JP2004198184A - 導電性構造体の損傷検知方法および損傷検知用電気信号線路 - Google Patents

導電性構造体の損傷検知方法および損傷検知用電気信号線路 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性構造体を被験体とし、被験体表面のき裂、きず、孔、スリット等の損傷状況を、その位置に関する情報を含め、非破壊で簡便に検知することができる導電性構造体の損傷検知方法を提供する。
【解決手段】導電性構造体の損傷検知方法は、被験体である板状の導電性材料あるいは構造体の面に対して、厚みが一定の薄い絶縁シート上に線路導体を貼り付けた前記絶縁シートの側を接触させ、前記線路導体の一端と被験体との間に、正弦波、ステップあるいはパルスの電気信号を印加して、電気信号の伝送特性を計測し、測定した信号伝送特性の波形により被験体表面の損傷状況と損傷位置に関する情報をえる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性構造体を被験体とし、被験体表面のき裂、きず、孔、スリット等の損傷状況を、その位置に関する情報を含めて、非破壊で簡便に検知することができる導電性構造体の損傷検知方法、およびその損傷検知方法において用いる損傷検知用電気信号線路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、材料表面に貼られた導電性パッチの電気抵抗がパッチの変位・損傷により変化することを利用して、その電気的特性から損傷を検知しようとする試み(非特許文献1を参照)がなされている。あるいは導電性構造体を電磁波伝送線路として利用することにより樹脂の成形状況や接着層の健全性評価を行う技術(非特許文献2、非特許文献3を参照)が研究されている。
【0003】
また、これに関係する技術として、従来においては、導電性変化から導電性構造体の損傷を検出する方法についての研究開発が行われている。その場合に、主に用いられる検出方法としては、電極プローブを被験体にあてて局部的な導電性変化を検出する方法か、あるいは高周波コイルで被験体面を走査して電磁誘導から導電性変化を検出する方法(渦電流法)が用いられる。
【非特許文献1】
(財)ファインセラミックスセンター 奥原 他 : 第3回「知的材料・構造システム」シンポジウム講演集(2002年1月)pp.33-36
【非特許文献2】
卜部 他:第3回「知的材料・構造システム」シンポジウム講演集(2002年1月)pp.79-82、
【非特許文献3】
英国 Strathclyde大学 Banks et al.:Journal of Physics D Vol. 29 (1996)pp.233-239
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、導電性構造体を被験体とし、被験体表面のき裂、きず、孔、スリット等の損傷状況を検出する場合、例えば、導電性構造体の被験体に電極プローブをあてて、局所的導電性変化を検出する方法を用いる場合は、電極プローブと被験体面の電気的接触状態が測定に極めて鋭敏に影響するので、広範な場所を隈無くかつ安定して検査することは困難である。
【0005】
また、電極プローブとして針状電極を用いる場合は、試験体面を針状電極によって、傷つける可能性もある。さらに、渦電流法を用いる場合であっても、過電流法では、コイルと被験体面との距離が測定に鋭敏に影響するので、これを一定に保ちつつ二次元的に走査する必要がある。このため、導電性構造体の被験体を、安定して検査することは困難である。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、導電性構造体を被験体とし、被験体表面のき裂、きず、孔、スリット等の損傷状況を、その位置に関する情報を含め、非破壊で簡便に検知することができる導電性構造体の損傷検知方法、およびその損傷検知方法において用いる損傷検知用電気信号線路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するため、本発明による導電性構造体の損傷検知方法は、被験体である板状の導電性材料あるいは構造体の面に対して、厚みが一定の薄い絶縁シート上に線路導体を貼り付けた前記絶縁シートの側を接触させ、前記線路導体の一端と被験体との間に、正弦波、ステップあるいはパルスの電気信号を印加して、電気信号の伝送特性を計測し、測定した伝送特性の波形により被験体表面の損傷状況と損傷位置に関する情報をえることを特徴とするものである。
