JP2004200741A - 電子会議システムの発言情報の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子会議システムにおいて、議論を論理的に展開し、主張の信頼性を数値的に評価して議論の結論を論理的かつ合理的に得る。
【解決手段】電子会議システムにおいて、発言情報である主張を入力の際はその根拠と理由を必須に入力させ、質疑応答を通して、主張の根拠と理由、その根拠と理由それぞれの根拠と理由を逐次追求し、これ以下の根拠と理由へ展開できない議論の底まで根拠と理由を展開させる。主張を論証する最低部の根拠と理由の信頼性の数値評価を、主張と根拠と理由間の信頼性の論理関係に基づく計算式を利用して、論証構造を遡って計算することにより、主張の信頼度を算出し、対立する主張の信頼性の相対的総合評価を論理的、定量的に行う電子会議システムを得る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子会議システムに関し、議論により参加者相互の批判もしくは賛同意見を統合しつつ議論を進展させ、主張間の対立を論理的かつ定量的に処理し、迅速にかつ客観的に結論をまとめるシステムに関する。すなわち、特に議論の「発想、発案」の段階後の「解の選択、意志決定」に見られる議論の集約に対するコンピューターによる支援システムに関するものである。また、この議論を個人の内部での対話と捉えると、このシステムは個人の思考用ツールともなる。
【0002】
【従来の技術】
コンピューターを用いて、所定のテーマに対して、参加者が意見の交換や討論を行ういわゆる電子会議が急速に普及しつつある。電子会議システムの構成、構築、データ処理に関する従来技術としては、特開平6−236331に記載の、複数の電子メールを電子掲示板に系統的に掲示するようなコンピューターとの連携を行う討論制御システム、特開平10−322331に記載の、表示された意見(文書)に対してのコメントや参考資料等を関連付けて表示する会議支援システム、特開平11−119959に記載の、発言をツリー構造にて階層的に表示するシステム、特開平11−127147に記載の、情報蓄積交換型電子会議システムにおけるトラブル時の情報内容に矛盾が生じた場合の自動修正システム等に開示されている。また、大型コンピューターによる集団の意志決定支援システムとしての技術が特開昭63−205724に開示されている。
【0003】これらの従来の技術は、電子会議が円滑に行えるよう、いずれも電子会議システムの構築、構成、表示、保守等の技術であり、論点の整理や意見集約もしくは論理的結論への誘導等の論争処理を対象とした技術ではない。
【0004】一般に、会議において、議論の対象である問題の構成要素が多く、関係が複雑で問題構造の認識や事実の解釈等について主観性が排除できない場合、もしくは関係者の利害や信条が絡み議論の目的が利益追求や世界観の争いあるいは宣伝の場となる場合には意見の収束は難しく、議論は論争となる。
【0005】また、会議においては、発言は文章で表現されるが、文章形式は一般に論理の直線的な展開に適し、複雑な論理の表現には不向きで、また論述には発言者の自由に任せて、問題の背景、状況、思想、意見、自説の弁護、自説の宣伝、他説の批判等の他、修飾、レトリック、感情表現等論理以外の記述が混在しがちになり、主張の論理的な説明、すなわち、主張とその根拠や理由の関係が曖昧になりやすい。
【0006】さらに、論争においては、主張者は自己の不利な点を隠し、弱点をつく批判は無視して自己宣伝に終始しがちで、利害や信条が絡む議論では、理性的な応答を越えた感情的発言が増え、また、議論を構成する様々な分野の専門家の議論が個々分散して展開されるが、これらの無秩序な議論情報を論争の争点に関する論理的追求に向けて整理してまとめる司会者がいなく、もしいたとしてもその能力を超えるため、議論の焦点が発散し、参加者の注意は拡散し、混乱した膨大な情報に対して参加者の議論内容の全体的な理解が困難になり、議論は不徹底、不完全になるケースが多い。また、議論が論理的に深化された場合でも、議論の厳密化と共に論点が細分化され、個々の議論の結果を評価し全体的に統合する事が難しい。
【0007】このような論争処理のための適切な方法や処理ツールは現在存在せず、比較的それに近い電子討論システムとして、電子ディベートとeデモ(新聞社による討論の場)があるが、いずれも手順に従い、互いに質疑応答および批判反論を繰り返し、これを逐次記録し、この評価を他者の判断に委ねる方式であり、発言や議論の論理的な意味内容を踏まえて情報の整理、処理や評価を電子的にシステム化するものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、議論の目的は議論の徹底を通して対立する主張に関する評価、判断情報の提供にあると考え、上述の議論と論争の特性と従来の会議システムにおける問題に鑑み、参加者が自由な発言を行いつつ、それらの発言を有機的かつ合理的に統合して、議論を論理的に深化、細分化すると共に、議論結果について合理的かつ定量的な評価情報を提供し、議論における対立を論理的に処理し、迅速かつ客観的に結論をまとめる電子的なシステムを提案することを課題とした。
【0009】
【課題を解決する手段】
合理的な主張にはそれを論理的に証明する根拠と理由があるはずであり、その根拠と理由も、それが事実や説や意見である限り一つの主張と捉えることが出来るため、その根拠と理由を論証する根拠と理由がある。こうして、主張とそれを論証する根拠と理由(データを根拠1、理由1とする)、根拠1と理由1を論証する根拠と理由(根拠2、理由2)が連続して「根拠と理由の根拠と理由」という再帰的な展開となる。(根拠1、理由1)の下位に(根拠2、理由2)、(根拠2、理由2)の下位に(根拠3、理由3)、・・・と、根拠と理由のデータの展開に階層を設けると、主張を頂点とする根拠群と理由群から成るツリー状の論証構造が成立する。
【0010】論理的議論を誘導出来るよう、主張には少なくとも一つ以上の下位の根拠および、この根拠を統合して主張を導く論理があればそれを下位の理由として、主張とその根拠、理由をセットとして入力、表示することを必須とし、また、様々な発言が合理的に結合、合成、下位展開されるために、発言の入力の際には主張入力部、根拠群入力部および理由入力部を備えた入力様式を使用し、これらの入力部には、主張、根拠および理由を入力するか、もしくは既に入力された主張、根拠もしくは理由を引用して入力することにより、議論の場に、新たな主張、根拠および理由を追加入力すると共に、入力された主張群、根拠群および理由群を論理的に結合した論証構造に展開できる手順を備える。
