【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は土壌消毒剤として用いられる液体状農薬により省力的に土壌処理する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
これまで土壌消毒剤としては、カーバムナトリウム塩（ナトリウム＝メチルジチオカーバマート）、カーバム（Ｎ−メチルジチオカルバミン酸アンモニウム）、Ｄ−Ｄ（１，３−ジクロロプロペン）、クロルピクリン、ダゾメットなどが広く使用されてきた。
【０００３】
これらの液体状農薬を土壌に処理する方法は、大別して次のいずれかによるものである。
（１）土壌灌注 薬液を灌注機を用いて土壌中に注入する。
（２）土壌くん蒸 薬液を土壌消毒機を用いて土壌中に注入して土壌中でガスを拡散させる。
（３）散布混和 薬液を噴霧機などで土壌表面に散布し、その後混和する。
また、次の方法も広く行われている。
（４）散水用パイプを用いる方法 薬剤処理したい土壌表面を被覆資材で覆い、散水用のパイプを被覆資材の下に入れて薬液を送り込む。
（５）ジョロなどを用いる方法 薬剤処理したい土壌表面に薬液をジョロなどで散布し、被覆資材で被覆する。
【０００４】
このうち、（１）、（２）の具体的な方法は、例えば次のとおりである。
（ｉ）例えば、カーバムナトリウム塩（３０％含有）を処理する場合、対象作物がダイコン、キュウリ、スイカなどのときは、耕起整地後３０ｃｍ間隔に千鳥状に深さ約１５ｃｍの穴をあけ、播種または定植の１５〜２０日前までに原液４ｍＬ／１穴（４０Ｌ／１０ａ）を基準として所定量の薬液を注入し、直ちに覆土、鎮圧する（非特許文献１参照）。一般的には、この後、ビニールシートなどで７〜１０日間被覆し、ガス抜き後、播種または植付を行う。
（ｉｉ）カーバム剤（５０％含有）で、キク、タバコ、スギを対象作物とする場合、耕起整地後、３０ｃｍ間隔の千鳥状に深さ約１５ｃｍの穴をあけて原液を注入し、ビニールシートなどで７〜１０日間被覆する（非特許文献２参照）。
（ｉｉｉ）メチルチオイソチオシアネート油剤（メチルイソチオシアネート３０．０％含有）を処理する場合、対象作物がキュウリのときは、播種または植付の２１日前までに耕起・整地した圃場に３０ｃｍ間隔の千鳥状に深さ１２〜１５ｃｍの穴をあけ、２０〜３０Ｌ／１０ａ（２〜３ｍＬ／１穴）を注入、覆土し、ポリエチレンやビニールシートで被覆する。処理７〜１０日後にガス抜き作業を行う（非特許文献３参照）。
（ｉｖ）クロルピクリンくん蒸剤（クロルピクリン８０．０％含有）を圃場に全面処理する場合は、耕起整地後、３０ｃｍ×３０ｃｍごとに深さ約１５ｃｍの穴をあけ、１穴当り２〜３ｍＬを注入し、直ちに覆土し、ポリエチレン、ビニールシートなどで被覆するか水封する。処理後、１０日以上経過してから播種または移植する（非特許文献４参照）。
また、（３）の具体的な方法は、例えば次のとおりである。
（ｖ）カーバム剤（５０％含有）を処理する場合、対象作物がダイコン、キュウリ、スイカのときは、原液を水で３倍に希釈して、土壌耕転時に土壌全面に均一散布し直ちに土壌混和して、ビニールシートなどで７〜１０日間被覆しガス抜き後播種する（非特許文献２参照）。
【０００５】
【非特許文献１】梶原敏宏、外５名、「農業ハンドブック２００１年度版」、社団法人日本植物防疫協会、平成１３年１１月１日、ｐ．１９１−１９２
【非特許文献２】梶原敏宏、外５名、「農業ハンドブック２００１年度版」、社団法人日本植物防疫協会、平成１３年１１月１日、ｐ．１９０−１９１
【非特許文献３】梶原敏宏、外５名、「農業ハンドブック２００１年度版」、社団法人日本植物防疫協会、平成１３年１１月１日、ｐ．１８０−１８１
【非特許文献４】梶原敏宏、外５名、「農業ハンドブック２００１年度版」、社団法人日本植物防疫協会、平成１３年１１月１日、ｐ．１８９−１９０
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法は、いずれも使用する薬剤の有効な散布方法として広く採用されてきた。
しかしながら、前記（１）および（２）の方法は、一旦土壌に穴をあけてここに薬液を注入し、覆土した後ビニールなどで７〜１０日間程度被覆した後、ガス抜きをする方法で、この後に播種されるものである。（１）や（２）の方法では、特殊な装置を有するトラクターなどで穴をあけながら薬液を注入して作業を行っていくものであり、ガスが地中深く入り込むことからガス抜きを行う必要があり、手間がかかるなどの問題点がある。また、特殊な装置を有するトラクターなどがない場合、また、トラクターが使用できないハウス内や小規模処理の場合には、作業者が灌注機や消毒機などで一つずつ穴をあけながら薬液を注入して作業を行っていくが、この場合、作業効率が悪く、また、ガスが地中深く入り込むことからガス抜きを行う必要があり、手間がかかるなどの問題点がある。
また、前記（３）の方法は、土壌耕転時に土壌全面に均一散布し直ちに土壌混和して処理する方法であるが、前記（１）および（２）と同様、トラクターで作業を行う場合は、ガスが地中深く入り込むことから、ガス抜きの手間がかかり、作業者による手作業の場合は、ガス抜きの手間がかかるのに加えて、作業効率が悪く、揮散したガスに被爆する心配もあるなどの問題点がある。
【０００７】
また、前記（４）の方法は、散水用のパイプを被覆資材の下に入れて、希釈した薬液を送り込むものである。（４）の方法では、（ａ）散水のために大量の水を送らないと均一の効果が得られない、（ｂ）均一な効果を得るために多量の水を使うと、地中深くにガスが入るためガス抜きに手間がかかる、（ｃ）均一な散布には支柱などで被覆資材を土壌表面から浮かせる必要があり、手間がかかる、（ｄ）パイプの穴を小さくして一定面積に均一散布する必要があり、用水の水を使用すると穴が小さいために詰まることがある、などの問題がある。
【０００８】
