【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は貯水池などの連絡導水管、水道本管、下水道、地下鉄、地下道、電気・水道・通信などの共同溝その他トンネル状構造物を構築する場合に用いるトンネル覆工用セグメントの接続構造及び施工方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、トンネルを長手方向に輪切りし、更に円周方向に分割した曲面パネル状のセグメントを、トンネル掘削に引き続いてトンネル内で組立て、地中に円形断面を確保し、セグメント外側と掘削地山との間に裏込めコンクリートを充填してトンネルを掘進する技術が多用されている。このような技術は自動化された掘削機械による全断面掘削が可能となることなど利点が多く一般的な技術となっている。この技術はその利点を生かして、山岳地帯に限らず、都市地区の上下水道、地下鉄、地下道、電気、ガス、又はそれらの共同トンネルなどの施工にも採用されている。
【0003】
このような技術に用いられるセグメントには、鋼製、鋼殻コンクリート製、プレキャストコンクリート製のものなどがある。またその外形形状も単に矩形の曲面パネルのほか、変形多角形の曲面パネルなど種々工夫された形状のものが用いられている。
【0004】
このようなセグメントを円筒状に連結して形成されるセグメントリングは、単に円筒状空間を確保するだけでなく、トンネルに作用する外力、例えば土圧や水圧による曲げモーメントに耐える必要がある。また用途によっては内圧に対して抵抗することが要求され、また止水性なども要求される。特に水管トンネルの場合には、内圧による周張力に抵抗できる構造であることが望ましい。
【0005】
これらの要求に応えるため従来からセグメント同士の隣接接合面をボルト式、くさび式、PCケーブル式またはそれらの組み合わせなどの多くの接続手段、接続構造で接続することが提案されている。ボルト式接続構造やくさび式接続構造では十分な結合力を得るには多数本のボルトや金具を必要とし、セグメント接合部のボルトやくさびを取り付けたり、締め付けたりする作業空間を確保するため、セグメントに切欠や箱抜き孔などを設けることが必要となる。
【0006】
従って、この切欠や箱抜き孔などをモルタルで埋める跡埋め仕上げなど余分な作業を要することとなり、コストと作業性の点で問題がある。また、ボルトや金具で接続したものは、トンネル軸方向及び円周方向とも力の伝達の連続性が弱いなどの問題もある。PCケーブル式は長いPCケーブルを挿入することを必要とし、これが必ずしも容易ではなく、また、円周方向PCケーブルは摩擦によってプレストレスが減殺される問題がある。
【0007】
プレキャストコンクリートセグメントは、部材を薄くすることができ、掘削断面を小さくし、掘削土量を最小限とすることができ、セグメントの組立も容易で、組立精度が高く、さらに外力に対する抵抗強度、水密性を確保することが容易であるという特質がある。
【0008】
プレキャストコンクリートセグメントの接続に多本数のボルトを用いることなく、挿入が容易な可及的に短尺なPC緊張材を用いて、セグメントの組立を容易にし、併せてトンネル内壁に周方向及び軸方向のプレストレスを同時に導入できるようにし、トンネル軸方向の力の連続的伝達ができ、内圧が掛かるトンネルにおいても内圧に抵抗できるような接続構造を有するセグメントがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
このセグメントは、セグメントの平面視中央付近で互いにX字状に交差しセグメントの母線方向に対して傾きを持つ2本のPC緊張材挿通孔をセグメント版厚内に設け、PC緊張材挿通孔はセグメントの輪切り端面に開口しトンネル軸方向に隣接するセグメントと互いに連通するPC緊張材挿通孔とし、各開口部にPC緊張材を定着する凹部を備えたトンネル覆工用セグメントである。
【0010】
このセグメントを用いてトンネル覆工を組み立てるには、セグメント1個又は複数個ごとの挿通長さに合わせた長さのPC緊張材を用い、このPC緊張材の一端に固定側定着体及び緊張側定着体を備え、このPC緊張材の他端をPC緊張材挿通孔に挿入して既設PC緊張材の固定側定着体と連結し、緊張力を導入し、これを繰り返して順次セグメントの円周方向及び軸方向を接続する。
【0011】
また、上記セグメントにおいて、前記2本のPC緊張材挿通孔はそれぞれ2条1組の並列挿通孔とし、交互に緊張定着すれば、PC緊張材を既設のトンネル覆工体のPC緊張材と連結せずに、この2条の緊張材の緊張力を連続的にすることができる。
【0012】
