JP2004207862A - 映像符号化装置及び映像復号化装置及びその方法並びにそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】分割映像の有意画素領域の境界のうち、他の分割映像と隣接する境界が、符号化劣化の影響を大きく受けることなく、鮮明な復号映像が得られる映像符号化装置及び映像復号化装置及びその方法並びにそのプログラムを提供する。
【解決手段】画面映像を複数の矩形領域に分割して得られる複数の分割映像を符号化する映像符号化方法において、分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該分割映像をシフトし、符号化する。
【選択図】 図1
【解決手段】画面映像を複数の矩形領域に分割して得られる複数の分割映像を符号化する映像符号化方法において、分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該分割映像をシフトし、符号化する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大画面映像を空間的に分割し、複数のエンコーダで符号化・復号を行なう映像符号化装置及び映像復号化装置及びその方法並びにそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に映像をブロックベースの符号化方式で符号化する場合、符号化領域のサイズを符号化処理ブロックサイズの倍数となるようにする制限から、適当な数のライン、または画素を付加して符号化することが行なわれる。
たとえば、一般的な映像フォーマットとして、1080iフォーマット(特許文献1を参照)がある。このフォーマットは毎秒29.97又は30フレームのインタレース映像で、総走査線数1125本、有効画素領域が水平方向1920画素、垂直方向1080画素(ライン)の映像信号である。この映像信号の有効画素領域をMPEG−2(特許文献2を参照)で符号化する場合、符号化領域の垂直方向サイズを32の倍数の画素(ライン)数とするという制限から、1920画素×1080画素の映像の下端に8ライン分適当なデータを付加し1920画素×1088画素の映像を作り、これを符号化する方法が一般的である。
このとき、画面上端、画面左右端は有効画素領域境界とマクロブロック境界が一致しているが、画面下端は有効画素領域境界とマクロブロック境界が一致していない。
【0003】
また、別の一般的な映像フォーマットとして、1035iフォーマットがある。このフォーマットは毎秒29.97又は30フレームのインタレース映像で、総走査線数1125本、有効画素領域が水平方向1920画素、垂直方向1035画素(ライン)である。
1035iフォーマットと1080iフォーマットは共に総走査線1125本で同じであり、有効画素領域の位置とサイズだけが異なる関係にあるため、元は1035iフォーマットの映像を1080iフォーマットの映像として処理する場合がある。この場合、総走査線1125ラインに対する1080i映像と1035i映像の有効領域の相対位置により、1080i映像の有効画素領域の第40ライン目から第1074ライン目の領域に元の1035i映像において有効画素であった本来有意な画素が配置される。
【0004】
このように、映像フォーマット規格で規定されている有効画素領域とは別に、本来の映像パターンの画素データが配置されている画素領域を、以下、有意な画素の領域、または有意画素領域と呼ぶことにする。
このような映像信号をMPEG−2で符号化する場合、画面左右端は本来有意な画素の領域の境界とマクロブロック境界が一致しているが、画面上端、画面下端はともに本来有意な画素の領域境界マクロブロック境界と一致していない。
有意な画素の領域境界の外側のデータが黒一色や制御用データなど、画像内容と特に相関のない信号であった場合には、上記のような、本来の有意な画素の領域境界とマクロブロック境界と一致していない有意な画素の領域境界付近において、符号化劣化によってその領域境界がぼやけ、有意な画素の領域外のパターンが有意な画素の領域に侵食したような復号映像になる場合がある。
しかし、このような現象は、画面の端のみに見られるため、通常知覚されにくく実用上大きな問題となることは少ない。
【0005】
【非特許文献1】
シンプティ274M(SMPTE274M) 「1920×1080 スキャニング アンド アナログ アンド パラレル デジタルインターフェイス フォー マルチプルピクチャーレイツ(scanning and Analog and Parallel Digital Interface for Multiple Picture Rates)」 全米映画テレビジョン技術者協会(Society of Motion Picture and Television Engineers) 1998
【非特許文献2】
アイエスオー/アイイーシー13818−2(ISO/IEC13818−2) エムペグ−2(MPEG−2:Moving Picture Experts Group phase 2) 国際標準化機関(Internatinal Standard) 1995
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年HDTVを超える解像度をもつ大画面映像の撮像システムや、表示システムが開発されている。このような撮像システムにおいては、1つの大画面映像を複数の矩形の領域に分割し、それぞれの分割領域の映像を既存の映像フォーマット信号にのせて出力するものが多い。また、表示システムについても、大画面映像の各分割領域の映像信号がのった既存の映像フォーマットの分割映像信号を表示システムに入力し、分割映像を繋ぎ合わせて1つの大画面映像を表示するものが多い。
このような大画面映像を符号化・伝送・復号する際に、大画面映像の各分割映像信号が、既存の映像フォーマット信号であるため、既存の映像フォーマット信号に対応した映像符号化・復号装置を用いて各分割映像信号の符号化・伝送・復号を行なうことができる。
【0007】
しかしこの際に、前述のように、各分割映像において有意な画素の領域境界とマクロブロック境界が一致していない部分が存在した場合、有意な画素領域外のパターンが有意な画素領域に侵食したような符号化劣化が発生する。そして、その領域境界が大画面映像を構成する他の分割映像との境界であった場合、分割映像を繋ぎ合わせて大画面映像を表示した際に、その劣化が画面内の分割境界に沿って非常に良く目立つという問題が発生する。
【0008】
このような問題を解決する本発明とは異なる手段としては、パディングによる方法がある。符号化対象領域内の有意画素領域以外の非有意画素領域の各画素について、その画素から最も近い有意画素領域の画素の画素値をコピーする方法があり、このような方法をパディングという。
【0009】
この方法については、非有意画素領域の各画素について、はじめに有意画素領域の境界の画素の画素値を水平方向にコピーしていき、それが終わった後、垂直方向に画素値をコピーしていく方法や、その逆順で行なう方法など、いくつかの方法がある。このような処理を行なってから、符号化を行なうことで、有意画素領域と非有意画素領域の境界付近における画素値の値が連続的な値となり、有意画素領域画像の境界内の映像パターンに境界外の映像パターンが侵食し、視覚的に劣化が目立つという現象を減じることができる。また、復号後は、パディングされた非有意画素領域のデータはそれ以降の処理で参照されないのが一般的であるので、改めて黒データで起きかえるなどの処理は行なわないことが多い。しかし、この方法は、パディング処理が行なわれた非有意画素領域の水平方向もしくは垂直方向の交流成分がないなど、有意画素領域内の画像パターンとは本質的に異なるため、対象画像内と対象画像外の画像は必ずしも同様の性質を持った画像ではないため、対象画像内の符号化パターンもその影響を受け、やや不自然なパターンと成る場合がありうる。
【0010】
また、大画面映像の分割映像を通常の方法で符号化し、分割映像の有意画素領域の境界が符号化ブロックの境界が一致していない境界が存在し、その境界が他の分割領域との隣接境界である場合、復号された分割映像の有意画素領域を取り出し、それらを連結して大画面映像を生成した場合に、分割領域の隣接境界の両側の符号化ブロックは、その一部が非有意画素領域として廃棄されているため、他の領域のブロックサイズに比べ小さくなっており、画面全体を見た場合、隣接境界付近だけブロックサイズが不連続となっている。
符号化の画質があまり良くない場合、ブロックノイズと呼ばれる符号化ブロックサイズのブロック状の画質劣化が生じるが、規則的なサイズのブロックノイズが生じる場合に比べ、隣接境界付近に生じる非連続なサイズのブロックノイズは良く目立つという性質があり、視覚上良くない。また、このような問題はパディングを利用した方法を用いた場合についても生じてしまう。
【0011】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、分割映像の有意画素領域の境界のうち、他の分割映像と隣接する境界が、符号化劣化の影響を大きく受けることなく、鮮明な復号映像が得られる映像符号化装置及び映像復号化装置及びその方法並びにそのプログラムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の課題を解決すべくなされたもので、請求項1に記載の発明は、画面映像を複数の矩形領域に分割して得られる複数の分割映像を符号化する映像符号化方法において、前記分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該分割映像をシフトし、符号化することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の映像符号化方法によって符号化された分割映像を復号化し、該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、画面映像を複数の矩形領域に分割して得られる複数の分割映像を符号化する映像符号化装置において、前記分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように当該分割映像をシフトさせる映像シフト部と、該シフトさせた分割画像を符号化する映像符号化部とを具備することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の映像符号化装置によって符号化された分割映像を復号化する映像復号化部と、該復号化した分割映像を該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力する映像シフト部とを具備することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、前記分割映像は、インタレース映像であり、該分割映像の上端が、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接しており、かつ、該分割映像の有意画素領域の最上端のラインが、インタレース映像の第2フィールドに相当するラインである場合、または、該分割映像の下端が、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接しており、かつ、該分割映像の有意画素領域の最下端のラインが、インタレース映像の第1フィールドに相当するラインである場合、該分割映像の符号化において、トップフィールドが第2フィールドであり、ボトムフィールドが第一フィールドとみなすことを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、前記分割映像は、インタレース映像であり、前記映像符号化部は、前記シフトさせた分割画像の上端が、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接しており、かつ、該分割映像の有意画素領域の最上端のラインが、インタレース映像の第2フィールドに相当するラインである場合、または、前記シフトさせた分割画像の下端が、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接しており、かつ、該分割映像の有意画素領域の最下端のラインが、インタレース映像の第1フィールドに相当するラインである場合、該分割映像の符号化において、トップフィールドが第2フィールドであり、ボトムフィールドが第一フィールドとみなして、前記シフトさせた分割画像を符号化することを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、画面映像を水平方向、垂直方向にそれぞれ2分割して得られる、左上、左下、右上、右下の4つの分割映像を符号化する映像符号化方法において、それぞれの分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界について、前記左上の分割映像の右端と下端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該左上の映像をシフトし、前記右上の分割映像の左端と下端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該右上の映像をシフトし、前記左下の分割映像の右端と上端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該左下の映像をシフトし、前記右下の分割映像の左端と上端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該右下の映像をシフトし、該4つの分割映像を符号化することを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明は、画面映像を水平方向、垂直方向にそれぞれ2分割して得られる左上、左下、右上、右下の4つの分割映像を符号化する映像符号化装置において、各分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界について、前記左上の分割映像の右端と下端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該左上の映像をシフトさせる第1の映像シフト部と、該シフトさせた左上の分割画像を符号化する第1の映像符号化部と、前記右上の分割映像の左端と下端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該右上の映像をシフトさせる第2の映像シフト部と、該シフトさせた右上の分割画像を符号化する第2の映像符号化部と、前記左下の分割映像の右端と上端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該左下の映像をシフトさせる第3の映像シフト部と、該シフトさせた左下の分割画像を符号化する第3の映像符号化部と、前記右下の分割映像の左端と上端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該右下の映像をシフトさせる第4の映像シフト部と、該シフトさせた右下の分割画像を符号化する第4の映像符号化部とを具備することを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の発明は、前記分割映像をシフトさせるシフト量は、前記分割映像の有意画素領域及び非有意画素領域を判定し、該判定した有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように決定されることを特徴とする。
【0021】
請求項10に記載の発明は、前記映像シフト部は、さらに、前記分割映像の有意画素領域及び非有意画素領域を判定し、該判定した有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように、前記分割映像をシフトさせるシフト量を決定することを特徴とする。
【0022】
請求項11に記載の発明は、前記分割映像の符号化時に、前記決定されるシフト量を、当該分割映像の符号化により生成されるビットストリームのユーザ領域に書きこむことを特徴とする。
【0023】
請求項12に記載の発明は、請求項9に記載の映像符号化方法によって符号化された分割映像を復号化し、前記ビットストリームのユーザ領域より、前記シフト量を読み出し、該シフト量に基づいて、該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力することを特徴とする。
【0024】
請求項13に記載の発明は、前記映像符号化部は、さらに、前記分割映像の符号化時に、前記決定されるシフト量を、当該分割映像の符号化により生成されるビットストリームのユーザ領域に書きこむことを特徴とする。
【0025】
請求項14に記載の発明は、前記映像復号化部は、請求項10に記載の映像符号化装置によって符号化された分割映像を復号化し、前記ビットストリームのユーザ領域より、前記シフト量を読み出し、該シフト量に基づいて、該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力することを特徴とする。
【0026】
請求項15に記載の発明は、画面映像を複数の矩形領域に分割して得られる複数の分割映像を符号化する処理をコンピュータに実行させるための映像符号化プログラムであって、前記分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように当該分割映像をシフトさせる処理と、該シフトさせた分割画像を符号化する処理とをコンピュータに実行させるための映像符号化プログラムである。
【0027】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の映像符号化プログラムをコンピュータが実行することによって、符号化された分割映像を復号化する処理と、該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力する処理とをコンピュータに実行させるための映像復元化プログラムである。
【0028】
請求項17に記載の発明は、画面映像を複数の矩形領域に分割して得られる複数の分割映像を符号化する処理をコンピュータに実行させるための映像符号化プログラムを記憶する記憶媒体であって、前記分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように当該分割映像をシフトさせる処理と、該シフトさせた分割画像を符号化する処理とをコンピュータに実行させるための映像符号化プログラムを記憶する記憶媒体である。
【0029】
請求項18に記載の発明は、請求項15に記載の映像符号化プログラムを、コンピュータが実行することによって符号化された分割映像を復号化する処理と、該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力する処理とをコンピュータに実行させるための映像復元化プログラムを記憶する記憶媒体である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の映像符号化方法及び映像復号化方法の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1、図2は本実施形態の映像符号化方法のフローチャート及び図3、図4は本実施形態の映像復号化方法のフローチャートである。本実施形態の映像符号化方法及び映像復号化方法では、図5に示す、1つの大画面映像を構成する田の字型に配置された4つの1080iフォーマットの分割映像a〜dを符号化及び復号化する。
