JP2004205196A

JP2004205196A - 保冷器具

Info

Publication number: JP2004205196A
Application number: JP2003115797A
Authority: JP
Inventors: Yoshifusa Tsukishiro; 芳房築城
Original assignee: Nakaya Co Ltd
Current assignee: Nakaya Co Ltd
Priority date: 2002-11-06
Filing date: 2003-04-21
Publication date: 2004-07-22

Abstract

【課題】保冷効果が長期間維持でき、簡易な構造で耐久性に優れ、各種飲料や料理に使用することができ、且つ、使用性に優れ、飲み物や料理の味を損なわない保冷器具を提供する。
【解決手段】中空容器１６内に、ゲル状保冷剤１８を充填してなり、底面の周縁部２２にすべり止め部材１７を有することを特徴とする保冷器具１０。中空容器１６を構成する材料としては、金属材料、無機材料及び樹脂材料から選択される硬質材料が好ましく、中空容器１６は、その周縁部１２の高さが、中央部１４の高さよりも高い扁平状に形成されていることが好ましい。また、すべり止め部材１７としては、磁石又は磁性体が好ましい。
【選択図】図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、瓶ビール、缶ビールなどの飲み物や刺身、サラダなどの料理を長時間にわたり、美味しく保つための使用性に優れた保冷器具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
本来、瓶ビール、缶ビールなどの飲み物には飲用に適した温度があり、人の味覚が美味しいと感じるのは、ビールを例に挙げれば３℃〜１０℃と言われている。ビール瓶は大瓶で容量が約６３０ｍｌ程度、缶ビールでも３５０〜５００ｍｌが一般的であり、ゆっくりと飲用するうちにビールの温度が上昇し、泡の腰が弱まったり、美味しいと感じなくなったりする問題があった。また、刺身やサラダも食卓に供されるときには、適温であるが、その後温度が上昇し、食感も鮮度も低下し、特に生物である刺身などは雑菌が繁殖する懸念もあった。
このような飲み物や料理の温度を維持するための工夫が種々なされており、例えば、氷の器やコースターを用いる方法が知られている。しかしながら、経時により解けた氷の水分を処理するため、二重容器等が必要であり、また、水分により刺身やサラダの味が悪くなるという問題があり、現実的ではない。
【０００３】
そこで、家庭でも飲みごろのビールを供するための冷却機能を有する家庭用ビールサーバーが提案されている（例えば、特許文献１参照。）。しかしながら、この装置はボンベに充填した圧搾ガスを利用して樽内のビールを供給するものであり、用途が限定されるとともに、一旦コップに注がれたビールの温度を維持し得るものではなかった。
【０００４】
また、他の簡易な保冷器具として、プラスチックシート間に保冷剤を充填した器具で、ビール瓶などを被覆して保冷する瓶缶類冷し器が知られている（例えば、特許文献２参照。）。この冷し器は簡単な構造で容易に製造できるが、サイズ適合性が十分でないため、容器に合わせて様々なサイズのものを製造しなければならず、また、プラスチックシートの強度が充分ではないため、折り目で破損して保冷剤が流出するなどの破損が起こりやすく、耐久性に問題があった。
また、コースター状の容器の内部に保冷材を充填してなる保冷器具も知られているが、（例えば、特許文献３参照。）経時により表面に水滴が発生し、テーブルとコースターとの間に水分が存在して滑りやすくなり、安定性に欠けるといった問題があった。
【０００５】
【特許文献１】
特開２００２−４６７９９公報
【特許文献２】
実特昭６３−９５０７７号公報
【特許文献３】
特開平１１−３１８６７７号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点を考慮した本発明の目的は、保冷効果が長期間維持でき、簡易な構造で耐久性に優れ、且つ、使用性に優れた保冷器具を提供することにある。本発明の他の目的は、様々な飲み物や料理に使用することができ、飲み物や料理の味を損なわず、繰り返し使用の容易な保冷器具を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明の保冷器具は、金属材料、無機材料及び樹脂材料から選択される硬質材料で構成される中空容器内に、ゲル状保冷剤を充填してなり、底面に、すべり止め部材を有することを特徴とする。
