JP2004206537A - 企業集合体における最適運用方法およびシステム - Google Patents

企業集合体における最適運用方法およびシステム Download PDF

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Abstract

【課題】企業集合体全体として、最も効率的な運用が実現可能な企業集合体における最適運用方法およびシステムを提供する。
【解決手段】一または複数の企業体で得られた一または複数の生成物を他の企業体へ融通した際に、融通相互企業体1A,1Bにおいて総合的メリットが得られるか否かを判定し、総合的メリットが最大となる生成物の融通量(融通量ゼロを含む)を求める統合シミュレーション工程と、融通相互企業体1A,1Bのそれぞれにおいて、求められた融通量と、各企業体で予め設定した生産計画とを基に、融通量の適否を検討する個別シミュレーション工程と、いずれかの企業体に融通量不適が生じたときに、生成物の融通量について調整を行う融通量調整工程と、決定された生成物の融通量に基づいて、融通相互企業体間で生成物の融通を実行する融通実行工程とを備える。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、企業集合体における最適運用方法およびシステムに関する。詳しくは、処理装置によって原料を処理し複数の生成物を生成する複数の企業体を含み、一または複数の企業体で生成された一または複数の生成物を他の企業体で利用可能な企業集合体における最適運用方法およびシステムに関する。とくに、少なくとも2以上の企業体において、各企業体で得られた生成物を相互に融通、利用できる相互融通利用関係にある企業集合体への適用が好適である。
【0002】
【背景技術】
原料を処理装置によって処理し生成物を得る複数の異なる企業体を含む企業集合体、たとえば、石油コンビナートなどにおいて、各企業体で得られる製品などを他の企業体で利用する技術が提案されている。
たとえば、石油精製プラント、重油焚き発電プラント、セメントプラント、製鉄プラントを含む異業種企業体が近接または隣接して設けられたコンビナートにおいて、各企業体プラントの製品、副生産物または廃棄物の一部または全部を他の企業体プラントの燃料、動力源、製品原料として利用する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−19504号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、コンビナートにおいて、ある企業体で得られた製品や副生産物などを他の企業体で利用する場合、従来では、ある企業体において、製品や副生産物の余剰分が生じた場合、その余剰分の範囲内において、他の企業体との間で取引の価格、数量などの調整を行い、調整がまとまったら、その調整範囲内で製品や副生産物の融通を実行するものであった。
そのため、1つの企業体内での経済性などについては、一時的に効率的な運用が想定できるが、企業集合体全体として見た場合、全体としては必ずしも効率的な運用とは言えない事態も生じている。とくに、個々の企業体でのみ効率的な運用を検討しているだけでは、環境条件などの変化に対しても、全体としての効率的な運用は期待できない。
【0005】
本発明の目的は、従来技術の課題を解消し、個々の企業体における事情や制約などを考慮しつつ、企業集合体全体として、最も効率的な運用が実現可能な企業集合体における最適運用方法およびシステムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の企業集合体における最適運用方法は、原料を処理装置によって処理し生成物を得る複数の異なる企業体を含み、一または複数の企業体で得られた一または複数の生成物を他の企業体で利用することができる企業集合体における最適運用方法であって、前記一または複数の企業体で得られた一または複数の生成物を他の企業体へ融通した際に、企業集合体全体として総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求める統合シミュレーション工程と、前記生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体のそれぞれにおいて、前記統合シミュレーション工程によって求められた生成物の融通量と、各企業体で予め設定した生産計画とを基に、生成物の融通量の適否を検討する個別シミュレーション工程と、前記個別シミュレーション工程において、いずれかの企業体が生成物の融通量不適が生じたときに、生成物の融通量について調整を行う融通量調整工程と、前記統合シミュレーション工程または前記融通量調整工程において決定された生成物の融通量に基づいて、生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体との間で生成物の融通を実行する融通実行工程と、を備えることを特徴とする。
ここで、統合シミュレーション工程において、総合的メリットが最大となる生成物の融通量とは、融通量ゼロを含む意味である。つまり、企業集合体全体として、総合的メリットが最大となる条件が、融通量ゼロであれば、統合シミュレーション工程においては融通量ゼロが得られる。
【0007】
この発明によれば、まず、統合シミュレーション工程において、一または複数の企業体で得られた一または複数の生成物を他の企業体へ融通した際に、企業集合体全体として総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求める。たとえば、一の企業体で得られた生成物(半製品、製品に限らず、その企業体では廃棄されるが他で利用可能な物なども含む)を、他の企業体の燃料、動力源、製品原料などとして融通した際に、企業集合体全体として総合利益が得られるか否かを基準に、総合的メリットの有無を判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求める。ここでは、総合的メリットを基準に判断しているため、たとえば、統合シミュレーションの所定対象期間における市場の状況などにより、企業集合体のなかで融通するよりも、外部から調達した方が企業集合体全体として有利と判定される場合などは、融通量ゼロが求められる。
【0008】
