JP2004199810A - 光ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Kiichi Kamiyanagi
喜一 上柳
Yukio Adachi
幸男 足立
Sadaichi Suzuki
貞一 鈴木
Kimihiro Wakabayashi
公宏 若林
Takaaki Sakakibara
崇晃 榊原
Takashi Ozawa
隆 小澤
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Abstract

【課題】浮上スライダーを用いても、開口数NAが大きく、へッド高さが小さい光ヘッド及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体レーザ6から出射されたレーザ光8aは、コリメートレンズ7を介してSIM4に入射し、SIM4の半放物面4aに形成された反射体3で反射して浮上スライダー2の集光位置に集光する。反射体3で反射したレーザ光8cは、浮上スライダー2の集光位置に埋設されたS−SIL5によって屈折して浮上スライダー2の下面2aに集光する。これにより、S−SIL5において大きな開口数が得られる。また、浮上スライダー2の下面2aに平行なレーザ光8bをSIM4に入射することにより、ヘッド高さを小さくすることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録膜、光磁気記録膜等の記録媒体に対して情報の記録・再生を行う光ヘッド及びその製造方法に関し、特に、浮上スライダーを用いても、開口数NAが大きく、へッド高さが小さい光ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスクへの光記録/再生装置の記録高密度化は、使用するレーザ光の短波長化、微小光スポット形成技術などにより着実に進歩してきた。実際、青色半導体レーザの実用化などの技術の進展により、30Gバイトの容量を持つ次世代DVD規格の策定も行われている。しかし、これまでの光記録技術においては、光の回折現象のために、光スポット径を光の波長程度以下に小さくすることはできず、記録密度の限界に近づいていると考えられている。
【0003】
この限界を超え、現在の記録密度に比べて1桁以上の記録密度が得られる記録技術として、近接場光を利用した技術が提案され、注目されている。近接場光を形成する技術として、円錐状に加工した後、金属で被覆した光ファイバーの先端に数十nmの開口を設けたプローブや、ソリッド イマージョン レンズ(Solid Immersion Lens:SIL)や裁底球型の超半球対物レンズ(Super-Hemisoherical SIL :S−SIL)が提案されており、これらの光学素子を光ディスク上に浮上走行させることにより、実際に記録/再生を行った実験の報告もある。最近、ISOM 2001(講演番号Fr−N−05,p242−243)において、S−SILを用いることにより50Gビット/平方インチの記録/再生を行えることが報告されている。また、SILと同様な集光特性を有する反射集光系のソリッド イマージョン ミラー(Solid Immersion Lens Mirror :SIM)も開発されている。
【0004】
SILやSIMでレーザ光を集光したとき、光スポットの光強度が1/2になるところの直径D1/2(光スポット径)は、次の(1)式で求められる。
1/2=kλ/(n・NA) ・・・(1)
【0005】
ここで、k:光ビームの強度分布に依存する比例定数(通常0.5程度)、λ:波長、n:光スポット径位置での媒体の屈折率、NA:対物レンズの開口数である。上記(1)式から明らかなように、微小径の光スポットを得るには、レーザの短波長化や開口数の大きな対物レンズを使用することはもとより、屈折率の大きな材料によりSILやSIMを作製することが有効である。
【0006】
しかしながら、SILの場合、集光には更に対物レンズが必要になり、光ヘッドの高さが高くなるという問題があった。これを解決する手段として、本発明者らは、対物レンズを垂直に配し、それからの収束光をほぼ45度の傾きを有するミラーによりレーザ光を垂直に曲げた後、SILに収束させる光ヘッドを考案した(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、本発明者らは、光ヘッドの高さを抑えるアイデアとして、半放物面や半楕円面を有するSIM、フレネルミラーやバイナリホログラムミラーからなるSIMを提案し、このSIMを用いて、光ディスク面に対して平行方向に出射されるレーザ光を光ディスク面に垂直方向に折り曲げ、かつ収束する光ヘッドを提案した(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−331302号公報(図1)