ここで、中空容器は、強度及び耐久性に優れ、外部応力で変形し難い硬質材料からなることが好ましく、ここで用いられる硬質材料は、熱伝導性を考慮すれば、銅、アルミニウム、ステンレスなどの金属材料が好ましく、また、その観点からは、金属材料の表面に無機材料がコーティングされたホーロー材なども好ましく用いられる。
中空容器は、被保冷物を安定して保持するため、扁平状であることが好ましく、その平面視による形状は円形、楕円形、多角形或いは様々なデザインの外形を有するものであってもよい。また、その平面視による周縁部の高さが、中央部の高さよりも高いことが、滑落を防止する観点から好ましく、また、底面の中央部が周縁部よりも高くなしてあることが、すべり止め部材の低面積化及び断熱性向上の観点から好ましい態様である。
【０００８】
また、すべり止め部材としては、磁石又は磁性体が挙げられる。すべり止め部材に用いられる磁石としては、具体的には、ゴム磁石、プラスチック磁石が好ましく、すべり止め部材としては、その他、発泡樹脂、ラテックス、ゴム、不織布から選択される材料からなるシート状部材を用いることができる。
請求項６に係る本発明の保冷器具の第２の態様は、皿型容器の高台部分に、ゲル状保冷材が充填されている硬質材料で構成される中空容器が、下方から、磁石又は磁性体により着脱自在に配置されることを特徴とする。
この磁石又は磁性体による着脱は、前記皿型容器の高台部分の底面、及び、中空容器の上面のいずれか一方に、磁石及び磁性体の一方が、他方に、該磁石及び磁性体の他方が配置されることにより容易に行なうことができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
図１は、本発明の保冷器具１０の一態様を表す斜視図である。本態様の保冷器具１０は缶ビールや瓶ビールなどの保冷に適する、平面視による形状が円形のコースター様の形態を有する。この扁平状の容器は、サイズの一例を挙げれば、例えば、直径１００ｍｍ、高さ３０ｍｍであり、また、外周から５ｍｍの範囲の周縁部１２が中央部１４よりも３ｍｍ高くなっているといったものが挙げられ、このサイズであれば、ビールやジュースの瓶や缶の殆どの大きさに好適に適用可能であり、その凹部に瓶や缶の底を安定よく配置することができる。
【００１０】
また、図１に示すように平面視における周縁部１２が中央部１４よりも高くなっていることが被保冷物の滑落を防止し、安定して保持する観点から好ましい。この周縁部１２における高さの差は２〜１０ｍｍ程度が好ましい。中央部１４と周縁部１２との高さの差が大きいと、側面からの冷却効果も期待できるものの、中央部１４の凹部に瓶や缶を配置し難くなるという問題が生じるため、コースターのように使用するには上記範囲が適当である。
また、保冷器具１０の底面の周縁部２２には、すべり止め部材であるゴム磁石１７が貼付され、ガラスなどの硬質のテーブルに置いた場合にも、安定しており、さらに、テーブルとの接触面からの冷気の拡散を効果的に防止し、長時間にわたる保冷効果の維持を可能としている。
【００１１】
図２は、その概略断面図である。断面図に明らかなように硬質材料からなる扁平状の容器１６は中空であり、そこにポリビニルアルコールを主成分とするゲル状保冷剤１８が充填されている。
本態様においては、中空容器１６底面の中央部２０は周縁部２２よりも中空側に向かって高くしてある。このような形状をとることで、テーブルなどへの接触面積を小さくし、熱拡散による保冷効果の低下を抑制することができる。また、このような形状にすることで、底面に後述するようなゲル状保冷剤１８の注入口及びそれを密閉するための蓋２４を設けた場合でも蓋２４の凸部が底面に形成された空間内に収まるため、その凸部により中空容器１６の安定性がそこなわれることがない。
なお、底面の形状はこれに制限されるものではなく、平面であってもよい。本態様では、すべり止め部材として、周縁部２２の底面に周縁部２２のテーブルとの接触面と同一の形状に形成したシート状のゴム磁石１７を貼付している。なお、周縁部２２の周方向に沿って所定間隔隔ててゴム磁石の小片を貼付けてすべり止め部材としてもよい。
【００１２】
この態様では、上記したように、ゴム磁石１７がすべり止めと共に断熱性向上にも寄与している。また、このすべり止め部材１７は単なる摩擦向上による安定化機能のみならず、金属材料に対する吸着効果をも有するため、金属製のトレーや金属せいのテーブル上に載置することで、安定性が一層向上するという利点をも有する。
