JP2004198217A - 容器の内圧監視装置、内圧の監視を可能にした容器、及び寿命の予測を可能にしたコンデンサ - Google Patents
容器の内圧監視装置、内圧の監視を可能にした容器、及び寿命の予測を可能にしたコンデンサ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】例えばコンデンサ等の容器の内圧解放機構に対して内圧上昇検知と弁開放検知ができる機能を付加した容器の内圧監視装置を提供する。
【解決手段】図は電気二重層コンデンサの上部に設けられた電気回路5である。電気二重層コンデンサの内圧の上昇によって変形及び圧力破壊する被変形部3の上部には、第1の導体6と第2の導体7が並列接続された回路パターンが配置されている。電気二重層コンデンサの内圧上昇によって被変形部3が変形すると第1の導体6が切断される。このとき、端子8によって抵抗値を測定すれば所定の内圧上昇値を検知することができる。さらに内圧が上昇すると、被変形部3が圧力破壊して抵抗体7Aが切断される。このとき、端子8によって抵抗値を測定すれば圧力弁の開放を検知することができる。また、複数の電気二重層コンデンサの端子8の抵抗値を加算すれば圧力上昇したコンデンサの個数を把握できる。
【選択図】 図2
【解決手段】図は電気二重層コンデンサの上部に設けられた電気回路5である。電気二重層コンデンサの内圧の上昇によって変形及び圧力破壊する被変形部3の上部には、第1の導体6と第2の導体7が並列接続された回路パターンが配置されている。電気二重層コンデンサの内圧上昇によって被変形部3が変形すると第1の導体6が切断される。このとき、端子8によって抵抗値を測定すれば所定の内圧上昇値を検知することができる。さらに内圧が上昇すると、被変形部3が圧力破壊して抵抗体7Aが切断される。このとき、端子8によって抵抗値を測定すれば圧力弁の開放を検知することができる。また、複数の電気二重層コンデンサの端子8の抵抗値を加算すれば圧力上昇したコンデンサの個数を把握できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサ等の容器の内圧を検知する圧力センサを備えた容器の内圧監視装置、内圧の監視を可能にした容器、及び寿命の予測を可能にしたコンデンサに関するものであり、より詳細には、車両等に使用されるコンデンサの容器の内圧を検知してコンデンサの圧力破壊を未然に防止することのできる容器の内圧監視装置、内圧の監視を可能にした容器、及び寿命の予測を可能にしたコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両等の電装回路には、回生エネルギーを充電するためにコンデンサ(電気二重層コンデンサ)が使用されている。このようなコンデンサに定格以上の過電圧や逆極性の電圧を印加すると、コンデンサ内のガスの発生によって内部圧力が異常に上昇する。また、通常の使用状態でも、長時間に亘ってコンデンサに電圧を印加すると過充電になってガスが発生し、コンデンサの内部の圧力は徐々に上昇する。そこで、コンデンサの内部の圧力が上昇して破裂などを防ぐために種々の対策がなされている。例えば、下記の特許文献1には、電気二重層コンデンサの内部の圧力が高くなった場合には弁手段によって容器内部のガスを外部に放出する技術が開示されている。この技術による電気二重層コンデンサは、コンデンサ表面の小孔にゴム製の球体弁とスプリングからなるリリーフ弁を設け、ガス圧力が所定のレベル以上になるとリリーフ弁によってガス抜きを行うように構成されたものである。
【0003】
しかし、コンデンサのガスを放出してしまうとコンデンサ特性が劣化したり周囲にガスや液体を飛散させてしまうので、このような不具合を防止するために、コンデンサの内部圧力を検知してガス圧力の上昇を事前に報知することができる圧力センサ付き電解コンデンサが知られている。例えば、下記の非特許文献1には、車両等に使用される電解コンデンサであって、内部圧力の上昇を検知するための圧力センサを装備した圧力センサ付き電解コンデンサが開示されている。この技術によれば、電解コンデンサの内部圧力が一定値を超えた場合には、圧力センサが内部圧力を検知して警報等の適切な処置を施すので、圧力弁が作動して電解コンデンサが機能不良になったり電解液が飛散したりすることを未然に防止することができる。
【0004】
図11は、非特許文献1に報告されている従来の圧力センサ付き電解コンデンサの原理を示す断面図であり、(a)はガス圧力上昇前、(b)はガス圧力上昇後の図である。図11に示すように、電解コンデンサに設けられた圧力センサは、コンデンサ45の内部圧力が規定値を超えた場合にダイヤフラムディスク41が変位し、ばね押し部42によって接点ばね43を反転させて端子44a,44bの接点をONからOFFに作動させるように構成されている。
【0005】
つまり、図11(a)に示すように、コンデンサ45の内部圧力が正常な場合は、ダイヤフラムディスク41はコンデンサ45の内部側にへこみ、接点ばね43が端子44a,44bに接触した状態になっている。これによって、端子44aと端子44bがONして外部へ正常である旨の信号を送信する。一方、コンデンサ45の内部圧力が上昇すると、図11(b)に示すように、ダイヤフラムディスク41がコンデンサ45の外側へ膨らみ、ばね押し部42が接点ばね43の外周部を押して反転させるので、接点ばね43は端子44a,44bと非接触になって端子44aと端子44bをOFFさせる。これによって端子44a,44bから外部への信号が絶たれ、電解コンデンサの内部圧力が上昇した旨の情報を通知する。
【0006】
【特許文献1】
特許第3276788号公報(段落0008から段落0014、図1,図2,図3,図4,図5)
【非特許文献1】
トランジスタ技術2001年9月号(圧力センサ付きアルミ電解コンデンサ:香川寿得著)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常の産業用機器であれば、コンデンサの圧力上昇を検知したときに機器を止めてコンデンサなどの点検やメンテナンスを行うこともできるが、車両等の輸送機器にコンデンサを使用した場合には、すぐには運転を止めてコンデンサなどを点検することができないこともあるので、圧力センサによってコンデンサの内圧を事前に検知することが望ましい。また、コンデンサの弁解放によって急激にコンデンサの機能が喪失する虞があるため、コンデンサ内部の圧力上昇によって弁開放が起きる前に圧力センサによってコンデンサの内圧を検知して速やかに安全を確保するための措置をとることも望ましい。しかしながら、非特許文献1に示すような従来技術では、多数個直並列に接続されたコンデンサの内圧上昇を検知して報知することはできるが、コンデンサの内圧が今後どのように上昇して行くのかを予測することはできないという問題がある。また、前記従来技術による圧力センサでは、異常圧力によって弁が解放されたのかどうかを検知することもできないという問題がある。
【0008】
また、非特許文献1に示すような圧力センサでは、多数個の電解コンデンサを直並列に接続して使用したとき、電解コンデンサ群としての圧力上昇の分布状況を検知することも困難である。つまり、この圧力センサでは、全ての電解コンデンサが正常範囲にあるか1個以上の電解コンデンサに異常があるかを判定することはできるが、どの電解コンデンサに圧力異常があるのかを検出することはできない。したがって、従来の技術では、内部圧力に異常のある電解コンデンサを特定するためには、検知する電解コンデンサの個数と同数の監視ポートを設ける必要がある。システム全体の安全性を監視することを考えた場合、特定の1個の電解コンデンサが圧力上昇を起こしたのか、全部の電解コンデンサが圧力上昇状態にあるのかを判断して、機器を継続運転するか緊急停止するかを考える必要があるが、従来の圧力センサ付き電解コンデンサではこのようなシステム運用を行うことができないという問題がある。
【0009】
つまり、従来の圧力センサ付き電解コンデンサの技術では圧力開放弁とは別個に圧力センサが設置されているが、本来は、圧力上昇と弁開放を同時に検知できるようにして、弁体とセンサを一体化できる機能を備えた圧力センサにすることが望ましい。しかし、現在のところは、このような機能を備えた圧力センサは存在していない。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コンデンサ等の容器の内圧解放機構(つまり、防爆弁)に対して、内部圧力の上昇傾向の検知と弁開放の検知とを併せて行うことができる機能を付加した容器の内圧監視装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の容器の内圧監視装置は、抵抗測定手段を備えた容器の内圧監視装置であって、異なる抵抗値を有する複数の導体を並列に接続した電気回路と、容器の内圧の上昇によって形状が変形される被変形部と、前記被変形部の変形によって前記複数の導体のうち、抵抗値の低い導体から順に切断するように前記複数の導体を配置した導体配置手段と、を備えた容器を測定対象として、前記電気回路の端子間抵抗値を前記抵抗測定手段で測定することにより、前記容器の内圧を監視することを特徴とする。
【0012】
つまり、本発明の請求項1に記載の容器の内圧監視装置によれば、容器の内圧の上昇によって被変形部の形状が変形する。そして、被変形部の変形に伴って電気回路に並列に接続された複数の導体が抵抗値の低い順に切断する。したがって、複数の導体のうち一つの導体が切断される前の端子間抵抗値と切断された後の端子間抵抗値を抵抗測定手段を用いて測定すれば、端子間抵抗値の変化分によって容器の内圧上昇を検知でき、これにより容器の内圧を監視することができる。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載の容器の内圧監視装置においては、複数の導体が切断される時間間隔を、端子間抵抗を測定することにより計測するタイマ手段と、前記タイマ手段により計測された時間間隔に基づいて前記容器の寿命を予測する予測手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
