JP2004201622A - Hydraulic device of mobile farm machine - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トラクタや乗用管理機等の移動農機に利用される油圧装置に関し、具体的には移動農機に装備される種々の油圧機器に作動油を供給する油圧回路と配管油路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トラクタ等の移動農機においては、機体に連結される種々の作業機を昇降させる油圧装置や、機体の走行モードを2輪駆動状態(2WD)にしたり4輪駆動状態(4WD)にしたりする走行モード切替装置や、ミッションケースの中に組み込まれている変速装置のシフタを油圧で操作させる油圧変速装置といった様々な油圧機器及び操作部材が設けられている。本出願人もそのような油圧で制御する技術を出願している(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−127439号公報(第3頁、図1、図2、図9)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来装置にあっては、ミッションケースの側面に多くの制御弁や分流弁を設けると共に、これらの制御弁や分流弁に対して油圧配管によって油路を構成しなければならず、多くの配管を引き回して設置する際にこれらが場所を取る上、ミッションケースに沿わせて配管を設けると構成が複雑になりミッションケースの外側部に取り付けられるフィルタや油圧機器の点検整備がやり難いといった問題点を有していた。
【0005】
特にトラクタのように湿田の中に入って作業を行なう機械にあっては配管の上に泥土が付着しやすく、後の点検整備をやり難くしていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、このような不具合を解決することを目的とし、次のような技術的手段を講じた。
即ち、請求項1の発明は、エンジン2の動力で駆動される油圧ポンプ20と、この油圧ポンプ20から送り出された作動油を所定の圧力に減圧する減圧弁22と、減圧された作動油を利用して油圧作動部を制御する複数個の制御弁26,28,32,34,36,47,48と、機体に装着された作業機を昇降する作業機昇降用油圧制御弁80を有する移動農機1において、前記減圧弁22をミッションケース4の側部に取り付けると共に、この減圧弁22に少なくとも1個の制御弁26を積み重ねて設け、さらにこのミッションケース4の別の箇所に他の制御弁28,32,34,36,47,48を設け、これら制御弁28,32,34,36,47,47,48には、配管を用いることなくミッションケース4内に形成された油路94,95,110,111,115を介して作動油を供給するように構成したことを特徴とする移動農機の油圧装置の構成とした。
【0007】
また、請求項2では、減圧弁22に重合された制御弁が、前輪9と後輪13の走行モードを切換える4WD用制御弁26であるか、又はPTOクラッチ42をON,OFFするPTO用制御弁28であるか、又はこれら2つの制御弁26,28がセットとして組み合わされたもので形成されていることを特徴とする請求項1記載の移動農機の油圧装置とした。
【0008】
また、請求項3では、減圧弁22から離れて設けられた他の制御弁が、機体の進行方向を切換えるリバース用制御弁34であることを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載の移動農機の油圧装置とした。
請求項4の発明は、減圧弁22から離れて設けられた他の制御弁がミッションケース4の中に組み込まれた変速装置を切換える変速用制御弁であることを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載の移動農機の油圧装置とした。
【0009】
請求項5の発明は、前記変速用制御弁は、4段の主変速装置を切換える制御弁47,48、あるいは2段の副変速装置を切換える制御弁32であることを特徴とする請求項4記載の移動農機の油圧装置とした。
請求項6の発明は、減圧弁22から離れて設けられた他の制御弁が、旋回時に旋回内側の後輪ブレーキ35を制動する片ブレーキ用制御弁36であることを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載の移動農機の油圧装置とした。
【0010】
前記構成による作用は次の通りである。