【0031】
まず左上の分割映像a及び右上の分割映像bを符号化する処理の流れについて説明する。
まず、左上の分割映像a及び右上の分割映像bの符号化処理開始を受けて、左上の分割映像a、右上の分割映像bを入力する(図1のステップS1)。
次に、左上の分割映像a及び右上の分割映像bについて、MPEG−2のインタレース映像の符号化領域の垂直方向画素サイズが32の倍数である必要に基づいて、1080iフォーマット映像、つまり有効領域画素が1080ラインである分割映像a及び分割映像bの上部に、さらに、8ラインを付加する(ステップS2)。このとき、付加される8ラインに入れる画素データは、任意であるが、本実施形態ではこの8ラインの画素は黒一色で埋められるものとする。
次に、8ラインが付加されて、32の倍数となった1088ラインとなった分割映像a及び分割映像bをMPEG−2で符号化する(ステップS3)。
すなわち、図6に示すように、入力された分割映像a及び分割映像bの有効画素である有意な画素は、1088ラインの符号化領域のうち、分割映像a及び分割映像bの下端より1080ラインに配置されて、符号化される。
このMPEG―2で符号化された1088ラインの分割映像a及び分割映像bは、符号化ストリームa、符号化ストリームbとして出力される(ステップS4)。
【0032】
次に左下の分割映像c及び右下の分割映像dを符号化する処理の流れについて説明する。
まず、左下の分割映像c及び右下の分割映像dの符号化処理開始を受けて、左下の分割映像c、右下の分割映像dを入力する(図2のステップS11)。
次に、左下の分割映像c及び右下の分割映像dについて、MPEG−2のインタレース映像の符号化領域の垂直方向画素サイズが32の倍数である必要に基づいて、1080iフォーマット映像、つまり有効領域画素が1080ラインである分割映像c及び分割映像dの下部に、さらに、8ラインを付加する(ステップS12)。このとき、付加される8ラインに入れる画素データは、任意であるが、本実施形態ではこの8ラインの画素は黒一色で埋められるものとする。
次に、8ラインが付加されて、32の倍数となった1088ラインとなった分割映像c及び分割映像dをMPEG−2で符号化する(ステップS13)。
すなわち、図6に示すように、入力された分割映像c及び分割映像dの有効画素である有意な画素は、1088ラインの符号化領域のうち、分割映像c及び分割映像dの上端より1080ラインに配置されて、符号化される。
このMPEG―2で符号化された1088ラインの分割映像c及び分割映像dは、符号化ストリームc、符号化ストリームdとして出力される(ステップS14)。
【0033】
次に、左上の分割映像a及び右上の分割映像bを復号化する処理の流れについて説明する。
まず、符号化ストリームa、符号化ストリームbの復号化処理開始を受けて、符号化ストリームa、符号化ストリームbを入力する(図3のステップS31)。
次に、この符号化ストリームa、符号化ストリームbを復号化し(ステップS32)、復号化によって得られる1088ラインの分割映像a及び分割映像bの上部の8ラインを廃棄する(ステップS33)。
そして、この8ライン破棄により、1080ラインとなった1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bを出力する(ステップS34)。
【0034】
この分割映像a及び分割映像bの出力映像と、符号化前の分割映像a及び分割映像bの入力映像とを比較した場合、分割映像a及び分割映像bにおける有効画素の位置関係は符号化・復号化の前後で変化しない。
また、分割映像a及び分割映像bにおける、画面最下端および画面左右端の画面境界は、符号化前及び符号化時のブロック境界と一致している。
このため、画面最下端および画面左右端の画面境界に、境界外のパターンが侵食したように見える大きな画質劣化を防ぐことができるため、鮮明な境界の画像を得ることができる効果が得られる。
【0035】
次に、左下の分割映像c及び右下の分割映像dを復号化する処理の流れについて説明する。
まず、符号化ストリームc、符号化ストリームdの復号化処理開始を受けて、符号化ストリームc、符号化ストリームdを入力する(図4のステップS41)。
次に、この符号化ストリームc、符号化ストリームdを復号化し(ステップS42)、復号化によって得られる1088ラインの分割映像c及び分割映像dの下部の8ラインを廃棄する(ステップS43)。
そして、この8ライン破棄により、1080ラインとなった1080iフォーマットの分割映像c及び分割映像dを出力する(ステップS44)。
【0036】
この分割映像c及び分割映像dの出力映像と、符号化前の分割映像c及び分割映像dの入力映像とを比較した場合、分割映像c及び分割映像dにおける有効画素の位置関係は符号化・復号化の前後で変化しない。
また、分割映像c及び分割映像dにおける、画面上端および画面左右端の画面境界は、符号化前及び符号化時のブロック境界と一致している。
このため、画面最下端および画面左右端の画面境界に、境界外のパターンが侵食したように見える大きな画質劣化を防ぐことができるため、鮮明な境界の画像を得ることができる効果が得られる。
【0037】
以上説明したように、復号化した、左上の分割映像a、右上の分割映像b、左下の分割映像c、右下の分割映像dの4つの分割映像を表示システムに入力する場合、4つの映像の有効領域を連結して表示させた際に、大画面の分割の境界、すなわち、左上の分割映像aと右上の分割映像bとの境界、左下の分割映像cと右下の分割映像dとの境界、左上の分割映像aと左下の分割映像cとの境界、及び右上の分割映像bと右下の分割映像dとの境界の4つの境界において、目立った画質劣化を防ぐことができるという効果を得ることができる。
【0038】
次に図面を参照して本発明の映像符号化方法及び映像復号化方法の第2の実施形態について図面を参照して説明する。図7、図8は本実施形態の映像符号化方法のフローチャート及び図9、図10は本実施形態の映像復号化方法のフローチャートである。本実施形態の映像符号化方法及び映像復号化方法では、第1実施形態の映像符号化方法及び映像復号化方法と同様に、図5に示す、1つの大画面映像を構成する田の字型に配置された4つの1080iフォーマットの分割映像a〜dを符号化及び復号化する。
【0039】
まず左上の分割映像a及び右上の分割映像bを符号化する処理の流れについて説明する。
まず、左上の分割映像a及び右上の分割映像bの符号化処理開始を受けて、1080iフォーマットの左上の分割映像a、右上の分割映像bを入力する(図7のステップS51)。
次に、この入力された1080iフォーマットの分割映像a、分割映像bの有効画素データを上に8ライン分だけシフトする(ステップS52)。
このとき、分割映像a、分割映像bの有効画素データの上部8ラインは有効領域から外れるため、廃棄される。
【0040】
次に、分割映像a及び分割映像bについて、MPEG−2のインタレース映像の符号化領域の垂直方向画素サイズが32の倍数である必要に基づいて、シフトにより、有効領域画素が1072ラインとなった分割映像a及び分割映像bの下部に、さらに、16ラインを付加する(ステップS53)。このとき、シフトされた後の映像の下部16ラインとして付加される画素データは、任意であるが、本実施形態では、この16ラインの画素は黒一色で埋められるものとする。
次に、16ラインが付加されて、32の倍数となった1088ラインとなった分割映像a及び分割映像bをMPEG−2で符号化する(ステップS54)。
すなわち、図11に示すように、入力された分割映像a及び分割映像bの有効画素である有意な画素は、1088ラインの符号化領域のうち、分割映像a及び分割映像bの上端より1072ラインに配置されて、符号化される。
このMPEG―2で符号化された1088ラインの分割映像a及び分割映像bは、符号化ストリームa、符号化ストリームbとして出力される(ステップS4)。
【0041】
次に左下の分割映像c及び右下の分割映像dを符号化する処理の流れについて説明する。
まず、左下の分割映像c及び右下の分割映像dの符号化処理開始を受けて、1080iフォーマットの左下の分割映像c、右下の分割映像dを入力する(図8のステップS61)。
次に、分割映像c及び分割映像dについて、MPEG−2のインタレース映像の符号化領域の垂直方向画素サイズが32の倍数である必要に基づいて、1080iフォーマット映像の分割映像c及び分割映像dの下部に、さらに、8ラインを付加する(ステップS62)。このとき、シフトされた後の映像の下部8ラインとして付加される画素データは、任意であるが、本実施形態では、この8ラインの画素は黒一色で埋められるものとする。
【0042】
次に、8ラインが付加されて、32の倍数となった1088ラインの分割映像c及び分割映像dをMPEG−2で符号化する(ステップS63)。
すなわち、図11に示すように、入力された分割映像c及び分割映像dの有効画素である有意な画素は、1088ラインの符号化領域のうち、分割映像c及び分割映像dの上端より1080ラインに配置されて、符号化される。
このMPEG―2で符号化された1088ラインの分割映像c及び分割映像dは、符号化ストリームc、符号化ストリームdとして出力される(ステップS64)。
【0043】
次に、左上の分割映像a及び右上の分割映像bを復号化する処理の流れについて説明する。
まず、符号化ストリームa、符号化ストリームbの復号化処理開始を受けて、符号化ストリームa、符号化ストリームbを入力する(図9のステップS71)。
次に、この符号化ストリームa、符号化ストリームbを復号化し(ステップS72)、復号化によって得られる1088ラインの分割映像a及び分割映像bの下部の8ラインを廃棄する。そして、この8ライン破棄により、1080ラインとなった1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bを下に8ライン分だけシフトし(ステップS73)、1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bの上部に8ラインを付加する。このとき、シフトした後の映像の上8ライン部分に入れる画素データは任意だが、ここでは黒一色で埋められるものとする。
そして、さらに、分割映像a及び分割映像bの下部の8ラインを廃棄し(ステップS74)、有意な画素領域が分割映像a及び分割映像bの上端より1072ラインとなった1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bを出力する(ステップS75)。
【0044】
この分割映像a及び分割映像bの出力映像と、符号化前の分割映像a及び分割映像bの入力映像とを比較した場合、上部8ラインが廃棄され黒一色となっているが、分割映像a及び分割映像bにおける、それ以外の有効画素の位置関係は変化していない。
また、分割映像a及び分割映像bにおける、画面下端および画面左右端の画面境界は、符号化前及び符号化時のブロック境界と一致している。
このため、画面最下端および画面左右端の画面境界に、境界外のパターンが侵食したように見える大きな画質劣化を防ぐことができるため、鮮明な境界の画像を得ることができる効果が得られる。
また、このとき有意な画素領域の境界である上端より1072ライン目と1073ライン目の境界は、MPEG−2で符号化する場合、フレームピクチャであれば必ず分割したブロックの境界と一致するため、有意画素領域境界に、境界外が侵食したように見える画質劣化を防ぐことができる効果が得られる。
また、フィールドピクチャであっても、輝度ブロック境界には一致し、422クロマフォーマットの場合は色差ブロック境界にも一致する。
【0045】
次に、左下の分割映像c及び右下の分割映像dを復号化する処理の流れについて説明する。
まず、符号化ストリームc、符号化ストリームdの復号化処理開始を受けて、符号化ストリームc、符号化ストリームdを入力する(図10のステップS81)。
次に、この符号化ストリームc、符号化ストリームdを復号化し(ステップS82)、復号化によって得られる1088ラインの分割映像c及び分割映像dの下部の8ラインを廃棄する(ステップS83)。
そして、この8ライン破棄により、1080ラインとなった1080iフォーマットの分割映像c及び分割映像dを出力する(ステップS84)。
【0046】
この分割映像c及び分割映像dの出力映像と、符号化前の分割映像c及び分割映像dの入力映像とを比較した場合、分割映像c及び分割映像dにおける有効画素の位置関係は符号化・復号化の前後で変化しない。
また、分割映像c及び分割映像dにおける、画面上端および画面左右端の画面境界は、符号化前及び符号化時のブロック境界と一致している。
このため、画面上端および画面左右端の画面境界に、境界外のパターンが侵食したように見える大きな画質劣化を防ぐことができるため、鮮明な境界の画像を得ることができる効果が得られる。
【0047】
以上説明したように、復号化した、左上の分割映像a、右上の分割映像b、左下の分割映像c、右下の分割映像dの4つの分割映像を表示システムに入力する場合、4つの映像の有効領域を連結して表示させた際に、大画面の分割の境界、すなわち、左上の分割映像aと右上の分割映像bとの境界、左下の分割映像cと右下の分割映像dとの境界、左上の分割映像aと左下の分割映像cとの境界、及び右上の分割映像bと右下の分割映像dとの境界の4つの境界において、目立った画質劣化を防ぐことができるという効果を得ることができる。
【0048】
次に図面を参照して本発明の映像符号化方法及び映像復号化方法の第3の実施形態について図面を参照して説明する。図12、図13は本実施形態の映像符号化方法のフローチャート及び図14、図15は本実施形態の映像復号化方法のフローチャートである。図16に示す、1つの大画面映像を構成する田の字型に配置された4つの1920画素×1035ラインのインタレース画像の分割映像a〜dを符号化及び復号化する。
【0049】
まず左上の分割映像a及び右上の分割映像bを符号化する処理の流れについて説明する。
まず、左上の分割映像a及び右上の分割映像bの符号化処理開始を受けて、1035iフォーマットの左上の分割映像a、右上の分割映像bを入力する(図12のステップS91)。ここで、分割映像a及び分割映像bの原映像は1035i映像であるが、入力される1035iフォーマットの分割映像a、分割映像bは、1080iフォーマットの映像信号に乗った状態で与えられるものとする。すなわち、総走査線1125ラインに対する1080i映像と1035i映像の有効領域の相対位置により、1080iフォーマットの有効領域内の第40ラインから第1074ラインに、1035ラインの有意な画像データが配置された状態で与えられるものとする。また、1080iフォーマットの有効領域内の第1ラインから第39ライン、第1075ラインから第1080ラインは、黒一色の信号または制御用データが入っているものとする。なお、1035i映像の有効領域の第1ラインは、時間的に後のフィールドである第2フィールドであり、第1035ラインも同様に第2フィールドであり、上記の1080iフォーマット映像の第40ラインおよび第1074ラインも第2フィールドである。
【0050】
次に、この入力された1035iフォーマットの分割映像a、分割映像bの有効画素データを上に2ライン分だけシフトする(ステップS92)。
このとき、分割映像a、分割映像bの有効画素データの上部の第1ラインと第2ラインは有効領域から外れるため、廃棄される。
【0051】
次に、分割映像a及び分割映像bについて、MPEG−2のインタレース映像の符号化領域の垂直方向画素サイズが32の倍数である必要に基づいて、分割映像a及び分割映像bの下部に、さらに、8ラインを付加する(ステップS93)。このとき、シフトされた後の映像の下部8ラインとして付加される画素データは、任意であるが、本実施形態では、この8ラインの画素は黒一色で埋められるものとする。
次に、8ラインが付加されて、32の倍数となった1088ラインとなった分割映像a及び分割映像bをMPEG−2で符号化する(ステップS94)。
すなわち、図18に示すように、入力された分割映像a及び分割映像bの有効画素である有意な画素は、1088ラインの符号化領域のうち、分割映像a及び分割映像bの上端より38ライン目(1072ライン−1035ライン+1ライン=35ラインより算出)から1072ライン目にかけて配置されて、符号化される。
このMPEG―2で符号化された1088ラインの分割映像a及び分割映像bは、符号化ストリームa、符号化ストリームbとして出力される(ステップS95)。
【0052】
次に左下の分割映像c及び右下の分割映像dを符号化する処理の流れについて説明する。
まず、左下の分割映像c及び右下の分割映像dの符号化処理開始を受けて、1035iフォーマットの左下の分割映像c、右下の分割映像dを入力する(図13のステップS101)。ここで、分割映像c及び分割映像dの原映像は、1035i映像であるが、入力される1035iフォーマットの分割映像c、分割映像dは、上述の分割映像a及び分割映像bと同様に、1080iフォーマットの映像信号に乗った状態で与えられるものとする。
【0053】
次に、この入力された1035iフォーマットの分割映像c、分割映像dの有効画素データを、図18に示すように、上に7ライン分だけシフトし、トップフィールドを第2フィールド、ボトムフィールドを第1フィールドとする1080ラインのインタレース映像を生成する(ステップS102)。
ここでは、空間的にみて上に配置される奇数ラインのフィールドをトップフィールド、空間的にみて下に配置される偶数ラインのフィールドをボトムフィールド、また、時間的に前の映像情報を表すフィールドを第1フィールド、時間的に後の映像情報を表すフィールドを第2フィールドと呼んでいる。
【0054】
このとき、分割映像c、分割映像dの有効画素データの上部7ラインは有効領域から外れるため、廃棄される。
次に、分割映像c及び分割映像dについて、MPEG−2のインタレース映像の符号化領域の垂直方向画素サイズが32の倍数である必要に基づいて、分割映像c及び分割映像dの下部に、さらに、8ラインを付加する(ステップS103)。このとき、シフトされた後の映像の下部8ラインとして付加される画素データは、任意であるが、本実施形態では、この8ラインの画素は黒一色で埋められるものとする。
次に、8ラインが付加されて、32の倍数となった1088ラインとなった分割映像c及び分割映像dをMPEG−2で符号化する(ステップS104)。
この際の符号化モードとして、ボトムフィールドが第1フィールドであるとみなして符号化を行う。
MPEG−2では、トップフィールドが第一フィールドであるか否かを表すフラグが存在するなど、トップフィールドが第一フィールドである場合と、第ニフィールドである場合の符号化復号方法が規定されている。
したがって、ボトムフィールドが第1フィールドであるとみなして符号化を行う場合、フレームピクチャの場合はtop_field_firstがfalse(偽)であるとして符号化を行なう。
また、フィールドピクチャの場合は同じフレームのうちボトムフィールドを先に符号化し、トップフィールドを後に符号化するという方法をとる。
【0055】
