JP2004199244A - マザーボード及びそれを装備した電子計算機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】既存のマザーボードの簡単なレイアウト変更により、メインモジュール間の空間層およびメインメモリ自体の温度上昇を抑制し得るマザーボードを提供する。
【解決手段】ファンクーラーを備えたCPUが搭載されるとともに、それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードにおいて、上記ファンクーラーからCPUの冷却に伴い外部へ排出される排気流を、上記メモリモジュール間に対流が生じるように、強制的にメモリモジュール間に流すレイアウトを採用する。
【選択図】 図1
【解決手段】ファンクーラーを備えたCPUが搭載されるとともに、それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードにおいて、上記ファンクーラーからCPUの冷却に伴い外部へ排出される排気流を、上記メモリモジュール間に対流が生じるように、強制的にメモリモジュール間に流すレイアウトを採用する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファンクーラーを備えたCPUやチップセットが搭載されるとともに、複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボード及びそれを装備した電子計算機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の通り、コンピュータ等の電子計算機器には、CPU,チップセット,周辺回路,メインメモリ等を搭載した基板であるマザーボード(メインボードとも呼ばれる)が組み込まれている。このマザーボードとしては、典型的に、その表面に対して、CPU,チップセット,その周辺回路が実装され、また、それぞれメインメモリを搭載した複数のボード型のメモリモジュール(例えばDRAMを搭載したDIMM(Dual in-line Memory Module)等)が、その表面に対して垂直をなし且つ所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるものが知られている。
【0003】
マザーボードにおいては、一般的に、発熱対策として、発熱量の最も大きなCPUやチップセットに対して強制対流を発生させるファンクーラーが取り付けられている。しかし、CPUやチップセットに続いて発熱量の大きなメモリモジュールに搭載されたメインメモリに対してはヒートスプレッダ等の放熱板を取り付ける程度である。
【0004】
また、マザーボードにおいては、一般的に、CPUやチップセットが、各信号を直線的に接続可能で、設計が容易になることから、メモリモジュール用スロットの長手方向に沿って配列するようなレイアウトが採用される。ところが、かかるレイアウトが採用される場合には、たとえCPU用ファンクーラーからの排気流がメモリモジュール側へ指向させられても、その排気流が最も手前のメモリモジュールで遮られ、各メモリモジュール間における空気層の対流がもたらされることはない。
【0005】
更に、マザーボードにおいては、一般的に、約10mmの基板間隔でメモリモジュールが配置されるが、例えばICが積層化されたメモリモジュール等の、比較的厚いメモリモジュールが採用される場合には、各メモリモジュールの間隔は更に小さくなる。例えば、ICが積層化されたメモリモジュールの厚さが約8mmである場合には、メモリモジュール間における空気層の幅は約2mmと非常に狭くなる。その結果、各メモリモジュール間における空気層の対流は一層少なくなる。
【0006】
このように、従来のマザーボードでは、メインメモリの自己発熱による熱を、平行に配列されたメモリモジュール間の各空気層には拡散できるものの、その空気層がほとんど対流しないため、最終的に、メモリモジュール間における空気層の温度が上昇し、メインメモリのパッケージ表面及びその内部のジャンクション温度が上昇して、場合によっては、正常動作及び信頼性を保証し得ない温度になることがあった。特に、近年広く普及している、データバスが終端抵抗で終端するDRAMでは、データ出力電流が大きく、更に自己発熱の上昇を招く惧れがあった。
【0007】
上記の問題に対処すべく、近年では、CPUのみならず、ボード型のメモリモジュールに搭載されたメインメモリに対しても、ファンクーラーからの対流を利用して、その発熱を抑制する方法が開発されている。
その一例としては、CPUにそれ専用のファンクーラーを設けず、メインメモリを含む装置全体を冷却するファンクーラーのみを冷却風の駆動源として用いる構成が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、別の例としては、横流ファンにより送られる冷却風を、柱状部材を介して電子回路基板に送るとともに、該柱状部材のグループを通過する際に、薄い層状の冷却風として形成し、加速した状態の冷却風の流れを電子回路基板のCPUやメモリ等の素子に当てるようにする構成が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−284862号公報 (第2及び3頁,第1図)
【特許文献2】
特開平9−116286号公報 (第4及び5頁,第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記先行技術文献により開示される技術は、いずれも、設計面での大幅な変更を余儀なくされ、また、それに伴い、コストの増大が招来されるという問題がある。したがって、現行のマザーボードとほぼ同じ構成要素を用いて、既存の電子計算機器に適用可能でありつつ、メインメモリの温度上昇を十分に抑制し得るマザーボードを構成することが求められる。