油圧ポンプ20から吐出された作動油は減圧弁22に入り、ここで所定圧に制御される。そして、油圧機器を作動する複数個の制御弁26、28…に送られる。この場合、ミッションケース4の側面に固着された複数個の制御弁に対して減圧弁22を通過した後の作動油はミッションケース4の壁に形成された油路94,95,110,111,115を通過して各制御弁に送られるものであるから、これまで必要とした油圧配管が要らなくなり、この結果、構成がすっきりすると共に、長い配管内を作動油が通過することによる圧損や配管接合部からの油漏れといった新たな不具合が発生することがなく、構成が簡潔になる分、油圧機器のメンテナンスも容易になるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、この発明の実施の形態を説明する。まず、構成から説明すると、符号1はトラクタで機体前部にエンジン2を搭載して設け、このエンジン2の後部にはクラッチハウジング3とミッションケース4を接合してシャーシ本体5を形成している。
【0012】
ミッションケース4の後上部には油圧シリンダケース7が設けられ、この油圧シリンダケース7の左右両側部にはリフトアーム8,8が回動自在に枢着されている。油圧シリンダケース7内の単動式の油圧シリンダ10に作動油を供給することによりリフトアーム8,8が上昇方向に回動し、油圧シリンダ10から作動油を抜くことによってリフトアーム8,8が下降側に回動する。リフトアーム8,8の昇降回動は周知の方法によってなされ、油圧操作レバー11を操作するか、ステアリングハンドル12の近傍に設けた昇降スイッチ(図示省略)をON,OFF操作することによってリフトアーム8,8を上げ下げできる。
【0013】
ミッションケース4の後部にはロワーリンク14,14が取り付けられ、このロワーリンク14,14と前記リフトアーム8,8との間にはリフトロッド15,15が介装連結されている。そして、トップリンク16、ロワーリンク14,14からなる3点リンク機構17の後部にはロータリ耕耘装置の如き作業機18が連結されている。
【0014】
この実施例では、作業機として、ロータリ耕耘装置を連結したが、畔塗機やマルチフィルム敷設機、あるいは播種機であっても良い。
トラクタ1に装備される油圧機器を作動する油圧ポンプ20はエンジン2の進行方向右側に取付けられており、この油圧ポンプ20から取り出された作動油はミッションケース4右横に固着された減圧弁22に流入する。21はこの減圧弁22内に組み込まれたメインリリーフ弁である。
【0015】
次に図2に示す油圧回路に基づいて上記減圧弁22と関連する油圧機器の構成ついて説明する。
減圧弁22は、その下手に設けられた複数個の油圧機器に所定の圧力の作動油を供給することを目的として介装されたものであり、このトラクタ1では走行モードを切り替える4WD用制御弁26、トラクタ1に連結される作業機18に駆動力を伝達したり遮断したりするPTO用制御弁28、走行系の4段変速装置を適宜切替える主変速用制御弁47,48、同じく高低2段の変速装置を切り替える高低速切替用制御弁32、機体の進行方向を切り替えるリバース用制御弁34、左右の後輪ブレーキ装置35を択一的に切り替える片ブレーキ用制御弁36,36が設けられ、これらのバルブに対して例えば20kg/cm2程度に減圧された圧力の作動油が送り込まれるように構成している。
【0016】
前記4WD用制御弁26は機体の走行モードを2WD状態にしたり、4WD状態にしたり、旋回操作に連動して前輪を増速させたりすることができるものである。この4WD用制御弁26が中立状態にあれば走行モードは2WDの状態となり、作業中はソレノイド37が励磁されて等速クラッチ38が繋がって前輪9と後輪13が略同速で回転する4WD状態になり、ステアリングハンドル12を所定角度以上回して機体を旋回させるとソレノイド39が励磁されて前輪倍速クラッチ40が繋がり、前輪9が後輪13よりも速い速度で回転駆動するように構成している。
【0017】
PTO用制御弁28はPTOクラッチ42に作動油を送ったりPTOクラッチ42から作動油を排出したりするもので、ソレノイド43が励磁されるとPTOクラッチ42に作動油が供給されてPTOクラッチ42が繋がって機体後部に軸支されているPTO軸44を回転させる。この場合、ソレノイド43のON,OFFは油圧操作レバー11の操作によって入切させる形態としてもよいが、操縦席近傍に設けた図示外のPTO入切スイッチでON,OFFさせるように構成してもよい。なお、この実施例では4WD用制御弁26とPTO用制御弁28のバルブ本体が一体重合化されていて1つのユニットA(図2で1点鎖線で囲っている)になっている。一般的にトラクタ1に最も必要な4WD用制御弁26とPTO用制御弁28とを一体化することにより配管を省略することができ構成を簡潔にすることができる。また、この実施例では4WD用制御弁26とPTO用制御弁28とは素材となるバルブボディを共用化しており、追加工のみ施して両者を区分けして生産コストを抑えている。図2において、PTO用制御弁28の仕様形態を変更したものを枠Sで囲って示す。この枠Sで囲ったものは、4WD用制御弁26とPTO用制御弁28が一体的に構成されている点は先に説明したものと同じであるが、このPTO用制御弁28は比例減圧弁29が介装されている点で異なる。この形態はPTOクラッチ42を徐々に接続する昇圧制御に利用される。
【0018】
次に変速部について説明する。