すなわち、図17に示すように、入力された分割映像c及び分割映像dの有効画素である有意な画素は、1088ラインの符号化領域のうち、分割映像c及び分割映像dの上端より33ライン目(40ライン−8ライン+1ライン=33ラインより算出)から1068ライン目(32+1035ライン+1ライン=1068ラインより算出)にかけて配置されて、符号化される。
このMPEG―2で符号化された1088ラインの分割映像c及び分割映像dは、符号化ストリームc、符号化ストリームdとして出力される(ステップS105)。
【0056】
次に、左上の分割映像a及び右上の分割映像bを復号化する処理の流れについて説明する。
まず、符号化ストリームa、符号化ストリームbの復号化処理開始を受けて、符号化ストリームa、符号化ストリームbを入力する(図14のステップS111)。
次に、この符号化ストリームa、符号化ストリームbを復号化し(ステップS112)、復号化によって得られる1088ラインの分割映像a及び分割映像bの下部の8ラインを廃棄する。そして、この8ライン破棄により、1080ラインとなった1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bを下に2ライン分だけシフトし(ステップS113)、1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bの上部に2ラインを付加する。このとき、シフトした後の映像の上2ライン部分に入れる画素データは任意だが、ここでは黒一色で埋められるものとする。
そして、さらに、分割映像a及び分割映像bの下部の8ラインを廃棄し(ステップS114)、有意な画素領域が分割映像a及び分割映像bの上端より1072ラインとなった1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bを出力する(ステップS115)。
【0057】
この分割映像a及び分割映像bの出力映像と、符号化前の分割映像a及び分割映像bの入力映像とを比較した場合、上部2ラインが廃棄され黒一色となっているが、分割映像a及び分割映像bにおける、それ以外の有効画素の位置関係は変化していない。
また、分割映像a及び分割映像bにおける、画面最下端および画面左右端の画面境界は、符号化前及び符号化時のブロック境界と一致している。
このため、画面最下端および画面左右端の画面境界に、境界外のパターンが侵食したように見える大きな画質劣化を防ぐことができるため、鮮明な境界の画像を得ることができる効果が得られる。
また、このとき有意な画素領域の境界である上端より1072ライン目と1073ライン目の境界は、MPEG−2で符号化する場合、フレームピクチャであれば必ず分割したブロックの境界と一致するため、有意画素領域境界に、境界外が侵食したように見える画質劣化を防ぐことができる効果が得られる。
また、フィールドピクチャであっても、輝度ブロック境界には一致し、422クロマフォーマットの場合は色差ブロック境界にも一致する。
【0058】
次に、左下の分割映像c及び右下の分割映像dを復号化する処理の流れについて説明する。
まず、符号化ストリームc、符号化ストリームdの復号化処理開始を受けて、符号化ストリームc、符号化ストリームdを入力する(図15のステップS121)。
次に、この符号化ストリームc、符号化ストリームdを復号化し(ステップS122)、復号化によって得られる1088ラインの分割映像c及び分割映像dの下部の8ラインを廃棄する。
そして、この8ライン破棄により、1080ラインのボトムフィールドが第1フィールドとなったインタレース映像である分割映像c及び分割映像dを下に7ライン分だけシフトし、トップフィールドを第1フィールド、ボトムフィールドを第2フィールドとする1080iフォーマット映像を生成する(ステップS123)。
次に、この1080iフォーマットの分割映像c及び分割映像dの上部に7ラインを付加する。このとき、シフトした後の映像の上7ライン部分に入れる画素データは任意だが、ここでは黒一色で埋められるものとする。
次に、さらに、分割映像c及び分割映像dの下部の8ラインを廃棄する(ステップS124)。
そして、上7ラインは黒一色であり、その下に続く1073ラインは符号化前の元の分割映像c及び分割映像dと有効画素領域である1080iフォーマットの分割映像c及び分割映像dを出力する(ステップS125)。
【0059】
この分割映像c及び分割映像dの出力映像と、符号化前の分割映像c及び分割映像dの入力映像とを比較した場合、上部7ラインが廃棄され黒一色となっているが、分割映像c及び分割映像dにおける、それ以外の有効画素の位置関係は変化していない。
また、分割映像c及び分割映像dにおける、画面上端および画面左右端の画面境界は、符号化前及び符号化時のブロック境界と一致している。
このため、画面最下端および画面左右端の画面境界に、境界外のパターンが侵食したように見える大きな画質劣化を防ぐことができるため、鮮明な境界の画像を得ることができる効果が得られる。
また、このとき有意な画素領域の境界である下端より上端より32ライン目と33ライン目の境界は、MPEG−2で符号化する場合、フレームピクチャであれば必ず分割したブロックの境界と一致するため、有意画素領域境界に、境界外が侵食したように見える画質劣化を防ぐことができる効果が得られる。
また、フィールドピクチャであっても、輝度ブロック境界には一致し、422クロマフォーマットの場合は色差ブロック境界にも一致する。
【0060】
以上説明したように、復号化した、左上の分割映像a、右上の分割映像b、左下の分割映像c、右下の分割映像dの4つの分割映像を表示システムに入力する場合、4つの映像の有効領域を連結して表示させた際に、大画面の分割の境界、すなわち、左上の分割映像aと右上の分割映像bとの境界、左下の分割映像cと右下の分割映像dとの境界、左上の分割映像aと左下の分割映像cとの境界、及び右上の分割映像bと右下の分割映像dとの境界の4つの境界において、目立った画質劣化を防ぐことができるという効果を得ることができる。
【0061】
次に、図面を参照して本発明の映像符号化装置及び映像復号化装置の第4の実施形態について図面を参照して説明する。図19は本実施形態の映像符号化装置の構成図及び図20は本実施形態の映像復号化装置の構成図である。本実施形態の映像符号化装置及び映像復号化装置では、図5に示す、1つの大画面映像を構成する田の字型に配置された4つの1080iフォーマットの分割映像a〜dを符号化及び復号化する。
【0062】
図19に示すように、本実施形態の映像符号化装置は、映像シフト部1−a〜1−d、映像符号化部2−a〜2−d、制御部3とから構成される。
映像シフト部1−a〜1−dは、それぞれ分割映像a〜dの映像信号の入力を受けて、予め指定されるシフト量に基づいて、入力される分割映像のシフト処理を行う。
映像符号化部2−a〜2−dは、映像シフト部1−a〜1−dそれぞれが出力する、シフト後の分割映像a〜dの映像信号の入力を受けて、MPEG−2で符号化処理を行う。
制御部3は、映像シフト部1−a〜1−dそれぞれに対して、シフト処理時のシフト量を指定する処理を行う。
【0063】
また、図20に示すように、本実施形態の映像復号化装置は、映像シフト部11−a〜11−d、映像復号化部12−a〜12−d、制御部13とから構成される。
映像復号化部12−a〜12−dは、それぞれ分割映像a〜dの映像信号の入力を受けて、MPEG−2で復号化処理を行う。
映像シフト部11−a〜11−dは、映像復号化部12−a〜12−dそれぞれが出力する、復号化後の分割映像a〜dの映像信号の入力を受けて、予め指定されるシフト量に基づいて、入力される分割映像のシフト処理を行う。
制御部13は、映像シフト部11−a〜11−dそれぞれに対して、シフト処理時のシフト量を指定する処理を行う。
【0064】
次に、本実施形態の映像符号化装置及び映像復号化装置の動作について説明する。
まず、図5に示す画面の左上の分割映像a、右上の分割映像bについて、映像シフト部1−a、映像シフト部1−bは、符号化処理開始を受けて、それぞれ左上の分割映像a、右上の分割映像bを入力する。
次に、映像シフト部1−a、映像シフト部1−bは、制御部3よりシフト量の指定値を受けて、この値に基づいて、入力された1080iフォーマットの分割映像a、分割映像bの有効画素データをシフトする。本実施形態においては、制御部3が予めシフト量を8ライン上と指定しているため、映像シフト部1−a、映像シフト部1−bは、分割映像a、分割映像bの有効画素データを上に8ライン分だけシフトする。
このとき、映像シフト部1−a、映像シフト部1−bは、分割映像a、分割映像bの有効画素データの上部8ラインは有効領域から外れるため、これを廃棄する。
次に、映像シフト部1−a、映像シフト部1−bは、分割映像a、分割映像bについて、MPEG−2のインタレース映像の符号化領域の垂直方向画素サイズが32の倍数である必要に基づいて、シフトにより、有効領域画素が1072ラインとなった分割映像a、分割映像bの下部に、さらに、16ラインを付加し、それぞれ映像符号化部2−a、映像符号化部2−bに対して出力する。
このとき、シフトされた後の映像の下部16ラインとして付加される画素データは、任意であるが、本実施形態では、この16ラインの画素は黒一色で埋められるものとする。
【0065】
映像符号化部2−a、映像符号化部2−bは、この1088ラインとなった分割映像a、分割映像bをMPEG−2で符号化する。
すなわち、映像符号化部2−a、映像符号化部2−bは、図11に示すように、入力された分割映像a、分割映像bの有効画素である有意な画素を、1088ラインの符号化領域のうち、分割映像a、分割映像bの上端より1072ラインに配置し、符号化する。
符号化後、映像符号化部2−a、映像符号化部2−bは、このMPEG―2で符号化された1088ラインの分割映像a、分割映像bを、それぞれ符号化ストリームa、符号化ストリームbとして出力する。
【0066】
また、図5に示す画面の左下の分割映像c、右下の分割映像dについて、映像シフト部1−c、映像シフト部1−dは、符号化処理開始を受けて、それぞれ左下の分割映像c、右下の分割映像dを入力する。
次に、映像シフト部1−c、映像シフト部1−dは、制御部3よりシフト量の指定値を受けて、この値に基づいて、入力された1080iフォーマットの分割映像c、分割映像dの有効画素データをシフトする。本実施形態においては、制御部3が予めシフト量を0ラインと指定しているため、映像シフト部1−c、映像シフト部1−dは、分割映像c、分割映像dの有効画素データのシフトを行わない。
次に、映像シフト部1−c、映像シフト部1−dは、分割映像c、分割映像dについて、MPEG−2のインタレース映像の符号化領域の垂直方向画素サイズが32の倍数である必要に基づいて、1080iフォーマット映像の分割映像c、分割映像dの下部に、8ラインを付加し、それぞれ映像符号化部2−c、映像符号化部2−dに対して出力する。
このとき、シフトされた後の映像の下部8ラインとして付加される画素データは、任意であるが、本実施形態では、この8ラインの画素は黒一色で埋められるものとする。
【0067】
映像符号化部2−c、映像符号化部2−dは、この1088ラインとなった分割映像c、分割映像dをMPEG−2で符号化する。
すなわち、映像符号化部2−c、映像符号化部2−dは、図11に示すように、入力された分割映像c、分割映像dの有効画素である有意な画素を、1088ラインの符号化領域のうち、分割映像c、分割映像dの下端より1072ラインに配置し、符号化する。
符号化後、映像符号化部2−c、映像符号化部2−dは、このMPEG―2で符号化された1088ラインの分割映像c、分割映像dを、それぞれ符号化ストリームc、符号化ストリームdとして出力する。
【0068】
映像復号化部12−a、映像復号化部12−bは、符号化ストリームa、符号化ストリームbの復号化処理開始を受けて、それぞれ符号化ストリームa、符号化ストリームbを入力する。
次に、映像復号化部12−a、映像復号化部12−bは、この符号化ストリームa、符号化ストリームbを復号化し、復号化によって得られる1088ラインの分割映像a、分割映像bの下部の8ラインをそれぞれ廃棄する。
そして、映像復号化部12−a、映像復号化部12−bは、この8ライン破棄により、1080ラインとなった1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bを映像シフト部11−a、映像シフト部11−bに対して出力する。
【0069】
映像シフト部11−a、映像シフト部11−bは、制御部13よりシフト量の指定値を受けて、この値に基づいて、入力された1080iフォーマットの分割映像a、分割映像bの有効画素データをシフトする。本実施形態においては、制御部13が予めシフト量を下に8ラインと指定しているため、映像シフト部11−a、映像シフト部11−bは、この分割映像a、分割映像bを下に8ライン分だけそれぞれシフトし、1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bの上部に8ラインを付加する。
このとき、シフトした後の映像の上8ライン部分に入れる画素データは任意だが、ここでは黒一色で埋められるものとする。
そして、映像シフト部11−a、映像シフト部11−bは、さらに、分割映像a及び分割映像bの下部の8ラインを廃棄し、有意な画素領域が分割映像a及び分割映像bの上端より1072ラインとなった1080iフォーマットの分割映像a、分割映像bを出力する。
【0070】
この分割映像a及び分割映像bの出力映像と、符号化前の分割映像a及び分割映像bの入力映像とを比較した場合、上部8ラインが廃棄され黒一色となっているが、分割映像a及び分割映像bにおける、それ以外の有効画素の位置関係は変化していない。
また、分割映像a及び分割映像bにおける、画面下端および画面左右端の画面境界は、符号化前及び符号化時のブロック境界と一致している。
このため、画面最下端および画面左右端の画面境界に、境界外のパターンが侵食したように見える大きな画質劣化を防ぐことができるため、鮮明な境界の画像を得ることができる効果が得られる。
また、このとき有意な画素領域の境界である上端より1072ライン目と1073ライン目の境界は、MPEG−2で符号化する場合、フレームピクチャであれば必ず分割したブロックの境界と一致するため、有意画素領域境界に、境界外が侵食したように見える画質劣化を防ぐことができる効果が得られる。
また、フィールドピクチャであっても、輝度ブロック境界には一致し、422クロマフォーマットの場合は色差ブロック境界にも一致する。
【0071】
映像復号化部12−c、映像復号化部12−dは、符号化ストリームc、符号化ストリームdの復号化処理開始を受けて、それぞれ符号化ストリームc、符号化ストリームdを入力する。
次に、映像復号化部12−c、映像復号化部12−dは、この符号化ストリームc、符号化ストリームdを復号化し、復号化によって得られる1088ラインの分割映像c、分割映像dの下部の8ラインをそれぞれ廃棄する。
そして、映像復号化部12−c、映像復号化部12−dは、この8ライン破棄により、1080ラインとなった1080iフォーマットの分割映像c及び分割映像dを映像シフト部11−c、映像シフト部11−dに対して出力する。
映像シフト部11−c、映像シフト部11−dは、制御部13よりシフト量の指定値を受けて、この値に基づいて、入力された1080iフォーマットの分割映像c、分割映像dの有効画素データをシフトする。本実施形態においては、制御部13が予めシフト量を0ラインと指定しているため、映像シフト部11−c、映像シフト部11−dは、この分割映像c、分割映像dをシフトせずに、有意な画素領域が分割映像c及び分割映像dの上端より1072ラインとなった1080iフォーマットの分割映像c、分割映像dを出力する。
【0072】
この分割映像c及び分割映像dの出力映像と、符号化前の分割映像c及び分割映像dの入力映像とを比較した場合、分割映像c及び分割映像dにおける有効画素の位置関係は符号化・復号化の前後で変化しない。
また、分割映像c及び分割映像dにおける、画面上端および画面左右端の画面境界は、符号化前及び符号化時のブロック境界と一致している。
このため、画面上端および画面左右端の画面境界に、境界外のパターンが侵食したように見える大きな画質劣化を防ぐことができるため、鮮明な境界の画像を得ることができる効果が得られる。
【0073】
以上説明したように、復号化した、左上の分割映像a、右上の分割映像b、左下の分割映像c、右下の分割映像dの4つの分割映像を表示システムに入力する場合、4つの映像の有効領域を連結して表示させた際に、大画面の分割の境界、すなわち、左上の分割映像aと右上の分割映像bとの境界、左下の分割映像cと右下の分割映像dとの境界、左上の分割映像aと左下の分割映像cとの境界、及び右上の分割映像bと右下の分割映像dとの境界の4つの境界において、目立った画質劣化を防ぐことができるという効果を得ることができる。
また、本実施形態の映像復号化装置及び映像復号化装置によれば、符号化装置内の映像シフト部から映像符号化部への入力、復号装置内の各復号部から映像シフト部への出力が1080iフォーマットに限られているため、既存の1080i対応の符号化装置、復号装置をそれぞれ各符号化部、各復号部へそのまま適用できる効果が得られる。
【0074】
次に、図面を参照して本発明の映像符号化装置及び映像復号化装置の第5の実施形態について図面を参照して説明する。図21は本実施形態の映像符号化装置の構成図及び図22は本実施形態の映像復号化装置の構成図である。本実施形態の映像符号化装置及び映像復号化装置が第4の実施形態の映像符号化装置及び映像復号化装置と異なる点は、映像符号化装置において、新たに自動判定部4−a〜4−dを設けた点である。
以下、第4実施形態と共通する点については説明を省略し、これと異なる点について説明する。
【0075】
図21に示すように、本実施形態の映像符号化装置は、映像シフト部1−a〜1−d、映像符号化部2−a〜2−d、制御部3、自動判定部4−a〜4−dとから構成される。
自動判定部4−a〜4−dは、制御部3が映像シフト部1−a〜1−dに対して指定するシフト量を算出処理を行う。
【0076】
また、図20に示すように、本実施形態の映像復号化装置は、映像シフト部11−a〜11−d、映像復号化部12−a〜12−d、制御部13とから構成される。
【0077】
次に、本実施形態の映像符号化装置及び映像復号化装置の動作について説明する。
まず、分割映像a〜dについて、自動判定部4−a〜4−dは、符号化処理開始を受けて、それぞれ分割映像a〜dを入力する。
自動判定部4−a〜4−dは、この入力された各チャネルの分割映像a〜dの有意画素領域と非有意画素領域の範囲の判定処理を開始する。
すなわち、自動判定部4−a〜4−dは、まず分割映像a〜dそれぞれの一番上のラインの全ての画素の画素値を検査する。
このとき、ラインの全ての画素の画素値が0であれば、このラインは非有意画素領域であると判定する。
次に、自動判定部4−a〜4−dは、順に下のラインに向かって検査し、検査対象のラインの全ての画素の画素値が0であるという条件が成り立たなくなったラインから下は、有意画素領域であると判定する。
【0078】
また、自動判定部4−a〜4−dは、同様に、一番下のラインの全ての画素の画素値を検査する。
このとき、ラインの全ての画素の画素値が0であれば、このラインは非有意画素領域であると判定する。