前記（５）の方法は、土壌表層にジョロなどで薬液を散布し、被覆資材で被覆するものである。（５）の方法では、ガスが早くでて効果が不安定になり、また被爆の心配もあり、作業効率の面でも問題がある。
【０００９】
したがって、省力的散布方法が要求されるなかで従来の処理方法では、広い面積を連続的に処理する場合には省力的とは言い難い。こうしたことから、省力的な処理方法の開発が望まれている。
本発明の目的は、このような要望に合致し、しかもガスもれがほとんどなく安全で、十分な土壌消毒効果をもたらす方法を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した。その結果、省力的で安全かつ十分な土壌消毒効果を発揮しうる方法を見い出すに至り、本発明を完成した。
すなわち、湿った土壌を、被覆資材で被覆する工程と、
複数の薬液噴出孔を有する薬液吹き出し口部と前記薬液吹き出し口部に薬液を供給するための薬液供給部を備えた薬液散布棒であって、前記薬液吹き出し口部は前記薬液供給部の一端と接続されている薬液散布棒を、前記薬液吹き出し口部に薬液供給部を介して薬液を供給しながら、土壌表面を移動させることにより土壌表面に薬液散布する工程、を含む液体状農薬による土壌処理方法が、上記の目的達成上、きわめて有効であることが分かった。
【００１１】
さらに検討したところ、本発明の方法において次の形態が好ましいという知見を得るに至った。
第１に、前記被覆資材で被覆する工程を、前記土壌表面に薬液散布する工程以前に行う前記方法。
第２に、前記被覆資材で被覆する工程を、前記土壌表面に薬液散布する工程と同時（薬液散布直後に被覆する方法を含む）に行う前記方法。
第３に、さらに、薬液処理した土壌表面を覆土する工程を含む前記方法。
第４に、薬液散布棒への薬液の供給を動力噴霧機、灌水ポンプ、または肥料ポンプのいずれかを用いて行う前記方法。
第５に、薬液散布棒への薬液の供給と被覆資材による土壌表面の被覆をこれらの機能を有するトラクターにより行う前記方法。
第６に、さらに、薬液処理した土壌表面を覆土しうるトラクターを用いる前記方法。
第７に、薬液散布棒の薬液吹き出し口部の長さが１〜１０ｍの範囲のものを使用する前記方法。
第８に、薬液散布棒の薬液吹き出し口部が内径１〜５ｍｍの薬液噴出孔を有してなる前記方法。
第９に、液体状農薬の有効成分が土壌処理用殺虫成分、殺線虫成分、殺菌成分、除草成分から選ばれる１種または２種以上である前記方法。
【００１２】
【発明の実施の形態】
本発明は次のように実施される。
（ｉ）薬液散布棒
本発明の方法に用いられる液状農薬の散布装置である薬液散布棒は、複数の薬液噴出孔を有する薬液吹き出し口部と前記薬液吹き出し口部に薬液を供給するための薬液供給部を有する。
薬液散布棒の薬液吹き出し口部は、薬液を噴出させるための複数の薬液噴出孔を設けた管状のものであり、使用する薬剤により変質せず、被覆資材の下でも、土壌表面を移動させることができるものであれば、使用できる。
薬液吹き出し口部の管は、塩化ビニール製などで、例えば、１〜１０ｍの長さのものであればよく、通常は４〜６ｍのものが使いやすい。管の太さは特に限定されず、例えば、内径が１〜５ｃｍのものであればよく、通常は内径１．３〜３ｃｍのものが使いやすい。通常、この管の両端をふさぎ、例えば、薬液噴出孔として内径１〜５ｍｍ、好ましくは２〜３ｍｍの細孔を一列または複数列、管の一方の端から他方の端まで適当な間隔で設けたものを使用することができる。薬液噴出孔は、均一な薬剤の散布が可能であるという点から、薬液吹き出し口に一定間隔で設けたものが好ましい。薬液吹き出し口部の管は、前記のような薬液噴出孔となる細孔を管に設けて使用してもよく、または予め薬液噴出孔となる細孔を備えた管を使用してもよい。
【００１３】
薬液吹き出し口部の管には、前記薬液吹き出し口部に薬液を供給するための薬液供給部を接続する。
薬液供給部は、使用する薬剤により変質しない管状のものであれば使用でき、例えば、耐油性合成ゴム製などのホースを用いることができる。薬液供給部の管は、例えば、５〜５０ｍの長さのものであればよく、通常は１０〜３０ｍのものが使いやすい。管の太さは特に限定されず、例えば、内径が０．８〜３ｃｍのものであればよく、通常は内径１〜２ｃｍのものが使いやすい。
薬液供給部は、一端を薬液吹き出し口部に、他端を薬液を供給する動力噴霧機、または灌水ポンプ、肥料ポンプなどの動力ポンプなどの装置に接続する。薬液供給部は、薬液吹き出し口の管のいずれの部分に接続してもよいが、好ましくは薬液吹き出し口の管の中央部分に取り付けることができる。
本発明の薬液散布棒は薬液吹き出し口部の管の中央部分に、動力噴霧機、または灌水ポンプ、肥料ポンプなどの動力ポンプに他端を接続した薬液供給部である薬液供給用ホースを接続させたものが好ましい。このような本発明の薬液散布棒の好ましい一形態の模式的な平面図を図１に示す。
【００１４】
薬液散布棒は、薬液吹き出し口部および薬液供給部を備え、好ましくは前記薬液吹き出し口部を支持するための支持部を有する。
支持部は、薬液散布棒が牽引されて移動する際、薬液吹き出し口部が進行方向に対して垂直の角度を保つことができるように薬液吹き出し口部を支持することができれば、使用できる。さらに、薬液供給部を支持することができるものであればより好ましい。好ましくは、木製などのものがよい。本発明の薬液散布棒としては、塩化ビニール製などの薬液吹き出し口部の管を木製などの支持体に取り付けたものが使いやすい。この支持部の形態としては、例えば、Ｔ字型、コ字型、またはＬ字型などが挙げられ、Ｔ字型のものが好ましい。支持部は、薬液散布棒を移動させる際の進行方向に対し、一つの辺（例えば、Ｔ字型ではＴ字の水平部分、コ字型ではコ字の鉛直部分、Ｌ字型ではＬ字の水平部分）が垂直をなすように設置して使用し、この進行方向と垂直をなす辺に前記薬液吹き出し口を接合する。また、好ましくは薬液散布棒を移動させる際の進行方向に対し、平行となる一つの辺（例えば、Ｔ字型ではＴ字の鉛直部分、コ字型ではコ字の水平部分、Ｌ字型ではＬ字の鉛直部分）に薬液供給部を接合する。
