JP2004208352A - Oscillatory wave motor - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機械変換素子を用いて振動子に振動波を発生させ、この振動波により相対運動部材を摩擦駆動させる振動波モータに関し、特に、摩擦接触面を改良した振動波モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電気機械変換素子を用いて振動子に振動波を発生させ、この振動波により、相対運動部材を駆動させる振動波モータが知られている。この種の振動波モータにおいて、振動子と相対運動部材とは摩擦接触されており、振動子に発生した振動波、例えば、超音波振動は、相対運動部材に伝達され、相対運動部材が摩擦駆動される。従って、振動子は、与えられた超音波振動を効率よく相対運動部材に伝える必要がある。このため、振動子には、高弾性材料、例えば鉄系やステンレス系の金属材料が用いられている。
【0003】
また、従来の振動子と相対運動部材との摩擦接触面は、様々な試みがなされており、一例として、一方の面にアルマイト層を設け、他方の面にNi層を設けたものが用いられている。ここで、アルマイトとは、アルミニウムを陽極酸化して耐食性酸化皮膜をつけたものである。
【0004】
このアルマイト層とNi層の摩擦接触面には、潤滑油等は用いられない。従って、この摩擦接触面は、非流体力学的な潤滑、いわゆる境界潤滑が主となる。このため、酸化皮膜が、潤滑油的な役割を果たすこととなり、酸化皮膜は、超音波振動の伝達効率、すなわち振動波モータの機能に大きな影響を与える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の振動波モータは、長時間にわたって摩擦駆動されると、摩擦接触面の酸化皮膜が劣化し、振動子、相対運動部材の接触面が磨耗するようになる。これにより、振動波モータは、接触面に磨耗粉が発生し、駆動性能が不安定になり、最終的には駆動できなくなる可能性がある。
【0006】
例えば、従来のアルマイト層とNi層とを摩擦接触面とする振動波モータは、連続耐久試験での寿命が約13時間程度であった。また、アルマイト層とNi層との硬度差により、アルマイト層が磨耗するという問題があった。そこで、従来以上に摩擦接触面を安定させることにより、駆動状態を安定させ、振動波モータの寿命を延ばすことが要請されている。
【0007】
一方、従来の無機材料同士を摩擦接触面とする振動波モータは、振動子と相対運動部材の両方に表面処理等を行っているので、マスキングを含めた製作に要する時間の短縮や、コスト等の低減が要請されている。特に、振動子は、電気機械振動子を接着するので、振動子側の接着面に表面処理が行われることを防ぐ必要がある。
【0008】
本発明の課題は、摩擦接触面の摩耗を少なくし、駆動性能を安定化し、長寿命化を図ることができる振動波モータを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、電気機械変換素子の励振により、弾性体に振動を発生する振動子と、前記振動子に加圧接触され、前記振動により、その振動子との間で相対運動を行う相対運動部材とを備える振動波モータにおいて、前記振動子と前記相対運動部材との摩擦接触面を含む部分の少なくとも一方は、ニッケル合金皮膜層であり、他方は、ビッカース硬度が450以下の鉄系材料であることを特徴とする振動波モータである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の振動波モータにおいて、前記鉄系材料は、ビッカース硬度が450以下のステンレスであることを特徴とする振動波モータである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の振動波モータにおいて、前記ニッケル合金皮膜層は、無電解ニッケル−リン基メッキ処理又は複合無電解ニッケルメッキ処理により形成したことを特徴とする振動波モータである。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の振動波モータにおいて、前記ニッケル合金皮膜層は、厚さが5〜100μmの範囲であることを特徴とする振動波モータである。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の振動波モータにおいて、前記ニッケル合金皮膜層は、100〜400°Cで加熱硬化処理されていることを特徴とする振動波モータである。
【0014】
請求項6の発明は、請求項5に記載の振動波モータにおいて、前記ニッケル合金皮膜層は、熱処理後のマイクロビッカース硬さが450〜850であることを特徴とする振動波モータである。
【0015】
請求項7の発明は、請求項6に記載の振動波モータにおいて、前記ニッケル合金皮膜層は、その母材が鉄系材料又はアルミニウム系材料であることを特徴とする振動波モータである。
【0016】
請求項8の発明は、請求項7に記載の振動波モータにおいて、前記ニッケル合金皮膜層は、その母材が切削加工後に研削又は研磨され、表面粗さRyが1.2μm以下であることを特徴とする振動波モータである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の各実施形態の説明は、振動波モータとして超音波の振動域を利用する振動波モータを例にとって行う。
図1は、本発明による振動波モータの一実施形態の外観構成を示す斜視図である。
この振動波モータ10は、圧電体11と、弾性体12と、移動体13と、フレキシブルプリント基板14と、振動吸収材15と、支持体16等とから構成されている。
圧電体11は、電気機械変換素子の1つであって駆動信号の供給により励振されるものであり、フェルト等の振動吸収材15を介して、カメラのレンズ鏡筒等の支持体16に固定されている。
弾性体12は、導電性を有する接着剤等により圧電体11と接着され、圧電体11の励振により進行性振動波を発生させるものである。弾性体12は、ステンレス材料,インバー材料等の鉄合金から形成される。
移動体13は、弾性体12に圧接され、前記進行性振動波により摩擦駆動されるものである。