次に、自動判定部4−a〜4−dは、順に上のラインに向かって検査し、検査対象のラインの全ての画素の画素値が0であるという条件が成り立たなくなったラインから上は、有意画素領域であると判定する。
【0079】
また、自動判定部4−a〜4−dは、垂直方向の画素の集合(以下、カラムという)についても同様の手順で有意画素領域/非有意画素領域の判定を行う。
すなわち、自動判定部4−a〜4−dは、分割映像a〜dの一番左のカラムの全ての画素の画素値を検査する。
このとき、カラムの全ての画素の画素値が0であれば、このカラムは非有意画素領域であると判定する。
次に、自動判定部4−a〜4−dは、順に右のラインに向かって検査し、検査対象のカラムの全ての画素の画素値が0であるという条件が成り立たなくなったカラムから右は、有意画素領域であると判定する。
【0080】
また、自動判定部4−a〜4−dは、同様に、一番右のカラムの全ての画素の画素値を検査する。
このとき、ラインの全ての画素の画素値が0であれば、このカラムは非有意画素領域であると判定する。
次に、自動判定部4−a〜4−dは、順に左のカラムに向かって検査し、検査対象のカラムの全ての画素の画素値が0であるという条件が成り立たなくなったラインから上は、有意画素領域であると判定する。
【0081】
以上の手順により、自動判定部4−a〜4−dは、フレーム内の矩形の有意画素領域と、それ以外の非有意画素領域とを判定する。
そして、自動判定部4−a〜4−dは、これと同様の手順で数フレーム(例えば90フレーム)に対して検査を行い、有意画素領域、非有意画素領域の位置や大きさが、フレームごとに変動する場合、それを全て包含する矩形の領域を有意画素領域として決定する。
【0082】
具体的には、自動判定部4−a〜4−dは、図23、図24に示すフローチャートに従って、有意画素領域の判定処理を行う。
ここで、水平方向X画素、水平方向Yラインのサイズの映像有効領域の第yライン、第x画素目の画素値(1≦y≦Y、1≦x≦X)をI(x,y)と表すこととし、今、図25に示すように、有意画素の範囲は(L≦x≦R、T≦y≦B)であるとする。
まず自動判定部4−a〜4−dは、初期値y=1、x=1をセットし(図23のステップS200、S201)、I(1、1)が0と等しいか否かを判定する。本実施形態では、I(1、1)=0より(ステップS202でYes)、さらに、x(=1)がX以上であるかを判定する(ステップS203)。ここで、xはX以上ではないので(ステップS203でNo)、xに1を足して、x=2となる(ステップS204)。以下、ステップS202〜S204を、I(x、y)≠0、又は、x=Xとなるまで繰り返す。
【0083】
本実施形態では、第1ラインの画素値は、すべて0なので、x=Xとなった時点で(ステップS203でYes)、y(=1)がY以上であるかを判定する(ステップS205)。ここで、yはY以上ではないので(ステップS205でNo)、yに1を足して、y=2となる(ステップS206)。そして、再度x=1として(ステップS201)、以下、ステップS202〜S204を、I(x、y)≠0、又は、x=Xとなるまで繰り返す。
そして、x=Xとなった時点で(ステップS203でYes)、再度、yに1を足して、y=3とし(ステップS206)、以下、ステップS201〜S206を、I(x、y)≠0となるまで繰り返す。
本実施形態では、x=L、y=Tとなった時点でI(L、T)≠0となり(ステップS202でNo)、このときのyの値をTとする(ステップS207)。
【0084】
次に、自動判定部4−a〜4−dは、初期値y=Y、x=1をセットし(図23のステップS208、S209)、I(1、1)が0と等しいか否かを判定する。本実施形態では、I(1、Y)=0より(ステップS210でYes)、さらに、x(=1)がX以上であるかを判定する(ステップS211)。ここで、xはX以上ではないので(ステップS211でNo)、xに1を足して、x=2となる(ステップS212)。以下、ステップS210〜S212を、I(x、y)≠0、又は、x=Xとなるまで繰り返す。
【0085】
本実施形態では、第Yラインの画素値は、すべて0なので、x=Xとなった時点で(ステップS211でYes)、y(=1)が0以下であるかを判定する(ステップS213)。ここで、yは0以下ではないので(ステップS213でNo)、yから1を引いて、y=Y−1となる(ステップS214)。そして、再度x=1として(ステップS209)、以下、ステップS210〜S212を、I(x、y)≠0、又は、x=Xとなるまで繰り返す。
そして、x=Xとなった時点で(ステップS211でYes)、再度、yから1を引いて、y=Y−2とし(ステップS214)、以下、ステップS209〜S214を、I(x、y)≠0となるまで繰り返す。
本実施形態では、x=L、y=Bとなった時点でI(L、B)≠0となり(ステップS210でNo)、このときのyの値をBとする(ステップS215)。
【0086】
次に、自動判定部4−a〜4−dは、初期値y=1、x=1をセットし(図24のステップS300、S301)、I(1、1)が0と等しいか否かを判定する。本実施形態では、I(1、1)=0より(ステップS302でYes)、さらに、y(=1)がY以上であるかを判定する(ステップS303)。ここで、yはY以上ではないので(ステップS303でNo)、yに1を足して、y=2となる(ステップS304)。以下、ステップS302〜S304を、I(x、y)≠0、又は、y=Yとなるまで繰り返す。
【0087】
本実施形態では、第1カラムの画素値は、すべて0なので、y=Yとなった時点で(ステップS303でYes)、x(=1)がX以上であるかを判定する(ステップS305)。ここで、xはX以上ではないので(ステップS305でNo)、xに1を足して、x=2となる(ステップS306)。そして、再度y=1として(ステップS301)、以下、ステップS302〜S304を、I(x、y)≠0、又は、y=Yとなるまで繰り返す。
そして、y=Yとなった時点で(ステップS303でYes)、再度、xに1を足して、x=2とし(ステップS306)、以下、ステップS301〜S306を、I(x、y)≠0となるまで繰り返す。
本実施形態では、x=L、y=Tとなった時点でI(L、T)≠0となり(ステップS302でNo)、このときのxの値をLとする(ステップS307)。
【0088】
次に、自動判定部4−a〜4−dは、初期値x=X、y=1をセットし(図33のステップS308、S309)、I(X、1)が0と等しいか否かを判定する。本実施形態では、I(X、1)=0より(ステップS310でYes)、さらに、y(=1)がY以上であるかを判定する(ステップS311)。ここで、yはY以上ではないので(ステップS311でNo)、yに1を足して、y=2となる(ステップS312)。以下、ステップS310〜S312を、I(x、y)≠0、又は、y=Yとなるまで繰り返す。
【0089】
本実施形態では、第1カラムの画素値は、すべて0なので、y=Yとなった時点で(ステップS311でYes)、x(=1)が0以下であるかを判定する(ステップS313)。ここで、xは0以下ではないので(ステップS313でNo)、xから1を引いて、x=X−1となる(ステップS314)。そして、再度y=1として(ステップS309)、以下、ステップS310〜S312を、I(x、y)≠0、又は、y=Yとなるまで繰り返す。
そして、y=Yとなった時点で(ステップS311でYes)、再度、xから1を引いて、x=X−2とし(ステップS314)、以下、ステップS309〜S314を、I(x、y)≠0となるまで繰り返す。
本実施形態では、x=L、y=Bとなった時点でI(L、B)≠0となり(ステップS303)、このときのxの値をLとする(ステップS315)。
【0090】
以上の手順により、自動判定部4−a〜4−dは、有意画素領域情報L、R、T、Bを決定し、これを制御部3へ送る(ステップS316)。
制御部3は、それぞれのチャネルの分割映像a〜dの有意画素領域と非有意画素領域のサイズの情報と、あらかじめ設定されているそれぞれのチャネルが大画面のうちのどの位置の分割領域であるかという情報をもとに、それぞれのチャネルの映像のシフト量を決定する。
このとき、左上の分割映像aのシフト量は、有意画素領域の右端と下端の境界が符号化時の符号化ブロック境界と一致するようなシフト量とする。
また、右上の分割映像bのシフト量は、有意画素領域の左端と下端の境界が符号化時の符号化ブロック境界と一致するようなシフト量とする。
また、左下の分割映像cのシフト量は、有意画素領域の右端と上端の境界が符号化時の符号化ブロック境界と一致するようなシフト量とする。
また、右下の分割映像dのシフト量は、有意画素領域の左端と上端の境界が符号化時の符号化ブロック境界とするようなシフト量とする。
【0091】
具体的には、制御部3は、図26に示すフローチャートに従って、シフト量の判定処理を行う。
すなわち、自動判別器4−a〜4−dから有意画素領域情報L、R、T、Bを受けて(図26のステップS400)、制御部3は、分割映像が左下の画像であれば(ステップS401でYes)、
水平方向シフト量=1−L
垂直方向シフト量=1−T
とする(ステップS402)。また、分割映像が右下の画像であれば(ステップS403でYes)、
水平方向シフト量=X−R
垂直方向シフト量=1−T
とする(ステップS404)。また、分割映像が右上の画像であれば(ステップS405でYes)、
水平方向シフト量=1−L
垂直方向シフト量=Y−B
とする(ステップS406)。また、分割映像が左上の画像であれば(ステップS407でYes)、
水平方向シフト量=X−R
垂直方向シフト量=Y−B
とする(ステップS408)。
そして、以上決定した水平方向シフト量、及び垂直方向シフト量を対応する映像シフト部1−a〜1−d、映像符号化部2−a〜2−dに対して送る(ステップS409)。
【0092】
映像シフト部1−a〜1−dは制御部3が出力するこれらのシフト量に基づいて、分割映像a〜dをそれぞれシフトする。
映像符号化部2−a〜2−dは、シフト後の分割映像a〜dと、上記決定した水平方向シフト量、及び垂直方向シフト量との入力を受けて、この各分割領域映像を符号化し、これによって生成されるビットストリームのユーザ領域に各チャネルのシフト量を埋め込んだ後、これを出力する。
【0093】
映像復号化部12−a〜12−dは、符号化ストリームa〜dの復号化処理開始を受けて、それぞれ符号化ストリームa〜dを入力する。
次に、映像復号化部12−a〜12−dは、この符号化ストリームa〜dを復号化して映像シフト部11−a〜11−dに対して出力するとともに、復号化したビットストリームからユーザ領域から、各チャネルのシフト量を読み出して、制御部13に対してシフト量を指定する。
【0094】
映像シフト部11−a〜11−dは、制御部13よりシフト量の指定値を受けて、この値に基づいて、入力された分割映像a〜dの有効画素データをシフトした後、分割映像a〜dを出力する。
【0095】
以上説明したように、第1から第5の実施形態の動画像符号化・復号化装置によれば、符号化復号された大画面映像の分割映像は、それぞれ互いの分割映像との境界が符号化劣化の影響を大きく受けることなく鮮明であり、これにより、それらの出力された各分割映像を表示システムに入力し、各分割映像の有効領域を連結して表示させた際に、大画面の分割の境界において、特に目立った劣化が生じないという際立った効果を得ることができる。
また、それぞれの分割映像のうち、互いの分割映像に接していない方の有意画素領域境界に関しては符号化劣化の影響を受け、境界が鮮明ではない場合がありうるが、これは大画面映像において、画面の端の部分に相当しているため、通常知覚されにくく実用上大きな問題となることは少ない。
さらに、大画面映像の分割領域境界の付近で、符号化ブロックのサイズが一定で変わらないため、ブロック状の歪みが出た際に目立ちに行くいという効果もある。
【0096】
上述の映像符号化装置及び映像復号化装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した映像符号化及び復号化に関する一連の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、画面映像を複数の矩形領域に分割して得られる複数の分割映像を符号化する映像符号化方法において、分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該分割映像をシフトし、符号化するので、分割映像の有意画素領域の境界のうち、他の分割映像と隣接する境界が、符号化劣化の影響を大きく受けることなく、鮮明な復号映像を得ることができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における、分割映像a、bの映像符号化のフローチャートである。
【図2】第1の実施形態における、分割映像c、dの映像符号化のフローチャートである。
【図3】第1の実施形態における、分割映像a、bの映像復号化のフローチャートである。
【図4】第1の実施形態における、分割映像c、dの映像復号化のフローチャートである。
【図5】1つの大画面映像を4つの1080iフォーマットの分割映像a〜dで構成する様子を示す説明図である。
【図6】第1の実施形態における分割映像a〜dの有意画素領域の配置を示す説明図である。
【図7】第2の実施形態における、分割映像a、bの映像符号化のフローチャートである。
【図8】第2の実施形態における、分割映像c、dの映像符号化のフローチャートである。
【図9】第2の実施形態における、分割映像a、bの映像復号化のフローチャートである。
【図10】第2の実施形態における、分割映像c、dの映像復号化のフローチャートである。
【図11】第2の実施形態における分割映像a〜dの有意画素領域の配置を示す説明図である。
【図12】第3の実施形態における、分割映像a、bの映像符号化のフローチャートである。
【図13】第3の実施形態における、分割映像c、dの映像符号化のフローチャートである。
【図14】第3の実施形態における、分割映像a、bの映像復号化のフローチャートである。
【図15】第3の実施形態における、分割映像c、dの映像復号化のフローチャートである。
【図16】1つの大画面映像を4つの1035iフォーマットの分割映像a〜dで構成する様子を示す説明図である。
【図17】第3の実施形態における分割映像a〜dの有意画素領域の配置を示す説明図である。
【図18】シフト前とシフト後における、マクロブロック境界の位置関係を示す説明図である。
【図19】第4の実施形態における、映像符号化装置の構成図である。
【図20】第4の実施形態における、映像復号化装置の構成図である。
【図21】第5の実施形態における、映像符号化装置の構成図である。
【図22】第5の実施形態における、映像復号化装置の構成図である。
【図23】第5の実施形態における、シフト量算出処理の過程を示すフローチャートである。
【図24】第5の実施形態における、シフト量算出処理の過程を示すフローチャートである。
【図25】第5の実施形態における、有意画素領域の範囲を示す説明図である。
【図26】水平方向シフト量及び垂直方向シフト量の算出処理の過程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1−a〜1−d、11−a〜11−d…映像シフト部
2−a〜2−d…映像符号化部
3、13…制御部
4−a〜4−d…自動判定部
12−a〜12−d…映像復号化部
【発明の属する技術分野】
本発明は、大画面映像を空間的に分割し、複数のエンコーダで符号化・復号を行なう映像符号化装置及び映像復号化装置及びその方法並びにそのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に映像をブロックベースの符号化方式で符号化する場合、符号化領域のサイズを符号化処理ブロックサイズの倍数となるようにする制限から、適当な数のライン、または画素を付加して符号化することが行なわれる。
たとえば、一般的な映像フォーマットとして、1080iフォーマット(特許文献1を参照)がある。このフォーマットは毎秒29.97又は30フレームのインタレース映像で、総走査線数1125本、有効画素領域が水平方向1920画素、垂直方向1080画素(ライン)の映像信号である。この映像信号の有効画素領域をMPEG−2(特許文献2を参照)で符号化する場合、符号化領域の垂直方向サイズを32の倍数の画素(ライン)数とするという制限から、1920画素×1080画素の映像の下端に8ライン分適当なデータを付加し1920画素×1088画素の映像を作り、これを符号化する方法が一般的である。
このとき、画面上端、画面左右端は有効画素領域境界とマクロブロック境界が一致しているが、画面下端は有効画素領域境界とマクロブロック境界が一致していない。
【0003】
また、別の一般的な映像フォーマットとして、1035iフォーマットがある。このフォーマットは毎秒29.97又は30フレームのインタレース映像で、総走査線数1125本、有効画素領域が水平方向1920画素、垂直方向1035画素(ライン)である。
1035iフォーマットと1080iフォーマットは共に総走査線1125本で同じであり、有効画素領域の位置とサイズだけが異なる関係にあるため、元は1035iフォーマットの映像を1080iフォーマットの映像として処理する場合がある。この場合、総走査線1125ラインに対する1080i映像と1035i映像の有効領域の相対位置により、1080i映像の有効画素領域の第40ライン目から第1074ライン目の領域に元の1035i映像において有効画素であった本来有意な画素が配置される。
【0004】
このように、映像フォーマット規格で規定されている有効画素領域とは別に、本来の映像パターンの画素データが配置されている画素領域を、以下、有意な画素の領域、または有意画素領域と呼ぶことにする。
このような映像信号をMPEG−2で符号化する場合、画面左右端は本来有意な画素の領域の境界とマクロブロック境界が一致しているが、画面上端、画面下端はともに本来有意な画素の領域境界マクロブロック境界と一致していない。
有意な画素の領域境界の外側のデータが黒一色や制御用データなど、画像内容と特に相関のない信号であった場合には、上記のような、本来の有意な画素の領域境界とマクロブロック境界と一致していない有意な画素の領域境界付近において、符号化劣化によってその領域境界がぼやけ、有意な画素の領域外のパターンが有意な画素の領域に侵食したような復号映像になる場合がある。
しかし、このような現象は、画面の端のみに見られるため、通常知覚されにくく実用上大きな問題となることは少ない。
【0005】
【非特許文献1】
シンプティ274M(SMPTE274M) 「1920×1080 スキャニング アンド アナログ アンド パラレル デジタルインターフェイス フォー マルチプルピクチャーレイツ(scanning and Analog and Parallel Digital Interface for Multiple Picture Rates)」 全米映画テレビジョン技術者協会(Society of Motion Picture and Television Engineers) 1998
【非特許文献2】
アイエスオー/アイイーシー13818−2(ISO/IEC13818−2) エムペグ−2(MPEG−2:Moving Picture Experts Group phase 2) 国際標準化機関(Internatinal Standard) 1995
