JP2004198508A - 反射光学系 - Google Patents
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Abstract
【課題】高性能かつ小型であり、しかも調整箇所の少ない反射光学系を提供する。
【解決手段】物体からの入射光束を反射するとともに中央部に開口を有して構成された第1の凹の反射面(12a)と、第1の凹の反射面の前方に配置され、第1の凹の反射面により反射された光束を反射して第1の凹の反射面の開口を通過させるとともに反射した光束を開口近傍で結像させる凸の反射面(11a)と、中央部に開口を有し、凸の反射面により反射されて開口近傍で結像された光束を反射する折り返し反射面(13a)と、折り返し反射面により反射された光束を反射するとともに、反射した光束を折り返し反射面の中央部に配置された開口を介して受光面に再結像させる第2の凹の反射面(12b)とを備え、第1の凹の反射面と第2の凹の反射面とは、同一の部材(12)に設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】物体からの入射光束を反射するとともに中央部に開口を有して構成された第1の凹の反射面(12a)と、第1の凹の反射面の前方に配置され、第1の凹の反射面により反射された光束を反射して第1の凹の反射面の開口を通過させるとともに反射した光束を開口近傍で結像させる凸の反射面(11a)と、中央部に開口を有し、凸の反射面により反射されて開口近傍で結像された光束を反射する折り返し反射面(13a)と、折り返し反射面により反射された光束を反射するとともに、反射した光束を折り返し反射面の中央部に配置された開口を介して受光面に再結像させる第2の凹の反射面(12b)とを備え、第1の凹の反射面と第2の凹の反射面とは、同一の部材(12)に設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の反射面により結像系を構成している反射光学系(以下、単に「反射光学系」という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】
天体観測や地表観測等に反射光学系が用いられている。
最近は、人工衛星や航空機へ搭載される光学系にこの反射光学系が採用されており、中でもコルシュ(Korsch)の3枚構成の反射光学系が注目されている(特許文献1参照)。
【0003】
先ず、3枚構成の反射光学系は、凹の反射鏡(1次鏡)と凸の反射鏡(2次鏡)とで構成されるテレフォト部に凹の反射鏡(3次鏡)を組み合わせているため、カセグレン等の2枚構成の反射光学系と比較して高性能である。具体的には、3次鏡の採用によりペッツヴァール和が小さくなり像面が平坦化されるので、広画角かつ高分解能である。
【0004】
さらに、特許文献1の第2図に開示されたコルシュの3枚構成の反射光学系においては、2次鏡と3次鏡との間に折り返し鏡が配置されているので、高性能なだけでなく全長が短く小型化されている。
【特許文献1】
米国特許第4101195号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このコルシュの3枚構成の反射光学系は、高性能であるものの、カセグレン等の2枚構成の反射光学系に比べて調整箇所が多く、組み立て難度が高い。
【0006】
本発明は、高性能かつ小型であり、しかも調整箇所の少ない反射光学系を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の反射光学系は、物体からの入射光束を反射するとともに、中央部に開口を有して構成された第1の凹の反射面と、前記第1の凹の反射面の前方に配置され、前記第1の凹の反射面により反射された光束を反射して前記第1の凹の反射面の前記開口を通過させるとともに、反射した光束を前記開口近傍で結像させる凸の反射面と、中央部に開口を有し、前記凸の反射面により反射されて前記開口近傍で結像された光束を反射する折り返し反射面と、前記折り返し反射面により反射された光束を反射するとともに、反射した光束を前記折り返し反射面の中央部に配置された開口を介して受光面に再結像させる第2の凹の反射面とを備え、前記第1の凹の反射面と前記第2の凹の反射面とは、同一の部材に設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の反射光学系は、請求項1に記載の反射光学系において、前記第1の凹の反射面及び前記第2の凹の反射面の一方は非球面であり、他方は球面であることを特徴とする。
請求項3に記載の反射光学系は、請求項2に記載の反射光学系において、前記第1の凹の反射面は非球面であり、前記第2の凹の反射面は球面であることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の反射光学系は、請求項2又は請求項3に記載の反射光学系において、前記折り返し反射面は、非球面であることを特徴とする。