次に、個別シミュレーション工程において、前記生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体のそれぞれにおいて、統合シミュレーション工程によって求められた生成物の融通量と、各企業体で予め設定した生産計画とを基に、生成物の融通量の適否を検討する。各企業体においては、予め生産計画が設定されているため、統合シミュレーション工程によって求められた生成物の融通量で生産計画の実行が可能か否かを検証する。この場合、統合シミュレーション工程によって求められた生成物の融通量を重視しつつ、生産計画について実行の可否を検証する。ただし、個別シミュレーション工程は、個々の企業体において検討するものであるため、個々の企業体において、自企業体における事情や制約などを考慮して実行可否を検証する。
【0009】
個別シミュレーション工程において、いずれかの企業体が生成物の融通量不適が生じたときには、つまり、個々の企業体における事情や制約などによって生成物の融通量不適が生じたときには、融通相互企業体間で生成物の融通量について調整を行う(融通量調整工程)。そのため、たとえば、統合シミュレーション工程で融通量がゼロでない解が求められても、個別シミュレーション工程で不適となり、融通量調整工程において融通量ゼロとされる場合もある。逆に、統合シミュレーション工程で融通量ゼロの解が求められても、個別シミュレーション工程で不適となり、融通量調整工程において生成物の融通量が生じる(融通量がゼロでない)場合も生じる。なお、この融通量調整工程において、生成物の融通量が変動した際には、再び、個別シミュレーション工程を行うようにしてもよい。
最後に、融通実行工程において、統合シミュレーション工程または融通量調整工程において決定された生成物の融通量に基づいて、生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体との間で生成物の融通を実行する。
【0010】
従って、一または複数の企業体で得られた一または複数の生成物を他の企業体へ融通した際に、企業集合体全体として総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求め、いわゆる、統合生産計画を策定し、この統合生産計画(生成物の融通量)で、融通相互企業体の生産計画が実行可能か否かを検証したのち、生成物の融通を実行するようにしたので、個々の企業体における生産計画を考慮しつつ、企業集合体全体として、最も効率的な運用を実現できる。しかも、個別シミュレーション工程において、いずれかの企業体が生成物の融通量不適が生じたときに、生成物の融通量について調整を行うようにしたので、個々の企業体の事情や制約も勘案して最終的な生産計画を立案、実行することができる。
【0011】
本発明の最適運用方法において、企業集合体は、少なくとも2以上の企業体において、各企業体で得られた生成物を相互に融通、利用できる相互融通利用関係にあることが望ましい。
この発明によれば、各企業体で得られた生成物を相互に融通、利用する関係にあるから、統合シミュレーション工程において、解を求めるうえでのパターンが広がり、仮に、いずれかの企業体において何らかの制約条件が存在しても、総合的メリットを大きくすることができる。
【0012】
本発明の最適運用方法において、前記統合シミュレーション工程は、予め設定した所定期間において、生成物を融通する側の企業体および生成物を融通される側の企業体における、原料の購入価格および購入数量、生成物の販売価格および販売数量、在庫価格および在庫数量、処理装置の稼働日数、能力、収率、使用原単価を判定パラメータとして、企業集合体全体として総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求めることが好ましい。
この発明によれば、統合シミュレーション工程において、企業集合体体全体として総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求めるにあたって、予め設定した所定期間において、生成物を融通する側の企業体および生成物を融通される側の企業体における、原料の購入価格および購入数量、生成物の販売価格および販売数量、在庫価格および在庫数量、処理装置の稼働日数、能力、収率、使用原単価を基に、判定するよにしたので、企業集合体全体として総合的メリットが得られるか否かの判定および総合的メリットが最大となる生成物の融通量の決定を正確かつ的確に実行できる。
【0013】
本発明の最適運用方法において、前記統合シミュレーション工程は、予め設定した所定期間において、生成物を融通する側の企業体および生成物を融通される側の企業体における、原料の購入価格および購入数量、生成物の販売価格および販売数量、在庫価格および在庫数量、処理装置の稼働日数、能力、収率、使用原単価を判定パラメータとして入力し、企業集合体全体として総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求めるコンピュータを用いて実行されることが好ましい。
この発明によれば、統合シミュレーション工程において、融通相互企業体において総合的メリットが得られるか否かの判定および総合的メリットが最大となる生成物の融通量の決定が、コンピュータを用いて実行されるから、労力をかけるとなく、短時間で正確に判定できる。
【0014】
本発明の最適運用方法において、前記個別シミュレーション工程は、生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体とがそれぞれ個別に、予め設定した所定期間について、各企業体が計画した生産計画を基に、生成物の融通量の適否を検討することが好ましい。
この発明によれば、個別シミュレーション工程において、生成物の融通量の適否を検討するにあたって、生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体とがそれぞれ個別に、予め設定した所定期間について、各企業体が計画した生産計画を基に検討されるから、各企業体における事情を勘案して、生成物の融通量の適否を検討することができる。
【0015】
本発明の最適運用方法において、前記個別シミュレーション工程は、生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体とにおいて、それぞれ個別に、予め設定した所定期間について、各企業体が計画した生産計画および融通量を基に、生成物の融通量の適否を検討するコンピュータを用いて実行されることが好ましい。
