JP2004198754A - 光回路素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】応答速度を高め、設定精度と省電力化を向上させた光回路素子を提供する。
【解決手段】高分子材料で形成され、Y分岐導波路と、この分岐部5における二つの光導波路3、4にそれぞれ配設されたヒータ抵抗6、7とを備え、熱光学効果によって導波路屈折率を変化させ、一方または他方の出力導波路へ結合する光強度を可変させる光回路素子1において、ヒータ抵抗6、7と光導波路3、4との間に熱伝導率が高い部材8を配設し、この部材8を異方性、かつ一方向に高い熱伝導率を有する一方向繊維強化複合材料で形成することにより、ヒータ抵抗6、7と光導波路3、4の間は熱伝導率が高くなり、加熱に要する消費電力の大幅な低減と共に、応答速度の迅速化を図ることができる。また、一方のヒータ抵抗6で発生する熱が、加熱されてはならない他の光導波路4に伝導することが可及的に抑制される。
【選択図】 図2
【解決手段】高分子材料で形成され、Y分岐導波路と、この分岐部5における二つの光導波路3、4にそれぞれ配設されたヒータ抵抗6、7とを備え、熱光学効果によって導波路屈折率を変化させ、一方または他方の出力導波路へ結合する光強度を可変させる光回路素子1において、ヒータ抵抗6、7と光導波路3、4との間に熱伝導率が高い部材8を配設し、この部材8を異方性、かつ一方向に高い熱伝導率を有する一方向繊維強化複合材料で形成することにより、ヒータ抵抗6、7と光導波路3、4の間は熱伝導率が高くなり、加熱に要する消費電力の大幅な低減と共に、応答速度の迅速化を図ることができる。また、一方のヒータ抵抗6で発生する熱が、加熱されてはならない他の光導波路4に伝導することが可及的に抑制される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光導波路の分野に関し、特に光通信システムや光伝送システムにおいて、光強度の調整に用いられる光可変減衰器や光スイッチ等の光回路素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光回路素子のうち、例えば光可変減衰器は、光通信の分野で測定装置や光受信回路への入力光強度を調整する手段として広く用いられている。一般的な光可変減衰器は、電気光学効果を有する基板上に、複数の光導波路と、これら光導波路の外側に屈折率を小さくするように電界を印加する電極とが配設されている。これらの電極に個別に電界を印加することにより、電気光学効果によって屈折率が減少し、光導波路の外側に放射される光のエネルギーが低減される。したがって、電極の印加電圧をオン/オフすることにより、放射による損失すなわち減衰量を切り替えられるようになっている。
【0003】
こうした光可変減衰器は、設定精度に限界があるばかりか、その減衰量範囲を広げるには光導波路数を多くする必要があり、寸法が大きくなる欠点がある。この欠点を解決し、光通信装置内や測定装置内に組み込み可能な小型で、電気的制御が可能な光可変減衰器が知られている。
【0004】
この光可変減衰器は、図5に示すように、高分子材料で形成され、熱光学効果によって導波路屈折率が変化するY分岐導波路によって構成されている。このY分岐導波路は、光導波路51、52、53からなり、この分岐部にヒータ抵抗54、55が蒸着されている。光導波路51から入力された光は、光導波路52、53へ出力される。各導波路52、53に出力される光強度は、分岐部における熱の印加状態に応じて変化する。すなわち、一方の光導波路を温めると、屈折率が変化して非対称Y分岐導波路が形成され、他方の光導波路に光強度の多くを導波させることができる。
【0005】
ヒータ抵抗54、55へ電流を流さない状態では、光導波路51からの入力光強度に対する各光導波路52、53への出力光強度の減衰量は50%となる。これを50%から0%に可変させるには、ヒータ抵抗55へ流す電流値を0から所定値まで変化させる。一方、50%から100%に可変させるには、ヒータ抵抗54へ流す電流値を0から所定値まで変化させる。すなわち、減衰量50%を境にして、電流を流すヒータ抵抗54、55を切り替えることによって行なっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−20348号公報(第3頁、第1、2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この光可変減衰器等、従来の光回路素子には以下に例示する問題が内在していた。