つまり、本発明の請求項2に記載の容器の内圧監視装置によれば、複数の導体が切断される時間間隔をタイマ手段を用いて計測し、この計測される時間間隔に基づいて予測手段により容器の寿命を事前に予測することができる。
【0015】
また、本発明の請求項3に記載の容器の内圧監視装置においては、複数の前記容器の前記電気回路を直列に接続して抵抗値を測定することで、前記複数の容器の内圧を監視することを特徴とする。
【0016】
つまり、本発明の請求項3に記載の容器の内圧監視装置によれば、例えば1個の容器の圧力上昇を検知したときは、この1個分の容器の電気回路の端子間抵抗値が検出され、複数の容器の圧力上昇を検知したときは、これら複数の端子間抵抗値をそれぞれ加算することにより、圧力上昇した容器の個数を把握することができる。
【0017】
また、本発明の請求項4に記載の内圧の監視を可能にした容器は、異なる抵抗値を有する複数の導体を並列に接続した電気回路と、容器の内圧の上昇によって形状が変形される被変形部と、前記被変形部の変形によって前記複数の導体のうち、抵抗値の低い導体から順に切断するように前記複数の導体を配置した導体配置手段と、を備え、外部から前記電気回路の抵抗値を測定されることを特徴とする。
【0018】
つまり、本発明の請求項4に記載の内圧の監視を可能にした容器によれば、容器の内圧の上昇によって被変形部の形状が変形する。そして、被変形部の変形に伴い、導体配置手段により電気回路に並列に接続された複数の導体が抵抗値の低い順に切断する。したがって、複数の導体のうち一つの導体が切断される前の端子間抵抗値と切断された後の端子間抵抗値を抵抗測定手段を用いて測定すれば、端子間抵抗値の変化分によって容器の内圧上昇を検知でき、これにより容器の内圧の監視を可能とすることができる。
【0019】
さらに、本発明の請求項5に記載の寿命の予測を可能にしたコンデンサは、異なる抵抗値を有する複数の導体を並列に接続した電気回路と、容器の内圧の上昇によって形状が変形される被変形部と、前記被変形部の変形によって前記複数の導体のうち、抵抗値の低い導体から順に切断するように前記複数の導体を配置した導体配置手段と、を備え、外部から前記電気回路の抵抗値を測定されることにより、前記容器の内圧の上昇による寿命の予測を可能にしたことを特徴とする。
【0020】
つまり、本発明の請求項5に記載の寿命の予測を可能にしたコンデンサによれば、コンデンサを構成する容器の内圧の上昇によって被変形部の形状が変形する。そして、被変形部の変形に伴い、導体配置手段により電気回路に並列に接続された複数の導体が抵抗値の低い順に切断する。したがって、複数の導体のうち一つの導体が切断される前の端子間抵抗値と切断された後の端子間抵抗値を抵抗測定手段を用いて測定すれば、端子間抵抗値の変化分によってコンデンサの容器の内圧上昇を検知でき、これによりコンデンサの寿命の予測が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の容器の内圧監視装置を構築するための内圧解放機構である圧力開放弁について説明する。通常の圧力開放弁としては、大型コンデンサに用いられるようなゴム破裂タイプや、小型コンデンサに用いられるようなケース破裂タイプや、角型リチウム電池などに用いられるような破裂弁(ラプチャ板)タイプや、Ni−MH電池に用いられるようなリリーフ弁タイプなどがある。
【0022】
これらの圧力開放弁の中では、ゴム破裂タイプの圧力開放弁に圧力センサを設けることが望ましい。通常、ゴム破裂タイプの圧力開放弁は、破裂部材の応力が材料強度を越えたところで破断する特性を利用し、コンデンサの内部で上昇した圧力を開放する機能を持たせている。また、前記のラプチャ板タイプの圧力開放弁以外は圧力開放時に弁材料が塑性変形から破断するという比較的大きな変形挙動を利用している。したがって、このような変形挙動を利用して、圧力センサに所望の検知回路を形成すれば、圧力上昇検出機能と弁開放検知機能とを備えた圧力開放弁を実現することができる。もちろん、このとき、内圧上昇によって最も変形変位が大きくなる場所に圧力センサの電気回路を設けることは当然である。
【0023】
以下、図面を用いて、本発明の容器の内圧監視装置を電気二重層コンデンサに用いた場合の具体的な実施の形態を詳細に説明する。本発明の容器の内圧監視装置は、容器の内圧の上昇により形状が変形する被変形部の最も変位しやすい場所に低抵抗の導体を設け、この低抵抗の導体をバイパスするようにやや変位の少ない場所に高抵抗の導体を設ける。従って、電気二重層コンデンサの内圧が通常の圧力状態のときは、電気回路の出力端子間には低抵抗の導体を有した電気回路が形成されている。
【0024】
しかし、電気二重層コンデンサの内圧が上昇して被変形部が変形することによって低抵抗の導体が切断された場合は、バイパス側の高抵抗の導体によって電気回路が形成されるので、この電気回路の出力端子間の抵抗は高くなる。したがって、出力端子間の抵抗の変化分によって電気二重層コンデンサの内圧上昇を検知することができる。さらに、出力端子間の抵抗の上昇分を加算することによって、容器の内部圧力が上昇した電気二重層コンデンサの個数を知ることもできる。また、電気二重層コンデンサの内圧が異常に上昇した場合には被変形部が破断されるので、高抵抗の導体も切断されて電気回路の出力端子間の抵抗は無限大となり、結果として、圧力弁の開放状態も検出することができる。
【0025】
図1は、本発明における電気二重層コンデンサの外観斜視図である。図1において、電気二重層コンデンサ1の上部の電極端子2a,2bの内側またはその近傍には、被変形部3が形成されている。この被変形部3は、図の破線のように円周状にスリットが設けられているので、電気二重層コンデンサ1の内部圧力が上昇すると被変形部3が膨らんで変形し、さらに内部圧力が異常上昇するとスリットの部分が破断して、電気二重層コンデンサ1の内部のガスを放出するようになっている。また、被変形部3の上部には、圧力センサ4の電気回路5が配置されている。つまり、抵抗値の低い導体から順に時間間隔を置いて切断するように導体が配置されている。
【0026】
ここで、被変形部3と電気回路5からなる圧力センサ4の構成について具体的に説明する。図2は、図1に示す被変形部3と電気回路5の拡大図であって、感圧膜方式による圧力センサ4の構成図を示している。尚、図2に示す圧力センサ4においては、図示しない弁体は如何なる構造であっても構わない。この圧力センサ4は、絶縁樹脂の開放エリアからなる被変形部3の表面上に、第1の導体6と、抵抗体7Aを有する第2の導体7とが並列になって端子8に接続された回路構成で感圧膜を形成している。そして、第1,第2の導体6,7は、被変形部3の表面上に接着剤(図示せず)等の導体配置手段により固定的に配置されている。即ち、前記導体配置手段と被変形部3により導体6,7を切断する切断手段を構成している。また、図2に示すように、第1の導体6は最も変位が大きくなりやすい被変形部3の中心部を通るように配置され、第2の導体7は変位のやや小さい被変形部3の周辺部に配置されている。これにより、導体6,7は、後記するように抵抗の低い導体6から抵抗の高い導体7へと時間間隔を置いて順に切断するようになっている。また、前記感圧膜は、破裂弁体と擬似的に一体化されて接着等によって電気二重層コンデンサ1の小孔に接着され、破裂弁体の変形に追従するように構成されている。
【0027】
被変形部3の表面上に形成された電気回路5の一例を説明すると、導体7が有する抵抗体7Aの抵抗値は1Ωであり、且つ電気回路5自体の抵抗値は1Ωであるものとする。この場合、電気二重層コンデンサ1が通常の内部圧力のときは被変形部3は変形していなく、且つ、抵抗体7Aは導体6によって短絡されているので、端子8の両端からみた抵抗値は1Ωである。しかし、電気二重層コンデンサ1の内部圧力が規定値以上になったとき、被変形部3が変形して導体6が切断されるので、端子8の両端からみた抵抗値は2Ωとなる。さらに、内部圧力が異常上昇すると被変形部3の図の破線で示すスリットが破断するので、抵抗体7Aを有する導体7が切断されて端子8の両端からみた抵抗値は無限大となる。これにより、端子8間の抵抗値を抵抗測定手段(図示せず)を用いて測定すれば、正常状態検知と圧力上昇検知と弁開放検知とを行うことができる。
【0028】
尚、図2に示すような電気回路5を、被変形部3のゴム体の内部に形成したり、被変形部3のゴム体の表面に接着または蒸着したりすることもできる。さらに、電気二重層コンデンサ1の上部の表面部分に大きな変形を起こすラプチャ板タイプやケース破裂タイプの圧力開放弁を設けた場合は、表面の薄板にスリットで囲った薄肉部を設けたラプチャ板が内圧の上昇に伴って塑性変形を起こす。したがって、スリットで囲ったラプチャ板の上部に図2に示すような電気回路5を形成してもよい。あるいは、電気回路5を形成した感圧膜をラプチャ板の上部に設置してもよい。
【0029】
何れの場合においても、基本的には、電気二重層コンデンサ1の内圧変化に対してある程度の変形と破断を伴う場所(被変形部)に図2に示すような電気回路5を設置すれば、電気二重層コンデンサ1の内部圧力の上昇によって被変形部3が変形したり破断したりしたときに電気回路5の所定の部分が切断されるので、電気二重層コンデンサ1の内部圧力の上昇検知と弁開放の検知とを行うことができる。尚、何れの場合も弁体の構造はどのようなものであってもよい。
【0030】