【特許文献2】
特開2000−163793号公報(図6)
【0009】
これらの光ヘッドを用いた記録においては、SILやSIMの集光位置を記憶媒体(光ディスク)の記録面に対して数十nmまで近付けなければならない。これを実現するためには、従来、SILやSIM、及び半導体レーザなどのホルダーの底面を浮上面として加工し、浮上走行させてきた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の光ヘッドによると、SILやSIM部と、ホルダーとを別々に作製していたため、精度を上げることが難しく、両者の光ディスクからの浮上面を数十nm(例えば、50nm)以下に合わせることが困難であった。この問題は、ホルダーを用いずにSILやSIMを浮上スライダーと称する部材に載置することにより解決できる。ところが、このようにしても、SILやSIMが浮上スライダーに載置された状態で集光することになるため、浮上スライダーの厚さ分だけ、対物レンズの開口数NAが小さくなるという問題があった。
【0011】
例えば、回転放物面を有するSIMを用いた場合、その高さは0.5mm程度を必要とし、また、浮上スライダーの厚さは加工上、最低でも0.1mm程度が必要になるため、0.6mm(=0.5mm+0.1mm)の位置に集光する。このために開口数NAが2割程度減少し、0.8以上のNAを得ることは難しい。開口数NAが小さくなると、(1)式から明らかなように、光スポット径(直径D1/2)が大きくなり、記録密度を上げることができない。
【0012】
また、SILやSIMの作製には、量産化及び低価格化のためにモールド法を用いることが望ましいが、モールドが可能なプラスチックやガラスには屈折率の高いものがなく、せいぜい1.7程度が限界であった。
【0013】
従って、本発明の目的は、浮上スライダーを用いても、開口数NAが大きく、へッド高さが小さい光ヘッド及びその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この第1の発明は、上記の目的を達成するため、回転記録ディスク上を浮上走行する浮上スライダーと、前記浮上スライダー上に設けられ、前記浮上スライダーの下面に平行にレーザ光を出射するレーザ光出射素子と、前記浮上スライダー上に設けられ、前記レーザ光出射素子からの前記レーザ光を反射面で反射して前記浮上スライダーの所定の集光位置に集光させる第1の集光素子と、前記浮上スライダーの前記所定の集光位置に設けられ、前記第1の集光素子からのレーザ光を屈折させて前記浮上スライダーの下面近傍に集光させる第2の集光素子とを備えたことを特徴とする光ヘッドを提供する。
【0015】
この構成によれば、レーザ光出射素子から出射されたレーザ光は、第1の集光素子によって集光され、さらに第2の集光素子によって屈折して浮上スライダーの集光位置に集光するので、第2の集光素子における開口数が大きくなる。また、浮上スライダーの下面に平行なレーザ光を第1の集光素子に入射することにより、ヘッド高さが小さくなる。
【0016】
この第2の発明は、上記の目的を達成するため、浮上スライダー上に第1の集光素子を配置し、前記浮上スライダーの下面にフォトレジスト膜を形成し、前記第1の集光素子を介して前記フォトレジスト膜にレーザ光を集光して前記フォトレジスト膜に所定の形状の露光を行い、現像を行って前記フォトレジスト膜の前記所定の形状の部分を除去し、前記フォトレジスト膜が除去された前記所定の形状の部分から露出している前記浮上スライダーの部分をエッチングしてドーム状の穴を形成し、前記ドーム状の穴に前記第1の集光素子によって集光された前記レーザ光を屈折して前記浮上スライダーの前記下面近傍に集光させる第2の集光素子を形成することを特徴とする光ヘッドの製造方法を提供する。
【0017】
この構成によれば、第1の集光素子からのレーザ光の集光位置に第2の集光素子が形成されるので、両者の相対的位置が正確になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光ヘッドを示す。この光ヘッド1は、レーザ光8aを出射する半導体レーザ6と、半導体レーザ6からのレーザ光8aを平行光8bに整形するコリメータレンズ7と、コリメータレンズ7からのレーザ光8bを半放物面4aに形成した反射体3で反射して浮上スライダー2の所定の集光位置に集光するソリッドイマージョンミラー(SIM)4と、半導体レーザ6、コリメータレンズ7およびSIM4を搭載して光ディスク12上を浮上走行する浮上スライダー2と、浮上スライダー2の集光位置に埋設され、SIM4によって集光されたレーザ光8cを屈折して浮上スライダー2の下面2aに集光する超半球形のソリッドイマージョンレンズ(S−SIL)5とを備えて構成されている。