1.この光可変減衰器では、一方のヒータ抵抗からの熱が、他方の導波路に伝わってしまい、電流値を厳密に制御しても設定精度には限界があった。したがって、このような光回路素子を光スイッチとして適用した場合、スイッチングにおける消光比が劣化し両方オフになるという不具合が発生してしまう恐れがあった。
2.光伝搬損失を低く抑えるために、導波路とヒータ抵抗間に透明樹脂やガラスからなるバッファ層を設ける必要が生じ、このバッファ層によって、屈折率を下げるための大容量の電力が必要となる。したがって、消費電力が増大すると共に、その応答速度も遅くなる。
3.光回路素子の小型化を図るため、二つの光導波路は極めて狭い間隔で配設され、その分岐後の光導波路を加熱するために一対のヒータ抵抗を接近させて並設する必要があった。この結果、一方の光導波路のみを効果的に加熱することが困難となり、おのずと小型化には制約があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、応答速度を高め、設定精度と省電力化を向上させた光回路素子を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、高分子材料で形成され、Y分岐導波路と、このY分岐導波路の分岐部における二つの光導波路にそれぞれ配設されたヒータ抵抗とを備え、熱光学効果によって導波路屈折率を変化させ、一方または他方の出力導波路へ結合する光強度を可変させる光回路素子において、前記ヒータ抵抗と光導波路との間に熱伝導率が高い部材を配設し、この部材を異方性、かつ一方向に高い熱伝導率を有する一方向繊維強化複合材料で形成した。
【0010】
このように、ヒータ抵抗と光導波路との間に、熱伝導率が高く、異方性、かつ一方向に高い熱伝導率を有する一方向繊維強化複合材料を配設したので、一対のヒータ抵抗と二つの光導波路の間は熱伝導率が高くなり、加熱に要する消費電力の大幅な低減と共に、スイッチング等の応答速度の迅速化を図ることができる。また、一方のヒータ抵抗で発生する熱が、加熱されてはならない他の光導波路に伝導することが可及的に抑制される。
【0011】
また、請求項2に記載の発明のように、前記ヒータ抵抗と対向する側に放熱板を配設すると共に、この放熱板と前記光導波路との間に前記熱伝導率が高い部材を配設し、この部材を異方性、かつ一方向に高い熱伝導率を有する一方向繊維強化複合材料で形成したので、一対のヒータ抵抗と二つの光導波路の間は熱伝導率が高くなり、加熱に要する消費電力の大幅な低減と共に、スイッチング等の応答速度の迅速化を一層図ることができる。また、一方のヒータ抵抗で発生する熱が、加熱されてはならない他の光導波路に伝導することが可及的に抑制される
【0012】
また、請求項3に記載の発明のように、前記熱伝導率が高い部材に凹部を形成し、この凹部に前記ヒータ抵抗を嵌めることにより部材の加工が一段と容易になる。
【0013】
好ましくは、請求項4に記載の発明のように、前記部材が、ポリエチレン繊維を強化繊維とする複合材料であっても良いし、また、請求項5に記載の発明のように、前記部材が、ポリベンゾビスオキサゾール繊維を強化繊維とする複合材料であっても良い。
【0014】
また、請求項6に記載の発明のように、前記部材が樹脂コーティングされ、前記ヒータ抵抗と一体に形成すれば、精度良く光回路素子を形成することができると共に、表面の平滑性が増して、入出力光ファイバを保持するV溝や、それに接続する光導波路の加工が容易となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る光スイッチの第1の実施形態を示す平面図、図2は、図1のII−II線に沿った要部断面図である。
【0016】
光スイッチ1は高分子材料からなり、熱光学効果によって導波路屈折率が変化するY分岐導波路によって構成されている。このY分岐導波路は、光導波路2、3、4からなり、この分岐部5に帯状のヒータ抵抗6、7が蒸着されている。少なくともこれら光導波路3、4および分岐部5は透明な高分子材料で包囲されている。光導波路2から入力された光は、光導波路3、4へ出力される。各光導波路3、4に出力される光強度は、分岐部5における熱の印加状態に応じて変化する。すなわち、光導波路を温めると熱膨張し、密度が下がるため屈折率が低下する。こうした所謂熱光学効果により、例えば、一方の光導波路3のヒータ抵抗6に熱を加え、屈折率を低下させることによって全反射できなくなり、他方の光導波路4にのみ光導波路2から入力された光を導波させることができる。
【0017】
本実施形態では、図2に示すように、光導波路3とヒータ抵抗6との間に熱伝導率が高い部材8(以下部材という)を介在させている。この部材8は、異方性、かつ一方向に高い熱伝導率を有している。また、この部材8と光導波路3との間には所定の厚さのバッファ層9が設けられ、ヒータ抵抗6から光導波路3間の光伝搬損失を低く抑えている。
