダ装置の静止状態でのスキャン周期とスキャン方向(スキャンする回転の方向)とがレーダ名を付して入力され記憶されている。そして、レーダ名入力端3に入力されたレーダ名(オペレータによる入力でも良いし、得られたスキャン周期などから自動的に選択されたものでも良い)をもとに、スキャン周期・スキャン方向記憶装置4は該当するレーダの静止状態におけるスキャン周期SPtおよびスキャン方向を相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5に出力する。
【0013】
相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5はスキャン周期検出器2によって検出された見かけのスキャン周期SP0と、スキャン周期・スキャン方向記憶装置4に記憶されていた静止状態でのスキャン周期SPtとの間隔長の比較を行う。記憶されていたスキャン方向が時計方向(以下CWという)である場合、検出されたスキャン周期が記憶装置内のスキャン周期より間隔が狭い、即ち、SP0−SPt<0ならば目標が自機から見て反時計方向(以下CCW)に移動していることが判定でき、間隔が広い、即ち、SP0−SPt>0ならば目標が自機から見てCW方向に移動していることを判定できる。
逆に、記憶されていたスキャン方向がCCW方向である場合、SP0−SPt<0ならば目標が自機から見てCW方向に移動していることが判定でき、SP0−SPt>0ならば目標が自機から見てCCW方向に移動していることを判定できる。即ち、相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5は見かけのスキャン周期と記憶していた真のスキャン周期との差にもとづいて目標の見かけの移動方向が記憶しているスキャン方向と同方向か否かを判定するものである。
【0014】
また相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5は、検出されたスキャン周期と記憶装置内のスキャン周期の差分(変化量)(SP0−SPt)を1スキャン毎に算出して、1スキャン毎のその変化をチェックする。1スキャン毎のスキャン周期変化量と自機から見た目標の相対方位変化量αには(2)式の関係が成り立ち、スキャン周期変化量が求まれば自機から見た目標の相対方位変化量が算出できる。
SPt×α/2π=SP0−SPt (2)
ここで、αは受信した側から見て目標が1スキャンの間に移動した相対方位変化量、SP0はスキャン周期検出器によって検出された見かけのスキャン周期、SPtはスキャン周期・スキャン方向記憶装置5に記憶されているスキャン周期を示す。つまり(2)式の右項がスキャン周期変化量を表している。
上記についての理解を助けるため、図2に本装置200と目標との位置関係を示す。図2では、矢印190は静止状態における目標の持つレーダ装置のアンテナの回転方向を示し、最初のスキャンが到来した時刻0における目標201の方向を0度方向とすれば、2回目のスキャンが到来した時刻SP0における目標202の方向はαとなる。そしてこの間に目標のレーダアンテナは矢印191に示すように1回転とα回転する。
即ち、時間長さSP0は、時間長さ SPt(1+α/2π)に等しい。これを整理して(2)式が得られる。
【0015】
相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5はスキャン周期検出器2によって検出された見かけのスキャン周期SP0と、スキャン周期・スキャン方向記憶装置4に記憶されていた真のスキャン周期SPtを(2)式に代入することによって自機(受信機1を搭載した施設を便宜上こういう)から見た目標の見かけの方向の変化速度、即ち、相対方位変化量αを算出し、算出結果を算出結果出力端101に出力する。また算出結果αおよび記憶されているスキャン方向SPtから相対移動方向を判定し、判定結果を算出結果出力端101に出力する。
以上により、実施の形態1の目標運動推定装置は、目標が発するレーダ波をとらえて分析し、また予め目標が持つレーダ装置の諸元を記憶していることにより、目標の相対的移動方向と相対的方位の変化量とを得ることが出来る。
相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5は本発明に言う相対移動方向判定手段及び相対方位変化量算出手段である。
【0016】
実施の形態2.
図3は実施の形態2の目標運動推定装置の構成を示し、実施の形態1の装置の機能に加えて、目標の針路を推定する機能を有するものである。図において、アンテナ100、受信機1、スキャン周期検出器2、相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5、相対移動方向・相対方位変化量出力端6、スキャン周期・スキャン方向記憶装置4については実施の形態1の図1と同じなのでその詳細な説明を省略する。なお、以下の各図において同符号は同一又は相当部分を示すので、その詳細な説明は省略する。
パルス間隔検出器13は受信機1が受信したレーダ波の見かけのパルス間隔(パルス繰り返し周期とも言う)を検出する。ここで言う見かけのパルス間隔とは1スキャンの間に繰り返し送出されるレーダパルスの間隔が目標の移動に伴うドップラー効果により見かけ上変化したものを言う。パルス間隔検出器13は検出した見かけのパルス間隔(PRI0)を針路算出器16に出力する。目標諸元記憶装置99内のパルス間隔記憶装置15には目標が備えているレーダ装置のパルス間隔(PRIr)が、また巡航速度記憶装置15には目標の巡航速度Vが記憶されている。そして、レーダ名入力端3に入力されたレーダ名をもとに、パルス間隔記憶装置14は該当するレーダのパルス間隔(PRIr)を、巡航速度記憶装置15は該当するレーダを搭載する目標の巡航速度(V)を針路算出器16に出力する。また方位検出器12により目標の方位情報が検出され針路算出器16へ入力される。方位情報を得る手段は例えばアンテナ100に指向性アンテナを使用してもよいし、目視や他のレーダ施設からの情報提供など公知の種々の手段があるのでここでは詳細な説明を省略する。針路算出器16は検出された見かけのパルス間隔PRI0と記憶していたパルス間隔PRIrとにもとづいて目標と自機との相対速度Vcを後述する(3)式により算出する。