【0010】
本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、既存のマザーボードのレイアウト変更により、放熱について自然対流にのみ頼っていた部分に対し、強制的に対流をもたらし、メインメモリの温度上昇を抑制し得るマザーボード及びそれを装備した電子計算機器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明は、ファンクーラーを備えたCPUが搭載されるとともに、それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードにおいて、上記ファンクーラーからCPUの冷却に伴い外部へ排出される排気流を、上記メモリモジュール間に対流が生じるように、強制的にメモリモジュール間に流すレイアウトが採用されている、ことを特徴としたものである。
【0012】
また、本願の第2の発明は、ファンクーラーを備えたチップセットが搭載されるとともに、それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードにおいて、上記ファンクーラーからチップセットの冷却に伴い外部へ排出される排気流を、上記メモリモジュール間に対流が生じるように、強制的にメモリモジュール間に流すレイアウトが採用されている、ことを特徴としたものである。
【0013】
更に、本願の第3の発明は、それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードを装備した電子計算機器において、上記マザーボード近傍に、ファンクーラーを備えた計算機器用の電源が設けられており、上記ファンクーラーとメモリモジュールとの間には、一端側で、該ファンクーラーの吸気口に連通される一方、他端側で、吸引ノズルをなし、上記メモリモジュール間に対流が生じさせるように位置決めされる吸気用ダクトが延設されている、ことを特徴としたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るマザーボードを概略的に示す平面図である。このマザーボード10は、例えばガラスエポキシ製の基板1に対して、各種の構成部品が搭載されてなるもので、使用に際し、コンピュータ等の電子計算機器に組み込まれる。より詳しくは、マザーボード10は、その表面に実装されたCPU2と、そのCPU2の上部に直接に取り付けられたCPU用ファンクーラー3と、例えばタイマや割り込み,DMA,メモリをコントロールする回路やRTC,バスインターフェイス等のマザーボード10に必要な機能を数個のLSIにまとめてなるチップセット4と、該チップセット4の上部に直接に取り付けられたチップセット用ファンクーラー5とを有している。
【0015】
また、マザーボード10は、メインメモリとしてのDRAM11(図2参照)が搭載された複数のボード型メモリモジュール7と、メモリモジュール7を挿入可能なコネクタであって、マザーボード10上で互いに平行に配列された複数の(この実施の形態では3つの)スロット6と、機能拡張カードとしてのPCI(Peripheral Component Interconnect)カード8と、PCIカード8を挿入可能な拡張バスコネクタであって、マザーボード10上で互いに平行に配列された複数の(この実施の形態では4つの)スロット9とを有している。メモリモジュール6及びPCIカード8は、それぞれ、スロット7及び9に挿入された状態で、マザーボード10の基板平面に対して垂直をなし且つ所定間隔をおいて平行に配列する。
【0016】
なお、実際には、上記以外の構成部品又は配線が、マザーボード10の表面のほぼ全域にわたって設けられているが、図面の簡略化を図り、ここでは、それらを省略する。
【0017】
この実施の形態1では、メモリモジュール6及びスロット7の延長線上に、CPU2及びそのファンクーラー3が配設され、また、CPU用ファンクーラー3を通過したエアが、CPU2の冷却に伴い、ファンクーラー3からメモリモジュール6及びスロット7側に排出されるようなレイアウトが採用されている。図2は、かかるCPU用ファンクーラーにおける吸気流及び排気流を概略的に示す側面図である。この図からよく分かるように、CPUファンクーラー3が駆動されると、ファンクーラー3の上面側からファンクーラー3の内部へ吸気が行われ、CPU2の上面に対してエアが吹き付けられ、CPU2は冷却される。記号W0が付された矢印は、吸気流をあらわす。この冷却に伴い、CPU2の冷却に用いられた後のエア又は吸気された直後のエアは、ファンクーラー3の一側面から、すなわち、メモリモジュール6及びスロット7に対向する面から排出される。記号W1が付された矢印は、ファンクーラー3からの排気流をあらわす。
【0018】
このようにファンクーラー3から排出される排気流は、図2に示すように、メモリモジュール6間に流れ、そこに対流をもたらす。これにより、メモリモジュール6間における空気層が拡散され、その温度上昇が抑制される。また、このとき、メモリモジュール6に搭載されたDRAM11に対して排気流が当たり、これによって、DRAM11のパッケージ表面の温度上昇及びその内部のジャンクション温度が抑制されることとなる。
【0019】
次の表は、CPU用ファンクーラー3からの排気流(以下、ファン排気流という)の影響調査結果をあらわすものである。ここでは、ファン排気流の有無及びマザーボード10に取り付けられるメモリモジュール6の枚数に応じて変化するDRAM11のパッケージ温度の測定値に基づいて、ファン排気流の影響が調査される。
【表1】
表1:ファン排気流の影響調査結果