【0018】
この部材8は、熱伝導率の高いポリエチレン繊維を強化繊維とする複合材料(以下DFRPと呼ぶ)からなる。DFRPは、方向によって異なる熱膨張特性を有する高熱伝導性材料として知られている(東洋紡:Dyneema)。このDFRPは、繊維方向には負の熱膨張性を有し、繊維方向と直交する方向には大きな正の熱膨張性を有している。部材8は、フィラメントワインディング等により、DFRPを光導波路3とヒータ抵抗6との間の一方向に配向して構成されている。
【0019】
こうしたDFRP以外に、異方性、かつ一方向の高い熱伝導率を有する一方向繊維強化複合材料として以下のものを例示することができる。ガラスおよびアルミナ繊維を用いた複合材料、アラミド繊維強化複合材料、ポリベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維(東洋紡:Zylon)強化複合材料。中でもDFRPは、繊維方向に直交する方向には最も大きな正膨張をする。これは、ポリエチレン繊維自体の線膨張係数の異方性が寄与しているためと考えられている。
【0020】
本実施形態における光スイッチ1では、光導波路3とヒータ抵抗6との間に部材8を介在させているので、一対のヒータ抵抗6、7と二つの光導波路3、4の間は熱伝導率が高くなり、スイッチングに要する消費電力の大幅な低減と共に、スイッチングの応答速度の迅速化を図ることができる。また、例えば、一方のヒータ抵抗6で発生する熱が、加熱されてはならない他の光導波路4に伝導することが可及的に抑制される。したがって、光スイッチとしての消光比が格段に改善される。
【0021】
なお、前述した光スイッチ1以外にも、ヒータ抵抗6、7で発生する熱量を、ヒータ抵抗6、7へ流す電流によって可変に制御することにより、二つの光導波路3、4へ出力される光強度を調整するような光変調器、光可変減衰器等の光回路素子に適用できることは言うまでもない。
【0022】
なお、熱伝導率が高く、異方性、かつ一方向の高い熱伝導率を有する一方向繊維強化複合材料をシート状に形成し、その表面をコーティング処理して表面粗さを小さくした後、ヒータ抵抗と一体に積層して、Y分岐導波路と分岐した光導波路と共に透明層によって包囲しても良い。また、光スイッチ1は、高分子材料を加熱しながらプレス成形することにより、金型の形状に精度良く光回路層および基板を成形することができると共に、表面の平滑性が増す。したがって、入出力光ファイバを保持するV溝や、それに接続する光導波路の加工が容易となる。また、基板上部に紫外線硬化樹脂を塗布すれば、短時間紫外線を照射した後、加熱することによって硬化するため、紫外線照射後プレス加工により、三次元光導波路の形成とファイバ接続用のV溝等の加工を一括して行なうこともできる。
【0023】
図3は、本発明に係る光スイッチの第2の実施形態を示す要部断面図である。前述した第1の実施形態と同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0024】
光スイッチ10は、光導波路2、3、4からなるY分岐導波路によって構成されている。この分岐部5に帯状のヒータ抵抗6、7が設けられている。これら光導波路3、4および分岐部5は透明な高分子材料で包囲されている。光導波路3とヒータ抵抗6との間に部材8’を介在させている。この実施形態は、予め部材8’に凹部8aを形成し、この凹部8a内にヒータ抵抗6を嵌め込んでいる。これにより、部材8’の加工性が格段に容易になる。
【0025】
図4は、本発明に係る光スイッチの第3の実施形態を示す要部断面図である。前述した第1の実施形態と同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0026】
光スイッチ12は、光導波路2、3、4からなるY分岐導波路によって構成されている。この分岐部5に一対の帯状のヒータ抵抗6、7がそれぞれ設けられている。これら光導波路3、4および分岐部5は透明な高分子材料で包囲されている。光導波路3とヒータ抵抗6との間にバッファ層9を介して部材8が配設されていると共に、ヒータ抵抗6と反対側の対向する基板表面には放熱板11が配設されている。そしてこれら放熱板11と光導波路3との間にも部材8が配設されている。なお、図示はしないが、ヒータ抵抗および放熱板は、各光導波路に対応した部位にそれぞれ配設されている。
【0027】