主変速用制御弁は4段の変速が可能な主変速装置45を1速から4速まで切り替えるために設けられたものであり、この例では2個の制御弁47,48からなり、具体的には1・2速用主変速制御弁47と3・4速用主変速操作弁48を備える。1・2速用主変速制御弁47はソレノイド49又は50が励磁されると中立位置から1速又は2速位置に切り替わり、プッシュプルシリンダ51の前後いずれかの室に作動油が流入し、図示外のシフターを前後に切り替えて主変速装置45を1速又は2速に切り替える。
【0019】
また、3・4速用主変速操作弁48はソレノイド52又は53が励磁されると中立位置から選択した側の変速位置に切り替わり、プッシュプルシリンダ54の前後いずれかの室に作動油が流入し、図示外のシフターを前後に移動させて主変速装置45を3速又は4速に切り替える。
【0020】
高低速切替用制御弁32は高低速切替装置31を構成する高低2段の油圧クラッチ56,57を択一的に切り替えるものであり、操縦席近傍に設けた切替スイッチを操作するとソレノイド58が励磁され、「低速」から「高速」に切り替わる。常態においては低速側の油圧クラッチ57が繋がっており、ソレノイド58が励磁されたときだけ高速側クラッチ56が繋がるように構成している。
【0021】
なお、この実施例では主変速操作弁47,48と高低速切替用制御弁32のバルブ本体が重合一体化されて1つのユニットB(図2では1点鎖線で囲っている)になっている。
また、リバース用制御弁34は機体の進行方向を切り替えるために設けられたものであり、ステアリングハンドルポスト59に設けられたリバースレバー60を前後方向に移動操作することによって機体が前後進する。即ち、リバースレバー60を前進側に操作すると前進感知のスイッチが入ってソレノイド61が励磁されてリバース用制御弁34が前進側に切り替わり、前進クラッチ63が繋がって機体は前進する。
【0022】
反対にリバースレバー60を手前(後方)に引くと後進感知のスイッチが入ってソレノイド62が励磁されて後進クラッチ64が繋がり、機体は後進する。
後輪ブレーキ装置35は後輪デフ装置66を挟んで左右に夫々設けられ、左右独立したブレーキペダルを操作して後輪13に制動を掛けることもできるが、油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)68により旋回内側の後輪ブレーキ装置66を制動することもできるようになっている。この場合は、ステアリングハンドル12操作と連動されており、ステアリングハンドル12を操作して前輪9の操舵角が所定の角度を越えると旋回内側の油圧アクチュエータ68が作動してブレーキ制動による小回り旋回が行なえるようにしている。
【0023】
このため、ステアリングハンドル12と片ブレーキ用制御弁36のソレノイド70,71とは連動しており、ステアリングハンドル12の回動部に設けた操舵角センサ(図示省略)と上記ソレノイド70,71とは電気的に連係されている。なお、前記リバース用制御弁34と片ブレーキ用制御弁36はバルブ本体が重合一体化されて1つのユニットC(図2では1点鎖線で囲っている)を構成している。
【0024】
また、この実施例では、主変速装置45を切り替える時、言い換えると、1・2速用主変速制御弁47と3・4速主変速制御弁48が作動して変速操作が行なわれるときには、まず、リバース用制御弁34が一度中立位置に戻り、主変速操作が完了して前記リバース用制御弁34が元の状態に復帰するようにしている。即ち、前後進クラッチ63,64がメインクラッチの代わりをなすように構成している。
【0025】
次にメイン油圧回路構成について説明すると、減圧弁22を通過した高圧の作動油は油路76を通り、分流弁78に導かれてここで2つに分流され、1つは作業機18をローリング制御する水平制御弁79に流入し、残りは作業機18を昇降させる作業機昇降用油圧制御弁80に流入する。
【0026】
水平制御弁79は機体に搭載した傾斜センサ(図示省略)のローリング角度検出に連動して切り替わる従来周知の構造であって、前記傾斜センサがトラクタ1の左右ローリングを検出するとソレノイド82又は83のいずれか一方を励磁し、水平制御弁79を適宜切り替えて作業機18を水平に制御する。符号84はローリングシリンダである。このローリングシリンダ84はリフトアーム8とロワーリンク14を繋ぐリフトロッド15の一方に介装される。
【0027】
また、この水平制御弁79に至る油路76の途中には絞り86を設け、更に
作業機昇降用油圧制御弁80の排出側油路87にも絞り88を設けている。前記2つの絞り86,88を設けることにより油路76内に圧損を生じさせ、エンジン2が低回転でアイドリングの状態であっても減圧弁22の下流で約20kg/cm2程度の圧力が得られるようにしている。
【0028】
そして、絞り88を排出油路87に設けることによって排出油の一部を前進クラッチ63と後進クラッチ64の潤滑に利用できるものであって、減圧弁22の1次圧を立てるだけであればこの絞り88は特に必要ない。
なお、前記の作業機昇降用油圧制御弁80は出願人が以前にも出願している公知の構成であるので詳細な構造の説明は省略するが、上昇側比例弁80aと下降側比例弁80bとで構成されている。上昇側油路89には油圧シリンダ10とサブシリンダ90が接続される。メインの油圧シリンダ10とサブシリンダ90との関係については後述する。