【0017】
相対速度Vcとパルス間隔PRIとの間にはドップラー効果により(3)式の関係が成り立ち、静止状態と移動状態におけるパルス間隔が得られれば、目標と自機との相対速度Vcが算出できる。検出されたパルス間隔PRI0および記憶装置内に記憶されていたパルス間隔PRIrを(3)式に代入することによって目標と自機間の半径方向の相対速度Vcを算出する。
PRI0={PRIr}・(C−Vc)/C (3)
ここで、Cは光速、Vcは目標と自機との半径方向の相対速度を示す。
【0018】
次に、目標と自機間の相対速度と目標の巡航速度と方位と針路は、三角関数を用いて関連づけることができる。図4にこの関係を図示して説明する。図4において目標と自機間の相対速度Vcと目標の巡航速度Vと方位θと針路φとの間には(4)式の関係が成り立つ。
cos(φ−θ)=Vc/V (4)
ここで、φは目標の針路、θは目標の方位、Vは目標の巡航速度、Vcは目標自機間の相対速度を示す。
(4)式に(3)式で算出した相対速度Vcと記憶していた目標の巡航速度Vと、方位θを代入して針路φについて解くことにより針路φが算出される。
算出された針路φは、算出結果出力端101に出力される。
また、巡航速度記憶装置15より目標の巡航速度が速度出力端18に出力される。
【0019】
以下の説明は実施の形態1の図1の説明と同じであるが念のため繰り返し説明する。
受信機1は運動推定目標が発するレーダ波を検知し、パルスの到達時刻をスキャン周期検出器2に出力する。スキャン周期検出器2は入力されたレーダ波のスキャン周期を検出し、相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5に出力する。このとき、レーダ名入力端3に入力されたレーダ名をもとに、スキャン周期・スキャン方向記憶装置4は該当するレーダの静止状態におけるスキャン周期およびスキャン方向を相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5に出力する。相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5は、検出されたスキャン周期と記憶装置内に記憶されているスキャン周期(以下SP)との間隔長の比較を行う。記憶装置内に記憶されているスキャン方向がCW方向である場合、検出されたSPが記憶装置内のSPより間隔が狭いならば目標が自機から見てCCW方向に移動していることが判定でき、間隔が広いならば目標が自機から見てCW方向に移動していることを判定できる。逆にスキャン方向がCCW方向である場合、検出されたSPが記憶装置内のSPより間隔が狭いならば目標が自機から見てCW方向に移動していることが判定でき、間隔が広いならば目標が自機から見てCCW方向に移動していることを判定できる。
【0020】
また相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5は検出されたSPと記憶装置内のSPの差分(変化量)を1スキャン毎に算出する。1スキャン毎のSP変化量と自機から見た目標の相対方位変化量には(2)式の関係が成り立ち、SP変化量が求まれば自機から見た目標の相対方位変化量が算出できる。相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5はスキャン周期検出器2によって検出されたSPと、スキャン周期・スキャン方向記憶装置4に記憶されていたSPを(2)式に代入することによって自機から見た目標の相対方位変化量を算出し、算出結果を算出結果出力端101に出力する。また相対方位変化量の算出結果およびスキャン周期・スキャン方向記憶装置4に記憶されているスキャン方向から相対移動方向を判定し、判定結果を出力する。
【0021】
実施の形態3.
本実施の形態の目標運動推定装置は、実施の形態1で得た目標の相対移動方向と相対方位変化量に、実施の形態2で説明した針路及び速度情報を利用して目標までの距離を算出するものである。図5に実施の形態3の目標運動推定装置の距離を算出する部分のみの構成を示す。
図5において距離算出器10には、図には示さないが実施の形態1の図1で得られた目標の相対方位変化量αと、実施の形態2で説明した巡航速度Vと得られた針路φtとが入力される。
【0022】
目標の相対方位変化量と速度と針路と距離の間には図6に示す関係がある。図6では説明をわかりやすくするため、時刻t=0において、本装置200から目標201へ伸ばした直線方位を基準軸としている。また、時刻0から目標が直線運動して時刻tに203へ達すると仮定し、かつ時刻0から時刻tまでに目標が移動する距離が、目標までの距離Rtに比べて十分に小さい(図では図示の都合上Rtに比べて小さくは書いていない)と仮定すると、(5)式が導き出される。
Rt・sinθt=V・t・sinφt (5)
ここで、Rtは時刻tでの目標までの距離、θtは時刻tでの相対方位変化量、Vは目標の巡航速度、φtは時刻0からtに至る間の目標の針路を示す。
そしてtを1スキャンに要する時間SPtととれば、θtは実施の形態1で説明した相対方位変化量αとなって、式(6)を得る。
即ち t=SPt θt=α を代入して
Rt・sinα=V・SPt・sinφt (6)
(6)式に実施の形態1、実施の形態2で既知となったα、V、SPt、φtを代入し、Rtについて解くことにより目標までの距離が算出される。算出結果を算出結果出力端101に出力する。
即ち Rt=V・SPt・sinφt/sinα (7)
【0023】
なお、図5のものを実施の形態2の図4のものと組み合わせた例について実施の形態4で詳しく説明する。又、図には示さないが、速度V、及び針路φが外部から情報として与えられる場合には、図5のものを実施の形態1の図1のものと組み合わせることにより、目標までの距離を得ることが可能となる。
【0024】
実施の形態4.