【0011】また、議論のテーマについての主張(基本主張)に対する議論が徹底され、対立の根本原因に到達できるよう、基本主張の下位の根拠群および理由群における最下位の根拠および理由を、もはやこれ以下の下位の根拠と理由に展開できないレベル(議論の底:Bottom/BTM)まで論理的に展開する手順を備える。以下、BTMにある根拠や理由をBTMと略す。
【0012】また、主張への批判に対する反論が主張の根拠と理由の展開に合理的、論理的に組み込まれるように、議論の場に入力された根拠もしくは理由に対する質疑応答において、 批判を入力する際には、批判の根拠および理由である批判根拠および、もしあれば批判理由を入力する手順と、これら批判根拠および批判理由に対する反論として、入力された根拠や理由の正当性を論証する下位の根拠および、もしあれば下位の理由を、入力する手順を備える。
【0013】また、曖昧で情緒的な評価を避けるために、参加者個人によるBTMの信頼度は、BTMの質疑応答の評価に基づき決定するものとし、質疑応答の評価基準として、(1)批判に対し完璧に答えた場合もしくは批判がない場合は信頼度を1、(2)批判と反論が伯仲もしくは質疑不能で優劣を判定しがたい場合は信頼度を0.5、(3)重要な批判に対し納得できる回答や反論がない場合は信頼度を0、を使用して、0から1の間の数値にて信頼度を決定し、集団的な評価に対しては、信頼度の平均値および標準偏差を算出できる手順を備える。
【0014】また、議論の結果生じた細分された個々の議論の評価結果を合理的に統合できるよう、主張を論証する少なくとも一つ以上の根拠(各根拠)および理由の信頼度から主張の信頼度を計算する手段として、(1)結合関係にある各根拠を理由により統合した場合の主張の信頼度=理由および各根拠の信頼度の積、(2)合流関係にある各根拠を理由により統合した場合の主張の信頼度=(重み付けされた各根拠の信頼度の和)と理由の信頼度の積、(3)主張を論証する互いに独立の各根拠が存在する場合の主張の信頼度=各根拠の信頼度の内の最大値、(4)論証構造が明確でない場合や簡便に評価する場合の主張の信頼度=重み付けされた各根拠の信頼度の和と理由の信頼度の和、の式から選択もしくは組み合わせた式を使用し、基本主張の総合的な数値評価を行うことできる手順を備える。
【0015】また、議論の要点を合理的に分析できるよう、基本主張からBTMまで信頼度が数値化されたツリー構造において、BTMの信頼度の単位変化に対する基本主張の信頼度の変化、すなわち感度を計算し、基本主張の弱点を、感度が大きく信頼度の小さいBTMと認定し、議論の焦点を、感度が大きく信頼度の定まらない(0.5近辺)BTMと認定する手順を備える
【0016】本発明における主張とは、根拠および理由に基づいた主張者の意見、説、判断、解釈、考えを意味し、根拠とは、主張を導くよりどころとなる直接的情報、即ち、事実や条件および関連論点に対する意見、説、判断、解釈、考えを意味し、主張の成立に不利な言説も主張の成立を左右する場合は根拠として取り扱うものとする。理由とは、根拠から、もしくは、根拠群を統合して主張を論理的に導くために必要な場合に設ける説明論理、思想等を意味するものとし、一般に根拠として主張成立に不利な言説が存在する場合、この不利を考慮しても主張を導く理由が必要となる。
【0017】これらの具体的な例としては、会議のテーマが「原子力発電への取り組み」であった場合、一つの主張1は、「原発は推進すべし」であり、その根拠群の一つは根拠11が「化石資源はいずれ枯渇する」であり、さらに根拠12は「原発には安全上のリスクがある」である。そして理由11は根拠11と根拠12を統合する「原発の安全上のリスクよりエネルギーの確保を優先する」である。また、主張1に対立する主張2は、「原発は廃止すべし」であり、その根拠21は「原発の安全性は充分でない」であり、根拠22は「生活程度をおとせば原発無しでもエネルギーは十分である」であり、根拠21の下位の根拠211は、「一旦事故が発生すればその損害は広範囲、長年月となる」であり、その下位の根拠2111は「スリーマイル、チェルノブイリ等の事故例」等となる
【0018】原発は安全かリスクがあるかは、テーマについての主張内容とは独立した判断であり、主張はこの判断を根拠に導かれる。従って、(1)原発は安全と判断して原発は推進すべし、という主張と、(2)原発はリスクがあっても特定の理由、この場合、理由11により、原発は推進すべし、という主張がありうる。そして、安全かリスクがあるかの判断の差は、事実判断(例えば、事故発生確率)の差から生ずる場合と、価値判断(例えば、どの程度の発生確率を安全とするか)の差から生ずる場合がある。
【0019】本発明では、主張と根拠および理由の間の信頼性の関係を統合論理と称し、互いに独立した根拠群のそれぞれが主張を直接論証する場合、個々の根拠は主張の成立に対し独立関係であると言う。この場合、根拠のいずれかが成立すれば主張は信頼できるので根拠群の内、最大の信頼度を有する根拠の信頼度が主張の信頼度に反映されるものとする。
【0020】また、主張を間接的に論証する互いに独立の根拠群が全体として主張を論証する場合、個々の根拠は主張の成立に対して合流関係であると言い、重み付けされた各根拠の信頼度の和が主張の信頼性に反映されるものとする。この場合、通常根拠群を統合する理由がある。一般の帰納推論は合流として取り扱う。根拠群全体の重み付けを1とした場合、それぞれの根拠の重要度が同程度であれば各々の重み付け配分値は、根拠数の逆数である。つまり合流関係にある根拠数が4であれば、各根拠の根拠群全体に対する重み付けの配分値は0.25となる。
【0021】さらに、互いに他の根拠の成立を不可欠とする根拠群が組み合わさって主張を論証する場合、個々の根拠は主張に対し結合関係にあると云い、各根拠の信頼度の積が主張の信頼度に反映されるものとする。一般の演繹推論は結合として取り扱う。
【0022】また、一般に理由と根拠群は、互いに他の成立を不可欠とし組み合わさって主張を論証するので重み付けの配分値が通常各々1の結合関係とする。
【0023】主張と根拠、理由の論理関係を示す統合論理の例を以下に述べる。独立関係の例としては、例えば根拠1が「巨大事故発生頻度は100年に1回程度である」であり、さらにその下位根拠の一つ根拠11が「大事故発生頻度は実績から100年に1回程度である」であり、別の下位根拠根拠12が「巨大事故の発生確率は専門家の理論計算によると150年に1回なので、確実に100年に1回以下となる」であった場合、根拠11と根拠12は、根拠1を直接論証する独立した根拠であるので根拠1に対し独立関係となる。