【0008】
ここでの厚みが一定の薄い絶縁シート上に貼り付ける線路導体としては、導電性の箔または線材を用いる。
【0009】
また、本発明による導電性構造体の損傷検知方法は、損傷状況と損傷位置の2次元的な分布を得るために、被験体である板状の導電性材料あるいは構造体の面に対して、厚みが一定の薄い絶縁シート上に線路導体を貼り付けた前記絶縁シートの側を接触させ、前記線路導体の一端と被験体との間に、正弦波、ステップあるいはパルスの電気信号を印加して、電気信号の伝送特性を計測し、測定した伝送特性の波形により被験体表面の損傷状況と損傷位置に関する情報をえることを、被験体に接触させる絶縁シートの側の位置を変えて繰り返し行い、損傷状況と損傷位置の2次元的な分布を得ることを特徴とする。
【0010】
また、このような導電性構造体の損傷検知方法において用いる損傷検知用電気信号線路は、厚みが一定の薄い絶縁シートと、前記絶縁シートの上に貼り付けられた線路状の導電性箔と、前記導電性箔および絶縁シートを固定して保持する硬質絶縁材とから構成されることを特徴とするものである。
【0011】
このような特徴を有する本発明による導電性構造体の損傷検知方法によれば、被験体である板状の導電性材料あるいは構造体の面に対して、厚みが一定の薄い絶縁シート上に線路導体を貼り付けた前記絶縁シートの側を接触させることで、絶縁シートにより線路導体と被験体面との間の距離が一定に保たれる。この線路導体の一端と被験体との間に、正弦波、ステップあるいはパルスの電気信号を印加し、電気信号の伝送特性を計測することで、測定した伝送特性の波形により被験体表面の損傷状況と損傷位置に関する情報をえることができる。ここで、線路導体の一端と被験体との間に印加する電気信号は、正弦波、ステップあるいはパルスのいずれかの電気信号である。ステップの電気信号は、電圧が立ち上がった後、少なくとも対象とする線路を信号が伝搬している間は一定値を維持する電気信号であり、また、パルスの電気信号は、ごく短時間で0Vに戻る電気信号である。「正弦波」、「ステップ」、「パルス」のいずれの信号形態においても、計測波形は伝送特性を反映したものとなるので、電気信号として用いることができる。
【0012】
また、被験体に接触させる絶縁シートの側の位置を変えて、前述の損傷検知方法を繰り返し行い、接触させる位置を被験体面上で横方向に移動することにより、被験体面上の任意の場所で、損傷を検出することができる。その場合、測定結果には線路方向での位置情報(一次元情報)が含まれるので二次元的に走査する必要はなく、線路方向と直交する方向のみに移動させて電気信号の伝送特性を検出することで、損傷の二次元的な分布や大きさを検出することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施する場合の形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明による損傷検知方法の動作原理を説明する説明図であり、図2は、本発明による損傷検知方法の動作原理を説明するためのマイクロストリップ線路の構造を説明する図である。図3は、本発明による導電性構造体の損傷検知方法において用いる損傷検知用電気信号線路の平面図であり、図4は、その損傷検知用電気信号線路の断面図である。図1〜図4を参照して説明する。
【0014】
まず、導電性構造体の損傷検知方法の動作原理について説明する。図1に示すように、導電性の細長い箔あるいは線材(線路導体)12を厚みが一定の薄い絶縁シート11と硬質絶縁材13の間に挟み、その絶縁シート11の側を、被験体とする板状の金属等の導電性材料あるいは構造体(以下被験体と記す)100の面に一様に隙間なく接触させる。このような状態にすると、これは、高周波電磁波の伝送線路の一種であるマイクロストリップ線路と見なすことができる。
【0015】