二つの光導波路3、4のうち、一方の光導波路3におけるヒータ抵抗6に熱を加え、屈折率を低下させることによって全反射できなくなり、他方の光導波路4にのみ光導波路2から入力された光を導波させる訳であるが、光導波路3とヒータ抵抗6との間に部材8が配設されているため、ヒータ抵抗6で発生する熱が、加熱されてはならない他の光導波路4に伝導することが可及的に抑制される。さらに、これら光導波路3と放熱板11との間に配設した部材8によって、一方の放熱板11で加熱された光導波路3のみを冷却することができ、他の光導波路4に影響することが抑制される。したがって、光スイッチとしての消光比が格段に改善されると共に、応答速度を一層高めることができる。
【0028】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【0029】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る光回路素子は、高分子材料で形成され、Y分岐導波路と、このY分岐導波路の分岐部における二つの光導波路にそれぞれ配設されたヒータ抵抗とを備え、熱光学効果によって導波路屈折率を変化させ、一方または他方の出力導波路へ結合する光強度を可変させる光回路素子において、前記ヒータ抵抗と光導波路との間に熱伝導率が高い部材を配設し、この部材を異方性、かつ一方向に高い熱伝導率を有する一方向繊維強化複合材料で形成したので、一対のヒータ抵抗と二つの光導波路の間は熱伝導率が高くなり、加熱に要する消費電力の大幅な低減と共に、スイッチング等の応答速度の迅速化を図ることができる。また、一方のヒータ抵抗で発生する熱が、加熱されてはならない他の光導波路に伝導することが可及的に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光スイッチの第1の実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った要部断面図である。
【図3】本発明に係る光スイッチの第2の実施形態を示す要部断面図である。
【図4】同上、第3の実施形態を示す要部断面図である。
【図5】従来の光可変減衰器を示す平面図である。
【符号の説明】
1、10、12・・・・・・光スイッチ
2、3、4・・・・・・・・光導波路
5・・・・・・・・・・・・分岐部
6、7・・・・・・・・・・ヒータ抵抗
8、8’・・・・・・・・・部材
8a・・・・・・・・・・・凹部
9・・・・・・・・・・・・バッファ層
11・・・・・・・・・・・放熱板
51、52、53・・・・・光導波路
54、55・・・・・・・・ヒータ抵抗
【発明の属する技術分野】
本発明は光導波路の分野に関し、特に光通信システムや光伝送システムにおいて、光強度の調整に用いられる光可変減衰器や光スイッチ等の光回路素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光回路素子のうち、例えば光可変減衰器は、光通信の分野で測定装置や光受信回路への入力光強度を調整する手段として広く用いられている。一般的な光可変減衰器は、電気光学効果を有する基板上に、複数の光導波路と、これら光導波路の外側に屈折率を小さくするように電界を印加する電極とが配設されている。これらの電極に個別に電界を印加することにより、電気光学効果によって屈折率が減少し、光導波路の外側に放射される光のエネルギーが低減される。したがって、電極の印加電圧をオン/オフすることにより、放射による損失すなわち減衰量を切り替えられるようになっている。
【0003】
こうした光可変減衰器は、設定精度に限界があるばかりか、その減衰量範囲を広げるには光導波路数を多くする必要があり、寸法が大きくなる欠点がある。この欠点を解決し、光通信装置内や測定装置内に組み込み可能な小型で、電気的制御が可能な光可変減衰器が知られている。
【0004】
この光可変減衰器は、図5に示すように、高分子材料で形成され、熱光学効果によって導波路屈折率が変化するY分岐導波路によって構成されている。このY分岐導波路は、光導波路51、52、53からなり、この分岐部にヒータ抵抗54、55が蒸着されている。光導波路51から入力された光は、光導波路52、53へ出力される。各導波路52、53に出力される光強度は、分岐部における熱の印加状態に応じて変化する。すなわち、一方の光導波路を温めると、屈折率が変化して非対称Y分岐導波路が形成され、他方の光導波路に光強度の多くを導波させることができる。
【0005】
ヒータ抵抗54、55へ電流を流さない状態では、光導波路51からの入力光強度に対する各光導波路52、53への出力光強度の減衰量は50%となる。これを50%から0%に可変させるには、ヒータ抵抗55へ流す電流値を0から所定値まで変化させる。一方、50%から100%に可変させるには、ヒータ抵抗54へ流す電流値を0から所定値まで変化させる。すなわち、減衰量50%を境にして、電流を流すヒータ抵抗54、55を切り替えることによって行なっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−20348号公報(第3頁、第1、2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この光可変減衰器等、従来の光回路素子には以下に例示する問題が内在していた。