この発明によれば、個別シミュレーション工程において、生成物の融通量の適否がコンピュータを用いて実行されるから、労力をかけるとなく、短時間で判定できる。
【0016】
本発明の最適運用方法において、前記融通実行工程で実行されている生成物の融通量に関する情報を、少なくとも生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体とへ表示するモニタリング工程を備えることが好ましい。
ここで、生成物の融通量に関する情報とは、実際に生成物の融通量だけでなく、その生成物を生成している企業体の装置稼働情報、生成品の品質情報や実際の生産量などを含む意味である。また、表示の対象は、融通相互企業体に限らず、企業集合体全体であってもよい。
この発明によれば、少なくとも融通相互企業体において、実行されている生成物の融通量を確認できるから、計画融通量に対する現在の融通量、つまり、計画に対する実績値を把握できる。さらに、生成物の融通量に関する情報として、その生成物を生成している企業体の装置稼働情報や実際の生産量が表示されると、この表示から相手側企業体に余力が生じたか否かの状況変化も確認できるから、たとえば、相手側企業体に余力が生じた場合には生成物の融通量の再調整を経て、より高い総合的メリットの追求も可能である。また、品質情報であれば、品質の変動もチェックできる。
【0017】
本発明の企業集合体における最適運用システムは、原料を処理装置によって処理し複数の生成物を得る複数の異なる企業体を含み、一または複数の企業体で得られた一または複数の生成物を他の企業体で利用することができる企業集合体における最適運用システムであって、前記一または複数の企業体から得られる一または複数の生成物を他の企業体へ融通した際に、企業集合体全体として総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求める統合シミュレーション手段と、前記生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体のそれぞれにおいて、前記統合シミュレーション手段によって求められた生成物の融通量と、各企業体で予め設定した生産計画とを基に、生成物の融通量の適否を検討する個別シミュレーション手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、統合シミュレーション手段において、一または複数の企業体で得られた一または複数の生成物を他の企業体へ融通した際に、少なくとも企業集合体全体として総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求めることができるから、労力をかけることなく、短時間に生成物の融通量を求めることができる。
また、個別シミュレーション手段において、生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体のそれぞれにおいて、統合シミュレーション手段によって求められた生成物の融通量と、各企業体で予め設定した生産計画とを基に、生成物の融通量の適否を検討するから、労力をかけることなく、短時間に生成物の融通量の適否を検証することができる。
従って、一または複数の企業体で得られた一または複数の生成物を他の企業体へ融通した際に、融通相互企業体において総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求め、この生成物の融通量が、融通相互企業体の生産計画を基に適合するか否かを検証したのち、生成物の融通を実行することができるので、個々の企業体の事情や制約を考慮しつつ、企業集合体全体として、最も効率的な運用を実現できる。
【0019】
本発明の最適運用システムは、決定した融通量に基づいて、生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体との間で生成物の融通が行われた際、生成物の融通量に関する情報を、少なくとも生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体とへ表示するモニタリング手段を備え、前記モニタリング手段は、前記生成物の融通量に関する情報を収集、蓄積するモニタリングサーバと、前記各企業体に設置されたモニタリング端末と、これらモニタリングサーバとモニタリング端末とを接続する情報ネットワークとを含んで構成されていることが好ましい。
ここで、生成物の融通量に関する情報とは、実際に生成物の融通量だけでなく、その生成物を生成している企業体の装置稼働情報や実際の生産量などを含む意味である。また、表示の対象は、融通相互企業体に限らず、企業集合体全体であってもよい。
この発明によれば、融通相互企業体において、実行されている生成物の融通量を確認できるから、計画融通量に対する現在の融通量、つまり、計画に対する実績値を把握できる。さらに、生成物の融通量に関する情報として、その生成物を生成している企業体の装置稼働情報や実際の生産量が表示されると、この表示から相手側企業体に余力が生じたか否かの状況変化も確認できるから、たとえば、相手側企業体に余力が生じた場合には生成物の融通量の再調整を経て、より高い総合的メリットの追求も可能である。
【0020】
本発明の最適運用システムは、前記統合シミュレーション手段および前記個別シミュレーション手段が、情報ネットワークを介して接続されていることが好ましい。
この発明によれば、統合シミュレーション手段において、生成物の融通量がで求められると、その融通量が情報ネットワークを介して個別シミュレーション手段に与えることができるから、個別シミュレーション手段において、予め設定した生産計画を基に、生成物の融通量の適否を直ちに検討することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(システム全体の説明)
図1は、本実施形態の企業集合体における最適運用システムを示している。この最適運用システムは、原料を処理装置によって処理し生成物を得る複数の異なる企業体を含み、一または複数の企業体で生成された一または複数の生成物を他の企業体で利用可能な企業集合体における最適運用を実現するシステムであって、ここでは、各企業体で生成された生成物を相互に融通、利用できる複数の企業体を含んだ石油コンビナートにおける最適運用システムの例である。
【0022】