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年HDTVを超える解像度をもつ大画面映像の撮像システムや、表示システムが開発されている。このような撮像システムにおいては、1つの大画面映像を複数の矩形の領域に分割し、それぞれの分割領域の映像を既存の映像フォーマット信号にのせて出力するものが多い。また、表示システムについても、大画面映像の各分割領域の映像信号がのった既存の映像フォーマットの分割映像信号を表示システムに入力し、分割映像を繋ぎ合わせて1つの大画面映像を表示するものが多い。
このような大画面映像を符号化・伝送・復号する際に、大画面映像の各分割映像信号が、既存の映像フォーマット信号であるため、既存の映像フォーマット信号に対応した映像符号化・復号装置を用いて各分割映像信号の符号化・伝送・復号を行なうことができる。
【0007】
しかしこの際に、前述のように、各分割映像において有意な画素の領域境界とマクロブロック境界が一致していない部分が存在した場合、有意な画素領域外のパターンが有意な画素領域に侵食したような符号化劣化が発生する。そして、その領域境界が大画面映像を構成する他の分割映像との境界であった場合、分割映像を繋ぎ合わせて大画面映像を表示した際に、その劣化が画面内の分割境界に沿って非常に良く目立つという問題が発生する。
【0008】
このような問題を解決する本発明とは異なる手段としては、パディングによる方法がある。符号化対象領域内の有意画素領域以外の非有意画素領域の各画素について、その画素から最も近い有意画素領域の画素の画素値をコピーする方法があり、このような方法をパディングという。
【0009】
この方法については、非有意画素領域の各画素について、はじめに有意画素領域の境界の画素の画素値を水平方向にコピーしていき、それが終わった後、垂直方向に画素値をコピーしていく方法や、その逆順で行なう方法など、いくつかの方法がある。このような処理を行なってから、符号化を行なうことで、有意画素領域と非有意画素領域の境界付近における画素値の値が連続的な値となり、有意画素領域画像の境界内の映像パターンに境界外の映像パターンが侵食し、視覚的に劣化が目立つという現象を減じることができる。また、復号後は、パディングされた非有意画素領域のデータはそれ以降の処理で参照されないのが一般的であるので、改めて黒データで起きかえるなどの処理は行なわないことが多い。しかし、この方法は、パディング処理が行なわれた非有意画素領域の水平方向もしくは垂直方向の交流成分がないなど、有意画素領域内の画像パターンとは本質的に異なるため、対象画像内と対象画像外の画像は必ずしも同様の性質を持った画像ではないため、対象画像内の符号化パターンもその影響を受け、やや不自然なパターンと成る場合がありうる。
【0010】
また、大画面映像の分割映像を通常の方法で符号化し、分割映像の有意画素領域の境界が符号化ブロックの境界が一致していない境界が存在し、その境界が他の分割領域との隣接境界である場合、復号された分割映像の有意画素領域を取り出し、それらを連結して大画面映像を生成した場合に、分割領域の隣接境界の両側の符号化ブロックは、その一部が非有意画素領域として廃棄されているため、他の領域のブロックサイズに比べ小さくなっており、画面全体を見た場合、隣接境界付近だけブロックサイズが不連続となっている。
符号化の画質があまり良くない場合、ブロックノイズと呼ばれる符号化ブロックサイズのブロック状の画質劣化が生じるが、規則的なサイズのブロックノイズが生じる場合に比べ、隣接境界付近に生じる非連続なサイズのブロックノイズは良く目立つという性質があり、視覚上良くない。また、このような問題はパディングを利用した方法を用いた場合についても生じてしまう。
【0011】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、分割映像の有意画素領域の境界のうち、他の分割映像と隣接する境界が、符号化劣化の影響を大きく受けることなく、鮮明な復号映像が得られる映像符号化装置及び映像復号化装置及びその方法並びにそのプログラムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の課題を解決すべくなされたもので、請求項1に記載の発明は、画面映像を複数の矩形領域に分割して得られる複数の分割映像を符号化する映像符号化方法において、前記分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該分割映像をシフトし、符号化することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の映像符号化方法によって符号化された分割映像を復号化し、該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、画面映像を複数の矩形領域に分割して得られる複数の分割映像を符号化する映像符号化装置において、前記分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように当該分割映像をシフトさせる映像シフト部と、該シフトさせた分割画像を符号化する映像符号化部とを具備することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の映像符号化装置によって符号化された分割映像を復号化する映像復号化部と、該復号化した分割映像を該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力する映像シフト部とを具備することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、前記分割映像は、インタレース映像であり、該分割映像の上端が、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接しており、かつ、該分割映像の有意画素領域の最上端のラインが、インタレース映像の第2フィールドに相当するラインである場合、または、該分割映像の下端が、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接しており、かつ、該分割映像の有意画素領域の最下端のラインが、インタレース映像の第1フィールドに相当するラインである場合、該分割映像の符号化において、トップフィールドが第2フィールドであり、ボトムフィールドが第一フィールドとみなすことを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、前記分割映像は、インタレース映像であり、前記映像符号化部は、前記シフトさせた分割画像の上端が、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接しており、かつ、該分割映像の有意画素領域の最上端のラインが、インタレース映像の第2フィールドに相当するラインである場合、または、前記シフトさせた分割画像の下端が、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接しており、かつ、該分割映像の有意画素領域の最下端のラインが、インタレース映像の第1フィールドに相当するラインである場合、該分割映像の符号化において、トップフィールドが第2フィールドであり、ボトムフィールドが第一フィールドとみなして、前記シフトさせた分割画像を符号化することを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、画面映像を水平方向、垂直方向にそれぞれ2分割して得られる、左上、左下、右上、右下の4つの分割映像を符号化する映像符号化方法において、それぞれの分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界について、前記左上の分割映像の右端と下端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該左上の映像をシフトし、前記右上の分割映像の左端と下端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該右上の映像をシフトし、前記左下の分割映像の右端と上端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該左下の映像をシフトし、前記右下の分割映像の左端と上端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該右下の映像をシフトし、該4つの分割映像を符号化することを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明は、画面映像を水平方向、垂直方向にそれぞれ2分割して得られる左上、左下、右上、右下の4つの分割映像を符号化する映像符号化装置において、各分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界について、前記左上の分割映像の右端と下端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該左上の映像をシフトさせる第1の映像シフト部と、該シフトさせた左上の分割画像を符号化する第1の映像符号化部と、前記右上の分割映像の左端と下端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該右上の映像をシフトさせる第2の映像シフト部と、該シフトさせた右上の分割画像を符号化する第2の映像符号化部と、前記左下の分割映像の右端と上端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該左下の映像をシフトさせる第3の映像シフト部と、該シフトさせた左下の分割画像を符号化する第3の映像符号化部と、前記右下の分割映像の左端と上端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該右下の映像をシフトさせる第4の映像シフト部と、該シフトさせた右下の分割画像を符号化する第4の映像符号化部とを具備することを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の発明は、前記分割映像をシフトさせるシフト量は、前記分割映像の有意画素領域及び非有意画素領域を判定し、該判定した有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように決定されることを特徴とする。
【0021】
請求項10に記載の発明は、前記映像シフト部は、さらに、前記分割映像の有意画素領域及び非有意画素領域を判定し、該判定した有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように、前記分割映像をシフトさせるシフト量を決定することを特徴とする。
【0022】
請求項11に記載の発明は、前記分割映像の符号化時に、前記決定されるシフト量を、当該分割映像の符号化により生成されるビットストリームのユーザ領域に書きこむことを特徴とする。
【0023】
請求項12に記載の発明は、請求項9に記載の映像符号化方法によって符号化された分割映像を復号化し、前記ビットストリームのユーザ領域より、前記シフト量を読み出し、該シフト量に基づいて、該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力することを特徴とする。
【0024】
請求項13に記載の発明は、前記映像符号化部は、さらに、前記分割映像の符号化時に、前記決定されるシフト量を、当該分割映像の符号化により生成されるビットストリームのユーザ領域に書きこむことを特徴とする。
【0025】
請求項14に記載の発明は、前記映像復号化部は、請求項10に記載の映像符号化装置によって符号化された分割映像を復号化し、前記ビットストリームのユーザ領域より、前記シフト量を読み出し、該シフト量に基づいて、該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力することを特徴とする。
【0026】
請求項15に記載の発明は、画面映像を複数の矩形領域に分割して得られる複数の分割映像を符号化する処理をコンピュータに実行させるための映像符号化プログラムであって、前記分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように当該分割映像をシフトさせる処理と、該シフトさせた分割画像を符号化する処理とをコンピュータに実行させるための映像符号化プログラムである。
【0027】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の映像符号化プログラムをコンピュータが実行することによって、符号化された分割映像を復号化する処理と、該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力する処理とをコンピュータに実行させるための映像復元化プログラムである。
【0028】
請求項17に記載の発明は、画面映像を複数の矩形領域に分割して得られる複数の分割映像を符号化する処理をコンピュータに実行させるための映像符号化プログラムを記憶する記憶媒体であって、前記分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように当該分割映像をシフトさせる処理と、該シフトさせた分割画像を符号化する処理とをコンピュータに実行させるための映像符号化プログラムを記憶する記憶媒体である。
【0029】
請求項18に記載の発明は、請求項15に記載の映像符号化プログラムを、コンピュータが実行することによって符号化された分割映像を復号化する処理と、該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力する処理とをコンピュータに実行させるための映像復元化プログラムを記憶する記憶媒体である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の映像符号化方法及び映像復号化方法の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1、図2は本実施形態の映像符号化方法のフローチャート及び図3、図4は本実施形態の映像復号化方法のフローチャートである。本実施形態の映像符号化方法及び映像復号化方法では、図5に示す、1つの大画面映像を構成する田の字型に配置された4つの1080iフォーマットの分割映像a〜dを符号化及び復号化する。
【0031】
まず左上の分割映像a及び右上の分割映像bを符号化する処理の流れについて説明する。
まず、左上の分割映像a及び右上の分割映像bの符号化処理開始を受けて、左上の分割映像a、右上の分割映像bを入力する(図1のステップS1)。
次に、左上の分割映像a及び右上の分割映像bについて、MPEG−2のインタレース映像の符号化領域の垂直方向画素サイズが32の倍数である必要に基づいて、1080iフォーマット映像、つまり有効領域画素が1080ラインである分割映像a及び分割映像bの上部に、さらに、8ラインを付加する(ステップS2)。このとき、付加される8ラインに入れる画素データは、任意であるが、本実施形態ではこの8ラインの画素は黒一色で埋められるものとする。
次に、8ラインが付加されて、32の倍数となった1088ラインとなった分割映像a及び分割映像bをMPEG−2で符号化する(ステップS3)。
すなわち、図6に示すように、入力された分割映像a及び分割映像bの有効画素である有意な画素は、1088ラインの符号化領域のうち、分割映像a及び分割映像bの下端より1080ラインに配置されて、符号化される。
このMPEG―2で符号化された1088ラインの分割映像a及び分割映像bは、符号化ストリームa、符号化ストリームbとして出力される(ステップS4)。
【0032】
次に左下の分割映像c及び右下の分割映像dを符号化する処理の流れについて説明する。
まず、左下の分割映像c及び右下の分割映像dの符号化処理開始を受けて、左下の分割映像c、右下の分割映像dを入力する(図2のステップS11)。
次に、左下の分割映像c及び右下の分割映像dについて、MPEG−2のインタレース映像の符号化領域の垂直方向画素サイズが32の倍数である必要に基づいて、1080iフォーマット映像、つまり有効領域画素が1080ラインである分割映像c及び分割映像dの下部に、さらに、8ラインを付加する(ステップS12)。このとき、付加される8ラインに入れる画素データは、任意であるが、本実施形態ではこの8ラインの画素は黒一色で埋められるものとする。
次に、8ラインが付加されて、32の倍数となった1088ラインとなった分割映像c及び分割映像dをMPEG−2で符号化する(ステップS13)。
すなわち、図6に示すように、入力された分割映像c及び分割映像dの有効画素である有意な画素は、1088ラインの符号化領域のうち、分割映像c及び分割映像dの上端より1080ラインに配置されて、符号化される。
このMPEG―2で符号化された1088ラインの分割映像c及び分割映像dは、符号化ストリームc、符号化ストリームdとして出力される(ステップS14)。
【0033】
次に、左上の分割映像a及び右上の分割映像bを復号化する処理の流れについて説明する。
まず、符号化ストリームa、符号化ストリームbの復号化処理開始を受けて、符号化ストリームa、符号化ストリームbを入力する(図3のステップS31)。
次に、この符号化ストリームa、符号化ストリームbを復号化し(ステップS32)、復号化によって得られる1088ラインの分割映像a及び分割映像bの上部の8ラインを廃棄する(ステップS33)。
そして、この8ライン破棄により、1080ラインとなった1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bを出力する(ステップS34)。
【0034】
この分割映像a及び分割映像bの出力映像と、符号化前の分割映像a及び分割映像bの入力映像とを比較した場合、分割映像a及び分割映像bにおける有効画素の位置関係は符号化・復号化の前後で変化しない。
また、分割映像a及び分割映像bにおける、画面最下端および画面左右端の画面境界は、符号化前及び符号化時のブロック境界と一致している。
このため、画面最下端および画面左右端の画面境界に、境界外のパターンが侵食したように見える大きな画質劣化を防ぐことができるため、鮮明な境界の画像を得ることができる効果が得られる。
【0035】
次に、左下の分割映像c及び右下の分割映像dを復号化する処理の流れについて説明する。
まず、符号化ストリームc、符号化ストリームdの復号化処理開始を受けて、符号化ストリームc、符号化ストリームdを入力する(図4のステップS41)。
次に、この符号化ストリームc、符号化ストリームdを復号化し(ステップS42)、復号化によって得られる1088ラインの分割映像c及び分割映像dの下部の8ラインを廃棄する(ステップS43)。
そして、この8ライン破棄により、1080ラインとなった1080iフォーマットの分割映像c及び分割映像dを出力する(ステップS44)。
【0036】
この分割映像c及び分割映像dの出力映像と、符号化前の分割映像c及び分割映像dの入力映像とを比較した場合、分割映像c及び分割映像dにおける有効画素の位置関係は符号化・復号化の前後で変化しない。
