JP2004205404A - 電磁波シールドにおける漏洩波源位置の特定方法及び装置 - Google Patents

電磁波シールドにおける漏洩波源位置の特定方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電磁波シールドルームの継目や電磁波シールド材料などの電磁波漏洩箇所の特定に際し、複数の電磁波漏洩箇所を一度に特定できると共に比較的簡単な装置構成で正確かつ短時間に電磁波漏洩箇所を特定できるようにする。
【解決手段】電磁波シールドルーム1の室外から電磁波を放射し、室内に設置した複数の素子12を持つ2次元アレーアンテナ11で電磁波シールドの漏洩波源αからの漏洩波を受信し、各素子12で受信された漏洩波の位相差を利用して到来方向推定法(MUSIC法等)により漏洩波の到来方向(到来角θ,φ)を推定し、この到来方向と波源距離Rから漏洩波源位置(x,z)を特定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波シールドルーム等における電磁波の漏洩場所を特定する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、機密情報漏洩の防止やテレビ・ラジオ等の外来電磁波の遮蔽を目的として、電磁波シールドを施す部屋(電磁波シールドルーム)が増加し、さらに大規模化している。シールド工事は、建築物の柱や梁や壁等の主要構造物に関わる躯体工事が完成した時点で着工し、シールド検査により完了する。要求されたシールド性能を満足できない場合は、修復工程として電磁波シールドルーム外部からの電磁波の漏洩場所を特定・修復する工程が必要となる。通常、この期間は工事が中断するため、全体の工期を短縮するためには、修復工程をできるだけ短くすることが要求される。また、大規模な電磁波シールドルームの場合、電磁波の漏洩場所を特定することが極めて困難であり、修復工程に長時間を要するという問題がある。工法等により差はあるが、例えば床面積70m2 程度の電磁波シールドルームでは、1週間程度の修復工程が必要となる。
【0003】
電磁波シールドルームは、要求されるシールド性能に応じて施工方法が異なる。シールドルームを構成するシールド材料の大きさは有限であるため、材料と材料とを繋ぐ継目が必ず存在する。電磁波が漏洩する場所は、通常、これらの継目部分である。継目の代表的な処理工法として、溶接工法やビス止め工法等がある。溶接工法では、溶接金属に「クレーター」と呼ばれる空洞が稀に発生する。クレーターは欠陥であり、溶接金属を貫通していることが多いため、電磁波が漏洩する原因となる。ビス止め工法等では、部屋を有効活用するためシールド層を躯体に沿った形状にすることもあり、シールド材料を折り曲げ加工して柱型や梁型を構成する。このような折り曲げ加工を施した場所では材料にしわが発生しやすいため、継目部分に隙間が発生し電磁波が漏洩する原因となる。また、電磁波シールドルームは、一般事務室としての用途も多いため、窓や空調口等を設ける場合もあり、これらとシールド材料を繋ぐ継ぎ目が多くなる。このように電磁波シールドルームは、様々な場所にシールド材料の継目が存在し、電磁波が漏洩する原因となっていると考えられる。
【0004】
従来から行われている電磁波シールドルームにおける漏洩場所の特定法を図6に示す。電磁波シールドルーム1の外部に設置した送信アンテナ10から内部に向かって電磁波を放射し、電磁波シールドルーム1の内部でダイポールアンテナ等の受信アンテナ50を用いて電磁波シールドパネル2の継目部分3を走査し、その際に受信電界強度が最大となる位置から漏洩場所を特定している。
【0005】
また、本発明に関連する先行技術として、通信機器や雑音電波等の電波発生源の位置を高精度で標定できる技術(特許文献1参照)、電波の発生源を電波画像変換表示装置で容易に探し出せる技術(特許文献2参照)、装置周辺あるいは建物内部の電界強度分布を用いて放射妨害波の漏洩箇所または侵入箇所を探知する技術(特許文献3参照)などがある。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−146352号公報
【特許文献2】
特開平7−260915号公報
【特許文献3】