この石油コンビナートは、所定地域内に集合的に配置された複数の企業体、ここでは、石油精製企業体1Aおよび石油化学企業体1Bによって構成されているとともに、これら各企業体1A,1B内に設置された個別シミュレーション・モニタリング端末(コンピュータ)2A,2Bと、統合シミュレーション・モニタリングサーバ3と、これら個別シミュレーション・モニタリング端末2A,2Bおよび統合シミュレーション・モニタリングサーバ(コンピュータ)3を接続する情報ネットワーク4とを備えている。ここで、統合シミュレーション・モニタリングサーバ3は、いずれかの企業体1A,1Bに設置されていてもよく、あるいは、これ以外の場所に設置されていてもよい。情報ネットワーク4とは、石油コンビナート内において、複数の異なる企業体1A,1B間で情報を相互に交信する手段をいう。
【0023】
企業体1A,1Bには、個別シミュレーション・モニタリング端末2A,2Bのほかに、各種処理装置が設置されている。たとえば、企業体1Aには、原料1を処理し留分(生成物)A〜Dを得る主処理装置11Aおよび主処理装置11Aから得られた留分A,B,Dを更に処理する副処理装置12A,13A,14Aなどが設置されている。企業体1Bには、原料を処理し留分(生成物)W〜Zを得る主処理装置11Bおよび主処理装置11Bから得られた留分W,X,Zを更に処理する副処理装置12B,13B,14Bなどが設置されている。
ここでは、企業体1A側の主処理装置11Aから得られた留分Dが企業体B側の製品8の混合材として利用でき、また、企業体B側の主処理装置11Bから得られた留分Yの一部が製品7として企業体1A側へ送られ、企業体1A側の主処理装置11Aで原料2として利用できるようになっている。
【0024】
(個別シミュレーション・モニタリング端末の説明)
個別シミュレーション・モニタリング端末2A,2Bは、表示手段21A,21Bと、入力手段22A,22Bと、記憶手段23A,23Bと、CPUからなる制御手段24A,24Bとを備える。
制御手段24A,24Bは、入力手段22A,22Bから入力された情報や条件に基づいて、各企業体1A,1Bにおける生産計画を個別に作成し、記憶手段23A,23Bに記憶するとともに、統合シミュレーション・モニタリングサーバ3から特定の生成物について融通量が提示されると、予め設定した生産計画を基に、生成物の融通量の適否を検討する。つまり、提示された生成物の融通量で、生産計画が実行可能か否かを検討する。
入力手段22A,22Bから入力された情報や条件としては、たとえば、予め設定した所定期間において、原料の購入価格および購入数量、生成物の販売価格および販売数量、在庫価格および在庫数量、処理装置の稼働日数、能力、収率、使用原単価などをいう。また、生成物の融通量の適否を検討するにあたっては、後述する統合シミュレーション工程によって求められた生成物の融通量を重視しつつ、生産計画の実行の可否を検証する。
【0025】
(統合シミュレーション・モニタリングサーバの説明)
統合シミュレーション・モニタリングサーバ3は、一の企業体から得られる生成物を他の企業体へ融通した際に、企業集合体全体として総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の最適融通量を求めるもので、図2に示すように、表示手段31と、入力手段32と、記憶手段33と、情報ネットワーク4に入出力制御部34を介して接続されたCPUからなる制御手段35とを備える。
記憶手段33には、統合シミュレーション・モニタリングサーバ3を制御するプログラムを記憶したプログラム記憶部331と、企業体1Aからの情報を記憶した石油精製側データベース332と、企業体1Bからの情報を記憶した石油化学側データベース333と、生成物の融通量に関する情報を記憶する融通量データベース334とを備える。
制御手段35は、一の企業体で得られた生成物を、他の企業体の燃料、動力源、製品原料などとして融通した際に、企業集合体全体として統合利益があるか否かを基準に総合的メリットの有無を判定するとともに、統合的メリットが最大となる生成物の融通量を求める。具体的には、石油精製側データベース332に記憶された個別シミュレーション・モニタリング端末2Aからの入力情報(石油精製側データ)と、石油化学側データベース333に記憶された個別シミュレーション・モニタリング端末2Bからの入力情報(石油化学側データ)とに基づいて、総合的メリットの有無を判定するとともに、経済的利益が最大となる生成物の融通量を求める。
【0026】
(運用方法の説明)
本実施形態における運用方法は、図3に示すように、統合シミュレーション工程、個別シミュレーション工程、融通量調整工程、融通実行工程、モニタリング工程の順に行われる。
【0027】
(統合シミュレーション工程)
統合シミュレーション工程では、コンビナートを構成する企業体で得られた生成物を他の企業体へ融通した際に、企業集合体全体として総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求める。ここでは、総合的メリットを基準に判断しているため、たとえば、統合シミュレーションの所定対象期間における市場の状況などにより、企業集合体のなかで融通するよりも、外部から調達した方が企業集合体全体として有利と判定される場合などは、融通量ゼロが求められる。
【0028】
総合的メリットが得られるか否かの判定に際しては、統合シミュレーション・モニタリングサーバ3が、予め設定した所定期間において、生成物を融通する側の企業体および生成物を融通される側の企業体における、原料の購入価格および購入数量、生成物の販売価格および販売数量、在庫価格および在庫数量、処理装置の稼働日数、能力、収率、使用原単価などを判定パラメータとして入力し、つまり、石油精製側データベース332に記憶された石油精製側データと、石油化学側データベース333に記憶された石油化学側データとに基づいて、企業集合体全体として総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求める。
【0029】
たとえば、企業体1A,1Bにおいて、図4に示すように、処理装置が運用されているとする。
企業体1Aにおいては、原料1および原料2が主処理装置11Aによって処理され、留分A,B,C,Dが得られている。留分Aは副処理装置12Aによって処理され製品1として、留分Bは副処理装置13Aによって処理され製品2として、留分Cはそのまま製品3として、留分Dは副処理装置14Aによって処理され製品3として、それぞれ外部(コンビナート外)へ販売されている。なお、原料2は、企業体1Bの主処理装置11Bで得られた留分Yの一部(製品7)が融通されている。