【００１５】
この薬液散布棒を移動させる際の進行方向に対し、垂直をなす一つの辺（Ｔ字型の支持部のＴ字の水平部分、コ字型ではコ字の鉛直部分、Ｌ字型ではＬ字の水平部分）は、薬液吹き出し口部の管が直線状態を維持できる程度の長さがあればよく、通常は管と等しい長さから管の長さの７０％程度の長さである。
薬液散布棒を移動させる際の進行方向に対し、平行となる一つの辺（Ｔ字型の支持部のＴ字の鉛直部分、コ字型ではコ字の水平部分、Ｌ字型ではＬ字の鉛直部分）は、本発明の方法において、作業者があるいはトラクターにより薬液供給用のホースを引っぱって、薬液散布棒を移動させる場合に、Ｔ字の水平部分（コ字型ではコ字の鉛直部分、Ｌ字型ではＬ字の水平部分）が進行方向となす角度が直角を維持しうる長さ以上でかつ操作の妨げとならない長さであればよい。一般的には１〜１．５ｍの長さであればよい。
本発明の薬液散布棒では、上記の薬液噴出孔の細孔を設け中央部分に薬液供給部のホースを接続させた薬液吹き出し口部の管を、Ｔ字型の支持体に、薬液吹き出し口部がＴ字の水平部分に、薬液供給部である薬液供給用ホースがＴ字の鉛直部分にくるように固定したものが好ましい。このような本発明の薬液散布棒の好ましい一形態の模式的な平面図を図２に示す。
【００１６】
＜処理方法＞
（ｉｉ）圃場の準備
薬液処理する畑地圃場の土壌を事前に適正な水分状態にし、耕転、整地する。そのままの状態で適正水分状態であれば、灌水の必要がなく、必要に応じて灌水を行えばよい。
すなわち、土壌が乾燥しすぎると薬液散布した際、薬液が土壌に吸着されすぎるので、薬液が適度に吸着され、１週間程度の間に徐々に薬剤成分が放出されるように湿り気があるのがよい。
灌水を行う方法は、従来から行われている方法で行えばよく、事前に圃場全体にホース、またはトランクに水を入れたトラクター等で灌水するか、水口より導水し、適当な水分状態とすればよい。
【００１７】
（ｉｉｉ）使用薬剤
本発明で使用できる薬剤としては、土壌処理用の液体状農薬であれば特定のものに限定されないが、例えば、有効成分が土壌処理用殺虫成分、殺線虫成分、殺菌成分、除草成分である液体状農薬が挙げられ、本発明においては、該有効成分から選ばれる１種または２種以上の成分を組み合わせた成分を含有する農薬を用いることができる。具体的には、カーバムナトリウム塩剤、カーバム剤、Ｄ−Ｄ剤およびクロルピクリン剤等が挙げられる。該薬剤から選ばれる１種または２種以上を組み合わせて用いることができる。
これらから選ばれた薬剤は、原液のまま用いられるか、または必要により水などの溶媒で例えば１〜１００倍、好ましくは２〜４倍程度に希釈して用いられる。薬剤の剤型が、液体以外の剤型である場合は、適当な溶媒に溶解または懸濁して用いることができる。また、薬液濃度は従来から用いられている濃度あるいは圃場条件にあわせて適宜選択される。また、使用薬液量も従来の慣行あるいは圃場条件によって適宜増減して使用できる。
【００１８】
（ｉｖ）薬液散布棒の準備
後出の薬液散布棒を圃場の先端に置く。動力噴霧機、または灌水ポンプ、肥料ポンプなどの動力ポンプなどの薬液タンクに（ｉｉｉ）で述べた薬液を入れ、薬液散布棒に薬液を供給するホースを接続する。あるいは動力噴霧機能を有するトラクターなどを用いる場合は、トラクターの薬液タンクにホースを接続する。
【００１９】
（ｖ）ビニールシートなどの被覆資材による被覆方法
本発明の方法で使用される被覆用資材としては薬液散布した後７〜１４日程度の間薬剤が蒸散してしまわない材質のものが使用される。
被覆資材としては、例えば、ビニール、ポリエチレン製などのシート状のものが好ましい。
上記被覆資材を、圃場の土壌を適正な水分状態とし、薬液散布棒を圃場の先端に、薬液吹き出し口が薬液散布の進行方向と垂直をなすように設置した後、薬液を散布する土壌全体を覆うように広げる。この場合、散布した薬液が気化して逃げるのを防ぐために十分な面積を覆う必要がある。また、被覆資材による土壌の被覆は、薬液散布の直前、同時、または直後に連続的に行うこともできる。
【００２０】
（ｖｉ）薬液の散布方法
薬液を散布するには一般的には次の方法による。
まず第１の方法は、薬液を動力噴霧機、または灌水ポンプ、肥料ポンプなどの動力ポンプなどにより、ビニールシートなどの被覆資材の下に設けた薬液散布棒に送り込みながら、薬液散布棒を人力あるいはトラクターなどにより引っ張りながら移動させ、薬液散布棒の薬液吹き出し口に設けた多数の薬液噴出孔より薬液を土壌表面に散布しながら土壌処理する。こうしてビニールシートなどの被覆資材の下を薬液処理することにより容易に土壌処理することができる。
また、薬液の土壌中への拡散と防除効果のよりいっそうの確実性をはかるために、薬液処理直後に土壌覆土するような機能を薬液散布棒に設けてもよい。具体的には、Ｖ字ガイドなどを設けて覆土するようにしてもよい。
【００２１】
第２の方法としては薬液を動力噴霧機、または灌水ポンプ、肥料ポンプなどの動力ポンプなどにより薬液供給部を介して薬液散布棒に送り込みながら、薬液散布棒を人力あるいはトラクターなどにより引っぱりながら、散布の直前、散布直下あるいは散布の直後の土壌をビニールシートなどの土壌被覆資材により土壌被覆しながら土壌処理を行う方法によっても行うことができる。
薬液の土壌中への拡散と防除効果のよりいっそうの確実性をはかるために、上記と同様に薬液処理直後に薬液処理土壌を土壌覆土するような機能を薬液散布棒を牽引するトラクターあるいは薬液散布棒の一部として設けてもよい。具体的には、Ｖ字ガイドなどを設けて覆土するようにしてもよい。
【００２２】
また、薬液散布棒から散布する薬液量は、薬液タンクから薬液散布棒へ供給する薬液量、薬液散布棒の移動速度を適宜変更することにより、目的の圃場に、使用する薬剤が適度な量散布されるように調整すればよい。例えば、薬液散布棒から散布する薬液量としては、０．２〜１．０Ｌ／分、好ましくは０．２〜０．４Ｌ／分とすることができる。薬液タンクから薬液散布棒へ供給する薬液量としては、前記薬液散布棒から散布する薬液量が達成されるように調整することができる。薬液散布棒の移動速度としては、５〜２０ｍ／分、好ましくは１０〜１５ｍ／分とすることができる。