また、分割映像c及び分割映像dにおける、画面上端および画面左右端の画面境界は、符号化前及び符号化時のブロック境界と一致している。
このため、画面最下端および画面左右端の画面境界に、境界外のパターンが侵食したように見える大きな画質劣化を防ぐことができるため、鮮明な境界の画像を得ることができる効果が得られる。
【0037】
以上説明したように、復号化した、左上の分割映像a、右上の分割映像b、左下の分割映像c、右下の分割映像dの4つの分割映像を表示システムに入力する場合、4つの映像の有効領域を連結して表示させた際に、大画面の分割の境界、すなわち、左上の分割映像aと右上の分割映像bとの境界、左下の分割映像cと右下の分割映像dとの境界、左上の分割映像aと左下の分割映像cとの境界、及び右上の分割映像bと右下の分割映像dとの境界の4つの境界において、目立った画質劣化を防ぐことができるという効果を得ることができる。
【0038】
次に図面を参照して本発明の映像符号化方法及び映像復号化方法の第2の実施形態について図面を参照して説明する。図7、図8は本実施形態の映像符号化方法のフローチャート及び図9、図10は本実施形態の映像復号化方法のフローチャートである。本実施形態の映像符号化方法及び映像復号化方法では、第1実施形態の映像符号化方法及び映像復号化方法と同様に、図5に示す、1つの大画面映像を構成する田の字型に配置された4つの1080iフォーマットの分割映像a〜dを符号化及び復号化する。
【0039】
まず左上の分割映像a及び右上の分割映像bを符号化する処理の流れについて説明する。
まず、左上の分割映像a及び右上の分割映像bの符号化処理開始を受けて、1080iフォーマットの左上の分割映像a、右上の分割映像bを入力する(図7のステップS51)。
次に、この入力された1080iフォーマットの分割映像a、分割映像bの有効画素データを上に8ライン分だけシフトする(ステップS52)。
このとき、分割映像a、分割映像bの有効画素データの上部8ラインは有効領域から外れるため、廃棄される。
【0040】
次に、分割映像a及び分割映像bについて、MPEG−2のインタレース映像の符号化領域の垂直方向画素サイズが32の倍数である必要に基づいて、シフトにより、有効領域画素が1072ラインとなった分割映像a及び分割映像bの下部に、さらに、16ラインを付加する(ステップS53)。このとき、シフトされた後の映像の下部16ラインとして付加される画素データは、任意であるが、本実施形態では、この16ラインの画素は黒一色で埋められるものとする。
次に、16ラインが付加されて、32の倍数となった1088ラインとなった分割映像a及び分割映像bをMPEG−2で符号化する(ステップS54)。
すなわち、図11に示すように、入力された分割映像a及び分割映像bの有効画素である有意な画素は、1088ラインの符号化領域のうち、分割映像a及び分割映像bの上端より1072ラインに配置されて、符号化される。
このMPEG―2で符号化された1088ラインの分割映像a及び分割映像bは、符号化ストリームa、符号化ストリームbとして出力される(ステップS4)。
【0041】
次に左下の分割映像c及び右下の分割映像dを符号化する処理の流れについて説明する。
まず、左下の分割映像c及び右下の分割映像dの符号化処理開始を受けて、1080iフォーマットの左下の分割映像c、右下の分割映像dを入力する(図8のステップS61)。
次に、分割映像c及び分割映像dについて、MPEG−2のインタレース映像の符号化領域の垂直方向画素サイズが32の倍数である必要に基づいて、1080iフォーマット映像の分割映像c及び分割映像dの下部に、さらに、8ラインを付加する(ステップS62)。このとき、シフトされた後の映像の下部8ラインとして付加される画素データは、任意であるが、本実施形態では、この8ラインの画素は黒一色で埋められるものとする。
【0042】
次に、8ラインが付加されて、32の倍数となった1088ラインの分割映像c及び分割映像dをMPEG−2で符号化する(ステップS63)。
すなわち、図11に示すように、入力された分割映像c及び分割映像dの有効画素である有意な画素は、1088ラインの符号化領域のうち、分割映像c及び分割映像dの上端より1080ラインに配置されて、符号化される。
このMPEG―2で符号化された1088ラインの分割映像c及び分割映像dは、符号化ストリームc、符号化ストリームdとして出力される(ステップS64)。
【0043】
次に、左上の分割映像a及び右上の分割映像bを復号化する処理の流れについて説明する。
まず、符号化ストリームa、符号化ストリームbの復号化処理開始を受けて、符号化ストリームa、符号化ストリームbを入力する(図9のステップS71)。
次に、この符号化ストリームa、符号化ストリームbを復号化し(ステップS72)、復号化によって得られる1088ラインの分割映像a及び分割映像bの下部の8ラインを廃棄する。そして、この8ライン破棄により、1080ラインとなった1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bを下に8ライン分だけシフトし(ステップS73)、1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bの上部に8ラインを付加する。このとき、シフトした後の映像の上8ライン部分に入れる画素データは任意だが、ここでは黒一色で埋められるものとする。
そして、さらに、分割映像a及び分割映像bの下部の8ラインを廃棄し(ステップS74)、有意な画素領域が分割映像a及び分割映像bの上端より1072ラインとなった1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bを出力する(ステップS75)。
【0044】
この分割映像a及び分割映像bの出力映像と、符号化前の分割映像a及び分割映像bの入力映像とを比較した場合、上部8ラインが廃棄され黒一色となっているが、分割映像a及び分割映像bにおける、それ以外の有効画素の位置関係は変化していない。
また、分割映像a及び分割映像bにおける、画面下端および画面左右端の画面境界は、符号化前及び符号化時のブロック境界と一致している。
このため、画面最下端および画面左右端の画面境界に、境界外のパターンが侵食したように見える大きな画質劣化を防ぐことができるため、鮮明な境界の画像を得ることができる効果が得られる。
また、このとき有意な画素領域の境界である上端より1072ライン目と1073ライン目の境界は、MPEG−2で符号化する場合、フレームピクチャであれば必ず分割したブロックの境界と一致するため、有意画素領域境界に、境界外が侵食したように見える画質劣化を防ぐことができる効果が得られる。
また、フィールドピクチャであっても、輝度ブロック境界には一致し、422クロマフォーマットの場合は色差ブロック境界にも一致する。
【0045】
次に、左下の分割映像c及び右下の分割映像dを復号化する処理の流れについて説明する。
まず、符号化ストリームc、符号化ストリームdの復号化処理開始を受けて、符号化ストリームc、符号化ストリームdを入力する(図10のステップS81)。
次に、この符号化ストリームc、符号化ストリームdを復号化し(ステップS82)、復号化によって得られる1088ラインの分割映像c及び分割映像dの下部の8ラインを廃棄する(ステップS83)。
そして、この8ライン破棄により、1080ラインとなった1080iフォーマットの分割映像c及び分割映像dを出力する(ステップS84)。
【0046】
この分割映像c及び分割映像dの出力映像と、符号化前の分割映像c及び分割映像dの入力映像とを比較した場合、分割映像c及び分割映像dにおける有効画素の位置関係は符号化・復号化の前後で変化しない。
また、分割映像c及び分割映像dにおける、画面上端および画面左右端の画面境界は、符号化前及び符号化時のブロック境界と一致している。
このため、画面上端および画面左右端の画面境界に、境界外のパターンが侵食したように見える大きな画質劣化を防ぐことができるため、鮮明な境界の画像を得ることができる効果が得られる。
【0047】
以上説明したように、復号化した、左上の分割映像a、右上の分割映像b、左下の分割映像c、右下の分割映像dの4つの分割映像を表示システムに入力する場合、4つの映像の有効領域を連結して表示させた際に、大画面の分割の境界、すなわち、左上の分割映像aと右上の分割映像bとの境界、左下の分割映像cと右下の分割映像dとの境界、左上の分割映像aと左下の分割映像cとの境界、及び右上の分割映像bと右下の分割映像dとの境界の4つの境界において、目立った画質劣化を防ぐことができるという効果を得ることができる。
【0048】
次に図面を参照して本発明の映像符号化方法及び映像復号化方法の第3の実施形態について図面を参照して説明する。図12、図13は本実施形態の映像符号化方法のフローチャート及び図14、図15は本実施形態の映像復号化方法のフローチャートである。図16に示す、1つの大画面映像を構成する田の字型に配置された4つの1920画素×1035ラインのインタレース画像の分割映像a〜dを符号化及び復号化する。
【0049】
まず左上の分割映像a及び右上の分割映像bを符号化する処理の流れについて説明する。
まず、左上の分割映像a及び右上の分割映像bの符号化処理開始を受けて、1035iフォーマットの左上の分割映像a、右上の分割映像bを入力する(図12のステップS91)。ここで、分割映像a及び分割映像bの原映像は1035i映像であるが、入力される1035iフォーマットの分割映像a、分割映像bは、1080iフォーマットの映像信号に乗った状態で与えられるものとする。すなわち、総走査線1125ラインに対する1080i映像と1035i映像の有効領域の相対位置により、1080iフォーマットの有効領域内の第40ラインから第1074ラインに、1035ラインの有意な画像データが配置された状態で与えられるものとする。また、1080iフォーマットの有効領域内の第1ラインから第39ライン、第1075ラインから第1080ラインは、黒一色の信号または制御用データが入っているものとする。なお、1035i映像の有効領域の第1ラインは、時間的に後のフィールドである第2フィールドであり、第1035ラインも同様に第2フィールドであり、上記の1080iフォーマット映像の第40ラインおよび第1074ラインも第2フィールドである。
【0050】
次に、この入力された1035iフォーマットの分割映像a、分割映像bの有効画素データを上に2ライン分だけシフトする(ステップS92)。
このとき、分割映像a、分割映像bの有効画素データの上部の第1ラインと第2ラインは有効領域から外れるため、廃棄される。
【0051】
次に、分割映像a及び分割映像bについて、MPEG−2のインタレース映像の符号化領域の垂直方向画素サイズが32の倍数である必要に基づいて、分割映像a及び分割映像bの下部に、さらに、8ラインを付加する(ステップS93)。このとき、シフトされた後の映像の下部8ラインとして付加される画素データは、任意であるが、本実施形態では、この8ラインの画素は黒一色で埋められるものとする。
次に、8ラインが付加されて、32の倍数となった1088ラインとなった分割映像a及び分割映像bをMPEG−2で符号化する(ステップS94)。
すなわち、図18に示すように、入力された分割映像a及び分割映像bの有効画素である有意な画素は、1088ラインの符号化領域のうち、分割映像a及び分割映像bの上端より38ライン目(1072ライン−1035ライン+1ライン=35ラインより算出)から1072ライン目にかけて配置されて、符号化される。
このMPEG―2で符号化された1088ラインの分割映像a及び分割映像bは、符号化ストリームa、符号化ストリームbとして出力される(ステップS95)。
【0052】
次に左下の分割映像c及び右下の分割映像dを符号化する処理の流れについて説明する。
まず、左下の分割映像c及び右下の分割映像dの符号化処理開始を受けて、1035iフォーマットの左下の分割映像c、右下の分割映像dを入力する(図13のステップS101)。ここで、分割映像c及び分割映像dの原映像は、1035i映像であるが、入力される1035iフォーマットの分割映像c、分割映像dは、上述の分割映像a及び分割映像bと同様に、1080iフォーマットの映像信号に乗った状態で与えられるものとする。
【0053】
次に、この入力された1035iフォーマットの分割映像c、分割映像dの有効画素データを、図18に示すように、上に7ライン分だけシフトし、トップフィールドを第2フィールド、ボトムフィールドを第1フィールドとする1080ラインのインタレース映像を生成する(ステップS102)。
ここでは、空間的にみて上に配置される奇数ラインのフィールドをトップフィールド、空間的にみて下に配置される偶数ラインのフィールドをボトムフィールド、また、時間的に前の映像情報を表すフィールドを第1フィールド、時間的に後の映像情報を表すフィールドを第2フィールドと呼んでいる。
【0054】
このとき、分割映像c、分割映像dの有効画素データの上部7ラインは有効領域から外れるため、廃棄される。
次に、分割映像c及び分割映像dについて、MPEG−2のインタレース映像の符号化領域の垂直方向画素サイズが32の倍数である必要に基づいて、分割映像c及び分割映像dの下部に、さらに、8ラインを付加する(ステップS103)。このとき、シフトされた後の映像の下部8ラインとして付加される画素データは、任意であるが、本実施形態では、この8ラインの画素は黒一色で埋められるものとする。
次に、8ラインが付加されて、32の倍数となった1088ラインとなった分割映像c及び分割映像dをMPEG−2で符号化する(ステップS104)。
この際の符号化モードとして、ボトムフィールドが第1フィールドであるとみなして符号化を行う。
MPEG−2では、トップフィールドが第一フィールドであるか否かを表すフラグが存在するなど、トップフィールドが第一フィールドである場合と、第ニフィールドである場合の符号化復号方法が規定されている。
したがって、ボトムフィールドが第1フィールドであるとみなして符号化を行う場合、フレームピクチャの場合はtop_field_firstがfalse(偽)であるとして符号化を行なう。
また、フィールドピクチャの場合は同じフレームのうちボトムフィールドを先に符号化し、トップフィールドを後に符号化するという方法をとる。
【0055】
すなわち、図17に示すように、入力された分割映像c及び分割映像dの有効画素である有意な画素は、1088ラインの符号化領域のうち、分割映像c及び分割映像dの上端より33ライン目(40ライン−8ライン+1ライン=33ラインより算出)から1068ライン目(32+1035ライン+1ライン=1068ラインより算出)にかけて配置されて、符号化される。
このMPEG―2で符号化された1088ラインの分割映像c及び分割映像dは、符号化ストリームc、符号化ストリームdとして出力される(ステップS105)。
【0056】
次に、左上の分割映像a及び右上の分割映像bを復号化する処理の流れについて説明する。
まず、符号化ストリームa、符号化ストリームbの復号化処理開始を受けて、符号化ストリームa、符号化ストリームbを入力する(図14のステップS111)。
次に、この符号化ストリームa、符号化ストリームbを復号化し(ステップS112)、復号化によって得られる1088ラインの分割映像a及び分割映像bの下部の8ラインを廃棄する。そして、この8ライン破棄により、1080ラインとなった1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bを下に2ライン分だけシフトし(ステップS113)、1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bの上部に2ラインを付加する。このとき、シフトした後の映像の上2ライン部分に入れる画素データは任意だが、ここでは黒一色で埋められるものとする。
そして、さらに、分割映像a及び分割映像bの下部の8ラインを廃棄し(ステップS114)、有意な画素領域が分割映像a及び分割映像bの上端より1072ラインとなった1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bを出力する(ステップS115)。
【0057】
この分割映像a及び分割映像bの出力映像と、符号化前の分割映像a及び分割映像bの入力映像とを比較した場合、上部2ラインが廃棄され黒一色となっているが、分割映像a及び分割映像bにおける、それ以外の有効画素の位置関係は変化していない。
また、分割映像a及び分割映像bにおける、画面最下端および画面左右端の画面境界は、符号化前及び符号化時のブロック境界と一致している。
このため、画面最下端および画面左右端の画面境界に、境界外のパターンが侵食したように見える大きな画質劣化を防ぐことができるため、鮮明な境界の画像を得ることができる効果が得られる。
また、このとき有意な画素領域の境界である上端より1072ライン目と1073ライン目の境界は、MPEG−2で符号化する場合、フレームピクチャであれば必ず分割したブロックの境界と一致するため、有意画素領域境界に、境界外が侵食したように見える画質劣化を防ぐことができる効果が得られる。
また、フィールドピクチャであっても、輝度ブロック境界には一致し、422クロマフォーマットの場合は色差ブロック境界にも一致する。
【0058】
次に、左下の分割映像c及び右下の分割映像dを復号化する処理の流れについて説明する。
まず、符号化ストリームc、符号化ストリームdの復号化処理開始を受けて、符号化ストリームc、符号化ストリームdを入力する(図15のステップS121)。
次に、この符号化ストリームc、符号化ストリームdを復号化し(ステップS122)、復号化によって得られる1088ラインの分割映像c及び分割映像dの下部の8ラインを廃棄する。
そして、この8ライン破棄により、1080ラインのボトムフィールドが第1フィールドとなったインタレース映像である分割映像c及び分割映像dを下に7ライン分だけシフトし、トップフィールドを第1フィールド、ボトムフィールドを第2フィールドとする1080iフォーマット映像を生成する(ステップS123)。
次に、この1080iフォーマットの分割映像c及び分割映像dの上部に7ラインを付加する。このとき、シフトした後の映像の上7ライン部分に入れる画素データは任意だが、ここでは黒一色で埋められるものとする。
次に、さらに、分割映像c及び分割映像dの下部の8ラインを廃棄する(ステップS124)。
そして、上7ラインは黒一色であり、その下に続く1073ラインは符号化前の元の分割映像c及び分割映像dと有効画素領域である1080iフォーマットの分割映像c及び分割映像dを出力する(ステップS125)。
【0059】
この分割映像c及び分割映像dの出力映像と、符号化前の分割映像c及び分割映像dの入力映像とを比較した場合、上部7ラインが廃棄され黒一色となっているが、分割映像c及び分割映像dにおける、それ以外の有効画素の位置関係は変化していない。
また、分割映像c及び分割映像dにおける、画面上端および画面左右端の画面境界は、符号化前及び符号化時のブロック境界と一致している。
このため、画面最下端および画面左右端の画面境界に、境界外のパターンが侵食したように見える大きな画質劣化を防ぐことができるため、鮮明な境界の画像を得ることができる効果が得られる。