フレキシブルプリント基板14は、圧電体11に駆動信号を供給するためのものであり、圧電体11の所定の電極部と電気的に接続されている。
【0018】
図2は、本実施形態に係る振動波モータの弾性体12と移動体13との摩擦接触面を詳細に示す断面図である。
移動体13の弾性体12との接触面上には、無電解ニッケル−リンメッキなどのニッケル合金皮膜層17が設けられている。すなわち、弾性体12は、鉄系材料、例えば、ステンレス材料で作製されており、実際には、移動体13に形成されたニッケル合金皮膜層17と接触している。
【0019】
次に、本実施形態の振動波モータをさらに詳細に説明する。
弾性体12は、ステンレス(SUS304)によって作製されている。この弾性体12の材料は、ビッカース硬度が450以下である。そして、弾性体12の底面に圧電体11をエポキシ系接着剤で接着した。
この弾性体12の材料は、ステンレスであり、表面がクロム酸化膜に覆われているので、ニッケルが含まれていても、そのニッケルは露出していない。また、この材料は、ビッカース硬度が450以下で柔らかく、摺動によって消滅するが、ただちに膜が生成されるので、移動体3にニッケルが含まれていても、共材による磨耗がしにくい。
移動体3の方は、一瞬、露出して共材となるが、不動体ではないので、削れてくる可能性がある。このため、ニッケル合金皮膜層17は、熱処理後のマイクロビッカース硬さが450〜850と硬くすることが好ましい。
【0020】
一方、移動体13は、Al合金(A6063)によって作製されている。そして、ニッケル合金皮膜層17は、無電解ニッケル−リン基メッキ又は複合無電解ニッケルメッキ処理を施すことにより、移動体13の表面に皮膜が形成されている。
ニッケル合金皮膜層17は、従来のアルマイト処理と比較して、コストを高くせずに生成することができる。また、無機材料同士での摩擦接触面で従来必要であった弾性体12への表面処理を省いたことにより、更にコストを低減することができた。
【0021】
従来は、ステンレス合金に含まれるニッケルと、無電解ニッケル−リンメッキに含まれるニッケルが、共材料による共摺りの現象を発生し、磨耗が著しく進行すると考えられてきた。
しかし、本件発明者が鋭意研究した結果、ステンレス合金表面には、クロム酸化物が生成し、摺動により一旦消滅しても、直ちに、クロム酸化物が生成するため、共摺り現象が発生しないことが明らかになった。
【0022】
表1〜3は、本発明の実施形態による振動波モータのニッケル合金皮膜の詳細と、モータ性能・形状の変化を示したものである。
【0023】
【表1】
【0024】
表1は、無電解ニッケル−リン皮膜の厚さと性能変化を示した表である。
この実験では、厚さ3、5、30、50、80、100μmの無電解ニッケル−リンメッキの皮膜層17を、図1に示すような振動波モータ10の移動体13に形成し、連続駆動20時間後の入力電流値の変化率を調べたところ、3μm以下では10%以上、5μm以上ではそれぞれ5%以下であった。ここで、入力電流変化率については、その値が小さいほど、モータ性能が安定していることを示している。
この結果、ニッケル合金皮膜層17は、その厚さが5〜100μmの範囲であることが好ましいことがわかった。なお、100μm以上であっても、性能面では問題ないが、無電解メッキは、時間管理をするので、100μm以上では、膜形成に時間がかかり過ぎて、生産性が悪くなる。
【0025】
【表2】
【0026】
表2は、加熱硬化処理(ニッケル合金皮膜の母材:SUS304の場合)と膜厚の変化を示す表である。
この実験では、無電解ニッケル−リンメッキの皮膜層17を、図1に示すような振動波モータ10の移動体13に形成し、0(処理なし)、100、300、400、450°C加熱処理を行ったのちに、連続駆動40時間後の皮膜磨耗厚を調べたところ、それぞれ、8、5、5、5、7μmであった。ここで、皮膜磨耗厚についても、その値が小さいほど、モータ性能が安定していることを示している。
この結果、ニッケル合金皮膜層17は、100〜400°Cで加熱硬化処理されていることが好ましいことがわかった。なお、450°Cを超える加熱硬化処理を行うと、脆くなるので好ましくない。
【0027】
【表3】
【0028】
表3は、切削後の処理と性能変化を示す表である。
この実験では、図1に示すような振動波モータ10の移動体13の母材を、アルミニウム合金(A6063)として、切削後の処理として、処理なし、GC(グリーンカーボランダム)#1000にて研削、GC#4000にて研磨を行ったところ、表面粗さがそれぞれ、Ry(最大粗さ)=1.6、1.2、0.8μmであった。その後、移動体13の母材に、無電解ニッケル−リンメッキの皮膜層17を施し、1時間駆動当たりの入力電流変化率を調べたところ、Ry=1.6以下では約10%、Ry=1.2、0.8μmではそれぞれ5%以下であった。
この結果、ニッケル合金皮膜層17は、その母材が切削加工後に研削又は研磨され、表面粗さRyが1.2μm以下であることが好ましいことがわかった。
【0029】
以上の構成からなる振動波モータ10を駆動させたところ、以下のような、従来の振動波モータと比較して有利な効果が得られた。
(1)弾性体12の形状が変化しない。
(2)摩擦接触面の磨耗量が極めて少なく、長時間にわたって安定した摩擦駆動ができる。
(3)弾性体12と移動体13との加圧によって生じる駆動トルクが大きい。
(4)摩擦駆動時に発生する騒音が少ない。
(5)長時間の駆動により経時劣化が少なく安定した駆動が得られる。
【0030】
また、連続で摩擦駆動させる耐久試験を実施したところ、本実施形態の振動波モータ10の寿命は、120時間であった。これは、従来の振動波モータの寿命(13時間)の約9.2倍である。
【0031】
(変形形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で、以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施形態では、移動体13側にニッケル合金皮膜層17を形成したが、これとは逆に、弾性体12をアルミニウム若しくはアルミニウム合金、又は、鉄若しくは鉄系合金によって製作し、弾性体12側にニッケル合金皮膜層17を形成し、移動体13を鉄若しくは鉄系合金によって製作してもよい。