また、セグメントのトンネル軸方向の側面からトンネル軸交差方向の側面に貫通した4本のPC緊張材挿通ダクトを、隣接セグメントのPC緊張材挿通ダクトと互いに連通するようにセグメント版厚内に設けたトンネル覆工用セグメントがある(例えば、特許文献2参照。)。この技術は、セグメント偶数個ごとの長さのPC緊張材を2本並列に挿入し、この2本のPC緊張材を交互に順次緊張してセグメントの円周方向及び軸方向を接続するものである。この技術ではセグメントの周方向接続端面を強圧する構造になっている。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−173385号公報(第2−6頁、図2)
【特許文献2】
特開2001−207796号公報(第2−5頁、図3)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記セグメントは、PC緊張材によって一体化され非常に強固なトンネルを形成することができ、優れた特性を有するものである。このようなセグメントは、トンネル掘削切羽側でリング状に組立てて施工されるが、切羽との間に広い空間をとることができないので、PC緊張材は長さの短いものを継足して使用する必要がある。また、従来のPC緊張材の緊張はセグメントリング2〜3列を同時に締めるものである。従って、セグメントの周方向緊張力を充分に附与するためには緊張力を大きくする必要がある。
【0015】
さらに、PC緊張材をセグメントの中央で交差するX字状に配設するものでは、円周方向目地部の締め付けが間接的となる。このため目地部のシール性を向上するためには、強力な緊張が必要である。
【0016】
また、PC緊張材の緊張長さが長く、伸びが生ずるので、狭い切羽側空間での緊張作業に手間と時間を要し、能率向上が困難である。
【0017】
本発明はこのような問題点を解決し、さらに強度が大きく、作業性が高く、経済的で性能のすぐれたセグメントを提供することを目的とする。
【0018】
本発明はさらにこのようなセグメントの施工方法を併せて提供する。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明のトンネル覆工用セグメントは、円筒を輪切りにして、且つ円周方向に複数分割したトンネル覆工用プレキャストコンクリート製セグメントにおいて、各セグメントは周方向プレストレスを導入するプレテンション方式又はポストテンション方式のPC緊張材をセグメント毎に内蔵すると共に、各セグメントの周方向接続端面の中央から輪切り端面に貫通し平面視でX字状に交差して配設され隣接セグメントと相互に連通するポストテンション方式のPC緊張材挿通孔を内蔵したことを特徴とする。
【0020】
このセグメントはそれぞれ周方向プレストレスを導入するPC緊張材をセグメント毎に内蔵している。このPC緊張材は、プレテンション方式のものでもよく、アンボンドPC緊張材でもよい。アンボンドPC緊張材を内蔵したものでは、セグメント組立前に予め緊張定着することによって個々のセグメントに周方向プレストレスを導入することができる。
【0021】
このセグメントを既設のセグメントリングに隣接させてリング状に配設し、周方向接続端面の中央を通ってX字状に交差して配置している挿入孔に、切羽側端面から、ポストテンション方式のPC緊張材を挿通し、既設セグメントのPC緊張材先端に接続し、これを緊張する。
【0022】
これによって、新セグメントリングを既設隣接セグメントリングに強固に連結すると共に、周方向接続端面の目地部に直接押圧力を付加する。従って、目地部の緊密な接触を容易に達成することができる。
【0023】
各セグメントリングは周方向プレストレスが既に導入されており、この周方向接続端面を押圧することによって、目地部を含めた全体周方向プレストレスが簡単、容易に導入される。またこのX字状に配設されたPC緊張材は、前列のセグメントリングに緊張定着されたPC緊張材に連結して緊張することによって、セグメントリング1列のみを緊張して定着することができる。
【0024】
従って、2〜3列に亘る長いPC緊張材を緊張するのとは異なり、緊張力が小さく、伸びも少なく、短時間に緊張完了することができる。なお、この緊張は、トルクレンチを用いて簡単に施工することができ、切羽側の狭い空間での作業に適している。
【0025】
上記セグメントを施工する方法は次の通りである。すなわち、トンネル円周方向を緊張するアンボンドPC緊張材を各セグメントの版厚中に内蔵すると共に周方向接続端面の中央から輪切り端面に貫通するシースを内蔵したトンネル覆工用セグメントを製作し、該セグメントの組立前に前記アンボンドPC緊張材をセグメント内で緊張定着してセグメントにフーププレテンションを付与し、次いで、該セグメントを既設セグメントリングに沿ってリング状にトンネル内に組立て、各セグメントの周方向当接面の中央を通って周方向隣接2つのセグメントを通るPC緊張材をX字状に交差させて挿通し、該PC緊張材を既設セグメントのPC緊張材端部に連結し、次いで、新セグメントリングの緊張端でセグメント一列分のPC緊張材を緊張して新セグメントリングの周方向当接端面の押圧プレストレス導入及び新セグメントリングの既設セグメントリングへの締付を同時に行うことを特徴とするトンネル覆工用セグメントの施工方法である。