表1における条件1では、マザーボード10に対して1枚のメモリモジュール6が取り付けられ、メモリモジュール6に対してファン排気流が遮られる。また、条件2では、マザーボード10に対して1枚のメモリモジュール6が取り付けられ、メモリモジュール6に対してファン排気流が供給される。更に、条件3では、本実施の形態とは異なるレイアウトを採用するマザーボードが取り上げられ、マザーボードに対して3枚のメモリモジュールが取り付けられ、これらメモリモジュールに対して横方向から、すなわち、メモリモジュール用スロットの長手方向に対して直交する方向からファン排気流が供給される。また、更に、条件3では、CPUから最も遠方に位置するメモリモジュール上のDRAMを、測定対象とする。
【0020】
ファン排気流を用いない場合、周囲温度に比べて、メモリモジュールにおけるDRAM11のパッケージ温度は相当に高くなる(条件1における測定値参照)。これに対して、ファン排気流を用いる場合には、DRAM11のパッケージ温度が、条件1における場合と比較して、12℃低下する(条件2における測定値参照)。これにより、ファン排気流が、メモリモジュール6に搭載されたDRAM11の温度上昇を抑制する上で、相当の効果をもたらすことが分かる。
【0021】
また、条件3における測定値から分かるように、ファン排気流がメモリモジュールの横方向から供給された場合には、CPU及びそのファンクーラーから最も遠方に位置するDRAMのパッケージ温度は、条件1における場合と比較して、あまり変わらない。すなわち、この場合には、ファン排気流によって、メモリモジュールに搭載されたDRAMの温度上昇を抑制する効果がほとんど得られない。
【0022】
図3は、CPU用のファンクーラー3からの排気流をメモリモジュール6に対して供給したり遮ったりした場合の、該メモリモジュール6に搭載されたDRAM11のパッケージ表面での温度変化をあらわすグラフである。グラフ中の円P,Rは、ファンクーラー3からの排気流を遮った場合のグラフの変化をあらわし、他方、円Qは、ファンクーラー3からの排気流を供給した場合のグラフの変化をあらわす。DRAM11のパッケージ温度は時間経過に伴い上昇するが、このグラフの変化から分かるように、メモリモジュール6間にファンクーラー3からの排気流を供給し、DRAM11のパッケージ表面に排気流を当てることによって、DRAM11のパッケージ温度及びその内部のジャンクション温度を効果的に低下させることができる。
【0023】
以上のように、この実施の形態1では、マザーボード10上で、既存のCPU用ファンクーラー3の配置を工夫して、マザーボード10の基板表面に対して垂直をなし且つ平行に配列されるように取り付けられた複数のメモリモジュール6間に排気流を供給可能とすることにより、メモリモジュール間の空気層を拡散させ対流をもたらして、その温度上昇を抑制することができ、また、排気流を各メモリモジュール6に搭載されるDRAM11のパッケージ表面に当てることにより、DRAM11の自己発熱による上昇を抑制することができる。更に、ここでは、既存のCPU用ファンクーラー3を用いるため、更なるスペースや電力増加の問題の発生源となり得る追加のファンクーラーを要することなく、発熱対策を行うことができる。これにより、DRAM11の温度上昇に起因する誤動作を一層確実に防止することができる。
【0024】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。なお、以下では、上記実施の形態1における場合と同じものについては、同一の符号を付し、それ以上の説明を省略する。
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係るマザーボードを概略的に示す平面図である。このマザーボード20は、上記実施の形態1における場合と同じ構成を有するものであり、この実施の形態2では、メモリモジュール6及びスロット7の延長線上に、チップセット4及びそのファンクーラー5が配設され、ファンクーラー5を通過したエアが、チップセット4の冷却に伴い、ファンクーラー5からメモリモジュール6及びスロット7側に排出されるようなレイアウトが採用されている。
【0025】
このように、マザーボード20上で、既存のチップセット用ファンクーラー5の配置を工夫して、マザーボード20の基板表面に対して垂直をなし且つ平行に配列されるように取り付けられた複数のメモリモジュール6間に排気流を供給可能とする(記号X1が付された矢印は、ファンクーラー5からの排気流をあらわす。)ことにより、上記実施の形態1における場合と同様の効果を奏することができる。すなわち、メモリモジュール間の空気を拡散させ対流をもたらして、その温度上昇を抑制することができ、また、排気流を各メモリモジュール6に搭載されるDRAM11のパッケージ表面に当てることにより、DRAM11の自己発熱による上昇を抑制することができる。更に、ここでは、既存のチップセット用ファンクーラー5を用いるため、更なるスペースや電力増加の問題の発生源となり得る追加のファンクーラーを要することなく、発熱対策を行うことができる。これにより、DRAM11の温度上昇に起因する誤動作を一層確実に防止することができる。
【0026】
ところで、スペース面の問題により、上記実施の形態1及び2のようなレイアウトの採用が不可能な場合があるが、この場合には、次の実施の形態3を用いて対処することができる。