【００２３】
（ｖｉｉ）放置
薬液散布後は、ビニールシートなどで被覆したままで一定の期間、例えば１週間〜２週間放置される。放置される期間は、散布する薬剤の種類、土壌の性質および気温などによって常法に従って適宜選択される。
【００２４】
（ｖｉｉｉ）ビニールシートなどの被覆資材の除去
薬液処理後の土壌を被覆したままで一定期間放置後、被覆資材を除去し、ガス抜きのため一定の期間放置する。ガス抜きに要する時間は、薬剤の種類、土壌の性質および気温などにより異なり、常法に従って適宜選択される。
また、ガス抜きのために、土壌の種類、気温の高低などに応じてさらに土壌混和作業を行なうこともできる。
なお、植物の播種、定植などは常法に従って行うことができる。
【００２５】
【実施例】
次に実施例で本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
＜実施例１＞ 殺草効果試験
神奈川県厚木市内の施設を利用し、１区が１００ｍ2（１０ｍ×１０ｍ）の試験区を設定した。なお、試験区は予め耕起整地した後、灌水し土壌を十分に湿させた。
本発明区は試験区全体を塩化ビニールのシートで覆い、被覆したシートの下に薬液散布棒（薬液吹き出し口の口径（太さ）３ｃｍ、長さ５ｍ、薬液噴出孔の口径（内径）２ｍｍ、１０個／１０ｃｍ）を置き、薬液供給用ホースを介し動力噴霧機につないだ。動力噴霧機の薬液タンクにカーバムナトリウム塩液剤（化学名：ナトリウム＝メチルジチオカルバマート ３０％）を入れ、薬液散布棒を進行方向に対し直角に保ったまま移動し、４Ｌの薬液（４０Ｌ／１０ａ相当量）を試験区内の土壌表面に均一に散布した。
対照区は、灌注機を用い、３０ｃｍ間隔に千鳥状に深さ約１５ｃｍに薬液を注入した。なお、薬液注入量は４ｍＬ／穴（４０Ｌ／１０ａ相当量）とした。薬液注入後直ちに覆土、鎮圧し、試験区全面を塩化ビニールのシートで覆った。
無処理区も同様に塩化ビニールのシートで被覆した。
処理後、７日間試験区を被覆したままの状態にし、７日後に各区の被覆を除去した。処理２０日後および４０日後に各区内任意に選んだ３地点（中央部および対角線上の両端）について、１ｍ2（１ｍ×１ｍ）あたりの雑草の発生個体数を調査した。
結果は表１に示すとおりである。
【００２６】
【表１】
【００２７】
＜実施例２＞ 病害防除効果
神奈川県厚木市内の圃場を利用し、１区が５０ｍ2（５ｍ×１０ｍ）の試験区を設定した。予めＰＤ（ジャガイモデキストロース）液体培地で２６℃５日間振とう培養したホウレンソウ萎凋病菌を１０8ｃｆｕ（コロニー形成単位）／ｍＬの懸濁液に調整したものを、土壌表面に４Ｌ／区を灌注した。ローターリーで深さ１０ｃｍに混和し、ホウレンソウを１作栽培した。その後、耕起整地し、灌水し土壌を十分湿らせた上、試験を行った。
本発明区は、試験区全体を塩化ビニールのシートで覆い、その下に薬液散布棒（吹き出し口の口径（太さ）３ｃｍ、長さ５ｍ、薬液散布孔の口径（内径）２ｍｍ、１０個／１０ｃｍ）を置き、薬液供給用ホース（長さ１５ｍ）を介し、動力噴霧機につないだ。動力噴霧機の薬液タンクにカーバムナトリウム塩液剤（化学名：ナトリウム＝メチルジチオカルバマート ３０％）を入れ、薬液散布棒を進行方向に対し直角に保ったまま移動し、３Ｌの薬液（６０Ｌ／１０ａ相当量）を試験区内の土壌表面に散布した。
対照区は、灌注機を用い、３０ｃｍ間隔に千鳥状に深さ１５ｃｍに薬液を注入した。なお、薬液注入量は６ｍＬ／穴（６０Ｌ／１０ａ相当量）とした。薬液注入後直ちに覆土、鎮圧し、試験区全面を塩化ビニールのシートで覆った。
無処理区も同様に塩化ビニールのシートで７日間被覆した。
いずれの区も処理後７日間、試験区を被覆したままの状態にした。
処理７日後に各区の被覆を除去した後、試験区全体を耕起しガス抜きを行った。さらに８日間置いた後、各区各々３箇所（中央および対角線上の両端）に幅７０ｃｍ、長さ２ｍの畝を造り、ホウレンソウ（品種：アクティブ）を３条（条間２０ｃｍ）播きした。なお、播種量は４０粒（１２０粒／畝）とした。播種１４日後に出芽数を調査し、また播種３１日後に発病株数を調査した。防除価は発病株数より算出した。
結果は表２に示すとおりである。
【００２８】
【表２】
【００２９】
【発明の効果】
本発明を実施すると次のような効果がもたらされる。
第１に、広い面積を一度に処理できる。
第２に、ガスもれがほとんどないので、臭気・催涙性がある薬剤でも使用できる。
第３に、薬液を土壌表層に均一に散布できるので、効果が安定する。
第４に、地表近くにしかガスが入らないので、容易にガスが抜ける。
第５に、表層に高濃度薬液をまくので、有効濃度に達しやすい。
したがって、本発明は省力的な土壌処理方法として利用することができる。さらに、本発明はガスもれがほとんどなく安全で十分な土壌消毒効果をもたらす方法として利用することができる。
【００３０】
【図面の簡単な説明】
【図１】実施形態の薬液散布棒の一形態を示す模式的な平面図である。同形態においては、薬液噴出孔を薬液を散布する土壌面に向けて好ましく使用される。同図は薬液を散布する土壌面より見た図である。
【図２】実施形態の薬液散布棒の他の一形態を示す模式的な平面図である。同形態においては、薬液噴出孔を薬液を散布する土壌面に向けて好ましく使用される。同図は薬液を散布する土壌面より見た図である。
【符号の説明】
１ 薬液吹き出し口
２ 薬液噴出孔
３ 薬液供給用ホース
４ 支持体[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for labor-saving soil treatment with a liquid pesticide used as a soil disinfectant.