つまり、導電性箔あるいは線材12を、絶縁シート11を介して導電性構造体の被験体100に接触させた状態が、図2に示すように、マイクロストリップ線路の線路導体22が誘電体21を介してグランド導体20に接触している状態となる。ここでは、導電性箔あるいは線材12が線路導体22となり、被験体100がグランド導体20であり、絶縁シート11がこれらを隔てる誘電体21となる。そこで、図1の下部に示すように、導電箔あるいは線材12の一端と被験体100との間に正弦波、ステップあるいはパルス等の電気信号を印加すると、電気信号はこの線路を伝送されるので、その伝送特性を測定する。
【0016】
マイクロストリップ線路の伝送特性を表すパラメータは、特性インピーダンスZである。図2のような形態のマイクロストリップ線路で、w≧hの場合、特性インピーダンスZは下記の式で表される。
【数式1】
Figure 2004198184
【0017】
例えば、被験体100にきずがある場合、すなわち、図2のマイクロストリップ線路の例で説明すると、グランド導体20にきずがある場合、この場合には、当該きずの部分では線路導体22とグランド導体20との距離が増加することになり、きずの形態によってはきず自体が別の伝送線路として働くので、当該きずの部分が特性インピーダンスの不連続部となる。一般に電磁波伝送線路に不連続点があり、そこで特性インピーダンスZがZからZに変化した場合、電気信号はその部分で反射を生ずる。反射率Rは下記の式で表される。
【数式2】
Figure 2004198184
このきずの部分で生ずる反射を、ステップ入力あるいはパルス入力に対する時間領域応答特性の検出が可能な信号発生装置付オシロスコープあるいはネットワークアナライザ等で検出すると、きずの部分からの反射信号(ステップの上昇/下降あるいはパルスの発生)が、当該部分までの電気信号の往復伝搬時間に対応する時間遅れをもって検出される。また、電気信号として正弦波を用いる場合には、上記の反射による信号強度あるいは位相変化として、きずが検出される。
【0018】
したがって、伝搬する電気信号の応答波形を測定することにより、電気信号の往復伝搬時間に対応する時間遅れを波形で検出することで、きずの存在のみならず、線路導体(細長い箔または線材)の長手方向でのきずの位置も検出できる。
【0019】
なお、線路導体22がきずから離れると伝送特性には影響がなくなるので、線路導体22を、その長手方向と直角な方向に動かして、さまざまな場所での応答特性の計測を行うか、あるいは一枚の絶縁シート11(誘電体21)に複数の箔あるいは線材12(線路導体22)を貼り付けてその各々の電気信号の伝送特性を計測することにより、線路導体22と直交方向における傷の位置や大きさの検出も行えるようになる。
【0020】
上述のようにして、きずの位置や大きさの検出が精度良く行うためには、その条件として、絶縁シートの厚みが一定であることと、これと被験体との接触が隙間なく一様であることが、きずのないところでの線路の特性インピーダンスを一定とし、きず以外の部分からの不要な応答を抑制するために必要となる。そのため、本発明の損傷検知方法で用いる損傷検知用電気信号線路には、後述するように、必要に応じて硬質絶縁材と線路導体との間に弾性のあるシート等を挟むことが望ましい。また、本発明による導電性構造体の損傷検知方法を、曲率を持つ被験体(導電性構造体、例えば航空機の機体など)に適用する場合には、絶縁シートを被験体の面に一様に密着させるために、例えば可撓性のある、または柔軟性のある絶縁シートに導電性箔を張付けたものを用いるようにする。
【0021】
また、導電性構造体の被験体がその表面に厚さ一定の絶縁性の皮膜を有している場合には、上記の絶縁シートを省略して導電性箔あるいは線材を直接被験体に接触させるようにしてもよい。この場合においても、前述の場合と同様に、マイクロストリップ線路を形成するような状態となるので、本発明による導電性構造体の損傷検知方法の適用が可能である。
【0022】
ここで被験体とする導電性構造体としては、航空機をはじめ、車両、鉄橋等、荷重を付加される金属構造体であって、そのき裂、きず、孔、スリット等の損傷が大きな事故や人的・物的損害につながるものが考えられる。これらにおいて、本発明の導電性構造体の損傷検知方法は、特に有効である。
【0023】
図3は、本発明による導電性構造体の損傷検知方法において用いる損傷検知用電気信号線路の平面図であり、図4は、そのa−a‘方向およびb−b’方向の断面図である。損傷検知方法において用いる損傷検知用電気信号線路は、図3および図4に示すように、厚みが一定の薄い絶縁シート11と、絶縁シート11の上に貼り付けられた線路状の導電性箔12と、導電性箔12および絶縁シート11を固定して保持する硬質絶縁材13とから構成される。前述したように、必要に応じて硬質絶縁材と線路導体との間に弾性のあるシート等を挟む。