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3に係るマザーボード及びその周辺構成を概略的に示す平面図である。この実施の形態3では、CPU2及びチップセット4が、メモリモジュール6用のスロット7の長手方向に沿って配列されるようなレイアウト(すなわち、従来一般的に用いられるレイアウト)を採用するマザーボード30が、設置部材31上に設けられている。また、設置部材31上には、マザーボード30の近傍に、計算機器用の電源32及びその上部に直接に取り付けられた電源用ファンクーラー33が設けられている。なお、設置部材31は、実際には、より大きなサイズを有するものであるが、図5では、マザーボード30及び電源32等が取り付けられる部分のみを示す。
【0027】
また、この実施の形態3では、電源用ファンクーラー33とメモリモジュール6との間に、吸気用ダクト34が延設されている。この吸気用ダクト34は、その一端側で、電源用ファンクーラー33の吸気口に連通される一方、他端側で、吸引ノズル34aをなし、メモリモジュール間に対流が生じさせるように位置決めされている。ここでは、吸引ノズル34aが、メモリモジュール6の上方にてメモリモジュール6に対向するように保持されている。なお、吸引ノズル34aを保持する位置は、これに限定されることなく、吸引ノズル34aをメモリモジュール用スロット7の一端側に保持してもよい。
【0028】
かかる構成によれば、電源用ファンクーラー33が駆動されると、吸気用ダクト34を通じて、吸引ノズル34aからメモリモジュール間の空気が吸い上げられ、メモリモジュール間に対流が生じる。これによって、メモリモジュール間のの温度上昇を抑制することができ、また、この吸引作用により生じる吸気流が各メモリモジュール6に搭載されるDRAM11のパッケージ表面に当たることにより、DRAM11の自己発熱による温度上昇を抑制することができる。その結果、DRAM11の温度上昇に起因する誤動作を一層確実に防止することができる。
【0029】
なお、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】
本願の第1の発明によれば、ファンクーラーを備えたCPUが搭載されるとともに、それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードにおいて、上記ファンクーラーからCPUの冷却に伴い外部へ排出される排気流を、上記メモリモジュール間に対流が生じるように、強制的にメモリモジュール間に流すレイアウトが採用されるので、メモリモジュール間の温度上昇を抑制することができる。また、既存のCPU用ファンクーラーが用いられるので、更なるスペースや電力増加の問題の発生源となり得る追加のファンクーラーを要することなく、発熱対策を行うことができる。
【0031】
また、本願の第2の発明によれば、ファンクーラーを備えたチップセットが搭載されるとともに、それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードにおいて、上記ファンクーラーからチップセットの冷却に伴い外部へ排出される排気流を、上記メモリモジュール間に対流が生じるように、強制的にメモリモジュール間に流すレイアウトが採用されているので、メモリモジュール間の温度上昇を抑制することができる。また、既存のチップセット用ファンクーラーが用いられるので、更なるスペースや電力増加の問題の発生源となり得る追加のファンクーラーを要することなく、発熱対策を行うことができる。
【0032】
更に、本願の第3の発明によれば、それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードを装備した電子計算機器において、上記マザーボード近傍に、ファンクーラーを備えた計算機器用の電源が設けられており、上記ファンクーラーとメモリモジュールとの間には、一端側で、該ファンクーラーの吸気口に連通される一方、他端側で、吸引ノズルをなし、上記メモリモジュール間に対流が生じさせるように位置決めされる吸気用ダクトが延設されているので、電源用ファンクーラーの駆動時には、メモリモジュール間の温度上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るマザーボードを概略的に示す平面図である。
【図2】上記マザーボード上でファンクーラーからCPUの冷却に伴い外部に排出される排気流がメモリモジュール間に流される様子を概略的に示す側面図である。
【図3】CPU用のファンクーラーからの排気流をメモリモジュールに対して供給したり遮ったりした場合の、DRAMのパッケージ温度の変化をあらわすグラフである。
【図4】本発明の実施の形態2に係るマザーボードを概略的に示す平面図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係るマザーボード及びその周辺構成を概略的に示す平面図である。
【符号の説明】
2 CPU,3 CPU用ファンクーラー,4 チップセット,5 チップセット用ファンクーラー,6 ボード型メモリモジュール,10,20,30 マザーボード,11 DRAM,32 電源,33 電源用ファンクーラー,34ダクト。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファンクーラーを備えたCPUやチップセットが搭載されるとともに、複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボード及びそれを装備した電子計算機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の通り、コンピュータ等の電子計算機器には、CPU,チップセット,周辺回路,メインメモリ等を搭載した基板であるマザーボード(メインボードとも呼ばれる)が組み込まれている。このマザーボードとしては、典型的に、その表面に対して、CPU,チップセット,その周辺回路が実装され、また、それぞれメインメモリを搭載した複数のボード型のメモリモジュール(例えばDRAMを搭載したDIMM(Dual in-line Memory Module)等)が、その表面に対して垂直をなし且つ所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるものが知られている。