1.この光可変減衰器では、一方のヒータ抵抗からの熱が、他方の導波路に伝わってしまい、電流値を厳密に制御しても設定精度には限界があった。したがって、このような光回路素子を光スイッチとして適用した場合、スイッチングにおける消光比が劣化し両方オフになるという不具合が発生してしまう恐れがあった。
2.光伝搬損失を低く抑えるために、導波路とヒータ抵抗間に透明樹脂やガラスからなるバッファ層を設ける必要が生じ、このバッファ層によって、屈折率を下げるための大容量の電力が必要となる。したがって、消費電力が増大すると共に、その応答速度も遅くなる。
3.光回路素子の小型化を図るため、二つの光導波路は極めて狭い間隔で配設され、その分岐後の光導波路を加熱するために一対のヒータ抵抗を接近させて並設する必要があった。この結果、一方の光導波路のみを効果的に加熱することが困難となり、おのずと小型化には制約があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、応答速度を高め、設定精度と省電力化を向上させた光回路素子を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、高分子材料で形成され、Y分岐導波路と、このY分岐導波路の分岐部における二つの光導波路にそれぞれ配設されたヒータ抵抗とを備え、熱光学効果によって導波路屈折率を変化させ、一方または他方の出力導波路へ結合する光強度を可変させる光回路素子において、前記ヒータ抵抗と光導波路との間に熱伝導率が高い部材を配設し、この部材を異方性、かつ一方向に高い熱伝導率を有する一方向繊維強化複合材料で形成した。
【0010】
このように、ヒータ抵抗と光導波路との間に、熱伝導率が高く、異方性、かつ一方向に高い熱伝導率を有する一方向繊維強化複合材料を配設したので、一対のヒータ抵抗と二つの光導波路の間は熱伝導率が高くなり、加熱に要する消費電力の大幅な低減と共に、スイッチング等の応答速度の迅速化を図ることができる。また、一方のヒータ抵抗で発生する熱が、加熱されてはならない他の光導波路に伝導することが可及的に抑制される。
【0011】
また、請求項2に記載の発明のように、前記ヒータ抵抗と対向する側に放熱板を配設すると共に、この放熱板と前記光導波路との間に前記熱伝導率が高い部材を配設し、この部材を異方性、かつ一方向に高い熱伝導率を有する一方向繊維強化複合材料で形成したので、一対のヒータ抵抗と二つの光導波路の間は熱伝導率が高くなり、加熱に要する消費電力の大幅な低減と共に、スイッチング等の応答速度の迅速化を一層図ることができる。また、一方のヒータ抵抗で発生する熱が、加熱されてはならない他の光導波路に伝導することが可及的に抑制される
【0012】
また、請求項3に記載の発明のように、前記熱伝導率が高い部材に凹部を形成し、この凹部に前記ヒータ抵抗を嵌めることにより部材の加工が一段と容易になる。
【0013】
好ましくは、請求項4に記載の発明のように、前記部材が、ポリエチレン繊維を強化繊維とする複合材料であっても良いし、また、請求項5に記載の発明のように、前記部材が、ポリベンゾビスオキサゾール繊維を強化繊維とする複合材料であっても良い。
【0014】
また、請求項6に記載の発明のように、前記部材が樹脂コーティングされ、前記ヒータ抵抗と一体に形成すれば、精度良く光回路素子を形成することができると共に、表面の平滑性が増して、入出力光ファイバを保持するV溝や、それに接続する光導波路の加工が容易となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る光スイッチの第1の実施形態を示す平面図、図2は、図1のII−II線に沿った要部断面図である。
【0016】
光スイッチ1は高分子材料からなり、熱光学効果によって導波路屈折率が変化するY分岐導波路によって構成されている。このY分岐導波路は、光導波路2、3、4からなり、この分岐部5に帯状のヒータ抵抗6、7が蒸着されている。少なくともこれら光導波路3、4および分岐部5は透明な高分子材料で包囲されている。光導波路2から入力された光は、光導波路3、4へ出力される。各光導波路3、4に出力される光強度は、分岐部5における熱の印加状態に応じて変化する。すなわち、光導波路を温めると熱膨張し、密度が下がるため屈折率が低下する。こうした所謂熱光学効果により、例えば、一方の光導波路3のヒータ抵抗6に熱を加え、屈折率を低下させることによって全反射できなくなり、他方の光導波路4にのみ光導波路2から入力された光を導波させることができる。