また、このとき有意な画素領域の境界である下端より上端より32ライン目と33ライン目の境界は、MPEG−2で符号化する場合、フレームピクチャであれば必ず分割したブロックの境界と一致するため、有意画素領域境界に、境界外が侵食したように見える画質劣化を防ぐことができる効果が得られる。
また、フィールドピクチャであっても、輝度ブロック境界には一致し、422クロマフォーマットの場合は色差ブロック境界にも一致する。
【0060】
以上説明したように、復号化した、左上の分割映像a、右上の分割映像b、左下の分割映像c、右下の分割映像dの4つの分割映像を表示システムに入力する場合、4つの映像の有効領域を連結して表示させた際に、大画面の分割の境界、すなわち、左上の分割映像aと右上の分割映像bとの境界、左下の分割映像cと右下の分割映像dとの境界、左上の分割映像aと左下の分割映像cとの境界、及び右上の分割映像bと右下の分割映像dとの境界の4つの境界において、目立った画質劣化を防ぐことができるという効果を得ることができる。
【0061】
次に、図面を参照して本発明の映像符号化装置及び映像復号化装置の第4の実施形態について図面を参照して説明する。図19は本実施形態の映像符号化装置の構成図及び図20は本実施形態の映像復号化装置の構成図である。本実施形態の映像符号化装置及び映像復号化装置では、図5に示す、1つの大画面映像を構成する田の字型に配置された4つの1080iフォーマットの分割映像a〜dを符号化及び復号化する。
【0062】
図19に示すように、本実施形態の映像符号化装置は、映像シフト部1−a〜1−d、映像符号化部2−a〜2−d、制御部3とから構成される。
映像シフト部1−a〜1−dは、それぞれ分割映像a〜dの映像信号の入力を受けて、予め指定されるシフト量に基づいて、入力される分割映像のシフト処理を行う。
映像符号化部2−a〜2−dは、映像シフト部1−a〜1−dそれぞれが出力する、シフト後の分割映像a〜dの映像信号の入力を受けて、MPEG−2で符号化処理を行う。
制御部3は、映像シフト部1−a〜1−dそれぞれに対して、シフト処理時のシフト量を指定する処理を行う。
【0063】
また、図20に示すように、本実施形態の映像復号化装置は、映像シフト部11−a〜11−d、映像復号化部12−a〜12−d、制御部13とから構成される。
映像復号化部12−a〜12−dは、それぞれ分割映像a〜dの映像信号の入力を受けて、MPEG−2で復号化処理を行う。
映像シフト部11−a〜11−dは、映像復号化部12−a〜12−dそれぞれが出力する、復号化後の分割映像a〜dの映像信号の入力を受けて、予め指定されるシフト量に基づいて、入力される分割映像のシフト処理を行う。
制御部13は、映像シフト部11−a〜11−dそれぞれに対して、シフト処理時のシフト量を指定する処理を行う。
【0064】
次に、本実施形態の映像符号化装置及び映像復号化装置の動作について説明する。
まず、図5に示す画面の左上の分割映像a、右上の分割映像bについて、映像シフト部1−a、映像シフト部1−bは、符号化処理開始を受けて、それぞれ左上の分割映像a、右上の分割映像bを入力する。
次に、映像シフト部1−a、映像シフト部1−bは、制御部3よりシフト量の指定値を受けて、この値に基づいて、入力された1080iフォーマットの分割映像a、分割映像bの有効画素データをシフトする。本実施形態においては、制御部3が予めシフト量を8ライン上と指定しているため、映像シフト部1−a、映像シフト部1−bは、分割映像a、分割映像bの有効画素データを上に8ライン分だけシフトする。
このとき、映像シフト部1−a、映像シフト部1−bは、分割映像a、分割映像bの有効画素データの上部8ラインは有効領域から外れるため、これを廃棄する。
次に、映像シフト部1−a、映像シフト部1−bは、分割映像a、分割映像bについて、MPEG−2のインタレース映像の符号化領域の垂直方向画素サイズが32の倍数である必要に基づいて、シフトにより、有効領域画素が1072ラインとなった分割映像a、分割映像bの下部に、さらに、16ラインを付加し、それぞれ映像符号化部2−a、映像符号化部2−bに対して出力する。
このとき、シフトされた後の映像の下部16ラインとして付加される画素データは、任意であるが、本実施形態では、この16ラインの画素は黒一色で埋められるものとする。
【0065】
映像符号化部2−a、映像符号化部2−bは、この1088ラインとなった分割映像a、分割映像bをMPEG−2で符号化する。
すなわち、映像符号化部2−a、映像符号化部2−bは、図11に示すように、入力された分割映像a、分割映像bの有効画素である有意な画素を、1088ラインの符号化領域のうち、分割映像a、分割映像bの上端より1072ラインに配置し、符号化する。
符号化後、映像符号化部2−a、映像符号化部2−bは、このMPEG―2で符号化された1088ラインの分割映像a、分割映像bを、それぞれ符号化ストリームa、符号化ストリームbとして出力する。
【0066】
また、図5に示す画面の左下の分割映像c、右下の分割映像dについて、映像シフト部1−c、映像シフト部1−dは、符号化処理開始を受けて、それぞれ左下の分割映像c、右下の分割映像dを入力する。
次に、映像シフト部1−c、映像シフト部1−dは、制御部3よりシフト量の指定値を受けて、この値に基づいて、入力された1080iフォーマットの分割映像c、分割映像dの有効画素データをシフトする。本実施形態においては、制御部3が予めシフト量を0ラインと指定しているため、映像シフト部1−c、映像シフト部1−dは、分割映像c、分割映像dの有効画素データのシフトを行わない。
次に、映像シフト部1−c、映像シフト部1−dは、分割映像c、分割映像dについて、MPEG−2のインタレース映像の符号化領域の垂直方向画素サイズが32の倍数である必要に基づいて、1080iフォーマット映像の分割映像c、分割映像dの下部に、8ラインを付加し、それぞれ映像符号化部2−c、映像符号化部2−dに対して出力する。
このとき、シフトされた後の映像の下部8ラインとして付加される画素データは、任意であるが、本実施形態では、この8ラインの画素は黒一色で埋められるものとする。
【0067】
映像符号化部2−c、映像符号化部2−dは、この1088ラインとなった分割映像c、分割映像dをMPEG−2で符号化する。
すなわち、映像符号化部2−c、映像符号化部2−dは、図11に示すように、入力された分割映像c、分割映像dの有効画素である有意な画素を、1088ラインの符号化領域のうち、分割映像c、分割映像dの下端より1072ラインに配置し、符号化する。
符号化後、映像符号化部2−c、映像符号化部2−dは、このMPEG―2で符号化された1088ラインの分割映像c、分割映像dを、それぞれ符号化ストリームc、符号化ストリームdとして出力する。
【0068】
映像復号化部12−a、映像復号化部12−bは、符号化ストリームa、符号化ストリームbの復号化処理開始を受けて、それぞれ符号化ストリームa、符号化ストリームbを入力する。
次に、映像復号化部12−a、映像復号化部12−bは、この符号化ストリームa、符号化ストリームbを復号化し、復号化によって得られる1088ラインの分割映像a、分割映像bの下部の8ラインをそれぞれ廃棄する。
そして、映像復号化部12−a、映像復号化部12−bは、この8ライン破棄により、1080ラインとなった1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bを映像シフト部11−a、映像シフト部11−bに対して出力する。
【0069】
映像シフト部11−a、映像シフト部11−bは、制御部13よりシフト量の指定値を受けて、この値に基づいて、入力された1080iフォーマットの分割映像a、分割映像bの有効画素データをシフトする。本実施形態においては、制御部13が予めシフト量を下に8ラインと指定しているため、映像シフト部11−a、映像シフト部11−bは、この分割映像a、分割映像bを下に8ライン分だけそれぞれシフトし、1080iフォーマットの分割映像a及び分割映像bの上部に8ラインを付加する。
このとき、シフトした後の映像の上8ライン部分に入れる画素データは任意だが、ここでは黒一色で埋められるものとする。
そして、映像シフト部11−a、映像シフト部11−bは、さらに、分割映像a及び分割映像bの下部の8ラインを廃棄し、有意な画素領域が分割映像a及び分割映像bの上端より1072ラインとなった1080iフォーマットの分割映像a、分割映像bを出力する。
【0070】
この分割映像a及び分割映像bの出力映像と、符号化前の分割映像a及び分割映像bの入力映像とを比較した場合、上部8ラインが廃棄され黒一色となっているが、分割映像a及び分割映像bにおける、それ以外の有効画素の位置関係は変化していない。
また、分割映像a及び分割映像bにおける、画面下端および画面左右端の画面境界は、符号化前及び符号化時のブロック境界と一致している。
このため、画面最下端および画面左右端の画面境界に、境界外のパターンが侵食したように見える大きな画質劣化を防ぐことができるため、鮮明な境界の画像を得ることができる効果が得られる。
また、このとき有意な画素領域の境界である上端より1072ライン目と1073ライン目の境界は、MPEG−2で符号化する場合、フレームピクチャであれば必ず分割したブロックの境界と一致するため、有意画素領域境界に、境界外が侵食したように見える画質劣化を防ぐことができる効果が得られる。
また、フィールドピクチャであっても、輝度ブロック境界には一致し、422クロマフォーマットの場合は色差ブロック境界にも一致する。
【0071】
映像復号化部12−c、映像復号化部12−dは、符号化ストリームc、符号化ストリームdの復号化処理開始を受けて、それぞれ符号化ストリームc、符号化ストリームdを入力する。
次に、映像復号化部12−c、映像復号化部12−dは、この符号化ストリームc、符号化ストリームdを復号化し、復号化によって得られる1088ラインの分割映像c、分割映像dの下部の8ラインをそれぞれ廃棄する。
そして、映像復号化部12−c、映像復号化部12−dは、この8ライン破棄により、1080ラインとなった1080iフォーマットの分割映像c及び分割映像dを映像シフト部11−c、映像シフト部11−dに対して出力する。
映像シフト部11−c、映像シフト部11−dは、制御部13よりシフト量の指定値を受けて、この値に基づいて、入力された1080iフォーマットの分割映像c、分割映像dの有効画素データをシフトする。本実施形態においては、制御部13が予めシフト量を0ラインと指定しているため、映像シフト部11−c、映像シフト部11−dは、この分割映像c、分割映像dをシフトせずに、有意な画素領域が分割映像c及び分割映像dの上端より1072ラインとなった1080iフォーマットの分割映像c、分割映像dを出力する。
【0072】
この分割映像c及び分割映像dの出力映像と、符号化前の分割映像c及び分割映像dの入力映像とを比較した場合、分割映像c及び分割映像dにおける有効画素の位置関係は符号化・復号化の前後で変化しない。
また、分割映像c及び分割映像dにおける、画面上端および画面左右端の画面境界は、符号化前及び符号化時のブロック境界と一致している。
このため、画面上端および画面左右端の画面境界に、境界外のパターンが侵食したように見える大きな画質劣化を防ぐことができるため、鮮明な境界の画像を得ることができる効果が得られる。
【0073】
以上説明したように、復号化した、左上の分割映像a、右上の分割映像b、左下の分割映像c、右下の分割映像dの4つの分割映像を表示システムに入力する場合、4つの映像の有効領域を連結して表示させた際に、大画面の分割の境界、すなわち、左上の分割映像aと右上の分割映像bとの境界、左下の分割映像cと右下の分割映像dとの境界、左上の分割映像aと左下の分割映像cとの境界、及び右上の分割映像bと右下の分割映像dとの境界の4つの境界において、目立った画質劣化を防ぐことができるという効果を得ることができる。
また、本実施形態の映像復号化装置及び映像復号化装置によれば、符号化装置内の映像シフト部から映像符号化部への入力、復号装置内の各復号部から映像シフト部への出力が1080iフォーマットに限られているため、既存の1080i対応の符号化装置、復号装置をそれぞれ各符号化部、各復号部へそのまま適用できる効果が得られる。
【0074】
次に、図面を参照して本発明の映像符号化装置及び映像復号化装置の第5の実施形態について図面を参照して説明する。図21は本実施形態の映像符号化装置の構成図及び図22は本実施形態の映像復号化装置の構成図である。本実施形態の映像符号化装置及び映像復号化装置が第4の実施形態の映像符号化装置及び映像復号化装置と異なる点は、映像符号化装置において、新たに自動判定部4−a〜4−dを設けた点である。
以下、第4実施形態と共通する点については説明を省略し、これと異なる点について説明する。
【0075】
図21に示すように、本実施形態の映像符号化装置は、映像シフト部1−a〜1−d、映像符号化部2−a〜2−d、制御部3、自動判定部4−a〜4−dとから構成される。
自動判定部4−a〜4−dは、制御部3が映像シフト部1−a〜1−dに対して指定するシフト量を算出処理を行う。
【0076】
また、図20に示すように、本実施形態の映像復号化装置は、映像シフト部11−a〜11−d、映像復号化部12−a〜12−d、制御部13とから構成される。
【0077】
次に、本実施形態の映像符号化装置及び映像復号化装置の動作について説明する。
まず、分割映像a〜dについて、自動判定部4−a〜4−dは、符号化処理開始を受けて、それぞれ分割映像a〜dを入力する。
自動判定部4−a〜4−dは、この入力された各チャネルの分割映像a〜dの有意画素領域と非有意画素領域の範囲の判定処理を開始する。
すなわち、自動判定部4−a〜4−dは、まず分割映像a〜dそれぞれの一番上のラインの全ての画素の画素値を検査する。
このとき、ラインの全ての画素の画素値が0であれば、このラインは非有意画素領域であると判定する。
次に、自動判定部4−a〜4−dは、順に下のラインに向かって検査し、検査対象のラインの全ての画素の画素値が0であるという条件が成り立たなくなったラインから下は、有意画素領域であると判定する。
【0078】
また、自動判定部4−a〜4−dは、同様に、一番下のラインの全ての画素の画素値を検査する。
このとき、ラインの全ての画素の画素値が0であれば、このラインは非有意画素領域であると判定する。
次に、自動判定部4−a〜4−dは、順に上のラインに向かって検査し、検査対象のラインの全ての画素の画素値が0であるという条件が成り立たなくなったラインから上は、有意画素領域であると判定する。
【0079】
また、自動判定部4−a〜4−dは、垂直方向の画素の集合(以下、カラムという)についても同様の手順で有意画素領域/非有意画素領域の判定を行う。
すなわち、自動判定部4−a〜4−dは、分割映像a〜dの一番左のカラムの全ての画素の画素値を検査する。
このとき、カラムの全ての画素の画素値が0であれば、このカラムは非有意画素領域であると判定する。
次に、自動判定部4−a〜4−dは、順に右のラインに向かって検査し、検査対象のカラムの全ての画素の画素値が0であるという条件が成り立たなくなったカラムから右は、有意画素領域であると判定する。
【0080】
また、自動判定部4−a〜4−dは、同様に、一番右のカラムの全ての画素の画素値を検査する。
このとき、ラインの全ての画素の画素値が0であれば、このカラムは非有意画素領域であると判定する。
次に、自動判定部4−a〜4−dは、順に左のカラムに向かって検査し、検査対象のカラムの全ての画素の画素値が0であるという条件が成り立たなくなったラインから上は、有意画素領域であると判定する。
【0081】
以上の手順により、自動判定部4−a〜4−dは、フレーム内の矩形の有意画素領域と、それ以外の非有意画素領域とを判定する。
そして、自動判定部4−a〜4−dは、これと同様の手順で数フレーム(例えば90フレーム)に対して検査を行い、有意画素領域、非有意画素領域の位置や大きさが、フレームごとに変動する場合、それを全て包含する矩形の領域を有意画素領域として決定する。
【0082】
具体的には、自動判定部4−a〜4−dは、図23、図24に示すフローチャートに従って、有意画素領域の判定処理を行う。
ここで、水平方向X画素、水平方向Yラインのサイズの映像有効領域の第yライン、第x画素目の画素値(1≦y≦Y、1≦x≦X)をI(x,y)と表すこととし、今、図25に示すように、有意画素の範囲は(L≦x≦R、T≦y≦B)であるとする。
まず自動判定部4−a〜4−dは、初期値y=1、x=1をセットし(図23のステップS200、S201)、I(1、1)が0と等しいか否かを判定する。本実施形態では、I(1、1)=0より(ステップS202でYes)、さらに、x(=1)がX以上であるかを判定する(ステップS203)。ここで、xはX以上ではないので(ステップS203でNo)、xに1を足して、x=2となる(ステップS204)。以下、ステップS202〜S204を、I(x、y)≠0、又は、x=Xとなるまで繰り返す。
【0083】
本実施形態では、第1ラインの画素値は、すべて0なので、x=Xとなった時点で(ステップS203でYes)、y(=1)がY以上であるかを判定する(ステップS205)。ここで、yはY以上ではないので(ステップS205でNo)、yに1を足して、y=2となる(ステップS206)。そして、再度x=1として(ステップS201)、以下、ステップS202〜S204を、I(x、y)≠0、又は、x=Xとなるまで繰り返す。
そして、x=Xとなった時点で(ステップS203でYes)、再度、yに1を足して、y=3とし(ステップS206)、以下、ステップS201〜S206を、I(x、y)≠0となるまで繰り返す。
本実施形態では、x=L、y=Tとなった時点でI(L、T)≠0となり(ステップS202でNo)、このときのyの値をTとする(ステップS207)。
【0084】
次に、自動判定部4−a〜4−dは、初期値y=Y、x=1をセットし(図23のステップS208、S209)、I(1、1)が0と等しいか否かを判定する。本実施形態では、I(1、Y)=0より(ステップS210でYes)、さらに、x(=1)がX以上であるかを判定する(ステップS211)。ここで、xはX以上ではないので(ステップS211でNo)、xに1を足して、x=2となる(ステップS212)。以下、ステップS210〜S212を、I(x、y)≠0、又は、x=Xとなるまで繰り返す。
【0085】
本実施形態では、第Yラインの画素値は、すべて0なので、x=Xとなった時点で(ステップS211でYes)、y(=1)が0以下であるかを判定する(ステップS213)。ここで、yは0以下ではないので(ステップS213でNo)、yから1を引いて、y=Y−1となる(ステップS214)。そして、再度x=1として(ステップS209)、以下、ステップS210〜S212を、I(x、y)≠0、又は、x=Xとなるまで繰り返す。
そして、x=Xとなった時点で(ステップS211でYes)、再度、yから1を引いて、y=Y−2とし(ステップS214)、以下、ステップS209〜S214を、I(x、y)≠0となるまで繰り返す。
本実施形態では、x=L、y=Bとなった時点でI(L、B)≠0となり(ステップS210でNo)、このときのyの値をBとする(ステップS215)。
【0086】
次に、自動判定部4−a〜4−dは、初期値y=1、x=1をセットし(図24のステップS300、S301)、I(1、1)が0と等しいか否かを判定する。本実施形態では、I(1、1)=0より(ステップS302でYes)、さらに、y(=1)がY以上であるかを判定する(ステップS303)。ここで、yはY以上ではないので(ステップS303でNo)、yに1を足して、y=2となる(ステップS304)。以下、ステップS302〜S304を、I(x、y)≠0、又は、y=Yとなるまで繰り返す。