【0026】
この場合に、前記アンボンドPC緊張材に代り、プレテンション方式のPC緊張材を予め内蔵させたセグメントを製造しておくこととしてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0028】
図4は本発明のセグメントを用いたセグメントリング20の正面図である。この実施例は、内径3.0mのトンネルを構築する例で、トンネル断面を、周方向に5分割し、5個のセグメントで1リングを構成している。セグメントの寸法は、弧長さ約2.0m×幅1.2mで版厚は20cmである。
【0029】
図3は本発明の実施例の接続構造を用いたトンネル覆工体の展開図で、5個のセグメント1をリング状に組み立てた3列のセグメントリング21、22、23を示している。
【0030】
図1に1個のセグメント1の平面図を示した。このセグメント1は、輪切り端面3の中央部が凹んだ形状で、平面形状が全体として「I」字状をなしている。この形状は隣接セグメントリングとの噛合わせがよく、X字状のPC緊張材の配置や緊張にもメリットがあるが、これに限定される訳ではない。セグメント1の版厚内には、トンネル円周方向にPC緊張材4が内蔵されている。このPC緊張材4は、セグメント製造時にプレテンション方式のPC緊張材を内蔵させたものでもよく、アンボンドPC緊張材を埋設しておき、両端に定着部5を備え、ポストテンション方式で緊張定着するものでもよい。
【0031】
前者はPC緊張材と湾曲させて緊張しておく必要があり、また、端部近傍にプレストレスが入らないので工夫を要し、後者の方がPC緊張材の配設も容易でセグメント端部にプレストレスを容易に導入することができ好ましい。この定着部5は、セグメントの周方向接続端面2内に隠れてしまうので、シール上の欠陥となることはない。
【0032】
セグメント1の周方向接続端面2の中央部から、輪切り端面3にPC緊張材挿通孔6が貫通しており、周方向接続端面2で交差するX字状に形成されている。輪切り端面3に露出する開口部分には、挿通したPC緊張材の定着、接続のための拡孔部7が形成されており、この部分でトンネル軸方向に隣接するセグメントのPC緊張材挿通孔と連通するように配置されている。
【0033】
図2は、セグメント1の端面近傍を示す部分斜視図で、周方向接続端面2には凸条11が形成されている。隣接する相手側のセグメントの端面にはこの凸条11に嵌合する凹条が形成されている。周方向PC緊張材4の定着部5や、X字状PC緊張材挿通孔6の開口8は、この凸条11の目地内部に存在し、目地部のシール性の障害にはならない。
【0034】
また、輪切り端面3にはX字状PC緊張材挿通孔6の端部の拡孔部7が形成されており、隣接セグメントのX字状PC緊張材挿通孔の端部拡孔部と対向している。また、この輪切り端面3には、隣接セグメントリングへの組み付けが容易なようにガイド部12が突出して形成されており、隣接セグメントの輪切り端面の凹部に嵌合するようになっている。
【0035】
図3に示すように、セグメントリング21、22、23を連設したトンネル覆工体は、X字状に交差するPC緊張材挿通孔内を通って連接される多数のPC緊張材30、32、34によって一体に連結されている。これらのPC緊張材30、32、34は、連結部31、33、35で順次連結され、セグメント相互を接続して一体化すると共に、セグメントの周方向接続端面2を押圧し、周方向接続部に周方向プレストレスを導入する。
【0036】
PC緊張材30、32、34、……は、綾目(ネット)状に連続して配設され、トンネル全体として左右両方向に旋回した螺旋状に配設されている。
【0037】
なお、この実施例ではPC緊張材30、32、34としてPCストランドを使用した。これらのPC緊張材30、32、34の連結及び緊張は、掘削切羽側のセグメント1の輪切り端面3に設けている拡孔部7内で行う。
【0038】
図5は、X字状に配設されたPC緊張材30、32の緊張及び連結を説明する説明図で、隣接セグメント1a、1b同士の輪切り端面3の当接部の一部を示している。セグメント1aのPC緊張材挿通孔6内に挿入されたPC緊張材30は、緊張後、端部拡孔部7内で、定着体50によって定着されている。PC緊張材30は端部にトルクレンチ緊張用アンカーグリップ51を取付け、このアンカーグリップ51に螺合するナット53を締めて、支圧板52に定着させる。
【0039】
さらに、PC緊張材30の延長部の雄ねじ54に、次のPC緊張材32の先端に取り付けたマンションスリーブ55の雌ねじをねじ込んで取り付ける。マンションスリーブ55は、次のセグメント1b中のPC緊張材挿通孔6に挿通したPC緊張材32の先端に、くさび56によって固定されている。このマンションスリーブ55のねじ込みは、PC緊張材32の他端側から行う。