【0019】
浮上スライダー2は、石英ガラスにより作製されており、記憶媒体としての光ディスク12に対面配置され、更に浮上状態でディスク半径方向に移動(走行)することができるように支持されている。本実施の形態では、浮上スライダー2の厚さを0.1mmとした。
【0020】
SIM4は、モールドガラス(例えば、住田光学ガラス製「PG325」)を使用して作製され、コリメータレンズ7の取付面4b、及び半放物面4aを有する形状に加工されている。この半放物面4aにアルミニウム膜を蒸着することによって反射面3が形成されている。なお、SIM4は、モールドガラス以外にプラスチックを使用することもできる。特に、プラスチックの場合、浮上スライダー2の屈折率に正確に屈折率を合わせることができるため、SIM4と浮上スライダー2間の反射を防ぐことができる。本実施の形態では、SIM4の高さを0.5mmとした。
【0021】
図2は、S−SIL5の詳細を示す。S−SIL5は、水素を含有するアモルファスシリコン(a−Si:H)からなり、上部がドーム型(半球状)で、下部が円柱状の形状を成している。S−SIL5が埋め込まれている浮上スライダー2の凹面には、CeOなどによる反射防止膜9が形成されている。集光されたレーザ光を効率よく使用するためには、S−SIL5の直径dをSIM4で集光されたレーザスポット径以上にするのが望ましい。本実施の形態では、S−SIL5の直径dを1μmとした。また、集光がS−SIL5の底面になされる様に、S−SIL5の高さhは0.69μmとした。S−SIL5のa−Si:Hの屈折率は3.8であるので、S−SIL5内部におけるレーザ光の収束角を64度とすると、その収束光の有する開口数は0.9となる。その場合のSIM4による反射光の収束角は、SIM4とS−SIL5の屈折率の比だけ小さくでき、開口数は0.4以下でよいことになるため、NAとしては十分満たすことができる。式(1)から分かるように、この構成により、0.11μm径の光スポットを形成することができた。
【0022】
図3は、半導体レーザ6の支持構造を示す。半導体レーザ6は、コリメータレンズ7の前段に配置され、SiMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)で形成されたホルダー10,11により、図3に示すように保持されている。半導体レーザ6には、波長780nmの光を発光するAlGaAsの赤色半導体レーザを用いた。
【0023】
図4(a)〜(e)は、光ヘッド1の製造方法の一例を示す。光ヘッド1においては、図2に示すSIM4からのレーザ光8aの集光位置とS−SIL5との位置合わせ、及びS−SIL5自身の位置合わせが重要となる。そこで、図4に示す方法により、S−SIL5を浮上スライダー2に設けることとした。
【0024】
まず、図4(a)に示すように、浮上スライダー2の上面に反射体3を有するSIM4とコリメートレンズ7を配置し、浮上スライダー2の下面2aにポジ型のフォトレジスト膜21を塗布する。
【0025】
次に、図4(b)に示すように、コリメータレンズ7に面して、コリメータレンズ7の光軸上に光学ユニット22とレーザ光発生装置23を配置(光ヘッド1の外部)する。反射面が半放物面のSIMは収差がないので、露光光の波長に依存せずに集光することができ、各種の露光光を使用することができる。従って、レーザ光発生装置23には、紫外線を発光する紫外光レーザ素子や水銀ランプの光を用いることもできる。レーザ光発生装置23を動作させてレーザ光を発生させると、そのレーザ光は光学ユニット22を介してSIM4に入射される。SIM4に入射したレーザ光は、反射体3で反射及び集束の後、浮上スライダー2を透光してフォトレジスト膜21に到達し、フォトレジスト膜21がスポット状に露光される。
【0026】
次に、フォトレジスト膜21をウェット現像法などを用いて現像処理すると、図4(c)に示すように、露光された部分が除去され、露光されなかった部分が残される。
【0027】
そこで、フォトレジスト膜21のレジスト除去部24を目印にして、図4(d)のように、レジスト除去部24にFIB(Focused Ion Beam:集束イオンビーム)25を照射する。このFIB25の照射により、レジスト除去部24を通して浮上スライダー2にはドーム状の穴26が開けられる。
【0028】
そこで、図4(e)のように、穴26内にCVD(Chemical Vapor Deposition :化学気相成長)法により、アモルファスシリコン(a−Si:H)27を埋め込み、これをS−SIL5とする。
【0029】
その後、研磨やエッチングを施し、アモルファスシリコン27の余分な部分、及び浮上スライダー2上に残されてままのフォトレジスト膜21を除去する。次に、浮上スライダー2の後端側上部にホルダー10,11によって支持した半導体レーザ6を配置すれば、光ヘッド1が完成する。