図7に実施の形態4の目標運動推定装置の構成を示す。図7に示すものは実施の形態2の図3に示す構成に、実施の形態3の距離算出器10を加えたものである。したがってその説明は多くの部分で実施の形態2、実施の形態3の説明と重複するが念のため再度説明を行う。受信機1は目標が発するレーダ波を検知し、パルス間隔検出器13に出力する。パルス間隔検出器13は入力されたレーダ波のパルス間隔を検出し、針路算出器16に出力する。このとき、レーダ名入力端3に入力されたレーダ名をもとに、パルス間隔記憶装置14は該当するレーダのパルス間隔を、巡航速度記憶装置15は該当するレーダを搭載する目標の巡航速度を針路算出器16に出力する。また方位検出器12より目標の方位情報が針路算出器16へ入力される。針路算出器16は検出されたパルス間隔と記憶装置内のパルス間隔をもとに目標と自機との相対速度を算出する。相対速度とパルス間隔との間には実施の形態2で示した(3)式の関係が成り立ち、パルス間隔の変化量が求まれば目標と自機との相対速度が算出できる。検出されたパルス間隔および記憶装置内に記憶されていたパルス間隔を(3)式に代入することによって目標と自機間の半径方向の相対速度を算出する。
【0025】
また、目標自機間の相対速度と目標の巡航速度と方位と針路は、三角関数を用いて関連づけることができる(図4参照)。目標自機間の相対速度と目標の巡航速度と方位と針路との間には実施の形態2で説明した(4)式の関係が成り立つ。(4)式に算出した相対速度と目標の巡航速度と方位を代入して針路について解くことにより、針路が算出される。算出された針路は、距離算出器10に入力される。
また、受信機1は目標が発するレーダ波を検知し、レーダ波の到達時刻をスキャン周期検出器2に出力する。スキャン周期検出器2は入力されたレーダ波の見かけのスキャン周期を検出し、相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5に出力する。このとき、レーダ名入力端3に入力されたレーダ名をもとに、スキャン周期・スキャン方向記憶装置4は該当するレーダの静止状態におけるスキャン周期およびスキャン方向を相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5に出力する。相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5は、検出された見かけのスキャン周期と記憶装置内に記憶されているスキャン周期との間隔長の比較を行う。記憶装置内に記憶されているスキャン方向がCW方向である場合、検出されたスキャン周期が記憶装置内のスキャン周期より間隔が狭いならば目標が自機から見てCCW方向に移動していることが判定でき、間隔が広いならば目標が自機から見てCW方向に移動していることを判定できる。逆にスキャン方向がCCW方向である場合、検出されたスキャン周期が記憶装置内のスキャン周期より間隔が狭いならば目標が自機から見てCW方向に移動していることが判定でき、間隔が広いならば目標が自機から見てCCW方向に移動していることを判定できる。
【0026】
また相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5は検出された見かけのスキャン周期と記憶しているスキャン周期の差分(変化量)を1スキャン毎に算出する。1スキャン毎のスキャン周期変化量と自機から見た目標の相対方位変化量には(2)式の関係が成り立ち、スキャン周期変化量が求まれば自機から見た目標の相対方位変化量が算出できる。相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5はスキャン周期検出器2によって検出されたスキャン周期と、スキャン周期・スキャン方向記憶装置4に記憶されていたスキャン周期を(2)式に代入することによって自機から見た目標の相対方位変化量を算出し、算出結果は距離算出器10へ入力される。また相対方位変化量の算出結果およびスキャン周期・スキャン方向記憶装置4に記憶されているスキャン方向から相対移動方向を判定し、判定結果は距離算出器10に入力される。また、巡航速度記憶装置15より目標の巡航速度が出力され、巡航速度は距離算出器10に入力される。距離算出器10に入力される針路および相対移動方向判定および相対方位変化量および巡航速度の計4つの情報と目標までの距離の間には図6に示す関係がある。
簡単のため、時刻t=0における本装置から目標へ伸ばした直線方位を基準と考える。また、時刻0から時刻tまで目標が直線運動をすると仮定し、かつ時刻0から時刻tまでに目標が移動する距離が、目標までの距離に比べて十分に小さい、と仮定すると(5)式が導き出され、更に、t=SPtと置くことにより(6)式が得られる。
【0027】
距離算出器10は、針路算出器16より出力された針路情報と、相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5より出力された相対移動方向判定結果および相対方位変化量と、巡航速度記憶装置15より出力された巡航速度情報をもとにして(6)式により距離を算出し、算出結果出力端101へ出力する。
【0028】
実施の形態5.
実施の形態2では見かけのパルス間隔PRI0と記憶している目標レーダのパルス間隔PRItから目標の相対速度Vcを得て、更に記憶している目標の巡航速度Vと目標の方位θを用いることにより目標の針路φを得るものについて説明した。
本実施の形態5では目標の針路φを上記とは異なる他のデータから得る方法について図8により説明する。即ち、目標までの距離が何らかの方法、例えば他から提供される情報として分かる場合がある。図8の第2の針路算出器96には、目標の相対移動方向・相対方位変化量が実施の形態1で説明した手段によって求められて入力される。また速度が実施の形態2で説明した巡航速度記憶装置15から入力される。更に前述の距離が他から提供された情報として入力される。目標の相対方位変化量と速度と針路と距離の間には実施の形態3の図6に示した関係がある。理解を助けるため、時刻t=0における本装置から目標へ伸ばした直線方位を基準とする。また、時刻0から時刻tまで目標が直線運動をすると仮定し、かつ時刻0から時刻tまでに目標が移動する距離が、目標までの距離に比べて十分に小さいと仮定すると実施の形態3で説明した(5)式が導き出される。そしてtを1スキャン周期SPtとすれば、θtは実施の形態1で説明したαとなって式(6)を得る。
この関係式に前記の距離情報、実施の形態1で説明した相対方位変化量αなどを代入してφtについて解くことにより目標の針路が算出される。
【0029】
実施の形態6.