請求項5に記載の反射光学系は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の反射光学系において、前記折り返し反射面の開口は、絞りの機能を有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1、図2に基づいて本発明の実施形態について説明する。
本実施形態は、反射光学系の実施形態である。
【0011】
図1は、本実施形態の反射光学系の構成を示す斜視図(概略図)であり、図2は、本実施形態の反射光学系の構成を示す光路図である。なお、図1、図2では、結像光束の一部の光線を代表して示した。
反射光学系は、第1の凹の反射面12a、凸の反射面11a、及び第2の凹の反射面12bを光束の入射順に配置すると共に、凸の反射面11aと第2の凹の反射面12bとの間に前記光束の光路を折り返す折り返し反射面13aを配置してなる。
【0012】
この反射光学系は、第1の凹の反射面12a及び凸の反射面11aに、第2の凹の反射面12bを組み合わせた3枚構成でありペッツバール和を小さくできるので、像面が平坦化され広画角化及び高分解能化が可能である。
また、折り返し反射面13aの採用により光路が折り畳まれるので、反射光学系の全長は短く、小型化されている。
【0013】
つまり、この反射光学系は、コルシュの3枚構成の反射光学系と同様、高性能化及び小型化が共に可能な構成をしている。
ここで、本実施形態の反射光学系においては、各反射面は何れも回転対称形状をしており、各対称軸を略同一の直線上に配置している。
反射光学系において、第1の凹の反射面12aは、物体側に略正対する姿勢で配置され、その物体からの光束を物体側へ反射する。
【0014】
凸の反射面11aは、第1の凹の反射面12aに対向するよう配置され、第1の凹の反射面12aから反射した光束を第1の凹の反射面12aの中心近傍へ向けて反射する。
また、第1の凹の反射面12aの中央部付近には、凸の反射面11aで反射した光束を後側へ通過させるための開口部12cが設けられている。
【0015】
折り返し反射面13aは、第1の凹の反射面12aの後方に間隔をおいてその第1の凹の反射面12aと同方向に向けて配置され、開口部12cを通過した光束を第1の凹の反射面12aの後方へ向けて反射する。
第2の凹の反射面12bは、第1の凹の反射面12aと背中合わせで配置される。
【0016】
第2の凹の反射面12bは、折り返し反射面13aで反射した光束を折り返し反射面13aの中心方向へ向けて反射する。
折り返し反射面13aの中央には、その光束を通過させるための開口部13cが設けられている。
ここで、第1の凹の反射面12a、凸の反射面11a、第2の凹の反射面12bの各パワーは、開口部12cに中間像が形成され、開口部13cの後側に像が形成されるよう、設定されている。図2中符号Iで示すのが、像面である。この像面Iが、撮像素子(二次元撮像素子)の撮像面を配置すべき面である。
【0017】
ところで、以上説明したとおり、反射光学系の第1の凹の反射面12aと第2の凹の反射面12bとは、背面合わせで配置される。
そこで、本実施形態では、第1の凹の反射面12aと第2の凹の反射面12bとを、同一の基板の表裏に形成する。
これは、例えばガラス基板の表裏の双方をそれぞれ所望の形状(ここでは、それぞれ凹面)に加工すると共に、裏表の双方に反射膜を形成することで実現できる。
【0018】
これにより、反射光学系は、反射面を全部で4つ有しているにも拘わらず、光学部材は3つ、つまり、凸の反射面11aを有した反射鏡11、第1の凹の反射面12a及び第2の凹の反射面12bを有した反射鏡12、折り返し反射面13aを有した反射鏡13のみから構成される。
反射鏡12の表裏である第1の凹の反射面12aと第2の凹の反射面12bとの芯出しが予め部品レベルでなされていれば、反射光学系の調整箇所は、2箇所のみに抑えられる。よって、反射光学系の構成によると、組み立てが容易になる。
【0019】
以上、本実施形態の反射光学系は、高性能化及び小型化が共に可能であり、しかも組み立てが容易な構成をしている。
なお、反射光学系においては、第1の凹の反射面12a、凸の反射面11a、第2の凹の反射面12bを非球面にすれば、それらを球面にした場合よりも収差を小さく抑えることができる。
【0020】
しかし、仮に、互いに裏表の関係にある第1の凹の反射面12aと第2の凹の反射面12bとの双方を非球面にする場合、反射鏡12の部品レベルでの芯出しが困難である。
そこで、本実施形態の反射光学系においては、第1の凹の反射面12aと第2の凹の反射面12bとの一方のみを非球面とし、かつ他方を球面とすれば、その芯出しは容易になる。