【0029】
図3は前記油圧回路を組み込んだトラクタ1を平面から見て模式的に表したものである。
同図から明らかなように進行方向に対してミッションケース4左側の側壁にはリバーサ用制御弁34が固着され、これに重なるように片ブレーキ用制御弁36が設けられてユニットCが取り付けられている。同じ側の後方寄り箇所には主変速制御弁47,48と高低速切替制御弁32が一体になったユニットBがミッションケース4の外壁に直に取り付けられている。
【0030】
ミッションケース4の反対側(右側)には減圧弁22と4WD用制御弁26が一体になったユニットAが直に取り付けられ、減圧弁22と油圧ポンプ20とは鋼製の配管92で接続されている。ユニットAとユニットBとはミッションケース4内においてミッションケース4自体に横向きに穿設された油路94により接続される。ユニットAとユニットBは配管を全く使わずにケース4に設けた油路94を介して接続されている。
【0031】
そして、ユニットBとユニットCも同様に一切の配管を用いずにミッションケース4に前後方向に穿設した油路95を介して接続されている。
同図において、符号97はサクション用の配管である。油圧タンクを兼ねるミッションケース4からこの配管97を介して吸い込まれた作動油は油圧ポンプ20により減圧弁22を経て他の油圧機器に向けて送り出される。
【0032】
図2でも説明したように減圧弁22で所定圧まで減圧された後の作動油は全てミッションケース4内に穿設した油路を介して各油圧機器に送り込まれる。
図4乃至図6はミッションケース4の断面を取ったもので、ミッションケース4内に組み込まれている前後進クラッチ63,64やPTOクラッチ42といった油圧機器と、そこに至るまでの油路との関係をより具体的に表したものである。
【0033】
図4において、ミッションケース4はフロントミッションケース4aとスペーサミッションケース4bとからなりこれら2つのケース4a,4bが前後方向において合体されている。ミッションケース4の右側には油路100が形成され、PTOクラッチ42のシリンダ室42a中に作動油が流入するとピストン101が前側に移動して摩擦板を圧着してPTOクラッチ42を繋ぐ。
【0034】
4WD用制御弁26を通過した作動油はスペーサミッションケース4b内において左右方向に穿設した油路102を通って等速クラッチ38と前輪増速クラッチ40を支持している前輪駆動軸105内部の軸芯方向に沿わせて設けた油路に入り、4WD用制御弁26を切り替えることにより、等速クラッチ38のシリンダ室に作動油が入ったり、前輪増速クラッチ40のシリンダ室に作動油が入ったりして2WDの状態、又は4WDの状態、あるいは前輪増速クラッチ40が繋がって前輪9が後輪13より速く回転する状態になるようにしている。更に詳述すると、等速クラッチ38が繋がると前後輪9,13が略同速で回転駆動される4WDの状態になり、増速クラッチ40が繋がると前輪9が後輪13よりも速く回される前輪増速状態になり、両方のクラッチが切られると2WDの状態になるように構成している。
【0035】
ミッションケース4の左側部分について説明すると、減圧弁22から同ケース4を横切る形で設けられた油路94はミッションケース4の中壁に設けられており、作動油はこの油路94を通って主変速用制御弁47,48内に流入する。
そして、これらの主変速用制御弁47,48を出た作動油は更にミッションケース4の壁に設けられた油路を通ってプッシュプルシリンダ51,54内に流入する。主変速用制御弁47,48と一体的に構成された高低速切替用制御弁32は常態では低速クラッチ57側に切り換わっている。
【0036】
ミッションケース4の左側において前後方向に沿わせて設けた2本の油路110,111は低速クラッチ57と高速クラッチ56に至る油路であり、この油路110,111から高低変速軸113内の油路を通って低速クラッチ57と高速クラッチ56に連通する。
【0037】
また、油路94を左から右に横切った作動油は油路95を通ってミッションケース4の前側に送られてリバース用制御弁34に入り、壁に形成した油路115を通って前進クラッチ63と後進クラッチ64を支持しているリバース軸120の油路(図示省略)に流入し、前進クラッチ63又は後進クラッチ64のシリンダ室に流入する。クラッチの切替え・選択はリバースレバー60により行なわれる。
【0038】
最後に図7に示す制御弁の取付構造について説明する。この図は図4に相当するものであって、減圧弁22の外側に4WD用制御弁26とPTO用制御弁28が一体になったものを取付け、更にその外側に片ブレーキ用制御弁36を取り付けたものである。即ち、制御弁としては3個の制御弁をスタックさせて固着したものである。このように3個の制御弁を集中的に且つミッションケース4の片側に設けることにより制御弁のメンテナンスがやり易くなっている。
【0039】
【発明の効果】