すべり止め部材としてはこれに限定されず、プラスチック磁石などの金属材料に対する吸着機能を有する部材、磁石に対する吸着機能を有する磁性体、発泡樹脂やゴムなどの表面摩擦向上機能を有する部材、不織布や布などの水滴を吸収する吸水・保水機能を有する部材など種々のものを用いることができる。すべり止め部材の素材としては、上記のゴム磁石、プラスチック磁石の他、例えば、発泡樹脂、ラテックス、ゴム、不織布から選択される材料が挙げられる。また、形状は均一なシート状であることが製造、加工の容易性の観点からは好ましいが、丸や四角などの小面積のシートを周縁部２２に部分的に配置したり、網目状のシートを用いることもできる。すべり止め部材として磁性体を用いる場合には、トレー又はテーブルに永久磁石などの磁石を埋め込めばよい。
【００１３】
底面の中央部２０には開口部が設けられ、そこからゲル状保冷剤１８が中空容器１６内に充填され、蓋２４により密閉される。この蓋２４は必要に応じて設けられ、ビスなどを嵌合させた再開封不能な蓋であってもよく、ネジなどを用いた開閉可能な蓋としてもよい。また、蓋を設けず、保冷剤を充填した後、開口部を密閉する態様をとることもできる。保冷剤を充填する開口部の位置は底面に限定されず、側面などに設けられていてもよい。また、保冷剤の充填効率を挙げるため、注入口と空気孔とを設けてもよく、その場合、充填後には双方ともに密閉される。
【００１４】
中空容器は、耐久性に優れ、外部応力で変形し難いという観点から硬質材料で成形されたものが好ましく、これらの特性を有すれば特に制限はない。具体的には、樹脂材料、金属材料、セラミックなどの無機材料及びこれらの複合材料から選択でき、加工性の観点からは樹脂材料、金属材料等が好ましく、熱伝導性の観点からは金属材料及び金属複合材料であるホーロー材などが好ましい。
【００１５】
このような中空容器は常法により製造することができる。即ち、樹脂材料であれば、公知の成形方法、例えば、圧縮成形、射出成形、ブロー成形などの方法を適用することができ、一体成形のみならず、複数の部品を成形した後、それらを接着、熱融着などにより組み合わせて形成することもできる。また、金属材料であれば、板金加工、圧縮成形などにより成形した複数の部材を溶接などにより接合することで容易に中空容器を得ることができる。
【００１６】
樹脂材料を選択する場合、熱的特性を考慮すれば、繰り返し低温雰囲気下におかれても脆化しない、低温限界の低い材料が好ましく、そのような観点からは、例えば、ポリイミド、フッ素樹脂，ポリエチレン、ポリスチレン、メタクリル樹脂等が好ましく例示される。また、熱伝導性の観点からは、金属材料が好ましく、鉄、ステンレススチール、アルミニウム及びその合金、銅及びその合金、さらには、それらの金属を表面加工したり、表面コーティングした材料などが挙げられ、なかでも、アルミニウム及びその合金、銅及びその合金及びこれらの金属を基材としたホーロー材などが好ましい。意匠性の観点からは容器は着色されていてもよく、このような材料としては、カラーアルミ、酸化チタン、着色ステンレス等が好ましく挙げられる。
本態様においては、硬質材料としては厚さ１ｍｍの熱伝導性に優れた銅板が使用されているが、これに限定されるものではない。
例えば、中空容器を構成する金属板の厚みとしては、０．３〜２ｍｍ程度であればよく、好ましくは０．５〜１ｍｍの範囲である。また、樹脂やセラミック材料は、使用目的と材料自体の強度との関係からその厚みを適宜選択することができる。
【００１７】
扁平状の中空容器の形状は、保冷器具の目的に応じて決定され、瓶、缶、コップ、ピッチャーなどに入った飲料を冷却する目的で使用されるものは、表面が平面であることを要するが、平面視における形状は円形、楕円形、多角形などのいずれであってもよく、また、花や葉などの植物、魚類、動物などの外形を表す意匠性のあるものであってもかまわない。
表面の中心近傍が平面であれば、配置安定性の観点からは先に述べたように、周縁部が中央部よりも高くなった縁状の凸部を有することが好ましい。
【００１８】
また、保冷器具を刺身やサラダなどの生鮮食品の保冷に用いる場合には、容器は必ずしも表面が平面である必要はなく、通常の円形、楕円形、長方形など皿型や小鉢型であってもよい。