【0032】
(2)本実施形態では、ニッケル合金皮膜に、無電解ニッケル−リンメッキを用いたが、他のニッケル合金皮膜であってもよい。例えば、無電解ニッケル−リン−ボロン、無電解ニッケル−リン−PTFE等の各種複合無電解ニッケルメッキ、又は、電解ニッケルメッキであってもよい。
(3)本実施形態では、ニッケル合金皮膜の母材に、アルミニウム合金を用いたが、その他の材料(鉄系材料)であってもよい。例えば、各種鉄鋼材料(S15C、S55C、SCr445、SNCM630等)でもよい。
(4)本実施形態では、弾性体として、ステンレスを用いたが、その他の鉄系材料を用いてもよい。例えば、各種鉄鋼材料(S15C、S55C、SCr445、SNCM630等)でもよい。
【0033】
(5)本実施形態では、回転型の振動波モータ10に適用したが、リニア駆動型の振動波アクチュエータにも適用することができる。
(6)本実施形態では、進行性振動波によって移動体13を駆動する振動波モータ10を示したが、ねじり振動体の振動によって移動体を駆動する振動波モータにも適用することができる。
(7)また、本発明は、超音波領域を用いない電気機械変換アクチュエータにも適用することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、弾性体と相対運動部材との摩擦接触面を含む部分の少なくとも一方がニッケル合金皮膜層(無電解ニッケル−リン基メッキ皮膜層等)を、他方に、ビッカース硬度が450以下の鉄系材料を用たので、摩擦接触面の磨耗を少なくし、長時間にわたり安定した駆動を実現することができ、振動波モータの寿命を延ばすことができる。また、皮膜が剥離してしまうことを防止することができる。さらに、真空中の駆動も可能であり、駆動初期の動作も安定する。
【0035】
また、弾性体と相対運動部材との摩擦接触面を含む部分の少なくとも一方に、ビッカース硬度が450以下の鉄系材料を用いたので、表面処理が不要となり、樹脂材等の接着が不要となるため、コストダウンをはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による振動波モータの一実施形態の外観構成を示す斜視図である。
【図2】弾性体12と移動体13との摩擦接触面を詳細に示す断面図である。
【符号の説明】
10 振動波モータ
11 圧電体
12 弾性体
13 移動体
14 フレキシブルプリント基板
15 振動吸収材
16 支持体
17 ニッケル合金皮膜層[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a vibration wave motor that generates a vibration wave on a vibrator using an electromechanical transducer, and frictionally drives a relative motion member with the vibration wave, and more particularly to a vibration wave motor with an improved friction contact surface. is there.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a vibration wave motor that generates a vibration wave in a vibrator using an electromechanical transducer and drives a relative motion member using the vibration wave has been known. In this type of vibration wave motor, the vibrator and the relative motion member are in frictional contact, and a vibration wave generated in the vibrator, for example, ultrasonic vibration is transmitted to the relative motion member, and the relative motion member is driven by friction. Is done. Therefore, the vibrator needs to transmit the given ultrasonic vibration to the relative motion member efficiently. For this reason, a highly elastic material, for example, an iron-based or stainless-based metal material is used for the vibrator.
[0003]
In addition, various attempts have been made on the friction contact surface between the conventional vibrator and the relative motion member. For example, a friction contact surface provided with an alumite layer on one surface and a Ni layer on the other surface is used. ing. Here, alumite is obtained by anodizing aluminum to form a corrosion-resistant oxide film.
[0004]