次に、電気二重層コンデンサの内部圧力の検知と弁開放の検知とを行う具体的な電気回路の構成について、幾つかの実施の形態を説明する。図3は、図2に示す電気回路を等価回路で示した第1の実施の形態の電気回路である。図3に示す等価回路では、電気的な回路パターンと感圧膜などを組み合わせて、電気二重層コンデンサの1セル分の圧力変化検知回路となる電気回路を示している。つまり、図3の電気回路11では、第1の導体6が圧力上昇検知切断点12を有し、抵抗体7Aを有する第2の導体7が弁開放時切断点13を有する。さらに、これらの導体6,7が並列になって端子8a,8bに接続されている。圧力上昇検知切断点12とは、図2の被変形部3が圧力上昇によって変形したときに導体6を切断する位置を示したものである。また、弁開放時切断点13とは、図2の被変形部3が圧力の異常上昇によって破断したときに導体7を切断する位置を示したものである。
【0031】
図4は、時間の経過によって電気二重層コンデンサの内圧が上昇する様子を示す理論的な特性図である。図4において、時刻T1に達するまでは内圧が圧力上昇検知点P及び弁開放点Pvに到達していないので、図3の圧力上昇検知切断点12及び弁開放時切断点13は共に導通状態にある。したがって、端子8a,8b間の抵抗は、電気回路11に依存された抵抗値(例えば1Ω)である。時刻T1において電気二重層コンデンサの内圧が上昇して圧力上昇検知点Pに達すると、図3の圧力上昇検知切断点12が開放されて導体6が切断される。したがって、端子8a,8b間の抵抗は、電気回路11自体の抵抗値(例えば1Ω)と抵抗体7Aの抵抗値(例えば1Ω)との和の抵抗値(例えば2Ω)となる。さらに、時間T2において電気二重層コンデンサの内圧がさらに上昇して弁開放点Pvに達すると、図3の弁開放時切断点13が開放されて導体7が切断される。したがって、端子8a,8b間の抵抗は無限大となる。
【0032】
図3に示す電気回路11は、前記のように、端子8a,8b間の抵抗値の変化によって圧力上昇の検知と弁開放の検知を行うことができるが、さらに、電気二重層コンデンサを多数個使用したときに個々のセルの圧力上昇の状況を検知することもできる。つまり、図3に示すような電気回路11を各電気二重層コンデンサごとに設置し、それぞれのセルごとに圧力上昇検知時および弁開放時に電気回路11が断線作動するように設定する。これによって、特定のセルが圧力上昇したときは抵抗体7Aの抵抗値が検出され、複数のセルが圧力上昇したときは複数のセルの抵抗体7Aの和の抵抗値が検知される。したがって、圧力上昇検知点Pに達したセルの個数を把握することができる。
【0033】
さらに、何れかの電気二重層コンデンサにおいて弁開放が発生したときは、その電気二重層コンデンサの電気回路11全体がオープンになるので、無限大の抵抗値が検知されて弁開放の発生を把握することができる。尚、電気二重層コンデンサの内圧を検知することのできる被変形部3に図3のような電気回路11の機構を組み込むことで、一対の信号線を使って圧力上昇の検知と弁開放の検知とを行うことができる。
【0034】
図5は、図3に示す電気回路を複数の電気二重層コンデンサに個別に設置して直列接続したときの検出抵抗の変化の様子を示す特性図である。図5に示すように、1個の電気二重層コンデンサの圧力上昇を検知したときは1個の抵抗体7Aの抵抗値(R)が検出され、2個の電気二重層コンデンサの圧力上昇を検知したときは2個の抵抗体7Aの直列抵抗値(2R)が検出される。さらに、何れかの電気二重層コンデンサに弁開放が発生したときは無限大の抵抗値が検出される。これによって、圧力上昇検知点に達した電気二重層コンデンサの個数を把握することができると共に、何れかの電気二重層コンデンサに異常な圧力上昇があって弁開放が発生したことも把握することができる。
【0035】
次に、本発明における第2の実施の形態の容器の内圧監視装置について説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態における容器の内圧監視装置に用いる電気回路である。図3に示す第1の実施の形態の電気回路では圧力上昇検知切断点は1個であったが、図6に示す第2の実施の形態の電気回路では圧力上昇検知切断点を2個設けている。つまり、検知圧力レベルの異なる2個の圧力上昇検知切断点を設けることによって、圧力が異常上昇して発生する弁開放時を事前に予測することができる。
【0036】
図6の電気回路21は、第1の導体25が第1圧力上昇検知切断点22を有し、抵抗体26Aを有する第2の導体26が第2圧力上昇検知切断点23を有し、さらに、抵抗体27Aを有する第3の導体27が弁開放時切断点24を有し、これらの導体25,26,27が並列に端子28a,28bに接続されている。ここで、第1圧力上昇検知切断点22を被変形部3の略中心を通るように配置し、第2圧力上昇検知切断点23をその外側に配置して、第1圧力上昇検知切断点22の検出圧力レベルより第2圧力上昇検知切断点23の検出圧力レベルを高くしてある。また、弁開放時切断点24は、第2圧力上昇検知切断点23の外側に配置して、第2圧力上昇検知切断点23の検出圧力レベルより弁開放時切断点24の検出圧力レベルを高く設定してある。そして、一方の抵抗体26Aの抵抗値R1は例えば1Ω、他方の抵抗体27Aの抵抗値R2は例えば10Ωというように、抵抗体27の抵抗値R2は抵抗体26の抵抗値R1よりほぼ一桁程度高い抵抗値にしてある。こうしてみると、導体25,26,27は抵抗値の低い順から時間間隔を置いて切断されるように配置されている。
【0037】
図7は、時間の経過によって電気二重層コンデンサの内圧が上昇する様子を示す実際の内圧特性図である。図7において、電気二重層コンデンサの実際の内圧特性(b)は、電気二重層コンデンサへの充電初期の時間帯(使い始めの頃)においては容器内の内圧はノンリニアに上昇(急激に上昇)し、その後は時間と共に内圧はリニアに上昇している。このように、使い始めの頃にコンデンサの実際の内圧特性(b)がリニアな上昇とならない理由は、電気二重層コンデンサの場合は、使い始めの段階で急激にガスが発生し、やがて何回か使用して落ち着くと、その後は時間と共に一定の割合でガスが発生するためである。使い始めの段階で急激にガスが発生するのは、電解液や電極などのセル構成部材が分解したり、組み立て工程中に混入した不純物のうち製造工程で行われるエージング処理で取り除かれなかった不純物が分解したりしてガスを生成するためである。また、何回か使用して落ち着いた後に一定の割合でガスが発生するのは、液体や電極などの構成部材が分解して経時劣化するときに生成される反応生成物がガスとなるためである。
【0038】
次に、図7の特性図を参照しながら、図6の電気回路21による圧力上昇の2点検知について説明する。前記のように、電気二重層コンデンサの内部圧力は使い始めの頃のノンリニアな圧力上昇の特性を示すので、内部圧力の上昇がリニアな領域に入った後の時刻T1の時点で第1圧力上昇検知点P1に到達するように設定する。したがって、時刻T1で第1圧力上昇検知点P1に到達すると、図6の第1圧力上昇検知切断点22が切断されるので、端子28a,28bには、一方の抵抗体26Aの抵抗値(R1)と他方の抵抗体27Aの抵抗値(R2)を並列にした合成抵抗値(R1×R2)/(R1+R2)が検出される。
【0039】
次に、内部圧力の上昇がリニアな領域である時刻T2の時点で第2圧力上昇検知点P2に到達すると、図6の第2圧力上昇検知切断点23が切断されるので、端子28a,28bには抵抗体27Aの抵抗値(R2)が検出される。ここで、時刻T1における第1圧力上昇検知点P1と時刻T2における第2圧力上昇検知点P2を結ぶリニアな延長線をたどれば、弁開放点Pvはあらかじめ分かっているので、異常圧力に上昇して圧力開放弁が作動する時刻T4を予測することができる。
【0040】
ところが、従来例のように圧力上昇検知点が1点のみであると、圧力上昇の特性は理論的な内圧特性(a)のようにリニアな特性であると見なされる。したがって、弁開放点Pvはあらかじめ分かっているので、異常圧力に上昇して圧力開放弁が作動する時刻はT3であると予測されてしまう。つまり、圧力上昇検知点が1個のみであると、実際に圧力開放弁が作動する時刻T4よりも早い時刻T3を予測してしまう。一方、圧力上昇検知点が2個であれば、圧力開放弁が作動する時刻は、実際の内圧特性(b)に合致した時刻T4を予測することができる。
【0041】
このように、圧力上昇検知点が1個でも使い始めの段階における運転時間から弁開放点に到達する時刻を予測することはできるが、実際の圧力上昇特性ではないので、電気二重層コンデンサの劣化が進行しているような場合は2個の圧力上昇検知点を持つことが望ましい。また、第1圧力上昇検知点P1の圧力を使い始めの頃のガス発生がなくなった後に設定することによって、より高い精度で弁開放点の時刻を予測することができる。
【0042】
このようにして圧力上昇検知切断点を2箇所設定し、第1圧力上昇検知点P1、第2圧力上昇検知点P2、および弁開放点Pvの値を、容器の寿命を予測する予測手段としてテーブルに持っておけば、第1圧力上昇検知点P1に到達した時刻T1から第2圧力上昇検知点P2に到達した時刻T2までの運転時間をタイマ手段(図示せず)を用いて計測することによって、弁開放点Pvに到達するまでの時刻T4を演算によって予測することができる。つまり、圧力上昇の予測によって、第2圧力上昇検知点P2に到達した後はシステムをどれくらいの時間まで継続運転することができるかを推定することができる。また、このような予測情報を利用することによって、車両運行における点検等の手間を省くことができる。
【0043】
また、圧力上昇検知点の検出素子である抵抗体26Aの抵抗値R1と抵抗体27Aの抵抗値R2の抵抗比は、5倍以上であり且つ15倍以下であることが望ましい。つまり、抵抗体26Aと抵抗体27Aの抵抗比が小さいと、RlとR2が導通しているときの合成抵抗値(R1×R2)/(R1+R2)とR2単独の抵抗値が近くなる。例えば、Rl、R2を同一抵抗値Rとすると、RlとR2が導通しているときの合成抵抗値はR/2となり、R2単独の抵抗値はRとなるので、合成抵抗値と単独の抵抗値との比は1対2となってかなり近い値となる。このように2箇所の圧力上昇検知点の検出抵抗値が近くなると、第1圧力上昇検知点P1と第2圧力上昇検知点P2の内圧上昇の変化特性の勾配が緩やかになるので、内圧上昇の状態判別性能が低下してしまう。