請求項1の発明は、エンジン2の動力で駆動される油圧ポンプ20と、この油圧ポンプ20から送り出された作動油を所定の圧力に減圧する減圧弁22と、減圧された作動油を利用して油圧作動部を制御する複数個の制御弁26,28,32,34,36,47,48と、機体に装着された作業機を昇降する作業機昇降用油圧制御弁80を有する移動農機1において、前記減圧弁22をミッションケース4の側部に取り付けると共に、この減圧弁22に少なくとも1個の制御弁26を積み重ねて設け、さらにこのミッションケース4の別の箇所に他の制御弁28,32,34,36,47,48を設け、これら制御弁28,32,34,36,47,47,48には、配管を用いることなくミッションケース4内に形成された油路94,95,110,111,115を介して作動油を供給するように構成したことを特徴とする移動農機の油圧装置としたので、減圧弁22で確保された2次圧はミッションケース4側壁に取り付けられた複数個の制御弁に配管を全く用いずに送られることになり、構成が簡潔になると共に、泥が配管に溜まるような不具合が発生せず、油圧機器や各種制御弁に対するメンテナンスも容易に行なえる。
【0040】
また、請求項2の発明は、減圧弁22に重合された制御弁が、前輪9と後輪13の走行モードを切換える4WD用制御弁26であるか、又はPTOクラッチ42をON,OFFするPTO用制御弁28であるか、又はこれら2つの制御弁26,28がセットとして組み合わされたもので形成されていることを特徴とする請求項1記載の移動農機の油圧装置としたので、トラクタ等の移動農機において、装着率が高いか使用頻度の多い制御弁を予め減圧弁22にセットして出荷できるものであって、仕様変更や改造等に伴う製造コストの低廉化に大きく寄与できる。
【0041】
また、請求項3は、減圧弁22から離れて設けられた他の制御弁が、機体の進行方向を切換えるリバース用制御弁34であることを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載の移動農機の油圧装置としたので、リバース用制御弁34を機体前部に設けることができ、しかも配管は不要であるから、移動農機の油圧機器構成を簡潔にすることができる。
【0042】
また、請求項4は、減圧弁22から離れて設けられた他の制御弁がミッションケース4の中に組み込まれた変速装置を切換える変速用制御弁であることを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載の移動農機の油圧装置としたので、ミッションケース内の中間或いは後部に設けられた変速装置を制御する変速用制御弁を自由自在に設けることができ、しかも配管が不要であるから油圧機器構成を簡潔にすることができる。
【0043】
また、請求項5は、前記変速用制御弁は、4段の主変速装置を切換える制御弁47,48、あるいは2段の副変速装置を切換える制御弁32であることを特徴とする請求項4記載の移動農機の油圧装置としたので4段または2段の変速機構を簡単に得ることが可能になる。
【0044】
また、請求項6は、減圧弁22から離れて設けられた他の制御弁が、旋回時に旋回内側の後輪ブレーキ35を制動する片ブレーキ用制御弁36であることを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載の移動農機の油圧装置としたので機体を旋回させる片ブレーキ用制御弁36までの油路をミッションケース4の壁に形成することによって簡単に片ブレーキ旋回機構を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの全体側面図である。
【図2】油圧回路図である。
【図3】トラクタの制御弁のレイアウトを模式的に示す平面図である。
【図4】要部の平断面図である。
【図5】要部の側面図である。
【図6】一部を断面にした要部の正面図である。
【図7】一部を断面にした別実施例の平面図である。
【符号の説明】
1 移動農機(トラクタ)
2 エンジン
3 クラッチハウジング
4 ミッションケース
5 シャーシ本体
7 油圧シリンダケース
8 リフトアーム
9 前輪
10 油圧シリンダ
13 後輪
18 作業機
20 油圧ポンプ
22 減圧弁
26 4WD用制御弁
28 PTO用制御弁
31 高低速切替装置
32 高低速切替用制御弁
34 リバース用制御弁
35 後輪ブレーキ装置
47 主変速制御弁
48 主変速制御弁[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a hydraulic device used for a mobile agricultural machine such as a tractor and a riding management machine, and more specifically, to a hydraulic circuit and a piping oil passage for supplying hydraulic oil to various hydraulic devices equipped on the mobile agricultural machine. is there.