【0024】合流関係の例としては、例えば主張が「原発は推進すべし」であり、その根拠1が「化石資源はいずれ枯渇する」、根拠2が「自然エネルギー利用の発電はまだ経済的でない」、根拠3が「原発はほぼ安全である」、根拠4が「原発は火力発電より地球温暖化への影響が少ない」であった場合、根拠1、根拠2、根拠3、根拠4は互いに独立で、全体として主張を論証するので、主張は根拠群に対し合流関係となる。この場合、全ての根拠は主張を支持しているので、改めて根拠群を統合する理由は設けなくとも主張は納得できる。根拠1と根拠2が同じエネルギー供給についての主張であることについては後述する。
【0025】結合関係の例としては、例えば根拠1が「化石資源は約50年後に枯渇する」であり、その下位の根拠11が「化石資源埋蔵量のデータは**である」、別の下位の根拠12が「エネルギー消費予測は$$である」であった場合、根拠11と根拠12は互いに他の成立を不可欠とし、組み合わさって根拠1を論証するので、根拠1に対し結合関係となる。この場合、データ**とデータ$$から必然的に根拠1が導かれない場合は、理由や追加の根拠を必要とする。
【0026】会議のテーマに関する主張を基本主張とすると、一般に、議論は基本主張から一方的に下方に根拠が展開されるだけでなく、専門家の意見や判断を参照して、すなわち、下位の議論の結論を得て、それを根拠にして新しい基本主張を上位合成することも行われる。このため、最上位から最下位までの様々なレベルの論点において同時に議論が開始される。
【0027】このような参加者による自由な発言(主張の入力)を促すために、入力された全ての主張(根拠、理由も下位レベルから見ると主張である)はそれらの理解、選択、アクセスが容易なようにその要旨が論点毎に階層的に分類されて主張リストとして表示されることが好ましい。
【0028】図1に、参加者が参照する主張リストの様々な主張が主張に対する批判により、次々と主張の下位の根拠を提示して、最後にBTMに至り、そこで評価を受け、それらのBTM評価が統合されて、基本主張の評価が行われる一連のフローの模式図を示す。ここに、各画面に付加した記号(201、202等)は、以下の説明の画面に付与した記号と対応する。{ }は、参加者や主張者が入力する入力部を示し、{ }内の記号は入力された情報を示し、矢印は各画面間の転換の順序や情報の流れを示す。
【0029】参加者は、主張リスト(201)に存在する主張を把握して、新しい主張の追加入力もしくは主張の根拠、理由の入力もしくは主張への批判、質問もしくは主張に対する評価のアクションをとる。それぞれの主張には、その主張に関する議論の状況、すなわち、BTMであるか下位の根拠を持つか否か等を表示する。
【0030】主張は、論証の最小単位、即ち、主張とその根拠と理由がセットとして入力あるいは表示される。入力は主張、根拠群および理由に対する入力部を備えた入力様式に従う主張入力画面(202)を通して行われる。
【0031】参加者は主張入力画面を通じて、主張と根拠および理由(以下根拠等で代表)を入力して新しい主張を行う他、主張リストの様々な既存主張からヒントを得て、新しい主張の展開を可能とする。すなわち、図2に代表例を示すような、根拠の下方展開、主張の上位合成、主張間の結合等が参加者の主張入力様式を通した創造的な発言を通じて行われ、議論が進展する。
【0032】主張に根拠等が存在する場合、主張を批判することはこの根拠等を批判することになるため、対象となる根拠や理由の一部図形をクリックすることにより、順次下位の主張とその根拠と理由が展開表示され(203、204)、議論の詳細化、徹底化が図られるようにする。こうして思考対象を分割して思考の集中を可能とすると共に、主張、根拠等の論理的結合により論証の全体を合理的に検討思考できる。
【0033】主張が下位の根拠等を持たない、すなわち、下位リンク数0の場合は当主張自らが質疑の対象となり、主張に関する議論は、単なる質問、意見と主張の正当性に対する批判とに区別され、質疑応答画面(205)にて行われる。主張に対して批判や異論がある場合には、その批判や異論にはその根拠や理由があるはずなので、これを入力することが要求される。これらの質疑応答は参加者と主張者の間で、階層表示方式の掲示板等(205、206)により個々徹底的に行われる。一つの批判に対する質疑応答は一方が質問、批判もしくは回答、反論を入力しなくなったとき終了する。
【0034】質疑応答の過程もしくは結果において質疑応答が詳細化、複雑化、深化して煩雑となり、主張を根拠と理由の下位に展開した方がいいと主張者が判断した場合、もしくは批判者が下位展開を望むとき、議論は下位の主張入力画面(207)へと展開される。その際、質疑応答で入力された個々の批判に関する応答を記録した「批判リスト/S」は、主張入力画面にコピーされ、主張の根拠等を展開する際、反論すべき批判として明示される。なぜなら、主張に対する批判の根拠への主張者の反論は、主張を肯定する根拠や理由の一部であるはずであるため、噛み合った議論が展開できるように、入力される根拠や理由と「批判リスト/S」とが対応づけられるからである。
【0035】すなわち、「XはAである」という主張に対する「XはBである」という批判は、単なる水掛け論にしかならない。論点xi(i=1〜n)から構成される課題Xに関する主張「XはAである」は、xiに対する判断aiを根拠や理由として構成されている。従って、「XはAである」に対する有効な批判は「XはAである根拠を示せ」、「xiについての見解を示せ」等の根拠を要求する以外には、「xiはbiであるから、XはAではなく、Bである」等であり、このような批判に対応して、「XはAである」の根拠や理由がaiを用いて下位展開される。
【0036】こうして、主張の根拠および理由に対し、もし質疑応答を経由して批判があれば批判の根拠等を入力させ、批判への反論を含む主張の根拠および必要であれば理由を入力することにより、議論を進展、深化させて行くことができる。
【0037】議論が進展し、下位に根拠等を持たない最下層の根拠等の質疑応答画面において、批判や質問が入力されない場合(208)や、参加者が「批判の根拠等」を示して主張者の反論や根拠等の展開を要求しても、主張者が下位への展開を拒否した場合(209)、その層にある根拠や理由は、これ以上根拠や理由が説明できない主張という意味で議論の底(BTM)といえる。基本主張は最終的に、BTMとそこでの質問/回答と批判/反論に展開、細分化されることになる。
【0038】意見の対立のない、即ち、質問や批判のない根拠や理由は、包括的、抽象的あるいは曖昧であっても、その状態のままBTMになり、意見の対立のある根拠群のみ論点が細分化され、批判のないBTMか批判は存在するが根拠が示されないBTMとなる。