【0024】
厚みが一定の薄い絶縁シート11としては、樹脂シートを用い、絶縁シート11の上に、線路状の導電性箔12として銅箔粘着テープを貼り付ける。この導電性箔12および絶縁シート11を、取り扱いやすくし、被験体に接触させるために硬質絶縁材13のアクリル板に固定して保持できるようにする。
【0025】
次に、上述のように構成された損傷検知用電気信号線路を用いて、本発明による導電性構造体の損傷検知方法により、金属構造体表面の損傷を検出する場合の具体例について説明する。図5は、本発明の損傷検知方法の実施例を説明する図である。
(1)金属板のスリットを検出する場合、
図5に示すように、樹脂シート(厚さ0.2mm)に銅箔の粘着テープ(厚さ35μm、幅2mm、長さ29.3cm)を貼付け、この樹脂シートが外側になるように、これら樹脂シートおよび銅箔の粘着テープを固定して保持するためのアクリル板に貼り付ける。その際、電気信号の入力端とするために、樹脂シートおよび銅箔の端部3mmがアクリル板からはみ出るようにする。
【0026】
樹脂シート面と被験体面との密着を良くするために、樹脂シートとアクリル板との間に厚さ2mmのシリコンゴムシートを挟む。このアクリル板の樹脂シート側を被験体面に押しつけて、銅箔の端部に、同軸ケーブルを介してタイムドメインレフレクトメトリ機能付ディジタルオシロスコープに接続されたTDR測定用プローブの信号端子を接触させ、さらに、このTDR測定用プローブのグランド端子を被験体端面に接触させる。そして、ディジタルオシロスコープから立ち上がり時間30ps、電圧振幅(高さ)0.2Vのステップ電圧を供給し、時間領域応答特性を記録した。
【0027】
(実験例1:アルミニウムブロックにおける幅0.3mmのスリットの検出例)
図6は、アルミニウムブロックにおけるスリットを検出した例を説明する図である。図6に示すグラフは、アルミニウムブロック(幅24mm、厚さ27mm、長さ60mm)の、長さ方向の中央に幅方向一杯に入れられた幅(ブロックの長さ方向)0.3mmのスリットの検出例を示している。
【0028】
線路導体は、図6の右側に示すように、ブロックの中央にスリットを横切る方向に配置されている。図中に「スリットによる応答」として示した応答の立ち上がり部分が、スリットの位置に対応する。スリットが応答の立ち上がりとして検出されており、スリットが深い方が、特性インピーダンス変化が大きいため、応答の高さが高くなっている。
【0029】
(実験例2:アルミニウム板における幅0.5mmのスリットの検出例)
図7は、アルミニウム板におけるスリットを検出した例を説明する図である。図7に示すグラフは、アルミニウム板(厚さ1mm、長さ24.5cm)における幅0.5mmの厚さ方向に貫通したスリット(10mm長、20mm長の2つのスリット)の検出例を示す。図6に示した場合と同様に、スリットを横切る場合には、対応する位置に応答の立ち上がりが生じている。そして、スリットを複数横切っているので、それぞれについて対応する場所に立ち上がりが生じている。この場合、入力端から離れたスリットからの応答は、入力端側に位置するスリットの影響を受けるためやや立ち上がりが鈍くなり不鮮明になる。また、長いスリットからの応答の方が、ピークの高さが高くなる。
【0030】
(実験例3:炭素繊維強化プラスチック板における幅1mmの繊維欠損部の検出例)
図8は、炭素繊維強化プラスチック板における繊維欠損部を検出した例を説明する図である。図8に示すグラフは、繊維欠損部分のある炭素繊維一方向強化プラスチック板(厚さ2.2mm、長さ30cm)において、全層の表面側半分の層に幅1mmの繊維欠損部の検出例を示している。繊維の欠損部を横切る場合にのみ、当該部で応答の立ち上がりが生じている。なお、金属の場合に比べて、応答のベースが場所により異なること、立ち上がりの後の下降が緩慢であること、および、欠損部が複数ある場合に入力端から離れた欠損部からの応答が不鮮明になる傾向が強いことは、いずれも炭素繊維の導電性が金属に比べて低いことに起因する。
【0031】