【0017】
本実施形態では、図2に示すように、光導波路3とヒータ抵抗6との間に熱伝導率が高い部材8(以下部材という)を介在させている。この部材8は、異方性、かつ一方向に高い熱伝導率を有している。また、この部材8と光導波路3との間には所定の厚さのバッファ層9が設けられ、ヒータ抵抗6から光導波路3間の光伝搬損失を低く抑えている。
【0018】
この部材8は、熱伝導率の高いポリエチレン繊維を強化繊維とする複合材料(以下DFRPと呼ぶ)からなる。DFRPは、方向によって異なる熱膨張特性を有する高熱伝導性材料として知られている(東洋紡:Dyneema)。このDFRPは、繊維方向には負の熱膨張性を有し、繊維方向と直交する方向には大きな正の熱膨張性を有している。部材8は、フィラメントワインディング等により、DFRPを光導波路3とヒータ抵抗6との間の一方向に配向して構成されている。
【0019】
こうしたDFRP以外に、異方性、かつ一方向の高い熱伝導率を有する一方向繊維強化複合材料として以下のものを例示することができる。ガラスおよびアルミナ繊維を用いた複合材料、アラミド繊維強化複合材料、ポリベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維(東洋紡:Zylon)強化複合材料。中でもDFRPは、繊維方向に直交する方向には最も大きな正膨張をする。これは、ポリエチレン繊維自体の線膨張係数の異方性が寄与しているためと考えられている。
【0020】
本実施形態における光スイッチ1では、光導波路3とヒータ抵抗6との間に部材8を介在させているので、一対のヒータ抵抗6、7と二つの光導波路3、4の間は熱伝導率が高くなり、スイッチングに要する消費電力の大幅な低減と共に、スイッチングの応答速度の迅速化を図ることができる。また、例えば、一方のヒータ抵抗6で発生する熱が、加熱されてはならない他の光導波路4に伝導することが可及的に抑制される。したがって、光スイッチとしての消光比が格段に改善される。
【0021】
なお、前述した光スイッチ1以外にも、ヒータ抵抗6、7で発生する熱量を、ヒータ抵抗6、7へ流す電流によって可変に制御することにより、二つの光導波路3、4へ出力される光強度を調整するような光変調器、光可変減衰器等の光回路素子に適用できることは言うまでもない。
【0022】
なお、熱伝導率が高く、異方性、かつ一方向の高い熱伝導率を有する一方向繊維強化複合材料をシート状に形成し、その表面をコーティング処理して表面粗さを小さくした後、ヒータ抵抗と一体に積層して、Y分岐導波路と分岐した光導波路と共に透明層によって包囲しても良い。また、光スイッチ1は、高分子材料を加熱しながらプレス成形することにより、金型の形状に精度良く光回路層および基板を成形することができると共に、表面の平滑性が増す。したがって、入出力光ファイバを保持するV溝や、それに接続する光導波路の加工が容易となる。また、基板上部に紫外線硬化樹脂を塗布すれば、短時間紫外線を照射した後、加熱することによって硬化するため、紫外線照射後プレス加工により、三次元光導波路の形成とファイバ接続用のV溝等の加工を一括して行なうこともできる。
【0023】
図3は、本発明に係る光スイッチの第2の実施形態を示す要部断面図である。前述した第1の実施形態と同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0024】
光スイッチ10は、光導波路2、3、4からなるY分岐導波路によって構成されている。この分岐部5に帯状のヒータ抵抗6、7が設けられている。これら光導波路3、4および分岐部5は透明な高分子材料で包囲されている。光導波路3とヒータ抵抗6との間に部材8’を介在させている。この実施形態は、予め部材8’に凹部8aを形成し、この凹部8a内にヒータ抵抗6を嵌め込んでいる。これにより、部材8’の加工性が格段に容易になる。
【0025】
図4は、本発明に係る光スイッチの第3の実施形態を示す要部断面図である。前述した第1の実施形態と同一部品同一部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0026】
光スイッチ12は、光導波路2、3、4からなるY分岐導波路によって構成されている。この分岐部5に一対の帯状のヒータ抵抗6、7がそれぞれ設けられている。これら光導波路3、4および分岐部5は透明な高分子材料で包囲されている。光導波路3とヒータ抵抗6との間にバッファ層9を介して部材8が配設されていると共に、ヒータ抵抗6と反対側の対向する基板表面には放熱板11が配設されている。そしてこれら放熱板11と光導波路3との間にも部材8が配設されている。なお、図示はしないが、ヒータ抵抗および放熱板は、各光導波路に対応した部位にそれぞれ配設されている。