【0039】新たな批判や質問がない場合は、一定の条件(例えば、定めた時間内)を満たすと自動的に、また、主張者が下位への展開を拒否した場合は、その意思表示により、主張リストのその主張の状況欄の下位リンク数0を、BTMを表すBに換え(210)、マークの付加や文字表示色の変化等により、参加者にBTMであることを認識させることが好ましい。主張者が下位への展開を拒否し、かつ、BTMの宣言も行わない場合は、当主張は支持を失ったと見なし削除するとしてもよい。
【0040】BTM到達表示がなされた時点で、当該主張は評価の対象となり、主張リストの当主張を表示させると、当主張についての賛否や正誤や真偽等の評価を入力できる評価画面(211)を表示するようにする。
【0041】評価画面では、対象主張がBTMを宣言された際生じた質疑応答での批判/反論を記録した「批判リスト/*」がコピーして表示され、評価は原則としてこれらの批判に対する反論の応答状況を評価して行われる。すなわち、批判に対し完璧に答えた場合や批判がない場合は信頼度を1とし、議論伯仲で優劣を判定しがたい場合は信頼度を0.5とし、重要な批判に対し納得できる回答や反論がない場合は信頼度を0を基準として、参加者、第三者または特定の評価者が信頼度の数値を入力する。もしくは、単純に対象主張に対する参加者の賛否を入力させたり、支持の程度を数値で入力させることも可能である。利害関係を含む主張に対しては利害当事者を除いた第三者に、事実関係の主張対しては、専門家にその判断を委ねることが望ましい。どの数値化手段を用いるかは、あらかじめ定めておくか、会議のテーマに応じて定めてもよい。
【0042】ある主張に関する議論の結果、BTMの数が少ない場合は、論点の少ない単純な論争で、意見が対立したBTMが論争の焦点であり、そのBTMの信頼度から比較的容易に基本主張の信頼性が推定できるが、BTMの数が多くて多岐にわたる場合には、容易に判断ができない。このため主張とその根拠と理由の間の論理関係をたどりBTMの信頼度を順次上位に遡及統合して最終的に基本主張の信頼性を定量化する必要がある。
【0043】信頼度を遡及して定量化する方法としては主張とその根拠、理由の間の結合、合流、独立の統合論理について、これを請求項8に示すように定式化する。この論理は、文章表現では、“また”、“かつ”、“そして”等の接続詞で表現されているが、結合、合流の関係は必ずしも明確になっていない。
【0044】主張リストの主張は、参加者の質問、批判を受け、根拠を明らかにしつつ細分化され、同時に、様々なレベルで繰り広げられる他の主張と結合して最終的にトップ(基本主張)から関連するBTMまでの論理の連鎖が完成され、BTMの評価が信頼度として数値化されると上記式を使って、これらを遡及統合して基本主張の信頼度が算出される。最終的に基本主張の信頼度が表示されるとその基本主張に関わる全議論は完了する。主張リスト(201)の評価欄の◎、すなわち、基本主張1の評価結果、が当システムのゴールである。
【0045】信頼度は特定の基本主張の絶対評価のためではなく、それと対立する別の基本主張との相対的な評価のために算出される。従って、有利な信頼度を得るために、統合論理や根拠の構成を恣意的に調整したりすることは出来るが、対立する複数の基本主張を同時に議論する過程で根拠や統合論理は比較検討、批判されるため、これらの不合理は修正される。
【0046】信頼度は、その主張の内容が価値に関わるものの場合、その主張に対する参加者の賛同や支持の程度を示し、それが事実に関するものの場合、その主張の正誤、確実性や真実性の程度を第一義的に表していると考えられる。
【0047】基本主張の信頼度について厳密な評価を行おうとすると、BTMの信頼度の評価とその統合という捉え方が必然であるが、信頼度を言葉で統合することは不可能なため、結局はひっくるめて、もっともらしい、説得力があるといった曖昧な感覚的表現に至るしかない。数値による評価、統合はこの言葉の限界を超えて、限定的ではあるが、この評価について一定の合理的な指標を与える。また、基本主張の信頼度は様々な仮定に基づき計算されるため、その数値の絶対値に厳密な意味は与えられないが、同一の仮定に基づき得られた様々な基本主張の信頼度の相対的な差は基本主張の評価に関する一つの尺度であり、差の原因や理由を突き止め、どの根拠が、いかなる統合の論理がそれをもたらしたかを明確にして、議論の更なる深化に寄与することができる。
【0048】頂点に基本主張、末端にBTMを配した信頼度のツリーから、BTMの信頼度の単位の変化が基本主張の信頼度へ及ぼす影響の度合い、すなわち、感度を容易に計算することが出来る。これにより、感度が大きく信頼度が小さいBTMがその基本主張の弱点であり、感度が大きく信頼度が定まらない、すなわち、50%に近いBTMがその基本主張に関する議論の焦点である。
【0049】
【発明の実施の形態】
図3は本発明のインターネットを介して行われる電子会議システムの構成図である。図において1はサーバーコンピュータであり、2〜6のクライアントコンピュータは7のインターネット網を介してサーバーコンピュータに接続されている。サーバーには、参加者の発言内容とその関係を蓄積したデータベース、クライアントに提示される表示ページ、評価値の計算や階層化された各論点の信頼度の遡及と統合計算等々をおこなうアプリケーションプログラムが配置されている。議論参加者はまず、クライアントコンピュータのブラウザからサーバーにアクセスして図4から図10に示すような表示ページを呼び出し、マウスやキーボード(図示せず)などの入力装置を使って、発言入力、画面の展開指示等を行う。サーバーのアプリケーションプログラムはそれを受けて特定の処理を行いその結果をクライアントコンピュータのブラウザに提示する。ユーザーインターフェースの向上のために、アプリケーションプログラムの一部がクライアントコンピュータで動作することもありうる。これらのデータベースやアプリケーションプログラムは、従来のプログラム技術で容易に達成可能である。
【0050】各端末における表示画面の例を図4から図10に示す。以下の説明の中、図番号に付加した記号(201、202等)は、図1における該当画面に付与した数字と対応し、これにより各画面間の一連の流れを把握できる。
【0051】図4(201)は、主張リスト画面の例であり、基本主張から始まるすべての主張に対して、その要旨が内容分類され、分類名称、分類番号を付与してリスト化されており、要旨の詳細は「詳細」欄の対応する□をクリックすれば、ホップアップする画面として見ることができる。