目標の速度は分からないが、他から与えられた情報により目標の針路と距離が分かっている場合もある。この場合に速度を算出するものについて説明する。図9に於いて速度算出器20には、実施の形態1で説明した手段により目標の相対移動方向・相対方位変化量が求められて入力され、また、他から与えられる情報として針路と距離が入力される。目標の相対方位変化量と速度と針路と距離の間には実施の形態3の図6に示した関係がある。簡単のため、時刻t=0における本装置から目標へ伸ばした直線方位を基準と考えている。また、時刻0から時刻tまで目標が直線運動をすると仮定し、かつ時刻0から時刻tまでに目標が移動する距離が、目標までの距離に比べて十分に小さい、と仮定すると実施の形態3で説明した(6)式が導き出される。
Rt・sinα=V・SPt・sinφt (6)
ここで(6)式をVについて解くことにより目標の速度が算出される。算出結果を算出結果出力端101に出力する。
即ち V=Rt・sinα/(SPt・sinφt) (8)
【0030】
【発明の効果】
以上より、本発明の目標運動推定装置によれば目標から発射されたレーダ波の見かけのスキャン周期、スキャン方向を測定し、それぞれの静止状態での値からのずれを検出することで目標の相対移動方向の判定、相対方位変化量の算出ができる。
また、レーダ波の見かけのパルス間隔を測定し、その静止状態での値からのずれを検出し、更に目標の方位を知ることで、従来、距離測定に必要であった目標が発するレーダ波の実効放射電力情報を必要としないで、目標までの距離の算出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の目標運動推定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の動作を説明するための位置関係説明図である。
【図3】本発明の実施の形態2の目標運動推定装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図3の動作を説明するための位置関係説明図である。
【図5】本発明の実施の形態3の目標運動推定装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図5の動作を説明するための位置関係説明図である。
【図7】本発明の実施の形態4の目標運動推定装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態5の目標運動推定装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態6の目標運動推定装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 受信機、 2 スキャン周期検出器、 3 レーダ名入力端、
4 スキャン周期・スキャン方向記憶装置、
5 相対移動方向判定・相対方位変化量算出器、
6 相対移動方向・相対方位変化量出力端、
7 相対移動方向・相対方位変化量入力端、 8 速度入力端、
9 針路入力端、 10 距離算出器、
11 距離出力端、 12 方位検出器、 13 パルス間隔検出器、
14 パルス間隔記憶装置、 15 巡航速度記憶装置、
16 針路算出器、 18 速度出力端、
19 距離入力端、 20 速度算出器、 96 第2の針路算出器、
99 目標諸元記憶装置、 100 アンテナ、
101 算出結果出力端。
【発明の属する技術分野】
この発明は、目標の発するレーダ波の諸元を分析して、目標の運動に関する諸データを推定する目標運動推定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーダ装置により目標物体(以下目標と言う)の運動を観測するには、周知の通り、任意の方向に回転させた鋭い指向性を有するアンテナから電波を発射し、目標に反射して帰ってきた電波を受信して、アンテナの指向方向から方位を、発射後受信するまでの時間から距離を算出することを繰り返すことにより、まず、目標の位置を求め、この位置の時間的変化から目標の速度や進路の観測を行っていた。
【0003】
しかし、この方法では、こちらから電波を発射しなければならず、このことにより、自己の存在を相手方に探知されるため、必ずしも好都合とは言えない場合がある。そこで、目標が発射している電波を利用して目標の運動を推定するものが考案されている。この場合、例えば受信に指向性アンテナを用いれば、目標の方位は電波の到来方向から容易に判定できるので、後はその距離を判定する工夫だけすればよい。
例えば、あらかじめ対称とする艦船や航空機の種類により、発射するレーダ波の実効放射電力(送信電力Ptと使用しているアンテナの利得Gtとの積)が把握できている場合には、下記(1)式の受信電力Prで受信できることが知られている。
即ち、受信電力Prは受信機によって検出される受信電力。受信アンテナ利得Grは受信システムの固有値、λは受信機によって検出された周波数で光速C(固定値)を除した値として得られる目標が発するレーダ波の波長で、いずれも測定によりもしくは設計値として入手できるものである。そしてレーダ波送信電力Ptと送信アンテナ利得Gtの積である実効放射電力を与えることにより、自機と目標の距離Rが求まる。
Pr=Pt・Gt・Gr・λ2/(4πR)2 (1)
そして、PtとGtはあらかじめ入手して、記憶しているデータである。
このようにして得た距離Rと、目標からの電波の到来方向とから、目標の現在位置を算出、推定することが出来る。
【0004】
しかし、目標のもつレーダ装置の実効放射電力データの入手は難しく、また、たとえ入手しても、送信側での電力の変更が容易である上、送信アンテナ利得Gtは全方位に対して一定であることはまれであり、目標が針路を変えることにより見かけ上、受信側から見た送信アンテナ利得が変化する場合があるので、信頼できる運動推定結果を得るのは困難であった。このような目標が持つレーダ装置の諸元(ライブラリ)を利用するものは特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−118897号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の目標運動推定装置は以上のように構成されているので、目標の運動の推定には目標のもつレーダ波の実効放射電力を知る必要があるが、実効放射電力はデータの入手が難しく、また、入手できても、変更されたり、目標の姿勢によって変化するなどの変動要素があり、実用するのは困難であるという課題があった。
【0007】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、目標の有するレーダ装置の実効放射電力が不明であっても、目標の運動を推定することができる目標運動推定装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の目標運動推定装置は、目標に搭載されているレーダ装置の諸元の内、少なくともスキャン周期とスキャン方向とを記憶する目標諸元記憶装置、
目標の前記レーダ装置から発射されたレーダ波を受信して、前記レーダ波の見かけのスキャン周期を検出するスキャン周期検出器、
前記見かけのスキャン周期と前記記憶しているスキャン周期とにもとづいて前記目標の見かけの移動方向が前記記憶しているスキャン方向と同方向か逆方向かを判定する相対移動方向判定手段、