図４は、保冷器具を取りつけた高台皿型食器の一態様を示す斜視図であり、図５はその概略断面図である。この陶器製の高台皿２６には断面図に明らかなように高台部分に磁石と吸着し得る金属板２８が配置され、高台部分の中空部には、中空容器３０内にゲル状保冷剤１８が充填された保冷器具３２が着脱自在に取り付けられている。中空容器３０の上面にはすべり止め部材で用いたのと同じゴム磁石３４が取りつけられている。また、この保冷器具の底面にもすべり止め部材であるゴム磁石１７が取り付けられている。
【００１９】
図６は、高台皿の高台部分に取り付け可能な保冷器具の態様を示す斜視図であり、上面には磁石３４が取りつけられているが、必ずしもこれに限定されず、磁石を高台部分の底面に配置し、中空容器に該磁石に吸着可能な金属板などの磁性体を取り付けてもよく、また、中空容器自体を前記磁石や磁石に吸着可能な磁性体により形成してもよい。また、食器と保冷器具との両方に、対向する側が異なる磁性となるように磁石を取り付けてもよい。
【００２０】
このような食器の高台部分に着脱自在に配置される保冷器具は、陶器や磁器などのセラミック材料で形成された一般の食器の高台部分に磁石や金属板を取りつけることにより、どのような食器にも、サイズさえ適合すれば容易に取り付けることができ、応用範囲が広い。
このような保冷器具を用いる場合、保冷器具のみを冷凍庫にて冷却することで、サイズに適合する高台を有する限り、どのような食器にも取り付けることができ、冷凍庫に占める容量も小さくてすむ。
また、ホーロー製の食器を用いれば、セラミックの美麗な外観と金属材料のもつ強度、磁性体との吸着性と熱伝導性のいずれをも満足するため、このような食器に前記の如き保冷器具を着脱自在に取りつけた場合、その効果が著しい。
【００２１】
いずれの目的で使用する場合であっても、保冷器具の表面にはさらに意匠を施してもよく、例えば、手書き、印刷、意匠フィルムの貼付などによる絵柄付け、金属や樹脂材料の表面に製造時に凹凸を形成することによる柄付け、表面をエッチングや研磨などにより彫刻することによる柄付けなど、公知の手段により意匠を施すことができる。
これら中空容器のサイズは目的に応じて選択できるが、中空容器が保冷器具として直接用いられる場合には、少なくとも２〜３時間冷却効果を維持するといった観点からは、保冷剤を充填する領域の厚みは少なくとも１５ｍｍ以上であることが好ましく、冷却効果及び取扱い性の観点からは２０〜３０ｍｍ程度であることが好ましい。また、食器の高台部分に取りつける場合には、装着を目的とする食器の高台部分の空間に配置可能となるよう、食器に適合するように成形すればよい。また、一般的に用いられる食器の高台部分よりやや小さめに成形すれば、種々の食器に汎用することも可能となる。
【００２２】
この中空容器内に充填されるゲル状保冷剤としては、公知のものを任意に使用することができる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコールの如き合成水溶性高分子類、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル類、アクリル酸エステルなどの吸水性ポリマー類、その他にも、Ｎ−ビニルアミド（共）重合体と、コロイダルシリカを含有する増粘ゲル状組成物や自動車に用いられる不凍液なども使用することができる。
【００２３】
本発明の保冷器具は中空容器が硬質材料により形成され、容器の破損により充填された保冷剤が流出する懸念がないため、充填される保冷剤については、保冷効果、作業性やコストの観点から、任意に選択することができる。
【００２４】
前記ゲル状保冷剤が充填された本発明の保冷器具は、充填された保冷剤１８が凍結するまで冷凍庫にて冷却し、使用に供する。コースター型の保冷器具１０の場合は、図３に示すように、直接その表面に缶ビールなどを配置して使用すればよい。また、図４乃至図６に示すような皿型、小鉢型などの食器の高台部分に着脱自在に配置される保冷器具３２の場合には、通常の食器に取り付けて刺身やサラダを盛り付けて食卓に配膳すればよい。
【００２５】
本発明の保冷器具は中空容器が硬質材料により形成されているため、容器の破損により充填された保冷剤が流出する懸念がなく、また、外的な応力による変形なども生じにくく、耐久性に優れるため、洗浄、冷却することで繰り返し使用が可能であるという利点を有する。また、食器の高台部分に着脱自在とすることで、種々の食器自体に保冷効果を付与することができ、食器と保冷器具とを別々に管理できるため、使用性も良好で、応用範囲が広いという利点をも有する。
【００２６】
【実施例】