No lubricating oil or the like is used on the frictional contact surface between the alumite layer and the Ni layer. Therefore, the friction contact surface mainly uses non-hydrodynamic lubrication, that is, so-called boundary lubrication. For this reason, the oxide film plays a role of a lubricating oil, and the oxide film greatly affects the transmission efficiency of the ultrasonic vibration, that is, the function of the vibration wave motor.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In the above-described conventional vibration wave motor, when the friction drive is performed for a long time, the oxide film on the friction contact surface is deteriorated, and the contact surfaces of the vibrator and the relative motion member are worn. As a result, the vibration wave motor may generate abrasion powder on the contact surface, and the driving performance may become unstable.
[0006]
For example, a conventional vibration wave motor having an alumite layer and a Ni layer as friction contact surfaces has a life of about 13 hours in a continuous durability test. Further, there is a problem that the alumite layer is worn due to a difference in hardness between the alumite layer and the Ni layer. Therefore, it is required to stabilize the frictional contact surface more than before, thereby stabilizing the driving state and extending the life of the vibration wave motor.
[0007]
On the other hand, conventional vibration wave motors using inorganic materials as frictional contact surfaces perform surface treatment on both the vibrator and the relative motion member, so that the time required for manufacturing including masking is reduced, and costs are reduced. There is a demand for reduction. In particular, since the vibrator adheres the electromechanical vibrator, it is necessary to prevent surface treatment on the bonding surface on the vibrator side.
[0008]
An object of the present invention is to provide a vibration wave motor that can reduce wear of a friction contact surface, stabilize driving performance, and extend the life.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the invention according to claim 1 provides a vibrator that generates vibration in an elastic body by excitation of an electromechanical transducer, and a vibrator that is brought into pressurized contact with the vibrator. In a vibration wave motor comprising a relative motion member performing relative motion between, at least one of a portion including a frictional contact surface between the vibrator and the relative motion member is a nickel alloy film layer, the other is, A vibrating wave motor characterized by being an iron-based material having a Vickers hardness of 450 or less.
[0010]
The invention according to claim 2 is the vibration wave motor according to claim 1, wherein the iron-based material is stainless steel having a Vickers hardness of 450 or less.