企業体1Bにおいては、原料3が主処理装置11Bによって処理され、留分W,X,Y,Zが得られている。留分Wは副処理装置12Bによって処理され製品5として、留分Xは副処理装置13Bによって処理され製品6として、それぞれ外部へ販売されている。留分Yは、一部(3,000キロリットル)が製品7として企業体1Aの主処理装置11Aに融通(主処理装置11Aの原料2として融通)され、残り(5,000キロリットル)が製品8の混合材として利用されている。留分Zは副処理装置14Bによって処理されたのち、製品8の混合材として利用されている。
このような処理装置の運用状況において、収支計算を行った結果、図5に示す結果であったとする。つまり、企業体1A側では利益が「22,400,000円」、企業体1B側では利益が「54,000,000円」、総合利益(企業体1Aの利益+企業体1Bの利益)が「76,400,000円」とする。
【0030】
この状況から、次の所定期間(たとえば、次の1ヶ月の期間)において、製品3の販売価格が変動(低下)したと仮定する。たとえば、図6に示すように、製品3の販売価格が「11,000円」から「9,000円」に低下したとする。他の条件については変化がなかったとすると、図6に示す運用状況における収支計算は、図7に示す結果となる。つまり、企業体1A側では利益が「13,200,000円」、企業体1B側では利益が「54,000,000円」、総合利益(企業体1Aの利益+企業体1Bの利益)が「67,200,000円」となり、図4の状態に比べ、「9,200,000円」のマイナスである。
【0031】
そこで、統合シミュレーション・モニタリングサーバ3は、次の所定期間(たとえば、次の1ヶ月の期間)において、企業体1A,1Bにおける、原料の購入価格および購入数量、製品1〜8の販売価格および販売数量、在庫価格および在庫数量、処理装置の稼働日数、能力、収率、使用原単価などを判定パラメータとして、融通相互企業体1A,1Bにおいて総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、その総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求める。
その結果、図8に示す解が得られたとする。つまり、企業体1Aの主処理装置11Aから得られた「2000キロリットル」分の留分D(製品4)を企業体1Bの製品8の混合材として融通するとともに、企業体1Bの主処理装置11Bで得られた留分Yの製品7と製品8への分配率を変える(製品7へは「3,000キロリットル」から「4,167キロリットル」へ増加、製品8へは「5,000キロリットル」から「3,833キロリットル」へ減らす)という解が得られたとする。すると、図8に示す運用状況における収支計算は、図9に示す結果となる。つまり、企業体1A側では利益が「14,659,000円」、企業体1B側では利益が「54,666,000円」、総合利益(企業体1Aの利益+企業体1Bの利益)が「69,325,000円」となり、図6の状態に比べ、「2,125,000円」のプラスになる。
このようにして、少なくとも一の企業体で得られた生成物を他の企業体へ融通した際に、融通相互企業体において(企業集合体全体として)総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求める。
【0032】
(個別シミュレーション工程)
個別シミュレーション工程では、生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体のそれぞれにおいて、統合シミュレーション工程によって求められた生成物の融通量と、各企業体で予め設定した生産計画とを基に、生成物の融通量の適否を検討する。
各企業体においては、予め生産計画が設定されているため、統合シミュレーション工程によって生成物の融通量が求められたのち、各企業体1A,1Bの個別シミュレーション・モニタリング端末2A,2Bによって、予め設定した生産計画を基に、生成物の融通量の適否を検討する。つまり、提示された生成物の融通量を個別シミュレーション・モニタリング端末2A,2Bに入力し、生産計画が実行可能か否かを検討する。その際、統合シミュレーション工程によって求められた生成物の融通量を重視しつつ、生産計画について整合性を検証する。
【0033】
(融通量調整工程)
融通量調整工程では、個別シミュレーション工程において、いずれかの企業体が生成物の融通量不適が生じたときに、生成物の融通量について調整を行う。
これには、各企業体1A,1Bの担当者が、個別シミュレーション工程によって得られた結果を持ち寄り、担当者間で生成物の融通量について調整を行う。これによって、生成物の融通量が変動した際には、再び、個別シミュレーション工程を行うようにしてもよい。
【0034】
(融通実行工程)
融通実行工程では、統合シミュレーション工程または前記融通量調整工程において決定された生成物の融通量に基づいて、生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体との間で生成物の融通を実行する。
生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体との間には、生成物を輸送するための配管などが敷設されているため、この配管などを利用して、融通相互企業体間で生成物の融通を実行する。
【0035】
(モニタリング工程)
モニタリング工程では、融通実行工程で実行されている生成物の融通量に関する情報(たとえば、実際の生成物の融通量だけでなく、その生成物を生成している企業体の装置稼働情報、生成物の品質情報や実際の生産量など)を、生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体とへ表示する。
融通相互企業体間において、生成物の融通が実行されると、その生成物の融通量およびその生成物の融通量に関する情報がセンサによって検出され、あるいは、入力手段から入力され、その検出・入力情報が情報ネットワーク4を介して統合シミュレーション・モニタリングサーバ3へ送られ、その統合シミュレーション・モニタリングサーバ3の記憶手段33(融通量データベース334)に更新記憶される。