【0021】
また、発生する収差をなるべく小さくするためには、第1の凹の反射面12aの方を非球面にし、第2の凹の反射面12bの方を球面にするとよい。
なぜなら、図2にも明らかなように、この反射光学系では、第2の凹の反射面12bよりも物体側に配置される第1の凹の反射面12aの方がパワーが強く、そこで大きく発生する球面収差などはその第1の凹の反射面12a自身で補正する必要があるためである。
【0022】
ところで、このように第1の凹の反射面12aと第2の凹の反射面12bとの一方を球面にする場合、たとえ球面にするのが第2の凹の反射面12bの方であったとしても、それら双方を非球面とした場合と比較すれば収差は悪化する傾向にある(因みに、第2の凹の反射面12bを球面にした場合、非球面にした場合よりも主に非点収差や歪曲収差が悪化する。)。
【0023】
そこで、本実施形態の反射光学系では、折り返し反射面13aを積極的に非球面にすることによって、その収差の悪化分を補償する。
折り返し反射面13aは、本来、光路の折り返しのために設けられたものでありパワーを要しないので、たとえ収差の悪化分を補償するために非球面にしても他の反射面よりは組み立て調整時の性能劣化感度は小さく、組み立てに大きな困難は伴わない。
【0024】
したがって、折り返し反射面13aを積極的に非球面にすれば、組み立てを容易に保ったまま収差の悪化分を補償し、本実施形態の反射光学系の性能を確実に向上することができる。
なお、本実施形態の反射光学系においては、像面Iに入射する光束を必要な光束のみに制限するため、適切な箇所にそれぞれ絞りが配置される。
【0025】
例えば、図2に示すように、本実施形態の反射光学系では、中間像が反射鏡12の開口部12cの近傍に形成されるので、その開口部12cに視野絞り15が設けられる。
また、開口部13cは開口絞り16として設けられる。
なお、その際、開口絞りの部品を設ける代わりに、反射鏡13自体に開口絞りの機能を設けることもできる。
【0026】
たとえば、図2の下部の円枠内に拡大して示すように、開口部13cにテーパ16が設けられ、テーパ16の表面に黒色塗装などの光吸収部材が形成される。このテーパ16の像面側エッジが、開口絞りの役割を果たす。
また、図2の下部の円枠内に点線で示すように、反射鏡13の開口部13cに、平行平板14を付加し、像面Iに配置されるべき撮像素子を保護することもできる。
【0027】
また、図示省略したが、その他、反射光学系内に、像面Iに入射する光束を必要な光束のみに制限するため、適切な箇所にバッフルなどが配置される。
また、特に説明しなかったが、本実施形態の反射光学系は、他の反射光学系と同様、可視域でも赤外域でも使用可能であり、適宜反射膜を選択すればよい。
【0028】
因みに、赤外域で使用するときに、反射光学系の像面Iに配置されるべき撮像素子が冷却型の撮像素子である場合は、その撮像素子の雰囲気を真空に引き、低温に保つために、上述した平行平板14(反射鏡13の開口部13cに設けられる。)を封止窓として利用してもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、高性能かつ小型であり、しかも調整箇所の少ない反射光学系が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施形態の反射光学系の構成を示す斜視図(概略図)である。
【図2】図2は、本実施形態の反射光学系の構成を示す光路図である。
【符号の説明】
11,12,13 反射鏡
11a 凸の反射面
12a 第1の凹の反射面
12b 第2の凹の反射面
13a 折り返し反射面
15 視野絞り
16 開口絞り
I 像面
12c,13c 開口部
14 平行平板
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の反射面により結像系を構成している反射光学系(以下、単に「反射光学系」という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】
天体観測や地表観測等に反射光学系が用いられている。
最近は、人工衛星や航空機へ搭載される光学系にこの反射光学系が採用されており、中でもコルシュ(Korsch)の3枚構成の反射光学系が注目されている(特許文献1参照)。
【0003】
先ず、3枚構成の反射光学系は、凹の反射鏡(1次鏡)と凸の反射鏡(2次鏡)とで構成されるテレフォト部に凹の反射鏡(3次鏡)を組み合わせているため、カセグレン等の2枚構成の反射光学系と比較して高性能である。具体的には、3次鏡の採用によりペッツヴァール和が小さくなり像面が平坦化されるので、広画角かつ高分解能である。
【0004】