【0027】
二つの光導波路3、4のうち、一方の光導波路3におけるヒータ抵抗6に熱を加え、屈折率を低下させることによって全反射できなくなり、他方の光導波路4にのみ光導波路2から入力された光を導波させる訳であるが、光導波路3とヒータ抵抗6との間に部材8が配設されているため、ヒータ抵抗6で発生する熱が、加熱されてはならない他の光導波路4に伝導することが可及的に抑制される。さらに、これら光導波路3と放熱板11との間に配設した部材8によって、一方の放熱板11で加熱された光導波路3のみを冷却することができ、他の光導波路4に影響することが抑制される。したがって、光スイッチとしての消光比が格段に改善されると共に、応答速度を一層高めることができる。
【0028】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【0029】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る光回路素子は、高分子材料で形成され、Y分岐導波路と、このY分岐導波路の分岐部における二つの光導波路にそれぞれ配設されたヒータ抵抗とを備え、熱光学効果によって導波路屈折率を変化させ、一方または他方の出力導波路へ結合する光強度を可変させる光回路素子において、前記ヒータ抵抗と光導波路との間に熱伝導率が高い部材を配設し、この部材を異方性、かつ一方向に高い熱伝導率を有する一方向繊維強化複合材料で形成したので、一対のヒータ抵抗と二つの光導波路の間は熱伝導率が高くなり、加熱に要する消費電力の大幅な低減と共に、スイッチング等の応答速度の迅速化を図ることができる。また、一方のヒータ抵抗で発生する熱が、加熱されてはならない他の光導波路に伝導することが可及的に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光スイッチの第1の実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った要部断面図である。
【図3】本発明に係る光スイッチの第2の実施形態を示す要部断面図である。
【図4】同上、第3の実施形態を示す要部断面図である。
【図5】従来の光可変減衰器を示す平面図である。
【符号の説明】
1、10、12・・・・・・光スイッチ
2、3、4・・・・・・・・光導波路
5・・・・・・・・・・・・分岐部
6、7・・・・・・・・・・ヒータ抵抗
8、8’・・・・・・・・・部材
8a・・・・・・・・・・・凹部
9・・・・・・・・・・・・バッファ層
11・・・・・・・・・・・放熱板
51、52、53・・・・・光導波路
54、55・・・・・・・・ヒータ抵抗
Claims (6)
- 高分子材料で形成され、Y分岐導波路と、このY分岐導波路の分岐部における二つの光導波路にそれぞれ配設されたヒータ抵抗とを備え、熱光学効果によって導波路屈折率を変化させ、一方または他方の出力導波路へ結合する光強度を可変させる光回路素子において、
前記ヒータ抵抗と光導波路との間に熱伝導率が高い部材を配設し、この部材を異方性、かつ一方向に高い熱伝導率を有する一方向繊維強化複合材料で形成したことを特徴とする光回路素子。 - 前記ヒータ抵抗と対向する側に放熱板を配設すると共に、この放熱板と前記光導波路との間に前記熱伝導率が高い部材を配設し、この部材を異方性、かつ一方向に高い熱伝導率を有する一方向繊維強化複合材料で形成した請求項1に記載の光回路素子。
- 前記熱伝導率が高い部材に凹部を形成し、この凹部に前記ヒータ抵抗を嵌めた請求項1または2に記載の光回路素子。
- 前記熱伝導率が高い部材が、ポリエチレン繊維を強化繊維とする複合材料である請求項1乃至3いずれかに記載の光回路素子。
- 前記熱伝導率が高い部材が、ポリベンゾビスオキサゾール繊維を強化繊維とする複合材料である請求項1乃至3いずれかに記載の光回路素子。
- 前記熱伝導率が高い部材が樹脂コーティングされ、前記ヒータ抵抗と一体に形成した請求項1乃至5いずれかに記載の光回路素子。
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2002
- 2002-12-19 JP JP2002367577A patent/JP2004198754A/ja active Pending
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