【0044】
また、逆に、抵抗体26Aと抵抗体27Aの抵抗比が大きくなると検出精度が低下するので検出分解能を高くする必要がある。例えば、RlとR2の抵抗比を1対20とすると、RlとR2が導通しているときの合成抵抗値は20/21≒1Ω、R2は20Ωである。したがって、1セルが第2圧力上昇検知点P2に到達して単独の抵抗値R2=20Ωとなった後、他の1セルが第1圧力上昇検知点P1に到達して合成抵抗値1Ωが加算されても、20Ωから21Ωへの変化であり1Ω(つまり5%)程度の変化に留まる。したがって、検出精度を相当高くしないと他のセルの圧力上昇を検知することができなくなる。
【0045】
このようなことから、抵抗体26Aの抵抗値Rlと抵抗体27Aの抵抗値R2の比を5倍とすれば、最大5セルの圧力上昇の状態検知を行うことができ、検出精度も±5%程度で判別が可能となる。また、RlとR2の比を15倍とすれば、最大15セルの圧力上昇の状態検知ができ、検出精度は±1.5%程度で判別が可能となる。尚、要求される検出精度と判定可能なセル数との兼ね合いから、実際にはRlとR2の比は一般的には10倍程度であることが望ましい。
【0046】
次に、図6において、R1=1Ω、R2=5ΩとしてR1とR2の比を5倍にした場合の圧力上昇の状態検知の判別能力について考察してみる。図6において、第1圧力上昇検知切断点22が切断した場合の合成抵抗Rxは、Rx=(R1×R2)/(R1+R2)=5/6(Ω)であり、第1圧力上昇検知点P1に到達した場合は5/6(Ω)を検出することができる。また、直列接続された5セルの全てにおいて第1圧力上昇検知切断点22が切断した場合の合成抵抗値Ryは直列抵抗の総和であるので、Ry=5/6×5=25/6=4.16(Ω)である。また、何れか1つのセルにおいて第2圧力上昇検知切断点23が切断した場合の抵抗値は5(Ω)となる。したがって、第1圧力上昇検知切断点22が5個切れて4.16(Ω)になったのか、第2圧力上昇検知切断点23が1個切れて5(Ω)になったのかを充分に判別することができる。
【0047】
さらに、検出精度を考慮した場合は±5%の精度であれば、第1圧力上昇検知切断点22が5個切れたのか、第2圧力上昇検知切断点23が1個切れたのかを判別することができる。つまり、Rl側の検出精度が+5%側に偏った場合は、検出抵抗値は4.16×1.05=4.37(Ω)となる。また、R2側の検出精度が−5%側に偏った場合は、5×0.95=4.75(Ω)である。したがって、検出精度が±5%であれば、第1圧力上昇検知切断点22が5個切れて4.37(Ω)になったのか、第2圧力上昇検知切断点23が1個切れて4.75(Ω)になったのかを充分に判別することができる。
【0048】
次に、本発明における第3の実施の形態の容器の内圧監視装置について説明する。図8は、本発明の第3の実施の形態における容器の内圧監視装置に用いる電気回路である。第3の実施の形態における電気回路は、第2の実施の形態における電気回路に対して、一方の導体26及び他方の導体27のそれぞれにダイオード28,29が追加されたものである。ただし、導体26のダイオード28と導体27のダイオード29の接続極性は逆になっている。このようにして、互いに逆極性のダイオードを各検知ライン(導体)に挿入して検知信号電圧の極性を替えることにより、より詳細にコンデンサの内圧状況の監視を行うことができる。
【0049】
図9は、図8に示す電気回路における各抵抗体の検知電圧極性を示す特性図であり、(a)は第1圧力上昇検知切断点が開放されたときの特性、(b)は第2圧力上昇検知切断点が開放されたときの特性を示す。つまり、第1圧力上昇検知点P1に到達して第1圧力上昇検知切断点22が切断されたときは、図9(a)に示すように、抵抗体26Aの抵抗値R1の電圧が正極性(+)で検出され、抵抗体27Aの抵抗値R2の電圧が負極性(−)で検出される。また、第2圧力上昇検知点P2に到達して第2圧力上昇検知切断点23が切断されたときは、図9(b)に示すように、抵抗体26Aの抵抗値R1の電圧は検出されず、抵抗体27Aの抵抗値R2の電圧が負極性(−)で検出される。このようにして検出抵抗の電圧レベルだけでなく電圧極性を検出することによって、例えば、第1圧力上昇検知切断点22が5個切れたのか、第2圧力上昇検知切断点23が1個切れたのかを判別するための検出抵抗値の差を一層大きくすることができるので、結果的に検出精度を高くすることができる。
【0050】
次に、破裂弁であるラプチャ板へ前記の圧力変化検知回路を配置する場合について説明する。図10は、ラプチャ板へ圧力変化検知回路を配置する状態を示す概念図である。図10に示すように、ラプチャ板31へ電気回路を取り付けるときは、弁開放時切断点33を被変形部32の上部に配置する。これによってラプチャ板31による弁の開放を検知することができる。尚、図には示していないが、第1圧力上昇検知切断点、第2圧力上昇検知切断点、及び弁開放時切断点の切断のタイミングは、抵抗体が接続される導体の断面積や素材や切り欠き等の剛性によって任意に設定することができる。
【0051】
以上、述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は、前記の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が可能である。前記の実施の形態では圧力上昇の検知点を2個設けた場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、検知点を3個以上設けることによって、圧力上昇の変化を細かく検知したり弁開放の時間をより高精度に予測したりすることもできる。また、前記の実施の形態では、自動車等の車両に電気二重層コンデンサを用いた場合を想定して説明したが、これに限ることはなく、あらゆる電子機器に前記実施の形態の電気二重層コンデンサを用いても同様の効果が得られることは云うまでもない。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の容器の内圧監視装置によれば、電気回路を構成する複数の導体のうち、一つの導体が切断される前の端子間抵抗値と切断された後の端子間抵抗値を測定すれば、端子間抵抗値の変化分によって容器の内圧が上昇したことを検知することができる。
【0053】
また、本発明の請求項2に記載の容器の内圧監視装置によれば、複数の導体が切断される時間間隔をタイマ手段を用いて計測し、この計測された時間間隔に基づいて予測手段により容器の寿命を事前に予測することができる。
【0054】
また、本発明の請求項3に記載の容器の内圧監視装置によれば、例えば1個の容器の圧力上昇を検知したときは、この1個分の容器の電気回路の端子間抵抗値が検出され、複数の容器の圧力上昇を検知したときは、これら複数の端子間抵抗値をそれぞれ加算することにより、圧力上昇した容器の個数を把握することができる。
【0055】
また、本発明の請求項4に記載の内圧の監視を可能にした容器によれば、複数の導体のうち一つの導体が切断される前の端子間抵抗値と切断された後の端子間抵抗値を抵抗測定手段を用いて測定することで、容器の内圧上昇を検知でき、これにより容器の内圧の監視を行うことができる。
【0056】
さらに、本発明の請求項5に記載の寿命の予測を可能にしたコンデンサによれば、複数の導体のうち一つの導体が切断される前の端子間抵抗値と切断された後の端子間抵抗値を抵抗測定手段を用いて測定すれば、端子間抵抗値の変化分によってコンデンサの容器の内圧上昇を検知でき、これによりコンデンサの寿命の予測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電気二重層コンデンサの外観斜視図である。
【図2】図1に示す弁開放エリアと圧力センサによる内部圧力検出手段の拡大図であって、感圧膜方式による内部圧力検出手段の構成図である。
【図3】図2に示す内部圧力検出手段を等価回路で示した第1の実施の形態の圧力変化検知回路である。
【図4】時間の経過によって電気二重層コンデンサの内圧が上昇する様子を示す理論的な特性図である。
【図5】図3に示す圧力変化検知回路を複数のコンデンサに個別に設置して直列接続したときの検出抵抗の変化の様子を示す特性図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における圧力変化検知回路である。
【図7】時間の経過によって電気二重層コンデンサの内圧が上昇する様子を示す実際の内圧特性図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における圧力変化検知回路である。
【図9】図8に示す圧力変化検知回路における各抵抗体の検知電圧極性を示す特性図であり、(a)は第1圧力上昇検知切断点が開放されたときの特性、(b)は第2圧力上昇検知切断点が開放されたときの特性を示す。
【図10】ラプチャ板へ圧力変化検知回路を配置する状態を示す概念図である。
【図11】従来の圧力センサ付き電解コンデンサの原理を示す断面図であり、(a)はガス圧力上昇前、(b)はガス圧力上昇後の図である。
【符号の説明】
1 電気二重層コンデンサ
2a、2b 電極端子
3、32 被変形部
4 圧力センサ
5,11,21,21´ 電気回路
6、25 第1の導体
7A,26A,27A 抵抗体
7,26 第2の導体
27 第3の導体
8、8a、8b 端子
12 圧力上昇検知切断点
13、24、33 弁開放時切断点
22 第1圧力上昇検知切断点
23 第2圧力上昇検知切断点