【0040】
本発明のトンネル覆工用セグメントは、以上の実施例に限定されるものではなく、必要なトンネルの口径、内圧又は外圧に対応するトンネル覆工に応じ、リングの分割数、セグメントのサイズ、コンクリート壁の厚さ、プレストレス導入量等が定められ、また運搬、組立の作業性を考慮して施工の立地に最適な寸法のセグメントを設計すればよい。
【0041】
次に本発明のセグメントの施工方法について説明する。
【0042】
上記本発明のトンネル覆工用セグメントを製造する。このセグメントは版厚内にアンボンドPC緊張材を周方向に内蔵すると共に周方向接続端面の中央から輪切り端面に貫通するシースを内蔵している。アンボンドPC緊張材はセグメントの周方向両端面近傍に定着部を備えている。
【0043】
このセグメントの組立前に、アンボンドPC緊張材を緊張定着してセグメントにフーププレテンションを付与する。次いで、このセグメントを既設セグメントリングに沿ってリング状にトンネル内に組立てる。リングが完成する最後のセグメントはトンネル軸方向から差込みが容易なようにテーパを付しておくとよい。
【0044】
各セグメントの周方向当接面の中央を通って周方向隣接2つのセグメントを通るPC緊張材をX字状に交差させて挿通する。このPC緊張材を既設セグメントのPC緊張材端部に連結する。図5はこの連結手段を示している。
【0045】
次いで、新セグメントリングの緊張端でPC緊張材を緊張する。この緊張はトルクレンチ等により容易に行うことができる。このPC緊張材の緊張により新セグメントリングの既設セグメントリングへの締付及び新セグメントリングの周方向当接端面の押圧プレストレス導入を同時に行うことができる。
【0046】
前記アンボンドPC緊張材に代り、プレテンション方式のPC緊張材を予め内蔵させたセグメントを製造しておくこととしてもよい。この場合、セグメントの周方向端面近傍はプレテンションで十分なプレストレスを付与するには工夫を要するが、この端部近傍はX字状のPC緊張材によってポストテンションによりプレストレスを導入することができる。
【0047】
本発明のセグメントでは、X字状のPC緊張材の緊張はそれぞれセグメント1列分である。従って、緊張作業が、従来の複数列のセグメントリングに周方向プレストレスを全面的に付与するのに比べて、小さな緊張力でしかも数分の1の短時間で済み、狭い作業空間内での作業が軽減され、作業能率が著しく向上する。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の優れたトンネル覆工用セグメントに、さらに改良を加え、容易に、短時間に、トンネル軸方向及び円周方向のセグメントリングにプレストレスを同時に導入することが可能となった。
【0049】
このトンネル覆工用セグメントを用いてトンネルライニングを行う本発明の施工方法では、作業が容易で、短時間に優れた性能のセグメントリングを形成することができる。従って、本発明の技術によれば、強固なトンネルの構築が容易となり、作業性、経済性の向上に寄与する効果は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のセグメントの平面図である。
【図2】実施例のセグメントの部分斜視図である。
【図3】実施例のトンネル覆工体の展開図である。
【図4】実施例のトンネル覆工体の正面図である。
【図5】実施例のセグメントのPC緊張材の連結の説明図である。
【符号の説明】
1 セグメント
2 周方向接続端面
3 輪切り端面
4 PC緊張材
5 定着部
6 PC緊張材挿通孔
7 拡孔部
8 開口
11 凸条
12 ガイド部
20、21、22、23 セグメントリング
30、32、34 PC緊張材
31、33、35 連結部
50 定着体
51 アンカーグリップ
52 支圧板
53 ナット
54 雄ねじ
55 マンションスリーブ
56 くさび[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a connection structure and construction of a segment for tunnel lining used when constructing a communication channel such as a reservoir, a water main, a sewer, a subway, an underpass, a common ditch such as electricity / water / communication, and other tunnel-like structures. It provides a method.