各企業体1A,1Bの個別シミュレーション・モニタリング端末2A,2Bにおいて、融通量のモニタリングを指令すると、統合シミュレーション・モニタリングサーバ3の記憶手段33(融通量データベース334)に記憶されている融通量およびそれに関する情報(装置稼働情報、生成物の品質情報、生産量など)が表示手段21A,21Bに表示される。たとえば、図10に示すように、企業体1Aから企業体1Bへ融通された製品4の融通量や、企業体1Bから企業体1Aへ融通された製品7の融通量が表示される。その結果、各企業体1A,1Bにおいては、実際に融通されている生成物の融通実績値を把握、確認することができる。
【0036】
従って、本実施の形態によれば、次の作用効果が期待できる。
(1)統合シミュレーション工程において、企業体1A,1Bで得られた生成物を他の企業体1B,1Aへ融通した際に、企業集合体において総合的メリットが得られるか否かの判定を行うとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求め、個別シミュレーション工程において、その融通量で、融通相互企業体の生産計画が実行可能か否かを検証したのち、生成物の融通を実行するようにしので、個々の企業体の生産計画を考慮しつつ、企業集合体全体として、最も効率的な運用を実現できる。しかも、生成物の融通量が、融通相互企業体の生産計画を基に適合するか否かを検証した際、いずれかの企業体が生成物の融通量不適が生じたときに、生成物の融通量について調整を行うようにしたので、個々の企業体1A,1Bの事情や制約なども勘案して生産計画を立案、実行することができる。
【0037】
(2)企業体1Aと企業体1Bとは、各企業体1A,1Bで得られた生成物を相互に融通、利用できる相互融通利用関係にあるから、つまり、複数生成物の相互融通利用関係にあるから、統合シミュレーション工程において、解を求めるうえでのパターンが広がり、仮に、何らかの制約条件が存在しても、総合的メリットを大きくすることができる。しかも、このシミュレーションをコンピュータアルゴリズム(多数の選択枝の中から最適な組み合わせを見つけ出す)を用いて行うので、容易に実現できる。
【0038】
このことを、図11〜図13を用いて説明する。図11は、企業体1A,1B間において、複数の生成物を相互に融通している例である。
企業体1Aにおいては、原料が処理装置15A,16Aによって処理され、留分A',B’が得られている。留分A'は融通品1として企業体1Bの処理装置15Bに融通されている。留分B’は融通品3として企業体1Bの処理装置16Bに融通されている。
企業体1Bにおいては、原料および融通品1が処理装置15Bによって処理され、留分W’が得られている。留分W’は、融通品2として企業体1Aの中間原料1として融通されているとともに、企業体1Bの処理装置16B,17Bに送られている。処理装置16Bにおいて、留分W’および融通品3が処理され、留分X’,Y’が得られている。処理装置17Bにおいて、留分W’が処理され、留分Z’が得られている。留分Y’,Z’は製品11として販売されている。
【0039】
いま、製品11の市況が上昇しており、製品11を増産したいというケースを想定する。
このとき、何らかの事情(たとえば、企業体1Aの事情により処理装置15Aの稼働率を上げられないなど)により、融通品1の数量が制約され十分な量を確保できない場合、従来のシステム(一つの企業体からの余剰品を他の企業体へ融通するケースなど)では融通品1の不足を補う手段がないため、製品11の生産が制限されメリットが得られない(図12の状態参照)。
このような状況に対しても、本実施形態では、複数の生成物について相互融通を行っているため、融通品1に制約があっても、融通品3の融通量を増やすことにより(融通品3の融通量を増やすという統合シミュレーションの解が得られ)、製品11を生産(増産)することができ、総合的メリットを大きくすることができる(図13の状態参照)。
【0040】
(3)統合シミュレーション工程において、企業集合体において総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求めるにあたって、予め設定した所定期間において、生成物を融通する側の企業体および生成物を融通される側の企業体における、原料の購入価格および購入数量、生成物の販売価格および販売数量、在庫価格および在庫数量、処理装置の稼働日数、能力、収率、使用原単価を基に、判定するよにしたので、企業集合体全体として総合的メリットが得られるか否かの判定および総合的メリットが最大となる生成物の融通量の決定を正確かつ的確に実行できる。
【0041】
(4)統合シミュレーション工程において、融通相互企業体において総合的メリットが得られるか否かの判定および総合的メリットが最大となる生成物の融通量の決定が、統合シミュレーション・モニタリングサーバ3を用いて実行されるから、労力をかけるとなく、短時間で正確に判定できる。
【0042】
(5)個別シミュレーション工程において、生成物の融通量の適否を検討するにあたって、生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体とがそれぞれ個別に、予め設定した所定期間について、各企業体が計画した生産計画を基に検討されるから、各企業体における事情や制約条件などを勘案して、生成物の融通量の適否を検討することができる。
(6)しかも、個別シミュレーション工程において、生成物の融通量の適否が個別シミュレーション・モニタリング端末2A,2Bを用いて実行されるから、労力をかけるとなく、短時間で判定できる。
【0043】
(7)融通相互企業体1A,1Bの個別シミュレーション・モニタリング端末2A,2Bにおいて、実際に融通されている生成物の融通量を確認できるから、計画融通量に対する現在の融通量、つまり、計画に対する実績値を把握できる。さらに、生成物の融通量に関する情報として、その生成物を生成している企業体の装置稼働情報、生成品の品質情報、実際の生産量などが表示されると、この表示から相手側企業体に余力が生じたか否かの状況変化も確認できるから、たとえば、相手側企業体に余力が生じた場合には生成物の融通量の再調整を経て、より高い総合的メリットの追求も可能である。
【0044】
(8)本発明の最適運用システムは、統合シミュレーション・モニタリングサーバ3と各企業体1A,1Bの個別シミュレーション・モニタリング端末2A,2Bとが、情報ネットワーク4を介して接続されているから、統合シミュレーション・モニタリングサーバ3において、生成物の融通量がで求められると、その融通量が情報ネットワーク4を介して各企業体1A,1Bの個別シミュレーション・モニタリング端末2A,2Bに与えられるから、企業体1A,1Bの個別シミュレーション・モニタリング端末2A,2Bにおいて、予め設定した生産計画を基に、生成物の融通量の適否を直ちに検討することができる。