特開平8−68815号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の受信アンテナを走査して受信電界強度が最大となる箇所を特定する方法では、走査箇所は継目部分全てが対象となり、全ての継目部分を探索するため、電磁波の漏洩場所を修復してからでないと次の漏洩場所を探索できず、漏洩場所が多くなるほど時間を要する。従って、電磁波シールドルームの規模が大きい場合や材料の継目が多い施工法の場合には漏洩位置の特定は非常に困難であった。
【0008】
さらに、電磁波シールドルームの継目に限らず、電磁波シールド材料自体にシールド性能の低下の原因がある場合もあり、この場合には、微小なアンテナを用いて材料全体を走査し、受信される電界強度の高い位置を探索し特定する。この場合も、通常、漏洩波源位置を1箇所特定したら修復し、次の漏洩波源位置を特定するため、電磁波シールド材料の規模が大きい場合には、特定することが非常に困難となる。
【0009】
また、別の特定法として、溶接工法の場合のみに用いられる「スニーファー」と呼ばれる手法がある。これは、評価する面に電流を流すことにより、漏洩場所から磁界を発生させて、その磁界が検出される場所を漏洩場所として特定する手法である。しかし、この手法においても、特定に長時間を要する問題がある。
【0010】
本発明は、前述した従来の問題点を解消すべくなされたもので、その目的は、電磁波シールドルームの継目や電磁波シールド材料などの電磁波漏洩箇所の特定に際し、複数の電磁波漏洩箇所を一度に特定できると共に比較的簡単な装置構成で正確かつ短時間に電磁波漏洩箇所を特定することができる電磁波シールドにおける漏洩波源位置の特定方法及び装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アレーアンテナと到来方向推定アルゴリズムを用いて、電磁波の漏洩場所を同時に複数箇所推定し特定するものである。到来方向推定アルゴリズムには、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification) アルゴリズム等を用いる。対象は、例えば電磁波シールドルームの電磁波シールドパネルの継目あるいは電磁波シールド材料自体であり、例えば電磁波シールドルームの室外に送信アンテナを設置し、電磁波シールドルームの室内に受信用のアレーアンテナを設置し、電磁波シールドパネルの継目あるいは電磁波シールド材料自体からの漏洩波をアレーアンテナで受信する。
【0012】
請求項1に係る発明は、電磁波シールドの外側から電磁波を放射し、電磁波シールドの内側で電磁波シールドからの漏洩波を受信して電磁波シールドの漏洩波源位置を特定する方法であり、電磁波シールドからの漏洩波を複数の素子を持つアレーアンテナで受信し、各素子で受信された漏洩波の位相差を利用して到来方向推定法(MUSIC法等)により漏洩波の到来方向(到来角θ,φ)を推定し、この到来方向から漏洩波源位置を特定することを特徴とする電磁波シールドにおける漏洩波源位置の特定方法である。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の漏洩波源位置の特定方法において、到来方向推定法は、各素子の入力ベクトル(到来波の位相差と振幅を含む)から相関行列を算出する工程と、この相関行列の固有値を求める工程と、この固有値からスペクトラムのピーク位置を求める工程と、このピーク位置から到来方向(到来角θ,φ)を求める工程と、この到来方向と波源面・アレーアンテナ間距離により漏洩波源位置を求める工程からなることを特徴とする電磁波シールドにおける漏洩波源位置の特定方法である。
【0014】
請求項3に係る発明は、電磁波シールドの外側から電磁波を放射し、電磁波シールドの内側で電磁波シールドからの漏洩波を受信して電磁波シールドの漏洩波源位置を特定する装置であり、電磁波シールドの外側に設置される送信アンテナと、電磁波シールドの内側に設置される複数の素子を持つアレーアンテナと、各素子で受信された漏洩波の位相差を利用して到来方向推定法(MUSIC法等)により漏洩波の到来方向(到来角θ,φ)を推定し、この到来方向から漏洩波源位置を特定する演算手段(コンピュータ)を備えていることを特徴とする電磁波シールドにおける漏洩波源位置の特定装置である。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の装置において、演算手段には、各素子の入力ベクトル(到来波の位相差と振幅を含む)から相関行列を算出する機能と、この相関行列の固有値を求める機能と、この固有値からスペクトラムのピーク位置を求める機能と、このピーク位置から到来方向(到来角θ,φ)を求める機能と、この到来方向と波源面・アレーアンテナ間距離により漏洩波源位置を求める機能を有する到来方向推定アルゴリズムが格納されていることを特徴とする電磁波シールドにおける漏洩波源位置の特定装置である。