[0002]
[Prior art]
In recent years, the tunnel has been sliced in the longitudinal direction, and a curved panel-shaped segment that has been further divided in the circumferential direction is assembled in the tunnel following tunnel excavation to secure a circular cross section underground. The technique of filling backfill concrete between and excavating tunnels is often used. Such a technique is a general technique having many advantages such as the possibility of excavating the entire cross section by an automated excavating machine. Taking advantage of this advantage, this technology has been adopted not only in mountainous areas but also in construction of water supply and sewerage systems in urban areas, subways, underpasses, electricity, gas, or joint tunnels thereof.
[0003]
The segments used in such techniques include those made of steel, steel shell concrete, precast concrete, and the like. In addition to a rectangular curved panel, various modified shapes such as a deformed polygon curved panel are used.
[0004]
A segment ring formed by connecting such segments in a cylindrical shape must not only secure a cylindrical space but also withstand a bending moment due to an external force acting on a tunnel, for example, earth pressure or water pressure. Further, depending on the application, it is required to resist internal pressure, and water resistance is required. In particular, in the case of a water pipe tunnel, it is desirable that the structure has a structure capable of resisting circumferential tension due to internal pressure.
[0005]
In order to meet these demands, it has been conventionally proposed to connect the adjacent joint surfaces of the segments by many connection means and connection structures such as a bolt type, a wedge type, a PC cable type or a combination thereof. Bolt connection and wedge connection require a large number of bolts and metal fittings to obtain a sufficient coupling force, and a segment is used to secure a work space for attaching and tightening bolts and wedges at the segment joints. It is necessary to provide a notch, a box hole, etc.
[0006]
Accordingly, extra work such as filling the cutouts and box holes with mortar is necessary, which is problematic in terms of cost and workability. In addition, those connected by bolts or metal fittings have a problem that the continuity of force transmission is weak in both the tunnel axial direction and the circumferential direction. The PC cable type requires insertion of a long PC cable, which is not always easy, and the circumferential PC cable has a problem that prestress is reduced by friction.
[0007]
Precast concrete segments can make the members thinner, make the excavated cross section smaller, minimize the amount of excavated soil, make it easier to assemble the segments, have a higher assembling accuracy, and have a resistance to external forces, watertightness. There is a characteristic that it is easy to secure the property.
[0008]
Without using a large number of bolts to connect the precast concrete segments, the assembling of the segments is facilitated by using the shortest possible PC tendons which are easy to insert. There is a segment having a connection structure that enables simultaneous introduction of prestress, enables continuous transmission of force in the tunnel axial direction, and can resist internal pressure even in a tunnel where internal pressure is applied (for example, see Patent Document 1).
[0009]
In this segment, two PC tendon insertion holes are provided in the segment plate thickness so as to intersect with each other in an X shape near the center of the segment in a plan view and have an inclination with respect to the generatrix direction of the segment. This is a tunnel lining segment having a PC tendon insertion hole that is opened at the section end face of the segment and communicates with a segment adjacent to the segment in the axial direction of the tunnel, and has a recess for fixing the PC tendon at each opening.
[0010]
In order to assemble the tunnel lining using the segments, a PC tension member having a length corresponding to the insertion length of one or more segments is used, and one end of the PC tension member is fixed to the fixing body and the tension side. A fixing member is provided, the other end of the PC tendon is inserted into the PC tendon insertion hole, and connected to the fixed side fixing member of the existing PC tendon, tension is introduced, and this is repeated, so that the circumference of the segment is sequentially repeated. Connect the direction and the axial direction.
[0011]
Further, in the above-mentioned segment, the two PC tendon insertion holes are each a pair of parallel insertion holes, and if the tension is fixed alternately, the PC tendon is connected to the PC tendon of the existing tunnel lining body. Instead, the tension of the two tension members can be made continuous.