[0002]
[Prior art]
So far, as a soil disinfectant, carbam sodium salt (sodium = methyldithiocarbamate), carbam (ammonium N-methyldithiocarbamate), DD (1,3-dichloropropene), chlorpicrin, dazomet and the like have been widely used. It has been.
[0003]
The method of treating these liquid pesticides on soil is roughly divided into any of the following.
(1) Soil irrigation A chemical solution is injected into soil using an irrigation machine.
(2) Soil fumigation chemicals are injected into the soil using a soil disinfection machine to diffuse gas in the soil.
(3) Spray mixing Spray the chemical on the soil surface with a sprayer or the like, and then mix.
The following method is also widely used.
(4) Method using a watering pipe A soil surface to be treated with a chemical is covered with a covering material, and the watering pipe is placed under the covering material to feed a chemical solution.
(5) Method using Jolo etc. A chemical solution is sprinkled on the surface of the soil to be treated with a chemical using Jolo etc., and covered with a covering material.
[0004]
Among these, the specific methods (1) and (2) are, for example, as follows.
(I) For example, when treating carbum sodium salt (containing 30%), if the target crop is radish, cucumber, watermelon, etc., drill holes with a depth of about 15 cm in a zigzag pattern at 30 cm intervals after tilling. A predetermined amount of a drug solution is injected based on a stock solution of 4 mL / 1 hole (40 L / 10a) up to 15 to 20 days before sowing or planting, and the soil is immediately covered and crushed (see Non-Patent Document 1). Generally, after this, it is covered with a vinyl sheet or the like for 7 to 10 days, and after degassing, sowing or planting is performed.
(Ii) In the case of chrysanthemum, tobacco and cedar as target crops using a carbum agent (containing 50%), after tillage cultivation, a stock solution is injected in a zigzag pattern at intervals of 30 cm and holes of about 15 cm in depth are formed. It is covered with a sheet or the like for 7 to 10 days (see Non-Patent Document 2).
(Iii) When the methyl thioisothiocyanate oil solution (containing 30.0% of methyl isothiocyanate) is treated, when the target crop is cucumber, staggered at intervals of 30 cm in a plowed and leveled field 21 days before sowing or planting. A hole having a depth of 12 to 15 cm is formed in the shape, and 20 to 30 L / 10a (2 to 3 mL / 1 hole) is injected, covered with soil, and covered with a polyethylene or vinyl sheet. After 7 to 10 days from the treatment, a degassing operation is performed (see Non-Patent Document 3).
(Iv) When chloropicrin fumigant (containing 80.0% chloropicrin) is applied to the entire field, after cultivation, a hole of about 15 cm in depth is made every 30 cm × 30 cm, and 2-3 mL is injected per hole. Immediately cover the soil and cover with polyethylene or vinyl sheet or seal with water. After 10 days or more after the treatment, seeding or transplantation is performed (see Non-Patent Document 4).
The specific method (3) is, for example, as follows.
(V) If the target crop is radish, cucumber, or watermelon when the carbum agent (containing 50%) is treated, dilute the stock solution three times with water, and evenly spread the soil over the soil during soil tillage and immediately spread the soil. It mixes, coat | covers with a vinyl sheet etc. for 7 to 10 days, degasses, and is seed | inoculated (refer nonpatent literature 2).
[0005]
[Non-Patent Document 1] Toshihiro Kajiwara, five others, "Agriculture Handbook 2001 Edition", Japan Plant Protection Association, November 1, 2001, p. 191-192
[Non-Patent Document 2] Toshihiro Kajiwara, 5 others, "Agriculture Handbook 2001 Edition", Japan Plant Protection Association, November 1, 2001, p. 190-191
[Non-Patent Document 3] Toshihiro Kajiwara, 5 others, "Agriculture Handbook 2001 Edition", Japan Plant Protection Association, November 1, 2001, p. 180-181
[Non-Patent Document 4] Toshihiro Kajiwara, 5 others, "Agriculture Handbook 2001 Edition", Japan Plant Protection Association, November 1, 2001, p. 189-190
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
All of the conventional methods have been widely adopted as effective spraying methods of the drugs to be used.
However, the methods (1) and (2) are methods in which a hole is once formed in the soil, a chemical solution is injected into the hole, the soil is covered, and then covered with vinyl or the like for about 7 to 10 days, and then degassing is performed. It is sowed after this. In the methods (1) and (2), the work is performed by injecting a chemical solution while drilling holes with a tractor or the like that has special equipment, and gas must be vented because gas enters deep into the ground. There is a problem that it takes time and effort. In addition, when there is no tractor with special equipment, or in a house where a tractor cannot be used, or in the case of small-scale processing, the operator injects chemicals while drilling holes one by one with an irrigation machine or disinfection machine. However, in this case, there is a problem that the working efficiency is low and that the gas needs to be degassed because the gas penetrates deep into the ground, which is troublesome.
The method (3) is a method in which the soil is uniformly sprayed on the entire surface of the soil during the tillage and immediately mixed with the soil for treatment. However, as in the above (1) and (2), when the work is performed by a tractor, However, since the gas penetrates deep into the ground, it takes time to vent the gas.In the case of manual work by the operator, in addition to the time and effort required to vent the gas, the work efficiency is poor, and there is no fear of being exposed to the volatilized gas. There are some problems.
[0007]
In the method (4), a water sprinkling pipe is placed under the covering material, and the diluted chemical solution is fed. In the method of (4), (a) a uniform effect cannot be obtained unless a large amount of water is sent for watering. (B) If a large amount of water is used to obtain a uniform effect, the water will be deep underground. It takes time to vent the gas because gas enters. (C) It is necessary to float the covering material from the soil surface with columns or the like for uniform spraying, and it takes time and effort. (D) Reduce the pipe hole to a certain area. There is a problem that it is necessary to spray the water uniformly, and if water for use is used, the holes may be small and clogged.