さらに、特許文献1の第2図に開示されたコルシュの3枚構成の反射光学系においては、2次鏡と3次鏡との間に折り返し鏡が配置されているので、高性能なだけでなく全長が短く小型化されている。
【特許文献1】
米国特許第4101195号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このコルシュの3枚構成の反射光学系は、高性能であるものの、カセグレン等の2枚構成の反射光学系に比べて調整箇所が多く、組み立て難度が高い。
【0006】
本発明は、高性能かつ小型であり、しかも調整箇所の少ない反射光学系を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の反射光学系は、物体からの入射光束を反射するとともに、中央部に開口を有して構成された第1の凹の反射面と、前記第1の凹の反射面の前方に配置され、前記第1の凹の反射面により反射された光束を反射して前記第1の凹の反射面の前記開口を通過させるとともに、反射した光束を前記開口近傍で結像させる凸の反射面と、中央部に開口を有し、前記凸の反射面により反射されて前記開口近傍で結像された光束を反射する折り返し反射面と、前記折り返し反射面により反射された光束を反射するとともに、反射した光束を前記折り返し反射面の中央部に配置された開口を介して受光面に再結像させる第2の凹の反射面とを備え、前記第1の凹の反射面と前記第2の凹の反射面とは、同一の部材に設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の反射光学系は、請求項1に記載の反射光学系において、前記第1の凹の反射面及び前記第2の凹の反射面の一方は非球面であり、他方は球面であることを特徴とする。
請求項3に記載の反射光学系は、請求項2に記載の反射光学系において、前記第1の凹の反射面は非球面であり、前記第2の凹の反射面は球面であることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の反射光学系は、請求項2又は請求項3に記載の反射光学系において、前記折り返し反射面は、非球面であることを特徴とする。
請求項5に記載の反射光学系は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の反射光学系において、前記折り返し反射面の開口は、絞りの機能を有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1、図2に基づいて本発明の実施形態について説明する。
本実施形態は、反射光学系の実施形態である。
【0011】
図1は、本実施形態の反射光学系の構成を示す斜視図(概略図)であり、図2は、本実施形態の反射光学系の構成を示す光路図である。なお、図1、図2では、結像光束の一部の光線を代表して示した。
反射光学系は、第1の凹の反射面12a、凸の反射面11a、及び第2の凹の反射面12bを光束の入射順に配置すると共に、凸の反射面11aと第2の凹の反射面12bとの間に前記光束の光路を折り返す折り返し反射面13aを配置してなる。
【0012】
この反射光学系は、第1の凹の反射面12a及び凸の反射面11aに、第2の凹の反射面12bを組み合わせた3枚構成でありペッツバール和を小さくできるので、像面が平坦化され広画角化及び高分解能化が可能である。
また、折り返し反射面13aの採用により光路が折り畳まれるので、反射光学系の全長は短く、小型化されている。
【0013】
つまり、この反射光学系は、コルシュの3枚構成の反射光学系と同様、高性能化及び小型化が共に可能な構成をしている。
ここで、本実施形態の反射光学系においては、各反射面は何れも回転対称形状をしており、各対称軸を略同一の直線上に配置している。
反射光学系において、第1の凹の反射面12aは、物体側に略正対する姿勢で配置され、その物体からの光束を物体側へ反射する。
【0014】
凸の反射面11aは、第1の凹の反射面12aに対向するよう配置され、第1の凹の反射面12aから反射した光束を第1の凹の反射面12aの中心近傍へ向けて反射する。
また、第1の凹の反射面12aの中央部付近には、凸の反射面11aで反射した光束を後側へ通過させるための開口部12cが設けられている。
【0015】
折り返し反射面13aは、第1の凹の反射面12aの後方に間隔をおいてその第1の凹の反射面12aと同方向に向けて配置され、開口部12cを通過した光束を第1の凹の反射面12aの後方へ向けて反射する。
第2の凹の反射面12bは、第1の凹の反射面12aと背中合わせで配置される。
【0016】
第2の凹の反射面12bは、折り返し反射面13aで反射した光束を折り返し反射面13aの中心方向へ向けて反射する。
折り返し反射面13aの中央には、その光束を通過させるための開口部13cが設けられている。