【0087】
本実施形態では、第1カラムの画素値は、すべて0なので、y=Yとなった時点で(ステップS303でYes)、x(=1)がX以上であるかを判定する(ステップS305)。ここで、xはX以上ではないので(ステップS305でNo)、xに1を足して、x=2となる(ステップS306)。そして、再度y=1として(ステップS301)、以下、ステップS302〜S304を、I(x、y)≠0、又は、y=Yとなるまで繰り返す。
そして、y=Yとなった時点で(ステップS303でYes)、再度、xに1を足して、x=2とし(ステップS306)、以下、ステップS301〜S306を、I(x、y)≠0となるまで繰り返す。
本実施形態では、x=L、y=Tとなった時点でI(L、T)≠0となり(ステップS302でNo)、このときのxの値をLとする(ステップS307)。
【0088】
次に、自動判定部4−a〜4−dは、初期値x=X、y=1をセットし(図33のステップS308、S309)、I(X、1)が0と等しいか否かを判定する。本実施形態では、I(X、1)=0より(ステップS310でYes)、さらに、y(=1)がY以上であるかを判定する(ステップS311)。ここで、yはY以上ではないので(ステップS311でNo)、yに1を足して、y=2となる(ステップS312)。以下、ステップS310〜S312を、I(x、y)≠0、又は、y=Yとなるまで繰り返す。
【0089】
本実施形態では、第1カラムの画素値は、すべて0なので、y=Yとなった時点で(ステップS311でYes)、x(=1)が0以下であるかを判定する(ステップS313)。ここで、xは0以下ではないので(ステップS313でNo)、xから1を引いて、x=X−1となる(ステップS314)。そして、再度y=1として(ステップS309)、以下、ステップS310〜S312を、I(x、y)≠0、又は、y=Yとなるまで繰り返す。
そして、y=Yとなった時点で(ステップS311でYes)、再度、xから1を引いて、x=X−2とし(ステップS314)、以下、ステップS309〜S314を、I(x、y)≠0となるまで繰り返す。
本実施形態では、x=L、y=Bとなった時点でI(L、B)≠0となり(ステップS303)、このときのxの値をLとする(ステップS315)。
【0090】
以上の手順により、自動判定部4−a〜4−dは、有意画素領域情報L、R、T、Bを決定し、これを制御部3へ送る(ステップS316)。
制御部3は、それぞれのチャネルの分割映像a〜dの有意画素領域と非有意画素領域のサイズの情報と、あらかじめ設定されているそれぞれのチャネルが大画面のうちのどの位置の分割領域であるかという情報をもとに、それぞれのチャネルの映像のシフト量を決定する。
このとき、左上の分割映像aのシフト量は、有意画素領域の右端と下端の境界が符号化時の符号化ブロック境界と一致するようなシフト量とする。
また、右上の分割映像bのシフト量は、有意画素領域の左端と下端の境界が符号化時の符号化ブロック境界と一致するようなシフト量とする。
また、左下の分割映像cのシフト量は、有意画素領域の右端と上端の境界が符号化時の符号化ブロック境界と一致するようなシフト量とする。
また、右下の分割映像dのシフト量は、有意画素領域の左端と上端の境界が符号化時の符号化ブロック境界とするようなシフト量とする。
【0091】
具体的には、制御部3は、図26に示すフローチャートに従って、シフト量の判定処理を行う。
すなわち、自動判別器4−a〜4−dから有意画素領域情報L、R、T、Bを受けて(図26のステップS400)、制御部3は、分割映像が左下の画像であれば(ステップS401でYes)、
水平方向シフト量=1−L
垂直方向シフト量=1−T
とする(ステップS402)。また、分割映像が右下の画像であれば(ステップS403でYes)、
水平方向シフト量=X−R
垂直方向シフト量=1−T
とする(ステップS404)。また、分割映像が右上の画像であれば(ステップS405でYes)、
水平方向シフト量=1−L
垂直方向シフト量=Y−B
とする(ステップS406)。また、分割映像が左上の画像であれば(ステップS407でYes)、
水平方向シフト量=X−R
垂直方向シフト量=Y−B
とする(ステップS408)。
そして、以上決定した水平方向シフト量、及び垂直方向シフト量を対応する映像シフト部1−a〜1−d、映像符号化部2−a〜2−dに対して送る(ステップS409)。
【0092】
映像シフト部1−a〜1−dは制御部3が出力するこれらのシフト量に基づいて、分割映像a〜dをそれぞれシフトする。
映像符号化部2−a〜2−dは、シフト後の分割映像a〜dと、上記決定した水平方向シフト量、及び垂直方向シフト量との入力を受けて、この各分割領域映像を符号化し、これによって生成されるビットストリームのユーザ領域に各チャネルのシフト量を埋め込んだ後、これを出力する。
【0093】
映像復号化部12−a〜12−dは、符号化ストリームa〜dの復号化処理開始を受けて、それぞれ符号化ストリームa〜dを入力する。
次に、映像復号化部12−a〜12−dは、この符号化ストリームa〜dを復号化して映像シフト部11−a〜11−dに対して出力するとともに、復号化したビットストリームからユーザ領域から、各チャネルのシフト量を読み出して、制御部13に対してシフト量を指定する。
【0094】
映像シフト部11−a〜11−dは、制御部13よりシフト量の指定値を受けて、この値に基づいて、入力された分割映像a〜dの有効画素データをシフトした後、分割映像a〜dを出力する。
【0095】
以上説明したように、第1から第5の実施形態の動画像符号化・復号化装置によれば、符号化復号された大画面映像の分割映像は、それぞれ互いの分割映像との境界が符号化劣化の影響を大きく受けることなく鮮明であり、これにより、それらの出力された各分割映像を表示システムに入力し、各分割映像の有効領域を連結して表示させた際に、大画面の分割の境界において、特に目立った劣化が生じないという際立った効果を得ることができる。
また、それぞれの分割映像のうち、互いの分割映像に接していない方の有意画素領域境界に関しては符号化劣化の影響を受け、境界が鮮明ではない場合がありうるが、これは大画面映像において、画面の端の部分に相当しているため、通常知覚されにくく実用上大きな問題となることは少ない。
さらに、大画面映像の分割領域境界の付近で、符号化ブロックのサイズが一定で変わらないため、ブロック状の歪みが出た際に目立ちに行くいという効果もある。
【0096】
上述の映像符号化装置及び映像復号化装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した映像符号化及び復号化に関する一連の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、画面映像を複数の矩形領域に分割して得られる複数の分割映像を符号化する映像符号化方法において、分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該分割映像をシフトし、符号化するので、分割映像の有意画素領域の境界のうち、他の分割映像と隣接する境界が、符号化劣化の影響を大きく受けることなく、鮮明な復号映像を得ることができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における、分割映像a、bの映像符号化のフローチャートである。
【図2】第1の実施形態における、分割映像c、dの映像符号化のフローチャートである。
【図3】第1の実施形態における、分割映像a、bの映像復号化のフローチャートである。
【図4】第1の実施形態における、分割映像c、dの映像復号化のフローチャートである。
【図5】1つの大画面映像を4つの1080iフォーマットの分割映像a〜dで構成する様子を示す説明図である。
【図6】第1の実施形態における分割映像a〜dの有意画素領域の配置を示す説明図である。
【図7】第2の実施形態における、分割映像a、bの映像符号化のフローチャートである。
【図8】第2の実施形態における、分割映像c、dの映像符号化のフローチャートである。
【図9】第2の実施形態における、分割映像a、bの映像復号化のフローチャートである。
【図10】第2の実施形態における、分割映像c、dの映像復号化のフローチャートである。
【図11】第2の実施形態における分割映像a〜dの有意画素領域の配置を示す説明図である。
【図12】第3の実施形態における、分割映像a、bの映像符号化のフローチャートである。
【図13】第3の実施形態における、分割映像c、dの映像符号化のフローチャートである。
【図14】第3の実施形態における、分割映像a、bの映像復号化のフローチャートである。
【図15】第3の実施形態における、分割映像c、dの映像復号化のフローチャートである。
【図16】1つの大画面映像を4つの1035iフォーマットの分割映像a〜dで構成する様子を示す説明図である。
【図17】第3の実施形態における分割映像a〜dの有意画素領域の配置を示す説明図である。
【図18】シフト前とシフト後における、マクロブロック境界の位置関係を示す説明図である。
【図19】第4の実施形態における、映像符号化装置の構成図である。
【図20】第4の実施形態における、映像復号化装置の構成図である。
【図21】第5の実施形態における、映像符号化装置の構成図である。
【図22】第5の実施形態における、映像復号化装置の構成図である。
【図23】第5の実施形態における、シフト量算出処理の過程を示すフローチャートである。
【図24】第5の実施形態における、シフト量算出処理の過程を示すフローチャートである。
【図25】第5の実施形態における、有意画素領域の範囲を示す説明図である。
【図26】水平方向シフト量及び垂直方向シフト量の算出処理の過程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1−a〜1−d、11−a〜11−d…映像シフト部
2−a〜2−d…映像符号化部
3、13…制御部
4−a〜4−d…自動判定部
12−a〜12−d…映像復号化部
Claims (18)
- 画面映像を複数の矩形領域に分割して得られる複数の分割映像を符号化する映像符号化方法において、
前記分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該分割映像をシフトし、符号化する
ことを特徴とする映像符号化方法。 - 請求項1に記載の映像符号化方法によって符号化された分割映像を復号化し、
該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力する
映像復号化方法。 - 画面映像を複数の矩形領域に分割して得られる複数の分割映像を符号化する映像符号化装置において、
前記分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように当該分割映像をシフトさせる映像シフト部と、
該シフトさせた分割画像を符号化する映像符号化部と
を具備することを特徴とする映像符号化装置。 - 請求項3に記載の映像符号化装置によって符号化された分割映像を復号化する映像復号化部と、
該復号化した分割映像を該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力する映像シフト部と
を具備することを特徴とする映像復号化装置。 - 前記分割映像は、インタレース映像であり、
該分割映像の上端が、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接しており、かつ、該分割映像の有意画素領域の最上端のラインが、インタレース映像の第2フィールドに相当するラインである場合、
または、
該分割映像の下端が、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接しており、かつ、該分割映像の有意画素領域の最下端のラインが、インタレース映像の第1フィールドに相当するラインである場合、
該分割映像の符号化において、トップフィールドが第2フィールドであり、ボトムフィールドが第一フィールドとみなす
ことを特徴とする請求項1に記載の映像符号化方法。 - 前記分割映像は、インタレース映像であり、
前記映像符号化部は、
前記シフトさせた分割画像の上端が、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接しており、かつ、該分割映像の有意画素領域の最上端のラインが、インタレース映像の第2フィールドに相当するラインである場合、
または、
前記シフトさせた分割画像の下端が、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接しており、かつ、該分割映像の有意画素領域の最下端のラインが、インタレース映像の第1フィールドに相当するラインである場合、
該分割映像の符号化において、トップフィールドが第2フィールドであり、ボトムフィールドが第一フィールドとみなして、前記シフトさせた分割画像を符号化する
ことを特徴とする請求項3に記載の映像符号化装置。 - 画面映像を水平方向、垂直方向にそれぞれ2分割して得られる、左上、左下、右上、右下の4つの分割映像を符号化する映像符号化方法において、
それぞれの分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界について、
前記左上の分割映像の右端と下端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該左上の映像をシフトし、
前記右上の分割映像の左端と下端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該右上の映像をシフトし、
前記左下の分割映像の右端と上端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該左下の映像をシフトし、
前記右下の分割映像の左端と上端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該右下の映像をシフトし、
該4つの分割映像を符号化する
ことを特徴とする映像符号化方法。 - 画面映像を水平方向、垂直方向にそれぞれ2分割して得られる左上、左下、右上、右下の4つの分割映像を符号化する映像符号化装置において、
各分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界について、
前記左上の分割映像の右端と下端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該左上の映像をシフトさせる第1の映像シフト部と、
該シフトさせた左上の分割画像を符号化する第1の映像符号化部と、
前記右上の分割映像の左端と下端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該右上の映像をシフトさせる第2の映像シフト部と、
該シフトさせた右上の分割画像を符号化する第2の映像符号化部と、
前記左下の分割映像の右端と上端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該左下の映像をシフトさせる第3の映像シフト部と、
該シフトさせた左下の分割画像を符号化する第3の映像符号化部と、
前記右下の分割映像の左端と上端との境界が、符号化ブロック境界と一致するように、当該右下の映像をシフトさせる第4の映像シフト部と、
該シフトさせた右下の分割画像を符号化する第4の映像符号化部と
を具備することを特徴とする映像符号化装置。 - 前記分割映像をシフトさせるシフト量は、
前記分割映像の有意画素領域及び非有意画素領域を判定し、
該判定した有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように決定される
ことを特徴とする請求項1又は請求項5に記載の映像符号化方法。 - 前記映像シフト部は、さらに、前記分割映像の有意画素領域及び非有意画素領域を判定し、該判定した有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように、前記分割映像をシフトさせるシフト量を決定する
ことを特徴とする請求項3又は請求項6に記載の映像符号化装置。 - 前記分割映像の符号化時に、前記決定されるシフト量を、当該分割映像の符号化により生成されるビットストリームのユーザ領域に書きこむ
ことを特徴とする請求項9に記載の映像符号化方法。 - 請求項9に記載の映像符号化方法によって符号化された分割映像を復号化し、
前記ビットストリームのユーザ領域より、前記シフト量を読み出し、
該シフト量に基づいて、該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力する
ことを特徴とする映像復号化方法。 - 前記映像符号化部は、さらに、前記分割映像の符号化時に、前記決定されるシフト量を、当該分割映像の符号化により生成されるビットストリームのユーザ領域に書きこむ
ことを特徴とする請求項10に記載の映像符号化装置。 - 前記映像復号化部は、請求項10に記載の映像符号化装置によって符号化された分割映像を復号化し、
前記ビットストリームのユーザ領域より、前記シフト量を読み出し、
該シフト量に基づいて、該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力する
ことを特徴とする請求項4に記載の映像復号化装置。 - 画面映像を複数の矩形領域に分割して得られる複数の分割映像を符号化する処理をコンピュータに実行させるための映像符号化プログラムであって、
前記分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように当該分割映像をシフトさせる処理と、
該シフトさせた分割画像を符号化する処理と
をコンピュータに実行させるための映像符号化プログラム。 - 請求項15に記載の映像符号化プログラムをコンピュータが実行することによって、符号化された分割映像を復号化する処理と、
該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力する処理と
をコンピュータに実行させるための映像復元化プログラム。 - 画面映像を複数の矩形領域に分割して得られる複数の分割映像を符号化する処理をコンピュータに実行させるための映像符号化プログラムを記憶する記憶媒体であって、
前記分割映像の有意画素領域と非有意画素領域の境界であって、当該分割映像以外の前記分割映像と隣接する境界が、符号化ブロック境界と一致するように当該分割映像をシフトさせる処理と、
該シフトさせた分割画像を符号化する処理と
をコンピュータに実行させるための映像符号化プログラムを記憶する記憶媒体。 - 請求項15に記載の映像符号化プログラムを、コンピュータが実行することによって符号化された分割映像を復号化する処理と、
該復号化した分割映像の位置をシフト前の位置にシフトして出力する処理と
をコンピュータに実行させるための映像復元化プログラムを記憶する記憶媒体。
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