[0002]
[Prior art]
BACKGROUND ART In a mobile agricultural machine such as a tractor, a hydraulic device that raises and lowers various working machines connected to the aircraft, and a traveling mode in which the traveling mode of the aircraft is set to a two-wheel drive state (2WD) or a four-wheel drive state (4WD). Various hydraulic devices and operating members, such as a switching device and a hydraulic transmission that hydraulically operates a shifter of a transmission incorporated in a transmission case, are provided. The present applicant has also applied for such a hydraulic control technique (for example, see Patent Document 1).
[0003]
[Patent Document 1]
JP-A-6-127439 (page 3, FIG. 1, FIG. 2, FIG. 9)
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in such a conventional apparatus, many control valves and branch valves must be provided on the side surface of the transmission case, and an oil passage must be formed by hydraulic piping for these control valves and branch valves. In addition, when many pipes are routed and installed, they take up space, and if pipes are provided along the transmission case, the structure becomes complicated, and inspection and maintenance of filters and hydraulic equipment attached to the outside of the transmission case are performed. There was a problem that it was difficult.
[0005]
In particular, in a machine such as a tractor that works inside a wet field, mud tends to adhere to the piping, making it difficult to perform later inspection and maintenance.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has been made to solve such a problem, and has taken the following technical means.
That is, the invention of claim 1 is a
[0007]
In the second aspect, the control valve superposed on the
[0008]
According to a third aspect of the present invention, the other control valve provided apart from the
The invention according to
[0009]
The invention according to claim 5 is characterized in that the shift control valve is a
The invention according to claim 6 is characterized in that the other control valve provided apart from the
[0010]
The operation of the above configuration is as follows.