【0030】
なお、上記の手順とは逆に、S−SIL5を予め浮上スライダー2に埋め込んでおき、レーザ光の集光位置にS−SIL5を位置合わせするようにしてもよい。また、図4の(b)ではコリメータレンズ7を装着した状態でレーザ光発生装置23により露光を行うものとしたか、コリメータレンズ7を設けない状態で露光を行うことも可能である。
【0031】
次に、本光ヘッド1の動作を説明する。半導体レーザ6を駆動してレーザ光8aを出射させると、そのレーザ光8aは、コリメータレンズ7によって平行光8bに整形された後、SIM4に入射する。SIM4に入射したレーザ光8bは、半放物面4bの表面に形成された反射体3によって反射され、S−SIL5に集光する。S−SIL5に集光したレーザ光8cは、表面で屈折して集光し、底面に光スポットを形成する。その光スポットから漏れ出した近接場光に近接するように配置した記録媒体(光ディスク12)に光記録あるいは光再生が行われる。
【0032】
この第1の実施の形態に係る光ヘッド1によれば、以下の効果が得られる。
(1)レーザ光8aの集光位置とS−SIL5の位置合わせを精密に行えるようになり、更に、浮上スライダー2を設けても、SILやSIMを浮上走行させることが可能になる。
(2)開口数NAを限界まで大きくとることができ、これにより光スポット径を小さくできるので、記録密度を上げることができる。この光ヘッドを用いて相変化記録媒体に光記録を行ったところ、80Gbit/(inch)2以上の記録密度が得られた。反射防止膜9を有しない構成でも光記録/再生は可能であったが、反射防止膜9がCN比を向上させていることが認められた。
(3)S−SIL5にGaPを使用することにより、発振波長650nmのGaInP系の赤色レーザ光を集光することが可能になり、80nm程度の光スポットが得られた。また、発振波長405nmのGaN系青色レーザ光に対しては、S−SIL5としてTiO2(屈折率約2.8)を使用することができ、70nm程度の光スポットが得られた。
(4)S−SIL5の集光部に金属膜から形成される開口やプラズモン励起膜を形成することにより、更に微小な近接場光を効率よく形成することができるほか、高密度の記録が可能となる。
(5)InGaNを活性層とする450nmのレーザ素子を使用すれば、高屈折率媒体であるGaP(屈折率3.87)をS−SIL5に使用することができる。これにより、殆ど光損失無しに65nmの光スポットを形成でき、更に高密度の記録が可能になる。つまり、S−SIL5には屈折率2.0以上の誘電体が用いるのが好ましい。そして、S−SIL5の集光位置の外側には、金属開口やボータイ型アンテナ、テーパー型誘電体開口などを使用することにより、更に微小な近接場光を高効率に形成でき、高密度光記録に供することができる。
【0033】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る光ヘッドの構成を示す。この第2の実施の形態は、図1におけるSIM4に代えて直角三角型の直角プリズム14を使用し、その傾斜面14aに反射集光型のミラー13(バイナリホログラムミラー又はフレネルミラー)を設けて構成したものである。それ以外の構成は、第1の実施の形態と同じである。具体的には、直角プリズム14をガラスで作製した後、その傾斜面14aにバイナリホログラムを作製した。この第2の実施の形態によれば、ミラー13を用いたことで、反射面(14a)を平面にできるため、加工し易く量産が可能になり、安価に光ヘッドを作製することができる。また、複数個分の直角プリズムの傾斜面にミラーを形成した後、光ヘッド1個分の長さに切り出すことにより量産化が可能となる。
【0034】
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る光ヘッドの構成を示す。この第3の実施の形態は、図5のコリメータレンズ7と三角形状のSIM14に代えて、対物レンズ16と45度直角プリズム15の組み合わせとし、この45度直角プリズム15の傾斜面15aに第2の実施の形態で説明した反射集光型のミラー13を設けたところに特徴がある。この第2の実施の形態において、半導体レーザ6から出射されたレーザ光8aは、対物レンズ16を介して直角プリズム15により折り返され、浮上スライダー2に埋め込まれているS−SIL5の底面に集光される。具体的には、直角プリズム15及び浮上スライダー2は、屈折率が1.46の石英ガラスを用いた。また、S−SIL5の屈折率は、3.8であり、図4の方法に従って作製した。対物レンズ16の直径を0.45mm、浮上スライダー2の厚さを0.1mmとした。
【0035】