前記見かけのスキャン周期と前記記憶しているスキャン周期との差にもとづいて前記目標の見かけの方向の変化量を相対方位変化量として算出する相対方位変化量算出手段を備えたものである。
【0009】
又、前記目標諸元記憶装置は前記レーダ波のパルス間隔と目標の巡航速度をも記憶するものであり、
前記レーダ波の見かけのパルス間隔を検出するパルス間隔検出器、
前記レーダ波の到来方向から目標の方位を検知する方位検出器、
前記方位と、前記見かけパルス間隔と、前記記憶したパルス間隔と、前記巡航速度と、前記相対方位変化量にもとづいて前記目標の針路を算出する針路算出器を備えたものである。
【0010】
又、前記相対移動方向と、前記相対方位変化量と、前記目標の針路と、前記巡航速度に基づいて、前記目標までの距離を算出する距離算出器を備えたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明で言う目標運動の推定とは、目標とする移動体の位置、即ち自位置から見た目標の方位と距離(仰角と高度を含む)、及び目標の移動している針路と移動速度(上昇下降角度と速度を含む)の少なくとも一部を求めることを言い、その場での回転はここで言う運動には含まない。特定の目標の運動を推定しようとするとき、すくなくとも目標の存在は認識できているのだから、一般には、これら方位、距離、針路、速度の内、何かは判明していることが多い。本発明の目標運動推定装置は目標が発するレーダ波の解析に加えて、前記既知の項目を利用することにより他の不明の項目を明らかにするものである。
以下の説明では、理解を助けるため2次元(即ち水平面内)に限定した説明を行う。しかし、本発明は2次元面内の運動に限定するものではなく、3次元的運動に展開することも容易に可能である。
【0012】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1の目標運動推定装置の構成を図1に示す。本実施形態の目標運動推定装置は、目標の運動諸元の内、まず目標の見かけの運動方向(相対移動方向と言う)と、その見かけの移動角速度(相対方位変化量という)とを推定できるものである。
受信機1は運動を推定する対象としての目標(以下目標という)が発するレーダ波をアンテナ100で受信し、レーダ波の受信時刻をスキャン周期検出器2に入力する。スキャン周期検出器2は入力されたレーダ波の受信時刻の間隔から見かけのスキャン周期SP0を検出し、相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5に入力する。見かけのスキャン周期は目標の移動に伴うドップラー効果により静止状態のスキャン周期とは変化している。ここで本装置のアンテナ100は無指向性アンテナであっても良い。
目標諸元記憶装置99には目標に搭載されているレーダ装置の諸元の内、あらかじめ得ることのできた情報と、目標の運動に関してあらかじめ得られた情報とが記憶されている。即ち、図1の場合には目標諸元記憶装置99内のスキャン周期・スキャン方向記憶装置4には予め目標が備えているレーダ装置の静止状態でのスキャン周期とスキャン方向(スキャンする回転の方向)とがレーダ名を付して入力され記憶されている。そして、レーダ名入力端3に入力されたレーダ名(オペレータによる入力でも良いし、得られたスキャン周期などから自動的に選択されたものでも良い)をもとに、スキャン周期・スキャン方向記憶装置4は該当するレーダの静止状態におけるスキャン周期SPtおよびスキャン方向を相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5に出力する。
【0013】
相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5はスキャン周期検出器2によって検出された見かけのスキャン周期SP0と、スキャン周期・スキャン方向記憶装置4に記憶されていた静止状態でのスキャン周期SPtとの間隔長の比較を行う。記憶されていたスキャン方向が時計方向(以下CWという)である場合、検出されたスキャン周期が記憶装置内のスキャン周期より間隔が狭い、即ち、SP0−SPt<0ならば目標が自機から見て反時計方向(以下CCW)に移動していることが判定でき、間隔が広い、即ち、SP0−SPt>0ならば目標が自機から見てCW方向に移動していることを判定できる。
逆に、記憶されていたスキャン方向がCCW方向である場合、SP0−SPt<0ならば目標が自機から見てCW方向に移動していることが判定でき、SP0−SPt>0ならば目標が自機から見てCCW方向に移動していることを判定できる。即ち、相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5は見かけのスキャン周期と記憶していた真のスキャン周期との差にもとづいて目標の見かけの移動方向が記憶しているスキャン方向と同方向か否かを判定するものである。
【0014】
また相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5は、検出されたスキャン周期と記憶装置内のスキャン周期の差分(変化量)(SP0−SPt)を1スキャン毎に算出して、1スキャン毎のその変化をチェックする。1スキャン毎のスキャン周期変化量と自機から見た目標の相対方位変化量αには(2)式の関係が成り立ち、スキャン周期変化量が求まれば自機から見た目標の相対方位変化量が算出できる。
SPt×α/2π=SP0−SPt (2)
ここで、αは受信した側から見て目標が1スキャンの間に移動した相対方位変化量、SP0はスキャン周期検出器によって検出された見かけのスキャン周期、SPtはスキャン周期・スキャン方向記憶装置5に記憶されているスキャン周期を示す。つまり(2)式の右項がスキャン周期変化量を表している。
上記についての理解を助けるため、図2に本装置200と目標との位置関係を示す。図2では、矢印190は静止状態における目標の持つレーダ装置のアンテナの回転方向を示し、最初のスキャンが到来した時刻0における目標201の方向を0度方向とすれば、2回目のスキャンが到来した時刻SP0における目標202の方向はαとなる。そしてこの間に目標のレーダアンテナは矢印191に示すように1回転とα回転する。
即ち、時間長さSP0は、時間長さ SPt(1+α/2π)に等しい。これを整理して(2)式が得られる。
【0015】
相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5はスキャン周期検出器2によって検出された見かけのスキャン周期SP0と、スキャン周期・スキャン方向記憶装置4に記憶されていた真のスキャン周期SPtを(2)式に代入することによって自機(受信機1を搭載した施設を便宜上こういう)から見た目標の見かけの方向の変化速度、即ち、相対方位変化量αを算出し、算出結果を算出結果出力端101に出力する。また算出結果αおよび記憶されているスキャン方向SPtから相対移動方向を判定し、判定結果を算出結果出力端101に出力する。
以上により、実施の形態1の目標運動推定装置は、目標が発するレーダ波をとらえて分析し、また予め目標が持つレーダ装置の諸元を記憶していることにより、目標の相対的移動方向と相対的方位の変化量とを得ることが出来る。
相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5は本発明に言う相対移動方向判定手段及び相対方位変化量算出手段である。
【0016】
実施の形態2.