【0052】最初は会議のテーマのみが表示されているが、ここでは、既に基本主張とその根拠等やそれらを下位へ展開した根拠等(リストでは主張として扱われる)が入力された状態を示す。状況欄には、それぞれの主張にいくつの上位主張といくつの下位主張(根拠等)がリンクされているかを上位数/下位数で表示するようにする。また交流欄は、そこをクリックすることにより、その主張の主張者と参加者が質問、批判でない一般的なやりとりができるようにした。画面は、縦および横にスクロールでき多量のデータにも対応できるようにする。
【0053】参加者が新たな主張を追加する場合は、主張リストのアクションの「主張を追加する」の□をクリックすることにより、図5(202)の主張入力画面に移る。主張入力画面は、主張と根拠群と理由に関する入力部を備える入力様式に従う。ここでは主張リスト画面が入力画面とはフレームで分離して表示され、主張入力の際に既存の主張を参照できる例を示した。主張入力画面では、入力すべき主張、理由、根拠の分類番号、分類名称と要旨、詳細を新たに入力するか、或いは左フレームの主張リストの既存の主張を選択、引用して入力すると共に、根拠等間の論理関係(統合論理)も入力する。ここでは全根拠の論理関係をまとめて指定したが、別例として、各根拠毎に指示するシステムでもよい。また、各根拠の重み付けを同等としたが、別例として、個別に指定できるようにしてもよい。
【0054】主張入力画面の主張と根拠の入力部にリスト内の既存主張を選択、引用し、要すれば理由を入力することにより既存主張間で主張と根拠の論理関係を築くことができる。また、リストの主張を根拠として上位主張を合成する場合は、画面の根拠入力部にリストの既存主張を選択、引用し、新しい主張を主張入力部に入力し、要すれば理由を理由入力部に入力することにより可能となる。さらに、ある主張を根拠として同類の別の主張を行う、様々な主張を根拠として理由により統合して主張をまとめる等も自在に行うことができるが、いずれの場合も当然、主張と根拠および理由の間の論理関係が成立せねばならない。
【0055】主張入力画面において主張リストの分類名称をクリックすると分類番号と分類名称が、主張番号をクリックするとその主張に関する全情報が、□に入力チェックされた根拠等の入力部に自動的に入力される。ここでは根拠が5項目まで入力できるようにしてある。
【0056】分類名称は主張リスト上の多数の主張の識別、選択を容易にすることを目的とし、分類番号は主張とその根拠等の階層の上下関係を利用し、番号により自動的に分類することを目的とする。すなわち、根拠等を入力の際、分類番号、分類名称を入力しない場合は、主張の下位の分類番号を割り当て(例えば、主張が12なら根拠は121)、分類名称は、「その他」、が自動的に入力される。主張番号は割り当てる場合を除き、分類番号毎に昇順に自動的に付与される。また、基本主張から根拠等を一方的に下方展開するだけの議論の場合は、分類や主張番号はなくてもよく、分類番号、名称等は可能ならば管理者が予め定めておいてもよいし、入力された主張を管理者が適宜分類してもよい。
【0057】主張者は与えられた自らのID番号と必要データ全てを入力し、送信ボタンをクリックしてサーバーにデータを送信すると、主張リストに主張番号により分類されて格納される。送信ボタンをクリックするまでは自己の端末で何度でも修正できる。送信後、主張リスト画面(図4)に戻り、更新ボタンをクリックすれば、入力された最新のデータが表示される。
【0058】参加者が主張リストの主張に対して根拠等を入力(追加)する場合は、対象とする主張の主張番号を選択クリックすると、主張入力画面において、選択された主張に関する全ての情報が主張入力部に自動的に入力された状態に転換し、ここで新たに根拠等を主張入力画面での手順と同様の手順で入力できる。図5の例では分類名称が「埋蔵量」に属する主張番号121−1を選択して新たな根拠を入力中の画面の例である。
【0059】参加者が、主張リストを見て主張に質問、批判する場合は、対象とする主張の表示欄の□をクリックすると、その主張に下位の根拠等があれば、主張表示画面(203)においてその主張と根拠等が指定の場所に表示された状態に移る。図7は主張リスト(図4)の主張番号1−1を表示させた例である。主張表示画面においてその根拠等にさらに質問や批判がある場合は、それが下位の根拠等を持つ限り、すなわち、質問/批判欄が「下位有」と表示される場合、これをクリックすることにより、逐次下位の根拠等が、主張表示画面の形式で表示される(204)。
【0060】下位の根拠等がない主張、すなわち、主張リストの状況欄の下位リンク数が0の主張に対して表示欄の□をクリックしたとき、あるいは、主張表示画面の根拠等に対し批判/質問欄で「下位有」と表示されていない□をクリックすると図8(205)の質疑応答画面へ展開し、質問、批判が可能となる。質問、批判は常にその時点での最下位の根拠等に対して行われる。
【0061】理由の質疑においては、根拠等から主張を導く論理の妥当性の他、統合論理の適切性、重要論点の欠如の有無、根拠の重み付けの適切性、前提条件の有無、妥当性等が議論され、主張者は必要に応じ根拠や理由の追加や修正を行う。
【0062】図8に例として図4の主張リストの主張番号12−1の主張「化石資源は約50年後に枯渇する」に対する質疑応答の履歴の表示および質疑の入力画面を示した。ただし、これは主張番号12−1の下位の根拠がまだ表示されていない時点での例とする。また、これは主張表示画面(図7)の根拠1に関する質問/批判欄の□をクリックすることによっても到達される。
【0063】質問、批判する参加者は、質疑応答画面の最下行の入力欄にその内容を入力して、質問或いは批判のチェックボタンを選択し、送信ボタンをクリックすると、その質問、批判の文はリンク可能な形式となって、この質疑応答のリストに時系列的にリストアップされる。尚、批判については、その根拠も必ず入力するようにする。
【0064】質問、批判を受けた主張者は、そのリンク形式となった質問、批判の文をクリックすると、図9(206)の回答/反論入力画面に移り、そこで回答や反論を入力し、送信ボタンをクリックすると、図8の履歴リストの当該質問、批判文に対応して(Re)回答、反論がリストアップされる。図9は、履歴リストの質問(1)に対する回答を入力した状態を示す。
【0065】図8の質疑応答画面にて質問、批判を受けた主張者が、批判/反論、再批判/再反論等の議論を整理して、反論を主張の下位の根拠等において展開すべきであると判断した場合は、下位展開の□をチェックして送信すると、主張入力画面(図6、207)の主張入力部に主張に関する全情報が入力された画面に展開する。ここで、主張の根拠等の入力と同様の入力操作の後、送信ボタンをクリックすると、下位展開した根拠としての主張が主張リストに追加される(212)。