28,29 ダイオード
31 ラプチャ板
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサ等の容器の内圧を検知する圧力センサを備えた容器の内圧監視装置、内圧の監視を可能にした容器、及び寿命の予測を可能にしたコンデンサに関するものであり、より詳細には、車両等に使用されるコンデンサの容器の内圧を検知してコンデンサの圧力破壊を未然に防止することのできる容器の内圧監視装置、内圧の監視を可能にした容器、及び寿命の予測を可能にしたコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両等の電装回路には、回生エネルギーを充電するためにコンデンサ(電気二重層コンデンサ)が使用されている。このようなコンデンサに定格以上の過電圧や逆極性の電圧を印加すると、コンデンサ内のガスの発生によって内部圧力が異常に上昇する。また、通常の使用状態でも、長時間に亘ってコンデンサに電圧を印加すると過充電になってガスが発生し、コンデンサの内部の圧力は徐々に上昇する。そこで、コンデンサの内部の圧力が上昇して破裂などを防ぐために種々の対策がなされている。例えば、下記の特許文献1には、電気二重層コンデンサの内部の圧力が高くなった場合には弁手段によって容器内部のガスを外部に放出する技術が開示されている。この技術による電気二重層コンデンサは、コンデンサ表面の小孔にゴム製の球体弁とスプリングからなるリリーフ弁を設け、ガス圧力が所定のレベル以上になるとリリーフ弁によってガス抜きを行うように構成されたものである。
【0003】
しかし、コンデンサのガスを放出してしまうとコンデンサ特性が劣化したり周囲にガスや液体を飛散させてしまうので、このような不具合を防止するために、コンデンサの内部圧力を検知してガス圧力の上昇を事前に報知することができる圧力センサ付き電解コンデンサが知られている。例えば、下記の非特許文献1には、車両等に使用される電解コンデンサであって、内部圧力の上昇を検知するための圧力センサを装備した圧力センサ付き電解コンデンサが開示されている。この技術によれば、電解コンデンサの内部圧力が一定値を超えた場合には、圧力センサが内部圧力を検知して警報等の適切な処置を施すので、圧力弁が作動して電解コンデンサが機能不良になったり電解液が飛散したりすることを未然に防止することができる。
【0004】
図11は、非特許文献1に報告されている従来の圧力センサ付き電解コンデンサの原理を示す断面図であり、(a)はガス圧力上昇前、(b)はガス圧力上昇後の図である。図11に示すように、電解コンデンサに設けられた圧力センサは、コンデンサ45の内部圧力が規定値を超えた場合にダイヤフラムディスク41が変位し、ばね押し部42によって接点ばね43を反転させて端子44a,44bの接点をONからOFFに作動させるように構成されている。
【0005】
つまり、図11(a)に示すように、コンデンサ45の内部圧力が正常な場合は、ダイヤフラムディスク41はコンデンサ45の内部側にへこみ、接点ばね43が端子44a,44bに接触した状態になっている。これによって、端子44aと端子44bがONして外部へ正常である旨の信号を送信する。一方、コンデンサ45の内部圧力が上昇すると、図11(b)に示すように、ダイヤフラムディスク41がコンデンサ45の外側へ膨らみ、ばね押し部42が接点ばね43の外周部を押して反転させるので、接点ばね43は端子44a,44bと非接触になって端子44aと端子44bをOFFさせる。これによって端子44a,44bから外部への信号が絶たれ、電解コンデンサの内部圧力が上昇した旨の情報を通知する。
【0006】
【特許文献1】
特許第3276788号公報(段落0008から段落0014、図1,図2,図3,図4,図5)
【非特許文献1】
トランジスタ技術2001年9月号(圧力センサ付きアルミ電解コンデンサ:香川寿得著)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常の産業用機器であれば、コンデンサの圧力上昇を検知したときに機器を止めてコンデンサなどの点検やメンテナンスを行うこともできるが、車両等の輸送機器にコンデンサを使用した場合には、すぐには運転を止めてコンデンサなどを点検することができないこともあるので、圧力センサによってコンデンサの内圧を事前に検知することが望ましい。また、コンデンサの弁解放によって急激にコンデンサの機能が喪失する虞があるため、コンデンサ内部の圧力上昇によって弁開放が起きる前に圧力センサによってコンデンサの内圧を検知して速やかに安全を確保するための措置をとることも望ましい。しかしながら、非特許文献1に示すような従来技術では、多数個直並列に接続されたコンデンサの内圧上昇を検知して報知することはできるが、コンデンサの内圧が今後どのように上昇して行くのかを予測することはできないという問題がある。また、前記従来技術による圧力センサでは、異常圧力によって弁が解放されたのかどうかを検知することもできないという問題がある。
【0008】
また、非特許文献1に示すような圧力センサでは、多数個の電解コンデンサを直並列に接続して使用したとき、電解コンデンサ群としての圧力上昇の分布状況を検知することも困難である。つまり、この圧力センサでは、全ての電解コンデンサが正常範囲にあるか1個以上の電解コンデンサに異常があるかを判定することはできるが、どの電解コンデンサに圧力異常があるのかを検出することはできない。したがって、従来の技術では、内部圧力に異常のある電解コンデンサを特定するためには、検知する電解コンデンサの個数と同数の監視ポートを設ける必要がある。システム全体の安全性を監視することを考えた場合、特定の1個の電解コンデンサが圧力上昇を起こしたのか、全部の電解コンデンサが圧力上昇状態にあるのかを判断して、機器を継続運転するか緊急停止するかを考える必要があるが、従来の圧力センサ付き電解コンデンサではこのようなシステム運用を行うことができないという問題がある。
【0009】
つまり、従来の圧力センサ付き電解コンデンサの技術では圧力開放弁とは別個に圧力センサが設置されているが、本来は、圧力上昇と弁開放を同時に検知できるようにして、弁体とセンサを一体化できる機能を備えた圧力センサにすることが望ましい。しかし、現在のところは、このような機能を備えた圧力センサは存在していない。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コンデンサ等の容器の内圧解放機構(つまり、防爆弁)に対して、内部圧力の上昇傾向の検知と弁開放の検知とを併せて行うことができる機能を付加した容器の内圧監視装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の容器の内圧監視装置は、抵抗測定手段を備えた容器の内圧監視装置であって、異なる抵抗値を有する複数の導体を並列に接続した電気回路と、容器の内圧の上昇によって形状が変形される被変形部と、前記被変形部の変形によって前記複数の導体のうち、抵抗値の低い導体から順に切断するように前記複数の導体を配置した導体配置手段と、を備えた容器を測定対象として、前記電気回路の端子間抵抗値を前記抵抗測定手段で測定することにより、前記容器の内圧を監視することを特徴とする。
【0012】
つまり、本発明の請求項1に記載の容器の内圧監視装置によれば、容器の内圧の上昇によって被変形部の形状が変形する。そして、被変形部の変形に伴って電気回路に並列に接続された複数の導体が抵抗値の低い順に切断する。したがって、複数の導体のうち一つの導体が切断される前の端子間抵抗値と切断された後の端子間抵抗値を抵抗測定手段を用いて測定すれば、端子間抵抗値の変化分によって容器の内圧上昇を検知でき、これにより容器の内圧を監視することができる。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載の容器の内圧監視装置においては、複数の導体が切断される時間間隔を、端子間抵抗を測定することにより計測するタイマ手段と、前記タイマ手段により計測された時間間隔に基づいて前記容器の寿命を予測する予測手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
つまり、本発明の請求項2に記載の容器の内圧監視装置によれば、複数の導体が切断される時間間隔をタイマ手段を用いて計測し、この計測される時間間隔に基づいて予測手段により容器の寿命を事前に予測することができる。
【0015】
また、本発明の請求項3に記載の容器の内圧監視装置においては、複数の前記容器の前記電気回路を直列に接続して抵抗値を測定することで、前記複数の容器の内圧を監視することを特徴とする。
【0016】
つまり、本発明の請求項3に記載の容器の内圧監視装置によれば、例えば1個の容器の圧力上昇を検知したときは、この1個分の容器の電気回路の端子間抵抗値が検出され、複数の容器の圧力上昇を検知したときは、これら複数の端子間抵抗値をそれぞれ加算することにより、圧力上昇した容器の個数を把握することができる。
【0017】
また、本発明の請求項4に記載の内圧の監視を可能にした容器は、異なる抵抗値を有する複数の導体を並列に接続した電気回路と、容器の内圧の上昇によって形状が変形される被変形部と、前記被変形部の変形によって前記複数の導体のうち、抵抗値の低い導体から順に切断するように前記複数の導体を配置した導体配置手段と、を備え、外部から前記電気回路の抵抗値を測定されることを特徴とする。
【0018】
つまり、本発明の請求項4に記載の内圧の監視を可能にした容器によれば、容器の内圧の上昇によって被変形部の形状が変形する。そして、被変形部の変形に伴い、導体配置手段により電気回路に並列に接続された複数の導体が抵抗値の低い順に切断する。したがって、複数の導体のうち一つの導体が切断される前の端子間抵抗値と切断された後の端子間抵抗値を抵抗測定手段を用いて測定すれば、端子間抵抗値の変化分によって容器の内圧上昇を検知でき、これにより容器の内圧の監視を可能とすることができる。