【0003】
マザーボードにおいては、一般的に、発熱対策として、発熱量の最も大きなCPUやチップセットに対して強制対流を発生させるファンクーラーが取り付けられている。しかし、CPUやチップセットに続いて発熱量の大きなメモリモジュールに搭載されたメインメモリに対してはヒートスプレッダ等の放熱板を取り付ける程度である。
【0004】
また、マザーボードにおいては、一般的に、CPUやチップセットが、各信号を直線的に接続可能で、設計が容易になることから、メモリモジュール用スロットの長手方向に沿って配列するようなレイアウトが採用される。ところが、かかるレイアウトが採用される場合には、たとえCPU用ファンクーラーからの排気流がメモリモジュール側へ指向させられても、その排気流が最も手前のメモリモジュールで遮られ、各メモリモジュール間における空気層の対流がもたらされることはない。
【0005】
更に、マザーボードにおいては、一般的に、約10mmの基板間隔でメモリモジュールが配置されるが、例えばICが積層化されたメモリモジュール等の、比較的厚いメモリモジュールが採用される場合には、各メモリモジュールの間隔は更に小さくなる。例えば、ICが積層化されたメモリモジュールの厚さが約8mmである場合には、メモリモジュール間における空気層の幅は約2mmと非常に狭くなる。その結果、各メモリモジュール間における空気層の対流は一層少なくなる。
【0006】
このように、従来のマザーボードでは、メインメモリの自己発熱による熱を、平行に配列されたメモリモジュール間の各空気層には拡散できるものの、その空気層がほとんど対流しないため、最終的に、メモリモジュール間における空気層の温度が上昇し、メインメモリのパッケージ表面及びその内部のジャンクション温度が上昇して、場合によっては、正常動作及び信頼性を保証し得ない温度になることがあった。特に、近年広く普及している、データバスが終端抵抗で終端するDRAMでは、データ出力電流が大きく、更に自己発熱の上昇を招く惧れがあった。
【0007】
上記の問題に対処すべく、近年では、CPUのみならず、ボード型のメモリモジュールに搭載されたメインメモリに対しても、ファンクーラーからの対流を利用して、その発熱を抑制する方法が開発されている。
その一例としては、CPUにそれ専用のファンクーラーを設けず、メインメモリを含む装置全体を冷却するファンクーラーのみを冷却風の駆動源として用いる構成が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、別の例としては、横流ファンにより送られる冷却風を、柱状部材を介して電子回路基板に送るとともに、該柱状部材のグループを通過する際に、薄い層状の冷却風として形成し、加速した状態の冷却風の流れを電子回路基板のCPUやメモリ等の素子に当てるようにする構成が知られている(例えば特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−284862号公報 (第2及び3頁,第1図)
【特許文献2】
特開平9−116286号公報 (第4及び5頁,第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記先行技術文献により開示される技術は、いずれも、設計面での大幅な変更を余儀なくされ、また、それに伴い、コストの増大が招来されるという問題がある。したがって、現行のマザーボードとほぼ同じ構成要素を用いて、既存の電子計算機器に適用可能でありつつ、メインメモリの温度上昇を十分に抑制し得るマザーボードを構成することが求められる。
【0010】
本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、既存のマザーボードのレイアウト変更により、放熱について自然対流にのみ頼っていた部分に対し、強制的に対流をもたらし、メインメモリの温度上昇を抑制し得るマザーボード及びそれを装備した電子計算機器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明は、ファンクーラーを備えたCPUが搭載されるとともに、それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードにおいて、上記ファンクーラーからCPUの冷却に伴い外部へ排出される排気流を、上記メモリモジュール間に対流が生じるように、強制的にメモリモジュール間に流すレイアウトが採用されている、ことを特徴としたものである。
【0012】
また、本願の第2の発明は、ファンクーラーを備えたチップセットが搭載されるとともに、それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードにおいて、上記ファンクーラーからチップセットの冷却に伴い外部へ排出される排気流を、上記メモリモジュール間に対流が生じるように、強制的にメモリモジュール間に流すレイアウトが採用されている、ことを特徴としたものである。
【0013】