図3は実施の形態2の目標運動推定装置の構成を示し、実施の形態1の装置の機能に加えて、目標の針路を推定する機能を有するものである。図において、アンテナ100、受信機1、スキャン周期検出器2、相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5、相対移動方向・相対方位変化量出力端6、スキャン周期・スキャン方向記憶装置4については実施の形態1の図1と同じなのでその詳細な説明を省略する。なお、以下の各図において同符号は同一又は相当部分を示すので、その詳細な説明は省略する。
パルス間隔検出器13は受信機1が受信したレーダ波の見かけのパルス間隔(パルス繰り返し周期とも言う)を検出する。ここで言う見かけのパルス間隔とは1スキャンの間に繰り返し送出されるレーダパルスの間隔が目標の移動に伴うドップラー効果により見かけ上変化したものを言う。パルス間隔検出器13は検出した見かけのパルス間隔(PRI0)を針路算出器16に出力する。目標諸元記憶装置99内のパルス間隔記憶装置15には目標が備えているレーダ装置のパルス間隔(PRIr)が、また巡航速度記憶装置15には目標の巡航速度Vが記憶されている。そして、レーダ名入力端3に入力されたレーダ名をもとに、パルス間隔記憶装置14は該当するレーダのパルス間隔(PRIr)を、巡航速度記憶装置15は該当するレーダを搭載する目標の巡航速度(V)を針路算出器16に出力する。また方位検出器12により目標の方位情報が検出され針路算出器16へ入力される。方位情報を得る手段は例えばアンテナ100に指向性アンテナを使用してもよいし、目視や他のレーダ施設からの情報提供など公知の種々の手段があるのでここでは詳細な説明を省略する。針路算出器16は検出された見かけのパルス間隔PRI0と記憶していたパルス間隔PRIrとにもとづいて目標と自機との相対速度Vcを後述する(3)式により算出する。
【0017】
相対速度Vcとパルス間隔PRIとの間にはドップラー効果により(3)式の関係が成り立ち、静止状態と移動状態におけるパルス間隔が得られれば、目標と自機との相対速度Vcが算出できる。検出されたパルス間隔PRI0および記憶装置内に記憶されていたパルス間隔PRIrを(3)式に代入することによって目標と自機間の半径方向の相対速度Vcを算出する。
PRI0={PRIr}・(C−Vc)/C (3)
ここで、Cは光速、Vcは目標と自機との半径方向の相対速度を示す。
【0018】
次に、目標と自機間の相対速度と目標の巡航速度と方位と針路は、三角関数を用いて関連づけることができる。図4にこの関係を図示して説明する。図4において目標と自機間の相対速度Vcと目標の巡航速度Vと方位θと針路φとの間には(4)式の関係が成り立つ。
cos(φ−θ)=Vc/V (4)
ここで、φは目標の針路、θは目標の方位、Vは目標の巡航速度、Vcは目標自機間の相対速度を示す。
(4)式に(3)式で算出した相対速度Vcと記憶していた目標の巡航速度Vと、方位θを代入して針路φについて解くことにより針路φが算出される。
算出された針路φは、算出結果出力端101に出力される。
また、巡航速度記憶装置15より目標の巡航速度が速度出力端18に出力される。
【0019】
以下の説明は実施の形態1の図1の説明と同じであるが念のため繰り返し説明する。
受信機1は運動推定目標が発するレーダ波を検知し、パルスの到達時刻をスキャン周期検出器2に出力する。スキャン周期検出器2は入力されたレーダ波のスキャン周期を検出し、相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5に出力する。このとき、レーダ名入力端3に入力されたレーダ名をもとに、スキャン周期・スキャン方向記憶装置4は該当するレーダの静止状態におけるスキャン周期およびスキャン方向を相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5に出力する。相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5は、検出されたスキャン周期と記憶装置内に記憶されているスキャン周期(以下SP)との間隔長の比較を行う。記憶装置内に記憶されているスキャン方向がCW方向である場合、検出されたSPが記憶装置内のSPより間隔が狭いならば目標が自機から見てCCW方向に移動していることが判定でき、間隔が広いならば目標が自機から見てCW方向に移動していることを判定できる。逆にスキャン方向がCCW方向である場合、検出されたSPが記憶装置内のSPより間隔が狭いならば目標が自機から見てCW方向に移動していることが判定でき、間隔が広いならば目標が自機から見てCCW方向に移動していることを判定できる。
【0020】
また相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5は検出されたSPと記憶装置内のSPの差分(変化量)を1スキャン毎に算出する。1スキャン毎のSP変化量と自機から見た目標の相対方位変化量には(2)式の関係が成り立ち、SP変化量が求まれば自機から見た目標の相対方位変化量が算出できる。相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5はスキャン周期検出器2によって検出されたSPと、スキャン周期・スキャン方向記憶装置4に記憶されていたSPを(2)式に代入することによって自機から見た目標の相対方位変化量を算出し、算出結果を算出結果出力端101に出力する。また相対方位変化量の算出結果およびスキャン周期・スキャン方向記憶装置4に記憶されているスキャン方向から相対移動方向を判定し、判定結果を出力する。
【0021】
実施の形態3.
本実施の形態の目標運動推定装置は、実施の形態1で得た目標の相対移動方向と相対方位変化量に、実施の形態2で説明した針路及び速度情報を利用して目標までの距離を算出するものである。図5に実施の形態3の目標運動推定装置の距離を算出する部分のみの構成を示す。
図5において距離算出器10には、図には示さないが実施の形態1の図1で得られた目標の相対方位変化量αと、実施の形態2で説明した巡航速度Vと得られた針路φtとが入力される。
【0022】
目標の相対方位変化量と速度と針路と距離の間には図6に示す関係がある。図6では説明をわかりやすくするため、時刻t=0において、本装置200から目標201へ伸ばした直線方位を基準軸としている。また、時刻0から目標が直線運動して時刻tに203へ達すると仮定し、かつ時刻0から時刻tまでに目標が移動する距離が、目標までの距離Rtに比べて十分に小さい(図では図示の都合上Rtに比べて小さくは書いていない)と仮定すると、(5)式が導き出される。
Rt・sinθt=V・t・sinφt (5)
ここで、Rtは時刻tでの目標までの距離、θtは時刻tでの相対方位変化量、Vは目標の巡航速度、φtは時刻0からtに至る間の目標の針路を示す。
そしてtを1スキャンに要する時間SPtととれば、θtは実施の形態1で説明した相対方位変化量αとなって、式(6)を得る。
即ち t=SPt θt=α を代入して
Rt・sinα=V・SPt・sinφt (6)
(6)式に実施の形態1、実施の形態2で既知となったα、V、SPt、φtを代入し、Rtについて解くことにより目標までの距離が算出される。算出結果を算出結果出力端101に出力する。
即ち Rt=V・SPt・sinφt/sinα (7)
【0023】
なお、図5のものを実施の形態2の図4のものと組み合わせた例について実施の形態4で詳しく説明する。又、図には示さないが、速度V、及び針路φが外部から情報として与えられる場合には、図5のものを実施の形態1の図1のものと組み合わせることにより、目標までの距離を得ることが可能となる。
【0024】
実施の形態4.