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
（実施例１）
厚さ１．５ｍｍのカラーアルミ板で図１に示す如き保冷器具の中空容器を形成した。この中空容器は、直径１００ｍｍ、周縁部における外周から５ｍｍの範囲の高さは３０ｍｍであり、中央部の高さは２７ｍｍであった。容器の底面２２にはすべり止め部材として、厚さ３ｍｍのゴム磁石１７を配置した。この容器の底面に設けられた開口部よりポリビニルアルコールを主成分とするゲル状保冷剤を充填して実施例１の保冷器具１０を得た。
この保冷器具１０を−２０℃の冷凍庫にて５時間冷却し、内部の保冷剤を完全に冷却硬化させた。
【００２７】
次に、冷却した保冷器具１０の表面に当初のビールの温度が６℃である缶ビールを配置し、底部近傍のビールの温度を測定した。配置してすぐの温度は６℃であった。５分後には、４．５℃、１０分後には３．８℃、３０分後には３．８℃であった。
冷蔵庫から取出した缶ビールの中身を常温のガラス製のコップに注いで温度を測定したところ、１０．５℃であり、保冷器具上で３０分間常温で放置した缶ビールを同様に常温のガラス製のコップに注いで温度を測定したところ、１０．３℃であった。このことから、本発明の保冷器具を用いれば、常温雰囲気下においても、缶ビールを飲用に適切な温度に所定期間維持し得ることがわかった。
取り付けたすべり止め部材は表面の摩擦力が高く、しかも、金属に吸着し得る特性を有するため、室温に配置して結露により側面に水滴が発生しても、テーブル上に安定に位置することができた。また、これを金属製のトレーにて配膳する場合にも、高い安定性を示した。
【００２８】
（官能評価）
常温の室内において、６℃に冷却した缶ビールを実施例１の保冷器具上に３０分間配置したものと、保冷器具上に配置せず放置したものについて、パネラー１０名により試飲テストを行ったところ、全てのパネラーが本発明の保冷器具上に配置した缶ビールの味、のどごしを良好と判定した。一方、３０分間室内に放置した缶ビールはぬるくなっおり、良好と判定したものは１名にとどまり、８名が不良と評価した。
【００２９】
【発明の効果】
本発明の保冷器具によれば、保冷効果が長期間維持でき、簡易な構造で耐久性に優れ、且つ、使用性に優れるという利点を有する。また、本発明の保冷器具は、様々な飲み物や料理に使用することができ、飲み物や料理の味を損なわないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】コースター様の形態を有する本発明の保冷器具の一態様を表す斜視図である。
【図２】図１に示す保冷器具の概略断面図である。
【図３】コースター様の形態を有する本発明の保冷器具に飲料の入った缶を配置した状態を示す斜視図である。
【図４】本発明の保冷器具を着脱自在に取りつけた高台皿の一態様を表す斜視図である。
【図５】図４に示す高台皿及びその高台部分に取り付けられた保冷器具の概略断面図である。
【図６】図５に示す保冷器具の斜視図である。
【符号の説明】
１０、３２保冷器具
１６、３０中空容器
１７すべり止め部材（ゴム磁石）
１８ゲル状保冷剤

Claims

金属材料、無機材料及び樹脂材料から選択される硬質材料で構成される中空容器内に、ゲル状保冷剤を充填してなり、底面に、すべり止め部材を有する保冷器具。
前記中空容器が、周縁部の高さが、中央部の高さよりも高い扁平状に形成されていることを特徴とする請求項１に記載の保冷器具。
前記中空容器が、底面の中央部が周縁部よりも高くしてあり、周縁部の底面に前記すべり止め部材が配置されることを特徴とする請求項１に記載の保冷器具。
前記すべり止め部材が、磁性体又は磁石であることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載の保冷器具。
前記すべり止め部材が、ゴム磁石、プラスティック磁石、発泡樹脂、ラテックス、ゴム、不織布から選択される材料からなるシート状部材であることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載の保冷器具。
皿型容器の高台部分に、ゲル状保冷材が充填されている硬質材料で構成される中空容器が、磁石又は磁性体により着脱自在に配置されることを特徴とする保冷器具。
前記皿型容器の高台部分の底面、及び、中空容器の上面のいずれか一方に、磁石及び磁性体の一方が、他方に、該磁石及び磁性体の他方が配置されたことを特徴とする請求項６に記載の保冷器具。