【0066】質疑応答画面(図8)の「批判リスト」に記載された三つの批判は主張入力画面(図6)にコピーされ、主張者は、これに答える形で根拠を展開している。すなわち、{(2)予想されなかった新たな油田が年々発見されるので、将来の化石資源の埋蔵量は予測できない}と{(3)エネルギー消費量を減らす政策により、化石資源の寿命を延ばせる}に対して、化石資源埋蔵量推定データと消費量推定データの二つの根拠で答えている。この場合主張者は、(2)、(3)の批判へ直接回答しても、批判は局部的であり、その根拠だけからは主張を論理的に導くことは出来ないため、批判への反論を含む包括的な根拠が合理的かつ簡潔であると判断して根拠1と根拠2を提示し、同時に、批判と根拠の対応を画面の「批判対応」に番号で示した。また、{(1)推定に関する不確定要素が多いので、約50年という具体的な数値を示すことはできない}に対する対応は示していないが、主張者は示した二つの根拠から具体的な数値が導出できると考えたからである。これらの根拠群に対し参加者が納得できなければ、さらに下位の議論が展開されるであろう。
【0067】別例として、主張入力画面において、批判への反論を根拠として入力し、理由に例えば「その他」を入力することにより、主張、根拠、理由の論理関係を形式的に成立させ、批判部のみに焦点を当て議論を下方展開する簡易的な方法も考えられる。この場合、信頼度の数値計算のためには、なんらかの仮定を設ける必要がある。
【0068】図8の質疑応答画面で質疑応答が進み、批判に対し下位展開する必要がないと主張者が判断した場合(209)には、主張者がこの論点はBTMであるとして、BTM宣言の□をチェックして送信ボタンをクリックすると、対象主張はBTMの状態となる(210)。また既定の一定時間内に質問や批判が入力されない場合(208)には、サーバーのコンピュータープログラムが、自動的にこの対象主張をBTMと判断するシステムでもよい。
【0069】主張リスト画面において、ある基本主張を構成する全ての最下位の根拠がBTMになった場合、この基本主張の議論が完了し、状況欄の下位数をクリックすることにより関連する全下位の主張を、ツリー状に整列した画面に展開してもよい。
【0070】BTMに対しては、表示欄の□をブリンクさせて評価状態であることを示し、この□をクリックすると、図10(211)の評価画面に移り、信頼性の評価値が入力できる。BTMの評価の際は、表示されている関連する批判/反論の応答を「批判リスト」で参照して請求項6に基づき評価することを原則とする。応答詳細の□をクリックすると、対応する質疑応答の全てが表示される。
【0071】図10に、主張リスト(図4)でBTMである、理由11−1、に対する評価の入力を例示する。ここでは、対象BTMの信頼度を0から1までの数値の入力ができるシステムを示したが、別例として賛否として0または1を入力し、平均値を計算して数値あるいは%で表示してもよい。0から1までの数値を入力する場合には、平均値だけでなく分散をも計算して評価のばらつきも知ることが出来る。
【0072】サーバーのコンピューターは、各BTMの評価が終わる毎にその信頼度の平均値を計算して図4の主張リストの評価欄にその結果を表示するようにする。さらにすべてのBTM評価が入力された時点で、上述の論理的関係(統合論理)と各根拠間の重み付けの値をもとに、各BTMから遡って関連する各層の主張群の信頼性を計算して基本主張の信頼性を計算する。
【0073】実例として以下に主張のツリー展開と信頼度の遡及計算の例を述べ、その計算過程および計算結果を図11に示す。会議のテーマは「原子力発電への取り組み」とし、ここでは、自然エネルギー利用の発電量は少なく、原子力発電用の資源は大量に存在すると仮定した。主張1は、「原発は推進すべし」で、その理由11は以下の根拠11〜根拠14を統合して「原発の安全上のリスクよりエネルギー源の確保と環境への配慮を優先する」であったとする。この場合、主張1に対する理由11と以下の根拠1群との関係は結合でその信頼性への重み付けの配分はそれぞれ1とする。
【0074】主張1の根拠11は、「化石資源は約50年後に枯渇する」、根拠12は「自然エネルギー利用の経済的発電の実用化は50年以内に不可能」、根拠13は「原発は安全上のリスクがある」、根拠14は、「原発の方が化石資源発電より地球温暖化への影響が少ない」であったとする。この場合、個々の根拠の根拠1群内での関係は合流となるため、それぞれの根拠の重要性は等しいとすると、各根拠の信頼性への重み付けへの配分は各々0.25となる。
【0075】根拠11の下位の根拠111は、「埋蔵化石資源のデータは**である」、同じく根拠112は、「エネルギー消費予測データは$$である」であったとする。この場合、根拠11に対して根拠111と根拠112の関係は結合である。根拠111と根拠112がBTMに到達したとして、ここでの質疑応答後の信頼度を賛否投票にかけたところ、根拠111で70%の賛成が得られ、根拠112で80%の賛成が得られたとすると、上位の根拠11の重み付け評価後の信頼度は0.7x0.8x0.25で0.14となる。この場合、データ**と$$から埋蔵化石資源が50年後に枯渇することは数理的に自明として、理由111は省略されている。図11の四角で囲まれた数値は、重み付け評価後の信頼度を示している。
【0076】根拠12は、ここでBTMとなったとして、質疑応答後の信頼度を賛否にかけたところ、80%の賛成が得られたとすると根拠12の重み付け評価後の信頼度は0.8x0.25で0.2となる。
【0077】根拠13は、その下位に根拠131の「巨大事故発生頻度は100年に1回程度」と、根拠132の「巨大事故発生頻度が100年に1回程度であれば安全とは言えない」があり、根拠131の下位に根拠1311の「巨大事故発生頻度は実績から100年に1回程度」と、根拠1312の「巨大事故の発生確率は専門家の理論計算によると150年に1回なので、確実に100年に1回以下となる」があり、根拠1311と根拠1312がBTMに到達し、専門家による評価を受けて根拠1311の信頼度は0.8、根拠1312の信頼度は0.7を得たとすれば、根拠1311と根拠1312は根拠131に対し独立関係であるので、信頼度の高い根拠1311を採用して根拠131の信頼度は0.8となる。根拠132はここでBTMになったとして賛否により信頼度は0.8であったとすると、根拠131と根拠132は根拠13に対し結合関係であり、根拠13の信頼度は0.8x0.8で0.64となり、根拠13の重み付け評価後の信頼度は0.64x0.25で0.16となる。