【0019】
さらに、本発明の請求項5に記載の寿命の予測を可能にしたコンデンサは、異なる抵抗値を有する複数の導体を並列に接続した電気回路と、容器の内圧の上昇によって形状が変形される被変形部と、前記被変形部の変形によって前記複数の導体のうち、抵抗値の低い導体から順に切断するように前記複数の導体を配置した導体配置手段と、を備え、外部から前記電気回路の抵抗値を測定されることにより、前記容器の内圧の上昇による寿命の予測を可能にしたことを特徴とする。
【0020】
つまり、本発明の請求項5に記載の寿命の予測を可能にしたコンデンサによれば、コンデンサを構成する容器の内圧の上昇によって被変形部の形状が変形する。そして、被変形部の変形に伴い、導体配置手段により電気回路に並列に接続された複数の導体が抵抗値の低い順に切断する。したがって、複数の導体のうち一つの導体が切断される前の端子間抵抗値と切断された後の端子間抵抗値を抵抗測定手段を用いて測定すれば、端子間抵抗値の変化分によってコンデンサの容器の内圧上昇を検知でき、これによりコンデンサの寿命の予測が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の容器の内圧監視装置を構築するための内圧解放機構である圧力開放弁について説明する。通常の圧力開放弁としては、大型コンデンサに用いられるようなゴム破裂タイプや、小型コンデンサに用いられるようなケース破裂タイプや、角型リチウム電池などに用いられるような破裂弁(ラプチャ板)タイプや、Ni−MH電池に用いられるようなリリーフ弁タイプなどがある。
【0022】
これらの圧力開放弁の中では、ゴム破裂タイプの圧力開放弁に圧力センサを設けることが望ましい。通常、ゴム破裂タイプの圧力開放弁は、破裂部材の応力が材料強度を越えたところで破断する特性を利用し、コンデンサの内部で上昇した圧力を開放する機能を持たせている。また、前記のラプチャ板タイプの圧力開放弁以外は圧力開放時に弁材料が塑性変形から破断するという比較的大きな変形挙動を利用している。したがって、このような変形挙動を利用して、圧力センサに所望の検知回路を形成すれば、圧力上昇検出機能と弁開放検知機能とを備えた圧力開放弁を実現することができる。もちろん、このとき、内圧上昇によって最も変形変位が大きくなる場所に圧力センサの電気回路を設けることは当然である。
【0023】
以下、図面を用いて、本発明の容器の内圧監視装置を電気二重層コンデンサに用いた場合の具体的な実施の形態を詳細に説明する。本発明の容器の内圧監視装置は、容器の内圧の上昇により形状が変形する被変形部の最も変位しやすい場所に低抵抗の導体を設け、この低抵抗の導体をバイパスするようにやや変位の少ない場所に高抵抗の導体を設ける。従って、電気二重層コンデンサの内圧が通常の圧力状態のときは、電気回路の出力端子間には低抵抗の導体を有した電気回路が形成されている。
【0024】
しかし、電気二重層コンデンサの内圧が上昇して被変形部が変形することによって低抵抗の導体が切断された場合は、バイパス側の高抵抗の導体によって電気回路が形成されるので、この電気回路の出力端子間の抵抗は高くなる。したがって、出力端子間の抵抗の変化分によって電気二重層コンデンサの内圧上昇を検知することができる。さらに、出力端子間の抵抗の上昇分を加算することによって、容器の内部圧力が上昇した電気二重層コンデンサの個数を知ることもできる。また、電気二重層コンデンサの内圧が異常に上昇した場合には被変形部が破断されるので、高抵抗の導体も切断されて電気回路の出力端子間の抵抗は無限大となり、結果として、圧力弁の開放状態も検出することができる。
【0025】
図1は、本発明における電気二重層コンデンサの外観斜視図である。図1において、電気二重層コンデンサ1の上部の電極端子2a,2bの内側またはその近傍には、被変形部3が形成されている。この被変形部3は、図の破線のように円周状にスリットが設けられているので、電気二重層コンデンサ1の内部圧力が上昇すると被変形部3が膨らんで変形し、さらに内部圧力が異常上昇するとスリットの部分が破断して、電気二重層コンデンサ1の内部のガスを放出するようになっている。また、被変形部3の上部には、圧力センサ4の電気回路5が配置されている。つまり、抵抗値の低い導体から順に時間間隔を置いて切断するように導体が配置されている。
【0026】
ここで、被変形部3と電気回路5からなる圧力センサ4の構成について具体的に説明する。図2は、図1に示す被変形部3と電気回路5の拡大図であって、感圧膜方式による圧力センサ4の構成図を示している。尚、図2に示す圧力センサ4においては、図示しない弁体は如何なる構造であっても構わない。この圧力センサ4は、絶縁樹脂の開放エリアからなる被変形部3の表面上に、第1の導体6と、抵抗体7Aを有する第2の導体7とが並列になって端子8に接続された回路構成で感圧膜を形成している。そして、第1,第2の導体6,7は、被変形部3の表面上に接着剤(図示せず)等の導体配置手段により固定的に配置されている。即ち、前記導体配置手段と被変形部3により導体6,7を切断する切断手段を構成している。また、図2に示すように、第1の導体6は最も変位が大きくなりやすい被変形部3の中心部を通るように配置され、第2の導体7は変位のやや小さい被変形部3の周辺部に配置されている。これにより、導体6,7は、後記するように抵抗の低い導体6から抵抗の高い導体7へと時間間隔を置いて順に切断するようになっている。また、前記感圧膜は、破裂弁体と擬似的に一体化されて接着等によって電気二重層コンデンサ1の小孔に接着され、破裂弁体の変形に追従するように構成されている。
【0027】
被変形部3の表面上に形成された電気回路5の一例を説明すると、導体7が有する抵抗体7Aの抵抗値は1Ωであり、且つ電気回路5自体の抵抗値は1Ωであるものとする。この場合、電気二重層コンデンサ1が通常の内部圧力のときは被変形部3は変形していなく、且つ、抵抗体7Aは導体6によって短絡されているので、端子8の両端からみた抵抗値は1Ωである。しかし、電気二重層コンデンサ1の内部圧力が規定値以上になったとき、被変形部3が変形して導体6が切断されるので、端子8の両端からみた抵抗値は2Ωとなる。さらに、内部圧力が異常上昇すると被変形部3の図の破線で示すスリットが破断するので、抵抗体7Aを有する導体7が切断されて端子8の両端からみた抵抗値は無限大となる。これにより、端子8間の抵抗値を抵抗測定手段(図示せず)を用いて測定すれば、正常状態検知と圧力上昇検知と弁開放検知とを行うことができる。
【0028】
尚、図2に示すような電気回路5を、被変形部3のゴム体の内部に形成したり、被変形部3のゴム体の表面に接着または蒸着したりすることもできる。さらに、電気二重層コンデンサ1の上部の表面部分に大きな変形を起こすラプチャ板タイプやケース破裂タイプの圧力開放弁を設けた場合は、表面の薄板にスリットで囲った薄肉部を設けたラプチャ板が内圧の上昇に伴って塑性変形を起こす。したがって、スリットで囲ったラプチャ板の上部に図2に示すような電気回路5を形成してもよい。あるいは、電気回路5を形成した感圧膜をラプチャ板の上部に設置してもよい。
【0029】
何れの場合においても、基本的には、電気二重層コンデンサ1の内圧変化に対してある程度の変形と破断を伴う場所(被変形部)に図2に示すような電気回路5を設置すれば、電気二重層コンデンサ1の内部圧力の上昇によって被変形部3が変形したり破断したりしたときに電気回路5の所定の部分が切断されるので、電気二重層コンデンサ1の内部圧力の上昇検知と弁開放の検知とを行うことができる。尚、何れの場合も弁体の構造はどのようなものであってもよい。
【0030】
次に、電気二重層コンデンサの内部圧力の検知と弁開放の検知とを行う具体的な電気回路の構成について、幾つかの実施の形態を説明する。図3は、図2に示す電気回路を等価回路で示した第1の実施の形態の電気回路である。図3に示す等価回路では、電気的な回路パターンと感圧膜などを組み合わせて、電気二重層コンデンサの1セル分の圧力変化検知回路となる電気回路を示している。つまり、図3の電気回路11では、第1の導体6が圧力上昇検知切断点12を有し、抵抗体7Aを有する第2の導体7が弁開放時切断点13を有する。さらに、これらの導体6,7が並列になって端子8a,8bに接続されている。圧力上昇検知切断点12とは、図2の被変形部3が圧力上昇によって変形したときに導体6を切断する位置を示したものである。また、弁開放時切断点13とは、図2の被変形部3が圧力の異常上昇によって破断したときに導体7を切断する位置を示したものである。
【0031】
図4は、時間の経過によって電気二重層コンデンサの内圧が上昇する様子を示す理論的な特性図である。図4において、時刻T1に達するまでは内圧が圧力上昇検知点P及び弁開放点Pvに到達していないので、図3の圧力上昇検知切断点12及び弁開放時切断点13は共に導通状態にある。したがって、端子8a,8b間の抵抗は、電気回路11に依存された抵抗値(例えば1Ω)である。時刻T1において電気二重層コンデンサの内圧が上昇して圧力上昇検知点Pに達すると、図3の圧力上昇検知切断点12が開放されて導体6が切断される。したがって、端子8a,8b間の抵抗は、電気回路11自体の抵抗値(例えば1Ω)と抵抗体7Aの抵抗値(例えば1Ω)との和の抵抗値(例えば2Ω)となる。さらに、時間T2において電気二重層コンデンサの内圧がさらに上昇して弁開放点Pvに達すると、図3の弁開放時切断点13が開放されて導体7が切断される。したがって、端子8a,8b間の抵抗は無限大となる。
【0032】