[0012]
Also, four PC tendon insertion ducts penetrating from the side of the segment in the tunnel axis direction to the side of the segment in the direction crossing the tunnel axis are provided in the segment plate thickness so as to communicate with the PC tendon insertion duct of the adjacent segment. There is a segment for tunnel lining (for example, see Patent Document 2). In this technique, two PC tendons having a length of every even number of segments are inserted in parallel, and the two PC tendons are alternately and sequentially tensioned to connect the circumferential and axial directions of the segments. is there. This technique has a structure in which the circumferential connection end face of the segment is strongly pressed.
[0013]
[Patent Document 1]
JP 2001-173385 A (page 2-6, FIG. 2)
[Patent Document 2]
JP-A-2001-207796 (page 2-5, FIG. 3)
[0014]
[Problems to be solved by the invention]
The above segments can be integrated by the PC tendon to form a very strong tunnel, and have excellent characteristics. Such a segment is assembled and constructed in a ring shape on the tunnel excavation face side, but since a large space cannot be taken between the face and the face, the PC tendon is used by adding a short length of the PC tendon. There is a need. In addition, the tension of the conventional PC tendon is such that two or three rows of the segment rings are simultaneously tightened. Therefore, it is necessary to increase the tension in order to sufficiently apply the circumferential tension of the segment.
[0015]
Further, in the case where the PC tendon is arranged in an X-shape crossing at the center of the segment, the fastening of the circumferential joint is indirect. For this reason, in order to improve the sealing performance of the joint, strong tension is required.
[0016]
Further, since the tensioning length of the PC tensioning material is long and elongation occurs, labor and time are required for the tensioning work in the narrow face side space, and it is difficult to improve efficiency.
[0017]
It is an object of the present invention to solve such a problem and to provide an economical and high-performance segment having high strength, high workability, and high performance.
[0018]
The present invention further provides a method for constructing such a segment.
[0019]
[Means for Solving the Problems]
The segment for tunnel lining according to the present invention is a precast concrete segment for tunnel lining in which a cylinder is sliced into rings and divided into a plurality in the circumferential direction. Post-tensioner, which incorporates a PC tendon in each segment, penetrates from the center of the circumferential connection end face of each segment to the cross-section end face, intersects in an X-shape in plan view, and communicates with adjacent segments. It has a built-in PC tendon insertion hole.
[0020]
Each of these segments incorporates a PC tendon to introduce circumferential prestress into each segment. The PC tendon may be of a pretension type or an unbonded PC tendon. In the case where the unbonded PC tendon is incorporated, circumferential prestress can be introduced into each segment by pre-tensioning and fixing before assembling the segments.
[0021]
This segment is arranged in a ring shape adjacent to the existing segment ring, and is inserted through the center of the circumferential connection end face in an X-shaped crossing insertion hole. Is inserted into the PC tendon of the existing segment, and is tensioned.
[0022]
Thus, the new segment ring is firmly connected to the existing adjacent segment ring, and a pressing force is directly applied to the joint of the circumferential connection end face. Therefore, close contact of the joint can be easily achieved.
[0023]
A circumferential prestress has already been introduced into each segment ring, and by pressing this circumferential connection end face, the entire circumferential prestress including joints can be easily and easily introduced. Further, the PC tendons arranged in the X-shape are connected to and tensioned by the PC tendons which are fixed to the segment rings in the front row, so that only one row of the segment rings can be set and fixed. .
[0024]
Therefore, unlike tensioning a long PC tendon in two or three rows, tension can be reduced, elongation is small, and tension can be completed in a short time. Note that this tension can be easily applied using a torque wrench, and is suitable for work in a narrow space on the face side.
[0025]
The method of constructing the above segments is as follows. That is, an unbonded PC tendon which tensions the tunnel in the circumferential direction is incorporated in the plate thickness of each segment, and a tunnel lining segment including a sheath penetrating from the center of the circumferential connection end face to the ring cutting end face is manufactured. Before assembling the segments, the unbonded PC tendons are tensioned and fixed in the segments to give hoop pretension to the segments, and then the segments are assembled in a tunnel along the existing segment ring into a tunnel, and the circumference of each segment is increased. A PC tendon passing through the center of the directional abutment surface and passing through two circumferentially adjacent segments is crossed and inserted in an X-shape, and the PC tendon is connected to the PC tendon end of the existing segment, At the tension end of the new segment ring, tension the PC tendon material for one line of the segment and press the circumferential surface of the new segment ring. It is performed Torres introducing and fastening to the existing segment ring of a new segment ring simultaneously a construction method of a segment tunnel lining according to claim.