ここで、第1の凹の反射面12a、凸の反射面11a、第2の凹の反射面12bの各パワーは、開口部12cに中間像が形成され、開口部13cの後側に像が形成されるよう、設定されている。図2中符号Iで示すのが、像面である。この像面Iが、撮像素子(二次元撮像素子)の撮像面を配置すべき面である。
【0017】
ところで、以上説明したとおり、反射光学系の第1の凹の反射面12aと第2の凹の反射面12bとは、背面合わせで配置される。
そこで、本実施形態では、第1の凹の反射面12aと第2の凹の反射面12bとを、同一の基板の表裏に形成する。
これは、例えばガラス基板の表裏の双方をそれぞれ所望の形状(ここでは、それぞれ凹面)に加工すると共に、裏表の双方に反射膜を形成することで実現できる。
【0018】
これにより、反射光学系は、反射面を全部で4つ有しているにも拘わらず、光学部材は3つ、つまり、凸の反射面11aを有した反射鏡11、第1の凹の反射面12a及び第2の凹の反射面12bを有した反射鏡12、折り返し反射面13aを有した反射鏡13のみから構成される。
反射鏡12の表裏である第1の凹の反射面12aと第2の凹の反射面12bとの芯出しが予め部品レベルでなされていれば、反射光学系の調整箇所は、2箇所のみに抑えられる。よって、反射光学系の構成によると、組み立てが容易になる。
【0019】
以上、本実施形態の反射光学系は、高性能化及び小型化が共に可能であり、しかも組み立てが容易な構成をしている。
なお、反射光学系においては、第1の凹の反射面12a、凸の反射面11a、第2の凹の反射面12bを非球面にすれば、それらを球面にした場合よりも収差を小さく抑えることができる。
【0020】
しかし、仮に、互いに裏表の関係にある第1の凹の反射面12aと第2の凹の反射面12bとの双方を非球面にする場合、反射鏡12の部品レベルでの芯出しが困難である。
そこで、本実施形態の反射光学系においては、第1の凹の反射面12aと第2の凹の反射面12bとの一方のみを非球面とし、かつ他方を球面とすれば、その芯出しは容易になる。
【0021】
また、発生する収差をなるべく小さくするためには、第1の凹の反射面12aの方を非球面にし、第2の凹の反射面12bの方を球面にするとよい。
なぜなら、図2にも明らかなように、この反射光学系では、第2の凹の反射面12bよりも物体側に配置される第1の凹の反射面12aの方がパワーが強く、そこで大きく発生する球面収差などはその第1の凹の反射面12a自身で補正する必要があるためである。
【0022】
ところで、このように第1の凹の反射面12aと第2の凹の反射面12bとの一方を球面にする場合、たとえ球面にするのが第2の凹の反射面12bの方であったとしても、それら双方を非球面とした場合と比較すれば収差は悪化する傾向にある(因みに、第2の凹の反射面12bを球面にした場合、非球面にした場合よりも主に非点収差や歪曲収差が悪化する。)。
【0023】
そこで、本実施形態の反射光学系では、折り返し反射面13aを積極的に非球面にすることによって、その収差の悪化分を補償する。
折り返し反射面13aは、本来、光路の折り返しのために設けられたものでありパワーを要しないので、たとえ収差の悪化分を補償するために非球面にしても他の反射面よりは組み立て調整時の性能劣化感度は小さく、組み立てに大きな困難は伴わない。
【0024】
したがって、折り返し反射面13aを積極的に非球面にすれば、組み立てを容易に保ったまま収差の悪化分を補償し、本実施形態の反射光学系の性能を確実に向上することができる。
なお、本実施形態の反射光学系においては、像面Iに入射する光束を必要な光束のみに制限するため、適切な箇所にそれぞれ絞りが配置される。
【0025】
例えば、図2に示すように、本実施形態の反射光学系では、中間像が反射鏡12の開口部12cの近傍に形成されるので、その開口部12cに視野絞り15が設けられる。
また、開口部13cは開口絞り16として設けられる。
なお、その際、開口絞りの部品を設ける代わりに、反射鏡13自体に開口絞りの機能を設けることもできる。
【0026】
たとえば、図2の下部の円枠内に拡大して示すように、開口部13cにテーパ16が設けられ、テーパ16の表面に黒色塗装などの光吸収部材が形成される。このテーパ16の像面側エッジが、開口絞りの役割を果たす。
また、図2の下部の円枠内に点線で示すように、反射鏡13の開口部13cに、平行平板14を付加し、像面Iに配置されるべき撮像素子を保護することもできる。
【0027】
また、図示省略したが、その他、反射光学系内に、像面Iに入射する光束を必要な光束のみに制限するため、適切な箇所にバッフルなどが配置される。
また、特に説明しなかったが、本実施形態の反射光学系は、他の反射光学系と同様、可視域でも赤外域でも使用可能であり、適宜反射膜を選択すればよい。
【0028】