【0045】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものでなく、次のような変形例も含む。
たとえば、前記実施形態では、各企業体1A,1B内に設置された個別シミュレーション・モニタリング端末2A,2Bと、統合シミュレーション・モニタリングサーバ3とを情報ネットワーク4を介して接続したシステム構成としたが、これに限らず、図14に示すように構成してもよい。
つまり、統合シミュレーションを実行する統合シミュレーションシステム(コンピュータ)7と、個別シミュレーションを実行する個別シミュレーションシステム(コンピュータ)5A,5Bとが、ネットワークを介することなく、独立的に設けられている。
モニタリング工程を実行するモニタリングシステムは、モニタリングサーバ8と、各企業体1A,1B内に設置されたモニタリング端末6A,6Bと、このモニタリングサーバ8および各モニタリング端末6A,6Bを接続するネットワーク4とから構成されている。
【0046】
統合シミュレーションシステム(コンピュータ)7および個別シミュレーションシステム(コンピュータ)5A,5Bと、モニタリングシステムのモニタリングサーバ8とは、一部に共通のデータ(たとえば、稼働率などの操業情報、在庫情報、価格情報など)を使用するが、ネットワークを通じてリンクされているのではない。従って、データも個別に入力するようになっている。
つまり、統合シミュレーション工程で得られた解(総合的メリットが最大となる生産計画:生成物の融通量など)を個別シミュレーションを行うための制約条件の一つとして個別シミュレーションシステム(コンピュータ)5A,5Bに入力する。
【0047】
また、前記実施形態では、コンビナートを構成する石油精製企業体1Aと石油化学企業体1Bとで最適運用システムを構成した例について説明したが、最適運用システムを構成する企業体の数としては、2以上であれば任意でよく、また、コンビナートを構成する企業体の業種も上記例に限られることなく、他の業種であってもよい。
また、企業集合体内で融通される生成物としては、1種でも、複数種でもよい。融通される生成物が複数の場合、企業体間で相互に融通される形態が好適である。
【0048】
また、統合シミュレーション工程および個別シミュレーション工程において、生成物の融通量を求める対象期間、各企業体における生産計画の実行の可否を検討する対象期間については、1ヶ月、四半期など、各企業体がおかれている外部環境の変化を勘案して、任意に設定するのがよい。必ずしも、定期的でなくてもよく、期間を逐次変更して検討するのが好ましい。
【0049】
また、前記実施形態では、各企業体1A,1Bの全ての処理装置11A〜14A、11B〜14Bを対象に、最も効率的な運用方法について検討していたが、本発明は、コンビナートを構成する各企業体1A,1Bにおいて、生成物などを相互に融通可能な一部の装置を対象として、効率的な運用ができるように統合的に管理するものであってもよく、あるいは、或る企業体の一部の装置と他の企業体の全ての装置を対象として効率的な運用ができるように統合的に管理するものであってもよく、更に、各企業体1A,1Bの全ての処理装置などを統合的に管理するものであってもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、原料を処理装置によって処理し複数の生成物を得る複数の異なる企業体を含み、一または複数の企業体で生成された一または複数の生成物を他の企業体で利用可能な企業集合体において、個々の企業体の事情や制約を考慮しつつ、企業集合体全体として、最も効率的な運用が実現可能な企業集合体における最適運用方法およびシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の最適運用システムの一実施形態を示す図。
【図2】同上実施形態におけるサーバを示すブロック図。
【図3】同上実施形態における運用方法を示すフローチャート。
【図4】同上実施形態において、2つの企業体間での運用状態を示す図。
【図5】図4の運用状態における収支計算結果を示す図。
【図6】図4の運用状態において、製品3の販売価格が変動したときの運用状態を示す図。
【図7】図6の運用状態における収支計算結果を示す図。
【図8】図4の運用状態において、製品3の販売価格が変動したときの融通状態の変化(解)を示す運用状態図。
【図9】図8の運用状態における収支計算結果を示す図。
【図10】同上実施形態において、生成物融通量のモニタリング画面を示す図。
【図11】同上実施形態において、複数の生成物を相互融通する際の運用状態を示す図。
【図12】図11の運用状態において、製品11の市場が上昇したが、融通品1に制約がある場合の運用状態を示す図。
【図13】図11の運用状態において、製品11の市場が上昇したが、融通品1に制約がある場合において、融通品3が増えた運用状態を示す図。
【図14】本発明の最適運用システムの他の実施形態を示す図。
【符号の説明】
1A 石油精製企業体
1B 石油化学企業体
2A,2B 個別シミュレーション・モニタリング端末
3 統合シミュレーション・モニタリングサーバ
4 情報ネットワーク
5A,5B 個別シミュレーション端末
6A,6B モニタリング端末
7 統合シミュレーションサーバ
8 モニタリングサーバ
11A,11B 主処理装置
12A,13A,14A 副処理装置
12B,13B,14B 副処理装置
21A、21B 表示手段
22A,22B 入力手段
23A,23B 記憶手段
24A,24B 制御手段
31 表示手段
32 入力手段
33 記憶手段
34 入出力制御部
35 制御手段

Claims (10)

  1. 原料を処理装置によって処理し生成物を得る複数の異なる企業体を含み、一または複数の企業体で得られた一または複数の生成物を他の企業体で利用することができる企業集合体における最適運用方法であって、
    前記一または複数の企業体で得られた一または複数の生成物を他の企業体へ融通した際に、企業集合体全体として総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求める統合シミュレーション工程と、