[0008]
In the method (5), a chemical solution is sprayed on a surface layer of the soil with a jolo or the like, and the soil is covered with a coating material. In the method (5), the effect is unstable because the gas is released quickly, and there is a fear of being exposed to radiation.
[0009]
Therefore, while a labor-saving spraying method is required, the conventional processing method cannot be said to be labor-saving when processing a large area continuously. Therefore, development of a labor-saving treatment method is desired.
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a method which meets such a demand, is safe with little gas leakage, and has a sufficient soil disinfection effect.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have intensively studied to achieve the above object. As a result, they have found a method that can exert a labor-saving, safe and sufficient soil disinfection effect, and have completed the present invention.
That is, a step of covering the wet soil with a covering material,
A chemical solution spraying bar having a chemical solution outlet having a plurality of chemical solution outlets and a chemical solution supply unit for supplying a chemical solution to the chemical solution outlet, wherein the chemical solution outlet is provided at one end of the chemical solution supply unit. A step of dispersing the chemical solution on the soil surface by moving the soil surface while supplying the chemical solution to the chemical solution outlet through the chemical solution supply unit with the connected chemical solution spray rod, The method has been found to be very effective in achieving the above objectives.
[0011]
Further studies have led to the finding that the following form is preferable in the method of the present invention.
First, the method of performing the step of coating with the coating material before the step of spraying a chemical solution on the soil surface.
Second, the method in which the step of coating with the coating material is performed simultaneously with the step of spraying a chemical solution on the soil surface (including a method of coating immediately after spraying the chemical solution).
Third, the above method further comprising the step of covering the soil surface treated with the chemical solution.
Fourthly, the above-mentioned method in which the supply of the chemical solution to the chemical spray bar is performed using any of a power sprayer, a watering pump, or a fertilizer pump.
Fifth, the above-mentioned method in which the supply of the chemical solution to the chemical spray bar and the covering of the soil surface with the coating material are performed by a tractor having these functions.
Sixth, the above method further using a tractor capable of covering the soil surface treated with the chemical solution.
Seventh, the above-mentioned method uses a chemical spraying rod having a chemical spray outlet having a length of 1 to 10 m.
Eighth, the above-mentioned method, wherein the chemical solution outlet of the chemical spraying bar has a chemical solution outlet having an inner diameter of 1 to 5 mm.
Ninth, the above-mentioned method, wherein the active ingredient of the liquid pesticide is one or more selected from an insecticidal component for soil treatment, a nematicide component, a bactericidal component, and a herbicidal component.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present invention is implemented as follows.
(I) Chemical spraying rod A chemical spraying rod, which is an apparatus for spraying a liquid agricultural chemical used in the method of the present invention, is a chemical spraying port having a plurality of chemical spraying holes and a chemical for supplying a chemical to the chemical spraying opening. It has a supply unit.
The chemical spraying port of the chemical spray rod is a tubular one provided with a plurality of chemical spraying holes for spraying a chemical.It does not deteriorate due to the chemical used and can move the soil surface even under the coating material. Anything that can be used can be used.
The pipe at the chemical solution outlet is made of vinyl chloride or the like and may have a length of, for example, 1 to 10 m, and usually a pipe of 4 to 6 m is easy to use. The thickness of the tube is not particularly limited. For example, the tube may have an inner diameter of 1 to 5 cm, and usually an inner diameter of 1.3 to 3 cm is easy to use. Usually, both ends of this tube are closed, and, for example, as a chemical solution ejection hole, pores having an inner diameter of 1 to 5 mm, preferably 2 to 3 mm are provided in one or more rows at an appropriate interval from one end to the other end of the tube. Things can be used. It is preferable that the chemical solution ejection holes are provided at regular intervals in the chemical solution ejection port from the viewpoint that a uniform medicine can be sprayed. As the tube at the chemical solution outlet, the above-mentioned fine hole serving as the chemical solution ejection hole may be provided in the tube, or a tube having a fine hole serving as the chemical solution ejection hole in advance may be used.
[0013]
A chemical solution supply unit for supplying a chemical solution to the chemical solution outlet portion is connected to the tube at the chemical solution outlet portion.
The chemical liquid supply section can be used as long as it has a tubular shape that does not deteriorate due to the chemical used. For example, a hose made of oil-resistant synthetic rubber can be used. The tube of the chemical solution supply section may have a length of, for example, 5 to 50 m, and usually a tube of 10 to 30 m is easy to use. The thickness of the tube is not particularly limited, and may be, for example, an inner diameter of 0.8 to 3 cm, and usually an inner diameter of 1 to 2 cm is easy to use.
The chemical liquid supply unit is connected at one end to a chemical liquid outlet and at the other end to a device such as a power sprayer for supplying a chemical liquid or a power pump such as an irrigation pump or a fertilizer pump. The chemical solution supply unit may be connected to any part of the tube of the chemical solution outlet, but can be preferably attached to the central portion of the tube of the chemical solution outlet.
The chemical spraying rod of the present invention is connected to a central part of the tube at the chemical liquid outlet by connecting a chemical spray hose, which is a chemical liquid supply part having the other end connected to a power pump such as a water pump or a fertilizer pump. Are preferred. FIG. 1 shows a schematic plan view of a preferred embodiment of such a chemical spraying bar of the present invention.
[0014]
The chemical spraying bar includes a chemical solution outlet and a chemical solution supply unit, and preferably has a support portion for supporting the chemical solution outlet.
The supporting portion can be used as long as it can support the chemical solution outlet so that the chemical solution outlet can maintain an angle perpendicular to the traveling direction when the chemical solution spray bar is pulled and moved. Further, any material that can support the chemical solution supply unit is more preferable. Preferably, it is made of wood or the like. As the chemical spraying rod of the present invention, a stick in which a tube of a chemical solution outlet port made of vinyl chloride or the like is attached to a support such as a wooden material is easy to use. Examples of the form of the support portion include a T-shape, a U-shape, and an L-shape, and a T-shape is preferable. The supporting portion is located on one side (for example, a horizontal portion of a T-shape in a T-shape, a vertical portion of a U-shape in a U-shape, and an L-shape in an L-shape) with respect to the traveling direction when moving the chemical spraying bar. The horizontal part) is installed and used so as to be vertical, and the chemical solution outlet is joined to a side perpendicular to the traveling direction. In addition, preferably, one side (for example, a vertical portion of a T-shape in a T-shape, a horizontal portion of a U-shape in a U-shape, and a horizontal portion of a U-shape in an L-shape) The chemical supply unit is joined to the L-shaped vertical part).