図7に実施の形態4の目標運動推定装置の構成を示す。図7に示すものは実施の形態2の図3に示す構成に、実施の形態3の距離算出器10を加えたものである。したがってその説明は多くの部分で実施の形態2、実施の形態3の説明と重複するが念のため再度説明を行う。受信機1は目標が発するレーダ波を検知し、パルス間隔検出器13に出力する。パルス間隔検出器13は入力されたレーダ波のパルス間隔を検出し、針路算出器16に出力する。このとき、レーダ名入力端3に入力されたレーダ名をもとに、パルス間隔記憶装置14は該当するレーダのパルス間隔を、巡航速度記憶装置15は該当するレーダを搭載する目標の巡航速度を針路算出器16に出力する。また方位検出器12より目標の方位情報が針路算出器16へ入力される。針路算出器16は検出されたパルス間隔と記憶装置内のパルス間隔をもとに目標と自機との相対速度を算出する。相対速度とパルス間隔との間には実施の形態2で示した(3)式の関係が成り立ち、パルス間隔の変化量が求まれば目標と自機との相対速度が算出できる。検出されたパルス間隔および記憶装置内に記憶されていたパルス間隔を(3)式に代入することによって目標と自機間の半径方向の相対速度を算出する。
【0025】
また、目標自機間の相対速度と目標の巡航速度と方位と針路は、三角関数を用いて関連づけることができる(図4参照)。目標自機間の相対速度と目標の巡航速度と方位と針路との間には実施の形態2で説明した(4)式の関係が成り立つ。(4)式に算出した相対速度と目標の巡航速度と方位を代入して針路について解くことにより、針路が算出される。算出された針路は、距離算出器10に入力される。
また、受信機1は目標が発するレーダ波を検知し、レーダ波の到達時刻をスキャン周期検出器2に出力する。スキャン周期検出器2は入力されたレーダ波の見かけのスキャン周期を検出し、相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5に出力する。このとき、レーダ名入力端3に入力されたレーダ名をもとに、スキャン周期・スキャン方向記憶装置4は該当するレーダの静止状態におけるスキャン周期およびスキャン方向を相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5に出力する。相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5は、検出された見かけのスキャン周期と記憶装置内に記憶されているスキャン周期との間隔長の比較を行う。記憶装置内に記憶されているスキャン方向がCW方向である場合、検出されたスキャン周期が記憶装置内のスキャン周期より間隔が狭いならば目標が自機から見てCCW方向に移動していることが判定でき、間隔が広いならば目標が自機から見てCW方向に移動していることを判定できる。逆にスキャン方向がCCW方向である場合、検出されたスキャン周期が記憶装置内のスキャン周期より間隔が狭いならば目標が自機から見てCW方向に移動していることが判定でき、間隔が広いならば目標が自機から見てCCW方向に移動していることを判定できる。
【0026】
また相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5は検出された見かけのスキャン周期と記憶しているスキャン周期の差分(変化量)を1スキャン毎に算出する。1スキャン毎のスキャン周期変化量と自機から見た目標の相対方位変化量には(2)式の関係が成り立ち、スキャン周期変化量が求まれば自機から見た目標の相対方位変化量が算出できる。相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5はスキャン周期検出器2によって検出されたスキャン周期と、スキャン周期・スキャン方向記憶装置4に記憶されていたスキャン周期を(2)式に代入することによって自機から見た目標の相対方位変化量を算出し、算出結果は距離算出器10へ入力される。また相対方位変化量の算出結果およびスキャン周期・スキャン方向記憶装置4に記憶されているスキャン方向から相対移動方向を判定し、判定結果は距離算出器10に入力される。また、巡航速度記憶装置15より目標の巡航速度が出力され、巡航速度は距離算出器10に入力される。距離算出器10に入力される針路および相対移動方向判定および相対方位変化量および巡航速度の計4つの情報と目標までの距離の間には図6に示す関係がある。
簡単のため、時刻t=0における本装置から目標へ伸ばした直線方位を基準と考える。また、時刻0から時刻tまで目標が直線運動をすると仮定し、かつ時刻0から時刻tまでに目標が移動する距離が、目標までの距離に比べて十分に小さい、と仮定すると(5)式が導き出され、更に、t=SPtと置くことにより(6)式が得られる。
【0027】
距離算出器10は、針路算出器16より出力された針路情報と、相対移動方向判定・相対方位変化量算出器5より出力された相対移動方向判定結果および相対方位変化量と、巡航速度記憶装置15より出力された巡航速度情報をもとにして(6)式により距離を算出し、算出結果出力端101へ出力する。
【0028】
実施の形態5.