【0078】根拠14はここでBTMになったとして、賛否により90%の支持が得られたとすると、根拠14の重み付け評価後の信頼度は0.9x0.25=0.225となる。理由11はここでBTMとなり、賛否の結果90%の賛成が得られたとすると理由11の信頼度は0.9となる。
【0079】主張1の信頼度は、合流関係にある根拠1群の信頼度=0.14+0.2+0.16+0.225=0.725と理由11の信頼度0.9の積として、0.725x0.9=0.6525となる。
【0080】一方の主張2は、「原発は縮小すべし」であり、その根拠21は、主張1の根拠11の「化石資源は50年後に枯渇する」を引用し、根拠22は、「自然エネルギーを利用した経済的発電は50年もすれば実用化するであろう」とし、根拠23の「原発は安全上のリスクがある」および根拠24の「原発の方が化石資源発電より地球温暖化への影響が少ない」についても、主張1における議論を利用するものとする。そして、これらの根拠を統合する理由21は「化石資源が枯渇する頃までには自然エネルギー利用の経済的発電が実用化するのであれば、安全上のリスクがある原発に固執することはない」を入力するものとする。すなわち、根拠11、13、14を主張リストから選択し、根拠22および理由21を入力して主張2を上位合成した場合を想定する。
【0081】根拠22はここでBTMとなり、専門家の評価で信頼度0.6を得たとする。理由21の評価については、根拠21および根拠22の事実から導かれる当然の論理であるとして、この信頼度は1.0となったと想定する。従って、主張2の信頼度は、(0.14+0.6*0.25+0.16+0.225)x1.0=0.675となる。
【0082】当初の目的、すなわち、対立する主張の根拠の展開とその信頼性の数値化評価を得ることについては、この例では主張1の信頼度は、0.6525、主張2の信頼度は0.675となり、相対的には主張2の信頼度がやや高くなったが両者に大差はない。
【0083】ところで、この例では、BTMである根拠12と根拠22の双方が、同程度の信頼度を得ているが、もし、同一集団で両者の賛否を問うと、同一事象に対して完全な対立関係にある両者の主張の信頼度の和は1になるはずである。すなわち、根拠12が0.8なら根拠22は0.2となるはずで、この場合、基本主張2の信頼度は0.675から0.575と変り、明確な差が生じる。
【0084】根拠1311の「巨大事故発生頻度は実績から100年に1回程度」について、もし、評価者の認識が、「事故発生頻度は1000年に1回程度」の場合は、この根拠の信頼度は小さくなり、根拠13の「原発は安全上のリスクがある」の信頼度は、「それほどリスクはない」という意味で低くなり、主張1の信頼度は低下する。この信頼度の低下は、リスクを過大に見積もるという誤った事実認識から主張が導かれたことに起因するものである。また、評価者の認識が、「事故発生頻度は10年に1回程度」であった場合にも、根拠1311の信頼性は小さくなり、根拠13の「原発は安全上のリスクがある」の信頼度は、「リスクはもっと大きい」という意味で低くなり、主張1の信頼度は低下する。この場合、根拠1311を「巨大事故発生頻度は実績から100年に1回程度“以上である”」とした場合、評価者の認識はこの根拠の信頼度を100%とし、根拠13の「原発は安全上のリスクがある」の信頼度は高くなり、主張1の信頼度は「厳しい状況も覚悟した主張」として高くなる。このように信頼度の増減は、命題の表現と密接に関わり、厳密な創造的議論には言語表現を精緻化する必要がある。
【0085】さらに、根拠11と根拠12、すなわち、「化石資源は約50年後に枯渇する」と「自然エネルギー利用の経済的発電の実用化は50年以内(は勿論、50年以降も当分の間)に不可能」は、エネルギー供給の見通しに関わる主張であると認識され、この両者を根拠として、これを結合し、例えば、「長期的には(50年以降)、原発なしでエネルギーは確保出来ない」という簡潔な主張(根拠15とする)が導出される。この構造の変更により、基本主張1は、根拠13、14、15の三つの根拠と理由11の合流というより合理的な構造となる
【0086】
【発明の効果】
本発明により、議論参加者は複雑な議論を、論理以外の余分な記述、表現を除いた単純な「主張、根拠、理由」の単位情報に分轄して思考でき、主張入力の際には主張の論証に必要なこの単位情報の入力が要求され、主張参照の際にも、この単位情報もしくはこれに関連するツリー状の論述が表示されるので論理的議論が容易になる。
【0087】また、入力様式を用いて様々な主張の根拠の追求や新たな主張の合成、主張間の結合等を合理的に行うことができ、思考の展開、成長を容易に行うことができる。
【0088】また、主張はその根拠と理由が徹底して追求されるので、議論の具体化、細分化が行われ、意見対立の根本原因であるBTMが明らかになる
【0089】また、主張への批判は、批判の根拠と理由の入力が必要となるため、批判に対する反論を主張の根拠等の展開に論理的に組み込みこむことができる
【0090】また、BTMの信頼度を質疑応答での批判/反論の優劣という具体的な基準に基づき評価し、その平均値により信頼の程度を、その標準偏差により評価のばらつき、を知ることができるので感情的、情緒的な判断を免れた合理的評価が可能になる、
【0091】また、BTMの信頼度を遡及統合計算出来るので、細分された個々の議論の評価結果を合理的に統合し、基本主張の信頼度を定量的に得ることが出来る
【0092】また、BTMの基本主張に対する感度の計算が可能になるので、主張の弱点や議論の焦点を合理的に分析出来る
【0093】こうして、本システムにより、BTMから基本主張にいたる主張の統合化と基本主張からBTMにいたる主張の具体化を共に合理的に追求し、基本主張にたいする合理的かつ定量的な評価情報を提供することができる
【0094】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子会議システムの発言情報の処理方法において、主張のBTMまでの論理展開と、BTMの信頼性の数値評価に基づく基本主張の評価までの各画面の基本的な変遷を示した図である。
【図2】本発明の電子会議システムの発言情報の処理方法において、入力様式(主張、根拠、理由)の基本的な機能を図式的に示す。
【図3】本発明の電子会議システムの発言情報の処理方法のシステム構成例を示す。
【図4】本発明の電子会議システムの発言情報の処理方法における主張リストの表示例を示す。
【図5】本発明の電子会議システムの発言情報の処理方法における主張入力画面において、主張リストを参照して、その主張番号をクリックすることにより、分類を含め根拠、理由等を一括して主張入力画面へ引用する場合の例を示す。