図3に示す電気回路11は、前記のように、端子8a,8b間の抵抗値の変化によって圧力上昇の検知と弁開放の検知を行うことができるが、さらに、電気二重層コンデンサを多数個使用したときに個々のセルの圧力上昇の状況を検知することもできる。つまり、図3に示すような電気回路11を各電気二重層コンデンサごとに設置し、それぞれのセルごとに圧力上昇検知時および弁開放時に電気回路11が断線作動するように設定する。これによって、特定のセルが圧力上昇したときは抵抗体7Aの抵抗値が検出され、複数のセルが圧力上昇したときは複数のセルの抵抗体7Aの和の抵抗値が検知される。したがって、圧力上昇検知点Pに達したセルの個数を把握することができる。
【0033】
さらに、何れかの電気二重層コンデンサにおいて弁開放が発生したときは、その電気二重層コンデンサの電気回路11全体がオープンになるので、無限大の抵抗値が検知されて弁開放の発生を把握することができる。尚、電気二重層コンデンサの内圧を検知することのできる被変形部3に図3のような電気回路11の機構を組み込むことで、一対の信号線を使って圧力上昇の検知と弁開放の検知とを行うことができる。
【0034】
図5は、図3に示す電気回路を複数の電気二重層コンデンサに個別に設置して直列接続したときの検出抵抗の変化の様子を示す特性図である。図5に示すように、1個の電気二重層コンデンサの圧力上昇を検知したときは1個の抵抗体7Aの抵抗値(R)が検出され、2個の電気二重層コンデンサの圧力上昇を検知したときは2個の抵抗体7Aの直列抵抗値(2R)が検出される。さらに、何れかの電気二重層コンデンサに弁開放が発生したときは無限大の抵抗値が検出される。これによって、圧力上昇検知点に達した電気二重層コンデンサの個数を把握することができると共に、何れかの電気二重層コンデンサに異常な圧力上昇があって弁開放が発生したことも把握することができる。
【0035】
次に、本発明における第2の実施の形態の容器の内圧監視装置について説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態における容器の内圧監視装置に用いる電気回路である。図3に示す第1の実施の形態の電気回路では圧力上昇検知切断点は1個であったが、図6に示す第2の実施の形態の電気回路では圧力上昇検知切断点を2個設けている。つまり、検知圧力レベルの異なる2個の圧力上昇検知切断点を設けることによって、圧力が異常上昇して発生する弁開放時を事前に予測することができる。
【0036】
図6の電気回路21は、第1の導体25が第1圧力上昇検知切断点22を有し、抵抗体26Aを有する第2の導体26が第2圧力上昇検知切断点23を有し、さらに、抵抗体27Aを有する第3の導体27が弁開放時切断点24を有し、これらの導体25,26,27が並列に端子28a,28bに接続されている。ここで、第1圧力上昇検知切断点22を被変形部3の略中心を通るように配置し、第2圧力上昇検知切断点23をその外側に配置して、第1圧力上昇検知切断点22の検出圧力レベルより第2圧力上昇検知切断点23の検出圧力レベルを高くしてある。また、弁開放時切断点24は、第2圧力上昇検知切断点23の外側に配置して、第2圧力上昇検知切断点23の検出圧力レベルより弁開放時切断点24の検出圧力レベルを高く設定してある。そして、一方の抵抗体26Aの抵抗値R1は例えば1Ω、他方の抵抗体27Aの抵抗値R2は例えば10Ωというように、抵抗体27の抵抗値R2は抵抗体26の抵抗値R1よりほぼ一桁程度高い抵抗値にしてある。こうしてみると、導体25,26,27は抵抗値の低い順から時間間隔を置いて切断されるように配置されている。
【0037】
図7は、時間の経過によって電気二重層コンデンサの内圧が上昇する様子を示す実際の内圧特性図である。図7において、電気二重層コンデンサの実際の内圧特性(b)は、電気二重層コンデンサへの充電初期の時間帯(使い始めの頃)においては容器内の内圧はノンリニアに上昇(急激に上昇)し、その後は時間と共に内圧はリニアに上昇している。このように、使い始めの頃にコンデンサの実際の内圧特性(b)がリニアな上昇とならない理由は、電気二重層コンデンサの場合は、使い始めの段階で急激にガスが発生し、やがて何回か使用して落ち着くと、その後は時間と共に一定の割合でガスが発生するためである。使い始めの段階で急激にガスが発生するのは、電解液や電極などのセル構成部材が分解したり、組み立て工程中に混入した不純物のうち製造工程で行われるエージング処理で取り除かれなかった不純物が分解したりしてガスを生成するためである。また、何回か使用して落ち着いた後に一定の割合でガスが発生するのは、液体や電極などの構成部材が分解して経時劣化するときに生成される反応生成物がガスとなるためである。
【0038】
次に、図7の特性図を参照しながら、図6の電気回路21による圧力上昇の2点検知について説明する。前記のように、電気二重層コンデンサの内部圧力は使い始めの頃のノンリニアな圧力上昇の特性を示すので、内部圧力の上昇がリニアな領域に入った後の時刻T1の時点で第1圧力上昇検知点P1に到達するように設定する。したがって、時刻T1で第1圧力上昇検知点P1に到達すると、図6の第1圧力上昇検知切断点22が切断されるので、端子28a,28bには、一方の抵抗体26Aの抵抗値(R1)と他方の抵抗体27Aの抵抗値(R2)を並列にした合成抵抗値(R1×R2)/(R1+R2)が検出される。
【0039】
次に、内部圧力の上昇がリニアな領域である時刻T2の時点で第2圧力上昇検知点P2に到達すると、図6の第2圧力上昇検知切断点23が切断されるので、端子28a,28bには抵抗体27Aの抵抗値(R2)が検出される。ここで、時刻T1における第1圧力上昇検知点P1と時刻T2における第2圧力上昇検知点P2を結ぶリニアな延長線をたどれば、弁開放点Pvはあらかじめ分かっているので、異常圧力に上昇して圧力開放弁が作動する時刻T4を予測することができる。
【0040】
ところが、従来例のように圧力上昇検知点が1点のみであると、圧力上昇の特性は理論的な内圧特性(a)のようにリニアな特性であると見なされる。したがって、弁開放点Pvはあらかじめ分かっているので、異常圧力に上昇して圧力開放弁が作動する時刻はT3であると予測されてしまう。つまり、圧力上昇検知点が1個のみであると、実際に圧力開放弁が作動する時刻T4よりも早い時刻T3を予測してしまう。一方、圧力上昇検知点が2個であれば、圧力開放弁が作動する時刻は、実際の内圧特性(b)に合致した時刻T4を予測することができる。
【0041】
このように、圧力上昇検知点が1個でも使い始めの段階における運転時間から弁開放点に到達する時刻を予測することはできるが、実際の圧力上昇特性ではないので、電気二重層コンデンサの劣化が進行しているような場合は2個の圧力上昇検知点を持つことが望ましい。また、第1圧力上昇検知点P1の圧力を使い始めの頃のガス発生がなくなった後に設定することによって、より高い精度で弁開放点の時刻を予測することができる。
【0042】
このようにして圧力上昇検知切断点を2箇所設定し、第1圧力上昇検知点P1、第2圧力上昇検知点P2、および弁開放点Pvの値を、容器の寿命を予測する予測手段としてテーブルに持っておけば、第1圧力上昇検知点P1に到達した時刻T1から第2圧力上昇検知点P2に到達した時刻T2までの運転時間をタイマ手段(図示せず)を用いて計測することによって、弁開放点Pvに到達するまでの時刻T4を演算によって予測することができる。つまり、圧力上昇の予測によって、第2圧力上昇検知点P2に到達した後はシステムをどれくらいの時間まで継続運転することができるかを推定することができる。また、このような予測情報を利用することによって、車両運行における点検等の手間を省くことができる。
【0043】
また、圧力上昇検知点の検出素子である抵抗体26Aの抵抗値R1と抵抗体27Aの抵抗値R2の抵抗比は、5倍以上であり且つ15倍以下であることが望ましい。つまり、抵抗体26Aと抵抗体27Aの抵抗比が小さいと、RlとR2が導通しているときの合成抵抗値(R1×R2)/(R1+R2)とR2単独の抵抗値が近くなる。例えば、Rl、R2を同一抵抗値Rとすると、RlとR2が導通しているときの合成抵抗値はR/2となり、R2単独の抵抗値はRとなるので、合成抵抗値と単独の抵抗値との比は1対2となってかなり近い値となる。このように2箇所の圧力上昇検知点の検出抵抗値が近くなると、第1圧力上昇検知点P1と第2圧力上昇検知点P2の内圧上昇の変化特性の勾配が緩やかになるので、内圧上昇の状態判別性能が低下してしまう。
【0044】
また、逆に、抵抗体26Aと抵抗体27Aの抵抗比が大きくなると検出精度が低下するので検出分解能を高くする必要がある。例えば、RlとR2の抵抗比を1対20とすると、RlとR2が導通しているときの合成抵抗値は20/21≒1Ω、R2は20Ωである。したがって、1セルが第2圧力上昇検知点P2に到達して単独の抵抗値R2=20Ωとなった後、他の1セルが第1圧力上昇検知点P1に到達して合成抵抗値1Ωが加算されても、20Ωから21Ωへの変化であり1Ω(つまり5%)程度の変化に留まる。したがって、検出精度を相当高くしないと他のセルの圧力上昇を検知することができなくなる。
【0045】
このようなことから、抵抗体26Aの抵抗値Rlと抵抗体27Aの抵抗値R2の比を5倍とすれば、最大5セルの圧力上昇の状態検知を行うことができ、検出精度も±5%程度で判別が可能となる。また、RlとR2の比を15倍とすれば、最大15セルの圧力上昇の状態検知ができ、検出精度は±1.5%程度で判別が可能となる。尚、要求される検出精度と判定可能なセル数との兼ね合いから、実際にはRlとR2の比は一般的には10倍程度であることが望ましい。
【0046】
次に、図6において、R1=1Ω、R2=5ΩとしてR1とR2の比を5倍にした場合の圧力上昇の状態検知の判別能力について考察してみる。図6において、第1圧力上昇検知切断点22が切断した場合の合成抵抗Rxは、Rx=(R1×R2)/(R1+R2)=5/6(Ω)であり、第1圧力上昇検知点P1に到達した場合は5/6(Ω)を検出することができる。また、直列接続された5セルの全てにおいて第1圧力上昇検知切断点22が切断した場合の合成抵抗値Ryは直列抵抗の総和であるので、Ry=5/6×5=25/6=4.16(Ω)である。また、何れか1つのセルにおいて第2圧力上昇検知切断点23が切断した場合の抵抗値は5(Ω)となる。したがって、第1圧力上昇検知切断点22が5個切れて4.16(Ω)になったのか、第2圧力上昇検知切断点23が1個切れて5(Ω)になったのかを充分に判別することができる。