[0026]
In this case, instead of the unbonded PC tendon, a segment in which a pretension type PC tendon is incorporated in advance may be manufactured.
[0027]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0028]
FIG. 4 is a front view of a segment ring 20 using the segment of the present invention. This embodiment is an example of constructing a tunnel having an inner diameter of 3.0 m. The tunnel cross section is divided into five in the circumferential direction, and one ring is constituted by five segments. The dimensions of the segment are about 2.0 m in arc length × 1.2 m in width and the plate thickness is 20 cm.
[0029]
FIG. 3 is a development view of a tunnel lining body using the connection structure according to the embodiment of the present invention, and shows three rows of segment rings 21, 22, and 23 in which five segments 1 are assembled in a ring shape.
[0030]
FIG. 1 shows a plan view of one segment 1. The segment 1 has a shape in which the center of the cut end surface 3 is depressed, and has an overall "I" shape in plan view. This shape is good in meshing with the adjacent segment ring, and has an advantage in the arrangement and tension of the X-shaped PC tendon, but is not limited to this. In the plate thickness of the segment 1, a PC tendon 4 is incorporated in the circumferential direction of the tunnel. The PC tendon 4 may have a pretension type PC tendon incorporated therein at the time of manufacturing the segment. An unbonded PC tendon is buried in the PC tendon, and the fixing portions 5 are provided at both ends, and the tension is fixed by the post tension. It may be something.
[0031]
The former must be bent by bending it with the PC tendon, and the prestress does not enter near the end, so it is necessary to devise it. The latter is easier to dispose the PC tendon, and the segment end It is preferable because prestress can be easily introduced. Since the fixing portion 5 is hidden within the circumferential connection end surface 2 of the segment, there is no defect in the seal.
[0032]
From the center of the circumferential connection end face 2 of the segment 1, a PC tendon material insertion hole 6 penetrates the round section end face 3, and is formed in an X-shape crossing the circumferential connection end face 2. A hole 7 for fixing and connecting the inserted PC tendon material is formed in the opening exposed on the round section end face 3, and the PC tendon insertion hole of the segment adjacent in the tunnel axial direction is formed at this portion. They are arranged to communicate.
[0033]
FIG. 2 is a partial perspective view showing the vicinity of the end face of the segment 1, and a ridge 11 is formed on the circumferential connection end face 2. A concave line that fits into the convex line 11 is formed on the end surface of the adjacent partner segment. The fixing portion 5 of the circumferential PC tendon 4 and the opening 8 of the X-shaped PC tendon insert 6 are present inside the joint of the ridge 11, and do not hinder the sealing performance of the joint.
[0034]
In addition, an enlarged portion 7 at the end of the X-shaped PC tendon insertion hole 6 is formed on the ring-shaped end surface 3 and faces the end enlarged portion of the X-shaped PC tendon insertion hole of the adjacent segment. ing. In addition, a guide portion 12 is formed on the cut end face 3 so as to protrude so as to be easily assembled to an adjacent segment ring, and fits into a concave portion of the cut end face of the adjacent segment.
[0035]
As shown in FIG. 3, the tunnel lining body in which the segment rings 21, 22, and 23 are continuously provided includes a plurality of PC tendon members 30 and 32 that are connected to each other through PC tendon insertion holes that intersect in an X-shape. , 34 are integrally connected. These PC tendon members 30, 32, and 34 are sequentially connected by connecting portions 31, 33, and 35, connect and integrate the segments, and press the circumferential connection end face 2 of the segment to form a circumferential connection portion. A circumferential prestress is introduced into
[0036]
The PC tendon members 30, 32, 34,... Are continuously arranged in a traverse (net) shape, and are arranged in a spiral shape that turns in both the left and right directions as the whole tunnel.
[0037]
In this example, PC strands were used as the PC tendons 30, 32, and 34. The connection and the tension of the PC tendon members 30, 32, and 34 are performed in the widened portion 7 provided on the section end surface 3 of the segment 1 on the excavation face side.