[0011]
According to a third aspect of the present invention, in the vibration wave motor according to the first or second aspect, the nickel alloy film layer is formed by electroless nickel-phosphorus base plating or composite electroless nickel plating. Vibration wave motor.
[0012]
According to a fourth aspect of the present invention, in the vibration wave motor according to any one of the first to third aspects, the nickel alloy film layer has a thickness in a range of 5 to 100 μm. It is a vibration wave motor.
[0013]
According to a fifth aspect of the present invention, in the vibration wave motor according to any one of the first to fourth aspects, the nickel alloy film layer is heat-cured at 100 to 400 ° C. Vibration wave motor.
[0014]
The invention of claim 6 is the vibration wave motor according to claim 5, wherein the nickel alloy film layer has a micro-Vickers hardness after heat treatment of 450 to 850.
[0015]
According to a seventh aspect of the present invention, in the vibration wave motor according to the sixth aspect, the base material of the nickel alloy film layer is an iron-based material or an aluminum-based material.
[0016]
According to an eighth aspect of the present invention, in the vibration wave motor according to the seventh aspect, the nickel alloy film layer is ground or polished after a base material thereof is cut, and has a surface roughness Ry of 1.2 μm or less. This is a characteristic vibration wave motor.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings. In the following description of each embodiment, a vibration wave motor using an ultrasonic vibration region will be described as an example of the vibration wave motor.
FIG. 1 is a perspective view showing an external configuration of an embodiment of a vibration wave motor according to the present invention.
The
The
The
The moving
The flexible printed
[0018]
FIG. 2 is a sectional view showing in detail a friction contact surface between the
A nickel
[0019]
Next, the vibration wave motor of the present embodiment will be described in more detail.
The
The material of the
Although the moving body 3 is exposed for a moment and becomes a common material, it is not an immovable body and may be scraped. For this reason, the nickel
[0020]
On the other hand, the moving
The nickel
[0021]
Conventionally, it has been considered that nickel contained in a stainless alloy and nickel contained in electroless nickel-phosphorus plating cause a phenomenon of co-sliding due to a co-material, and wear is remarkably advanced.
However, as a result of the inventor's diligent research, chromium oxide is generated on the surface of the stainless steel alloy, and even if the chromium oxide once disappears due to sliding, chromium oxide is immediately generated. Was revealed.
[0022]
Tables 1 to 3 show details of the nickel alloy film of the vibration wave motor according to the embodiment of the present invention and changes in motor performance and shape.
[0023]
[Table 1]
[0024]
Table 1 is a table showing the thickness and performance change of the electroless nickel-phosphorous film.
In this experiment, an electroless nickel-phosphorous
As a result, it was found that the nickel
[0025]
[Table 2]
[0026]
Table 2 is a table showing the heat hardening treatment (base material of the nickel alloy film: SUS304) and the change in the film thickness.
In this experiment, a
As a result, it was found that the nickel
[0027]
[Table 3]
[0028]
Table 3 is a table showing processing after cutting and performance changes.
In this experiment, the base material of the moving
As a result, it was found that the nickel
[0029]
When the
(1) The shape of the
(2) The amount of wear on the friction contact surface is extremely small, and stable friction driving can be performed for a long time.
(3) The driving torque generated by pressurizing the
(4) Noise generated during friction driving is small.
(5) Stable driving with little deterioration over time due to long-time driving can be obtained.
[0030]
In addition, when a durability test in which friction driving was continuously performed was performed, the life of the
[0031]
(Modified form)
As described above, one embodiment of the present invention has been described. However, the present invention is not limited to the above-described embodiment, and various modifications as described below are possible without departing from the gist thereof.
(1) In the present embodiment, the nickel
[0032]
(2) In this embodiment, electroless nickel-phosphorus plating is used for the nickel alloy film, but another nickel alloy film may be used. For example, various composite electroless nickel platings such as electroless nickel-phosphorus-boron and electroless nickel-phosphorus-PTFE, or electrolytic nickel plating may be used.
(3) In this embodiment, an aluminum alloy is used as the base material of the nickel alloy film, but other materials (iron-based materials) may be used. For example, various steel materials (S15C, S55C, SCr445, SNCM630, etc.) may be used.