この第3の実施の形態によれば、対物レンズ16の出射側の開口数が約0.34、S−SIL5内部での開口数が約0.9という値になり、S−SILが取り得るほぼ最大値が得られた。また、S−SIL5は、直径を1μm、高さを0.69μmとすることで、レーザ光をS−SIL5の底面に集光させることができた。半導体レーザ6としてGaAlAs半導体レーザを用い、波長780nmのレーザ光を発生させたところ、直径0.11μmの光スポットを得ることができた。
【0036】
図7は、本発明の第4の実施の形態に係る光ヘッドの構成を示す。本実施の形態は、図1の構成において、下面2aに半放物面形反射面を有するガラス製ホルダー17で光ヘッド1の上部全面を覆うようにし、図1のSIM4に代えて、プラスチック製のSIM18を用いたものである。SIM18は、ガラス製ホルダー17と浮上スライダー2を型にし、この型内にプラスチックを埋め込むことにより作製している。或いは、UV硬化樹脂を埋め込んだ後、UV照射により硬化する方法でSIM18を作製してもよい。また、浮上スライダー2は、モールドガラス(住田光学ガラス:PG325)を用いてモールド法で作製した。本実施の形態によれば、SIM18にプラスチックを用い、また、ホルダー17に低融点のガラスを用いて光ヘッド1を作製できるため、光ヘッドを安価に作製することが可能になる。
【0037】
上記各実施の形態においては、光ヘッド1に半導体レーザ6を組み込んだ構成としたが、半導体レーザ6を用いない構成も可能である。すなわち、外部に設けたレーザ装置からレーザ光を入射する構成でもよいし、光ファイバや光導波路を用いてレーザ光を入射する構成にしてもよい。
また、S−SILは、本実施の形態のように、円柱と半球体とを組み合わせたものに限らず、裁底球状の超半球面型であってもよい。また、S−SILは、半球面型でもよく、非球面の入射面を有するものでもよい。
また、SIMは、半楕円面を反射面としてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明の光ヘッドによれば、レーザ光出射素子から出射されたレーザ光は、第1の集光素子によって集光され、さらに第2の集光素子によって屈折して浮上スライダーの集光位置に集光するので、第2の集光素子において大きな開口数が得られる。この結果、微小スポットを得ることが可能になる。また、浮上スライダーの下面に平行なレーザ光を第1の集光素子に入射することにより、ヘッド高さを小さくすることができる。
【0039】
また、本発明の光ヘッドの製造方法によれば、浮上スライダーを用いても、開口数NAが大きく、へッド高さが小さい光ヘッドを製造することができ、さらに第1の集光素子と第2の集光素子の相対的位置が正確となるので、第2の集光素子によるスポット径を所望値にできると共に所望の位置に集光させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光ヘッドの構成を示す主要断面図である。
【図2】図1のS−SILの集光部を示す説明図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】(a)〜(e)は、本発明に係る光ヘッドの製造方法を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る光ヘッドの構成を示す主要断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る光ヘッドの構成を示す主要断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る光ヘッドの構成を示す主要断面図である。
【符号の説明】
1 光ヘッド
2 浮上スライダー
2a 下面
3 反射体
4,18 SIM
4a,18a 半放物面
4b 取付面
5 S−SIL
6 半導体レーザ
7 コリメータレンズ
8a〜8d レーザ光
9 反射防止膜
10,11 ホルダー
12 光ディスク
13 ミラー
14 直角プリズム
14a 傾斜面
15 45度直角プリズム
15a 傾斜面
16 対物レンズ
17 ガラス製ホルダー
21 フォトレジスト膜
22 光学ユニット
23 レーザ光発生装置
24 レジスト除去部
25 FIB
26 穴
27 アモルファスシリコン(a−Si:H)

Claims (20)

  1. 回転記録ディスク上を浮上走行する浮上スライダーと、
    前記浮上スライダー上に設けられ、前記浮上スライダーの下面に平行にレーザ光を出射するレーザ光出射素子と、
    前記浮上スライダー上に設けられ、前記レーザ光出射素子からの前記レーザ光を反射面で反射して前記浮上スライダーの所定の集光位置に集光させる第1の集光素子と、
    前記浮上スライダーの前記所定の集光位置に設けられ、前記第1の集光素子からのレーザ光を屈折させて前記浮上スライダーの下面近傍に集光させる第2の集光素子とを備えたことを特徴とする光ヘッド。