【0016】
本発明においては、アレーアンテナを用いて電波を受信する際、アレーアンテナの大きさを考慮すると、受信される振幅はほぼ同一であると考えられるため、上記手法を用いる場合には、位相の変化のみを使用して漏洩波源位置の推定を行い、処理を簡略化するのが好ましい。また、MUSIC法等は、通常、到来波が無限遠から到来する場合に用いられ、波源が受信アンテナに近づくほど推定誤差が大きくなるが、波源から受信位置までの波源距離Rが測定周波数の波長λの5倍以上あれば、十分に推定が可能である。
【0017】
以上のような構成において、送信アンテナから任意の周波数で電磁波を放射し、電磁波シールドからの漏洩波をアレーアンテナで受信すると、各素子の配置位置に応じて受信された電磁波の位相が異なる。この位相差に対してMUSIC法等の到来方向推定アルゴリズムを用いると、受信位置に対する電磁波の到来方向、即ち漏洩波源の位置を複数箇所同時に推定することができる。漏洩場所と受信位置の距離が測定周波数の波長の5倍以上あれば、ほぼ正確に推定することができる。このようにして推定された漏洩波の到来方向と、電磁波シールドの重なる位置が電磁波の漏洩波源位置と特定できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する一実施形態に基づいて説明する。この実施形態は、電磁波シールドルームの漏洩波源位置の特定に到来方向推定アルゴリズムとしてMUSIC法を用いた例である。図1(a) ,(b) は、本発明の漏洩波源位置の特定に用いる装置構成の一例と、波源と受信アレーアンテナの構成の一例を示したものである。図2は、本発明で用いる測定装置の一例を示したものである。図3は、MUSICアルゴリズムによる推定方法のフローチャートである。
【0019】
図1(a) に示すように、電磁波シールドルーム1の室外に送信アンテナ10を壁パネルに向けて電磁波を放射可能に設置し、室内に受信アンテナとしてアレーアンテナ11をその受信面を壁パネルに向けて壁パネルと平行になるように設置する。アレーアンテナ11は、素子12が縦横に等間隔をおいて配列された等間隔2次元アレーアンテナを用いる。送信アンテナ10には送信側測定機器13が接続され、任意の周波数で電磁波を放射する。2次元アレーアンテナ11には受信側測定機器14が接続され、漏洩波源αからの漏洩波が受信される。
【0020】
図1(b) に示すように、漏洩波源αを含む波源面βと平行に素子間隔dの2次元アレーアンテナ11が距離Rをおいて配置され、各素子12に入射する漏洩波の位相差を利用して到来方向すなわち到来角(θ,φ)を推定し、これら到来角(θ,φ)と波源距離Rから漏洩波源位置(x,z)を特定する(y=R)。なお、図1(b) において、2次元アレーアンテナ11の受信面をx−z平面とし、座標軸の原点を2次元アレーアンテナ11の中心Oに一致させている。θは、z軸に対する角度、φはx−y平面におけるx軸に対する角度である。
【0021】
図2の測定装置例において、送信アンテナ10から送信される信号がスペクトルアナライザ20を用いて受信され、バンドパスフィルタにより順次周波数変換される。2次元アレーアンテナ11で受信された信号がスペクトルアナライザ21を用いて選択受信され、同様に周波数変換される。これら2つの信号は乗算器により掛け算することにより目的とする全ての周波数成分が所定の周波数に変換され、フィルタにより所定の帯域の信号となる。一方、周波数変換に用いられた2つの局部発信器信号からも同じ周波数の単一信号が生成され、フィルタにより同じ帯域の信号となる。これら2つの信号をネットワークアナライザ22に入力することにより、2次元アレーアンテナ11からの信号の振幅・位相が送信信号との相対的な値として測定される。それらの結果は、データとしてコンピュータ23に転送され、蓄積される。
【0022】
コンピュータ23では、高分解能到来方向推定アルゴリズムの一つである例えばMUSICアルゴリズムを用いて、漏洩波の到来方向すなわち到来角(θ,φ)を推定する。MUSICアルゴリズムによる推定方法の概略を図3のフローチャートを参照して以下に述べる。