[0015]
One side perpendicular to the traveling direction when moving this chemical spray bar (the horizontal portion of the T-shaped support portion, the vertical portion of the U-shape in the U-shape, and the L-shape in the L-shape) The horizontal portion of the tube) may have a length that allows the tube at the chemical solution outlet to maintain a straight state, and is usually from the same length as the tube to about 70% of the length of the tube.
One side (parallel T-shaped vertical portion of T-shaped support, horizontal U-shaped in U-shaped, L-shaped in L-shaped) In the method of the present invention, when the operator or the tractor pulls the chemical supply hose to move the chemical spray bar, the T-shaped horizontal part (the U-shaped vertical part in the U-shape) is used. , The horizontal portion of the L-shape) should be at least as long as it can maintain a right angle and does not hinder the operation. Generally, the length may be 1 to 1.5 m.
In the chemical spraying rod of the present invention, the chemical spray opening is provided with a fine hole of the chemical spray orifice and a tube of a chemical spray outlet connected to a hose of a chemical supply unit at a central portion thereof. Is preferably fixed to a T-shaped horizontal portion such that a chemical solution supply hose as a chemical solution supply portion comes to a vertical portion of the T shape. FIG. 2 shows a schematic plan view of a preferred embodiment of such a drug solution spray rod of the present invention.
[0016]
<Processing method>
(Ii) Preparing the Field The soil of the field to be treated with the chemical solution is brought into an appropriate water state in advance, and then tillage and leveling are performed. If it is in the proper water condition as it is, there is no need for watering, and watering may be performed as needed.
That is, when the chemical solution is sprayed when the soil is too dry, the chemical solution is too adsorbed on the soil, so that the chemical solution is appropriately adsorbed, and there is moisture so that the drug component is gradually released in about one week. Good.
Irrigation can be performed by a conventional method.Irrigation is performed in advance with a hose or a tractor filled with water in the trunk or the like, or water is introduced from the water inlet to the entire field to make it appropriate water state. Just fine.
[0017]
(Iii) Pharmaceuticals Used The pharmaceuticals that can be used in the present invention are not particularly limited as long as they are liquid pesticides for soil treatment. For example, the active ingredient is an insecticidal component for soil treatment, a nematicide component, and a bactericidal component. And a liquid pesticide that is a herbicidal component. In the present invention, a pesticide containing a component obtained by combining one or more components selected from the active ingredients can be used. Specific examples include a carbam sodium salt, a carbam, a DD, and a chlorpicrin. One or two or more selected from the above agents can be used in combination.
Drugs selected from these are used as undiluted solutions or, if necessary, diluted with a solvent such as water, for example, about 1 to 100 times, preferably about 2 to 4 times. When the dosage form of a drug is a dosage form other than a liquid, it can be used by dissolving or suspending it in an appropriate solvent. Further, the concentration of the drug solution is appropriately selected according to the concentration conventionally used or the field conditions. Also, the amount of the chemical solution used can be appropriately increased or decreased according to conventional practices or field conditions.
[0018]
(Iv) Preparation of the chemical spray bar The chemical spray bar prepared above is placed at the tip of the field. The chemical solution described in (iii) is placed in a chemical solution tank such as a power sprayer or a power pump such as an irrigation pump or a fertilizer pump, and a hose for supplying the chemical solution to the chemical spraying rod is connected. Alternatively, when a tractor having a power spray function is used, a hose is connected to the chemical liquid tank of the tractor.
[0019]
(V) Coating method using a coating material such as a vinyl sheet As the coating material used in the method of the present invention, a material that does not evaporate the chemical for about 7 to 14 days after spraying the chemical is used. .
As the coating material, for example, a sheet-like material such as vinyl or polyethylene is preferable.
The coating material, the soil of the field is brought into an appropriate moisture state, and a chemical spraying rod is installed at the tip of the field so that the chemical solution outlet is perpendicular to the traveling direction of the chemical spraying. Spread to cover. In this case, it is necessary to cover a sufficient area to prevent the sprayed chemical solution from evaporating and escaping. Further, the covering of the soil with the covering material can be performed immediately before, simultaneously with, or immediately after spraying the chemical solution.
[0020]
(Vi) Spraying method of chemical solution In general, the following method is used to spray a chemical solution.
First, the first method uses a power sprayer or a power pump such as an irrigation pump or a fertilizer pump to feed a chemical solution to a chemical solution spray bar provided under a covering material such as a vinyl sheet. It is moved while being pulled by a tractor or the like, and soil treatment is performed while spraying a chemical solution on the soil surface from a large number of chemical solution ejection holes provided at a chemical solution outlet of a chemical solution spray rod. Thus, the soil treatment can be easily performed by applying a chemical solution treatment under the covering material such as a vinyl sheet.
Further, in order to further diffuse the chemical solution into the soil and to assure the control effect, a function of covering the soil immediately after the treatment with the chemical solution may be provided in the chemical spray bar. Specifically, a V-shaped guide or the like may be provided to cover the soil.
[0021]
As a second method, the chemical solution is sprayed while being sent to the chemical spray bar through a chemical supply unit by a power sprayer or a power pump such as an irrigation pump or a fertilizer pump, and the chemical spray bar is pulled manually or by a tractor. The soil treatment can be carried out while soil is covered with a soil covering material such as a vinyl sheet immediately before, immediately after or immediately after spraying.
A tractor or chemical sprayer that pulls a chemical spray rod to perform the function of soil-covering the chemical-treated soil immediately after chemical treatment, as described above, in order to further ensure the diffusion of the chemical into the soil and the control effect. It may be provided as a part of a rod. Specifically, a V-shaped guide or the like may be provided to cover the soil.
[0022]
In addition, the amount of the chemical sprayed from the chemical spraying rod is adjusted by appropriately changing the amount of the chemical supplied from the chemical tank to the chemical spraying rod and the moving speed of the chemical spraying rod, so that an appropriate amount of the chemical to be used is sprayed on the target field. It may be adjusted so as to be performed. For example, the amount of the chemical sprayed from the chemical spray rod can be 0.2 to 1.0 L / min, preferably 0.2 to 0.4 L / min. The amount of the chemical supplied from the chemical tank to the chemical spray rod can be adjusted so that the amount of the chemical sprayed from the chemical spray rod is achieved. The moving speed of the chemical spray rod can be 5 to 20 m / min, preferably 10 to 15 m / min.