更に、本願の第3の発明は、それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードを装備した電子計算機器において、上記マザーボード近傍に、ファンクーラーを備えた計算機器用の電源が設けられており、上記ファンクーラーとメモリモジュールとの間には、一端側で、該ファンクーラーの吸気口に連通される一方、他端側で、吸引ノズルをなし、上記メモリモジュール間に対流が生じさせるように位置決めされる吸気用ダクトが延設されている、ことを特徴としたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るマザーボードを概略的に示す平面図である。このマザーボード10は、例えばガラスエポキシ製の基板1に対して、各種の構成部品が搭載されてなるもので、使用に際し、コンピュータ等の電子計算機器に組み込まれる。より詳しくは、マザーボード10は、その表面に実装されたCPU2と、そのCPU2の上部に直接に取り付けられたCPU用ファンクーラー3と、例えばタイマや割り込み,DMA,メモリをコントロールする回路やRTC,バスインターフェイス等のマザーボード10に必要な機能を数個のLSIにまとめてなるチップセット4と、該チップセット4の上部に直接に取り付けられたチップセット用ファンクーラー5とを有している。
【0015】
また、マザーボード10は、メインメモリとしてのDRAM11(図2参照)が搭載された複数のボード型メモリモジュール7と、メモリモジュール7を挿入可能なコネクタであって、マザーボード10上で互いに平行に配列された複数の(この実施の形態では3つの)スロット6と、機能拡張カードとしてのPCI(Peripheral Component Interconnect)カード8と、PCIカード8を挿入可能な拡張バスコネクタであって、マザーボード10上で互いに平行に配列された複数の(この実施の形態では4つの)スロット9とを有している。メモリモジュール6及びPCIカード8は、それぞれ、スロット7及び9に挿入された状態で、マザーボード10の基板平面に対して垂直をなし且つ所定間隔をおいて平行に配列する。
【0016】
なお、実際には、上記以外の構成部品又は配線が、マザーボード10の表面のほぼ全域にわたって設けられているが、図面の簡略化を図り、ここでは、それらを省略する。
【0017】
この実施の形態1では、メモリモジュール6及びスロット7の延長線上に、CPU2及びそのファンクーラー3が配設され、また、CPU用ファンクーラー3を通過したエアが、CPU2の冷却に伴い、ファンクーラー3からメモリモジュール6及びスロット7側に排出されるようなレイアウトが採用されている。図2は、かかるCPU用ファンクーラーにおける吸気流及び排気流を概略的に示す側面図である。この図からよく分かるように、CPUファンクーラー3が駆動されると、ファンクーラー3の上面側からファンクーラー3の内部へ吸気が行われ、CPU2の上面に対してエアが吹き付けられ、CPU2は冷却される。記号W0が付された矢印は、吸気流をあらわす。この冷却に伴い、CPU2の冷却に用いられた後のエア又は吸気された直後のエアは、ファンクーラー3の一側面から、すなわち、メモリモジュール6及びスロット7に対向する面から排出される。記号W1が付された矢印は、ファンクーラー3からの排気流をあらわす。
【0018】
このようにファンクーラー3から排出される排気流は、図2に示すように、メモリモジュール6間に流れ、そこに対流をもたらす。これにより、メモリモジュール6間における空気層が拡散され、その温度上昇が抑制される。また、このとき、メモリモジュール6に搭載されたDRAM11に対して排気流が当たり、これによって、DRAM11のパッケージ表面の温度上昇及びその内部のジャンクション温度が抑制されることとなる。
【0019】
次の表は、CPU用ファンクーラー3からの排気流(以下、ファン排気流という)の影響調査結果をあらわすものである。ここでは、ファン排気流の有無及びマザーボード10に取り付けられるメモリモジュール6の枚数に応じて変化するDRAM11のパッケージ温度の測定値に基づいて、ファン排気流の影響が調査される。
【表1】
表1:ファン排気流の影響調査結果
表1における条件1では、マザーボード10に対して1枚のメモリモジュール6が取り付けられ、メモリモジュール6に対してファン排気流が遮られる。また、条件2では、マザーボード10に対して1枚のメモリモジュール6が取り付けられ、メモリモジュール6に対してファン排気流が供給される。更に、条件3では、本実施の形態とは異なるレイアウトを採用するマザーボードが取り上げられ、マザーボードに対して3枚のメモリモジュールが取り付けられ、これらメモリモジュールに対して横方向から、すなわち、メモリモジュール用スロットの長手方向に対して直交する方向からファン排気流が供給される。また、更に、条件3では、CPUから最も遠方に位置するメモリモジュール上のDRAMを、測定対象とする。
【0020】
ファン排気流を用いない場合、周囲温度に比べて、メモリモジュールにおけるDRAM11のパッケージ温度は相当に高くなる(条件1における測定値参照)。これに対して、ファン排気流を用いる場合には、DRAM11のパッケージ温度が、条件1における場合と比較して、12℃低下する(条件2における測定値参照)。これにより、ファン排気流が、メモリモジュール6に搭載されたDRAM11の温度上昇を抑制する上で、相当の効果をもたらすことが分かる。
【0021】
また、条件3における測定値から分かるように、ファン排気流がメモリモジュールの横方向から供給された場合には、CPU及びそのファンクーラーから最も遠方に位置するDRAMのパッケージ温度は、条件1における場合と比較して、あまり変わらない。すなわち、この場合には、ファン排気流によって、メモリモジュールに搭載されたDRAMの温度上昇を抑制する効果がほとんど得られない。
【0022】
図3は、CPU用のファンクーラー3からの排気流をメモリモジュール6に対して供給したり遮ったりした場合の、該メモリモジュール6に搭載されたDRAM11のパッケージ表面での温度変化をあらわすグラフである。グラフ中の円P,Rは、ファンクーラー3からの排気流を遮った場合のグラフの変化をあらわし、他方、円Qは、ファンクーラー3からの排気流を供給した場合のグラフの変化をあらわす。DRAM11のパッケージ温度は時間経過に伴い上昇するが、このグラフの変化から分かるように、メモリモジュール6間にファンクーラー3からの排気流を供給し、DRAM11のパッケージ表面に排気流を当てることによって、DRAM11のパッケージ温度及びその内部のジャンクション温度を効果的に低下させることができる。