    前記生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体のそれぞれにおいて、前記統合シミュレーション工程によって求められた生成物の融通量と、各企業体で予め設定した生産計画とを基に、生成物の融通量の適否を検討する個別シミュレーション工程と、
    前記個別シミュレーション工程において、いずれかの企業体が生成物の融通量不適が生じたときに、生成物の融通量について調整を行う融通量調整工程と、
    前記統合シミュレーション工程または前記融通量調整工程において決定された生成物の融通量に基づいて、生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体との間で生成物の融通を実行する融通実行工程と、
    を備えることを特徴とする企業集合体における最適運用方法。
  2. 請求項1に記載の企業集合体における最適運用方法において、
    前記企業集合体は、少なくとも2以上の企業体において、各企業体で得られた生成物を相互に融通、利用できる相互融通利用関係にあることを特徴とする企業集合体における最適運用方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の企業集合体における最適運用方法において、
    前記統合シミュレーション工程は、予め設定した所定期間において、生成物を融通する側の企業体および生成物を融通される側の企業体における、原料の購入価格および購入数量、生成物の販売価格および販売数量、在庫価格および在庫数量、処理装置の稼働日数、能力、収率、使用原単価を判定パラメータとして、融企業集合体全体として総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求めることを特徴とする企業集合体における最適運用方法。
  4. 請求項3に記載の企業集合体における最適運用方法において、
    前記統合シミュレーション工程は、予め設定した所定期間において、生成物を融通する側の企業体および生成物を融通される側の企業体における、原料の購入価格および購入数量、生成物の販売価格および販売数量、在庫価格および在庫数量、処理装置の稼働日数、能力、収率、使用原単価を判定パラメータとして入力し、企業集合体全体として総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求めるコンピュータを用いて実行されることを特徴とする企業集合体における最適運用方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の企業集合体における最適運用方法において、
    前記個別シミュレーション工程は、生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体とがそれぞれ個別に、予め設定した所定期間について、各企業体が計画した生産計画を基に、生成物の融通量の適否を検討することを特徴とする企業集合体における最適運用方法。
  6. 請求項5に記載の企業集合体における最適運用方法において、
    前記個別シミュレーション工程は、生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体とにおいて、それぞれ個別に、予め設定した所定期間について、各企業体が計画した生産計画を基に、生成物の融通量の適否を検討するコンピュータを用いて実行されることを特徴とする企業集合体における最適運用方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の企業集合体における最適運用方法において、
    前記融通実行工程で実行されている生成物の融通量に関する情報を、少なくとも生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体とへ表示するモニタリング工程を備えることを特徴とする企業集合体における最適運用方法。
  8. 原料を処理装置によって処理し複数の生成物を得る複数の異なる企業体を含み、一または複数の企業体で得られた一または複数の生成物を他の企業体で利用することができる企業集合体における最適運用システムであって、
    前記一または複数の企業体から得られる一または複数の生成物を他の企業体へ融通した際に、企業集合体全体として総合的メリットが得られるか否かを判定するとともに、総合的メリットが最大となる生成物の融通量を求める統合シミュレーション手段と、
    前記生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体のそれぞれにおいて、前記統合シミュレーション手段によって求められた生成物の融通量と、各企業体で予め設定した生産計画とを基に、生成物の融通量の適否を検討する個別シミュレーション手段とを備えることを特徴とする企業集合体における最適運用システム。
  9. 請求項8に記載の企業集合体における最適運用システムにおいて、
    決定した融通量に基づいて、生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体との間で生成物の融通が行われた際、生成物の融通量に関する情報を、少なくとも生成物を融通する側の企業体と生成物を融通される側の企業体とへ表示するモニタリング手段を備え、
    前記モニタリング手段は、前記生成物の融通量に関する情報を収集、蓄積するモニタリングサーバと、前記各企業体に設置されたモニタリング端末と、これらモニタリングサーバとモニタリング端末とを接続する情報ネットワークとを含んで構成されていることを特徴とする企業集合体における最適運用システム。
  10. 請求項8または請求項9に記載の企業集合体における最適運用システムにおいて、
    前記統合シミュレーション手段および前記個別シミュレーション手段は、情報ネットワークを介して接続されていることを特徴とする企業集合体における最適運用システム。
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JP2014024985A (ja) * 2012-07-27 2014-02-06 Jx Nippon Oil & Energy Corp 企業集合体の運用方法
WO2017191672A1 (ja) * 2016-05-02 2017-11-09 株式会社日立製作所 生産計画支援装置、生産計画支援システム、及び生産計画支援方法

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