【0047】
さらに、検出精度を考慮した場合は±5%の精度であれば、第1圧力上昇検知切断点22が5個切れたのか、第2圧力上昇検知切断点23が1個切れたのかを判別することができる。つまり、Rl側の検出精度が+5%側に偏った場合は、検出抵抗値は4.16×1.05=4.37(Ω)となる。また、R2側の検出精度が−5%側に偏った場合は、5×0.95=4.75(Ω)である。したがって、検出精度が±5%であれば、第1圧力上昇検知切断点22が5個切れて4.37(Ω)になったのか、第2圧力上昇検知切断点23が1個切れて4.75(Ω)になったのかを充分に判別することができる。
【0048】
次に、本発明における第3の実施の形態の容器の内圧監視装置について説明する。図8は、本発明の第3の実施の形態における容器の内圧監視装置に用いる電気回路である。第3の実施の形態における電気回路は、第2の実施の形態における電気回路に対して、一方の導体26及び他方の導体27のそれぞれにダイオード28,29が追加されたものである。ただし、導体26のダイオード28と導体27のダイオード29の接続極性は逆になっている。このようにして、互いに逆極性のダイオードを各検知ライン(導体)に挿入して検知信号電圧の極性を替えることにより、より詳細にコンデンサの内圧状況の監視を行うことができる。
【0049】
図9は、図8に示す電気回路における各抵抗体の検知電圧極性を示す特性図であり、(a)は第1圧力上昇検知切断点が開放されたときの特性、(b)は第2圧力上昇検知切断点が開放されたときの特性を示す。つまり、第1圧力上昇検知点P1に到達して第1圧力上昇検知切断点22が切断されたときは、図9(a)に示すように、抵抗体26Aの抵抗値R1の電圧が正極性(+)で検出され、抵抗体27Aの抵抗値R2の電圧が負極性(−)で検出される。また、第2圧力上昇検知点P2に到達して第2圧力上昇検知切断点23が切断されたときは、図9(b)に示すように、抵抗体26Aの抵抗値R1の電圧は検出されず、抵抗体27Aの抵抗値R2の電圧が負極性(−)で検出される。このようにして検出抵抗の電圧レベルだけでなく電圧極性を検出することによって、例えば、第1圧力上昇検知切断点22が5個切れたのか、第2圧力上昇検知切断点23が1個切れたのかを判別するための検出抵抗値の差を一層大きくすることができるので、結果的に検出精度を高くすることができる。
【0050】
次に、破裂弁であるラプチャ板へ前記の圧力変化検知回路を配置する場合について説明する。図10は、ラプチャ板へ圧力変化検知回路を配置する状態を示す概念図である。図10に示すように、ラプチャ板31へ電気回路を取り付けるときは、弁開放時切断点33を被変形部32の上部に配置する。これによってラプチャ板31による弁の開放を検知することができる。尚、図には示していないが、第1圧力上昇検知切断点、第2圧力上昇検知切断点、及び弁開放時切断点の切断のタイミングは、抵抗体が接続される導体の断面積や素材や切り欠き等の剛性によって任意に設定することができる。
【0051】
以上、述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であり、本発明は、前記の実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲で種々の変形が可能である。前記の実施の形態では圧力上昇の検知点を2個設けた場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、検知点を3個以上設けることによって、圧力上昇の変化を細かく検知したり弁開放の時間をより高精度に予測したりすることもできる。また、前記の実施の形態では、自動車等の車両に電気二重層コンデンサを用いた場合を想定して説明したが、これに限ることはなく、あらゆる電子機器に前記実施の形態の電気二重層コンデンサを用いても同様の効果が得られることは云うまでもない。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の容器の内圧監視装置によれば、電気回路を構成する複数の導体のうち、一つの導体が切断される前の端子間抵抗値と切断された後の端子間抵抗値を測定すれば、端子間抵抗値の変化分によって容器の内圧が上昇したことを検知することができる。
【0053】
また、本発明の請求項2に記載の容器の内圧監視装置によれば、複数の導体が切断される時間間隔をタイマ手段を用いて計測し、この計測された時間間隔に基づいて予測手段により容器の寿命を事前に予測することができる。
【0054】
また、本発明の請求項3に記載の容器の内圧監視装置によれば、例えば1個の容器の圧力上昇を検知したときは、この1個分の容器の電気回路の端子間抵抗値が検出され、複数の容器の圧力上昇を検知したときは、これら複数の端子間抵抗値をそれぞれ加算することにより、圧力上昇した容器の個数を把握することができる。
【0055】
また、本発明の請求項4に記載の内圧の監視を可能にした容器によれば、複数の導体のうち一つの導体が切断される前の端子間抵抗値と切断された後の端子間抵抗値を抵抗測定手段を用いて測定することで、容器の内圧上昇を検知でき、これにより容器の内圧の監視を行うことができる。
【0056】
さらに、本発明の請求項5に記載の寿命の予測を可能にしたコンデンサによれば、複数の導体のうち一つの導体が切断される前の端子間抵抗値と切断された後の端子間抵抗値を抵抗測定手段を用いて測定すれば、端子間抵抗値の変化分によってコンデンサの容器の内圧上昇を検知でき、これによりコンデンサの寿命の予測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電気二重層コンデンサの外観斜視図である。
【図2】図1に示す弁開放エリアと圧力センサによる内部圧力検出手段の拡大図であって、感圧膜方式による内部圧力検出手段の構成図である。
【図3】図2に示す内部圧力検出手段を等価回路で示した第1の実施の形態の圧力変化検知回路である。
【図4】時間の経過によって電気二重層コンデンサの内圧が上昇する様子を示す理論的な特性図である。
【図5】図3に示す圧力変化検知回路を複数のコンデンサに個別に設置して直列接続したときの検出抵抗の変化の様子を示す特性図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における圧力変化検知回路である。
【図7】時間の経過によって電気二重層コンデンサの内圧が上昇する様子を示す実際の内圧特性図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における圧力変化検知回路である。
【図9】図8に示す圧力変化検知回路における各抵抗体の検知電圧極性を示す特性図であり、(a)は第1圧力上昇検知切断点が開放されたときの特性、(b)は第2圧力上昇検知切断点が開放されたときの特性を示す。
【図10】ラプチャ板へ圧力変化検知回路を配置する状態を示す概念図である。
【図11】従来の圧力センサ付き電解コンデンサの原理を示す断面図であり、(a)はガス圧力上昇前、(b)はガス圧力上昇後の図である。
【符号の説明】
1 電気二重層コンデンサ
2a、2b 電極端子
3、32 被変形部
4 圧力センサ
5,11,21,21´ 電気回路
6、25 第1の導体
7A,26A,27A 抵抗体
7,26 第2の導体
27 第3の導体
8、8a、8b 端子
12 圧力上昇検知切断点
13、24、33 弁開放時切断点
22 第1圧力上昇検知切断点
23 第2圧力上昇検知切断点
28,29 ダイオード
31 ラプチャ板
Claims (5)
- 抵抗測定手段を備えた容器の内圧監視装置であって、
異なる抵抗値を有する複数の導体を並列に接続した電気回路と、
容器の内圧の上昇によって形状が変形される被変形部と、
前記被変形部の変形によって前記複数の導体のうち、抵抗値の低い導体から順に切断するように前記複数の導体を配置した導体配置手段と、
を備えた容器を測定対象として、前記電気回路の端子間抵抗値を前記抵抗測定手段で測定することにより、前記容器の内圧を監視することを特徴とする容器の内圧監視装置。 - 前記複数の導体が切断される時間間隔を、前記端子間抵抗を測定することにより計測するタイマ手段と、
前記タイマ手段により計測される時間間隔に基づいて前記容器の寿命を予測する予測手段と、
をさらに備えることを特徴とする容器の内圧監視装置。 - 複数の前記容器の前記電気回路を直列に接続して抵抗値を測定することで、前記複数の容器の内圧を監視することを特徴とする容器の内圧監視装置。
- 異なる抵抗値を有する複数の導体を並列に接続した電気回路と、
容器の内圧の上昇によって形状が変形される被変形部と、
前記被変形部の変形によって前記複数の導体のうち、抵抗値の低い導体から順に切断するように前記複数の導体を配置した導体配置手段と、
を備え、
外部から前記電気回路の抵抗値を測定されることにより、内圧の監視を可能にした容器。 - 異なる抵抗値を有する複数の導体を並列に接続した電気回路と、
容器の内圧の上昇によって形状が変形される被変形部と、
前記被変形部の変形によって前記複数の導体のうち、抵抗値の低い導体から順に切断するように前記複数の導体を配置した導体配置手段と、
を備え、
外部から前記電気回路の抵抗値を測定されることにより、前記容器の内圧の上昇による寿命の予測を可能にしたコンデンサ。
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