【0023】
(1) 初期値を設定する。
(2) 相関行列RXXを計算する。
2次元アレーアンテナ11からの入力ベクトルX(t) は、(1) 式で表せる。
X(t) =AF(t) +N(t) …(1)
ここで、A:方向行列(位相差の方向ベクトルa(θ,φ))、F:ソースベクトル(複素振幅)、N:ノイズベクトル(熱雑音)。
各アレー素子の入力ベクトルX(t) の相関行列RXXは、(2) 式で表せる。
XX=E[X(t) XH (t) ]=ASAH +σ2 I …(2)
ここで、H :複素共役転値、I:単位行列、σ2 :各素子における受信雑音、E[]:期待値。
(3) 相関行列RXXの固有値展開
相関行列の固有値をμとし、対応する固有ベクトルをeとすると、
熱雑音が存在しない場合:ASAH e=μe …(3)
熱雑音が存在する場合:ASAH e+σ2 e=(μ+σ2 )e …(4)
(4) MUSICスペクトラムによる方向サーチ
MUSICスペクトラムSPは、(5) 式で表せる。
SPMU=aH a/aH N N H a …(5)
N =[eL+1, ,R ] …(6)
方向制御ベクトルa(θ,φ)のθ,φを変化させ、信号の到来方向と一致する時、EN H a=0となり、分母が零になり、SP(θ,φ)=∞となるため、鋭いピークを示す。このピーク位置から到来角θ,φが求まる。この到来角θ,φと波源距離Rから漏洩波源位置(x,z)が得られる。
【0024】
なお、2次元アレーアンテナを用いて漏洩波を受信する際、2次元アレーアンテナの大きさを考慮すると、受信される振幅((1) 式のF(t) ) はほぼ同一であると考えられる。そのため、上記手法を用いる場合には、位相(方向ベクトルa(θ,φ))の変化のみを使用して漏洩波源位置の推定を行い、処理を簡略化するのが好ましい。
【0025】
また、MUSICアルゴリズムによる到来方向推定では、通常、十分遠方に存在する電波源から到来する平面波をアレーアンテナで受信することにより、各素子に入射する電波の位相を利用して到来方向を特定している。しかし、本発明のように波源からアレーアンテナまでの距離が近い場合には、各素子から波源までの距離がそれぞれ異なり、等位相面は波源を中心とした球面になると考えられ、アレーアンテナの基準点(中心O)と端部における素子の位相との差が無限距離と比較して大きくなる。その影響は、波源までの距離が近いほど、またアレーアンテナが大きいほど大きくなり、これが原因で推定精度が劣化する。シミュレーションや実験の結果、素子間隔d=0.5λ(λ: 波長)の4素子×4素子の2次元アレーアンテナで波源距離R=5λのとき、漏洩波源をほぼ正確に推定することができた。従って、本発明では、波源距離R≧5λとするのが好ましい。
【0026】
図4は、上記のMUSIC アルゴリズムを用いて、漏洩波の到来方向を推定した結果の1例である。シミュレーションによる推定と実験による推定を行った。実験では、半波長ダイポールアンテナを走査して仮想の2次元アレーアンテナとした。図4は、4素子×4素子で素子間隔d=6.1cm( 0.5λ) の等間隔2次元アレー、周波数2450MHz(λ=12cm) 、波源距離R=61cm(5λ) 、漏洩波源位置が2箇所の場合のMUSICスペクトラムであり(単位はdB、例えば、青→黄→赤と色分けして表示され、中央が赤でピークとなっている)、中央にピーク位置が2つ表示され、このピーク位置から到来角(θ,φ)が得られ、漏洩波源位置(x,z)が求まる。
【0027】
図5は、漏洩波源位置をx軸方向に1cmずつ移動させた場合のシミュレーション結果と実験結果の推定誤差を示したものであり、(a) は漏洩波源位置が1つの場合、(b) は漏洩波源位置が2つの場合である。この図5から、2次元アレーアンテナ11の中心Oから離れるに従って誤差が生じ、また漏洩波源位置が2つの場合にはこの誤差が大きくなることがわかる。
【0028】
通常、漏洩場所に対して修復を行う場合、その場所だけでなく周囲の継目等に対しても修復を行うため、推定誤差があっても、実用上、漏洩場所の修復には十分である。
【0029】
なお、以上は、到来方向推定アルゴリズムにMUSICアルゴリズムを用いた場合を示したが、その他の到来方向推定法でもよい。また、電磁波シールドルームの継目の電磁波漏洩箇所の特定に限らず、電磁波シールド材料自体などの電磁波漏洩箇所の特定にも本発明を適用できることはいうまでもない。