[0023]
(Vii) After spraying the neglected chemical solution, it is left for a certain period of time, for example, one week to two weeks while being covered with a vinyl sheet or the like. The period of time to be left is appropriately selected according to a conventional method depending on the type of the medicine to be sprayed, the properties of the soil, the temperature, and the like.
[0024]
(Viii) Removal of Covering Material such as Vinyl Sheet After leaving the soil treated with the chemical solution covered for a certain period of time, the covering material is removed and left for a certain period of time to release gas. The time required for degassing varies depending on the type of drug, the properties of the soil, the temperature, and the like, and is appropriately selected according to a conventional method.
Further, for the purpose of degassing, it is possible to further perform a soil mixing operation according to the type of soil, the level of temperature, and the like.
The sowing and planting of the plant can be performed according to a conventional method.
[0025]
【Example】
Next, the present invention will be described more specifically with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
<Example 1> Herbicidal effect test Using a facility in Atsugi city, Kanagawa prefecture, one ward was set up as a 100 m 2 (10 mx 10 m) test ward. The test plot was cultivated in advance and irrigated to sufficiently wet the soil.
In the present invention section, the whole test section is covered with a vinyl chloride sheet, and a chemical spraying rod (diameter (thickness) of the chemical solution outlet 3 cm, length 5 m, diameter (inner diameter) of the chemical solution outlet 2 mm) is provided under the coated sheet. (10 pieces / 10 cm) were placed and connected to a power sprayer via a chemical solution supply hose. Carbum sodium salt solution (chemical name: sodium = methyldithiocarbamate 30%) is put into the chemical tank of the power sprayer, and the chemical spraying rod is moved at right angles to the traveling direction to move the 4L chemical (40 L / 10a) was evenly applied to the soil surface in the test plot.
In the control group, an irrigation machine was used to inject a drug solution at an interval of 30 cm in a zigzag pattern to a depth of about 15 cm. The injection amount of the chemical was 4 mL / hole (equivalent to 40 L / 10 a). Immediately after the injection of the drug solution, the soil was crushed and crushed, and the entire test area was covered with a vinyl chloride sheet.
The untreated area was similarly covered with a vinyl chloride sheet.
After the treatment, the test plot was kept covered for 7 days, and after 7 days, the coating of each plot was removed. Twenty and forty days after the treatment, the number of weeds per 1 m 2 (1 m × 1 m) was examined at three points (arbitrarily located on both sides of the center and diagonal lines) arbitrarily selected in each section.
The results are as shown in Table 1.
[0026]
[Table 1]
[0027]
<Example 2> Disease control effect Using a field in Atsugi city, Kanagawa prefecture, one plot set a test plot of 50 m 2 (5 mx 10 m). A suspension of spinach wilt fungus, previously cultured in a PD (potato dextrose) liquid medium with shaking at 26 ° C. for 5 days, to a suspension of 10 8 cfu (colony forming units) / mL, was irrigated at 4 L / division on the soil surface. . The mixture was mixed to a depth of 10 cm with a rotary and one spinach was cultivated. Thereafter, the soil was plowed, irrigated and sufficiently moistened the soil, and then tested.
In the present invention section, the entire test section was covered with a sheet of vinyl chloride, and a chemical spraying rod (diameter (thickness) of an outlet 3 cm, length 5 m, diameter (inner diameter) of a chemical spray hole 2 mm, 10 pieces / 10 cm) and connected to a power sprayer via a chemical supply hose (length 15 m). Carbum sodium salt solution (chemical name: sodium = 30% methyldithiocarbamate) is put into the chemical tank of the power sprayer, and the chemical spraying rod is moved while keeping the chemical spray rod at right angles to the traveling direction, and the 3L chemical solution (60L / 10a) was applied to the soil surface in the test plot.
In the control group, a drug solution was injected at a depth of 15 cm in a zigzag manner at intervals of 30 cm using an irrigation machine. The injection amount of the chemical was 6 mL / hole (equivalent to 60 L / 10a). Immediately after the injection of the drug solution, the soil was crushed and crushed, and the entire test area was covered with a vinyl chloride sheet.
The untreated area was similarly covered with a vinyl chloride sheet for 7 days.
In each section, the test section was kept covered for 7 days after the treatment.
Seven days after the treatment, the coating in each section was removed, and then the entire test section was plowed and degassed. After further placing for 8 days, ridges of 70 cm in width and 2 m in length were formed at three places in each section (both ends on the center and diagonal lines), and spinach (variety: active) was sowed in three rows (20 cm between rows). The seeding amount was 40 grains (120 grains / ridge). The number of budding was examined 14 days after sowing, and the number of diseased strains was examined 31 days after sowing. The control value was calculated from the number of diseased strains.
The results are as shown in Table 2.
[0028]
[Table 2]
[0029]
【The invention's effect】
When the present invention is implemented, the following effects are obtained.
First, a large area can be processed at a time.
Secondly, since there is almost no gas leakage, it is possible to use drugs having odor and tearing properties.
Third, the effect can be stabilized because the chemical solution can be evenly sprayed on the soil surface layer.
Fourth, since gas enters only near the ground surface, gas escapes easily.
Fifth, since a high-concentration chemical solution is applied to the surface layer, the effective concentration is easily reached.
Therefore, the present invention can be used as a labor-saving soil treatment method. Further, the present invention can be used as a method for providing a safe and sufficient soil disinfection effect with almost no gas leakage.
[0030]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic plan view showing one form of a chemical spray bar according to an embodiment. In the same form, it is preferably used with the chemical solution ejection hole facing the soil surface on which the chemical solution is sprayed. The figure is a view from the soil surface where the chemical solution is sprayed.
FIG. 2 is a schematic plan view showing another embodiment of the chemical spray bar according to the embodiment. In the same form, it is preferably used with the chemical solution ejection hole facing the soil surface on which the chemical solution is sprayed. The figure is a view from the soil surface where the chemical solution is sprayed.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF REFERENCE NUMERALS 1 chemical liquid outlet 2 chemical liquid outlet 3 chemical liquid supply hose 4 support