因みに、赤外域で使用するときに、反射光学系の像面Iに配置されるべき撮像素子が冷却型の撮像素子である場合は、その撮像素子の雰囲気を真空に引き、低温に保つために、上述した平行平板14(反射鏡13の開口部13cに設けられる。)を封止窓として利用してもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、高性能かつ小型であり、しかも調整箇所の少ない反射光学系が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施形態の反射光学系の構成を示す斜視図(概略図)である。
【図2】図2は、本実施形態の反射光学系の構成を示す光路図である。
【符号の説明】
11,12,13 反射鏡
11a 凸の反射面
12a 第1の凹の反射面
12b 第2の凹の反射面
13a 折り返し反射面
15 視野絞り
16 開口絞り
I 像面
12c,13c 開口部
14 平行平板
Claims (5)
- 物体からの入射光束を反射するとともに、中央部に開口を有して構成された第1の凹の反射面と、
前記第1の凹の反射面の前方に配置され、前記第1の凹の反射面により反射された光束を反射して前記第1の凹の反射面の前記開口を通過させるとともに、反射した光束を前記開口近傍で結像させる凸の反射面と、
中央部に開口を有し、前記凸の反射面により反射されて前記開口近傍で結像された光束を反射する折り返し反射面と、
前記折り返し反射面により反射された光束を反射するとともに、反射した光束を前記折り返し反射面の中央部に配置された開口を介して受光面に再結像させる第2の凹の反射面とを備え、
前記第1の凹の反射面と前記第2の凹の反射面とは、同一の部材に設けられている
ことを特徴とする反射光学系。 - 請求項1に記載の反射光学系において、
前記第1の凹の反射面及び前記第2の凹の反射面の一方は非球面であり、他方は球面である
ことを特徴とする反射光学系。 - 請求項2に記載の反射光学系において、
前記第1の凹の反射面は非球面であり、前記第2の凹の反射面は球面である
ことを特徴とする反射光学系。 - 請求項2又は請求項3に記載の反射光学系において、
前記折り返し反射面は、非球面である
ことを特徴とする反射光学系。 - 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の反射光学系において、
前記折り返し反射面の開口は、絞りの機能を有する
ことを特徴とする反射光学系。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002364008A JP2004198508A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 反射光学系 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002364008A JP2004198508A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 反射光学系 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004198508A true JP2004198508A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32761998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002364008A Pending JP2004198508A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 反射光学系 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004198508A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11567309B2 (en) * | 2019-07-25 | 2023-01-31 | Raytheon Company | On-axis four mirror anastigmat telescope |
-
2002
- 2002-12-16 JP JP2002364008A patent/JP2004198508A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11567309B2 (en) * | 2019-07-25 | 2023-01-31 | Raytheon Company | On-axis four mirror anastigmat telescope |
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