(4) In the present embodiment, stainless steel is used as the elastic body, but other iron-based materials may be used. For example, various steel materials (S15C, S55C, SCr445, SNCM630, etc.) may be used.
[0033]
(5) In the present embodiment, the present invention is applied to the rotary
(6) In the present embodiment, the
(7) The present invention can also be applied to an electromechanical transducer that does not use an ultrasonic region.
[0034]
【The invention's effect】
As described in detail above, according to the present invention, at least one of the portions including the frictional contact surface between the elastic body and the relative motion member has a nickel alloy film layer (such as an electroless nickel-phosphorus-based plating film layer) and the other. In addition, since an iron-based material having a Vickers hardness of 450 or less is used, wear of the friction contact surface can be reduced, stable driving can be realized for a long time, and the life of the vibration wave motor can be extended. In addition, it is possible to prevent the film from peeling off. Further, driving in a vacuum is possible, and the operation in the initial stage of driving is stabilized.
[0035]
In addition, since at least one of the portions including the frictional contact surface between the elastic body and the relative motion member is made of an iron-based material having a Vickers hardness of 450 or less, no surface treatment is required, and bonding of a resin material or the like is unnecessary. Therefore, cost can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an external configuration of an embodiment of a vibration wave motor according to the present invention.
FIG. 2 is a sectional view showing in detail a friction contact surface between an
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (8)
前記振動子に加圧接触され、前記振動により、その振動子との間で相対運動を行う相対運動部材と
を備える振動波モータにおいて、
前記振動子と前記相対運動部材との摩擦接触面を含む部分の少なくとも一方は、ニッケル合金皮膜層であり、他方は、ビッカース硬度が450以下の鉄系材料であること
を特徴とする振動波モータ。A vibrator that generates vibration in the elastic body by excitation of the electromechanical transducer,
A vibrating wave motor comprising a relative motion member that is in pressure contact with the vibrator and performs relative motion with the vibrator by the vibration;
At least one of the portions including the friction contact surface between the vibrator and the relative motion member is a nickel alloy film layer, and the other is an iron-based material having a Vickers hardness of 450 or less. .
前記鉄系材料は、ビッカース硬度が450以下のステンレスであること
を特徴とする振動波モータ。The vibration wave motor according to claim 1,
The vibration wave motor according to claim 1, wherein the iron-based material is stainless steel having a Vickers hardness of 450 or less.
前記ニッケル合金皮膜層は、無電解ニッケル−リン基メッキ処理又は複合無電解ニッケルメッキ処理により形成したこと
を特徴とする振動波モータ。The vibration wave motor according to claim 1 or 2,
The vibration wave motor according to claim 1, wherein the nickel alloy film layer is formed by electroless nickel-phosphorus base plating or composite electroless nickel plating.
前記ニッケル合金皮膜層は、厚さが5〜100μmの範囲であること
を特徴とする振動波モータ。The vibration wave motor according to any one of claims 1 to 3,
The said nickel alloy film layer has a thickness in the range of 5-100 micrometers, The vibration wave motor characterized by the above-mentioned.
前記ニッケル合金皮膜層は、100〜400°Cで加熱硬化処理されていること
を特徴とする振動波モータ。The vibration wave motor according to any one of claims 1 to 4,
The vibration motor according to claim 1, wherein the nickel alloy film layer is heat-hardened at 100 to 400C.
前記ニッケル合金皮膜層は、熱処理後のマイクロビッカース硬さが450〜850であること
を特徴とする振動波モータ。The vibration wave motor according to claim 5,
The nickel alloy film layer has a micro Vickers hardness after heat treatment of 450 to 850.
前記ニッケル合金皮膜層は、その母材が鉄系材料又はアルミニウム系材料であること
を特徴とする振動波モータ。The vibration wave motor according to claim 6,
A vibration wave motor according to claim 1, wherein the base material of the nickel alloy film layer is an iron-based material or an aluminum-based material.
前記ニッケル合金皮膜層は、その母材が切削加工後に研削又は研磨され、表面粗さRyが1.2μm以下であること
を特徴とする振動波モータ。The vibration wave motor according to claim 7,
A vibration wave motor, wherein the nickel alloy film layer has its base material ground or polished after cutting, and has a surface roughness Ry of 1.2 μm or less.
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