実施の形態2では見かけのパルス間隔PRI0と記憶している目標レーダのパルス間隔PRItから目標の相対速度Vcを得て、更に記憶している目標の巡航速度Vと目標の方位θを用いることにより目標の針路φを得るものについて説明した。
本実施の形態5では目標の針路φを上記とは異なる他のデータから得る方法について図8により説明する。即ち、目標までの距離が何らかの方法、例えば他から提供される情報として分かる場合がある。図8の第2の針路算出器96には、目標の相対移動方向・相対方位変化量が実施の形態1で説明した手段によって求められて入力される。また速度が実施の形態2で説明した巡航速度記憶装置15から入力される。更に前述の距離が他から提供された情報として入力される。目標の相対方位変化量と速度と針路と距離の間には実施の形態3の図6に示した関係がある。理解を助けるため、時刻t=0における本装置から目標へ伸ばした直線方位を基準とする。また、時刻0から時刻tまで目標が直線運動をすると仮定し、かつ時刻0から時刻tまでに目標が移動する距離が、目標までの距離に比べて十分に小さいと仮定すると実施の形態3で説明した(5)式が導き出される。そしてtを1スキャン周期SPtとすれば、θtは実施の形態1で説明したαとなって式(6)を得る。
この関係式に前記の距離情報、実施の形態1で説明した相対方位変化量αなどを代入してφtについて解くことにより目標の針路が算出される。
【0029】
実施の形態6.
目標の速度は分からないが、他から与えられた情報により目標の針路と距離が分かっている場合もある。この場合に速度を算出するものについて説明する。図9に於いて速度算出器20には、実施の形態1で説明した手段により目標の相対移動方向・相対方位変化量が求められて入力され、また、他から与えられる情報として針路と距離が入力される。目標の相対方位変化量と速度と針路と距離の間には実施の形態3の図6に示した関係がある。簡単のため、時刻t=0における本装置から目標へ伸ばした直線方位を基準と考えている。また、時刻0から時刻tまで目標が直線運動をすると仮定し、かつ時刻0から時刻tまでに目標が移動する距離が、目標までの距離に比べて十分に小さい、と仮定すると実施の形態3で説明した(6)式が導き出される。
Rt・sinα=V・SPt・sinφt (6)
ここで(6)式をVについて解くことにより目標の速度が算出される。算出結果を算出結果出力端101に出力する。
即ち V=Rt・sinα/(SPt・sinφt) (8)
【0030】
【発明の効果】
以上より、本発明の目標運動推定装置によれば目標から発射されたレーダ波の見かけのスキャン周期、スキャン方向を測定し、それぞれの静止状態での値からのずれを検出することで目標の相対移動方向の判定、相対方位変化量の算出ができる。
また、レーダ波の見かけのパルス間隔を測定し、その静止状態での値からのずれを検出し、更に目標の方位を知ることで、従来、距離測定に必要であった目標が発するレーダ波の実効放射電力情報を必要としないで、目標までの距離の算出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の目標運動推定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の動作を説明するための位置関係説明図である。
【図3】本発明の実施の形態2の目標運動推定装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図3の動作を説明するための位置関係説明図である。
【図5】本発明の実施の形態3の目標運動推定装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図5の動作を説明するための位置関係説明図である。
【図7】本発明の実施の形態4の目標運動推定装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態5の目標運動推定装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態6の目標運動推定装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 受信機、 2 スキャン周期検出器、 3 レーダ名入力端、
4 スキャン周期・スキャン方向記憶装置、
5 相対移動方向判定・相対方位変化量算出器、
6 相対移動方向・相対方位変化量出力端、
7 相対移動方向・相対方位変化量入力端、 8 速度入力端、
9 針路入力端、 10 距離算出器、
11 距離出力端、 12 方位検出器、 13 パルス間隔検出器、
14 パルス間隔記憶装置、 15 巡航速度記憶装置、
16 針路算出器、 18 速度出力端、
19 距離入力端、 20 速度算出器、 96 第2の針路算出器、
99 目標諸元記憶装置、 100 アンテナ、
101 算出結果出力端。
Claims (6)
- 目標に搭載されているレーダ装置の諸元の内、少なくともスキャン周期とスキャン方向とを記憶する目標諸元記憶装置、
前記レーダ装置から発射されたレーダ波を受信して、前記レーダ波の見かけのスキャン周期を検出するスキャン周期検出器、
前記見かけのスキャン周期と前記記憶しているスキャン周期とにもとづいて前記目標の見かけの移動方向が前記記憶しているスキャン方向と同方向か逆方向かを判定する相対移動方向判定手段、
前記見かけのスキャン周期と前記記憶しているスキャン周期との差にもとづいて前記目標の見かけの方向の変化量を相対方位変化量として算出する相対方位変化量算出手段を備えたことを特徴とする目標運動推定装置。 - 前記目標諸元記憶装置は前記レーダ波のパルス間隔と、前記目標の巡航速度をも記憶するものであり、
前記レーダ波の見かけのパルス間隔を検出するパルス間隔検出器、
前記レーダ波の到来方向から目標の方位を検知する方位検出器、
前記方位と、前記見かけのパルス間隔と、前記記憶したパルス間隔と、前記記憶した巡航速度とをもとに前記目標の針路を算出する針路算出器を備えた請求項1に記載の目標運動推定装置。 - 前記相対移動方向と、前記相対方位変化量と、外部から与えられた前記目標の針路と、外部から与えられた前記目標の速度とに基づいて、前記目標までの距離を算出する距離算出器を備えたことを特徴とする請求項1に記載の目標運動推定装置。
- 前記相対移動方向と、前記相対方位変化量と、前記目標の針路と、前記巡航速度に基づいて、前記目標までの距離を算出する距離算出器を備えたことを特徴とする請求項2に記載の目標運動推定装置。
- 前記相対移動方向と、前記相対方位変化量と、前記目標の巡航速度と、前記目標までの距離とにもとづいて、前記目標の針路を算出する針路算出器を備えたことを特徴とする請求項2に記載の目標運動推定装置。
- 前記相対移動方向と、前記相対方位変化量と、前記目標の針路と、前記目標までの距離とにもとづいて、前記目標の速度を算出する速度算出器を備えたことを特徴とする請求項2に記載の目標運動推定装置。
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JP2013174537A (ja) * | 2012-02-27 | 2013-09-05 | Kddi Corp | 移動追従システム並びにその追従端末及び移動端末 |
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-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002381474A patent/JP2004212186A/ja active Pending
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