以上に説明した実験例1〜3では、線路導体の幅を2mm、長さを29.3cm(試験体の測定対象部分の長さは6cm〜29.3cm)としているが、線路導体(測定対象部分)の長さは、さらに長くとることも可能である。
【0032】
ただし、この場合、途中の伝送損失の影響を受けるため傷が入力端から離れるに従い応答信号の波形の変化が不明瞭になる。実際の応用にあたっては、被験体が金属の場合には、測定対象部分として概ね数m程度まで対応可能と思われる。線路導体の幅を広くとる方が、また、試験体の抵抗が低い方が、途中の減衰が小さくなるので測定対象部分の長さを長くとることができる。
【0033】
ところで、線路導体の幅が広くなると、横方向(線路と直交方向)の傷弁別能力が下がるとともに、横方向の長さが小さい傷に対する検出感度が落ちる。さらに、線路の特性インピーダンスは、数式1に示したように、線路の幅および導体との間隔(絶縁シートの厚み)に依存するので、入力部での反射の影響を低減するには、ここでの線路の特性インピーダンスを、ケーブルおよびプローブ、コネクタ等の特性インピーダンスに一致させることが望ましい。線路導体の幅は、以上を勘案して、測定状況に応じた適切なものに設定する。
【0034】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の導電性構造体の損傷検知方法によれば、従来の方法に比べ、検出のためのシートを被検査材にあてて、その電気信号の伝送特性を測定するだけで、広範囲の損傷を従来方法に比べて簡便に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による導電性構造体の損傷検知方法の動作原理を説明する説明図、
【図2】本発明による損傷検知方法の動作原理を説明するためのマイクロストリップ線路の構造を説明する図、
【図3】本発明の損傷検知方法において用いる損傷検知用電気信号線路の平面図、
【図4】損傷検知用電気信号線路のa−a‘方向およびb−b’方向の断面図、
【図5】本発明の損傷検知方法の一実施例を説明する図である。
【図6】本発明の損傷検知方法によりアルミニウムブロックにおけるスリットを検出した例を説明する図である。
【図7】本発明の損傷検知方法によりアルミニウム板におけるスリットを検出した例を説明する図である。
【図8】本発明の損傷検知方法により炭素繊維強化プラスチック板における繊維欠損部を検出した例を説明する図である。
【符号の説明】
11…絶縁シート、
12…導電性箔
13…硬質絶縁材
20…グランド導体
21…誘電体
22…線路導体
100…被験体

Claims (4)

  1. 被験体である板状の導電性材料あるいは構造体の面に対して、厚みが一定の薄い絶縁シート上に線路導体を貼り付けた前記絶縁シートの側を接触させ、
    前記線路導体の一端と被験体との間に、正弦波、ステップあるいはパルスの電気信号を印加して、電気信号の伝送特性を計測し、
    測定した伝送特性の波形により被験体表面の損傷状況と損傷位置に関する情報をえる
    ことを特徴とする導電性構造体の損傷検知方法。
  2. 前記線路導体は、導電性の箔または線材である
    ことを特徴とする請求項1に記載の導電性構造体の損傷検知方法。
  3. 被験体である板状の導電性材料あるいは構造体の面に対して、厚みが一定の薄い絶縁シート上に線路導体を貼り付けた前記絶縁シートの側を接触させ、
    前記線路導体の一端と被験体との間に、正弦波、ステップあるいはパルスの電気信号を印加して、電気信号の伝送特性を計測し、
    測定した信号伝送特性の波形により被験体表面の損傷状況と損傷位置に関する情報をえる
    ことを
    被験体に接触させる絶縁シートの側の位置を変えて繰り返し行い、
    損傷状況と損傷位置の2次元的な分布を得る
    ことを特徴とする導電性構造体の損傷検知方法。
  4. 請求項1に記載の導電性構造体の損傷検知方法において用いる損傷検知用電気信号線路であって、
    厚みが一定の薄い絶縁シートと、
    前記絶縁シートの上に貼り付けられた線路状の導電性箔と、
    前記導電性箔および絶縁シートを固定して保持する硬質絶縁材と
    から構成されることを特徴とする損傷検知用電気信号線路。
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