[0038]
FIG. 5 is an explanatory view for explaining the tension and connection of the PC tendon members 30 and 32 arranged in an X-shape, and shows a part of the contact portion of the cross-section end face 3 between the adjacent segments 1a and 1b. . The PC tendon 30 inserted into the PC tendon insertion hole 6 of the segment 1a is fixed by the fixing body 50 in the end opening 7 after the tension. An anchor grip 51 for tightening the torque wrench is attached to the end of the PC tension member 30, and a nut 53 screwed to the anchor grip 51 is tightened to fix the tension member to the support plate 52.
[0039]
Further, the female screw of the apartment sleeve 55 attached to the tip of the next PC tendon 32 is screwed into the male thread 54 at the extension of the PC tendon 30. The apartment sleeve 55 is fixed by a wedge 56 to the tip of the PC tendon 32 inserted into the PC tendon insertion hole 6 in the next segment 1b. The screwing of the apartment sleeve 55 is performed from the other end side of the PC tendon 32.
[0040]
The segment for tunnel lining according to the present invention is not limited to the above embodiments, and the number of ring divisions, the size of the segment, and the concrete according to the required tunnel diameter, the tunnel lining corresponding to the internal pressure or the external pressure. The thickness of the wall, the amount of prestress introduced, and the like are determined, and a segment having the optimal dimensions for the construction site may be designed in consideration of the workability of transportation and assembly.
[0041]
Next, the construction method of the segment of the present invention will be described.
[0042]
The above segment for tunnel lining of the present invention is manufactured. This segment incorporates an unbonded PC tendon in the plate thickness in the circumferential direction, and also incorporates a sheath penetrating from the center of the circumferential connection end face to the cut end face. The unbonded PC tendon has a fixing portion near both ends in the circumferential direction of the segment.
[0043]
Prior to assembling this segment, the hoop pretension is imparted to the segment by tensioning and fixing the unbonded PC tendon. Next, this segment is assembled in a tunnel along the existing segment ring in a ring shape. The last segment where the ring is completed is preferably tapered so that it can be easily inserted from the tunnel axis direction.
[0044]
A PC tendon which passes through the center of the circumferential contact surface of each segment and passes through two adjacent segments in the circumferential direction is inserted in an X-shaped cross. This PC tendon is connected to the PC tendon end of the existing segment. FIG. 5 shows this connecting means.
[0045]
The PC tendon is then tensioned at the tensioned end of the new segment ring. This tension can be easily performed with a torque wrench or the like. By the tension of the PC tension member, the new segment ring can be simultaneously tightened to the existing segment ring and the pressure pre-stress can be applied to the circumferential contact end surface of the new segment ring.
[0046]
Instead of the unbonded PC tendon, a segment in which a pretensioning type PC tendon is incorporated in advance may be manufactured. In this case, it is necessary to devise to apply sufficient prestress by pretension near the circumferential end face of the segment, but it is possible to introduce prestress by post tension using an X-shaped PC tendon near this end. it can.
[0047]
In the segment of the present invention, the tension of the X-shaped PC tendon is one row of the segment. Therefore, the tensioning operation requires a small tension and a fraction of a short time as compared with the case where the circumferential prestress is fully applied to the conventional plurality of rows of segment rings. Work is reduced, and work efficiency is significantly improved.
[0048]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, it is possible to further improve the conventional excellent tunnel lining segment, and to easily and simultaneously introduce prestress into the tunnel axial and circumferential segment rings in a short time. became.
[0049]
According to the construction method of the present invention in which tunnel lining is performed using the tunnel lining segment, a segment ring with excellent performance can be formed easily and in a short time. Therefore, according to the technology of the present invention, it is easy to construct a strong tunnel, and the effect of improving workability and economy is great.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view of a segment of an embodiment.
FIG. 2 is a partial perspective view of a segment of the embodiment.
FIG. 3 is a development view of the tunnel lining body of the embodiment.
FIG. 4 is a front view of the tunnel lining of the embodiment.
FIG. 5 is an explanatory view of the connection of the PC tendon members of the segment of the embodiment.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Segment 2 Circumferential connection end face 3 Round cut end face 4 PC tendon 5 Fixing part 6 PC tendon insert hole 7 Expanding part 8 Opening 11 Convex ridge 12 Guide part 20, 21, 22, 23 Segment ring 30, 32, 34 PC Tension members 31, 33, 35 Connecting part 50 Fixing body 51 Anchor grip 52 Support plate 53 Nut 54 Male screw 55 Mansion sleeve 56 Wedge