【図6】本発明の電子会議システムの発言情報の処理方法において、質疑応答後、対象となる主張を下位展開する場合の主張入力画面を示す。
【図7】本発明の電子会議システムの発言情報の処理方法における主張表示画面の例を示す。
【図8】本発明の電子会議システムの発言情報の処理方法における質疑応答画面の例を示す。
【図9】本発明の電子会議システムの発言情報の処理方法における回答/反論入力画面の例を示す。
【図10】本発明の電子会議システムの発言情報の処理方法におけるBTMの信頼度の評価入力画面の例を示す。
【図11】本発明の電子会議システムの発言情報の処理方法において、BTMの信頼度を論証構造に沿って遡って統合し、基本主張の信頼度を計算する計算マップを図式的に示す。
【符号の説明】
201‥‥図4の主張リスト画面
202‥‥図5の主張入力画面
203‥‥図7の主張表示画面
204‥‥図7の主張を下位展開した主張表示画面
205‥‥図8の質疑応答画面
206‥‥図9の回答/反論入力画面
207‥‥図8の質疑応答後、下位展開する場合の、図5の主張入力画面
208‥‥図8で新たな質疑応答のない場合
209‥‥図9で質疑応答後、主張者が下位展開しない場合
210‥‥下位展開しない、或いは、質疑応答がない場合にBTMとする
211‥‥図10のBTM評価入力画面
212‥‥207で入力された根拠、理由を主張リストに追加

Claims (8)

  1. サーバーおよび端末ならびに通信回線から構成される電子会議システムを使用して、議論もしくは討論によって会議の結論を得るもしくは集団の意志を決定する電子会議システムにおいて、主張の入力の際には、前記主張を論証する少なくとも一つ以上の根拠および、前記根拠を統合して前記主張を導く論理である理由を、前記主張の下位に展開して入力し、展開された前記根拠および前記理由のそれぞれを論証する第一の根拠および第一の理由を前記根拠および前記理由のそれぞれの下位に展開する手順を再帰的に繰り返し、入力された主張群、根拠群および理由群を論証構造に展開することを特徴とする電子会議システムの発言情報の処理方法。
  2. 前記主張を入力する主張入力部、前記少なくとも一つ以上の根拠を入力する根拠群入力部および前記理由を入力する理由入力部を備えた入力様式を使用し、前記主張入力部、前記根拠群入力部および前記理由入力部のそれぞれには、第二の主張、第二の根拠および第二の理由を入力するか、もしくは既に入力された主張群、根拠群および理由群のいずれかの主張もしくは根拠もしくは理由を引用して入力することにより、議論の場に、新たな主張、根拠および理由を追加入力することを繰り返し行い、入力された主張群、根拠群および理由群を前記論証構造に展開することを特徴とする請求項1に記載の電子会議システムの発言情報の処理方法。
  3. 入力された主張を表示する際は、前記入力された主張の下位に展開された根拠および理由、もしくは前記入力された主張の下方に展開された根拠群および理由群の一部もしくは全部を表示することを特徴とする請求項1もしくは請求項2のいずれかに記載の電子会議システムの発言情報の処理方法。
  4. 議論のテーマについての主張(基本主張)について、前記基本主張と前記論証構造により接続された根拠群および理由群における最下位の根拠および最下位の理由を、もはやこれ以下の下位の根拠と理由に展開できない議論の底となるBTMの根拠およびBTMの理由にまで再帰的に下位展開して入力することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電子会議システムの発言情報の処理方法。
  5. 議論の場に入力された根拠もしくは理由に対する質疑応答において、批判を入力する際には、批判の根拠と理由である批判根拠および批判理由を入力し、前記批判根拠および前記批判理由に対する反論として、前記入力された根拠もしくは理由の正当性を論証する第三の根拠および第三の理由を、前記入力された根拠もしくは理由の下位に展開することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電子会議システムの発言情報の処理方法。
  6. 参加者個人が、前記BTMの根拠もしくは前記BTMの理由の信頼度を、前記BTMの根拠もしくは前記BTMの理由に関する質疑応答の評価に基づき、0から1の間の数値にて決定する手順において、(1)批判に対し完璧に答えた場合あるいは批判がない場合は信頼度を1、(2)批判と反論が伯仲あるいは質疑不能で優劣を判定しがたい場合は信頼度を0.5、(3)重要な質問や批判に対し納得できる回答や反論がない場合は信頼度を0、を評価基準として使用し、集団的な評価に対しては、前記数値の平均値もしくは標準偏差値を算出することを特徴とする請求項4もしくは請求項5のいずれかに記載の電子会議システムの発言情報の処理方法。
  7. 前記基本主張から前記BTMの根拠および前記BTMの理由まで前記論証構造により接続された根拠群と理由群の信頼度が数値化されたツリー構造において、前記BTMの根拠もしくは前記BTMの理由の信頼度の単位量の変化に対する前記基本主張の信頼度の変化、すなわち感度を計算し、前記基本主張の弱点を、前記感度が大きく信頼度の小さい前記BTMの根拠もしくは前記BTMの理由と認定し、議論の焦点を、前記感度が大きく信頼度の定まらない(0.5近辺)前記BTMの根拠もしくは前記BTMの理由と認定することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載の電子会議システムの発言情報の処理方法。
  8. 前記主張の信頼度を前記少なくとも一つ以上の根拠(各根拠)および前記理由の信頼度から計算する手段において、(1)結合関係にある前記各根拠を前記理由により統合した場合の前記主張の信頼度=前記理由および前記各根拠の信頼度の積、(2)合流関係にある前記各根拠を前記理由により統合した場合の前記主張の信頼度=(重み付けされた前記各根拠の信頼度の和)と前記理由の信頼度の積、(3)前記主張を論証する互いに独立の前記各根拠が存在する場合の前記主張の信頼度=前記各根拠の信頼度の内の最大値、(4)論証構造が明確でない場合や簡便に評価する場合の前記主張の信頼度=重み付けされた前記各根拠の信頼度の和と前記理由の信頼度の和、の式から選択もしくは組み合わせた式を使用することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の電子会議システムの発言情報の処理方法。
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