【0023】
以上のように、この実施の形態1では、マザーボード10上で、既存のCPU用ファンクーラー3の配置を工夫して、マザーボード10の基板表面に対して垂直をなし且つ平行に配列されるように取り付けられた複数のメモリモジュール6間に排気流を供給可能とすることにより、メモリモジュール間の空気層を拡散させ対流をもたらして、その温度上昇を抑制することができ、また、排気流を各メモリモジュール6に搭載されるDRAM11のパッケージ表面に当てることにより、DRAM11の自己発熱による上昇を抑制することができる。更に、ここでは、既存のCPU用ファンクーラー3を用いるため、更なるスペースや電力増加の問題の発生源となり得る追加のファンクーラーを要することなく、発熱対策を行うことができる。これにより、DRAM11の温度上昇に起因する誤動作を一層確実に防止することができる。
【0024】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。なお、以下では、上記実施の形態1における場合と同じものについては、同一の符号を付し、それ以上の説明を省略する。
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係るマザーボードを概略的に示す平面図である。このマザーボード20は、上記実施の形態1における場合と同じ構成を有するものであり、この実施の形態2では、メモリモジュール6及びスロット7の延長線上に、チップセット4及びそのファンクーラー5が配設され、ファンクーラー5を通過したエアが、チップセット4の冷却に伴い、ファンクーラー5からメモリモジュール6及びスロット7側に排出されるようなレイアウトが採用されている。
【0025】
このように、マザーボード20上で、既存のチップセット用ファンクーラー5の配置を工夫して、マザーボード20の基板表面に対して垂直をなし且つ平行に配列されるように取り付けられた複数のメモリモジュール6間に排気流を供給可能とする(記号X1が付された矢印は、ファンクーラー5からの排気流をあらわす。)ことにより、上記実施の形態1における場合と同様の効果を奏することができる。すなわち、メモリモジュール間の空気を拡散させ対流をもたらして、その温度上昇を抑制することができ、また、排気流を各メモリモジュール6に搭載されるDRAM11のパッケージ表面に当てることにより、DRAM11の自己発熱による上昇を抑制することができる。更に、ここでは、既存のチップセット用ファンクーラー5を用いるため、更なるスペースや電力増加の問題の発生源となり得る追加のファンクーラーを要することなく、発熱対策を行うことができる。これにより、DRAM11の温度上昇に起因する誤動作を一層確実に防止することができる。
【0026】
ところで、スペース面の問題により、上記実施の形態1及び2のようなレイアウトの採用が不可能な場合があるが、この場合には、次の実施の形態3を用いて対処することができる。
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3に係るマザーボード及びその周辺構成を概略的に示す平面図である。この実施の形態3では、CPU2及びチップセット4が、メモリモジュール6用のスロット7の長手方向に沿って配列されるようなレイアウト(すなわち、従来一般的に用いられるレイアウト)を採用するマザーボード30が、設置部材31上に設けられている。また、設置部材31上には、マザーボード30の近傍に、計算機器用の電源32及びその上部に直接に取り付けられた電源用ファンクーラー33が設けられている。なお、設置部材31は、実際には、より大きなサイズを有するものであるが、図5では、マザーボード30及び電源32等が取り付けられる部分のみを示す。
【0027】
また、この実施の形態3では、電源用ファンクーラー33とメモリモジュール6との間に、吸気用ダクト34が延設されている。この吸気用ダクト34は、その一端側で、電源用ファンクーラー33の吸気口に連通される一方、他端側で、吸引ノズル34aをなし、メモリモジュール間に対流が生じさせるように位置決めされている。ここでは、吸引ノズル34aが、メモリモジュール6の上方にてメモリモジュール6に対向するように保持されている。なお、吸引ノズル34aを保持する位置は、これに限定されることなく、吸引ノズル34aをメモリモジュール用スロット7の一端側に保持してもよい。
【0028】
かかる構成によれば、電源用ファンクーラー33が駆動されると、吸気用ダクト34を通じて、吸引ノズル34aからメモリモジュール間の空気が吸い上げられ、メモリモジュール間に対流が生じる。これによって、メモリモジュール間のの温度上昇を抑制することができ、また、この吸引作用により生じる吸気流が各メモリモジュール6に搭載されるDRAM11のパッケージ表面に当たることにより、DRAM11の自己発熱による温度上昇を抑制することができる。その結果、DRAM11の温度上昇に起因する誤動作を一層確実に防止することができる。
【0029】
なお、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】