The hydraulic oil discharged from the
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. First, the structure will be described. Reference numeral 1 denotes a tractor, which is provided with an engine 2 mounted on a front part of the fuselage, and a clutch body 3 and a
[0012]
A hydraulic cylinder case 7 is provided at an upper rear portion of the
[0013]
[0014]
In this embodiment, a rotary tilling device is connected as a working machine, but a hill coater, a multi-film laying machine, or a seeding machine may be used.
A
[0015]
Next, the configuration of hydraulic equipment related to the
The
[0016]
The
[0017]
The
[0018]
Next, the transmission section will be described.
The main transmission control valve is provided to switch the
[0019]
When the
[0020]
The high / low speed switching
[0021]
In this embodiment, the valve bodies of the main speed
The
[0022]
Conversely, when the reverse lever 60 is pulled forward (rearward), the reverse detection switch is turned on, the solenoid 62 is excited, the reverse clutch 64 is engaged, and the aircraft moves backward.
The rear
[0023]
Therefore, the steering handle 12 and the
[0024]
Further, in this embodiment, when the
[0025]
Next, the configuration of the main hydraulic circuit will be described. The high-pressure hydraulic oil that has passed through the
[0026]
The horizontal control valve 79 has a conventionally well-known structure that switches in response to the detection of the rolling angle of a tilt sensor (not shown) mounted on the fuselage. When the tilt sensor detects the left and right rolling of the tractor 1, either the
[0027]
A
[0028]
By providing the
Since the work implement lifting hydraulic control valve 80 has a well-known structure that the applicant has previously filed, detailed description of the structure is omitted, but the upward proportional valve 80a and the downward proportional valve 80b are omitted. It is composed of The
[0029]
FIG. 3 schematically shows the tractor 1 incorporating the hydraulic circuit when viewed from a plane.
As can be seen from the drawing, a
[0030]
On the opposite side (right side) of the
[0031]
The units B and C are similarly connected to the
In the figure,
[0032]
As described with reference to FIG. 2, all the hydraulic oil after the pressure is reduced to a predetermined pressure by the
FIGS. 4 to 6 show cross sections of the
[0033]
In FIG. 4, the
[0034]
Hydraulic oil that has passed through the
[0035]
Describing the left side portion of the
The hydraulic oil that has exited from the main
[0036]
Two
[0037]
The hydraulic oil traversing the
[0038]
Finally, the mounting structure of the control valve shown in FIG. 7 will be described. This figure corresponds to FIG. 4, in which a
[0039]
【The invention's effect】
The invention of claim 1 utilizes a
[0040]
Further, according to the invention of claim 2, the control valve superposed on the
[0041]
According to a third aspect of the present invention, the other control valve provided apart from the
[0042]
According to a fourth aspect of the present invention, another control valve provided at a distance from the
[0043]
According to a fifth aspect of the present invention, the shift control valve is a
[0044]
According to a sixth aspect of the present invention, the other control valve provided apart from the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall side view of a tractor.
FIG. 2 is a hydraulic circuit diagram.
FIG. 3 is a plan view schematically showing a layout of a control valve of the tractor.
FIG. 4 is a plan sectional view of a main part.
FIG. 5 is a side view of a main part.
FIG. 6 is a front view of a main part with a partial cross section.
FIG. 7 is a plan view of another embodiment, part of which is a cross section.
[Explanation of symbols]
1 moving agricultural machine (tractor)
2 Engine 3
Claims (6)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002376607A JP2004201622A (en) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | Hydraulic device of mobile farm machine |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002376607A JP2004201622A (en) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | Hydraulic device of mobile farm machine |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004201622A true JP2004201622A (en) | 2004-07-22 |
Family
ID=32814026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002376607A Pending JP2004201622A (en) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | Hydraulic device of mobile farm machine |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004201622A (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007298140A (en) * | 2006-05-01 | 2007-11-15 | Iseki & Co Ltd | Transmission case for mobile farm machine |
-
2002
- 2002-12-26 JP JP2002376607A patent/JP2004201622A/en active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007298140A (en) * | 2006-05-01 | 2007-11-15 | Iseki & Co Ltd | Transmission case for mobile farm machine |
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