  2. 前記第1の集光素子は、半回転放物面形状又は半回転楕円面形状を有し、前記半回転放物面形状又は半回転楕円面形状の面に前記反射面が形成され、前記反射面の表面に金属からなる反射体を備えるソリッドイマージョンミラー(SIM)であることを特徴とする請求項1記載の光ヘッド。
  3. 前記第1の集光素子は、前記反射面を有するバイナリホログラムミラー又はフレネルミラーであることを特徴とする請求項1記載の光ヘッド。
  4. 前記第1の集光素子は、前記浮上スライダーの前記下面に平行な第1の面と、前記第1の面に直角な第2の面と、前記第1および第2の面に接する傾斜面を有し、前記傾斜面に前記反射面が形成され、前記反射面の表面に金属からなる反射体を備えたプリズムであることを特徴とする請求項1記載の光ヘッド。
  5. 前記プリズムは、前記傾斜面が前記第1および第2の面に約45度の角度で接することを特徴とする請求項4記載の光ヘッド。
  6. 前記ソリッドイマージョンミラー又は前記プリズムは、有機高分子材料により作製されていることを特徴とする請求項2,4又は5記載の光ヘッド。
  7. 前記ソリッドイマージョンミラー又は前記プリズムは、その屈折率が前記浮上スライダーの屈折率にほぼ等しいことを特徴とする請求項6記載の光ヘッド。
  8. 前記ソリッドイマージョンレンズは、半球面型又は超半球面型であり、又は非球面の入射面を有することを特徴とする請求項2記載の光ヘッド。
  9. 前記ソリッドイマージョンレンズは、その直径が前記第1の集光素子からの収束光により形成される光スポットの直径よりも大きいことを特徴とする請求項2記載の光ヘッド。
  10. 前記ソリッドイマージョンレンズは、結晶材料で構成されることを特徴とする請求項2記載の光ヘッド。
  11. 前記ソリッドイマージョンレンズは、アモルファス材料で構成されることを特徴とする請求項2記載の光ヘッド。
  12. 前記ソリッドイマージョンレンズは、その屈折率が2.0以上であることを特徴とする請求項2記載の光ヘッド。
  13. 前記レーザ光出射素子は、半導体レーザ素子、光ファイバ、又は光導波路であることを特徴とする請求項1記載の光ヘッド。
  14. 前記ソリッドイマージョンレンズは、その底面の集光位置に、金属膜による開口、金属膜によるボータイ型アンテナ、又は誘電体材料により形成されたテーパー型開口が被着されていることを特徴とする請求項2記載の光ヘッド。
  15. 浮上スライダー上に第1の集光素子を配置し、
    前記浮上スライダーの下面にフォトレジスト膜を形成し、
    前記第1の集光素子を介して前記フォトレジスト膜にレーザ光を集光して前記フォトレジスト膜に所定の形状の露光を行い、
    現像を行って前記フォトレジスト膜の前記所定の形状の部分を除去し、
    前記フォトレジスト膜が除去された前記所定の形状の部分から露出している前記浮上スライダーの部分をエッチングしてドーム状の穴を形成し、
    前記ドーム状の穴に前記第1の集光素子によって集光された前記レーザ光を屈折して前記浮上スライダーの前記下面近傍に集光させる第2の集光素子を形成することを特徴とする光ヘッドの製造方法。
  16. 前記ドーム状の穴の形成は、集束イオンビーム(FIB)の照射によって行うことを特徴とする請求項15記載の光ヘッドの製造方法。
  17. 前記第2の集光素子の形成は、化学気相成長(CVD)法によりアモルファスシリコン(a−Si:H)を埋め込むことにより行うことを特徴とする請求項15記載の光ヘッドの製造方法。
  18. 前記第2の集光素子の形成は、前記第2の集光素子の底面の集光位置に、金属膜による開口、金属膜によるボータイ型アンテナ、又は誘電体材料により形成されたテーパー型開口を被着する工程を含むことを特徴とする請求項15記載の光ヘッドの製造方法。
  19. 前記第2の集光素子の形成は、前記第2の集光素子が半球面型、超半球面型を有し、又は非球面の入射面を有するように形成されることを特徴とする請求項15記載の光ヘッドの製造方法。
  20. 前記第2の集光素子の形成は、前記第2の集光素子の直径が、前記第1の集光素子からの収束光により形成される光スポットの直径よりも大きくなるように形成することを特徴とする請求項15記載の光ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007220174A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Fujitsu Ltd 磁気ヘッド、および情報記憶装置

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