本願の第1の発明によれば、ファンクーラーを備えたCPUが搭載されるとともに、それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードにおいて、上記ファンクーラーからCPUの冷却に伴い外部へ排出される排気流を、上記メモリモジュール間に対流が生じるように、強制的にメモリモジュール間に流すレイアウトが採用されるので、メモリモジュール間の温度上昇を抑制することができる。また、既存のCPU用ファンクーラーが用いられるので、更なるスペースや電力増加の問題の発生源となり得る追加のファンクーラーを要することなく、発熱対策を行うことができる。
【0031】
また、本願の第2の発明によれば、ファンクーラーを備えたチップセットが搭載されるとともに、それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードにおいて、上記ファンクーラーからチップセットの冷却に伴い外部へ排出される排気流を、上記メモリモジュール間に対流が生じるように、強制的にメモリモジュール間に流すレイアウトが採用されているので、メモリモジュール間の温度上昇を抑制することができる。また、既存のチップセット用ファンクーラーが用いられるので、更なるスペースや電力増加の問題の発生源となり得る追加のファンクーラーを要することなく、発熱対策を行うことができる。
【0032】
更に、本願の第3の発明によれば、それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードを装備した電子計算機器において、上記マザーボード近傍に、ファンクーラーを備えた計算機器用の電源が設けられており、上記ファンクーラーとメモリモジュールとの間には、一端側で、該ファンクーラーの吸気口に連通される一方、他端側で、吸引ノズルをなし、上記メモリモジュール間に対流が生じさせるように位置決めされる吸気用ダクトが延設されているので、電源用ファンクーラーの駆動時には、メモリモジュール間の温度上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るマザーボードを概略的に示す平面図である。
【図2】上記マザーボード上でファンクーラーからCPUの冷却に伴い外部に排出される排気流がメモリモジュール間に流される様子を概略的に示す側面図である。
【図3】CPU用のファンクーラーからの排気流をメモリモジュールに対して供給したり遮ったりした場合の、DRAMのパッケージ温度の変化をあらわすグラフである。
【図4】本発明の実施の形態2に係るマザーボードを概略的に示す平面図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係るマザーボード及びその周辺構成を概略的に示す平面図である。
【符号の説明】
2 CPU,3 CPU用ファンクーラー,4 チップセット,5 チップセット用ファンクーラー,6 ボード型メモリモジュール,10,20,30 マザーボード,11 DRAM,32 電源,33 電源用ファンクーラー,34ダクト。
Claims (3)
- ファンクーラーを備えたCPUが搭載されるとともに、それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードにおいて、
上記ファンクーラーからCPUの冷却に伴い外部へ排出される排気流を、上記メモリモジュール間に対流が生じるように、強制的にメモリモジュール間に流すレイアウトが採用されている、ことを特徴とするマザーボード。 - ファンクーラーを備えたチップセットが搭載されるとともに、それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードにおいて、
上記ファンクーラーからチップセットの冷却に伴い外部へ排出される排気流を、上記メモリモジュール間に対流が生じるように、強制的にメモリモジュール間に流すレイアウトが採用されている、ことを特徴とするマザーボード。 - それぞれメインメモリを備えた複数のボード型メモリモジュールが、取付面に対して略垂直をなし且つ互いに所定間隔をおいて平行に配列するように取り付けられるマザーボードを装備した電子計算機器において、
上記マザーボード近傍に、ファンクーラーを備えた計算機器用の電源が設けられており、
上記ファンクーラーとメモリモジュールとの間には、一端側で、該ファンクーラーの吸気口に連通される一方、他端側で、吸引ノズルをなし、上記メモリモジュール間に対流が生じさせるように位置決めされる吸気用ダクトが延設されている、ことを特徴とする電子計算機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002365018A JP2004199244A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | マザーボード及びそれを装備した電子計算機器 |
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JP2002365018A JP2004199244A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | マザーボード及びそれを装備した電子計算機器 |
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ID=32762685
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008159018A (ja) * | 2006-12-22 | 2008-07-10 | Innodisk Corp | メモリデバイス |
-
2002
- 2002-12-17 JP JP2002365018A patent/JP2004199244A/ja active Pending
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