【0030】
【発明の効果】
(1) アレーアンテナと到来方向推定アルゴリズムを用い、漏洩波の位相差から漏洩波源位置を特定するため、一度の測定で複数の漏洩箇所を特定することができる。
(2) 従来の電磁波シールドを走査する方法に比べて、漏洩箇所の探索時間を大幅に短縮することができる。電磁波シールドルームの規模が大きい場合やシールド材料の継目が多い施行法の場合などに特に有効となる。
(3) 床面位置で固定して探索できるため、漏洩箇所を探索するための高所作業を無くすことができ、また複雑な形状の電磁シールドでも一度の測定で複数の漏洩箇所を特定することができる。
(4) 比較的簡単な装置構成で正確かつ短時間に電磁波漏洩箇所を特定することができる。
(5) 電磁波シールド材料自体の漏洩箇所も容易に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の漏洩波源位置の特定に用いる装置構成の一例であり、(a) は装置の配置を示す側面図、(b) は波源と受信アレーアンテナの構成と位置関係を示す斜視図である。
【図2】本発明で用いる測定装置の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明のMUSICアルゴリズムによる推定方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の推定結果の一例を示すグラフである。
【図5】本発明の推定誤差を示すグラフである。
【図6】従来の漏洩場所特定法を示す(a) は斜視図、(b) は電磁波シールドの正面図である。
【符号の説明】
1……電磁波シールドルーム
2……電磁波シールドパネル
3……継目部分
10……送信アンテナ
11……2次元アレーアンテナ
12……素子
13……送信側測定機器
14……受信側測定機器
20……スペクトルアナライザ
21……スペクトルアナライザ
22……ネットワークアナライザ
23……コンピュータ

Claims (4)

  1. 電磁波シールドの外側から電磁波を放射し、電磁波シールドの内側で電磁波シールドからの漏洩波を受信して電磁波シールドの漏洩波源位置を特定する方法であり、電磁波シールドからの漏洩波を複数の素子を持つアレーアンテナで受信し、各素子で受信された漏洩波の位相差を利用して到来方向推定法により漏洩波の到来方向を推定し、この到来方向から漏洩波源位置を特定することを特徴とする電磁波シールドにおける漏洩波源位置の特定方法。
  2. 請求項1に記載の漏洩波源位置の特定方法において、到来方向推定法は、各素子の入力ベクトルから相関行列を算出する工程と、この相関行列の固有値を求める工程と、この固有値からスペクトラムのピーク位置を求める工程と、このピーク位置から到来方向を求める工程と、この到来方向と波源面・アレーアンテナ間距離により漏洩波源位置を求める工程からなることを特徴とする電磁波シールドにおける漏洩波源位置の特定方法。
  3. 電磁波シールドの外側から電磁波を放射し、電磁波シールドの内側で電磁波シールドからの漏洩波を受信して電磁波シールドの漏洩波源位置を特定する装置であり、電磁波シールドの外側に設置される送信アンテナと、電磁波シールドの内側に設置される複数の素子を持つアレーアンテナと、各素子で受信された漏洩波の位相差を利用して到来方向推定法により漏洩波の到来方向を推定し、この到来方向から漏洩波源位置を特定する演算手段を備えていることを特徴とする電磁波シールドにおける漏洩波源位置の特定装置。
  4. 請求項3に記載の装置において、演算手段には、各素子の入力ベクトルから相関行列を算出する機能と、この相関行列の固有値を求める機能と、この固有値からスペクトラムのピーク位置を求める機能と、このピーク位置から到来方向を求める機能と、この到来方向と波源面・アレーアンテナ間距離により漏洩波源位置を求める機能を有する到来方向推定アルゴリズムが格納されていることを特徴とする電磁波シールドにおける漏洩波源位置の特定装置。
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JP2018169256A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 Kddi株式会社 電波測定装置及び電波測定方法

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